説明

交差点における進行方向予測装置、進行方向予測方法およびプログラム

【課題】 交差点における車両の進行方向を予測する装置を提供する。
【解決手段】 進行方向予測装置20は、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部14及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部12に接続されている。進行方向予測装置20は、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部24と、現在位置検出部12から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、地図情報記憶部14に記憶された地図情報から車両の進行方向にある交差点を読み出す交差点特定部22と、次交差点の通過情報を交差点通過情報記憶部24から読み出し、読み出した通過情報に基づいて次交差点での進行方向を判定する判定部26と、判定部26にて判定された結果を出力する出力部28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点において、車両が進む方向を予測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングの操舵角に基づいて、ライトの照射方向を制御する技術が知られている(特許文献1)。この公報に記載された発明では、車速や方向指示器に関する信号に基づいて、車両が右折するか左折するかを判定し、右折または左折すると判定された場合には、制御方法を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−83003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、交差点において車両がいずれの方向に進行するかを予測する技術は知られていなかった。上記した公報に記載された発明は、実際に、右折または左折しようとするときに車両に現れる信号を捉えて右左折を判定するものであり、交差点での進行方向を予測するものではない。
【0005】
本発明は、交差点における車両の進行方向を予測する装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の進行方向予測装置は、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続され、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部と、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定する交差点特定部と、特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいてその交差点での進行方向を判定する判定部と、前記判定部にて判定された結果を出力する出力部とを備える。なお、前記判定部は、各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づいて、各分岐方向に進む確率値を第1の確率値として求め、前記第1の確率値に基づいて進行方向を判定してもよい。
【0007】
本発明の発明者は、多数のドライバの交差点の通過履歴を解析した結果、ドライバは、過去にとった右左折の行動と同じ行動をとることが多く、その傾向は交差点での進行方向の判定を行える程度に有意なものであることを見出した。本発明の構成により、過去に交差点を通過した履歴に基づいて交差点での進行方向を判定するので、簡易な構成で交差点での進行方向を予測することができる。なお、交差点は、必ずしも十字路に限らず、三差路、五差路等であっても、進行方向を判定することが可能である。
【0008】
本発明の進行方向予測装置は、過去に到着した地点の履歴に基づいて、目的地の候補とその目的地の候補が選ばれる確率値を第2の確率値として求める目的地候補算出部を備え、前記判定部は、前記第1の確率値と、前記第2の確率値とに基づいて、車両の進行方向にある交差点での進行方向を判定してもよい。
【0009】
本発明の発明者は、曜日や時間帯、同乗者の有無などの状況別に、交差点の通過履歴を
解析した結果、同じ状況においては、過去にとった右左折行動と同じ行動をとる可能性がさらに高いことを見出した。しかしながら、このような状況別に交差点の通過情報を記憶するには膨大な記憶容量が必要となる。そこで、本発明者は、過去に到着した地点の履歴から目的地候補とその確率値を算出し、交差点で目的地候補のある分岐方向に進む確率値を加味して、交差点での進行方向を判定する本発明を完成させた。本発明によれば、進行方向予測装置を構成するための記憶容量を抑制しつつ、交差点での進行方向を精度良く予測できる。
【0010】
本発明の進行方向予測装置は、前記第1の確率値に前記第2の確率値よりも重い重み付けを与えてもよい。発明者の分析により、交差点での進行方向の判定結果は、目的地候補より過去の通過情報に大きく依存することが分かった。本発明の構成により、通過情報に重い重み付けを与えることにより、適切に進行方向を予測することができる。
【0011】
本発明の進行方向予測装置において、前記判定部は、(1)前記交差点特定部により特定された交差点の通過回数が所定の回数以下の場合、(2)各分岐方向の前記第1の確率値のうち高い方から2つが所定の閾値以上に接近している場合、(3)前記第1の確率値と前記第2の確率値とに基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち高い方から2つが所定の閾値以上に接近している場合、(4)各分岐方向の前記第1の確率値のうち最大の確率値が所定の閾値以下の場合、(5)前記第1の確率値と前記第2の確率値とに基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち最大の確率値が所定の閾値以下の場合、(6)前記第1の確率値および前記第2の確率値に基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち最大の確率値となる分岐方向の通過回数が所定の回数以下の場合には、判定を行わないこととしてもよい。上記(1)〜(6)の場合には、適切な予測を行えない可能性があるが、本発明の構成により、誤判定を未然に防止することができる。
【0012】
本発明の進行方向予測装置は、前記判定部は、車両が、前記第2の確率値が所定の閾値より小さい分岐方向に進んだ場合には、進行方向の予測処理を停止してもよい。
【0013】
第2の確率値が低い分岐方向には目的地となる確率が低い目的地候補しか存在しない。このような方向に向かった場合には、適切な目的地推定を行えないうえ、交差点の通過情報に基づく進行方向予測の信頼性も低いと考えられる。本発明の構成により、進行方向の予測処理を停止し、誤判定を未然に防止することができる。
【0014】
本発明の進行方向予測装置において、前記判定部は、前記交差点特定部により特定された交差点の各分岐方向のうち、通過回数が所定の回数以下の分岐方向を進行方向の候補から除外して判定してもよい。このように選ばれる可能性の少ない分岐方向を除外して、計算負荷を軽減することができる。
【0015】
本発明の回生制御装置は、上記の進行方向予測装置と、前記進行方向予測装置にて予測された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出する高低差算出部と、前記高低差に基づいて回生制御を行う回生制御部とを備える。
【0016】
この構成により、交差点の手前から、交差点の先の道路の高低を考慮して回生制御を行うことができる。上記した従来技術では、交差点に入ってから右折または左折しようとするときに車両に現れる信号を捉えて右左折を判定するので、仮に上記従来技術を回生制御に適用したとしても交差点の手前から回生制御を行うことは不可能である。本発明によれば、交差点の手前から交差点までの間も回生制御を行うので、エネルギー効率の高い制御を行える。
【0017】
本発明の進行方向予測方法は、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続された進行方向予測装置による進行方向予測方法であって、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶
部から読み出し、読み出した通過情報に基づいてその交差点での進行方向を判定するステップと、進行方向の判定結果を出力するステップとを備える。
【0018】
本発明のプログラムは、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続されたコンピュータによって、交差点での進行方向を予測するために、前記コンピュータに、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいてその交差点での進行方向を判定するステップと、進行方向の判定結果を出力するステップとを実行させる。
【0019】
この構成により、本発明の進行方向予測装置と同様に、簡易な構成で交差点での進行方向を予測することができる。なお、本発明の進行方向予測方法およびプログラムに上記した進行方向予測装置の各種の構成を適用することが可能である。
【0020】
本発明の回生制御方法は、回生制御装置にて回生制御を行う方法であって、上記した進行方向予測方法にて、車両の進行方向にある交差点での進行方向を予測するステップと、予測された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出するステップと、前記高低差に基づいて回生制御を行うステップとを備える。
【0021】
本発明のプログラムは、パワートレーンに接続されたコンピュータによって回生制御を行うために、前記コンピュータに、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、現在位置検出部にて取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部に基づいて車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいてその交差点での進行方向を判定するステップと、判定された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出するステップと、前記高低差に基づいて回生制御を行うステップとを実行させる。
【0022】
この構成により、交差点の手前から、交差点の先の道路の高低を考慮して、エネルギー効率の高い回生制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、過去に交差点を通過した履歴に基づいて進行方向を判定するので、簡易な構成で交差点での進行方向を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態の進行方向予測装置を有する回生制御装置の構成を示す図である。
【図2】パワートレーンの構成を示す図である。
【図3】交差点通過情報記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の進行方向予測装置を有する回生制御装置の構成を示す図である。
【図6】目的地候補算出部の構成を示す図である。
【図7】到着地点履歴記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
【図8】判定部による進行方向の判定について説明するための図である。
【図9】第2の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。
【図10】第2の実施の形態の変形例に係る回生制御装置の動作を示す図である。
【図11】第3の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。
【図12】第3の実施の形態の変形例に係る回生制御装置の動作を示す図である。
【図13】第4の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。
【図14】第4の実施の形態の変形例に係る回生制御装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の進行方向予測装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、進行方向予測装置を備えた回生制御装置を例として説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の回生制御装置10の構成を示す図である。回生制御装置10は、パワートレーン40を制御する。回生制御装置10は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部12と、交差点の情報および標高の情報を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部14と、交差点での進行方向を予測する進行方向予測装置20と、進行方向の予測結果に基づいて交差点の先の道路と現在位置との高低差を算出する高低差算出部16と、高低差に基づいて回生制御を行う回生制御部18とを有している。
【0027】
現在位置検出部12は、例えば、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ、車両の相対方位を検出するためのジャイロスコープ、車両の走行距離を検出する距離センサ、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサ等はそれぞれが性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々を補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで現在位置検出部12を構成してもよいし、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
【0028】
図2は、パワートレーン40の構成を示す図である。パワートレーン40は、エンジン42と、発電機44と、パワーコントロールユニット46と、バッテリ48と、モーター50とを有している。パワーコントロールユニット46には、発電機44とモーター50が接続されており、エンジン42の動力による発電と、車輪の駆動によるモーター50の回転による発電によって、バッテリ48に電力を充電する。また、パワーコントロールユニット46は、バッテリ48の電力を放電することにより、モーター50を駆動する。回生制御装置10は、パワーコントロールユニット46に接続され、パワーコントロールユニット46によるバッテリ48の充放電を制御する。
【0029】
図1に戻って説明する。進行方向予測装置20は、次の交差点を特定する交差点特定部22と、交差点の通過情報を記憶した交差点通過情報記憶部24と、交差点通過情報記憶部24に記憶された通過情報に基づいて次の交差点での進行方向を判定する判定部26と、判定結果を出力する出力部28とを有している。また、進行方向予測装置20は、交差点通過情報記憶部24に記憶される通過情報を更新する交差点通過情報更新部30を有している。なお、この進行方向予測装置20は、CPUで構成されたプロセッサを備えており、メモリやHDDに格納されているプログラムによって実現される。
【0030】
図3は、交差点通過情報記憶部24に記憶されたデータの例を示す図である。交差点通過情報記憶部24には、交差点を識別する交差点IDと、交差点への進入方向と、交差点の各分岐方向への通過回数が記憶されている。図3に示す例において、交差点IDが「1001」「1002」の交差点は十字路であるため、各分岐方向への通過回数として、右折、左折、直進の3方向のそれぞれへの通過回数が記憶されている。進入方向のデータである「1」〜「4」は、交差点を構成する各分岐路に便宜的に番号を付与したものである。例えば、南方向の(あるいは南方向に最も近い)分岐路を「1」とし、西方向、北方向、東方向の順に「2」〜「4」を付与することができる。
【0031】
交差点通過情報記憶部24のデータは、交差点通過情報更新部30によって更新される。交差点通過情報更新部30は、現在位置検出部12から車両の現在位置のデータを取得する。交差点通過情報更新部30は、車両の現在位置を地図情報記憶部14から読み出した地図情報と照合し、交差点を通過したと判定した時点で、交差点通過情報記憶部24の交差点通過回数をカウントする。
【0032】
なお、交差点通過情報記憶部24に記憶されるデータは、ドライバ毎のデータである。従って、同じ車両を複数のドライバが運転する場合には、ドライバ毎に交差点通過情報が集計されて記憶される。
【0033】
交差点特定部22は、現在位置検出部12から車両の現在位置のデータを取得し、取得した車両の現在位置のデータと地図情報記憶部14から読み出した地図情報とに基づいて、車両が走行中の道路と進行方向を求め、次の交差点を特定する。交差点特定部22は、特定された交差点の情報を判定部26に入力する。
【0034】
判定部26は、次交差点のデータであって、かつ、その交差点への進入方向に対応するデータを、交差点通過情報記憶部24から読み出す。判定部26は、読み出したデータに基づいて、次交差点での進行方向の判定を行う。具体的には、判定部26は、交差点での各分岐方向に進んだ回数から、各分岐方向が選ばれた確率値(第1の確率値)を計算し、最大の確率値を有する分岐方向を求める。
【0035】
例えば、図3に示す例で、交差点IDが「1001」、進入方向が「1」の場合、右折が35回、左折が5回、直進が10回なので、右折の確率値は、35/(35+5+10)=0.7(=70%)、左折の確率値は、5/(35+5+10)=0.1(=10%)、直進の確率値は、10/(35+5+10)=0.2(=20%)である。右折の確率値が最大なので、判定部26は、次交差点で右折すると判定する。
【0036】
本実施の形態では、判定部26は、(1)通過回数が所定の閾値以下の場合や、(2)上位から2つの確率値が所定の閾値以上に接近している場合には、判定を行わない。通過回数の閾値としては、例えば10回というように回数を設定できる。この場合、判定部26は、交差点通過情報記憶部24から読み出した各分岐方向への通過回数の合計が10回以下かどうか判断し、10回以下であれば判定を行わない。
【0037】
2つの確率値が接近しているかどうかは、絶対値で判断してもよいし、割合で判断してもよい。絶対値で判断する場合には、例えば、判定部26は、最大の確率値と2番目の確率値との差が所定の閾値(10%)より大きいか否かを判断し、所定の閾値より大きい場合には判定を行い、所定の閾値以下の場合には判定を行わない。割合で判断する場合には、例えば、判定部26は、2番目の確率値/最大の確率値が所定の閾値(4/5)より小さいか否かを判断し、所定の閾値より小さい場合には判定を行い、所定の閾値以上の場合には判定を行わない。
【0038】
図4は、第1の実施の形態の回生制御装置10の動作を示すフローチャートである。回生制御装置10は、現在位置検出部12にて現在位置を検出する。現在位置検出部12は、検出した現在位置のデータを進行方向予測装置20の交差点特定部22に入力する。交差点特定部22は、入力された現在位置のデータと地図情報記憶部14から読み出した地図情報に基づいて、車両が走行中の道路を特定する(S10)。また、交差点特定部22は、現在位置検出部12から入力される現在位置の時系列データから、車両の進行方向を求める(S10)。交差点特定部22は、車両が走行中の道路とその進行方向とに基づいて、次の交差点を特定する(S12)。交差点特定部22は、特定した次交差点を示す情報を判定部26に入力する。
【0039】
判定部26は、入力された次交差点であって、かつ、その進入方向に対応する「各分岐方向への通過回数」を、交差点通過情報記憶部24から読み出す(S14)。続いて、判定部26は、各分岐方向への通過回数の合計が、所定の閾値(例えば、10回)を上回っているか否かを判定する(S16)。この判定の結果、所定の閾値以下の場合(S16でNO)、判定部26は判定を行わないで、走行道路および進行方向を求めるステップS10に戻る。
【0040】
各分岐方向への通過回数の合計が、所定の閾値を上回っている場合には(S16でYES)、判定部26は、各分岐方向への通過回数に基づいて、各分岐方向へ進む確率値を計算する。そして、確率値の高い方から上位2つの確率値の差が10%より大きいか否かを判定する(S18)。この判定の結果、上位2つの確率値の差が10%以下の場合(S18でNO)、判定部26は判定を行わないで、走行道路および進行方向を求めるステップS10に戻る。
【0041】
上位2つの確率値の差が10%より大きい場合には(S18でYES)、判定部26は、右左折および直進のうち、最大の確率値を有する方向を交差点での進行方向として判定する(S20)。出力部28は、判定結果を高低差算出部16に入力する。
【0042】
回生制御装置10の高低差算出部16は、入力された判定結果から、次交差点から先にあって車両が進行する道路を特定し、その道路上の特定地点と現在地との高低差を算出する(S22)。高低差算出部16は、地図情報記憶部14に記憶された高さ情報を用いて、高低差を算出する。なお、特定地点としては、例えば、次交差点から所定距離(例えば1Km)だけ先の位置としてもよいし、次交差点のさらにその次の交差点近傍としてもよい。高低差算出部16は、算出した高低差のデータを回生制御部18に入力する。
【0043】
回生制御部18は、入力された高低差のデータに基づいて回生制御を行う(S24)。例えば、特定地点の方が現在地より低い場合には、蓄えてあるバッテリによって車両を動かすように制御する。交差点の先にある特定地点との高低差に基づいて回生制御を行うことにより、計画的な回生制御を行える。例えば、次交差点より手前に上り坂がある場合でも、次交差点の先の方が低いと分かれば、上り坂でガソリンを使わずに、バッテリに蓄えられた電力で車両を駆動することができる。なお、回生制御部18は、高低差のデータのほかに、残存するバッテリ量やガソリンの量に基づいて回生制御を行ってもよい。以上、第1の実施の形態の回生制御装置10および進行方向予測装置20の構成および動作について説明した。
【0044】
第1の実施の形態の進行方向予測装置20は、交差点の通過情報に基づいて、次交差点での進行方向を適切に判定することができる。この進行方向予測装置20を備えた回生制御装置10では、次交差点での進行方向の判定結果に基づいて、交差点に至る手前から交差点より先の道路の高低を見越して、効率的な回生制御を行うことができる。また、交差点での進行方向を予測して回生制御を行う構成なので、あらかじめ目的地が設定されていない場合であっても、適切な回生制御を行うことが可能である。
【0045】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態の回生制御装置11の構成を示す図である。第2の実施の形態の回生制御装置11は、第1の実施の形態と基本的な構成は同じである。第2の実施の形態の回生制御装置11は、進行方向予測装置21の構成が第1の実施の形態と異なる。第2の実施の形態では、進行方向予測装置21は、交差点通過情報記憶部24に記憶された情報に加えて、目的地候補算出部32にて算出された目的地候補の情報を用いて、交差点での進行方向の判定を行う。
【0046】
図6は、目的地候補算出部32の構成を示す図である。目的地候補算出部32は、状況情報を取得する状況情報取得部34と、過去の到着履歴を記憶した到着地点履歴記憶部36と、到着地点履歴記憶部36から状況情報に対応する到着地点を目的地候補として読み出す目的地候補読出部38とを有している。
【0047】
状況情報取得部34は、車両運転時の状況を取得する機能を有する。本実施の形態では、カレンダー機能、時計機能から、平日/休日の別、時間帯を状況情報として取得する他、車内カメラから、同乗者がいるか否かを状況情報として取得する。ただし、この例に限らず、状況情報取得部34は、他の状況情報を取得してもよい。例えば、通信手段を用いてVICS(登録商標)から渋滞情報を取得してもよいし、ワイパーの動作信号から雨が降っているか否かの情報を取得してもよい。
【0048】
図7は、到着地点履歴記憶部36に記憶されたデータの例を示す図である。到着地点履歴記憶部36は、状況情報として、平日/休日の別と、時間帯と、同乗者の有無の情報を有する。到着地点履歴記憶部36は、これらの状況情報に関連付けて、到着地点と、その到着地点に到着した回数のデータを有する。到着地点履歴記憶部36は、車両がある地点に到着したときに、到着地点の情報とそのときの状況情報とを関連付けて記憶することによって生成することができる。車両が所定の地点に到着したかどうかは、例えば、車両のエンジンを切ったことにより検出してもよいし、ドアが開いたことにより検出してもよい。なお、本実施の形態において、目的地の設定履歴ではなく、目的地候補を算出するために到着履歴を用いているのは、例えば、会社や自宅など良く行く場所に行く際には、目的地設定を行わないのが普通なので、目的地候補を求めるためには、到着地点に到着した回数を見るのが適切だからである。
【0049】
目的地候補読出部38は、状況情報取得部34にて取得した状況情報に対応する到着地点及びその到着回数を読み出し、読み出した到着地点を目的地候補として決定する。また、目的地候補読出部38は、回数に基づいて、それぞれの目的地候補が目的地として選択される確率値(第2の確率値)を求める。例えば、図7に示す例で、状況が「平日」「6:00−12:00」「同乗者なし」の場合には、目的地候補としてA,B,Cが求められ、それぞれの確率値がA:94%,B:2%,C:4%と求められる。目的地候補算出部32は、算出した目的地候補およびその確率値(第2の確率値)を、判定部26に入力する。なお、到着地点が多数存在する場合には、現在位置のデータに基づいて、現在位置に近い方から所定数の到着地点を目的地候補としてもよい。
【0050】
以上に目的地候補算出部32の構成について説明したが、目的地候補算出部32は、目的地の候補及びその目的地候補が目的地として選択される確率値を求めることができればよく、図6に示す構成に限定されない。例えば、本出願人の出願にかかる特開2008−10572号に記載された方法を採用することも可能である。
【0051】
判定部26は、交差点通過情報記憶部24から読み出した次交差点での各分岐方向への通過回数と、目的地候補算出部32から入力された目的地候補およびその確率値とに基づいて、次交差点での進行方向を判定する。
【0052】
図8は、判定部26による交差点での進行方向の判定について説明するための図である。図8では十字路を例としており、過去の交差点通過情報に基づく右左折および直進のそれぞれの確率値(第1の確率値)は、右折が50%、左折が15%、直進が35%である。この確率値(第1の確率値)は、各分岐方向への通過回数を総通過回数で割って求めたものである。なお、判定部26は、第1の確率値のうち、上位2つの確率値の差が所定の閾値(ここでは10%)より大きいか否かを判定し、大きくない場合には判定を行わない。この点は、第1の実施の形態と同じである。
【0053】
目的地候補算出部32から入力された目的地候補の情報は、目的地候補A:40%、目的地候補B:35%、目的地候補C:25%である。ここで、目的地候補AとBは、次交差点を直進した方向にあり、目的地候補Cは次交差点を右折した方向にある。この場合、目的地候補から計算した次交差点の右左折および直進のそれぞれの確率値(第2の確率値)は以下のとおりである。すなわち、直進は、目的地候補A,Bの確率値を合計した75%、右折は、目的地候補Cの確率値である25%、左折は、目的地候補がないので0%である。本実施の形態では、判定部26は、交差点通過情報から求めた確率値(第1の確率値)に対して、目的地候補から求めた確率値(第2の確率値)の2倍の重み付けをして、右左折および直進の判定を行う。この結果、図8に示すように、直進の確率値は48.3%、右折の確率値は41.7%、右折の確率値は10.0%と求められる。この結果に基づいて、判定部26は、最大の確率値を有する直進(右左折しない)と判定する。なお、ここでは、交差点通過情報の重みを目的地候補の重みの2倍としたが、これは一例であり、適切な判定結果が得られるように、重み係数は適宜調整することができる。
【0054】
図9は、第2の実施の形態の回生制御装置11の動作を示す図である。第2の実施の形態の回生制御装置11の基本的な動作は、第1の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態では、目的地候補およびその確率値(第2の確率値)を算出し(S19)、算出した目的地候補の情報をも用いて交差点での進行方向の判定を行う(S20)が異なる。具体的な判定方法は、図8を用いて説明したとおりである。以上、第2の実施の形態の回生制御装置11および進行方向予測装置21の構成および動作について説明した。
【0055】
第2の実施の形態の進行方向予測装置21は、交差点の通過情報に加えて、目的地候補およびその目的地候補が目的地として選ばれる確率値(第2の確率値)を用いることで、精度良く進行方向を予測することができる。また、この進行方向予測装置21を備えた回生制御装置11は、第1の実施の形態と同様に、効率の良い回生制御を行うことができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ステップS18において、判定部26は、第1の確率値のうち、上位2つの確率値の差が所定の閾値(ここでは10%)より大きいか否かを判定しているが、第1の確率値に代えて、第1の確率値及び第2の確率値から求めた確率値(便宜上、「総合確率値」という)を用いて、判定を行うか否かの判断をしてもよい。
【0057】
図10は、総合確率値を用いて、判定を行うか否かを判断する動作を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートの基本的な動作は、図9に示すフローチャートと同じである。判定部26は、交差点の通過回数の合計が所定の閾値より大きい場合に(S16でYES)、第1の確率値及び第2の確率値を算出し(S17−1)、第1の確率値及び第2の確率値から総合確率値を算出する(S17−2)。次に、各分岐方向の総合確率値のうち、上位2つの確率値の差が所定の閾値(ここでは10%)より大きいか否かを判定する(S18)。
【0058】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の回生制御装置について説明する。第3の実施の形態の回生制御装置の基本的な構成は、第2の実施の形態と同じであるが、第3の実施の形態では、判定部26が判定を行わないとする判断の仕方が第2の実施の形態とは異なる。
【0059】
図11は、第3の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。第3の実施の形態の回生制御装置の基本的な動作は、第2の実施の形態と同じであるが、便宜上、ステップの番号を再付与している。図11のステップS30〜S36は、図9のステップS10〜S16に対応し、図11のステップS48〜S52は、図9のステップS20〜S24に対応している。
【0060】
第3の実施の形態においては、判定部26は、通過情報より求めた各分岐方向の確率値(第1の確率値)のうち最大の確率値が所定の閾値(図11に示す例では、80%)を超えるか否かを判定する(S38)。その結果、最大の確率値が所定の閾値を超える場合には(S38でYES)、目的地候補算出部32は、目的地候補及びその確率値(第2の確率値)を算出する(S40)。最大の確率値が所定の閾値以下の場合には(S38でNO)、判定部26は判定を行わないで、走行道路および進行方向を求めるステップS30に戻る。
【0061】
第3の実施の形態の回生制御装置では、各分岐方向の第1の確率値のうち最大の確率値が所定の閾値を超える場合に判定を行うので、進行方向を高い精度で予測することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、ステップS38において、判定部26は、第1の確率値を用いて判定しているが、第1の確率値に代えて、第1の確率値及び第2の確率値から求めた確率値(便宜上、「総合確率値」という)を用いて、判定を行うか否かの判断をしてもよい。
【0063】
図12は、総合確率値を用いて、判定を行うか否かを判断する動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートの基本的な動作は、図11に示すフローチャートと同じである。判定部26は、通過回数の合計が所定の閾値より大きい場合に(S36でYES)、第1の確率値及び第2の確率値を算出し(S42)、第1の確率値及び第2の確率値から総合確率値を算出する(S44)。次に、各分岐方向の総合確率値のうち、最大の確率値が所定の閾値(ここでは80%)より大きいか否かを判定する(S46)。
【0064】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態の回生制御装置について説明する。第4の実施の形態の回生制御装置の基本的な構成は、第2の実施の形態と同じであるが、第4の実施の形態では、判定部26は、通過回数が所定の閾値以下の分岐方向を、進行方向の候補から除外して判定を行う点が、第2の実施の形態と異なる。
【0065】
図13は、第4の実施の形態の回生制御装置の動作を示す図である。第4の実施の形態の回生制御装置の基本的な動作は、第2の実施の形態と同じであるが、便宜上、ステップの番号を再付与している。図13のステップS60〜S66は、図9のステップS10〜S16に対応し、図13のステップS76〜S80は、図9のステップS20〜S24に対応している。
【0066】
第4の実施の形態においては、判定部26は、交差点の通過回数の合計が所定の閾値より大きい場合には(S66でYES)、各分岐方向の通過回数と所定の閾値(ここでは4回)とを比較し、通過回数が4回以下の分岐方向を計算対象から除外する(S68)。続いて、残った分岐方向について、第1の確率値、第2の確率値を求め(S70)、第1の確率値と第2の確率値とに基づいて残った各分岐方向が選ばれる確率値を求める(S72)。以下、第2の実施の形態と同様に、進行方向を判定し(S76)、予想される高低差に基づいて回生制御を行う(S78、S80)。
【0067】
第4の実施の形態では、判定部26は、通過回数の少ない分岐方向を進行方向の予測対象から除外するので、計算負荷を軽減しつつ、適切な判定結果を得ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、通過回数が所定の閾値より少ない分岐方向を除外した後に、分岐方向を予測する処理を行う例について説明したが、通過回数が少ない分岐方向を除外する処理は、必ずしも最初に行う必要はなく、第1の確率値及び第2の確率値に基づいて分岐方向を予測した後に、予測された分岐方向への通過回数が所定の閾値より大きいかどうかをチェックしてもよい。図14は、このような動作を示すフローチャートである。図14に示すように、総合確率値が最大となる分岐方向の通過回数が4回より大きい場合には(S74でYES)、当該分岐方向を進行方向と予測する(S76)。逆に、総合確率値が最大となる分岐方向の通過回数が4回以下の場合には(S74でNO)、回生制御装置は、判定を行わないで、走行道路、進行方向を検出するステップS60に戻る。
【0069】
以上、本発明の進行方向予測装置及び回生制御装置について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
上記した実施の形態においては、交差点通過情報記憶部24が、各分岐方向への通過回数を記憶した例について説明したが、交差点通過情報記憶部24に記憶する情報は、各分岐方向に進んだ回数に基づく情報であれば良く、必ずしも回数自体でなくてもよい。交差点通過情報記憶部24は、各分岐方向に進んだ割合を記憶してもよい。
【0071】
上記した実施の形態では、進行方向予測装置20,21を回生制御装置10,11に搭載した例を挙げて説明したが、進行方向予測装置は回生制御装置以外にも適用することが可能である。例えば、ライトの方向制御や、アクティブクルーズコントロールの制御に適用してもよい。ライトの方向制御に適用した場合、右左折および直進を予測して、予測された方向にライトを向けることができる。また、アクティブクルーズコントロールに適用した場合、右左折すると予測された場合には、右左折時の安全のため、いったん前方車両の追従をやめることができる。
【0072】
また、進行方向予測装置を情報提供装置に適用し、例えば、進行方向予測装置による予測結果に基づいて、進行方向の道路の渋滞情報、事故情報または工事情報などを提供してもよい。具体的には、情報提供装置は、VICS(登録商標)から渋滞情報、事故情報または工事情報を取得し、取得した情報のうち、予測される進行方向の道路における情報を抽出して、ドライバに提供する構成とすることができる。なお、進行方向に基づく情報の抽出は、取得した情報に含まれる地名等を解析することによって行うことができる。例えば、「Aインターを先頭に上り方面10kmの渋滞」という情報の場合には、予測された進行方向にAインターがあるか否かを判定し、「○○道のB付近で事故」という情報の場合には、予想された進行方向にBという地名があるか否かを判定することにより、情報の抽出を行う。
【0073】
上記した実施の形態では、過去の通過回数が所定の閾値以下の場合や、各分岐方向が選ばれる確率値のうちの上位2つの確率値の差が所定の閾値以下の場合には、判定を行わない構成としたが、例えば、ガソリンの残量が多い場合や、バッテリの残量が多い場合など、判定の結果が間違っていたとしても、燃料切れのような問題が生じない場合には、判定を行ってもよい。
【0074】
上記した実施の形態では、次交差点の進行方向を予測し、これに基づいて回生制御を行う例について説明したが、次々交差点あるいはさらにその次の交差点の進行方向をも予測して、次々交差点あるいはさらにその先の道路と現在地との高低差に基づいて回生制御を行うこととしてもよい。
【0075】
また、第2の実施の形態において、目的地推定を適切に行えない場合には、進行方向の予測処理を停止する構成としてもよい。具体的には、進行方向予測装置21は、目的地候補およびその確率値から、次交差点の右左折および直進のそれぞれの確率値を計算しているが、車両が、所定の閾値(例えば、5%)より小さい確率値を有する分岐方向に進んだ場合には、進行方向の予測処理を停止する。確率値が所定の閾値より小さい場合には、その方向にあるいずれの目的地候補も、目的地として選ばれる可能性が低いため、目的地候補に基づいて精度良く進行方向を予測することは困難である。また、目的地候補を適切に推定できない場合には、そのような方面、地域に行った回数が少ないと考えられ、通過情報に基づいて精度良く進行方向を予測することも困難な場合がある。従って、このような場合に、進行方向の予測処理を停止することにより、誤判定を未然に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、過去に交差点を通過した履歴に基づいて進行方向を判定するので、簡易な構成で進行方向を予測することができるという効果を有し、例えば、回生制御装置やライトの方向制御装置、アクティブクルーズコントロール装置に有用である。
【符号の説明】
【0077】
10,11 回生制御装置
12 現在位置検出部
14 地図情報記憶部
16 高低差算出部
18 回生制御部
20,21 進行方向予測装置
22 交差点特定部
24 交差点通過情報記憶部
26 判定部
28 出力部
30 交差点通過情報更新部
32 目的地候補算出部
34 状況情報取得部
36 到着地点履歴記憶部
38 目的地候補読出部
40 パワートレーン
42 エンジン
44 発電機
46 パワーコントロールユニット
48 バッテリ
50 モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続され、
過去に交差点を通過した履歴であって、各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部と、
前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定する交差点特定部と、
特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいて、その交差点での進行方向を判定する判定部と、
前記判定部にて判定された結果を出力する出力部と、
を備える進行方向予測装置。
【請求項2】
前記判定部は、各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づいて、各分岐方向に進む確率値を第1の確率値として求め、前記第1の確率値に基づいて進行方向を判定する請求項1に記載の進行方向予測装置。
【請求項3】
過去に到着した地点の履歴に基づいて、目的地の候補とその目的地の候補が選ばれる確率値を第2の確率値として求める目的地候補算出部を備え、
前記判定部は、前記第1の確率値と、前記第2の確率値とに基づいて、車両の進行方向にある交差点での進行方向を判定する請求項2に記載の進行方向予測装置。
【請求項4】
前記第1の確率値に前記第2の確率値よりも重い重み付けを与える請求項3に記載の進行方向予測装置。
【請求項5】
前記判定部は、各分岐方向の前記第1の確率値のうち高い方から2つが所定の閾値以上に接近している場合には、判定を行わない請求項2ないし4のいずれかに記載の進行方向予測装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1の確率値と前記第2の確率値とに基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち高い方から2つが所定の閾値以上に接近している場合には、判定を行わない請求項3または4に記載の進行方向予測装置。
【請求項7】
前記判定部は、各分岐方向の前記第1の確率値のうち最大の確率値が所定の閾値以下の場合には、判定を行わない請求項2ないし4のいずれかに記載の進行方向予測装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記第1の確率値と前記第2の確率値とに基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち最大の確率値が所定の閾値以下の場合には、判定を行わない請求項3または4に記載の進行方向予測装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記第1の確率値および前記第2の確率値に基づいて各分岐方向が選ばれる確率値を求め、当該確率値のうち最大の確率値となる分岐方向の通過回数が所定の回数以下の場合には判定を行わない請求項3または4に記載の進行方向予測装置。
【請求項10】
前記判定部は、車両が、前記第2の確率値が所定の閾値より小さい分岐方向に進んだ場合には、進行方向の予測処理を停止する請求項3または4に記載の進行方向予測装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記交差点特定部により特定された交差点の通過回数が所定の回数以下の場合には、判定を行わない請求項1ないし10のいずれかに記載の進行方向予測装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記交差点特定部により特定された交差点の各分岐方向のうち、通過回数が所定の回数以下の分岐方向を進行方向の候補から除外して判定する請求項1ないし11のいずれかに記載の進行方向予測装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の進行方向予測装置と、
前記進行方向予測装置にて予測された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出する高低差算出部と、
前記高低差に基づいて回生制御を行う回生制御部と、
を備える回生制御装置。
【請求項14】
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続された進行方向予測装置による進行方向予測方法であって、
過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、
前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、
特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいて、その交差点での進行方向を判定するステップと、
進行方向の判定結果を出力するステップと、
を備える進行方向予測方法。
【請求項15】
回生制御装置にて回生制御を行う方法であって、
請求項14に記載の進行方向予測方法にて、車両の進行方向にある交差点での進行方向を予測するステップと、
予測された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出するステップと、
前記高低差に基づいて回生制御を行うステップと、
を備える回生制御方法。
【請求項16】
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続されたコンピュータによって交差点での進行方向を予測するために、前記コンピュータに、
過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、
前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、
特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいて、その交差点での進行方向を判定するステップと、
進行方向の判定結果を出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項17】
パワートレーンに接続されたコンピュータによって回生制御を行うために、前記コンピュータに、
過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に交差点通過情報記憶部に記憶するステップと、
現在位置検出部にて取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、
特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から読み出し、読み出した通過情報に基づいて、その交差点での進行方向を判定するステップと、
判定された進行方向の道路上の所定の位置と現在位置との高低差を地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて算出するステップと、
前記高低差に基づいて回生制御を行うステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−108084(P2012−108084A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21654(P2011−21654)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】