会議支援装置
【課題】より簡易かつセキュアに、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に提供する。
【解決手段】会議支援装置15は、電子会議システム1を用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成し、生成された復号鍵を会議参加者に携帯される携帯端末80に無線送信する。また、会議支援装置15は、会議の進行に応じて共有画面ディスプレイ11上に表示された共有文書を上記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を文書データベース40に格納する。また、会議支援装置15は、文書データベース40に格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末80に無線送信する。
【解決手段】会議支援装置15は、電子会議システム1を用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成し、生成された復号鍵を会議参加者に携帯される携帯端末80に無線送信する。また、会議支援装置15は、会議の進行に応じて共有画面ディスプレイ11上に表示された共有文書を上記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を文書データベース40に格納する。また、会議支援装置15は、文書データベース40に格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末80に無線送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議を支援する会議支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の参加者に共有される共有画面を含む電子会議システムが知られている。従来、この種の電子会議システムでは、会議資料を共有画面に表示させることにより、参加者全員で同一の会議資料を参照することが可能となっている。このような電子会議システムでは、発表者がプレゼンテーションで用いた資料など、会議中に共有画面上に表示された文書を会議参加者に電子文書としてセキュリティ上安全な形で提供したいという要望がある。
【0003】
特許文献1には、共有画面に表示されている画面の元の文書のアドレスと、当該文書を取り扱うために必要となるパスワードとを参加者各自の携帯端末に送信するシステムが開示されている。このシステムでは、会議後、会議参加者は、携帯端末内に保存されたアドレスおよびパスワードを用いて会議資料にアクセスすることができる。
【0004】
特許文献2には、情報表示装置と会議参加者が個々に所持する携帯端末とを有する、次のようなシステムが開示されている。このシステムでは、会議開始時、情報表示装置は、携帯端末との間の無線通信により会議参加者を認識し、共有サーバ上に共有スペースを作成し、認識された会議参加者毎に異なるアカウント/パスワードを作成する。そして、作成されたアカウント/パスワードと共有スペースのアドレスとを各会議参加者の携帯端末に送信する。会議中、情報表示装置は、表示した文書を共有スペースにアップロードする。会議終了後、会議参加者は、携帯端末内に保存された情報を用いて、会議で使用された文書をダウンロードすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−49595号公報
【特許文献2】特開2004−259161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載されたシステムでは、文書毎に、当該文書が共有画面に表示されている最中に、元の文書のアドレスとともに当該文書用のパスワードを携帯端末に送信しなければならない。また、会議の発表者は発表資料(元の文書)に対して事前にパスワードを設定しなければならず、ユーザにとって不便である。
【0007】
また、上記特許文献1に記載されたシステムでは、会議参加者毎にアカウント/パスワードを作成し送信しなければならない。また、共有スペース上の文書は暗号化されていないので、共有サーバから個人のPCに文書をダウンロードする際、盗聴や改竄などの通信経路上の脅威に曝される。
【0008】
そこで、本発明は、より簡易かつセキュアに、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に提供することが可能な会議支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る会議支援装置は、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する鍵生成手段と、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する復号鍵送信手段と、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する文書格納手段と、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するアクセス情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な態様では、前記復号鍵送信手段は、ICカードリーダ/ライタを介して、前記携帯端末に設けられた非接触ICカードに前記復号鍵を書き込む。
【0011】
また、本発明の好適な態様では、前記復号鍵送信手段は、前記携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に前記復号鍵を送信する。
【0012】
また、本発明の好適な態様では、前記携帯端末から読み出されたID情報を前記暗号化共有文書と関連付けて前記データベースに登録する参加者ID登録手段と、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、前記データベースを参照して、前記提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、前記データベースから前記暗号化共有文書を読み出して前記クライアント装置に送信する共有文書公開手段と、をさらに有する。
【0013】
また、本発明の好適な態様では、前記会議の概要を示す会議概要情報を前記携帯端末に無線送信する会議概要情報送信手段をさらに有する。
【0014】
また、本発明の好適な態様では、前記携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供するアプリケーション提供手段をさらに有し、前記会議用アプリケーションは、前記携帯端末に、当該会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させ、前記アクセス情報送信手段は、前記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0015】
上記構成の一実施形態では、前記要求送信機能は、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0016】
また、前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0017】
また、前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0018】
また、本発明の好適な態様では、前記アクセス情報または前記暗号化共有文書の取得に対して、課金処理を行う課金手段をさらに有する。
【0019】
本発明に係る会議支援プログラムは、コンピュータに、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る会議支援方法は、会議支援装置が、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、前記会議支援装置が、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、前記会議支援装置が、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、前記会議支援装置が、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、より簡易かつセキュアに、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に提供することが可能な会議支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る会議支援装置15を含む電子会議システム1の全体構成図である。この電子会議システム1は、会議参加者に共有される共有画面を含み、この共有画面上に会議資料を表示することによって多地点間またはローカルの会議を支援するシステムである。典型的な利用形態では、1以上の会議室において、共有画面を参照しながら、複数の会議参加者が議論する。より具体的には、電子会議システム1は、各会議参加者が所持する携帯端末を利用して、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(以下、「共有文書」と称す)を会議参加者に対してセキュアに提供することを可能にするものである。共有文書は、例えば、発表者がプレゼンテーションで用いた資料や、会議中に電子ホワイトボード等を用いて書かれた内容(板書の画像データ)などである。なお、本件明細書において、「会議」とは、共有画面が複数人に参照されつつ話が進められるイベントを意味し、講演会、公開セミナー、授業などを含む概念である。
【0024】
図1において、電子会議システム1は、会議システム10、無線LAN(Local Area Network)基地局20、ルータ30、文書データベース40、会議情報データベース50、ルータ60、パーソナルコンピュータ(PC)70、および携帯端末80を含む。具体的には、各会議室には、会議システム10と無線LAN基地局20とが設置されており、これらはLAN91に接続されている。各オフィスには、ユーザ個人用のPC70が設置されており、これらはLAN92に接続されている。LAN91は、ファイアウォール機能が搭載されたルータ30を介してインターネット93に接続されている。ルータ30には、文書データベース40および会議情報データベース50が接続されている。LAN92は、ファイアウォール機能が搭載されたルータ60を介してインターネット93に接続されている。なお、電子会議システム1の具体的構成が上記に限られず適宜に変更可能であることは言うまでもない。
【0025】
携帯端末80は、各ユーザに携帯される携帯型無線通信端末であり、好適には非接触ICカードおよび無線LAN機能が搭載された端末である。本実施の形態では、携帯端末80は、非接触ICカード、無線LANアンテナ、および無線LANアダプタが内蔵された携帯電話である。携帯端末80は、公衆回線網(携帯電話網)94を介してインターネット93等に接続可能であるとともに、無線LAN基地局20の通信エリア内では当該基地局20を介してLAN91等に接続可能である。
【0026】
会議システム10は、電子会議システム1の主要部分であり、共有画面ディスプレイ11、操作パネル12、およびICカードリーダ/ライタ13,14、ならびに、これらのデバイスが接続される会議支援装置15を含んで構成されている。
【0027】
共有画面ディスプレイ11は、多地点間会議またはローカル会議の参加者全員に共有される共有画面を表示する表示装置である。本実施の形態では、共有画面ディスプレイ11は、大型(50型程度)のいわゆる電子ホワイトボードであり、電子ペンや指で画面上に文字や図形等の書き込み(板書)を行うことができるものである。
【0028】
操作パネル12は、各種情報をユーザ(主として会議の話者)に提示するとともにユーザから操作入力を受け付けるユーザインタフェースであり、ここでは小型(15型程度)のタッチパネル式ディスプレイである。
【0029】
ICカードリーダ/ライタ(以下、「リーダライタ」と略す)13,14は、携帯端末80に設けられた非接触ICカードのメモリに対してデータの読み書きを行う装置である。リーダライタ13は、操作パネル22の近傍に設置されており、主に会議の話者や主催者に利用される。一方、リーダライタ14は、会議室の入口の近傍に設置されており、主に会議参加者に利用される。なお、リーダライタの個数や設置位置はこれに限られず、例えば、1個であってもよいし、会議参加者の座席毎に設置されてもよい。
【0030】
会議支援装置15は、上記デバイス11〜14を制御して会議を支援する装置である。本実施の形態では、会議支援装置15はコンピュータであり、その機能は、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等の記録媒体に記録された所定のプログラムがメインメモリに読み込まれてCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。
【0031】
文書データベース40は、電子文書である会議資料を保存および管理するものであり、ここではサーバコンピュータである。会議資料には、会議で発表するためにユーザが用意した文書や、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(共有文書)が含まれる。また、会議資料としては、プレゼンテーションソフトやワープロソフト等のアプリケーションのファイルや、画像データ、動画データなどが挙げられる。
【0032】
会議情報データベース50は、会議に関する情報を保存および管理するものであり、ここではサーバコンピュータである。この会議情報データベース50に保存される情報については後述する。
【0033】
図2は、会議支援装置15の機能構成を示す機能ブロック図である。図2において、会議支援装置15は、鍵生成部15a、復号鍵送信部15b、文書格納部15c、アプリケーション提供部15d、アクセス情報送信部15e、参加者ID登録部15f、および会議概要情報送信部15gを有する。なお、図2において、共有画面ディスプレイ11の画面制御などといった、会議支援装置15の一般的な機能ブロックは省略されている。
【0034】
鍵生成部15aは、電子会議システム1を用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する。本実施の形態では、公開鍵暗号方式が採用され、暗号鍵および復号鍵として、公開鍵および秘密鍵の鍵ペアが生成される。ただし、共通鍵暗号方式が用いられてもよく、この場合には暗号鍵および復号鍵として共通鍵が生成される。
【0035】
復号鍵送信部15bは、鍵生成部15aにより生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末80に無線送信する。セキュリティ上安全な形で復号鍵を渡す観点より、復号鍵送信部15bは、密着型(通信距離:最大約2mm)、近接型(通信距離:最大約10cm)、または近傍型(通信距離:最大約70cm)のRFID(Radio Frequency Identification)方式により送信することが好ましく、近接型のRFID方式により送信することが特に好ましい。また、セキュリティの観点より、復号鍵送信部15bは、ユーザが携帯する携帯端末80からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末80に復号鍵を送信することが好ましい。そこで、本実施の形態では、復号鍵送信部15bは、リーダライタ13または14に携帯端末80がかざされると、リーダライタ13または14を介して携帯端末80の非接触ICカードからID情報を読み出し、ユーザ認証用のデータベース(不図示)を参照し、読み出されたID情報に基づいて認証処理を行う。そして、認証が成功した場合に、リーダライタ13または14を介して、近傍型のRFID通信により、携帯端末80の非接触ICカードに復号鍵を書き込む。ここで、上記ID情報は、会議前に非接触ICカードに予め書き込まれているものであり、例えば、非接触ICカードの製造段階で当該カードに埋め込まれたカード固有のカード識別情報(カードID)や、携帯端末80のユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)、携帯端末80を識別するための端末識別情報(端末ID)などである。
【0036】
文書格納部15cは、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書を、鍵生成部15aにより生成された暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する。本実施の形態では、文書格納部15cは、暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに、格納された暗号化共有文書に係る共有文書情報を会議情報データベース50に登録する。共有文書情報は、暗号化共有文書の名称と暗号化共有文書の格納場所を示すアドレス情報とを含む。
【0037】
アプリケーション提供部15dは、携帯端末80に会議用アプリケーションを無線通信により提供する。この会議用アプリケーションは、携帯端末80に会議支援に関する機能を実現させるためのアプリケーションプログラムである。会議支援に関する機能としては、会議支援装置15に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能や、会議支援装置15から情報を受信して格納する機能、情報を携帯端末80の画面上に表示させる機能、ユーザ操作に基づき情報を編集する機能などがある。
【0038】
アクセス情報送信部15eは、文書データベース40に格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末80に無線送信する。本実施の形態では、アクセス情報送信部15eは、会議用アプリケーションの要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。アクセス情報は、好適には共有文書のアドレス情報(例えばURL)であるが、共有文書にアクセスできれば他の情報であってもよい。例えば、アクセス情報は、共有文書のアドレス情報を含む文書(例えば共有文書情報)の格納場所を示すアドレス情報であってもよいし、文書データベース40での共有文書の検索を可能にする会議ID(共有文書が使用された会議を一意に識別するための識別情報)や文書ID(共有文書を一意に識別するための識別情報)であってもよい。
【0039】
参加者ID登録部15fは、会議参加者の携帯端末80の非接触ICカードから読み出されたID情報(カードID、ユーザID、端末ID等)を、当該会議に係る暗号化共有文書と関連付けてデータベース(本実施の形態では会議情報データベース50)に登録する。
【0040】
会議概要情報送信部15gは、会議の概要を示す会議概要情報を会議参加者の携帯端末80に送信する。会議概要情報は、好適には携帯端末80において復号鍵およびアクセス情報と関連付けて保持され、復号鍵やアクセス情報がどの会議のものかをユーザが特定することを可能にするためのものである。したがって、会議概要情報の内容は、上記役割を果たす観点より適宜に決められる。好ましくは、会議概要情報は、会議の名称および開催日時を含む。ここでいう会議の名称とは、会議体の名称を含む概念である。「会議体」とは、一定の事柄を討議または決議する機関をいい、例えば、経営会議、役員会議、X商品企画会議、Yプロジェクト会議などである。より好ましくは、会議概要情報は、会議の開催場所または会議の参加者をさらに含む。
【0041】
図3は、携帯端末80の構成を示すブロック図である。図3において、携帯端末80は、携帯電話部81、非接触ICカード82、無線LAN部83、不揮発性メモリ84、表示部85、操作部86、および制御部87を有する。
【0042】
携帯電話部81は、携帯電話網94を介してネットワーク上の装置と通信を行う。非接触ICカード82は、非接触でデータの読み書きが可能なメモリを内蔵するカードであるが、その形状は特に限定されない。無線LAN部83は、無線LAN基地局20を介してネットワーク上の装置と通信を行う。不揮発性メモリ84は、データの読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、例えばフラッシュメモリである。表示部85は、各種情報を表示し、操作部86は、ユーザから操作入力を受け付ける。
【0043】
制御部87は、携帯端末80全体を制御して、会議支援に関する各種機能を実現する。制御部87は、CPU、ROM、メインメモリ等を含んで構成され、その機能は、ROMや不揮発性メモリ84に記録されたプログラム(会議用アプリケーションを含む)がメインメモリに読み込まれてCPUにより実行されることによって実現される。
【0044】
図4は、文書データベース40の機能構成を示す機能ブロック図である。図4において、文書データベース40は、共有文書保存部41および共有文書公開部42を有する。
【0045】
共有文書保存部41は、会議支援装置15の文書格納部15cから暗号化共有文書を受け取って保存する。
【0046】
共有文書公開部42は、暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置(PC70や携帯端末80など)から受け付け、アクセス要求された暗号化共有文書を共有文書保存部41から読み出して要求元のクライアント装置に送信する。共有文書公開部42は、例えば、インターネット経由で文書ID(URLでもよい)の指定を伴うアクセス要求を受け付け、指定された文書IDに基づき該当する暗号化共有文書をデータベース内で検索し、検索された暗号化共有文書を要求元に提供するWebサーバである。本実施の形態では、暗号化共有文書を会議参加者に限定して提供する観点より、共有文書公開部42は、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受け付け、当該アクセス要求を受けると、会議情報データベース50を参照して、提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、暗号化共有文書をクライアント装置に送信する。
【0047】
以下、上記構成を有する電子会議システム1の動作について、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作と、共有文書の利用に関連する動作とに分けて具体的に説明する。
【0048】
<共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作>
図5は、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連するイベントフローを示す図である。図6は、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する会議支援装置15の動作手順を示すフローチャートである。以下、図5、6に従って、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作について具体的に説明する。なお、以下の説明では、会議室Aにおいてローカル会議が行われる場合を例にとり、会議室A用の機器については、共有画面ディスプレイ11Aといったように、符号に「A」を付す。
【0049】
会議室Aにおいて、会議を開催しようとするユーザ(会議の話者や主催者)は、操作パネル12A近傍のリーダライタ13Aに携帯端末80をかざす。リーダライタ13Aは、携帯端末80がかざされると、当該携帯端末80の非接触ICカード82からユーザIDを読み取って会議支援装置15Aに送る。ここでは、ユーザU1の携帯端末80がかざされ、当該ユーザU1に割り当てられたユーザID「u1」が読み取られたものとする。
【0050】
会議支援装置15Aは、リーダライタ13AからユーザID「u1」を受けると(S1:YES)、当該ユーザIDに基づき所定の認証処理(ログイン処理)を行う(S2)。そして、認証に成功すると、ユーザU1から会議体の指定を受け付ける(S3)。会議支援装置15Aは、具体的には、ユーザID「u1」に予め関連付けられている会議体(すなわちユーザU1が属する会議体)を不図示のデータベースから読み出し、図7に示される会議体の指定を受け付けるための会議体指定画面100を操作パネル12Aに表示させ、この会議体指定画面100上で会議体の指定を受け付ける。図7において、会議体指定画面100には、それぞれユーザU1が属する会議体の名称が表示された会議体選択ボタン101〜104、「会議体を指定しない」ボタン105、および「開始」ボタン106が配置されている。ここでは、ユーザU1は、会議体「Yプロジェクト会議」に係る会議を開催すべく、会議体選択ボタン103を押下し、ついで「開始」ボタン106を押下したものとする。
【0051】
会議支援装置15Aは、操作パネル12Aを介して上記操作を受け付けると、当該操作に基づき開催される会議を一意に識別するための会議IDを生成する(S4)。この会議IDは、ユニバーサルユニークID(UUID: Universal Unique Identifier)等の計算で算出される。ここでは、会議ID「c1」が生成されたものとする。
【0052】
また、会議支援装置15Aは、当該会議に固有の暗号鍵と復号鍵の鍵ペアを生成する(S5)。この鍵ペアは、例えば会議支援装置15Aのネットワーク上のアドレス(IPアドレス等)と現在時刻とに基づいて生成される。ここでは、暗号鍵「EK1」および復号鍵「DK1」が生成されたものとする。
【0053】
会議支援装置15Aは、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、暗号鍵「EK1」、および復号鍵「DK1」を、カレント会議情報として所定の記憶領域に格納し、以降の処理においては当該カレント会議情報を適宜読み出して利用する。
【0054】
ついで、会議支援装置15Aは、図8に示されるように、会議情報データベース50に、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、会議の開始日時、会議の開催場所名「役員会議室A」、および参加者ID「u1」を互いに関連付けて登録する(S6)。なお、上記の「役員会議室A」は、会議室Aの場所名として予め会議支援装置15Aに設定されているものである。
【0055】
その後、会議支援装置15Aは、会議室AにおけるYプロジェクト会議を支援するための会議支援制御を行う(S7)。この会議支援制御については、後に詳しく説明する。
【0056】
会議が終了すると、会議の話者は、文書一覧画面200上の「会議終了」ボタン210または発表画面制御画面300上の「会議終了」ボタン310を押下する。会議支援装置15Aは、当該操作を受け付けると(S8:YES)、その時点の時刻を終了時刻として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録し(S9)、会議室Aにおける会議体「Yプロジェクト会議」の会議の支援を終了させる。
【0057】
以下、上記ステップS7の会議支援制御について、ログイン処理、共有画面の画面制御、共有文書の格納、およびアクセス情報等の送受に分けて説明する。
【0058】
(ログイン処理)
図9は、ログイン処理に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援制御の開始後、例えば会議が実際に開始される前や会議中において、会議に参加しようとするユーザは、会議室Aの入口近傍のリーダライタ14Aに携帯端末80をかざす。リーダライタ14Aは、携帯端末80がかざされると、当該携帯端末80の非接触ICカード82からユーザIDを読み取って会議支援装置15Aに送る。
【0059】
会議支援装置15Aは、リーダライタ14AからユーザIDを受けると(S11:YES)、当該ユーザIDに基づき所定の認証処理を行う(S12)。そして、認証に成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして、会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する(S13)。
【0060】
また、会議支援装置15Aは、リーダライタ14Aを制御して、会議ID「c1」および復号鍵「DK1」を互いに関連付けて携帯端末80の非接触ICカード82に書き込む(S14)。
【0061】
さらに、会議支援装置15Aは、当該会議で共有された共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末上でキャプチャするためのプログラム(すなわち会議用アプリケーション)を携帯端末80に提供する(S15)。このとき、会議支援装置15Aは、適宜の方法で会議用アプリケーションを提供することができる。例えば、会議支援装置15Aは、携帯端末80の非接触ICカード82から端末IDまたはアドレスを読み出して、当該端末IDまたはアドレスに基づき、無線LAN経由または携帯電話網経由で携帯端末80に会議用アプリケーションをアップロードする。また例えば、会議支援装置15Aは、ダウンロード用情報を携帯端末80の非接触ICカード82に書き込み、携帯端末80は、ダウンロード用情報に基づいて無線LAN経由または携帯電話網経由で所定のサーバから会議用アプリケーションをダウンロードする。
【0062】
上記処理により、例えばユーザU2,U3がログインした場合には、図8に示されるように、それぞれのユーザID「u2」,「u3」が参加者IDとして会議情報データベース50に追加される。また、ユーザU2,U3それぞれの携帯端末80には、会議ID、復号鍵、および会議用アプリケーションが送信される。
【0063】
(共有画面の画面制御)
会議支援制御が開始されると、会議支援装置15Aは、図10に示されるような文書一覧画面200を操作パネル12Aに表示させる。すなわち、会議支援装置15Aは、文書データベース40にアクセスして、当該文書データベース40に保存されている会議資料のうち、会議体「Yプロジェクト会議」に関連付けられている会議資料の一覧を表示させる。この画面200上においてユーザが所望の会議資料を指定すると、会議支援装置15Aは、指定された会議資料を文書データベース40から取得し、図11に示されるような発表画面制御画面300を操作パネル12Aに表示させる。ここでは、会議資料として複数ページの画面データを含むプレゼンテーションソフトのファイルが指定され、図11の文書表示領域301には、複数ページの画面データの縮小画像(サムネイル)が一覧表示されている。
【0064】
会議支援装置15Aは、画面300上でユーザから画面制御操作を受け付け、当該画面制御操作に基づいて共有画面ディスプレイ11Aの画面制御を行う。具体的には、画面制御は次のように行われる。ユーザにより所望の画面データのサムネイルが選択されると、当該サムネイルに対応する画面データに基づく画像が共有画面ディスプレイ11Aに表示される。また、「次頁」ボタン302が押下されると共有画面ディスプレイ11Aの画面が次ページに進み、「前頁」ボタン303が押下されると画面が前ページに戻り、「最後」ボタン304が押下されると最終ページが表示され、「先頭」ボタン305が押下されると先頭ページが表示される。
【0065】
画面データに基づく画像が共有画面ディスプレイ11A上に表示されている間、会議支援装置15Aは、共有画面ディスプレイ11A上での電子ペンによる書き込み操作を検出すると、元の画面データの画像に書き込み内容(板書画像)を重畳させた画像を共有画面ディスプレイ11Aに表示させる。すなわち、ユーザが共有画面ディスプレイ11A上で書き込み操作を行うと、その都度、書き込み内容が共有画面ディスプレイ11Aの表示画面に反映される。
【0066】
なお、画面300上で「文書一覧」ボタン306が押下されると、会議支援装置15Aは、操作パネル12Aの画面を文書一覧画面200に戻し、当該画面200上で会議資料の選択操作を受け付ける。これにより、別の会議資料を共有画面ディスプレイ11Aに表示させることが可能となる。また、「白紙」ボタン307が押下されると、白紙画像が共有画面ディスプレイ11Aに表示される。
【0067】
(共有文書の格納)
図12は、共有文書の格納に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援装置15Aは、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(共有文書)を、当該会議用の暗号鍵「EK1」で暗号化し、暗号化共有文書を生成する(S21)。そして、生成された暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに(S22)、当該暗号化共有文書の名称およびURLを共有文書情報として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する(S23)。以下、当該動作手順のより具体的な例を、以下の第1〜第3の例に示す。
【0068】
第1の例では、会議支援装置15Aは、新たな会議資料が共有画面ディスプレイ11Aに表示されるまで待機し、新たな会議資料が表示されると、当該会議資料の元のファイルを共有文書とし、これを暗号化して登録する。
【0069】
第2の例では、会議支援装置15Aは、画面切り替え操作(例えば「次頁」ボタン302の押下)を受け付けるまで待機し、画面切り替え操作を受け付けると、その時点で共有画面ディスプレイ11Aに表示されている画面を示すデータを共有文書とし、これを暗号化して登録する。ここで、上記画面を示すデータは、元の画面データと板書画像データとを含むデータである。
【0070】
第3の例では、会議支援装置15Aは、リーダライタ13Aに携帯端末80がかざされるまで待機し、携帯端末80がかざされたことを検知すると、その時点で共有画面ディスプレイ11Aに表示されている画面を示すデータを共有文書とし、これを暗号化して登録する。ここで、上記画面を示すデータは、元の画面データと板書画像データとを含むデータである。
【0071】
なお、会議支援装置15Aは、上記第1〜第3の例に示される処理を適宜に組み合わせて実行してもよい。
【0072】
上記処理により、会議情報データベース50には、会議概要情報および共有文書情報が会議ID「c1」と関連付けられて保存される。以下、会議概要情報および共有文書情報を適宜「会議情報」と総称する。
【0073】
(アクセス情報等の送受)
図13は、アクセス情報等の受信に関する携帯端末80の動作手順を示すフローチャートである。会議用アプリケーションは、携帯端末80にダウンロードされると、自動的またはユーザ操作により起動し(S31)、携帯端末80は、会議用アプリケーションにより以下のように動作する。
【0074】
会議用アプリケーションの起動後、携帯端末80は、会議情報の更新の有無を一定時間間隔で会議支援装置15Aに無線LAN経由で問い合わせる(S32)。
【0075】
そして、携帯端末80は、問い合わせ後所定時間内に、問い合わせに対する応答として会議情報が更新された旨のメッセージを会議支援装置15Aから受信すると(S33:YES)、会議支援装置15Aからカレントの会議情報を無線LAN経由で取得し、当該会議情報を会議ID「c1」と関連付けて携帯端末80内の不揮発性メモリ84に保存する(S34)。ついで、携帯端末80は、会議情報に含まれる会議概要情報の項目「終了時刻」を参照して、当該項目に終了時刻が記述されていなければ(S35:NO)、当該会議は終了していないものとしてステップS31に戻り、終了時刻が記述されていれば(S35:YES)、当該会議は終了したものとして会議用アプリケーションが終了する(S36)。
【0076】
一方、ステップS32の問い合わせ後所定時間内に、会議情報が更新された旨のメッセージが受信されなかった場合(S33:NO)、ステップS32に戻る。
【0077】
図14は、アクセス情報等の送信に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援装置15Aは、携帯端末80から会議情報の更新の有無の問い合わせを受信するまで待機し(S41:NO)、問い合わせを受信すると(S41:YES)、会議情報データベース50を参照して、会議情報が更新されているか否かを判断する(S42)。
【0078】
そして、会議情報が更新されていないと判断された場合には(S42:NO)、ステップS41に戻る。一方、更新されていると判断された場合には(S42:YES)、会議支援装置15Aは、会議情報が更新された旨のメッセージを携帯端末80に返信し(S43)、ステップS41に戻る。
【0079】
上記処理により、携帯端末80の不揮発性メモリ84には会議概要情報(会議の名称、開催日時、開催場所、会議参加者)および共有文書情報(暗号化共有文書の名称およびURL)が会議ID「c1」と関連付けて保存され、会議中、これらの情報は一定時間毎に更新され、会議終了直後には、最終的な情報に更新される。
【0080】
なお、会議情報の送受の態様は上記に限定されず、適宜に変更可能である。例えば、携帯端末80は、会議中の会議情報の取得・更新を行わず、会議終了検出時に最終的な会議情報を取得してもよい。また、携帯端末80は、自動的ではなく、ユーザの指示に応じて上記問い合わせを送信してもよい。また、会議支援装置15Aが、更新時や会議終了時などの適宜のタイミングで、会議情報を携帯端末80にプッシュ送信してもよい。また、会議参加者が会議室Aを退室する際にリーダライタ14Aに携帯端末80をかざした場合など、会議参加者の携帯端末80がリーダライタ14Aにかざされた場合に、会議支援装置15Aがリーダライタ14Aを介して携帯端末80の非接触ICカード82に会議情報を書き込んでもよい。
【0081】
(携帯端末上での表示および操作について)
携帯端末80は、自動的またはユーザ操作により、図15に示されるように、会議支援装置15Aから取得した会議情報を表示部85の画面上に表示させる。これにより、会議参加者は、暗号化共有文書の名称の一覧等を画面上で確認することができる。
【0082】
会議参加者は、携帯端末80上の操作により、削除したい暗号化共有文書を指定して、削除指示を入力する。携帯端末80は、当該削除指示を受け付けると、指定された暗号化共有文書の名称およびURLを不揮発性メモリ84から削除する。
【0083】
以上、ローカル会議が行われる場合の電子会議システム1の動作について説明したが、以下、会議室A,B間で多地点間会議が行われる場合における電子会議システム1の動作の一例を示す。なお、以下の説明では、ローカル会議と同様の動作については詳しい説明を省略する。また、会議室A,B用の機器については、それぞれ符号に「A」,「B」を付す。
【0084】
上記ローカル会議の場合と同様に、会議室AにおいてユーザU1により「Yプロジェクト会議」の開始が指示されると、会議支援装置15Aは、会議ID「c1」、暗号鍵「EK1」、復号鍵「DK1」を生成する。そして、会議情報データベース50に、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、会議の開始日時、会議の開催場所名「役員会議室A」、および参加者ID「u1」を互いに関連付けて登録し、会議支援制御を開始する。
【0085】
その後、会議室BにおいてユーザU2が操作パネル12Bに対して、会議室A,B間で多地点間会議を開始するための所定の指示を入力すると、会議支援装置15Bは、会議支援装置15Aから会議ID「c1」および復号鍵「DK1」を取得し、会議支援装置15Aとともに多地点間会議用の会議支援制御を開始する。
【0086】
以下、多地点間会議用の会議支援制御について、ログイン処理、共有画面の画面制御、共有文書の格納、およびアクセス情報等の送受に分けて説明する。
【0087】
(ログイン処理)
会議室Aにおいて、携帯端末80がリーダライタ14Aにかざされると、会議支援装置15Aは、当該携帯端末80からユーザIDを読み取り、当該ユーザIDに基づく認証を行う。そして、認証が成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして会議情報データベース50に登録するとともに、携帯端末80に会議ID「c1」、復号鍵「DK1」、および会議用アプリケーションを送信する。
【0088】
会議室Bにおいても同様に、携帯端末80がリーダライタ14Bにかざされると、会議支援装置15Bは、当該携帯端末80からユーザIDを読み取り、当該ユーザIDに基づく認証を行う。そして、認証が成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして会議情報データベース50に登録するとともに、携帯端末80に会議ID「c1」、復号鍵「DK1」、および会議用アプリケーションを送信する。
【0089】
(共有画面の画面制御)
会議支援装置15A,15Bは、それぞれ操作パネル12A,12Bを介して画面制御操作を受け付け、当該画面制御操作に基づいて共有画面ディスプレイ11A,11Bの画面制御を行う。このとき、会議支援装置15A,15Bは、共有画面ディスプレイ11Aおよび11Bの表示内容が互いに同一となるように制御する。
【0090】
(共有文書の格納)
会議支援装置15A,15Bのうち所定の一方(例えば先に会議を開始した会議支援装置15A)は、新たな会議資料が共有画面ディスプレイ11Aおよび11Bに表示されると、当該会議資料の元のファイルを共有文書とし、これを暗号鍵「EK1」で暗号化する。そして、暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに、当該暗号化共有文書の名称およびURLを共有文書情報として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する。
【0091】
(アクセス情報等の送受)
会議室Aにおいて、携帯端末80は、上記ローカル会議の場合と同様に、会議支援装置15Aから会議情報を取得する。
【0092】
会議室Bにおいても同様に、携帯端末80は、会議支援装置15Bから会議情報を取得する。
【0093】
なお、上記の説明では省略したが、好適な態様では、各会議室には、ビデオカメラ、ビデオ映像表示装置、マイク、およびスピーカが設置され、会議支援装置15A,15Bは、これらの機器を制御してテレビ会議環境を提供する。
【0094】
<共有文書の利用に関連する動作>
図16は、共有文書の利用に関連するイベントフローを示す図である。図17は、携帯端末80からの会議情報の取り込みに関するPC70の動作手順を示すフローチャートである。図18は、共有文書の取得に関するPC70の動作手順を示すフローチャートである。図19は、共有文書の提供に関する文書データベース40の動作手順を示すフローチャートである。以下、図16〜図19を参照して、共有文書の利用に関連する動作について説明する。
【0095】
上記会議の終了後、会議参加者(ここではユーザU2とする)は、携帯端末80内の情報を自席のPC70に取り込ませるために、自席のPC70に接続されたリーダライタ71に携帯端末80をかざす。
【0096】
図17において、PC70は、携帯端末80がリーダライタ71にかざされるまで待機している(S51:NO)。そして、PC70は、携帯端末80がかざされると(S51:YES)、リーダライタ71を介して携帯端末80から、会議ID「c1」、会議ID「c1」に関連付けられた復号鍵「DK1」、会議ID「c1」に関連付けられた会議情報、およびユーザID「u2」を読み出して保存する(S52)。
【0097】
PC70に会議情報が取り込まれた後、ユーザU2は、PC70の画面上で会議情報を閲覧し、暗号化共有文書の一覧の中から取得したい暗号化共有文書を指定して、暗号化共有文書の取得指示を入力する。
【0098】
図18において、PC70は、上記取得指示を受け付けるまで待機しており(S61:NO)、取得指示を受け付けると(S61:YES)、会議ID「c1」、ユーザID「u2」、および指定された暗号化共有文書のURLを含む文書アクセス要求を、文書データベース40に送信する(S62)。その後、PC70は、所定時間内に文書データベース40から暗号化共有文書を受信すると(S63:YES)、受信した暗号化共有文書を復号鍵「DK1」によって復号化し、共有文書を得る(S64)。一方、所定時間内に暗号化共有文書を受信しなかった場合(S64:NO)、ステップS61に戻る。
【0099】
図19において、文書データベース40は、文書アクセス要求を受信するまで待機しており(S71:NO)、文書アクセス要求を受信すると(S71:YES)、会議情報データベース50を参照して、当該要求に含まれるユーザIDが、当該要求に含まれる会議IDに関連付けられたものか否かを判断する(S72)。
【0100】
そして、関連付けられたものでないと判断された場合には(S72:NO)、ステップS71に戻る。一方、関連付けられたものであると判断された場合には(S72:YES)、会議情報データベース50を参照して、当該要求に含まれるURLが、当該要求に含まれる会議IDに関連付けられたものか否かを判断する(S73)。
【0101】
そして、関連付けられたものでないと判断された場合には(S73:NO)、ステップS71に戻る。一方、関連付けられたものであると判断された場合には(S73:YES)、当該要求に含まれるURLから暗号化共有文書(ユーザにより指定された文書)を取得して、要求元の装置に送信する(S74)。
【0102】
すなわち、文書データベース40は、暗号化共有文書の要求元のユーザが、当該暗号化共有文書に係る会議の参加者であるか否かを判断し、参加者である場合には要求された暗号化共有文書を要求元に提供し、そうでなければ提供しない。
【0103】
なお、上記説明では、携帯端末80内の情報をリーダライタ71を介してPC70に取り込む構成を示したが、無線LAN経由、USB(Universal Serial Bus)経由など、適宜の通信手段を利用して取り込むことが可能である。
【0104】
また、上記説明では、PC70から文書データベース40にアクセスすることとしたが、携帯端末80から無線LAN経由等で文書データベース40にアクセスすることも可能である。
【0105】
以上説明した本実施の形態によれば、下記(1)〜(6)の効果が得られる。
【0106】
(1)本実施の形態では、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成し、生成された復号鍵を会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する。また、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書を当該会議用の暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する。そして、上記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を会議参加者の携帯端末に無線送信する。このため、本実施の形態によれば、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者にセキュアに提供することができる。具体的に言えば、実際に会議に参加した参加者に限定して、会議で共有された資料を、当該会議イベントを単位にセキュリティ上安全な形で共有することができる。これにより、紙文書による資料配布の量や頻度を削減できると共に、会議参加者は、会議中に使用または生成された情報(例えば、電子ホワイトボード上での手書きイメージや、写真、ビデオデータ等を、電子的に取得することができる。また、特に、不特定多数の者が参加する会議(講演会、学術会議、公開セミナー、授業など)の場合において、来場者に限定して、インターネットを介してセキュリティ上安全な形で提供することができる。これにより、不特定多数の者が参加する会議など、組織的な枠組みを超えた共同作業の環境でのセキュアな文書共有が可能となる。
【0107】
また、会議参加者の携帯端末に無線通信によりアクセス情報を送信するので、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に簡易に提供することができる。
【0108】
また、会議に固有の暗号鍵および復号鍵を生成し、当該会議では一貫して当該会議に固有の暗号鍵および復号鍵を使用するので、鍵の作成、管理、および送信が簡易である。このため、文書毎にパスワードの作成および送信が必要な構成や、会議参加者毎にアカウント/パスワードの作成および送信が必要な構成と比較して、共有文書を会議参加者にセキュアに提供するシステムを、より簡易な構成で実現することができる。
【0109】
また、会議支援装置が、会議用の暗号鍵の生成、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書の暗号化、および暗号化共有文書のデータベースへの格納を行うので、発表資料(元の文書)だけでなく、会議中に生成された情報(電子ホワイトボード上での手書きイメージなど)を会議参加者に電子文書として提供することができる。また、会議の発表者は発表資料に対して事前に暗号化を施す必要がなく、利便性が高い。
【0110】
また、共有文書を暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書をデータベースに格納するので、データベースから個人のPCに文書をダウンロードする際、通信系路上での盗聴や改竄といった恐れを低減することができる。このため、インターネット経由での共有文書のダウンロードをより安全に行うことができる。
【0111】
(2)本実施の形態では、リーダライタを介して携帯端末に設けられた非接触ICカードに会議に固有の復号鍵を書き込む。このため、セキュリティ上安全な形で復号鍵を携帯端末に渡すことができる。
【0112】
(3)本実施の形態では、携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に復号鍵を送信する。このため、会議に参加することが許可された者に限定して復号鍵を渡すことができる。
【0113】
(4)本実施の形態では、携帯端末から読み出されたID情報を暗号化共有文書と関連付けてデータベースに登録する。そして、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、上記データベースを参照して、提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、上記データベースから暗号化共有文書を読み出してクライアント装置に送信する。このため、データベース上の暗号化共有文書へのアクセスを会議参加者に限定することができる。
【0114】
(5)本実施の形態では、会議の名称、開催日時、開催場所など、会議の概要を示す会議概要情報を携帯端末に無線送信する。このため、会議参加者は、アクセス情報や復号鍵がどの会議のものかを容易に認識することができる。
【0115】
(6)本実施の形態では、携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供する。この会議用アプリケーションは、携帯端末に、会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させる。会議支援装置は、上記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、アクセス情報を携帯端末に送信する。このため、携帯電話などの汎用の携帯端末を、会議支援用の携帯端末として利用することが可能となる。
【0116】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る電子会議システムは、上記電子会議システム1と殆ど同じであるが、会議用アプリケーションにより実現される機能が異なる。以下、本実施の形態に係る電子会議システムについて説明するが、上記電子会議システム1と共通または類似する部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化する。
【0117】
以下、本実施の形態における、携帯端末80および会議支援装置15の動作について説明するが、携帯端末80の動作は会議用アプリケーションによって実現されるものである。
【0118】
携帯端末80は、会議用アプリケーションの画面上に、「共有文書全部をキャプチャ」ボタン、「表示中の文書ファイルをキャプチャ」ボタン、および「表示中の画面をキャプチャ」ボタンを表示させる。
【0119】
(「共有文書全部をキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「共有文書全部をキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、携帯端末80は、共有文書全部についての文書取得要求を会議支援装置15に無線送信する。
【0120】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を要求元の携帯端末80に送信する。一つの態様では、会議支援装置15は、現時点までに生成された暗号化共有文書全部に係る共有文書情報を携帯端末80に送信する。また別の態様では、会議支援装置15は、現時点までに共有画面上に表示された全ての会議資料(元の文書ファイル)を暗号化して暗号化共有文書を生成する。そして、生成された全ての暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに共有文書情報を会議情報データベース50に登録し、生成された全ての暗号化共有文書の共有文書情報を携帯端末80に送信する。
【0121】
(「表示中の文書ファイルをキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「表示中の文書ファイルをキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、携帯端末80は、当該元文書についての文書取得要求を会議支援装置15に送信する。
【0122】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有画面に表示中の画面の元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。ここで、元文書は、分かり易く言えば共有画面に表示中の会議資料の元の文書ファイルである。会議支援装置15は、元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報として、既に生成されているものを用いてもよいし、受信後に暗号化共有文書およびそのアクセス情報を新たに生成してもよい。
【0123】
(「表示中の画面をキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「表示中の画面をキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を会議支援装置15に送信する。
【0124】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有画面に表示中の画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。具体的には、会議支援装置15は、上記文書取得要求を受信すると、その時点で共有画面上に表示されている画面の画像データを共有文書とし、これを暗号化して暗号化共有文書を生成する。そして、生成された暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに共有文書情報を会議情報データベース50に登録し、生成された暗号化共有文書の共有文書情報を携帯端末80に送信する。
【0125】
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)〜(6)の効果に加えて下記(7)〜(10)の効果が得られる。
【0126】
(7)会議用アプリケーションは、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有文書全部を取得することができる。
【0127】
(8)会議用アプリケーションは、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、上記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有画面に現在表示されている発表資料の元の文書ファイルを取得することができる。
【0128】
(9)会議用アプリケーションは、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、上記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有画面に現在表示されている画面の画像データを取得することができる。
【0129】
(10)会議用アプリケーションは、共有文書全部についての取得指示、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示、および共有画面に表示中の画面についての取得指示を受け付ける。このため、会議参加者は、携帯端末上で、会議中に使用された資料や生成された資料を、必要に応じた粒度(会議単位、資料単位、画面単位)で指定して取得することができる。
【0130】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る電子会議システムは、上記第1または第2の実施の形態に係る電子会議システムと殆ど同じであるが、共有文書の利用について課金を行うことを特徴とするものである。以下、本実施の形態に係る電子会議システムについて説明するが、上記第1または第2の電子会議システムと共通または類似する部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化する。
【0131】
本実施の形態に係る電子会議システムは、アクセス情報または暗号化共有文書の取得に対して課金処理を行う課金機能を有する。この課金機能は、例えば、会議支援装置15、携帯端末80上の会議用アプリケーション、あるいは文書データベース40によって実現される。
【0132】
会議支援装置15により課金機能が実現される場合、会議支援装置15は、不図示の課金システムと協働して、携帯端末80へのアクセス情報の送信に対して、あるいは、文書データベース40からの暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。
【0133】
会議用アプリケーションによって課金機能が実現される場合、携帯端末80は、不図示の課金システムと協働して、アクセス情報の取得に対して、あるいは、文書データベース40から当該携帯端末80への暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。例えば、携帯端末80は、会議用アプリケーションの画面上で文書取得指示(第2の実施の形態におけるボタン選択など)が入力される毎に、携帯端末80内の課金情報(電子マネーのポイント数)から利用料金分のポイントを差し引く。
【0134】
文書データベース40によって課金機能が実現される場合、文書データベース40は、不図示の課金システムと協働して、当該文書データベース40からの暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。
【0135】
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)〜(10)の効果に加えて下記(11)の効果が得られる。
【0136】
(11)本実施の形態では、アクセス情報または暗号化共有文書の取得に対して課金することができる。
【0137】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。例えば、ユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースの具体的構成は、適宜に変更可能である。例えば、操作パネル12を省略し、操作パネル12の機能を共有画面ディスプレイ11に持たせてもよい。
【0138】
また、上記実施の形態では、会議支援装置15を各会議室に設置したが、会議支援装置15の機能を実現する具体的構成は、適宜に変更可能である。例えば、会議支援装置15の機能をインターネット93上のサーバで実現してもよい。
【0139】
また、上記実施の形態では、ログイン処理時に会議用アプリケーションを携帯端末80に提供することとしたが、会議用アプリケーションは予め携帯端末に格納されていてもよい。また、会議用アプリケーションにより実現される各種機能の一部または全部は、専用のハードウェア回路等で実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】第1の実施の形態に係る会議支援装置を含む電子会議システムの全体構成図である。
【図2】会議支援装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】文書データベースの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連するイベントフローを示す図である。
【図6】共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】会議体指定画面を示す図である。
【図8】会議情報データベースの記憶内容を示す図である。
【図9】ログイン処理に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】文書一覧画面を示す図である。
【図11】発表画面制御画面を示す図である。
【図12】共有文書の格納に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】アクセス情報等の受信に関する携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】アクセス情報等の送信に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】携帯端末の外観の一例を示す図である。
【図16】共有文書の利用に関連するイベントフローを示す図である。
【図17】携帯端末からの会議情報の取り込みに関するPCの動作手順を示すフローチャートである。
【図18】共有文書の取得に関するPCの動作手順を示すフローチャートである。
【図19】共有文書の提供に関する文書データベースの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
1 電子会議システム、10 会議システム、11 共有画面ディスプレイ、12 操作パネル、13,14 ICカードリーダ/ライタ、15 会議支援装置、15a 鍵生成部、15b 復号鍵送信部、15c 文書格納部、15d アプリケーション提供部、15e アクセス情報送信部、15f 参加者ID登録部、15g 会議概要情報送信部、20 無線LAN基地局、30 ルータ、40 文書データベース、50 会議情報データベース、60 ルータ、70 PC、80 携帯端末、81 携帯電話部、82 非接触ICカード、83 無線LAN部、84 不揮発性メモリ、85 表示部、86 操作部、87 制御部、91,92 LAN、93 インターネット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議を支援する会議支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の参加者に共有される共有画面を含む電子会議システムが知られている。従来、この種の電子会議システムでは、会議資料を共有画面に表示させることにより、参加者全員で同一の会議資料を参照することが可能となっている。このような電子会議システムでは、発表者がプレゼンテーションで用いた資料など、会議中に共有画面上に表示された文書を会議参加者に電子文書としてセキュリティ上安全な形で提供したいという要望がある。
【0003】
特許文献1には、共有画面に表示されている画面の元の文書のアドレスと、当該文書を取り扱うために必要となるパスワードとを参加者各自の携帯端末に送信するシステムが開示されている。このシステムでは、会議後、会議参加者は、携帯端末内に保存されたアドレスおよびパスワードを用いて会議資料にアクセスすることができる。
【0004】
特許文献2には、情報表示装置と会議参加者が個々に所持する携帯端末とを有する、次のようなシステムが開示されている。このシステムでは、会議開始時、情報表示装置は、携帯端末との間の無線通信により会議参加者を認識し、共有サーバ上に共有スペースを作成し、認識された会議参加者毎に異なるアカウント/パスワードを作成する。そして、作成されたアカウント/パスワードと共有スペースのアドレスとを各会議参加者の携帯端末に送信する。会議中、情報表示装置は、表示した文書を共有スペースにアップロードする。会議終了後、会議参加者は、携帯端末内に保存された情報を用いて、会議で使用された文書をダウンロードすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−49595号公報
【特許文献2】特開2004−259161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載されたシステムでは、文書毎に、当該文書が共有画面に表示されている最中に、元の文書のアドレスとともに当該文書用のパスワードを携帯端末に送信しなければならない。また、会議の発表者は発表資料(元の文書)に対して事前にパスワードを設定しなければならず、ユーザにとって不便である。
【0007】
また、上記特許文献1に記載されたシステムでは、会議参加者毎にアカウント/パスワードを作成し送信しなければならない。また、共有スペース上の文書は暗号化されていないので、共有サーバから個人のPCに文書をダウンロードする際、盗聴や改竄などの通信経路上の脅威に曝される。
【0008】
そこで、本発明は、より簡易かつセキュアに、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に提供することが可能な会議支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る会議支援装置は、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する鍵生成手段と、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する復号鍵送信手段と、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する文書格納手段と、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するアクセス情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な態様では、前記復号鍵送信手段は、ICカードリーダ/ライタを介して、前記携帯端末に設けられた非接触ICカードに前記復号鍵を書き込む。
【0011】
また、本発明の好適な態様では、前記復号鍵送信手段は、前記携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に前記復号鍵を送信する。
【0012】
また、本発明の好適な態様では、前記携帯端末から読み出されたID情報を前記暗号化共有文書と関連付けて前記データベースに登録する参加者ID登録手段と、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、前記データベースを参照して、前記提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、前記データベースから前記暗号化共有文書を読み出して前記クライアント装置に送信する共有文書公開手段と、をさらに有する。
【0013】
また、本発明の好適な態様では、前記会議の概要を示す会議概要情報を前記携帯端末に無線送信する会議概要情報送信手段をさらに有する。
【0014】
また、本発明の好適な態様では、前記携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供するアプリケーション提供手段をさらに有し、前記会議用アプリケーションは、前記携帯端末に、当該会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させ、前記アクセス情報送信手段は、前記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0015】
上記構成の一実施形態では、前記要求送信機能は、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0016】
また、前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0017】
また、前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を送信し、前記アクセス情報送信手段は、前記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する。
【0018】
また、本発明の好適な態様では、前記アクセス情報または前記暗号化共有文書の取得に対して、課金処理を行う課金手段をさらに有する。
【0019】
本発明に係る会議支援プログラムは、コンピュータに、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る会議支援方法は、会議支援装置が、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、前記会議支援装置が、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、前記会議支援装置が、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、前記会議支援装置が、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、より簡易かつセキュアに、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に提供することが可能な会議支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る会議支援装置15を含む電子会議システム1の全体構成図である。この電子会議システム1は、会議参加者に共有される共有画面を含み、この共有画面上に会議資料を表示することによって多地点間またはローカルの会議を支援するシステムである。典型的な利用形態では、1以上の会議室において、共有画面を参照しながら、複数の会議参加者が議論する。より具体的には、電子会議システム1は、各会議参加者が所持する携帯端末を利用して、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(以下、「共有文書」と称す)を会議参加者に対してセキュアに提供することを可能にするものである。共有文書は、例えば、発表者がプレゼンテーションで用いた資料や、会議中に電子ホワイトボード等を用いて書かれた内容(板書の画像データ)などである。なお、本件明細書において、「会議」とは、共有画面が複数人に参照されつつ話が進められるイベントを意味し、講演会、公開セミナー、授業などを含む概念である。
【0024】
図1において、電子会議システム1は、会議システム10、無線LAN(Local Area Network)基地局20、ルータ30、文書データベース40、会議情報データベース50、ルータ60、パーソナルコンピュータ(PC)70、および携帯端末80を含む。具体的には、各会議室には、会議システム10と無線LAN基地局20とが設置されており、これらはLAN91に接続されている。各オフィスには、ユーザ個人用のPC70が設置されており、これらはLAN92に接続されている。LAN91は、ファイアウォール機能が搭載されたルータ30を介してインターネット93に接続されている。ルータ30には、文書データベース40および会議情報データベース50が接続されている。LAN92は、ファイアウォール機能が搭載されたルータ60を介してインターネット93に接続されている。なお、電子会議システム1の具体的構成が上記に限られず適宜に変更可能であることは言うまでもない。
【0025】
携帯端末80は、各ユーザに携帯される携帯型無線通信端末であり、好適には非接触ICカードおよび無線LAN機能が搭載された端末である。本実施の形態では、携帯端末80は、非接触ICカード、無線LANアンテナ、および無線LANアダプタが内蔵された携帯電話である。携帯端末80は、公衆回線網(携帯電話網)94を介してインターネット93等に接続可能であるとともに、無線LAN基地局20の通信エリア内では当該基地局20を介してLAN91等に接続可能である。
【0026】
会議システム10は、電子会議システム1の主要部分であり、共有画面ディスプレイ11、操作パネル12、およびICカードリーダ/ライタ13,14、ならびに、これらのデバイスが接続される会議支援装置15を含んで構成されている。
【0027】
共有画面ディスプレイ11は、多地点間会議またはローカル会議の参加者全員に共有される共有画面を表示する表示装置である。本実施の形態では、共有画面ディスプレイ11は、大型(50型程度)のいわゆる電子ホワイトボードであり、電子ペンや指で画面上に文字や図形等の書き込み(板書)を行うことができるものである。
【0028】
操作パネル12は、各種情報をユーザ(主として会議の話者)に提示するとともにユーザから操作入力を受け付けるユーザインタフェースであり、ここでは小型(15型程度)のタッチパネル式ディスプレイである。
【0029】
ICカードリーダ/ライタ(以下、「リーダライタ」と略す)13,14は、携帯端末80に設けられた非接触ICカードのメモリに対してデータの読み書きを行う装置である。リーダライタ13は、操作パネル22の近傍に設置されており、主に会議の話者や主催者に利用される。一方、リーダライタ14は、会議室の入口の近傍に設置されており、主に会議参加者に利用される。なお、リーダライタの個数や設置位置はこれに限られず、例えば、1個であってもよいし、会議参加者の座席毎に設置されてもよい。
【0030】
会議支援装置15は、上記デバイス11〜14を制御して会議を支援する装置である。本実施の形態では、会議支援装置15はコンピュータであり、その機能は、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等の記録媒体に記録された所定のプログラムがメインメモリに読み込まれてCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。
【0031】
文書データベース40は、電子文書である会議資料を保存および管理するものであり、ここではサーバコンピュータである。会議資料には、会議で発表するためにユーザが用意した文書や、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(共有文書)が含まれる。また、会議資料としては、プレゼンテーションソフトやワープロソフト等のアプリケーションのファイルや、画像データ、動画データなどが挙げられる。
【0032】
会議情報データベース50は、会議に関する情報を保存および管理するものであり、ここではサーバコンピュータである。この会議情報データベース50に保存される情報については後述する。
【0033】
図2は、会議支援装置15の機能構成を示す機能ブロック図である。図2において、会議支援装置15は、鍵生成部15a、復号鍵送信部15b、文書格納部15c、アプリケーション提供部15d、アクセス情報送信部15e、参加者ID登録部15f、および会議概要情報送信部15gを有する。なお、図2において、共有画面ディスプレイ11の画面制御などといった、会議支援装置15の一般的な機能ブロックは省略されている。
【0034】
鍵生成部15aは、電子会議システム1を用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する。本実施の形態では、公開鍵暗号方式が採用され、暗号鍵および復号鍵として、公開鍵および秘密鍵の鍵ペアが生成される。ただし、共通鍵暗号方式が用いられてもよく、この場合には暗号鍵および復号鍵として共通鍵が生成される。
【0035】
復号鍵送信部15bは、鍵生成部15aにより生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末80に無線送信する。セキュリティ上安全な形で復号鍵を渡す観点より、復号鍵送信部15bは、密着型(通信距離:最大約2mm)、近接型(通信距離:最大約10cm)、または近傍型(通信距離:最大約70cm)のRFID(Radio Frequency Identification)方式により送信することが好ましく、近接型のRFID方式により送信することが特に好ましい。また、セキュリティの観点より、復号鍵送信部15bは、ユーザが携帯する携帯端末80からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末80に復号鍵を送信することが好ましい。そこで、本実施の形態では、復号鍵送信部15bは、リーダライタ13または14に携帯端末80がかざされると、リーダライタ13または14を介して携帯端末80の非接触ICカードからID情報を読み出し、ユーザ認証用のデータベース(不図示)を参照し、読み出されたID情報に基づいて認証処理を行う。そして、認証が成功した場合に、リーダライタ13または14を介して、近傍型のRFID通信により、携帯端末80の非接触ICカードに復号鍵を書き込む。ここで、上記ID情報は、会議前に非接触ICカードに予め書き込まれているものであり、例えば、非接触ICカードの製造段階で当該カードに埋め込まれたカード固有のカード識別情報(カードID)や、携帯端末80のユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)、携帯端末80を識別するための端末識別情報(端末ID)などである。
【0036】
文書格納部15cは、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書を、鍵生成部15aにより生成された暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する。本実施の形態では、文書格納部15cは、暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに、格納された暗号化共有文書に係る共有文書情報を会議情報データベース50に登録する。共有文書情報は、暗号化共有文書の名称と暗号化共有文書の格納場所を示すアドレス情報とを含む。
【0037】
アプリケーション提供部15dは、携帯端末80に会議用アプリケーションを無線通信により提供する。この会議用アプリケーションは、携帯端末80に会議支援に関する機能を実現させるためのアプリケーションプログラムである。会議支援に関する機能としては、会議支援装置15に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能や、会議支援装置15から情報を受信して格納する機能、情報を携帯端末80の画面上に表示させる機能、ユーザ操作に基づき情報を編集する機能などがある。
【0038】
アクセス情報送信部15eは、文書データベース40に格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末80に無線送信する。本実施の形態では、アクセス情報送信部15eは、会議用アプリケーションの要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。アクセス情報は、好適には共有文書のアドレス情報(例えばURL)であるが、共有文書にアクセスできれば他の情報であってもよい。例えば、アクセス情報は、共有文書のアドレス情報を含む文書(例えば共有文書情報)の格納場所を示すアドレス情報であってもよいし、文書データベース40での共有文書の検索を可能にする会議ID(共有文書が使用された会議を一意に識別するための識別情報)や文書ID(共有文書を一意に識別するための識別情報)であってもよい。
【0039】
参加者ID登録部15fは、会議参加者の携帯端末80の非接触ICカードから読み出されたID情報(カードID、ユーザID、端末ID等)を、当該会議に係る暗号化共有文書と関連付けてデータベース(本実施の形態では会議情報データベース50)に登録する。
【0040】
会議概要情報送信部15gは、会議の概要を示す会議概要情報を会議参加者の携帯端末80に送信する。会議概要情報は、好適には携帯端末80において復号鍵およびアクセス情報と関連付けて保持され、復号鍵やアクセス情報がどの会議のものかをユーザが特定することを可能にするためのものである。したがって、会議概要情報の内容は、上記役割を果たす観点より適宜に決められる。好ましくは、会議概要情報は、会議の名称および開催日時を含む。ここでいう会議の名称とは、会議体の名称を含む概念である。「会議体」とは、一定の事柄を討議または決議する機関をいい、例えば、経営会議、役員会議、X商品企画会議、Yプロジェクト会議などである。より好ましくは、会議概要情報は、会議の開催場所または会議の参加者をさらに含む。
【0041】
図3は、携帯端末80の構成を示すブロック図である。図3において、携帯端末80は、携帯電話部81、非接触ICカード82、無線LAN部83、不揮発性メモリ84、表示部85、操作部86、および制御部87を有する。
【0042】
携帯電話部81は、携帯電話網94を介してネットワーク上の装置と通信を行う。非接触ICカード82は、非接触でデータの読み書きが可能なメモリを内蔵するカードであるが、その形状は特に限定されない。無線LAN部83は、無線LAN基地局20を介してネットワーク上の装置と通信を行う。不揮発性メモリ84は、データの読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、例えばフラッシュメモリである。表示部85は、各種情報を表示し、操作部86は、ユーザから操作入力を受け付ける。
【0043】
制御部87は、携帯端末80全体を制御して、会議支援に関する各種機能を実現する。制御部87は、CPU、ROM、メインメモリ等を含んで構成され、その機能は、ROMや不揮発性メモリ84に記録されたプログラム(会議用アプリケーションを含む)がメインメモリに読み込まれてCPUにより実行されることによって実現される。
【0044】
図4は、文書データベース40の機能構成を示す機能ブロック図である。図4において、文書データベース40は、共有文書保存部41および共有文書公開部42を有する。
【0045】
共有文書保存部41は、会議支援装置15の文書格納部15cから暗号化共有文書を受け取って保存する。
【0046】
共有文書公開部42は、暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置(PC70や携帯端末80など)から受け付け、アクセス要求された暗号化共有文書を共有文書保存部41から読み出して要求元のクライアント装置に送信する。共有文書公開部42は、例えば、インターネット経由で文書ID(URLでもよい)の指定を伴うアクセス要求を受け付け、指定された文書IDに基づき該当する暗号化共有文書をデータベース内で検索し、検索された暗号化共有文書を要求元に提供するWebサーバである。本実施の形態では、暗号化共有文書を会議参加者に限定して提供する観点より、共有文書公開部42は、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受け付け、当該アクセス要求を受けると、会議情報データベース50を参照して、提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、暗号化共有文書をクライアント装置に送信する。
【0047】
以下、上記構成を有する電子会議システム1の動作について、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作と、共有文書の利用に関連する動作とに分けて具体的に説明する。
【0048】
<共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作>
図5は、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連するイベントフローを示す図である。図6は、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する会議支援装置15の動作手順を示すフローチャートである。以下、図5、6に従って、共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する動作について具体的に説明する。なお、以下の説明では、会議室Aにおいてローカル会議が行われる場合を例にとり、会議室A用の機器については、共有画面ディスプレイ11Aといったように、符号に「A」を付す。
【0049】
会議室Aにおいて、会議を開催しようとするユーザ(会議の話者や主催者)は、操作パネル12A近傍のリーダライタ13Aに携帯端末80をかざす。リーダライタ13Aは、携帯端末80がかざされると、当該携帯端末80の非接触ICカード82からユーザIDを読み取って会議支援装置15Aに送る。ここでは、ユーザU1の携帯端末80がかざされ、当該ユーザU1に割り当てられたユーザID「u1」が読み取られたものとする。
【0050】
会議支援装置15Aは、リーダライタ13AからユーザID「u1」を受けると(S1:YES)、当該ユーザIDに基づき所定の認証処理(ログイン処理)を行う(S2)。そして、認証に成功すると、ユーザU1から会議体の指定を受け付ける(S3)。会議支援装置15Aは、具体的には、ユーザID「u1」に予め関連付けられている会議体(すなわちユーザU1が属する会議体)を不図示のデータベースから読み出し、図7に示される会議体の指定を受け付けるための会議体指定画面100を操作パネル12Aに表示させ、この会議体指定画面100上で会議体の指定を受け付ける。図7において、会議体指定画面100には、それぞれユーザU1が属する会議体の名称が表示された会議体選択ボタン101〜104、「会議体を指定しない」ボタン105、および「開始」ボタン106が配置されている。ここでは、ユーザU1は、会議体「Yプロジェクト会議」に係る会議を開催すべく、会議体選択ボタン103を押下し、ついで「開始」ボタン106を押下したものとする。
【0051】
会議支援装置15Aは、操作パネル12Aを介して上記操作を受け付けると、当該操作に基づき開催される会議を一意に識別するための会議IDを生成する(S4)。この会議IDは、ユニバーサルユニークID(UUID: Universal Unique Identifier)等の計算で算出される。ここでは、会議ID「c1」が生成されたものとする。
【0052】
また、会議支援装置15Aは、当該会議に固有の暗号鍵と復号鍵の鍵ペアを生成する(S5)。この鍵ペアは、例えば会議支援装置15Aのネットワーク上のアドレス(IPアドレス等)と現在時刻とに基づいて生成される。ここでは、暗号鍵「EK1」および復号鍵「DK1」が生成されたものとする。
【0053】
会議支援装置15Aは、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、暗号鍵「EK1」、および復号鍵「DK1」を、カレント会議情報として所定の記憶領域に格納し、以降の処理においては当該カレント会議情報を適宜読み出して利用する。
【0054】
ついで、会議支援装置15Aは、図8に示されるように、会議情報データベース50に、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、会議の開始日時、会議の開催場所名「役員会議室A」、および参加者ID「u1」を互いに関連付けて登録する(S6)。なお、上記の「役員会議室A」は、会議室Aの場所名として予め会議支援装置15Aに設定されているものである。
【0055】
その後、会議支援装置15Aは、会議室AにおけるYプロジェクト会議を支援するための会議支援制御を行う(S7)。この会議支援制御については、後に詳しく説明する。
【0056】
会議が終了すると、会議の話者は、文書一覧画面200上の「会議終了」ボタン210または発表画面制御画面300上の「会議終了」ボタン310を押下する。会議支援装置15Aは、当該操作を受け付けると(S8:YES)、その時点の時刻を終了時刻として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録し(S9)、会議室Aにおける会議体「Yプロジェクト会議」の会議の支援を終了させる。
【0057】
以下、上記ステップS7の会議支援制御について、ログイン処理、共有画面の画面制御、共有文書の格納、およびアクセス情報等の送受に分けて説明する。
【0058】
(ログイン処理)
図9は、ログイン処理に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援制御の開始後、例えば会議が実際に開始される前や会議中において、会議に参加しようとするユーザは、会議室Aの入口近傍のリーダライタ14Aに携帯端末80をかざす。リーダライタ14Aは、携帯端末80がかざされると、当該携帯端末80の非接触ICカード82からユーザIDを読み取って会議支援装置15Aに送る。
【0059】
会議支援装置15Aは、リーダライタ14AからユーザIDを受けると(S11:YES)、当該ユーザIDに基づき所定の認証処理を行う(S12)。そして、認証に成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして、会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する(S13)。
【0060】
また、会議支援装置15Aは、リーダライタ14Aを制御して、会議ID「c1」および復号鍵「DK1」を互いに関連付けて携帯端末80の非接触ICカード82に書き込む(S14)。
【0061】
さらに、会議支援装置15Aは、当該会議で共有された共有文書にアクセスするためのアクセス情報を携帯端末上でキャプチャするためのプログラム(すなわち会議用アプリケーション)を携帯端末80に提供する(S15)。このとき、会議支援装置15Aは、適宜の方法で会議用アプリケーションを提供することができる。例えば、会議支援装置15Aは、携帯端末80の非接触ICカード82から端末IDまたはアドレスを読み出して、当該端末IDまたはアドレスに基づき、無線LAN経由または携帯電話網経由で携帯端末80に会議用アプリケーションをアップロードする。また例えば、会議支援装置15Aは、ダウンロード用情報を携帯端末80の非接触ICカード82に書き込み、携帯端末80は、ダウンロード用情報に基づいて無線LAN経由または携帯電話網経由で所定のサーバから会議用アプリケーションをダウンロードする。
【0062】
上記処理により、例えばユーザU2,U3がログインした場合には、図8に示されるように、それぞれのユーザID「u2」,「u3」が参加者IDとして会議情報データベース50に追加される。また、ユーザU2,U3それぞれの携帯端末80には、会議ID、復号鍵、および会議用アプリケーションが送信される。
【0063】
(共有画面の画面制御)
会議支援制御が開始されると、会議支援装置15Aは、図10に示されるような文書一覧画面200を操作パネル12Aに表示させる。すなわち、会議支援装置15Aは、文書データベース40にアクセスして、当該文書データベース40に保存されている会議資料のうち、会議体「Yプロジェクト会議」に関連付けられている会議資料の一覧を表示させる。この画面200上においてユーザが所望の会議資料を指定すると、会議支援装置15Aは、指定された会議資料を文書データベース40から取得し、図11に示されるような発表画面制御画面300を操作パネル12Aに表示させる。ここでは、会議資料として複数ページの画面データを含むプレゼンテーションソフトのファイルが指定され、図11の文書表示領域301には、複数ページの画面データの縮小画像(サムネイル)が一覧表示されている。
【0064】
会議支援装置15Aは、画面300上でユーザから画面制御操作を受け付け、当該画面制御操作に基づいて共有画面ディスプレイ11Aの画面制御を行う。具体的には、画面制御は次のように行われる。ユーザにより所望の画面データのサムネイルが選択されると、当該サムネイルに対応する画面データに基づく画像が共有画面ディスプレイ11Aに表示される。また、「次頁」ボタン302が押下されると共有画面ディスプレイ11Aの画面が次ページに進み、「前頁」ボタン303が押下されると画面が前ページに戻り、「最後」ボタン304が押下されると最終ページが表示され、「先頭」ボタン305が押下されると先頭ページが表示される。
【0065】
画面データに基づく画像が共有画面ディスプレイ11A上に表示されている間、会議支援装置15Aは、共有画面ディスプレイ11A上での電子ペンによる書き込み操作を検出すると、元の画面データの画像に書き込み内容(板書画像)を重畳させた画像を共有画面ディスプレイ11Aに表示させる。すなわち、ユーザが共有画面ディスプレイ11A上で書き込み操作を行うと、その都度、書き込み内容が共有画面ディスプレイ11Aの表示画面に反映される。
【0066】
なお、画面300上で「文書一覧」ボタン306が押下されると、会議支援装置15Aは、操作パネル12Aの画面を文書一覧画面200に戻し、当該画面200上で会議資料の選択操作を受け付ける。これにより、別の会議資料を共有画面ディスプレイ11Aに表示させることが可能となる。また、「白紙」ボタン307が押下されると、白紙画像が共有画面ディスプレイ11Aに表示される。
【0067】
(共有文書の格納)
図12は、共有文書の格納に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援装置15Aは、会議の進行に応じて共有画面上に表示された文書(共有文書)を、当該会議用の暗号鍵「EK1」で暗号化し、暗号化共有文書を生成する(S21)。そして、生成された暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに(S22)、当該暗号化共有文書の名称およびURLを共有文書情報として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する(S23)。以下、当該動作手順のより具体的な例を、以下の第1〜第3の例に示す。
【0068】
第1の例では、会議支援装置15Aは、新たな会議資料が共有画面ディスプレイ11Aに表示されるまで待機し、新たな会議資料が表示されると、当該会議資料の元のファイルを共有文書とし、これを暗号化して登録する。
【0069】
第2の例では、会議支援装置15Aは、画面切り替え操作(例えば「次頁」ボタン302の押下)を受け付けるまで待機し、画面切り替え操作を受け付けると、その時点で共有画面ディスプレイ11Aに表示されている画面を示すデータを共有文書とし、これを暗号化して登録する。ここで、上記画面を示すデータは、元の画面データと板書画像データとを含むデータである。
【0070】
第3の例では、会議支援装置15Aは、リーダライタ13Aに携帯端末80がかざされるまで待機し、携帯端末80がかざされたことを検知すると、その時点で共有画面ディスプレイ11Aに表示されている画面を示すデータを共有文書とし、これを暗号化して登録する。ここで、上記画面を示すデータは、元の画面データと板書画像データとを含むデータである。
【0071】
なお、会議支援装置15Aは、上記第1〜第3の例に示される処理を適宜に組み合わせて実行してもよい。
【0072】
上記処理により、会議情報データベース50には、会議概要情報および共有文書情報が会議ID「c1」と関連付けられて保存される。以下、会議概要情報および共有文書情報を適宜「会議情報」と総称する。
【0073】
(アクセス情報等の送受)
図13は、アクセス情報等の受信に関する携帯端末80の動作手順を示すフローチャートである。会議用アプリケーションは、携帯端末80にダウンロードされると、自動的またはユーザ操作により起動し(S31)、携帯端末80は、会議用アプリケーションにより以下のように動作する。
【0074】
会議用アプリケーションの起動後、携帯端末80は、会議情報の更新の有無を一定時間間隔で会議支援装置15Aに無線LAN経由で問い合わせる(S32)。
【0075】
そして、携帯端末80は、問い合わせ後所定時間内に、問い合わせに対する応答として会議情報が更新された旨のメッセージを会議支援装置15Aから受信すると(S33:YES)、会議支援装置15Aからカレントの会議情報を無線LAN経由で取得し、当該会議情報を会議ID「c1」と関連付けて携帯端末80内の不揮発性メモリ84に保存する(S34)。ついで、携帯端末80は、会議情報に含まれる会議概要情報の項目「終了時刻」を参照して、当該項目に終了時刻が記述されていなければ(S35:NO)、当該会議は終了していないものとしてステップS31に戻り、終了時刻が記述されていれば(S35:YES)、当該会議は終了したものとして会議用アプリケーションが終了する(S36)。
【0076】
一方、ステップS32の問い合わせ後所定時間内に、会議情報が更新された旨のメッセージが受信されなかった場合(S33:NO)、ステップS32に戻る。
【0077】
図14は、アクセス情報等の送信に関する会議支援装置15Aの動作手順を示すフローチャートである。会議支援装置15Aは、携帯端末80から会議情報の更新の有無の問い合わせを受信するまで待機し(S41:NO)、問い合わせを受信すると(S41:YES)、会議情報データベース50を参照して、会議情報が更新されているか否かを判断する(S42)。
【0078】
そして、会議情報が更新されていないと判断された場合には(S42:NO)、ステップS41に戻る。一方、更新されていると判断された場合には(S42:YES)、会議支援装置15Aは、会議情報が更新された旨のメッセージを携帯端末80に返信し(S43)、ステップS41に戻る。
【0079】
上記処理により、携帯端末80の不揮発性メモリ84には会議概要情報(会議の名称、開催日時、開催場所、会議参加者)および共有文書情報(暗号化共有文書の名称およびURL)が会議ID「c1」と関連付けて保存され、会議中、これらの情報は一定時間毎に更新され、会議終了直後には、最終的な情報に更新される。
【0080】
なお、会議情報の送受の態様は上記に限定されず、適宜に変更可能である。例えば、携帯端末80は、会議中の会議情報の取得・更新を行わず、会議終了検出時に最終的な会議情報を取得してもよい。また、携帯端末80は、自動的ではなく、ユーザの指示に応じて上記問い合わせを送信してもよい。また、会議支援装置15Aが、更新時や会議終了時などの適宜のタイミングで、会議情報を携帯端末80にプッシュ送信してもよい。また、会議参加者が会議室Aを退室する際にリーダライタ14Aに携帯端末80をかざした場合など、会議参加者の携帯端末80がリーダライタ14Aにかざされた場合に、会議支援装置15Aがリーダライタ14Aを介して携帯端末80の非接触ICカード82に会議情報を書き込んでもよい。
【0081】
(携帯端末上での表示および操作について)
携帯端末80は、自動的またはユーザ操作により、図15に示されるように、会議支援装置15Aから取得した会議情報を表示部85の画面上に表示させる。これにより、会議参加者は、暗号化共有文書の名称の一覧等を画面上で確認することができる。
【0082】
会議参加者は、携帯端末80上の操作により、削除したい暗号化共有文書を指定して、削除指示を入力する。携帯端末80は、当該削除指示を受け付けると、指定された暗号化共有文書の名称およびURLを不揮発性メモリ84から削除する。
【0083】
以上、ローカル会議が行われる場合の電子会議システム1の動作について説明したが、以下、会議室A,B間で多地点間会議が行われる場合における電子会議システム1の動作の一例を示す。なお、以下の説明では、ローカル会議と同様の動作については詳しい説明を省略する。また、会議室A,B用の機器については、それぞれ符号に「A」,「B」を付す。
【0084】
上記ローカル会議の場合と同様に、会議室AにおいてユーザU1により「Yプロジェクト会議」の開始が指示されると、会議支援装置15Aは、会議ID「c1」、暗号鍵「EK1」、復号鍵「DK1」を生成する。そして、会議情報データベース50に、会議ID「c1」、会議体名「Yプロジェクト会議」、会議の開始日時、会議の開催場所名「役員会議室A」、および参加者ID「u1」を互いに関連付けて登録し、会議支援制御を開始する。
【0085】
その後、会議室BにおいてユーザU2が操作パネル12Bに対して、会議室A,B間で多地点間会議を開始するための所定の指示を入力すると、会議支援装置15Bは、会議支援装置15Aから会議ID「c1」および復号鍵「DK1」を取得し、会議支援装置15Aとともに多地点間会議用の会議支援制御を開始する。
【0086】
以下、多地点間会議用の会議支援制御について、ログイン処理、共有画面の画面制御、共有文書の格納、およびアクセス情報等の送受に分けて説明する。
【0087】
(ログイン処理)
会議室Aにおいて、携帯端末80がリーダライタ14Aにかざされると、会議支援装置15Aは、当該携帯端末80からユーザIDを読み取り、当該ユーザIDに基づく認証を行う。そして、認証が成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして会議情報データベース50に登録するとともに、携帯端末80に会議ID「c1」、復号鍵「DK1」、および会議用アプリケーションを送信する。
【0088】
会議室Bにおいても同様に、携帯端末80がリーダライタ14Bにかざされると、会議支援装置15Bは、当該携帯端末80からユーザIDを読み取り、当該ユーザIDに基づく認証を行う。そして、認証が成功すると、当該ユーザIDを参加者IDとして会議情報データベース50に登録するとともに、携帯端末80に会議ID「c1」、復号鍵「DK1」、および会議用アプリケーションを送信する。
【0089】
(共有画面の画面制御)
会議支援装置15A,15Bは、それぞれ操作パネル12A,12Bを介して画面制御操作を受け付け、当該画面制御操作に基づいて共有画面ディスプレイ11A,11Bの画面制御を行う。このとき、会議支援装置15A,15Bは、共有画面ディスプレイ11Aおよび11Bの表示内容が互いに同一となるように制御する。
【0090】
(共有文書の格納)
会議支援装置15A,15Bのうち所定の一方(例えば先に会議を開始した会議支援装置15A)は、新たな会議資料が共有画面ディスプレイ11Aおよび11Bに表示されると、当該会議資料の元のファイルを共有文書とし、これを暗号鍵「EK1」で暗号化する。そして、暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに、当該暗号化共有文書の名称およびURLを共有文書情報として会議ID「c1」と関連付けて会議情報データベース50に登録する。
【0091】
(アクセス情報等の送受)
会議室Aにおいて、携帯端末80は、上記ローカル会議の場合と同様に、会議支援装置15Aから会議情報を取得する。
【0092】
会議室Bにおいても同様に、携帯端末80は、会議支援装置15Bから会議情報を取得する。
【0093】
なお、上記の説明では省略したが、好適な態様では、各会議室には、ビデオカメラ、ビデオ映像表示装置、マイク、およびスピーカが設置され、会議支援装置15A,15Bは、これらの機器を制御してテレビ会議環境を提供する。
【0094】
<共有文書の利用に関連する動作>
図16は、共有文書の利用に関連するイベントフローを示す図である。図17は、携帯端末80からの会議情報の取り込みに関するPC70の動作手順を示すフローチャートである。図18は、共有文書の取得に関するPC70の動作手順を示すフローチャートである。図19は、共有文書の提供に関する文書データベース40の動作手順を示すフローチャートである。以下、図16〜図19を参照して、共有文書の利用に関連する動作について説明する。
【0095】
上記会議の終了後、会議参加者(ここではユーザU2とする)は、携帯端末80内の情報を自席のPC70に取り込ませるために、自席のPC70に接続されたリーダライタ71に携帯端末80をかざす。
【0096】
図17において、PC70は、携帯端末80がリーダライタ71にかざされるまで待機している(S51:NO)。そして、PC70は、携帯端末80がかざされると(S51:YES)、リーダライタ71を介して携帯端末80から、会議ID「c1」、会議ID「c1」に関連付けられた復号鍵「DK1」、会議ID「c1」に関連付けられた会議情報、およびユーザID「u2」を読み出して保存する(S52)。
【0097】
PC70に会議情報が取り込まれた後、ユーザU2は、PC70の画面上で会議情報を閲覧し、暗号化共有文書の一覧の中から取得したい暗号化共有文書を指定して、暗号化共有文書の取得指示を入力する。
【0098】
図18において、PC70は、上記取得指示を受け付けるまで待機しており(S61:NO)、取得指示を受け付けると(S61:YES)、会議ID「c1」、ユーザID「u2」、および指定された暗号化共有文書のURLを含む文書アクセス要求を、文書データベース40に送信する(S62)。その後、PC70は、所定時間内に文書データベース40から暗号化共有文書を受信すると(S63:YES)、受信した暗号化共有文書を復号鍵「DK1」によって復号化し、共有文書を得る(S64)。一方、所定時間内に暗号化共有文書を受信しなかった場合(S64:NO)、ステップS61に戻る。
【0099】
図19において、文書データベース40は、文書アクセス要求を受信するまで待機しており(S71:NO)、文書アクセス要求を受信すると(S71:YES)、会議情報データベース50を参照して、当該要求に含まれるユーザIDが、当該要求に含まれる会議IDに関連付けられたものか否かを判断する(S72)。
【0100】
そして、関連付けられたものでないと判断された場合には(S72:NO)、ステップS71に戻る。一方、関連付けられたものであると判断された場合には(S72:YES)、会議情報データベース50を参照して、当該要求に含まれるURLが、当該要求に含まれる会議IDに関連付けられたものか否かを判断する(S73)。
【0101】
そして、関連付けられたものでないと判断された場合には(S73:NO)、ステップS71に戻る。一方、関連付けられたものであると判断された場合には(S73:YES)、当該要求に含まれるURLから暗号化共有文書(ユーザにより指定された文書)を取得して、要求元の装置に送信する(S74)。
【0102】
すなわち、文書データベース40は、暗号化共有文書の要求元のユーザが、当該暗号化共有文書に係る会議の参加者であるか否かを判断し、参加者である場合には要求された暗号化共有文書を要求元に提供し、そうでなければ提供しない。
【0103】
なお、上記説明では、携帯端末80内の情報をリーダライタ71を介してPC70に取り込む構成を示したが、無線LAN経由、USB(Universal Serial Bus)経由など、適宜の通信手段を利用して取り込むことが可能である。
【0104】
また、上記説明では、PC70から文書データベース40にアクセスすることとしたが、携帯端末80から無線LAN経由等で文書データベース40にアクセスすることも可能である。
【0105】
以上説明した本実施の形態によれば、下記(1)〜(6)の効果が得られる。
【0106】
(1)本実施の形態では、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成し、生成された復号鍵を会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する。また、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書を当該会議用の暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する。そして、上記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を会議参加者の携帯端末に無線送信する。このため、本実施の形態によれば、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者にセキュアに提供することができる。具体的に言えば、実際に会議に参加した参加者に限定して、会議で共有された資料を、当該会議イベントを単位にセキュリティ上安全な形で共有することができる。これにより、紙文書による資料配布の量や頻度を削減できると共に、会議参加者は、会議中に使用または生成された情報(例えば、電子ホワイトボード上での手書きイメージや、写真、ビデオデータ等を、電子的に取得することができる。また、特に、不特定多数の者が参加する会議(講演会、学術会議、公開セミナー、授業など)の場合において、来場者に限定して、インターネットを介してセキュリティ上安全な形で提供することができる。これにより、不特定多数の者が参加する会議など、組織的な枠組みを超えた共同作業の環境でのセキュアな文書共有が可能となる。
【0107】
また、会議参加者の携帯端末に無線通信によりアクセス情報を送信するので、会議の共有画面上に表示された文書を電子文書として会議参加者に簡易に提供することができる。
【0108】
また、会議に固有の暗号鍵および復号鍵を生成し、当該会議では一貫して当該会議に固有の暗号鍵および復号鍵を使用するので、鍵の作成、管理、および送信が簡易である。このため、文書毎にパスワードの作成および送信が必要な構成や、会議参加者毎にアカウント/パスワードの作成および送信が必要な構成と比較して、共有文書を会議参加者にセキュアに提供するシステムを、より簡易な構成で実現することができる。
【0109】
また、会議支援装置が、会議用の暗号鍵の生成、会議の進行に応じて共有画面上に表示された共有文書の暗号化、および暗号化共有文書のデータベースへの格納を行うので、発表資料(元の文書)だけでなく、会議中に生成された情報(電子ホワイトボード上での手書きイメージなど)を会議参加者に電子文書として提供することができる。また、会議の発表者は発表資料に対して事前に暗号化を施す必要がなく、利便性が高い。
【0110】
また、共有文書を暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書をデータベースに格納するので、データベースから個人のPCに文書をダウンロードする際、通信系路上での盗聴や改竄といった恐れを低減することができる。このため、インターネット経由での共有文書のダウンロードをより安全に行うことができる。
【0111】
(2)本実施の形態では、リーダライタを介して携帯端末に設けられた非接触ICカードに会議に固有の復号鍵を書き込む。このため、セキュリティ上安全な形で復号鍵を携帯端末に渡すことができる。
【0112】
(3)本実施の形態では、携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に復号鍵を送信する。このため、会議に参加することが許可された者に限定して復号鍵を渡すことができる。
【0113】
(4)本実施の形態では、携帯端末から読み出されたID情報を暗号化共有文書と関連付けてデータベースに登録する。そして、ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、上記データベースを参照して、提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、上記データベースから暗号化共有文書を読み出してクライアント装置に送信する。このため、データベース上の暗号化共有文書へのアクセスを会議参加者に限定することができる。
【0114】
(5)本実施の形態では、会議の名称、開催日時、開催場所など、会議の概要を示す会議概要情報を携帯端末に無線送信する。このため、会議参加者は、アクセス情報や復号鍵がどの会議のものかを容易に認識することができる。
【0115】
(6)本実施の形態では、携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供する。この会議用アプリケーションは、携帯端末に、会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させる。会議支援装置は、上記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、アクセス情報を携帯端末に送信する。このため、携帯電話などの汎用の携帯端末を、会議支援用の携帯端末として利用することが可能となる。
【0116】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る電子会議システムは、上記電子会議システム1と殆ど同じであるが、会議用アプリケーションにより実現される機能が異なる。以下、本実施の形態に係る電子会議システムについて説明するが、上記電子会議システム1と共通または類似する部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化する。
【0117】
以下、本実施の形態における、携帯端末80および会議支援装置15の動作について説明するが、携帯端末80の動作は会議用アプリケーションによって実現されるものである。
【0118】
携帯端末80は、会議用アプリケーションの画面上に、「共有文書全部をキャプチャ」ボタン、「表示中の文書ファイルをキャプチャ」ボタン、および「表示中の画面をキャプチャ」ボタンを表示させる。
【0119】
(「共有文書全部をキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「共有文書全部をキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、携帯端末80は、共有文書全部についての文書取得要求を会議支援装置15に無線送信する。
【0120】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を要求元の携帯端末80に送信する。一つの態様では、会議支援装置15は、現時点までに生成された暗号化共有文書全部に係る共有文書情報を携帯端末80に送信する。また別の態様では、会議支援装置15は、現時点までに共有画面上に表示された全ての会議資料(元の文書ファイル)を暗号化して暗号化共有文書を生成する。そして、生成された全ての暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに共有文書情報を会議情報データベース50に登録し、生成された全ての暗号化共有文書の共有文書情報を携帯端末80に送信する。
【0121】
(「表示中の文書ファイルをキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「表示中の文書ファイルをキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、携帯端末80は、当該元文書についての文書取得要求を会議支援装置15に送信する。
【0122】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有画面に表示中の画面の元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。ここで、元文書は、分かり易く言えば共有画面に表示中の会議資料の元の文書ファイルである。会議支援装置15は、元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報として、既に生成されているものを用いてもよいし、受信後に暗号化共有文書およびそのアクセス情報を新たに生成してもよい。
【0123】
(「表示中の画面をキャプチャ」が選択された場合)
上記画面上で会議参加者により「表示中の画面をキャプチャ」ボタンが選択された場合、すなわち共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を会議支援装置15に送信する。
【0124】
会議支援装置15は、携帯端末80から共有画面に表示中の画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末80に送信する。具体的には、会議支援装置15は、上記文書取得要求を受信すると、その時点で共有画面上に表示されている画面の画像データを共有文書とし、これを暗号化して暗号化共有文書を生成する。そして、生成された暗号化共有文書を文書データベース40に格納するとともに共有文書情報を会議情報データベース50に登録し、生成された暗号化共有文書の共有文書情報を携帯端末80に送信する。
【0125】
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)〜(6)の効果に加えて下記(7)〜(10)の効果が得られる。
【0126】
(7)会議用アプリケーションは、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有文書全部を取得することができる。
【0127】
(8)会議用アプリケーションは、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、上記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有画面に現在表示されている発表資料の元の文書ファイルを取得することができる。
【0128】
(9)会議用アプリケーションは、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を会議支援装置に送信する。会議支援装置は、上記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を携帯端末に送信する。このため、会議参加者は、携帯端末上の操作により、共有画面に現在表示されている画面の画像データを取得することができる。
【0129】
(10)会議用アプリケーションは、共有文書全部についての取得指示、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示、および共有画面に表示中の画面についての取得指示を受け付ける。このため、会議参加者は、携帯端末上で、会議中に使用された資料や生成された資料を、必要に応じた粒度(会議単位、資料単位、画面単位)で指定して取得することができる。
【0130】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る電子会議システムは、上記第1または第2の実施の形態に係る電子会議システムと殆ど同じであるが、共有文書の利用について課金を行うことを特徴とするものである。以下、本実施の形態に係る電子会議システムについて説明するが、上記第1または第2の電子会議システムと共通または類似する部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化する。
【0131】
本実施の形態に係る電子会議システムは、アクセス情報または暗号化共有文書の取得に対して課金処理を行う課金機能を有する。この課金機能は、例えば、会議支援装置15、携帯端末80上の会議用アプリケーション、あるいは文書データベース40によって実現される。
【0132】
会議支援装置15により課金機能が実現される場合、会議支援装置15は、不図示の課金システムと協働して、携帯端末80へのアクセス情報の送信に対して、あるいは、文書データベース40からの暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。
【0133】
会議用アプリケーションによって課金機能が実現される場合、携帯端末80は、不図示の課金システムと協働して、アクセス情報の取得に対して、あるいは、文書データベース40から当該携帯端末80への暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。例えば、携帯端末80は、会議用アプリケーションの画面上で文書取得指示(第2の実施の形態におけるボタン選択など)が入力される毎に、携帯端末80内の課金情報(電子マネーのポイント数)から利用料金分のポイントを差し引く。
【0134】
文書データベース40によって課金機能が実現される場合、文書データベース40は、不図示の課金システムと協働して、当該文書データベース40からの暗号化共有文書のダウンロードに対して課金を行う。
【0135】
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)〜(10)の効果に加えて下記(11)の効果が得られる。
【0136】
(11)本実施の形態では、アクセス情報または暗号化共有文書の取得に対して課金することができる。
【0137】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。例えば、ユーザ操作を受け付けるユーザインタフェースの具体的構成は、適宜に変更可能である。例えば、操作パネル12を省略し、操作パネル12の機能を共有画面ディスプレイ11に持たせてもよい。
【0138】
また、上記実施の形態では、会議支援装置15を各会議室に設置したが、会議支援装置15の機能を実現する具体的構成は、適宜に変更可能である。例えば、会議支援装置15の機能をインターネット93上のサーバで実現してもよい。
【0139】
また、上記実施の形態では、ログイン処理時に会議用アプリケーションを携帯端末80に提供することとしたが、会議用アプリケーションは予め携帯端末に格納されていてもよい。また、会議用アプリケーションにより実現される各種機能の一部または全部は、専用のハードウェア回路等で実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】第1の実施の形態に係る会議支援装置を含む電子会議システムの全体構成図である。
【図2】会議支援装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図3】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】文書データベースの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連するイベントフローを示す図である。
【図6】共有文書の保存および携帯端末への情報送信に関連する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】会議体指定画面を示す図である。
【図8】会議情報データベースの記憶内容を示す図である。
【図9】ログイン処理に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】文書一覧画面を示す図である。
【図11】発表画面制御画面を示す図である。
【図12】共有文書の格納に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】アクセス情報等の受信に関する携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】アクセス情報等の送信に関する会議支援装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】携帯端末の外観の一例を示す図である。
【図16】共有文書の利用に関連するイベントフローを示す図である。
【図17】携帯端末からの会議情報の取り込みに関するPCの動作手順を示すフローチャートである。
【図18】共有文書の取得に関するPCの動作手順を示すフローチャートである。
【図19】共有文書の提供に関する文書データベースの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
1 電子会議システム、10 会議システム、11 共有画面ディスプレイ、12 操作パネル、13,14 ICカードリーダ/ライタ、15 会議支援装置、15a 鍵生成部、15b 復号鍵送信部、15c 文書格納部、15d アプリケーション提供部、15e アクセス情報送信部、15f 参加者ID登録部、15g 会議概要情報送信部、20 無線LAN基地局、30 ルータ、40 文書データベース、50 会議情報データベース、60 ルータ、70 PC、80 携帯端末、81 携帯電話部、82 非接触ICカード、83 無線LAN部、84 不揮発性メモリ、85 表示部、86 操作部、87 制御部、91,92 LAN、93 インターネット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する鍵生成手段と、
前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する復号鍵送信手段と、
前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する文書格納手段と、
前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するアクセス情報送信手段と、
を有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載された会議支援装置であって、
前記復号鍵送信手段は、ICカードリーダ/ライタを介して、前記携帯端末に設けられた非接触ICカードに前記復号鍵を書き込むことを特徴とする会議支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された会議支援装置であって、
前記復号鍵送信手段は、前記携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に前記復号鍵を送信することを特徴とする会議支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載された会議支援装置であって、
前記読み出されたID情報を前記暗号化共有文書と関連付けて前記データベースに登録する参加者ID登録手段と、
ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、前記データベースを参照して、前記提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、前記データベースから前記暗号化共有文書を読み出して前記クライアント装置に送信する共有文書公開手段と、
をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記会議の概要を示す会議概要情報を前記携帯端末に無線送信する会議概要情報送信手段をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供するアプリケーション提供手段をさらに有し、
前記会議用アプリケーションは、前記携帯端末に、当該会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させ、
前記アクセス情報送信手段は、前記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記アクセス情報または前記暗号化共有文書の取得に対して、課金処理を行う課金手段をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項11】
コンピュータに、
電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、
前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、
前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、
前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、
を実行させることを特徴とする会議支援プログラム。
【請求項12】
会議支援装置が、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、
前記会議支援装置が、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、
前記会議支援装置が、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、
前記会議支援装置が、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、
を含むことを特徴とする会議支援方法。
【請求項1】
電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成する鍵生成手段と、
前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信する復号鍵送信手段と、
前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納する文書格納手段と、
前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するアクセス情報送信手段と、
を有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載された会議支援装置であって、
前記復号鍵送信手段は、ICカードリーダ/ライタを介して、前記携帯端末に設けられた非接触ICカードに前記復号鍵を書き込むことを特徴とする会議支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された会議支援装置であって、
前記復号鍵送信手段は、前記携帯端末からID情報を読み出し、当該ID情報に基づいて認証を行い、認証が成功した場合に当該携帯端末に前記復号鍵を送信することを特徴とする会議支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載された会議支援装置であって、
前記読み出されたID情報を前記暗号化共有文書と関連付けて前記データベースに登録する参加者ID登録手段と、
ID情報の提示を伴う暗号化共有文書に対するアクセス要求をクライアント装置から受けると、前記データベースを参照して、前記提示されたID情報がアクセス要求対象の暗号化共有文書に関連付けられたものか否かを判断し、関連付けられたものであると判断された場合に、前記データベースから前記暗号化共有文書を読み出して前記クライアント装置に送信する共有文書公開手段と、
をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記会議の概要を示す会議概要情報を前記携帯端末に無線送信する会議概要情報送信手段をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記携帯端末に会議用アプリケーションを無線通信により提供するアプリケーション提供手段をさらに有し、
前記会議用アプリケーションは、前記携帯端末に、当該会議支援装置に対して文書取得要求を無線送信する要求送信機能を実現させ、
前記アクセス情報送信手段は、前記要求送信機能からの文書取得要求に応じて、暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有文書全部についての取得指示を会議参加者から受けると、共有文書全部についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記共有文書全部についての文書取得要求を受信すると、共有文書全部に係るアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面の元文書についての取得指示を会議参加者から受けると、当該元文書についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記元文書についての文書取得要求を受信すると、当該元文書を暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記要求送信機能は、共有画面に表示中の画面についての取得指示を会議参加者から受けると、当該画面についての文書取得要求を送信し、
前記アクセス情報送信手段は、前記画面についての文書取得要求を受信すると、当該画面の画像データを暗号化して得られる暗号化共有文書のアクセス情報を前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする会議支援装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載された会議支援装置であって、
前記アクセス情報または前記暗号化共有文書の取得に対して、課金処理を行う課金手段をさらに有することを特徴とする会議支援装置。
【請求項11】
コンピュータに、
電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、
前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、
前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、
前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、
を実行させることを特徴とする会議支援プログラム。
【請求項12】
会議支援装置が、電子会議システムを用いた会議が開催されると、当該会議用の暗号鍵および復号鍵を生成するステップと、
前記会議支援装置が、前記生成された復号鍵を、会議参加者に携帯される携帯端末に無線送信するステップと、
前記会議支援装置が、前記会議の進行に応じて会議参加者に共有される共有画面上に表示された共有文書を前記暗号鍵で暗号化して暗号化共有文書を作成し、当該暗号化共有文書を所定のデータベースに格納するステップと、
前記会議支援装置が、前記データベースに格納された暗号化共有文書にアクセスするためのアクセス情報を、前記携帯端末に無線送信するステップと、
を含むことを特徴とする会議支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−213467(P2007−213467A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34909(P2006−34909)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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