説明

レーザ割断装置

【課題】棒状部材で基板を湾曲させるレーザ割断装置において、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと棒状部材とが重なるように迅速且つ正確に基板を位置決めできるようにする。
【解決手段】基板50の位置を検知するCCDカメラ38,39と、固定台11を回転させる回転機構25とX方向に移動させるスライドテーブル26とを設け、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ライン51と棒状部材12とが重なるように、CCDカメラ38,39からの検知情報に基づいて、基板50を固定した固定台11の位置を回転機構25及びスライドテーブル26によって調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脆性材料基板を湾曲させた状態でレーザビーム照射を行って割断するレーザ割断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス基板などの脆性材料基板の割断方法としては、カッターホイール等を圧接転動させて、垂直クラックからなるスクライブラインを形成した後、スクライブラインに沿って基板に対して垂直方向から外力を加え基板を割断する方法が広く行われている。
【0003】
通常、カッターホイールを用いて脆性材料基板のスクライブを行った場合、カッターホイールによって脆性材料基板に付与される機械的な応力によって基板の欠陥が生じやすく、外力を加えて基板を割断する際に上記欠陥に起因する割れ等が発生することがあった。
【0004】
そこで、近年、レーザを用いて脆性材料基板を割断する方法が実用化されている。この方法は、レーザビームを基板に照射して基板を溶融温度未満に加熱した後、冷却媒体により基板を冷却することによって基板に熱応力を生じさせ、この熱応力によって基板の表面から略垂直方向にクラック(以下、「垂直クラック」と記すことがある)を形成させるというものである。このレーザビームを用いた脆性材料基板の割断方法では、熱応力を利用するため、工具を基板に直接接触させることがなく、割断面は欠け等の少ない平滑な面となり、基板の強度が維持される。
【0005】
上記いわゆるレーザ割断方法において垂直クラックを深くするには、レーザビームの照射出力を大きくしたり、走査速度を遅くする必要があるが、レーザビームの照射出力を大きくすると、基板表面に加熱による損傷が生じることがある。また、レーザビームの走査速度を遅くすると加工効率が低下する。
【0006】
そこで、基板を湾曲させ、その状態でレーザビームを照射して垂直クラックを深くする技術が提案されている。例えば特許文献1では、基板を支持する複数の棒状部材の高さをそれぞれ変えて基板を自重で湾曲させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-191363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の提案技術では、複数の棒状部材の高さをそれぞれ調整しなければならず作業が煩雑となる。一方、1つの棒状部材で基板を湾曲させる場合には、棒状部材の高さ調整は容易になるが、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと棒状部材とが重なるように正確に位置決めすることが求められる。
【0009】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、棒状部材で基板を湾曲させるレーザ割断装置において、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと棒状部材とが重なるように迅速且つ正確に基板を位置決めできるレーザ割断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、脆性材料基板を固定する固定台と、レーザ照射手段と、冷却手段と、前記固定台に固定された前記基板をレーザビームの照射面側が凸となるように湾曲させる棒状部材とを備え、前記棒状部材で前記基板を湾曲させ、前記基板に対して前記レーザ照射手段及び前記冷却手段を相対移動させて、レーザビームを脆性材料基板に照射して溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって、垂直クラックを形成して前記基板を割断するレーザ割断装置であって、前記基板の位置を検知する位置検知手段と、前記固定台の位置を調整する位置調整手段とをさらに備え、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと前記棒状部材とが重なるように、前記位置検知手段からの検知情報に基づいて、前記基板を固定した前記固定台の位置を前記位置調整手段によって調整することを特徴とするレーザ割断装置が提供される。
【0011】
ここで、前記位置調整手段としては、前記固定台の基板固定面に対して垂直な軸を中心として前記固定台を回転させる回転機構と、前記固定台の基板固定面が同一面内を維持するように前記固定台を移動させる移動機構とを有するものが好ましい。
【0012】
また、前記位置検知手段としては、前記基板に形成された検出用マークを光学的に検知するものが好ましい。
【0013】
そしてまた、前記固定台に前記基板を固定するための吸引固定手段を設けるのが好ましい。
【0014】
さらに前記棒状部材を、前記固定台に対して突出位置と没入位置とに移動自在とし、前記棒状部材を前記固定台から突出した位置に移動させることによって前記基板を湾曲させるのが好ましい。
【0015】
前記基板が厚い場合でも所望の形状に基板を湾曲できるようにする観点からは、前記棒状部材を中心として前記基板の両側を前記固定台に押圧する一対の押圧部材をさらに設け、前記固定台に前記基板を固定し、前記一対の押圧部材で前記基板を押圧した後、前記棒状部材で前記基板を湾曲させるようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るレーザ割断装置では、レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと棒状部材とが重なるように、迅速且つ正確に脆性材料基板を位置決めできるので、棒状部材によってレーザビーム照射予定ラインで最大曲率となるように基板を湾曲させることができる。そして、レーザビーム照射予定ラインに沿ってレーザビームを照射することにより、深い垂直クラックを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るレーザ割断装置の一実施形態を示す概説図である。
【図2】基板の位置調整の一例を示す平面図である。
【図3】図1のレーザ割断装置を用いて基板の割断する場合の工程図である。
【図4】図1のレーザ割断装置を用いて基板の割断する場合の工程図である。
【図5】レーザビーム及び冷却ノズルの動作状態を説明する斜視図である。
【図6】棒状部材が第1突出位置から第2突出位置に移動する際の移動状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るレーザ割断装置についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0019】
図1に、本発明に係るレーザ割断装置の一例を示す概説図を示す。この図のレーザ割断装置では、脆性材料基板(以下、単に「基板」と記すことがある)50を載置・固定する固定台11が、回転機構25及びスライドテーブル26(移動機構)の上に設けられている。すなわち、図の左右方向(X方向)に移動自在のスライドテーブル26が基台20上に設けられ、スライドテーブル26上に回転機構25が設けられている。これらの回転機構25及びスライドテーブル26により、固定台11に載置・固定された基板50は水平面内をX方向及び所定角度に移動される。
【0020】
スライドテーブル26は、基台20上に所定距離隔てて平行に配置された一対のガイド部材21に移動可能に支持されている。そして、一対のガイド部材21間には、ガイド部材21と平行にボールネジ22が、モータ23によって正逆回転自在に設けられている。また、スライドテーブル26の底面にはボールナット24が設けられ、ボールネジ22に螺合している。ボールネジ22が正転又は逆転することによって、ボールナット24はX方向に移動し、これによって、ボールナット24と共にスライドテーブル26が、一対のガイド部材21に沿ってX方向に移動する。
【0021】
スライドテーブル26上には回転機構25が設けられている。そして、この回転機構25上に固定台11が設けられている。回転機構25は、固定台11に対して垂直方向の中心軸の周りに回転させる。
【0022】
割断対象である基板50は、固定台11上に真空吸着によって固定される。固定台11の表面には複数の吸気孔(吸着固定手段)14が形成されており、これら複数の吸気孔14は真空ポンプ(吸着固定手段)Pに繋がっている。真空ポンプPを駆動させて空気を引くことにより、固定台11上に基板50が吸着固定される。固定台11の中央部、紙面に対して垂直方向(前後方向)に溝部が形成され、この溝部に前後方向に細長い棒状部材12が、不図示の駆動手段によって、固定台11から突出した位置と固定台11に没入した位置とに移動自在に設けられている。棒状部材12が固定台11から突出した位置になると、レーザビームLB照射面側が凸となるように基板50が湾曲される。これについては後段で詳述する。
【0023】
固定台11の上方には、固定台11と離隔対向するように、支持台31が設けられている。支持台31には、基板50の表面にトリガークラックを形成するためのカッタホイール(不図示)と、基板50にレーザビームLBを照射するための開口と、棒状部材12及び基板50の表面を冷却するための冷却ノズル37(冷却手段,図5に図示)とが前後方向に並んで設けられている。
【0024】
カッタホイール(不図示)は、基板50に圧接する位置と非接触な位置とに昇降可能に保持されており、スクライブライン52(図5に図示)の開始起点となるトリガークラックを形成するときのみ、基板50に圧接する位置に下降する。トリガークラックの形成位置は、トリガークラックから予測不可能な方向にクラックが生じる先走り現象を抑制するために、基板50の表面側端よりも内側に形成するのが好ましい。
【0025】
レーザ出力装置34から出射されたレーザビームLBは、反射ミラー44で下方に反射され、不図示の光学系を介して支持台31に形成された開口から、固定台11上に固定された基板50に照射される。
【0026】
支持台31のX方向両側に、前後方向に細長い直方体状の一対の押圧部材13a,13bが設けられている。この一対の押圧部材13a,13bは、不図示の駆動手段によってX方向及び上下方向に移動自在であり、後述するように、固定台11に基板50が固定されると、棒状部材12を中心として基板50の左右両側を押さえて、棒状部材12の突出により基板50が湾曲するのを補助する。なお、棒状部材12が突出したときに固定台11による吸着固定のみで基板50を固定できる場合には、一対の押圧部材13a,13bを用いなくても構わない。
【0027】
固定台11の上方には、基板50に予め刻印されたアライメントマークAM(検出用マーク,図2に図示)を認識する一対のCCDカメラ(位置検知手段)38,39が設けられている。これらのCCDカメラ38,39によりアライメントマークAMを認識し、基板50のレーザビーム照射予定ライン51(図2に図示)と棒状部材12とが平面視において重なるように、回転機構25及びスライドテーブル26とが駆動されて基板50の位置が修正される。
【0028】
具体的には、基板50を固定台11上に載置し、真空ポンプP(図1に図示)を駆動させて吸気孔14(図1に図示)により固定台11に基板50を吸着固定する。そして、CCDカメラ38,39によりアライメントマークAMを認識し、固定台11に載置・固定時の基板50の位置ずれを検出する。例えば図2(a)に示すように、基板50が、角度「−θ」、X方向に距離「−L」ずれていた場合は、回転機構25によって固定台11を角度「+θ」回転させると共に、スライドテーブル26をX方向に距離「+L」移動させて、基板50のレーザビーム照射予定ライン51と棒状部材12とが平面視において重なるようにする(図2(b))。回転機構25及びスライドテーブル26の駆動は同時に行ってもよいし、いずれか一方を先に駆動し他方を後に駆動してもよい。
【0029】
基板50が固定台11に固定され基板50の位置調整が行われると、次に、基板50の割断処理が行われる。図3及び図4に、基板50を割断する場合の工程図を示す。なお、固定台11に基板50を吸着固定させる吸着手段及びレーザビーム照射手段、冷却手段については、図を簡潔にするためこれらの図からは省略している。
【0030】
まず、押圧部材13a,13bを中央部へ移動させた後、下降させて基板50を固定台11に押圧固定する(図3(a),(b))。押圧部材13a,13bによる基板50の押圧固定の程度は、センサにより検知し所定の押圧力となるよう制御するのが好ましい。また、押圧部材13a,13bによる基板50の固定位置は、基板50の材質や厚みなどから適宜決定すればよいが、棒状部材12の突出によって基板50が湾曲した際に基板50の曲率半径が4000mm以下となるようにするのが好ましい。このためには、棒状部材12の突出量が5mm以下の範囲の場合、棒状部材12から押圧部材13a,13bまでの距離Lは100mm以上300mm以下とするのが好ましい。また、押圧部材13a,13bは、基板50の前後方向の全体を押圧するのが好ましいが、前後方向に所定間隔で基板50を押圧するようにしても構わない。
【0031】
そして、棒状部材12を固定台11から突出した第1突出位置とする。これにより基板50が湾曲する(同図(c))。棒状部材12の突出量としては、前述のように、基板50を湾曲させた時の基板50の曲率半径が4000mm以下となるようにするのが好ましく、通常、0.1mm〜5mmの範囲である。
【0032】
次いで、前述のように、ホイールカッタによって基板50にトリガークラックを形成する。そして、レーザ出力装置34からレーザビームLBを出射する(同図(d))。レーザビームLBは反射ミラー44よって、図5に示すように、基板50表面に対して略垂直に照射する。また同時に、レーザビーム照射領域の後端近傍に冷却媒体としての水を冷却ノズル37から噴出させる。基板50にレーザビームLBを照射することによって、基板50は厚み方向に溶融温度未満で加熱され、基板50は熱膨張しようとするが、局所加熱のため膨張できず照射点を中心に圧縮応力が発生する。そして加熱直後に、基板50の表面が水により冷却されることによって、基板50が今度は収縮して引張応力が発生する。この引張応力の作用によって、トリガークラックを開始点としてレーザビーム照射予定ライン51に沿って垂直クラック53が基板50に形成される。加えて、本発明の装置では、基板50のレーザビーム照射面側に基板50の湾曲による引張応力が付加されるので、垂直クラック53が通常よりも深く形成され、場合によっては垂直クラック53が基板50の反対面側まで至る。
【0033】
そして、レーザビームLB及び冷却ノズル37をレーザビーム照射予定ライン51に従って前後方向に相対的に移動させることによって、垂直クラック53が前後方向に進展し基板50にスクライブライン52が形成される。
【0034】
ここで使用するレーザビームLBとしては特に限定はなく、基板の材質や厚み、形成したい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。脆性材料基板がガラス基板の場合、ガラス基板表面での吸収が大きい波長9〜11μmのレーザビームが好適に使用される。このようなレーザビームとしてはCOレーザが挙げられる。レーザビームの照射スポットの形状としては、レーザビームの相対移動方向に細長い楕円形状が好ましく、相対移動方向の照射長さは10〜60mmの範囲、照射幅は1〜5mmの範囲が好適である。
【0035】
冷却ノズル37から噴出させる冷却媒体としては水やアルコールなどが挙げられる。また、割断後の脆性材料基板を使用する上で悪影響を与えない範囲において、界面活性剤等の添加剤が添加されていても構わない。冷却媒体の吹き付け量としては通常は数ml/min程度が好適である。冷却媒体による基板の冷却は、レーザビームによって加熱された基板を急冷する観点からは、気体(通常は空気)と共に水を噴射させるいわゆるウォータジェット方式が望ましい。冷却媒体による冷却領域は、長径1〜5mm程度の円形状又は楕円形状であることが好ましい。また、冷却領域は、レーザビームによる加熱領域の相対移動方向後方であって、冷却領域と加熱領域との中心点間の距離が数mm〜数十mm程度となるように形成するのが好ましい。
【0036】
レーザビームLB及び冷却ノズル37の相対移動速度としては特に限定はなく、得たい垂直クラックの深さなどから適宜決定すればよい。一般に相対移動速度を遅くするほど、形成される垂直クラックは深くなる。通常、相対移動速度は数百mm/sec程度である。
【0037】
次に、棒状部材12をさらに突出させて第2突出位置とする(図4(e))。これにより、基板50に形成された垂直クラック53が、基板50の反対面側にまで至り基板50が割断される。なお、レーザビームLBの照射によって垂直クラック53を形成する前工程において、垂直クラック53が基板50の反対面側まで至った場合には、この図に示す工程は不要となる。棒状部材12の突出量は、垂直クラック53を基板50の反対面側に進展させるものであれば特に限定はなく、通常、第1突出位置から0.1mm〜1mm程度の突出量で足りる。なお、棒状部材12を第1突出位置から第2突出位置にする際、棒状部材12の前後方向両端を同時に突出させてもよいし、図6に示すように、棒状部材12の前後方向の一方側端を先に突出させて、遅れてもう一方端側を突出させるようにしてもよい。
【0038】
基板50の割断がなされると、棒状部材12を第2突出位置としたままで押圧部材13aを上昇させて基板50aの押さえを解除する(図4(f))。そして、固定台11の吸着固定を解除し、基板50aを次の工程に移動させる(図4(g))。なお、棒状部材12を第2突出位置としたままで基板50aの押さえを解除し次の工程に移動させるのは、棒状部材12を第2突出位置から没入位置に移動させた後に、基板50aを移動させると、棒状部材12を没入位置にした時に、基板50aと基板50bとの端面同士が接触し損傷するおそれがあるからである。次いで、基板50bが棒状部材12を超えて所定距離まで移動され、前記一連の割断処理が繰り返し行われる。なお、図4(f)及び同図(g)で示す工程は、同時に行っても構わない。
【0039】
本発明に係るレーザ割断装置の割断対象としての脆性材料基板50に特に限定はなく、ガラス、セラミック、シリコン、サファイア等の従来公知の脆性材料基板が挙げられる。これらの中でも、表面圧縮応力が大きく、クロススクライブが困難とされている化学強化ガラスや風冷強化ガラスなどの強化ガラス基板の割断に本発明のレーザ割断装置は好適に使用できる。また、本発明のレーザ割断装置で割断できる脆性材料基板50の厚みとしては、脆性材料基板50の材質等によって異なるが、脆性材料基板50がガラス基板の場合にはおおよそ2mm程度の厚さまでである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るレーザ割断装置では、レーザビーム照射方向から見て、基板のレーザビーム照射予定ラインと棒状部材とが重なるように迅速且つ正確に基板を位置決めできる。これにより、レーザビーム照射予定ラインで最大曲率となるように基板を湾曲させることができ、レーザビーム照射予定ラインに沿ってレーザビームを照射することで深い垂直クラックを基板に形成でき有用である。
【符号の説明】
【0041】
11 固定台
12 棒状部材
13a,13b 押圧部材
25 回転機構
26 スライドテーブル(移動機構)
37 冷却ノズル
38,39 CCDカメラ(位置検知手段)
50 脆性材料基板
51 レーザビーム照射予定ライン
53 垂直クラック
P 真空ポンプ
LB レーザビーム
AM アライメントマーク(検出用マーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脆性材料基板を固定する固定台と、レーザ照射手段と、冷却手段と、前記固定台に固定された前記基板をレーザビームの照射面側が凸となるように湾曲させる棒状部材とを備え、前記棒状部材で前記基板を湾曲させ、前記基板に対して前記レーザ照射手段及び前記冷却手段を相対移動させて、レーザビームを脆性材料基板に照射して溶融温度未満に加熱した後、前記基板に対して冷却媒体を吹き付けて冷却し、前記基板に生じた熱応力によって、垂直クラックを形成して前記基板を割断するレーザ割断装置であって、
前記基板の位置を検知する位置検知手段と、前記固定台の位置を調整する位置調整手段とをさらに備え、
レーザビーム照射方向から見て、レーザビーム照射予定ラインと前記棒状部材とが重なるように、前記位置検知手段からの検知情報に基づいて、前記基板を固定した前記固定台の位置を前記位置調整手段によって調整することを特徴とするレーザ割断装置。
【請求項2】
前記位置調整手段は、前記固定台の基板固定面に対して垂直な軸を中心として前記固定台を回転させる回転機構と、前記固定台の基板固定面が同一面内を維持するように前記固定台を移動させる移動機構とを有する請求項1記載のレーザ割断装置。
【請求項3】
前記位置検知手段が、前記基板に形成された検出用マークを光学的に検知するものである請求項1又は2記載のレーザ割断装置。
【請求項4】
前記固定台に前記基板を固定するための吸引固定手段が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ割断装置。
【請求項5】
前記棒状部材が、前記固定台に対して突出位置と没入位置とに移動自在で、前記固定台から突出した位置に移動することによって前記基板を湾曲させる請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ割断装置。
【請求項6】
前記棒状部材を中心として前記基板の両側を前記固定台に押圧する一対の押圧部材をさらに備え、
前記固定台に前記基板を固定し、前記一対の押圧部材で前記基板を押圧した後、前記棒状部材で前記基板を湾曲させる請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ割断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−56229(P2012−56229A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202874(P2010−202874)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】