説明

フラッシュメモリデバイス用誘電体層およびその作製方法

【課題】ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類から形成された誘電体層を提供する。
【解決手段】アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含み、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層に関し、アルミン酸希土類は、63以上で71以下の原子番号を有する希土類元素を含む。また、誘電体スタック、およびアルミン酸希土類誘電体層を含み更に少なくとも上部テンプレート層104を含むテンプレートスタックを含む誘電体スタックの作製方法に関し、上部テンプレート層104はペロブスカイト構造を有し、上部テンプレート層104はアルミン酸希土類誘電体層105の下にありこれと接触する。好適な具体例では、誘電体スタックは更に結晶構造を有する下部テンプレート層103を含み、下部テンプレート層103は上部テンプレート層104の下にありこれに接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスの作製に関する。特に、本発明は、不揮発性メモリ応用に適した、特に、フラッシュメモリデバイスの集積に適した、アルミン酸希土類の誘電体材料および層に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュ(不揮発性)メモリデバイスの将来の小型化のために、中間ポリ誘電体(inter-poly dielectric)またはブロッキング誘電体の層は、Alより高いk値を有すると共に、Alと同等または好適にはより高いバンドギャップを有する誘電体材料から形成されるべきである。それらの要求を満たすことができる材料のクラスは、アルミン酸希土類(ランタニド)、即ちAlと希土類酸化物の合金のクラスである。
【0003】
US2008/0185633A1は電荷トラップメモリデバイス(charge trap memory device)を開示する。このデバイスは、基板上のトンネル絶縁層、トンネル絶縁層上の電荷トラップ層、および電荷トラップ層上のブロック絶縁層を含み、ブロック絶縁層は、より大きな誘電率とより大きなバンドギャップを有するように、ランタニド(Ln)を含む材料からなる。Lnは、57番目の元素であるランタン(La)から71番目の元素であるルテチウム(Lu)までの範囲の15の元素をいう。ブロッキング絶縁層は、更にアルミニウムおよび酸素を含み、アルミニウムに対するランタニドの比率は1より大きく(例えば、約1.5から約2)ても良い。
【0004】
特に、この出願は、La/Al組成に依存するエネルギバンドギャップと誘電体誘電率(k)を有するLaAlOを開示する。La/Al組成の比率が1のLaAlOは、約5.65eVのエネルギバンドギャップと約12の誘電体誘電率(k)を有し、La/Al組成の比率が2のLaAlは、約5.95eVのエネルギバンドギャップと約20の誘電体誘電率(k)を有する。
【0005】
US2008/0185633A1に開示されたアルミン酸ランタン(LaAlO)の特性は、誘電体誘電率(薄膜γ−Alのk値は約9)に関してアルミナより優れ、達成されるバンドギャップは薄膜γ−Alのバンドギャップ(約6.0〜6.5eV)より低く、最先端のフラッシュメモリデバイスについてはまだ低すぎる。
【0006】
それゆえに、誘電体材料が、Alより高いk値を有し、Alと同等かまたは好適にはより大きなバンドギャップを提供するような、誘電体材料および層、およびその作製プロセスについて、いまだに要求がある。
【0007】
都合よくは、本発明にかかる誘電体材料および層は、改良された性能と特性を有する、特にフラッシュメモリデバイスのような半導体デバイの作製を可能にする。
【0008】
本発明にかかる誘電体材料および層により提供される他の長所や利益は、以下の説明および添付された図面から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0009】
一の形態では、本発明は、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含み(または、から本質的になり)(または、からなり)、(安定した)ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層であって、アルミン酸希土類は、(約)63以上で、(約)71以下の原子番号を有する希土類元素を含む(またはからなる)誘電体層に関する。
【0010】
好適には、本発明の誘電体層はアルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含み(または、からなり)、希土類元素(RE)は、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびそれらの組み合わせまたは混合からなるグループから選択される。より好適には、希土類元素(RE)は、Gd、Lu、およびこれらの組み合わせまたは混合からなるグループから選択される。更に好適には、希土類元素(RE)は、GdまたはLuから選択される。
【0011】
好適には、本発明の誘電体層は、ペロブスカイト結晶構造を有し、(約)1400℃より低い、好適には(約)1200℃より低い、より好適には(約)900℃より低い温度で安定な、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)。
【0012】
好適には、本発明の誘電体層は、GdAlOを含む(または、からなる)アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)。
【0013】
より好適には、本発明の誘電体層は、LuAlOを含む(または、からなる)アルミン酸希土類(REAl2−x、ここで0<x<2)を含む(または、からなる)。
【0014】
好適には、本発明の誘電体層は、(約)5μmより薄い膜厚、好適には(約)1μmより薄い膜厚、より好適には(約)500nmより薄い膜厚、更に好適には(約)100nmより薄い膜厚、更に好適には(約)50nmより薄い膜厚、更に好適には(約)30nmより薄い膜厚、更に好適には(約)20nmより薄い膜厚を有する。好適には、本発明の誘電体層は、(約)5nmと(約)30nmの間、より好適には(約)10nmと(約)25nmの間、更に好適には(約)10nmと(約)24nmの間、更に好適には(約)10nmと(約)15nmの間、更に好適には(約)12nmと(約)15nmの間、に含まれる膜厚を有する。
【0015】
好適には、本発明の誘電体層は、(約)5.5eVより大きい、好適には(約)6.0eVより大きい、より好適には(約)6.4eVより大きい、更に好適には(約)6.5eVより大きい、更に好適には(約)7.0eVより大きい、更に好適には(約)7.5eVより大きい、バンドギャップを有するアルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)。
【0016】
好適には、本発明の誘電体層は、(約)10より大きい、好適には(約)12より大きい、より好適には(約)15より大きい、更に好適には(約)18より大きい、更に好適には(約)20より大きい、更に好適には(約)22より大きい、更に好適には(約)25より大きい、k値を有するアルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)。
【0017】
好適には、本発明の誘電体層は、RE/Al比が約1、または換言すればxが約1の、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)。この特定の形態では、本発明の誘電体層に含まれるアルミン酸希土類は、REAlO構造を有する。
【0018】
他の形態では、本発明は、上で定義されたような誘電体層を含む誘電体スタックに関する。
【0019】
好適には、本発明の誘電体スタックは、更に、少なくとも上部テンプレート層を含むテンプレートスタックを含み、上部テンプレート層はペロブスカイト構造で、上部テンプレート層は、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)誘電体層の下にあり、これと接触している。
【0020】
好適には、本発明の誘電体スタックは、更に、結晶構造の下部テンプレート層を含み、下部テンプレート層は、上部テンプレート層の下にあり、これと接触している。
【0021】
好適には、本発明の誘電体スタックでは、下部テンプレート層は、(約)10nmより薄い、より好適には(約)6nmより薄い膜厚を有する。更に好適には、本発明の誘電体スタックでは、下部テンプレート層は、(約)4nmより厚い膜厚を有する。
【0022】
好適には、本発明の誘電体スタックでは、上部テンプレート層は、(約)10nmより薄い、好適には(約)6nmより薄い、より好適には(約)5nmより薄い膜厚を有する。更に好適には、本発明の誘電体スタックでは、上部テンプレート層は、(約)4nmより大きな膜厚を有する。
【0023】
好適な形態では、本発明の誘電体スタックでは、下部テンプレート層は、γ−Alを含む(または、からなる)。
【0024】
一つの好適な形態では、本発明の誘電体スタックでは、上部テンプレート層は、LaAlOを含む(または、からなる)。
【0025】
他の好適な形態では、本発明の誘電体スタックでは、上部テンプレート層は、SrTiOを含む(または、からなる)。本発明の誘電体スタックのこの好適な形態では、上部テンプレート層は、好適には(約)10nmより薄い、より好適には(約)6nmより薄い、更に好適には(約)4nmより薄い、更に好適には(約)2nmより薄い膜厚を有する。
【0026】
本発明の他の形態では、基板上に誘電体スタックを作製する方法が提供され、この方法は、
(a)基板を覆う上部テンプレート層を形成する工程と、
(b)基板を覆う上部テンプレート層に熱処理を行い、ペロブスカイト構造を有する結晶上部テンプレート層を形成する工程と、
(c)結晶上部テンプレート層を覆う、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層を形成する工程であって、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)は、(約)63以上で(約)71以下の原子番号を有する希土類元素を含む(または、からなる)工程と、
(d)結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を形成する工程と、を含む(または、からなる)。
【0027】
好適には、本発明の方法では、上部テンプレート層は、SrTiOを含む(または、からなる)。
【0028】
好適には、本発明にかかる基板上に誘電体スタックを作製する方法は、
(a)基板を覆う上部テンプレート層を形成する工程であって、上部テンプレート層はSrTiOを含む(または、からなる)工程と、
(b)基板を覆う上部テンプレート層に熱処理を行い、SrTiOを含み(または、からなり)、ペロブスカイト構造を有する結晶上部テンプレート層を形成する工程と、
(c)結晶上部テンプレート層を覆う、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層を形成する工程であって、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)は、(約)63以上で(約)71以下の原子番号を有する希土類元素を含む(または、からなる)工程と、
(d)結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を形成する工程と、を含む(または、からなる)。
【0029】
好適には、本発明の方法では、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層は、GdAlOを含む(または、からなる)。
【0030】
好適には、本発明の方法では、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)本発明の誘電体層は、LuAlOを含む(または、からなる)。
【0031】
好適には、本発明の方法は、上述の、工程(b)の(上部テンプレート層に適用される)熱処理と、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層を形成する工程(c)の後に、同時に行われる。
【0032】
好適には、本発明の方法では、工程(b)の(上部テンプレート層に適用される)熱処理は、(約)600℃と(約)800℃の間に含まれる温度で行われる。
【0033】
好適には、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)830℃と(約)1000℃の間に含まれる温度で行われる。
【0034】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む誘電体層がGdAlOを含む(または、からなる)、本発明の方法の特定の形態では、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)830℃と(約)1000℃の間に含まれる温度で行われる。
【0035】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む誘電体層がLuAlOを含む(または、からなる)、本発明の方法の特定の形態では、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)930℃と(約)1000℃の間に含まれる温度で行われる。
【0036】
好適には、本発明の方法では、工程(b)の(上部テンプレート層に適用される)熱処理と、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、アニール処理である。
【0037】
好適には、本発明の方法では、工程(b)の(上部テンプレート層に適用される)熱処理と、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)1秒と(約)5分の間に含まれる期間、好適には(約)30秒と(約)1分の間に含まれる期間、更に好適には(約)30秒の期間、行われる。
【0038】
好適には、本発明の方法では、工程(b)の(上部テンプレート層に適用される)熱処理と、工程(d)の(結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、O、N、不活性ガス(好適にはArやHeのような希ガス)、それらの組み合わせや混合からなるグループから選択された雰囲気で行われる。より好適には、雰囲気は、Nを含む(または、からなる)ように選択される。
【0039】
他の好適な形態では、本発明は更に、結晶構造を有し基板を覆う下部テンプレート層を形成する工程を含み、下部テンプレート層は、上部テンプレート層の下にあり、これと接触する。
【0040】
好適には、本発明の方法では、結晶構造を有する下部テンプレート層は、γ−Alを含む(または、からなる)。
【0041】
結晶構造を有する下部テンプレート層がγ−Alを含む(または、からなる)本発明の方法の1つの好適な形態では、結晶構造を有し基板を覆う下部テンプレート層を形成する工程は、
・アモルファスAlを含み(または、からなり)、基板を覆う下部テンプレート層を形成する工程と、
・下部テンプレート層に熱処理を行い、これにより結晶γ−Al層を形成する工程と、を含む(または、からなる)。
【0042】
好適には、本発明の方法では、上部テンプレート層はLaAlOを含む(または、からなる)。
【0043】
他の好適な形態では、本発明にかかる基板上に誘電体スタックを作製する方法は、
(a)アモルファスAlを含み(または、からなり)基板を覆う下部テンプレート層を形成する工程と、
(b)基板を覆う下部テンプレート層に熱処理を行い、結晶ガンマアルミナ(γ−Al)層を形成する工程と、
(c)結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層を形成する工程であって、上部テンプレート層はLaAlOを含む(または、からなる)工程と、
(d)結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶LaAlO上部テンプレート層を形成する工程と、
(e)アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含み(または、からなり)、結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層を形成する工程であって、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)は、(約)63以上で(約)71以下の原子番号を有する希土類元素を含む(または、からなる)工程と、
(f)結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を形成する工程と、を含む(または、からなる)。
【0044】
好適には、本発明の方法では、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層は、GdAlOを含む(または、からなる)。
【0045】
更に好適には、本発明の方法では、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)本発明の誘電体層は、LuAlOを含む(または、からなる)。
【0046】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(b)で(下部テンプレート層に適用される)熱処理は、(約)850℃と(約)1000℃の間に含まれる温度、好適には(約)850℃で行われる。
【0047】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(d)で(結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に適用される)熱処理は、(約)950℃と(約)1100℃の間に含まれる温度、好適には(約)1000℃で行われる。
【0048】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)780℃と(約)1050℃の間、好適には(約)910℃と(約)1050℃の間、より好適には(約)950℃と(約)1050℃の間に含まれる温度、更に好適には(約)1050℃で行われる。
【0049】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層がGaAlOを含む(または、からなる)本発明の方法の特定に形態では、上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)780℃と(約)1050℃の間に含まれる温度で行われる。
【0050】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層がLuAlOを含む(または、からなる)本発明の方法の特定に形態では、上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)910℃と(約)1050℃の間に含まれる温度で行われる。
【0051】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(d)で(結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に適用される)熱処理と、上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む(または、からなる)誘電体層を形成する工程(e)の後に、同時に行われる。
【0052】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(b)で(下部テンプレート層に適用される)熱処理、上述の工程(d)で(結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に適用される)熱処理、および上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、アニール処理である。
【0053】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(b)で(下部テンプレート層に適用される)熱処理、上述の工程(d)で(結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に適用される)熱処理、および上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、(約)1秒と(約)5分の間、好適には(約)30秒と(約)1分の間、より好適には(約)30秒の期間適用される。
【0054】
好適には、本発明の方法では、上述の工程(b)で(下部テンプレート層に適用される)熱処理、上述の工程(d)で(結晶γ−Al層を覆う上部テンプレート層に適用される)熱処理、および上述の工程(f)で(結晶LaAlO上部テンプレート層を覆う誘電体層に適用される)熱処理は、O、N、不活性ガス(好適にはArやHeのような希ガス)、それらの組み合わせや混合からなるグループから選択された雰囲気で行われる。より好適には、雰囲気は、Nを含む(または、からなる)ように選択される。
【0055】
本発明の他の形態では、上述の誘電体層や誘電体スタックを含む半導体デバイスが提供される。好適には、半導体デバイスは、非揮発性メモリデバイスであり、より好適にはフラッシュメモリデバイスである。
【0056】
他の形態では、本発明は、半導体デバイス、好適にはフラッシュメモリデバイスの作製における、上述の誘電体層や誘電体スタックの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
全ての図面は、本発明の幾つかの形態や具体例を表すことを意図する。記載された図面は、単に模式的であり、限定するものではない。
【0058】
【図1】含有希土類元素の関数として、アルミン酸希土類のバンドギャップ値(eV)を表す。
【図2】実際の(物理的)膜厚の関数として、六方晶LuAlO(1)、六方晶GdAlO(2)、ペロブスカイトLuAlO(3)、およびペロブスカイトGdAlO(4)の層の等価酸化膜厚(EOT)を表す。
【図3】N中で30秒間、1000℃(曲線1)および1100℃(曲線2)でアニールした後の、γ−Alを覆い、これと接触するLuAlO層を含む誘電体スタックのGIXRD(斜め入射X線回折)パターンを表し、六方晶相への結晶化を示す。
【図4】(1)15nmLaAlO/10nmγ−Al、および(2)12nmLuAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Alからなるアニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表し、LaAlOとLuAlOの双方がペロブスカイト相に結晶化されるのを示す。
【図5】(1)15nmLaAlO/10nmγ−Al、および(2)12nmGdAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Alからなるアニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表し、LaAlOとGdAlOの双方がペロブスカイト相に結晶化されるのを示す。
【図6】(1)12nmGdAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Al、(2)12nmGdAlO/堆積されたままの15nmSrTiO(STO)、および(3)12nmGdAlO/アニールされた15nmSrTiO(STO)からなるアニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。
【図7】小型化されたLaAlO/γ−Alテンプレート:(1)4nmLaAlO/4nmγ−Al、(2)4nmLaAlO/3nmγ−Al、(3)3nmLaAlO/4nmγ−Al、の上の12nmLuAlOからなる、アニール(1050℃、30秒、N)された誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。ここで’p’はペロブスカイトピーク、’h’は六方晶ピークを表す。
【図8】12nmGdAlOと小型化されたSTOテンプレート:(1)4nmSTO、(2)3nmSTO、(3)2nmSTO、からなる、アニール(950℃、30秒、N)された誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。
【図9】典型的なフラッシュメモリ構成の発明の誘電体スタックを模式的に表す:基板/チャネル領域(100)、トンネル絶縁層(101)、電荷トラップ層(102)、下部テンプレート層(103)、上部テンプレート層(104)、REAl誘電体(ブロック)層(105)、制御電極(107)。
【図10】典型的なフラッシュメモリ構成の発明の誘電体スタックを模式的に表す:基板/チャネル領域(200)、トンネル絶縁層(201)、電荷トラップ層(202)、上部テンプレート層(203)、REAl誘電体(ブロック)層(205)、制御電極(207)。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明の目的は、ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類から形成された誘電体層を提供することである。
【0060】
他の目的は、ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類を含む誘電体スタックを提供することであり、誘電体スタックは、フラッシュメモリデバイス中での使用に適し、最先端の水準に関して改良された特性を有する。
【0061】
更に他の目的は、ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類を含む誘電体スタックの作製方法を提供することである。
【0062】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)は、少なくとも1つの希土類元素(RE)、アルミニウム(Al)、および酸素を含む誘電体材料(酸化物)である。希土類元素または希土類金属は、周期律表の17の化学元素を集めたもので、即ち、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、および15のランタニド:ランタン(La)、セシウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Eb)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、およびルテニウム(Lu)である。アルミン酸希土類化合物中の、希土類元素(RE)とAlの濃度”x”は、変化しても良い。
【0063】
発明を通して、他に明記しない場合は、RE/Al比は、RE/Al=1またはx=1であることが好ましい。しかしながら、本発明を通して、REAlOの文言は、アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)に関することを意味する。
【0064】
本発明の記載を通して、「からなる(consisting of)」または「本質的にからなる(consisting essentially of)」の表現は、入れ替え可能で用いられ同じ意味を有する。
【0065】
ランタニド(Ln)、アルミニウム、および酸化物からなる材料から形成されたブロック絶縁層を含む電荷トラップメモリデバイスは、先に記載された。しかしながら、誘電体(ブロック)層のアルミン酸ランタン(LaAlO)材料中のランタンを、単純に他のランタニドまたは希土類元素で置き換えることは、誘電体誘電率(k値)やバンドギャップ値のようなブロック層の特性を必ずしも改良するわけではない。
【0066】
異なる具体例中に更に記載されたように、アルミン酸希土類化合物のk値およびバンドギャップは、含まれる希土類元素およびアルミン酸希土類の結晶構造の双方に依存する。
【0067】
本発明の第1の形態では、半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト結晶構造を有するアルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)誘電体層が開示され、アルミン酸希土類は、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含む。
【0068】
本発明の内容で、「半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層」の表現は、1400℃より低い温度、好適には1200℃より低い温度、更に好適には900℃より低い温度で安定(即ち、実質的に変化を受けない)なペロブスカイト結晶構造を誘電体層が有することを意味する。
【0069】
RE元素は、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、およびそれらの組み合わせまたは混合物からなるグループから選択できる。上述のグループの2またはそれ以上の希土類(RE)元素を含むアルミン酸希土類も、また本発明の一部である。
【0070】
ペロブスカイト構造を有する材料は、チタン酸カルシウム(CaTiO)のような結晶構造と同じ型を有する材料であり、ペロブスカイト構造として知られている。ペロブスカイト化合物の一般的な化学式は、ABX3であり、’A’および’B’は非常に大きさの異なる2つのカチオンであり、Xは双方に接続されたアニオンである。’A’原子は、’B’原子より大きい。理想的な立方体対称構造は、8面体のアニオンにより囲まれた、6重配位(6-fold coordination)のBカチオンと、12重の立方八面体配位のAカチオンとを有する。ペロブスカイト構造は、化学式ABO3を有する多くの酸化物により採用される。そのような化合物の理想的な立方晶ユニットセルでは、’B’型原子が、体心(body center)位置(1/2、1/2、1/2)に配置され、酸素原子は面心位置(1/2、1/2、0)に配置される。斜方晶および正方晶の相は、最も一般的な非立方体の変形である。
【0071】
ペロブスカイト相中にREAlOを作製する工程は、特に高い原子番号の希土類元素を含むアルミン酸希土類の場合、簡単ではない。それらのアルミン酸希土類のいくつかは、半導体の作製と互換性のある温度(例えば、1400℃より低い、好適には1200℃より低い温度)では安定したペロブスカイト構造を示さない。例えば、LuAlOのペロブスカイト相は、1800℃より高温でのみ(バルク中で)安定である。更に、状態図はバルク材料に対してのみ得られるため、(半導体デバイスの作製に必要とされる)薄膜中でのREAlOの結晶化挙動については殆ど知られていない。
【0072】
ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類誘電体層(REAl2−x、0<x<2)は、好適には数ミクロンより薄い、好適には1μmより薄い膜厚を有する薄膜である。アルミン酸希土類誘電体層がフラッシュメモリデバイスの誘電体スタックの一部である本発明の一の形態では、その膜厚は、好適には100nmより薄く、更に好適には30nmより薄く、より好適には20nmより薄い。
【0073】
本発明のアルミン酸希土類誘電体層は、半導体の作製と互換性のある温度、即ち、1400℃より低い温度、好適には1200℃より低い温度、更に好適には900℃より低い温度で、安定したペロブスカイト結晶構造を有する。
【0074】
本発明の一の好適な具体例では、ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類誘電体層(REAl2−x、0<x<2)は、約1のRE/Al比(またはxが約1)を有する。AlリッチとREリッチのアルミン酸希土類の双方は、ペロブスカイト以外の他の結晶相を形成しやすい。特徴的には、ペロブスカイトアルミン酸希土類のバンドギャップと誘電体誘電率(k値)は、同じ化合物の他の結晶相の対応する値に比較して最も大きい。
【0075】
本発明の一の好適な形態では、ペロブスカイト構造を有するREAlO誘電体層は、LuAl2−x(但しxは約1)を含む。更に詳細に述べるように、本発明の特定の形態では、ペロブスカイト構造を有するREAlO誘電体層は、LuAlOからなる。
【0076】
本発明の他の好適な形態では、ペロブスカイト構造を有するREAlO誘電体層は、GdAl2−x(但し1は約1)を含む。更に詳細に述べるように、本発明の特定の形態では、ペロブスカイト構造を有するREAlO誘電体層は、GdAlOからなる。
【0077】
本発明の第2の形態では、誘電体スタックが記載され、この誘電体スタックは、
半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト構造を有する、アルミン酸希土類は63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含むREAlO誘電体層と、
ペロブスカイト構造を有する、少なくとも上部テンプレート層と、を含み、
上部テンプレート層は、REAlO誘電体層の下にあり、これと接触する。
【0078】
本発明の一の形態では、テンプレートスタックは、ペロブスカイト構造を有する、少なくとも上部テンプレート層を含む。テンプレートスタックは、更に、上部テンプレート層の下にありこれと接触する、結晶構造を有する下部テンプレート層を含んでも良い。
【0079】
本発明の異なる形態では、テンプレートスタックが、結晶構造を有する下部テンプレート層と、ペロブスカイト構造を有する上部テンプレート層との、2つの層からなる。
【0080】
結晶構造を有し、上部テンプレート層の下にありこれと接触する下部テンプレート層は、上部テンプレート層のペロブスカイト相への結晶化を促す。
【0081】
本発明のいずれかで詳細に記載される、本発明の幾つかの形態では、下部テンプレート層はγ−Alからなり、上部テンプレート層はLaAlOからなる。特徴的には、LaAlO上部テンプレート層は、高いk値を有し、一方γ−Al下部テンプレート層は薄く維持され、全体の誘電体スタックの等価酸化膜厚にあまり影響しない。
【0082】
γ−Alの結晶構造は、カチオンの位置の一部に空孔を有する欠陥六方晶スピネル構造として、しばしば記載される。それぞれのユニットセルは、ストイキオメトリを満足するために32の酸素と64/3のアルミニウムイオンを含む。
【0083】
本発明の代わりの形態では、テンプレートスタックが、ペロブスカイト構造を有する上部テンプレート層からなる。
【0084】
上部テンプレート層は、半導体の作製と互換性のある温度においてペロブスカイト構造を有する、または他の結晶材料(下部テンプレート層)と接触してその上にある場合に、半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト構造に結晶化できる、いずれかの結晶材料から形成しても良い。ここで使用される好ましい結晶材料は、本発明の観点から、当業者に容易に特定できる。上部テンプレート層の結晶材料は、好ましくは半導体デバイスの誘電体スタック、特にフラッシュメモリデバイスに使用するのが好ましい誘電体特性を有するべきである。
【0085】
本発明の一の好適な形態では、上部テンプレート層は、ペロブスカイト構造を有するSrTiO(STO)を含む。
【0086】
本発明のいずれかで詳細に記載される、本発明の幾つかの形態では、上部テンプレート層は、ペロブスカイト構造を有するSrTiOを含む。
【0087】
図1は、希土類元素(即ち、f軌道の電子の数)の関数として、アルミン酸希土類のバンドギャップ値(eV)を表す。
【0088】
異なるREAlOのペロブスカイト構造に対する、シミュレーションした(予想した)バンドギャップ値は、RE d−Al pバンド(薄い灰色の上部領域)の端部に、小さな黒点で表される。RE f−空バンド(f-empty band)とRE f占有バンド(f-occupied band)とのエネルギ値は、空の灰色の四角形と埋められた灰色の四角形で、それぞれ表される。図1は、バンドギャップ値が、原子番号またはf軌道中の電子数とともに増加することを表す。
【0089】
(例えば、X線光電子−電子エネルギ損失分光法、XPS−EELSにより)測定された、GdAlOとLuAlOのバンドギャップ値は、それぞれ、図1中に、大きな黒丸(ペロブスカイト相)と大きな白丸(六方晶相)で表される。図示するように、同じ希土類元素と同じRE/Al成分において、ペロブスカイトのアルミン酸REのバンドギャップは、六方晶のアルミン酸REのバンドギャップより1eV以上大きい(LuAlOに対して1.3eV、GdAlOに対して1.0eV)。
【0090】
図1に示すように、測定されたペロブスカイト相のバンドギャップは、予測されたもの(GdAlOおよびLuAlOの場合、点線の円で囲まれた小さな点)より、またはバルク結晶で実験的に見出されたものより、僅かに小さい。理論で結びつけられることなく、これは、薄層中の欠陥の影響により説明されると信じられる。
【0091】
光伝導性測定は、六方晶のGdAlOが、5.5eVのバンドギャップを有することを示す。例えばGd1.4Al0.6のような、より高いGd濃度では、バンドギャップは約5.3eVの値を有し、一方、例えばGd0.5Al1.5のような、より低いGd濃度では、バンドギャップは約5.9eVの値を有する。それらのバンドギャップの値は、Gd(約5.2eV)とAl(約6.0−6.5eV)の間でシミュレートされ、それゆえに、25%Gdについての約12から70%Gdについての約18までの、より高いk値の利益を考慮した場合でも、フラッシュメモリデバイス中のAlの置き換えを正当化するには十分ではない。
【0092】
六方晶LuAl1−xの光伝導性測定は、Lu濃度(x=0.5からx=1.5)から独立して、Alのバンドギャップ値により近い約6.1eVのバンドギャップを示す。特に、六方晶LuAlOについて測定されたk値は約10であるため、このバンドギャップ値は、フラッシュメモリデバイス中でのAlの置き換えは正当ではなく、ここにおいてフラッシュメモリデバイスの性能を十分に改良するには、むしろ低い。
【0093】
特別な例では、ペロブスカイトREAlO層(RE=Gd、Lu)は、γ−Alの下部テンプレート層(4nm)と、その上のLaAlOの上部テンプレート層(5nm)とからなるテンプレートスタックの上で結晶化される。比較例では、六方晶のREAlO層が、窒化シリコン(Si、6nm)の上で形成(結晶化)される。
【0094】
図2は、層の実際の(物理的な)膜厚の関数として、六方晶LuAlO層(1)、六方晶GdAlO層(2)、ペロブスカイトLuAlO層(3)、およびペロブスカイトGdAlO層の等価酸化膜厚(EOT)を表す。
【0095】
誘電体誘電率は、同じ化合物の六方晶相について、LuAlOおよびGdAlOのペロブスカイト相についてそれぞれ導き出された。表1に示すように、ペロブスカイトのアルミン酸REのk値は、六方晶相のk値より高い。
【0096】
表1

【0097】
図1と図2を合わせた解釈では、それぞれの希土類元素について、REAlOのペロブスカイト構造は、六方晶相の対応する値と比較した場合、最も高いバンドギャップと最も高いk値を有する。更に、バンドギャップ値とk値に基づいて、ペロブスカイト構造を有するアルミン酸希土類のクラスは、フラッシュメモリデバイス中の誘電体ブロック層として寄与するのに特に好ましいことを表している。
【0098】
63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含むペロブスカイトのアルミン酸希土類REAlOは、フラッシュメモリデバイスの誘電体(ブロック)層とするために好ましい6.4eVより高いバンドギャップと、12より高いk値を有する。
【0099】
LaAlOのペロブスカイト相は、図4(曲線1)および図5(曲線1)に示すように、γ−Al上に成長/堆積させた場合に、アモルファス相からにアニールにより得られる。
【0100】
LaAlOの挙動とは対照的に、γ−Al層の上に直接堆積された(上にありこれと接触する)アモルファス層から結晶化させた場合に、GdまたはLuを含むアルミン酸希土類は、ペロブスカイト構造には結晶化しないことが、驚くことに見出された。理論で結びつけられることなく、同様の挙動は、例えばZ値が63と71との間である高い原子番号Zを有する他の希土類元素でも期待される。
【0101】
比較例では、薄いSiO(REAlOに比較して薄いSiO)、Si、またはγ−Alの上に直接成長させた場合、GdAlOおよびLuAlOは六方晶層に結晶化する。1000℃(曲線1)と1100℃(曲線2)でアニールした後の、LuAlO/γ−AlのGIXPDパターンは、図3に示すように、六方晶層への結晶化を示す。
【0102】
本発明の幾つかの形態では、テンプレートスタックは、ペロブスカイト構造を有する上部テンプレート層からなる。
【0103】
本発明の幾つかの形態では、上部テンプレート層は、ペロブスカイト構造または類似の結晶構造を有する結晶SrTiOから形成される。
【0104】
ペロブスカイトSrTiOの上に堆積したアモルファスアルミン酸希土類は、例えば六方晶のアルミン酸希土類のk値やバンドギャップより、それぞれ高いk値と大きなバンドギャップを有するペロブスカイト構造に結晶化される。
【0105】
特徴的には、SrTiOのペロブスカイト上部テンプレート層は、組成や結晶性に依存して、約100〜300の非常に大きな誘電体誘電率(k値)を有し、これは全誘電体スタックの改良された誘電特性に貢献する。上部テンプレート層が誘電体スタックの底部に位置し、誘電体ブロック層として機能するより高いバンドギャップ値を有する層、即ちREAlO誘電体層の下にあるため、SrTiOの幾分低いバンドギャップは、現実の欠点にはならない。
【0106】
本発明の幾つかの好適な形態では、テンプレートスタックの一部としての上部および下部テンプレート層の双方は、全体の誘電体スタックのk値やバンドギャップ値への寄与を最小にするために、可能な限り薄く形成すべきである。
【0107】
本発明の幾つかの好適な形態では、下部テンプレート層の膜厚は10nmより薄く、好適には6nmより薄い。
【0108】
下部テンプレートがγ−Alから形成された本発明の特定に形態では、全体の誘電体スタックのETOへの寄与を最小にするために、γ−Alの膜厚は好適には6nmより薄い。
【0109】
更に、下部テンプレート層としてγ−Alが最適に働くために、即ち、結晶化中に下部テンプレート層が上部テンプレート層(LaAlO)中にペロブスカイト構造を誘起するために、約4nmのγ−Alの最小膜厚が尊重されるのが好ましい。実験によれば、4nmより薄いγ−Alの下部テンプレート層に対して、望まない六方晶相がLaAlOの上部テンプレート層中に現れる(かもしれない)。用いる膜厚に依存して、γ−Al/LaAlOのテンプレートスタックのEOT寄与は、約2nm以上である。
【0110】
本発明の幾つかの形態では、上部テンプレート層(例えば、ペロブスカイトLaAlO)が、10nmより薄い膜厚、好適には6nmより薄い膜厚を有する。
【0111】
小型化されたデバイスでは、同様に上部テンプレート層の膜厚を、5nmより薄い膜厚まで薄くすることも重要である。更に、約4nmの最小膜厚は、上部テンプレートが最適に働くために、即ち、結晶化中にREAlO中にペロブスカイト構造を誘起するために、約4nmの最小膜厚が尊重されるのが好ましい。
【0112】
上部テンプレート層がSrTiOからなる他の形態では、SrTiOの膜厚は好適には10nmより薄く、より好適には6nmより薄く、更に好適には約2nmである。特徴的には、全体の誘電体スタックのEOTに対するSTO上部テンプレート層のEOTの寄与は非常に小さい。
【0113】
本発明の幾つかの好適な形態では、アルミン酸希土類誘電体層の膜厚は、10nmと24nmの間であり、好適には12nmと15nmの間である。
【0114】
好適には、誘電体スタックに低まれる、上部および下部テンプレート層、REAlO誘電体層、および他の(選択的な)層は、有機金属化学気相堆積(MOCVD)のような原子層堆積(ALD)または化学気相堆積(CVD)技術により堆積され、または分子線エピタキシ(MBE)により成長させる。
【0115】
特定の例では、Si基板上に、10nmのAlがALDで堆積され、続いて、約850℃で約30秒間、N雰囲気中で結晶化し、γ−Alを形成する。その後に、結晶化されたγ−Alの上に15nmのLaAlOがALDで堆積され、約1000℃で約30秒間、N雰囲気中でアニールされ、ペロブスカイトLaAlOを形成する。ペロブスカイトLaAlOの上に、12nmのLuAlO、および他の例では12nmのGdAlOが、ALDで堆積され、約1050℃で30秒間、N雰囲気中でアニールされ、ペロブスカイトLuAlOおよびペロブスカイトGdAlOをそれぞれ形成した。
【0116】
図4は、(上から下に向かって)(1)15nmLaAlO/10nmγ−Alおよび(2)12nmLuAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Alからなる、アニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。図4のパターンは、LaAlOとLuAlO双方が、ペロブスカイト相に結晶化されたことを示す。LuAlOは、LaAlO(a=3.76オングストローム)よりわずかに小さい格子パラメータ(a=3.64オングストローム)のペロブスカイト相に結晶化され、これはより高い角度側にピークが僅かにシフトすることにより示される。
【0117】
図5は、(上から下に向かって)(1)15nmLaAlO/10nmγ−Alおよび(2)12nmGdAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Alからなる、アニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。図5のパターンは、LaAlOとGdAlO双方が、ペロブスカイト相に結晶化されたことを示す。GdAlOは、LaAlO(a=3.76オングストローム)の格子パラメータに非常に近い格子パラメータ(a=3.73オングストローム)を有するペロブスカイト相に結晶化される。
【0118】
REAlO/LaAlO/γ−Al誘電体スタックの透過電子顕微鏡(TEM)写真は、双方の希土類元素(GdおよびLu)について、分離されたREAlO層とLaAlO層と、REAlO/LaAlO界面を通る結晶層と結晶方位の連続とを示す。アニール中の緻密化のために、結晶化されたテンプレート層(LaAlO)は、成長/堆積された層より薄い。
【0119】
TEMの結果と合致して、GdAlO/LaAlO/γ−AlおよびLuAlO/LaAlO/γ−Al誘電体スタックのXPS(X線光電子分光法)スパッタープロファイルは、GdAlOおよびLuAlOが、それぞれ、LaAlO/Alテンプレートスタックと相互拡散しないことを示す。
【0120】
代わりに、他の例では、15nmSrTiOテンプレートが、基板上にALDで堆積され、続いて約600℃で1分間、N雰囲気中で結晶化されて、ペロブスカイトSrTiOを形成する。その後に、12nmGdAlOが結晶化されたペロブスカイトSrTiOの上にALDで堆積され、約1000℃で30秒間、N雰囲気中で結晶化されて、ペロブスカイトGdAlOを形成する。
【0121】
図6は、(上から下に向かって)(1)12nmGdAlO/15nmLaAlO/10nmγ−Al、(2)12nmGdAlO/堆積させたままの15nmSrTiO、(3)12nmGdAlO/アニールした15nmSrTiOからなる、アニールされた誘電体スタックのGIXRDパターンを表す。
【0122】
アニールされた(1050℃)STO含有誘電体スタックの透過電子顕微鏡(TEM)写真は、GdAlO/SrTiOの場合、分離した層を示すが、一方でLuAlO/SrTiOの場合、層は明確には分離されない。双方の場合、REAlO/SrTiO界面を通る結晶層および結晶方位の連続性は観察される。それらの結果は、X線光電子分光(XPS)の結果により確認される。XPSスパッタープロファイルは、GdAlOとSrTiOとの間のいくらかの相互拡散を示すが、一方でLuAlOとSrTiOとは完全に相互拡散しているようである。
【0123】
図7は、小型化されたLaAlO/γ−Alテンプレートスタック:(1)4nmLaAlO/4nmγ−Al、(2)4nmLaAlO/3nmγ−Al、(3)3nmLaAlO/4nmγ−Al、の上の12nmLuAlOからなる、アニールされた(1050℃、30秒、N)誘電体スタックのGIXPDパターンを示す。ここで、’p’はペロブスカイト相に対応するピーク、’h’は六方晶相に対応するピークを示す。
【0124】
LaAlO/γ−Alテンプレートスタックは、より薄い膜厚に小型化される。しかしながら、上部および下部のテンプレート層には、テンプレートスタックが最適に働くのを保証する下限(それぞれ約4nm)がある。図7に示すように、曲線(1)はペロブスカイト構造を示し、一方曲線(2)はペロブスカイト構造に並ぶ六方晶構造の対応するピークの存在を示す。
【0125】
特徴的には、フラッシュメモリデバイスの最も厳しい小型化の要求に応じるように、SrTiO(STO)上部テンプレート層は、より薄い厚さまで小型化できる。
【0126】
図8は、12nmGdAlOと小型化されたSTO上部テンプレート層:(1)4nmSTO、(2)3nmSTO、(3)2nmSTO、からなるアニールされた(950℃、30秒、N)誘電体スタックのGIXPDパターンを示す。図に示すように、STO上部テンプレート層は、好適には2nmまで小型化できる。
【0127】
本発明の他の形態では、REAlO誘電体層は、半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト結晶構造であり、アルミン酸希土類は、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含む、アルミン酸希土類誘電体層を含む半導体デバイスが開示される。
【0128】
本発明の一の好適な形態では、半導体デバイスは、更に、
少なくとも上部テンプレート層を含むテンプレートスタックを含み、
上部テンプレート層はペロブスカイト構造を有し、
上部テンプレート層は、REAlO誘電体層の下にありこれと接触する。
【0129】
本発明の一の好適な形態では、REAlO誘電体層は半導体の作製と互換性のある温度でペロブスカイト結晶構造であり、アルミン酸希土類は、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含む、REAlO誘電体層を含むフラッシュメモリデバイスが提供される。
【0130】
一の特定の実行では、フラッシュメモリデバイスは、更に、
少なくとも上部テンプレート層を含むテンプレートスタックを含み、
上部テンプレート層はペロブスカイト構造を有し、
上部テンプレート層は、REAlO誘電体層の下にありこれと接触する。
【0131】
フラッシュメモリデバイスは、更にここで記載する他の誘電体および/または導電層を含んでも良い。図9は、典型的なフラッシュメモリ配置:基板/チャネル領域(100)、トンネル絶縁層(101)、電荷トラップ層(102)、下部テンプレート層(103)、上部テンプレート層(104)、REAlO誘電体(ブロック)層(105)、制御電極(107)中の誘電体スタックを模式的に表す。
【0132】
図10は、典型的なフラッシュメモリ配置:基板/チャネル領域(200)、トンネル絶縁層(201)、電荷トラップ層(202)、上部テンプレート層(203)、REAlO誘電体(ブロック)層(205)、制御電極(107)中の他の誘電体スタックを模式的に表す。
【0133】
トンネル絶縁層(101、201)は、トンネル酸化層でも良い。トンネル絶縁層は、SiO、高誘電率(high-k)誘電体層、またはそれらの組み合わせから形成されても良い。代わりに、トンネル絶縁層はシリコン窒化物(Si)から形成されても良い。
【0134】
電荷トラップ層(102、202)は、情報を蓄積するために電荷をトラップする。電荷トラップ層は、多結晶シリコン、窒化物、高誘電率(high-k)材料から形成されても良く、または電荷トラップサイトとして機能する複数のナノドットを含んでも良い。
【0135】
制御電極(107、207)は、金属層から形成される。例えば、ゲート電極はAl、TaN、または金属シリサイド(例えばNiSi)から形成される。
【0136】
選択的に、キャップ層(106、206、図示せず)が、REAlO誘電体(ブロック)層(105、205)と制御電極(107、207)との間に挿入されても良い。キャップ層は、REAlO誘電体(ブロック)層と制御電極との間の界面特性を改良する高誘電率(high-k)値を有する誘電体材料から形成されても良い。
【0137】
本発明の他の形態では、誘電体スタックを作製する方法が記載され、この方法は、
(a)基板上にアモルファスAlからなる下部テンプレート層を形成(堆積/成長)する工程と、その後に、
(b)下部テンプレート層を含む基板に熱処理(またはアニール)を行い、これにより結晶ガンマ−アルミナ(γ−Al)を形成する工程と、その後に、
(c)結晶γ−Alを覆う、LaAlOからなる上部テンプレート層を形成(堆積/成長)する工程と、
(d)上部テンプレート層を含む基板に熱処理(アニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶LaAlOを形成する工程と、
(e)上部テンプレート層を覆ように、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含む、REAlO誘電体層を形成(堆積/成長)する工程と、その後に、
(f)REAlO誘電体層を含む基板に熱処理(アニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶REAlO層を形成する工程と、を含む。
【0138】
本発明の方法の一の好適な形態では、下部テンプレート層を含む基板をアニールし、これにより結晶ガンマ−アルミナを形成する工程は、850℃と1100℃との間の温度、好適には約850℃の温度で、約30秒間、N雰囲気中で行われる。
【0139】
本発明の方法の一の好適な形態では、上部テンプレート層は、結晶化されたガンマ−アルミナの上に堆積され、LaAlOからなる。
【0140】
本発明の好適な実行では、上部テンプレート層を含む基板をアニールし、これによりペロブスカイト構造を有する結晶LaAlOを形成する工程は、950℃と1100℃との間の温度、好適には約1100℃の温度で、約30秒間、N雰囲気中で行われる。
【0141】
下部および上部テンプレート層(例えば、LaAlOの下のγ−Al)が使用される本発明の特定の形態では、アルミン酸希土類誘電体層を含む基板をアニールして、これによりペロブスカイト構造を有する結晶REAlOを形成する工程は、好適には約950℃と約1050℃の間の温度、より好適には約1050℃で、約30秒間、N雰囲気中で行われる。
【0142】
γ−Al/LaAlOテンプレートスタックの上のGdAlOの特別な例では、ペロブスカイトGdAlOを形成するためのアニール工程は、好適には780℃と1050℃との間の温度で行われる。
【0143】
代わりに、γ−Al/LaAlOテンプレートスタックの上のLuAlOの特別な例では、ペロブスカイトLuAlOを形成するためのアニール工程は、好適には910℃と1050℃との間の温度で行われる。
【0144】
異なる熱処理(アニール)工程の時間は、1秒から数分の間であり、好適には30秒と1分の間である。雰囲気は、O、N、または他の不活性ガス(Ar、Heのような希ガス)でも良い。
【0145】
本発明の幾つかの形態では、上述のように、工程(d)と工程(f)の熱処理は、アルミン酸希土類層の形成(堆積)工程(工程(e))の後に、同時に行われても良い。特徴的には、全処理時間が短くなり、これは作製において非常に重要である。
【0146】
他の形態では、誘電体スタックを作製する方法は、以下の工程:
(a)基板を覆うように、SrTiOを含む/からなる下部テンプレート層を形成(堆積/成長)する工程と、その後に、
(b)下部テンプレート層を含む基板に熱処理(またはアニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶SrTiOを形成する工程と、
(c)下部テンプレート層を覆ように、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素(RE)を含む、REAlO誘電体層を形成(堆積/成長)する工程と、その後に、
(d)REAlO誘電体層を含む基板に熱処理(アニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶アルミン酸希土類REAlO層を形成する工程と、を含む。
【0147】
本発明の好適な形態では、SrTiO上部テンプレート層を含む基板をアニールし、これによりペロブスカイト構造を有する結晶SrTiOを形成する工程は、600℃と800℃の間の温度で、30秒間、N雰囲気中で行われる。要求されるアニール温度は、STO層の膜厚に依存し、例えば、約2nmの薄層に対しては、アニール温度は約800℃でなければならない。
【0148】
SrTiOを含む(またはからなる)上部テンプレート層が記載された本発明の特定の形態では、アルミン酸希土類誘電体層を含む基板をアニールし、これによりペロブスカイト構造を有する結晶REAlOを形成する工程は、好適には約930℃と1000℃との間の温度で、約30秒間、N雰囲気中で行われる。1000℃より高い温度は、STOテンプレート層はこの温度以上では安定でないため、薦められない。
【0149】
本発明の方法の一の好適な形態では、REAlO誘電体層は、LuAlOからなる。
【0150】
本発明の方法の他の好適な形態では、REAlO誘電体層は、GdAlOからなる。
【0151】
STOテンプレート上のGdAlOの特定の例では、ペロブスカイトGdAlOを形成するためのアニール工程は、好適には830℃と1000℃の間の温度で行われる。
【0152】
代わりに、STOテンプレート上のLuAlOの特定の例では、ペロブスカイトLuAlOを形成するためのアニール工程は、好適には930℃と1000℃の間の温度で行われる。
【0153】
本発明の代わりの形態では、結晶誘電体(下部テンプレート層)の上にこれと接触した場合に、ペロブスカイト構造を有する、または半導体の作製と互換性の有る温度でペロブスカイト構造に結晶化される可能性のある他の誘電体材料が、上部テンプレート層として使用される。ここでの使用に適したそのような代わりの誘電体材料は、本発明の記載に鑑みて半導体処理の分野の当業者により、容易に特定できる。
【0154】
本発明の他の形態では、誘電体スタックを作製する方法が記載され、この方法は以下の工程:
(a)基板を覆うように、上部テンプレート層を形成(堆積/成長)する工程と、
(b)上部テンプレート層を含む基板に熱処理(アニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶上部テンプレート層を形成する工程と、
(c)結晶上部テンプレート層を覆ように、63(Eu)以上で71(Lu)以下の原子番号を有する希土類元素を含む、REAlO誘電体層を形成(堆積/成長)する工程と、その後に、
(d)REAlO誘電体層を含む基板に熱処理(アニール)を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶REAlO層を形成する工程と、を含む。
【0155】
1つの上部テンプレート層のみが用いられる(または、換言すれば、テンプレートスタックが上部テンプレート層からなる)本発明の特定の形態では、この方法の工程(b)と工程(d)の熱処理は、REAlO層の形成(堆積)工程(工程(c))の後に、同時に行われても良い。特徴的には、全処理時間が短くなり、これは作製において非常に重要である。
【0156】
更に他の形態では、本発明は、半導体デバイス、好適にはフラッシュメモリデバイスの作製における、上述のような誘電体層または誘電体スタックの使用に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含み、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層であって、
アルミン酸希土類は、63以上で71以下の原子番号を有する希土類元素を含む誘電体層。
【請求項2】
ペロブスカイト結晶構造は、1400℃より低い温度、好適には1200℃より低い温度、更に好適には900℃より低い温度で安定である請求項1に記載の誘電体層。
【請求項3】
5μmより薄い、好適には1μmより薄い、更に好適には100nmより薄い、より好適には30nmより薄い、より好適には20nmより薄い膜厚を有する請求項1または2に記載の誘電体層。
【請求項4】
アルミン酸希土類において、RE/Alの比が約1である請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体層。
【請求項5】
LuAl2−x、0<x<2の構造を有し、xは好適には約1となるように選択されるアルミン酸希土類を含む請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体層。
【請求項6】
GdAl2−x、0<x<2の構造を有し、xは好適には約1となるように選択されるアルミン酸希土類を含む請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体層。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体層を含む誘電体スタック。
【請求項8】
更に、少なくとも上部テンプレート層を含むテンプレートスタックを含み、上部テンプレート層はペロブスカイト構造を有し、上部テンプレート層はアルミン酸希土類誘電体層の下でこれと接触する請求項7に記載の誘電体スタック。
【請求項9】
更に、結晶構造を有する下部テンプレート層を含み、下部テンプレート層は上部テンプレート層の下でこれと接触する請求項8に記載の誘電体スタック。
【請求項10】
下部テンプレート層は、γ−Alを含む請求項9に記載の誘電体スタック。
【請求項11】
上部テンプレート層は、LaAlOを含む請求項8〜10のいずれかに記載の誘電体スタック。
【請求項12】
上部テンプレート層は、SrTiOを含む請求項8に記載の誘電体スタック。
【請求項13】
誘電体スタックを基板上に作製する方法であって、
(a)基板を覆うように、上部テンプレート層を形成する工程と、
(b)基板を覆う上部テンプレート層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶上部テンプレート層を形成する工程と、
(c)結晶上部テンプレート層を覆ように、63以上で71以下の原子番号を有する希土類元素を含むアルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む誘電体層を形成する工程と、
(d)結晶上部テンプレート層を覆う誘電体層に熱処理を行い、これによりペロブスカイト構造を有する結晶アルミン酸希土類誘電体層を形成する工程と、を含む方法。
【請求項14】
更に、基板の上に、上部テンプレート層の下にありこれと接触する、結晶構造を有する下部テンプレート層を形成する工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
結晶構造を有する下部テンプレート層は、γ−Alを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
結晶構造を有しγ−Alを含む下部テンプレート層を基板上に形成する工程は、以下の工程:
アモルファスAlを含み基板を覆う下部テンプレート層を形成する工程と、
下部テンプレート層に熱処理を行い、これにより結晶γ−Al層を形成する工程と、を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上部テンプレート層は、LaAlOを含む請求項13〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
上部テンプレートは、SrTiOを含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む誘電体層は、LuAlOを含む請求項13〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
アルミン酸希土類(REAl2−x、0<x<2)を含む誘電体層は、GdAlOを含む請求項13〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体層を含むメモリデバイス。
【請求項22】
請求項7〜12のいずれかに記載の誘電体スタックを含むメモリデバイス。
【請求項23】
請求項13〜20に記載の方法を用いて得られた誘電体スタックを含むメモリデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−146699(P2011−146699A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−281145(P2010−281145)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】