説明

バルブ制御装置

【課題】磁性移動体、特に磁石から放出される磁界の磁束が周囲に漏れるのを抑制することで、ストロークセンサの感磁面に印加される磁界の磁束の量(磁束密度)が減少するのを防止する。
【解決手段】ウェイストゲートバルブ制御装置においては、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して垂直方向で、且つ磁性移動体7の外形線で囲まれた領域をこの垂直方向に投影した投影部に、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与える外部磁性体や外部磁石等の配置を防止するための雄側のコネクタハウジング8を設置している。そして、雄側のコネクタハウジング8の外形線で囲まれた領域をこの垂直方向に投影した範囲内に磁気回路(磁性移動体7およびストロークセンサS)を設置している。これにより、磁気回路の周囲(近傍)に、外部磁性体や外部磁石等が配置されることが阻まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータのロッドのストローク量を検出するストローク検出装置を備えたバルブ制御装置に関するもので、特に内燃機関のウェイストゲートバルブを駆動するアクチュエータのロッドのストローク量を検出するストローク検出装置を備えたウェイストゲートバルブ制御装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)の吸気管に設置されたスロットルバルブと、このスロットルバルブを支持するシャフトを駆動するアクチュエータと、シャフトの位置を検出する磁気センサ(特にホール素子)を有し、ホール素子から出力されるセンサ出力信号に基づいてスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出装置とを備えたスロットルバルブ制御装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
このスロットル開度検出装置は、図11に示したように、2つの第1、第2ハウジング101、102により形成される内部空間内にロータ103が回転可能に設置されている。
ロータ103は、スロットルバルブを支持するシャフト104と、第1空間内に配設された磁石構造体とを備えている。
【0003】
磁石構造体は、ロータ103の回転軸と同軸上に配置された永久磁石105と、この永久磁石105に一体回転可能に固定された一対のヨーク106、107と、これらのヨーク106、107を永久磁石105に固定する連結部108とによって構成されている。 第2ハウジング102は、第1ハウジング101内を密閉するように覆うカバー109と、複数のターミナル110が設けられたコネクタハウジング111と、一対のヨーク106、107の各磁極面の間に位置するように延設され、表面にホール素子112等が実装された基板部113とを備えている。
特許文献1に記載のスロットル開度検出装置は、永久磁石105から発生する磁束がヨーク106またはヨーク107の内部を通過し、一対のヨーク106、107の各磁極面の間に設置されたホール素子112によって磁束を検出するように構成されている。
【0004】
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載のスロットル開度検出装置においては、ホール素子112の感磁面に対して直交する垂直方向、あるいは図面に対して直交する垂直方向に永久磁石105が配置されると、その永久磁石105から発生する外部磁界によって、一対のヨーク106、107間の磁界が乱される。これにより、シャフト104の位置に対応した磁束を得ることができなくなるので、ホール素子112による検出精度が悪化するという問題が生じている。
【0005】
また、一対のヨーク106、107の外周部に、ホール素子112に対して磁気的障害(磁気ノイズ)を与える外部磁性体が配置された場合には、永久磁石105から発生する磁界が乱され、永久磁石105の磁束が周囲(外部磁性体)に漏れてしまう。これにより、ホール素子112を通過する磁束密度が弱くなるので、ホール素子112による検出精度が低下するという問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−74613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、磁性移動体、特に磁石から放出される磁界の磁束が周囲に漏れるのを抑制することで、センサの感磁面に印加される磁界の磁束の量(磁束密度)が減少するのを防止することのできるバルブ制御装置を提供することにある。また、センサの感磁面に対して、外部部品(外部磁性体や外部磁石等)からの磁気ノイズの影響を受け難くすることで、センサによる検出精度の向上を図ることのできるバルブ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、バルブを駆動するロッドをその軸線方向に往復移動させるアクチュエータと、このアクチュエータのロッドの軸線方向への移動量(と同一方向であるストローク方向への移動量:ロッドのストローク量)を検出するストローク検出手段とを備えている。
ストローク検出手段は、一定の磁束密度の磁界を発生する磁石を含む磁性移動体、およびこの磁性移動体の移動に伴って変化する磁束を検出するセンサを有している。
磁性移動体は、ロッドに一体的に設置されている。これにより、ロッドがその軸線方向に移動すると、磁性移動体もロッドと同じ移動量分だけ、ロッドの軸線方向と平行する方向または同一方向に移動する。
センサの感磁面は、磁性移動体、特に磁石から印加される磁界の磁束(密度、磁界の強さ)を感磁する部位である。
アクチュエータには、センサに対して磁気的障害を与える外部部品(外部磁性体や外部磁石等)の配置を防止するための障害物が設置されている。その障害物は、センサの感磁面に対して直交する垂直方向に設置されて、センサに対して磁気的障害を与え難い非磁性材料によって形成されている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、センサの感磁面に対して直交する垂直方向に、非磁性材料(非磁性体)によって形成された障害物を設置したことにより、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路の周囲(近傍)に、センサに対して磁気的障害を与える外部部品が配置されることが阻まれる。これによって、磁性移動体、特に磁石から放出される磁界の磁束が周囲に漏れてセンサの感磁面に印加される磁界の磁束の量(磁束密度)が減少するのを防止することができる。
また、センサの感磁面に対して直交する垂直方向に、非磁性材料によって形成された障害物を設置したことにより、障害物の周囲に外部部品が配置された場合であっても、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路と外部部品との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保できる。
これによって、センサに対する外部部品からの磁気ノイズや外乱磁界の影響を磁気回路、特にセンサが受け難くなるので、センサの周辺における磁界の乱れの影響が限りなく小さくなる。したがって、センサによる検出精度、つまりロッドのストローク量の検出精度の向上を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、磁性移動体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した投影部に障害物を設置したことにより、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路の周囲に、センサに対して磁気的障害を与える外部部品が配置されることが阻まれる。
また、磁性移動体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した投影部に障害物を設置したことにより、障害物の周囲に外部部品が配置された場合であっても、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路と外部部品との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保できる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、アクチュエータのロッドの軸線方向への移動に伴って磁性移動体が移動可能な範囲(エリア)の全領域に渡って障害物を設置したことにより、磁性移動体が移動可能な範囲(エリア)に対して、外部部品による外乱の影響を小さくすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、アクチュエータに、ロッドの軸振れを許容しつつ、ロッドをその軸線方向に摺動自在に支持するロッド軸受を設けている。そして、バルブの開閉動作に伴ってアクチュエータのロッドが軸振れ可能な範囲(エリア)の全領域、つまりロッドの軸振れに伴って磁性移動体が揺動可能な範囲(エリア)の全領域に渡って障害物を設置したことにより、ロッド軸線方向と同一方向のロッドストローク方向における外部部品の配置不可に加えて、ロッド軸振れ方向においても外部部品を配置できなくなる。これにより、センサによる更なる検出精度の向上が望める。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、ロッド軸線方向中心線を境にして障害物側に対して反対側にアクチュエータを構成する各機能部品を配置したことにより、障害物の周囲に外部部品が配置された場合であっても、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路と外部部品との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保できる。
請求項6に記載の発明によれば、アクチュエータを構成する各機能部品は、センサに対して磁気的障害を与え難い非磁性材料(非磁性体)によって形成されている。つまり磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路に対して、磁気ノイズや外乱磁界とならない。
【0013】
請求項7に記載の発明によれば、互いに嵌合可能な雌雄一対のコネクタハウジングを備えたことを特徴としている。
雌雄一対のコネクタハウジングのうちの雄側のコネクタハウジングに、センサから外部に向けて延設された筒状のフード部を設けている。また、雌雄一対のコネクタハウジングのうちの雌側のコネクタハウジングに、雄側のコネクタハウジングのフード部の外側に嵌合する筒状の嵌合筒部を設けている。
請求項8に記載の発明によれば、障害物とは、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の内側に嵌合する筒状のフード部を有する雄側のコネクタハウジングのことである。
そして、雄側のコネクタハウジングのフード部の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した範囲(エリア)内に磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路を設置したことにより、雄側のコネクタハウジングのフード部の体格範囲内においても外部部品を配置することができない。
【0014】
請求項9に記載の発明によれば、障害物とは、雄側のコネクタハウジングのフード部の外側に嵌合する筒状の嵌合筒部を有する雌側のコネクタハウジングのことである。
そして、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した範囲(エリア)内に磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路を設置したことにより、雄側のコネクタハウジングのフード部の体格のみで磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路を覆えない場合、あるいは磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路の中央からずらして雄側のコネクタハウジングを配置する場合であっても、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の体格範囲内においても外部部品を配置することができない。
【0015】
請求項10に記載の発明によれば、障害物とは、雄側のコネクタハウジングのフード部の外側に嵌合する筒状の嵌合筒部を有する雌側のコネクタハウジングのことである。
そして、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の外形線で囲まれた領域に、雌雄一対のコネクタハウジングを接続する作業スペースを追加した領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した範囲(エリア)内に磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路を設置したことにより、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の体格のみで磁性移動体およびセンサを覆えない場合、あるいは磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路の中央からずらして雌雄一対のコネクタハウジングを接続する場合であっても、雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部の体格範囲と雌雄一対のコネクタハウジングを接続する作業スペースとを含む範囲内においても外部部品を配置することができない。
【0016】
請求項11に記載の発明によれば、アクチュエータは、動力源であるモータの回転を減速する減速機構と、この減速機構の回転運動をロッドの直線運動に変換する変換機構とを備えたことを特徴としている。
請求項12に記載の発明によれば、減速機構は、モータによって回転駆動される駆動ギヤ、およびこの駆動ギヤと噛み合って回転する従動ギヤを有することを特徴としている。 請求項13に記載の発明によれば、変換機構は、バルブの動作パターンに対応した形状のカム溝を有し、減速機構(の従動ギヤ)の回転に伴って回転するカムと、このカムのカム溝に移動自在に挿入されるフォロワとを備えている。また、ロッドは、フォロワを回転自在に支持する支軸を有し、一端側がフォロワおよび支軸を介してカムに連結し、他端側がバルブに連結することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ウェイストゲートバルブ制御装置を示した説明図である(実施例1)。
【図2】ストロークセンサ(ホールIC)と雄側のコネクタハウジング(障害物)との位置関係を示した断面図である(実施例1)。
【図3】ウェイストゲートバルブ制御装置を示した説明図である(実施例1)。
【図4】ストロークセンサ(ホールIC)と雄側のコネクタハウジング(障害物)との位置関係を示した断面図である(実施例1)。
【図5】雄側のコネクタハウジングをセンサカバーに装着した例を示した側面図である(実施例1)。
【図6】ストロークセンサ(ホールIC)と雄側のコネクタハウジング(障害物)との位置関係を示した断面図である(実施例2)。
【図7】雄側のコネクタハウジングをロッドの軸振れ範囲上に設置した例を示した側面図である(実施例3)。
【図8】雌側のコネクタハウジングの体格範囲に磁性移動体を配置した例を示した側面図である(実施例4)。
【図9】雌側のコネクタハウジングの組付作業範囲に磁性移動体を配置した例を示した側面図である(実施例5)。
【図10】雌側のコネクタハウジングの組付作業範囲に磁性移動体を配置した例を示した側面図である(実施例6)。
【図11】スロットル開度検出装置を示した断面図である(従来の技術)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、センサの感磁面に印加される磁界の磁束の量(磁束密度)が減少するのを防止するという目的を、磁性移動体、特に磁石から放出される磁界の磁束が周囲に漏れるのを抑制することで実現した。また、センサによる検出精度の向上を図るという目的を、センサの感磁面に対して、外部部品(外部磁性体や外部磁石等)からの磁気ノイズの影響を受け難くすることで実現した。
具体的には、センサの感磁面に対して直交する垂直方向で、且つ磁性移動体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した投影部に、非磁性材料によって形成された障害物(例えばケースの外壁面より外部に向けて突出するコネクタハウジングまたは突条リブ等)を設置したことで実現した。
これによって、センサに対して磁気的障害を与える外部部品(外部磁性体や外部磁石等)の配置が阻まれる。また、障害物の周囲に外部部品(外部磁性体や外部磁石等)が配置された場合であっても、磁性移動体およびセンサ等により構成される磁気回路と外部部品(外部磁性体や外部磁石等)との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保できる。
【実施例1】
【0019】
[実施例1の構成]
図1ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1および図3はウェイストゲートバルブ制御装置を示した図で、図2および図4はストロークセンサと雄側のコネクタハウジングとの位置関係を示した図で、図5は雄側のコネクタハウジングをセンサカバーに装着した例を示した図である。
【0020】
本実施例の内燃機関のウェイストゲートバルブ制御装置は、内燃機関の過給圧制御装置として使用されるシステムであって、ターボチャージャのウェイストゲート流路を開閉するウェイストゲートバルブ1と、このウェイストゲートバルブ1のシャフト2に連結するリンクレバー3等のリンク機構と、リンクレバー3を介してウェイストゲートバルブ1に駆動連結するロッド4を有する電動アクチュエータと、内燃機関(エンジン)の運転状況に基づいてウェイストゲートバルブ1の開閉制御を行ってエンジンの過給圧を可変制御するエンジン制御ユニット(ECU)とを備えている。
【0021】
ウェイストゲートバルブ1は、エンジンに搭載されるターボチャージャのウェイストゲート流路を流れる排気ガスの流量を制御する排気ガス流量制御弁の弁体である。このウェイストゲートバルブ1は、エンジン運転時に、ECUからの制御信号に基づいて、ウェイストゲートバルブ1の全閉位置から全開位置に至るまでのバルブ作動範囲で回転動作されることで、ウェイストゲート流路の開口面積(排気ガス流通面積)を変更する。
ウェイストゲートバルブ1の背面(隔壁:バルブシートに着座する着座面に対して反対側の端面)には、L字状のシャフト2が一体的に設けられている。
なお、ウェイストゲートバルブ1の詳細は後述する。
【0022】
電動アクチュエータは、ロッド4のストローク方向(ロッド軸方向)への移動量(ロッド4のストローク量)に応じてウェイストゲートバルブ1の開閉制御を行う。
電動アクチュエータは、ストローク方向(軸線方向)に往復移動するロッド4の他に、ロッド4の揺動(軸振れ)を許容しつつ、ロッド4をその往復移動方向(ロッド4のストローク方向)に摺動自在に支持するロッド軸受(スラスト軸受)5と、ロッド4に対して、ウェイストゲートバルブ1を閉じる側(バルブ全閉側)に付勢する付勢力(スプリング荷重)を発生するコイルスプリング6と、スラスト軸受5およびコイルスプリング6等の構成部品を収容するアクチュエータケースとを備えている。ここで、電動アクチュエータのロッド4は、そのストローク方向の先端側が、アクチュエータケースの円環状の端面よりアクチュエータケース外部側に突出している。
なお、電動アクチュエータの詳細は、後述する。
【0023】
エンジンは、複数の気筒を有する多気筒ディーゼルエンジンが採用されている。このエンジンの複数(各気筒毎)の吸気ポートには、吸入空気が流れる吸気管が接続されている。この吸気管の途中には、ターボチャージャのコンプレッサ、インタークーラ、スロットルバルブおよびインテークマニホールド等が設置されている。
また、エンジンの複数(各気筒毎)の排気ポートには、排気ガスが流れる排気管が接続されている。この排気管の途中には、エキゾーストマニホールドおよびターボチャージャのタービン等が設置されている。
【0024】
ターボチャージャは、タービンとコンプレッサとを備え、吸入空気をコンプレッサで圧縮し、圧縮された空気をエンジンの各気筒毎の燃焼室に送り込むターボ過給機である。
タービンは、渦巻形状のタービンハウジングを備えている。このタービンハウジング内には、タービンインペラ(タービンホイール)が設置されている。
コンプレッサは、渦巻形状のコンプレッサハウジングを備えている。このコンプレッサハウジング内には、コンプレッサインペラ(コンプレッサホイール)が設置されている。 また、タービンインペラとコンプレッサインペラとは、ロータシャフトによって一体となって回転するように連結されている。
ターボチャージャは、タービンインペラが排気ガスにより回転駆動されると、コンプレッサインペラも回転し、このコンプレッサインペラが吸入空気を圧縮する。
【0025】
ここで、本実施例のターボチャージャのタービンハウジングには、ウェイストゲート流路およびウェイストゲートバルブ1が設けられている。
ウェイストゲート流路は、タービンハウジングに導入された排気ガスを、タービンインペラを経由しないで、つまりタービンインペラを迂回(バイパス)してタービンインペラよりも下流側の排気通路へ流すためのバイパス通路(流体通路)である。
あるいはウェイストゲート流路は、エンジンより流出した排気ガスを、エキゾーストマニホールドの集合部よりも下流側から分岐して、ターボチャージャのタービンよりも排気ガス流方向の下流側で排気通路に合流させる、つまり排気ガスをタービンハウジングよりバイパスさせるためのバイパス通路(流体通路)である。
【0026】
本実施例のウェイストゲート流路は、タービンハウジングの入口部の隔壁で開口した上流側連通孔(ウェイストゲートポート)と、タービンハウジングの出口部の隔壁で開口した下流側連通孔とを連通する。
ウェイストゲートバルブ1は、例えばステンレス鋼等の金属材料によって円板形状に形成されている。このウェイストゲートバルブ1は、電動アクチュエータのロッド4のストローク方向の先端部に接続されて、タービンハウジングの入口部の隔壁(バルブシート)に対して着座、離脱して、ウェイストゲート流路、特にウェイストゲートポートを開閉する排気ガス制御弁である。また、ウェイストゲートバルブ1は、回転中心軸を中心にして回転することで、ウェイストゲート流路、特にウェイストゲートポートの開口面積を連続的または段階的に可変する。
【0027】
ウェイストゲートバルブ1のシャフト2と電動アクチュエータのロッド4との間には、電動アクチュエータのロッド4の直線運動をウェイストゲートバルブ1の回転運動に変換するリンク機構が設置されている。
このリンク機構は、図1、図3および図5に示したように、一端側が電動アクチュエータのロッド4のストローク方向(往復移動方向)の先端側に連結し、且つ他端側がウェイストゲートバルブ1のシャフト2の先端側(バルブ側に対して反対側)に連結したリンクレバー3等を有している。
ここで、ロッド4のストローク方向の先端側には、ロッド4の裏面側から打ち込まれて表面側に突出した第1ヒンジピン(第1支持軸)11が固定(または一体的に形成)されている。また、ウェイストゲートバルブ1のシャフト2には、第1ヒンジピン11の突出方向と同一方向に突出した第2ヒンジピン(第2支持軸)12が一体的に形成(または固定)されている。
【0028】
リンクレバー3は、図1に示したように、ウェイストゲートバルブ1の回転中心軸と同一軸心上に回転軸(リンクレバー3の回転中心)を有し、且つロッド4と結合する第1結合部、およびウェイストゲートバルブ1のシャフト2と結合する第2結合部を有している。第1結合部には、第1ヒンジピン11が嵌合する断面円形状の第1嵌合孔が形成されている。また、第2結合部には、第2ヒンジピン12が嵌合する断面円形状の第2嵌合孔が形成されている。
ここで、リンクレバー3の第1結合部とは、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置と全開位置との間を回転動作する際、リンクレバー3の回転軸を中心にした所定の曲率半径の曲線である回転作動線(リンクレバー3の回転作動線:図示一点鎖線)上を移動する結合部(結合部の中心、結合点)のことである。
【0029】
そして、リンクレバー3の回転作動線とは、ウェイストゲートバルブ1が全閉開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点とし、ウェイストゲートバルブ1が全開開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全開点としたとき、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点とリンクレバー3の回転作動線上の全開点とを、ウェイストゲートバルブ1の回転中心軸(リンクレバー3の回転軸)を中心にした所定の曲率半径の曲線で結んだ円弧軌跡のことである。
【0030】
リンクレバー3は、第1ヒンジピン11の外周に回転自在に支持されている。また、リンクレバー3は、第2ヒンジピン12に固定されている。
第1ヒンジピン11は、ウェイストゲートバルブ1、シャフト2およびリンクレバー3等を回転自在に支持している。
第2ヒンジピン12は、途中で直角に屈曲したシャフト2の電動アクチュエータ側端部に固定されている。この第2ヒンジピン12は、ターボチャージャのタービンハウジングの側壁部に回転自在に支持されている。また、第2ヒンジピン12の中心は、ウェイストゲートバルブ1の回転中心となっている。
以上によって、ウェイストゲートバルブ1は、第1ヒンジピン11、リンクレバー3、第2ヒンジピン12を介して、ロッド4のストローク方向の先端側に連結されるヒンジバルブを構成する。
【0031】
次に、本実施例の電動アクチュエータの詳細を図1ないし図5に基づいて説明する。
電動アクチュエータは、ロッド4、スラスト軸受5およびコイルスプリング6の他に、電力の供給を受けて駆動力(モータトルク)を発生する電動モータMと、この電動モータMの回転を2段減速する減速機構と、この減速機構の回転運動を往復直線運動に変換する変換機構と、電動アクチュエータのロッド4のストローク位置を検出するストローク量検出装置(磁性移動体7、ストロークセンサS)と、これらの各構成部品を収容するアクチュエータケースとを備えている。
ここで、本実施例の電動アクチュエータのアクチュエータケースには、互いに嵌合可能な雌雄一対のコネクタハウジング8、9が一体的に設置されている(図8ないし図10参照)。
【0032】
減速機構は、3つの減速ギヤにより構成されている。減速機構は、電動モータMのモータシャフト(回転軸、出力軸)13、このモータシャフト13に対して並列配置された2つの第1、第2支持軸(中間ギヤシャフト、最終ギヤシャフト)14、15、モータシャフト13に固定されたピニオンギヤ(モータギヤ)16、このピニオンギヤ16と噛み合って回転する中間ギヤ(駆動ギヤ、第1ギヤ)17、およびこの中間ギヤ17と噛み合って回転する最終ギヤ(従動ギヤ、第2ギヤ、平歯車)18等によって構成されている。
変換機構は、回転するプレートカム21、このプレートカム21のカム溝22内に移動自在に挿入されるフォロワ23、およびこのフォロワ23を回転自在に支持するピボットピン24等によって構成されている。
【0033】
ここで、電動アクチュエータのアクチュエータケースは、電動モータMを収容保持するモータハウジング25と、減速機構および変換機構を回転自在に収容するギヤハウジング26と、このギヤハウジング26の開口部を塞ぐセンサカバー(蓋体)27とを備えている。
モータハウジング25、ギヤハウジング26は、ステンレス鋼等の非磁性材料によって形成されている。また、センサカバー27は、電気絶縁性に優れる樹脂材料等の非磁性材料によって形成されている。
【0034】
ここで、ギヤハウジング26の側壁よりバルブ側に位置する円筒状のベアリングホルダ28には、ロッド4の軸方向に貫通する軸受孔が形成されている。この軸受孔の孔壁面には、スラスト軸受5が圧入嵌合されている。また、ギヤハウジング26の側壁よりバルブ側に突出する円筒状のスプリングホルダ29内には、コイルスプリング6が収容されている。
なお、電動アクチュエータのアクチュエータケース、特に雌雄一対のコネクタハウジング8、9の詳細は、後述する。
【0035】
電動アクチュエータのロッド4は、その軸線方向と同一方向のストローク方向(ロッド軸方向)に真っ直ぐに延びている。このロッド4は、フォロワ23およびピボットピン24を介して、プレートカム21に連結(接続)するプレート(平板)状の第1ロッド31と、リンク機構(リンクレバー3等)を介して、ウェイストゲートバルブ1のシャフト2に連結(接続)するプレート(平板)状の第2ロッド32と、第1ロッド31と第2ロッド32とを連結する断面円形状の接続ロッド33とによって構成されている。なお、第1ロッド31、第2ロッド32および接続ロッド33は、例えばステンレス鋼等の金属材料(非磁性体)によって形成されており、溶接等により接続されて一体部品となっている。
【0036】
第1ロッド31は、フォロワ23およびピボットピン24を介して、プレートカム21から荷重を受ける入力部である。この第1ロッド31の表面は、磁性移動体7をネジ締結固定するための磁性移動体搭載面となっている。なお、磁性移動体7を第1ロッド31に樹脂モールド成形することで固定しても良い。
また、第1ロッド31の一端部(接続ロッド33側に対して反対側の端部)には、ピボットピン24が嵌合する嵌合孔34が形成されている。なお、ピボットピン24は、第1ロッド31の裏面側から打ち込まれて表面側に突出して第1ロッド31に接続(固定)されている。
また、第1ロッド31の他端部には、接続ロッド33の軸線方向の一端側と溶接により接続される第1連結部35が設けられている。
【0037】
第2ロッド32は、リンクレバー3および第1、第2ヒンジピン11、12を介して、ウェイストゲートバルブ1に荷重を与える出力部である。この第2ロッド32の一端部(接続ロッド33側の端部)には、接続ロッド33の軸線方向の他端側と溶接により接続される第2連結部36が設けられている。
第2ロッド32の他端部(接続ロッド33側に対して反対側の端部)には、第1ヒンジピン11が嵌合する嵌合孔(図示せず)が形成されている。なお、第1ヒンジピン11は、第2ロッド32の裏面側から打ち込まれて表面側に突出して第2ロッド32に接続(固定)されている。
【0038】
接続ロッド33は、第1ロッド31の第1連結部35と第2ロッド32の第2連結部36とを連結する中継部である。この接続ロッド33の第1ロッド31側端部の外周には、コイルスプリング6からストローク方向のバルブ全閉側に付勢する荷重を受け止める荷重受け部である円環状(鍔状、フランジ状)のスプリングシート37が装着されている。また、接続ロッド33は、スラスト軸受5の軸受中心を中心に揺動自在で、且つスラスト軸受5の軸線方向に摺動自在に支持されている。なお、スプリングシート37は、第1ロッド31の第1連結部35の端面に係止されている。
【0039】
スラスト軸受5は、接続ロッド33をそのストローク方向(ロッド軸方向)に摺動自在に支持するものである。このスラスト軸受5の内部には、ロッド4の軸方向に貫通する貫通孔(摺動孔)が形成されている。また、スラスト軸受5の内周面(接続ロッド33と摺動する摺動面)は、スラスト軸受5の軸受中心付近で最もロッド軸中心線側に突出する凸曲面となっている。これにより、接続ロッド33の揺動(軸振れ)が許容される。
【0040】
コイルスプリング6は、ロッド4に対して、ウェイストゲートバルブ1を閉じる側(ストローク方向のバルブ全閉側)に付勢する付勢力(荷重)を発生するロッド(バルブ)付勢手段である。このコイルスプリング6の一端は、スプリングシート37に保持され、コイルスプリング6の他端は、ベアリングホルダ28の端部とスプリングホルダ29とを連結する円環状の隔壁(閉鎖壁)38に保持されている。
これによって、電動アクチュエータのロッド4、特に第1ロッド31には、コイルスプリング6からのスプリング荷重(バルブ全閉側に付勢する荷重)が作用している。
【0041】
減速機構は、電動モータMのトルクを変換機構に伝達する動力伝達機構を構成する。この減速機構は、上述したように、中間ギヤシャフト14、最終ギヤシャフト15、ピニオンギヤ16、中間ギヤ17および最終ギヤ18等によって構成されている。
中間ギヤシャフト14および最終ギヤシャフト15は、互いに並列配置されている。また、3つのギヤ16〜18は、ギヤハウジング26の減速ギヤ収納空間内において回転自在に収容されている。
【0042】
中間ギヤシャフト14は、ギヤハウジング26の嵌合孔に打ち込まれてギヤハウジング26の嵌合部に圧入固定されている。この中間ギヤシャフト14の軸方向中心線は、中間ギヤ17の回転中心を構成している。また、中間ギヤシャフト14の外周には、2つのベアリング(軸受:図示せず)を介して、中間ギヤ17が回転自在に支持されている。なお、2つのベアリングは設けなくても良い。
また、中間ギヤシャフト14の中間ギヤ17の端面より突出した突出部の外周には、円環状の周方向溝が形成されている。この周方向溝には、中間ギヤシャフト14の外周に中間ギヤ17を嵌め合わせた際に、中間ギヤシャフト14からの中間ギヤ17の抜け止めを行うワッシャおよびCリング等の中間ギヤ抜け止め手段が装着されている。
【0043】
最終ギヤシャフト15は、ギヤハウジング26の嵌合孔41に打ち込まれて円筒状の嵌合部42に圧入固定されている。この最終ギヤシャフト15の軸方向中心線は、最終ギヤ18の回転中心を構成している。また、最終ギヤシャフト15の外周には、2つのベアリング(軸受)43を介して、最終ギヤ18が回転自在に支持されている。なお、2つのベアリング43は設けなくても良い。
また、最終ギヤシャフト15の最終ギヤ18の端面より突出した突出部の外周には、円環状の周方向溝が形成されている。この周方向溝には、最終ギヤシャフト15の外周に最終ギヤ18を嵌め合わせた際に、最終ギヤシャフト15からの最終ギヤ18の抜け止めを行うワッシャおよびCリング等の最終ギヤ抜け止め手段が装着されている。
【0044】
ピニオンギヤ16は、金属材料または樹脂材料によって形成されている。このピニオンギヤ16は、モータシャフト13の外周に圧入固定されている。ピニオンギヤ16の外周には、中間ギヤ17と噛み合う複数の凸状歯(ピニオンギヤ部)44が周方向全体に形成されている。
中間ギヤ17は、金属材料または樹脂材料によって形成されており、中間ギヤシャフト14の外周に回転自在に嵌め合わされている。この中間ギヤ17は、中間ギヤシャフト14の周囲を周方向に取り囲むように設置された円筒部を有している。この円筒部の外周には、円環状の最大外径部(径大部)が一体的に形成されている。
【0045】
中間ギヤ17の径大部の外周には、ピニオンギヤ16の凸状歯44と噛み合う複数の凸状歯(大径ギヤ部)45が周方向全体に形成されている。また、円筒部(径小部)の外周には、最終ギヤ18と噛み合う複数の凸状歯(小径ギヤ部)46が周方向全体に形成されている。
最終ギヤ18は、金属材料または樹脂材料によって形成されており、2つのベアリング43を介して、最終ギヤシャフト15の外周に回転自在に嵌め合わされている。この最終ギヤ18は、最終ギヤシャフト15の周囲を周方向に取り囲むように設置された円筒部を有している。この円筒部には、円筒部の外周面より扇状に広がるフランジ47を有している。
最終ギヤ18のフランジ47の外周部には、中間ギヤ17の凸状歯46と噛み合う複数の凸状歯(扇状の大径ギヤ部)48が所定の角度分だけ扇状に形成されている。
【0046】
変換機構は、最終ギヤ18の回転運動をロッド4の直線運動に変換する運動方向変換機構である。この変換機構は、最終ギヤ18の最終ギヤシャフト15を中心にして最終ギヤ18と一体的に回転するプレートカム21、このプレートカム21のカム溝22内に移動自在に挿入されるフォロワ23、およびこのフォロワ23を回転自在に支持するピボットピン24等によって構成されている。
【0047】
プレートカム21は、金属材料によって所定の形状に形成されており、最終ギヤ18のカム装着部に固定されている。なお、最終ギヤ18が樹脂材料で形成されている場合、プレートカム21は最終ギヤ18にインサート成形される。また、最終ギヤ18が金属材料で形成されている場合、最終ギヤ18とプレートカム21とを焼結金属等で一体化しても良い。このように構成することで、最終ギヤ18の回転軸とプレートカム21の回転軸とが共通化されるため、最終ギヤ18の回転中心(最終ギヤシャフト15の回転中心)とプレートカム21の回転中心とが一致する。また、最終ギヤ18の作動角度(最終ギヤ作動角)とプレートカム21の回転角度(カム回転角)とが等しくなる。
プレートカム21のカム溝22は、ウェイストゲートバルブ1の動作パターンに対応した湾曲形状のガイド部である。
ここで、プレートカム21のカム形状およびプレートカム21の回転角度は、ウェイストゲートバルブ1を全閉位置から全開位置まで駆動するのに必要なロッドストローク量に対して決定される。
【0048】
フォロワ23は、金属材料によって円筒形状に形成されており、ピボットピン24の外周に回転自在に嵌め合わされている。このフォロワ23は、ピボットピン24の周囲を周方向に取り囲むように円筒部を有している。
ピボットピン24は、ロッド4の嵌合孔34に打ち込まれてロッド4に圧入固定されている。なお、ピボットピン24のフォロワ23の円筒部の端面より突出した突出部には、フォロワ23の抜け止めを行うために潰されて鍔状にカシメられたフランジが形成されている。
また、フォロワ23の回転中心は、プレートカム21の回転中心と共に、ロッド4のストローク方向の中心線上、つまりロッド軸中心線上に設置されている。
【0049】
電動モータMは、電動アクチュエータの動力源であって、モータハウジング25のモータ収納空間内に収容保持されている。この電動モータMは、ECUによって通電制御されるように構成されている。
そして、ECUには、CPU、ROM、RAM等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECUは、ストロークセンサS、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、過給圧センサおよび車速センサ等の各種センサのセンサ出力信号に基づいて、スロットルバルブの電動アクチュエータ、ウェイストゲートバルブ1の電動アクチュエータを制御する。
【0050】
次に、本実施例のストローク量検出装置の詳細を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
ストローク量検出装置は、ロッド4に一体的に設置された磁性移動体7と、この磁性移動体7のストローク位置を検出するストロークセンサSとを備えている。
なお、ECUは、ストロークセンサSから出力される出力値(センサ出力値)に基づいて、電動アクチュエータのロッド4の直線的なストローク位置を演算(検出)するロッドストローク検出手段としての機能を有している。
【0051】
磁性移動体7は、検出対象物であるロッド4のストローク方向への移動に伴って直線変位(移動)するように、ロッド4に一体的に設置(締結一体化)されている。この磁性移動体7は、平行な一定の磁束密度の磁界を発生する2つの第1、第2マグネット(磁石)51、52、およびこれらの磁石51、52の磁極面から放出された磁束(磁界)をストロークセンサSに対して集中させる長方形枠体状の磁性フレーム(磁性体)等によって構成されている。
2つの磁石51、52は、直方体形状に形成されており、ストロークセンサSに向けて磁束(磁界)を放出する永久磁石である。これらの磁石51、52は、板長さ方向および板幅方向に対して直交する板厚さ方向の両端部が互いに極性が逆向きになるようにN極とS極とが着磁されている。また、2つの磁石51、52は、磁石内部の磁力線の向きが互いに平行となるように平行着磁されている。また、2つの磁石51、52は、所定のエアギャップを隔てて対向して配置されている。
【0052】
また、2つの磁石51、52は、ロッド軸中心線に対して直交する垂直方向に着磁されている。また、2つの磁石51、52は、互いに対向する磁極面同士が同一極性(例えばN極)となるように着磁されている。なお、図1に示した矢印は、2つの磁石51、52の磁極面から放出される磁束線の方向(磁界方向)を表す。
これにより、磁石51の着磁方向(板厚さ方向)は、ロッド軸中心線に対して直交する垂直方向と一致しており、磁石51の板厚さ方向の一方側(図1において図示上方側)の磁極面がS極とされ、また、磁石51の板厚さ方向の他方側(図1において図示下方側)の磁極面がN極とされている。また、磁石52の着磁方向(板厚さ方向)は、ロッド軸中心線に対して直交する垂直方向と一致しており、磁石52の板厚さ方向の一方側(図1において図示上方側)の磁極面がN極とされ、また、磁石52の板厚さ方向の他方側(図1において図示下方側)の磁極面がS極とされている。
【0053】
磁性体は、閉磁路を形成する鉄、ニッケル、フェライト等の磁性材料によって形成されている。この磁性体は、長手方向、つまりロッド軸中心線に沿うように延びる直方体形状の上下ブロック(ロッド軸方向ブロック:以下ブロックと略す)54、55、および短手方向、つまりロッド軸中心線に対して直交する垂直線に沿うように延びる直方体形状の左右ブロック(ロッド垂直方向ブロック:以下ブロックと略す)56、57によって構成されている。また、磁性体は、第1ロッド31の磁性移動体搭載面上に締結ネジや締結ボルト等のスクリュー58を用いて締め付け固定される複数のブラケット59を有している。 ブロック54、55の中央部は、エアギャップを隔てて対向して配置された第1、第2マグネット(磁石)保持部を有している。ブロック54、55の磁石保持部の内側面(対向面)には、磁石51、52の磁極面(極性が共にS極)が接触した状態で磁石51が接着剤等の固定手段を用いて保持固定されている。
なお、磁石をストロークセンサS側に設置して磁性移動体7を磁性体のみで構成しても良い。
【0054】
ストロークセンサSは、磁性移動体7を構成する2つの磁石51、52および磁性体を伴って構成される磁気回路の途中に位置するように、つまり磁性移動体7で周囲を囲まれたセンサ収容空間内に位置するようにセンサカバー27のセンサ搭載部(センサホルダ)に保持されている。このストロークセンサSは、センサカバー27のセンサ搭載部(センサホルダ)から第1ロッド31側に突出するように設置されている。
また、ストロークセンサSは、磁性移動体7のストローク方向への移動に伴って変化する磁束(磁束密度、磁界分布、磁界強さ)を検出する非接触式の磁気検出素子であるホール素子を有している。このホール素子には、磁性移動体7、特に磁石51、52から印加される磁界の磁束密度(磁束の量)や磁界の強さを感磁する感磁面Fが設けられている。
【0055】
そして、ストロークセンサSは、ホール素子の感磁面Fを鎖交する磁束密度に対応した電気信号(電圧信号、センサ出力信号:以下センサ出力値と言う)をECUに向けて出力するホールICを主体に構成されている。このホールICは、ホール素子と増幅回路とを一体化したICチップのことであって、磁性体の内部に形成される長方形状のセンサ収容空間内において、磁性移動体7に対して相対的に移動可能に設置されている。なお、非接触式の磁気検出素子として、ホールICの代わりに、ホール素子単体または磁気抵抗素子(MR素子)を使用しても良い。
【0056】
ここで、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置にある時、図1に実線で示した位置で保持される。また、磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全開位置にある時、図1に二点鎖線で示した位置および図3に実線で示した位置で保持される。
また、磁気回路は、磁石51、ホール素子を有するホールIC、磁性体のブロック57およびブロック54により構成される閉磁路型の第1磁気回路、磁石51、磁性体のブロック56およびブロック54により構成される閉磁路型の第2磁気回路、磁石52、ホール素子を有するホールIC、磁性体のブロック57およびブロック55により構成される閉磁路型の第3磁気回路、並びに磁石52、磁性体のブロック56およびブロック55により構成される閉磁路型の第4磁気回路等を有している。
【0057】
また、ストロークセンサSは、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置と全開位置との間にある場合、磁性移動体7のストローク位置(基準位置に対する相対位置)とロッド4のストローク量とが対応しており、また、ロッド4のストローク位置とウェイストゲートバルブ1のバルブ開度とが対応している。このため、ECUは、磁性移動体7のストローク位置、つまり磁束密度の変化に対応して出力されるセンサ出力信号を測定して、ロッド4のストローク量を求め、このロッド4のストローク量からウェイストゲートバルブ1のバルブ開度を求め、このバルブ開度からウェイストゲート流路を流れる排気ガスの流量を求めることが可能である。
【0058】
ここで、磁性移動体7のストローク位置をセンシングする方式として、ホールIC、ホール素子またはMR素子を使用して、非接触での磁気検出で実施する場合、磁性移動体7とストロークセンサSのホールICとで構成される磁気回路の近傍に鉄等の磁性体があると、非接触式の磁気検出素子が検出する磁場が安定して確保できない可能性がある。そこで、本実施例の電動アクチュエータを構成する機能部品、つまり磁気回路に近接配置される機能部品であるロッド4、最終ギヤ18、プレートカム21、フォロワ23、ピボットピン24、最終ギヤシャフト15を非磁性材料(ステンレス鋼等の非磁性金属、非磁性樹脂等)で構成することで、磁気回路への外乱磁界の影響を回避している。
【0059】
ここで、本実施例の電動アクチュエータのアクチュエータケース、特にセンサカバー27には、相手側コネクタである雌側のコネクタハウジング9に嵌合可能な雄側のコネクタハウジング8が一体的に設置されている。
雄側のコネクタハウジング8は、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して垂直方向に設置され、且つ磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの領域の垂直方向に投影した投影部に設置されている。また、雄側のコネクタハウジング8は、電動アクチュエータのロッド4のストローク方向への移動に伴って磁性移動体7が移動可能な範囲(エリア:図1に二点鎖線で示す)の全領域に渡って設置されている。これにより、雄側のコネクタハウジング8は、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与える外部部品(外部磁性体や外部磁石等)の配置を防止するための障害物としての機能も有している。
【0060】
また、雄側のコネクタハウジング8には、電動モータMやストロークセンサS、特にセンサカバー27の外壁面から外部に向けて延設された筒状のフード部61が一体的に形成されている。
また、雄側のコネクタハウジング8のベース部62には、電動モータMやストロークセンサSと外部電源やECUとを電気的に接続する複数の外部接続端子(コネクタターミナル)10がフード部61の内部空間で突出して露出するように保持固定されている。また、フード部61の外周面には、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63に設けられるロックアーム(図示せず)に係止されるロック突起64が一体的に形成されている。
なお、雄側のコネクタハウジング8および複数のコネクタターミナル10によって雄型コネクタが構成される。また、雌側のコネクタハウジング9、複数のターミナルおよび電線の端末部によって雌型コネクタが構成される。
【0061】
[実施例1の作用]
次に、本実施例のウェイストゲートバルブ1の開閉制御を行う電動アクチュエータの作動を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
【0062】
ECUは、過給圧センサにより検出される過給圧が設定値に満たない場合、ウェイストゲートバルブ1が全閉状態となるように、電動モータMへの電力供給を制御する。
これによって、電動アクチュエータの構成部品が、全閉状態に止まるため、ウェイストゲートバルブ1が全閉状態を継続する。これにより、ウェイストゲート流路は閉鎖される。この結果、エンジンより排出された排気ガスの全量は、ターボチャージャのタービンハウジングの入口部から流入してタービンインペラを回転させ、タービンハウジングの出口部から排出される。
一方、吸気管内に吸い込まれた吸入空気は、タービンインペラの回転により駆動されるコンプレッサインペラによって圧縮されて圧力(過給圧)が上昇する。そして、圧力が上昇した吸入空気は、エンジンに吸い込まれる。
【0063】
ECUは、過給圧センサにより検出される過給圧が設定値以上に上昇した場合、つまり予め設定された最大過給圧を超える場合、ウェイストゲートバルブ1が全開状態となるように、電動モータMへの電力供給を制御する。
これによって、電動モータMのモータシャフト13が全開方向に回転する。これにより、モータトルクが、ピニオンギヤ16、中間ギヤ17、最終ギヤ18に伝達される。そして、最終ギヤ18からモータトルクが伝達されたプレートカム21が、最終ギヤ18の回転に伴って所定の回転角度(最終ギヤ18の作動角度と等しい回転角度)だけ全開方向に回転する。
すると、ピボットピン24がカム溝22を摺動(滑動)して、カム溝22の全閉位置から全開位置まで移動することにより、第1ロッド31がコイルスプリング6を圧縮しながらロッド4のストローク方向のバルブ開側に直線移動する(押し出される)。すると、ロッド4の直線移動に伴って、第1、第2ロッド31、32および接続ロッド33がロッド4のストローク方向のバルブ開側に直線移動する。
【0064】
さらに、第2ロッド32の直線移動に伴って、第1ヒンジピン11がロッド4のストローク方向のバルブ開側に直線移動することにより、リンクレバー3が第2ヒンジピン12を中心にして全開方向に回転する。すると、第2ヒンジピン12の回転に伴ってウェイストゲートバルブ1も第2ヒンジピン12を中心にして全開方向に回転する。これにより、ウェイストゲートバルブ1がバルブシートより離脱して全開状態となるため、ウェイストゲート流路が開放される。
この結果、エンジンからタービンハウジングの入口部に流入した排気ガスの一部がタービンインペラをバイパスするウェイストゲート流路を通ってタービンハウジングの出口部に排出される。これにより、タービンインペラに作用する排気エネルギーが減少し、タービンインペラの回転速度が低下するので、ターボチャージャの過回転が防止される。
また、過給圧または排気圧が過大とならないようになる。また、タービンインペラの過回転に伴うタービンインペラの破損等が防止される。
【0065】
ECUは、過給圧センサにより検出される過給圧が設定値よりも低下した場合、ウェイストゲートバルブ1が全閉状態となるように、電動モータMへの電力供給を制御する。
これによって、電動モータMのモータシャフト13が全閉方向に回転する。これにより、モータトルクが、ピニオンギヤ16、中間ギヤ17、最終ギヤ18、プレートカム21に伝達される。そして、プレートカム21が、最終ギヤ18の回転に伴って所定の回転角度だけ全閉方向に回転する。
すると、ピボットピン24がカム溝22を摺動(滑動)して、カム溝22の全開位置から全閉位置まで移動することにより、ロッド4のストローク方向のバルブ閉側にロッド4が直線移動する(引き戻される)。すると、ロッド4の直線移動に伴って第1、第2ロッド31、32および接続ロッド33がロッド4のストローク方向のバルブ閉側に直線移動する。
【0066】
さらに、第2ロッド32の直線移動に伴って、第1ヒンジピン11がロッド4のストローク方向のバルブ閉側に直線移動することにより、リンクレバー3が第2ヒンジピン12を中心にして全閉方向に回転する。すると、第2ヒンジピン12の回転に伴ってウェイストゲートバルブ1も第2ヒンジピン12を中心にして全閉方向に回転する。これにより、ウェイストゲートバルブ1がバルブシートに着座して全閉状態となるため、ウェイストゲート流路が閉鎖される。
また、ウェイストゲートバルブ1は、エンジンの運転状況、特に過給圧センサにより検出される過給圧に基づいて、全閉位置と全開位置との中間の中間開度に設定するように制御される。この場合、ウェイストゲートバルブ1のバルブ開度が過給圧に基づいて連続的または段階的に変更されるため、ウェイストゲート流路を通過する排気ガスの流量を連続的または段階的に微調整できる。これにより、エンジンの過給圧を連続的または段階的に可変制御できる。
【0067】
[実施例1の特徴1]
以上のように、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して垂直方向で、且つ磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与える外部部品(外部磁性体や外部磁石等)の配置を防止するための障害物を設置している。これにより、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路の周囲(近傍)に、上記の外部磁性体や外部磁石等の配置が阻まれる。
ここで、本実施例では、障害物として、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の内側に嵌合するフード部61を有する雄側のコネクタハウジング8を採用している。この雄側のコネクタハウジング8のフード部61は、センサカバー27の外壁面から外部に向けて延設されている。
【0068】
そして、雄側のコネクタハウジング8のフード部61の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した範囲(エリア)内に磁気回路を設置している。これにより、雄側のコネクタハウジング8のフード部61の体格範囲内においても外部磁性体や外部磁石等を配置することができない。つまり、磁気回路の周囲(近傍)に、外部磁性体や外部磁石等が配置されることが阻まれる。
これによって、磁性移動体7、特に2つの磁石51、52の磁極面(N極)からの磁束が、外部磁性体や外部磁石等へ漏れてホール素子の感磁面Fを通過する磁束が減るのを防止できる。すなわち、2つの磁石51、52の磁極面(N極)から放出される磁界の磁束が周囲に漏れてホール素子の感磁面Fに印加される磁界の磁束の量(磁束密度)が減少するのを防止することができる。
【0069】
また、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して直交する垂直方向で、且つ磁性移動体7の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に雄側のコネクタハウジング8を設置したことにより、雄側のコネクタハウジング8のフード61の周囲に外部磁性体や外部磁石等が配置された場合であっても、磁気回路と外部磁性体や外部磁石等との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保することができる。
これによって、ストロークセンサSに対する外部磁性体や外部磁石等からの磁気ノイズや外乱磁界の影響を磁気回路、特にホールICが受け難くなるので、磁気回路、特にホールICの周辺における磁界の乱れの影響が限りなく小さくなる。
したがって、ストロークセンサSによる検出精度、つまりロッド4の直線的なストローク量の検出精度の向上を図ることができる。この結果、ロッド4のストローク量の制御性、つまりウェイストゲートバルブ1の開度制御の制御性を向上することができる。
【0070】
[実施例1の特徴2]
また、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に雄側のコネクタハウジング8を設置している。これにより、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路の周囲に、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与える外部磁性体や外部磁石等が配置されることが阻まれる。
また、磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に雄側のコネクタハウジング8を設置したことにより、雄側のコネクタハウジング8の周囲に外部磁性体や外部磁石等が配置された場合であっても、磁気回路と外部磁性体や外部磁石等との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保することができる。
【0071】
[実施例1の特徴3]
また、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、アクチュエータのロッド4のストローク方向への移動に伴って磁性移動体7が移動可能な範囲(エリア)の全領域(フルロッドストローク)に渡って障害物(雄側のコネクタハウジング8のフード部61)を設置している。これにより、磁性移動体7が移動可能な範囲(エリア)に対して、外部磁性体や外部磁石等による外乱磁界の影響を小さくすることができる。
したがって、ストロークセンサSによる検出精度、つまりロッド4の直線的なストローク量の検出精度の向上を図ることができる。この結果、ロッド4のストローク量の制御性、つまりウェイストゲートバルブ1の開度制御の制御性を向上することができる。
【0072】
[実施例1の特徴4]
また、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ロッド軸中心線を境にして雄側のコネクタハウジング8側に対して反対側に電動アクチュエータを構成する各機能部品(ロッド4、最終ギヤ18、プレートカム21等)を配置している。これにより、雄側のコネクタハウジング8の周囲に外部磁性体や外部磁石等が配置された場合であっても、磁気回路と外部磁性体や外部磁石等との間に、磁気ノイズや外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保することができる。
また、電動アクチュエータの機能部品であるロッド4、最終ギヤ18、プレートカム21、フォロワ23、ピボットピン24、最終ギヤシャフト15を、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与え難い非磁性材料によって形成している。つまり磁気回路に対して、磁気ノイズや外乱磁界とならない。
【実施例2】
【0073】
[実施例2の特徴]
図6は本発明の実施例2を示したもので、ストロークセンサと雄側のコネクタハウジングとの位置関係を示した図である。
【0074】
本実施例の雄側のコネクタハウジング(障害物)8は、センサカバー27の外壁面から外部に向けて突出する突条リブ65、およびこの突条リブ65の側面から外部に向けてセンサカバー27の面方向に沿うように突出する筒状のフード部66等によって構成されている。
雄側のコネクタハウジング8は、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して垂直方向に設置され、且つ磁性移動体7の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に設置されていれば、雌側のコネクタハウジング9との接続方向、つまりフード部66の開口部の向きは自由である。
【実施例3】
【0075】
[実施例3の構成]
図7は本発明の実施例3を示したもので、雄側のコネクタハウジングをロッドの軸振れ範囲上に設置した例を示した図である。
【0076】
本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ウェイストゲートバルブ1のシャフト2と電動アクチュエータのロッド4との間に、ロッド4の直線運動をウェイストゲートバルブ1の回転運動に変換するリンク機構を設置している。このリンク機構は、一端側が第1ヒンジピン11を介してロッド4に連結し、且つ他端側が第2ヒンジピン12を介してウェイストゲートバルブ1のシャフト2に連結したリンクレバー3等によって構成されている。
【0077】
このリンクレバー3は、ウェイストゲートバルブ1の回転中心軸と同一軸心上に回転軸(リンクレバー3の回転中心)を有し、且つロッド4と結合する第1結合部、およびウェイストゲートバルブ1のシャフト2と結合する第2結合部を有している。そして、第1結合部は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置と全開位置との間を回転動作する際、リンクレバー3の回転軸を中心にした所定の曲率半径の曲線である回転作動線(リンクレバー3の回転作動線:図示一点鎖線)上を移動するように構成されている。
【0078】
ここで、リンクレバー3の回転作動線とは、図7に示したように、ウェイストゲートバルブ1が全閉開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点とし、ウェイストゲートバルブ1が全開開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全開点としたとき、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点とリンクレバー3の回転作動線上の全開点とを、ウェイストゲートバルブ1の回転中心軸(リンクレバー3の回転軸)を中心にした所定の曲率半径の曲線で結んだ円弧軌跡のことである。
【0079】
また、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、図7に示したように、ウェイストゲートバルブ1の開閉動作に伴ってロッド4が軸振れ可能な範囲の全領域に渡って雄側のコネクタハウジング(障害物)8を設置している。
ここで、ロッド4が軸振れ可能な範囲、つまり磁性移動体7が揺動可能な範囲を次のように設定している。
すなわち、ウェイストゲートバルブ1が全閉開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点(A)とし、また、ウェイストゲートバルブ1が全開開度となるリンクレバー3の回転作動線上の回転作動点を、リンクレバー3の回転作動線上の全開点(B)として設定する。
【0080】
そして、ウェイストゲートバルブ1の全閉時にリンクレバー3の回転軸(リンクレバー3の回転中心)LOと全閉点(A)とを結ぶ直線を、全閉時レバー中心線L1とし、また、ウェイストゲートバルブ1の全開時にリンクレバー3の回転中心LOと全開点(B)とを結ぶ直線を、全開時レバー中心線L2として設定する。
そして、全閉時レバー中心線L1と全開時レバー中心線L2との角度中心線を、レバー作動角中心線LCとし、また、ロッド4のストローク方向(軸線方向)の中心線をロッド軸中心線RCとして設定する。
【0081】
そして、リンクレバー3の回転作動線上の全閉点を点Aとし、また、スラスト軸受5の軸受中心Oを中心にして点Aと対称位置関係にある点を点A’とし、また、レバー作動角中心線LCとロッド軸中心線RCとが垂直になる位置関係にある交点を点Cとし、また、スラスト軸受5の軸受中心Oを中心にして点Cと対称位置関係にある点を点C’として設定する。
以上のように設定されているとき、ロッド4が軸振れ可能な範囲、つまり磁性移動体7が揺動可能な範囲は、スラスト軸受5の軸受中心Oを通り点Aと点A’とを結ぶ第1直線AOA’またはこの第1直線AOA’の延長線と、スラスト軸受5の軸受中心Oを通り点Cと点C’とを結ぶ第2直線COC’またはこの第2直線COC’の延長線との交差角度∠A’OC’の範囲となる。
【0082】
[実施例3の特徴]
以上のように、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ウェイストゲートバルブ1のシャフト2と電動アクチュエータのロッド4との間に、ロッド4の直線運動をウェイストゲートバルブ1の回転運動に変換するリンク機構を設置している。このような構造の場合、電動アクチュエータのロッド4の推力によってリンクレバー3を回転させ、ウェイストゲートバルブ1を回転動作させるときに、スラスト軸受5の軸受中心Oを中心にしてロッド4に軸振れが発生する。そして、ロッド4が振れると、第1ロッド31に一体的に設置された磁性移動体7の磁石51、52の磁極面とストロークセンサSのホール素子の感磁面Fとの間の距離が変動して、ホール素子の感磁面Fを鎖交する磁束密度(磁界の強さ)の変化がロッド4のストローク位置に対応せず、ばらつくため、センサ出力信号に対する信頼性が低下するという問題がある。
【0083】
そこで、本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ウェイストゲートバルブ1の開閉動作に伴ってロッド4が軸振れ可能な範囲(エリア)の全領域、つまりロッド4の軸振れに伴って磁性移動体7が揺動可能な範囲(エリア)の全領域に渡って、障害物となる雄側のコネクタハウジング8を設置している。これにより、ロッド軸線方向と同一方向のロッドストローク方向における外部磁性体や外部磁石等の配置不可に加えて、ロッド軸振れ方向においても外部磁性体や外部磁石等を配置できなくなる。これにより、ストロークセンサSによる更なる検出精度の向上が望める。
ここで、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置にある時、図7に実線で示した位置で保持される。また、磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全開位置にある時、図7に二点鎖線で示した位置で保持される。
【実施例4】
【0084】
[実施例4の特徴]
図8は本発明の実施例4を示したもので、雌側のコネクタハウジングの体格範囲に磁性移動体を配置した例を示した図である。
【0085】
本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して垂直方向で、且つ磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に、ストロークセンサSに対して磁気的障害を与える外部磁性体や外部磁石等の配置を防止するための障害物を設置している。
また、障害物は、磁性移動体7、特に長方形枠体状の磁性体の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した投影部に設置されている。これにより、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路の周囲(近傍)に、外部磁性体や外部磁石等が配置されることが阻まれる。
さらに、障害物は、ロッド4のストローク方向への移動に伴って磁性移動体7が移動可能な範囲(エリア)の全領域(フルロッドストローク)に渡って設置されている。これにより、磁性移動体7が移動可能な範囲(エリア)に対して、外部磁性体や外部磁石等による外乱磁界の影響を小さくすることができる。
【0086】
ここで、本実施例では、障害物として、雄側のコネクタハウジング8のフード部61の外側に嵌合する嵌合筒部63を有する雌側のコネクタハウジング9を採用している。
すなわち、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の外形線で囲まれた領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した範囲(エリア)内に磁気回路を設置したことにより、雄側のコネクタハウジング8のフード部61の体格のみで磁気回路を覆えない場合、あるいは磁気回路の中央からずらして雄側のコネクタハウジング8のフード部61を配置する場合であっても、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の体格範囲内においても外部磁性体や外部磁石等を配置することができない。
これによって、磁性移動体7、特に2つの磁石51、52の磁極面(N極)からの磁束が、外部磁性体や外部磁石等へ漏れてストロークセンサSのホール素子の感磁面Fを通過する磁束が減るのを防止できる。また、ストロークセンサSに対する外部磁性体や外部磁石等からの磁気ノイズの影響を受け難くなるため、ストロークセンサSの周辺における磁界の乱れの影響が限りなく小さくなる。
【0087】
また、ストロークセンサSのホール素子の感磁面Fに対して直交する垂直方向に雄側のコネクタハウジング8を設置し、更に雄側のコネクタハウジング8のフード部61の外側に雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63を嵌合したことにより、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の周囲に外部磁性体や外部磁石等が配置された場合であっても、磁気回路と外部磁性体や外部磁石等との間に、外乱磁界の影響が及ばない程度の十分な距離を確保することができる。
したがって、ストロークセンサSによる検出精度、つまりロッド4の直線的なストローク量の検出精度の向上を図ることができる。この結果、ロッド4のストローク量の制御性、つまりウェイストゲートバルブ1の開度制御の制御性を向上することができる。
ここで、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置にある時、図8に破線で示した位置で保持される。また、磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全開位置にある時、図8に二点鎖線で示した位置で保持される。
【実施例5】
【0088】
[実施例5の特徴]
図9は本発明の実施例5を示したもので、雌側のコネクタハウジングの組付作業範囲に磁性移動体を配置した例を示した図である。
【0089】
本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、実施例4の特徴に加えて、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の外形線で囲まれた領域に、雌雄一対のコネクタハウジング8、9を接続する作業スペース(図示斜線部)71、72を追加した領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した範囲(エリア)内に、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路を設置している。作業スペース71、72とは、雄側のコネクタハウジング8に雌側のコネクタハウジング9を接続する際に必要な、作業者の指や組付治具の作業スペースのことである。
これにより、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の体格のみで磁気回路を覆えない場合、あるいは磁気回路の中央からずらして雌雄一対のコネクタハウジング8、9を接続する場合であっても、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の体格範囲と雌雄一対のコネクタハウジング8、9を接続する作業スペース71、72とを含む範囲内においても外部磁性体や外部磁石等を配置することができない。
【0090】
これによって、実施例4と同様な効果を得ることができるので、ストロークセンサSによる検出精度、つまりロッド4の直線的なストローク量の検出精度の向上を図ることができる。この結果、ロッド4のストローク量の制御性、つまりウェイストゲートバルブ1の開度制御の制御性を向上することができる。
ここで、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置にある時、図9に破線で示した位置で保持される。また、磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全開位置にある時、図9に二点鎖線で示した位置で保持される。
【実施例6】
【0091】
[実施例6の特徴]
図10は本発明の実施例6を示したもので、雌側のコネクタハウジングの組付作業範囲に磁性移動体を配置した例を示した図である。
【0092】
本実施例のウェイストゲートバルブ制御装置においては、実施例4及び5の特徴に加えて、雌側のコネクタハウジング9の嵌合筒部63の外形線で囲まれた領域に、雌雄一対のコネクタハウジング8、9を接続する作業スペース(図示斜線部)73、74を追加した領域(平面外形面積)をこの垂直方向に投影した範囲(エリア)内に、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路を設置している。作業スペース73、74とは、雄側のコネクタハウジング8に雌側のコネクタハウジング9を接続する際に必要な、作業者の指や組付治具の作業スペースのことである。
【0093】
以上のように、磁気回路をこの垂直方向に投影した範囲(エリア)内に作業スペース73、74がくるように雌雄一対のコネクタハウジング8、9を配置している。
これによって、実施例4及び5と同様な効果を得ることができるので、ストロークセンサSによる検出精度、つまりロッド4の直線的なストローク量の検出精度の向上を図ることができる。この結果、ロッド4のストローク量の制御性、つまりウェイストゲートバルブ1の開度制御の制御性を向上することができる。
ここで、磁性移動体7およびストロークセンサSにより構成される磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全閉位置にある時、図10に破線で示した位置で保持される。また、磁気回路は、ウェイストゲートバルブ1が全開位置にある時、図10に二点鎖線で示した位置で保持される。
【0094】
[変形例]
本実施例では、本発明のバルブ制御装置を、ウェイストゲートバルブ1を駆動する電動アクチュエータを制御するウェイストゲートバルブ制御装置に適用しているが、本発明のバルブ制御装置を、EGRガス等の排気ガスの流量(調整)を制御する排気ガス流量制御弁の弁体(バルブ)、EGRクーラを通過するEGRガス量とEGRクーラをバイパスするEGRガス量との比率を制御(調整)する排気ガス温度制御弁の弁体(バルブ)を駆動する電動アクチュエータを制御するバルブ制御装置に適用しても良い。
【0095】
本実施例では、アクチュエータとして、リンクレバー3を介してウェイストゲートバルブ1に連結するロッド4を、電動モータMの駆動力を利用して軸線方向(ストローク方向)に往復移動させることでウェイストゲートバルブ1を駆動する電動アクチュエータを用いているが、アクチュエータとして、レバーを介してバルブに連結するロッドを、電磁力または流体圧力を利用して軸線方向(ストローク方向)に往復移動させることでバルブを駆動する電磁アクチュエータまたは流体圧アクチュエータを用いても良い。
なお、ウェイストゲートバルブ1の他に、流路を流れる流体を制御する流体制御弁の弁体(バルブ)を開閉制御するバルブ制御装置としても使用できる。
また、エンジンとして、ディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンを用いても良い。
【符号の説明】
【0096】
F ストロークセンサ(ホールIC)のホール素子の感磁面
M 電動モータ(動力源)
S ストロークセンサ(ロッドストローク検出手段、ホールIC)
1 ウェイストゲートバルブ
2 ウェイストゲートバルブのシャフト
3 リンク機構のリンクレバー
4 電動アクチュエータのロッド
5 スラスト軸受(ロッド軸受)
6 コイルスプリング(ロッド(バルブ)付勢手段)
7 磁性移動体(ロッドストローク検出手段)
8 雄側のコネクタハウジング(障害物)
9 雌側のコネクタハウジング(障害物)
10 コネクタターミナル(外部接続端子)
16 減速機構のピニオンギヤ
17 減速機構の中間ギヤ(駆動ギヤ)
18 減速機構の最終ギヤ(従動ギヤ)
21 変換機構のプレートカム
22 プレートカムのカム溝
23 変換機構のフォロワ
24 変換機構のピボットピン(ロッドの支軸)
51 磁石(第1マグネット)
52 磁石(第2マグネット)
61 雄側のコネクタハウジングのフード部
63 雌側のコネクタハウジングの嵌合筒部
71 作業スペース
72 作業スペース
73 作業スペース
74 作業スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)バルブを駆動すると共に、軸線方向に延びるロッドを有し、前記ロッドをその軸線方向に往復移動させるアクチュエータと、
(b)前記ロッドの軸線方向への移動量を検出するストローク検出手段と
を備え、
前記ロッドの軸線方向への移動量に応じて前記バルブの開閉制御を行うバルブ制御装置において、
前記ストローク検出手段は、前記ロッドに一体的に設置されて、一定の磁束密度の磁界を発生する磁石を含む磁性移動体、およびこの磁性移動体の移動に伴って変化する磁束を検出するセンサを有し、
前記センサは、前記磁性移動体から印加される磁界の磁束を感磁する感磁面を有し、
前記アクチュエータは、前記センサの感磁面に対して直交する垂直方向に設置されて、前記センサに対して磁気的障害を与える外部部品の配置を防止するための障害物を有し、 前記障害物は、非磁性材料によって形成されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブ制御装置において、
前記障害物は、前記磁性移動体の外形線で囲まれた領域をこの領域の垂直方向に投影した投影部に設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバルブ制御装置において、
前記障害物は、前記ロッドの軸線方向への移動に伴って前記磁性移動体が移動可能な範囲の全領域に渡って設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のバルブ制御装置において、
前記アクチュエータは、前記ロッドの軸振れを許容しつつ、前記ロッドをその軸線方向に摺動自在に支持するロッド軸受を有し、
前記障害物は、前記バルブの開閉動作に伴って前記ロッドが軸振れ可能な範囲の全領域に渡って設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のバルブ制御装置において、
前記アクチュエータを構成する各機能部品は、前記ロッドの軸線方向の中心線を境にして前記障害物側に対して反対側に配置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のバルブ制御装置において、
前記アクチュエータを構成する各機能部品は、非磁性材料によって形成されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載のバルブ制御装置において、
互いに嵌合可能な雌雄一対のコネクタハウジングを備え、
前記雌雄一対のコネクタハウジングのうちの雄側のコネクタハウジングは、前記センサから外部に向けて延設された筒状のフード部を有し、
前記雌雄一対のコネクタハウジングのうちの雌側のコネクタハウジングは、前記フード部の外側に嵌合する筒状の嵌合筒部を有していることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載のバルブ制御装置において、
前記障害物とは、前記雄側のコネクタハウジングのことであって、
前記磁性移動体および前記センサは、前記フード部の外形線で囲まれた領域をこの領域の垂直方向に投影した範囲内に設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項9】
請求項7に記載のバルブ制御装置において、
前記障害物とは、前記雌側のコネクタハウジングのことであって、
前記磁性移動体および前記センサは、前記嵌合筒部の外形線で囲まれた領域をこの領域の垂直方向に投影した範囲内に設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項10】
請求項7に記載のバルブ制御装置において、
前記障害物とは、前記雌側のコネクタハウジングのことであって、
前記磁性移動体および前記センサは、前記嵌合筒部の外形線で囲まれた領域に、前記雌雄一対のコネクタハウジングを接続する作業スペースを追加した領域をこの領域の垂直方向に投影した範囲内に設置されていることを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載のバルブ制御装置において、
前記アクチュエータは、動力源であるモータの回転を減速する減速機構と、この減速機構の回転運動を前記ロッドの直線運動に変換する変換機構とを備えたことを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載のバルブ制御装置において、
前記減速機構は、前記モータによって回転駆動される駆動ギヤと、この駆動ギヤと噛み合って回転する従動ギヤとを備えたことを特徴とするバルブ制御装置。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のバルブ制御装置において、
前記変換機構は、前記バルブの動作パターンに対応した形状のカム溝を有し、前記減速機構の回転に伴って回転するカムと、前記カム溝に移動自在に挿入されるフォロワとを備え、
前記ロッドは、前記フォロワを回転自在に支持する支軸を有し、一端側が前記フォロワおよび前記支軸を介して前記カムに連結し、他端側が前記バルブに連結することを特徴とするバルブ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−13179(P2012−13179A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151722(P2010−151722)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】