説明

プラズマモニタリング装置及び方法

【課題】プラズマの放射状態を画像イメージとして取得した後、該画像イメージのピクセル情報を制御部で分析して、プラズマの放射状態をリアルタイムに観察することができるようにしたプラズマモニタリング装置を提供すること。
【解決手段】本発明のプラズマモニタリング装置は、プラズマモニタリング装置であって、電源を供給する電源供給部と、反応ガスを供給する供給ラインと、内部で発生するプラズマを処理対象物に向かって放射する放射ノズルとが形成されるプラズマ供給手段と、該プラズマ供給手段から放射されるプラズマの放射状態を画像イメージとして取得するカメラ部と、該カメラ部の画像イメージのピクセル情報を数値化させて得た測定値を正常的な放射状態の基準値と比較して、プラズマの放射状態を検査する制御部とを備えて達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマの放射状態を画像イメージとして取得した後、該画像イメージの分析によって得られた測定値に応じて、プラズマの放射量を調整させるようにしたプラズマモニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板の表面を処理する方法、例えば、基板の表面から有機物質のような汚染物の除去、レジスト(resist)の除去、有機フィルムの接着、表面変形、フィルム形成の向上、金属酸化物の還元、または液晶用ガラス基板の洗浄などのためには、大別して、化学薬品を用いたウェット洗浄方式及びプラズマを用いたドライ洗浄方式がある。
【0003】
従来、液体状態の化学薬品を適用したウェット洗浄方式は、工程の便利性や低費用の効果があったが、微細な回路の洗浄には多少困難があった。また、化学薬品を用いることになるため、環境に悪影響を及ぼすという短所がある。
【0004】
このため、技術実現が難しいが、微細回路の洗浄が可能なプラズマを用いたドライ洗浄装置の必要性が台頭してきた。
【0005】
大気圧放電によるプラズマ大量生産技術は、実際の条件で多くの物質を化学的にまたは生物学的に処理できる技術であるため、単に環境汚染の防止及び浄化分野だけでなく、材料及びエネルギー分野など、未来産業でも中枢的な役割を果たす技術として注目されている。
【0006】
低温プラズマ発生技術は、プラズマによる活性粒子を用いるドライエッチング、半導体分野における薄膜フィルム形成のCVD(Chemical Vapor Deposition)、PFCガスを用いた半導体用薄膜蒸着チャンバーの洗浄(cleaning)、活性化したイオンあるいは電子による固体の表面改質、及びイオンなどを電界で加速させて対象物質に入射させつつ、対象基板を蒸着またはコーティングするスパッタリングなどに適用されている。
【0007】
プラズマを用いた表面処理の一例としては、低温・低圧状態のプラズマを用いる方法がある。低温・低圧プラズマを用いた表面処理方法は、低温・低圧の真空槽内にプラズマを発生させ、これらを基板の表面と接触させて基板の表面を処理するものであるが、このような低温・低圧状態のプラズマを用いる表面処理方法は、優れた洗浄効果にもかかわらず、低圧を維持するために真空装置が必要になるため、大気圧状態で行われる連続工程に適用し難いことから、広く利用されていない実状である。
【0008】
一方、大気圧放電としては、現在、直流アークトーチ(arc−torch)のように商用化されているものもある。このようなDC放電(arc)は、放電気体が数千度を超える高温の特性を表わし、現在、このような性質を利用して金属の切断及び溶接などに利用している。また、大気圧において、ラジオ波(radio frequency)の共鳴現象を利用して放電すると、グロー放電またはコロナ放電などを起こし、かつ、放電気体の温度を他の方法の大気圧放電より顕著に低くすることができるようになる。
【0009】
このような大気圧低温プラズマは、リアルタイムに洗浄及び酸化膜蒸着などの表面処理に用いられる。放電ガスとして、不活性ガスに微量の活性ガスを添加したとき、オゾンやラジカルなどの活性が高い粒子を大量に製造するのが容易になる。プラズマの常温特性は、被処理物の熱変形を起こさないので、単に金属だけでなく、プラスチックやガラスなどの材質に対しても処理することができる。
【0010】
また、大気圧低温プラズマは、半導体工程のうち、基板消毒とPCB洗浄にも大きな貢献をすることができる。プラズマの活性を用いれば、半導体基板とPCBの有機金属副産物をリアルタイム(in−line)に処理することができ、プラズマの低温特性により、被処理物の熱変形を起こさず、かつ、製品の品質を高める親環境的な工程を導入することができる。
【0011】
すなわち、両電極に一定間隔を隔てて高電圧を印加すると、電極間の空間で放電が形成されて反応ガスのイオン化がなされる。このように形成された数多い各種の機能性イオンは、被処理材料の表面に衝突して材料の表面洗浄はもちろん、微細異物質を除去する。
【0012】
このような従来の大気圧低温プラズマを用いたプラズマ洗浄装置は、複数形成される放射ノズルを介してプラズマを放射させて基板を洗浄するが、プラズマが放射したか否かを確認するために、プラズマが放射される放射ノズルにフォトダイオードを設置する。
【0013】
ところが、上記のように、フォトダイオードによってプラズマを監視する場合には、プラズマが放射したか否かのみを判断することができるため、全体面積での放射量を測定することができなくなり、プラズマが不均一に供給された場合、基板が均一に洗浄され得ないという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであって、その目的は、プラズマの放射状態を画像イメージとして取得した後、該画像イメージのピクセル情報を制御部で分析して、プラズマの放射状態をリアルタイムに観察することができるようにしたプラズマモニタリング装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、制御部での分析結果に応じて、プラズマの放電条件を調整してプラズマの発生量を制御するとともに、プラズマ供給手段に供給される反応ガスの供給量を調整してプラズマの発生量を制御するプラズマモニタリング装置を提供することにある。
【0016】
なお、本発明の目的は、カメラ部を所定間隔離隔して複数配置し、プラズマの放射状態を全体領域にわたって観察することにより、一部領域でプラズマ放射量に不均衡が発生した場合にも、これを確認することができるプラズマモニタリング装置を提供することにある。
【0017】
さらに、本発明の目的は、処理対象物の上面と底面とに向かってプラズマを供給するようにプラズマ供給手段を各々配置し、各々のプラズマ供給手段の対向側にカメラ部を設けて、処理対象物の両側面を同時に処理することができるようにしたプラズマモニタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために本発明のプラズマモニタリング装置は、プラズマモニタリング装置であって、電源を供給する電源供給部と、反応ガスを供給する供給ラインと、内部で発生するプラズマを処理対象物に向かって放射する放射ノズルとが形成されるプラズマ供給手段と、該プラズマ供給手段から放射されるプラズマの放射状態を画像イメージとして取得するカメラ部と、該カメラ部の画像イメージのピクセル情報を数値化させて得た測定値を正常的な放射状態の基準値と比較して、プラズマの放射状態を検査する制御部とを備えることにより達成される。
【0019】
前記制御部は、測定値と基準値との比較結果に応じて、プラズマ供給手段の電源供給部を介して供給される電源を調整し、プラズマの放電条件を制御することにより、プラズマ放射量を調整することが好ましい。
【0020】
前記プラズマ供給手段における反応ガス供給ライン上には反応ガスの供給量を調整する調整手段が設けられ、前記制御部が、測定値と基準値との比較結果に応じて、プラズマ供給手段の調整手段を介してプラズマ放射量を調整することが好ましい。
【0021】
前記プラズマ供給手段が、処理対象物の上側から処理対象物の表面に向かってガスを放射させるように配置され、前記カメラ部が、前記プラズマ供給手段の放射ノズルに向かって配置されることが好ましい。
【0022】
前記カメラ部が、所定間隔離隔して複数設けられることが好ましい。
【0023】
前記プラズマ供給手段が、処理対象物の両面を処理しようとする場合、処理対象物の上面と底面とに向かってプラズマを放射させるようにそれぞれ設けられ、前記カメラ部が、前記プラズマ供給手段の対向側にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0024】
前記カメラ部が、CCDカメラであることが好ましい。
【0025】
前記課題を解決するために本発明のプラズマモニタリング方法は、プラズマモニタリング方法であって、放電による反応ガスのイオン化を介してプラズマを発生させ、処理対象物に向かってプラズマを供給するステップと、CCDカメラを用いて、前記プラズマの放射状態を画像イメージとして取得するステップと、該画像イメージのピクセル情報を分析して測定値を取得するステップと、該測定値と正常的な放射状態の基準値とを比較するステップと、前記測定値が基準値と異なる場合、プラズマ供給量を調整する調整ステップとを含むことにより達成される。
【0026】
前記比較ステップが、測定値と基準値とを比較して、測定値が基準値と同じであるか、測定値が基準値以上であるか、測定値が基準値以下であるかの可否を判断することが好ましい。
【0027】
前記調整ステップが、比較ステップの比較結果に応じて、測定値が基準値と同じ場合、放射状態が良好なものと判断して反応ガス供給量を維持し、測定値が基準値以上である場合、反応ガスの供給量を減少させ、測定値が基準値以下である場合、反応ガスの供給量を増大させてプラズマの発生量を増大させることが好ましい。
【0028】
前記調整ステップが、比較ステップの比較結果に応じて、測定値が基準値と同じ場合、放射状態が良好なものと判断してプラズマの放電条件をそのまま維持し、測定値が基準値以上である場合、プラズマの放電条件を減少させ、測定値が基準値以下である場合、プラズマの放電条件を増大させることにより、プラズマの発生量を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、プラズマの放射状態を画像イメージとして取得した後、前記画像イメージのピクセル情報を制御部で分析してプラズマの放射状態をリアルタイムに観察することができるようにするという効果がある。
【0030】
また、制御部での分析結果に応じて、プラズマの放電条件を調整してプラズマの発生量を制御するとともに、プラズマ供給手段に供給される反応ガスの供給量を調整してプラズマの発生量を制御するという効果がある。
【0031】
なお、本発明は、カメラ部を所定間隔離隔して複数配置し、プラズマの放射状態を全体領域にわたって観察することにより、一部領域でプラズマ放射量に不均衡が発生した場合にも確認することができるという効果があり、これにより、プラズマの発生量を制御させることにより、処理対象物の全体領域に対してプラズマが均一に放射され得るようにするという効果が発生する。
【0032】
さらに、処理対象物の上面と底面とに向かってプラズマを供給するように、プラズマ供給手段を各々配置し、各々のプラズマ供給手段の対向側にカメラ部を設けて処理対象物の両側面を同時に処理することができるようにするという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のプラズマモニタリング装置の正面図である。
【図2】本発明のプラズマモニタリング装置の側面図である。
【図3】本発明のプラズマモニタリング装置のカメラ部を介して得られた画像イメージの概略図である。
【図4】本発明のプラズマモニタリング装置のカメラ部を介して得られた画像イメージの概略図である。
【図5】本発明のプラズマモニタリング装置の他の実施形態の断面図である。
【図6】本発明のプラズマモニタリング方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明のプラズマモニタリング装置の好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
添付図面のうち、図1は、本発明のプラズマモニタリング装置の正面図であり、図2は、本発明のプラズマモニタリング装置の側面図である。
【0036】
上記の図面に示すような本発明のプラズマモニタリング装置は、プラズマ洗浄(cleaning)、プラズマアッシング(ashing)、またはプラズマエッチング(etching)装置などに適用されるものであって、処理対象物Bに向かってプラズマPを放射させるプラズマ供給手段110と、該プラズマ供給手段110に向かって設置されるカメラ部120と、該カメラ部120から取得した画像イメージを分析する制御部130とを備えて構成される。
【0037】
前記プラズマ供給手段110は、電源が供給され、内部に収容された反応ガスをイオン化させてプラズマを発生させるものであって、反応ガスを供給する供給ライン112と、反応ガスの供給量を調整するように供給ライン112上に形成される調整手段114と、両電極間の空間で放電が形成されるように、所定の電圧及び周波数を有する電源を印加して、反応ガスのイオン化を介してプラズマを発生させる電源供給部118と、内部で発生したプラズマPを放射させるスリット状の放射ノズル116とを備えて構成される。このような上記のプラズマ供給手段は、前記放射ノズル116が基板などの処理対象物Bに向かうように、移送ローラRの中央の上側に設置される。
【0038】
前記カメラ部120は、前記移送ローラRの中央の下部でプラズマ供給手段110に向かって設置されるものであって、全体領域のプラズマ放射状態から画像イメージを取得するために、所定間隔離隔して複数設けられる。このようなカメラ部120としてはCCDカメラ(Charge Coupled Device camera)が用いられ、前記CCDカメラを介してプラズマ供給手段110の放射ノズル116から放射されるプラズマPの放射状態をカラーまたは白黒画像イメージとして取得するようになる。
【0039】
前記制御部130は、カメラ部120から得られる画像イメージを分析してプラズマPの供給量を測定し、測定値を分析してプラズマPの供給が多いか否かを判断する。また、測定結果に応じて、プラズマ供給手段110の調整手段114を介して反応ガスの供給量を調整するか、または電源供給部118を介して電源の電圧及び周波数を調整してプラズマの放電条件を調整することにより、プラズマの放射量を調整する。
【0040】
以下、上記の構成を有する本発明のプラズマモニタリング装置の作動を説明する。
【0041】
まず、図1に示すように、プラズマ供給手段110は、供給ライン112上に形成された調整手段114を介して反応ガスが一定の圧力で供給され、所定の電圧及び周波数を有する電源の印加によってプラズマ供給手段110に供給された反応ガスからプラズマPが発生し、先端の放射ノズル116を介して放射される。
【0042】
このようなプラズマPは、プラズマ供給手段110の下部で移送ローラRにより移送される処理対象物Bの表面に衝突しつつ、処理対象物Bの表面を洗浄するとともに、微細物質を除去する。
【0043】
上記のようなプラズマ供給手段110の放射ノズル116から放射されるプラズマPの放射量を測定するために、処理対象物Bを移送させる移送ローラRの下部領域に、前記プラズマ供給手段110の放射ノズル116に向かってカメラ部120が設置されている。
【0044】
このようなカメラ部120は、CCDカメラを用いたものであって、前記プラズマ供給手段110の放射ノズル116のプラズマP放射状態を白黒またはカラー画像イメージとして取得することになり、制御部130において前記画像イメージを分析し、調整手段114を介してプラズマ供給手段110に供給される反応ガスの供給量を調整するとともに、電源供給部118を介してプラズマ放電条件を制御することにより、プラズマPの放射量を制御することができる。
【0045】
上記のようなプラズマ供給手段110の放射ノズル116は、図2のように、処理対象物Bの大きさに応じて、プラズマが処理対象物Bに向かって均一に供給され得るようにスリット状に設けられる。
【0046】
すなわち、プラズマ供給手段110における放射ノズル116の処理対象物Bの幅方向に向かってスリット状に設けられて、処理対象物Bに向かってプラズマPを放射し、プラズマPが処理対象物Bに向かってまんべんなく放射され得るようにする。
【0047】
上記のように、プラズマ供給手段110の放射ノズル116がスリット状に形成されると、放射ノズル116から放射されるプラズマPの放射状態を全体領域で確認するために、移送ローラR間の空間の下部にカメラ部120が複数設置される。
【0048】
このようなカメラ部120は、CCDカメラの画像イメージの取得範囲に応じて、複数のカメラ部120を所定間隔離隔して配置することにより、プラズマ供給手段110の放射ノズル116を介して放射されるプラズマの放射状態を全体領域で確認することができるようになる。
【0049】
そして、前記カメラ部120から取得された画像イメージのピクセル情報を制御部130で分析し、プラズマ供給手段110に反応ガスを供給する調整手段114を制御するか、またはプラズマ供給手段110に電源を供給する電源供給部118を制御することにより、プラズマPの発生量を調整する。
【0050】
このように、前記複数のカメラ部120から取得された白黒またはカラー画像イメージは制御部130で分析されるが、このような分析状態を説明すると、白黒画像イメージの場合、各ピクセル情報が明度による0〜255までの値で格納され、カラー画像イメージの場合、画像イメージの各ピクセル情報がR(赤色)、G(緑色)、B(青色)のL(明度)、S(彩度)による0〜255までの値で格納される。
【0051】
すなわち、前記制御部130は、前記カメラ部120を介して得られる画像イメージからプラズマPが放射される放射ノズル116を中心としてピクセル情報を分析して測定値を求め、この測定値を正常的な放射状態を基準とする基準値と比較してプラズマPの供給状態を判別する。
【0052】
例えば、図3のように、基準値が95〜105の範囲に設定された状態で、カメラ部120を介して得られた画像イメージIa、Ib、Icのうち、放射ノズル116に該当する部位の測定値が基準値と同じであるか、または基準値の範囲内で測定P1された画像イメージIb、Icは正常的にプラズマが供給されるものと判断し、測定値が前記基準値より高く測定P2された画像イメージIaは、プラズマの供給が多いものと判断し、図4のように、カメラ部120を介して得られた画像イメージIa、Ib、Icのうち、測定値が前記基準値より低く測定P3された画像イメージIcは、プラズマの供給が少ないものと判断する。
【0053】
したがって、前記制御部130は、測定値の結果に応じて、反応ガスの供給ライン112上に形成された調整手段114を調整してプラズマ供給手段110に供給される反応ガスの量を減らすか、または増やす一方、電源供給部118から提供される電源の周波数及び電圧を制御することにより、プラズマの発生量を調整することができるようになり、このような反応ガスまたは電源供給の調整を介してプラズマの供給量が基準値の領域内にとどまるように調整する。
【0054】
すなわち、同一条件下でも発生量が一定でないプラズマの不規則な供給のため、処理対象物が均一に処理されないことを防止するために、複数のCCDカメラを介して全体領域のプラズマ放射状態を撮影した画像イメージのピクセル情報を分析して、プラズマの放射量が一定でないと判断される場合には、上記したように、反応ガスの供給量に変化を与えるか、電源の供給に変化を与えることにより、所望のプラズマを得ることができるようにするものである。
【0055】
一方、本発明は、添付図面のうち、図5に示すように、プラズマ供給手段110を処理対象物Bの上面と底面とに向かうように各々配置し、互いに干渉することを防止するために、X軸方向に所定間隔離隔されるようにし、各プラズマ供給手段110の対向側にカメラ部120を配置して、処理対象物Bの上面と底面とを同時に処理することも可能である。
【0056】
添付図面のうち、図6は、本発明のプラズマモニタリング方法のフローチャートである。
【0057】
前記図面において示すような本発明のプラズマモニタリング方法は、プラズマ供給ステップS110と、画像イメージ取得ステップS120と、画像イメージを分析して測定値を取得するステップS130と、測定値と基準値とを比較する比較ステップS140と、比較結果に応じてプラズマ発生量を調整する調整ステップS150とを含んで構成される。
【0058】
上記のような本発明のプラズマモニタリング方法の進行順序を説明すると、移送ローラを介して処理対象物を移送させる過程において、プラズマ供給手段を利用して処理対象物に向かってプラズマを供給し(S110)、処理対象物を処理する。
【0059】
このとき、前記プラズマ供給手段の対向側に設けられたカメラ部を介してプラズマ供給手段から放射されるプラズマの放射状態を画像イメージとして取得し(S120)、制御部を介して前記画像イメージを分析してプラズマが放射される放射ノズルに該当する部位のピクセル情報を0〜255の範囲内の整数として測定値を取得する(S130)。
【0060】
このような画像イメージのピクセル情報を介して得た測定値を正常的な放射状態を基準とする基準値と比較し(S140)、測定値が基準値と同じであるか、測定値が基準値以上であるか、測定値が基準値以下であるかの可否を判断する。
【0061】
ここで、前記基準値は、プラズマの正常的な放射状態で測定される測定値と同一なように設定されたものであって、所定の範囲に設定して測定値が前記基準値の範囲内に含まれる場合、プラズマの放射状態が正常的なものと判断させるようにすることも可能であろう。
【0062】
一方、前記比較ステップS140における結果に応じて、調整手段(S150)を介してプラズマ発生量を調整する。
【0063】
まず、比較ステップS140における測定値が基準値と同じであるか、測定値が基準値の領域内に含まれる場合、プラズマの放射状態が良好なものと判断して、プラズマ供給手段に供給される反応ガスの供給量をそのまま維持させ(S151)、プラズマ供給手段に供給される電源の周波数及び電圧をそのまま維持させて(S151’)、プラズマの発生量がそのまま維持されるようにする。
【0064】
また、測定値が基準値以上である場合には、プラズマが多く放射されるものと判断して、プラズマ供給手段に反応ガスを供給する供給ライン上に形成された調整手段を介して反応ガスの供給量を減少させ(S152)、プラズマ供給手段に供給される電源の周波数及び電圧を減少させて(S152’)、プラズマの発生量が減少されるようにする。
【0065】
それに対し、測定値が基準値以下である場合には、プラズマが少なく放射されるものと判断して、調整手段を介して反応ガスの供給量を増加させ(S153)、プラズマ供給手段に供給される電源の周波数及び電圧を増加させることにより(S153’)、プラズマの発生量が増加されるようにする。
【0066】
すなわち、プラズマの発生のために提供される反応ガスの供給量を調整するとともに、前記反応ガスをイオン化させるように放電を起こす電源を調整することにより、プラズマ供給ステップS110で発生するプラズマの発生量を調整する。
【0067】
一方、上記のような調整ステップS150を介してプラズマの発生量を調整した後、調整された状態のプラズマを供給させるようにすることにより、上記のような一連のステップを連続的に行わせて、プラズマの測定値が基準値の領域内にとどまるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0068】
上記のような本発明は、プラズマの放射状態を画像イメージとして取得した後、前記画像イメージのピクセル情報を制御部で分析してプラズマの放射状態をリアルタイムに観察することができるようにするという効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマモニタリング装置であって、
電源を供給する電源供給部と、反応ガスを供給する供給ラインと、内部で発生するプラズマを処理対象物に向かって放射する放射ノズルとが形成されるプラズマ供給手段と、
該プラズマ供給手段から放射されるプラズマの放射状態を画像イメージとして取得するカメラ部と、
該カメラ部の画像イメージのピクセル情報を数値化させて得た測定値を正常的な放射状態の基準値と比較して、プラズマの放射状態を検査する制御部と、
を備えることを特徴とするプラズマモニタリング装置。
【請求項2】
前記制御部が、測定値と基準値との比較結果に応じて、プラズマ供給手段の電源供給部を介して供給される電源を調整し、プラズマの放電条件を制御することにより、プラズマ放射量を調整することを特徴とする請求項1に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項3】
前記プラズマ供給手段における反応ガス供給ライン上に反応ガスの供給量を調整する調整手段が設けられ、
前記制御部が、測定値と基準値との比較結果に応じて、プラズマ供給手段の調整手段を介してプラズマ放射量を調整することを特徴とする請求項1に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項4】
前記プラズマ供給手段が、処理対象物の上側から処理対象物の表面に向かってガスを放射させるよう配置され、前記カメラ部が、前記プラズマ供給手段の放射ノズルに向かって配置されることを特徴とする請求項2または3に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項5】
前記カメラ部が、所定間隔離隔して複数設けられることを特徴とする請求項4に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項6】
前記プラズマ供給手段が、処理対象物の両面を処理しようとする場合、処理対象物の上面と底面とに向かってプラズマを放射させるようにそれぞれ設けられ、前記カメラ部が、前記プラズマ供給手段の対向側にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項5に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項7】
前記カメラ部が、CCDカメラであることを特徴とする請求項6に記載のプラズマモニタリング装置。
【請求項8】
プラズマモニタリング方法であって、
放電による反応ガスのイオン化を介してプラズマを発生させ、処理対象物に向かってプラズマを供給するステップと、
CCDカメラを用いて、前記プラズマの放射状態を画像イメージとして取得するステップと、
該画像イメージのピクセル情報を分析して測定値を取得するステップと、
該測定値と正常的な放射状態の基準値とを比較するステップと、
前記測定値が基準値と異なる場合、プラズマ供給量を調整する調整ステップと、
を含むことを特徴とするプラズマモニタリング方法。
【請求項9】
前記比較ステップが、測定値と基準値とを比較して、測定値が基準値と同じであるか、測定値が基準値以上であるか、測定値が基準値以下であるかの可否を判断することを特徴とする請求項8に記載のプラズマモニタリング方法。
【請求項10】
前記調整ステップが、比較ステップの比較結果に応じて、測定値が基準値と同じ場合、放射状態が良好なものと判断して反応ガス供給量を維持し、測定値が基準値以上である場合、反応ガスの供給量を減少させ、測定値が基準値以下である場合、反応ガスの供給量を増大させてプラズマの発生量を増大させることを特徴とする請求項8に記載のプラズマモニタリング方法。
【請求項11】
前記調整ステップが、比較ステップの比較結果に応じて、測定値が基準値と同じ場合、放射状態が良好なものと判断してプラズマの放電条件をそのまま維持し、測定値が基準値以上である場合、プラズマの放電条件を減少させ、測定値が基準値以下である場合、プラズマの放電条件を増大させることにより、プラズマの発生量を制御することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のプラズマモニタリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−527096(P2010−527096A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503963(P2010−503963)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/KR2008/001999
【国際公開番号】WO2008/130118
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509170165)エスエヌユー プレシジョン カンパニー,リミテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】SNU PRECISION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Dong−a town #201, Bong−chun 7−dong 1692−2,Kwanak−gu,Seoul 152−818(KR)
【Fターム(参考)】