説明

フィラメントワインディング装置およびフィラメントワインディング方法

【課題】フィラメントワインディング法による高圧ガスタンクの製造工程において、強化繊維を巻き付ける際に、タンク容器を確実に保持する技術を提供する。
【解決手段】フィラメントワインディング(FW)装置100は、第1の回転軸110と、第2の回転軸120とを有する。FW装置100は、第1と第2の回転軸110,120の互いに対向する軸端部111,121によってタンク容器10の容器壁を狭持させることにより、タンク容器10を保持する。軸端部111,121には、軸端部111,121同士を引き合わせるように電磁力を発生させる電磁力発生部20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高圧ガスタンクの製造に用いられるフィラメントワインディング法に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧ガスタンクの製造方法としては、フィラメントワインディング法(以下、「FW法」とも呼ぶ)が知られている。FW法では、樹脂製のタンク容器の外表面に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた強化繊維を巻き付ける。そして、その強化繊維に含まれる熱硬化性樹脂を熱硬化させることにより強化繊維層を形成し、タンク容器の強度を向上させる。
【0003】
ところで、一般に、FW法では、タンク容器を回転可能に保持した上で、タンク容器を回転させつつ、強化繊維を巻き付ける(下記特許文献1参照)。しかし、タンク容器への強化繊維の巻き付け工程においては、強化繊維にかかる繊維張力が変化したり、巻き付けられた強化繊維によってタンク容器の重量が増加するため、タンク容器を保持する保持部にかかる負荷が変化する。従って、FW法では、そうした負荷の変化がある場合であっても、タンク容器が所定の位置からずれないようにタンク容器を確実に保持することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−257413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、FW法による高圧ガスタンクの製造工程において、強化繊維を巻き付ける際にタンク容器をより確実に保持する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
フィラメントワインディング法によってタンク容器に強化繊維を巻き付けるフィラメントワインディング装置であって、タンク容器を回転可能なように保持するタンク容器保持部と、前記タンク容器保持部に保持された前記タンク容器を回転させる回転駆動部と、回転している前記タンク容器の外周に強化繊維を供給することによって、前記タンク容器の外周に強化繊維を巻き付ける強化繊維供給部とを備え、前記タンク容器保持部は、前記タンク容器の第1の頂部に設けられた開口部から前記タンク容器の内部に挿入されて前記第1の頂部とは反対側の前記タンク容器の第2の頂部の容器壁に達する第1の回転軸と、前記タンク容器の外側において、前記第2の頂部の容器壁を挟んで前記第1の回転軸と反対側の位置に配置される第2の回転軸とを有し、前記第1の回転軸は、前記タンク容器に挿入された状態で、前記第1の頂部において保持され、前記第1と第2の回転軸は、それぞれの互いに対向する第1と第2の軸端部によって、前記第2の頂部の容器壁を狭持することにより、前記タンク容器を保持し、前記第1と第2の軸端部には、前記第1と第2の軸端部同士を引き合わせるように電磁力を発生させる電磁力発生部が設けられている、フィラメントワインディング装置。
このフィラメントワインディング装置によれば、第1と第2の回転軸の軸端部同士で狭持することによってタンク容器を保持する際に、その狭持力に電磁力発生部による電磁力を付加させることができる。従って、タンク容器を、所定の取り付け位置からずれてしまわないように、確実に保持することができる。
【0008】
[適用例2]
適用例1記載のフィラメントワインディング装置であって、さらに、前記電磁力発生部の電磁力を制御する電磁力制御部を備え、前記電磁力制御部は、前記強化繊維の前記タンク容器への巻き付けに際して、前記強化繊維に生じる繊維張力の大きさに応じて前記電磁力を増大させて、前記第1と第2の回転軸による前記タンク容器における前記第2の頂部の容器壁に対する狭持力を増大させる、フィラメントワインディング装置。
このフィラメントワインディング装置によれば、繊維張力の大きさが変化して、タンク容器保持部にかかる負荷が変化した場合であっても、タンク容器を保持するための狭持力を適切に制御することができる。従って、強化繊維を巻き付ける際に、タンク容器を、所定の取り付け位置からずれてしまわないように、より確実に保持することができる。
【0009】
[適用例3]
適用例2記載のフィラメントワインディング装置であって、前記タンク容器保持部に保持された前記タンク容器の重量を検出する重量検出部を有しており、前記電磁力制御部は、前記強化繊維の前記タンク容器への巻き付けに際して、前記タンク容器の重量の増加に応じて前記電磁力を増大させる、フィラメントワインディング装置。
このフィラメントワインディング装置によれば、タンク容器の重量が増加して、タンク容器保持部にかかる負荷が増大した場合であっても、それに応じて、タンク容器を保持するための狭持力を適切に制御することができる。従って、強化繊維を巻き付ける際に、タンク容器を、所定の取り付け位置からずれてしまわないように、より確実に保持することができる。
【0010】
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一つに記載のフィラメントワインディング装置であって、前記電磁力発生部は、前記第1または第2の軸端部の一方において、第1の磁極が前記容器壁側に配置されるように埋設された電磁石と、前記第1または第2の軸端部の他方に、前記電磁石の前記第1の磁極と対向するように埋設され、前記電磁石の電磁力によって引き寄せられる電磁石対向部材とを有し、前記電磁石対向部材の外周には、前記タンク容器の取り付けに際して、前記電磁石が前記電磁石対向部材の外周側に位置ずれしてしまうことを抑制するように、前記第1の磁極と反発し合う磁力を発生させる磁石が配置されている、フィラメントワインディング装置。
このフィラメントワインディング装置によれば、タンク容器の取付の際に、電磁石が電磁石対向部材を引きよせる電磁力と、電磁石と磁石との間の反発力とで、第1と第2の軸端部の互いの位置が所定の取付位置から外れてしまうことを抑制することができる。従って、より確実にタンク容器を保持することができる。
【0011】
[適用例5]
タンク容器に強化繊維を巻き付けるフィラメントワインディング方法であって、
(a)第1の回転軸を前記タンク容器の第1の頂部に設けられた開口部から前記タンク容器の内部に挿入して、前記第1の頂部とは反対側の前記タンク容器の第2の頂部の容器壁に到達させた状態で前記第1の頂部において保持するとともに、第2の回転軸を前記タンク容器の外側において、前記第2の頂部の容器壁を挟んで、前記第1の回転軸と反対側の位置に配置し、前記第1と第2の回転軸の互いに対向する第1と第2の軸端部によって前記第2の頂部の容器壁を狭持させることにより、前記タンク容器を回転可能に保持する工程と、
(b)前記タンク容器を回転させ、回転している前記タンク容器の外周に強化繊維を供給することによって、前記タンク容器の外周に前記強化繊維を巻き付ける工程と、
を備え、
前記工程(a)または(b)には、前記第1と第2の軸端部同士を引き合わせるように電磁力を発生させる工程が含まれる、フィラメントワインディング方法。
【0012】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、高圧ガスタンクを製造するためにタンク容器に強化繊維を巻きつけるフィラメントワインディング装置およびフィラメントワインディング方法、それらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】タンク容器を示す概略断面図。
【図2】タンク容器が取り付けられたフィラメントワインディング装置を示す模式図。
【図3】電磁力発生部の構成を説明するための模式図。
【図4】強化繊維の巻き付けが完了したタンク容器を示す模式図と、第5工程として、フィラメントワインディング装置からタンク容器が取り外された後に、タンク容器に対して行われる処理を説明するための模式図。
【図5】比較例における高圧ガスタンクの製造工程および比較例におけるフィラメントワインディング装置を説明するための模式図。
【図6】第2実施例における電磁力発生部の構成を示す概略図。
【図7】第3実施例における電磁力発生部の構成を示す概略図。
【図8】第3実施例における電磁力発生部の他の構成例を説明するための概略図。
【図9】第4実施例におけるタンク容器の構成を説明するための概略図。
【図10】第5実施例におけるフィラメントワインディング装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのFW法による高圧ガスタンクの製造工程のうちの第1工程を説明するための模式図である。図1には、タンク容器10の概略断面図が図示されている。第1工程では、このタンク容器10を準備する。タンク容器10は、略円筒状のシリンダー部11と、その両端にそれぞれ設けられた凸曲面形状の第1と第2のドーム部12a,12bとを有する中空容器である。タンク容器10は、例えば、ナイロン系樹脂などの樹脂によって構成される。なお、タンク容器10は、他の形状を有していても良く、他の部材(例えば金属)によって構成されるものとしても良い。
【0015】
タンク容器10の第1のドーム部12aにおける頂部には、口金部15が取り付けられている。口金部15は、タンク容器10の中空部13と連通する貫通孔16を有している。口金部15は、タンク容器10に配管やバルブを取り付けるための取付部として機能する。また、口金部15は、タンク容器10を後述するフィラメントワインディング装置100(以後、「FW装置100」と呼ぶ)へ取り付けるための取付部としても機能する。
【0016】
第2のドーム部12bの頂部には、タンク容器10の内側と外側のそれぞれに、後述する第1と第2の回転軸110,120を嵌合させるための凹部18a,18bが設けられている。なお、凹部18a,18bおよび口金部15は、それらの中心がそれぞれ、シリンダー部11の中心軸CX上に位置するように設けられている。
【0017】
図2は、第2工程および第3工程を説明するための模式図である。図2には、タンク容器10が取り付けられたFW装置100が模式的に図示されている。なお、図2では、便宜上、タンク容器10および第1と第2の回転軸110,120を概略断面図により図示してある。また、図2には、タンク容器10の外周に巻き付けられた強化繊維5を破線で図示してある。
【0018】
第2工程では、タンク容器10をFW装置100に取り付ける。ここで、FW装置100は、タンク容器10を、シリンダー部11の円周方向に回転させつつ、タンク容器10の外周全体に、強化繊維5を巻き付けるための装置である。FW装置100は、第1と第2の回転軸110,120と、支持基台130と、電磁力制御部140と、回転駆動部150と、繊維繰り出し部160と、ガス供給部170とを備える。
【0019】
第1と第2の回転軸110,120は、FW装置100において、タンク容器10を、その中心軸CXを中心として回転可能なように保持するための支持軸である。タンク容器10の取り付けに際して、第1の回転軸110は、口金部15の貫通孔16からタンク容器10の中心軸CXに沿ってタンク容器10の中空部13に挿入され、その軸端部111が凹部18aに嵌合させられる。なお、第1の回転軸110には、封止治具115が設けられている。封止治具115は、第1の回転軸110の中心軸がタンク容器10の中心軸CXと一致するように、第1の回転軸110の位置を固定するとともに、口金部15の貫通孔16を気密に封止する。一方、第2の回転軸120は、タンク容器10の外側において、その中心軸がタンク容器10の中心軸CXと一致するように配置され、その軸端部121が凹部18bに嵌合させられる。
【0020】
第1と第2の回転軸110,120はそれぞれ、支持基台130の両端に設けられた第1と第2の回転軸支持部131,132によって支持される。第1の回転軸支持部131には、チャック部133が取り付けられている。チャック部133は、第1の回転軸110を固定的に把持するとともに、モーターなどによって構成される回転駆動部150によって回転する。即ち、タンク容器10には、チャック部133を介して、回転駆動部150からの回転駆動力が伝達される。なお、第2の回転軸支持部132は、第2の回転軸120に回転可能に保持され、第1の回転軸110およびタンク容器10が回転したときに、それに従って回転する。
【0021】
第3工程では、タンク容器10をほぼ一定の速度で回転させつつ、繊維繰り出し部160から強化繊維5を供給することによって、タンク容器の外周全体に、強化繊維5を、いわゆるフープ巻きやヘリカル巻きによって巻き付ける。繊維繰り出し部160は、リール161と、張力付加機構162と、繊維張力制御部165とを備える。リール161には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を予め含浸させた炭素繊維である強化繊維5が巻き付けられている。張力付加機構162は、リール161から強化繊維5を送り出すためのローラーを有している。張力付加機構162は、このローラーによって強化繊維5に所望の繊維張力を付加することができる。繊維張力制御部165は、張力付加機構162に指令を出し、強化繊維5の繊維張力を制御する。
【0022】
ここで、第1の回転軸110には、タンク容器10の中空部13とタンク容器10の外部とを連通する連通路117が設けられている。連通路117には、配管171を介してガス供給部170が接続されている。FW装置100では、強化繊維5の巻き付けに際して、ガス供給部170から中空部13にガスを供給することにより、タンク容器10内の圧力を調整する。FW装置100は、このタンク容器10内のガスの圧力によって、強化繊維5が巻き付けられることによるタンク容器10の変形を抑制する。
【0023】
ところで、この第3工程では、繊維繰り出し部160から送り出された強化繊維5の繊維張力の変化や、巻き付けられた強化繊維5によるタンク容器10の重量の増加によって、第1と第2の回転軸110,120にかかる負荷が変化する。従って、第3工程において、第1と第2の回転軸110,120によってタンク容器10を確実に保持し続けるためには、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の間に働く狭持力を適切に制御することが好ましい。そこで、本実施例のFW装置100では、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121に電磁力発生部20を設けることにより、その狭持力の制御を可能としている。
【0024】
図3(A)〜(C)は、第1と第2の回転軸110,120に設けられた電磁力発生部20の構成を説明するための模式図である。図3(A)は、図2に示した第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の近傍を拡大して図示した模式図である。図3(B)は、図3(A)に示す矢印Bの方向に沿って第1の回転軸110の軸端部111を見たときの模式図であり、図3(C)は、図3(A)に示す矢印Cの方向に沿って第2の回転軸120の軸端部121を見たときの模式図である。
【0025】
電磁力発生部20は、第1と第2の回転軸110,120のそれぞれの軸端部111,121に内蔵された第1と第2の電磁石21,22を有する。第1の電磁石21は、一方の磁極(図ではN極)が軸端部111の端面の中心部を構成するように、軸端部111に嵌め込まれている。ここで、第1の回転軸110には、封止治具115より外側の外周に一対のリング状電極114が取りつけられている(図2)。これら一対のリング状電極114と、第1の電磁石21とは、第1の回転軸110の内部に配線された内蔵導電線112によって電気的に接続されている。また、一対のリング状電極114は、一対のリング状電極114の各電極を摺擦する一対のブラシ電極141と、一対の導電線143とを介して、電磁力制御部140と電気的に接続されている。この構成によって、第1の電磁石21は、第1の回転軸110が回転している場合であっても、電磁力制御部140から電力の供給を受けることが可能である。
【0026】
第2の電磁石22は、第1の回転軸110の端面を構成する第1の電磁石21の磁極とは反対の磁極(図ではS極)が軸端部121の端面の中心部を構成するように、軸端部121に嵌め込まれている。なお、第2の電磁石22は、第1の電磁石21と同様に、一対の内蔵導電線122と、一対のリング状電極124と、一対のブラシ電極142と、一対の導電線144とを介して、電磁力制御部140から電力の供給を受ける(図2)。
【0027】
電磁力発生部20は、強化繊維5の巻き付けに際して、第1と第2の電磁石21,22に互いに引き合う電磁力を発生させる。これによって、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の間に働く狭持力が増大するため、タンク容器10をより確実に保持することが可能となる。
【0028】
ここで、電磁力発生部20が発生させる電磁力は、電磁力制御部140が第1と第2の電磁石21,22に供給する電力を制御することにより、適切に制御される。即ち、電磁力制御部140は、強化繊維5に対して付加されている繊維張力に関する情報を繊維張力制御部165から取得し、その繊維張力に応じて、電磁力発生部20の電磁力を増大させる。このように、FW装置100は、電磁力発生部20が発生させる電磁力によって、第3工程において、タンク容器10の保持位置がずれてしまわないように、確実にタンク容器10を保持することができる。
【0029】
図4(A)は、強化繊維5の巻き付けが完了し、熱硬化処理を終えた後のタンク容器10を模式的に示す概略断面図である。第4工程では、強化繊維5が巻き付けられたタンク容器10を加熱することにより、強化繊維5に含浸された熱硬化性樹脂を熱硬化させる熱硬化処理を実行する。以後、タンク容器10において、熱硬化性樹脂を硬化させた後の強化繊維5によって構成される外表層を「繊維強化層7」と呼ぶ。なお、第4工程における熱硬化処理は、FW装置100においてタンク容器10を回転させつつ加熱することにより実行されるものとしても良い。
【0030】
図4(B)は、第5工程として、FW装置100からタンク容器10が取り外された後に、タンク容器10に対して行われる処理を説明するための模式図である。図4(B)には、繊維強化層7が形成されたタンク容器10における第1と第2の凹部18a,18bの近傍の概略断面が模式的に図示されている。繊維強化層7には、第2の回転軸120が取り付けられていた部位に、凹部18bと連続する貫通孔8が生じてしまう。そこで、第5工程では、その貫通孔8および凹部18bを樹脂部材9によって塞ぎ、高圧ガスタンクにおける当該部位の強度が低下してしまうことを抑制する。
【0031】
なお、この処理の後、タンク容器10の口金部15に高圧ガスのための配管やバルブが取り付けられ、高圧ガスタンクが完成する。
【0032】
図5は、本発明の比較例としての高圧ガスタンクの製造工程および比較例におけるFW装置100aを説明するための模式図である。図5は、以下の点以外は、図2とほぼ同じである。即ち、図5では、2つの凹部18a,18bに換えて、タンク容器10aに回転軸取付部30が設けられている。また、図5では、第1と第2の回転軸110,120に換えて、電磁力発生部20や、リング状電極114,124、内蔵導電線112,122が省略された第1と第2の回転軸110a,120aが設けられている。さらに、図5では、電磁力制御部140と、そのブラシ電極141,142および導電線143,144が省略されている。
【0033】
比較例の高圧ガスタンクの製造工程では、第1工程において、回転軸取付部30が接合されたタンク容器10aを準備する。回転軸取付部30は、FW装置100aの第1と第2の回転軸110a,120aの軸端部111,121を螺合して保持するための第1と第2の取付孔部31,32を有している。
【0034】
なお、回転軸取付部30は、タンク容器10aの容体との間の接合性および気密性を向上させ、第1の回転軸110aを確実に保持するために、第1の取付孔部31がタンク容器10aの中空部13側に突出するように、タンク容器10aに取り付けられている。また、回転軸取付部30は、第1と第2の回転軸110a,120aをより確実に固定的の保持するために、例えば、金属などの比較的剛性の高い部材によって構成されている。
【0035】
比較例の第2工程では、第1と第2の回転軸110a,120aの軸端部111,121をそれぞれ、回転軸取付部30の第1と第2の取付孔部31,32に螺合させて、FW装置100aにタンク容器10aを取り付ける。第3工程では、図2で説明したのと同様に、タンク容器10aを回転させつつ、その外表面全体に強化繊維5を巻き付ける。第4工程では、タンク容器10aに対して熱硬化処理を行った後、口金部15に高圧ガスのための配管やバルブを取り付けて高圧ガスタンクを完成させる。
【0036】
このように、比較例の製造工程によっても、タンク容器100aおよびFW装置100aを用いて、FW法による高圧ガスタンクの製造が可能である。しかし、比較例の製造工程によって製造される高圧ガスタンクは、回転軸取付部30を有する分だけ、本実施例の製造工程により製造される高圧ガスタンクよりも、タンク容積が減少しており、タンクの重量も増加している。また、タンク容器10aでは、回転軸取付部30の接合部において中空部13の気密性が低下してしまう可能性がある。
【0037】
さらに、比較例のFW装置100aは、強化繊維5の巻き付けに際して、強化繊維5の繊維張力の変化や、タンク容器10aの重量変化に応じたタンク容器10aの保持するための力の制御を容易に行うことができない。従って、回転軸取付部30を省略したり、小型化した場合には、第1と第2の回転軸110a,120にかかる負荷が変化する場合などに、タンク容器10aが脱落してしまう可能性が高くなる。
【0038】
このように、本実施例の構成によれば、高圧ガスタンクの製造工程における強化繊維5の巻き付けの際に、電磁力発生部20の電磁力によって、タンク容器10を保持するための力を増大させて、より確実にタンク容器10を保持することができる。また、比較例の回転軸取付部30のような、FW装置100にタンク容器10を取り付けて保持させるための部材を、タンク容器10に設けることを省略したり、小型化することも可能である。従って、高圧ガスタンクのタンク容積を増加させたり、軽量化したりすることが容易となる。
【0039】
B.第2実施例:
図6は、本発明の第2実施例としてのFW装置に設けられた電磁力発生部20Aの構成を示す概略図である。図6は、第2の電磁石22に換えて、強磁性体40が設けられている点以外は、図3(A)とほぼ同じである。なお、第2実施例における他の構成は、第1実施例の構成と同様である。
【0040】
第2実施例の電磁力発生部20Aは、第2の回転軸120の軸端部121に、タンク容器10の容器壁を介して、第1の電磁石21と対向するように、金属などの強磁性体40が嵌め込まれている。このような構成であっても、第1の電磁石21の電磁力によって、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121同士を互いに引き合わせ、タンク容器10の容器壁に対する狭持力を増大させることができる。
【0041】
従って、第1実施例と同様に、強化繊維5の巻き付けの際に、タンク容器10を確実に保持することができる。なお、電磁力発生部20Aは、第2の回転軸120自体を強磁性体によって構成するものとしても良い。また、電磁力発生部20Aは、第1の回転軸110に強磁性体40が埋設され、第2の回転軸120に第2の電磁石22が埋設される構成としても良い。
【0042】
C.第3実施例:
図7(A)〜(C)は、本発明の第3実施例としてのFW装置に設けられた電磁力発生部20Bの構成を示す概略図である。図7(A)〜(C)は、第2の電磁石22の外周に第3の電磁石23が複数個設けられている点以外は、図3(A)〜(C)とほぼ同じである。なお、第3実施例における他の構成は、第1実施例の構成と同様である。
【0043】
第3実施例の電磁力発生部20Bは、複数の第3の電磁石23が第2の回転軸120の軸端部121に嵌め込まれている。第3の電磁石23のそれぞれは、第2の電磁石22を中心とする円周上において、その磁極が軸端部121の端面の一部を構成するように、円環状に配列されている(図7(C))。また、第3の電磁石23のそれぞれは、第2の電磁石22とは磁極の向きが反対となるように配置されている。なお、第3の電磁石23のそれぞれのコイルと第2の電磁石22のコイルとは、互いに電気的に接続されており、これによって、内蔵導電線122を介して、電磁力制御部140(図2)からの電力の供給を共通して受ける。
【0044】
ここで、強化繊維5の巻き付け工程においてタンク容器10を確実に保持し続けるためには、FW装置へのタンク容器10の取り付けの際に、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の位置決めが、より正確に行われることが好ましい。即ち、タンク容器10の取り付けの際に、第1と第2の回転軸110,120の互いの中心軸の位置が、より正確に一致した状態で、軸端部111,121のそれぞれを、タンク容器10の凹部18a,18bに嵌合させることが好ましい。
【0045】
そこで、第3実施例のFW装置では、第2工程におけるFW装置へのタンク容器10の取り付けの際に、電磁力発生部20に電磁力を発生させる。これによって、第1と第2の電磁石21,22は互いに引き合い、第1と第3の電磁石21,23は互いに反発しあう。そのため、第1と第2の回転軸110,120のそれぞれの中心軸が一致するように、軸端部111,121が誘導され、その位置決めを容易かつ正確に実行することが可能となる。従って、FW装置において、タンク容器10がより確実に保持される。
【0046】
図8(A)〜(C)は、第3実施例における電磁力発生部20Bの他の構成例としての電磁力発生部20Baを説明するための概略図である。図8(A)〜(C)は、第2と第3の電磁石22,23に換えて、第2の回転軸120の軸端部121に第4の電磁石24が設けられている点以外は、図7(A)〜(C)とほぼ同じである。
【0047】
第4の電磁石24は、強磁性体240を有している。強磁性体240は、略円柱状の中央芯部241と、中央芯部241を中心とする略円筒状の外周円筒部242とを有している。中央芯部241と外周円筒部242とは、それぞれの一方の端部において互いに連結されて連続している。第4の電磁石24は、前述の連結された端部とは反対側における中央芯部241および外周円筒部242のそれぞれの端部243,244の端面が、軸端部121の端面を構成するように、第2の回転軸120に嵌め込まれる。また、第4の電磁石24は、中央芯部241が第2の回転軸120の中央に位置するように配置される。
【0048】
ここで、第4の電磁石24では、中央芯部241に内蔵導電線122と電気的に接続されたコイルが巻かれる。これによって、第4の電磁石24では、電磁力を発生させたときに、中央芯部241および外周円筒部242のそれぞれの端部243,244が磁極を構成する。即ち、第4の電磁石24は、中央芯部241の端部241において、対向する第1の電磁石21の磁極と引き合う電磁力を発生し、外周円筒部242において、第1の電磁石21の当該磁極と反発する電磁力を発生する。このような構成によって、図7で説明した電磁力発生部20Bと同様に、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の位置決めをより正確かつ容易に行うことが可能となり、FW装置においてタンク容器10をより確実に保持することが可能となる。
【0049】
D.第4実施例:
図9は、本発明の第4実施例としての高圧ガスタンクの製造工程において準備されるタンク容器10Cの構成を示す概略図である。図9は、タンク容器10Cの第2のドーム部12bに、凹部18a,18bに換えて、凸部19a,19bが設けられている点以外は、図3(A)とほぼ同じである。なお、第4実施例における他の構成は、第1実施例における構成と同様である。
【0050】
タンク容器10Cの第2のドーム部12bの頂部には、第1と第2の回転軸110,120のそれぞれの軸端部111,121を嵌合可能な、円環状の凸部19a,19bが形成されている。これらの凸部19a,19bは、タンク容器10CをFW装置100(図2)に取り付ける際に、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121を所定の位置に固定するための取付部として機能する。
【0051】
このように、第4実施例のタンク容器10Cでは、その容器壁を薄肉化することなく、第1と第2の回転軸110,120の取付部が設けられている。従って、他の実施例における凹部18a,18bのように、容器壁を薄肉化して第1と第2の回転軸110,120の取付部を形成した場合に比較して、高圧ガスタンクの強度の低下を抑制できる。ただし、高圧ガスタンクのタンク容積の増加や軽量化を考慮する場合には、他の実施例のように、位置決め部として、凹部18a,18bを形成することが好ましい。
【0052】
E.第5実施例:
図10は、本発明の第5実施例としてのFW装置100Dの構成を示す概略図である。図10は、取り付けられたタンク容器10の重量を検出するための重量検出部180および荷重センサー181,182が設けられている点以外は、図2とほぼ同じである。なお、第5実施例における他の構成は、第1実施例で説明した構成と同様である。重量検出部180は、第1と第2の回転軸支持部131,132に設けられた荷重センサー181,182を介して、タンク容器10の重量を検出し、電磁力制御部140に送信する。
【0053】
ここで、第1実施例において説明した通り、タンク容器10は、強化繊維5の巻き付け工程において、強化繊維5が巻き付けられるほど、その重量が増加する。すると、それに応じて、第1と第2の回転軸110,120にかかる負荷も増大する。そこで、電磁力制御部140は、重量検出部180からの検出結果に基づいて、タンク容器10の重量の増加に応じた電磁力を電磁力発生部20に発生させる。
【0054】
このように、このFW装置100Dでは、強化繊維5の巻き付け工程において、タンク容器10の重量が増加した場合であっても、その重量変化に応じて、タンク容器10を保持するための電磁力を電磁力発生部20に発生させる。従って、FW装置100Dにおいて、タンク容器10をより確実に保持させることが可能となる。
【0055】
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0056】
F1.変形例1:
上記実施例において、電磁力制御部140は、繊維張力制御部165から取得した繊維張力に関する情報に応じて、電磁力発生部20に発生させる電磁力を制御していた。しかし、電磁力制御部140は、繊維張力に応じて電磁力を制御しなくとも良い。ただし、電磁力制御部140によって繊維張力に応じた電磁力を発生させることにより、タンク容器10を保持する力を適切に制御できるため好ましい。なお、FW装置100は、強化繊維5にかかる繊維張力を検出するセンサー部を有し、電磁力制御部140は、そのセンサー部からの情報に応じて電磁力を制御するものとしても良い。
【0057】
F2.変形例2:
上記実施例では、タンク容器10,10Cに、凹部18a,18bや凸部19a,19bが形成されていた。しかし、凹部18a,18bや、凸部19a,19bは省略されても良い。ただし、第1と第2の回転軸110,120のそれぞれの軸端部111,121を所定の位置に正確に固定するためにも、タンク容器10,10Cには、凹部18a,18bや凸部19a,19bが形成されることが好ましい。
【0058】
F3.変形例3:
上記実施例では、強化繊維5の巻き付け工程において、配管171および第1の回転軸110に設けられた連通路117を介して、ガス供給部170からタンク容器10の中空部13にガスを供給していた。しかし、ガス供給部170や配管171および連通路117は省略されるものとしても良い。ただし、中空部13に供給されたガスによって、タンク容器10は内部からの略均一なガス圧を受けることとなるため、強化繊維5の巻き付けによるタンク容器10の変形をより確実に抑制できる。
【0059】
F4.変形例4:
上記第1実施例および第2実施例では、第3工程において、電磁力発生部20に電磁力を発生させていた。しかし、電磁力発生部20は、第2工程においても、第1と第2の電磁石21,22に互いに引き合う電磁力を発生させるものとしても良い。これによって、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121同士が引き合うことにより、互いに所定の固定位置への誘導が可能である。
【0060】
F5.変形例5:
上記第3実施例において、電磁力発生部20Bは、第3の電磁石23を有していた。しかし、電磁力発生部20Bは、第3の電磁石23に換えて、永久磁石を有するものとしても良い。即ち、第2の回転軸120の軸端部121には、複数の永久磁石が、第3の電磁石23と同様な配列で、嵌め込まれるものとしても良い。このように構成した場合であっても、第1と第2の回転軸110,120の軸端部111,121の位置決めをより正確に行うことができる。また、永久磁石であれば、第2の電磁石22に接触させて配置できるため、電磁力発生部20を小型化することも可能である。
【0061】
F6.変形例6:
上記第3実施例において、第1の回転軸110には第1の電磁石21が設けられ、第2の回転軸120には、第1の電磁石21と互いに引き合う第2の電磁石22と、第1の電磁石21と反発し合う第3の電磁石23とが設けられていた。しかし、第1の電磁石21が第2の回転軸120に設けられ、第2と第3の電磁石22,23が第1の回転軸110に設けられるものとしても良い。また、第2の電磁石22に換えて、第1の電磁石21によって引き寄せられるような強磁性体や永久磁石が配置されるものとしても良い。さらに、第1の電磁石21の外周に、第3の電磁石23のそれぞれと互いに引き合う第4の電磁石が設けられるものとしても良い。
【符号の説明】
【0062】
5…強化繊維
7…繊維強化層
8…貫通孔
9…樹脂部材
10,10C,10a…タンク容器
11…シリンダー部
12a…第1のドーム部
12b…第2のドーム部
13…中空部
15…口金部
16…貫通孔
18a,18b…凹部
19a,19b…凸部
20,20A,20B,20Ba…電磁力発生部
21…第1の電磁石
22…第2の電磁石
23…第3の電磁石
24…第4の電磁石
30…回転軸取付部
31…第1の取付孔部
32…第2の取付孔部
40…強磁性体
100,100D,100a…フィラメントワインディング装置(FW装置)
110,110a…第1の回転軸
111…軸端部
112…内蔵導電線
114…リング状電極
115…封止治具
117…連通路
120,120a…第2の回転軸
121…軸端部
122…内蔵導電線
124…リング状電極
130…支持基台
131…第1の回転軸支持部
132…第2の回転軸支持部
133…チャック部
140…電磁力制御部
141,142…ブラシ電極
143,144…導電線
150…回転駆動部
160…繊維繰り出し部
161…リール
162…張力付加機構
165…繊維張力制御部
170…ガス供給部
171…配管
180…重量検出部
181,182…荷重センサー
240…強磁性体
241…中央芯部
242…外周円筒部
243,244…端部
CX…中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメントワインディング法によってタンク容器に強化繊維を巻き付けるフィラメントワインディング装置であって、
タンク容器を回転可能なように保持するタンク容器保持部と、
前記タンク容器保持部に保持された前記タンク容器を回転させる回転駆動部と、
回転している前記タンク容器の外周に強化繊維を供給することによって、前記タンク容器の外周に強化繊維を巻き付ける強化繊維供給部と、
を備え、
前記タンク容器保持部は、前記タンク容器の第1の頂部に設けられた開口部から前記タンク容器の内部に挿入されて前記第1の頂部とは反対側の前記タンク容器の第2の頂部の容器壁に達する第1の回転軸と、前記タンク容器の外側において、前記第2の頂部の容器壁を挟んで前記第1の回転軸と反対側の位置に配置される第2の回転軸とを有し、
前記第1の回転軸は、前記タンク容器に挿入された状態で、前記第1の頂部において保持され、
前記第1と第2の回転軸は、それぞれの互いに対向する第1と第2の軸端部によって、前記第2の頂部の容器壁を狭持することにより、前記タンク容器を保持し、
前記第1と第2の軸端部には、前記第1と第2の軸端部同士を引き合わせるように電磁力を発生させる電磁力発生部が設けられている、フィラメントワインディング装置。
【請求項2】
請求項1記載のフィラメントワインディング装置であって、さらに、
前記電磁力発生部の電磁力を制御する電磁力制御部を備え、
前記電磁力制御部は、前記強化繊維の前記タンク容器への巻き付けに際して、前記強化繊維に生じる繊維張力の大きさに応じて前記電磁力を増大させて、前記第1と第2の回転軸による前記タンク容器における前記第2の頂部の容器壁に対する狭持力を増大させる、フィラメントワインディング装置。
【請求項3】
請求項2記載のフィラメントワインディング装置であって、
前記タンク容器保持部に保持された前記タンク容器の重量を検出する重量検出部を有しており、
前記電磁力制御部は、前記強化繊維の前記タンク容器への巻き付けに際して、前記タンク容器の重量の増加に応じて前記電磁力を増大させる、フィラメントワインディング装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング装置であって、
前記電磁力発生部は、前記第1または第2の軸端部の一方において、第1の磁極が前記容器壁側に配置されるように埋設された電磁石と、前記第1または第2の軸端部の他方に、前記電磁石の前記第1の磁極と対向するように埋設され、前記電磁石の電磁力によって引き寄せられる電磁石対向部材とを有し、
前記電磁石対向部材の外周には、前記タンク容器の取り付けに際して、前記電磁石が前記電磁石対向部材の外周側に位置ずれしてしまうことを抑制するように、前記第1の磁極と反発し合う磁力を発生させる磁石が配置されている、フィラメントワインディング装置。
【請求項5】
タンク容器に強化繊維を巻き付けるフィラメントワインディング方法であって、
(a)第1の回転軸を前記タンク容器の第1の頂部に設けられた開口部から前記タンク容器の内部に挿入して、前記第1の頂部とは反対側の前記タンク容器の第2の頂部の容器壁に到達させた状態で前記第1の頂部において保持するとともに、第2の回転軸を前記タンク容器の外側において、前記第2の頂部の容器壁を挟んで、前記第1の回転軸と反対側の位置に配置し、前記第1と第2の回転軸の互いに対向する第1と第2の軸端部によって前記第2の頂部の容器壁を狭持させることにより、前記タンク容器を回転可能に保持する工程と、
(b)前記タンク容器を回転させ、回転している前記タンク容器の外周に強化繊維を供給することによって、前記タンク容器の外周に前記強化繊維を巻き付ける工程と、
を備え、
前記工程(a)または(b)には、前記第1と第2の軸端部同士を引き合わせるように電磁力を発生させる工程が含まれる、フィラメントワインディング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−127635(P2011−127635A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284214(P2009−284214)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】