説明

ロックフェイル防止のための遅延固定ループクロックの生成方法及びその装置

【課題】相対的に長時間パワーダウンモードにとどまる場合、チップの温度等の様々な環境の変化によってロックフェイルが発生することを防止する遅延固定ループ装置を提供すること。
【解決手段】本発明の遅延固定ループ装置は、パワーダウンモードへの出入を決定する制御信号を生成するパワーダウンモード制御部と、制御信号によりノーマルモードで外部クロックをバッファリングし第1の内部クロック信号を生成する第1のクロックバッファと、制御信号によりパワーダウンモードで外部クロックをバッファリングし第2の内部クロック信号を生成する第2のクロックバッファと、制御信号によりノーマルモードでは第1の内部クロック信号を選択し、パワーダウンモードでは第2の内部クロック信号を選択して伝達するクロック選択部と、クロック選択部で選択された信号を使用して位相更新を行うことによりDLLクロックを出力する位相更新部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設計技術に関し、特に、SDRAM(Synchronous DRAM)の遅延固定ループ(DLL; Delay Locked Loop)回路に関し、さらに詳細には、半導体の低電力(Low Power)動作のためのパワーダウンモード(Power Down Mode)動作の際に、安定した動作を行う遅延固定ループ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)などの同期式半導体メモリ装置は、メモリコントローラなどの外部装置から入力される外部クロック信号に同期されて、固定された内部クロック信号を利用して外部の装置とデータの伝送を行う。これは、メモリとメモリコントローラとの間の安定したデータ伝送のためには、基準クロック信号とデータとの間の時間的同期が極めて重要なためである。すなわち、データの安定した伝送のためには、データを伝送する各構成要素におけるクロックからデータがバスに載せられる時間を逆補償して、データをクロックのエッジ、あるいは中心に正確に位置させなければならない。
【0003】
このような役割を果たすために、同期式半導体装置は、クロック同期回路を備え、該クロック同期回路には、位相固定ループ(PLL: Phase Locked Loop)回路と遅延固定ループ回路があり、外部クロック信号の周波数と内部クロック信号の周波数とが互いに異なる場合には、周波数逓倍機能を使用しなければならないため、主に位相固定ループを使用する。そして、外部クロック信号と内部クロック信号との周波数が同じ場合には、主に遅延固定ループを使用する。
【0004】
遅延固定ループ回路は、出力されるクロック信号が半導体メモリ装置内部のデータ出力端まで伝達される過程において発生するクロック遅延成分を補償して、内部クロック信号を生成することによって、最終データの入出力に用いられるクロック信号を外部クロック信号に同期させる。遅延固定ループ回路は、位相固定ループ回路に比べて、ノイズが少なく、小さな面積で実現できるという長所があるため、半導体メモリ装置では、同期回路として遅延固定ループ回路を使用するのが一般的である。
【0005】
その中でも、最近の技術としては、固定遅延値を格納し得るレジスタを備えて、電源遮断の際に、レジスタに固定遅延値を格納した後に、再び電源が印加されると、レジスタに格納されていた固定遅延値をローディングして、クロック固定に使用することによって、最初のクロック固定に必要とする時間を低減できるレジスタ制御型遅延固定ループ回路が最も広く使用されつつある。
【0006】
図1は、通常の遅延固定ループ回路の基本動作を説明するための概念図である。
【0007】
図1に示したように、遅延固定ループは、外部からクロック信号を受信して、DRAM内部のクロック信号が遅延される量分を補正して、DRAM出力信号が外部クロックと同相を有するようにする装置である。外部クロックとDRAM出力とが同相を有する時、データをエラー無しでチップセットに伝達することができる。
【0008】
図2は、従来の技術に係る遅延固定ループ回路の構成を説明するための回路図である。図2は、レジスタ制御型遅延固定ループ回路に基づいている。
【0009】
図2に示したように、遅延固定ループ回路は、大きくクロックバッファ部10、パワーダウンモード制御部20、位相比較部30、遅延制御部40、位相遅延部50、ダミー位相遅延部60、遅延レプリカモデル部70からなる。遅延固定ループの出力DLL_CLKは、クロック信号ライン80を経て出力バッファ90のデータ出力タイミングを制御する。
【0010】
クロックバッファ部10は、外部クロックCLK,CLKBを受信してバッファリングすることによって、内部クロック信号REF_CLKを生成する装置である。
【0011】
パワーダウンモード制御部20は、DRAMのパワーダウンモード時にクロックバッファ部10をオフさせる装置である。DRAMの低電力(Low Power)動作のために、DRAMの読み出し/書き込み動作がない時に、クロックイネーブル信号CKEのローレベルによりパワーダウンモードに進入する。この時のクロックバッファ部10は、内部クロック信号を生成しないことによって、遅延固定ループの現在状態の格納のために、電源をオフする。
【0012】
位相比較部30は、遅延固定ループ回路の入力クロックの位相と出力クロックの位相とを比較して、2クロックの位相差を検出する装置である。通常の場合、遅延固定ループ回路の電力消費を低減するために、外部から入力されるクロックを分周器により周波数を低くして比較する。図面では、分周器の図示を省略し、クロックバッファ部10を経た内部クロック信号REF_CLKの位相と遅延固定ループ回路の内部回路を経てフィードバックされたフィードバック信号FB_CLKの位相とを比較することを示した。この比較の結果に基づいて、遅延制御部40を制御するようになる。
【0013】
遅延制御部40は、位相遅延部50の入力経路(path)を決定することのできるロジック回路と経路の方向を変える双方向シフトレジスタ(Bidirectional Shift Register)とからなっている。シフトレジスタは、4つの入力信号を受信して、シフト動作を行い、初期入力条件の最も左側の信号あるいは最も右側の信号をハイレベルにして、初期の最大/最小遅延を持たせることができる。シフトレジスタに入力される信号は、2つの右側のシフトと2つの左側のシフトとからなっており、シフト動作のためには、2つの信号が互いに重ならないように、ハイレベルの区間を有すれば良い。
【0014】
位相遅延部50は、クロックバッファ部10から出力された内部クロック信号REF_CLKの位相を遅延させる回路である。この時、位相遅延の程度は、位相比較部30により決定され、遅延制御部40により制御を受けて位相遅延を決定する遅延経路を決定するようになる。遅延ラインは、NANDと、NANDで接続されている複数のユニット遅延セルにより構成されている。各々のユニット遅延セルの入力は、シフトレジスタと1対1に接続されており、シフトレジスタの出力端の値がハイレベルになる所が、クロックバッファ部を経たクロックが入力する経路として決定される。遅延ラインは、立ち上がりエッジクロック用と立ち下がりエッジクロック用とが存在する。これは、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを同様に処理して、いずれかの方向に歪曲する(Duty Ratio Distortion)ことを最大限抑制するためである。
【0015】
ダミー位相遅延部60は、位相比較器に入力されるフィードバック信号FB_CLKのための遅延ラインである。構成は、位相遅延部50と同様である。
【0016】
遅延レプリカモデル部70は、チップ外部のクロックが入力されて位相遅延部50の前まで、そして位相遅延部50の出力クロックがチップの外部に出力されるまでの遅延要素をモデリングしたものである。正確な遅延要素は、遅延固定ライン回路が有する性能中の歪曲値を決定し、遅延レプリカモデル部70は、基本回路を縮小又は簡略化するか、そのまま利用する方法がある。実際に、遅延レプリカモデル部70は、クロックバッファと遅延固定ループクロックドライバー、R/F分割器(Divider)、出力バッファをそのままモデリングする。
【0017】
クロック信号ライン80は、遅延固定ループの出力DLL_CLKが出力バッファ90まで伝達される経路である。
【0018】
出力バッファ90は、メモリコアからデータを受けて、遅延固定ループの出力クロックDLL_CLKに同期されて、データ出力パッドにデータを出力する装置である。
【0019】
図3は、図2に示した遅延固定ループ回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【0020】
図3に示したように、パワーダウンモードに進入する時、クロックイネーブル信号CKEは、ロジックハイレベルからロジックローレベルに遷移する。この時、遅延固定ループ回路の現在状態を格納するために、位相を更新する動作を止め、前のロック(Locking)された情報を記憶し、凍結(Frozen)状態に進入する。ここで、位相更新とは、遅延固定ループ回路のフィードバッククロックFB_CLKと内部クロック信号REF_CLKとの位相差を比較して、続いてトラッキング(Tracking)するという意味であり、凍結状態とは、前にロックされた情報を記憶し、位相を更新しないということを意味する。
【0021】
一方、プリチャージパワーダウンモードのような場合には、最小3クロック〜最大7.8μsの間にパワーダウンモードにとどまる。この時、パワーダウン制御部20によりクロックバッファ部10がオフされることによって、DLL出力DLL_CLKは発生しない。
【0022】
このように、長時間(MIN.3CLK〜MAX.7.8μs)パワーダウンモードにとどまりながら位相更新がない場合、チップの温度等の様々な環境の変化により、遅延固定ループ回路のロック(Locking)情報がパワーダウンモードの前のロック情報値と顕著に変わるようになる。
【0023】
したがって、ロック情報が変わった状態でパワーダウンモードから脱出(Exit)すれば、DLLクロックDLL_CLKは、ロックされるべきターゲットクロックに対して位相差を表し、外部クロックが遅延固定ループ回路の出力信号と位相差が発生すれば、DRAMの正確な有効データを送信及び受信することができなくなる。
【特許文献1】特開2002−152018
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、相対的に長時間パワーダウンモードにとどまる場合、チップの温度等の様々な環境の変化によってロックフェイルが発生することを防止する遅延固定ループ装置及びDLLクロックの生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、上記の目的を達成するため、ノーマルモードとパワーダウンモードとを有する同期式メモリ装置の遅延固定ループ回路において、パワーダウンモードに進入するか脱出するかを決定する制御信号を生成するパワーダウンモード制御部と、前記制御信号によって、ノーマルモードで外部クロックをバッファリングすることによって、第1の内部クロック信号を生成する第1のクロックバッファと、前記制御信号によって、パワーダウンモードで外部クロックをバッファリングすることによって、第2の内部クロック信号を生成する第2のクロックバッファと、前記制御信号に応答して、ノーマルモードでは、前記第1の内部クロック信号を選択して伝達し、パワーダウンモードでは、前記第2の内部クロック信号を選択して伝達するクロック選択部と、該クロック選択部で選択された第1の内部クロック信号または第2の内部クロック信号を使用して、位相更新を行うことによって、DLLクロックを出力する位相更新部とを備える遅延固定ループ回路を提供する。
【0026】
好ましくは、前記第2の内部クロックが、前記第1の内部クロックより低周波数であることを特徴とする。
【0027】
好ましくは、前記第2のクロックバッファが、前記外部クロックと、該外部クロックの反転信号とを受信して、比較及び増幅する差動増幅器と、該差動増幅器の出力クロックを周波数変換するクロック変換手段と、前記制御信号に応答して、前記クロック変換手段の出力を前記第2の内部クロック信号として伝達する出力部とを備えることができる。
【0028】
前記クロック変換手段が、クロック分周器であることを特徴とする。
【0029】
また、前記クロック変換手段が、互いに異なる分周値の複数の分周されたクロックを生成するために、直列接続した複数の2分周単位のクロック分周器と、フューズブローにより、前記各々の単位のクロック分周器の出力のうちのいずれかを選択して提供するフューズ部とを備えることができる。
【0030】
また、本発明は、上記目的を達成するため、ノーマルモードとパワーダウンモードとを有する半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法において、外部クロックをバッファリングして、第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成するステップと、モード制御信号に応じて、前記第1の内部クロック及び第2の内部クロックのうちのいずれかを選択するステップと、ノーマルモードの際に、前記第1の内部クロックによりDLL位相更新を行うステップと、パワーダウンモードの際に、前記第2の内部クロックによりDLL位相更新を行うステップとを含む半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法を提供する。
【0031】
好ましくは、前記第2の内部クロックが、前記第1の内部クロックより低周波数で分周させたことを特徴とする。
【0032】
本発明のDLLクロックの生成方法において、前記モード制御信号は、メモリが前記ノーマルモードであるか又は前記パワーダウンモードであるかを通知する情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、メモリが長時間の間にパワーダウンモードにあるとしても、DLL位相を少なくとも1回以上更新することによって、パワーダウンモードから脱出する時、前のロック情報が割れるのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の最も好ましい実施形態を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図4は、本発明の遅延固定ループ回路を示したブロック構成図である。
【0036】
図4に示したように、本発明に係る遅延固定ループ回路600は、クロックイネーブル信号CKEに応答してパワーダウンモードに進入するか脱出するかを決定する制御信号CTRLを生成するパワーダウンモード制御部100と、前記制御信号CTRLによりノーマルモードで外部クロックCLK,CLKBをバッファリングして第1の内部クロック信号ICLK_NMを生成する第1のクロックバッファ200と、前記制御信号CTRLにより、パワーダウンモードで外部クロックCLK,CLKBをバッファリングして、第2の内部クロック信号ICLK_PD(該第2の内部クロック信号ICLK_PDは、前記第1の内部クロック信号ICLK_NMより低周波のクロックである)を生成する第2のクロックバッファ300と、前記制御信号CTRLに応答して、ノーマルモードでは、前記第1の内部クロック信号ICLK_NMを選択して伝達し、パワーダウンモードでは、前記第2の内部クロック信号ICLK_PDを選択して伝達するクロック選択部400、及び前記クロック選択部400から選択された出力クロック信号CLKOUTを使用して位相更新を行って、DLLクロックDLL_CLKを出力する位相更新部500とを備える。
【0037】
さらに詳細には、前記位相更新部500は、通常のレジスト制御型遅延固定ループの構成であって、具体的にクロック選択部400の出力クロック信号CLKOUTを受信して、位相を遅延させて出力する位相遅延部520と、位相遅延部520と実質的に同じ構成を有するダミー位相遅延部530と、ダミー位相遅延部530の出力信号をメモリ内クロック信号の遅延要素でモデリングして、フィードバッククロック信号FB_CLKとして出力する遅延レプリカモデル部540と、クロック選択部400の出力クロック信号CLKOUTと前記フィードバック信号FB_CLKとを受信して、両信号の位相の差を検出する位相比較部550、及び位相比較部550から出力信号を受信して、前記位相遅延部520と前記ダミー位相遅延部530との位相遅延を制御する遅延制御部560とを備える。
【0038】
遅延固定ループ600の出力DLL_CLKは、クロック信号ライン700を経て出力バッファ800のデータ出力タイミングを制御する。
【0039】
このように、本発明は、ノーマルモードで駆動する第1のクロックバッファ200とパワーダウンモードで駆動する第2のクロックバッファ300を別に具備し、第2のクロックバッファ300は、第1のクロックバッファ200より低周波のクロックを生成するように構成する。
【0040】
これによって、本発明に係る遅延固定ループ回路600は、ノーマルモード時には、第1のクロックバッファ200の出力である第1の内部クロックICLK_NMによりDLL位相更新を行い、パワーダウンモード時には、第2のクロックバッファ300の出力である第2の内部クロックICLK_PDによりDLL位相更新を行う。
【0041】
したがって、遅延固定ループ回路600は、パワーダウンモード制御部100の制御信号CTRLによりクロック選択部400を制御することによって、前記クロック選択部400により第1の内部クロックICLK_NMと第2の内部クロックICLK_PDのうち選択された内部クロック信号CLKOUTによりDLL位相更新を行う。
【0042】
結局、パワーダウンモードで位相更新を全く行わない従来の技術に比べて、本発明は、パワーダウンモードで第2の内部クロックICLK_PDに基づいて少なくとも1回の位相更新を行うようにする。
【0043】
図5は、パワーダウンモード制御部100及び第2のクロックバッファ300を共に示した回路図である。
【0044】
図5に示したように、パワーダウンモード制御部100は、入力されるクロックイネーブル信号CKEを反転させる第1のインバータINV1と、パワーダウンモード時に前記クロックイネーブル信号CKEと反対の位相を有するアイドル信号IDLEと前記第1のインバータINV1の出力信号とを受信するNANDゲートND1、及びNANDゲートND1の出力を反転させて制御信号CTRLを出力する第2のインバータINV2を備える。ここで、パワーダウンモードである時、クロックイネーブル信号CKEは論理「ロー」、アイドル信号IDLEは論理「ハイ」である。
【0045】
また、第2のクロックバッファ300は、外部クロックCLKと反転された外部クロックCLKBとを受信して、比較及び増幅する差動増幅器320と、差動増幅器320の出力クロックを周波数変換するクロック変換部340、及び制御信号CTRLに応答して、クロック変換部340の出力を第2の内部クロック信号ICLK_PDとして伝達する出力部360を備える。
【0046】
前記第2のクロックバッファ部300の構成要素の中で、前記差動増幅器320は、イネーブル信号ENABLEに応答して、差動増幅器320の動作を制御するイネーブルNMOS N1と、外部クロック信号CLKと外部クロック信号の反転信号CLKBとに応答して、差動増幅器320の出力TMP_CLKを制御する入力NMOS N2,N3と、電源電圧端と差動増幅器の出力TMP_CLKとに接続されて、前記入力NMOS N2,N3に応答して、差動増幅器の出力信号TMP_CLKを決定する出力PMOS P1,P2とを備える。
【0047】
また、本発明の第2のクロックバッファ300は、第1のクロックバッファ200と類似の構成を持つものの、第1のクロックバッファ200に比べて、前記差動増幅器320及び前記出力部360の間にクロック変換部340が別に備えられる。前記クロック変換部340は、1つ以上のクロック分周器を直列に接続して構成されることができる。
【0048】
また、前記出力部360は、クロック変換部340の出力により制御を受けて、制御信号CTRLを伝達する伝達ゲート362と、クロック変換部340の出力を受信して反転することによって、一定時間が遅延された信号を出力する直列接続した複数のインバータ364と、伝達ゲート362から伝達された制御信号CTRLと第3のインバータ364の出力とを受信して、第2の内部クロック信号ICLK_PDを出力するNANDゲートND2とを備える。
【0049】
図6は、図5のクロック変換部340の詳細回路図であり、図7は、図6の2分周単位のクロック分周器810Aの詳細回路図である。
【0050】
図6に示したように、本発明のクロック変換部340は、互いに異なる分周値の複数の分周されたクロックを生成するために、直列接続した複数の2分周単位のクロック分周器810A、810B,810C,...810Nと、フューズブローによりそれぞれの単位のクロック分周器の出力のうちのいずれかを選択して提供するフューズ部820A,820B,820C,...820Nとを備える。
【0051】
ここで、前記複数の2分周単位のクロック分周器810A、810B,810C,...810Nは、同じ構造を持っており、前記2分周単位のクロック分周器810A、810B,810C,...810Nのうちの2分周単位のクロック分周器810Aの詳細構造がその例示として図7に示されている。図7に示す2分周単位のクロック分周器810Aは、入力クロックINを受信して、入力クロックINを2分周して、出力クロックOUTを生成する。
【0052】
本発明のクロック変換部340は、2分周クロック分周器810A、810B,810C,...810N、または前記2分周クロック分周器810A、810B,810C,...810Nの2つが直列に接続されて、クロックを4分周をする4分周クロック分周器などで具現できるため、パワーダウンモード区間において所望のDLL位相更新の範囲に応じて分周値を決定することができる。すなわち、2分周器、4分周器、8分周器など所望の分周器を使用することによって、所望の分周値を決定することができる。
【0053】
すなわち、複数の分周されたクロックを生成できるように設計した後、テストによって、分周されたクロックのうちのいずれかを選択して使用できるように具現されている。この時、フューズ部の代りにメタルオプション処理部を使用して具現することもできる。
【0054】
図8は、パワーダウンモード脱出時の問題点を解決した、本発明に係るタイミング図である。
【0055】
図8に示したように、プリチャージパワーダウンモードのように長時間(7.8μs)パワーダウンモードにとどまるとしても、パワーダウンモードの間に、第2のクロックバッファ300から提供される第2の内部クロックICLK_PDにより、DLL位相更新が少なくとも1回以上行われる。結局、長時間パワーダウンモードにとどまる時、チップの温度等の様々な環境の変化により遅延固定ループ回路のロック情報がパワーダウンモードの前のロック情報値と顕著に異なるのを防止する。
【0056】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想の範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】通常の遅延固定ループ回路の基本動作を説明するための概念図である。
【図2】従来の技術に係る遅延固定ループ回路の構成を説明するためのブロック構成図である。
【図3】図2に示した遅延固定ループ回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】本発明の遅延固定ループ回路を示したブロック構成図である。
【図5】図4のパワーダウンモード制御部及び第2のクロックバッファを共に示した回路図である。
【図6】図5のクロック変換部を示した回路図である。
【図7】図6の2分周クロック分周器の詳細回路図である。
【図8】パワーダウンモード脱出時の問題点を解決した本発明に係るタイミング図である。
【符号の説明】
【0058】
100 パワーダウンモード制御部
200 第1のクロックバッファ
300 第2のクロックバッファ
400 クロック選択部
500 位相更新部
520 位相遅延部
530 ダミー位相遅延部
540 遅延レプリカモデル部
550 位相比較部
560 遅延制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノーマルモードとパワーダウンモードとを有する同期式メモリ装置の遅延固定ループ回路において、
パワーダウンモードに進入するか脱出するかを決定する制御信号を生成するパワーダウンモード制御部と、
前記制御信号によって、ノーマルモードで外部クロックをバッファリングすることによって、第1の内部クロック信号を生成する第1のクロックバッファと、
前記制御信号によって、パワーダウンモードで外部クロックをバッファリングすることによって、第2の内部クロック信号を生成する第2のクロックバッファと、
前記制御信号に応答して、ノーマルモードでは、前記第1の内部クロック信号を選択して伝達し、パワーダウンモードでは、前記第2の内部クロック信号を選択して伝達するクロック選択部と、
該クロック選択部で選択された第1の内部クロック信号または第2の内部クロック信号を使用して、位相更新を行うことによって、DLLクロックを出力する位相更新部と
を備えたことを特徴とする遅延固定ループ回路。
【請求項2】
前記第2の内部クロックが、前記第1の内部クロックより低周波数であることを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項3】
前記第2のクロックバッファが、
前記外部クロックと、該外部クロックの反転信号とを受信して、比較及び増幅する差動増幅器と、
該差動増幅器の出力クロックを周波数変換するクロック変換手段と、
前記制御信号に応答して、前記クロック変換手段の出力を前記第2の内部クロック信号として伝達する出力部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項4】
前記クロック変換手段が、クロック分周器であることを特徴とする請求項3に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項5】
前記クロック変換手段が、
互いに異なる分周値の複数の分周されたクロックを生成するために、直列接続した複数の2分周単位のクロック分周器と、
フューズブローにより、前記各々の単位のクロック分周器の出力のうちのいずれかを選択して提供するフューズ部と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項6】
前記クロック変換手段が、
互いに異なる分周値の複数の分周されたクロックを生成するために、直列接続した複数の2分周単位のクロック分周器と、
メタルオプション処理により、前記各々の単位のクロック分周器の出力のうちのいずれかを選択して提供するオプション処理部と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項7】
前記出力部が、
前記クロック変換手段の出力により制御を受けて、前記制御信号を伝達する伝達ゲートと、
前記クロック変換手段の出力を受信して反転し、一定時間遅延された信号を出力する直列接続した複数のインバータと、
前記伝達ゲートから伝達された制御信号と前記インバータの出力とを受信して、前記第2の内部クロック信号を出力するNANDゲートと
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項8】
前記パワーダウンモード制御部が、
入力されるクロックイネーブル信号を反転させる第1のインバータと、
前記パワーダウンモード時に前記クロックイネーブル信号と反対の位相を有するアイドル信号と前記第1のインバータの出力信号とを受信するNANDゲートと、
該NANDゲートの出力を反転させて、前記制御信号を出力する第2のインバータと
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項9】
前記位相更新部が、
前記クロック選択部の出力クロックを受信して、位相を遅延させて出力する位相遅延部と、
該位相遅延部と実質的に同じ構成を有するダミー位相遅延部と、
該ダミー位相遅延部の出力信号を、メモリ内クロック信号の遅延要素でモデリングして、フィードバック信号として出力する遅延レプリカモデル部と、
前記クロック選択部の出力クロックと前記フィードバック信号とを受信して、両信号の位相の差を検出する位相比較部と、
該位相比較部から出力信号を受信して、前記位相遅延部と前記ダミー位相遅延部の位相遅延を制御する遅延制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遅延固定ループ回路。
【請求項10】
ノーマルモードとパワーダウンモードとを有する半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法において、
外部クロックをバッファリングして、第1の内部クロック及び第2の内部クロックを生成するステップと、
モード制御信号に応じて、前記第1の内部クロック及び第2の内部クロックのうちのいずれかを選択するステップと、
ノーマルモードの際に、前記第1の内部クロックによりDLL位相更新を行うステップと、
パワーダウンモードの際に、前記第2の内部クロックによりDLL位相更新を行うステップと
を含むことを特徴とする半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法。
【請求項11】
前記第2の内部クロックが、前記第1の内部クロックより低周波数で分周させたことを特徴とする請求項10に記載の半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法。
【請求項12】
前記モード制御信号は、メモリが前記ノーマルモードであるか又は前記パワーダウンモードであるかを通知する情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体メモリ装置のDLLクロックの生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−97135(P2007−97135A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180503(P2006−180503)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】