説明

フィルターを包含する排気機構における流れ反転

本発明は、フィルターを包含する排気機構における流れ反転を開示する。リーンバーン往復動内燃機関の排ガスを処理するための、第一フィルター(26)上に粒子状物質(PM)を集め、その炭素画分を燃焼させる工程、該第一フィルター(20)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって該フィルターの元の上流側から未燃焼PMを排出する工程、および該排出されたPMの少なくとも一部を第二フィルター(34)上に集める工程を含んでなる方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、排ガスが粒子状物質(PM)を含む場合のエンジン排ガス処理に、特にそのような、粒子状物質フィルター中での間欠的な流れ反転を包含する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
リーンバーン往復動エンジンは、炭素(炭素化合物を包含する)、および一まとめにして「灰分」と呼ばれる他の物質も含んでなるPMを含む排ガスを発生する。中程度の排気温度における炭素の放出物は、ここにそれらすべての内容を参考として含める、米国特許第4,902,487号明細書、SAE文献890404(Cooper et al.)およびPlatinum Metals Review 1995, 39, 2-8(Hawker)に記載されているCRT(商品名)プロセスにより大幅に低下する。
【0003】
エンジン設計における最近の進歩により、炭素PMの放出はかなりの程度減少したが、フィルター上への灰分蓄積は重大な問題を引き起こしている。PMが設計レベルを超えて蓄積した時にPMフィルターを通る流れの方向を反転させることにより、これに対処することが提案されている。これは、灰分を大気中に放出し、健康に有害である場合があるので、少なくとも不都合である。そのような流れ反転の前に酸化されていない炭素PMを放出する危険性もある。
【0004】
潤滑油が、エンジン中で反応して不揮発性の酸化物を形成する無機原子を含み、煤燃焼触媒添加剤が燃料中に存在する場合にも、この問題は存在すると思われる。最近認識された別の問題は、非常に細かいPMが既存のフィルターでは集められないことである。
【0005】
第一の態様により、本発明は、リーンバーン往復動内燃機関の排ガスを処理するための、下流に向かう順に、
(i)第一の多孔質フィルター上にPMを集め、その炭素画分を燃焼させる工程、および
(ii)該第一フィルターを通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって該フィルターの元の上流側から未燃焼PMを排出する工程
を含んでなる方法であって、該排出されたPMの少なくとも一部を第二フィルター上に集める、方法を提供する。
【0006】
第二の態様により、本発明は、リーンバーン往復動内燃機関用の、下流に向かう順に、
(i)PMを集め、その炭素画分を燃焼させるのに有効な第一の多孔質フィルター、および
(ii)該第一フィルターを通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって未燃焼PMを排出する手段
を備えてなる排ガス処理装置であって、該排出されたPMの少なくとも一部を集めるための第二フィルターが該第一フィルターの下流に配置されている、装置を提供する。
【0007】
該第二フィルターは、該第一フィルターにおけるよりも小さな細孔を有し、該第一フィルターで集めるには小さ過ぎる粒子を集めることができる。そのような組合せでは、該第一フィルターは、単一の濾過段階を使用する確立された装置のフィルター細孔よりも大きな細孔を有することができる。
【0008】
我々は、熱力学的効率が高い新型エンジンにおける排気温度が低いため、およびエンジンから遠いために冷却される結果、第二フィルターは、安価な、有機材料、例えば織布または不織布、例えば紙、を使用する、容易に交換できる装置でよく、これを好ましくは射出成形により製造された、はめ込み式またはねじ込み式ハウジング中に取り付けることができることを見出した。好適なフィルター材料は、熱および湿分に耐えられる紙を包含する。これらの材料は、典型的には疎水性繊維を含むセルロースを含んでなる。
【0009】
最新型エンジンのもう一つの特徴は、エンジンから出るNOが、米国特許第4,902,487号明細書に記載されているようなNOの酸化から触媒作用により発生するNOを使用する受動的フィルター再生には低過ぎることである。この問題は、上記の低い排気温度により悪化することがあるので、実際には、フィルターを横切る背圧を妥当な設計公差の中に維持するために、能動的なフィルター再生技術が必要になる場合がある。そのような能動的再生技術は、例えばヨーロッパ特許第0758713号明細書に記載されている。
【0010】
CRT(商品名)プロセスの実用に対する本発明の優位性は、第一フィルター中の流れ反転を使用して、走行サイクル全体にわたってNO中で容易に燃焼されないPMを浄化できることにある。未燃焼PMは、第二フィルター上に集め、適当な間隔で除去することができる。従って、この配置は、特に後付け製品市場において、高価で、燃費のかかる能動的再生装置を取り付ける代わりに、実用的で経済的な解決策を提供する。
【0011】
好ましくは、第一フィルターの上流でガスを一酸化窒素(NO)の触媒酸化にかける。その代わりに、またはそれに加えて、第一フィルターに触媒作用を付与することができる。好適なフィルター触媒には、PM燃焼を促進する卑金属、例えばLa/Cs/V、または一種以上の白金族金属(PGM)、特に白金、が挙げられる。PGMは、フィルター材料自体の上に、またはフィルター細孔の目詰まりを防止するように処方されたウォッシュコート成分上に担持することができる。そのようなウォッシュコート成分には、アルミナ、セリアおよびセリア/ジルコニア混合または複合酸化物が挙げられる。有利なことに、フィルター触媒は、PGM系成分に加えてNO吸収体を包含することができ、その場合、フィルターは4元触媒と呼ぶことができる。これらの手段により、炭素は中程度の温度で燃焼し、従って、使い捨てフィルター媒体が耐えられる第二フィルター温度に容易に適用できる。
【0012】
第一フィルターに触媒作用を付与する場合、第二フィルターの材料を外部で処理し、触媒粉塵を回収することができる。
【0013】
本方法または装置で、フィルターの流れ反転は、パイプ接続により、エンジンから排ガスを、場合により先行する処理を経由して受け取り、該ガスをフィルターの一端に供給し、該ガス供給をフィルターの他端に間欠的に切り換え、フィルターから出るガスを受け取り、それを該第二フィルターに送達し、そこから大気中に、場合により別の処理を経由して排出する。
【0014】
好ましくは、流れの切換工程は、すべての接続が開いている状態で操作することができ、すべてが閉じている状態を排除する。バルブへの接続は二重にし、例えばガスをフィルター、被覆した(lagged)パイプに供給し、フィルター、フィン付きパイプからガスを受け取ることができる。
【0015】
フィルターを通るガス流方向を切り換えるために、パイプ接続部が4方バルブを包含するのが好適である。そのようなバルブは、典型的には、外側円筒形または円錐台形ケーシング(それぞれ外側の流れ接続部につながる、角度的に間隔を置いて配置された開口部が形成されている)、および2つの進入流から交互に一方を選択するか、あるいは単一の進入流を2つの出口の一方に交互に向けるか、または2つの進入流を単一の流れの中に向けるのに有効なデフレクタ手段を備えてなる。デフレクタ手段は、好ましくは、選択されたガス流が必要とされる2つの極限位置間の円弧状経路で操作することができる。デフレクタ手段は、「バタフライ」を備えてなることができる。バルブケーシングには、バタフライの意図するtraverse(横行、旋回)に対応する大きな直径を有する壁区域があり、その壁区域は、旋回の極限で、直径がより小さくなるように変化し、バタフライの輪郭に適合した、ガス漏れに対するシールとして有効な段差を形成している。バタフライの旋回は、典型的にはケーシングの周囲の10〜20%である。中間の非選択的なガス流が必要である場合、これは、アクチュエータ手段により与えることができる。
【0016】
デフレクタ手段は、ケーシング内に、流体を通さずに、流体流の主方向を横切る軸を中心にして回転できるように、胴とすり合わせに形成し、胴の2個以上の放射状平面のそれぞれに沿って少なくとも一個の、流体を通さない分割部材を形成し、それぞれの区画内に胴の周囲に沿って互いにある角度を有する位置で開いた少なくとも一つの通路を形成し、該位置は開口部に対応する。
【0017】
胴(使用する場合)は、シート材料を一つに合わせ、その外側形状および内側通路を限定するか、または固体材料を成形し、その中に穿孔することにより通路を形成し、孔同士の間の残りの部分が分割部材を構成するように形成することができる。各通路は、通常、その入口に対してある角度、例えば4方バルブでは直角、を有する出口を有し、一つの入口接続部および2または3個の出口接続部を有する。2個の入口接続部および2個の出口接続部を有する4方バルブでは、各通路は1個の入口および2個の出口を有することができる。
【0018】
バルブは、特定の流れ接続部またはすべての流れ接続部が開いている位置に対する胴の角度的移動を制限する手段を包含することができる。
【0019】
本方法および装置の他の態様は、接続部の上流で、
i)すでに述べたように、触媒作用によりNOを二酸化窒素(NO)に酸化すること、および/または
ii)必要な場合に、ガス温度を能動的に増加すること
の少なくとも一方、
接続部の下流で、
i.酸化窒素(NO)除去工程、例えばリーン−NO触媒、再生可能なNO吸収体または選択的触媒還元(SCR)、
ii.ディーゼル酸化触媒(DOC)
の少なくとも一方、および
所望により第一フィルターおよび/または(熱安定性であれば)第二フィルター上に、
PMの炭素画分をNOおよび/または酸素で燃焼させるのに有効な触媒
を包含することができる。
【0020】
i)、ii)、iまたはiiの触媒は、セラミック、巻き上げた波形金属、フォームまたは焼結金属または規則的に、または不規則なワイヤまたは平らなワイヤから構成されたフロースルーモノリシック基材上にあるのが好適である。第一および場合により第二フィルターは、吸収体および触媒の基材に類似した、ただしガスに対して透過性であるが、PMに対しては透過性が限られている「フィルター等級」の基材を使用することができる。
【0021】
本発明を添付の図面により例示する。
【0022】
図1に関して、全体的に10で表す装置は、ディーゼルエンジン排気マニホルド(図には示していない)に接続され、ウォッシュコートおよび白金(Pt)を担持するセラミックハニカムからなる酸化触媒22を含む反応器20を備えてなる。反応器20の出口末端から、パイプがバルブ24Aおよび24Bを経由し、PMフィルター26の一端のヘッダースペース(図に示すLHS)および他端のヘッダースペース(図に示すRHS)にそれぞれ伸びており、PMフィルター26は、ウォール−フロ−型のフィルター等級セラミックハニカムからなり、フィルターの通路は、入口末端で交互に開閉し、入口通路の開きに対応して、交互に出口では閉鎖される。LHSおよびRHSヘッダースペースからは、パイプがそれぞれバルブ24Cおよび24Dを経由して第二フィルター容器30のヘッダースペースに伸びており、そのフィルター容器は、全体的にフランジ32で示す、簡単に開けられる末端カバーが形成されており、使い捨てのフィルター装置34を収容している。使用の際、濾過された排ガスは36で大気中に排出される。
【0023】
この装置はプログラム化されたコンピュータの制御で操作され、バルブ24Aおよび24Cを開き、バルブ24Bおよび24Dを閉じ(図に示すように)、フィルター26を横切る圧力低下の信号を受け、圧力低下が予め決められたレベルに達した時に、バルブ24Aおよび24Cを閉じ、バルブ24Bおよび24Dを開く。そのような開閉は同期化され、閉塞またはバイパスを回避する。
【0024】
図2に関して、部品10、20および22は図1と等しいが、第一フィルター26は、2個のパイプ接続部だけを有する容器29の中にある。流れの反転は、第一フィルターへの出口XとY、および第二フィルター容器31への接続部を有する4方バルブ25により行われる。バルブ25は、3つの位置、すなわちXへの開放、Yへの開放、および中間的に4つの方向すべて、で操作できるので、閉塞の可能性無しに切換が行われる。4方向開放の時間は、最小に抑えられ、エンジンから出るPM濃度が最高の時にPMを含むガスがフィルター34へ通過するのを制限する。
【0025】
図3Aおよび3Bに関して、各図は、図2におけるように番号を付けてある。これらの図面に示す平面図は、実質的に円筒形のバルブケーシング50に関し、ケーシング内部には、より大きな直径を有する周辺部区域52(長方形バタフライデフレクタ54の旋回範囲を制限する)が形成されており、回転操作シャフト56が、バルブケーシングから外に、シールを経由してアクチュエータ(図には示していない)に伸びている。旋回範囲の極限は、直径が異なった区域間の段差58により限定され、そのような段差は、その意図する通路からガスが漏れるのを制限する。
【0026】
図2に関して、エンジンの正常運転では、蒸気(H(g))、窒素(N)、酸素(O)、二酸化炭素(CO)、未燃焼炭化水素燃料(HC)、一酸化炭素(CO)、NOおよびPMを含んでなる排ガスが、例えば300℃で、触媒22と接触し、その上でNOがNOに酸化され、HCおよびCOの一部が蒸気およびCOに酸化される。次いで、排ガスは、フィルター26に入り、その上でPMの大部分が集められ、その炭素画分が、触媒22中で形成されたNOおよび場合によりOとの反応により燃焼する。次いで、PMが減少したガスは、フィルター34を保持する容器31に入り、フィルター26から放出されたPMがフィルター34により集められる。そのようなPMは典型的には灰分であり、その場合、フィルター34は使い捨ての、例えば繊維または紙でよい。フィルター34の別の役目は、フィルター26により集められなかった超微粒の可燃PMを集めることでよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、4個の個別バルブにより流れ反転を行う装置を示す。
【図2】図2は、単一の4方バルブにより流れ反転を行う装置を示す。
【図3】図3は、図2で使用するバルブの、バルブの二つの極限位置を示す拡大平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーンバーン往復動内燃機関の排ガスを処理するための方法であって、
下流に向かう順に、
(i)第一の多孔質フィルター(26)上に、粒子状物質(PM)を集め、かつ、その炭素画分を燃焼し、および
(ii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって前記フィルターの元の上流側から未燃焼PMを排出することを含んでなり、
前記排出されたPMの少なくとも一部を第二フィルター(34)上に集めること特徴とする、方法。
【請求項2】
工程(i)の上流に、前記排ガス中のNOをNOに触媒作用により酸化し、および
前記PMの炭素画分の少なくとも一部を、前記第一フィルター(26)上で前記NOとの反応により燃焼させることを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一フィルター(26)よりも、より細かいPMを前記第二フィルター(34)上に集めることを含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リーンバーン往復動内燃機関用の排ガス処理装置であって、
下流に向かう順に、
(i)PMを集め、その炭素画分を燃焼させるのに有効な第一の多孔質フィルター(26)と、および
(ii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって蓄積したPMを排出する手段とを備えてなり、
前記排出されたPMの少なくとも一部を集めるための第二フィルター(34)が前記第一フィルター(26)の下流に配置されてなることを特徴とする、装置。
【請求項5】
前記排ガス中のNOをNOに酸化する触媒(22)が、前記第一フィルター(26)の上流に配置されてなる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第二フィルター(34)の細孔が、前記第一フィルター(26)の細孔よりも小さいものである、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二フィルター(34)が、有機材料、例えば織布または不織布を含んでなる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第二フィルターが紙材料を含んでなる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィルター媒体が、射出成形された、はめ込み式、またはねじ込み式ハウジング(30、32および31、32)中に取り付けられてなる、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ガス流反転手段が、それぞれ外側の流れ接続部に繋がる、角度的に間隔を置いて配置された開口部が形成された、外側円筒形または円錐台形ケーシング(50)と、および
2つの進入流から一方を選択するか、或いは、単一の進入流を2つの出口の一方に向けるか、或いは、2つの進入流を合流させるのに、有効なデフレクタ手段(54)とを備えてた、4方流体流路切換バルブ(25)を備えてなる、請求項4〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記デフレクタ手段(54)が、選択されたまたは合流したガス流が得られる、2つの極限位置(25X、25Y)間の円弧状経路で操作することができる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記デフレクタ手段(54)が、「バタフライ」を備えてなり、
前記バルブケーシング(50)に、前記バタフライの意図された横行に対応する大きな直径を有する壁区域(52)が形成されており、
前記壁区域が、前記横行の極限で、直径がより小さくなるように変化し、前記バタフライの輪郭に適合した、ガス漏れに対するシールとして有効な段差(58)が形成されてなる、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記バルブ(24、25)への接続が、例えばガスを、被覆されたパイプを経由して前記第一フィルターに供給する為に、および、前記第一フィルターから、フィン付きパイプを経由してガスを受け取る為に、二重になされている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第一フィルター(26)を通るガス流の周期的反転と、中間の非選択的なガス流との間で選択する制御手段を備えてなり、前記制御手段がアクチュエータ手段を備えてなる、請求項4〜13のいずれか一項に記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーンバーン往復動内燃機関の排ガスを処理するための方法であって、
(i)第一の多孔質フィルター(26)上に、粒子状物質(PM)を集め、かつ、その炭素画分を燃焼し、
(ii)第一の多孔質フィルター(26)から排出する排気ガスを第二フィルター(34)で集め、
(iii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって前記第一フィルターの元の上流側から未燃焼PMを排出することを含んでなり、
前記排出されたPMの少なくとも一部を第二フィルター(34)上に集めること特徴とし、および
(iv)前記集めたPMを含んでなる前記第二フィルターを除去し、かつ、前記第二フィルターを新しい第二フィルターと置き換えることを含んでなる、方法。
【請求項2】
工程(i)の上流で、前記排ガス中のNOをNOに触媒作用により酸化し、および
前記PMの炭素画分の少なくとも一部を、前記第一フィルター(26)上で前記NOとの反応により燃焼させることを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一フィルター(26)よりも、より細かいPMを前記第二フィルター(34)上に集めることを含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リーンバーン往復動内燃機関用の排ガス処理装置であって、
(i)PMを集め、その炭素画分を燃焼させる第一の多孔質フィルター(26)と、
(ii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって蓄積したPMを排出する手段と、および
(iii)前記第一の多孔質フィルター(26)から排出する排気ガスを受け取り、かつ、前記排出されたPMの少なくとも一部を集める、第二フィルター(34)とを備えてなり、前記第二フィルターが、周期的に除去され、置き換えらるようにされてなる、装置。
【請求項5】
前記排ガス中のNOをNOに酸化する触媒(22)が、前記第一フィルター(26)の上流に配置されてなる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第二フィルター(34)の細孔が、前記第一フィルター(26)の細孔よりも小さいものである、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二フィルター(34)が、有機材料、例えば織布または不織布を含んでなる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第二フィルターが紙材料を含んでなる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィルター媒体が、射出成形された、はめ込み式、またはねじ込み式ハウジング(30、32および31、32)中に取り付けられてなる、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ガス流反転手段が、それぞれ外側の流れ接続部に繋がる、角度的に間隔を置いて配置された開口部が形成された、外側円筒形または円錐台形ケーシング(50)と、および
2つの進入流から一方を選択するか、或いは、単一の進入流を2つの出口の一方に向けるか、或いは、2つの進入流を合流させるのに、有効なデフレクタ手段(54)とを備えてた、4方流体流路切換バルブ(25)を備えてなる、請求項4〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記デフレクタ手段(54)が、選択されたまたは合流したガス流が得られる、2つの極限位置(25X、25Y)間の円弧状経路で操作することができる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記デフレクタ手段(54)が、「バタフライ」を備えてなり、
前記バルブケーシング(50)に、前記バタフライの意図された横行に対応する大きな直径を有する壁区域(52)が形成されており、
前記壁区域が、前記横行の極限で、直径がより小さくなるように変化し、前記バタフライの輪郭に適合した、ガス漏れに対するシールとして有効な段差(58)が形成されてなる、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記バルブ(24、25)への接続が、例えばガスを、被覆されたパイプを経由して前記第一フィルターに供給する為に、および、前記第一フィルターから、フィン付きパイプを経由してガスを受け取る為に、二重になされている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第一フィルター(26)を通るガス流の周期的反転と、中間の非選択的なガス流との間で選択する制御手段を備えてなり、前記制御手段がアクチュエータ手段を備えてなる、請求項4〜13のいずれか一項に記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーンバーン往復動内燃機関の排ガスを処理するための方法であって、
(i)第一の多孔質フィルター(26)上に、粒子状物質(PM)を集め、かつ、その炭素画分を燃焼し、
(ii)第一の多孔質フィルター(26)から排出する排気ガスを第二フィルター(34)で集め、
(iii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって前記第一フィルターの元の上流側から未燃焼PMを排出することを含んでなり、
前記排出されたPMの少なくとも一部を第二フィルター(34)上に集めること特徴とし、および
(iv)前記集めたPMを含んでなる前記第二フィルターを除去し、かつ、前記第二フィルターを新しい第二フィルターと置き換えることを含んでなる、方法。
【請求項2】
工程(i)の上流で、前記排ガス中のNOをNOに触媒作用により酸化し、および
前記PMの炭素画分の少なくとも一部を、前記第一フィルター(26)上で前記NOとの反応により燃焼させることを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一フィルター(26)よりも、より細かいPMを前記第二フィルター(34)上に集めることを含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
リーンバーン往復動内燃機関用の排ガス処理装置であって、
(i)PMを集め、その炭素画分を燃焼させる第一の多孔質フィルター(26)と、
(ii)前記第一フィルター(26)を通るガス流の方向を周期的に反転させ、それによって蓄積したPMを排出する手段と、および
(iii)前記第一の多孔質フィルター(26)から排出する排気ガスを受け取り、かつ、前記排出されたPMの少なくとも一部を集める、第二フィルター(34)とを備えてなり、前記第二フィルターが、周期的に除去され、置き換えらるようにされてなる、装置。
【請求項5】
前記排ガス中のNOをNOに酸化する触媒(22)が、前記第一フィルター(26)の上流に配置されてなる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第二フィルター(34)の細孔が、前記第一フィルター(26)の細孔よりも小さいものである、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二フィルター(34)が、有機材料、例えば織布または不織布を含んでなる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第二フィルターが紙材料を含んでなる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記フィルター媒体が、射出成形された、はめ込み式、またはねじ込み式ハウジング(30、32および31、32)中に取り付けられてなる、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ガス流反転手段が、それぞれ外側の流れ接続部に繋がる、角度的に間隔を置いて配置された開口部が形成された、外側円筒形または円錐台形ケーシング(50)と、および
2つの進入流から一方を選択するか、或いは、単一の進入流を2つの出口X及びYの一方に向けるか、或いは、2つの進入流を合流させるのに、有効なデフレクタ手段(54)とを備えてた、4方流体流路切換バルブ(25)を備えてなり、
前記バルブ(25)が、三カ所で;Xに向けて開き、Yに向けて開き、及び中間的に全4方で操作可能なものである、請求項4〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記デフレクタ手段(54)が、選択されたまたは合流したガス流が得られる、2つの極限位置(25X、25Y)間の円弧状経路で操作することができる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記デフレクタ手段(54)が、「バタフライ」を備えてなり、
前記バルブケーシング(50)に、前記バタフライの意図された横行に対応する大きな直径を有する壁区域(52)が形成されており、
前記壁区域が、前記横行の極限で、直径がより小さくなるように変化し、前記バタフライの輪郭に適合した、ガス漏れに対するシールとして有効な段差(58)が形成されてなる、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記バルブ(24、25)への接続部が、例えばガスを、被覆されたパイプを経由して前記第一フィルターに供給する為に、および、前記第一フィルターから、フィン付きパイプを経由してガスを受け取る為に、二重になされてなる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第一フィルター(26)を通るガス流の周期的反転と、中間の非選択的なガス流との間で選択する制御手段を備えてなり、前記制御手段がアクチュエータ手段を備えてなる、請求項4〜13のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−527816(P2006−527816A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516454(P2006−516454)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002645
【国際公開番号】WO2004/113692
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590004718)ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー (152)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】