プリントされたはんだペーストの欠陥を検出するためのシステムおよび方法
基板上に堆積された物質の画像を分析する方法であって、画像は複数の画素を含み、この方法は、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップと、第1および第2の垂直な軸に、興味の対象となる領域を関連付けるステップとを含み、画像内の1組の画素は、第1の軸に沿って位置し、この方法はさらに、興味の対象となる領域内の画素を、第1の軸にアライメントされかつ第2の軸に沿って突出する一次元アレイに変換するステップと、一次元アレイに少なくとも1つのしきい値を適用するステップとを含み、しきい値は、予め定められた限度に少なくとも部分的に基づく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明の実施例は一般に、機械視覚システムで用いられる装置、システム、および方法に関する。より特定的に、この発明は、はんだペーストのプリントプロセスにおける欠陥を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一般的な面実装回路基板の製造動作では、回路基板上にはんだペーストをプリントするためにステンシルプリンタが用いられる。一般に、はんだペーストが上に堆積されるパッドのパターンまたは通常は導電性である他の何らかの表面を有する回路基板が、ステンシルプリンタ内に自動的に供給され、回路基板上にはんだペーストをプリントする前に、回路基板上における、基準と呼ばれる1つ以上の小さな孔部または印を用いて、回路基板と、ステンシルプリンタのステンシルまたはスクリーンとが適切にアライメントされる。先行技術のシステムの中には、回路基板とステンシルとをアライメントするために、光学アライメントシステムを用いるものもある。ステンシルプリンタ用の光学アライメントシステムの例は、その各々がこの明細書において引用により援用される、1991年10月21日にフリーマン(Freeman)に発行された米国特許第5,060,063号、および1992年1月31日に同じくフリーマンに発行された米国再発行特許第34,615号に記載されている。
【0003】
はんだペーストのプリント動作は、面実装アセンブリにおける欠陥の主な原因となり得る。したがって、はんだペーストが基板上に堆積された後に基板を検査して、基板上に配置された導電性パッド、通常は以下のものに限定されないがプリント回路基板上の伝導パッド、にはんだペーストが適切に塗布されたかどうかを判定するためにプロセスが開発された。たとえば、先行技術のシステムの中には、上述の光学アライメントシステムが、基板の検査用の視覚検査システムも含むものがある。
【0004】
しかしながら、プリントの欠陥を査定するための自動化されたマシンベースの技術は、具体的な特性を抜き出して定量化することしかできない。プリントの欠陥がプロセスに関連する際に、その欠陥の重要性を分類して重み付けし、有意義な出力を提供して現実的で有用なプロセスリミットを規定するために、今もなお信頼可能な方法が必要とされる。最終的なプリント回路基板(PCBアセンブリ)の品質を判定する際に、これ以降のプロセスが重要な役割を果たすのは確かだが、プリント時におけるブリッジおよび他の欠陥の検出および正確な査定が、適切なプリント機能のプロセス制御に対して最も直接的なフィードバックを提供することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
隣接するパッド間のギャップに跨ってはんだペーストが存在すること自体は、後に組立プロセスでブリッジに関連する欠陥が生じることを保証しない。すべてのブリッジまたはブリッジ様の(bridge-like)欠陥が、所定のプロセスに悪影響を及ぼすのに必要とされる量または形状寸法を必ずしも有するわけではない。その反対に、プロセスにとって実際に有意なギャップの欠陥が、必ずしも隣接するパッドを接続して明確なブリッジを形成するわけではないことが考えられる。ギャップ内にペーストが存在する欠陥の重要性が、そ
の形状寸法に関係なく、ブリッジまたは「ブリッジ様の」特徴を形成するペーストの総量、ペーストの特徴の形状寸法(長さ、幅、大きさ等)、およびギャップ内のペーストの総量等の要因により影響を受けることが分かっている。
【0006】
この発明は、少なくとも1つの実施例において、はんだペーストのブリッジ等の欠陥を改良された態様で検出してプリントのプロセス制御を改良することのできるシステムおよび方法を提供する。この発明のシステムおよび方法は、この実施例において、すべてのブリッジまたは「ブリッジ様」の欠陥が所定のプロセスに悪影響を及ぼすのに必要とされる量または形状寸法を必ずしも有していないことと、有意なギャップの欠陥が、必ずしも隣接するパッドを接続してブリッジを形成するわけではないこととを前提に作動する。最終的なアセンブリの品質を判定する際に、これ以降のプロセスもまた重要な役割を果たすものの、少なくとも一実施例において、プリント時にブリッジおよび他の欠陥の検出および正確な査定を行なうことにより、適切なプリント機能のプロセス制御に対して直接的なフィードバックが提供される。
【0007】
この発明は、一実施例において、ギャップ内にペーストが存在する領域を信頼可能な態様で測定し、そしてブリッジ様のペーストの特徴がSMT(面実装技術)の組み立てプロセスに関連する際にそれらの特徴の重要な形状寸法およびスパンを検出する、ギャップの欠陥を分析するための方法を提供する。特定のペーストの特徴がブリッジに関連する欠陥を生じる可能性を求めるために、ギャップ内のペーストの総量と、ギャップを横切るブリッジ様の特徴の有効スパンとが共に用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、一実施例において、基板上に堆積された物質の画像を分析する方法に向けられ、画像は複数の画素を含む。この方法は、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップと、第1のおよび第2の垂直な軸に、興味の対象となる領域を関連付けるステップとを含み、画像内の1組の画素は第1の軸に沿って配置され、この方法はさらに、興味の対象となる領域内の画素を、第1の軸にアライメントされかつ第2の軸に沿って突出する一次元アレイに変換するステップと、一次元アレイに少なくとも1つのしきい値を適用するステップとを含み、しきい値は、予め定められた限度に少なくとも部分的に基づく。
【0009】
この発明の実施例は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。この方法は、一次元アレイを平滑化するステップを含み得る。この方法はさらに、第1の軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素に垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、第2の軸に垂直な一次元アレイとして表現するステップとを含み得る。
【0010】
この発明の実施例はさらに、興味の対象となる領域の1つの縁部の実質的な付近に軸を配置するステップを含み、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この実施例はさらに、興味の対象となる領域に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップを含み得る。特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の物質、物質のはみ出した領域、および物質の不明確な領域を含み得る。
【0011】
この発明の方法の他の実施例は、少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップを含み、検出パラメータは、画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する。評価するステップは、少なくとも1つの検出パラメータに従って達成され得る。この発明のさらに別の実施例は、興味の対象となる領域内の各特徴に対し、特徴の面積および形状寸法を計算するステップを含み得、この計算は、検出パラメータおよび一次元アレイを用いて少なくとも部分的に達成される。さらに別の実施例は、面積および形状寸法に基づいて、画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を
後に生じ得る確度を求めるステップを含み得る。
【0012】
この発明の実施例は、基板としてプリント回路基板と、物質として電気的材料とを含み得る。この発明の他の実施例は、はんだペーストを含む物質を含み得る。画像は、デジタル画像を含み得る。
【0013】
この発明の実現例は、物質が上に堆積された基板を検査する方法を含み得る。この方法は、基板上に物質を堆積するステップと、基板の画像を取込むステップと、基板上の物質の位置を特定するために、画像における質感の変動を検出するステップと、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この方法はさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、興味の対象となる領域内に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップとを含む。
【0014】
この発明の他の実現例は、基板上の予め定められた位置にはんだペーストを一定量供給するためのシステムを含む。この方法は、基板上に材料を一定量供給するディスペンサと、ディスペンサの動作を維持するためのコントローラと、プロセッサのコントローラと電気的に通信するプロセッサとを含む。プロセッサは、基板上に配置されたはんだペーストの堆積物に質感ベースの認識を実施し、そしてはんだペーストの画像内で興味の対象となる領域を規定するようにプログラムされており、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、プロセッサはさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算し、そして軸に沿った各画素の総和を軸に対して垂直な一次元アレイとして表現し、そして興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために一次元アレイを評価するようにプログラムされている。
【0015】
この発明のさらに別の実現例は、基板上に堆積された物質における欠陥を検出する方法に向けられる。この方法は、基板の画像を取込むステップと、基板上の物質の位置を特定するために、画像における質感の変動を検出するステップと、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この方法はさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップとを含む。
【0016】
この発明の実施例は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物質は、はんだペーストであり得る。欠陥は、はんだのブリッジ、ブリッジ様の特徴、または過剰なペーストの特徴の少なくとも1つを含み得る。基板は、はんだが上に堆積される第1および第2のパッドを含み得、欠陥は、第1のパッドと第2のパッドとの間の距離の少なくとも一部に跨るはんだペーストの存在を含み得る。この方法はさらに、欠陥がはんだのブリッジとして分類されるべきであるかどうかを判定するための規則を適用するステップを含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明のこの実施例および他の実施例に関する詳細は、この明細書に、より詳細に記載される。
【0018】
この発明の利点および局面は、以下の詳細な説明および添付の図面と組合せると、より十分に理解されるであろう。
【0019】
これらの図面は必ずしも縮尺どおりではなく、この発明の原理を例示する際に、一般には強調が行なわれる。
【0020】
詳細な説明
この発明の一実施例は、一般に、はんだペーストの質感を認識するための方法を用いるステンシルプリンタに関する。この技術は、欠陥を分析した後に欠陥を防止する際に用いるための、ステンシルおよび回路基板等のプリント基板におけるペーストのみの画像を獲得するために用いられる。たとえば、プリントの欠陥は、ステンシルプリンタを用いて回路基板上にはんだペーストをプリントするプロセスでしばしば生じる。図1Aは、この発明の一実施例に従ったステンシルプリンタ100の正面図を示す。ステンシルプリンタ100は、コントローラ108と、ステンシル16と、はんだペーストが一定量供給され得る一定量供給スロット118aを有する一定量供給ヘッド118とを含む、ステンシルプリンタの構成要素を支持するフレーム12を含む。
【0021】
一定量供給ヘッド118は、2つのちょうねじ22を用いて第1のプレート18に結合される。第1のプレート18は、ステンシルプリンタ10のフレーム12に結合された第2のプレート20に結合される。図1Aに示す座標軸系23により規定されるz軸に沿った第2のプレートに対して第1のプレートが移動し得る態様で、第1のプレート18が第2のプレート20に結合される。第1のプレートは、コントローラ108の制御下にあるモータにより移動する。
【0022】
座標軸系23により同じく規定されたx軸に沿ったフレーム12に対して第2のプレート20が移動し得るように、第2のプレート20がフレーム12に移動可能な態様で結合される。後述するように、第1および第2のプレートの移動により、一定量供給ヘッド118はステンシル16上に配置され得、かつ、ステンシルを横切って移動することができ、はんだペーストが回路基板上にプリントされ得る。
【0023】
ステンシルプリンタ100は、ステンシルプリンタ内のプリント位置に回路基板102を運搬するためのレール24を有するコンベヤシステムも含む。ステンシルプリンタは、回路基板が一定量供給位置にあるときに回路基板の下に位置付けられる多数のピン28を有する。これらのピンを用いてレール24から回路基板102を持上げて、プリントが行なわれる際に、回路基板をステンシル16に接触させるか、またはステンシル16の付近に配置する。
【0024】
一定量供給ヘッド118は、プリント動作中に一定量供給ヘッド118にはんだペーストを提供する、2つの標準的なSEMCOの3オンスまたは6オンスのはんだペーストカートリッジ104を受けるように構成される。各はんだペーストカートリッジ104は、圧縮空気ホース30の一方端に結合される。一定量供給ヘッドは、当業者が容易に理解するように、標準的または非標準的な他のカートリッジを受けるように適合され得る。各圧縮空気ホースの他方端は、コンプレッサに取付けられる。このコンプレッサは、コントローラ108の制御下でカートリッジに加圧空気を提供して、カートリッジから一定量供給ヘッド118内に、そしてスクリーン16上にはんだペーストを流す。SEMCOカートリッジから一定量供給ヘッド内にはんだペーストを押しやるために、空気圧に加え、または空気圧の代わりに、ピストン等の機械的装置を用いてもよい。
【0025】
コントローラ108は、この発明の一実施例において、この明細書に記載されるステンシルプリンタの動作を制御するために、アプリケーションに固有のソフトウェアを備えた
Microsoft DOS (登録商標)または Windows(登録商標)NTのオペレーティングシステムを用いるパーソナルコンピュータを用いて実現される。
【0026】
ステンシルプリンタ100は以下のように作動する。コンベヤレール24を用いて、ステンシルプリンタ内に回路基板102が載置される。ステンシル16にプリント回路基板102を自動的にアライメントするための機械視覚プロセスが実施される。はんだペーストを塗布する前に、プリント回路基板102とステンシル16とを接触させるか、またはほぼ接触させる。次に、一定量供給ヘッド118が、ステンシル16に接触するまでz方向に下げられる。ステンシル16を横切って一定量供給ヘッドがx方向に移動する間に、加圧空気がカートリッジ104に提供される。この加圧空気は、はんだペーストをカートリッジから押し出し、一定量供給ヘッド内のはんだペーストに圧力をかけ、一定量供給ヘッド118の一定量供給スロット118aからステンシル16の開口部を通って回路基板102上にはんだペーストを押しやる。一定量供給ヘッド118がステンシル16を完全に横切ると、回路基板102がコンベヤレール24上に再び下げられてプリンタから運搬され、それによって第2の回路基板がプリンタ内に載置され得る。一定量供給ヘッド118は、第2の回路基板102上にプリントするために、第1の回路基板に対して用いられた方向とは反対の方向にステンシルを横切って移動する。代替的に、スキージアームが揺動してディスペンサ内にはんだペーストを収容することが可能であり、ディスペンサはその後、z方向に持上げられて、その本来の位置に再び移動し、同じ方向のストロークを用いて第2の回路基板上にプリントを行なう準備をすることができる。
【0027】
1999年1月21日に出願され、この発明の譲受人であるスピードライン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド(Speedline Technologies Inc.)に譲渡され、この明細書において引用により援用される、「プリンタにおいて材料を一定量供給するための方法および装置(Method and Apparatus for Dispensing Material in a Printer)」と題された米国特許第6,324,973号にさらに記載されるように、一定量供給ヘッド118は、プリント位置まで下げられることによってステンシルに接触する。ステンシルプリンタ100は、一定量供給ヘッドがステンシルを横切って移動するのに伴い、SEMCOカートリッジの各々に加えられる空気圧を用いてはんだペーストを一定量供給ヘッド118からステンシル上に押しやることによって作動する。プリント位置において、2つのブレード(図示せず)がステンシルの上面と接触する。一定量供給ヘッドがステンシルを横切って移動する各方向に対してブレードの1つが後縁ブレードとなり、ステンシルから過剰なはんだペーストを掻き落とす。
【0028】
プリントの完了時にステンシルから一定量供給ヘッド118を持上げることが望まれる場合、一定量供給ヘッド118を持上げる前にコントローラ108は加圧空気のソースをオフにする。これにより、はんだペーストは、一定量供給ヘッド118が持上げられたときにチャンバ(図示せず)内に残り、プリントが完了したときステンシル上に残るはんだペーストの量を効果的に減らす。
【0029】
はんだペーストがプリント回路基板上に堆積された後に、プリント回路基板を自動的に検査するための機械視覚プロセスが実施される。検査のプロセスは、この発明の一実施例において、予め定められ、かつ、プリント回路基板上に配置されたコンタクト領域上にはんだペーストが適切に堆積されたかどうかを判定するために、質感を認識する方法を用いる。次に、この発明の実施例で用いられるはんだペーストの質感認識システムを説明する。
【0030】
図1Bを参照すると、スクリーンプリンタ100の機能ブロック図101が示される。図1Bでは、スクリーンプリンタ100が、物質102aが上に堆積された基板102を検査していることが示される。基板102は、一実施例において、プリント回路基板、ス
テンシル、ウェハ、または任意の平坦な表面を含み、物質102aは、はんだペーストを含む。
【0031】
図2Aおよび図2Bは、図1Bの基板102の代わりに用いられ得るプリント回路基板220の上面平面図を示す。プリント回路基板220は、興味の対象となる領域222とコンタクト領域224とを有する。プリント回路基板220は、トレース226およびビア228も有する。図2Aは、はんだペーストがコンタクト領域224上のどこにも堆積していないプリント回路基板220を示す。図2Bは、プリント回路基板220の予め定められたコンタクト領域224上に分配されたはんだペーストの堆積物228を示す。プリント回路基板220において、予め定められた領域224は、プリント回路基板220の、指定された興味の対象となる領域222の全体に分散する。
【0032】
図2Bは、はんだペーストの堆積物230とコンタクトパッド224とのミスアライメントを示す。はんだペーストの堆積物230の各々は、コンタクト領域の1つと部分的に接触している。しかしながら、はんだペーストの堆積物230は、良好な電気的接触を確保してパッド領域間におけるブリッジの形成(すなわち短絡)を防ぐために、一定の公差内でコンタクトパッド領域224とアライメントされるべきである。この明細書に記載されるこの発明の一実施例は、コンタクトパッド上でミスアライメントされたはんだペーストの堆積物を検出するために、質感の認識を用いた方法を開示し、その結果、プリント回路基板の製造歩留りを一般に改善する。
【0033】
再び図1Bを参照すると、この発明の一実施例において、はんだペーストの質感を認識するための方法は、物質102aが上に堆積された基板102の画像を取込むためにカメラ104を用いるステップを含む。カメラ104は、一実施例において、リアルタイムのアナログ信号105をフレームグラバー106に送信する電荷結合素子である。リアルタイムのアナログ信号は、物質102aが上に堆積された基板102の画像に対応する。カメラ104は、基板102のラスター型走査またはエリアスキャンを用いて、物質102aの画像を得ることができる。カメラ104は、一実施例において、ミラー、ビームスプリッタ、または別のカメラの組合せを用いることにより、基板102またはステンシル16の底面の画像も得ることができる。
【0034】
カメラ104は、アナログ信号105をフレームグラバー106に送信する。アナログ信号105は、基板102およびその上に堆積された物質102aの画像に関する情報を含む。フレームグラバー106は、アナログ信号105をデジタル化して、モニタ107上に表示され得るデジタル画像105aを生成する。デジタル画像105aは、予め定められた数の画素に分割され、これらの画素の各々は、(8ビット域において)0〜255のグレーレベルの輝度値を有する。アナログ信号105は、この発明の一実施例において、基板102およびその上に堆積された物質102aのリアルタイム画像の信号を表わす。しかしながら、代替的な実施例では、格納された画像が、コントローラ108に結合されたメモリ素子から送信される。さらに、用いられる輝度値は、基板102と物質102aとの画像を獲得するために用いられるカメラ104および他の装置に依存して、(16ビット域において)0〜65,535のグレーレベルに及び得る。
【0035】
フレームグラバー106は、プロセッサ116に電気的に接続される。コントローラ108は、プロセッサ116およびフレームグラバー106を含む。プロセッサ116は、基板102aの画像105aにおける質感の統計的変動を計算する。画像105aにおける物質102aの質感の変動は、基板102上における、物質の存在しない背景の特徴の相対的な輝度に関係なく計算され、それによってプロセッサ116は、基板102上の物質102aの位置を特定して、物質102aの位置と所望の位置とを比較することができる。この発明の一実施例では、物質102aの所望の位置と実際の位置との比較が、予め
定められたしきい値を超えるミスアライメントを示す場合、プロセッサ116は、誤差を減らすか、またはなくすための適合的手段で応答して、コントローラ108を介してアラームを作動させるか、または基板を除去することができる。コントローラ108はステンシルプリンタ100の駆動モータ120に電気的に接続されて、ステンシルおよび基板のアライメントだけでなく、プリントプロセスに関連する他の動作を容易にする。
【0036】
コントローラ108は、ステンシルプリンタ100の駆動モータ120、カメラ104、フレームグラバー106、およびプロセッサ116を含む制御ループ114の一部である。基板102上の物質102aがミスアライメントされている場合、コントローラ108は、ステンシルプリンタのフレーム12、したがって機械的に結合されたステンシル16のアライメントを調節するために信号を送信する。
【0037】
図3は、基板上のはんだペーストの堆積物を検査するための方法のフロー図300を示す。ステップ302は、基板102上に堆積された物質の画像105を取込むステップを含む。一実施例において、物質102aははんだペーストであり、基板102はプリント回路基板である。物質102aが上に堆積された基板102の画像105aは、リアルタイムで取り込まれるか、または、コンピュータのメモリから検索され得る。ステップ304は、プロセッサ116に画像105aを送信するステップを含む。検査方法の残りのステップは、プロセッサ116により実行される。ステップ306は、以下に説明する質感の感度のさまざまな演算子を用いて画像105aの質感の変動を検出する。質感の変動は、基板102上の物質102aの位置を特定するために用いられる。ステップ308において、プロセッサ116は、基板の特定の位置における質感の変動と、基板の予め定められた位置における質感の特徴とを比較するようにプログラムされる。ステップ310において、変動が予め定められた限度内にある場合、プロセッサ116は動的な適合的手段により応答して(ステップ314)、主なプロセスを一層精密に行なうことができる。変動が予め定められた限度外にある場合、ステップ314はステップ312を介して適切な復元手段を作動させ、基板を除去するか、プロセスを終了するか、またはコントローラ108を介してアラームを作動させる。関連する統計的プロセス制御(SPC)のデータは、他のプロセスデータとともにステップ316において記録され、ローカルな態様およびネットワークアクセスを介した態様の両方での観察および分析に利用され得る。
【0038】
上述のように、画像105aにおける質感の変動を検出するステップ、ならびに基板102aの位置および面積と、予め定められた位置および面積とを比較するステップは、プロセス116を用いる。
【0039】
プロセッサの機能
プリント回路基板224上のはんだペースト228を認識するためにプロセッサ116が用いる技術を次に説明する。この発明の一実施例により、プロセッサ116は4つの機能を実行する。この4つの機能は、画像の強調、質感の区分化、画像の位置の分析、およびプロセス制御である。
【0040】
以前に述べたように、既存のはんだペーストの検査システムは、はんだペーストを識別するために本来の画像における画素の輝度の差を単に用いる、基本的な一重しきい値方法または二重しきい値方法を主に用いる。この発明の実施例において、プロセッサ116は同じく一重しきい値技術および二重しきい値技術を用いるが、これらの技術は質感の感度のさまざまな演算子を用いて予め処理された画像に対して用いられ、それにより、一重しきい値および二重しきい値を用いて、この場合では相対的な質感に基づいて特定の領域を分離し、はんだペーストの堆積物の位置および面積を識別することができる。二重しきい値技術が好まれる。なぜなら、この技術が、質感ベースの画像における縁部の画素または不明瞭な任意の領域において、より正確かつ拡大縮小可能な移行部を提供するためである
。
【0041】
この発明の方法によって用いられる質感の感度の演算子は、鮮鋭化演算子と、ラプラス(Laplacian)演算子と、ブースティング機構を含む平滑化演算子とを含む。各演算子は、プロセッサの機能の一部として説明される。
【0042】
質感は、輝度の変動である。質感は特に、1つの画素から別の画素への輝度の局所的な変動を指す。したがって、輝度が画像における仰角として解釈される場合、質感は表面粗さの測定値である。
【0043】
この発明の一実施例では、画像105aの質感を検出するために、範囲演算子を用いることができる。この範囲演算子は、隣接部における最大輝度値と最小輝度値との差を表わす。範囲演算子は、本来の画像105aを、輝度が質感を表わす画像に変換する。具体的には、本来の輝度の特徴は消失し、異なる構造上の領域は、範囲の輝度により区別される。範囲演算子は、画像のエッジ境界を規定するためにも使用することができる。
【0044】
別の質感の演算子は、隣接する領域における分散量によって表わされる。この発明の一実施例において、プロセッサは、分散量を計算するようにプログラムされる。分散量は、本質的に、中央の画素の輝度とその隣接部の画素の輝度との差の平方和である。この平方和が隣接部内の画素の数で除算されることによって最初に正規化される場合、この結果は、値の二乗平均平方根(RMS)の差を表わし、表面粗さに対応する。これらの質感の感度演算子および方法は、機械視覚プロセスを行なうためにソフトウェア供給者により提供された初歩的なツールを用いて実現され得る。これらのプロセスは一般に、この明細書において引用により援用される、「画像処理ハンドブック第2版(The Image Processing Handbook, Second Edition)」においてジョン C.ラス(John C. Russ)により、および、「画像代数学におけるコンピュータ視覚アルゴリズムのハンドブック(Handbook of Computer Vision Algorithms in Image Algebra)」においてジェラルド X.リッター(Gerhard X. Ritter)およびジョゼフ N.ウィルソン(Joseph N. Wilson)により論じられている。
【0045】
この発明の一実施例において、プロセッサ116は、上述の質感の感度演算子を用いて別個の機能を実行するようにプログラムされる。プロセッサ116が実行する動作は、図4Aに示す機能ブロック図において論理的に示されている。ここでは、別個の動作が、機能ブロック間でのデータの共有を容易にする情報バス214により接続されていることが示される。プロセッサ116のフィルタリング部202は、質感の区分化のプロセスを実行する。プロセッサ116の獲得部206は、特定のコントラストおよび輝度を提供してランタイムの画像105aを強調するのに必要とされる利得およびオフセットを計算する。プロセッサ116の分析部210は、基板102上のはんだペーストの領域102aの位置および輪郭の分析を行ない、両方の分析値と予め定められたパラメータとを比較する。プロセッサ116のプロセス制御部212は、はんだペーストの領域102aの画像におけるエイリアシングを最小化するために用いられる。以下の内容は、プロセッサ116のさまざまな機能の各々の実施を論じたものである。
【0046】
フィルタリング部202
この発明の一実施例において、プロセッサ116のフィルタリング部202は、図4Bに示すラプラスフィルタ202Bを用いて画像のフィルタリングを行なう。ラプラスフィルタ202Bは、ラプラス演算子を含む。ラプラス演算子は、本質的に、輝度の線形の二次導関数に対する近似値である。この演算子は、画像の点、線、およびエッジを強調して、画像の、滑らかに変動する均一な領域を生成する。ラプラス演算子は、一実施例において、図5Aに示す3×3のマトリクスにより表わされる。カーネルと呼ばれる3×3のマ
トリクスは、マイナス4に等しい値を有する中央の画素を有し、このことは、画像105a内の中央の画素の輝度値がマイナス4で乗算されることを意味する。ラプラスカーネルでは、中央の画素の両側、上、および下に接触する4つの隣接部の値が1に等しい。したがって、画像105a内の中央の画素に対して4つの最も隣接する部分の輝度のレベルは1で乗算される。一般に、4つの隣接部は、中央の画素に対して北、東、南、および西の方向を用いて配置される。しかしながら、他の方向も可能である(図8A〜図8Hに図示)。
【0047】
カーネルの指定された画素は、対応するカーネル係数で乗算された後に、ともに加算される。この実施例において、ラプラスカーネルの係数の総和が0に等しいことに注意されたい。したがって、輝度が均一であるか、または輝度の均一なグラディエントを有する画像105aの領域では、このカーネルを適用した結果によりグレーレベルが0に下がる。しかしながら、不連続性、たとえば点、線、またはエッジが存在する場合、ラプラスカーネルの結果は、中央の点が不連続点上のどこに配置されているかに依存して、0ではないことが考えられる。
【0048】
画像105aが数百万個の画素に分割され得、かつ、この発明の方法が各画素とその隣接部とを比較するため、プロセッサの速度が生じ得る。しかしながら、この発明の実施例では、画素を取込んで処理するための時間を削減することによって検査システムの演算速度を上げるためのオプションが提供される。具体的には、基板102の、部分的に処理された画像のみを生じるために、フィルファクタオプションが選択され得る。このフィルファクタは、基板102の画像の計算された相当面積に到達するために、後のブロブ型演算子とともに使用され得る乗数である。
【0049】
フィルタリング部202で実行される画像フィルタリング方法は、鮮鋭化のステップをさらに含む。鮮鋭化のステップは、図4Bに示す鮮鋭化フィルタ202Aにより実現される。鮮鋭化フィルタ202Aは、不連続点の領域のコントラストを局所的に高めることによって画像105aを改良する。鮮鋭化フィルタは、特定の種類のラプラスフィルタとして説明することができる。上述のように、ラプラス演算子は、方向xおよびyにおける輝度(B)の線形の二次導関数に対する近似値であり、以下の式によって表わされる。
【0050】
【数1】
【0051】
上述の式(1.0)は、回転に対して不変であることから、不連続点が延びる方向に反応しない。ラプラス演算子の効果は、画像105a内の点、線、およびエッジを強調して、滑らかに変動する均一な領域を抑制することである。このラプラス画像自体は、解釈がそれほど容易ではない。しかしながら、ラプラス強調と本来の画像105aとを組合せることにより、全体のグレースケールの変動が復元される。この技術はまた、不連続点におけるコントラストを高めることによって画像を鮮鋭化する。
【0052】
この発明の一実施例で用いられ、コントラストを局所的に高める鮮鋭化フィルタ202Aの鮮鋭化カーネルを図5Bに示す。鮮鋭化カーネルの中央の重みが5の値を有することに注意されたい。この発明の別の実施例では、中央の重みがマイナス5であり、北、東、南、および西の隣接部が1で乗算される。
【0053】
鮮鋭化演算子とも呼ばれる鮮鋭化カーネルは、画像105aの縁部で生じるコントラス
トを改良する。この措置が正当である理由を、2つの異なる説明に見出すことができる。第1に、画像内のぼけは、以下の部分的な微分方程式に従う拡散プロセスとしてモデル化することができる。
【0054】
【数2】
【0055】
ここでぼけ関数は、f(x,y,t)であり、tは時間であり、κは定数である。式(1.2)が、時間τの付近でテイラー(Taylor)級数展開を用いて近似される場合、ぼけていない画像の輝度は以下のように表現され得る。
【0056】
【数3】
【0057】
より高次の項が無視される場合、式(1.4)は以下のようになる。
【0058】
【数4】
【0059】
したがって、ぼけていない画像の輝度Bは、ぼけた画像fからラプラス(時定数)を減算することによって復元され得る。
【0060】
この措置が正当である第2の理由は、フーリエ(Fourier)解析を用いて、ラプラス演算子の演算を、画像の輝度の高周波数成分と低周波数成分とを含むハイパスフィルタとして説明することに見出される。この手法では、平滑化カーネルをローパスフィルタとして説明する。このローパスフィルタは、付近の画素に輝度の変動を生じ得る雑音に関連する高周波数の変動性を除去する。反対に、ハイパスフィルタは、輝度の漸進的な全体の変動に対応する低周波数を除去する間に、これらの高周波数が残る(このフィルタを通過する)ようにする。
【0061】
したがって、プロセッサ116のフィルタリング部202により実行される画像のフィルタリング方法は、平滑化のステップを含む。平滑化のステップは、図4Bに示す平滑化フィルタ202Cにより実現される。平滑化フィルタ202Cを用いて、画像105aに関連する信号対雑音比が下げられる。本質的に、平滑化のステップは、空間平均化を行なう。空間平均化は、画像105aの小さな領域の各々における画素の輝度値をともに加算して、隣接部の画素数で除算し、結果的に得られた値を用いて新規の画像を構築する。
【0062】
この発明の一実施例では、用いられる平滑化の演算子を図5Cに示す。この実施例において、平滑化のカーネル内の中央の画素および隣接部の画素の値は、すべて1に等しい。ここで平滑化は、後のしきい値演算を介して分離されるべき、同様の質感を有する領域を平均化するために用いられる。
【0063】
平滑化の演算は、画像内の最大値を下げて最小値を上げる傾向がある。結果的に得られる画像は、明るい画素と暗い画素との比率に依存して、平滑化が適用されるのに伴い、明るくなるか、または暗くなることが考えられる。無数の平滑化の演算を行なうことにより、1つのグレーレベルのみを有する画像が最終的に生じる。この実施例では、暗い画素(低周波数を示す)がより一般的であり、総和は、各アプリケーションまたはパスの後に、9、すなわち使用された画素数で除算される代わりに、平滑化された画像を1.125倍で効果的に増幅するために8で除算され、それによって、後のしきい値演算に対してコントラストおよび輝度が改善されるようにする。このことは、数値的には等価であるがより速度の遅い8での除算よりも相対的に速い、3だけシフトする(バイナリ)演算を可能にすることにより、処理の速度も高める。この実施例において、最良の結果は一般に、上述のように6つの平滑化のアプリケーションまたはパスの後に観察される。
【0064】
この発明の別の実施例では、カーネル演算を実施することにより、信号対雑音比を下げることができる。カーネル演算は、各画素を、画素自体とその隣接部との平均で置き換えることによって実施される空間平均化である。この発明の一実施例において、コンピュータプログラムは、カーネル演算を実施し、鮮鋭化演算子、ラプラス演算子、および平滑化演算子を用いて、上述の画像の形態を計算する。
【0065】
獲得部206
この発明の一実施例において、プロセッサ116は、画像105aを観察または取り込むために用いられる自動的な利得およびオフセット(AGO)を提供する獲得部206を含む。一般に、リアルタイムの画像105か、格納された画像105aか、または画像105aの一部の輝度、コントラスト、または全体の品質を調節または強調するための任意の手段が適用され得る。このような強調は、以下のものに限定されないが、照明の設定か、または光学フィルタ、空間フィルタ、偏光子、もしくはそれらの組合せを含む任意の方法の使用を含み得る。この強調はさらに、収差、ビネット焼き、および照明に対して光学補正を行なうための、画像105a内の画素のソフトウェア操作をさらに含む。
【0066】
図6は、この発明の一実施例においてプロセッサ116の獲得部206を説明するフロー図500を示す。フロー図500によって示されるステップは、プロセッサ116内のソフトウェア、ハードウェア構成要素、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって実現され得る。図6を参照すると、システムパラメータがステップ502において手動または自動で設定され得、システムのデフォルトパラメータは、使用されるカメラ104の種類、およびさまざまな末尾位置に対する入力電圧を含み得る。末尾位置は、画像105aの輝度のヒストグラムの左(最も暗い)端部および右(最も明るい)端部または末尾を指す。
【0067】
ステップ504は、初期画像105を取込み、ステップ506では、この画像を分析するためのサンプリングウィンドウが規定される。サンプリングウィンドウは、手動または自動で規定され得、ステップ508および514で行なわれる計算に対する画像データのソースである。ステップ508は、画像105aの左末尾および右末尾を予め定められた位置に移動させるのに必要な利得およびオフセットを計算する。ステップ510は、ステップ508で計算された情報に基づいて第2の獲得を行い、後の演算に対する画像データのヒストグラム分布の調節および強調を行なう。この発明の一実施例において、ステップ510は、画像105aの画像の輝度およびコントラストをさらに改良するために、線形の展開およびシフトも実施する。
【0068】
この発明の一実施例において、実験結果は、一般的なプログラマブルアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を備えたビデオフレームグラバーおよび8ビットビデオユニット
を用いると、初期の限度が表1および表2において以下に示すように設定され得ることを示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1は、標準的なビデオ入力レベルの全範囲がデジタル化されたときに、クリッピングなしで8ビットADCの出力範囲の全体に及ぶことを一般に可能にする初期の8ビットADCコマンド値を示す。100IREが0.714ボルトに等しい、0(または7.5IRE)から255(または100IRE)までのグレースケール範囲に対し、オフセットおよび利得に対する初期のコマンド値がそれぞれ16および127であることに注意されたい。
【0071】
以下の表2は、ADCハードウェアの入力部を制御するために使用されるコマンド値の最大範囲および最小範囲を示す。また、入来するビデオ信号および予測される信号範囲の典型的な信号対雑音性能に基づき、調整限度もまた示される。
【0072】
【表2】
【0073】
以下の表3は、ADC利得およびオフセットのコマンド値を求めるために自動的な利得およびオフセット(AGO)関数により用いられる、典型的な目標の末尾位置を示し、このADC利得およびオフセットのコマンド値は、後の獲得で適用されると、興味の対象となる同様の領域または特徴の末尾を目標値まで制限する傾向がある。
【0074】
【表3】
【0075】
一般に、特定の画像処理タスクに対して、興味の対象となる領域または特徴を最適化する目標値が選択される。ステップ508では、表3に示す末尾位置63および191がAGO関数により用いられ、他の非ペーストの画像データの有効性に関係なく、はんだペーストの領域が強調される。代替的に、表3に示す末尾位置15および240を用いて、有効な画像データの全視野を提供することができ、かつ、8ビットグレースケールの各端部におけるクリッピングにより、後の獲得物の末尾を損失なくわずかにドリフトすることができる。
【0076】
この発明の一実施例において、ステップ508は、約120±3IRE、または0.835から0.878ボルトを超えるRS170/NTSC信号電圧に対するクリップ範囲の検出、警告、および補正方法を含む。プロセッサ116は、信号電圧が通常動作範囲内にとどまるように獲得パラメータを自動的に調整する。
【0077】
一般的なRS170/NTSCカメラは、120±3IREまたは約0.835から0.878ボルトに設定された出力信号のクリップレベルを有し、ここで100IREは、0.714ボルトに等しい。電圧がクリップ範囲を超える場合、警告のメッセージが送信されて、飽和が生じたか、または生じる可能性があることを示す。電圧がクリップ範囲よりも低い場合、方法はステップ510に進む。ステップ510は、新規に計算されたパラメータを管理して、さらに別の処理のために強調された画像105aを獲得する。ステップ512はステップ506で規定されたサンプルウィンドウの座標を再び呼出して、ステップ510で取込んだ新規の画像にこれらの座標を適用する。ステップ514は新規のサンプルウィンドウに対して統計ベースのAGO関数を実行して、最適なランタイム獲得パラメータおよび処理パラメータを求める。この発明の方法は、同様の統計的特性が、ランタイムで獲得される画像のペースト領域で確実に生成されるようにする。
【0078】
ステップ516において、この発明の方法は、予備的なランタイム獲得パラメータが予め定められたハードウェアおよびソフトウェアの限度内にあるかどうかを判定する。また、ステップ516では、カーネルの形状寸法および効果的なサンプリングレートを含む処理パラメータが、最大レベルの性能を提供するように最適化されているかどうかが判定される。処理パラメータがそのように最適化されていない場合、適切なシステムパラメータがステップ518において調整され、新規のパラメータがステップ510に挿入される。そして、ステップ510から516は繰返される。ランタイムパラメータが決定されると、それらのパラメータはステップ520においてメモリに保管され、この方法は終了する。
【0079】
プロセッサ116の部分206におけるAGOの効果を示すヒストグラムが図7A〜図7Bに示される。図7Aを参照すると、上にはんだペースト102が堆積されたプリント
回路基板220の本来の画像のヒストグラムが示される。ヒストグラムのx軸は、0から255のグレーレベルを示し、y軸は、各グレーレベルにおける画像の画素の数を示す。図7Bは、ペーストのコントラストが強調された同じ画像のヒストグラムを示す。図7Bはまた、255においてクリップされた、かなりの数の非ペーストの画素を示す。この発明の一実施例では、0から255(8ビットのグレースケールを示唆)に及ぶグレースケールレベルにおいて、本来の画像の左末尾は15に等しく、右末尾は240に等しい。この発明の別の実施例において、ステップ502は、プロセッサ116が初期の獲得パラメータを自動的に計算および設定することを可能にし、または代替的に、オペレータがこれらのパラメータを設定することを可能にする。この発明の別の実施例において、AGOを設定するステップ(ステップ502)は、オペレータが獲得パラメータを手動で設定することを可能にし、または、プロセッサ116がこれらのパラメータを自動的に計算および設定することを可能にする。
【0080】
上述のように、ステップ510は、ステップ508で計算されたパラメータに基づいて、興味の対象となる領域、この場合ははんだペーストを強調するために新規の画像105aを獲得する。この発明の一実施例において、図7Bを参照すると、強調された画像105aの左末尾および右末尾に対するグレーレベルは、15および255で生じる。この発明の一実施例において、図7Bを参照すると、ステップ508で計算されたパラメータに基づき、興味の対象となる領域、この場合ははんだペーストを強調するために第2のパスがステップ510において画像105aに対して実行されるのに伴い、調整された画像の左末尾および右末尾に対するグレーレベルが、15および255で生じる。プロセッサ116の獲得部206により実行される計算は、はんだペーストの領域の線形の展開およびシフトを生じ、それにより、興味の対象となるはんだペーストの領域が、末尾63と191との間で生じるようにする。図7Bはまた、ステップ508において計算されたパラメータが適用されたときに255を超えるであろう値のクリッピングにより、グレーレベル255において増大した画素数を示す。
【0081】
図7Aと図7Bとを比較すると、ペーストとして指定された領域におけるy軸の高さの低下は、等しい数のペースト画素が、より多くのグレーレベルの全体に再分配されたことを反映する。
【0082】
分析部210
プロセッサ116のロケータ分析部216は、予め定められたコンタクト領域224に対するはんだペーストの位置を決定するために用いられる。各領域の座標は、重心、ブロブ技術、相関、およびさまざまな他の探索ツールを用いて決定され得る。ブロブ技術および重心を用いるプロセスは周知であり、この明細書において引用により援用される、「画像処理ハンドブック第2版」第416〜431頁、第487〜545頁においてジョン C.ラスにより、および「画像代数学におけるコンピュータ視覚アルゴリズムのハンドブック」、第161〜172頁においてジェラルド X.リッターおよびジョゼフ N.ウィルソンにより論じられている。
【0083】
位置の分析の結果を用いて、ペーストの有無およびアライメントが検出され、したがって、ステンシル16と所望のコンタクト領域224とのアライメントが検出される。これらの結果は、他の適合的および補正的なプロセス制御手段に対する基礎も提供する。この発明の一実施例において、ロケータ部210により提供される情報は、一定量供給ヘッド118の動作パラメータを変更するために用いられる。
【0084】
はんだペーストの画像のアンチエイリアシング(プロセス制御部212)
プロセッサ116のプロセス制御部212は、はんだペースト領域102aの画像におけるエイリアシングを最小化するために用いられる。基板102上に堆積されたはんだペ
ースト領域102aのデジタル画像105aを得る際に、はんだペーストの質感の認識に固有ないくつかの条件が考慮される。具体的に、この発明の一実施例では、ペーストの粒径と、さまざまな倍率における画像105aの品質に対する、ペーストの粒径の影響とが考慮される。一般に、サンプリングレートがナイキスト(Nyquist)周波数を超えている限り、エイリアシングは回避され得る。しかしながら、はんだペースト領域を画像化する際に、粒径、焦点距離、倍率、およびCCD画像のスペーシング間の適切な関係なしにエイリアシングが生じることも考えられる。一実施例において、この発明の質感認識方法は、以下の表24に示される4つのタイプのはんだペーストを考慮する。
【0085】
【表4】
【0086】
一般に、異なる種類のはんだペーストは、粒径が異なることが多い。表24は、さまざまな種類のはんだペーストに関連する名目の粒径を列挙する。この発明の一実施例において、粒径の変動は最小倍率を生じ、この最小倍率により、はんだペーストの堆積物102aは、CCDカメラ104により効果的に観察されサンプリングされ得る。
【0087】
1組のシステム倍率(1画素につきミクロンまたはミルで測定される)が選択され、それによって表4に示すはんだペーストの各タイプがナイキストの限度においてサンプリングされる場合、互換可能な倍率の表が、表5において以下に示すように作成され得る。
【0088】
【表5】
【0089】
理論上、ナイキストの限度は、最高周波数であるか、またはこの場合、所定のシステム倍率で正確にサンプリングされ得る最小の粒径である。ナイキストの限度は、サンプリングレートの半分として規定され得る。
【0090】
論じられたように、はんだペーストの質感を認識する方法は、画像が焦点を鮮明に合わせられたときに顕著となるはんだペーストの隣接部の固有の特徴および統計値に依存する。この発明の一実施例において、ペーストの質感を正確にサンプリングするために、光学撮像ハードウェアが用いられる。この実施例において、ペースト粒子のサンプリング周波数は、エイリアシングを回避するために、システムのナイキストの限度よりも低い。代替的に、はんだペーストの固有の周波数特性が失われるように倍率が一般に制限され、ここでは制限されたエイリアシングが許容可能である。なぜなら、特にはんだ領域における、画像データの結果的に得られた特性が、ペーストの形跡を検出するために依然として使用され得るためである。
【0091】
この発明の一実施例において、プロセッサ116の性能は、周波数に依存するカーネルのサイズおよび形状を適用することにより、適切な倍率の範囲内で最適化される。主たる画素(通常は中央の画素)から適切な距離をあけて配置された、隣接する画素は、はんだ粒子の空間周波数に基づいて、手動または自動で選択され得る。この態様で処理カーネルの形状寸法を調整することにより、さまざまなペーストのタイプに適応するように効果的なサンプリングレートを調整することができる。この発明の一実施例において、センサのサンプリング周波数は、1ミリメートルごとの周期で測定された、相反する画素の中心対中心のスペーシングに比例し、正確にサンプリングされ得る最高周波数は、センサのサンプリング周波数の半分である。倍率は、はんだペースト領域の画像の取込みまたは処理に用いられる画素分散パターンの関数として記述することもできる。
【0092】
図8A〜図8Hは、領域全体におけるはんだペーストの堆積物を認識するために用いられる画素のさまざまな分散パターンを示す。画素の分散パターンは、ペーストの質感のスペーシングの構成に対する、サンプルカーネルの構成を示す。倍率に対して使用される画素の分散パターンは、はんだペーストの粒径に依存する。図8A〜図8Bおよび図8E〜図8Fにおいて、画素の分散パターンは、中央の画素と隣接する画素とが接触することを示す。図8C〜図8Dおよび図8G〜図8Hにおいて、中央の画素および隣接する画素は、さまざまな距離分だけ隔てられていることが示される。これらの距離は、中央の画素上に中心が定められた円の直径(ミクロンおよびミルで測定される)により表わされる。半径は、効果的な画素のスペーシング、またはサンプリングレートに対応する。したがって、直径は、ナイキストの限度を表わし、または、示されたカーネルの形状寸法を用いて効果的にサンプリングされ得る理論上のペーストの最小粒径を表わす。これらの距離は、興味の対象となる円形の領域の直径(ミルで測定される)により表わされる。図8A〜図8Dに示すこの発明の一実施例において、各画素は0.6621ミルを表わし、興味の対象となる円形の領域は、その直径が1.3242ミルから3.7454ミルまで変動する。図8E〜図8Hにおいて、各画素は0.4797ミルを表わし、興味の対象となる円形の領域は、その直径が0.9594ミルから2.7136ミルまで変動する。
【0093】
カーネルの構成は、図8A〜図8Hに示されたものに限定されず、一般に、画素間の接続性は必要とされない。
【0094】
質感の認識の実験結果
上で論じたように、この発明の一実施例は、デジタル画像に対する統計的演算および形態学的演算との組合せを用いて、プリント回路、ステンシル、ウエハ、または任意の基板上における、はんだペーストの質感の領域の領域と、特徴が豊富な他の非はんだ領域とを分離する。図9A〜図9Dは、この発明の一実施例を用いるシステムの結果を示す。
【0095】
図9Aは、はんだペーストの領域804および非ペーストの特徴が上に分散されたプリント回路基板802の、彩度を有さない生の画像データである。この生の画像は、コンタ
クト領域810に至る回路トレース808の輪郭を描く、明確な縁部806と、コンタクト領域が始まる明確な分離線812とを示す。
【0096】
図9Bでは、この発明の方法を用いて処理された画像の結果が示される。処理された画像は、図9Aでは見られなかったはんだブリッジ814を示す。図9Aに示される縁部806、トレース808、コンタクト領域810、および分離線812を含む非ペーストの特徴が、興味の対象となる領域816内で白い領域として示され、はんだペーストの領域818が黒く示されていることに注意されたい。出力画像において、はんだペーストの存在は黒い領域によって表わされ、完全に黒というわけではなく、または完全に白というわけではない領域は、ペーストの縁部またはその位置での不明瞭な他の何らかの領域における、拡大縮小可能な移行領域を示す。したがって、拡大縮小可能なグレーの領域820は、小さなはんだ堆積物の位置および面積を正確に報告する能力を高める。この小さなはんだ堆積物において、縁部は総面積のうちの大きな割合を占め、或る一定の条件下では、画像の品質、輝度、およびコントラストの変動に対し、より大きな許容度を有する。
【0097】
図9Cには、はんだペーストの領域804および非ペーストの特徴が上で分散する同じプリント回路基板802の、彩度を有する生の画像が示される。この生の画像は、コンタクト領域810に至る回路トレース808の輪郭を描く、明確な同じ縁部806を示す。しかしながら、図9Aに示す、明確な分離線812と、トレース808およびコンタクトパッド810のグレーレベルの表現とは、図9Cにおいて判別不可能である。図9Cは、上述の画像のいずれにおいても観察されなかった、プリント回路基板上の傷822も示す。
【0098】
図9Dは、この発明の方法を用いて処理された、彩度を有する生の画像である。図9Dに示す、処理された画像は、はんだブリッジ814を表わす。非ペーストの特徴816は図9Dにおいて白で示され、ペーストの縁部820および不明瞭な領域はグレーで示され、はんだペーストの領域818は黒で示されて、100%のはんだペーストが検出される領域を表わす。基板上における、図9Cに示す傷822を含む非はんだペーストの領域が、この発明の方法の適用時に無視されることに注意されたい。グレーレベルは、プリント回路基板上の必須ではない特徴と、はんだペーストの堆積物との間に位置する領域を表わす、拡大縮小可能な領域である。グレースケールの情報により、縁部の画素と不明瞭な任意の領域との比例計算が可能になる。したがって、拡大縮小可能なグレーの領域は、黒または白のいずれかであるバイナリ画像よりも、はんだペーストのコンタクト領域の品質に関してより多くの情報を観察者に伝える。
【0099】
図10A〜図10Cおよび図11A〜図11Cは、この発明の一実施例を用いるシステムからの画像の比較を提供する。図11Aは、彩度を除き、図10Aと同じ生の画像を示す。この生の画像は、この発明の方法を用いて処理される。処理された画像は、一重しきい値技術の適用によってバイナリに、すなわち黒もしくは白にされ得、または処理された画像は、二重しきい値技術の適用によって拡大縮小可能なグレーの範囲を有し得る。上で説明したように、二重しきい値により、はんだの縁部および不明瞭な他の領域における移行領域を適切に説明することができる。したがって、この発明の方法は、縁部が総面積の大きな割合を占める小さなはんだ堆積物の領域を正確に報告するための、品質制御用ソフトウェアプログラムの能力を改善し、この発明の方法は、画像の品質、輝度、およびコントラストの変動に対してより大きな許容度を有する。
【0100】
図10A〜図10Cは、一重しきい値プロセスおよび二重しきい値プロセスが画像に対して実施されたときの、彩度を有さない生の画像間の比較を行なうための一連のボールグリッドアレイ(BGA)の画像を示す。図10Aは、彩度を有さない、未処理かつ生のBGA画像1002と、予め定められたコンタクトパッド1004のアレイを示す。図10
Bは、図10Aに示す生のBGA画像に対して実施された一重しきい値プロセスの結果を示す。図10Cは、図10Aに示す生のBGA画像に対して実施された拡大縮小可能なグレーレベルを用いる二重しきい値プロセスの結果を示す。縁部および不明瞭な領域は、グレーの影の中に存在する。不明瞭な領域の1つは1006に現われる。
【0101】
図11A〜図11Cは、一重しきい値プロセスおよび二重しきい値プロセスが画像に対して実施されたときの、彩度を有する生のBGA画像1002との比較を行なうための一連のBGA画像を示す。図11A〜図11Cはまた、彩度を有するこの発明の一実施例を用いるシステムからのボールグリッドアレイ(BGA)からの画像の比較としても働く。図11Aは、予め定められたコンタクトパッド1004のアレイと、彩度を有する未処理かつ生のBGA画像1002とを示す。図11Bは、図11Aの生のBGA画像1002に対して実施された一重しきい値プロセスの結果を示す。図11Cは、図11Aの生のBGA画像に対して実施された拡大縮小可能なグレーレベルを用いる二重しきい値プロセスの結果を示す。縁部および不明瞭な領域は、グレーの影の中に存在する。不明瞭な同じ領域1006は、図10Cおよび図11Cの両方に現われる。
【0102】
図10Bおよび図10C、ならびに図11Bおよび図11Cは、この発明の方法が、非ペーストの特徴内の画像の輝度およびコントラストの有意な変動を許容することを示す。これらの変動は、非線形の輝度の変化、および非ペーストの特徴の彩度またはドロップアウトによるデータの損失を含む。
【0103】
図12は、この発明の一実施例を用いるシステムの、平滑化された結果のヒストグラム1200を示す。このヒストグラムは、3つの領域、すなわち、非はんだ領域1202、移行領域1204、およびはんだペーストの領域1206に分割される。ヒストグラム1200は、平滑化された画像の質感に対応する画素の輝度の分布を示す。一実施例において、平滑化された画像は、はんだを白として表わし、非はんだを黒として表わす。したがって、ペーストの画素1206はヒストグラムの右端を好み、非ペーストの画素1202は左端を好む。画像内の縁部に対応する、移行する画素1204は、はんだ領域と非はんだ領域との間の領域に示される。この発明の別の実施例において、平滑化された画像は、はんだを黒として示しかつ非はんだを白として示すように反転される。
【0104】
ブリッジの検出方法
図13は、基板上に堆積されたはんだペーストを検査するための先行技術のプロセスのフロー図である。最初の動作として、たとえばエリアスキャンカメラまたはラインスキャンカメラにより、基板の部分の画像が獲得される(ステップ1300)。図14は、図13のステップ1300で獲得された画像の例示的な一例を示す。図14は、はんだペーストのグレースケール画像である。ステップ1300で獲得された画像は処理されて、それにより、ペーストで被覆された基板の領域が、より容易に識別される(ステップ1310)。たとえば、ペースト検出(ペースト認識とも呼ぶ)プロセスが画像に対して行なわれ、はんだペーストと非はんだの特徴(伝導パッド、基板等)とを分離して、新規の「ペーストのみの」画像を作成する(ステップ1310および1330)。図15は、図14の画像に適用されたペースト検出に基づいた、重み付けされたペーストのみの画像の一例である。結果的に得られた画像は、この段階において、ペースト堆積物の品質、位置、または重要性を求めるためにペースト検出中に必ずしも分析されない。その代わりに、分離プロセス(ステップ1340)を用いてペーストのみの画像を分析することができる。
【0105】
はんだペーストの情報と非ペーストの情報とを分離するために、多くの異なる技術を用いることができる。1つの公知の技術がしきい値化であり、このしきい値化を用いて、輝度か、または或る種の光の下での可視度等のいくつかの他のパラメータに基づき、画像を部分に分割することができる。ペースト領域および非ペースト領域を示すバイナリ画像を
作成するために、一重しきい値(または輝度レベル)が選択される。しきい値技術は、興味の対象となる領域に画像を区分化し、しきい値外にあるすべての他の領域、すなわち、不可欠であると思われないすべての他の領域を除去する。たとえば、はんだペーストに蛍光染料を加えて、特定の種類の光の下でペーストのみが視認され得るようにすることができる。図16は、UV強化された蛍光ペーストの赤緑青(RGB)画像であり、図17は、「一重しきい値」方法を用いた、「青色」光のチャネルからのペーストのみのバイナリ画像である。二重しきい値方法は同様に作用するが、縁部の画素をより正確に明らかにするために、しきい値間における輝度のレベルの、拡大縮小可能な移行領域を含む。二重しきい値方法は、時として一重しきい値よりも好まれる。なぜなら、小さなペーストの特徴が、相対的に有意な量の縁部のデータを含み得るためである。
【0106】
ペースト検出のための別の公知の技術が、画像の差分処理(subtraction)である。差分処理方法は、1つの画像を別の画像から差分処理することによって「異なる画像」を作成する。差分処理ベースのペースト検出方法の中には、基準画像と新規に取込まれた画像との差を比較してペーストを検出するものがある。いくつかの例において、これらの画像は、エラーを最小にするために、差分処理の前に互いに正確に登録されなければならない。多くの基準画像を収容するために、相対的にかなりの量のコンピュータ記憶機能、データ検索機能、およびメモリバッファ機能が必要とされ得る。理想的には、1組の完全な基準画像が1回のみ獲得される必要があるが、その獲得を行なう際に、それ以外の点では同一の基板間で見受けられる典型的な変動が、性能に悪影響を及ぼすおそれがある。このような問題を避けるために、検査されるべき各基板に対して新規の基準画像が獲得され得るが、このことはプロセスの速度をかなり下げ得ることが考えられ、高速の製造環境で使用するには不適切であることが考えられる。しきい値化および/または画像の差分処理技術の変形例は、地形学的な画像を作成するためのレーザプロファイリングの使用、およびx線技術を含み得る。これらの方法および他の方法は、後の分析に備え、ペースト領域と非ペースト領域とをより良好な態様で分離するように意図される。
【0107】
しきい値化および画像の差分処理で生じ得る1つの欠点は、はんだペーストの輝度のレベルと背景の輝度のレベルとがしばしば部分的に重複し得ることである。この部分的な重複は、はんだペーストの画像と背景の情報とを効果的に分離することを、不可能とは言わないまでも困難にし得る。加えて、このような状況下ではペーストの堆積物の面積および位置を確実に特定できないことから、統計的プロセス制御(SPC)データおよび適合的制御応答の値を制限してしまう。
【0108】
プリント回路基板上のはんだペーストの領域を識別する1つの理由は、ブリッジ等のはんだの欠陥を検出することである。はんだペーストのプリント動作において、「ブリッジ」という用語は、プリントの欠陥を記述することができ、ここでは何らかの量のはみ出したペーストが、隣接するパッド間のギャップに跨る(もしくはほぼ跨る)か、または、何らかの量のはみ出したペーストが、予め定められた限度を超えてパッド間のギャップに跨る。はんだペーストのブリッジが、臨界寸法では後の還流動作中に後退しないことが考えられ、最終的なアセンブリで短絡または関連する他の欠陥を生じるため、ブリッジは重大であり得る。ブリッジが、プリントおよび/またはペーストの欠陥の唯一のタイプではない。他の欠陥、たとえば過剰なペースト、プリントの規定不良、およびアライメント不良もまた、同様の欠陥、特に「短絡」が、後に組み立てプロセスにおいて本来の欠陥の位置に出現し得る可能性を増大させるおそれがある。
【0109】
はんだペーストの堆積プロセスに関連する歩留まりを上げるための1つの手法が、プリント動作の直後にプリントの欠陥を検出し、電気的構成要素を配置する前に、欠陥を有する基板を除去することである。これにより、面実装技術(SMT)の製造業者は、欠陥を有する基板の組立で浪費されていたはずの時間を節約し、コストのかかる再加工を避ける
ことができる。欠陥が任意の特定の部位において報告されるか否かにかかわらず、SPCデータを収集および使用して、望ましくない傾向がプロセスに対して重大な意味を持つ前にそれらの傾向を監視して補正することができる。
【0110】
ブリッジ、ブリッジ様の特徴、および他のプリントの欠陥の査定は、厳しい規則または限度をほとんど伴わない主観的なタスクであり得る。「ブリッジ」、「ブリッジ様」、「過剰なペースト」等のプリントの欠陥の主観的な記述は、プリントの欠陥の主観的な記述として考察され得る。さらに別の技術的な評価を用いずに、これらの主観的な記述のいくつかまたはすべてを用いて、ブリッジに関連する欠陥等の欠陥が後に所定のプロセスで現われるかどうかを予測すること、またはこのような欠陥の可能性が増大するプロセスの傾向の存在を示すことは難しい。
【0111】
ブリッジを検出するために用いられる公知のいくつかの技術、たとえばいわゆる単純な「ブロブ」および「境界ボックス」技術に加え、興味の対象となる領域(パッド間のギャップ等)におけるペーストの面積にのみ依存するブリッジ検出技術は、バイナリ「雑音」を受けることが考えられ、「ボックス」または興味の対象となる領域内における特徴の形状寸法または実際の重要性についての情報をほとんど提供しないことがあり得る。さらに、ギャップ内のペーストの限度は、間違った検出を避けるために、相対的に高く設定されなければならないことが多い。これらの方法はいずれも、効果的かつ予防的なプリントプロセス制御で使用するために、一貫した信頼可能な態様で、部分的なブリッジ形成またはブリッジ様の傾向を検出することができない。
【0112】
上述のとおり、はんだペーストの質感認識方法は、基板上で生じる特定の欠陥、たとえばブリッジを検出するために用いることができる。はんだペーストプリント動作において、相対的に明確なペーストの堆積物がパッド間のギャップに跨る(またはほぼ跨る)ときに、またはペーストの堆積物が予め規定された限度を超えるときに、ブリッジまたはブリッジ様の特徴が生じ得る。ペーストの特徴のスパンがギャップを横切って増大するにつれて、プロセスに対するその特徴の重要性も高まる。いわゆる「典型的な」ブリッジはギャップ全体に跨るが、スパンのみが、後のプロセスにおいて関連した欠陥が発生することを保証しない。フルスパン未満のものも同様に問題を生じるか、または同様に悪影響を及ぼし得る。さらに別の特徴を考慮して、プロセスに対する欠陥の真の重要性を測定しなければならない。
【0113】
ブリッジに沿った部分が狭いか、もしくは「弱い」ことが考えられるにもかかわらず、またはそのブリッジ様の形状寸法がわずかなものであり得るにもかかわらず、後の還流動作中の或る時点でブリッジの生じる可能性が、含まれるペーストの量、位置、および形状寸法に依存することが分かっている。ペーストの特徴により被覆される領域が増大するにつれて十分なスパンがギャップ全体に存在すると、ペーストがブリッジに関連する欠陥を生じる可能性も高まる。
【0114】
ブリッジの特徴に沿った最も細い地点、いわゆる「最も弱い接合部」は、後の還流動作中にブリッジが破損して後退する可能性または傾向を示し得る。ブリッジに沿った部分が十分に狭い場合、ペーストがこの地点から破損して後退する可能性は、その最も狭い地点で相対的に(または極めて)広いままである堆積物の可能性よりも大きいことが考えられる。十分なスパンがギャップ全体に存在し、かつ、後の還流動作中にもブリッジを維持するほどブリッジを形成するペーストの総量が十分である場合、ペーストの特徴の幅または「バルク」が増大するにつれ、ペーストの特徴が、ブリッジに関連する欠陥を生じ得る可能性も増大する。
【0115】
別のタイプのプリントの欠陥が、いわゆる「一般的な」プリントの欠陥である。ギャッ
プ内での形状または位置に関係なくペーストの総量が予め規定された限度を超えたときに、一般的なプリントの欠陥が生じる。一般的なプリントの欠陥が検出される際に、実際のペーストのブリッジを確認する必要はなく、基板が欠陥を有することを決定するために、欠陥のさらに別の特徴は必要とされない。一般的なプリントの欠陥の状態は、ブリッジに関連する欠陥(短絡等)が、後に組み立てプロセスでプリントの欠陥の位置において現れ得る高い可能性を伴った、プリントの品質不良、アライメント不良、ブリッジ形成、またはこれらのすべてを一般に示す。ギャップ内にペーストが存在する一般的な欠陥については、ギャップ内に見受けられるペーストの総面積に対して、ユーザが規定した限度が適用される。
【0116】
ブリッジの正確な検査は、多くの一般的なSMTのプリントの欠陥を検出するためだけでなく、プロセスにおける望ましくない傾向を補正するための必要不可欠な手段であり得る。ギャップ内にペーストが存在する、相対的に重要ではない領域が、ギャップ全体に有意なブリッジの形状寸法を与えることが考えられ、かつ、その逆も考えられるため、ギャップ内にペーストが存在する測定値および幅の測定値の両方が、プロセスに対するブリッジ様の特徴の真の重要性を信頼可能な態様で求めるために必要とされる。
【0117】
この発明の一実施例は、ギャップ内にペーストが存在する領域の信頼可能な測定を行い、かつ、ブリッジ様のペーストの特徴が面実装技術(SMT)の組み立てプロセスに関連する際にこれらの特徴の有意な形状寸法およびスパンを検出する、ギャップの欠陥を分析するためのシステムおよび方法を提供する。一実施例では、ギャップ内のペーストの総量と、ギャップを横切るブリッジ様の特徴の有効スパンとを共に用いて、特定のペーストの特徴がブリッジに関連する欠陥を生じる可能性を求める。
【0118】
図18は、この発明の一実施例に従った、プリントの欠陥を検出するシーケンスのフロー図である。この発明は、画像が適切な態様で「ペーストのみの」画像に区分化される(またはされ得る)限り(ステップ1810)、実質的に任意の態様で獲得された画像を用いることができる(ステップ1800)。この画像は一般に、「デジタル化された」画像と呼ばれるものであり得る。この明細書で「処理された画像」とも呼ばれる、ペーストのみの画像は、たとえばバイナリ画像であり得るか、または、縁部および不明瞭な他の領域における移行領域を適切に明示するための、重み付けされたグレーレベルを有し得る。いわゆる「平準化」または「視野平坦化」技術を含むさまざまな画像強調技術の使用は、獲得された画像に対して適用され、処理の第1段階中に結果的に得られるペーストのみの画像の信頼性を最終的に高め得る。
【0119】
この発明の少なくとも一実施例において、ペーストのみの画像は、重み付けされた画素を用いる。重み付けされた画素値を使用することによって、この発明のブリッジ分析能力が高められて、領域が正確に報告され、したがって、縁部が総面積の大きな割合を占め、かつ、或る一定の条件下で画像の品質、輝度、およびコントラストのより小さな変動に対してより大きな許容度を有する、小さなはんだ堆積物の重要性が正確に報告される。加えて、重み付けされた画素値を用いることにより、特に、相対的に少ない画素またはサンプル点を含む特に小さなギャップ領域において、より正確なブリッジ検出結果を得ることができる。この発明の一実施例では、256個の素子のルックアップテーブル等の予め定められたルックアップテーブルを用いて、極めて反復的で冗長なランタイムの数学的演算を必要とせずに、ペーストのみの画像1810の作成中に、画素に対しランタイムで効果的に重み付けが行なわれ得る。
【0120】
「ペーストのみの」画像は、この明細書で説明した、獲得された画像に対する一重しきい値または二重しきい値の直接的な適用、画像の差分処理技術、および質感ベースの区分化技術を含む、上述の方法を介して作成され得るが、これらに限定されない。以前に述べ
たように、ペーストのみの画像を作成するための他の使用可能な技術は、UV染料で強化したペースト、レーザプロファイリング、地形学的なデータの2D表現(すなわち、「体積要素」または「ボクセル」の画像)を作成するためのインターフェロメトリの使用およびx線技術を含む。区分化されたペーストのみの画像を生成するための、現在公知の多くの方法および今後開発されるべき多くの方法が、この発明の少なくともいくつかの実施例において使用可能であることを当業者は認識するであろう。
【0121】
図18を再び参照すると、ペーストのみの画像内で(ステップ1810)、興味の対象となる領域が規定される(ステップ1820)。一実施例において、興味の対象となる領域は、そこに堆積された物質の量および特性を認識することが所望される領域である。たとえばPCB、ウェハ、ステンシル、または同様の基板上における、この興味の対象となる領域は、ブリッジまたはブリッジ様の特徴の存在が望ましくない、パッドまたは開口部間のギャップであり得る。以下に示す図19A〜図19Cおよび20A〜図20Cは、「興味の対象となる領域」を示す、ペーストのみのランタイム画像を示す。
【0122】
図19A〜図19Cは、この発明の一実施例に従った、興味の対象となる領域の一例を含む、例示的な特徴を備えたランタイム画像の詳細である。図19A〜図19Cは、はんだペースト1903におけるブリッジ様の特徴1900と、いくつかの典型的な非ペースト(基板)の特徴との拡大図を示す。図19Aは、図19Bに示すランタイム画像の第1の部分の拡大図であり、図19Cは、図19Bのランタイム画像の第2の部分の拡大図であって、ブリッジ様の特徴1900とはんだペースト1903とを含む。非ペーストの特徴は、たとえば、剥き出しの基板1906、剥き出しのトレース1910、トレース1910上のマスク1915、および剥き出しのパッド1920を含む。図19Aおよび図19Bはまた、第1のはんだパッド1925と第2のはんだパッド1930との間のギャップ1922も示す。この例において、はんだペースト1903は、第1のはんだパッド1925の右側にシフトして、ギャップ1922内に入っている。
【0123】
図20A〜図20Cは、図19A〜図19Cのそれぞれに示す画像の、対応するペーストのみの図である。図20A〜図20Cは、この明細書に記載された質感ベースの方法に従って作成されたペーストのみの画像の例である。上述のように、質感ベースの画像は、適切な複数のペーストのみの画像の一例に過ぎない。図20において、考えられるブリッジ様の特徴1900は円で囲まれている。
【0124】
再び図18を参照すると、この発明の少なくとも一実施例において、図20Bのペーストのみの画像はステップ1810に対して用いられ得、図19Aおよび図20Aに示される、興味の対象となるギャップ領域1922は、ステップ1820に対して用いられ得る。しかしながら、少なくとも一実施例において、ステップ1820および1810を逆にすること、すなわち、獲得した画像において興味の対象となる領域を規定してから興味の対象となる領域のみのペーストのみの画像を作成することが可能である。このことを行なうことによって処理時間を節約することができる。この発明の少なくとも一実施例において、ステップ1810のペーストのみの変換は、ステップ1820で規定された、すべてのサブ領域を含むことが必要とされる領域ほど大きくない領域の全体に実施される。
【0125】
ステップ1850では、投影およびスライディング平均方法(図21および以下の記述を参照)が、適切に区分化されたペーストのみの画像に対して用いられ、興味の対象となる指定された領域内における有意なブリッジまたはブリッジ様の特徴が最終的に検出および分析される。加えて、図22および関連する説明で述べられるように、ユーザが規定する入力がステップ1827において設定される。ユーザが規定するこれらの入力は、パッド上のペーストの面積の測定(ステップ1830)およびギャップ内のペーストの測定(ステップ1840)、およびブリッジの特徴の分析(ステップ1850)を行なうことを
助ける。
【0126】
簡単に図22を参照すると、図22は、この発明の一実施例に従って実現されるシステム2200の入力および出力を示す包括的なブロック図であり、ユーザが規定するいくつかの入力2210が示される。これらは、ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215、ブリッジ検出システム2220の主観的な「感度」の設定値2220、およびギャップを横切る有意なブリッジの特徴の、容認可能な最大スパン2225を含む。
【0127】
ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215は、その量のペーストが用いられて有意なプリントの欠陥を示す前に、ギャップ内に存在し得るペーストの最大量としてユーザが指定したものを表わす。たとえば、この最大量は、名目上のギャップ領域の割合、たとえば55%として表わされ得、ギャップ内にペーストが存在する欠陥が生じたと言われるまでに、名目上のギャップ領域の55%までがペーストによって被覆され得ることを意味する。これらの数字は単に例示である。
【0128】
「感度」の設定値2220は、ステップ2230におけるスライディング平均ウィンドウ(平滑化カーネルとしても公知)のサイズを計算するために用いられ、後に説明するように、投影されたデータに適用される平滑化またはフィルタリングの程度を最終的に決定する。これにより、相対的な意味においてスパンの測定で考慮されるべきブリッジの特徴の最小幅または「バルク」をユーザが指定することを可能にし、このことは好ましい。代替的に、ユーザは、画素、ミル、およびミクロンを含む、より直接的な単位で「感度」を入力することができる。この明細書に記載するこの発明の実施例において、平滑化カーネルの幅2230、したがってブリッジの特徴と考えられる特徴の最小幅は、5画素幅、10画素幅等の画素で測定される。これらの数は単に例示であり、当然ながら、所望されるブリッジ検出感度のレベルに依存して変化する。
【0129】
ギャップを横切る有意なブリッジの特徴の容認可能な最大スパン2225は、ブリッジの特徴等の特徴が、興味の対象となる領域、たとえばパッド間のギャップを横切って延び得る最大量としてユーザが指定したものを表わす。たとえば、これは、「ブリッジ形成」の軸に対して平行な方向におけるギャップの幅(または長さ)の70%等のギャップの割合として表現され得る。この数字は単に例示である。
【0130】
スライディング平均ウィンドウのサイズ2230は、一次元平滑化カーネルのサイズであり、このカーネルは、ギャップの投影された値を平滑化するためにこの発明の少なくとも一実施例で用いられる。このカーネルは、プロセスに対して重要であるとは考えられない、対応するレベルの精密な詳細を除去する間に、投影部に沿った各地点において局在化された平均を提供する。この特徴はこの明細書でさらに説明する。一例として、スライディング平均ウィンドウの大きさは、5画素等の画素で測定され得る。少なくとも一実施例において、スライディング平均ウィンドウのサイズ2230は、有意なブリッジの特徴であると考えられる特徴の最小幅に少なくとも部分的に基づく。ステップ2220の感度の設定は、ステップ2230において、スライディング平均の幅を最終的に画素で決定する相対的な用語(低い、中間の、高い等)で表わされる。
【0131】
図18を再び参照すると、ステップ1830の、パッド上のペーストの面積の測定値は、興味の対象となり、かつ、パッドを取囲む、わずかに拡大された領域内で見受けられるペーストの量の単純な測定値である。これは、当業者に公知の二次元の表面積の測定値であり、ギャップ内にペーストが存在する一般的な領域の測定値と同様である。パッド上のペーストの面積の測定は、ペーストの検査に対して用いられる、最も一般的に適用される最も単純な先行技術である。この測定は、この明細書において、動作の好ましい態様の一部として含まれる。なぜなら、この測定が、ペーストのみの同じ画像を共有し、かつ、こ
の発明で説明されるギャップ領域およびブリッジの分析とともに用いられて、プリントプロセスの制御に対してより包括的な1組のデータを提供し得るためである。そうでなければ、興味の対象となる領域内の、パッド上のペーストの面積の測定値(ステップ1830)は、ギャップ内にペーストが存在している一般的な面積の測定値(ステップ1840)およびブリッジの特徴の測定値(ステップ1850)から独立している。ギャップ内にペーストが存在する領域の測定(ステップ1840)は、ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215の、ユーザが規定する入力に例えられる。したがって、ステップ1830および1840を用いて、興味の対象となる領域内における一般的なプリントの欠陥(上述)の検出を助ける。一般的なプリントの欠陥が検出された場合、検査されている基板は直ちに除去され得る。
【0132】
興味の対象となる領域内のブリッジの特徴は、ステップ1850において分析される。図21は、この発明の一実施例に従った、ステップ1850のブリッジの特徴の分析のためのプロセスのフロー図である。図21において、ブリッジ様の特徴の重要性を推定するために、興味の対象となる領域に一対の垂直な軸が割当てられ(ステップ2100)、それによってペーストのみの画像は、まず、興味の対象となる領域の1つの軸上に最初に投影され得る。たとえば図23A〜図23Cは、この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なランタイム画像、ペーストのみの画像、および投影されたペーストのみの画像のプロット(ギャップは、例示の目的のためだけに、興味の対象となる領域として指定される)である。図23Aは、ギャップ内のペーストの「ランタイム」の画像である、興味の対象となる領域(たとえば図18のステップ1820が後に続く図18のステップ1800に対応する)の例である。図23Bは、図23Aのランタイムの画像のペーストのみの画像である。これは、スライディング平均または移動平均である。指定されたカーネルの大きさによって、投影された初期値を平滑化することにより、新規のアレイが作成される。結果的に得られる数は、ギャップに沿った各地点におけるペーストの有効スパンを示す。
【0133】
加えて、図23Bにおいて、ステップ2215ではギャップ内のペーストの被覆率が45%に定められていることに注意されたい。
【0134】
再び図21および図23A〜図23Cを参照すると、図23Cは、ギャップ領域の画素の寸法に対応するX軸およびY軸を備えたプロットである。このY軸は、一般的にはより長い、ギャップの「非ブリッジ化」の軸に対応し、X軸は、ギャップの「ブリッジ化」または「スパン」の軸に対応する。当然ながら、これらの軸は、どちらが「ブリッジ化」の軸であるかに依存して、逆にすることができる。ステップ2110において、興味の対象となる領域内のペーストは、ギャップの1つの軸に効果的にアライメントされ、かつ、スパンまたは「ブリッジ化」の軸に対して垂直な一次元アレイ2305に変換される。この一次元アレイは、一実施例において、興味の対象となる領域の1つの軸に沿った画素データの単純な「投影」として当業者には広く公知のものによって作成される。たとえば、図23Bにおいてギャップの長さに沿った、この場合はほぼ位置38におけるY軸を参照すると、ギャップのスパン全体の画素のすべてがともに加算されている。その総数を、最大の8ビットグレーレベルである255で除算して、Y軸に沿ったこの位置において画素を単位とした等価のスパンを得る。この値は、図23C内のX軸に沿って、約12画素のギャップのスパンの地点においてプロットされるか、または16画素のスパンのギャップ全体の約75%の地点でプロットされる。
【0135】
一次元アレイ2305または投影は、次に平滑化されて、相対的に弱いか、または重要ではないブリッジの形状寸法により生じる小さな不規則性をフィルタ除去する。平滑化は、時系列等の系列に存在する隣接部または画素の画像によりデータポイントを平均化して、生データにおける先鋭なエッジまたは突然の移行を減らすか、または「ぼやけさせる」
プロセスである。一実施例において、平滑化のステップ2120は、投影された生データ全体にスライディング平均2310(ユーザが規定した/指定したパラメータにより決定された大きさを有する;図22参照)を渡して、そして投影部に沿った地点でより滑らかな等価のスパンを得ることによって行なわれる。スライディング平均は、効果的にも、一次元の平滑化カーネルである。平滑化の程度は、カーネルの大きさに基づき、重要なブリッジの特徴またはブリッジ様の特徴の最小幅に類似する。しかしながら、平滑化カーネルの大きさが、重要なブリッジの特徴またはブリッジ様の特徴の最小幅と同じである必要はない。図23の例は、5画素のスライディング平均または平滑化カーネルを用いる。矩形の一方の辺として投影部の任意の5つの連続するエントリの平均を取り、他方の辺として平滑化カーネルのサイズ、すなわち5を取ると、興味の対象となる領域の長さに沿った各地点において機能上等価なブリッジの特徴を示すように矩形2310が描かれ得る。平滑化された結果は、ギャップの長さに沿ったこれらの「瞬間的な」ブリッジの特徴の有効スパンを表す。そして、ユーザが規定した限度2225(図22)に照らしてステップ2140中に検査される(図21)のが、ギャップ全体の幅の割合で表示されたこれらの値である。
【0136】
たとえば、図23Cにおいて、スライディング平均2310は、ユーザが指定した5画素の幅を有し、これは、ブリッジの特徴の最小幅に等しい。このスライディング平均2310は、図23Cに示す画像に対する上から下への方向に、投影されたデータの一次元アレイに沿って渡される(当然ながら、方向を逆にすることができ、ギャップの投影が垂直方向である場合は、スライディング平均を右から左または左から右に渡すことができる)。平滑化された結果およびユーザの指定した他の情報とともに、スライディング平均で用いられる要素の数(平滑化カーネルのサイズ)により、ギャップの長さに沿った特徴の面積および重要な形状寸法の、関数による推定が可能になる。
【0137】
再び図21を参照すると、ステップ2140において、平滑化された一次元アレイの最大値が最初に位置付けられる。ユーザによる指定も行なわれる、予め定められたしきい値(図22の2225および図23Cのグラフ表示2320を参照)は、次に最大値に適用されて、任意の特徴がこれらの限度に「合致する」か、または上回るかを判定する。上回る場合は、ブリッジ様の欠陥が明らかに検出される。たとえば図23Cでは、平滑化された投影部の任意の部分が、ユーザにより規定された限度2320、またはギャップの70%を上回るか否かを判定するためにしきい値が適用される。この例において、平滑化された5つの値または「ヒット」2330がしきい値2320を上回ることが分かり、その位置は、例示のために2310と同様の棒で印が付けられる。当然ながら、図23Cに示すしきい値およびスライディング平均の幅(画素による表示)は単に例示であり、他の数を用いることもできる。しきい値の適用に基づき、考え得るブリッジおよび/またはブリッジ様の特徴が識別され(ステップ2150)、図18のステップ1850に戻る。
【0138】
図24および図25は、図21に示す平滑化およびしきい値化の適用を示す、この発明の実施例のさらに別の例を提供する。図24A〜図24Dはそれぞれ、この発明の一実施例に従って処理された、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なランタイムの画像データ、ペーストのみの画像データ、興味の対象となる領域の画像データ、および投影されたペーストのみの画像データのプロットである。図24Dにおいて、用いられるスライディング平均は10画素であり、図24Dの二重線2410は、平滑化が適用された後の一次元アレイ2405のプロットを示す。図24Dにおいて、1つの特徴が、「ブリッジ様の」欠陥として明らかに分類されるという要件を満たすことが分かり、ここでは平滑化された値の最大値がユーザの規定した限度を超えている。
【0139】
図25A〜図25Cは、この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なランタイムの画像、ペーストのみの画像、および投影された
ペーストのみの画像である。図25Cにおいて、ブリッジまたはブリッジ様の特徴の最小幅は、10画素であり、ユーザが規定するしきい値は70%である。ユーザが規定したパラメータは図24のものと同様である。相対的に有意なはんだブリッジを図25Aおよび図25Bにおいて視認することができる。図25Cにおいて、スライディング平均は、ユーザが規定したしきい値を超えて延び、70%のしきい値の線において相対的に大きな長さのギャップ全体に延びる。このことは、しきい値を超える、多くの平滑化された値を有する強大なブリッジ様の欠陥が存在することをグラフで示すが、ブリッジ様の欠陥を示すために、1つの値のみ、すなわち最大値のみが必要とされる。
【0140】
この発明の少なくとも1つの実施例において、スライディング平均は、同様のスライディング二乗平均平方根(RMS)出力を提供するために変更され得、ここで投影部に沿ったデータポイントは、局所的な平均(スライディング平均)が計算される前に平方される。これらの「平均平方」の「根」は、単純なスライディング平均値とほぼ同一である。しかしながら、スライディング平均は、最小限の計算しか必要としないため、より有利であることが考えられる。
【0141】
図18を再び簡単に参照すると、ステップ1850の分析が完了した後に、この結果が、予め定められた(ユーザが規定した等の)プロセスリミット(ステップ1860)と比較され得、結果的に得られたデータは、スクリーンプリント/はんだペースト配置のプロセスに対して起こり得る変更に備えて格納される(ステップ1870)。任意の特定の部位においてプロセスリミットが超過されたか否か、または欠陥が報告されたか否かにかかわらず、当業者によって認識されるように、データを適切にフィルタリングして使用し、プリントプロセスの効果的な制御のために、より少数の傾向を監視することができる(ステップ1880)。たとえば、パッド間のギャップ内に見受けられるペーストの最小量、最大量、および平均量は、検査(所定の基板の検査等)が完了した後に保管され得る。ブリッジ様の特徴のスパンの測定のために、同じ測定値を保管することができる。このデータは、効果的なプロセス制御のための傾向の分析を可能にするだけでなく、これまでの性能および実際の製造要件に基づいて検出パラメータを微調整するための手段も提供する。
【0142】
図22のユーザが指定した入力は、少なくとも一実施例において、ギャップの大きさ、パッドの大きさ、およびパッドの位置の変動等の基板の特徴に部分的に依存する。たとえば、図23、図24、および図25の例示的な実施例において、ブリッジ/ブリッジ様の特徴の、ユーザが指定した最小幅は、ギャップの長さおよび幅等の特徴と、ユーザが指定したしきい値とに依存して、変動し得ることも分かっている。その理由は、融解したはんだペースト等の物質の固有の表面張力により、投影部の幅がギャップの大きさに比べて小さい場合、および投影部がギャップ全体の半分よりも多く延びる場合でも、はんだペーストが「後退して」、ギャップを横切って延びないことが考えられるためである。したがって、図25Cの9画素の例示的なギャップのスパンに対し、考え得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のより大きな最小幅(すなわち10画素)が指定される。したがって、たとえば、9画素の幅を有する特徴は、図25Cの例のギャップの幅の90%まで延び得ることが考えられる。なぜなら、はんだペーストの傾向が、後退して「ブリッジを形成」しないことであるためである。
【0143】
対照的に、図23Cの例示的なギャップのスパン(すなわち16画素)に対し、ブリッジの特徴の最小幅は5画素である。この例において、ブリッジの特徴がギャップのスパンの70%以上に延びる場合、ブリッジの特徴は「後退する」傾向が少なく、「ブリッジを形成する」傾向がより強い。
【0144】
図26は、この発明の一実施例に従って、パッドの大きさの変動がギャップの大きさに及ぼす影響を示ず図であり、図27は、この発明の一実施例に従って、パッドの位置の変
動がギャップの大きさに及ぼす影響を示す図である。図26および図27が示すように、ギャップの大きさは、パッドの大きさとパッドの配置とに依存して変動し得る。この発明の少なくともいくつかの実施例が、パラメータ、たとえばギャップを横切る有意なブリッジの特徴の最大スパン、スライディング平均ウィンドウの大きさ等に対し、ユーザにより指定された入力を可能にするため(図22参照)、この発明のシステムおよび方法は、さまざまなパッドの大きさおよび配置を備えたさまざまな大きさの基板に対し、有利にも迅速に適合され得る。
【0145】
図28〜図30は、この発明の一実施例を用いて検出可能であり得るブリッジおよびブリッジ様の特徴のタイプを示す代表的な図である。すべてのブリッジ様の特徴は、形状に関係なく、それぞれ図28、図29、および図30のギャップの総面積の、厳密に6%、18%、および36%を被覆するように正確に描かれている。後に「還流」と呼ばれるプロセスでブリッジの欠陥が生じる可能性に対してさまざまな形状がどのような影響を及ぼすかを示すために、ブリッジ様の特徴の形状寸法のみを変化させている。ここで、はんだペーストは融解状態まで加熱され、したがって表面張力を介したはんだの堆積物の再分配を可能にする。当然ながら、自然に生じるブリッジ様の特徴は、よりランダムな形状を取り得るが、それらの特徴は、これらの図面に示す基本的な特性のほとんどを共有する。以下の段落では図28のみを詳細に説明するが、同じ説明が、図29および図30の同様の図面にも当てはまる。
【0146】
図28において、部材2800は、隣接する2つのパッドの堆積物間のギャップの全スパンに延びるブリッジ様のペーストの特徴を示し、このペーストの特徴は、「典型的な」ブリッジの形状寸法と呼ばれ得る形で、両方に接触する。ブリッジの特徴2802は、後の還流動作中に、表面張力を介して破損および「後退」を生じる傾向をより多く有する部分を有さず、ギャップの全スパンにわたって均一な厚さを有する。表面張力は、還流動作中に、以前ははんだペーストであった溶融はんだを再び接合点2804および2806に向けて「吸上げる」傾向を生じ、両方の接合点は、接触点2804および2806に向かって広がる傾向を有し、かつ、ブリッジの特徴の中央部を細くする傾向を有する。結果的に、或る一定の条件下において、この特徴は、各部分がそれぞれの「接合点」2804および2806に向けて移動するのに伴って破損および後退するほど十分に細くなり得る。
【0147】
投影されたデータのスライディング平均によって生じる最大値は、この発明で説明するように、スライディング平均の大きさ、すなわち、平滑化カーネルに依存する。好ましい方法において、スライディング平均の大きさは、ユーザが規定した「感度」の設定値により決定される。特定のカーネルの大きさ、または所定の感度に対し、ブリッジの特徴の大きさおよび形状は、投影されたデータに平滑化カーネルが及ぼす影響、すなわち、平滑化の後の最大値に平滑化カーネルが及ぼす影響が、どのような大きさであるかを決定する。最大値は、平滑化の動作にもかかわらず残存する少なくとも十分な「バルク」または「パワー」を備えた特徴の有効スパンであると考えられる。再び簡単に図24を参照すると、ブリッジの例2802に対する相対的な大きさおよび形状が同様である実際のブリッジの特徴を24Bで見ることができる。したがって、このブリッジの特徴は、ここで、同様の形状のブリッジ様の特徴を平滑化する効果を実際に示すために用いられる。両方の特徴は、ギャップの100%に跨る。図24Dは、ブリッジ位置において約85%の最大値を有する、平滑化されたデータのプロット2410を示す。この場合において85%である、平滑化されたスパンの最大値が、ユーザにより規定された限度を超える場合、この特徴には欠陥として印が付けられる。
【0148】
図28は、一方のパッドの堆積物にのみ2814において接触する均一なブリッジの特徴2810を示す。この場合、「断絶部」2812が既に存在し、したがって「後退」の可能性は2800よりも2810において大きい。なぜなら、反対側からの反作用なしに
、表面張力が一方側にのみ働くためである。パッドの堆積物を備えた接触点2814が、接合点2804のものよりもわずかに大きいことに注意されたい。このことは、図28A〜図28Fに示すすべてのブリッジの例に対して同じ6%のギャップの被覆率を維持するために必要とされる。ブリッジの「感度」が同じである場合、2810の投影されたデータを平滑化する効果は、以前の例2800と同様である。なぜなら、それらがほぼ同じ均一な厚さを有するものの、有効スパン(すなわち平滑化された他の最大値)が以前の例よりも小さいためである。ここでも、平滑化されたスパンの最大値が、ユーザにより規定された限度を上回る場合、この特徴は欠陥として印が付けられる。
【0149】
図28の部材2820は、2812と同様であるが、スパンの中央に位置付けられた「断絶部」2822を有する。
【0150】
図28の部材2830は、ギャップの両側で接触が生じる点で部材2800と同様である。ここでは形状が主な違いであり、この形状は、ギャップの一方側において接触のより広い基部2834と、他方側においてはるかに小さな接触点2836とを有する。点2836は、はるかに大きな基部2834が提供する「吸上げ」の傾向をほとんど提供しない。また、ブリッジの特徴2832および2802の投影されたデータを同様に平滑化すると、三角形の特徴2832の有効スパン(平滑化された値の最大値)は、均一な形の特徴2802の有効スパンよりも小さい。有効スパンの差は、2802が2832よりもより有意なブリッジの可能性を有することを正確に示すが、報告された両方のスパンは、ユーザが規定したスパンの限度に照らして検査されなければならず、特徴2832は、2802に比べ、欠陥として印の付けられる可能性が少ない。図29は、部材2900、2910、2920、2930、2940、および2950を含む。図30は、部材3000、3010、3020、3030、3040、および3050を含む。図29および図30は、図28とほぼ同一の体裁でブリッジ様の特徴を示すが、1つの特記すべき差を有する。図28に示されるすべてのブリッジの特徴が、ギャップの厳密に6%を被覆する一方で、図29では、ギャップの18%を被覆し、図30では36%を被覆する。同じカーネルを用いて図28、図29、および図30における同様のブリッジの特徴の投影されたデータを平滑化すると、より大きな堆積物の有効スパンがより大きくなる。ここでも、有効スパンの差は、相対的に大きな堆積物が、より小さな堆積物よりも有意なブリッジの可能性を有することを正確に示すが、報告されたすべてのスパンは、ユーザが規定したスパンの限度に照らして検査されなければならず、より大きなものは、欠陥として印が付けられる傾向が高い。加えて、ギャップ内にペーストが存在する一般的な領域もまた、ユーザが規定した限度に照らして検査されなければならない。これらの限度は一般に、同じく有意なブリッジの可能性を有し得る著しい欠陥を捉えるように設定されており、ここでもまた、より大きな堆積物は、より小さな堆積物に比べ、欠陥として印が付けられる傾向が高い。
【0151】
図31は、この発明の少なくともいくつかの実施例に従って検出され得ることが考えられるスクリーンプリント/はんだペーストプリントの他のタイプの欠陥の代表的な図である。図31の部材3100は、全体的なペーストのアライメント不良による一般的なプリントの欠陥を示す。この場合、ギャップ内にペーストが存在する、報告された値は、ギャップを横切るペーストの報告されたスパンと同様に、ミスアライメントの程度とともに増大する。図31の部材3110は、著しいミスアライメントの影響を示す。この発明は、さらに別のブリッジの可能性を推定するために、ペーストのアライメントの関数として、ブリッジに関する欠陥の可能性の増大を正確に推定する。
【0152】
図31の部材3130および3140は、スパンの長さおよび特徴の形状が欠陥の可能性を決定する、多数の固有の欠陥を示す。部材3130において、両方の特徴は、両側からギャップの中央に向けて延び、両方の特徴が同量のギャップの領域を被覆する。この発明のこの方法は、両方の特徴に同時に作用し、図28に最初に示したように、矩形の特徴
が、平滑化の動作の後に最大のギャップのスパンを正確に生じる。このことは、部材3140の同様の特徴にも当てはまるが、この例では、報告されたスパンの最大値がより大きくなり、したがってブリッジを形成する可能性がより大きくなる。
【0153】
図31の部材3120および3150は、それぞれわずかなオーバープリントおよび著しいオーバープリントを示す。両方の場合において、ギャップを横切るペーストの有効スパンは、ギャップの中央部付近で最大となる。ブリッジの形成方向におけるペーストの累積作用のみが重要である。このようにして、この発明で用いられる単純な投影およびスライディング平均の方法は、報告された有効スパンの差に基づき、部材3150が部材3120よりもブリッジを形成する可能性が大きいことを正確に判定する。また、ギャップ内にペーストが存在する、報告された領域は、部材3120に対してよりも部材3150に対する方が大きく、したがって部材3150は、このことにより、ギャップ内にペーストが存在する欠陥を正確に示す最初のものとなる。
【0154】
図28〜図31および関連する説明は、この発明で用いられる方法を示し、ユーザが規定する「感度」のパラメータに基づいてペーストの堆積物の実際の「ブリッジを形成する可能性」を正確に推定するだけでなく、ユーザが規定した限度に基づいて、後のプロセスに悪影響を及ぼすおそれのあるブリッジの欠陥を検出して印を付ける。
【0155】
ペーストと背景とを分離するために正確かつ信頼可能なペースト検出方法が用いられると、ブリッジ等の欠陥を検出するための方法が、より成功することが分かっている。有利にも、この明細書および出願連続番号第09/304,699号に開示された、質感ベースのペースト検出方法は、この明細書に開示されたブリッジ分析技術と組合せられて、基板組立てプロセスに関連するブリッジの特性の有用かつ信頼可能な測定を提供することができる。
【0156】
図面に示すこの発明の実施例を説明する際に、明瞭になるように特定の用語が用いられる。しかしながら、この発明は、そのように選択された特定の用語に限定されず、特定の用語の各々は、同様の目的を達成するために同様の態様で作動する技術上および機能上の等価物のすべてを少なくとも含む。
【0157】
当業者は、請求されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく、ここに記載された内容の変更例、変形例、および他の実現例を当業者が思いつき得ることを認識するであろう。さらに、ここに記載された発明の実施例の実質的に任意の局面は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せを用いて実現され得る。
【0158】
この出願の図面では、いくつかの場合において、複数のシステムの要素または方法のステップが、特定のシステムの要素の例として示されていることが考えられ、1つのシステムの要素または方法のステップが、複数の特定のシステムの要素または方法のステップの例として示され得ることを理解されるべきである。複数の特定の要素またはステップを示すことにより、この発明に従って実現されるシステムまたは方法が、その要素またはステップを2つ以上含まなければならないということを意味するようには意図されず、かつ、1つの要素またはステップを示すことにより、この発明がそのそれぞれの要素またはステップの1つのみを有する実施例に限定されることが意図されないことに注意されたい。加えて、特定のシステムの要素または方法に対して示された要素またはステップの総数は、限定するように意図されていない。したがって、当業者は、いくつかの場合において、特定のシステムの要素または方法のステップの数が特定のユーザの必要性に適応するように選択され得ることを認識するであろう。
【0159】
この発明は、或る程度の特殊性を備えた好ましい形態で説明され描写されているが、好ましい形態のこの開示が、例示のためにのみなされており、部品の構成、組合せ、および配置の詳細における多数の変更が、前掲の請求項に記載されるように、この発明の精神および範囲から逸脱することなく行なわれ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1A】この発明の一実施例に従ったステンシルプリンタの正面図である。
【図1B】この発明の別の実施例の概略図である。
【図2A】プリント回路基板の概略図である。
【図2B】プリント回路基板の概略図である。
【図3】基板上のはんだペーストの堆積物を検査するための方法のフロー図である。
【図4A】この発明の方法を用いるプロセッサ内のさまざまな領域の概略図である。
【図4B】この発明の方法を用いるプロセッサ内のさまざまな領域の概略図である。
【図5A】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図5B】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図5C】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図6】この発明の自動的な利得およびオフセットの特徴を実現する方法のフロー図である。
【図7A】プリント回路基板上におけるはんだペーストの分配の概略図である。
【図7B】プリント回路基板上におけるはんだペーストの分配の概略図である。
【図8A】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8B】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8C】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8D】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8E】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8F】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8G】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8H】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図9A】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9B】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9C】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9D】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図10A】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図10B】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図10C】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図11A】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図11B】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図11C】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図12】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果のヒストグラムである。
【図13】基板上に堆積されたはんだペーストを検査するための先行技術のプロセスのフロー図である。
【図14】図13の獲得ステップで獲得されたペーストのグレースケール画像の図である。
【図15】図13のペーストのみの画像のステップ中にペーストのみの画像に変換された図14のグレースケール画像の、重み付けされたペーストのみの画像を示す図である。
【図16】図13の獲得ステップ中に獲得された、UV強化された蛍光ペーストのRGB画像の図である。
【図17】図13のペーストのみの画像のステップ中にペーストのみの画像に変換された図16のRGB画像の、ペーストのみのバイナリ画像を示す図である。
【図18】この発明の一実施例に従った、プリントの欠陥の検出シーケンスのフロー図である。
【図19A】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図19B】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図19C】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図20A】図19Aの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図20B】図19Bの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図20C】図19Cの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図21】この発明の一実施例に従った、ブリッジの特徴を分析するためのプロセスのフロー図である。
【図22】この発明の一実施例に従って実現されるシステムの入力および出力を示す包括的なブロック図である。
【図23A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図23B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図23C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的な投影された画像を示す図である。
【図24A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図24B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図24C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的な興味の対象となる領域の画像を示す図である。
【図24D】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的な投影されたペーストのみの画像を示す図である。
【図25A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図25B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図25C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的な投影されたペーストのみの画像を示す図である。
【図26】この発明の一実施例に従った、ギャップの大きさに対するパッドの大きさの変動の影響を示す図である。
【図27】この発明の一実施例に従った、ギャップの大きさに対するパッドの位置の変動の影響を示す図である。
【図28】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第1の代表図である。
【図29】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第2の代表図である。
【図30】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第3の代表図である。
【図31】この発明の少なくともいくつかの実施例に従って検出可能となり得る、スクリーンプリント/はんだペーストプリントの欠陥のさまざまなタイプの代表図である。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明の実施例は一般に、機械視覚システムで用いられる装置、システム、および方法に関する。より特定的に、この発明は、はんだペーストのプリントプロセスにおける欠陥を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
一般的な面実装回路基板の製造動作では、回路基板上にはんだペーストをプリントするためにステンシルプリンタが用いられる。一般に、はんだペーストが上に堆積されるパッドのパターンまたは通常は導電性である他の何らかの表面を有する回路基板が、ステンシルプリンタ内に自動的に供給され、回路基板上にはんだペーストをプリントする前に、回路基板上における、基準と呼ばれる1つ以上の小さな孔部または印を用いて、回路基板と、ステンシルプリンタのステンシルまたはスクリーンとが適切にアライメントされる。先行技術のシステムの中には、回路基板とステンシルとをアライメントするために、光学アライメントシステムを用いるものもある。ステンシルプリンタ用の光学アライメントシステムの例は、その各々がこの明細書において引用により援用される、1991年10月21日にフリーマン(Freeman)に発行された米国特許第5,060,063号、および1992年1月31日に同じくフリーマンに発行された米国再発行特許第34,615号に記載されている。
【0003】
はんだペーストのプリント動作は、面実装アセンブリにおける欠陥の主な原因となり得る。したがって、はんだペーストが基板上に堆積された後に基板を検査して、基板上に配置された導電性パッド、通常は以下のものに限定されないがプリント回路基板上の伝導パッド、にはんだペーストが適切に塗布されたかどうかを判定するためにプロセスが開発された。たとえば、先行技術のシステムの中には、上述の光学アライメントシステムが、基板の検査用の視覚検査システムも含むものがある。
【0004】
しかしながら、プリントの欠陥を査定するための自動化されたマシンベースの技術は、具体的な特性を抜き出して定量化することしかできない。プリントの欠陥がプロセスに関連する際に、その欠陥の重要性を分類して重み付けし、有意義な出力を提供して現実的で有用なプロセスリミットを規定するために、今もなお信頼可能な方法が必要とされる。最終的なプリント回路基板(PCBアセンブリ)の品質を判定する際に、これ以降のプロセスが重要な役割を果たすのは確かだが、プリント時におけるブリッジおよび他の欠陥の検出および正確な査定が、適切なプリント機能のプロセス制御に対して最も直接的なフィードバックを提供することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
隣接するパッド間のギャップに跨ってはんだペーストが存在すること自体は、後に組立プロセスでブリッジに関連する欠陥が生じることを保証しない。すべてのブリッジまたはブリッジ様の(bridge-like)欠陥が、所定のプロセスに悪影響を及ぼすのに必要とされる量または形状寸法を必ずしも有するわけではない。その反対に、プロセスにとって実際に有意なギャップの欠陥が、必ずしも隣接するパッドを接続して明確なブリッジを形成するわけではないことが考えられる。ギャップ内にペーストが存在する欠陥の重要性が、そ
の形状寸法に関係なく、ブリッジまたは「ブリッジ様の」特徴を形成するペーストの総量、ペーストの特徴の形状寸法(長さ、幅、大きさ等)、およびギャップ内のペーストの総量等の要因により影響を受けることが分かっている。
【0006】
この発明は、少なくとも1つの実施例において、はんだペーストのブリッジ等の欠陥を改良された態様で検出してプリントのプロセス制御を改良することのできるシステムおよび方法を提供する。この発明のシステムおよび方法は、この実施例において、すべてのブリッジまたは「ブリッジ様」の欠陥が所定のプロセスに悪影響を及ぼすのに必要とされる量または形状寸法を必ずしも有していないことと、有意なギャップの欠陥が、必ずしも隣接するパッドを接続してブリッジを形成するわけではないこととを前提に作動する。最終的なアセンブリの品質を判定する際に、これ以降のプロセスもまた重要な役割を果たすものの、少なくとも一実施例において、プリント時にブリッジおよび他の欠陥の検出および正確な査定を行なうことにより、適切なプリント機能のプロセス制御に対して直接的なフィードバックが提供される。
【0007】
この発明は、一実施例において、ギャップ内にペーストが存在する領域を信頼可能な態様で測定し、そしてブリッジ様のペーストの特徴がSMT(面実装技術)の組み立てプロセスに関連する際にそれらの特徴の重要な形状寸法およびスパンを検出する、ギャップの欠陥を分析するための方法を提供する。特定のペーストの特徴がブリッジに関連する欠陥を生じる可能性を求めるために、ギャップ内のペーストの総量と、ギャップを横切るブリッジ様の特徴の有効スパンとが共に用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、一実施例において、基板上に堆積された物質の画像を分析する方法に向けられ、画像は複数の画素を含む。この方法は、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップと、第1のおよび第2の垂直な軸に、興味の対象となる領域を関連付けるステップとを含み、画像内の1組の画素は第1の軸に沿って配置され、この方法はさらに、興味の対象となる領域内の画素を、第1の軸にアライメントされかつ第2の軸に沿って突出する一次元アレイに変換するステップと、一次元アレイに少なくとも1つのしきい値を適用するステップとを含み、しきい値は、予め定められた限度に少なくとも部分的に基づく。
【0009】
この発明の実施例は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。この方法は、一次元アレイを平滑化するステップを含み得る。この方法はさらに、第1の軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素に垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、第2の軸に垂直な一次元アレイとして表現するステップとを含み得る。
【0010】
この発明の実施例はさらに、興味の対象となる領域の1つの縁部の実質的な付近に軸を配置するステップを含み、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この実施例はさらに、興味の対象となる領域に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップを含み得る。特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の物質、物質のはみ出した領域、および物質の不明確な領域を含み得る。
【0011】
この発明の方法の他の実施例は、少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップを含み、検出パラメータは、画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する。評価するステップは、少なくとも1つの検出パラメータに従って達成され得る。この発明のさらに別の実施例は、興味の対象となる領域内の各特徴に対し、特徴の面積および形状寸法を計算するステップを含み得、この計算は、検出パラメータおよび一次元アレイを用いて少なくとも部分的に達成される。さらに別の実施例は、面積および形状寸法に基づいて、画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を
後に生じ得る確度を求めるステップを含み得る。
【0012】
この発明の実施例は、基板としてプリント回路基板と、物質として電気的材料とを含み得る。この発明の他の実施例は、はんだペーストを含む物質を含み得る。画像は、デジタル画像を含み得る。
【0013】
この発明の実現例は、物質が上に堆積された基板を検査する方法を含み得る。この方法は、基板上に物質を堆積するステップと、基板の画像を取込むステップと、基板上の物質の位置を特定するために、画像における質感の変動を検出するステップと、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この方法はさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、興味の対象となる領域内に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップとを含む。
【0014】
この発明の他の実現例は、基板上の予め定められた位置にはんだペーストを一定量供給するためのシステムを含む。この方法は、基板上に材料を一定量供給するディスペンサと、ディスペンサの動作を維持するためのコントローラと、プロセッサのコントローラと電気的に通信するプロセッサとを含む。プロセッサは、基板上に配置されたはんだペーストの堆積物に質感ベースの認識を実施し、そしてはんだペーストの画像内で興味の対象となる領域を規定するようにプログラムされており、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、プロセッサはさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算し、そして軸に沿った各画素の総和を軸に対して垂直な一次元アレイとして表現し、そして興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために一次元アレイを評価するようにプログラムされている。
【0015】
この発明のさらに別の実現例は、基板上に堆積された物質における欠陥を検出する方法に向けられる。この方法は、基板の画像を取込むステップと、基板上の物質の位置を特定するために、画像における質感の変動を検出するステップと、画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、画像内の1組の画素は軸に沿って位置し、この方法はさらに、軸に沿った各画素について、興味の対象となる領域内の、軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントされたすべての画素の総和を計算するステップと、軸に沿った各画素の総和を、軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために、一次元アレイを評価するステップとを含む。
【0016】
この発明の実施例は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物質は、はんだペーストであり得る。欠陥は、はんだのブリッジ、ブリッジ様の特徴、または過剰なペーストの特徴の少なくとも1つを含み得る。基板は、はんだが上に堆積される第1および第2のパッドを含み得、欠陥は、第1のパッドと第2のパッドとの間の距離の少なくとも一部に跨るはんだペーストの存在を含み得る。この方法はさらに、欠陥がはんだのブリッジとして分類されるべきであるかどうかを判定するための規則を適用するステップを含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明のこの実施例および他の実施例に関する詳細は、この明細書に、より詳細に記載される。
【0018】
この発明の利点および局面は、以下の詳細な説明および添付の図面と組合せると、より十分に理解されるであろう。
【0019】
これらの図面は必ずしも縮尺どおりではなく、この発明の原理を例示する際に、一般には強調が行なわれる。
【0020】
詳細な説明
この発明の一実施例は、一般に、はんだペーストの質感を認識するための方法を用いるステンシルプリンタに関する。この技術は、欠陥を分析した後に欠陥を防止する際に用いるための、ステンシルおよび回路基板等のプリント基板におけるペーストのみの画像を獲得するために用いられる。たとえば、プリントの欠陥は、ステンシルプリンタを用いて回路基板上にはんだペーストをプリントするプロセスでしばしば生じる。図1Aは、この発明の一実施例に従ったステンシルプリンタ100の正面図を示す。ステンシルプリンタ100は、コントローラ108と、ステンシル16と、はんだペーストが一定量供給され得る一定量供給スロット118aを有する一定量供給ヘッド118とを含む、ステンシルプリンタの構成要素を支持するフレーム12を含む。
【0021】
一定量供給ヘッド118は、2つのちょうねじ22を用いて第1のプレート18に結合される。第1のプレート18は、ステンシルプリンタ10のフレーム12に結合された第2のプレート20に結合される。図1Aに示す座標軸系23により規定されるz軸に沿った第2のプレートに対して第1のプレートが移動し得る態様で、第1のプレート18が第2のプレート20に結合される。第1のプレートは、コントローラ108の制御下にあるモータにより移動する。
【0022】
座標軸系23により同じく規定されたx軸に沿ったフレーム12に対して第2のプレート20が移動し得るように、第2のプレート20がフレーム12に移動可能な態様で結合される。後述するように、第1および第2のプレートの移動により、一定量供給ヘッド118はステンシル16上に配置され得、かつ、ステンシルを横切って移動することができ、はんだペーストが回路基板上にプリントされ得る。
【0023】
ステンシルプリンタ100は、ステンシルプリンタ内のプリント位置に回路基板102を運搬するためのレール24を有するコンベヤシステムも含む。ステンシルプリンタは、回路基板が一定量供給位置にあるときに回路基板の下に位置付けられる多数のピン28を有する。これらのピンを用いてレール24から回路基板102を持上げて、プリントが行なわれる際に、回路基板をステンシル16に接触させるか、またはステンシル16の付近に配置する。
【0024】
一定量供給ヘッド118は、プリント動作中に一定量供給ヘッド118にはんだペーストを提供する、2つの標準的なSEMCOの3オンスまたは6オンスのはんだペーストカートリッジ104を受けるように構成される。各はんだペーストカートリッジ104は、圧縮空気ホース30の一方端に結合される。一定量供給ヘッドは、当業者が容易に理解するように、標準的または非標準的な他のカートリッジを受けるように適合され得る。各圧縮空気ホースの他方端は、コンプレッサに取付けられる。このコンプレッサは、コントローラ108の制御下でカートリッジに加圧空気を提供して、カートリッジから一定量供給ヘッド118内に、そしてスクリーン16上にはんだペーストを流す。SEMCOカートリッジから一定量供給ヘッド内にはんだペーストを押しやるために、空気圧に加え、または空気圧の代わりに、ピストン等の機械的装置を用いてもよい。
【0025】
コントローラ108は、この発明の一実施例において、この明細書に記載されるステンシルプリンタの動作を制御するために、アプリケーションに固有のソフトウェアを備えた
Microsoft DOS (登録商標)または Windows(登録商標)NTのオペレーティングシステムを用いるパーソナルコンピュータを用いて実現される。
【0026】
ステンシルプリンタ100は以下のように作動する。コンベヤレール24を用いて、ステンシルプリンタ内に回路基板102が載置される。ステンシル16にプリント回路基板102を自動的にアライメントするための機械視覚プロセスが実施される。はんだペーストを塗布する前に、プリント回路基板102とステンシル16とを接触させるか、またはほぼ接触させる。次に、一定量供給ヘッド118が、ステンシル16に接触するまでz方向に下げられる。ステンシル16を横切って一定量供給ヘッドがx方向に移動する間に、加圧空気がカートリッジ104に提供される。この加圧空気は、はんだペーストをカートリッジから押し出し、一定量供給ヘッド内のはんだペーストに圧力をかけ、一定量供給ヘッド118の一定量供給スロット118aからステンシル16の開口部を通って回路基板102上にはんだペーストを押しやる。一定量供給ヘッド118がステンシル16を完全に横切ると、回路基板102がコンベヤレール24上に再び下げられてプリンタから運搬され、それによって第2の回路基板がプリンタ内に載置され得る。一定量供給ヘッド118は、第2の回路基板102上にプリントするために、第1の回路基板に対して用いられた方向とは反対の方向にステンシルを横切って移動する。代替的に、スキージアームが揺動してディスペンサ内にはんだペーストを収容することが可能であり、ディスペンサはその後、z方向に持上げられて、その本来の位置に再び移動し、同じ方向のストロークを用いて第2の回路基板上にプリントを行なう準備をすることができる。
【0027】
1999年1月21日に出願され、この発明の譲受人であるスピードライン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド(Speedline Technologies Inc.)に譲渡され、この明細書において引用により援用される、「プリンタにおいて材料を一定量供給するための方法および装置(Method and Apparatus for Dispensing Material in a Printer)」と題された米国特許第6,324,973号にさらに記載されるように、一定量供給ヘッド118は、プリント位置まで下げられることによってステンシルに接触する。ステンシルプリンタ100は、一定量供給ヘッドがステンシルを横切って移動するのに伴い、SEMCOカートリッジの各々に加えられる空気圧を用いてはんだペーストを一定量供給ヘッド118からステンシル上に押しやることによって作動する。プリント位置において、2つのブレード(図示せず)がステンシルの上面と接触する。一定量供給ヘッドがステンシルを横切って移動する各方向に対してブレードの1つが後縁ブレードとなり、ステンシルから過剰なはんだペーストを掻き落とす。
【0028】
プリントの完了時にステンシルから一定量供給ヘッド118を持上げることが望まれる場合、一定量供給ヘッド118を持上げる前にコントローラ108は加圧空気のソースをオフにする。これにより、はんだペーストは、一定量供給ヘッド118が持上げられたときにチャンバ(図示せず)内に残り、プリントが完了したときステンシル上に残るはんだペーストの量を効果的に減らす。
【0029】
はんだペーストがプリント回路基板上に堆積された後に、プリント回路基板を自動的に検査するための機械視覚プロセスが実施される。検査のプロセスは、この発明の一実施例において、予め定められ、かつ、プリント回路基板上に配置されたコンタクト領域上にはんだペーストが適切に堆積されたかどうかを判定するために、質感を認識する方法を用いる。次に、この発明の実施例で用いられるはんだペーストの質感認識システムを説明する。
【0030】
図1Bを参照すると、スクリーンプリンタ100の機能ブロック図101が示される。図1Bでは、スクリーンプリンタ100が、物質102aが上に堆積された基板102を検査していることが示される。基板102は、一実施例において、プリント回路基板、ス
テンシル、ウェハ、または任意の平坦な表面を含み、物質102aは、はんだペーストを含む。
【0031】
図2Aおよび図2Bは、図1Bの基板102の代わりに用いられ得るプリント回路基板220の上面平面図を示す。プリント回路基板220は、興味の対象となる領域222とコンタクト領域224とを有する。プリント回路基板220は、トレース226およびビア228も有する。図2Aは、はんだペーストがコンタクト領域224上のどこにも堆積していないプリント回路基板220を示す。図2Bは、プリント回路基板220の予め定められたコンタクト領域224上に分配されたはんだペーストの堆積物228を示す。プリント回路基板220において、予め定められた領域224は、プリント回路基板220の、指定された興味の対象となる領域222の全体に分散する。
【0032】
図2Bは、はんだペーストの堆積物230とコンタクトパッド224とのミスアライメントを示す。はんだペーストの堆積物230の各々は、コンタクト領域の1つと部分的に接触している。しかしながら、はんだペーストの堆積物230は、良好な電気的接触を確保してパッド領域間におけるブリッジの形成(すなわち短絡)を防ぐために、一定の公差内でコンタクトパッド領域224とアライメントされるべきである。この明細書に記載されるこの発明の一実施例は、コンタクトパッド上でミスアライメントされたはんだペーストの堆積物を検出するために、質感の認識を用いた方法を開示し、その結果、プリント回路基板の製造歩留りを一般に改善する。
【0033】
再び図1Bを参照すると、この発明の一実施例において、はんだペーストの質感を認識するための方法は、物質102aが上に堆積された基板102の画像を取込むためにカメラ104を用いるステップを含む。カメラ104は、一実施例において、リアルタイムのアナログ信号105をフレームグラバー106に送信する電荷結合素子である。リアルタイムのアナログ信号は、物質102aが上に堆積された基板102の画像に対応する。カメラ104は、基板102のラスター型走査またはエリアスキャンを用いて、物質102aの画像を得ることができる。カメラ104は、一実施例において、ミラー、ビームスプリッタ、または別のカメラの組合せを用いることにより、基板102またはステンシル16の底面の画像も得ることができる。
【0034】
カメラ104は、アナログ信号105をフレームグラバー106に送信する。アナログ信号105は、基板102およびその上に堆積された物質102aの画像に関する情報を含む。フレームグラバー106は、アナログ信号105をデジタル化して、モニタ107上に表示され得るデジタル画像105aを生成する。デジタル画像105aは、予め定められた数の画素に分割され、これらの画素の各々は、(8ビット域において)0〜255のグレーレベルの輝度値を有する。アナログ信号105は、この発明の一実施例において、基板102およびその上に堆積された物質102aのリアルタイム画像の信号を表わす。しかしながら、代替的な実施例では、格納された画像が、コントローラ108に結合されたメモリ素子から送信される。さらに、用いられる輝度値は、基板102と物質102aとの画像を獲得するために用いられるカメラ104および他の装置に依存して、(16ビット域において)0〜65,535のグレーレベルに及び得る。
【0035】
フレームグラバー106は、プロセッサ116に電気的に接続される。コントローラ108は、プロセッサ116およびフレームグラバー106を含む。プロセッサ116は、基板102aの画像105aにおける質感の統計的変動を計算する。画像105aにおける物質102aの質感の変動は、基板102上における、物質の存在しない背景の特徴の相対的な輝度に関係なく計算され、それによってプロセッサ116は、基板102上の物質102aの位置を特定して、物質102aの位置と所望の位置とを比較することができる。この発明の一実施例では、物質102aの所望の位置と実際の位置との比較が、予め
定められたしきい値を超えるミスアライメントを示す場合、プロセッサ116は、誤差を減らすか、またはなくすための適合的手段で応答して、コントローラ108を介してアラームを作動させるか、または基板を除去することができる。コントローラ108はステンシルプリンタ100の駆動モータ120に電気的に接続されて、ステンシルおよび基板のアライメントだけでなく、プリントプロセスに関連する他の動作を容易にする。
【0036】
コントローラ108は、ステンシルプリンタ100の駆動モータ120、カメラ104、フレームグラバー106、およびプロセッサ116を含む制御ループ114の一部である。基板102上の物質102aがミスアライメントされている場合、コントローラ108は、ステンシルプリンタのフレーム12、したがって機械的に結合されたステンシル16のアライメントを調節するために信号を送信する。
【0037】
図3は、基板上のはんだペーストの堆積物を検査するための方法のフロー図300を示す。ステップ302は、基板102上に堆積された物質の画像105を取込むステップを含む。一実施例において、物質102aははんだペーストであり、基板102はプリント回路基板である。物質102aが上に堆積された基板102の画像105aは、リアルタイムで取り込まれるか、または、コンピュータのメモリから検索され得る。ステップ304は、プロセッサ116に画像105aを送信するステップを含む。検査方法の残りのステップは、プロセッサ116により実行される。ステップ306は、以下に説明する質感の感度のさまざまな演算子を用いて画像105aの質感の変動を検出する。質感の変動は、基板102上の物質102aの位置を特定するために用いられる。ステップ308において、プロセッサ116は、基板の特定の位置における質感の変動と、基板の予め定められた位置における質感の特徴とを比較するようにプログラムされる。ステップ310において、変動が予め定められた限度内にある場合、プロセッサ116は動的な適合的手段により応答して(ステップ314)、主なプロセスを一層精密に行なうことができる。変動が予め定められた限度外にある場合、ステップ314はステップ312を介して適切な復元手段を作動させ、基板を除去するか、プロセスを終了するか、またはコントローラ108を介してアラームを作動させる。関連する統計的プロセス制御(SPC)のデータは、他のプロセスデータとともにステップ316において記録され、ローカルな態様およびネットワークアクセスを介した態様の両方での観察および分析に利用され得る。
【0038】
上述のように、画像105aにおける質感の変動を検出するステップ、ならびに基板102aの位置および面積と、予め定められた位置および面積とを比較するステップは、プロセス116を用いる。
【0039】
プロセッサの機能
プリント回路基板224上のはんだペースト228を認識するためにプロセッサ116が用いる技術を次に説明する。この発明の一実施例により、プロセッサ116は4つの機能を実行する。この4つの機能は、画像の強調、質感の区分化、画像の位置の分析、およびプロセス制御である。
【0040】
以前に述べたように、既存のはんだペーストの検査システムは、はんだペーストを識別するために本来の画像における画素の輝度の差を単に用いる、基本的な一重しきい値方法または二重しきい値方法を主に用いる。この発明の実施例において、プロセッサ116は同じく一重しきい値技術および二重しきい値技術を用いるが、これらの技術は質感の感度のさまざまな演算子を用いて予め処理された画像に対して用いられ、それにより、一重しきい値および二重しきい値を用いて、この場合では相対的な質感に基づいて特定の領域を分離し、はんだペーストの堆積物の位置および面積を識別することができる。二重しきい値技術が好まれる。なぜなら、この技術が、質感ベースの画像における縁部の画素または不明瞭な任意の領域において、より正確かつ拡大縮小可能な移行部を提供するためである
。
【0041】
この発明の方法によって用いられる質感の感度の演算子は、鮮鋭化演算子と、ラプラス(Laplacian)演算子と、ブースティング機構を含む平滑化演算子とを含む。各演算子は、プロセッサの機能の一部として説明される。
【0042】
質感は、輝度の変動である。質感は特に、1つの画素から別の画素への輝度の局所的な変動を指す。したがって、輝度が画像における仰角として解釈される場合、質感は表面粗さの測定値である。
【0043】
この発明の一実施例では、画像105aの質感を検出するために、範囲演算子を用いることができる。この範囲演算子は、隣接部における最大輝度値と最小輝度値との差を表わす。範囲演算子は、本来の画像105aを、輝度が質感を表わす画像に変換する。具体的には、本来の輝度の特徴は消失し、異なる構造上の領域は、範囲の輝度により区別される。範囲演算子は、画像のエッジ境界を規定するためにも使用することができる。
【0044】
別の質感の演算子は、隣接する領域における分散量によって表わされる。この発明の一実施例において、プロセッサは、分散量を計算するようにプログラムされる。分散量は、本質的に、中央の画素の輝度とその隣接部の画素の輝度との差の平方和である。この平方和が隣接部内の画素の数で除算されることによって最初に正規化される場合、この結果は、値の二乗平均平方根(RMS)の差を表わし、表面粗さに対応する。これらの質感の感度演算子および方法は、機械視覚プロセスを行なうためにソフトウェア供給者により提供された初歩的なツールを用いて実現され得る。これらのプロセスは一般に、この明細書において引用により援用される、「画像処理ハンドブック第2版(The Image Processing Handbook, Second Edition)」においてジョン C.ラス(John C. Russ)により、および、「画像代数学におけるコンピュータ視覚アルゴリズムのハンドブック(Handbook of Computer Vision Algorithms in Image Algebra)」においてジェラルド X.リッター(Gerhard X. Ritter)およびジョゼフ N.ウィルソン(Joseph N. Wilson)により論じられている。
【0045】
この発明の一実施例において、プロセッサ116は、上述の質感の感度演算子を用いて別個の機能を実行するようにプログラムされる。プロセッサ116が実行する動作は、図4Aに示す機能ブロック図において論理的に示されている。ここでは、別個の動作が、機能ブロック間でのデータの共有を容易にする情報バス214により接続されていることが示される。プロセッサ116のフィルタリング部202は、質感の区分化のプロセスを実行する。プロセッサ116の獲得部206は、特定のコントラストおよび輝度を提供してランタイムの画像105aを強調するのに必要とされる利得およびオフセットを計算する。プロセッサ116の分析部210は、基板102上のはんだペーストの領域102aの位置および輪郭の分析を行ない、両方の分析値と予め定められたパラメータとを比較する。プロセッサ116のプロセス制御部212は、はんだペーストの領域102aの画像におけるエイリアシングを最小化するために用いられる。以下の内容は、プロセッサ116のさまざまな機能の各々の実施を論じたものである。
【0046】
フィルタリング部202
この発明の一実施例において、プロセッサ116のフィルタリング部202は、図4Bに示すラプラスフィルタ202Bを用いて画像のフィルタリングを行なう。ラプラスフィルタ202Bは、ラプラス演算子を含む。ラプラス演算子は、本質的に、輝度の線形の二次導関数に対する近似値である。この演算子は、画像の点、線、およびエッジを強調して、画像の、滑らかに変動する均一な領域を生成する。ラプラス演算子は、一実施例において、図5Aに示す3×3のマトリクスにより表わされる。カーネルと呼ばれる3×3のマ
トリクスは、マイナス4に等しい値を有する中央の画素を有し、このことは、画像105a内の中央の画素の輝度値がマイナス4で乗算されることを意味する。ラプラスカーネルでは、中央の画素の両側、上、および下に接触する4つの隣接部の値が1に等しい。したがって、画像105a内の中央の画素に対して4つの最も隣接する部分の輝度のレベルは1で乗算される。一般に、4つの隣接部は、中央の画素に対して北、東、南、および西の方向を用いて配置される。しかしながら、他の方向も可能である(図8A〜図8Hに図示)。
【0047】
カーネルの指定された画素は、対応するカーネル係数で乗算された後に、ともに加算される。この実施例において、ラプラスカーネルの係数の総和が0に等しいことに注意されたい。したがって、輝度が均一であるか、または輝度の均一なグラディエントを有する画像105aの領域では、このカーネルを適用した結果によりグレーレベルが0に下がる。しかしながら、不連続性、たとえば点、線、またはエッジが存在する場合、ラプラスカーネルの結果は、中央の点が不連続点上のどこに配置されているかに依存して、0ではないことが考えられる。
【0048】
画像105aが数百万個の画素に分割され得、かつ、この発明の方法が各画素とその隣接部とを比較するため、プロセッサの速度が生じ得る。しかしながら、この発明の実施例では、画素を取込んで処理するための時間を削減することによって検査システムの演算速度を上げるためのオプションが提供される。具体的には、基板102の、部分的に処理された画像のみを生じるために、フィルファクタオプションが選択され得る。このフィルファクタは、基板102の画像の計算された相当面積に到達するために、後のブロブ型演算子とともに使用され得る乗数である。
【0049】
フィルタリング部202で実行される画像フィルタリング方法は、鮮鋭化のステップをさらに含む。鮮鋭化のステップは、図4Bに示す鮮鋭化フィルタ202Aにより実現される。鮮鋭化フィルタ202Aは、不連続点の領域のコントラストを局所的に高めることによって画像105aを改良する。鮮鋭化フィルタは、特定の種類のラプラスフィルタとして説明することができる。上述のように、ラプラス演算子は、方向xおよびyにおける輝度(B)の線形の二次導関数に対する近似値であり、以下の式によって表わされる。
【0050】
【数1】
【0051】
上述の式(1.0)は、回転に対して不変であることから、不連続点が延びる方向に反応しない。ラプラス演算子の効果は、画像105a内の点、線、およびエッジを強調して、滑らかに変動する均一な領域を抑制することである。このラプラス画像自体は、解釈がそれほど容易ではない。しかしながら、ラプラス強調と本来の画像105aとを組合せることにより、全体のグレースケールの変動が復元される。この技術はまた、不連続点におけるコントラストを高めることによって画像を鮮鋭化する。
【0052】
この発明の一実施例で用いられ、コントラストを局所的に高める鮮鋭化フィルタ202Aの鮮鋭化カーネルを図5Bに示す。鮮鋭化カーネルの中央の重みが5の値を有することに注意されたい。この発明の別の実施例では、中央の重みがマイナス5であり、北、東、南、および西の隣接部が1で乗算される。
【0053】
鮮鋭化演算子とも呼ばれる鮮鋭化カーネルは、画像105aの縁部で生じるコントラス
トを改良する。この措置が正当である理由を、2つの異なる説明に見出すことができる。第1に、画像内のぼけは、以下の部分的な微分方程式に従う拡散プロセスとしてモデル化することができる。
【0054】
【数2】
【0055】
ここでぼけ関数は、f(x,y,t)であり、tは時間であり、κは定数である。式(1.2)が、時間τの付近でテイラー(Taylor)級数展開を用いて近似される場合、ぼけていない画像の輝度は以下のように表現され得る。
【0056】
【数3】
【0057】
より高次の項が無視される場合、式(1.4)は以下のようになる。
【0058】
【数4】
【0059】
したがって、ぼけていない画像の輝度Bは、ぼけた画像fからラプラス(時定数)を減算することによって復元され得る。
【0060】
この措置が正当である第2の理由は、フーリエ(Fourier)解析を用いて、ラプラス演算子の演算を、画像の輝度の高周波数成分と低周波数成分とを含むハイパスフィルタとして説明することに見出される。この手法では、平滑化カーネルをローパスフィルタとして説明する。このローパスフィルタは、付近の画素に輝度の変動を生じ得る雑音に関連する高周波数の変動性を除去する。反対に、ハイパスフィルタは、輝度の漸進的な全体の変動に対応する低周波数を除去する間に、これらの高周波数が残る(このフィルタを通過する)ようにする。
【0061】
したがって、プロセッサ116のフィルタリング部202により実行される画像のフィルタリング方法は、平滑化のステップを含む。平滑化のステップは、図4Bに示す平滑化フィルタ202Cにより実現される。平滑化フィルタ202Cを用いて、画像105aに関連する信号対雑音比が下げられる。本質的に、平滑化のステップは、空間平均化を行なう。空間平均化は、画像105aの小さな領域の各々における画素の輝度値をともに加算して、隣接部の画素数で除算し、結果的に得られた値を用いて新規の画像を構築する。
【0062】
この発明の一実施例では、用いられる平滑化の演算子を図5Cに示す。この実施例において、平滑化のカーネル内の中央の画素および隣接部の画素の値は、すべて1に等しい。ここで平滑化は、後のしきい値演算を介して分離されるべき、同様の質感を有する領域を平均化するために用いられる。
【0063】
平滑化の演算は、画像内の最大値を下げて最小値を上げる傾向がある。結果的に得られる画像は、明るい画素と暗い画素との比率に依存して、平滑化が適用されるのに伴い、明るくなるか、または暗くなることが考えられる。無数の平滑化の演算を行なうことにより、1つのグレーレベルのみを有する画像が最終的に生じる。この実施例では、暗い画素(低周波数を示す)がより一般的であり、総和は、各アプリケーションまたはパスの後に、9、すなわち使用された画素数で除算される代わりに、平滑化された画像を1.125倍で効果的に増幅するために8で除算され、それによって、後のしきい値演算に対してコントラストおよび輝度が改善されるようにする。このことは、数値的には等価であるがより速度の遅い8での除算よりも相対的に速い、3だけシフトする(バイナリ)演算を可能にすることにより、処理の速度も高める。この実施例において、最良の結果は一般に、上述のように6つの平滑化のアプリケーションまたはパスの後に観察される。
【0064】
この発明の別の実施例では、カーネル演算を実施することにより、信号対雑音比を下げることができる。カーネル演算は、各画素を、画素自体とその隣接部との平均で置き換えることによって実施される空間平均化である。この発明の一実施例において、コンピュータプログラムは、カーネル演算を実施し、鮮鋭化演算子、ラプラス演算子、および平滑化演算子を用いて、上述の画像の形態を計算する。
【0065】
獲得部206
この発明の一実施例において、プロセッサ116は、画像105aを観察または取り込むために用いられる自動的な利得およびオフセット(AGO)を提供する獲得部206を含む。一般に、リアルタイムの画像105か、格納された画像105aか、または画像105aの一部の輝度、コントラスト、または全体の品質を調節または強調するための任意の手段が適用され得る。このような強調は、以下のものに限定されないが、照明の設定か、または光学フィルタ、空間フィルタ、偏光子、もしくはそれらの組合せを含む任意の方法の使用を含み得る。この強調はさらに、収差、ビネット焼き、および照明に対して光学補正を行なうための、画像105a内の画素のソフトウェア操作をさらに含む。
【0066】
図6は、この発明の一実施例においてプロセッサ116の獲得部206を説明するフロー図500を示す。フロー図500によって示されるステップは、プロセッサ116内のソフトウェア、ハードウェア構成要素、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって実現され得る。図6を参照すると、システムパラメータがステップ502において手動または自動で設定され得、システムのデフォルトパラメータは、使用されるカメラ104の種類、およびさまざまな末尾位置に対する入力電圧を含み得る。末尾位置は、画像105aの輝度のヒストグラムの左(最も暗い)端部および右(最も明るい)端部または末尾を指す。
【0067】
ステップ504は、初期画像105を取込み、ステップ506では、この画像を分析するためのサンプリングウィンドウが規定される。サンプリングウィンドウは、手動または自動で規定され得、ステップ508および514で行なわれる計算に対する画像データのソースである。ステップ508は、画像105aの左末尾および右末尾を予め定められた位置に移動させるのに必要な利得およびオフセットを計算する。ステップ510は、ステップ508で計算された情報に基づいて第2の獲得を行い、後の演算に対する画像データのヒストグラム分布の調節および強調を行なう。この発明の一実施例において、ステップ510は、画像105aの画像の輝度およびコントラストをさらに改良するために、線形の展開およびシフトも実施する。
【0068】
この発明の一実施例において、実験結果は、一般的なプログラマブルアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を備えたビデオフレームグラバーおよび8ビットビデオユニット
を用いると、初期の限度が表1および表2において以下に示すように設定され得ることを示す。
【0069】
【表1】
【0070】
表1は、標準的なビデオ入力レベルの全範囲がデジタル化されたときに、クリッピングなしで8ビットADCの出力範囲の全体に及ぶことを一般に可能にする初期の8ビットADCコマンド値を示す。100IREが0.714ボルトに等しい、0(または7.5IRE)から255(または100IRE)までのグレースケール範囲に対し、オフセットおよび利得に対する初期のコマンド値がそれぞれ16および127であることに注意されたい。
【0071】
以下の表2は、ADCハードウェアの入力部を制御するために使用されるコマンド値の最大範囲および最小範囲を示す。また、入来するビデオ信号および予測される信号範囲の典型的な信号対雑音性能に基づき、調整限度もまた示される。
【0072】
【表2】
【0073】
以下の表3は、ADC利得およびオフセットのコマンド値を求めるために自動的な利得およびオフセット(AGO)関数により用いられる、典型的な目標の末尾位置を示し、このADC利得およびオフセットのコマンド値は、後の獲得で適用されると、興味の対象となる同様の領域または特徴の末尾を目標値まで制限する傾向がある。
【0074】
【表3】
【0075】
一般に、特定の画像処理タスクに対して、興味の対象となる領域または特徴を最適化する目標値が選択される。ステップ508では、表3に示す末尾位置63および191がAGO関数により用いられ、他の非ペーストの画像データの有効性に関係なく、はんだペーストの領域が強調される。代替的に、表3に示す末尾位置15および240を用いて、有効な画像データの全視野を提供することができ、かつ、8ビットグレースケールの各端部におけるクリッピングにより、後の獲得物の末尾を損失なくわずかにドリフトすることができる。
【0076】
この発明の一実施例において、ステップ508は、約120±3IRE、または0.835から0.878ボルトを超えるRS170/NTSC信号電圧に対するクリップ範囲の検出、警告、および補正方法を含む。プロセッサ116は、信号電圧が通常動作範囲内にとどまるように獲得パラメータを自動的に調整する。
【0077】
一般的なRS170/NTSCカメラは、120±3IREまたは約0.835から0.878ボルトに設定された出力信号のクリップレベルを有し、ここで100IREは、0.714ボルトに等しい。電圧がクリップ範囲を超える場合、警告のメッセージが送信されて、飽和が生じたか、または生じる可能性があることを示す。電圧がクリップ範囲よりも低い場合、方法はステップ510に進む。ステップ510は、新規に計算されたパラメータを管理して、さらに別の処理のために強調された画像105aを獲得する。ステップ512はステップ506で規定されたサンプルウィンドウの座標を再び呼出して、ステップ510で取込んだ新規の画像にこれらの座標を適用する。ステップ514は新規のサンプルウィンドウに対して統計ベースのAGO関数を実行して、最適なランタイム獲得パラメータおよび処理パラメータを求める。この発明の方法は、同様の統計的特性が、ランタイムで獲得される画像のペースト領域で確実に生成されるようにする。
【0078】
ステップ516において、この発明の方法は、予備的なランタイム獲得パラメータが予め定められたハードウェアおよびソフトウェアの限度内にあるかどうかを判定する。また、ステップ516では、カーネルの形状寸法および効果的なサンプリングレートを含む処理パラメータが、最大レベルの性能を提供するように最適化されているかどうかが判定される。処理パラメータがそのように最適化されていない場合、適切なシステムパラメータがステップ518において調整され、新規のパラメータがステップ510に挿入される。そして、ステップ510から516は繰返される。ランタイムパラメータが決定されると、それらのパラメータはステップ520においてメモリに保管され、この方法は終了する。
【0079】
プロセッサ116の部分206におけるAGOの効果を示すヒストグラムが図7A〜図7Bに示される。図7Aを参照すると、上にはんだペースト102が堆積されたプリント
回路基板220の本来の画像のヒストグラムが示される。ヒストグラムのx軸は、0から255のグレーレベルを示し、y軸は、各グレーレベルにおける画像の画素の数を示す。図7Bは、ペーストのコントラストが強調された同じ画像のヒストグラムを示す。図7Bはまた、255においてクリップされた、かなりの数の非ペーストの画素を示す。この発明の一実施例では、0から255(8ビットのグレースケールを示唆)に及ぶグレースケールレベルにおいて、本来の画像の左末尾は15に等しく、右末尾は240に等しい。この発明の別の実施例において、ステップ502は、プロセッサ116が初期の獲得パラメータを自動的に計算および設定することを可能にし、または代替的に、オペレータがこれらのパラメータを設定することを可能にする。この発明の別の実施例において、AGOを設定するステップ(ステップ502)は、オペレータが獲得パラメータを手動で設定することを可能にし、または、プロセッサ116がこれらのパラメータを自動的に計算および設定することを可能にする。
【0080】
上述のように、ステップ510は、ステップ508で計算されたパラメータに基づいて、興味の対象となる領域、この場合ははんだペーストを強調するために新規の画像105aを獲得する。この発明の一実施例において、図7Bを参照すると、強調された画像105aの左末尾および右末尾に対するグレーレベルは、15および255で生じる。この発明の一実施例において、図7Bを参照すると、ステップ508で計算されたパラメータに基づき、興味の対象となる領域、この場合ははんだペーストを強調するために第2のパスがステップ510において画像105aに対して実行されるのに伴い、調整された画像の左末尾および右末尾に対するグレーレベルが、15および255で生じる。プロセッサ116の獲得部206により実行される計算は、はんだペーストの領域の線形の展開およびシフトを生じ、それにより、興味の対象となるはんだペーストの領域が、末尾63と191との間で生じるようにする。図7Bはまた、ステップ508において計算されたパラメータが適用されたときに255を超えるであろう値のクリッピングにより、グレーレベル255において増大した画素数を示す。
【0081】
図7Aと図7Bとを比較すると、ペーストとして指定された領域におけるy軸の高さの低下は、等しい数のペースト画素が、より多くのグレーレベルの全体に再分配されたことを反映する。
【0082】
分析部210
プロセッサ116のロケータ分析部216は、予め定められたコンタクト領域224に対するはんだペーストの位置を決定するために用いられる。各領域の座標は、重心、ブロブ技術、相関、およびさまざまな他の探索ツールを用いて決定され得る。ブロブ技術および重心を用いるプロセスは周知であり、この明細書において引用により援用される、「画像処理ハンドブック第2版」第416〜431頁、第487〜545頁においてジョン C.ラスにより、および「画像代数学におけるコンピュータ視覚アルゴリズムのハンドブック」、第161〜172頁においてジェラルド X.リッターおよびジョゼフ N.ウィルソンにより論じられている。
【0083】
位置の分析の結果を用いて、ペーストの有無およびアライメントが検出され、したがって、ステンシル16と所望のコンタクト領域224とのアライメントが検出される。これらの結果は、他の適合的および補正的なプロセス制御手段に対する基礎も提供する。この発明の一実施例において、ロケータ部210により提供される情報は、一定量供給ヘッド118の動作パラメータを変更するために用いられる。
【0084】
はんだペーストの画像のアンチエイリアシング(プロセス制御部212)
プロセッサ116のプロセス制御部212は、はんだペースト領域102aの画像におけるエイリアシングを最小化するために用いられる。基板102上に堆積されたはんだペ
ースト領域102aのデジタル画像105aを得る際に、はんだペーストの質感の認識に固有ないくつかの条件が考慮される。具体的に、この発明の一実施例では、ペーストの粒径と、さまざまな倍率における画像105aの品質に対する、ペーストの粒径の影響とが考慮される。一般に、サンプリングレートがナイキスト(Nyquist)周波数を超えている限り、エイリアシングは回避され得る。しかしながら、はんだペースト領域を画像化する際に、粒径、焦点距離、倍率、およびCCD画像のスペーシング間の適切な関係なしにエイリアシングが生じることも考えられる。一実施例において、この発明の質感認識方法は、以下の表24に示される4つのタイプのはんだペーストを考慮する。
【0085】
【表4】
【0086】
一般に、異なる種類のはんだペーストは、粒径が異なることが多い。表24は、さまざまな種類のはんだペーストに関連する名目の粒径を列挙する。この発明の一実施例において、粒径の変動は最小倍率を生じ、この最小倍率により、はんだペーストの堆積物102aは、CCDカメラ104により効果的に観察されサンプリングされ得る。
【0087】
1組のシステム倍率(1画素につきミクロンまたはミルで測定される)が選択され、それによって表4に示すはんだペーストの各タイプがナイキストの限度においてサンプリングされる場合、互換可能な倍率の表が、表5において以下に示すように作成され得る。
【0088】
【表5】
【0089】
理論上、ナイキストの限度は、最高周波数であるか、またはこの場合、所定のシステム倍率で正確にサンプリングされ得る最小の粒径である。ナイキストの限度は、サンプリングレートの半分として規定され得る。
【0090】
論じられたように、はんだペーストの質感を認識する方法は、画像が焦点を鮮明に合わせられたときに顕著となるはんだペーストの隣接部の固有の特徴および統計値に依存する。この発明の一実施例において、ペーストの質感を正確にサンプリングするために、光学撮像ハードウェアが用いられる。この実施例において、ペースト粒子のサンプリング周波数は、エイリアシングを回避するために、システムのナイキストの限度よりも低い。代替的に、はんだペーストの固有の周波数特性が失われるように倍率が一般に制限され、ここでは制限されたエイリアシングが許容可能である。なぜなら、特にはんだ領域における、画像データの結果的に得られた特性が、ペーストの形跡を検出するために依然として使用され得るためである。
【0091】
この発明の一実施例において、プロセッサ116の性能は、周波数に依存するカーネルのサイズおよび形状を適用することにより、適切な倍率の範囲内で最適化される。主たる画素(通常は中央の画素)から適切な距離をあけて配置された、隣接する画素は、はんだ粒子の空間周波数に基づいて、手動または自動で選択され得る。この態様で処理カーネルの形状寸法を調整することにより、さまざまなペーストのタイプに適応するように効果的なサンプリングレートを調整することができる。この発明の一実施例において、センサのサンプリング周波数は、1ミリメートルごとの周期で測定された、相反する画素の中心対中心のスペーシングに比例し、正確にサンプリングされ得る最高周波数は、センサのサンプリング周波数の半分である。倍率は、はんだペースト領域の画像の取込みまたは処理に用いられる画素分散パターンの関数として記述することもできる。
【0092】
図8A〜図8Hは、領域全体におけるはんだペーストの堆積物を認識するために用いられる画素のさまざまな分散パターンを示す。画素の分散パターンは、ペーストの質感のスペーシングの構成に対する、サンプルカーネルの構成を示す。倍率に対して使用される画素の分散パターンは、はんだペーストの粒径に依存する。図8A〜図8Bおよび図8E〜図8Fにおいて、画素の分散パターンは、中央の画素と隣接する画素とが接触することを示す。図8C〜図8Dおよび図8G〜図8Hにおいて、中央の画素および隣接する画素は、さまざまな距離分だけ隔てられていることが示される。これらの距離は、中央の画素上に中心が定められた円の直径(ミクロンおよびミルで測定される)により表わされる。半径は、効果的な画素のスペーシング、またはサンプリングレートに対応する。したがって、直径は、ナイキストの限度を表わし、または、示されたカーネルの形状寸法を用いて効果的にサンプリングされ得る理論上のペーストの最小粒径を表わす。これらの距離は、興味の対象となる円形の領域の直径(ミルで測定される)により表わされる。図8A〜図8Dに示すこの発明の一実施例において、各画素は0.6621ミルを表わし、興味の対象となる円形の領域は、その直径が1.3242ミルから3.7454ミルまで変動する。図8E〜図8Hにおいて、各画素は0.4797ミルを表わし、興味の対象となる円形の領域は、その直径が0.9594ミルから2.7136ミルまで変動する。
【0093】
カーネルの構成は、図8A〜図8Hに示されたものに限定されず、一般に、画素間の接続性は必要とされない。
【0094】
質感の認識の実験結果
上で論じたように、この発明の一実施例は、デジタル画像に対する統計的演算および形態学的演算との組合せを用いて、プリント回路、ステンシル、ウエハ、または任意の基板上における、はんだペーストの質感の領域の領域と、特徴が豊富な他の非はんだ領域とを分離する。図9A〜図9Dは、この発明の一実施例を用いるシステムの結果を示す。
【0095】
図9Aは、はんだペーストの領域804および非ペーストの特徴が上に分散されたプリント回路基板802の、彩度を有さない生の画像データである。この生の画像は、コンタ
クト領域810に至る回路トレース808の輪郭を描く、明確な縁部806と、コンタクト領域が始まる明確な分離線812とを示す。
【0096】
図9Bでは、この発明の方法を用いて処理された画像の結果が示される。処理された画像は、図9Aでは見られなかったはんだブリッジ814を示す。図9Aに示される縁部806、トレース808、コンタクト領域810、および分離線812を含む非ペーストの特徴が、興味の対象となる領域816内で白い領域として示され、はんだペーストの領域818が黒く示されていることに注意されたい。出力画像において、はんだペーストの存在は黒い領域によって表わされ、完全に黒というわけではなく、または完全に白というわけではない領域は、ペーストの縁部またはその位置での不明瞭な他の何らかの領域における、拡大縮小可能な移行領域を示す。したがって、拡大縮小可能なグレーの領域820は、小さなはんだ堆積物の位置および面積を正確に報告する能力を高める。この小さなはんだ堆積物において、縁部は総面積のうちの大きな割合を占め、或る一定の条件下では、画像の品質、輝度、およびコントラストの変動に対し、より大きな許容度を有する。
【0097】
図9Cには、はんだペーストの領域804および非ペーストの特徴が上で分散する同じプリント回路基板802の、彩度を有する生の画像が示される。この生の画像は、コンタクト領域810に至る回路トレース808の輪郭を描く、明確な同じ縁部806を示す。しかしながら、図9Aに示す、明確な分離線812と、トレース808およびコンタクトパッド810のグレーレベルの表現とは、図9Cにおいて判別不可能である。図9Cは、上述の画像のいずれにおいても観察されなかった、プリント回路基板上の傷822も示す。
【0098】
図9Dは、この発明の方法を用いて処理された、彩度を有する生の画像である。図9Dに示す、処理された画像は、はんだブリッジ814を表わす。非ペーストの特徴816は図9Dにおいて白で示され、ペーストの縁部820および不明瞭な領域はグレーで示され、はんだペーストの領域818は黒で示されて、100%のはんだペーストが検出される領域を表わす。基板上における、図9Cに示す傷822を含む非はんだペーストの領域が、この発明の方法の適用時に無視されることに注意されたい。グレーレベルは、プリント回路基板上の必須ではない特徴と、はんだペーストの堆積物との間に位置する領域を表わす、拡大縮小可能な領域である。グレースケールの情報により、縁部の画素と不明瞭な任意の領域との比例計算が可能になる。したがって、拡大縮小可能なグレーの領域は、黒または白のいずれかであるバイナリ画像よりも、はんだペーストのコンタクト領域の品質に関してより多くの情報を観察者に伝える。
【0099】
図10A〜図10Cおよび図11A〜図11Cは、この発明の一実施例を用いるシステムからの画像の比較を提供する。図11Aは、彩度を除き、図10Aと同じ生の画像を示す。この生の画像は、この発明の方法を用いて処理される。処理された画像は、一重しきい値技術の適用によってバイナリに、すなわち黒もしくは白にされ得、または処理された画像は、二重しきい値技術の適用によって拡大縮小可能なグレーの範囲を有し得る。上で説明したように、二重しきい値により、はんだの縁部および不明瞭な他の領域における移行領域を適切に説明することができる。したがって、この発明の方法は、縁部が総面積の大きな割合を占める小さなはんだ堆積物の領域を正確に報告するための、品質制御用ソフトウェアプログラムの能力を改善し、この発明の方法は、画像の品質、輝度、およびコントラストの変動に対してより大きな許容度を有する。
【0100】
図10A〜図10Cは、一重しきい値プロセスおよび二重しきい値プロセスが画像に対して実施されたときの、彩度を有さない生の画像間の比較を行なうための一連のボールグリッドアレイ(BGA)の画像を示す。図10Aは、彩度を有さない、未処理かつ生のBGA画像1002と、予め定められたコンタクトパッド1004のアレイを示す。図10
Bは、図10Aに示す生のBGA画像に対して実施された一重しきい値プロセスの結果を示す。図10Cは、図10Aに示す生のBGA画像に対して実施された拡大縮小可能なグレーレベルを用いる二重しきい値プロセスの結果を示す。縁部および不明瞭な領域は、グレーの影の中に存在する。不明瞭な領域の1つは1006に現われる。
【0101】
図11A〜図11Cは、一重しきい値プロセスおよび二重しきい値プロセスが画像に対して実施されたときの、彩度を有する生のBGA画像1002との比較を行なうための一連のBGA画像を示す。図11A〜図11Cはまた、彩度を有するこの発明の一実施例を用いるシステムからのボールグリッドアレイ(BGA)からの画像の比較としても働く。図11Aは、予め定められたコンタクトパッド1004のアレイと、彩度を有する未処理かつ生のBGA画像1002とを示す。図11Bは、図11Aの生のBGA画像1002に対して実施された一重しきい値プロセスの結果を示す。図11Cは、図11Aの生のBGA画像に対して実施された拡大縮小可能なグレーレベルを用いる二重しきい値プロセスの結果を示す。縁部および不明瞭な領域は、グレーの影の中に存在する。不明瞭な同じ領域1006は、図10Cおよび図11Cの両方に現われる。
【0102】
図10Bおよび図10C、ならびに図11Bおよび図11Cは、この発明の方法が、非ペーストの特徴内の画像の輝度およびコントラストの有意な変動を許容することを示す。これらの変動は、非線形の輝度の変化、および非ペーストの特徴の彩度またはドロップアウトによるデータの損失を含む。
【0103】
図12は、この発明の一実施例を用いるシステムの、平滑化された結果のヒストグラム1200を示す。このヒストグラムは、3つの領域、すなわち、非はんだ領域1202、移行領域1204、およびはんだペーストの領域1206に分割される。ヒストグラム1200は、平滑化された画像の質感に対応する画素の輝度の分布を示す。一実施例において、平滑化された画像は、はんだを白として表わし、非はんだを黒として表わす。したがって、ペーストの画素1206はヒストグラムの右端を好み、非ペーストの画素1202は左端を好む。画像内の縁部に対応する、移行する画素1204は、はんだ領域と非はんだ領域との間の領域に示される。この発明の別の実施例において、平滑化された画像は、はんだを黒として示しかつ非はんだを白として示すように反転される。
【0104】
ブリッジの検出方法
図13は、基板上に堆積されたはんだペーストを検査するための先行技術のプロセスのフロー図である。最初の動作として、たとえばエリアスキャンカメラまたはラインスキャンカメラにより、基板の部分の画像が獲得される(ステップ1300)。図14は、図13のステップ1300で獲得された画像の例示的な一例を示す。図14は、はんだペーストのグレースケール画像である。ステップ1300で獲得された画像は処理されて、それにより、ペーストで被覆された基板の領域が、より容易に識別される(ステップ1310)。たとえば、ペースト検出(ペースト認識とも呼ぶ)プロセスが画像に対して行なわれ、はんだペーストと非はんだの特徴(伝導パッド、基板等)とを分離して、新規の「ペーストのみの」画像を作成する(ステップ1310および1330)。図15は、図14の画像に適用されたペースト検出に基づいた、重み付けされたペーストのみの画像の一例である。結果的に得られた画像は、この段階において、ペースト堆積物の品質、位置、または重要性を求めるためにペースト検出中に必ずしも分析されない。その代わりに、分離プロセス(ステップ1340)を用いてペーストのみの画像を分析することができる。
【0105】
はんだペーストの情報と非ペーストの情報とを分離するために、多くの異なる技術を用いることができる。1つの公知の技術がしきい値化であり、このしきい値化を用いて、輝度か、または或る種の光の下での可視度等のいくつかの他のパラメータに基づき、画像を部分に分割することができる。ペースト領域および非ペースト領域を示すバイナリ画像を
作成するために、一重しきい値(または輝度レベル)が選択される。しきい値技術は、興味の対象となる領域に画像を区分化し、しきい値外にあるすべての他の領域、すなわち、不可欠であると思われないすべての他の領域を除去する。たとえば、はんだペーストに蛍光染料を加えて、特定の種類の光の下でペーストのみが視認され得るようにすることができる。図16は、UV強化された蛍光ペーストの赤緑青(RGB)画像であり、図17は、「一重しきい値」方法を用いた、「青色」光のチャネルからのペーストのみのバイナリ画像である。二重しきい値方法は同様に作用するが、縁部の画素をより正確に明らかにするために、しきい値間における輝度のレベルの、拡大縮小可能な移行領域を含む。二重しきい値方法は、時として一重しきい値よりも好まれる。なぜなら、小さなペーストの特徴が、相対的に有意な量の縁部のデータを含み得るためである。
【0106】
ペースト検出のための別の公知の技術が、画像の差分処理(subtraction)である。差分処理方法は、1つの画像を別の画像から差分処理することによって「異なる画像」を作成する。差分処理ベースのペースト検出方法の中には、基準画像と新規に取込まれた画像との差を比較してペーストを検出するものがある。いくつかの例において、これらの画像は、エラーを最小にするために、差分処理の前に互いに正確に登録されなければならない。多くの基準画像を収容するために、相対的にかなりの量のコンピュータ記憶機能、データ検索機能、およびメモリバッファ機能が必要とされ得る。理想的には、1組の完全な基準画像が1回のみ獲得される必要があるが、その獲得を行なう際に、それ以外の点では同一の基板間で見受けられる典型的な変動が、性能に悪影響を及ぼすおそれがある。このような問題を避けるために、検査されるべき各基板に対して新規の基準画像が獲得され得るが、このことはプロセスの速度をかなり下げ得ることが考えられ、高速の製造環境で使用するには不適切であることが考えられる。しきい値化および/または画像の差分処理技術の変形例は、地形学的な画像を作成するためのレーザプロファイリングの使用、およびx線技術を含み得る。これらの方法および他の方法は、後の分析に備え、ペースト領域と非ペースト領域とをより良好な態様で分離するように意図される。
【0107】
しきい値化および画像の差分処理で生じ得る1つの欠点は、はんだペーストの輝度のレベルと背景の輝度のレベルとがしばしば部分的に重複し得ることである。この部分的な重複は、はんだペーストの画像と背景の情報とを効果的に分離することを、不可能とは言わないまでも困難にし得る。加えて、このような状況下ではペーストの堆積物の面積および位置を確実に特定できないことから、統計的プロセス制御(SPC)データおよび適合的制御応答の値を制限してしまう。
【0108】
プリント回路基板上のはんだペーストの領域を識別する1つの理由は、ブリッジ等のはんだの欠陥を検出することである。はんだペーストのプリント動作において、「ブリッジ」という用語は、プリントの欠陥を記述することができ、ここでは何らかの量のはみ出したペーストが、隣接するパッド間のギャップに跨る(もしくはほぼ跨る)か、または、何らかの量のはみ出したペーストが、予め定められた限度を超えてパッド間のギャップに跨る。はんだペーストのブリッジが、臨界寸法では後の還流動作中に後退しないことが考えられ、最終的なアセンブリで短絡または関連する他の欠陥を生じるため、ブリッジは重大であり得る。ブリッジが、プリントおよび/またはペーストの欠陥の唯一のタイプではない。他の欠陥、たとえば過剰なペースト、プリントの規定不良、およびアライメント不良もまた、同様の欠陥、特に「短絡」が、後に組み立てプロセスにおいて本来の欠陥の位置に出現し得る可能性を増大させるおそれがある。
【0109】
はんだペーストの堆積プロセスに関連する歩留まりを上げるための1つの手法が、プリント動作の直後にプリントの欠陥を検出し、電気的構成要素を配置する前に、欠陥を有する基板を除去することである。これにより、面実装技術(SMT)の製造業者は、欠陥を有する基板の組立で浪費されていたはずの時間を節約し、コストのかかる再加工を避ける
ことができる。欠陥が任意の特定の部位において報告されるか否かにかかわらず、SPCデータを収集および使用して、望ましくない傾向がプロセスに対して重大な意味を持つ前にそれらの傾向を監視して補正することができる。
【0110】
ブリッジ、ブリッジ様の特徴、および他のプリントの欠陥の査定は、厳しい規則または限度をほとんど伴わない主観的なタスクであり得る。「ブリッジ」、「ブリッジ様」、「過剰なペースト」等のプリントの欠陥の主観的な記述は、プリントの欠陥の主観的な記述として考察され得る。さらに別の技術的な評価を用いずに、これらの主観的な記述のいくつかまたはすべてを用いて、ブリッジに関連する欠陥等の欠陥が後に所定のプロセスで現われるかどうかを予測すること、またはこのような欠陥の可能性が増大するプロセスの傾向の存在を示すことは難しい。
【0111】
ブリッジを検出するために用いられる公知のいくつかの技術、たとえばいわゆる単純な「ブロブ」および「境界ボックス」技術に加え、興味の対象となる領域(パッド間のギャップ等)におけるペーストの面積にのみ依存するブリッジ検出技術は、バイナリ「雑音」を受けることが考えられ、「ボックス」または興味の対象となる領域内における特徴の形状寸法または実際の重要性についての情報をほとんど提供しないことがあり得る。さらに、ギャップ内のペーストの限度は、間違った検出を避けるために、相対的に高く設定されなければならないことが多い。これらの方法はいずれも、効果的かつ予防的なプリントプロセス制御で使用するために、一貫した信頼可能な態様で、部分的なブリッジ形成またはブリッジ様の傾向を検出することができない。
【0112】
上述のとおり、はんだペーストの質感認識方法は、基板上で生じる特定の欠陥、たとえばブリッジを検出するために用いることができる。はんだペーストプリント動作において、相対的に明確なペーストの堆積物がパッド間のギャップに跨る(またはほぼ跨る)ときに、またはペーストの堆積物が予め規定された限度を超えるときに、ブリッジまたはブリッジ様の特徴が生じ得る。ペーストの特徴のスパンがギャップを横切って増大するにつれて、プロセスに対するその特徴の重要性も高まる。いわゆる「典型的な」ブリッジはギャップ全体に跨るが、スパンのみが、後のプロセスにおいて関連した欠陥が発生することを保証しない。フルスパン未満のものも同様に問題を生じるか、または同様に悪影響を及ぼし得る。さらに別の特徴を考慮して、プロセスに対する欠陥の真の重要性を測定しなければならない。
【0113】
ブリッジに沿った部分が狭いか、もしくは「弱い」ことが考えられるにもかかわらず、またはそのブリッジ様の形状寸法がわずかなものであり得るにもかかわらず、後の還流動作中の或る時点でブリッジの生じる可能性が、含まれるペーストの量、位置、および形状寸法に依存することが分かっている。ペーストの特徴により被覆される領域が増大するにつれて十分なスパンがギャップ全体に存在すると、ペーストがブリッジに関連する欠陥を生じる可能性も高まる。
【0114】
ブリッジの特徴に沿った最も細い地点、いわゆる「最も弱い接合部」は、後の還流動作中にブリッジが破損して後退する可能性または傾向を示し得る。ブリッジに沿った部分が十分に狭い場合、ペーストがこの地点から破損して後退する可能性は、その最も狭い地点で相対的に(または極めて)広いままである堆積物の可能性よりも大きいことが考えられる。十分なスパンがギャップ全体に存在し、かつ、後の還流動作中にもブリッジを維持するほどブリッジを形成するペーストの総量が十分である場合、ペーストの特徴の幅または「バルク」が増大するにつれ、ペーストの特徴が、ブリッジに関連する欠陥を生じ得る可能性も増大する。
【0115】
別のタイプのプリントの欠陥が、いわゆる「一般的な」プリントの欠陥である。ギャッ
プ内での形状または位置に関係なくペーストの総量が予め規定された限度を超えたときに、一般的なプリントの欠陥が生じる。一般的なプリントの欠陥が検出される際に、実際のペーストのブリッジを確認する必要はなく、基板が欠陥を有することを決定するために、欠陥のさらに別の特徴は必要とされない。一般的なプリントの欠陥の状態は、ブリッジに関連する欠陥(短絡等)が、後に組み立てプロセスでプリントの欠陥の位置において現れ得る高い可能性を伴った、プリントの品質不良、アライメント不良、ブリッジ形成、またはこれらのすべてを一般に示す。ギャップ内にペーストが存在する一般的な欠陥については、ギャップ内に見受けられるペーストの総面積に対して、ユーザが規定した限度が適用される。
【0116】
ブリッジの正確な検査は、多くの一般的なSMTのプリントの欠陥を検出するためだけでなく、プロセスにおける望ましくない傾向を補正するための必要不可欠な手段であり得る。ギャップ内にペーストが存在する、相対的に重要ではない領域が、ギャップ全体に有意なブリッジの形状寸法を与えることが考えられ、かつ、その逆も考えられるため、ギャップ内にペーストが存在する測定値および幅の測定値の両方が、プロセスに対するブリッジ様の特徴の真の重要性を信頼可能な態様で求めるために必要とされる。
【0117】
この発明の一実施例は、ギャップ内にペーストが存在する領域の信頼可能な測定を行い、かつ、ブリッジ様のペーストの特徴が面実装技術(SMT)の組み立てプロセスに関連する際にこれらの特徴の有意な形状寸法およびスパンを検出する、ギャップの欠陥を分析するためのシステムおよび方法を提供する。一実施例では、ギャップ内のペーストの総量と、ギャップを横切るブリッジ様の特徴の有効スパンとを共に用いて、特定のペーストの特徴がブリッジに関連する欠陥を生じる可能性を求める。
【0118】
図18は、この発明の一実施例に従った、プリントの欠陥を検出するシーケンスのフロー図である。この発明は、画像が適切な態様で「ペーストのみの」画像に区分化される(またはされ得る)限り(ステップ1810)、実質的に任意の態様で獲得された画像を用いることができる(ステップ1800)。この画像は一般に、「デジタル化された」画像と呼ばれるものであり得る。この明細書で「処理された画像」とも呼ばれる、ペーストのみの画像は、たとえばバイナリ画像であり得るか、または、縁部および不明瞭な他の領域における移行領域を適切に明示するための、重み付けされたグレーレベルを有し得る。いわゆる「平準化」または「視野平坦化」技術を含むさまざまな画像強調技術の使用は、獲得された画像に対して適用され、処理の第1段階中に結果的に得られるペーストのみの画像の信頼性を最終的に高め得る。
【0119】
この発明の少なくとも一実施例において、ペーストのみの画像は、重み付けされた画素を用いる。重み付けされた画素値を使用することによって、この発明のブリッジ分析能力が高められて、領域が正確に報告され、したがって、縁部が総面積の大きな割合を占め、かつ、或る一定の条件下で画像の品質、輝度、およびコントラストのより小さな変動に対してより大きな許容度を有する、小さなはんだ堆積物の重要性が正確に報告される。加えて、重み付けされた画素値を用いることにより、特に、相対的に少ない画素またはサンプル点を含む特に小さなギャップ領域において、より正確なブリッジ検出結果を得ることができる。この発明の一実施例では、256個の素子のルックアップテーブル等の予め定められたルックアップテーブルを用いて、極めて反復的で冗長なランタイムの数学的演算を必要とせずに、ペーストのみの画像1810の作成中に、画素に対しランタイムで効果的に重み付けが行なわれ得る。
【0120】
「ペーストのみの」画像は、この明細書で説明した、獲得された画像に対する一重しきい値または二重しきい値の直接的な適用、画像の差分処理技術、および質感ベースの区分化技術を含む、上述の方法を介して作成され得るが、これらに限定されない。以前に述べ
たように、ペーストのみの画像を作成するための他の使用可能な技術は、UV染料で強化したペースト、レーザプロファイリング、地形学的なデータの2D表現(すなわち、「体積要素」または「ボクセル」の画像)を作成するためのインターフェロメトリの使用およびx線技術を含む。区分化されたペーストのみの画像を生成するための、現在公知の多くの方法および今後開発されるべき多くの方法が、この発明の少なくともいくつかの実施例において使用可能であることを当業者は認識するであろう。
【0121】
図18を再び参照すると、ペーストのみの画像内で(ステップ1810)、興味の対象となる領域が規定される(ステップ1820)。一実施例において、興味の対象となる領域は、そこに堆積された物質の量および特性を認識することが所望される領域である。たとえばPCB、ウェハ、ステンシル、または同様の基板上における、この興味の対象となる領域は、ブリッジまたはブリッジ様の特徴の存在が望ましくない、パッドまたは開口部間のギャップであり得る。以下に示す図19A〜図19Cおよび20A〜図20Cは、「興味の対象となる領域」を示す、ペーストのみのランタイム画像を示す。
【0122】
図19A〜図19Cは、この発明の一実施例に従った、興味の対象となる領域の一例を含む、例示的な特徴を備えたランタイム画像の詳細である。図19A〜図19Cは、はんだペースト1903におけるブリッジ様の特徴1900と、いくつかの典型的な非ペースト(基板)の特徴との拡大図を示す。図19Aは、図19Bに示すランタイム画像の第1の部分の拡大図であり、図19Cは、図19Bのランタイム画像の第2の部分の拡大図であって、ブリッジ様の特徴1900とはんだペースト1903とを含む。非ペーストの特徴は、たとえば、剥き出しの基板1906、剥き出しのトレース1910、トレース1910上のマスク1915、および剥き出しのパッド1920を含む。図19Aおよび図19Bはまた、第1のはんだパッド1925と第2のはんだパッド1930との間のギャップ1922も示す。この例において、はんだペースト1903は、第1のはんだパッド1925の右側にシフトして、ギャップ1922内に入っている。
【0123】
図20A〜図20Cは、図19A〜図19Cのそれぞれに示す画像の、対応するペーストのみの図である。図20A〜図20Cは、この明細書に記載された質感ベースの方法に従って作成されたペーストのみの画像の例である。上述のように、質感ベースの画像は、適切な複数のペーストのみの画像の一例に過ぎない。図20において、考えられるブリッジ様の特徴1900は円で囲まれている。
【0124】
再び図18を参照すると、この発明の少なくとも一実施例において、図20Bのペーストのみの画像はステップ1810に対して用いられ得、図19Aおよび図20Aに示される、興味の対象となるギャップ領域1922は、ステップ1820に対して用いられ得る。しかしながら、少なくとも一実施例において、ステップ1820および1810を逆にすること、すなわち、獲得した画像において興味の対象となる領域を規定してから興味の対象となる領域のみのペーストのみの画像を作成することが可能である。このことを行なうことによって処理時間を節約することができる。この発明の少なくとも一実施例において、ステップ1810のペーストのみの変換は、ステップ1820で規定された、すべてのサブ領域を含むことが必要とされる領域ほど大きくない領域の全体に実施される。
【0125】
ステップ1850では、投影およびスライディング平均方法(図21および以下の記述を参照)が、適切に区分化されたペーストのみの画像に対して用いられ、興味の対象となる指定された領域内における有意なブリッジまたはブリッジ様の特徴が最終的に検出および分析される。加えて、図22および関連する説明で述べられるように、ユーザが規定する入力がステップ1827において設定される。ユーザが規定するこれらの入力は、パッド上のペーストの面積の測定(ステップ1830)およびギャップ内のペーストの測定(ステップ1840)、およびブリッジの特徴の分析(ステップ1850)を行なうことを
助ける。
【0126】
簡単に図22を参照すると、図22は、この発明の一実施例に従って実現されるシステム2200の入力および出力を示す包括的なブロック図であり、ユーザが規定するいくつかの入力2210が示される。これらは、ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215、ブリッジ検出システム2220の主観的な「感度」の設定値2220、およびギャップを横切る有意なブリッジの特徴の、容認可能な最大スパン2225を含む。
【0127】
ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215は、その量のペーストが用いられて有意なプリントの欠陥を示す前に、ギャップ内に存在し得るペーストの最大量としてユーザが指定したものを表わす。たとえば、この最大量は、名目上のギャップ領域の割合、たとえば55%として表わされ得、ギャップ内にペーストが存在する欠陥が生じたと言われるまでに、名目上のギャップ領域の55%までがペーストによって被覆され得ることを意味する。これらの数字は単に例示である。
【0128】
「感度」の設定値2220は、ステップ2230におけるスライディング平均ウィンドウ(平滑化カーネルとしても公知)のサイズを計算するために用いられ、後に説明するように、投影されたデータに適用される平滑化またはフィルタリングの程度を最終的に決定する。これにより、相対的な意味においてスパンの測定で考慮されるべきブリッジの特徴の最小幅または「バルク」をユーザが指定することを可能にし、このことは好ましい。代替的に、ユーザは、画素、ミル、およびミクロンを含む、より直接的な単位で「感度」を入力することができる。この明細書に記載するこの発明の実施例において、平滑化カーネルの幅2230、したがってブリッジの特徴と考えられる特徴の最小幅は、5画素幅、10画素幅等の画素で測定される。これらの数は単に例示であり、当然ながら、所望されるブリッジ検出感度のレベルに依存して変化する。
【0129】
ギャップを横切る有意なブリッジの特徴の容認可能な最大スパン2225は、ブリッジの特徴等の特徴が、興味の対象となる領域、たとえばパッド間のギャップを横切って延び得る最大量としてユーザが指定したものを表わす。たとえば、これは、「ブリッジ形成」の軸に対して平行な方向におけるギャップの幅(または長さ)の70%等のギャップの割合として表現され得る。この数字は単に例示である。
【0130】
スライディング平均ウィンドウのサイズ2230は、一次元平滑化カーネルのサイズであり、このカーネルは、ギャップの投影された値を平滑化するためにこの発明の少なくとも一実施例で用いられる。このカーネルは、プロセスに対して重要であるとは考えられない、対応するレベルの精密な詳細を除去する間に、投影部に沿った各地点において局在化された平均を提供する。この特徴はこの明細書でさらに説明する。一例として、スライディング平均ウィンドウの大きさは、5画素等の画素で測定され得る。少なくとも一実施例において、スライディング平均ウィンドウのサイズ2230は、有意なブリッジの特徴であると考えられる特徴の最小幅に少なくとも部分的に基づく。ステップ2220の感度の設定は、ステップ2230において、スライディング平均の幅を最終的に画素で決定する相対的な用語(低い、中間の、高い等)で表わされる。
【0131】
図18を再び参照すると、ステップ1830の、パッド上のペーストの面積の測定値は、興味の対象となり、かつ、パッドを取囲む、わずかに拡大された領域内で見受けられるペーストの量の単純な測定値である。これは、当業者に公知の二次元の表面積の測定値であり、ギャップ内にペーストが存在する一般的な領域の測定値と同様である。パッド上のペーストの面積の測定は、ペーストの検査に対して用いられる、最も一般的に適用される最も単純な先行技術である。この測定は、この明細書において、動作の好ましい態様の一部として含まれる。なぜなら、この測定が、ペーストのみの同じ画像を共有し、かつ、こ
の発明で説明されるギャップ領域およびブリッジの分析とともに用いられて、プリントプロセスの制御に対してより包括的な1組のデータを提供し得るためである。そうでなければ、興味の対象となる領域内の、パッド上のペーストの面積の測定値(ステップ1830)は、ギャップ内にペーストが存在している一般的な面積の測定値(ステップ1840)およびブリッジの特徴の測定値(ステップ1850)から独立している。ギャップ内にペーストが存在する領域の測定(ステップ1840)は、ギャップ内で容認されるペーストの最大量2215の、ユーザが規定する入力に例えられる。したがって、ステップ1830および1840を用いて、興味の対象となる領域内における一般的なプリントの欠陥(上述)の検出を助ける。一般的なプリントの欠陥が検出された場合、検査されている基板は直ちに除去され得る。
【0132】
興味の対象となる領域内のブリッジの特徴は、ステップ1850において分析される。図21は、この発明の一実施例に従った、ステップ1850のブリッジの特徴の分析のためのプロセスのフロー図である。図21において、ブリッジ様の特徴の重要性を推定するために、興味の対象となる領域に一対の垂直な軸が割当てられ(ステップ2100)、それによってペーストのみの画像は、まず、興味の対象となる領域の1つの軸上に最初に投影され得る。たとえば図23A〜図23Cは、この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なランタイム画像、ペーストのみの画像、および投影されたペーストのみの画像のプロット(ギャップは、例示の目的のためだけに、興味の対象となる領域として指定される)である。図23Aは、ギャップ内のペーストの「ランタイム」の画像である、興味の対象となる領域(たとえば図18のステップ1820が後に続く図18のステップ1800に対応する)の例である。図23Bは、図23Aのランタイムの画像のペーストのみの画像である。これは、スライディング平均または移動平均である。指定されたカーネルの大きさによって、投影された初期値を平滑化することにより、新規のアレイが作成される。結果的に得られる数は、ギャップに沿った各地点におけるペーストの有効スパンを示す。
【0133】
加えて、図23Bにおいて、ステップ2215ではギャップ内のペーストの被覆率が45%に定められていることに注意されたい。
【0134】
再び図21および図23A〜図23Cを参照すると、図23Cは、ギャップ領域の画素の寸法に対応するX軸およびY軸を備えたプロットである。このY軸は、一般的にはより長い、ギャップの「非ブリッジ化」の軸に対応し、X軸は、ギャップの「ブリッジ化」または「スパン」の軸に対応する。当然ながら、これらの軸は、どちらが「ブリッジ化」の軸であるかに依存して、逆にすることができる。ステップ2110において、興味の対象となる領域内のペーストは、ギャップの1つの軸に効果的にアライメントされ、かつ、スパンまたは「ブリッジ化」の軸に対して垂直な一次元アレイ2305に変換される。この一次元アレイは、一実施例において、興味の対象となる領域の1つの軸に沿った画素データの単純な「投影」として当業者には広く公知のものによって作成される。たとえば、図23Bにおいてギャップの長さに沿った、この場合はほぼ位置38におけるY軸を参照すると、ギャップのスパン全体の画素のすべてがともに加算されている。その総数を、最大の8ビットグレーレベルである255で除算して、Y軸に沿ったこの位置において画素を単位とした等価のスパンを得る。この値は、図23C内のX軸に沿って、約12画素のギャップのスパンの地点においてプロットされるか、または16画素のスパンのギャップ全体の約75%の地点でプロットされる。
【0135】
一次元アレイ2305または投影は、次に平滑化されて、相対的に弱いか、または重要ではないブリッジの形状寸法により生じる小さな不規則性をフィルタ除去する。平滑化は、時系列等の系列に存在する隣接部または画素の画像によりデータポイントを平均化して、生データにおける先鋭なエッジまたは突然の移行を減らすか、または「ぼやけさせる」
プロセスである。一実施例において、平滑化のステップ2120は、投影された生データ全体にスライディング平均2310(ユーザが規定した/指定したパラメータにより決定された大きさを有する;図22参照)を渡して、そして投影部に沿った地点でより滑らかな等価のスパンを得ることによって行なわれる。スライディング平均は、効果的にも、一次元の平滑化カーネルである。平滑化の程度は、カーネルの大きさに基づき、重要なブリッジの特徴またはブリッジ様の特徴の最小幅に類似する。しかしながら、平滑化カーネルの大きさが、重要なブリッジの特徴またはブリッジ様の特徴の最小幅と同じである必要はない。図23の例は、5画素のスライディング平均または平滑化カーネルを用いる。矩形の一方の辺として投影部の任意の5つの連続するエントリの平均を取り、他方の辺として平滑化カーネルのサイズ、すなわち5を取ると、興味の対象となる領域の長さに沿った各地点において機能上等価なブリッジの特徴を示すように矩形2310が描かれ得る。平滑化された結果は、ギャップの長さに沿ったこれらの「瞬間的な」ブリッジの特徴の有効スパンを表す。そして、ユーザが規定した限度2225(図22)に照らしてステップ2140中に検査される(図21)のが、ギャップ全体の幅の割合で表示されたこれらの値である。
【0136】
たとえば、図23Cにおいて、スライディング平均2310は、ユーザが指定した5画素の幅を有し、これは、ブリッジの特徴の最小幅に等しい。このスライディング平均2310は、図23Cに示す画像に対する上から下への方向に、投影されたデータの一次元アレイに沿って渡される(当然ながら、方向を逆にすることができ、ギャップの投影が垂直方向である場合は、スライディング平均を右から左または左から右に渡すことができる)。平滑化された結果およびユーザの指定した他の情報とともに、スライディング平均で用いられる要素の数(平滑化カーネルのサイズ)により、ギャップの長さに沿った特徴の面積および重要な形状寸法の、関数による推定が可能になる。
【0137】
再び図21を参照すると、ステップ2140において、平滑化された一次元アレイの最大値が最初に位置付けられる。ユーザによる指定も行なわれる、予め定められたしきい値(図22の2225および図23Cのグラフ表示2320を参照)は、次に最大値に適用されて、任意の特徴がこれらの限度に「合致する」か、または上回るかを判定する。上回る場合は、ブリッジ様の欠陥が明らかに検出される。たとえば図23Cでは、平滑化された投影部の任意の部分が、ユーザにより規定された限度2320、またはギャップの70%を上回るか否かを判定するためにしきい値が適用される。この例において、平滑化された5つの値または「ヒット」2330がしきい値2320を上回ることが分かり、その位置は、例示のために2310と同様の棒で印が付けられる。当然ながら、図23Cに示すしきい値およびスライディング平均の幅(画素による表示)は単に例示であり、他の数を用いることもできる。しきい値の適用に基づき、考え得るブリッジおよび/またはブリッジ様の特徴が識別され(ステップ2150)、図18のステップ1850に戻る。
【0138】
図24および図25は、図21に示す平滑化およびしきい値化の適用を示す、この発明の実施例のさらに別の例を提供する。図24A〜図24Dはそれぞれ、この発明の一実施例に従って処理された、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なランタイムの画像データ、ペーストのみの画像データ、興味の対象となる領域の画像データ、および投影されたペーストのみの画像データのプロットである。図24Dにおいて、用いられるスライディング平均は10画素であり、図24Dの二重線2410は、平滑化が適用された後の一次元アレイ2405のプロットを示す。図24Dにおいて、1つの特徴が、「ブリッジ様の」欠陥として明らかに分類されるという要件を満たすことが分かり、ここでは平滑化された値の最大値がユーザの規定した限度を超えている。
【0139】
図25A〜図25Cは、この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なランタイムの画像、ペーストのみの画像、および投影された
ペーストのみの画像である。図25Cにおいて、ブリッジまたはブリッジ様の特徴の最小幅は、10画素であり、ユーザが規定するしきい値は70%である。ユーザが規定したパラメータは図24のものと同様である。相対的に有意なはんだブリッジを図25Aおよび図25Bにおいて視認することができる。図25Cにおいて、スライディング平均は、ユーザが規定したしきい値を超えて延び、70%のしきい値の線において相対的に大きな長さのギャップ全体に延びる。このことは、しきい値を超える、多くの平滑化された値を有する強大なブリッジ様の欠陥が存在することをグラフで示すが、ブリッジ様の欠陥を示すために、1つの値のみ、すなわち最大値のみが必要とされる。
【0140】
この発明の少なくとも1つの実施例において、スライディング平均は、同様のスライディング二乗平均平方根(RMS)出力を提供するために変更され得、ここで投影部に沿ったデータポイントは、局所的な平均(スライディング平均)が計算される前に平方される。これらの「平均平方」の「根」は、単純なスライディング平均値とほぼ同一である。しかしながら、スライディング平均は、最小限の計算しか必要としないため、より有利であることが考えられる。
【0141】
図18を再び簡単に参照すると、ステップ1850の分析が完了した後に、この結果が、予め定められた(ユーザが規定した等の)プロセスリミット(ステップ1860)と比較され得、結果的に得られたデータは、スクリーンプリント/はんだペースト配置のプロセスに対して起こり得る変更に備えて格納される(ステップ1870)。任意の特定の部位においてプロセスリミットが超過されたか否か、または欠陥が報告されたか否かにかかわらず、当業者によって認識されるように、データを適切にフィルタリングして使用し、プリントプロセスの効果的な制御のために、より少数の傾向を監視することができる(ステップ1880)。たとえば、パッド間のギャップ内に見受けられるペーストの最小量、最大量、および平均量は、検査(所定の基板の検査等)が完了した後に保管され得る。ブリッジ様の特徴のスパンの測定のために、同じ測定値を保管することができる。このデータは、効果的なプロセス制御のための傾向の分析を可能にするだけでなく、これまでの性能および実際の製造要件に基づいて検出パラメータを微調整するための手段も提供する。
【0142】
図22のユーザが指定した入力は、少なくとも一実施例において、ギャップの大きさ、パッドの大きさ、およびパッドの位置の変動等の基板の特徴に部分的に依存する。たとえば、図23、図24、および図25の例示的な実施例において、ブリッジ/ブリッジ様の特徴の、ユーザが指定した最小幅は、ギャップの長さおよび幅等の特徴と、ユーザが指定したしきい値とに依存して、変動し得ることも分かっている。その理由は、融解したはんだペースト等の物質の固有の表面張力により、投影部の幅がギャップの大きさに比べて小さい場合、および投影部がギャップ全体の半分よりも多く延びる場合でも、はんだペーストが「後退して」、ギャップを横切って延びないことが考えられるためである。したがって、図25Cの9画素の例示的なギャップのスパンに対し、考え得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のより大きな最小幅(すなわち10画素)が指定される。したがって、たとえば、9画素の幅を有する特徴は、図25Cの例のギャップの幅の90%まで延び得ることが考えられる。なぜなら、はんだペーストの傾向が、後退して「ブリッジを形成」しないことであるためである。
【0143】
対照的に、図23Cの例示的なギャップのスパン(すなわち16画素)に対し、ブリッジの特徴の最小幅は5画素である。この例において、ブリッジの特徴がギャップのスパンの70%以上に延びる場合、ブリッジの特徴は「後退する」傾向が少なく、「ブリッジを形成する」傾向がより強い。
【0144】
図26は、この発明の一実施例に従って、パッドの大きさの変動がギャップの大きさに及ぼす影響を示ず図であり、図27は、この発明の一実施例に従って、パッドの位置の変
動がギャップの大きさに及ぼす影響を示す図である。図26および図27が示すように、ギャップの大きさは、パッドの大きさとパッドの配置とに依存して変動し得る。この発明の少なくともいくつかの実施例が、パラメータ、たとえばギャップを横切る有意なブリッジの特徴の最大スパン、スライディング平均ウィンドウの大きさ等に対し、ユーザにより指定された入力を可能にするため(図22参照)、この発明のシステムおよび方法は、さまざまなパッドの大きさおよび配置を備えたさまざまな大きさの基板に対し、有利にも迅速に適合され得る。
【0145】
図28〜図30は、この発明の一実施例を用いて検出可能であり得るブリッジおよびブリッジ様の特徴のタイプを示す代表的な図である。すべてのブリッジ様の特徴は、形状に関係なく、それぞれ図28、図29、および図30のギャップの総面積の、厳密に6%、18%、および36%を被覆するように正確に描かれている。後に「還流」と呼ばれるプロセスでブリッジの欠陥が生じる可能性に対してさまざまな形状がどのような影響を及ぼすかを示すために、ブリッジ様の特徴の形状寸法のみを変化させている。ここで、はんだペーストは融解状態まで加熱され、したがって表面張力を介したはんだの堆積物の再分配を可能にする。当然ながら、自然に生じるブリッジ様の特徴は、よりランダムな形状を取り得るが、それらの特徴は、これらの図面に示す基本的な特性のほとんどを共有する。以下の段落では図28のみを詳細に説明するが、同じ説明が、図29および図30の同様の図面にも当てはまる。
【0146】
図28において、部材2800は、隣接する2つのパッドの堆積物間のギャップの全スパンに延びるブリッジ様のペーストの特徴を示し、このペーストの特徴は、「典型的な」ブリッジの形状寸法と呼ばれ得る形で、両方に接触する。ブリッジの特徴2802は、後の還流動作中に、表面張力を介して破損および「後退」を生じる傾向をより多く有する部分を有さず、ギャップの全スパンにわたって均一な厚さを有する。表面張力は、還流動作中に、以前ははんだペーストであった溶融はんだを再び接合点2804および2806に向けて「吸上げる」傾向を生じ、両方の接合点は、接触点2804および2806に向かって広がる傾向を有し、かつ、ブリッジの特徴の中央部を細くする傾向を有する。結果的に、或る一定の条件下において、この特徴は、各部分がそれぞれの「接合点」2804および2806に向けて移動するのに伴って破損および後退するほど十分に細くなり得る。
【0147】
投影されたデータのスライディング平均によって生じる最大値は、この発明で説明するように、スライディング平均の大きさ、すなわち、平滑化カーネルに依存する。好ましい方法において、スライディング平均の大きさは、ユーザが規定した「感度」の設定値により決定される。特定のカーネルの大きさ、または所定の感度に対し、ブリッジの特徴の大きさおよび形状は、投影されたデータに平滑化カーネルが及ぼす影響、すなわち、平滑化の後の最大値に平滑化カーネルが及ぼす影響が、どのような大きさであるかを決定する。最大値は、平滑化の動作にもかかわらず残存する少なくとも十分な「バルク」または「パワー」を備えた特徴の有効スパンであると考えられる。再び簡単に図24を参照すると、ブリッジの例2802に対する相対的な大きさおよび形状が同様である実際のブリッジの特徴を24Bで見ることができる。したがって、このブリッジの特徴は、ここで、同様の形状のブリッジ様の特徴を平滑化する効果を実際に示すために用いられる。両方の特徴は、ギャップの100%に跨る。図24Dは、ブリッジ位置において約85%の最大値を有する、平滑化されたデータのプロット2410を示す。この場合において85%である、平滑化されたスパンの最大値が、ユーザにより規定された限度を超える場合、この特徴には欠陥として印が付けられる。
【0148】
図28は、一方のパッドの堆積物にのみ2814において接触する均一なブリッジの特徴2810を示す。この場合、「断絶部」2812が既に存在し、したがって「後退」の可能性は2800よりも2810において大きい。なぜなら、反対側からの反作用なしに
、表面張力が一方側にのみ働くためである。パッドの堆積物を備えた接触点2814が、接合点2804のものよりもわずかに大きいことに注意されたい。このことは、図28A〜図28Fに示すすべてのブリッジの例に対して同じ6%のギャップの被覆率を維持するために必要とされる。ブリッジの「感度」が同じである場合、2810の投影されたデータを平滑化する効果は、以前の例2800と同様である。なぜなら、それらがほぼ同じ均一な厚さを有するものの、有効スパン(すなわち平滑化された他の最大値)が以前の例よりも小さいためである。ここでも、平滑化されたスパンの最大値が、ユーザにより規定された限度を上回る場合、この特徴は欠陥として印が付けられる。
【0149】
図28の部材2820は、2812と同様であるが、スパンの中央に位置付けられた「断絶部」2822を有する。
【0150】
図28の部材2830は、ギャップの両側で接触が生じる点で部材2800と同様である。ここでは形状が主な違いであり、この形状は、ギャップの一方側において接触のより広い基部2834と、他方側においてはるかに小さな接触点2836とを有する。点2836は、はるかに大きな基部2834が提供する「吸上げ」の傾向をほとんど提供しない。また、ブリッジの特徴2832および2802の投影されたデータを同様に平滑化すると、三角形の特徴2832の有効スパン(平滑化された値の最大値)は、均一な形の特徴2802の有効スパンよりも小さい。有効スパンの差は、2802が2832よりもより有意なブリッジの可能性を有することを正確に示すが、報告された両方のスパンは、ユーザが規定したスパンの限度に照らして検査されなければならず、特徴2832は、2802に比べ、欠陥として印の付けられる可能性が少ない。図29は、部材2900、2910、2920、2930、2940、および2950を含む。図30は、部材3000、3010、3020、3030、3040、および3050を含む。図29および図30は、図28とほぼ同一の体裁でブリッジ様の特徴を示すが、1つの特記すべき差を有する。図28に示されるすべてのブリッジの特徴が、ギャップの厳密に6%を被覆する一方で、図29では、ギャップの18%を被覆し、図30では36%を被覆する。同じカーネルを用いて図28、図29、および図30における同様のブリッジの特徴の投影されたデータを平滑化すると、より大きな堆積物の有効スパンがより大きくなる。ここでも、有効スパンの差は、相対的に大きな堆積物が、より小さな堆積物よりも有意なブリッジの可能性を有することを正確に示すが、報告されたすべてのスパンは、ユーザが規定したスパンの限度に照らして検査されなければならず、より大きなものは、欠陥として印が付けられる傾向が高い。加えて、ギャップ内にペーストが存在する一般的な領域もまた、ユーザが規定した限度に照らして検査されなければならない。これらの限度は一般に、同じく有意なブリッジの可能性を有し得る著しい欠陥を捉えるように設定されており、ここでもまた、より大きな堆積物は、より小さな堆積物に比べ、欠陥として印が付けられる傾向が高い。
【0151】
図31は、この発明の少なくともいくつかの実施例に従って検出され得ることが考えられるスクリーンプリント/はんだペーストプリントの他のタイプの欠陥の代表的な図である。図31の部材3100は、全体的なペーストのアライメント不良による一般的なプリントの欠陥を示す。この場合、ギャップ内にペーストが存在する、報告された値は、ギャップを横切るペーストの報告されたスパンと同様に、ミスアライメントの程度とともに増大する。図31の部材3110は、著しいミスアライメントの影響を示す。この発明は、さらに別のブリッジの可能性を推定するために、ペーストのアライメントの関数として、ブリッジに関する欠陥の可能性の増大を正確に推定する。
【0152】
図31の部材3130および3140は、スパンの長さおよび特徴の形状が欠陥の可能性を決定する、多数の固有の欠陥を示す。部材3130において、両方の特徴は、両側からギャップの中央に向けて延び、両方の特徴が同量のギャップの領域を被覆する。この発明のこの方法は、両方の特徴に同時に作用し、図28に最初に示したように、矩形の特徴
が、平滑化の動作の後に最大のギャップのスパンを正確に生じる。このことは、部材3140の同様の特徴にも当てはまるが、この例では、報告されたスパンの最大値がより大きくなり、したがってブリッジを形成する可能性がより大きくなる。
【0153】
図31の部材3120および3150は、それぞれわずかなオーバープリントおよび著しいオーバープリントを示す。両方の場合において、ギャップを横切るペーストの有効スパンは、ギャップの中央部付近で最大となる。ブリッジの形成方向におけるペーストの累積作用のみが重要である。このようにして、この発明で用いられる単純な投影およびスライディング平均の方法は、報告された有効スパンの差に基づき、部材3150が部材3120よりもブリッジを形成する可能性が大きいことを正確に判定する。また、ギャップ内にペーストが存在する、報告された領域は、部材3120に対してよりも部材3150に対する方が大きく、したがって部材3150は、このことにより、ギャップ内にペーストが存在する欠陥を正確に示す最初のものとなる。
【0154】
図28〜図31および関連する説明は、この発明で用いられる方法を示し、ユーザが規定する「感度」のパラメータに基づいてペーストの堆積物の実際の「ブリッジを形成する可能性」を正確に推定するだけでなく、ユーザが規定した限度に基づいて、後のプロセスに悪影響を及ぼすおそれのあるブリッジの欠陥を検出して印を付ける。
【0155】
ペーストと背景とを分離するために正確かつ信頼可能なペースト検出方法が用いられると、ブリッジ等の欠陥を検出するための方法が、より成功することが分かっている。有利にも、この明細書および出願連続番号第09/304,699号に開示された、質感ベースのペースト検出方法は、この明細書に開示されたブリッジ分析技術と組合せられて、基板組立てプロセスに関連するブリッジの特性の有用かつ信頼可能な測定を提供することができる。
【0156】
図面に示すこの発明の実施例を説明する際に、明瞭になるように特定の用語が用いられる。しかしながら、この発明は、そのように選択された特定の用語に限定されず、特定の用語の各々は、同様の目的を達成するために同様の態様で作動する技術上および機能上の等価物のすべてを少なくとも含む。
【0157】
当業者は、請求されるこの発明の精神および範囲から逸脱することなく、ここに記載された内容の変更例、変形例、および他の実現例を当業者が思いつき得ることを認識するであろう。さらに、ここに記載された発明の実施例の実質的に任意の局面は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せを用いて実現され得る。
【0158】
この出願の図面では、いくつかの場合において、複数のシステムの要素または方法のステップが、特定のシステムの要素の例として示されていることが考えられ、1つのシステムの要素または方法のステップが、複数の特定のシステムの要素または方法のステップの例として示され得ることを理解されるべきである。複数の特定の要素またはステップを示すことにより、この発明に従って実現されるシステムまたは方法が、その要素またはステップを2つ以上含まなければならないということを意味するようには意図されず、かつ、1つの要素またはステップを示すことにより、この発明がそのそれぞれの要素またはステップの1つのみを有する実施例に限定されることが意図されないことに注意されたい。加えて、特定のシステムの要素または方法に対して示された要素またはステップの総数は、限定するように意図されていない。したがって、当業者は、いくつかの場合において、特定のシステムの要素または方法のステップの数が特定のユーザの必要性に適応するように選択され得ることを認識するであろう。
【0159】
この発明は、或る程度の特殊性を備えた好ましい形態で説明され描写されているが、好ましい形態のこの開示が、例示のためにのみなされており、部品の構成、組合せ、および配置の詳細における多数の変更が、前掲の請求項に記載されるように、この発明の精神および範囲から逸脱することなく行なわれ得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1A】この発明の一実施例に従ったステンシルプリンタの正面図である。
【図1B】この発明の別の実施例の概略図である。
【図2A】プリント回路基板の概略図である。
【図2B】プリント回路基板の概略図である。
【図3】基板上のはんだペーストの堆積物を検査するための方法のフロー図である。
【図4A】この発明の方法を用いるプロセッサ内のさまざまな領域の概略図である。
【図4B】この発明の方法を用いるプロセッサ内のさまざまな領域の概略図である。
【図5A】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図5B】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図5C】この発明の方法で一般に用いられるフィルタの図である。
【図6】この発明の自動的な利得およびオフセットの特徴を実現する方法のフロー図である。
【図7A】プリント回路基板上におけるはんだペーストの分配の概略図である。
【図7B】プリント回路基板上におけるはんだペーストの分配の概略図である。
【図8A】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8B】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8C】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8D】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8E】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8F】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8G】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図8H】ペーストの質感のスペーシング対倍率に対するカーネルの構成のオプションの概略図である。
【図9A】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9B】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9C】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図9D】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果の図である。
【図10A】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図10B】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図10C】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有さない生の画像の比較のための図である。
【図11A】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図11B】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図11C】この発明の一実施例を用いるシステムからの、彩度を有する生の画像の比較のための図である。
【図12】この発明の一実施例を用いるシステムからの実験結果のヒストグラムである。
【図13】基板上に堆積されたはんだペーストを検査するための先行技術のプロセスのフロー図である。
【図14】図13の獲得ステップで獲得されたペーストのグレースケール画像の図である。
【図15】図13のペーストのみの画像のステップ中にペーストのみの画像に変換された図14のグレースケール画像の、重み付けされたペーストのみの画像を示す図である。
【図16】図13の獲得ステップ中に獲得された、UV強化された蛍光ペーストのRGB画像の図である。
【図17】図13のペーストのみの画像のステップ中にペーストのみの画像に変換された図16のRGB画像の、ペーストのみのバイナリ画像を示す図である。
【図18】この発明の一実施例に従った、プリントの欠陥の検出シーケンスのフロー図である。
【図19A】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図19B】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図19C】この発明の一実施例に従った、示された例示的な特徴を有するランタイム画像の詳細の図である。
【図20A】図19Aの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図20B】図19Bの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図20C】図19Cの画像のペーストのみの画像の詳細を示す図である。
【図21】この発明の一実施例に従った、ブリッジの特徴を分析するためのプロセスのフロー図である。
【図22】この発明の一実施例に従って実現されるシステムの入力および出力を示す包括的なブロック図である。
【図23A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図23B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図23C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第1の例示的な投影された画像を示す図である。
【図24A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図24B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図24C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的な興味の対象となる領域の画像を示す図である。
【図24D】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第2の例示的な投影されたペーストのみの画像を示す図である。
【図25A】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なランタイム画像を示す図である。
【図25B】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的なペーストのみの画像を示す図である。
【図25C】この発明の一実施例に従って処理される、ギャップ内のはんだペーストの、第3の例示的な投影されたペーストのみの画像を示す図である。
【図26】この発明の一実施例に従った、ギャップの大きさに対するパッドの大きさの変動の影響を示す図である。
【図27】この発明の一実施例に従った、ギャップの大きさに対するパッドの位置の変動の影響を示す図である。
【図28】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第1の代表図である。
【図29】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第2の代表図である。
【図30】この発明の一実施例を用いて検出可能となり得るブリッジ/ブリッジ様の特徴のタイプを示す第3の代表図である。
【図31】この発明の少なくともいくつかの実施例に従って検出可能となり得る、スクリーンプリント/はんだペーストプリントの欠陥のさまざまなタイプの代表図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に堆積された物質の画像を分析する方法であって、前記画像は複数の画素を含み、前記方法は、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップと、
第1および第2の垂直な軸に、前記興味の対象となる領域を関連付けるステップとを含み、前記画像内の1組の画素は、前記第1の軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記興味の対象となる領域内の画素を、前記第1の軸にアライメントされかつ前記第2の軸に沿って突出する一次元アレイに変換するステップと、
前記一次元アレイに少なくとも1つのしきい値を適用するステップとを含み、前記しきい値は、予め定められた限度に少なくとも部分的に基づく、方法。
【請求項2】
前記一次元アレイを平滑化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平滑化するステップは、前記興味の対象となる領域内の物質の最大量、平滑化の程度、および前記基板上に堆積された物質の最大量の少なくとも1つを指定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換するステップは、
前記第1の軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素に垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記第2の軸に垂直な一次元アレイとして表現するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記興味の対象となる領域の1つの縁部の実質的な付近に軸を配置するステップをさらに含み、前記画素内の1組の画素は前記軸に沿って位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
任意の特徴が前記興味の対象となる領域内に存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の前記物質、前記物質のはみ出した領域、および前記物質の不明確な領域を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップをさらに含み、前記検出パラメータは、前記画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記評価するステップは、前記少なくとも1つの検出パラメータに従って達成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記興味の対象となる領域内の各特徴に対し、前記特徴の面積および形状寸法を計算するステップをさらに含み、前記計算は、前記検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて少なくとも部分的に達成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記面積および形状寸法に基づいて、前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を生じ得る、前記求められた確度に基づき、前記基板上に前記物質が堆積されるプロセスを変更するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板はプリント回路基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記物質は電子材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記物質ははんだペーストを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記画像はデジタル画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
物質が上に堆積された基板を検査する方法であって、
前記基板上に前記物質を堆積するステップと、
前記物質の画像を取込むステップと、
前記基板上の前記物質の位置を特定するために、前記画像における質感の変動を検出するステップと、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、
前記興味の対象となる領域内に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップとを含む、方法。
【請求項18】
前記特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の前記物質、前記物質のはみ出した領域、および前記物質の不明確な領域を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップをさらに含み、前記検出パラメータは、前記興味の対象となる領域内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記評価するステップは、少なくとも1つの検出パラメータに従って達成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記興味の対象となる領域内の各特徴に対し、前記特徴の面積および形状寸法を計算するステップをさらに含み、前記計算は、少なくとも1つの検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて達成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記面積および形状寸法に基づいて、前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記基板はプリント回路基板である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記物質は、はんだペーストを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
基板上の予め定められた位置にはんだペーストを一定量供給するためのシステムであって、
前記基板上に材料を一定量供給するディスペンサと、
前記ディスペンサの動作を維持するためのコントローラと、
前記コントローラと電気的に通信するプロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記基板上に配置されたはんだペーストの堆積物の質感ベースの認識を実施し、そして
はんだペーストの前記画像内で興味の対象となる領域を規定するようにプログラムされており、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記プロセッサはさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算し、
前記軸に沿った各画素の前記総和を前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現し、そして
前記興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために前記一次元アレイを評価するようにプログラムされている、システム。
【請求項26】
前記基板は回路基板である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記欠陥は、前記基板上における、短絡、ブリッジ、過剰な量のはんだペースト、はんだペーストのはみ出した領域、およびはんだペーストの不明確な領域を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記興味の対象となる領域内の各欠陥に対し、検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて前記欠陥の面積および形状寸法を計算するようにさらにプログラムされている、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
基板上に堆積された物質における欠陥を検出する方法であって、
前記基板の画像を取込むステップと、
前記基板上の前記物質の位置を特定するために、前記画像内の質感の変動を検出するステップと、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿った前記それぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、
前記興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップとを含む、方法。
【請求項30】
前記物質は、はんだペーストを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記欠陥は、はんだブリッジ、ブリッジ様の特徴、または過剰なペーストの特徴の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記基板は、前記はんだペーストが上に堆積される第1および第2のパッドを含み、前記欠陥は、前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間の距離の少なくとも一部に跨るはんだペーストの存在を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記欠陥がはんだブリッジとして分類されるべきであるかどうかを判定するための規則を適用するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項1】
基板上に堆積された物質の画像を分析する方法であって、前記画像は複数の画素を含み、前記方法は、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップと、
第1および第2の垂直な軸に、前記興味の対象となる領域を関連付けるステップとを含み、前記画像内の1組の画素は、前記第1の軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記興味の対象となる領域内の画素を、前記第1の軸にアライメントされかつ前記第2の軸に沿って突出する一次元アレイに変換するステップと、
前記一次元アレイに少なくとも1つのしきい値を適用するステップとを含み、前記しきい値は、予め定められた限度に少なくとも部分的に基づく、方法。
【請求項2】
前記一次元アレイを平滑化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平滑化するステップは、前記興味の対象となる領域内の物質の最大量、平滑化の程度、および前記基板上に堆積された物質の最大量の少なくとも1つを指定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換するステップは、
前記第1の軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素に垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記第2の軸に垂直な一次元アレイとして表現するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記興味の対象となる領域の1つの縁部の実質的な付近に軸を配置するステップをさらに含み、前記画素内の1組の画素は前記軸に沿って位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
任意の特徴が前記興味の対象となる領域内に存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の前記物質、前記物質のはみ出した領域、および前記物質の不明確な領域を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップをさらに含み、前記検出パラメータは、前記画像内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記評価するステップは、前記少なくとも1つの検出パラメータに従って達成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記興味の対象となる領域内の各特徴に対し、前記特徴の面積および形状寸法を計算するステップをさらに含み、前記計算は、前記検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて少なくとも部分的に達成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記面積および形状寸法に基づいて、前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を生じ得る、前記求められた確度に基づき、前記基板上に前記物質が堆積されるプロセスを変更するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板はプリント回路基板を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記物質は電子材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記物質ははんだペーストを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記画像はデジタル画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
物質が上に堆積された基板を検査する方法であって、
前記基板上に前記物質を堆積するステップと、
前記物質の画像を取込むステップと、
前記基板上の前記物質の位置を特定するために、前記画像における質感の変動を検出するステップと、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、
前記興味の対象となる領域内に任意の特徴が存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップとを含む、方法。
【請求項18】
前記特徴は、欠陥、短絡、ブリッジ様の特徴、ブリッジ、過剰な量の前記物質、前記物質のはみ出した領域、および前記物質の不明確な領域を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの検出パラメータを受取るステップをさらに含み、前記検出パラメータは、前記興味の対象となる領域内の少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップに関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記評価するステップは、少なくとも1つの検出パラメータに従って達成される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記興味の対象となる領域内の各特徴に対し、前記特徴の面積および形状寸法を計算するステップをさらに含み、前記計算は、少なくとも1つの検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて達成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記面積および形状寸法に基づいて、前記画像内の前記少なくとも1つの特徴が機能上の欠陥を後に生じ得る確度を求めるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記基板はプリント回路基板である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記物質は、はんだペーストを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
基板上の予め定められた位置にはんだペーストを一定量供給するためのシステムであって、
前記基板上に材料を一定量供給するディスペンサと、
前記ディスペンサの動作を維持するためのコントローラと、
前記コントローラと電気的に通信するプロセッサとを含み、前記プロセッサは、
前記基板上に配置されたはんだペーストの堆積物の質感ベースの認識を実施し、そして
はんだペーストの前記画像内で興味の対象となる領域を規定するようにプログラムされており、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記プロセッサはさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿ったそれぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算し、
前記軸に沿った各画素の前記総和を前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現し、そして
前記興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために前記一次元アレイを評価するようにプログラムされている、システム。
【請求項26】
前記基板は回路基板である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記欠陥は、前記基板上における、短絡、ブリッジ、過剰な量のはんだペースト、はんだペーストのはみ出した領域、およびはんだペーストの不明確な領域を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記興味の対象となる領域内の各欠陥に対し、検出パラメータおよび前記一次元アレイを用いて前記欠陥の面積および形状寸法を計算するようにさらにプログラムされている、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
基板上に堆積された物質における欠陥を検出する方法であって、
前記基板の画像を取込むステップと、
前記基板上の前記物質の位置を特定するために、前記画像内の質感の変動を検出するステップと、
前記画像内で興味の対象となる領域を規定するステップとを含み、前記規定された、興味の対象となる領域は、第1の軸を有し、前記画像内の1組の画素は前記軸に沿って位置し、前記方法はさらに、
前記軸に沿った各画素について、前記興味の対象となる領域内の、前記軸に沿った前記それぞれの画素と垂直にアライメントするすべての画素の総和を計算するステップと、
前記軸に沿った各画素の前記総和を、前記軸に対して垂直な一次元アレイとして表現するステップと、
前記興味の対象となる領域内に任意の欠陥が存在するかどうかを判定するために、前記一次元アレイを評価するステップとを含む、方法。
【請求項30】
前記物質は、はんだペーストを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記欠陥は、はんだブリッジ、ブリッジ様の特徴、または過剰なペーストの特徴の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記基板は、前記はんだペーストが上に堆積される第1および第2のパッドを含み、前記欠陥は、前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間の距離の少なくとも一部に跨るはんだペーストの存在を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記欠陥がはんだブリッジとして分類されるべきであるかどうかを判定するための規則を適用するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19B】
【図19C】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図25A】
【図25C】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図14】
【図16】
【図19A】
【図20A】
【図20C】
【図25B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19B】
【図19C】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図25A】
【図25C】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図14】
【図16】
【図19A】
【図20A】
【図20C】
【図25B】
【公表番号】特表2007−514167(P2007−514167A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544032(P2006−544032)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041462
【国際公開番号】WO2005/059823
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(500172704)スピードライン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041462
【国際公開番号】WO2005/059823
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(500172704)スピードライン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]