説明

ボンドパッドを有する半導体装置およびそのための方法

【課題】ワイヤボンド接続の信頼性を低下させることなくダイをプローブ検査でき、小さいボンドパッドおよびボンドパッド間の微細なピッチ間隔でダイについての確実なプローブ検査が行える技術の提供。
【解決手段】ボンドパッド36が、実質的に重なりのないプローブ37領域およびワイヤボンド38領域を有する。ボンドパッド36は最終金属層パッド16に接続されている。ボンドパッド36はアルミニウム製であり、最終金属層パッド16は銅製である。プローブ37領域をワイヤボンド38領域から分離することで、最終金属層パッド16がプローブ検査によって損傷を受けることが防止され、より信頼性の高いワイヤボンドが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関するものであり、詳細にはプローブ用ボンドパッドおよびワイヤボンドアイソレーションを有する半導体装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造において、ワイヤボンディングは電気回路機構を有する半導体ダイを部品パッケージ上のピンに接続するのに用いられる実証された方法である。集積回路製造において、部品組立を完了する前に半導体ダイの機能性を調べることも一般的に行われている。「プローブ試験」は、半導体を検査するのに用いられるそのような方法の一つであり、ダイ上のボンドパッドに対する機械的および電気的インターフェースとしてプローブコンタクトが一般的に用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機械的インターフェース、例えばプローブ針を用いた場合の一つの問題は、ボンドパッドが損傷したり汚れることで、ダイがワイヤ連結された時にボンドパッドとパッケージピンとの間に信頼できる電気的接続ができないというものである。この問題は、最近のディープ・サブミクロン半導体技術の特徴であるボンドパッドの小型化によってさらに悪化している。ボンドパッドの小型化には、より小さいワイヤボンドが形成されたより小さいボンドパッドなどがある。それによって、プローブコンタクトによって損傷を受けたボンドパッドについての品質および信頼性に関する懸念が高くなる。ボンドパッドが小さくなるに連れて、プローブコンタクトによって生じる損傷のボンドパッド面積に対する比率が高くなる。ボンドパッドの形状が小さくなることで生じる別の問題は、カンチレバープローブ針などの従来の方法を用いる確実なプローブ試験には、ボンドパッド間の間隔が小さくなり過ぎる場合があるというものである。
【0004】
そこで、ワイヤボンド接続の信頼性を低下させることなくダイをプローブ検査でき、小さいボンドパッドおよびボンドパッド間の微細なピッチ間隔でダイについての確実なプローブ検査が行えるようにする必要がある。そして多くの場合、コストを低く維持するのにダイの大きさにあまり影響を与えることなく、前記の基準を満足することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数のボンドパッドを有する集積回路を提供する。前記複数のボンドパッドはそれぞれ、実質的に重なりや接触がないプローブ領域およびワイヤボンド領域を有する。一実施形態において、ボンドパッドは前記集積回路の能動回路構成部および/または電気相互接続層の上に延在している。前記ボンドパッドの一部または全体が、相互接続層の上に延在しており、パッドの一部をパッシベーション層の上に形成し、最終金属層パッドに接続することができる。一実施形態では、前記ボンドパッドはアルミニウム製であり、前記最終金属層パッドは銅製である。
【0006】
プローブ領域をワイヤボンド領域から分離し、能動回路構成部の上にボンドパッドを形成することには、いくつかの利点がある。ボンドパッド間で非常に微細なピッチを必要とする用途では、プローブ領域とワイヤボンド領域を互い違いにすることで、プローブ領域間の距離を効果的に大きくすることができる。プローブ領域をワイヤボンド領域から分離することで、ワイヤボンド領域はプローブ検査によって損傷を受けなくなり、より信頼性の高いワイヤボンドが可能となる。さらに、ボンドパッドを金属相互接続層を含む能動回路構成部の上に形成することで、集積回路を小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるワイヤボンドパッドの平面図。
【図2】本発明による図1のワイヤボンドパッドを有する半導体装置の断面図。
【図3】本発明の別の実施形態による半導体装置の断面図。
【図4】本発明の別の実施形態による半導体装置の断面図。
【図5】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図6】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図7】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図8】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図9】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図10】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図11】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図12】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図13】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【図14】本発明による複数のワイヤボンドパッドを有する集積回路の別の実施形態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明によるボンドパッド10の平面図である。ボンドパッド10は、点線で示したようにワイヤボンド領域12とプローブ領域14に分かれている。ワイヤボンド領域12およびプローブ領域14については必要に応じて配置と大きさ設定を行って、ワイヤボンディングおよびプローブ検査手段の大きさおよび精度に対応できるようにする。例示の実施形態では、ワイヤボンド領域12はプローブ領域14より小さく示してある。他の実施形態では、これら領域の大きさを異なるものとすることができる。
【0009】
ボンドパッド10は、図2図3および図4に示した断面図を有する各種半導体装置で設計することができる。類似または同様の要素には図面を通じて同一の参照番号を付していることに留意されたい。さらに留意すべき点として、図面は実寸を反映して描かれていない。図2は、本発明による半導体装置20の断面図である。半導体装置20は、縁部または外周25、パッシベーション層18、ボンドパッド10、相互接続領域24および能動領域または基板26を有する。ボンドパッド10は、ワイヤボンド領域12およびプローブ領域14(図1参照)を有し、外周25に対して位置決めされている。相互接続領域24は、半導体装置20の各種構成要素間で電力、接地、信号および他のラインをルーティングするための金属層28,30,32を備える。図2に示したように、金属層28(以下、最終金属層28と称する)は、半導体装置20の表面に近接して配置されており、また半導体装置20の外部に配置された装置(図示せず)への接続を行うためにプローブおよびワイヤボンドが設けられているボンドパッド10を備える。相互接続領域24の金属層は、ビアを用いて互いに接続されていてもよい。相互接続金属層32は、コンタクトで能動領域26に電気的に接続されている。
【0010】
半導体装置20については従来の作製技術によって、能動領域26または基板に電気回路が形成されている。電気回路は、例えば通信、輸送、一般的な計算または娯楽などでの各種集積回路用途用のものであることができる。図示の実施形態では、金属層28,30,32は、アルミニウム、銅または金などの導電性材料で形成されている。他の実施形態では、金属層はこれより多かったり少なかったりすることができる。ボンドパッド10は、最終金属層28の一部として形成される。金属層28を形成した後、パッシベーション層18を半導体装置の表面上に成膜する。ボンドパッド10の上に示したように、パッシベーション層18に開口を設けて、半導体装置20とパッケージ上のピンとの間などの電気的接触を可能にする。
【0011】
ボンドパッド10は、比較的厚い銅の層から形成する。一実施形態において銅は、厚さ0.3〜1.0ミクロンであることができる。試験の結果、ボンドパッド10はワイヤボンディング手段の衝撃を耐えるだけの強度を有し、図2に示したような相互接続層24および能動領域26の下層の回路に損傷を与えることなく、相互接続層24上に形成することが可能であることが明らかになった。
【0012】
図3には、本発明による半導体装置34の断面図を示してある。半導体装置34は、縁部または外周25、パッシベーション層18、相互接続領域24、能動領域26およびボンドパッド36を有する。ボンドパッド36は、最終金属層パッド16およびアルミニウムパッド層35を備える。アルミニウムパッド層35は、ワイヤボンド領域38およびプローブ領域37を備える。アルミニウムパッド層35の厚さは、約0.5〜2.0ミクロンであることができる。ボンドパッド36は半導体装置34の外周25に関して位置決めされ、障壁層22によって最終金属層パッド16から分離されている。ボンドパッド36は、プローブ領域37およびワイヤボンド領域38を収容できるような配置および大きさにされている。
【0013】
半導体装置34の作製技術および材料は、図2の半導体装置20について記載の通りである。さらに障壁層22がパッシベーション層18上に形成されて、最終金属層パッド16とボンドパッド36の間、ならびにボンドパッド36とパッシベーション層18との間に拡散障壁層および接着層が提供される。障壁層22を成膜した後、アルミニウムパッド層35を障壁層22上に成膜する。次に、障壁層22およびアルミニウムパッド層35をパターニングして、プローブおよびワイヤボンド領域に必要な最終的な形状および大きさに形成する。例示の実施形態では、アルミニウムパッド層35はアルミニウム製であるが、他の実施形態ではアルミニウムパッド層35は他の導電性材料から形成することができる。さらに、相互接続領域24の金属層28,30,32ならびに最終金属層パッド16は銅製である。他の実施形態では、他の導電性材料をボンドパッド36、最終金属層パッド16ならびに金属層28,30,32に用いることができる。例えば金属層28,30,32ならびに最終金属層パッド16は、アルミニウムまたは金製であることができ、最終金属層パッド16は金を含むことができる。さらに障壁層22は、図示の実施形態ではタンタル製である。しかし他の実施形態では障壁層22は、異質材料間および隣接材料間に拡散障壁層および接着層を形成するいかなる材料であってもよい。拡散および障壁材料の例には、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ニッケル、タングステン、チタン−タングステン合金およびタンタル・窒化ケイ素がある。
【0014】
ボンドパッド36のアルミニウム層パッド35および最終金属パッド16は、それぞれ比較的厚いアルミニウムおよび銅の層から形成される。従って、ボンドパッド36はワイヤボンディング手段の衝撃に耐えるだけの強度を有しており、図3に示したような相互接続層24および能動領域26の下層の回路に対して損傷を起こすことなく相互接続層24上に形成することができる。
【0015】
図4には、本発明の別の実施形態による半導体装置40の断面図を示してある。半導体装置40は、縁部または外周25、パッシベーション層18、相互接続領域24、能動領域26およびボンドパッド44を有する。ボンドパッド44は、アルミニウムパッド45および最終金属パッド42を含む。最終金属パッド42は最終金属層28の一部として形成されている。ボンドパッド44は、半導体装置40の外周25に関して位置決めされており、縦方向の点線によって図4で示したようにプローブ領域とワイヤボンド領域に分離されている。アルミニウムパッド45は、障壁層43によって最終金属層パッド42から分離されている。
【0016】
半導体装置40の作製技術および材料は図2および図3について説明した通りである。しかしながら図4の装置では、ボンドパッド44の一部がパッシベーション層18および下層の能動回路構成部26および/または相互接続領域24上に延在しており、残りの部分がパッシベーション層18にある開口部で最終金属層パッド42に接続されている。前述のように、ボンドパッド44はワイヤボンド領域とプローブ領域とに分離されている。プローブ領域は、パッシベーション層18の上ならびに相互接続領域24の電気相互接続層28,30,32の上方に延在しているボンドパッド10の一部の上にある。ワイヤボンド領域は、最終金属層パッド42に接続しているボンドパッド44の部分上に形成されている。ワイヤボンド領域は、下層の回路の損傷や変形を起こすことなくワイヤボンディング手段の衝撃に耐えるだけの強度を有し、相互接続領域24の金属層の上方に形成されていてもよい。
【0017】
プローブ領域をパッシベーション層18上に延在させることで、最終金属層パッド42の大きさには影響はなく、半導体装置の全体のサイズを大きくすることなくボンドパッド44のサイズを大きくすることができる。さらに、最終金属層パッド42はプローブ検査やワイヤボンディングには使用されないことから、最終金属層パッド42の大きさおよび形状、ならびにパッシベーション層18における開口の大きさおよび形状は、ボンドパッド44に電気的接続を提供するのに必要な面積によってのみ制限される。他の実施形態では、複数の相対的に小さい最終金属層パッドおよび対応するパッシベーション開口があってもよく、それらが一体となってボンドパッド44に十分な電気的接続を提供する。ボンドパッド44がパッシベーション層18上に延在し、最終金属層パッド42の大きさに影響がないことから、プローブおよびワイヤボンド領域の配置においては自由度が高い。例えば、プローブ領域およびワイヤボンド領域は他の実施形態において、必ずしも接触しているとは限らない。
【0018】
ボンドパッド44はアルミニウム製であることができ、最終金属層パッド42は銅で形成されていてもよい。より信頼性の高いワイヤボンドのためにワイヤボンド領域からプローブ領域を分離することに加えて、パッシベーション層18上でプローブ検査を行うことで、最終金属層パッド42の銅が偶発的に露出する危険性がなくなる。露出した銅は容易に酸化され、ワイヤボンディングには望ましくない表面を生じる。
【0019】
図5には、本発明の一実施形態による半導体装置60の平面図を示してある。集積回路60は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを有し、図2または図3に示した実施形態によって構築することができる。集積回路60には、集積回路60の縁部61に沿って形成された複数のボンドパッド62〜65がある。前記複数のボンドパッドのそれぞれにある点線は、パッシベーション層に形成された開口66を示している。
【0020】
各ボンドパッドは、図1で議論したようにプローブ領域とワイヤボンド領域とに分離されている。楕円を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。その複数のボンドパッドが外周61に関して配置されている。ワイヤボンド領域の方が、各ボンドパッドのプローブ領域より外周61に近い。隣接するボンドパッドのワイヤボンド領域同士は、縁部61から等距離の線に維持されている。同様に、隣接するボンドパッドのプローブ領域同士は、縁部61から等距離の線に維持されている。他の実施形態では、プローブ領域とワイヤボンド領域が交代していてもよい。
【0021】
図6には、本発明の別の実施形態による半導体装置70の平面図を示してある。集積回路70は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを有し、図4に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路70は、集積回路70の縁部71に沿って形成された複数のボンドパッド72〜75を有する。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上にある点線は、パッシベーション層に形成された開口部76を示している。各ボンドパッドは、図1で議論したようにプローブ領域とワイヤボンド領域に分離されている。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。前記複数のボンドパッドは、外周71に関して配置されている。ワイヤボンド領域の方が、各ボンドパッドのプローブ領域より外周71に近い。隣接するボンドパッドのワイヤボンド領域同士は、縁部71から等距離の線に維持されている。同様に、隣接するボンドパッドのプローブ領域同士は、縁部71から等距離の線に維持されている。他の実施形態では、プローブ領域およびワイヤボンド領域は交代していてもよい。
【0022】
図4に示したように、ボンドパッド72〜75の一部はパッシベーション層上に形成されており、そのボンドパッドの一部は最終金属層パッド上に形成されている。
図7には、本発明の別の実施形態による半導体装置80の平面図を示してある。集積回路80は図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図2または図3に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路80は、集積回路80の縁部81に沿って形成された複数のボンドパッド82〜85を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上にある点線は、パッシベーション層に形成された開口部86を示してい
る。各ボンドパッドは、図1で議論したようにプローブ領域およびワイヤボンド領域に分離されている。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。前記複数のボンドパッドは同じ大きさであり、外周81から等距離に配置されている。
【0023】
プローブ領域(楕円形で示してある)は、ワイヤボンド領域(円形)の反対側に互い違いに交互に形成されているが、ワイヤボンド領域は集積回路80の縁部81から等距離の線に維持されている。さらに、各ボンドパッドの中心は縁部81から等距離の線に維持されている。実質的に全てのボンドパッド82〜85が、図3に示したように最終金属層パッド上に形成されている。
【0024】
プローブ領域の互い違い配置または交互配置によって、プローブ領域間の距離が大きくなり、ピッチが非常に微細な装置のより確実なプローブ検査が可能となり、例えばカンチレバーおよび垂直プローブ法などの各種プローブ技術を用いる上で自由度が高くなる。現在のプローブ技術は、指定の最小ピッチ以下のパッドピッチ(ピッチとは、パッド間の距離を指す)を保証することができない。ボンドパッドを長くし、プローブ領域を互い違いに配置することで、現在のプローブ技術の利用範囲を比較的小さいピッチを有するパッドに広げることができる。ワイヤボンド領域を線上に維持することで、ワイヤボンディング装置のプログラミングをより簡単なものとすることができる。他の実施形態では、プローブ領域およびワイヤボンド領域を交代させることができることに留意されたい。
【0025】
図8には、本発明の別の実施形態による半導体装置90の平面図を示してある。集積回路90は図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図4に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路90は、集積回路90の縁部91に沿って形成された複数のボンドパッド92〜95を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上にある点線は、パッシベーション層に形成された開口部96を示している。
【0026】
図8のボンドパッド配置は、パッシベーション層における開口部96が相対的に小さく、円形で示された各ワイヤボンド領域のみを取り囲むものである以外、図7のボンドパッド配置と同じである。プローブ領域は楕円形で示してあり、図7について前述したように互い違い配置になっている。さらにプローブ領域は、半導体装置90のパッシベーション層上に延在している。
【0027】
図9には、本発明の別の実施形態による半導体装置100の平面図を示してある。集積回路100は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図2または図3に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路100は、集積回路100の縁部101に沿って形成された複数のボンドパッド102〜105を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上にある点線は、パッシベーション層に形成された開口部106を示している。
【0028】
パッシベーション層における開口部106は、各ボンドパッド102〜105のワイヤボンド領域(円形)およびプローブ領域(楕円形)を囲んでいる。ボンドパッドは、互い違いに配置されており、ボンドパッド102,104の方が、ボンドパッド103,105と比較して外周101から遠い位置にある。さらに、各ボンドパッドのプローブ領域は、図7および図8で前述したように互い違い配置されている。さらに、各パッドのワイヤボンド領域は、外周101から等距離に配置されている。
【0029】
プローブ検査またはワイヤボンディングに使用されない面積が除去されていることから、図9のボンドパッドの方が図8のボンドパッドより短い。ボンドパッドの除去部分によって提供された空間は、集積回路上のより多くの機能やボンドパッドを形成するためのより大きい表面積を半導体装置上に提供することができる。
【0030】
図10には、本発明の別の実施形態による半導体装置110の平面図を示してある。集積回路110は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図4に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路110は、集積回路110の縁部111に沿って形成された複数のボンドパッド112〜115を有する。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上の点線は、パッシベーション層に形成された開口部116を示している。
【0031】
ボンドパッド112〜115は互い違いに配置されており、ボンドパッド112,114の方が、ボンドパッド113,115と比較して外周111から遠い位置にある。さらに、各ボンドパッドのプローブ領域は、図7図8および図9で前述したように互い違い配置されている。さらに、各パッドのワイヤボンド領域は、外周111から等距離に配置されている。
【0032】
パッシベーション層における開口部116は相対的に小さく、円形で示された各ワイヤボンド領域のみを囲んでいる。プローブ領域が半導体装置110のパッシベーション層上に延在している。
【0033】
図11には、本発明の別の実施形態による半導体装置120の平面図を示してある。集積回路120は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図2または図3に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路120は、集積回路120の縁部121に沿って形成された複数のボンドパッド122〜125を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上の点線は、パッシベーション層に形成された開口部126を示している。各ボンドパッドは、図1で議論したようにプローブ領域およびワイヤボンド領域に分離されている。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。前記複数のボンドパッドは外周121に関して配置されている。図11の実施形態では、プローブ領域およびワイヤボンド領域の両方が互い違いに配置されている。
【0034】
図12には、本発明の別の実施形態による半導体装置130の平面図を示してある。集積回路130は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図4に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路130は、集積回路130の縁部131に沿って形成された複数のボンドパッド132〜135を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上の点線は、パッシベーション層に形成された開口部136を示している。各ボンドパッドは、図1で議論したようにプローブ領域およびワイヤボンド領域に分離されている。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。前記複数のボンドパッドは外周131に関して配置されている。図12の実施形態では、プローブ領域およびワイヤボンド領域の両方が互い違いに配置されている。さらに、プローブ領域はパッシベーション層上に形成されている。
【0035】
図13には、本発明の別の実施形態による半導体装置140の平面図を示してある。集積回路140は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図2および図3に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路140は、集積回路140の縁部141に沿って形成された複数のボンドパッド142〜145を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上の点線は、パッシベーション層に形成された開口部146を示している。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。ボンドパッドの長軸は、縁部141と平行になるように方向付けられている。隣接するボンドパッドのワイヤボンド領域およびプローブ領域は、縁部141から等距離の線上に維持されている。ボンドパッドの長軸が縁部141と平行に方向付けられていることから、パッドに限定されない集積回路用の分離したワイヤボンド領域およびプローブ領域を維持しながら、ボンドパッドの全体高さが低減される。
【0036】
図14には、本発明の別の実施形態による半導体装置150の平面図を示してある。集積回路150は、図1に示したボンドパッドと同様の複数のボンドパッドを備え、図4に示した実施形態に従って構築することができる。集積回路150は、集積回路150の縁部151に沿って形成された複数のボンドパッド152〜155を備える。前記複数のボンドパッドのそれぞれの上の点線は、パッシベーション層に形成された開口部156を示している。楕円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はプローブ検査用に指定された領域であり、円形を境界とする各ボンドパッド上の領域はワイヤボンディング用に指定された領域である。ボンドパッドの長軸は、縁部151と平行に方向付けられている。隣接するボンドパッドのワイヤボンド領域およびプローブ領域は、縁部151から等距離の線上に維持されている。ボンドパッドの長軸が縁部151と平行に方向付けられていることから、パッドに限定されない集積回路用の分離したワイヤボンド領域およびプローブ領域を維持しながら、ボンドパッドの全体高さが低減される。図14では、プローブ領域はパッシベーション層上に形成されている。
【0037】
上記の明細書では、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明した。しかしながら当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、各種の修正および変更を行うことが可能であることは明らかであろう。従って、明細書および図面は限定的な意味ではなく例示的な意味のものであると見なすべきであり、そのような修正はいずれも本発明の範囲に含まれるものである。
【0038】
以上、具体的な実施形態に関して、他の利点および問題解決の説明を行った。しかしながら、効果、利点、問題解決ならびに効果、利点もしくは解決を生じさせたりより顕著なものとし得る要素は、いずれかまたは全ての特許請求の範囲の重要、必要もしくは必須の特徴または要素であると解釈すべきではない。本明細書で使用される場合、「含む」、「包含する」またはそれらの他の派生表現は、包括的に包含することを含むものであることから、列記された要素を含む工程、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけでなく、明瞭に列記されていないか、そのような工程、方法、物品または装置に特有のものである他の要素をも包含することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 ボンドパッド
12 ワイヤボンド
14 プローブ
18 パッシベーション層
20 半導体集積回路
25 外周
24 相互接続領域
26 基板
28 最終金属層
36 ボンドパッド
38 ワイヤボンド
37 プローブ
34 半導体集積回路
44 ボンドパッド
48 ワイヤボンド
47 プローブ
40 半導体集積回路
42 最終金属パッド
66 開口
76 開口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動回路構成部および外周を有する基板;
前記基板上の複数の相互接続層;
前記複数の相互接続層上に位置し、銅からなる最終層バッドと複数の相互接続ラインとを有する相互接続最終層;
前記相互接続最終層上に位置し、前記最終層パッド上に開口部を有するパッシベーション層;および
アルミニウムからなり、前記最終層パッド上に位置するとともに同最終層パッドに電気的に接続するボンドパッドであって、当該ボンドパッドは第1領域および第2領域を有し、前記第1領域は前記第2領域と前記外周との間に位置し、前記第1領域および前記第2領域は実質的に重なり合うことなく隣接しており、前記第1領域はプローブ領域およびワイヤボンド領域の一方として機能し、前記第2領域はプローブ領域およびワイヤボンド領域のうち第1領域が機能しないもう一方として機能し、当該ボンドパッドは能動回路構成部の上方に、かつ、当該ボンドパッドに関係しない前記相互接続最終層の相互接続ラインの上方に位置される、ボンドパッド;
を備える集積回路。
【請求項2】
能動回路構成部および外周を有する基板;
前記基板上の第1の複数の相互接続層;
前記第1の複数の相互接続層上に位置する、銅からなる最終層バッド;
前記最終層パッドに対応する複数の開口部を有するパッシベーション層;および
前記開口部を通って前記最終層パッドに結合された、アルミニウムからなる複数のボンドパッドであって、前記開口部上に第1の部分を有し、さらに前記パッシベーション層上に第2の部分を有し、前記第2の部分が前記第1の部分より面積が大きい、ボンドパッド;
を備え、
前記複数のボンドパッドは、前記能動回路構成部の上方に、かつ、当該ボンドパッドに関係しない前記相互接続最終層の相互接続ラインの上方に延在し、前記第2部分は前記第1部分よりも有意に大きく、第1部分はワイヤボンディング用の領域であり、第2部分はプローブ用の領域である、
集積回路。
【請求項3】
能動回路構成部を有する基板;
前記基板上の複数の相互接続層;
前記複数の相互接続層上に位置する相互接続最終層であって、前記基板の外周の周りに位置する複数の最終層バッドと複数の相互接続ラインとを有する相互接続最終層;
前記相互接続最終層上に位置し、複数の開口部を有するパッシベーション層であって、該複数の開口部の各々は前記複数の最終層パッドのうちの一つの最終層パッドに対応し、かつ、前記複数の開口部の各々はそれが対応する最終層パッド上に位置する、パッシベーション層;および
複数のボンドパッドであって、該複数のボンドパッドの各ボンドパッドは前記複数の開口部のうちの一つの開口部に対応し、各ボンドパッドはそれが対応する開口部の上に位置するとともに、各ボンドパッドは、第1領域および第2領域を有し、各ボンドパッドの前記第1領域は各ボンドパッドの前記第2領域よりも前記基板の外周に近接しており、隣接するボンドパッドの各第1領域はプローブ領域とワイヤボンド領域とを交互になしている、複数のボンドパッド;
を備える集積回路。
【請求項4】
能動回路構成部を有する基板を提供する工程;
前記基板上に複数の相互接続層を形成する工程;
前記複数の相互接続層上に、前記基板の外周の周囲に複数のパッドを有し、かつ、複数の相互接続ラインを有する相互接続最終層を形成する工程;
前記相互接続最終層上に、複数の開口部を有するパッシベーション層を形成する工程であって、前記複数の開口部の各々が前記複数の最終層パッドのうちの一つの最終層パッドに対応し、かつ、前記複数の開口部の各々がそれが対応する最終層パッド上にある工程;および
前記パッシベーション層の形成後に、前記開口部を通って前記最終層パッドに結合する複数のボンドパッドを形成する工程;
を備え、
前記複数のボンドパッドの各ボンドパッドが、
前記複数の開口部のうちの一つの開口部に対応し、
それが対応する開口部上の第1の部分およびパッシベーション層上に延びる第2の部分を有し、前記第2の部分の方が第1の部分より面積が大きく、
さらに各ボンドパッドは、実質的に重なり合わない第1領域および第2領域を有し、各ボンドパッドの前記第1領域は各ボンドパッドの前記第2領域よりも前記基板の外周に近接しており、隣接するボンドパッドの各第1領域はプローブ領域とワイヤボンド領域とを交互になしている;
集積回路の形成方法。
【請求項5】
能動回路構成部および外周を有する基板;
前記基板上に形成され、相互接続最終層を有する複数の相互接続層;
前記相互接続最終層上に形成された複数のボンドパッドであって、当該ボンドパッドの各々は第1領域および第2領域を有し、前記第1領域はプローブ領域としてのみ使用され、前記第2領域はワイヤボンド領域としてのみ使用され、前記複数の相互接続層および能動回路構成部が当該複数のボンドパッドの下にある、ボンドパッド;および
前記相互接続最終層上に形成され、複数の開口部を有するパッシベーション層であって、前記複数の開口部のそれぞれが前記複数のボンドパッドの一つに対応しているパッシベーション層;
を備える集積回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−40759(P2011−40759A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181954(P2010−181954)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【分割の表示】特願2003−577333(P2003−577333)の分割
【原出願日】平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】