説明

パワーケーブルおよびそれを用いるモータ駆動システム

【課題】省スペース化を図ることができるパワーケーブルおよびモータ駆動システムを提供する。
【解決手段】モータ駆動システムは、バッテリユニット40と、電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、電源と昇圧コンバータとを接続するパワーケーブル6とを備える。パワーケーブル6は、パワーケーブルの芯となる磁性体コア302と、磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線308とを含む。好ましくは、パワーケーブル6は、導電線308の表面を被覆して絶縁する被覆306と、磁性体コア302および絶縁被覆された導電線304を被覆する被覆310とをさらに含む。好ましくは、モータは、車輪を駆動するトルクを発生し、昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、電源は、車両のエンジン室の外部に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パワーケーブルおよびそれを用いるモータ駆動システムに関し、特に車両用のモータ駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題等に鑑み、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車輪駆動トルクを発生するモータを搭載する車両が注目を浴びている。このような車両をより多く普及させるためには、モータの駆動装置の小型化が必要である。
【0003】
その一方で、バッテリのさらなる高電圧化を避けつつかつモータ電流を小さく抑えるために、バッテリ電圧を昇圧コンバータによって昇圧してモータを駆動するインバータに供給する構成のハイブリッド自動車も生産されている。
【0004】
このような車両においては、昇圧コンバータの中に含まれるリアクトルが比較的大きな部品であるため、駆動装置の小型化の妨げとなっていた。
【0005】
特開平11−41978号公報は、電動機入力線を電動機の固定子鉄心に設けられた溝を用いて固定子鉄心に巻付けることにより、ゼロ相リアクトルの別途の設置を不要とする技術について開示する。
【特許文献1】特開平11−41978号公報
【特許文献2】特開平8−336226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開平11−41978号公報(特許文献1)に開示された技術は、リアクトルの設置を不要とする技術ではあるが、ゼロ相リアクトルに関するものであり昇圧コンバータのリアクトルにそのまま適用できるものではない。
【0007】
また仮にエンジンルーム内に設けられたモータの固定子鉄心を用いてリアクトル機能を実現したとしても、エンジンルーム内においてモータ部分がその分大型化するのでエンジンルーム内の省スペース化を十分に図ることができない。
【0008】
この発明の目的は、省スペース化を一層図ることができるパワーケーブルおよびモータ駆動システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、要約すると、電源と昇圧コンバータとを接続するパワーケーブルであって、パワーケーブルの芯となる磁性体コアと、磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを備える。
【0010】
好ましくは、パワーケーブルは、導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、磁性体コアおよび絶縁被覆された導電線を被覆する第2の被覆とをさらに備える。
【0011】
好ましくは、昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、電源は、車両のエンジン室の外部に配置される。
【0012】
この発明の他の局面に従うと、モータ駆動システムであって、電源と、電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、電源と昇圧コンバータとを接続するパワーケーブルとを備える。パワーケーブルは、パワーケーブルの芯となる磁性体コアと、磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを含む。
【0013】
好ましくは、パワーケーブルは、導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、磁性体コアおよび絶縁被覆された導電線を被覆する第2の被覆とをさらに含む。
【0014】
好ましくは、モータは、車輪を駆動するトルクを発生し、昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、電源は、車両のエンジン室の外部に配置される。
【0015】
この発明の他の局面に従うと、モータ駆動システムであって、電源と、電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、電源と昇圧コンバータとを接続する第1、第2のパワーケーブルとを備える。第1、第2のパワーケーブルの各々は、ケーブルの芯となる磁性体コアと、磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを含む。第1のパワーケーブルの磁性体コアと第2のパワーケーブルの磁性体コアとは、一方端同士が接続されかつ他方端同士が接続され、環状磁路を形成する。
【0016】
好ましくは、第1、第2のパワーケーブルの各々は、導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、磁性体コアおよび絶縁被覆された導電線を被覆する第2の被覆とをさらに含む。
【0017】
好ましくは、モータは、車輪を駆動するトルクを発生し、昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、電源は、車両のエンジン室の外部に配置される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、昇圧コンバータ部分のリアクトルを別途設けなくて済むか、または小さなリアクトルで済ますことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両100のモータ制御に関する構成を示す回路図である。
【0021】
図1を参照して、車両100は、電池ユニット40と、駆動装置20と、制御装置30と、図示しないエンジンおよび車輪とを含む。
【0022】
駆動装置20は、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構PSDと、減速機RDと、モータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ対応して設けられるインバータ22,14と、インバータ22,14に共通して設けられる昇圧コンバータ12とを含む。
【0023】
動力分割機構PSDは、基本的には、後で図2で示すエンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。
【0024】
動力分割機構PSDの2つの回転軸はエンジン4、モータジェネレータMG1の各回転軸にそれぞれ接続され、他の1つの回転軸は減速機RDに接続される。動力分割機構PSDと一体化された減速機RDによってモータジェネレータMG2の回転は減速されて動力分割機構PSDに伝達される。
【0025】
減速機の回転軸は、図示しない減速ギヤやディファレンシャルギヤによって車輪に結合されている。なお、減速機は必須ではなく、モータジェネレータMG2の回転を減速せずに動力分割機構PSDに伝達する構成でもよい。
【0026】
電池ユニット40には端子41,42が設けられている。また駆動装置20には端子43,44が設けられている。車両100は、さらに、端子41と端子43とを結ぶパワーケーブル6と、端子42と端子44とを結ぶパワーケーブル8とを含む。後に詳しく説明するように、パワーケーブル6は、昇圧コンバータ12によって使用されるリアクトルL1Aとして機能する構成を有する。
【0027】
電池ユニット40は、バッテリBと、バッテリBの負極と端子42との間に接続されるシステムメインリレーSMR3と、バッテリBの正極と端子41との間に接続されるシステムメインリレーSMR2と、バッテリBの正極と端子41との間に直列に接続される、システムメインリレーSMR1および制限抵抗Rと、端子41と端子42との間に接続される平滑用コンデンサC1とを含む。システムメインリレーSMR1〜SMR3は、制御装置30から与えられる制御信号SEに応じて導通/非導通状態が制御される。
【0028】
電池ユニット40は、さらに、バッテリBの端子間の電圧VBを測定する電圧センサ10と、バッテリBに流れる電流IBを検知する電流センサ11とを含む。
【0029】
バッテリBとしては、ニッケル水素、リチウムイオン等の二次電池や燃料電池などを用いることができる。また、バッテリBに代わる蓄電装置として電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタを用いることもできる。
【0030】
昇圧コンバータ12は、電池ユニット40の端子41,42から与えられる電圧を昇圧する。インバータ14は、昇圧コンバータ12から与えられる直流電圧を三相交流に変換してモータジェネレータMG2に出力する。
【0031】
昇圧コンバータ12は、一方端が端子41に接続され他方端が端子43に接続されるパワーケーブル6をリアクトルL1Aとして用いる。昇圧コンバータ12は、昇圧後の電圧VHを出力する昇圧コンバータ12の出力端子間に直列に接続されるIGBT素子Q1,Q2と、IGBT素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2と、平滑用コンデンサC2と、リアクトルL1Aと直列接続されるリアクトルL1とを含む。リアクトルL1とパワーケーブル6であるリアクトルL1Aとは直列に接続され、昇圧コンバータ12で用いられるリアクトルを構成する。平滑用コンデンサC2は、昇圧コンバータ12によって昇圧された電圧を平滑化する。
【0032】
リアクトルL1の一方端は端子43に接続され、リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。
【0033】
インバータ14は、車輪を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ14は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
【0034】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、昇圧コンバータ12の出力ライン間に並列に接続される。
【0035】
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
【0036】
V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
【0037】
W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
【0038】
U相アーム15、V相アーム16、W相アーム17の各中間点は、モータジェネレータMG2の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG2は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中性点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
【0039】
電流センサ24は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、モータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。なお、U相コイルおよびV相コイルの電流を電流センサ24により測定すれば、W相コイル用の電流センサを設けなくても計算によりW相コイルの電流は求めることができる。
【0040】
インバータ22は、昇圧コンバータ12に対してインバータ14と並列的に接続される。インバータ22は、モータジェネレータMG1に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。インバータ22は、昇圧コンバータ12から昇圧された電圧を受けてたとえばエンジンを始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0041】
また、インバータ22は、エンジンのクランクシャフトから伝達される回転トルクによってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
【0042】
インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14と同様であり、詳細な説明は繰返さない。
【0043】
制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2、電圧VB,VL,VH、電流IBの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動信号IGONを受ける。
【0044】
ここで、トルク指令値TR1,モータ回転数MRN1およびモータ電流値MCRT1はモータジェネレータMG1に関するものであり、トルク指令値TR2,モータ回転数MRN2およびモータ電流値MCRT2はモータジェネレータMG2に関するものである。
【0045】
また、電圧VBはバッテリBの電圧であり、電流IBは、バッテリBに流れる電流である。電圧VLは昇圧コンバータ12の昇圧前電圧であり、電圧VHは昇圧コンバータ12の昇圧後電圧である。
【0046】
そして制御装置30は、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示を行なう制御信号PWU,降圧指示を行なう制御信号PWDおよび動作禁止を指示する信号CSDNを出力する。
【0047】
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC2とを出力する。
【0048】
同様に制御装置30は、インバータ22に対して直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC1とを出力する。
【0049】
図2は、図1における動力分割機構PSDおよび減速機RDの詳細を説明するための模式図である。
【0050】
図2を参照して、この車両駆動装置は、モータジェネレータMG2と、モータジェネレータMG2の回転軸に接続される減速機RDと、減速機RDで減速された回転軸の回転に応じて回転する車軸と、エンジン4と、モータジェネレータMG1と、減速機RDとエンジン4とモータジェネレータMG1との間で動力分配を行なう動力分割機構PSDとを備える。減速機RDは、モータジェネレータMG2から動力分割機構PSDへの減速比が、たとえば2倍以上である。
【0051】
エンジン4のクランクシャフト50とモータジェネレータMG1のロータ32とモータジェネレータMG2のロータ37とは同じ軸を中心に回転する。
【0052】
動力分割機構PSDは、図2に示す例ではプラネタリギヤであり、クランクシャフト50に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸に結合されたサンギヤ51と、クランクシャフト50と同軸上を回転可能に支持されているリングギヤ52と、サンギヤ51とリングギヤ52との間に配置され、サンギヤ51の外周を自転しながら公転するピニオンギヤ53と、クランクシャフト50の端部に結合され各ピニオンギヤ53の回転軸を支持するプラネタリキャリヤ54とを含む。
【0053】
動力分割機構PSDは、サンギヤ51に結合されたサンギヤ軸と、リングギヤ52に結合されたリングギヤケースおよびプラネタリキャリヤ54に結合されたクランクシャフト50の3軸が動力の入出力軸とされる。そしてこの3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、残りの1軸に入出力される動力は他の2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
【0054】
動力の取出用のカウンタドライブギヤ70がリングギヤケースの外側に設けられ、リングギヤ52と一体的に回転する。カウンタドライブギヤ70は、動力伝達減速ギヤRGに接続されている。そしてカウンタドライブギヤ70と動力伝達減速ギヤRGとの間で動力の伝達がなされる。動力伝達減速ギヤRGはディファレンシャルギヤDEFを駆動する。また、下り坂等では車輪の回転がディファレンシャルギヤDEFに伝達され、動力伝達減速ギヤRGはディファレンシャルギヤDEFによって駆動される。
【0055】
モータジェネレータMG1は、回転磁界を形成するステータ31と、ステータ31内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれているロータ32とを含む。ステータ31は、ステータコア33と、ステータコア33に巻回される三相コイル34とを含む。ロータ32は、動力分割機構PSDのサンギヤ51と一体的に回転するサンギヤ軸に結合されている。ステータコア33は、電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、図示しないケースに固定されている。
【0056】
モータジェネレータMG1は、ロータ32に埋め込まれた永久磁石による磁界と三相コイル34によって形成される磁界との相互作用によりロータ32を回転駆動する電動機として動作する。またモータジェネレータMG1は、永久磁石による磁界とロータ32の回転との相互作用により三相コイル34の両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。
【0057】
モータジェネレータMG2は、回転磁界を形成するステータ36と、ステータ31内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれたロータ37とを含む。ステータ36は、ステータコア38と、ステータコア38に巻回される三相コイル39とを含む。
【0058】
ロータ37は、動力分割機構PSDのリングギヤ52と一体的に回転するリングギヤケースに減速機RDによって結合されている。ステータコア38は、たとえば電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、図示しないケースに固定されている。
【0059】
モータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界とロータ37の回転との相互作用により三相コイル39の両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。またモータジェネレータMG2は、永久磁石による磁界と三相コイル39によって形成される磁界との相互作用によりロータ37を回転駆動する電動機として動作する。
【0060】
減速機RDは、プラネタリギヤの回転要素の一つであるプラネタリキャリヤ66が車両駆動装置のケースに固定された構造により減速を行なう。すなわち、減速機RDは、ロータ37のシャフトに結合されたサンギヤ62と、リングギヤ52と一体的に回転するリングギヤ68と、リングギヤ68およびサンギヤ62に噛み合いサンギヤ62の回転をリングギヤ68に伝達するピニオンギヤ64とを含む。
【0061】
たとえば、サンギヤ62の歯数に対しリングギヤ68の歯数を2倍以上にすることにより、減速比を2倍以上にすることができる。
【0062】
[構成要素の配置説明]
図3は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置20の外観を示す斜視図である。
【0063】
図4は、駆動装置20の平面図である。
図3、図4を参照して、駆動装置20のケースは、ケース104とケース102とに分割可能に構成されている。ケース104は主としてモータジェネレータMG1を収容する部分であり、ケース102は、主としてモータジェネレータMG2およびパワー制御ユニットを収容する部分である。
【0064】
ケース104にはフランジ106が形成され、ケース102にはフランジ105が形成され、フランジ106とフランジ105とがボルト等で固定されることにより、ケース104とケース102とが一体化される。
【0065】
ケース102にはパワー制御ユニットを組付けるための開口108が設けられている。この開口108の内部左側部分(車両進行方向側)にはコンデンサC2が収容され、中央部分にはパワー素子基板120と端子台116,118とが収容され、右側部分にはリアクトルL1が収容されている。なお、この開口108は車両搭載状態においては蓋により閉じられている。また、コンデンサC2を右側に、リアクトルL1を左側に収容するように入れ換えても良い。
【0066】
つまり、リアクトルL1はモータジェネレータMG1およびMG2の回転軸の一方側に配置され、コンデンサC2は回転軸の他方側に配置されている。そしてコンデンサC2とリアクトルL1との間の領域にパワー素子基板120が配置されている。パワー素子基板120の下方にはモータジェネレータMG2が配置されている。
【0067】
パワー素子基板120にはモータジェネレータMG1を制御するインバータ22と、モータジェネレータMG2を制御するインバータ14と、昇圧コンバータ12のアーム部とが搭載されている。
【0068】
インバータ14とインバータ22との間の領域には上下に重ねて配置された電源用バスバーが設けられている。インバータ14のU相アーム15、V相アーム16、W相アーム17からはそれぞれ1本ずつのバスバーがモータジェネレータMG2のステータコイルにつながる端子台116に向けて設けられている。同様にインバータ22からも3本のバスバーがモータジェネレータMG1のステータコイルにつながる端子台118に向けて設けられている。
【0069】
パワー素子基板120は高温になるためこれを冷却するためにパワー素子基板120の下には通水路が設けられており、通水路への冷却水入口114と冷却水出口112とがケース102に設けられている。なお、この入口や出口などは、たとえば、ケース102に対し、フランジ106,105を貫通させてユニオンナット等を打ち込んで構成される。
【0070】
図1の電池ユニット40から端子43,44にパワーケーブルを介して与えられた電圧はリアクトルL1およびアーム部13を含む昇圧コンバータ12によって昇圧されコンデンサC2によって平滑化されてインバータ14および22に供給される。
【0071】
このように昇圧コンバータ12を用いて電池電圧を昇圧して用いることによりバッテリ電圧を200V程度に低減しつつ、かつモータジェネレータを500Vを超える高電圧で駆動することが可能となり、電力供給を小電流で行なうことにより電気損失を抑制しかつモータの高出力を実現することができる。
【0072】
駆動装置20として、インバータ14,22およびモータジェネレータMG1,MG2に加えて、昇圧コンバータ12も含めて一体化する場合には、比較的大きな部品であるリアクトルL1およびコンデンサC2の配置場所が問題となる。
【0073】
図5は、駆動装置20を図4のX1方向から見た側面図である。
図5を参照して、ケース102にはモータジェネレータ組付け用および保守用の開口109が設けられており、この開口109は車両搭載状態においては蓋により閉じられている。
【0074】
開口109の内部にはモータジェネレータMG2が配置されている。U,V,W相のバスバーが接続されるステータ36の内部にロータ37が配置されている。ロータ37の中央部分には中空のシャフト60が見えている。
【0075】
図5に示すように、ケース102のパワー制御ユニット21を収容する収容室にはモータジェネレータMG2のステータ36が大きく食い込んでいるので、モータジェネレータMG2の一方側にはリアクトルL1が配置され他方側にはコンデンサC2が配置され、大型部品を効率よく収容している。このため、コンパクトなハイブリッド車両の駆動装置が実現できている。
【0076】
図6は、図4のVI−VI断面における断面図である。
図6を参照して、モータジェネレータMG2の断面およびパワー制御ユニット21を収容する収容室の断面が示されている。
【0077】
このハイブリッド車両の駆動装置は、同軸上に各ロータの回転中心軸が配置されるモータジェネレータMG2およびMG2の奥に配置されるモータジェネレータMG1と、クランクシャフトの回転中心軸と同軸上にかつモータジェネレータMG1およびMG2の間に配置される動力分割機構と、モータジェネレータMG1,MG2の制御を行なうパワー制御ユニット21とを備える。パワー制御ユニット21は、モータジェネレータMG2の回転中心軸に対し、少なくとも一方側にリアクトルL1が他方側に平滑用コンデンサC2が分割配置される。モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構、およびパワー制御ユニット21は、金属製のケースに収容されて一体化されている。
【0078】
モータジェネレータMG2の潤滑油がパワー素子基板120側に漏れ出ないようにケース102には2つの空間を仕切る仕切り壁部200が設けられている。この仕切り壁部200の上面部分にはパワー素子基板120を冷却するための水路122が設けられ、この水路122は先に説明した冷却水入口114および冷却水出口112と連通している。
【0079】
端子44からはバスバー128によってマイナス側の電源電位がパワー素子基板120に伝達される。また端子43からは図示しないが他のバスバーによってリアクトルL1に対して正の電源電位が伝達される。
【0080】
なおこのパワー制御ユニットを収容する収容室には減速ギヤの回転軸130を支持する部分が食い込んでいる。
【0081】
モータジェネレータMG2の断面部分について説明すると、ステータ36のコイル39の巻回部分がステータ内周側に見えており、さらにその内周にはロータ37、ケースの隔壁202およびロータの中空シャフト60が見えている。
【0082】
図7は、図4のX2方向から駆動装置20を見た側面図である。図7において、パワー素子基板の上部にパワー素子を制御する制御基板121が配置されている。
【0083】
図8は、図4のVIII−VIIIにおける断面図である。
図7、図8を参照して、エンジンのクランクシャフト50はダンパー124に接続され、ダンパー124の出力軸は動力分割機構PSDに接続される。
【0084】
エンジンが配置される側からはダンパー124、モータジェネレータMG1、動力分割機構PSD、減速機RDおよびモータジェネレータMG2の順で、同一の回転軸上に並んでこれらが配置されている。モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは中空であり、この中空部分にダンパー124からの出力軸が貫通している。
【0085】
モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは、動力分割機構PSD側にサンギヤ51とスプライン嵌合されている。ダンパー124のシャフトは、プラネタリキャリヤ54と結合されている。プラネタリキャリヤ54は、ピニオンギヤ53の回転軸をダンパー124のシャフトの周りに回転自在に支持する。ピニオンギヤ53は、サンギヤ51およびリングギヤケースの内周に形成された図2のリングギヤ52と噛み合う。
【0086】
またモータジェネレータMG2のロータシャフト60の減速機RD側は、サンギヤ62とスプライン嵌合されている。減速機RDのプラネタリキャリヤ66は、ケース102の隔壁202に固定されている。プラネタリキャリヤ66は、ピニオンギヤ64の回転軸を支持する。ピニオンギヤ64は、サンギヤ62およびリングギヤケースの内周に形成された図2のリングギヤ68と噛み合う。
【0087】
図8を見ればわかるように、モータジェネレータMG1およびダンパー124はケース104の図右方向の開口111から組付けることができ、モータジェネレータMG2はケース102の左方向の開口109から組付けることができ、減速機RDおよび動力分割機構PSDはフランジ105,106の合わせ面から組付けることができる。
【0088】
ケース102の開口109は、潤滑油が漏れないように蓋71および液状ガスケット等で密閉される。ケース104の開口111の奥には蓋72が設けられ、MG1を収容する空間は潤滑油が漏れないように液状ガスケット等やオイルシール81によって密閉される。
【0089】
モータジェネレータMG1のロータ32のシャフトは、蓋72との間に設けられたボールベアリング78および隔壁203との間に設けられたボールベアリング77によって回転自在に支持されている。ロータ32のシャフトは中空であり、ダンパー124のシャフトがその内部を貫通している。ロータ32のシャフトとダンパー124のシャフトの間にはニードルベアリング79,80が設けられている。
【0090】
モータジェネレータMG2のロータ37のシャフトは、蓋71との間に設けられたボールベアリング73および隔壁202との間に設けられたボールベアリング74によって回転自在に支持されている。
【0091】
減速機RDのリングギヤと動力分割機構PSDのリングギヤがともに内周に刻まれたリングギヤケースは、隔壁202との間に設けられたボールベアリング75および隔壁203との間に設けられたボールベアリング76によって、回転自在に支持されている。
【0092】
パワー制御ユニット21を収容する収容室とモータジェネレータMG2を収容する収容室とはケース102の隔壁202で隔てられているが、その一部は端子台116が挿入される貫通孔でつながっている。この端子台116にはモータジェネレータMG2のステータコイルのバスバーが一方側に接続され、インバータ14のバスバーが他方側に接続される。そしてこれらのバスバーを電気的に接続可能なように、端子台116の内部には導電性部材が通されている。つまり端子台116は、モータジェネレータMG2側からの潤滑油分を通さないでかつ電気を通すように構成されている。
【0093】
同様に、端子台118によって、パワー制御ユニットが収容される空間とモータジェネレータMG1が収容される空間とが、電気を通しかつ潤滑油分を通さない状態で接続されている。
【0094】
図9は、図4のIX−IXにおける断面を示した断面図である。
図9を参照して、パワー制御ユニット21を収容する収容室においてはリアクトルL1の断面が示されている。リアクトルL1は、たとえば電磁鋼板が積層されたコアにコイルが巻回された構造を有する。
【0095】
そしてリアクトルL1に近接して、図6で示された減速ギヤRGの回転軸130が配置され、減速ギヤRGのカウンタドリブンギヤ132が中央部に示される。このカウンタドリブンギヤ132は図2のカウンタドライブギヤ70と噛み合う。そしてこのカウンタドリブンギヤ132の同軸上にファイナルドライブギヤ133が設けられ、これに噛み合うファイナルドリブンギヤであるディファレンシャルギヤDEFがその下方に示されている。
【0096】
このようにモータジェネレータMG1,MG2、減速機RDおよび動力分割機構PSDに加えて、減速ギヤRGおよびディファレンシャルギヤDEFを配置した状態で、周辺の空きスペースを利用してパワー制御ユニットの構成要素であるパワー素子基板120、リアクトルL1およびコンデンサC2を配置している。これにより、高さを低く抑えつつコンパクトなハイブリッド車両の駆動装置を実現することができる。
【0097】
[リアクトルの配置の説明]
図10は、図1で説明した車両100の各ユニットの搭載位置を説明するための図である。
【0098】
図10を参照して、電池ユニット40は、エンジンルーム外の空間たとえば後部座席の下またはトランクルームの中などに配置される。これに対し、図1の駆動装置20は、たとえばエンジンルーム内に配置される。
【0099】
駆動装置20内のモータは、車輪を駆動するトルクを発生する。駆動装置20内の昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置される。電池ユニット40は、車両のエンジン室の外部に配置される。
【0100】
駆動装置20は、エンジン4、モータジェネレータMG1,MG2、インバータ14,22および昇圧コンバータ12が一体化されたものであり、これによりモータ駆動システム全体の重心を低くすることが可能となり車両の走行性能が向上する。
【0101】
そして車両後部に配置された電池ユニット40と、車両前部に配置された駆動装置20とはパワーケーブル6,8によって接続される。
【0102】
図11は、パワーケーブル6および8の接続部分を説明するための図である。
図12は、パワーケーブル6の構造を説明するための図である。
【0103】
図11、図12を参照して、車両においてモータ駆動システムは、電池ユニット40と、電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、電源と昇圧コンバータとを接続するパワーケーブル6とを備える。
【0104】
端子41と端子43との間に接続されるパワーケーブル6はパワーケーブルの芯となる磁性体コア302と、磁性体コア302に螺旋状に巻付いた導電線304と、磁性体コア302および導電線304を被覆する被覆310とを含む。導電線304は被覆導電線であり、導電性の芯線308にエナメル等の絶縁性の被覆306を施したものである。また、磁性体コア302としては、たとえば鉄製のワイヤなどを用いることが可能である。
【0105】
このような構成とすることにより、駆動装置20の筐体の外部およびエンジン室の外部に昇圧コンバータで使用するリアクトルを出すことができる。なおパワーケーブル6のリアクトル成分が小さい場合には、駆動装置20の内部に補助的にリアクトルL1Aを設ける場合も考えられる。ただしこの場合はケーブル6を使用することによりリアクトルL1Aの大きさはパワーケーブル6を使用しない場合と比べて小さなものでよい。
【0106】
逆にパワーケーブル6のリアクトル値が大きくなり過ぎる場合にはパワーケーブル6の一部分を図12に示すような構成にし、他の部分は通常のパワーケーブルを用いておけばよい。
【0107】
図13は、図11に示した構成の変形例を示した図である。
図13に示した構成は、図11に示した構成においてパワーケーブル8に代えてパワーケーブル318を含む。パワーケーブル318は図12に示したパワーケーブル6と同様な構成を有する。
【0108】
そして図13に示した構成においてはパワーケーブル6の磁性体コアとパワーケーブル318の磁性体コアとは電池ユニット40側の一方端同士が接続され、かつ駆動装置20側の他方端同士が接続されており、これにより環状の磁路322を形成している。このようにすることによりパワーケーブルによるリアクトルのインダクタンスがさらに大きくなり、昇圧コンバータ部分のリアクトルを別途設けなくて済むか、または小さなリアクトルで済ますことが可能となる。
【0109】
以上説明したようなパワーケーブルを用いることで、昇圧コンバータ、インバータおよびモータジェネレータを一体化し小型化した駆動装置の構成においてリアクトルの占有スペースを小さくすることができ、場合によっては駆動装置のケース内部にリアクトルを配置しなくてもよくなる。
【0110】
なお、昇圧コンバータ、インバータおよびモータジェネレータを一体化していない構成であっても、本発明を適用することができる。
【0111】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両100のモータ制御に関する構成を示す回路図である。
【図2】図1における動力分割機構PSDおよび減速機RDの詳細を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動装置20の外観を示す斜視図である。
【図4】駆動装置20の平面図である。
【図5】駆動装置20を図4のX1方向から見た側面図である。
【図6】図4のVI−VI断面における断面図である。
【図7】図4のX2方向から駆動装置20を見た側面図である。
【図8】図4のVIII−VIIIにおける断面図である。
【図9】図4のIX−IXにおける断面を示した断面図である。
【図10】図1で説明した車両100の各ユニットの搭載位置を説明するための図である。
【図11】パワーケーブル6および8の接続部分を説明するための図である。
【図12】パワーケーブル6の構造を説明するための図である。
【図13】図11に示した構成の変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0113】
4 エンジン、6,8,318 パワーケーブル、10 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 昇圧コンバータ、13 アーム部、12 昇圧コンバータ、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20 駆動装置、21 パワー制御ユニット、30 制御装置、31,36 ステータ、32,37 ロータ、33,38 ステータコア、34,39 三相コイル、40 電池ユニット、41,42,43,44 端子、50 クランクシャフト、51,62 サンギヤ、52 リングギヤ、53,64 ピニオンギヤ、54,66 プラネタリキャリヤ、60 シャフト、73〜78 ボールベアリング、68 リングギヤ、70 カウンタドライブギヤ、71,72 蓋、79,80 ニードルベアリング、81 オイルシール、100 車両、102,104 ケース、105,106 フランジ、108,109,111 開口、112 冷却水出口、114 冷却水入口、116,118 端子台、120 パワー素子基板、121 制御基板、122 水路、124 ダンパー、128 バスバー、130 回転軸、132 カウンタドリブンギヤ、133 ファイナルドライブギヤ、200 壁部、202,203 隔壁、302 磁性体コア、304 導電線、306,310 被覆、308 芯線、322 磁路、B バッテリ、C1,C2 平滑用コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、DEF ディファレンシャルギヤ、L1,L1A リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PSD 動力分割機構、Q1〜Q8 IGBT素子、R 制限抵抗、RD 減速機、RG 減速ギヤ、SMR1〜SMR3 システムメインリレー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と駆動装置とを接続するパワーケーブルであって、
前記パワーケーブルの芯となる磁性体コアと、
前記磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを備える、パワーケーブル。
【請求項2】
前記導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、
前記磁性体コアおよび絶縁被覆された前記導電線を被覆する第2の被覆とをさらに備える、請求項1に記載のパワーケーブル。
【請求項3】
前記駆動装置は、車両のエンジン室に配置され、
前記電源は、前記車両の前記エンジン室の外部に配置される、請求項1に記載のパワーケーブル。
【請求項4】
電源と、
前記電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、
前記昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、
前記電源と前記昇圧コンバータとを接続するパワーケーブルとを備え、
前記パワーケーブルは、
前記パワーケーブルの芯となる磁性体コアと、
前記磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを含む、モータ駆動システム。
【請求項5】
前記パワーケーブルは、
前記導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、
前記磁性体コアおよび絶縁被覆された前記導電線を被覆する第2の被覆とをさらに含む、請求項4に記載のモータ駆動システム。
【請求項6】
前記モータは、車輪を駆動するトルクを発生し、
前記昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、
前記電源は、前記車両の前記エンジン室の外部に配置される、請求項4に記載のモータ駆動システム。
【請求項7】
電源と、
前記電源の電圧を昇圧する昇圧コンバータと、
前記昇圧コンバータから昇圧された電圧を受け、モータを駆動するインバータと、
前記電源と前記昇圧コンバータとを接続する第1、第2のパワーケーブルとを備え、
前記第1、第2のパワーケーブルの各々は、
ケーブルの芯となる磁性体コアと、
前記磁性体コアに螺旋状に巻き付いた導電線とを含み、
前記第1のパワーケーブルの磁性体コアと前記第2のパワーケーブルの磁性体コアとは、一方端同士が接続されかつ他方端同士が接続され、環状磁路を形成する、モータ駆動システム。
【請求項8】
前記第1、第2のパワーケーブルの各々は、
前記導電線の表面を被覆して絶縁する第1の被覆と、
前記磁性体コアおよび絶縁被覆された前記導電線を被覆する第2の被覆とをさらに含む、請求項7に記載のモータ駆動システム。
【請求項9】
前記モータは、車輪を駆動するトルクを発生し、
前記昇圧コンバータは、車両のエンジン室に配置され、
前記電源は、前記車両の前記エンジン室の外部に配置される、請求項7に記載のモータ駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−103196(P2007−103196A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292558(P2005−292558)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】