説明

ピリジンカルボキサミドオレキシン受容体アンタゴニスト

本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経及び精神障害及び疾患の治療または予防において有用なピリジルカルボキサミド化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のオレキシン受容体が関与する前記疾患の予防または治療における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オレキシン(ハイポクレチン)は視床下部で産生される2つの神経ペプチド、すなわちオレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)からなる(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンはラットにおいて食物消費を刺激することが判明しており、これらのペプチドの摂食挙動を調節する中心フィードバック機構におけるメディエーターとしての生理学的役割が示唆されている(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシンは睡眠及び覚醒の状態をも調節し、ナルコレプシーまたは不眠症患者に対する可能性ある新規な治療アプローチが開けている(Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンは覚醒、報酬、学習及び記憶において役割を果たすとも示されている(Harrisら,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577)。2つのオレキシン受容体が哺乳動物においてクローン化され、キャラクタライズされている。これらの受容体はGタンパク質結合受容体のスーパーファミリーに属している(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585)。オレキシン−1受容体(OXまたはOX1R)はOX−Aに対して選択的であり、オレキシン−2受容体(OX2またはOX2R)はOX−A及びOX−Bに結合し得る。オレキシンが関与すると推定される生理学的作用は、オレキシン受容体の2つのサブタイプとしてOX1受容体及びOX2受容体の1つまたは両方を介して発現されると考えられる。
【0002】
オレキシン受容体は哺乳動物の脳中に存在し、うつ病;不安症;嗜癖;強迫性障害;情動性神経症;抑うつ性神経症;不安神経症;気分変調性障害;行動障害;気分障害;性機能不全;精神性欲機能不全;性的障害;統合失調症;躁鬱病;せん妄;認知症;重症の精神遅滞及びジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群;摂食障害、例えば食欲不振、過食症、悪液質、調節異常食欲コントロール;肥満;習慣性摂食挙動;食欲異常亢進症;心血管疾患;糖尿病;食欲、味覚、飲食障害;嘔吐、吐気、悪心;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/疾患;好塩基性腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃ジスキネジー;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;腺下垂体疾患;下垂体疾患;腺下垂体機能低下;腺下垂体機能亢進;視床下部性機能不全;カルマン症候群(無嗅覚、嗅覚減退);機能性または心因性無月経;下垂体機能不全;視床下部性甲状腺機能不全;視床下部−副腎機能不全;特発性過プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏の視床下部障害;特発性成長ホルモン欠乏;小人症;巨人症;先端巨大症;乱れた生体及び日周期リズム;疾患(例えば、神経障害、神経障害性疼痛及びむずむず脚症候群)に関連する睡眠障害;心臓及び肺疾患、急性及びうっ血性心不全;低血圧症;高血圧症;尿閉;骨粗しょう症;狭心症;心筋梗塞;虚血性または出血性卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;前立腺肥大;慢性腎不全;腎臓疾患;耐糖能異常;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛に対する強化されたまたは悪化した感受性、例えば痛覚過敏、灼熱痛及び異疼痛;急性疼痛;熱痛;非定型顔面痛;神経障害性疼痛;背部痛;複合性局所疼痛症候群I及びII;関節炎性疼痛;スポーツ障害痛;感染(例えば、HIV)に関連する疼痛、化学療法後疼痛;卒中後痛;術後痛;神経痛;内臓痛に関連する状態、例えば過敏性腸症候群及び狭心症;尿失禁、例えば切迫尿失禁;麻酔薬に対する耐性または麻酔薬からの退薬;睡眠障害;睡眠無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;睡眠時異常行動;時差ぼけ症候群;脱抑制−認知症−パーキンソニズム−筋萎縮症複合症候群を含めた疾患分類を含む神経変性障害;淡蒼球橋黒質変性;てんかん;発作障害及び一般オレキシン系機能不全に関連する他の疾患のような病理に多く関与し得る。
【0003】
特定のオレキシン受容体アンタゴニストはPCT特許公開WO99/09024、WO99/58533、WO00/47576、WO00/47577、WO00/47580、WO01/68609、WO01/85693、WO01/96302、WO2002/044172、WO2002/051232、WO2002/051838、WO2002/089800、WO2002/090355、WO2003/002559、WO2003/002561、WO2003/032991、WO2003/037847、WO2003/041711、WO2003/051368、WO2003/051872、WO2003/051873、WO2004/004733、WO2004/026866、WO2004/033418、WO2004/041807、WO2004/041816、WO2004/052876、WO2004/083218、WO2004/085403、WO2004/096780、WO2005/060959、WO2005/075458、WO2005/118548、WO2006/067224、WO2006/110626、WO2006/127550、WO2007/019234、WO2007/025069、WO2007/061763、WO2007/116374、WO2007/122591、WO2007/126934、WO2007/126935、WO2008/008517、WO2008/008518、WO2008/008551、WO2008/020405、WO2008/026149、WO2008/038251に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第99/09024号
【特許文献2】国際公開第99/58533号
【特許文献3】国際公開第00/47576号
【特許文献4】国際公開第00/47577号
【特許文献5】国際公開第00/47580号
【特許文献6】国際公開第01/68609号
【特許文献7】国際公開第01/85693号
【特許文献8】国際公開第01/96302号
【特許文献9】国際公開第2002/044172号
【特許文献10】国際公開第2002/051232号
【特許文献11】国際公開第2002/051838号
【特許文献12】国際公開第2002/089800号
【特許文献13】国際公開第2002/090355号
【特許文献14】国際公開第2003/002559号
【特許文献15】国際公開第2003/002561号
【特許文献16】国際公開第2003/032991号
【特許文献17】国際公開第2003/037847号
【特許文献18】国際公開第2003/041711号
【特許文献19】国際公開第2003/051368号
【特許文献20】国際公開第2003/051872号
【特許文献21】国際公開第2003/051873号
【特許文献22】国際公開第2004/004733号
【特許文献23】国際公開第2004/026866号
【特許文献24】国際公開第2004/033418号
【特許文献25】国際公開第2004/041807号
【特許文献26】国際公開第2004/041816号
【特許文献27】国際公開第2004/052876号
【特許文献28】国際公開第2004/083218号
【特許文献29】国際公開第2004/085403号
【特許文献30】国際公開第2004/096780号
【特許文献31】国際公開第2005/060959号
【特許文献32】国際公開第2005/075458号
【特許文献33】国際公開第2005/118548号
【特許文献34】国際公開第2006/067224号
【特許文献35】国際公開第2006/110626号
【特許文献36】国際公開第2006/127550号
【特許文献37】国際公開第2007/019234号
【特許文献38】国際公開第2007/025069号
【特許文献39】国際公開第2007/061763号
【特許文献40】国際公開第2007/116374号
【特許文献41】国際公開第2007/122591号
【特許文献42】国際公開第2007/126934号
【特許文献43】国際公開第2007/126935号
【特許文献44】国際公開第2008/008517号
【特許文献45】国際公開第2008/008518号
【特許文献46】国際公開第2008/008551号
【特許文献47】国際公開第2008/020405号
【特許文献48】国際公開第2008/026149号
【特許文献49】国際公開第2008/038251号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573−585
【非特許文献2】Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437−451
【非特許文献3】Harrisら,Trends Neurosci.,2006,29(10),571−577
【発明の概要】
【0006】
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経及び精神障害及び疾患の治療または予防において有用なピリジルカルボキサミド化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のオレキシン受容体が関与する前記疾患の予防または治療における使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、式I:
【0008】
【化1】

[式中、
はフェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群から選択され;
はフェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群から選択され;
はフェニル、ナフチル、C3−6シクロアルキル及びヘテロ環からなる群から選択され;
1a、R1b及びR1cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0または1であり、nは0または1であり(mが0またはnが0ならば結合が存在する。)、アルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011(R10及びR11は独立して
(a)水素、
(b)置換されていないかまたはR13で置換されているC1−6アルキル、
(c)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6アルケニル、
(d)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6アルキニル、
(e)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6シクロアルキル、
(f)置換されていないかまたはR13で置換されているフェニル、及び
(g)置換されていないかまたはR13で置換されているヘテロ環
からなる群から選択される。)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1または2であり、R12はR10及びR11の定義から選択される。)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
2a、R2b及びR2cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
3a、R3b及びR3cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外であり;
及びRは独立して水素、及び置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキルから選択され、或いはR及びRはこれらが結合している炭素原子と一緒に連結して、置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC3−6シクロアルキルを形成してもよく;
は水素、または置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり;
13
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル,
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
14
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)ヘテロ環、
(10)−COH、及び
(11)−CN
からなる群から選択される。]
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0009】
本発明の実施形態は、式Ia:
【0010】
【化2】

(式中、A、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R3c及びRは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0011】
本発明の実施形態は、式Ib:
【0012】
【化3】

(式中、A、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0013】
本発明の実施形態は、式Ic:
【0014】
【化4】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0015】
本発明の実施形態は、式Ic’:
【0016】
【化5】

(式中、A、A、R1a、R1b、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0017】
本発明の実施形態は、式Id:
【0018】
【化6】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0019】
本発明の実施形態は、式Id’:
【0020】
【化7】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0021】
本発明の実施形態は、式Ie:
【0022】
【化8】

(式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0023】
本発明の実施形態は、式If:
【0024】
【化9】

(式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0025】
本発明の実施形態は、式Ig:
【0026】
【化10】

(式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0027】
本発明の実施形態は、式Ih:
【0028】
【化11】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0029】
本発明の実施形態は、式Ii:
【0030】
【化12】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0031】
本発明の実施形態は、式Ij:
【0032】
【化13】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0033】
本発明の実施形態は、式Ik:
【0034】
【化14】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0035】
本発明の実施形態は、式II:
【0036】
【化15】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0037】
本発明の実施形態は、式Im:
【0038】
【化16】

(式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは本明細書中に定義されている。)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0039】
本発明の実施形態は、Aがフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがナフチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがヘテロアリールである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピリジルである化合物を含む。
【0040】
本発明の実施形態は、Aがフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがナフチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがヘテロアリールである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがキノキサリニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピリジルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピラジニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがキノリニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがインドリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがジヒドロインドリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがベンゾイミダゾリルである化合物を含む。
【0041】
本発明の実施形態は、Aがピラゾリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがメチルで置換されているピラゾリルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aが少なくとも1つの水素以外の置換基で置換されているピリジルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがフルオロまたはクロロで置換されているピリジルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aが少なくとも1つの水素以外の置換基で置換されているフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがヒドロキシル、メチルアミノカルボニルまたはジメチルアミノメチルで置換されているフェニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがシクロペンチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがモルホリニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピロリジニルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがアゼチジニルである化合物を含む。
【0042】
本発明の実施形態は、R1a、R1b及びR1cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される化合物を含む。
【0043】
本発明の実施形態は、R1a、R1b及びR1cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、及び
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0044】
本発明の実施形態は、R1a、R1b及びR1cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0045】
本発明の実施形態は、R1a、R1b及びR1cが独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0046】
本発明の実施形態は、Aがフェニルであり、R1a、R1b及びR1cが独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル
からなる群から選択される化合物を含む。
【0047】
本発明の実施形態は、R2a、R2b及びR2cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される化合物を含む。
【0048】
本発明の実施形態は、R2a、R2b及びR2cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、及び
(6)置換されていないかまたはハロゲンで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される化合物を含む。
【0049】
本発明の実施形態は、R2a、R2b及びR2cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換されていないかまたはハロゲンで置換されているC1−6アルキル、
(4)置換されていないかまたはハロゲンで置換されている−O−C1−6アルキル、及び
(5)置換されていないかまたはハロゲンで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される化合物を含む。
【0050】
本発明の実施形態は、R2a、R2b及びR2cが独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、
(8)トリフルオロメチル、及び
(9)−N(CH
からなる群から選択される化合物を含む。
【0051】
本発明の実施形態は、Aがフェニルであり、R2a、R2b及びR2cが独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、
(8)トリフルオロメチル、及び
(9)−N(CH
からなる群から選択される化合物を含む。
【0052】
本発明の実施形態は、R3a、R3b及びR3cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である化合物を含む。
【0053】
本発明の実施形態は、R3a、R3b及びR3cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、及び
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である化合物を含む。
【0054】
本発明の実施形態は、R3a、R3b及びR3cが独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である化合物を含む。
【0055】
本発明の実施形態は、R3a、R3b及びR3cが独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である化合物を含む。
【0056】
本発明の実施形態は、Aがピリジルであり、R3aがハロゲンであり、R3bが水素であり、R3cが水素である化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピリジルであり、R3aがクロロまたはフルオロであり、R3bが水素であり、R3cが水素である化合物を含む。
【0057】
本発明の実施形態は、Aがピラゾリルであり、R3aがC1−6アルキルであり、R3bが水素であり、R3cが水素である化合物を含む。本発明の実施形態は、Aがピラゾリルであり、R3aがメチルであり、R3bが水素であり、R3cが水素である化合物を含む。
【0058】
本発明の実施形態は、Rが水素またはC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素またはメチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素である化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素またはC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素またはメチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素である化合物を含む。
【0059】
本発明の実施形態は、Rが水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルである化合物を含む。本発明の実施形態は、RがC1−6アルキルである化合物を含む。本発明の実施形態は、RがC3−6シクロアルキルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素、メチルまたはエチルである化合物を含む。本発明の実施形態は、Rが水素である化合物を含む。
【0060】
本発明の特定実施形態は、本明細書中の実施例の具体的化合物からなる群から選択される化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0061】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含み得、よってラセミ体及びラセミ体混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在することがある。各不斉中心により独立して2つの光学異性体が生じ、混合物の形態及び純粋もしくは部分的に精製された化合物としての考えられる光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に含まれると意図される。本発明はこれらの化合物の異性体のすべてを包含することを意味する。式Iは特定の立体化学を示すことなく化合物類の構造を示している。
【0062】
これらのジアステレオマーの独立合成またはそのクロマトグラフ分離は当業界で公知のように本明細書中に開示されている方法を適当に改変することにより実施され得る。絶対立体化学は、所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により調べられ得る。所望により、化合物のラセミ体混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離され得る。この分離は当業界で公知の方法により実施され得、例えば化合物のラセミ体混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成した後、標準的方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離し得る。カップリング反応はしばしばエナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。その後、ジアステレオマー誘導体は付加されたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。また、化合物のラセミ体混合物は当業界で公知であるキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法によっても直接分離され得る。或いは、化合物のエナンチオマーは、当業界で公知の方法により公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて立体選択的合成により得られ得る。
【0063】
当業者には自明のように、本明細書中で使用されているハロゲンまたはハロはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含むと意図される。同様に、C1−6アルキル中のようなC1−6は基を直鎖状または分岐状配置で1,2,3、4、5または6個の炭素原子を有するものを同定するとして定義され、C1−8アルキルの具体例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれる。独立して置換基で置換されていると呼称されている基は独立して複数個の置換基で置換されていてもよい。本明細書中で使用されている用語「ヘテロ環」は不飽和及び飽和ヘテロ環式部分の両方を含み、不飽和ヘテロ環式部分(すなわち、ヘテロアリール)にはベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、ジヒドロインドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル及びトリアゾリル、並びにそのN−オキシドが含まれ、飽和ヘテロ環式部分にはアゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロチエニル、並びにそのN−オキシドが含まれる。
【0064】
用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基及び無機または有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第1鉄、第2鉄、リチウム、マグネシウム、第1マンガン、第2マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。特定実施形態にはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が含まれる。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態でも存在し得る。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が含まれる。
【0065】
本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。特定実施形態にはクエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が含まれる。本明細書中で使用されている場合、式Iの化合物への言及は医薬的に許容され得る塩をも含むことを意味すると理解されたい。
【0066】
本発明の具体化は実施例及び本明細書中に開示されている化合物の使用である。本発明内の具体的化合物には下記実施例に開示されている化合物からなる群から選択される化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及びその個々のジアステレオマーが含まれる。
【0067】
本発明の化合物は、有効量の当該化合物を投与することを含むオレキシン受容体活性の阻害を要する患者(例えば、哺乳動物)における前記活性の拮抗方法において有用である。本発明は、本明細書中に開示されている化合物のオレキシン受容体活性のアンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、他の各種哺乳動物が本発明の方法に従って治療され得る。本発明は、医薬品中に使用するための本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用に関する。本発明は更に、ヒト及び動物においてオレキシン受容体活性を拮抗させるためまたは本明細書中に挙げられている障害及び疾患を治療するための薬剤を製造するための本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用に関する。
【0068】
本発明の方法において治療される被験者は通常哺乳動物、例えば男性または女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す本発明の化合物の量を意味する。当業者は有効量の本発明の化合物を用いて現在神経及び精神障害に罹患している患者を治療することにより、または前記障害に罹患した患者を予防的に治療することにより前記障害に影響を及ぼし得ることを認識している。本明細書中で使用されている用語「治療」及び「治療する」は、本明細書中に記載されている神経及び精神障害の進行を遅らす、中断させる、停滞させる、コントロールするまたは停止させることができるが、必ずしもすべての病的症状の完全緩解を示さないすべてのプロセス、並びに上記状態、特にその疾患または障害に罹りやすい患者における上記状態の予防的治療を指す。用語「化合物の投与」及び/または「化合物を投与する」は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療を要する個人に対して与えることを意味すると理解すべきである。
【0069】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は、特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連してこの用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより製造される組成物を包含する。「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0070】
本発明の化合物のオレキシン受容体OX1R及び/またはOX2Rアンタゴニストとしての有用性は、“FLIPR Ca2+ Flux Assay”(Okumuraら,Biochem.Biophys.Res.Comm.,280:976−981,2001)を含めた当業界で公知の方法により過度の実験せずとも容易に調べられ得る。典型的な実験では、本発明の化合物のOX−1及びOX−2受容体アンタゴニスト活性を以下の実験方法に従って調べた。細胞内カルシウム測定のために、ラットオレキシン−1受容体またはヒトオレキシン−2受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を2mM L−グルタミン、0.5g/mL G418、1% ヒポキサンチン−チミジン補助物質、100U/mL ペニシリン、100ug/mL ストレプトマイシン及び10% 熱不活化ウシ胎児血清(FCS)を含有するイスコフ改変DMEM中で増殖させる。細胞を、ポリ−D−リシンを被覆したベクトン・ディキンソン黒色384ウェル透明底滅菌プレート中に20,000細胞/ウェルで接種する。試薬はすべてGIBCO−Invitrogen Corp.から入手した。接種したプレートを37℃及び5% COで一晩インキュベートする。アンタゴニストとしてのAla−6,12ヒトオレキシン−Aは、1% ウシ血清アルブミン(BSA)中1mM ストック溶液として調製し、アッセイにおいて70pMの最終濃度で使用するためにアッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.1% BSA及び2.5mM プロベネシドを含有するHBSS,pH7.4)で希釈する。試験化合物はDMSO中10mM ストック溶液として調製した後、384ウェルプレートでまずDMSO、次いでアッセイ緩衝液で希釈する。アッセイ当日、細胞をアッセイ緩衝液(100ul)で3回洗浄した後、1uM Fluo−4AMエステル、0.02% プルロニック酸及び1% BSAを含有するアッセイ緩衝液(60ul)中で60分間インキュベートする(37℃、5% CO)。次いで、染色充填溶液を吸引し、細胞をアッセイ緩衝液(100ul)で3回洗浄する。30ulの同一緩衝液を各ウェルに残す。蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR,Molecular Devices)内で試験化合物を25ulの容量でプレートに添加し、5分間インキュベートし、最後にアゴニスト(25ul)を添加する。各ウェルの蛍光を1秒間隔で5分間測定し、各蛍光ピークの高さをアンタゴニストの代わりに緩衝液を用いて70pMのAla−6,12オレキシン−Aにより誘導される蛍光ピークの高さと比較する。各アンタゴニストについて、IC50値(アゴニスト応答を50%抑制するのに必要な化合物の濃度)を求める。或いは、化合物力価は、抑制定数(K)をOX1またはOX2受容体を発現するCHO細胞から作成した膜において測定する(Bergmanら.Bioorg.Med.Chem.Lett.,2008,18,1425−1430に記載されている。)放射性リガンドアッセイにより評価され得る。本発明において使用され得る化合物の固有オレキシン受容体アンタゴニスト活性がこれらのアッセイにより調べられ得る。
【0071】
特に、下記実施例の化合物は、上記したアッセイにおいて通常約50μM未満のIC50でラットオレキシン−1受容体及び/またはヒトオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有していた。本発明の範囲内の化合物の多くは上記したアッセイにおいて約100nM未満のIC50でラットオレキシン−1受容体及び/またはヒトオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有していた。本発明の化合物はまた、放射性リガンドアッセイにおいてオレキシン−1及び/またはオレキシン−2受容体に対して通常100nM未満のKiで活性を有している。追加データは下記実施例に提示されている。これらの結果は、オレキシン−1受容体及び/またはオレキシン−2受容体のアゴニストとしての使用における化合物の固有活性を示している。本発明は、オレキシン−1受容体及び/またはオレキシン−2受容体のアゴニストとしての活性を有する本発明の包括的範囲内の化合物も包含する。他のピリジル化合物に関して、本発明の化合物は予期せぬ特性、例えば高い経口バイオアベイラビリティー、代謝安定性、代謝酵素の低い阻害(例えば、低いシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害)、輸送体の低い抑制(例えば、低いp−糖タンパク質/PGP抑制)、及び/またはヒトオレキシン−2受容体を含めた他の受容体に対する選択性に関して予期せぬ特性を示す。
【0072】
オレキシン受容体は広範囲の生物学的機能に関与している。これはヒトまたは他の種の各種疾患プロセスにおける該受容体の潜在的役割を示唆している。本発明の化合物は、オレキシン受容体が関係する各種神経及び精神障害の治療、予防、改善、コントロールまたはリスク軽減に使用される。前記障害には、睡眠の質の強化、睡眠の質の向上、睡眠効率の向上、睡眠維持の改善を含めた睡眠障害または睡眠疾患;被験者が眠っている時間を被験者が眠ろうと試みた時間で割って計算した値の増加;睡眠開始の改善;睡眠潜伏または開始(寝入るのに要する時間)の減少;寝付け難さの低下;睡眠連続性の増加;睡眠中の覚醒回数の減少;睡眠中の間欠覚醒の減少;夜間覚醒の低下;最初に寝始めた後に眼が覚めている時間の減少;睡眠の総量の増加;睡眠の断片化の減少;レム睡眠の間のタイミング、頻度または期間の変更;徐波(すなわち、段階3または4)睡眠の間のタイミング、頻度または期間の変更;段階2睡眠の量及びパーセントの増加;徐波睡眠の促進;睡眠中EEG−δ活性の強化;夜間覚醒、特に早朝覚醒の減少;昼間敏捷性の増加;昼間傾眠の減少;過度の昼間眠気の治療または減少;睡眠の強度の満足の増加;睡眠維持の増加;特発性不眠症;睡眠の問題;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症、ナルコレプシー、中断した睡眠、睡眠無呼吸、覚醒状態、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交替勤務者の睡眠障害、睡眠異常、夜鷹症、うつ病、情緒/気分障害、アルツハイマー病または認知不全に関連する不眠症、夢遊病及び遺尿症、老化に伴う睡眠障害;アルツハイマー病夕暮れ症候群;日周期リズムに関連する状態、時間帯を横断する旅行や交替勤務スケジュールのローテーションに関連する精神及び肉体障害、副作用としてレム睡眠を低下させる恐れがある薬物に起因する状態;線維筋痛症;非回復睡眠及び筋肉痛を発現する症候群、または睡眠中の呼吸障害を伴う睡眠無呼吸;睡眠の質の低下により生ずる状態;学習の向上;記憶の増加;記憶保持の増加;過剰飲食に関連する摂食障害及びこれに関係する合併症、強迫摂食障害、(遺伝または環境であれ任意の原因の)肥満、肥満関連障害(例えば、過食症及び神経性過食症)、高血圧、糖尿病、高い血漿インスリン濃度及びインスリン耐性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び大腸癌、変形性関節症、閉塞性睡眠無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、異常心リズム及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏、通常の異型低身長、ターナー症候群、及び代謝活性の低下または総除脂肪体重のパーセントとしての安静エネルギー消費の低下を示す他の病的状態(例えば、急性リンパ芽球性白血病の小児)、症候群Xとしても公知のメタボリックシンドローム、インスリン耐性症候群、生殖ホルモン異常、性的機能及び生殖機能不全(例えば、損なわれた受精能、不妊症、男性の性機能低下及び女性の多毛症)、母胎肥満に関連する胎児異常、胃腸運動障害、腸運動ジスキネジー、肥満関連胃食道逆流、視床下部疾患、下垂体疾患、呼吸障害(例えば、肥満−換気低下症候群(ピックウィック症候群))、息切れ、心血管障害、炎症(例えば、血管系の全身炎症)、動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、高い麻酔剤リスク、肥満の二次結果のリスクの減少(例えば、左心室肥大のリスクの低下);異常な振動活性が脳で起こっている疾患または障害、例えばうつ病、偏頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病及び統合失調症、並びに活性の、特に視床を介する異常なカップリングがある疾患または障害;正常人、健康人、若者または老人において一時的または慢性的に生じていたり、精神、神経、心血管及び免疫障害において一時的または慢性的に生じているあらゆるタイプの注意、学習及び記憶機能の欠陥を含む認識機能不全を含めた認識機能の強化;記憶の強化;記憶保持の増加;免疫応答の増加;免疫機能の増加;ほてり;寝汗;寿命の延長;統合失調症;神経系により付与される興奮/弛緩リズムによりコントロールされる筋肉関連障害、例えば心リズム及び心臓血管系の他の障害;細胞の増殖に関連する状態、例えば血管拡張または血管拘束及び血圧;癌;心臓不整脈;高血圧;うっ血性心不全;尿生殖器の状態;性機能及び受精能の障害;腎機能の適合;麻酔剤に対する応答;気分障害、例えばうつ病、またはより特に抑うつ性障害、例えば単極性または再発性大抑うつ性障害及び気分変調性障害、または双極性障害(例えば,双極性I障害、双極性II障害及び気分循環障害)、全身医学的状態による気分障害及び物質誘発性気分障害;不安障害、例えば急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害及び全身医学的状態に起因する不安;急性神経及び精神障害、例えば心臓バイパス手術及び移植、卒中、虚血性発作、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性ニューロン損傷後の脳欠損;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼損傷;網膜症;認知障害;特発性及び薬物誘発性パーキンソン病;振戦、てんかん、痙攣、発作障害、欠神発作、複雑部分及び全身性発作を含めた筋痙性に関連する筋痙攣及び障害;レノックス−ガストー症候群;認知障害、例えば(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管の問題または卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病、周産期低酸素症、他の全身医学的状態または物質乱用に関連する。)認知症;せん妄、健忘性障害または加齢性認知低下;統合失調症または精神病、(妄想型、解体型、緊張型または不分化)統合失調症、統合失調症様障害、分裂情動性障害、妄想障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、全身医学的状態に起因する精神病性障害及び物質誘発性精神病性障害を含めた精神病;解離性障害、例えば多重人格障害及び心因性健忘症;物質関連障害、物質使用、物質乱用、物質探索、物質復活、(物質誘発性譫言、持続性認知症、持続性健忘症、精神障害または不安障害を含めた)あらゆるタイプの精神的及び肉体的嗜癖、嗜癖挙動、報酬関連挙動;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、モルヒネ、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静薬、催眠薬または不安寛解剤を含めた物質に対する耐性、習慣性摂取、依存性、退薬または再発;運動障害、例えば(パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソニズム−ALS認知症症候群及び脳幹神経節石灰化を含めた)無動症及び無動−硬直症候群、慢性疲労症候群、疲労(例えば、パーキンソン病疲労、多発硬化症疲労、睡眠障害または日周期リズム異常に起因する疲労)、薬剤誘発性パーキンソニズム(例えば、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム、神経遮断薬悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニー、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジー及び薬剤誘発性体位性振戦)、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、てんかん及びジスキネジー[例えば、振戦(例えば、静止時振戦、本態性振戦、体位性振戦及び企図振戦)、舞踏病(例えば、シドナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球増加症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病及び片側バリズム)、ミオクローヌス(例えば、全身性ミオクローヌス及び限局性ミオクローヌス)、チック(例えば、単純チック、複合チック及び症候性チック)、むずむず脚症候群及びジストニー(例えば、特発性ジストニー、薬物誘発性ジストニー、症候性ジストニー及び発作性ジストニーのような全身性ジストニー、及び眼瞼痙攣、口下顎ジストニー、痙攣性発声障害、痙性斜頸、軸性ジストニー、ジストニー様書痙及び片麻痺性ジストニーのような限局性ジストニー)];注意欠陥/多動障害(ADHD);行為障害;(片頭痛を含めた)偏頭痛;尿失禁;頭痛;痛覚過敏症;疼痛;疼痛に対する強化されたまたは悪化した感受性、例えば痛覚過敏、灼熱痛及び異痛症;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;神経障害性疼痛;背部痛;複合性局所疼痛症候群I及びII;関節炎性疼痛;スポーツ障害痛;感染(例えば、HIV)に関連する疼痛、化学療法後疼痛;卒中後痛;術後痛;神経痛;嘔吐、吐気、悪心;胃ジスキネジー;胃潰瘍;カルマン症候群(無臭覚);内臓痛に関連する状態、例えば過敏性腸症候群及び狭心症;摂食障害;尿失禁;(アヘン剤、ニコチン、タバコ、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮痛薬、催眠薬等のような物質を含めた)物質の耐性、物質からの退薬;精神病;統合失調症;不安(例えば、全般性不安障害、パニック障害及び強迫性障害);気分障害(例えば、うつ病、そう病、双極性障害);三叉神経痛;難聴;耳鳴り;ニューロン障害(例えば、眼障害);網膜症;眼の黄斑変性;嘔吐;脳浮腫;疼痛(例えば、急性及び慢性疼痛状態、重症疼痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、骨及び関節痛(変形性関節症)、反復運動痛、歯痛、癌痛、筋筋膜痛(筋肉損傷、線維筋痛)、周術期痛(一般手術、婦人科手術)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、偏頭痛及び片頭痛)の状態または疾患の1つ以上が含まれる。
【0073】
よって、特定の実施形態において、本発明は治療を要する哺乳動物患者における睡眠の質の強化のため;睡眠の維持の改善のため;レム睡眠の増加のため;段階2睡眠の増加のため;睡眠パターンの断片化の低減のため;不眠症及びあらゆるタイプの睡眠障害の治療のため;神経障害性疼痛やむすむず脚症候群を含めた神経学的障害のような疾患に関連する睡眠疾患の治療またはコントロールのため;嗜癖障害の治療またはコントロールのため;精神活性物質の使用及び乱用の治療またはコントロールのため;認識の強化のため;記憶保持の向上のため;肥満の治療またはコントロールのため;糖尿病、食欲、味覚、飲食障害の治療またはコントロールのため;視床下部疾患の治療またはコントロールのため;うつ病の治療またはコントロールのため;欠神てんかんを含めたてんかんの治療、コントロール、改善またはリスク軽減のため;神経障害性疼痛を含めた疼痛の治療またはコントロールのため;パーキンソン病の治療またはコントロールのため;精神病の治療またはコントロールのため;気分変調不全障害、気分障害、精神障害及び不安障害の治療またはコントロールのため;大鬱病及び大鬱病性障害を含めた鬱病の治療またはコントロールのため;双極性障害の治療またはコントロールのため;或いは統合失調症の治療、コントロール、改善またはリスク軽減のための方法を提供し、その方法は前記患者に対して治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0074】
本発明の化合物は更に、本明細書中に挙げられている疾患、障害及び状態の予防、治療、コントロール、改善またはリスク軽減方法において有用である。本発明の組成物中の活性成分の用量は変更可能であるが、活性成分の量は適当な剤形が得られるような量でなければならない。活性成分は治療を要する患者(動物及びヒト)に対して最適の医薬効果を与える用量で投与され得る。選択される用量は所望する治療効果、投与ルート及び治療期間に依存する。用量は疾患の種類及び重症度、患者の体重、その後患者が取る特別食、併用薬物、及び当業者が認識している他の要因に依存して患者毎に異なる。通常、オレキシン受容体の効果的な拮抗作用を得るために0.0001〜10mg/kg体重/日の用量レベルが患者(例えば、ヒト及び高齢者)に対して投与される。用量範囲は通常約0.5mg〜1.0g/患者/日であり、これを1回でまたは複数回に分けて投与し得る。1つの実施形態では、用量範囲は約0.5〜500mg/患者/日、別の実施形態では約0.5〜200mg/患者/日、更に別の実施形態では約5〜50mg/患者/日である。本発明の医薬組成物は、例えば約0.5〜500mgの活性成分、または約1〜250mgの活性成分を含む固体剤形の形態で提供され得る。医薬組成物を約1mg、5mg、10mg、25mg、30mg、50mg、80mg、100mg、200mgまたは250mgの活性成分を含む固体剤形の形態で提供してもよい。経口投与の場合、組成物は治療対象の患者の症状に合わせて用量を調節するために1.0〜1000mgの活性成分、例えば1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供され得る。化合物は1〜4回/日、例えば1〜2回/日のレジメンで投与され得る。化合物を就寝前に投与してもよい。例えば、化合物を就寝の約1時間前、就寝の約30分前。または就寝直前に投与してもよい。
【0075】
本発明の化合物は、本発明の化合物または他の薬物が有用であり得る疾患または状態の治療、予防、コントロール、改善またはリスク軽減において1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物の組合せはいずれかの薬物単独の場合に比してより安全であるかまたはより有効である。前記した他の薬物は通常使用されているルート及び量で本発明の化合物と同時または順次投与され得る。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、他の薬物及び本発明の化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が考えられる。しかしながら、併用治療には本発明の化合物及び1つ以上の他の薬物を異なる重複スケジュールで投与する治療も含まれ得る。また、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は各々を単独で使用したときよりも少ない用量で使用され得ると考えられる。従って、本発明の医薬組成物には本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものが含まれる。上記した組合せには本発明の化合物と1つの他の活性化合物の組合せ及び本発明の化合物と2つ以上の他の活性化合物の組合せが含まれる。
【0076】
また、本発明の化合物を、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、コントロール、改善またはリスク軽減において使用されている他の薬物と組み合わせて使用してもよい。前記した他の薬物は通常使用されるルート及び量で本発明の化合物と同時または順次投与され得る。本発明の化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えて前記した他の薬物を含有する医薬組成物が考えられる。従って、本発明の医薬組成物には本発明の化合物に加えて1つ以上の他の薬物をも含有するものが含まれる。
【0077】
本発明の化合物:第2活性成分の重量比は変更可能であり、各成分の有効量に依存する。通常、各成分の有効量が使用される。よって、例えば本発明の化合物を他の物質と組み合わせるとき、本発明の化合物:他の物質の重量比は通常約1000:1〜約1:1000、例えば約200:1〜約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分の組合せも通常上記範囲内であるが、いずれの場合も各活性成分の有効量を使用すべきである。上記組合せにおいて、本発明の化合物と他の活性物質を別々に投与しても、一緒に投与してもよい。加えて、1つの成分を他の物質の投与前、投与と同時または投与後に投与してもよい。
【0078】
本発明の化合物は、睡眠の質を強化するため、睡眠障害及び睡眠疾患を予防及び治療するために有用であることが当業界で公知である他の化合物と一緒に投与され得る。前記化合物の例には鎮静薬、催眠薬、不安寛解剤、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2アンタゴニスト(5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む)、ヒスタミンアンタゴニスト(ヒスタミンH3アンタゴニスト及びヒスタミンH3逆アゴニストを含む)、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T−タイプカルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジン等、例えばアジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクローラル、クロラールベタイン、クロラール水和物、クロロジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドクセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オルノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホル、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム及びその塩、並びにその組合せ等が含まれる。或いは、本発明の化合物を物理的方法、例えば光線治療または電気刺激と併用して投与してもよい。
【0079】
別の実施形態では、本発明の化合物は当業界で公知の他の化合物と一緒に使用され得、これらを別々に投与してもまたは同一医薬組成物の形態で投与してもよい。他の化合物にはインスリン増感物質、例えば(i)PPARγアンタゴニスト、例えばグリタゾン(例:シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン(MCC−555)、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン、チュラリック、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD)、GW−0207、LG−100641及びLY−300512等)、(iii)ビグアニド、例えばメトホルミン及びフェンフロミン;(b)インスリンまたはインスリンミメティクス、例えばビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ)、Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン)及びGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニル尿素、例えばアセトヘキサミド、クロロプロパミド、ダイアビネーゼ、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド及びトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q、サルボスタチン、CKD−711、MDL−25,637、MDL−73,945及びMOR 14等;(e)コレステロール低下薬、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン及び他のスタチン)、(ii)胆汁酸吸収剤/封鎖剤、例えばコレスチラミン、コレスチポル、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)等、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはその塩、(iii)増殖因子アクチベーター受容体αアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベンザフィブレート)、(iv)コレステロール吸収抑制剤、例えばスタノールエステル、β−シトステロール、ステロールグリコシド(例:チクエシド)及びアゼチジノン(例:エゼチミベ)等、及び(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤、例えばアバシミベ及びメリナミド、(v)抗酸化剤、例えばプロブコル、(vi)ビタミンE、及び(vii)甲状腺類似物質;(f)PPARαアゴニスト、例えばベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート及びゲムフィブロジル;及び他のフィブリン酸誘導体、例えばAtromid(登録商標)、Lopid(登録商標)及びTricor(登録商標)等、並びにWO97/36579に記載されているPPARαアゴニスト;(g)WO97/28149に開示されているようなPPARδアゴニスト;(h)PPARα/δアゴニスト、例えばムラグリタザル及びUS6,414,002に開示されている化合物;(i)抗肥満薬、例えば(1)成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン分泌促進受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばNN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429及びL−163,255、並びに米国特許第5,536,716号及び同第6,358,951号、米国特許出願第2002/049196号及び同第2002/022637号、及びPCT出願WO01/56592及びWO02/32888に開示されているもの;(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイドCB受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストのようなカンナビノイド受容体リガンド、例えばリモナバント、タウナバント、AMT−251、SR−14778及びSR−141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY 65−2520(Bayer)、並びに米国特許第5,532,237号、同第4,973,587号、同第5,013,837号、同第5,081,122号、同第5,112,820号、同第5,292,736号、同第5,624,941号、同第6,028,084号、PCT出願WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO02/076949、WO03/007887、WO04/048317及びWO05/000809に開示されているもの;(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(大日本/武田)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、Zeneca D7114、SR−59119A;(6)膵リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスフェート、並びにPCT出願WO01/77094に開示されているもの;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、並びに米国特許第6,001,836号、PCT特許公開WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示されているもの;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104、並びに米国特許第6,057,335号、同第6,043,246号、同第6,140,354号、同第6,166,038号、同第6,180,653号、同第6,191,160号、同第6,313,298号、同第6,335,345号、同第6,337,332号、同第6,326,375号、同第6,329,395号、同第6,340,683号、同第6,388,077号、同第6,462,053号、同第6,649,624号及び同第6,723,847号;欧州特許EP01010691及びEP01044970、及びPCT国際特許公開WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/24768、WO98/25907、WO98/25908、WO98/27063、WO98/47505、WO98/40356、WO99/15516、WO99/27965、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/22592、WO02/48152、WO02/49648、WO02/094825、WO03/014083、WO03/10191、WO03/092889、WO04/002986及びWO04/031175に開示されているもの;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト、例えばWO01/21577及びWO01/21169;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(武田)、並びにPCT特許出願WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027;(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867−A及び本明細書中の特許文献に開示されているもの;(13)セロトニン再取り込み阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチン及びセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタンII;(15)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron)、PT−141及びPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、並びに米国特許第3,914,250号、PCT出願WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457に開示されているもの;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニンA)アゴニスト、例えばAR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR14613、並びに米国特許第5,739,106号に開示されているもの;(21)GLP−Iアゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾル−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)及びO−[3−(1H−イミダゾル−4−イル)プロパノル]−カルバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えばGW 320659、デスピラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(29)グレリン受容体アンタゴニスト、例えばPCT出願WO01/87335及びWO02/08250に開示されているもの;(30)組換えヒトレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含めたレプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,beta−A1a11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−
Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、並びにPept.Sci.,2000 Aug,8(8):461−75に開示されている化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジデ、PD170,292及びPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えばアクソキン(Regeneron);(35)モノアミン再取り込み阻害剤、例えばシブトラミン;(36)UCP−1(脱共役タンパク質−1)、2または3アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えばセルレニン及びC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えばdel Mar−Grasa M.ら,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示されているオレオイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL 225、TMC−2A/2B/2C、FE 999011、P9310/K364、VIP 0177、SDZ 274−444、シタグリプチン、並びにUS6,699,871、WO03/004498及びWO03/004496、EP1258476、WO02/083128、WO02/062764、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/000180及びWO03/000181に開示されている化合物;(46)ジカルボキシレート輸送体阻害剤;(47)グルコース輸送体阻害剤;(48)ホスフェート輸送体阻害剤;(49)メトホルミン(Glucophage(登録商標));(50)トピラメート(Topimax(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYYアナログ、誘導体及び断片、例えばBIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak D.A.ら,Dig.Dis.Sci.,44(3):643−48(1999));(51)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−G1u32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵ペプチド(PP)及び他のY4アゴニスト(例:1229U91);(54)シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブ、またはJTE522、ABT963、CS502及びGW406381;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)11β HSD−1(11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1)阻害剤、例えばBVT 3498、BVT 2733、並びにWO01/90091、WO01/90090、WO01/90092、US6,730,690及びUS2004−0133011に開示されているもの;(58)アミノレックス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロホレクス;(65)クロミノレクス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デキストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン;(70)N−エチルアンフェタミン;(71)フェンブトラゼート;(72)フェニソレクス;(73)フェンプロポレクス;(74)フルドレクス;(75)フルミノレクス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン;(79)メフェノレクス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルシュードエフェドリン;(83)ペントレクス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレクス;(87)フィトファーム57;(88)ゾニサミド;(89)ニューロメジンU、及びそのアナログまたは誘導体;(90)オキシントモジュリン、及びそのアナログまたは誘導体;及び(91)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−Iアンタゴニスト)、例えば米国特許第5,162,339号、同5,232,929号、同5,242,930号、同5,373,003号、同5,387,595号、同5,459,270号、同5,494,926号、同5,496,833号及び同5,637,699号に開示されている化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
別の実施形態では、本発明の化合物は抗うつ薬または抗不安薬と一緒に使用され得、この抗うつ薬または抗不安薬にはノルエピネフリン再取り込み阻害剤(第3級アミン三環式化合物及び第2級アミン三環式化合物を含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、異型抗うつ薬、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが含まれる。具体的には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン;シタロプラム、デュロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロロジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパテ、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、並びにその医薬的に許容され得る塩が挙げられる。
【0081】
別の実施形態では、本発明の化合物は抗アルツハイマー病剤;β−セクレターゼ阻害剤;γ−セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進剤;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含めたNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質、例えばドキシサイクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンチン;コリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン;成長ホルモン分泌促進剤、例えばイブタモレン、イブタモレンメシル酸塩及びカプロモレリン;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA逆アゴニスト;またはニューロンニコチン酸アゴニストと一緒に使用され得る。
【0082】
別の実施形態では、本発明の化合物は鎮静薬、催眠薬、不安寛解剤、抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニスト等、例えばアジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクローラル、クロラールベタイン、クロラール水和物、クロロジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドクセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホル、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム及びその塩、並びにその組合せ等と一緒に使用され得る。或いは、本発明の化合物を物理的方法、例えば光線治療または電気刺激と併用して投与してもよい。
【0083】
別の実施形態では、本発明の化合物はレボドーパ(場合により、カルビドーパまたはベンセラジドのような選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤と一緒に);抗コリン作動薬、例えばビペリデン(場合により、その塩酸塩または乳酸塩として)及びトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩;COMT阻害剤、例えばエンタカポン;MOA−B阻害剤;抗酸化剤;A2aアデノシン受容体アンタゴニスト;コリン作動性アゴニスト;NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト及びドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールと一緒に使用され得る。
【0084】
別の実施形態で、本発明の化合物はアセトフェナジン、アレンテモール、ベンゾヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロロプロマジン、クロロプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドーパ、レボドーパ+ベンセラジド、レボドーパ+カルビドーパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセンまたはトリフルオペラジンと一緒に使用され得る。
【0085】
別の実施形態では、本発明の化合物は神経遮断薬のフェノチアジン、チオキサンテン、ヘテロ環式ジベンザゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンクラスの化合物と一緒に使用され得る。フェノチアジンの適当な例にはクロロプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオペラジンが含まれる。チオキサンテンの適当な例にはクロロプロチキセン及びチオチキセンが含まれる。ジベンザゼピンの例はクロザピンである。ブチロフェノンの例はハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例はピモジドである。インドロンの例はモリンドロンである。他の神経遮断薬にはロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが含まれる。
【0086】
別の実施形態では、本発明の化合物はニコチンアゴニストまたはニコチン受容体部分アゴニスト、例えばバレニクリン、オピオイドアンタゴニスト(例えば、(ナルトレキソンデホーを含めた)ナルトレキソン、アンタビュース及びナルメフェン)、ドーパミン作動薬(例えば、アポモルヒネ)、ADD/ADHD剤(例えば、メチルフェニデート塩酸塩(例えば、Ritalin(登録商標)及びConcerta(登録商標))、アトモキセチン(例えば、Strattera(登録商標))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、アンフェタミン(例えば、Adderall(登録商標))、抗肥満薬、例えばアポ−B/MTP阻害剤、11ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11ベータ−HSDタイプ1)阻害剤、ペプチドYY3−36またはそのアナログ、MCR−4アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤、交感神経作用薬、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、メラニン細胞刺激ホルモン受容体アナログ、5−HT2c受容体アゴニスト、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、レプチン、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニン受容体アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシン受容体アゴニスト、ニューロペプチド−Y受容体アンタゴニスト(例えば、NPY Y5受容体アンタゴニスト)、甲状腺ホルモン剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、他のオレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト及びニューロメジンU受容体アゴニスト、並びにその医薬的に許容され得る塩と一緒に使用され得る。
【0087】
別の実施形態では、本発明の化合物は食欲減退物質、例えばアミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デキストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラゼート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレクス、フルミノレクス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレクス、メタムフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノラミン、ピシロレックス及びシブトラミン;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI);ハロゲン化アンフェタミン誘導体、例えばクロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス及びシブトラミン、並びにその医薬的に許容され得る塩と一緒に使用され得る。
【0088】
別の実施形態では、本発明の化合物はアヘン剤アゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤(例えば、5−リポキシゲナーゼ阻害剤)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤)、インターロイキン阻害剤(例えば、インターロイキン−1阻害剤)、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素阻害剤または一酸化窒素の合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤またはサイトカイン抑制抗炎症剤、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド鎮痛剤、スフェンタニル、スリンダク、テニダプ等のような化合物と一緒に使用され得る。また、本発明の化合物は疼痛緩和剤;増強剤、例えばカフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;充血除去剤、例えばフェニレフリン、フェニルプロパノラミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボデスオキシエフェドリン;鎮咳剤、例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿剤;及び鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬と一緒に使用され得る。
【0089】
本発明の化合物は経口により、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸内、舌下または局所投与ルートにより投与され得、単独でまたは一緒に各投与ルートに適した慣用の非毒性で医薬的に許容され得る担体、佐剤及びビヒクルを含む適当な投与単位製剤に製剤化され得る。温血動物(例えば、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル等)の治療に加えて、本発明の化合物はヒトに使用するのに有効である。
【0090】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は有利には投与単位形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。いずれの方法も活性成分を1つ以上の補助成分からなる担体と混合するステップを含む。通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細な固体担体と均一及び均密に混合した後、所要により生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には病気のプロセスまたは状態に対して所望の効果を与えるのに十分な量の活性化合物が含まれている。本明細書中で使用されている用語「組成物」は特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品が含まれると意図される。
【0091】
経口用に意図されている医薬組成物は医薬組成物の製造のための当業界で公知の方法に従って製造され得、前記組成物は医薬として上品で口に合う製剤を提供するために甘味料、着香料、着色料及び保存料からなる群から選択される1つ以上の物質を含み得る。錠剤は、活性成分を錠剤を製造するのに適した非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含む。前記賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化及び崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングを被せなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて長時間にわたり持続作用を発揮するように公知技術によりコーティングを被せてもよい。経口用組成物は、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されている硬ゼラチンカプセル剤、または活性成分が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されている軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。水性懸濁液剤は水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性物質を含む。油性懸濁液剤は活性成分を適当な油中に懸濁させることにより製剤化され得る。水中油型エマルション剤も使用され得る。水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は分散または湿潤剤、沈殿防止剤及び1つ以上の保存剤と混合して活性成分を含む。本発明の医薬組成物は滅菌の注射用水性または油性懸濁液剤の形態をとり得る。本発明の化合物は直腸内投与用座剤の形態でも投与され得る。局所的に使用するために、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、溶液剤または懸濁液剤等が使用され得る。本発明の化合物を吸入投与用に製剤化してもよい。本発明の化合物を当業界で公知の方法により経皮パッチによって投与してもよい。
【0092】
本発明の化合物を製造するための幾つかの方法を下記スキーム及び実施例において説明する。出発物質は当業界で公知の手順または本明細書中に説明されている手順に従って製造される。本明細書中では以下の略号が使用されている。Me:メチル、Et:エチル、t−Bu:tert−ブチル、Ar:アリール、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、Ac:アセチル、ACN:アセトニトリル、THF:テトラヒドロフラン、DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート、DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン、NMM:N−メチルモルホリン、DMBO:ジメチルスルホキシド、EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド、HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、Boc:tert−ブチルオキシカルボニル、EtN:トリエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DCE:ジクロロエタン、BSA:ウシ血清アルブミン、TFA:トリフルオロ酢酸、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、MTBE:メチルtert−ブチルエーテル、SOCl:塩化チオニル、CDI:カルボニルジイミダゾール、PyClu:1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)−ピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート、T3P:1−プロピルホスホン酸環状無水物、rt:室温、HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は各種様式で製造され得る。
【0093】
幾つかの場合には、例えば置換基を操作することにより最終生成物を更に修飾してもよい。これらの操作には、当業者に一般的に知られている還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が含まれ得るが、これらに限定されない。幾つかの場合には、上記反応スキームを実施する順序は反応を促進させるためにまたは望ましくない反応生成物を避けるために変更してもよい。本発明が更に十分に理解されるように以下の実施例を提示する。これらの実施例は例示に過ぎず、本発明を限定するものと決して解釈されるべきでない。
【0094】
【化17】

5−アリール−2−クロロニコチン酸(A−2)は、標準条件下でA−Iでアリールボロン酸を鈴木カップリング反応した後、加水分解することにより合成される。A−2をPyCluを用いてアミンにカップリングすると、A−3が得られる。A−3を標準鈴木カップリング条件を用いてマイクロ波加熱しながらボロン酸とカップリングすると、A−4が得られる。
【0095】
【化18】

2,5−ジ置換ニコチン酸(B−2)は、B−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位を別の鈴木カップリングにかけ、その場で加水分解することにより合成され得る。B−2のような化合物を更にアミドカップリングにかけることにより最終生成物とすると、B−3が得られ得る。
【0096】
【化19】

2,5−ジ置換ニコチン酸(C−2)は、C−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位を別の鈴木カップリングにかけ、次いで塩基性加水分解することより合成され得る。C−2のような化合物を更にアミドカップリングにかけることにより最終生成物とすると、C−3が得られ得る。
【0097】
【化20】

2,5−ジ置換ニコチン酸(D−2)は、D−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位を求核置換し、エステルを加水分解することにより合成され得る。D−2のような化合物を更にアミドカップリングにかけることにより最終生成物とすると、D−3が得られ得る。
【0098】
【化21】

2,5−ジ置換ニコチン酸(E−2)は、E−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位をN−H含有ヘテロ環と求核置換することにより合成され得る。エステルを加水分解すると、E−2が生ずる。E−2のような化合物を更にアミドカップリングにかけることにより最終生成物とすると、E−3が得られ得る。
【0099】
【化22】

2,5−ジ置換ニコチン酸(F−2)は、F−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位を根岸カップリングにかけることにより合成され得る。エステルを加水分解すると、F−2が生ずる。F−2のような化合物を更にアミドカップリングにかけることにより最終生成物とすると、F−3が得られ得る。
【0100】
【化23】

2,5−ジ置換ニコチン酸エステル(G−2)は、G−1から5位を選択的スティルカップリングにかけた後、2位を別のスティルカップリングにかけることにより合成され得る。G−2のような化合物を更にトリメチルアルミニウムにより媒介されるトランスアミノ化にかけることにより最終生成物とすると、G−3が得られ得る。
【0101】
【化24】

2,5−ジ置換ニコチン酸(H−2)は、F−1から5位を選択的鈴木カップリングにかけた後、2位をスティルカップリングにかけることにより合成され得る。エステルを加水分解すると、H−2が生じる。H−2のような化合物を更にアミドカップリングにより最終生成物とすると、H−3が得られ得る。
【実施例】
【0102】
実施例1
【0103】
【化25】

2−クロロ−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチン酸(1−2)
2−クロロ−5−ヨードニコチン酸メチル(1−1,2.01g,6.72ミリモル,1当量)及び3,5−ジメチルフェニルボロン酸(1.01g,6.72ミリモル,1.00当量)をジオキサン(250mL)中に含む脱酸素溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(155mg,0.134ミリモル)及び2N 水性重炭酸ナトリウム溶液(16.8mL,33.6ミリモル,5.00当量)を添加し、反応混合物を90℃で48時間加熱した。反応混合物を23℃まで冷却した後、酢酸エチル(500mL)と飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液(500mL)に分配した。水性層を濾過し、濃塩酸でpH2に酸性化した。生じた沈殿を濾過により集め、水(2×100mL)で洗浄し、風乾して、2−クロロ−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチン酸(1−2)をオフホワイト色固体として得た。LRMS m/z(M+H) 実測値=262.3,計算値=262.1。
【0104】
2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチンアミド(1−3)
2−クロロ−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチン酸(1−2,0.200g,0.764ミリモル,1当量)及び3,4−ジメトキシベンジルアミン(0.319g,1.91ミリモル,2.50当量)をDMF(5mL)中に含む溶液に1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)−ピロリジニウムヘキサフルオロホスフェート(PyClu,0.383mg,1.15ミリモル,1.51当量)及びジイソプロピルエチルアミン(0.667mL,3.82ミリモル,5.00当量)を添加した。生じた混合物を23℃で20時間攪拌した。反応混合物を濾過し、逆相液体クロマトグラフィー(HO/CHCN勾配 w/0.1% TFA存在)により精製した。所望画分を飽和水性重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチル(2×50mL)に分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチンアミド(1−3)を白色粉末として得た。LRMS m/z(M+H) 実測値=262.3,計算値=262.1。
【0105】
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド(1−4)
2−クロロ−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチンアミド(1−3,50.0mg,0.122ミリモル)及び1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(25.3mg,0.122ミリモル)をジオキサン(3mL)中に含む溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.03mg,6.08マイクロモル)及び2N 水性重炭酸ナトリウム溶液(0.304mL,0.608ミリモル)を添加した。マイクロ波加熱しながら、脱酸素化混合物を160℃で1時間維持した。反応混合物を濾過し、濃縮乾固した。固体残渣を酢酸エチル(4mL)と摩砕し、濾過により集め、水(10mL)で洗浄し、風乾して、N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド(1−4)を得た。H NMR(300MHz,DMSO)δ 9.09(t,1H,J=5.8Hz),8.87(d,1H,J=1.8Hz),7.92(d,1H,J=1.8Hz),7.82(d,1H,J=9.8Hz),7.39(s,2H),7.06(s,1H),6.92(m,3H),4.29(d,2H,J=5.3Hz),3.74(m,6H),3.32(s,3H),2.35(s,3H)。HRMS m/z(M+H) 実測値=457.2242,計算値=457.2234。
【0106】
【表1】




【0107】
実施例2
【0108】
【化26】

5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチン酸(2−2)
2−クロロ−5−ヨードニコチン酸メチル(2−1,1.00g,3.36ミリモル)をジメチルホルムアミド(15mL)中に含む溶液に25℃で3−クロロ−5−メチルボロン酸(0.573g,3.36ミリモル;Org.Lett.,2007,9,757−760に記載されている手順により合成)、PdCldppf(0.246g,0.336ミリモル)を添加し、次いで1M 水性炭酸セシウム(13.5mL,13.5ミリモル)を添加し、系を25℃で4時間攪拌した。系を水とEtOAcに分配し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮すると、褐色固体が生じた。これをエーテルと摩砕すると、黄褐色固体が生じた。ジメチルホルムアミド(0.8mL)中のこの黄褐色固体(0.05g,0.169ミリモル)に25℃で1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.038g,0.186ミリモル)、PdCldppf(0.012g,0.017ミリモル)を添加し、次いで4M 水性炭酸セシウム(0.67mL,0.675ミリモル)を添加し、系をマイクロ波で135℃で15分間攪拌した。系を水とEtOAcに分配した。次いで、水性層を25% クエン酸を用いてpH3に酸性化し、EtOAcで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して、標記化合物(2−2)をクリーム色固体として得た。ESI+ MS[M+H]1714ClN=328.0。
【0109】
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド(2−3)
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチン酸(2−2,0.050g,0.153ミリモル)及び3,4−ジメトキシベンジルアミン(0.099g,0.595ミリモル)をジメチルホルムアミド(1mL)中に含む溶液にEDC(0.132g,0.686ミリモル)、HOBt(0.105g,0.686ミリモル)を添加し、次いでN−メチルモルホリン(0.250mL,2.28ミリモル)を添加し、系を25℃で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物を濾過し、順相クロマトグラフィー(DCM中0→5% MeOH)により精製して、標記化合物(2−3)をアイボリー色粉末として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.81(d,J=2.5Hz,1H),7.99(s,1H),7.92(d,J=2.5Hz,1H),7.78(s,1H),7.38(s,1H),7.28(m,2H),7.23(s,1H),6.84(s,2H),6.06(m,1H),4.55(d,J=6Hz,2H),3.88(s,3H),3.87(s,3H),3.86(s,3H),2.42(s,3H)。HRMS[M+H] C2625ClN:計算値=477.1688,実測値=477.1682。
【0110】
【表2】




【0111】
実施例3
【0112】
【化27】

6−クロロ−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(3−2)
2−クロロ−5−ヨードニコチン酸メチル(3−1,22g,74.0ミリモル)をジメチルホルムアミド(296mL)中に含む溶液に0℃(氷浴)で3−メチル−5−ピリジルボロン酸(10.13g,74.0ミリモル)、PdCldppf(5.41g,7.40ミリモル)を添加し、次いで炭酸セシウム(84g,259ミリモル)及び水(13.32mL,740ミリモル)を添加し、系を氷浴を室温まで加温しながら一晩攪拌した。系を水とEtOAcに分配し、EtOAcで3回抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮すると、褐色油状物が生じた。これを順相クロマトグラフィー(ヘキサン中0→100% EtOAc)により精製して、標記化合物(3−2)をオフホワイト色固体として得た。ESI+ MS[M+H]1311ClN=262.9。
【0113】
6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(3−3)
6−クロロ−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(3−2,4.25g,16.16ミリモル)を脱気したジメチルホルムアミド(81mL)中に含む溶液に25℃で2−フルオロフェニルボロン酸(2.94g,21.01ミリモル)、PdCldppf(1.18g,1.62ミリモル)及び4M 水性炭酸セシウム(10.1mL,40.4ミリモル)を添加した。反応フラスコに窒素をパージし、密封し、40℃で4時間攪拌した。粗な反応混合物を水とEtOAcに分配し、層を分離し、有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄した。溶媒を回転蒸発により除去し、粗な生成物をDCM(40mL)に取った。Quadrapure TU(6g)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。濾過し、濃縮して、標記化合物(3−3)を固体として得た。ESI+ MS[M+H]1915FN=323.1。
【0114】
6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸塩酸塩(3−4)
6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(3−3,5.57g,17.28ミリモル)をTHF/水(84mL;5:1)中に含む溶液に10M 水酸化ナトリウム溶液(3.46mL,34.6ミリモル)を添加し、反応物を60℃で一晩攪拌した。反応混合物を水で希釈し、濾過し、濃縮した。粗な生成物をDMF/DMSO/CHCN/水(72mL;2:2:1:0.5)に取り、濾過し、逆相分取クロマトグラフィー(水+0.1% TFAバッファー中5〜40% アセトニトリル)により精製した。きれいな画分をプールし、蒸発させて、TFA塩を白色固体として得た。この物質を最少量のTHF/アセトニトリルに取り、HClを飽和したエチルエーテルを添加すると、白色沈殿が形成された。懸濁液を遠心した後、溶媒をデカントにより除去した。これを更に2回繰り返し、HCl/エーテルで1回、次いでジエチルエーテルで繰り返した。最終デカント後、固体を高真空下で乾燥して、標記化合物(3−4)をHCl塩として得た。ESI+ MS[M+H]1813FN・HCl=309.1。
【0115】
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド(3−5)
6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸塩酸塩(3−4,3.0g,8.70ミリモル)をジメチルホルムアミド(43mL)中に含む溶液を0℃まで冷却し、ここにEDC(2.67g,13.92ミリモル)及びHOBt(2.13g,13.92ミリモル)を添加し、次いで1−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メタナミン(11−6,1.90g,11.31ミリモル)及びN−メチルモルホリン(5.74mL,52.2ミリモル)を添加した。反応物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機物を水及びブラインで洗浄した後、乾固までストリッピングした。粗な生成物をDMF/DMSO(30mL,1:1)に取り、濾過し、逆相クロマトグラフィー(水+0.1% TFAバッファー中5→65% アセトニトリル)により精製した。きれいな画分をプールし、酢酸エチルと2M 炭酸ナトリウムに分配した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、標記化合物(3−5)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.99(d,J=2.5Hz,1H),8.74(d,J=2Hz,1H),8.53(s,1H),8.34(d,J=2.5Hz,1H),7.77(s,1H),7.66(m,1H),7.31(m,1H),7.21(t,J=14.6Hz,1H),6.98(d,J=7.8Hz,1H),6.92(t,J=18.3Hz,1H),6.73(d,J=7.8Hz,1H),6.46(m,1H),4.44(d,J=5Hz,2H),3.87(s,3H),3.81(s,3H),2.45(s,3H)。HRMS[M+H] C2623FN:計算値=459.1827,実測値=459.1830.
【0116】
実施例3A
【0117】
【化28】

N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル−6−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド(3−7)
6−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸塩酸塩(3−63−4の製造に関して上記した方法により製造,2.5g,7.25ミリモル)をジメチルホルムアミド(36mL)中に含む溶液を0℃まで冷却し、ここにEDC(1.95g,10.2ミリモル)及びHOBt(1.67g,10.9ミリモル)を添加し、次に1−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メタナミン(11−6,1.46g,8.7ミリモル)及びN−メチルモルホリン(4.78mL,43.5ミリモル)を添加した。反応物を15分間攪拌した後、室温まで加温した。3.5時間後、反応混合物を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウムに分配した。有機物を水及びブラインで洗浄し、NaSO/MgSOで乾燥し、濾過し、乾固までストリッピングした。粗な生成物をクロロホルム/エチルエーテルから再結晶して、標記化合物(3−7)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.96(d,J=2.2Hz,1H),8.72(d,J=1.7Hz,1H),8.56(s,1H),8.23(d,J=2.2Hz,1H),7.76(s,1H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.40(d,J=9.5Hz,1H),7.24(m,1H),6.99(m,2H),6.74(d,J=7.8Hz,1H),6.33(m,1H),4.44(d,J=5.4Hz,2H),3.88(s,3H),3.76(s,3H),2.45(s,3H)。HRMS[M+H] C2623FN:計算値=459.1827,実測値=459.1832。
【0118】
【表3】



【0119】
実施例4
【0120】
【化29】

5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−2−モルホリン−4−イルニコチン酸(4−2)
2−クロロ−5−ヨードニコチン酸メチル(4−1,9.34g,31.5ミリモル)をジメチルホルムアミド(157mL)中に含む溶液に25℃で3−クロロ−5−メチルボロン酸(5.35g,31.4ミリモル)、PdCldppf(2.3g,3.14ミリモル)を添加し、次いで炭酸セシウム(41.0g,126ミリモル)及び水(10.0mL,565ミリモル)を添加し、系を25℃で4時間攪拌した。系を水とEtOAcに分配し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮すると、褐色固体が生じた。これを順相クロマトグラフィー(ヘキサン中0→15% EtOAc)により精製すると、白色固体が生じた。ジオキサン(67.5mL)中のこの白色固体(4.0g,13.5ミリモル)に25℃でモルホリン(5.88g,67.5ミリモル)を添加し、系を90℃に3時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、生じた残渣を水とEtOAcに分配し、次いで順相クロマトグラフィー(ヘキサン中5→15% EtOAc)により精製すると、白色泡状物が生じた。THF(30mL)及びMeOH(30mL)中のこの泡状物(4.2g,12.11ミリモル)にKOH(5.19mL,36.3ミリモル)を添加し、周囲温度で一晩攪拌した。次いで、系を6N HClを用いてpH2.0まで酸性化し、溶媒をトルエンとの共沸により除去して、標記化合物(4−2)を黄色粉末として得た。HRMS[M+H] C1712ClN:計算値=333.1002,実測値=333.1000。
【0121】
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(モルホリン−4−イル)ニコチンアミド(4−3)
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−2−モルホリン−4−イルニコチン酸(4−2,2.8g,8.41ミリモル)及び3,4−ジメトキシベンジルアミン(6.30mL,42.1ミリモル)をDCM(42mL)中に含む溶液にEDC(4.84g,25.2ミリモル)、HOBt(3.87g,25.2ミリモル)を添加し、次いでN−メチルモルホリン(9.25mL,84ミリモル)を添加し、系を25℃で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水に分配し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物を濾過し、濃縮し、ジエチルエーテルと摩砕して、標記化合物(4−3)をアイボリー色粉末として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.82(m,1H),8.53(d,J=2.4Hz,1H),8.49(d,J=2.4Hz,1H),7.35(s,1H),7.16(s,1H),6.90(m,2H),6.84(m,1H),4.56(d,J=5.6Hz,2H),3.86(s,3H),3.85(s,3H),3.55(m,4H),3.12(m,4H),2.37(s,3H)。HRMS[M+H] C2628ClN:計算値=482.1841,実測値=482.1847。
【0122】
【表4】



【0123】
実施例5
【0124】
【化30】

5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸(5−2)
2−クロロ−5−ヨードニコチン酸メチル(5−1,10.85g,36.5ミリモル)をジメチルホルムアミド(150mL)中に含む溶液に25℃で3−メチル−5−ピリジルボロン酸(5.0g,36.5ミリモル)、PdCldppf(2.67g,3.65ミリモル)を添加し、次いで炭酸セシウム(41.6g,128ミリモル)及び水(6.57mL,365ミリモル)を添加し、系を25℃で4時間攪拌した。系を水とEtOAcに分配し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮すると、褐色油状物が生じた。これを順相クロマトグラフィー(ヘキサン中0→100% EtOAc)により精製すると、褐色半固体が生じた。これをMeOH及びジエチルエーテルと摩砕すると、暗黄褐色粉末が生じた。ジオキサン(13mL)中のこの黄褐色粉末(0.5g,1.9ミリモル)に3−メチルピラゾール(0.47g,5.7ミリモル)及びNaHMDS(1.9mL,3.81ミリモル)を添加し、系をマイクロ波反応器において125℃に20分間加熱した。反応内容物を水とEtOAcに分配した後、順相クロマトグラフィー(ヘキサン中20→100% EtOAc)により精製すると、透明油状物が生じた。THF(2.5mL)及びMeOH(2.5mL)中のこの透明油状物(0.31g,1.0ミリモル)にKOH(2.0mL,2.0ミリモル)を添加し、マイクロ波反応器において135℃で10分間攪拌した。次いで、系を6N HClを用いてpH2.0まで酸性化し、溶媒をトルエンとの共沸により除去して、標記化合物(5−2)をアイボリー色粉末として得た。ESI+ MS[M+H]1614=295.1。
【0125】
5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−N−[(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)メチル]−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド(5−3)
5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸(5−2,0.025g,0.085ミリモル)及び1−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)メタナミン(0.015g,0.085ミリモル)をACN(0.85mL)中に含む溶液に1−プロピルホスホン酸環状無水物(T3P,0.15mL,0.255ミリモル)を添加し、次いでヒューニッヒ塩基(0.089mL,0.51ミリモル)を添加し、系を油浴において40℃で1時間攪拌した。反応混合物を冷却し、EtOAcと水に分配し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。反応混合物を濾過し、濃縮し、順相クロマトグラフィー(EtOAc中0→10% MeOH)により精製して、標記化合物(5−3)をアイボリー色粉末として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.68(m,1H),8.51(m,1H),8.29(m,1H),8.22(m,1H),7.72(m,1H),7.12(m,1H),7.0(m,1H),6.90(m,1H),6.54(m,1H),6.27(m,1H),4.46(m,2H),3.22(m,2H),2.88(s,3H),2.74(m,2H),2.44(s,3H),2.28(s,3H),1.97(m,2H)。HRMS[M+H] C2728O:計算値=453.2391,実測値=453.2397。
【0126】
【表5】


【0127】
実施例6
【0128】
【化31】

6−シクロペンチル−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(6−2)
6−クロロ−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(6−1,0.15g,0.57ミリモル,1.0当量,実施例2及び8と同様に製造)をジオキサン(2.9mL)中に含む溶液に25℃で臭化シクロペンチル亜鉛(3.43mL,1.71ミリモル,3.0当量,THF中0.5M)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.099g,0.086ミリモル,0.15当量)を添加した。反応混合物を90℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(10mL)とEtOAc(30mL)に分配し、水(3×30mL)及びブライン(1×30mL)で洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中5〜100% EtOAc,シリカ)により精製し、濃縮後、所望生成物(6−2)を油状物として得た。ESI+ MS[M+H]1820:計算値=297.2,実測値=297.1。
【0129】
6−シクロペンチル−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸ナトリウム(6−3)
6−シクロペンチル−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸メチル(6−2,0.060g,0.020ミリモル,1.0当量)をTHF/メタノール(1.7mL/0.3mL)中に含む溶液に10N 水酸化ナトリウム(0.10mL,1.0ミリモル,5.0当量)を添加し、系を周囲温度で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(2×10mL)及びトルエン(3×10mL)と共沸して、所望生成物(6−3)を白色固体として得た。ESI+ MS[M+H]1718:計算値=283.1,実測値=283.0。
【0130】
6−シクロペンチル−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド(6−4)
6−シクロペンチル−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボン酸ナトリウム(6−3,0.022g,0.078ミリモル,1.0当量)をアセトニトリル(0.8mL)中に含む懸濁液に1−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メタナミン(11−6,0.039g,0.234ミリモル,3.0当量)、1−プロピルホスホン酸環状無水物(0.149g,0.234ミリモル,3.0当量,EtOAc中50重量%)及びジイソプロピルエチルアミン(0.060g,0.47ミリモル,6.0当量)を添加し、系を40℃に24時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(2×10mL)、水(2×10mL)及びブライン(1×10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を順相クロマトグラフィー(EtOAc中0〜40% メタノール,シリカ)、次いで逆相クロマトグラフィー(水+0.1% TFAバッファー中5〜65% アセトニトリル)により精製し、遊離塩基化し、濃縮した後、所望生成物(6−4)を白色固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.83(d,J=2.5Hz,1H),8.62(d,J=2.0Hz,1H),8.47(s,1H),7.84(d,J=2.0Hz,1H),7.65(s,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),6.90(d,J=7.5Hz,1H),6.72(bs,1H),4.64(d,J=5.0Hz,2H),3.97(s,3H),3.88(s,3H),3.52−3.48(m,1H),2.42(s,3H),2.04−1.80(m,6H),1.70−1.60(m,2H)。HRMS[M+H] C2528:計算値=433.2234,実測値=433.2226。
【0131】
【表6】

【0132】
実施例7
【0133】
【化32】

5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジン(7−2)
2,3−ジメトキシピリジン(7−1,2.5g,18.0ミリモル,1.0当量)をジクロロメタン:飽和NaHCO(80mL:40mL)中に含む溶液に0℃で臭素(0.93mL,18.0ミリモル,1.0当量)を添加し、反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を固体NaSO(〜10g)でクエンチし、水性相をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20% EtOAc,シリカ)により精製し、濃縮後、所望生成物(7−2)を油状物として得た。ESI+ MS[M+H]NO:計算値=218.0,実測値=218.0。
【0134】
5,6−ジメトキシニコチノニトリル(7−3)
5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジン(7−2,0.300g,1.38ミリモル,1.0当量)をジメチルホルムアミド(3.9mL)中に含む溶液にシアン化銅(I)(0.15g,1.65ミリモル,1.2当量)を添加し、反応混合物をマイクロ波反応器において180℃で40分間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)と水(50mL)に分配した。有機相を水(2×30mL)及びブライン(1×30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40% EtOAc,シリカ)により精製し、濃縮後、所望生成物(7−3)を白色固体として得た。ESI+ MS[M+H]:計算値=165.1,実測値=165.1。
【0135】
1−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)メタナミン(7−4)
5,6−ジメトキシニコチノニトリル(7−3,0.600g,3.65ミリモル,1.0当量)をメタノール(20mL)中に含む溶液に窒素雰囲気下でパールマン触媒(0.205g,0.292ミリモル,0.08当量,20重量%)及び濃HCl(2.44mL)を添加し、反応物を水素雰囲気下に置いた。2時間後、反応物を窒素雰囲気下に置き、触媒を除去するためにセライトを介して濾過した。反応混合物をEtOAc中に溶解し、MgSOで乾燥し、濃縮して、高純度の油状固体(7−4)を得た。ESI+ MS[M+H]12:計算値=169.1,実測値=169.1。
【0136】
実施例8
【0137】
【化33】

3−シクロプロピル−4−メトキシベンゾニトリル(8−2)
3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(8−1,5.0g,23.6ミリモル,1.0当量)、水性三塩基性リン酸カリウム(65.0mL,1.27M,3.5当量)、シクロプロピルボロン酸(10.1g,118ミリモル,5.0当量)、Pd(OAc)(0.539g,2.36ミリモル,0.1当量)及びトリシクロヘキシルホスフィン(0.661g,2.36ミリモル,0.1当量)の混合物を脱気したトルエン(103mL)中で攪拌し、80℃に3時間加熱した。追加量のシクロプロピルボロン酸(1.0g,1.16ミリモル,0.5当量)を添加し、反応を完了させるために溶液を更に80℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、ブラインとEtOAcに分配した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮すると、橙色油状物が生じた。この油状物を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜10% EtOAc)により精製して、生成物(8−2)を黄色油状物として得た。H NMR(CDCl)δ 7.44(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.09(d,1H,J=2.0Hz),6.86(d,1H,J=8.4Hz),3.92(s,3H),2.13(m,1H),0.97(m,2H),0.65(m,2H)。
【0138】
1−(3−シクロプロピル−4−メトキシフェニル)メタナミン(8−3)
3−シクロプロピル−4−メトキシベンゾニトリル(8−2,1.0g,5.77ミリモル,1.0当量)をテトラヒドロフラン(28.9mL)中に含む溶液に窒素雰囲気下、0℃でジエチルエーテル中水素化アルミニウムリチウム(17.3mL,1.0M,17.3ミリモル,3.0当量)を20分間かけて注意深く添加した。生じた暗橙色混合物を0℃で30分間攪拌した後、水(1.0mI)、15% 水性NaOH(1.0mL)及び水(3.0mL)の順で注意深くクエンチした。生じたエマルジョンを室温で30分間攪拌した。水を除去するために混合物に数匙量の硫酸マグネシウムを添加した。混合物全体を硫酸ナトリウムパッドを介して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。集めた濾液を濃縮して、生成物(8−3)を黄色油状物として得た。ESI+ MS [M−16]1115NO:実測値=161.1,計算値=161.2。
【0139】
実施例9
【0140】
【化34】

6−ブロモ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(9−2)
2−ブロモ−6−ヨード−3−メトキシピリジン(9−1または11−3,2.1g,6.69ミリモル,1.0当量)をジクロロメタン(17mL)中に含む溶液に0℃でイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M,4.35mL,8.70ミリモル,1.3当量)をゆっくり添加し、反応混合物を45分間攪拌した。次いで、反応混合物を−78℃まで冷却し、シアン化トルエンスルホニル(1.8g,10.03ミリモル,1.5当量)をジクロロメタン(5mL)中に含む溶液をゆっくり添加した。反応混合物を4時間かけて周囲温度まで加温した。クエンチするために、中性pHが得られるまで2N HClを添加した。反応混合物を水とジクロロメタンに分配し、水性相をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濃縮し、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜50% EtOAc)により精製して、生成物(9−2)を黄褐色固体として得た。ESI+ MS[M+H]BrNO:実測値=212.9,計算値=213.0。
【0141】
5−メトキシ−6−ビニルピリジン−2−カルボニトリル(9−3)
マイクロ波バイアルにおいて6−ブロモ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(9−2,200mg,0.94ミリモル,1.0当量)、トリフルオロ(ビニル)ホウ酸カリウム(314mg,2.35ミリモル,2.5当量)、トリシクロヘキシルホスフィン(52.7mg,0.19ミリモル,0.2当量)、酢酸パラジウム(II)(21.1mg,0.09ミリモル,0.1当量)及びリン酸トリカリウム(697mg,3.29ミリモル,3.5当量)をトルエン(10mL)及び水(0.5mL)中に懸濁した。反応混合物をマイクロ波反応器において130℃で20分間加熱した後、EtOAcですすぎながら濾過した。濾液を濃縮し、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜35% EtOAc)により精製して、生成物(9−3)を得た。ESI+ MS[M+H]O:実測値=161.0,計算値=161.1。
【0142】
1−(6−エチル−5−メトキシピリジン−2−イル)メタナミン二塩酸塩(9−4)
5−メトキシ−6−ビニルピリジン−2−カルボニトリル(9−3,88mg,0.55ミリモル,1当量)をメタノール(3mL)中に含む懸濁液に炭素担持水酸化パラジウム(19.29mg,0.03ミリモル,0.05当量)及び濃HCl(360uL,4.40ミリモル,8当量)を添加し、反応混合物を水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物をセライトを用い、メタノールですすぎながら濾過し、濃縮して、所望生成物(9−4)を二塩酸塩として得た。ESI+ MS[M+H]15O:実測値=167.0,計算値=167.2。
【0143】
6−シクロプロピル−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(9−5)
マイクロ波バイアルにおいて6−ブロモ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(9−2,300mg,1.41ミリモル,1.0当量)、シクロプロピル(トリフルオロ)ホウ酸カリウム(521mg,3.52ミリモル,2.5当量)、トリシクロヘキシルホスフィン(158mg,0.56ミリモル,0.4当量)、酢酸パラジウム(II)(63.2mg,0.28ミリモル,0.2当量)及びリン酸トリカリウム(1046mg,4.93ミリモル,3.5当量)をトルエン(15mL)及び水(0.75mL)中に懸濁させた。反応混合物をマイクロ波反応器において130℃で60分間加熱した後、EtOAcですすぎながら濾過した。濾液を濃縮し、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜35% EtOAc)により精製して、生成物(9−5)を得た。ESI+ MS[M+H]1011O:実測値=175.1,計算値=175.2。
【0144】
1−(6−シクロプロピル−5−メトキシピリジン−2−イル)メタナミン(9−6)
6−シクロプロピル−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(9−5,115mg,0.66ミリモル,1当量)をTHF(2.6mL)中に含む溶液に0℃でLAH(1M,1.98mL,1.98ミリモル,3当量)をゆっくり添加した。反応混合物を攪拌し、3時間かけて周囲温度まで加温した。次いで、反応混合物をEtOAc(2mL)で希釈し、水(50uL)、NaOH(水性,20重量%,50uL)及び水(100uL)を順次添加した。次いで、反応混合物をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、生成物(9−6)を得た。ESI+ MS[M+H]1015O:実測値=179.1,計算値=179.2。
【0145】
実施例10
【0146】
【化35】

3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(10−2)
密閉管中で3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(10−1,750mg,5.43ミリモル,1.0当量)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(3310mg,21.7ミリモル,4当量)及び炭酸カリウム(1800mg,13.03ミリモル,2.4当量)をDMF(24.4mL)及び水(2.7mL)中に懸濁させた。反応混合物を100℃で4時間攪拌し、周囲温度まで冷却した。HCl(6N,10mL)及び水(30mL)を添加し、反応物を更に2時間攪拌した。pHが10となるまでNaOH(5N,水性)を添加した。混合物をMTBE(3×50mL)で抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮して、所望生成物(10−2)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ 9.97(s,1H),7.76−7.79(m,2H),7.43(d,J=8.1Hz,1H),6.64(t,J=73.8Hz,1H),6.60(t,J=73.8Hz,1H)。
【0147】
1−[3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]メタナミン塩酸塩(10−3)
3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(10−2,100mg,0.42ミリモル,1当量)をTHF(840uL)中に含む溶液に2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(56mg,0.46ミリモル,1.1当量)及びチタンエトキシド(440uL,2.10ミリモル,5.0当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で4.5時間攪拌した。次いで、反応混合物を0℃まで冷却し、ホウ水素化ナトリウム(31.8mg,0.84ミリモル,2.0当量)を少しずつ添加し、反応物を更に1時間攪拌した。メタノール(2mL)をゆっくり添加し、反応混合物をEtOAc(20mL)とブライン(20mL)に分配し、濾過した。有機相をMgSOで乾燥し、濃縮して、粗なN−[3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドを得た。これをメタノール(2.2mL)中に溶解した。この溶液にHCl(エーテル中2M,655uL,3当量)を添加し、反応混合物を30分間攪拌した。次いで、濃縮して、所望生成物(10−3)を白色固体として得た。ESI+ MS[M−NH:実測値=223.0,計算値=223.0。
【0148】
実施例11
【0149】
【化36】

2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(11−2)
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(11−1,28g,161ミリモル)を水(360mL)中に含む溶液にKCO(22.24g,161ミリモル)及びI(20.42g,80ミリモル)を添加した。系を周囲温度で1.5時間攪拌し、0℃まで冷却した後、固体が溶液から沈殿するまで(pH〜6.0)濃HClで処理した。固体を濾過により単離し、乾燥して、標記化合物(11−2)を褐色固体として得た。ESI+ MS CBrINO:実測値=299.8,計算値=299.9。
【0150】
2−ブロモ−3−メトキシ−6−ヨードピリジン(11−3)
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(11−2.40g,133ミリモル)をDMF(80mL)中に含む溶液にKCO(16.77g,121ミリモル)及びヨウ化メチル(66.3g,467ミリモル)を添加した。系を100℃で45分間攪拌し、室温まで冷却した後、水(650mL)で処理し、0.5時間攪拌した。溶液から沈殿した固体を濾過により単離し、乾燥して、標記化合物(11−3)を淡褐色固体として得た。ESI+ MS CBrINO:実測値=313.8,計算値=313.9。
【0151】
2,3−ジメトキシ−6−ヨードピリジン(11−4)
2−ブロモ−3−メトキシ−6−ヨードピリジン(11−3,34g,162ミリモル)をDMF(65mL)中に含む溶液にナトリウムメトキシド(37mL,162ミリモル)を添加し、100℃に加熱した。混合物を10分間攪拌し、飽和NaHCOとDCMに分配した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をシリカを用いる勾配溶離(ヘキサン中0→20% EtOAc)により精製して、標記化合物(11−4)を白色粉末として得た。ESI+ MS[M+H]INO:実測値=265.8,計算値=266.0。
【0152】
2,3−ジメトキシ−6−シアノピリジン(11−5)
2,3−ジメトキシ−6−ヨードピリジン(11−4,24.0g,91ミリモル)をDMF(181mL)中に含む溶液にシアン化銅(9.73g,109ミリモル)を添加し、マイクロ波反応器において150℃に20分間加熱した。混合物を水とEtOAcに分配した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をシリカゲルを用いる勾配溶離(ヘキサン中0→40% EtOAc)により精製して、所望生成物(11−5)をオフホワイト色結晶性粉末として得た。ESI+ MS[M+H]:実測値=165.0,計算値=165.1。
【0153】
2,3−ジメトキシ−6−アミノメチルピリジン(11−6)
2,3−ジメトキシ−6−シアノピリジン(11−5,5.1g,31.1ミリモル)をMeOH(260mL)中に含む溶液にパールマン触媒(2.18g,3.11ミリモル)及び濃HCl(20.0mL,249ミリモル)を添加した。次いで、系をバルーンを用いて水素雰囲気下で1.5時間攪拌した。反応内容物をセライトパッドを介して濾過し、メタノールを真空中で除去した。次いで、粗な混合物を飽和NaCOを用いて塩基性とした後、4:1 クロロホルム:エタノールを用いて抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望生成物(11−6)をアイボリー色半固体として得た。ESI+ MS[M+H]12:M−16(−NH),実測値=152.06,計算値=152.2。
【0154】
実施例12
【0155】
【化37】

3−エチル−4−メトキシベンゾニトリル(12−2)
3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(12−1,0.3g,1.42ミリモル)をDMF(14mL)中に含む溶液にテトラエチル錫(0.56mL,2.83ミリモル)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(0.072g,0.141ミリモル)及び塩化リチウム(0.18g,4.24ミリモル)を添加し、系をマイクロ波反応器を用いて135℃に30分間加熱した。混合物を飽和NaHCOとEtOAcに分配した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をシリカゲルを用いる勾配溶離(ヘキサン中0→10% EtOAc)により精製して、所望生成物(12−2)を透明油状物として得た。ESI+ MS[M+H]1011NO:実測値=162.1,計算値=162.2。
【0156】
3−エチル−4−メトキシベンジルアミン(12−3)
3−エチル−4−メトキシベンゾニトリル(12−2,0.12g,0.71ミリモル)をMeOH(3.5mL)中に含む溶液にパールマン触媒(0.020g,0.036ミリモル)及び濃HCl(0.47mL,5.71ミリモル)を添加した。次いで、系をバルーンを用いて水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応内容物をセライトパッドを介して濾過し、溶媒を真空中で除去して、所望生成物(12−3)をサーモン色結晶性固体として一塩酸塩の形態で得た。ESI+ MS[M+H]12:M−16(−NH),実測値=149.07,計算値=149.2。
【0157】
実施例13
【0158】
【化38】

3−メトキシ−4−エチル−ベンゾニトリル(13−2)
3−メトキシ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(13−1,2.0g,13.4ミリモル)をDCM(67mL)中に含む溶液に−78℃でジイソプロピルエチルアミン(3.0mL,17.4ミリモル)及び無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.7mL,16.0ミリモル)を順次添加し、−78℃で1時間攪拌した。混合物を数片の氷を収容している分液漏斗に注いだ後、氷水とエーテルに分配した。有機相を1N HClで洗浄した後、10% NaCOで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、淡黄色油状物を得た。この油状物(2.7g,9.60ミリモル)をDMF(96.0mL)中に含む溶液にテトラエチル錫(3.80mL,19.2ミリモル)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(0.491g,0.960ミリモル)及びLiCl(1.22g,28.8ミリモル)を添加し、系を油浴を用いて80℃に1時間加熱でした。混合物を飽和NaHCOとEtOAcに分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をシリカゲルを用いる勾配溶離(ヘキサン中0→20% EtOAc)により精製して、所望化合物(13−2)を淡黄色結晶性固体として得た。ESI+ MS[M+H]1011NO:実測値=162.1,計算値=162.2。
【0159】
3−メトキシ−4−エチルベンジルアミン(13−3)
3−メトキシ−4−エチル−ベンゾニトリル(13−2,1.5g,9.31ミリモル)をTHF(45mL)中に含む溶液に0℃でLAH(40mL,40.0ミリモル)を添加し、0℃で0.5時間攪拌した。0℃でEtOAcで0.5時間かけて注意深くクエンチし、15分間攪拌した。この後、この混合物に水(1.5mL)を添加し、15分間攪拌した後、15% NaOH(1.5mL)を添加し、再び15分間攪拌した。最後に、水(4.5mL)を添加し、更に15分間攪拌した。混合物をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮すると、透明な半固体が生じた。この半固体をエーテル中2.0M HCl(4.65mL,9.3ミリモル)で処理し、反応内容物を濃縮して、所望生成物を白色粉末(13−3)として一塩酸塩の形態で得た。ESI+ MS[M+H]12:M−16(−NH),実測値=149.1,計算値=149.2。
【0160】
実施例14
【0161】
【化39】

2,3−ジメトキシ−5−アミノメチルピラジン(14−2)
2,3−ジクロロピラジン(14−1,3.5g,23.5ミリモル)をMeOH(115mL)中に含む溶液にNaOMe(15.0mL,70.5ミリモル)を添加し、系を一晩攪拌した。次いで、反応内容物を中程度の多孔度を有するガラス濾過器を介して濾過し、濃縮し、EtOAcと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮すると、透明油状物が生じた。DMF(17mL)中のこの透明油状物(2.5g,17.8ミリモル)に0℃でNBS(3.5g,19.6ミリモル)を添加し、系を一晩攪拌した。系をNaSOでクエンチした後、氷水に注いだ。溶液から沈殿した固体を濾過により単離し、乾燥すると、白色固体が生じた。DMF(9mL)中のこの白色固体(1g,4.5ミリモル)にシアン化銅(0.45g,5.0ミリモル)を添加し、マイクロ波反応器を用いて185℃に20分間加熱した。混合物を冷却し、EtOAcと水に分配した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をシリカを用いる勾配溶離(ヘキサン中0→65% EtOAc)により精製すると、白色粉末が生じた。MeOH(40mL)中のこの白色粉末(0.740g,4.5ミリモル)にパールマン触媒(0.315g,0.45ミリモル)及び濃HCl(3.0mL,36ミリモル)を添加した。次いで、系をバルーンを用いて水素雰囲気下で1.5時間攪拌した。反応内容物をセライトパッドを介して濾過した後、メタノールを真空中で除去した。次いで、粗な混合物をDCM中に溶解し、飽和NaCOを用いて塩基性とした後、DCMで数回抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望生成物(14−2)をアイボリー色固体として得た。ESI+ MS[M+H]11:M−16(−NH),実測値=152.8,計算値=152.2。
【0162】
実施例15
【0163】
【化40】

6−イソプロペニル−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(15−2)
マイクロ波バイアルにおいて6−ブロモ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(15−1または9−2,200mg,0.94ミリモル,1.0当量)、トリフルオロ(イソプロペニル)ホウ酸カリウム(Molander,Gary A.,J.Am.Chem.Soc.Commun.,2003,125,11148−11149)(347mg,2.35ミリモル,2.5当量)、トリシクロヘキシルホスフィン(52.7mg,0.19ミリモル,0.2当量)、酢酸パラジウム(II)(21.1mg,0.09ミリモル,0.1当量)及びリン酸トリカリウム(697mg,3.29ミリモル,3.5当量)をトルエン(10mL)及び水(0.5mL)中に懸濁した。反応混合物をマイクロ波反応器を用いて130℃で20分間加熱した後、EtOAcですすぎながら濾過した。濾液を濃縮し、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中15〜40% EtOAc)により精製して、標記化合物(15−2)を得た。ESI+ MS[M+H]1011O:実測値=175.1,計算値=175.2。
【0164】
1−(6−イソプロピル−5−メトキシピリジン−2−イル)メタナミン二塩酸塩(15−3)
6−イソプロペニル−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(15−2,132mg,0.76ミリモル,1当量)をメタノール(4mL)中に含む懸濁液に炭素担持水酸化パラジウム(26.6mg,0.04ミリモル,0.05当量)及び濃HCl(500uL,6.06ミリモル,8当量)を添加し、反応混合物を水素雰囲気下で3時間攪拌した。反応混合物をセライトを用い、メタノールですすぎながら濾過し、濃縮して、標記化合物(15−3)を二塩酸塩として得た。ESI+ MS[M+H]1017O:実測値=181.1,計算値=181.3。
【0165】
実施例16
【0166】
【化41】

2−エトキシ−6−ヨード−3−メトキシピリジン(16−2)
マイクロ波バイアルにおいて2−ブロモ−6−ヨード−3−メトキシピリジン(16−1または131−3,150mg,0.48ミリモル,1当量)をDMF(300uL)中に溶解した。溶液にナトリウムエトキシド(268uL,EtOH中21重量%,0.72ミリモル,1.5当量)を添加し、反応物をマイクロ波を用いて100℃で5分間加熱した。反応混合物を飽和NaHCOとDCMに分配した。有機相をブラインで1回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣を順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20% EtOAc)により精製して、標記化合物(16−2)を得た。ESI+ MS[M+H]11INO:実測値=280.0,計算値=280.1。
【0167】
6−エトキシ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(16−3)
2−エトキシ−6−ヨード−3−メトキシピリジン(16−2,100mg,0.36ミリモル,1当量)をDMF(675uL)中に含む溶液にシアン化銅(39mg,0.43ミリモル,1.2当量)を添加した。反応混合物をマイクロ波反応器において150℃で20分間加熱した後、DCM(5mL)と水(50mL)に分配した。水性層をDCM(3×25mL)で抽出し、有機相をMgSOで乾燥し、濃縮し、順相カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜50% EtOAc)により精製して、標記化合物(16−3)を白色固体として得た。ESI+ MS[M+H]11:実測値=179.1,計算値=179.2。
【0168】
1−(6−エトキシ−5−メトキシピリジン−2−イル)メタナミン二塩酸塩(16−4)
6−エトキシ−5−メトキシピリジン−2−カルボニトリル(16−3,48mg,0.27ミリモル,1当量)をメタノール(1.5mL)中に含む溶液に炭素担持20重量% 水酸化パラジウム(9.5mg,0.01ミリモル,0.05当量)及び濃HCl(177uL,2.16ミリモル,8当量)を添加し、反応混合物を水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物をセライトを用いてメタノールですすぎながら濾過し、濃縮して、標記化合物(16−4)を二塩酸塩として得た。ESI+ MS[M+H]15:実測値=183.1,計算値=183.2。
【0169】
【表7】


【0170】
本発明を特定の具体的実施形態を参照して記載し、説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく手順及びプロトコルに各種の改変、変化、修飾、置換、削除または付加を加え得ることを認識している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
はフェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群から選択され;
はフェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群から選択され;
はフェニル、ナフチル、C3−6シクロアルキル及びヘテロ環からなる群から選択され;
1a、R1b及びR1cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(mは0または1であり、nは0または1であり(mが0またはnが0ならば結合が存在する。)、ならびにアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011(R10及びR11は独立して
(a)水素、
(b)置換されていないかまたはR13で置換されているC1−6アルキル、
(c)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6アルケニル、
(d)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6アルキニル、
(e)置換されていないかまたはR13で置換されているC3−6シクロアルキル、
(f)置換されていないかまたはR13で置換されているフェニル、及び
(g)置換されていないかまたはR13で置換されているヘテロ環
からなる群から選択される。)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12(qは0、1または2であり、ならびにR12はR10及びR11の定義から選択される。)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
2a、R2b及びR2cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
3a、R3b及びR3cは、Aの原子価がこの置換を可能にしないならば存在しなくてもよく、独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外であり;
及びRは独立して水素、及び置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキルから選択され、或いはR及びRはこれらが結合している炭素原子と一緒に連結して、置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC3−6シクロアルキルを形成してもよく;
は水素、または置換されていないかまたはR13から選択される1個以上の置換基で置換されているC1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり;
13
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(アルキルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(4)−O−(C1−3)ペルフルオロアルキル,
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(シクロアルキルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(アルケニルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(アルキニルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(8)−(C=O)−O−フェニルまたは−(C=O)−O−ナフチル(フェニルまたはナフチルは置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(9)−(C=O)−O−ヘテロ環(ヘテロ環は置換されていないかまたはR14から選択される1個以上の置換基で置換されている。)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群から選択され;
14
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)ヘテロ環、
(10)−COH、及び
(11)−CN
からなる群から選択される。]
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
はフェニルである請求項1の化合物。
【請求項3】
はピリジルである請求項1の化合物。
【請求項4】
はフェニルである請求項1の化合物。
【請求項5】
はヘテロアリールである請求項1の化合物。
【請求項6】
はフェニルである請求項1の化合物。
【請求項7】
1a、R1b及びR1cは独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される請求項1の化合物
【請求項8】
1a、R1b及びR1cは独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、及び
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル
からなる群から選択される請求項7の化合物。
【請求項9】
1a、R1b及びR1cは独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル
からなる群から選択される請求項8の化合物。
【請求項10】
2a、R2b及びR2cは独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択される請求項1の化合物。
【請求項11】
2a、R2b及びR2cは独立して
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH
からなる群から選択される請求項10の化合物。
【請求項12】
3a、R3b及びR3cは独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、フェニルまたはナフチルで置換されているC1−6アルキル、
(5)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシルまたはフェニルで置換されている−O−C1−6アルキル、
(6)ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているヘテロアリール、
(7)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されているフェニル、
(8)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−O−フェニル、及び
(9)置換されていないかまたはハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキルまたは−NOで置換されている−NH−C1−6アルキルまたは−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である請求項1の化合物。
【請求項13】
3a、R3b及びR3cは独立して
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル
からなる群から選択され、ただしAがピリジルならばR3a、R3b及びR3cの少なくとも1つは水素以外である請求項12の化合物。
【請求項14】
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−6’−フルオロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノリン−3−イルニコチンアミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)ニコチンアミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−{3−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}ニコチンアミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−5−(3,5−ジメチルフェニル)ニコチンアミド、
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1H−インドル−5−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−ジメチルフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メトキシフェニル)エチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−N−(キノリン−2−イルメチル)ニコチンアミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)メチル]−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−[(2,3−ジメチル−1H−インドル−6−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−N−[(1R)−1−(2−ナフチル)エチル]ニコチンアミド、
5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−N−(2−ナフチルメチル)ニコチンアミド、
5−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−N−(2−ナフチルメチル)ニコチンアミド、
5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−N−(キノリン−3−イルメチル)ニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−フルオロメチルフェニル)−N−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−フルオロメチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(2,3−ジメチル−1H−インドル−5−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−(2−ナフチルメチル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−フルオロメチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ピリダジン−3−イル−ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−(3,4−ジクロロベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−フルオロメチルフェニル)−N−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−6’−フルオロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5’−クロロ−2,3’−ビピリジン−3−カルボキサミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(1−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドル−5−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(1,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(1,4,5−トリメチル−1H−イミダゾル−2−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−フルオロメチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−5−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−(3,4−ジヒドロキシベンジル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−クロロメチルフェニル)−N−[(1−メチル−1H−インドル−2−イル)メチル]−2−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ニコチンアミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3−クロロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3−クロロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−6−フェニル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−フェニル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピラジン−2−イル)メチル]−6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−(3−メチルフェニル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(2,3−ジフルオロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
5’−クロロ−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−フェニル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(6−シクロプロピル−5−メトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピラジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−(3−シアノフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(モルホリン−4−イル)ニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ピペリジン−1−イルニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−ピロリジン−1−イルニコチンアミド、
2−アゼチジン−1−イル−5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−ニコチンアミド、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(3−メトキシアゼチジン−1−イル)ニコチンアミド、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)ニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−[(3R)−3−フルオロピロリジン−1−イル]ニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−チオモルホリン−4−イルニコチンアミド、
5−(3,5−ジクロロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−モルホリン−4−イルニコチンアミド、
5’−クロロ−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−モルホリン−4−イル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−6−モルホリン−4−イル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピラジン−2−イル)メチル]−2−モルホリン−4−イルニコチンアミド、
N−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5’−メチル−6−ピロリジン−1−イル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−ピロリジン−1−イル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−N−[(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)メチル]−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5−(3,5−ジメチルフェニル)−2−(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)ニコチンアミド、
5−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−2−(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)ニコチンアミド、
N−(3−シクロプロピル−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5−(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)−2−(1H−ピラゾル−1−イル)ニコチンアミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−(1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−エチル−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−6−(3−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
5−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(4−メチル−1H−ピラゾル−1−イル)ニコチンアミド、
6−シクロペンチル−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−シクロペンチル−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−6−シクロペンチル−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド、
6−シクロペンチル−N−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド
からなる群から選択される化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項15】
不活性担体及び請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む医薬組成物。
【請求項16】
医薬品中に使用するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項17】
睡眠障害の治療または予防用薬剤を製造するための請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用。
【請求項18】
睡眠の質を強化させる必要がある哺乳動物患者における睡眠の質の強化方法であって、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項19】
不眠症の治療を要する哺乳動物患者における不眠症の治療方法であって、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
【請求項20】
肥満の治療またはコントロールを要する哺乳動物患者における肥満の治療またはコントロール方法であって、前記患者に対して治療有効量の請求項1の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2010−535769(P2010−535769A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519985(P2010−519985)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/009491
【国際公開番号】WO2009/020642
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】