説明

保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装置

【課題】ウエハ表面から保護テープを精度よく剥離する保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装置を提供する。
【解決手段】バックグラインド域を囲焼する環状凸部を裏面に残存形成されたウエハWの当該環状凸部を第1保持テーブル6aで吸着保持するとともに、環状凸部の内壁に近接する外周壁を有する第2保持テーブル6bを環状凸部内側の扁平凹部に挿入し、その扁平面を吸着保持した状態で、ウエハWの表面の保護テープに剥離用の粘着テープTを貼付け、当該粘着テープTを剥離することにより,ウエハWの表面から保護テープを一体にして剥離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ(以下、適宜「ウエハ」という)のパターン形成面に貼付けられた保護テープに剥離用の粘着テープを貼付け、当該剥離テープを剥離することにより保護テープを一体にしてウエハから剥離する保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パターン形成処理の済んだウエハの表面には保護テープが貼付けられた後、裏面全体を均一にバックグラインド処理が施される。保護テープ付きのウエハは、チップに細断分離するダイシング工程に搬送される前に、表面から保護テープが剥離される。
【0003】
ウエハ表面から保護テープを剥離する方法としては、例えば、保護テープが貼付けられた表面を上向きにしてウエハをテーブルに吸着保持し、保護テープ上に剥離用の粘着テープを貼付けローラで貼付ける。その後、エッジ部材で粘着テープを反転剥離してゆくことにより、粘着テープに接着された保護テープをウエハ表面から一体にして剥離している(特許文献1を参照)。
【0004】
また、近年、アプリケーションの急速な進歩に伴ってウエハの薄型化が求められている。その厚さは、100μm〜50μm、時には、25μm程度にまで薄くすることが要望されている。このように薄いウエハは、保護テープを表面に貼付けただけでは脆くかつ歪みが生じやすいので、取り扱いが極めて困難になっている。そこで、例えば、ウエハの裏面外周には、バックグラインド域を囲繞するように環状凸部を残存形成し、ウエハを補強している。
【0005】
バックグラインド処理後にウエハ表面から保護テープを剥離するとき、裏面の環状凸部のみを保持テーブルに接触させて吸着保持するとともに、保持テーブルとウエハ裏面との間に流体を供給して内圧を高めている。この状態で剥離部材を剥離テープに押圧して走行させながら保護テープに貼付けるとともに、剥離テープを反転剥離することにより粘着テープに接着された保護テープをウエハ表面から一体にして剥離している(特許文献2を参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002ー124494号公報
【特許文献2】特開2008−34709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来装置の場合、剥離テープを保護テープに貼付けるときに剥離テープの貼付け開始端側の保持テーブルの吸着ラインに目詰まりが生じたり、あるいはポンプの故障で吸着能力が低下または停止したりすることがある。吸着能力の低下した状態で剥離テープを剥離するとウエハへの吸引力よりも剥離テープの引張力が強くなり、保持テーブルからウエハを反り返しながら浮き上がらせる。その結果、剥離不良やウエハを破損させるといった問題がある。この問題は、特許文献1および2に記載の装置において発生している。
【0008】
また、特許文献2の装置の場合、ウエハ裏面の環状凸部とその内側の薄型化された扁平面との付け根部分に剥離テープの引張力が集中し、当該部分から亀裂が入るといった新たな問題が生じている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ウエハ裏面の形状に関わりなく保護テープをウエハ表面から精度よく剥離することのできる保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0011】
すなわち、半導体ウエハに貼付けられた保護テープを剥離する保護テープ剥離方法であって、
前記半導体ウエハ裏面の外周領域のうち少なくとも保護テープの剥離開始端側を吸着保持する第1保持テーブルと当該外周領域の内径側で半導体ウエハの中央領域を保持する第2保持テーブルとを相対的に昇降させて高さ調整し、半導体ウエハの裏面を吸着保持する保持過程と、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルに吸着保持された半導体ウエハ上の保護テープ表面に貼付けた剥離テープを剥離部材で反転剥離しながら半導体ウエハから保護テープを一体にして剥離する剥離過程と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(作用・効果) この方法によれば、第1保持テーブルと第2保持テーブルを相対的に昇降させることにより、ウエハ裏面の外周領域とその内側の中央領域との凹凸段差の有無に関わりなく、ウエハ裏面を吸着保持することができる。
【0013】
例えば、この方法の保持過程において、裏面全体を均一にバックグラインド処理された前記半導体ウエハを吸着保持するとき、第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを同じに調整し、
裏面外周にバックグランド域を囲繞する環状凸部を残存形成した前記半導体ウエハを吸着保持するとき、第1保持テーブルと第2保持テーブルを相対的に昇降させて第1保持テーブルで当該環状凸部を吸着保持し、
前記環状凸部の内壁に近接する外形を有する第2保持テーブルで当該環状凸部の内径に形成された扁平凹部を吸着保持することが好ましい。
【0014】
この方法によれば、裏面全体が平坦なウエハおよび裏面外周に環状凸部を有するウエハを確実に吸着保持することができる。特に、少なくとも保護テープの剥離開始端を吸着保持しているので、テープ剥離時の引張力によってウエハが保持テーブルから浮き上がることがない。
【0015】
なお、この方法において、半導体ウエハ裏面の外周部分の凹凸の有無を検出器で検出し、検出結果に基づいて第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを調整することが好ましい。
【0016】
この方法によれば、裏面形状の異なるウエハを混在させて保護テープ剥離位置に供給しても、第1保持テーブルと第2保持テーブルの高さをウエハ裏面形状に応じて自動調整しながら、ウエハ表面からの保護テープの剥離処理を連続的に行うことができる。換言すれば、オペレータによる第1保持テーブルと第2保持テーブルの高さ設定ミスを回避することができる。
【0017】
上記方法において、第1保持テーブルと第2保持テーブルの吸引作動を独立に制御することが好ましい。
【0018】
例えば、第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面に形成された複数個の吸着孔を剥離テープの貼付け方向に沿ったラインごとに纏め、当該ラインごとに吸着孔の吸引作動を独立に制御する。
【0019】
この方法によれば、保護テープの剥離開始端を吸着保持する第1保持テーブルの吸着ラインの全てが機能不能に陥らない限り、いずれかの吸着孔がウエハ裏面を吸着保持している。したがって、この方法は、従来装置においてウエハ裏面の吸着不良に伴って保護テープ剥離時に発生していた保護テープの剥離不良を抑制することができる。
【0020】
また、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0021】
すなわち、半導体ウエハに貼付けられた保護テープを剥離する保護テープ剥離装置であって、
裏面外周にバックグランド域を囲繞する環状凸部を残存形成した前記半導体ウエハを載置したとき、少なくとも保護テープの剥離開始端側の環状凸部を吸着保持し、
裏面全体を均一にバックグラインド処理された前記半導体ウエハを載置したとき、少なくとも保護テープの剥離開始端側の半導体ウエハ裏面の外周領域を吸着保持する第1保持テーブルと、
前記環状凸部を有する半導体ウエハを載置したとき、環状凸部の内壁に近接する外形を有し、当該環状凸部の内径に形成された扁平凹部を吸着保持し、
裏面全体が平坦な前記半導体ウエハを載置したとき、半導体ウエハの中央領域を吸着保持する第2保持テーブルと、
前記第1保持テーブルおよび第2保持テーブルによって吸着保持された半導体ウエハ上の保護テープ表面に剥離テープを供給するテープ供給機構と、
前記半導体ウエハ上の保護テープに貼付けた剥離テープを剥離部材で反転剥離しながら半導体ウエハから保護テープを一体にして剥離するテープ剥離機構と、
剥離された前記保護テープと剥離テープを回収するテープ回収部と、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルを昇降させる駆動機構と、
前記第1保持テーブルと2保持テーブルの吸引作動および相対的な昇降を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
(作用・効果) この構成によれば、第1保持テーブルと第2保持テーブルを相対的に昇降させることにより、ウエハの裏面形状の相違に関わりなくウエハを確実に吸着保持することができる。
【0023】
すなわち、保護テープの剥離開始端からウエハ上を移動する剥離部材の剥離ラインを、両保持テーブルがその裏面側から確実に吸着保持することができる。例えば、テープ剥離時に、ウエハ中央領域を吸着保持する第2保持テーブルの吸引ラインの機能停止または吸引低下が発生しても、保護テープの剥離開始端を第1保持テーブルが吸着保持しているので、テープ剥離時の引張力がウエハに作用してもウエハを第1保持テーブルおよび第2保持テーブルから浮き上がらせることがない。
【0024】
また、保護テープ剥離対象のウエハが裏面に環状凸部を有する場合であっても、環状凸部とその内側の扁平凹部との付け根部分が第2保持テーブルによって吸着保持されることにより補強されている。したがって、テープ剥離時の引張力によるウエハの反り応力が、当該補強によりキャンセルされる。したがって、当該環状凸部の付け根部分で発生しがちな亀裂を抑制することができる。
【0025】
また、上記構成において、半導体ウエハ裏面の外周領域の凹凸の有無を検出する検出器を備え、
前記制御部は、検出器の検出結果に基づいて、裏面が平坦な前記半導体ウエハと裏面外周に環状凸部の形成された半導体ウエハとを判別し、
当該判別結果に応じて、前記第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを調整するよう構成しすることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、第1保持テーブルと第2保持テーブルの高さ設定時におけるオペレータの入力ミスを回避することができるとともに、裏面形状の異なるウエハを混在して連続的に処理することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装置によれば、ウエハの裏面形状に関わりなく、ウエハ裏面を確実に吸着保持した状態でウエハ表面から保護テープを精度よく剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体正面図である。
【図3】第1実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体平面図である。
【図4】テープ貼付けユニットおよびテープ剥離ユニットの正面図である。
【図5】テープ剥離用のエッジ部材の支持構造を示す正面図である。
【図6】テープ剥離作動状態を示す要部の斜視図である。
【図7】半導体ウエハを表面側から見た一部切欠き斜視図である。
【図8】半導体ウエハを裏面側から見た斜視図である。
【図9】半導体ウエハの一部を拡大した縦断面図である。
【図10】保持テーブルの縦断面図である。
【図11】保持テーブルを表面側から見た斜視図である。
【図12】第1実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図13】第1実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図14】第1実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図15】第1実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図16】第1実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図17】第2実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体を示す斜視図である。
【図18】第2実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体正面図である。
【図19】第2実施形態に係る保護テープ剥離装置の全体平面図である。
【図20】第2実施形態に係るテープ貼付け/テープ剥離ユニットの正面図である。
【図21】第2実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図22】第2実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図23】第2実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図24】第2実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図25】第2実施形態に係るテープ剥離工程を説明する正面図である。
【図26】変形例に係るアライメントステージの正面図である。
【図27】変形例に係る保持テーブルの概略正面図である。
【図28】変形例に係る保持テーブルの要部を示す部分断面図である。
【図29】変形例に係る保持テーブルを表面側から見た斜視図である。
【図30】変形例に係る保持テーブルを表面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0030】
図1は、本発明方法を実行する装置の一例である半導体ウエハの保護テープ剥離装置を示す全体斜視図、図2はその正面図、また、図3はその平面図である。
【0031】
この保護テープ剥離装置は、バックグラインド処理を受けた半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」という)を多段に積層収納したカセットC1が装填されるウエハ供給部1、ロボットアーム2が装備されたウエハ搬送機構3、ウエハWを位置合わせするアライメントステージ4、剥離用の粘着テープTを剥離処理部位へ供給するテープ供給部5、ウエハWを吸着保持する保持テーブル6、保持テーブル6上のウエハWに粘着テープTを貼付けてゆくテープ貼付けユニット7、貼付けた粘着テープTを剥離するテープ剥離ユニット8、剥離された処理済みの粘着テープTsを巻き取り回収するテープ回収部9、処理済みのウエハWを多段に積層収納するためのカセットC2が装填されるウエハ回収部10、テープ貼付けユニット7およびテープ剥離ユニット8を独立して左右に往復移動させるユニット駆動部11などが基台12の上部に備えられている。
【0032】
ここで、ウエハ供給部1、ウエハ搬送機構3、アライメントステージ4、保持テーブル6、および、ウエハ回収部10が基台12の上面に配備されている。テープ供給部5およびテープ回収部10は、基台12の上面に立設した縦壁13の前面に装備される。また、テープ貼付けユニット7およびテープ剥離ユニット8は、縦壁13の下方開口部に臨設され、かつ、ユニット駆動部11は縦壁13の背部に配備されている。
【0033】
ウエハ供給部1は、紫外線硬化型の保護テープPTが貼付けられた表面を上向きにした水平姿勢のウエハWを、上下に適当な間隔をもった状態でカセットC1に差込み収納して、カセット台14の上に装填するようになっている。このカセット台14は、図3に示すように、エアーシリンダ15によって旋回されて向き変更可能となっている。
【0034】
ウエハ回収部2も、保護テープ剥離処理の済んだウエハWを、上下に適当な間隔をもった状態でカセットC2に差込み収納して、カセット台16の上に装填するようになっている。このカセット台16もエアーシリンダ17によって旋回されて向き変更可能となっている。なお、カセットC1に収納される前にウエハWは紫外線照射処理され、保護テープPTの粘着面における接着力が低下されている。
【0035】
処理対象となるウエハWは、裏面全体が均一にバックグランド処理されて平坦なウエハWおよびバックグランド域を囲繞する環状凸部を残存形成したウエハWの2種類である。
【0036】
ここで、裏面に環状凸部を有するウエハWは、図7の表面側からみた斜視図、図8の裏面側から見た斜視図、および、図9の断面図に示すように、パターンが形成された表面に保護テープPTが貼付けられた状態でバックグラインド処理されたものである。その裏面は、外周部を径方向に約2mmほど残して研削され、裏面に扁平凹部38が形成されるとともに、その外周に沿って環状凸部39が残存された形状に加工される。
【0037】
扁平凹部40の深さdは、例えば、数百μm、研削域のウエハ厚さtが数十μmになるよう加工されており、裏面外周に形成された環状凸部39は、ウエハWの剛性を高める環状リブとして機能する。したがって、この環状凸部39は、ハンドリングやその他の処理工程におけるウエハWの撓みや反りによる変形を抑止する。
【0038】
搬送機構3のロボットアーム2は、図3に示すように、水平進退、旋回、および、昇降可能に構成されるとともに、その先端に馬蹄形の吸着保持部2aを備えており、ウエハ供給部1からのウエハWの取り出し、アライメントステージ4へのウエハWの供給、アライメントステージ4から保持テーブル6へのウエハWの搬入、保持テーブル6からの処理済みウエハWの搬出、および、処理済みウエハWのウエハ回収部10への搬入などを行う。
【0039】
テープ供給部5は、図1および図2に示すように、原反ロールTRから導出した剥離用の粘着テープTを保持テーブル6の上方を通ってテープ貼付けユニット7およびテープ剥離ユニット8にまで導くよう構成されている。なお、粘着テープTは、ウエハWの径よりも幅狭のものが利用される。
【0040】
保持テーブル6は、図10に示すように、ウエハW裏面の環状凸部39を吸着保持する真空吸引孔40が表面に形成された第1保持テーブル6a、環状凸部39の内壁に近接する外周壁を有し、扁平面38aを吸着保持する真空吸引孔41が表面に形成された第2保持テーブル6bから構成されている。これら第1保持テーブル6aおよび第2保持テーブル6bは、金属製またはセラミック製のチャックテーブルである。
【0041】
第1保持テーブル6aは、ステッピングモータとボール軸から構成されたリニアアクチュエータ42に連結されている。このステッピングモータの正逆転駆動により、第1保持テーブル6aは、昇降するように構成されている。また、真空吸着孔40は、第1保持テーブル6aの下部で纏められ、第1電磁弁43aを備えた第1流路44aを介して外部の第1真空源45aと連通接続されている。
【0042】
第2保持テーブル6bは、エアーシリンダ46の作動により進退するピストンロッド46aを介して水平状態を維持したまま昇降可能に支持されている。また、第2保持テーブル6bは、中心のガイド軸周りに配備したバネ47によって上昇付勢されている。第2保持テーブル6bの所定の円周上には等間隔をおいて複数本の支持ピン48が配備されている。
【0043】
真空吸着孔41は、第2保持テーブル6bの下部で纏められ、第2電磁弁43bを備えた第2流路44bを介して外部の第2真空源45bと連通接続されている。
【0044】
支持ピン48は、エアーシリンダ60によって第2保持テーブル6bの保持面に対して出退昇降可能に構成れている。さらに、支持ピン48の先端は、絶縁物で構成されているか、あるいは絶縁物で被覆されている。
【0045】
図4に示すように、テープ貼付けユニット7は、レール21に沿って左右移動可能に支持された可動台22を、モータM1で正逆転駆動される送りネジ23によって左右水平に一定ストロークで往復移動させるとともに、この可動台22に揺動アーム24を介して上下動可能に貼付けローラ25が装備された構造となっており、貼付けローラ25はウエハWの外径より幅広のものが使用される。
【0046】
テープ剥離ユニット8は、レール21に沿って左右移動可能に支持された可動台26を、モータM2で正逆転駆動される送りネジ27によって左右水平に一定ストロークで往復移動させるとともに、この可動台26に、テープ剥離用の案内部材28、ガイドローラ29、駆動回転される送り出しローラ30およびこれに対向する挟持ローラ31などを装備した構造となっている。なお、案内部材28は、本発明の剥離部材に相当する。
【0047】
図5および図6に示すように、テープ剥離用の案内部材28は、先端に先鋭なエッジを備えた、ウエハWの外径より幅広の板材で構成されている。また、案内部材28は、可動台26の前面に回動可能に突設支持された回転支軸32に、スリット33およびボルト34を介して出退調節可能に連結固定されている。また、回転支軸32の基部には操作アーム35が締め付け連結されるとともに、この操作アーム35の遊端部に枢支連結した連結ロッド37が、可動台26の前面に装着したエアーシリンダ36に連結されている。つまりエアーシリンダ36の出退作動に伴う操作アーム35の揺動によって回転支軸32が回動される。この動作によって、案内部材28の先端エッジが上下動するよう構成されている。
【0048】
なお、操作アーム35の遊端部から延出された連結ロッド37は、エアーシリンダ36のピストンロッド36aにネジ込み装着されており、連結ロッド37のネジ込み量を調節することで、ピストンロッド36aがストロークエンドまで突出作動した時の操作アーム35の揺動角度、換言すると、下限位置にあるエッジ部材28の角度を任意に調節することが可能となっている。
【0049】
本発明に係る保護テープ剥離装置の各部は以上のように構成されており、以下に、裏面に環状凸部41を有するウエハWの表面に貼付けられた保護テープTを剥離する工程を、図12〜図16を参照しながら説明する。
【0050】
オペレータは、外形寸法が予め決められた複数種類のウエハWから処理対象のウエハWを操作パネルから選択する。制御部49は、入力条件に応じて第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bを相対的に昇降させる。つまり、第1保持テーブル6aでウエハWの裏面の環状凸部39を吸着保持し、第2保持テーブル6bで扁平面38aを吸着保持するように、第2保持テーブル6bの高さを第1保持テーブル6aの高さよりも高く調整する。
【0051】
両保持テーブル6a、6bの高さ調整が完了すると、ロボットアーム2がウエハ供給部1のカセットC1に挿入される。ロボットアーム2は、所定のウエハWを表面側の保護テープPTから吸着保持して取り出し、アライメントステージ4に移載する。ステージ上ではウエハWの外周に予め形成されたノッチなどの検出部位の検出に基づいて、ウエハWの位置合わせが行われる。位置合わせされたウエハWは、再びロボットアーム2によって表面側から吸着保持されて両保持テーブル6a、6b上に供給される。
【0052】
ロボットアーム2の下降に伴って、制御部49は、第1真空源45aおよび第2真空源45bを作動させるとともに、両電磁弁43a、43bを開放する。この状態で、図12に示すように、第2保持テーブル6bが扁平凹部40に納まってゆき、真空吸着孔41で扁平面38aを吸着保持する。同時に、第1保持テーブル6aの真空吸着孔40が環状凸部39を吸着保持する。つまり、第1保持テーブル6aおよび第2保持テーブル6bの吸引作動は、独立して実施される。
【0053】
ウエハWが両保持テーブル6a、6bに装填された時点では、テープ貼付けユニット7とテープ剥離ユニット8は保持テーブル6から後方に離れた待機位置にある。
【0054】
次に、図13に示すように、テープ貼付けユニット7の貼付けローラ25が所定の貼付けレベルにまで下降される。その後、ユニット全体が前進移動し、貼付けローラ25がウエハWの上面に沿って転動移動して粘着テープTを保護テープPTの表面に貼付けてゆく。
【0055】
この場合、ウエハWの扁平面の表面側は、バネ47によって上昇付勢された第2保持テーブル6bによって扁平レベルより上方に僅かに膨出変形されている。貼付けローラ25がウエハWに表面側から押圧されることで扁平レベルまで変形され、その押圧反力を受けて粘着テープTは確実に保護テープPTの表面に貼付けられてゆく。
【0056】
図14に示すように、粘着テープTの貼付けが終了すると、テープ剥離ユニット8において、エアーシリンダ36がストロークエンドまで突出作動し、操作アーム35の揺動によって案内部材28が下限位置まで下降される。
【0057】
次に、図15に示すように、テープ剥離ユニット8が前進移動され、案内部材28の先端部が粘着テープTを保護テープPTの表面に押圧しながら移動されるとともに、その移動速度と同調された周速度で送り出しローラ30が粘着テープTを送り出してゆく。したがって、案内部材28の先端部において折り返し角度θで反転案内された粘着テープTは、ガイドローラ29を介して送り出しローラ30と挟持ローラ31の間に導かれ、図6および図15に示すように、保護テープPTを一体に接着した状態で走行し、保護テープPTがウエハWの表面から剥離されてゆく。
【0058】
この場合、案内部材28によるテープ折り返し角度θは90°以上、好ましくは100°以上の大きい角度に設定されることが望ましいが、粘着テープTの粘着度や腰の強さ、あるいは、ウエハWの強度、等の条件によっては90°未満(90°に近い)で実施することも可能である。また、粘着テープTの腰が強いほどテープ折り返し角度θは小さく調節設定することが望ましい。そして、この調節は、連結ロッド37を伸縮調節して下限位置における案内部材28の角度を調節することで行うことができる。なお、案内部材28の角度変更に伴う案内部材28の高さ変化は、回転支軸32に対する案内部材28の取付け位置調節によって修正することができる。
【0059】
また、案内部材28がウエハWの端部を通過して保護テープPTを剥離開始するときの前進移動速度を遅くし、それ以降は前進移動速度を速くすることが好ましい。この速度設定によって処理能率の向上を図ることができる。送り出しローラ30は、所定のトルク以上の負荷によって空転するスリップクラッチを介して図示しない駆動装置で回転駆動されている。したがって、粘着テープTに所定の張力を与えながら送り出すよう構成されている。
【0060】
図16に示すように、テープ剥離ユニット8がウエハ上を通過して保護テープPTが完全に剥離されると、ウエハWは支持ピン48によって一旦持ち上げられ、その後、ロボットアーム2によって保持テーブル6から搬出され、ウエハ回収部10のカセットC2に差込み収納される。この間に、テープ貼付けユニット7およびテープ剥離ユニット8が元の待機位置に後退復帰移動されるとともに、剥離した処理済み粘着テープTsの巻き取り回収が行われる。また、貼付けローラ25のおよび案内部材28も元の待機位置にまで上昇復帰される。
【0061】
以上で1回の剥離用の粘着テープ貼付け工程、および保護テープの剥離工程が終了し、次の基板の受け入れ待機状態となる。
【0062】
図17〜図25に、本発明の第2実施形態に係る半導体ウエハの保護テープ剥離装置が示されている。
【0063】
この実施形態では、保護テープPTへの剥離用の粘着テープTの貼付けと、ウエハWからの保護テープPTの剥離とを同時に行えるよう構成されている。基本的な構成は上記した第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一の部材および部位に同一の符号を付すにとどめ、相違している構造を以下に説明する。
【0064】
図20に示すように、第1実施形態におけるテープ貼付けユニット7およびテープ剥離ユニット8に代えて、テープ貼付け/剥離ユニット50が備えられている。このテープ貼付け/剥離ユニット50は、前後一対のレール51に沿って左右にスライド移動可能に支持された可動台52を、モータM3で正逆転駆動される送りネジ53によって左右水平にねじ送り移動させるとともに、この可動台52に、貼付け部材を兼用した案内部材54、ガイドローラ55、駆動回転される送り出しローラ56、およびこれに対向する挟持ローラ57などが装備されている。
【0065】
テープ貼付け/剥離ユニット50の案内部材54は、先端に先鋭なエッジを備えたウエハ径より幅広の板材で構成されており、可動台52の前面に回動可能に突設支持された回転支軸58に前後位置調節可能に連結固定されている。
【0066】
回転支軸58の基部には操作アーム59が締め付け連結されるとともに、この操作アーム59の遊端部には、可動台52の前面に装着したエアーシリンダ61に連結されている。このエアーシリンダ61の伸縮作動に伴う操作アーム59の揺動によって回転支軸58が回動され、これによって案内部材54の先端部が上下動するよう構成されている。
【0067】
次に、ウエハWの表面に貼付けられた保護テープPTを剥離する基本的な行程について、図21〜図25を参照して説明する。なお、ウエハWが保持テーブル6に装填保持されるまでの工程は先の第1実施形態と同じなので、ここでは、ウエハWが保持テーブル6に装填保持された以降の工程について説明する。
【0068】
図21に示すように、先ず、操作部から選択されたウエハWの裏面形状に応じて第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bの高さを調整する。
【0069】
次に、図22に示すように、ウエハ裏面の環状凸部39を第1保持テーブル6aの真空吸着孔40で吸着保持するとともに、扁平面38aを第2保持テーブル6bの真空吸着孔41で吸着保持する。ウエハWの両保持テーブル6a、6bへの装填が完了すると、テープ貼付け/剥離ユニット50はウエハWの上へと前進移動する。待機位置側のウエハWの周端から適当少距離前方の地点に案内部材54の先端がくるように移動させ、この地点でエアーシリンダ61がストロークエンドまで突出作動され、操作アーム59の動作により案内部材54が下限位置まで下降される。つまり、案内部材54の先端が粘着テープTの表面(非粘着面)に接触し、この粘着テープTを保護テープPTの表面に押し付ける。
【0070】
案内部材54が下降すると、図23に示すように、テープ貼付け/剥離ユニット50が待機位置方向に後退移動する。つまり、案内部材54の先端で粘着テープTを押圧しながら保護テープPTの表面に粘着テープTを貼付けてゆく。
【0071】
案内部材54の先端がウエハWの周端に到達すると、図24に示すように、テープ貼付け/剥離ユニット50はその移動方向を反転して前進移動してゆく。このとき、案内部材54の先端部が粘着テープTを保護テープPTの表面に押圧しながら移動されるとともに、その移動速度と同調された周速度で送り出しローラ56が粘着テープTを巻き取ってゆく。このように粘着テープTの貼付けと剥離とを行うことにより、この粘着テープTに貼付け支持されて一体となった保護テープPTが同時にウエハ表面上から剥離されてゆく。
【0072】
図25に示すように、テープ貼付け/剥離ユニット50がウエハWを通過して保護テープPTが完全にウエハW表面から剥離されると、ウエハWはロボットアーム2によって保持テーブル6上から搬出されて、ウエハ回収部9のカセットC2に差込み収納される。その間に、テープ貼付け/剥離ユニット50が元の待機位置に後退復帰移動されるとともに、剥離した処理済みの粘着テープTsの巻き取り回収が行われる。また、案内部材54も元の待機位置まで上昇復帰される。
【0073】
以上で1回の保護テープ剥離行程が終了し、次のウエハ受け入れ待機状態となる。
【0074】
上記各実施形態の装置によれば、裏面外周に環状凸部39を第1保持テーブル6aで吸着保持するとともに、環状凸部39の内壁に近接する外壁を有する第2保持テーブル6bを扁平凹部38に納めて扁平面38aを吸着保持することにより、ウエハWの裏面全体を安定して吸着保持することができる。
【0075】
したがって、ウエハWの表面から保護テープPTを剥離するときに、環状凸部39と扁平面38aの付け根に集中する剥離応力が、第2保持テーブル6bの吸着保持による補強によってキャンセルされる。したがって、当該付け根で発生しがちなウエハWの亀裂を回避することができる。
【0076】
また、第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bの吸引作動を独立制御しているので、次のような問題を解決することができる。すなわち、第2保持テーブル6bの真空吸引孔41の目詰めりなどにより吸引力が低下したり、或いは第2真空源45bの故障により吸引停止したりしても、保護テープPTの剥離開始端側を第1保持テーブル6aによって確実に吸着保持しておくことができる。したがって、保護テープPT剥離時の引張力がウエハWに作用しても、第1保持テーブル6aによる吸引力が勝っているのでウエハWの剥離開始端部を浮き上がらせることがない。換言すれば、剥離不良を回避しつつ、ウエハWの表面から保護テープPTを精度よく剥離することができる。
【0077】
本発明は、以下のような形態に変形して実施することもできる。
【0078】
(1)上記各実施形態では、オペレータが操作部を操作してウエハWの種類を選択していたが、ウエハW裏面の形状を自動判別して第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bを相対的に昇降させて表面高さ自動調整するよう構成してもよい。
【0079】
例えば、図26に示すように、アライメントステージ4の吸着パッド18でウエハWの裏面中央を吸着保持してウエハWを回転させながらノッチなどを検出するとき、変位センサ63で裏面外周に向けて光を照射し、裏面からの反射光を受光する。制御部49は、出力光の光量に対する受光量の変化に基づいて、ウエハWの裏面外周に環状凸部39が形成されているかどうかを判別するよう構成する。
【0080】
また、別実施形態として、図27に示すように、投光器64aと受光器64bからなる光センサを第1保持テーブル6aを挟んで対向配備してもよい。つまり、投光器64をテープ貼付けユニット7の前方に配備し、受光器64bを保持テーブル6の外周に配備した外枠66の凹部に配備する。凹部は、テープ貼付けユニット7の進路を妨げないように、受光器64bを収納可能な深さに設定さている。また、凹部には、受光器64bがスライド移動調整可能なレールが敷設されている。
【0081】
受光器64からの光の照射角度および受光器64bの受光位置は、ウエハWの裏面形状によって適宜に設定変更される。例えば、裏面が平坦なウエハWの場合、外周領域にその一端側から他端側に向けて照射した光を全反射させ、当該反射光をその斜め下方に配備した受光器64aで受光するよう投光器64の角度と受光器64bの位置が設定される。裏面に環状凸部39を有するウエハWの場合、扁平面38aと環状凸部39とに跨って光が照射されたとき、環状凸部39で反射した光のみを受光可能となるように投光器64の角度と受光器64bの位置が設定される。
【0082】
制御部49は、環状凸部39を有するウエハWと裏面が平坦なウエハWとを利用して実験やシミュレーションで決めた基準受光量と受光器64bで得られた受光量とを比較し、ウエハWの裏面形状を判別する。当該判別結果に基づいて、制御部49は,第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bの表面高さを調整する。
【0083】
(2)上記各実施形態では、裏面外周に環状凸部39を有するウエハWを例に採って説明したが、裏面全体を均一にバックグラインド処理したウエハWの表面から保護テープPTを剥離することも可能である。このウエハWの場合、第1保持テーブル6aと第2保持テーブル6bの表面高さを同じにし、裏面の外周領域を第1保持テーブル6aで吸着保持するとともに、中央領域を第2保持テーブル6bで吸着保持することになる。
【0084】
(3)上記各実施形態では、金属製またはセラミック製の第1保持テーブル6aを利用していたが、図28に示すように、通気性を有する弾性体65で第1保持テーブル6aの表面を被覆してもよい。
【0085】
この構成によれば、ウエハWの外周部分はベベリングを有し、僅かに凸湾曲している傾向にあるので、吸引による押圧で弾性体65を弾性変形させて当該湾曲面に密着させることができる。したがって、第1保持テーブル6aによる吸引時のリークを抑制することができる。
【0086】
(4)上記各実施形態では、第1保持テーブル6aに形成される真空吸引孔40は、図29および図30に示すように、粘着テープTの貼付開始端と終了端にテープ幅だけ設けた構成であってもよい。さらには、貼付開始端だけに設けた構成であってもよい。
【0087】
(5)上記各実施形態では、粘着テープTの貼付け方向に沿って並ぶ真空吸着孔40、41を1列または複数列単位で吸引作動を独立制御するよう構成してもよい。
【0088】
この構成によれば、第1保持テーブル6aの真空吸引の低減を最小限に抑えることできるので、保護テープPTの剥離処理を連続的に行うことができる。換言すれば、保護テープPTの剥離精度を保ちつつ作業効率の向上を図ることができる。
【0089】
(6)上記各実施形態では、剥離用の粘着テープTを反転案内する案内部材28,54を小径のローラで構成することもできる。
【符号の説明】
【0090】
6 … 保持テーブル
6a … 第1保持テーブル
6b … 第2保持テーブル
25 … 貼付け部材(貼付けローラ)
28 … 案内部材
38 … 扁平凹部
39 … 環状凸部
40,41…真空吸着孔
42 … リニアアクチュエータ
45a … 第1真空源
45b … 第2真空源
46 … エアーシリンダ
49 … 制御部
54 … 案内部材
T … 粘着テープ
PT … 保護テープ
W … 半導体ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハに貼付けられた保護テープを剥離する保護テープ剥離方法であって、
前記半導体ウエハ裏面の外周領域のうち少なくとも保護テープの剥離開始端側を吸着保持する第1保持テーブルと当該外周領域の内径側で半導体ウエハの中央領域を保持する第2保持テーブルとを相対的に昇降させて高さ調整し、半導体ウエハの裏面を吸着保持する保持過程と、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルに吸着保持された半導体ウエハ上の保護テープ表面に貼付けた剥離テープを剥離部材で反転剥離しながら半導体ウエハから保護テープを一体にして剥離する剥離過程と、
を備えたことを特徴とする保護テープ剥離方法。
【請求項2】
請求項1に記載の保護テープ剥離方法において、
前記保持過程では、裏面全体を均一にバックグラインド処理された前記半導体ウエハを吸着保持するとき、第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを同じに調整し、
裏面外周にバックグランド域を囲繞する環状凸部を残存形成した前記半導体ウエハを吸着保持するとき、第1保持テーブルと第2保持テーブルを相対的に昇降させて第1保持テーブルで当該環状凸部を吸着保持し、
前記環状凸部の内壁に近接する外形を有する第2保持テーブルで当該環状凸部の内径に形成された扁平凹部を吸着保持する
ことを特徴とする保護テープ剥離方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の保護テープ剥離方法において、
前記半導体ウエハ裏面の外周部分の凹凸の有無を検出器で検出し、検出結果に基づいて第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを調整する
ことを特徴とする保護テープ剥離方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の保護テープ剥離方法において、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルの吸引作動を独立に制御する
ことを特徴とする保護テープ剥離方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の保護テープ剥離方法において、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面に形成された複数個の吸着孔を前記剥離テープの貼付け方向に沿ったラインごとに纏め、当該ラインごとに吸着孔の吸引作動を独立に制御する
ことを特徴とする保護テープ剥離方法。
【請求項6】
半導体ウエハに貼付けられた保護テープを剥離する保護テープ剥離装置であって、
裏面外周にバックグランド域を囲繞する環状凸部を残存形成した前記半導体ウエハを載置したとき、少なくとも保護テープの剥離開始端側の環状凸部を吸着保持し、
裏面全体を均一にバックグラインド処理された前記半導体ウエハを載置したとき、少なくとも保護テープの剥離開始端側の半導体ウエハ裏面の外周領域を吸着保持する第1保持テーブルと、
前記環状凸部を有する半導体ウエハを載置したとき、環状凸部の内壁に近接する外形を有し、当該環状凸部の内径に形成された扁平凹部を吸着保持し、
裏面全体が平坦な前記半導体ウエハを載置したとき、半導体ウエハの中央領域を吸着保持する第2保持テーブルと、
前記第1保持テーブルおよび第2保持テーブルによって吸着保持された半導体ウエハ上の保護テープ表面に剥離テープを供給するテープ供給機構と、
前記半導体ウエハ上の保護テープに貼付けた剥離テープを剥離部材で反転剥離しながら半導体ウエハから保護テープを一体にして剥離するテープ剥離機構と、
剥離された前記保護テープと剥離テープを回収するテープ回収部と、
前記第1保持テーブルと第2保持テーブルを昇降させる駆動機構と、
前記第1保持テーブルと2保持テーブルの吸引作動および相対的な昇降を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする保護テープ剥離装置。
【請求項7】
請求項6に記載の保護テープ剥離装置において、
前記半導体ウエハ裏面の外周領域の凹凸の有無を検出する検出器を備え、
前記制御部は、検出器の検出結果に基づいて、裏面が平坦な前記半導体ウエハと裏面外周に環状凸部の形成された半導体ウエハとを判別し、
当該判別結果に応じて、前記第1保持テーブルと第2保持テーブルの表面高さを調整するよう構成した
ことを特徴とする保護テープ剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−89647(P2012−89647A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234495(P2010−234495)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【出願人】(394016601)日東精機株式会社 (79)
【Fターム(参考)】