説明

個人用の経皮的な自動生理学的センサシステム

患者の生理学的パラメータを監視するための装置が提供され、該装置が、患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、該センサ装置から発生される生理学的パラメータの測定をプロセス処理するためのプロセッサと、センサ装置とプロセッサとの間に連結され、患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を備えた遠方端を含む経皮的部材と、前記センサ装置、経皮的部材、プロセッサを収納し、経皮的部材の遠方端を患者に刺し込むに際して遠方端を受けるための出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者に固定するための手段とを備えたハウジングと、経皮的部材と接触して刺通部材をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませるための駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に患者の生理学的パラメータを検出するための装置に関し、詳しくは、患者の生理学的パラメータを検出し、また随意的に、流体薬剤及び非流体的な医薬装置を患者に安全且つ簡単に且つ経皮的に移行させるために使用することのできる経皮的な自動刺し込み装置を備え、使い捨て性及び携帯性を有する小型の患者装用式の装置に関する。更に詳しくは本発明は、センサアセンブリを含む経皮的部材の安全且つ自動的な配置を可能とし、また鋭利な、汚染された針を廃棄する必要のない経皮的なアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の症状を患う患者が、生理学上おそらくは有害な変化が生じる際に適切な注意を受けることが保証されるよう、定常的、即ち定期的な監視を必要とする生理学的状況が数多く存在する。ある生理学的変化の起きた患者に対し、この変化を補償するための薬剤を投与する必要がしばしばある。
例えば糖尿病の患者では、その血糖値がこの患者にとって有害な値にまで低下しないことを保証するために血糖値を監視する必要がある。この場合、患者は、血液を少量採取し、採取した血液を、典型的には電子的な血糖値センサを用いてテストすることにより血糖値を監視する。次いで、テスト結果に基づき、患者は血糖値を“通常”値に戻す分量のインシュリンを注射することができる。こうしたテストシステムにより患者は自らの血糖値を監視することができるが、患者は、要求される時間間隔で必要なテストを実施したりテスト結果を正しく読み取る必要があり、また、血液採取による刺し傷を原因とする感染症の恐れにも晒されることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、正確で且つ信頼性が有り、使い方の簡単な、患者の生理学的症状の手動的な監視に代わる、プログラム可能なセンサシステムに対する需要が、満たすべき課題として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本件出願人の判断するところによれば、患者から抜き取った、即ち採取した流体の特定の生理学的パラメータを確実に検出するべくプログラム可能で、しかも尚、小型軽量であり且つ低コストの高度な携帯式のセンサ装置が求められている。本発明のセンサ装置は設計形状がシンプルで、安価で、また製造が容易であり、かくしてセンサ装置のサイズ、複雑さ並びにコストは一段と削減され、装置或いはその一部は本来小型で且つ使い捨て性のものとなる。加えて、本発明のセンサ装置には、経皮的な部材を安全且つ自動的に配置可能で、鋭利な、汚染された針を廃棄する必要のない経皮的投与アセンブリが含まれ得る。
【0005】
センサ装置が安価なことで、ヘルスケア保険プロバイダ、病院、そして患者ケアセンターのみならず患者自身に関する負担額が減ることから、このセンサ装置の使用を処方する上での融通性が高まる。更に、センサ装置が安価であることにより、患者が1台以上の代替装置を簡単に入手することがより現実的なものとなる。最初のセンサ装置を無くす或いは故障した場合には代替品を入手可能であることから、費用の掛かる修理が無用となり、外来治療の中断も回避される。
【0006】
本発明の1実施例によれば、患者の生理学的パラメータを監視するための装置が提供され、本装置には、患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、センサ装置の発生する生理学的パラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、センサ装置とプロセッサとに連結された経皮的部材にして、患者の皮膚に刺通させる遠方端位置の刺通部材を含む経皮的部材と、センサ装置と、経皮的部材と、プロセッサとを格納するハウジングにして、前記刺通部材の遠方端が患者に刺し込まれる際に経皮的部材の遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために経皮的部材と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を含むハウジングと、が含まれる。
センサ装置の、少なくともサンプル受け部分が、経皮的部材の遠方端位置に配置され得る。生理学的パラメータは、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質(agent)への曝露、アレルギー端応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る。
【0007】
刺し込み起動装置の駆動機構は、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して流体移送装置、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する胴部分を有するプランジャを含み得、このプランジャに長手方向の力を付加すると刺通部材が前記第1位置から第2位置に駆動される。プランジャは、胴部分の幅寸法がハウジングの孔の幅寸法よりも若干大きくなるようにその胴部分に配置された摩擦部材にして、摩擦部材を前記孔に通すための特定の長手方向力がプランジャに加えられるようにし、加えられたこの長手方向力が経皮的部材の遠方端に伝達されるようにするための摩擦部材を含み得る。摩擦部材は環状フランジであり得る。プランジャは、ハウジングと接触することによりプランジャの移動を停止させるためのヘッド部分を更に含み得る。プランジャは、刺通部材が前記第2位置に駆動された後、ハウジングから取り外すことができる。
【0008】
刺し込み起動装置の駆動機構は、ハウジングに収納したプランジャを含み得る。プランジャは、横方向突起を含む第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端と、を含み、刺し込み起動装置は、刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するためにプランジャを偏倚させるための偏倚バネを更に含み、前記横方向突起は、刺通部材が第1位置にあるときハウジング内の峰部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させないようにする。ハウジングは、横方向突起を前記峰部から付勢してプランジャをして刺通部材を第1位置から第2位置に駆動せしめるためのアクチュエータを含み得る。アクチュエータは、ハウジングの可撓性の壁部分の内側表面に連結したフィンガを含み得る。フィンガの遠方端は横方向突起と接触し、かくして可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガは横方向突起を前記内側峰部から付勢し、結局、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動する。フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分と同じ方向に移動され得る。
【0009】
フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分とは実質的に逆方向に移動され得る。フィンガは、フィンガの遠方端をして可撓性の壁部分とは実質的に逆の方向に移動せしめるピボットを含み得る。刺し込み起動装置の駆動機構はピボットアームを含み、また、刺し込み起動装置は更にラッチアセンブリを含み、ピボットアームは、ハウジングの壁の内面にピボット廻動自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、経皮的部材は、ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触するとピボットアームと連結され、刺通部材は第1位置に位置付けられる。刺し込み起動装置は、ピボットアームの近接端及び遠方端と、ハウジングの壁との間に取り付けた偏倚バネを更に含み得る。偏倚バネは、刺通部材を第2位置に移動せしめるべくピボットアームを付勢する。ラッチアセンブリは、ピボットアームの遠方端と接触し、偏倚バネの影響下にピボットアームが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させないようにするラッチと、ラッチとピボットアームの遠方端との接触を外し、かくしてピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするためのラッチ釈放機構とを含む。
【0010】
ラッチ釈放機構には、ラッチとハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータが含まれ得る。電動アクチュエータは印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す。電動アクチュエータは、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電性アクチュエータ、ソレノイド、の1つを含み得る。装置には、ラッチ釈放機構に接続したローカルプロセッサにして、刺し込み指令に基づいて電動アクチュエータを印加するようにプログラムされたローカルプロセッサと、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに結合した無線レシーバとが含まれ得る。ハウジングは、ローカルプロセッサに刺し込み指令を提供させるためのユーザー入力構成コンポーネントを持たないものであり得る。
【0011】
装置は、経皮的部材とは別個の遠隔制御装置にして、リモートプロセッサと、このリモートプロセッサに刺し込み指令を伝達するためにリモートプロセッサに連結したユーザーインターフェースと、生理学的パラメータを監視するために装置の無線レシーバに刺し込み指令を伝達するためにリモートプロセッサに連結したトランスミッタと、を含む遠隔制御装置を更に含み得る。ラッチ釈放機構は、ラッチに連結した機械的なレバーにして、ハウジングの側壁を貫いて突出し、このレバーをハウジングから離れる方向に引くとラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離されるレバーを含む。
【0012】
刺し込み起動装置は、独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、流体移送装置である経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出て主たるハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジング内の峰部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるのが防止される。第2ハウジングは、横方向突起を前記峰部から付勢し、それによりプランジャをして刺通部材を第1位置から第2位置に駆動せしめるためのアクチュエータを含み得る。刺し込み起動装置は、独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、流体移送装置、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出て主たるハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジングのラッチアセンブリと接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるのが防止される。
【0013】
ラッチアセンブリは、プランジャの横方向突起と接触してプランジャが範囲バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置へと駆動させないようにするためのラッチと、ラッチを移動させて、このラッチと横方向突起との接触が外れるようにし、かくしてプランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするための、ハウジングに連結されたラッチ釈放機構とを含む。ラッチ釈放機構は、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータにして、印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す電動アクチュエータを含み得る。電動アクチュエータは、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電性アクチュエータ、ソレノイド、の1つを含み得る。
【0014】
装置には、第2ハウジング内に収納したローカルプロセッサにして、ラッチ釈放機構に結合され、刺し込み指令に基づいて電動アクチュエータを印加するようにプログラムされたローカルプロセッサと、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに結合した無線レシーバとが含まれ得る。ラッチ釈放機構は、ラッチに連結されてハウジングの側壁を貫いて突出する機械的なレバーを含み得、このレバー力を加えるとラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から外される。駆動機構は、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第1端を有するプランジャを含み得、このプランジャは刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるべく偏倚され、刺し込み起動装置は、プランジャと接触して刺通部材をその第1位置に維持するためのラッチを更に含み、ラッチは、このラッチに連結した電動アクチュエータにして、印加されると起動してラッチを引き、プランジャとの接触状態から外し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させることができるようにする電動アクチュエータを含む。
【0015】
電動アクチュエータは、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電性アクチュエータ、ソレノイド、の1つを含み得る。装置には、ラッチ釈放機構に接続したローカルプロセッサにして、刺し込み指令に基づいて電動アクチュエータを印加するようにプログラムされたローカルプロセッサと、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに結合した無線レシーバとが含まれ得る。センサ装置は、サンプル受け部分で受けたサンプルに関するサンプリング操作を実施して患者の生理学的パラメータを監視する生理学的パラメータ検出手段を含み得る。生理学的パラメータは、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質(agent)への曝露、アレルギー端応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る。装置は、患者に投与するべき薬剤を収納するリザーバと、ハウジング内に収納され、リザーバから患者に薬剤を分与する流体移送装置にして、リザーバと流体連通する近接端と、患者の皮膚に刺し込まれ、流体移送装置を通しての患者への薬剤投与を容易化する刺通部材を有する遠方端と、を含み得る。装置は、第2刺し込み起動装置を含み得る。第2刺し込み起動装置は、流体移送装置と接触する第2駆動機構にして、刺通部材をハウジング内部の第1位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るようにする第2駆動機構を含む。センサ装置は、第2刺し込み起動装置をして流体移送装置をハウジング内部のその第1位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るように駆動し、かくして患者にサンプリング操作に応じた量の薬剤を投与するべく駆動させるように第2刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を与えるための手段を含む。
【0016】
プロセッサには、刺し込み起動開始部分に提供されるトリガー信号に基づいて刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供する、刺し込み起動指令発生部分が含まれ得る。トリガー信号は、プロセッサ内にプログラムされた調時指令に基づいてプロセッサ内で発生され得る。トリガー信号は、調時指令により所定の時間間隔において前記刺し込み起動指令発生部分に提供される。トリガー信号は、少なくとも1つの環境パラメータを監視する第2センサからのプロセッサへのセンサ入力値に基づいてプロセッサ内で発生され得る。前記プロセッサへのセンサ入力値により、環境パラメータが所定値に達すると刺し込み起動指令発生部分にトリガー信号が提供される。第2センサはハウジング内に配置され得る。第2センサはハウジング外に位置付け得る。第2センサは、センサ入力値をプロセッサに関連するレシーバに伝達するためのトランスミッタを含み得る。環境パラメータは、温度、圧力、酸素量、光、そして化学物質の存在、の一つが含まれ得る。
【0017】
本発明の他の実施例によれば、患者からの流体を監視するための装置が提供される。本装置には、患者からの流体を受けるためのセンサ装置と、患者からセンサ装置に流体を抜き出すための流体移送装置、即ち経皮的部材にして、センサ装置と流体連通する近接端と、患者の皮膚に刺通して流体移送装置を通しての患者からの流体抜き出しを容易化する刺通部材を有する遠方端とを有する経皮的部材と、ハウジングにして、経皮的部材の遠方端を患者に刺通するに際して経皮的部材の遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、刺通部材を、ハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外部の第2位置に、次いで患者の皮膚内に駆動させるために経皮的部材と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を含むハウジングとを含んでいる。
【0018】
刺し込み起動装置の駆動機構は、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して経皮的部材の遠方端と摩擦接触する胴部分を有するプランジャを含み得、このプランジャに長手方向の力を付加すると刺通部材が前記第1位置から第2位置に駆動される。プランジャは、胴部分の幅寸法がハウジングの孔の幅寸法よりも若干大きくなるようにその胴部分に配置された摩擦部材にして、摩擦部材を前記孔に通すための特定の長手方向力がプランジャに加えられるようにし、加えられた長手方向力が経皮的部材の遠方端に伝達されるようにするための摩擦部材を含み得る。摩擦部材は環状フランジであり得る。プランジャは、ハウジングと接触することによりプランジャの移動を停止させるためのヘッド部分を更に含み得る。プランジャは、刺通部材が前記第2位置に駆動された後、ハウジングから取り外すことができる。
【0019】
刺し込み起動装置の駆動機構は、ハウジングに収納したプランジャを含み得る。プランジャは、横方向突起を含む第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、刺し込み起動装置は、刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するためにプランジャを偏倚させるための偏倚バネを更に含み、前記横方向突起は、刺通部材が第1位置にあるときハウジング内の嶺部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させないようにする。ハウジングは、横方向突起を前記嶺部から付勢してプランジャをして刺通部材を第1位置から第2位置に駆動せしめるためのアクチュエータを含み得る。アクチュエータは、ハウジングの可撓性の壁部分の内側表面に連結したフィンガを含み得る。フィンガの遠方端は横方向突起と接触し、かくして可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガは横方向突起を前記内側嶺部から付勢し、結局、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動する。フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分と同じ方向に移動され得る。
【0020】
フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分とは実質的に逆方向に移動され得る。フィンガは、フィンガの遠方端をして可撓性の壁部分とは実質的に逆の方向に移動せしめるピボットを含み得る。刺し込み起動装置の駆動機構はピボットアームを含み、また、刺し込み起動装置は更にラッチアセンブリを含み、ピボットアームは、ハウジングの壁の内面にピボット廻動自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、経皮的部材は、ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触するとピボットアームと連結され、刺通部材は第1位置に位置付けられる。刺し込み起動装置は、ピボットアームの近接端及び遠方端と、ハウジングの壁との間に取り付けた偏倚バネを更に含み得る。偏倚バネは、刺通部材を第2位置に移動せしめるべくピボットアームを付勢する。ラッチアセンブリは、ピボットアームの遠方端と接触し、偏倚バネの影響下にピボットアームが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させないようにするラッチと、ラッチとピボットアームの遠方端との接触を外し、かくしてピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするためのラッチ釈放機構とを含む。
【0021】
ラッチ釈放機構には、ラッチとハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータが含まれ得る。電動アクチュエータは印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す。電動アクチュエータは、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電性アクチュエータ、ソレノイド、の1つを含み得る。装置には、ラッチ釈放機構に接続したローカルプロセッサにして、刺し込み指令に基づいて電動アクチュエータを印加するようにプログラムされたローカルプロセッサと、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに結合した無線レシーバとが含まれ得る。ハウジングは、ローカルプロセッサに刺し込み指令を提供させるためのユーザー入力構成コンポーネントを設けないようにすることができる。装置は、経皮的部材とは別個の遠隔制御装置にして、リモートプロセッサと、このリモートプロセッサに刺し込み指令を伝達するためにリモートプロセッサに連結したユーザーインターフェースと、生理学的パラメータを監視するために装置の無線レシーバに刺し込み指令を伝達するためにリモートプロセッサに連結したトランスミッタと、を含む遠隔制御装置を更に含み得る。ラッチ釈放機構は、ラッチに連結した機械的なレバーにして、ハウジングの側壁を貫いて突出し、このレバーをハウジングから離れる方向に引くとラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離されるレバーを含む。
【0022】
刺し込み起動装置は、独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出てハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジング内の嶺部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するのが防止される。第2ハウジングは、横方向突起を前記嶺部から付勢し、それによりプランジャをして刺通部材を第1位置から第2位置に駆動せしめるためのアクチュエータを含み得る。刺し込み起動装置は、独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出てハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジングのラッチアセンブリと接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するのが防止される。
【0023】
ラッチアセンブリは、プランジャの横方向突起と接触してプランジャが範囲バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置へと駆動しないようにするためのラッチと、ラッチを移動させて、このラッチと横方向突起との接触が外れるようにし、かくしてプランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするための、ハウジングに連結されたラッチ釈放機構とを含む。ラッチ釈放機構は、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータにして、印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す電動アクチュエータを含み得る。
【0024】
駆動機構は、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第1端を有するプランジャを含み得、このプランジャは刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるべく偏倚され、刺し込み起動装置は、プランジャと接触して刺通部材をその第1位置に維持するためのラッチを更に含み、ラッチは、このラッチに連結した電動アクチュエータにして、印加されると起動してラッチを引き、プランジャとの接触状態から外し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させることができるようにする電動アクチュエータを含む。装置には、ラッチ釈放機構に接続したローカルプロセッサにして、刺し込み指令に基づいて電動アクチュエータを印加するようにプログラムされたローカルプロセッサと、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに結合した無線レシーバとが含まれ得る。センサ装置は、流体に関するサンプリング操作を実施して患者の生理学的パラメータを監視する生理学的パラメータ検出手段を含み得る。生理学的パラメータは、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質(agent)への曝露、アレルギー端応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る。装置は、患者に投与するべき薬剤を収納するリザーバと、ハウジング内に収納され、リザーバから患者に薬剤を分与する経皮的部材にして、リザーバと流体連通する近接端と、患者の皮膚に刺し込まれ、経皮的部材を通しての患者への薬剤投与を容易化する刺通部材を有する遠方端と、を含み得る。装置は、第2刺し込み起動装置を含み得る。第2刺し込み起動装置は、経皮的部材と接触する第2駆動機構にして、刺通部材をハウジング内部の第1位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るようにする第2駆動機構を含む。センサ装置は、第2刺し込み起動装置をして経皮的部材をハウジング内部のその第1位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るように駆動し、かくして患者にサンプリング操作に応じた量の薬剤を投与するべく駆動させるように第2刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を与えるための手段を含む。
【0025】
本発明の他の実施例によれば、患者の生理学的パラメータを監視するための装置が提供され、本装置には、患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、センサ装置の発生する生理学的パラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、センサ装置とプロセッサとに連結された経皮的部材にして、近接端と、患者の皮膚に刺通させる遠方端位置の刺通部材と、近接端及び遠方端の間に配置した中央部分と、を含む経皮的部材と、センサ装置と、経皮的部材と、プロセッサとを格納するハウジングにして、前記刺通部材が患者に刺し込まれる際に経皮的部材の遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために経皮的部材の近接端と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を収納するハウジングと、が含まれる。前記中央部分はハウジングの第1壁と実質的に平行に配置され、経皮的部材は保持装置を含み、この保持装置は、刺通部材が第1位置にある場合、保持装置とハウジングの内側嶺部との間に連結した、刺し込み起動装置の偏倚バネにより、刺し込み起動装置のラッチアセンブリに接触する状態に偏倚され、偏倚バネを負荷状態とする。かくして、ラッチアセンブリを作動させると偏倚バネが経皮的部材をハウジングの第1壁と平行な方向に移動させ、刺通部材がその第1位置から第2位置に駆動される。
【0026】
経皮的部材の遠方端は可撓性を有し得、ハウジングは経皮的部材の移動通路内に逸らせ装置を含み得る。ラッチアセンブリを作動させると経皮的部材の遠方端が逸らせ装置と接触し得、かくして、経皮的部材の遠方端はハウジングの第1壁と実質的に平行な経皮的部材の第1の移動通路と方向から少なくとも15°の角度逸れた第2の移動通路に向けられる。第2の移動通路は第1の移動通路から90°までの角度逸れたもので有り得る。ラッチアセンブリは、経皮的部材の保持装置と接触して、前記偏倚バネが刺通部材をその第1位置から第2に位置に移動させないようにするためのラッチと、ハウジングに連結したラッチ釈放手段にして、ラッチを保持装置との接触状態から外して偏倚バネが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させることができるようにするためのラッチ釈放機構とを含み得る。ラッチ釈放機構は、ラッチとハウジングとの間に連結した電動アクチュエータが含まれ得る。ラッチ釈放機構は、ラッチに連結した機械的なレバーにして、ハウジングの側壁を貫いて突出し、このレバーをハウジングから離れる方向に引くとラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離されるレバーを含む。偏倚バネは、捻りバネ、コイルバネ、らせんばね、圧縮バネ、伸張バネ、空気バネ、波形バネ、定トルクバネ、ベルビルバネ、ビーハイブバネ、の1つを含み得る。
【0027】
生理学的パラメータは、血糖値、血中ガス量、体温、外的原因物質(agent)への曝露、アレルギー端応の内の少なくとも1つであり得る。装置は、患者に投与するべき薬剤を収納するリザーバと、ハウジング内に収納され、リザーバから患者に薬剤を分与する経皮的部材にして、リザーバと流体連通する近接端と、患者の皮膚に刺し込まれ、経皮的部材を通しての患者への薬剤投与を容易化する刺通部材を有する遠方端と、を含み得る。装置は、第2刺し込み起動装置を含み得る。第2刺し込み起動装置は、経皮的部材と接触する第2駆動機構にして、刺通部材をハウジング内部の第3位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第4位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るようにする第2駆動機構を含む。センサ装置は、第2刺し込み起動装置をして経皮的部材をハウジング内部のその第3位置から出口ポートを通してハウジングの外側の第4位置に駆動し、次いで患者の皮膚に入るように駆動し、かくして患者にサンプリング操作に応じた量の薬剤を投与するべく駆動させるように第2刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を与えるための手段を含む。
【0028】
本発明の他の実施例によれば、経皮的部材にして、患者の皮膚に刺し通すための刺通部材をその遠方端位置に有する経皮的部材と、患者への投与のために経皮的部材と連結した治療要素と、治療要素及び経皮的部材を収納するハウジングにして、前記刺通部材が患者に刺し込まれる際に経皮的部材の遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために経皮的部材の近接端と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を収納するハウジングと、を含む個人用の医療用装置が提供される。
【0029】
治療は、刺通部材が患者の皮膚に刺し込まれることにより開始される。装置には、刺し込み起動装置を制御するためのプロセッサが更に含まれ得る。治療要素には、ペースメーカーリード、徐細動装置リード、固形徐放剤、磁石、電磁石、放射性シード、熱要素、の内の少なくとも1つと、1つ以上の経皮的な電極神経刺激(“TENS”)装置とが含まれ得る。刺し込み起動装置の駆動機構は、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して経皮的部材、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する胴部分を有するプランジャを含み得、このプランジャに長手方向の力を付加すると刺通部材が前記第1位置から第2位置に駆動される。
【0030】
プランジャは、胴部分の幅寸法がハウジングの孔の幅寸法よりも若干大きくなるようにその胴部分に配置された摩擦部材にして、摩擦部材を前記孔に通すための特定の長手方向力がプランジャに加えられるようにし、加えられたこの長手方向力が経皮的部材の遠方端に移行されるようにするための摩擦部材を含み得る。摩擦部材は環状フランジであり得る。プランジャは、ハウジングと接触することによりプランジャの移動を停止させるためのヘッド部分を更に含み得る。プランジャは、刺通部材が前記第2位置に駆動された後、ハウジングから取り外すことができる。
【0031】
フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分と同じ方向に移動し得る。フィンガの遠方端は、可撓性の壁部分に圧力が加わると可撓性の壁部分とは実質的に逆方向に移動し得る。フィンガは、フィンガの遠方端をして可撓性の壁部分とは実質的に逆の方向に移動せしめるピボットを含み得る。刺し込み起動装置の駆動機構はピボットアームを含み、また、刺し込み起動装置は更にラッチアセンブリを含み、ピボットアームは、ハウジングの壁の内面にピボット廻動自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、経皮的部材は、ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触するとピボットアームと連結され、刺通部材は第1位置に位置付けられる。刺し込み起動装置は、ピボットアームの近接端及び遠方端と、ハウジングの壁との間に取り付けた偏倚バネを更に含み得る。偏倚バネは、刺通部材を第2位置に移動せしめるべくピボットアームを付勢する。ラッチアセンブリは、ピボットアームの遠方端と接触し、偏倚バネの影響下にピボットアームが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させないようにするラッチと、ラッチとピボットアームの遠方端との接触を外し、かくしてピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするためのラッチ釈放機構とを含む。
【0032】
ラッチ釈放機構には、ラッチとハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータが含まれ得る。電動アクチュエータは印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す。ラッチ釈放機構は、ラッチに連結した機械的なレバーにして、ハウジングの側壁を貫いて突出し、このレバーをハウジングから離れる方向に引くとラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離されるレバーを含む。刺し込み起動装置は独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出てハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジング内の嶺部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するのが防止される。第2ハウジングは、横方向突起を前記嶺部から付勢し、それによりプランジャをして刺通部材を第1位置から第2位置に駆動せしめるためのアクチュエータを含み得る。
【0033】
刺し込み起動装置は、独立した第2ハウジングを含み得、プランジャは、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材、即ち経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、プランジャの前記第2端は前記第2ハウジングの内部から伸延し、この第2ハウジングの遠方端を出てハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触する状態となる。刺し込み起動装置は、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、この第2ハウジング内の近接端との間に連結され、プランジャを偏倚させて刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させるための偏倚バネを更に含み得、前記横方向突起は刺通部材がその第1位置にある状態下に第2ハウジングのラッチアセンブリと接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するのが防止される。ラッチアセンブリは、プランジャの横方向突起と接触し、偏倚バネの影響下にプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に駆動させないようにするラッチと、ハウジングに連結され、ラッチと横方向突起との接触を外し、かくしてプランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に駆動することができるようにするためのラッチ釈放機構とを含む。
【0034】
ラッチ釈放機構には、ラッチとハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータが含まれ得る。電動アクチュエータは印加されると起動してラッチを引き、ピボットアームの遠方端との接触状態から外す。駆動機構は、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第1端を有するプランジャにして、刺通部材をその第1位置から第2位置に駆動するべく偏倚されるプランジャを含み、刺し込み起動装置は、プランジャと接触して刺通部材をその第1位置に維持するためのラッチを更に含み、ラッチは、このラッチに連結した電動アクチュエータにして、印加されると起動してラッチを引き、プランジャとの接触状態を外し、プランジャが刺通部材をその第1位置から第2位置に駆動させることができるようにする電動アクチュエータを含む。
【0035】
本発明の更に他の実施例によれば、患者の生理学的パラメータを監視するための装置が提供され、本装置には、患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、センサ装置の発生する生理学的パラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、センサ装置とプロセッサとに連結された第1の経皮的部材にして、患者の皮膚に刺通させる遠方端位置の第1の刺通部材を含む第1の経皮的部材と、患者に投与するべき薬剤を収納するリザーバと、センサ装置と、リザーバから患者に流体を分与するための経皮的部材にして、リザーバと流体連通する近接端と、患者の皮膚に刺通して経皮的部材を通しての患者への薬剤投与を容易化する第2刺通部材を有する遠方端とを有する第2の経皮的部材を含む経皮的部材と、センサ装置と、第1の経皮的部材とリザーバと、経皮的部材と、プロセッサとを格納するハウジングにして、第1の経皮的部材及び第2の経皮的部材の各遠方端が患者の皮膚に刺し込まれる際にこれら各遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、第1の刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために第1の経皮的部材と接触する第1の駆動機構を含む第1の刺し込み起動装置と、第2の刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために第2の経皮的部材と接触する第2の駆動機構を含む第2の刺し込み起動装置と、を収納するハウジングと、が含まれる。
【0036】
プロセッサには、刺し込み起動開始部分に提供されるトリガー信号に基づいて第1の刺し込み起動装置及び第2の刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供する、刺し込み起動指令発生部分が含まれ得る。トリガー信号は、プロセッサ内にプログラムされた調時指令に基づいてプロセッサ内で発生され得る。トリガー信号は、調時指令により、所定の時間間隔において前記刺し込み起動指令発生部分に提供される。トリガー信号は、少なくとも1つの環境パラメータを監視する第2センサからのプロセッサへのセンサ入力値に基づいてプロセッサ内で発生され得る。前記プロセッサへのセンサ入力値により、環境パラメータが所定値に達すると刺し込み起動指令発生部分にトリガー信号が提供される。第2センサはハウジング外に配置され得る。第2センサはハウジングの外側に位置付け得る。第2センサは、センサ入力値をプロセッサに関連するレシーバに伝達するためのトランスミッタを含み得る。環境パラメータは、温度、圧力、酸素量、光、そして化学物質の存在、の一つが含まれ得る。プロセッサは、第2センサにおける少なくとも1つの環境パラメータの測定値が所定値に達した場合に第1の刺し込み起動装置に刺し込み指令を提供し得る。プロセッサは、第2センサにおける少なくとも1つの環境パラメータの測定値が所定値に達した場合に第2の刺し込み起動装置に刺し込み指令を提供し得る。センサ装置は、患者に関わる生理学的パラメータを監視し得、プロセッサは、第2センサにおける少なくとも1つの環境パラメータの測定値が所定値に達した場合に第1の刺し込み起動装置に刺し込み指令を提供し、第2センサにおける少なくとも1つの環境パラメータの測定値が所定値に達した場合に第2の刺し込み起動装置に刺し込み指令を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図1及び図2を参照するに、本発明に従う構成の生理学的パラメータを検出するための装置(以下、単にセンサ装置とも称する)の実施例が例示されている。センサ装置は、このセンサ装置を装着する患者の皮膚に刺し込む経皮的部材の先端位置に配置した生理学的センサを含み、本発明のセンサ装置を使用してサンプリングされ、患者から抜き出され得る流体形式には、血液、組織間質液、その他の体液が含まれ得ることが好ましい。本発明の流体投与装置を使用した治療を実施することのできる病状タイプには、これに限定するものではないが、糖尿病、心臓血管係疾患、疼痛、慢性疼痛、癌、AIDS、神経系疾患、アルツハイマー病、ALS、肝炎、パーキンソン病、即ち痙性、が含まれ得る。本発明によりサンプリングすることのできる生理学的条件には、これに限定するものではないが、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質(agent)への曝露、アレルギー端応、そして体温、である。本発明の装置には、随意的には、装置のハウジング内の生理学的条件の検出を容易化するための流体抜き取り装置と、検出した生理学的条件に基づいて患者に医療用流体を投与するための流体投与装置とが含まれ得る。
【0038】
図2を参照するに、センサ装置810が出口ポートアセンブリ870を含み、この出口ポートアセンブリが、患者に経皮的にアクセスするためのツールと、センサアセンブリ830と、ディスペンサ840に連結したプロセッサ、即ち電子的なマイクロコントローラ(以下、“ローカルプロセッサ“とも称する)850とを有している。
ローカルプロセッサ850は、図1に例示する遠隔制御装置900からの指令に基づいてセンサアセンブリ830を配置させるようにプログラムされる。同じく図2を参照するに、センサ装置810は遠隔制御装置900からの指令を受けるためにローカルプロセッサ850に連結され、受けた指令をローカルプロセッサに送る無線レシーバ860を更に含んでいる。センサ装置810は、出口ポートアセンブリ870と、ディスペンサ840と、ローカルプロセッサ850と、無線レシーバ860とを収納するハウジング820をも含んでいる。
【0039】
図示されるように、ハウジング820には、ローカルプロセッサ850に指令を提供させるための、例えば電子機械的なスイッチあるはボタンのようなユーザー入力コンポーネント、あるいはそうでなければ、プログラムされた流量をローカルプロセッサ850を介して調節するためにユーザーがアクセスし得るインターフェースはハウジングの外側面821には設けられない。ユーザー入力コンポーネントが無いことにより、センサ装置810のサイズ、複雑さ、そしてコストが実質的に低減され、かくしてセンサ装置は小型で且つ本来使い捨て性のものとなる。
ローカルプロセッサ850をプログラムする、プログラムを調整する、あるいはそうでなければローカルプロセッサにユーザー入力を伝えるために、センサ装置810は、別個の遠隔制御装置900からのユーザー入力を受けるための無線通信要素、或いは無線レシーバ860を含む。遠隔制御装置900の、図示しない通信要素を介して信号が送信され得る。通信要素は、遠隔制御装置900の外側に伸延する、図1に示すようなアンテナを含み得、あるいはアンテナ930に連結され得る。
【0040】
図1及び図2を参照するに、遠隔制御装置900は、図示されるメンブレンキーパッド920や液晶ディスプレー(LCD)910のようなユーザー出力コンポーネントをも含んでいる。あるいは、遠隔制御装置900には、ユーザー入出力両用のためのタッチスクリーンを具備し得る。図1には示されないが、遠隔制御装置900はメンブレンキーパッド920及び液晶ディスプレー910に接続したそれ自身のプロセッサ(以下、“リモート”プロセッサとも称する)を有している。リモートプロセッサは、メンブレンキーパッド920からのユーザー入力を受けるとセンサ装置810に“流れ”指令を提供し、また、LCD910にその情報を提供する。遠隔制御装置900が液晶ディスプレー910をも含んでいることから、センサ装置810には情報スクリーンを設ける必要が無くなり、かくしてセンサ装置810の寸法、複雑さ及びコストは更に低減される。
【0041】
センサ装置810の通信要素、即ち無線レシーバ860は、無線周波数あるいはその他の、無線通信規格及び無線通信プロトコルを用いて遠隔制御装置900からの電子的通信を受けることが好ましい。好ましい実施例では、無線レシーバ860は双方向通信要素であり、センサ装置810が遠隔制御装置900に情報を送り返すことが出来るよう、レシーバ及びトランスミッタを含んでいる。そうした実施例では遠隔制御装置900には、センサ装置810から送信される情報を受信することが出来るようなレシーバ及びトランスミッタを含む一体の通信要素もまた含まれる。センサ装置810に伝えられる特定の指令には、以下に説明するような、サンプル採取のための時間スケジュールと、警告あるいは薬剤投与の何れかもしくは両方の根拠となる、患者の生理学的状況の特定値とが含まれる。あるいはセンサ装置810は、ハウジング820内に組み込まれ、かくして、部この遠隔制御装置を必要としない一体のセンサ装置を提供するところの、様々なユーザー入力及び情報を表示するコンポーネントを含み得る。
【0042】
センサ装置810のローカルプロセッサ850には、ユーザーが所望の流れ模様をプログラムするための、また、必要に応じてプログラムを調節することができるようにするために必要な全てのコンピュータープログラム及び電子回路が収納される。そうした電子回路には、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル及びアナログの集積回路、レジスタ、キャパシタ、トランジスタ、その他の半導体及びその他の、当業者には既知の電子部品が含まれ得る。ローカルプロセッサ850もまた、必要な時間間隔でセンサアセンブリ890を正しく作動させるためのプログラム、電子回路及びメモリを含んでいる。
図2の実施例では、センサ装置810には、ローカルプロセッサ850に電力を供給するための、例えばバッテリーあるいはキャパシタのような電源880が含まれる。電源880はセンサ装置810内に一体化することが好ましいが、交換自在のバッテリーのような交換式のものを設けても良い。
【0043】
図示されないが、センサ装置810のハウジング820の外側表面上に、センサ装置を患者の皮膚に直接固定するための接着材層をも配置することができる。接着材層は、出口ポートアセンブリ870を連続リング状対で取り巻いて皮膚の刺し込み部分の周囲に保護シールを提供するように配置することが好ましい。ハウジング820は可撓性材料から作製し得、あるいは、患者が動くと撓んで患者から外れないようにし且つ患者の快適性を助成する可撓性ヒンジセクションを設け得る。
従って、センサ装置810は、その場(in situ)での生理学的条件を検出あるいは測定し、流体をサンプリングするためにユーザーから流体を抜き取り、また随意的には、採取したサンプルに基づいてユーザーに投与する医薬量を制御するために使用することができる。こうした目的上、センサアセンブリ890は、ユーザーから抜き取った流体を受け、ユーザーの様々な生理学的状況を検出することが可能である。
【0044】
図3を参照するに、本発明の第1実施例のセンサ装置が番号8で示され、センサアセンブリ及びその他の制御装置を格納するハウジング12を含んでいる。本実施例は、患者に生理学的センサを一時的にインプラントして患者の生理学的状況を監視するための装置に関するものである。ハウジング12の底面は、センサ及び制御の各要素のみならず、ユーザーの快適性のために必要なものを収納するための寸法要件に基づき、四角形、矩形、楕円形あるいはその他の幾何学形状のものであり得る。ハウジング12は、ハウジング12を患者の皮膚にしっかりと接着させることができるようにするための、このハウジングに取り付けた接着材16を含むことが好ましい第1壁14を含む。好ましい実施例では接着材取付け手段は、図3に示すような、第1壁14に取り付けた接着テープであるが、ハウジング12を患者に固定するためには、例えばハウジングを患者の皮膚に単にテープで留める、あるいはストラップその他類似の装置を使用してハウジングを患者に固定することもできる。
【0045】
ハウジング12の第1壁14には出口ポート18も含まれる。この出口ポート18により、本実施例では以下に説明するように、例えば鋭利な先端であるところの刺し込み部分25を有する剛性針の形態の経皮的部材21は、その配置に際して患者の皮膚を刺通することが可能となる。ハウジング12には、経皮的部材21と接触するあるいは経皮的部材により抜き出された流体を分析するためのセンサアセンブリ27と、エレクトロニクス29と、バッテリー31とが含まれ、エレクトロニクスには、センサアセンブリ27に操作上の指令を提供し、また、関連する遠隔制御装置と相互作用するローカルプロセッサとが含まれる。番号33で全体を示されるアクチュエータ部分は、患者の皮膚に経皮的部材21を刺し込ませ、また、患者の皮膚から経皮的部材21を引き抜くべく作用する。
【0046】
アクチュエータ部分33は、その一端が経皮的部材21に固定され、ハウジング12の内部で第1壁14と第2壁39との間に剛着されたアライメントロッド37に摺動自在に取り付けたスライダ35を含む。スライダ35は、アライメントロッド37を通す孔41を含む。スライダ35は、アライメントロッド37と係合すると経皮的部材21の刺し込み時あるいは抜き取り時に回転あるいはスライダとの脱整合が防止される。
アクチュエータ部分33は、第1端をスライダ35に連結した刺し込みプランジャ45にして、ガイド部分47の内部に摺動自在に配置した胴部分を有する刺し込みプランジャ45を有する刺し込み装置43を含む。刺し込みプランジャ45の第2端とハウジングの第1壁14との間には更に刺し込みアクチュエータ49が連結される。アクチュエータ部分33は、第1端位置でスライダ35に連結され且つ案内部分55の内部に摺動自在に配置した胴部分を有する引抜きプランジャ53を含む引抜き装置51を更に含む。引抜きプランジャ53の第2端とハウジングの第2壁39との間には引抜きアクチュエータ57が更に連結される。好ましい実施例では、刺し込みアクチュエータ49と引抜き装置51とは各々、電気的負荷の影響下に収縮する形状記憶合金属あるいは形状記憶ポリマーが含まれる。然し乍ら、圧電アクチュエータ及びソレノイドのようなその他の装置を刺し込み装置43及び引抜き装置51のために使用することが可能である。
【0047】
従って、ローカルプロセッサ29から夫々の指令を受けることで、経皮的部材21は起動され、患者の皮膚に刺し込まれあるいは引き抜かれ得る。詳しくは、遠隔制御装置からさ仕込み指令を受けるとローカルプロセッサは刺し込み装置43に指令を送り、この指令により刺し込み装置43は収縮してスライダ35を引き寄せ、結局経皮的部材21がハウジングの第1壁14に向けて引き寄せられ、かくして経皮的部材21は出口ポート18を通して患者の皮膚内に入る。同様に、遠隔制御装置から引抜き指令を受けると、ローカルプロセッサ29は引抜きアクチュエータ57に電気的負荷を送り、かくして引抜きアクチュエータは収縮してスライダ35を引き寄せ、結局、経皮的部材21がハウジングの第2壁39に向けて移動し、出口ポート18を通してハウジング12に入る。
【0048】
本第1実施例では、経皮的部材21は刺し込み部分25の位置あるいはその付近に配置した図示されない生理学的センサを含み、経皮的部材21を患者の皮膚に刺し込む床の生理学的センサは患者に挿通される。生理学的センサは、斯界に既知の任意の形式のものであり得、また、これに限定するものではないが、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質(agent)への曝露量を含む任意の生理学的状況を監視するために使用することができる。本第1実施例では、インプラントされたセンサが、インプラントされた部分の媒体内の必要な測定値を測定し、その測定値をライン59を介してそれ以降のプロセス処理のためにセンサアセンブリ27に送る。次いでセンサ装置8はこれらの測定値を遠隔制御装置に送り、かくして監視している患者の生理学的状況がアップデートされる。
本発明の第2実施例では、経皮的部材21は中空のカニューラと、センサアセンブリ27にして、このカニューラを通して流体を抜き出し、抜き出した流体を検査のためにセンサに送るための流体抜き出し機構を含むセンサアセンブリ27とを含む。
【0049】
センサ装置8は刺し込み装置43と引抜き装置51の両方を含むことから、経皮的部材は監視時間中の様々な時間に於いて刺し込み及び引抜きを端復するようにプログラムすることが可能である。例えば、ある場合、患者はセンサ装置8を数日間装着し得る。一日の特定の時間に患者の特定の生理学的状況を監視するために、センサ装置はサンプル採取のために特定時間に於いて経皮的部材21を刺し込み、次いでサンプル採取後に経皮的部材21を引き抜くようにプログラムされ得る。これにより、患者の、皮膚中に長い間、経皮的部材21を刺し込まれることの不快感が低減され、また、採取したサンプルが事実採取時のサンプルであって経皮的部材21を患者に刺し込んでいる間の別の時間に採取されたものではないことが保証される。
【0050】
図4には本発明の別の実施例のセンサ装置61が示される。本実施例もまた、センサ装置の種々の要素を収納するためのハウジング12を含んでいる。ハウジング12は、好ましくはこのハウジング12を患者にしっかりと取り付けることができるようにするための接着材16を取り付けた第1壁14を含んでいる。ハウジング12は更に、第1壁14に配置され、本実施例では、鋭端の如き刺し込み部分を有する剛性の中空針の形態を有する投与用経皮的部材63がその配置時に患者の皮膚に刺し込まれ得るようにするための第1出口ポート18aを更に含んでいる。またハウジング12は、第1壁14に配置され、センサ用経皮的部材65がその配置時にハウジング12の内部から患者の皮膚内に駆動され得るようにするための第2出口ポート18bをも有する。
【0051】
センサ用経皮的部材65を通して患者に投与するべき流体を収納するためのカートリッジ165と、投与用経皮的部材63を通して流体をカートリッジ165から駆動するための駆動機構67と、刺し込みアクチュエータ69aと、駆動機構67と刺し込みアクチュエータ69との駆動動作を制御するためのローカルプロセッサ71とが投与用経皮的部材63と関連付けされ且つハウジング12に収納される。センサアセンブリ73と、刺し込みアクチュエータ69bと、センサ用経皮的部材65と関連付けされ且つハウジング12内に収納される。センサアセンブリ73はローカルプロセッサ71の制御下に作動する。
【0052】
刺し込みアクチュエータ69a及び69bは、投与用経皮的部材63及び65の夫々を配置状況下に維持するためのラッチ機構77a及び77bを含んでいる。投与用経皮的部材63及びセンサ用経皮的部材65は、夫々、壁81a及び81bの内側に摺動自在に取り付けたスライダ79a及び79bに夫々連結される。ラッチ機構77a及び77bは、圧縮バネ75a及び75bによりこれらのスライダ79a及び79bに行使される力に抗してこれらスライダ79a及び79bをしかるべき位置に維持する。ラッチ機構77a及び77bはラッチ及び釈放装置(図4には示されない)を含み、ラッチ及びリリース装置は起動されると各ラッチ機構をスライダ79a及び79bか引き寄せて係合を外し、かくして圧縮バネ75a及び75bの圧縮エネルギーが釈放され、これらのバネと関連する投与用経皮的部材63及びセンサ用経皮的部材65は出口ポート18a及び18bの夫々を通して押し出され、患者の皮膚に刺し込まれる。本発明の1実施例では釈放装置は、電気的負荷の影響下に収縮する形状記憶合金あるいは形状記憶ポリマーを含む。然し乍ら、釈放装置のために、圧電アクチュエータ及びソレノイドのようなその他の装置を使用することができる。従って、ローカルプロセッサ71からの夫々の指令を受けるに際して、投与用経皮的部材63及びセンサ用経皮的部材65の何れかあるいは両方が起動され、患者の皮膚中に刺し込まれ得る。詳しくは、遠隔制御装置から刺し込み指令を受けるとローカルプロセッサ71が適宜の釈放装置に電気負荷を送り、この電気負荷により釈放装置が収縮するとラッチがスライダ79a及びあるいは79bとの接触状態から外れ、結局、投与用経皮的部材63及びセンサ用経皮的部材65が第1壁14に向けて駆動され、出口ポート18a、18bをで手患者の皮膚に入り込む。
【0053】
あるいは、ローカルプロセッサ71は、遠隔制御装置からの指令を受けるのではなくむしろ、センサ装置61により検出あるいは監視されたあるパラメータに基づいて投与用経皮的部材63及びセンサ用経皮的部材65の何れかあるいは両方の刺し込みを制御することができる。例えば、ローカルプロセッサ71は、センサ用経皮的部材65を刺し込み、ある時間中のある時間間隔での生理学的パラメータを読み取るようにプログラムすることが可能である。更にはローカルプロセッサは、投与用投与用経皮的部材63が1つ以上の幾つかの要因に基づいてカートリッジ165内に蓄えた流体を投与するために患者に刺し込まれるようにプログラムされ得る。
【0054】
ローカルプロセッサ71は、センサ用経皮的部材65の検出した生理学的パラメータに基づいて投与用経皮的部材63の刺し込みを開始させるようにプログラムされ得る。この場合、センサ用経皮的部材65の監視する生理学的パラメータ値が所定の閾値に達するあるいはそれを越えると、ローカルプロセッサ71が投与用経皮的部材63の刺し込みを開始させ、かくして、監視される生理学的パラメータに関連する状況を処理するための患者への流体の投与が容易化される。例えば、センサ装置の投与用経皮的部材63が、患者の血糖値を監視するセンサ用経皮的部材65を含み、血糖値がローカルプロセッサ71にプログラムした閾値レベル以下に降下すると、ローカルプロセッサ71は投与用経皮的部材63に患者への刺し込みを開始させ、かくして、カートリッジ165に蓄えられたインスリンの患者への投与が容易化される。この態様下に監視され得るその他の生理学的パラメータには、血中ガス量、体温、アレルギー端応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つが含まれ得る。
【0055】
センサアセンブリ73には、患者が曝露される外部環境条件を検出するための、ハウジング12内に収納した環境センサも含まれ得る。この環境条件が所定の閾値あるいはそれを上回る値となると、ローカルプロセッサ71が投与用経皮的部材63の刺し込みを開始させ、かくして、監視された環境条件に関わる状況を処理するための患者への流体投与が容易化される。例えば、もし装置を化学兵器が使用される恐れのある戦闘下の兵士に装着させた場合は、環境センサは兵士が曝露される空気中における特定の化学薬品の出現を監視する。環境センサがそうした化学薬品を検出すると、ローカルプロセッサ71は投与用経皮的部材63を兵士に刺し込ませ、かくして、カートリッジ165に保存しておいた解毒剤の兵士への投与が容易化される。このようにして監視され且つ処理され得るその他の環境パラメータには、気温、気圧、空中酸素量、曝露光の有無、そして、核廃棄物その他の危険な廃棄物の存在が含まれる。
【0056】
あるいは、センサ装置は、環境条件の所定値が見出されたことをこのセンサ装置のハウジング内に含むローカルプロセッサに伝達するためのトランスミッタを含む、環境条件監視用の外部センサアセンブリを含み得る。これにより、単一のセンサアセンブリを使用して、環境条件を監視し、検出した値を本発明のセンサ装置を装着する大勢の人々の各々に伝達することが可能となる。センサ装置は、装置の装着者に対し、所定値の環境条件が検出されたことを知らせる可聴、可視及びあるいは電子的な警報装置をも含み得る。
【0057】
図5Aには本発明の他の実施例のセンサ装置が番号91で示され、ラッチ機構77a及び77bがガス駆動式のアクチュエータを含んでいる。ラッチ機構77aは一点鎖線の円93で囲まれ、図5Bに拡大して例示されるようにラッチ機構77aが含まれる。図5Bに示すように、ラッチ機構77aにはラッチアーム95が含まれ、ラッチアームの遠方端は壁81aを貫いて伸延され、スライダ79aを圧縮バネ75aの力に抗して非配置位置に維持している。ラッチアーム95の近接端はラッチ起動部材97の内部に取り付けられる。ラッチアーム95は、スライダ79aとの接触を維持するために矢印103で示す方向に偏倚されてもいる。ラッチ起動部材97は、ローカルプロセッサ71からの起動指令を受けるとチャンバ101内部でガスを発生させてラッチアーム95の近接端を矢印103と端対方向に押し出し、かくしてラッチアーム95の遠方端を押してスライダ79aとの接触状態から外す。これにより、圧縮バネ75aのエネルギーが釈放されてスライダ79aを押し、投与用経皮的部材63が出口ポート18aを出て患者の皮膚に刺し込まれる。
【0058】
以上の如く、本発明は生理学的パラメータをサンプリングするあるいは測定するために患者の皮膚に刺し込まれる経皮的部材を含む装置を指向するものである。第1実施例ではセンサ装置は患者に刺し込む経皮的部材の端部位置に配置され、サンプリング作動は患者の内部で実施される。他の実施例では経皮的部材は中空のカニューラであり、サンプリング採取される流体はこのカニューラを通して、本発明のハウジング内に位置付けたセンサアセンブリに取り出され、かくしてサンプリング採取はハウジング内部で行われる。本発明は、ハウジング内に格納され、医薬のような流体の投与を容易化するための流体投与装置をも含み得る。流体投与装置の操作は、センサ装置が患者内部の所定の条件を検出した場合に、患者に所定量の関与する流体を投与する指令を流体投与装置に対して発生し得るようにセンサ装置と連係され得る。
【0059】
あるいは本発明は、患者に非流体的な医薬装置を刺し込む目的のためにも使用することができる。そうした実施例では、医薬装置は経皮的部材の端部位置に配置され、次いで患者に刺し込まれる。本発明の経皮的部材に組み込み得る医薬装置の幾つかの例には、皮下に継続的あるいは断続的に配置するペースメーカーリード、徐細動器リード、固形徐放剤、磁気療法のための磁石及びあるいは電磁石、ブラキテラピー用の放射性シード、疼痛管理のための経皮的電気神経刺激(“TENS”)が含まれる。後者の場合、経皮的な刺し込みと、1つ以上のTENS装置の引抜きを容易化するために、複数の経皮的部材と刺し込みアクチュエータとが装置に組み込まれ得る。そうした装置が図40に示され、図示される装置では経皮的部材21の刺通部材に近接して医薬装置925が配置される。経皮的部材21が刺し込まれ、患者の皮膚に医薬装置925が刺し込まれるとこの医薬装置は適宜の治療を患者に対して施すことが出来るようになる。施療は皮膚内に医薬装置925が刺し込まれることによって自動的に開始され得、あるいは治療の開始が制御されるようにプロセッサ29をプログラムすることが可能である。以下に、患者の種々の状況、即ち、患者への流体の投与、患者音皮膚に取り付けたハウジング内に格納した経皮的部材を介して非流体的な医薬装置の刺し込み、の検知を容易化するための本発明の種々の変形例が説明される。以下の各実施例は、先に説明した経皮的部材の刺し込み及び引抜きのための様々な刺し込みアクチュエータを志向するものであり、各実施例はセンサ装置あるいは流体投与装置の何れかとの関連に於いて使用され得る。
【0060】
図6A〜図6Cには、ハウジング12の第2壁の孔28を貫いて伸延する胴部分30を有するプランジャ装置22と、ヘッド部分32と、経皮的部材20が図6Aに示すような配置前段階あるいは第1位置にある時、カニューラ20との摩擦係合を維持する経皮的部材係合部分34と、を含む実施例が示される。プランジャ装置22はさらに、胴部分30に沿って配置した1つ以上のフランジ23を含む。図6Aに示すように、フランジ23は初期状態はハウジング12の外側の配置前段階にあり、プランジャ装置22の、このフランジ23位置での直径がハウジング12の孔28の直径よりも大きくなるようにしている。ハウジング12を患者に取り付けた後、プランジャ装置22のヘッド部分32に図6Aに矢印36で示す方向で圧力を付加することによって経皮的部材が患者の皮膚内に配置される。フランジ23によって胴部分30のこのフランジ位置での直径が孔28の直径よりも大きいことから、フランジを孔28に押し通すための特定の力が必要とされる。1度加えられるこの力は、プランジャ装置22をして第1壁14の出口ポート18を通して経皮的部材を押し出し、患者の皮膚に図6Bに示すように刺し込ませるに充分な大きさのものである。
【0061】
プランジャ装置22のヘッド部分32は、プランジャ装置が図6Bに示すような配置段階、即ち第2位置にあるとき、ヘッド部分32の裏側の、周囲縁部26に沿った部分が、ヘッド部分32の裏側部分にてこ作用による圧力を加えてプランジャ装置22をハウジング12から遠ざけることでプランジャ装置の取り外しを容易化するようにその周囲縁部26がハウジング12に関して配置されるような形態のものとされる。プランジャ装置22の経皮的部材係合部分34は、プランジャ装置が経皮的部材を押して出口ポート18に通し、次いで患者の皮膚に刺し込ませ得るようにし、他方、プランジャ装置22を図6Cに示すようにハウジング12から取り外し得るようにし、また、経皮的部材20が患者の皮膚内に配置されて流体の投与が開始され得るような構成のものとされる。
【0062】
図7A及び図7Bを参照するに、本発明の他の実施例の装置50が示され、遠方端位置に刺通部材56を有する経皮的部材54を含むハウジング52を有している。装置50は、刺し込みアクチュエータ装置60を更に含む。図7A及び図7Bに示されるように、ハウジング52はカニューラ54を通すことができるようには位置した出口ポート64と、出口ポート64と端対側に配置したアクチュエータ用の孔66とを更に含む。刺し込みアクチュエータ装置60は、胴部分72と、ヘッド部分74と、経皮的部材係合部分75と、胴部分72からヘッド部分74に近接して伸延する横方向突起76と、リセットの部78とを含むプランジャ装置70を含む。プランジャ装置70は、このプランジャ装置70が図4Aに示す配置前位置にあるときに圧縮状態下とされるバネ82と共に第2ハウジング80内に収納される。刺し込みアクチュエータ装置60の詳細を示す図7Cを参照して装置50の操作が説明される。図7Cに示されるように、刺し込みアクチュエータ装置60はラッチ機構84を含み、ラッチ機構84はラッチ86と配置レバー88とを含んでいる。ラッチ86は横方向突起76がラッチ86と接触するようにバネ偏倚され、かくしてプランジャ装置70が配置されないようにしている。配置レバー88は、ラッチ86と接触する第1端90と、第2ハウジング80内に伸延する第2端92とを含む。配置レバー88は、第2ハウジング80に取り付ける位置にピボット点94を更に含み、このピボット点94により、配置レバー88の第1端90は、配置レバー88の第2端92に矢印96の方向に於いて力が加えられると第2端92と逆方向に移動することが可能となっている。そうした力が配置レバー88の第2端92に加えられると第1端90が矢印96で示す方向とは逆方向に移動し、ラッチ86がプランジャ装置70の胴部分72から離れる方向に駆動され、かくして横方向突起76が釈放される。横方向突起76が釈放されるとバネ82に蓄えられたエネルギーが釈放され、かくしてプランジャ装置70は矢印98で示す方向に駆動される。
【0063】
再度図7A及び図7Bを参照するに、刺し込みアクチュエータ60はその配置以前において、プランジャ装置70の経皮的部材係合部分75が経皮的部材であるカニューラ54と接触する一方で、プランジャ装置70がハウジング52の壁102及び104と摩擦係合してこの刺し込みアクチュエータ60をハウジング52に関して然るべく位置付けるように、ハウジング52の孔66内に挿通される。配置レバー88の第2端92に力を加えて刺し込みアクチュエータ60を起動させるとラッチ86が横方向突起76から釈放され、プランジャ装置70が矢印98の方向でカニューラ54に力を加える。これによりカニューラは出口ポート64を通して図7Bに示すように患者の皮膚内に刺し込まれる。この時点に於いて、刺し込みアクチュエータ60はハウジング52から取り外し、リセットの部78を矢印98で示す方向と逆の方向に雄と、ラッチ86が横方向突起76の傾斜部分106と再係合し、かくして、プランジャ装置70が図7Cで示す配置前位置に押し戻される間、横方向突起76から離れる方向にラッチ86を付勢する。
【0064】
図7Dには、別態様の装置50aが示され、刺し込みアクチュエータ60aが、図7A〜図7Cを参照して説明される各要素に加えて、主たるハウジング52aの寸法をより小型化し得且つ装置の全体コストを大幅に低減させ得るところの、投与装置エレクトロニクスと無線レシーバとを有している。刺し込みアクチュエータ60aは、患者の皮膚内に経皮的部材をは位置するためにハウジング52aに取り付けられ、別の経皮的部材刺し込み装置と共に使用するために取り外すことができる。多重ハウジング形式のその他の使い捨て性及び半再使用性の形態の実施例が、2002年2月22日に出願された、現在出願中の、“MODULAR INFUSION DEVICE AND METHOD”と題する米国特許出願番号第10/081,394号に記載される。
【0065】
次ぎに図8A及び図8Bを参照するに、本発明の更に他の実施例の装置110が示される。装置110は、刺し込みアクチュエータ120の一部分であるプランジャ装置118が作動することにより駆動された経皮的部材、即ちカニューラ116が通る出口ポート114を有する。プランジャ装置118は、第1端部位置にヘッド部分を有する胴部分122と、第2端部位置にあって、刺し込みアクチュエータ120が図8Aに示す配置前位置にあるときカニューラ116と摩擦係合する経皮的部材係合部分126とを含む。刺し込みアクチュエータ120は、プランジャ装置118のヘッド部分124とハウジング112の、ヘッド部分124とは反対側の壁との間に連結した偏倚バネを更に含む。各図に示すように、プランジャ装置118は刺し込みアクチュエータ120の壁136及び138の間で摩擦係合する。壁138は、プランジャ装置118のヘッド部分124と係合してプランジャ装置118が偏倚バネ128の影響下に矢印140で示す方向に駆動されないようにする突起130を含む。刺し込みアクチュエータ120は、ハウジング112の壁から内側に伸延してプランジャ装置118のヘッド部分124と接触する付勢装置132を更に含む。
【0066】
本実施例では、ハウジング112の、付勢装置132に近接する少なくとも壁部分131が変形性材料から構成され、かくして、付勢装置132が連結されるところのこの壁部分131に矢印142の方向で力を付加すると、付勢装置132が同様の力を矢印142の方向でプランジャ装置118のヘッド部分124に加え、このヘッド部分124を突起130から離間させ、かくして偏倚バネ128が脱負荷される。これにより、プランジャ装置118とカニューラ116とが矢印140の方向に駆動され、刺通部材144が図8Bに示すように患者の皮膚に刺し込まれる。
【0067】
図9には、本発明の他の実施例における装置150が示される。装置150は、ハウジング152と、図8A及び図8Bを参照して説明した刺し込みアクチュエータ120と類似の刺し込みアクチュエータ153とを含む、従って、刺し込みアクチュエータ153の、刺し込みアクチュエータ120と同じ各要素は図8A及び図8Bで使用するそれと同じ参照番号を使用して説明される。図9に示されるように、刺し込みアクチュエータ153は、ヘッド部分124と、経皮的部材係合部分126とを含むプランジャ装置118を含む。プランジャ装置118は壁136と138との間で摩擦係合し、壁138は、プランジャ装置118のヘッド部分124と係合してプランジャ装置118が図9では圧縮され係合する状態で示す偏倚バネ28によって矢印140の方向に駆動されないようにする。刺し込みアクチュエータ153は、プランジャ装置118のヘッド部分124と接触する第1端155と、ハウジング152の壁162の変形性部分160と接触する第2端156とを有するレバー154を含む。レバー154はピボット点158の位置でハウジング152にピボット廻動自在に取り付けられ、ハウジング152の変形性部分160に矢印140の方向で力を加えると、レバー154の第1端155がプランジャ装置118のヘッド部分124を壁138の突起130から離す方向に付勢し、かくして、偏倚バネ128がプランジャ装置118を矢印140の方向に駆動することが可能となり、カニューラ116が出口ポート114を通して患者の皮膚内に刺し込まれる。
【0068】
図10Aには本発明の他の実施例の装置170が示され、ハウジング172と、図10Bに示される刺し込みアクチュエータ174とを含んでいる。図示されるように、装置170は、ハウジング172の壁176と178との間に配置した経皮的部材175を含む。刺し込みアクチュエータ174は、連結要素182により付勢装置184に連結したプルタブ180を含む。付勢装置184は、壁176と178との間部分の距離よりも広い幅寸法を有し、付勢装置184が壁176と178との間に入り込むあるいは引っ掛かるのを防止する。プルタブ180を矢印190の方向に引くと連結要素182が付勢装置184を壁176と178との外側傾斜部分191に沿って引き寄せ、かくして、初期状態で壁176と178との間に載置されている経皮的部材175が図10Dに示すように矢印192の方向に駆動され、図示されない出口ポートに通され、次いで患者の皮膚に刺し込まれる。
【0069】
図11A〜図11Eには更に他の実施例の装置200が例示され、ハウジング202と、図11Aでは平ストリップ204aとして示され、図11Bではリングとして示されるプルタブ204bとを含む。本明細書で説明するカニューラを配置するために、任意の形式のプルタブを本発明との組み合わせ上使用することができる。装置200は、装置200の起動時に患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を含む遠方端と、経皮的部材206を図11Bに示す位置に偏倚させるコイル圧縮バネの偏倚バネ208と、第1端位置でハウジングに固定され、経皮的部材206と接触する第2端を有する板バネ210にして、偏倚されると矢印214の方向で経皮的部材206に力を付加する板バネ210とを含む。プルタブ204bは、図11Bに示すようにその初期状態に於いては板バネ210を図11Bに示す位置に保持し、かくして経皮的部材206を偏倚バネ208の偏倚力負荷下の第1位置に維持する延長部材212を含む。カニューラを駆動して患者の皮膚内に刺し込むためには、プルタブを矢印220の方向に引いて延長部材212により板バネ210を釈放させて板バネのエネルギーを釈放し、これにより経皮的部材を矢印214の方向に駆動し、結局、経皮的部材206の刺通部材205を患者の皮膚に刺し込む。
【0070】
板バネ210の偏倚力は圧縮コイルバネ208の偏倚力よりも大きいので、板バネ210は圧縮コイルバネ208を圧縮しつつ矢印214の方向にカニューラ206を移動させることができる。図11Dに示すように、カニューラ206が患者の皮膚内に完全に挿通されると偏倚バネ208は完全に圧縮される。この時、板バネ210はその移動端部に達するが、この移動端部位置では板バネ210の第1端と第2端との間の長さがカニューラ206と接触するには足りなくなり、かくしてカニューラ206との接触状態から外れる。カニューラ206が板バネ210から釈放されることにより、偏倚バネ208はそのエネルギーを釈放し、、かくしてカニューラ206は矢印214と反対方向に移動し、その第1位置に復帰する。本実施例は詳細を以下に説明する用途、即ち、柔軟な可撓性のカニューラを剛性のカニューラ206の周囲に配置し、剛性のカニューラ206が偏倚バネ208によりその第1位置に強制復帰されると可撓性のカニューラが患者の皮膚内に維持されるような用途において有用である。
【0071】
図12A〜図12Cを参照するに、本発明の更に他の実施例における装置230が示され、出口ポート236を有するハウジング232を含んでいる。ハウジング232内にはカニューラ234が包入され、カニューラ234は図12A及び部分拡大した図12Bでは第1位置において示されている。装置230は更に、ピボット点242の位置でハウジング232に取り付けられ、その長さ方向の番号244の位置でカニューラ234に取り付けたロッド240を含む。刺し込みアクチュエータが、ロッド240を図12Aに示す第1位置に維持するためにロッド240の端部249と接触するラッチ248を有するラッチ機構246を含んでいる。ロッド240とハウジング232との間に偏倚バネ250が連結される。偏倚バネ250はロッド240がその第1位置に有るとき圧縮された負荷状態とされ、かくしてロッドをラッチ248に押し付ける。ラッチ機構246は電動式のラッチアクチュエータ252を更に含む。ラッチアクチュエータは印加されるとラッチ248をロッド240の端部262から引き離してロッド240及びカニューラ234を偏倚バネ250による負荷下に矢印254の方向に移動させ、図12Cに示す第2位置に持ち来す。ラッチアクチュエータ252は、ローカルプロセッサからの、好ましくは先に説明したようなリモートプロセッサからの指令により開始されるところの指令信号に基づいて印加される。好ましい実施例ではラッチアクチュエータ252は、印加の影響下に収縮する形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーからなる。しかしながら圧電アクチュエータ及び圧電ソレノイドのようなその他の装置をラッチアクチュエータ252のために利用することができる。
【0072】
図13には本発明の他の実施例としての装置260が示される。装置260は、ハウジング262と、出口ポート263と、カニューラ264とを含む。本実施例ではカニューラ264は、ハウジング263から移動される際に撓みを生じ得るよう、半剛性材料から構成される。ハウジング262は、カニューラ264を、図示される方向からハウジング262に関して出口ポート263を貫く際に約15〜90°偏倚させるカニューラ案内部分267を含む。図13に示されるように、カニューラ264の主胴部はハウジング262の第1壁265と実質的には平行に配置される。装置260は更に、ラッチ275と、ハウジング262の第1突起269とカニューラ264のフランジ270との間に連結した偏倚バネ268とを含むラッチアセンブリ266を含む。図13に示す配置前段階において、偏倚バネ268は圧縮されて負荷状態にあり、この負荷状態下にカニューラ264のフランジ270をラッチ275との接触状態に維持する。ラッチアセンブリ266は、図7Aを参照して説明したような手動起動装置、或いは、図12Aを参照して説明したような電気駆動装置を含み得る。何れにせよ、ラッチアセンブリ266を起動すると、ラッチ275がフランジ270との接触状態から外れ、偏倚バネ268のエネルギーが釈放され、カニューラ264が出口ポート263を貫いて移動して患者の皮膚内に刺し込まれる。偏倚バネ268が脱負荷されるに従い、カニューラ264の主胴部が矢印272で示す方向に移動し、他方、カニューラの遠方端274が、ハウジング262のカニューラ案内部分267により第1壁265の方向に刺し向けられる。先に説明したように、カニューラ案内部分267はカニューラ264の、実質的に平行な運動(第1壁265に関しての)を、この平行運動に関し概略15〜90°の角度方向の運動に変換し、かくしてカニューラの遠方端274をして出口ポート263を貫いてハウジング262の方向に向かわせる。
【0073】
図13のカニューラ案内部分267はハウジング262の外側にカニューラを案内する間カニューラを偏倚させる湾曲チャンネルとして示されるが、カニューラ案内部分267は角度付けした1つ以上の平坦な偏倚表面若しくは任意の好適な含内容構成部品の組み合わせとすることが可能である。また、好ましい実施例ではカニューラは15〜90°の角度、その初期の平衡法幸運同に関して偏倚され得るが、装置のカニューラ案内部分は、15°未満或いは90°以上の角度において、前記初期の平行方向運動に関して偏倚させるような構成のものとすることができる。本発明の装置の多くの用途において、患者の皮膚に挿通した可撓性のカニューラを介し、装置からの流体を患者に投与することが好ましい。可撓性のカニューラは、患者が活動可能で、皮膚に剛性のカニューラを配置した場合は患者が動くと不快感或いは痛みを生じさせ得るような場合は特に、これを患者の皮膚内に維持した場合の快適性が剛性の針におけるそれよりも高い。しかしながら、可撓性のカニューラはそれ自体によって患者の皮膚に刺し込むことが出来ないことから、これを剛性のカニューラと組み合わせ、可撓性のカニューラを患者の皮膚に刺し込みやすくする。
【0074】
以下に説明する実施例の装置は、鋭端な刺通部材を可撓性の経皮的部材あるいはカニューラと組み合わせて成る、医療等級のシリコーン、PVCその他の好適な材料から成り得る剛性或いは半剛性のカニューラを含んでいる。これらの実施例では、剛性のカニューラは可撓性のカニューラのルーメン内に配置される。剛性のカニューラは流体をそこに通して送達するために中空であり得、或いは、中実のものであり得る。流体は可撓性のカニューラのルーメンを通し、剛性のカニューラの周囲を送られる。
【0075】
これらの実施例では剛性のカニューラの刺通部材が先ず患者の皮膚内に刺通され、次いで可撓性のカニューラが刺通部材により皮膚内に挿通される。次いで剛性のカニューラの刺通部材が可撓性のカニューラ内に引き込まれ、かくして可撓性のカニューラが患者と刺通部材との間のクッションとして作用する。刺通部材はハウジング内でその原位置、原位置と配置位置との間の位置、あるいは原位置よりも更に遠い配置位置、に引き込まれ得る。剛性のカニューラの、原位置と配置位置との間の位置は、剛性のカニューラが、ハウジングと患者の皮膚との間で可撓性のカニューラに生じ得るねじれを防ぐうえで役立つことから好ましい。
可撓性のカニューラが剛性のカニューラに沿ってに引き込まれないことを保証するために、可撓性のカニューラあるいは出口ポートの何れかの内部に保持装置を設け、剛性のカニューラを引き込む際に可撓性のカニューラをその完全配置位置に維持させるようにすることができる。可撓性のカニューラが保持装置を含む装置の一例が図14A〜図14Cに示される。これらの図では、流体装置の、保持装置に係わる関連部分のみが示される。
【0076】
図14Aには可撓性のカニューラ280と、可撓性のカニューラ280のルーメン内に配置した剛性のカニューラ282とが示される。図14Aに示すように、刺通部材285が第1壁284の出口ポート286に近接して配置されている。図示されるように、出口ポート286は装置の外側でテーパ付けされている。この実施例では可撓性のカニューラ280は保持装置288を含み、本実施例では保持装置は環状縁部形態で示されている。剛性のカニューラ282と可撓性のカニューラ280とを出口ポート286に押し込むと、保持装置288も出口ポート286に押し込まれる。図示されるように、保持装置288により可撓性のカニューラ280の幅は出口ポートよりも幅広くなる。剛性のカニューラ282を矢印290方向に引き込むと、図14Cに示すように、可撓性のカニューラ280が、保持装置288が出口ポート286と接触することで剛性のカニューラ282と共に引き込まれるのが防止され、かくして図14Cに示すように配置位置に維持される。上述した如く、剛性のカニューラ282は図14Cに示すようにその配置前の原位置に引き戻される。あるいは剛性のカニューラ282は、配置位置と配置前位置との間の位置、或いは、配置前位置よりも配置位置から遠い位置に引き込まれ得る。
あるいは保持装置は、可撓性のカニューラに位置付けた1つ以上のバーブと、出口ポートの内部に直接位置付けた1つ以上のバーブ、若しくは、可撓性のカニューラ及び出口ポートの療法に位置付けた1つ以上のバーブを含み得る。
【0077】
図15A及び図15Bには、他の実施例の装置300が示される。装置300はハウジング302と、カニューラアセンブリ304と、刺し込みアクチュエータ306と、出口ポート308とを含む。刺し込みアクチュエータ306は、胴部312と、配置ノブ314と、カニューラ係合部分316とを有するプランジャ装置310を含む。胴部312とハウジング302との間には偏倚バネ320が連結される。図12Aに示す配置段階において、偏倚バネ320は脱負荷状態とされる。図15Aには明瞭には示されないが、カニューラアセンブリ304は可撓性のカニューラ321のルーメン内に配置した剛性のカニューラ282を含んでいる。可撓性のカニューラ321は、可撓性のカニューラの遠方端322を可撓性のカニューラ321の残余部分とは無関係にハウジングから伸延させ得るベローズ部分318を含む。図15Aの配置前段階において、このベローズ部分318は圧縮され、可撓性のカニューラ321の遠方端322はハウジング302の内部に位置付けられる。
【0078】
患者の皮膚内への可撓性のカニューラの配置は以下のようにして行なう。ハウジングを患者に取り付けた後、患者あるいはその他の患者が刺し込みアクチュエータ306の引きノブ314を矢印324の方向に押し込む。これによりカニューラアセンブリ304が出口ポート308を通して、図14A〜図14Cを参照して先に説明したように患者の皮膚内に駆動される。プランジャ装置310がその移動端に達し、剛性のカニューラ282と及び可撓性のカニューラ321とが患者の皮膚内に刺し込ませると偏倚バネ320が伸張して負荷状態となる。かくして、引きノブ314を釈放すると偏倚バネ320が脱負荷状態とされ、カニューラアセンブリ304がハウジング302の内部に引き込まれる。しかしながら、可撓性のカニューラ或いは出口ポート308内の何れかに保持装置が配置されることから、可撓性のカニューラ321の遠方端322は図12Bに示す配置位置に維持され、ベローズ部分318は完全に拡張され、かくして剛性のカニューラが、可撓性のカニューラ321の遠方端322をも引き込むことなく引き込まれ得る。装置の特定設計形状に依存して、前記配置位置では剛性のカニューラを、配置前位置と同じ位置、配置前位置と配置位置との間の位置、或いは配置前位置よりも配置位置から遠い位置に引き込ませることができる。
【0079】
図16A〜図16Cには本発明の他の実施例における装置350が示され、出口ポート358を第1壁360に有するハウジング352と、経皮的部材のアセンブリとを含み、経皮的部材のアセンブリは、ベローズ部分356を有する可撓性の経皮的部材354と、保持装置357と、可撓性のカニューラ354のルーメン内に配置した剛性のカニューラ(図示せず)と、刺し込みアクチュエータ362とを含んでいる。刺し込みアクチュエータ362は、胴部366と、カニューラ係合部分368と、横方向突起370とを含むプランジャ装置364を含む。刺し込みアクチュエータ362は更に、配置ラッチ機構372と、引込みラッチ機構374とを含む。配置ラッチ機構372は、配置部材378を配置バネ380の偏倚力に抗して配置前位置に維持するためのラッチ376を含む。配置ラッチ機構372は更に、好ましくは形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーの形態のものである起動装置382を含む。引込みラッチ機構374は、引込み部材386を引き込みバネ388の偏倚力に抗して配置前位置に維持するためのラッチ384を含む。引込みラッチ機構374は更に、好ましくは形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーの形態における起動装置390を含む。
【0080】
図16Bに示すように、起動装置382を印加するとラッチ376が配置部材378との接触状態から引き離され、配置バネ380が配置部材378を横方向突起370に押し付けつつそのエネルギーを釈放し、かくして、プランジャ装置364を配置位置に持ち来す。図16Bに示す配置位置では、可撓性のカニューラ354と、刺通部材392を含む剛性のカニューラとが、共に患者の皮膚内に刺し込まれる。この位置において、保持装置357が出口ポート358を超えて移動され、若しくは出口ポート258の内部に保持される。
カニューラが図16Bに示す配置位置に到達した直後に、引込みラッチ機構374の起動装置382が印加され、かくしてラッチ376が引込み部材386との触状態から引き離され、引込みバネ388がそのエネルギーを釈放しつつ配置部材378を横方向突起370に押し付け、かくしてプランジャ装置364を配置位置から図13Cに示す配置後位置に押しやる。保持装置357は可撓性のカニューラ354をそのは一々に維持し、かくして、図16Cに示す配置後位置では可撓性のカニューラ354のべローズ部分356は伸張され、剛性のカニューラはその配置前位置に引き込まれる。
【0081】
図16Cに示すように、ベローズ部分356は、拡張することにより剛性のカニューラを引き込ませ、他方、可撓性のカニューラをしかるべき位置に維持することができる。従って、他の実施例ではベローズ部分356を、剛性の刺通体をして可撓性のカニューラの配置後位置を移動させることなく引き込ませ得る任意形式の構成部分と置き換え可能である。そうした構成部分の一例は、剛性のカニューラの外径部と、可撓性のカニューラの内径部との間に配置した摺動ジョイントである。その他の構成部分は当業者に明らかである。
【0082】
図17A〜図17Dには、図16A〜図16Cに示す装置350と類似の装置400が示される。装置400では引込みラッチ機構は自動作動され、従って第2の起動装置は不要である。かくして、本実施例の、図16A〜図16Cに示す装置と類似の構成要素は同じ参照番号を用いて参照される。装置400は、第1壁360に出口ポート358を有するハウジング352と、ベローズ部分356及び保持装置357を有する可撓性のカニューラ354と、可撓性のカニューラ354のルーメン内に配置され刺し込みアクチュエータ362を有する剛性のカニューラ(図示せず)とを含む。刺し込みアクチュエータ362は、胴部366と、カニューラ係合部分326と、横方向突起370とを含むプランジャ装置364を含む。刺し込みアクチュエータ362は更に、配置ラッチ機構372と、引込みラッチ機構402とを含む。引込みラッチ機構402は、配置部材378を配置バネ380の偏倚力に抗して配置前位置に維持するためのラッチ376を含む。配置ラッチ機構372は更に、好ましくは形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーの形態の、先に説明した如き起動装置382を含む。引込みラッチ機構402は更に、ラッチ404を図17Aに示す位置に偏倚させ、ラッチ404を保持部材406と接触させるラッチバネ410を含む。
【0083】
図17Bに示すように、起動装置382に印加するとラッチ376が配置部材378との接触状態から引き離され、配置部材378がそのエネルギーを釈放しつつ配置部材378を横方向突起370に押し付け、かくしてプランジャ装置364を配置位置に押しやる。図16Bに示す配置位置では可撓性のカニューラ354と、刺通部材392を含む剛性のカニューラとは共に患者の皮膚に刺し込まれ、保持装置357は出口ポート358を越えて移動されるか或いは出口ポート358内に保持される。
図17Cには図17Bの番号412の部分の詳細が示される。図17Cに示されるように、プランジャ装置364の横方向突起370は、この横方向突起370上に位置決めした傾斜ランプ部分414を含み、かくして、プランジャ装置364が図17Bで示す配置位置に達すると傾斜ランプ部分414がラッチ404を付勢して保持部材406との接触状態から外し、引込みバネ408が脱負荷状態とされてプランジャ装置を図17Dに示す配置後位置に引き込む。保持装置357は可撓性のカニューラ354をその配置位置に維持し、かくして、図17Dに示す配置後位置ではベローズ部分356が伸張され、剛性のカニューラが配置前位置に引き込まれる。
他の実施例ではベローズ部分356を、剛性の刺通体をして可撓性のカニューラの配置後位置を移動させることなく引き込ませ得る任意形式の構成部分と置き換え可能である。そうした構成部分の一例は、剛性のカニューラの外径部と、可撓性のカニューラの内径部との間に配置した摺動ジョイントである。その他の構成部分は当業者に明らかである。
【0084】
図18には他の実施例としての装置420が示される。本実施例及び以下に続く幾つかの実施例では、刺し込みアクチュエータ及びカニューラアセンブリのみが図示され且つ説明される。理解されるように、これらの実施例に関して説明される刺し込みアクチュエータ及びカニューラアセンブリは先に説明したそれと類似のハウジング内に格納される。カニューラアセンブリ422は、ベローズ部分426と、保持装置428とを有する可撓性のカニューラ424を含む。刺通部材430を有する剛性のカニューラが可撓性のカニューラ424のルーメン内に配置される。刺し込み装置432は、付勢装置438に連結した駆動軸436のための駆動機構434を含む。駆動機構434は、モーター、バネ、或いは、駆動軸436を少なくとも1回転させ得る任意の装置を含み得る。本実施例では付勢装置438は円盤形態を有し、駆動軸436は円盤の中心からオフセットされた位置で付勢装置438に連結される。駆動機構434が起動され駆動軸436が回転すると、付勢装置438の、駆動軸436とは反対側の部分がカニューラアセンブリ422を先に説明した配置位置に押しやる。好ましい実施例ではカニューラアセンブリ422は図18に示す配置前位置に偏倚され、かくして、付勢装置がカニューラアセンブリ422を配置位置に押し、引き続き回転することによりカニューラアセンブリはこのカニューラアセンブリに連結した偏倚手段の偏倚力下にその配置前位置に復帰する。説明した如く、ベローズ部分426及び保持装置428が、可撓性のカニューラ424をその配置位置に維持しつつ、剛性のカニューラ及び刺通部材430を引き込み可能とする。
【0085】
図19には図15の装置420と類似の実施例としての装置440が示される。しかしながら、本実施例では付勢装置442は、カニューラアセンブリをこの付勢装置442との接触状態に維持するための保持装置444を含んでいる。軸を完全に回転させるのではなくむしろ、図示の如く予め巻いたバネであり得るところの駆動機構446、双方向モーター、その他の駆動手段が、付勢部材を矢印448で示す方向に1/4回転させ、カニューラアセンブリを配置位置に移動させ、更に、矢印448と反対方向に1/4回転させてカニューラアセンブリを配置前位置に引き込む。説明したように、ベローズ部分426及び保持装置428が、カニューラアセンブリを配置位置に維持しつつ、剛性のカニューラ及び刺通部材430を引き込み可能とする。
【0086】
図20A及び図20Bには、他の実施例としての装置450が示され、カニューラアセンブリ456に結局連結される力変換器454に連結した駆動機構452を含んでいる。好ましい実施例では駆動機構452は、レバーアーム462の突起460が力変換器454の長孔464内に挿通される前に負荷状態とされる捻りバネを含んでいる。図20Bはそうした形態の装置450の側面図が示される。捻りバネ458が釈放されるとそのレバーアーム462と突起460とが矢印466方向に回転し、突起460が力変換器とカニューラアセンブリ456とを、最初の45°の回転角度の間、矢印468方向に移動させる。かくして、剛性のカニューラと可撓性のカニューラとが患者の皮膚内に刺し込まれる。次いで第2の45°の回転角度の間、力変換器454とカニューラアセンブリ456とを矢印468方向と反対方向に回転させ、剛性のカニューラが引き込まれる。可撓性のカニューラはベローズ部分と保持装置との助成下にその配置位置に維持される。
【0087】
図21A〜図21Cには他の実施例としての装置470が示され、ハウジングの部分474にバネ476により連結した付勢装置472を含んでいる。カニューラアセンブリ478は、ベローズ部分480と、好ましくは保持装置482とを有する可撓性のカニューラを含んでいる。可撓性のカニューラは可撓性のカニューラのルーメン内に配置される。カニューラアセンブリ478は、図示されるように、剛性のカニューラ及び可撓性のカニューラにおける曲げ部分を含み得る突起484を含む。図21Aに示す配置前位置ではバネ476が図示しないラッチアセンブリによってその負荷状態に維持され、かくして、付勢装置472が突起484の一方の側に位置決めされる。バネ476を脱負荷状態とすると付勢装置472が矢印486の方向に移動する。付勢装置472はハウジング内で、バネ476が脱負荷されるに従いその移動平面内に維持されるように取り付けられ且つ構成される。付勢装置472が突起484に接触すると付勢装置が突起に力を行使し、カニューラアセンブリ478を配置前位置から矢印488方向に移動し、配置位置に持ち来す。付勢装置472が突起484を超えると、配置前位置に偏倚されていたカニューラアセンブリが図21Cに示すように矢印488で示す方向において配置位置から配置前位置に移動する。可撓性のカニューラはベローズ部分及び引き込み装置の助成下にその配置位置に維持される。
【0088】
更に他の実施例では、可撓性のカニューラを配置位置に維持し、一方、剛性のカニューラを引き込み得るようにするために、可撓性のカニューラの、患者に刺し込む側と反対側の端部がシール部分として構成される。シール部分として構成される端部は剛性のカニューラと共に流体シールを形成し、この流体シールが、剛性のカニューラをして可撓性各カニューラ内を移動しつつ、装置の流体一体性を維持し、また保持装置をして可撓性のカニューラを配置位置に保持可能とする。
【0089】
図22及び図23には、この形式のカニューラアセンブリを用いる2つの実施例が示される。図22の実施例の装置490は、可撓性のカニューラ内に剛性のカニューラを有するカニューラアセンブリ492を含む。各カニューラは装置のハウジング494の内部に取り付けられる。剛性のカニューラはハウジング494から伸延するヘッド部分496を含む。ヘッド部分496とハウジング494の壁500との間には、カニューラアセンブリ、配置前位置であるところの図示された位置に偏倚する復帰バネが取り付けられる。ハウジング494の一体性を保護するための随意的な膜502を、カニューラアセンブリを覆って取り付けることができる。作動に際し、カニューラアセンブリのヘッド部分が矢印503方向に押され、これにより可撓性のカニューラと剛性のカニューラの刺通部材504とが出口ポート506の外側に移動し、かくして患者の皮膚に刺し込まれる。ヘッド部分496を釈放するとバネ498が脱負荷状態とされ、かくして剛性のカニューラが矢印503と反対方向に移動される。しかしながら、可撓性のカニューラはこの可撓性のカニューラに取り付けた保持装置の助成下に配置位置に然るべく維持され、一方、剛性のカニューラは引き込まれる。
【0090】
図23には、カニューラ案内体512の内部にカニューラアセンブリ514を配置した装置510が示される。刺し込みアクチュエータ516が、カニューラ案内体512を通して矢印520方向にカニューラアセンブリ514を移動させるための配置バネ518と、図示しないハウジングと剛性のカニューラとの間に連結した引込みバネ522とを含んでいる。配置バネ518がその移動端部に達すると、配置バネとカニューラアセンブリ514及び負荷状態の引き込みバネ522との接触状態が外れ、かくして引込みバネが脱負荷状態となり、剛性のカニューラが矢印520と反対方向に引っ張られる。装置に関連する保持装置が可撓性のカニューラを配置位置に維持し、一方、剛性のカニューラを引き込む。
【0091】
図24A〜図24Dには、カニューラアセンブリ534と、配置バネ536とを含む第2ハウジング532を含む実施例としての装置530が示される。配置前位置では配置バネ536は圧縮された負荷状態にあり、図示しないラッチ機構により負荷状態に保持される。カニューラアセンブリの可撓性のカニューラ541が第2ハウジング532の内部に格納され、剛性のカニューラがハウジング542に挿通され、ポート538を通して可撓性のカニューラ541内に挿通され、かくして、剛性のカニューラの刺通部材と、可撓性のカニューラの遠方端とが出口ポート540に近接される。ラッチ機構を釈放すると配置バネ536が脱負荷状態とされ、可撓性のカニューラ541を含むカニューラアセンブリを出口ポート540を通して移動させ、患者の皮膚に刺通させる。この配置位置は図24Bに示される。次いで第2ハウジングはハウジング542から取り外され、図24C及び図24Dに示すように廃棄され、あるいは次回使用のために再取り付けされる。
【0092】
図25A〜図25Cには他の実施例としての装置544が示され、カニューラアセンブリ550と、図示しないハウジングとの間に連結した配置バネ546と、図25Aに示す前負荷状態下の引込みバネ548とを含んでいる。配置バネ546を釈放するとカニューラアセンブリが矢印552方向に移動して患者の皮膚に刺し込まれる。配置バネ546がその移動端部に達するとカニューラアセンブリ550が引き込みバネ548と接触し、一方、配置バネ546が図25Bに示すようにカニューラアセンブリ550との接触状態から外れる。次いで引き込みバネ548が動作し、かくしてカニューラアセンブリ550が矢印552と反対方向に移動して図25Cに示す如く剛性のカニューラを引き込み、一方、可撓性のカニューラは配置位置に維持される。
【0093】
図26A〜図26Hには他の実施例としての装置560が例示され、装置560は、図26Aに示すように、ハウジング562と、刺し込み起動装置564と、カニューラアセンブリ566とを含んでいる。図26Bに示すように、刺し込み起動装置564は、配置突起570と、引込み突起572とを有する起動タブ568を含む。図26Bでは見えない配置バネが引込みバネ574の内部に配置され、かくして配置バネの長手方向軸引込みバネ574の長手方向軸と一致する。カニューラアセンブリ566は、このカニューラアセンブリの近接端位置でヘッド部分578に連結した剛性のカニューラ576を含む。可撓性のカニューラ580は、剛性のカニューラ576の上部に配置され、摺動シール部分を含んでいる。摺動シール部分は、剛性のカニューラ576を可撓性のカニューラに関して移動可能としつつ、これら各カニューラ間の流体シールを維持することができる。配置バネと引込みバネ574とは、引込み突起572に近接する側の各端部位置で相互に連結される。引込みバネ574の遠方端は図示しない保持部材により、カニューラアセンブリに向けての移動が防止される。あるいは、剛性のカニューラ576を可撓性のカニューラ580とは無関係に引き込み得るようにするために、可撓性のカニューラ580が、摺動シール部分に代えて先に説明したようなベローズ部分を含み得る。剛性のカニューラと可撓性のカニューラとの間の独立移動を可能とするその他の実施例は当業者に明らかである。
【0094】
装置560の作動は、起動タブ568を矢印584方向に引くことにより開始される。配置突起570が引き込み突起572よりも短いことから、図26Dに示す如く、前記配置突起570により負荷状態に保持される配置バネ586が脱負荷状態とされ、カニューラアセンブリ566のヘッド部分578を矢印588方向に移動する。これにより、ヘッド部分578が可撓性のカニューラをハウジング562の出口ポートを貫いて移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませる。
配置突起570と引込み突起572との間の長さの差は、引込みバネ574が引き込み突起572により釈放される以前に配置バネ586が実質的に完全に脱負荷状態とされ得るようなものである。引込みバネ574が図26F〜図26Gに示すように引き込み突起572により釈放されると引込みバネ574は脱負荷状態とされ、かくして、この引込みバネ574が連結されるところの配置バネ586の端部に力を行使する。保持部材を設けたことにより、引込みバネがヘッド部分578と剛性のカニューラ576とを矢印588方向と反対方向に移動させる。図26Hに示すように、配置バネ586と引込みバネ574とを共に、先に説明したように脱負荷状態とすると、可撓性のカニューラ580が患者の皮膚に刺し込まれ、剛性のカニューラ576とその刺通部材とが、可撓性のカニューラの内部の、この可撓性のカニューラ580の配置位置と、図26Bに示す配置前位置との間の任意の位置であり得るところの位置に引き込まれる。あるいは剛性のカニューラ576は、前記配置前位置よりも配置位置から離れた位置に引き込まれえる。可撓性のカニューラ580は、この可撓性のカニューラ580と出口ポートの何れか或いは両方に配置した1つ以上のとげ状部分であり得る保持装置により、配置位置に保持される。
【0095】
あるいは、保持装置は、可撓性のカニューラが配置位置に到達するとこの可撓性のカニューラの摺動シール部分582と接触するところの干渉部材にして、剛性のカニューラ576が引き込まれた際に可撓性のカニューラ580を配置位置に維持する干渉部材を含み得る。そうした形態は、配置バネ586と、ヘッド部分578と、可撓性のカニューラ580とが示される図24に示される。カニューラアセンブリ566が配置位置に到達すると、干渉部材590が可撓性のカニューラの摺動シール部分582と接触し、かくして、可撓性のカニューラ580を配置位置に維持し、一方、剛性カニューラ576とヘッド部分578とが引き込まれる。
【0096】
図28A〜図28Eには他の実施例としての本発明の装置600が示され、ハウジング602と、刺し込み起動装置604と、カニューラアセンブリ606とを含んでいる。刺し込み起動装置604は、カム部分608と、フォロワ部分610とを有するカムフォロワアセンブリを含む。カニューラアセンブリ606は、可撓性のカニューラ612の内部に配置した剛性のカニューラ614を含み、これら各カニューラは何れも、前記フォロワ部分610がそこに沿って摺動するところのスリーブ616の内部に配置される。スリーブ616はピボット618の位置でハウジング602に取り付けられ、第1壁620の方向に偏倚される。刺し込み起動装置604は更に、ピボット618とフォロワ部分610との間に取り付けたバネ622を含む。図28A及び図28Bに示す配置前位置では、フォロワ部分610は刺し込み起動装置604の第1傾斜ランプ部分624上に配置され、図示されないラッチ機構によりピボット618に関して図示される位置に維持される。ラッチ機構を釈放するとバネ622は脱負荷状態とされ、フォロワ部分610を第1傾斜ランプ部分624に沿って移動させ、図28Cに示すカム部分608の内部に進入させる。フォロワ部分がカム部分内に摺動して入り込むと、カニューラアセンブリ606が第1壁620に向けて移動され、出口ポート628を貫いてハウジング602を出、図28Dに示す如く患者の皮膚に入り込む。フォロワ部分610は、バネ622により移動され続けるとカム部分608に追随して移動し、第2傾斜ランプ部分626に達する。フォロワ部分610が第2傾斜ランプ部分に入るとカニューラアセンブリ606が第1壁620から持ち上げられ、かくして剛性のカニューラ614を引き込む。可撓性のカニューラ612は図28Eに示す配置位置に維持され、一方、剛性のカニューラ614は出口ポート628と、図示しない引込み防止装置との間の締まり嵌め作用により、先に説明した如く引き込まれる。何れも先に説明したようなベローズ部分或いは摺動ジョイントを可撓性のカニューラと関連して使用し、剛性のカニューラを可撓性のカニューラとは別個に引き込ませることが可能である。
【0097】
図29A〜図29Eには、本発明の他の実施例としての装置640が示され、図29Aに示すように、ハウジング642と、刺し込み起動装置644と、カニューラアセンブリ646とを含んでいる。刺し込み起動装置644は、図29Bに示す如く、配置ヨーク630と、バネ652と、ラッチ機構654とを含む。バネ652は好ましくは捻りバネであり、その一端がハウジング642に取り付けられ、他端が配置ヨーク650に取り付けられる。図29Bに示す配置前位置では、捻りバネ652はラッチ機構654により負荷状態に維持される。
カニューラアセンブリ646は、その近接端を配置ヨーク650に連結した剛性のカニューラ656と、剛性のカニューラ656が貫いて伸延するところのシール部分660を有する可撓性のカニューラ658とを含む。ラッチ機構654は機械式ラッチ若しくは、印加されることにより収縮する形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーから形成した電動式ラッチ形態のものであり得る。
【0098】
ラッチ機構654を起動させるとバネ652が釈放されて脱負荷状態となる。バネ652は、脱負荷状態とされる際に配置ヨーク650を、カニューラアセンブリ646に沿って矢印662の方向に移動させる。これにより、カニューラアセンブリは出口ポート664を貫いてハウジング642を出、図29Cに示すように患者の皮膚に入り込む。バネ652が、配置ヨーク650に連結した側の端部を回転させることで脱負荷状態となるに従い、剛性のカニューラ656と可撓性のカニューラ658とが患者に私通された後、配置ヨーク650を矢印662と反対方向に移動させ、出口ポートから遠ざけ、かくして、図29Dに示すように剛性のカニューラ658を引き込む。可撓性のカニューラ658は、先に説明したような保持装置の助成下に、図29D及び図29Eに示す配置位置に維持される。
【0099】
図30A〜図30Dには、本発明の他の実施例としての装置670が示され、図27Bに示すようにハウジング672と、カニューラアセンブリ674と、バネ676と、ラッチ機構678とを含んでいる。図30Bは図30Aを線1−1で切断した断面図であり、ハウジング672がカニューラ案内部分684を含む状態が示される。カニューラ案内部分684は出口ポート686を通してカニューラアセンブリ674をハウジング672の外側に案内する。バネ676は、一端680をハウジングに連結し、他端682をカニューラアセンブリ674に連結した捻りバネであるのが好ましい。図30Aに示す配置前位置では、バネ676は負荷状態とされ、カニューラアセンブリ674はラッチ機構678によりその配置前位置に維持される。ラッチ機構678をハウジング672から引いてこのラッチ機構を釈放されると、バネ676が脱負荷状態とされ、かくしてカニューラアセンブリ674を矢印688の方向に移動させる。これにより、カニューラアセンブリ674がカニューラ案内部分684の助成下に出口ポート686を貫き、患者の皮膚に入り込む。図30Aを線2−2に沿って切断した断面図である図30Cに示すように、バネ676は患者の皮膚と平行な平面内に取り付けることができる。これにより、ハウジング672の寸法形状を減少させることが可能となる。一般に、カニューラアセンブリ674は、バネ676の前記他端682の、このバネが脱負荷される際に移動する円弧部分に追随し得るような形態のものとされる。図30Dには、カニューラアセンブリ674が出口ポート686及びカニューラ案内部分684を貫いて患者の皮膚内に刺し込まれた状態が示される。
【0100】
本発明の装置において、剛性のカニューラ若しくは剛性のカニューラ及び可撓性のカニューラを患者の皮膚に刺し込んだ部位が見えるようにし、感染その他の関心事項に関してこの部位を観察することが望ましい。従って、本発明の装置のハウジングを、目視領域を提供するように改変することができる。図31には、コンター部分704と、カニューラアセンブリ706とを有するハウジング702を含む装置700が示される。コンター部分704は、カニューラアセンブリ706がハウジングの側壁の外側に移動して患者の皮膚に入り込むことが出来るようにする一方、その3つの側部において刺し込み部位を保護する。図32には、窓部分714と、カニューラアセンブリ716と、を有するハウジング712を含む実施例としての本発明が示される。窓部分714は、プラスチックのような透明材料から形成され、ハウジングの形状とぴったりと重なり、また、カニューラアセンブリ716の刺し込み部位を見ることが可能であることが好ましい。
本発明の装置の実施例の殆どあるいは全てを、刺し込み部位が見えるようにするためにハウジング702及び712と関連して使用することができる。
【0101】
図33には他の実施例における本発明の装置720が示され、ハウジング724の内部に取り付けたプランジャ装置722を含んでいる。本実施例は図6A〜図6Cを参照して説明した実施例とその動作が類似しており、プランジャ装置722が胴部726と、ヘッド部分728と、カニューラ732と係合するためのカニューラ係合部分730とを含んでいる。しかしながら、本実施例では、プランジャ装置はこのプランジャ装置を貫いて刺し込み部位を目視し得るよう、透明材料から形成される。バネ734がプランジャ装置722を刺し込み部位に押し当て、かくしてプランジャ装置722を通しての刺し込み部位の明瞭な目視が提供される。1実施例では、プランジャ装置722はプランジャ装置722のヘッド部分728を通してみた場合に刺し込み部位が拡大されて見えるような構成のものとされる。他の実施例では図示されない光源がプランジャ装置722の位置に配光され、刺し込み部位が照明される。
【0102】
本発明の装置の1つの利益は、患者に小型のハウジングを取り付けるのみで良いことである。従来の、多数の嵩張る部品が含まれ得る装置と比較して、本発明によれば、装置を装着した患者の活動性はずっと高められる。しかしながら、装置を装着している間は、患者が活動及び運動するのに拘わらず、カニューラアセンブリが正しい配置位置に維持されることが重要である。本発明の装置は代表的には患者の腹部に取り付けられるので人にの通常の運動や屈伸時にはハウジングの一部が撓み、皮膚から離れる。これが繰り返されると、ハウジングに関して剛着したカニューラが刺し込み部位から徐々に抜け出る、あるいは可撓性のカニューラがたるみ、捩れを生じるようになり得る。図34〜図37には、装置のハウジングが、カニューラアセンブリとは無関係に、また患者の内部でのカニューラの位置に影響を与えること無く移動することができるようにした実施例が示される。
【0103】
図34には、ハウジング742とカニューラアセンブリ744とを含む実施例としての本発明の装置740が示される。カニューラアセンブリ744は、締め付け装置746を使用してハウジング742の第1壁に取り付けた可撓性のカニューラを含むことが好ましい。カニューラアセンブリは、刺し込み部位と締め付け装置746との間にループ748ができるようにして患者に刺し込まれる。ループ748は、ハウジングを刺し込み部位から離して移動した場合にカニューラアセンブリの患者に刺し込んだ部分が引っ張られないようにするために必要なたるみ部分を提供する。
図35には、ハウジング752と、点位置758でハウジング752にピボット自在に取り付けたストラットアセンブリ756に取り付けたカニューラアセンブリ754と、を含む実施例としての装置750が示される。ストラットアセンブリ756は、患者の皮膚方向に偏倚され、ハウジングを患者の皮膚から離すとこのストラットアセンブリ756がカニューラアセンブリを図示される配置位置に維持する。
図36に示す実施例の本発明760は、ハウジング762と、バネ768により患者の皮膚に当てて偏倚させた浮き部材766に連結したカニューラアセンブリ764とを含んでいる。患者が動くとカニューラアセンブリ764及び浮き部材766は皮膚と接触する状態に維持され、かくしてハウジングをカニューラアセンブリ764とは無関係に、矢印780及び782で示すような3方向に移動させることが可能である。
【0104】
図37には、ハウジング772と、バネ768により患者の皮膚に当てて偏倚させた浮き部材766に連結したカニューラアセンブリ774とを含む実施例における本発明770が示される。本実施例では、バネ778はカニューラアセンブリ774と浮き部材776との間に連結され、ハウジング772をカニューラアセンブリ774とは無関係に3方向に移動させることが可能である。
図38A及び図38Bには、ハウジング806と、装置が投与を完了し、患者の皮膚から取り外す準備状態にあるとき、カニューラ804を引き込むための引込み機構802とを含む実施例としての本発明800が示される。図38Aに示すように、カニューラ804は装置800の出口ポートを通して患者の皮膚に刺し込まれる。引込み機構802は、カニューラ804に連結した引込み部材808と、一端を引き込み機構802に連結し、他端をアクチュエータ812に連結したレバー810とを含む。レバー810はハウジング806のピボット点814にも連結される。アクチュエータ812は、レバー810と、ハウジング806の部分816との間への印加の影響下に収縮する形状記憶合金或いは形状記憶ポリマーを含むことが好ましい。しかしながら、アクチュエータ812のためにその他の装置、例えば圧電アクチュエータ及びソレノイドを用いることができる。
【0105】
リモートコントローラその他先に説明したような手段からの指令によりローカルプロセッサを起動し、アクチュエータ812を印加すると、レバー810が引き込み部材808を引っ張り、かくしてカニューラ804が患者の皮膚から離れ、カニューラ804は図38Bに示すように患者の皮膚から引き込まれる。この引込み機構802を、先に説明した、刺し込み機構のみを有する装置の任意のものと組み合わせ、カニューラの刺し込み及び引込みの両方ができるようにすることが可能である。
【0106】
図39A〜図39Cには、本発明の更に他の実施例としての装置900が示され、エレクトロニクスを包囲するハウジング902と、先に説明したような制御機構と、流体リザーバとを含み、カニューラアセンブリ904を更に含んでいる。図39Aは平面図を、図39Bは、図39Aを線39B−39Bに沿って切断し部分破除した側面図を、そして図39Cは図39Aを線39C−39Cに沿って切断し部分破除した側面図である。本実施例ではカニューラアセンブリ904は、カニューラ906a、906b、906cと、刺し込み起動装置908a、908b、908cを各含む3つのカニューラ装置905a、905b、905cを含む。刺し込み及びあるいは引込みアクチュエータ908a〜908cは、先に説明した任意の実施例に従う構成のものであり得る。各カニューラ装置905は、リザーバ914から各カニューラ906に流体を投与する主流路912から分岐した流路910を含む。刺し込み起動装置は、次の刺し込み起動装置が起動される以前において所定時間、個別に起動される。
【0107】
図には詳しく示されないが、装置900は、検出及びの拡張機能を可能とするべく、先にも説明したような、センサ装置を備えた経皮的部材との組み合わせにおいて使用することができる。この場合のセンサ装置もまた、装置全体を交換する必要無く、長時間に渡り、生理学的状況の検出及びあるいは医薬装置のインプラント操作を実施する目的のための多数の経皮的部材を含み得る。
リザーバ914は、例えば9日分の流体薬品を収納することが可能であるが、規則では一本のカニューラを患者の皮膚に3日以上維持させることは出来ないので、装置900のような装置を以下のようにして用いる。全てのカニューラ装置はその配置前状態においてハウジング内に引き込まれており、各流路910には作動上結合されていない。ハウジングを患者の皮膚に取り付けると、3つのカニューラ装置の内の1つが起動される。この起動は、ここに説明される起動装置の任意のものにより実施される。カニューラ装置が起動され、カニューラ906が患者の皮膚に刺し込まれると、刺し込み起動装置内の図示しない弁が開き、かくして流体がリザーバ914からカニューラ906を経て患者に送り込まれる。3日後、患者はカニューラを引き込み、かくして弁を閉じ、第2のカニューラ装置を起動させる。これによりこの第2のカニューラ装置を通し、患者にリザーバからの流体が供給され得る。全てのカニューラ装置が起動され、次いで引き込まれるまで、このプロセスが継続される。詳しくは示されないが、各カニューラ装置は、使用済みの刺し込み起動装置が起動されないようにするための機構を含んでいる。3つのカニューラ装置が図39A〜図39Cに示されたが、任意の数のカニューラ装置を装置900内に含ませることが可能である。
【0108】
同様に、説明した動作と共に、3日間に渡るセンサ動作を実施する目的のための3つのセンサアセンブリを単一のハウジング内に組み込むことができる。各センサアセンブリは先に説明したと同様に、1つのセンサアセンブリが所定時間に渡り起動され、次いで引き抜かれ、次の1つが起動される。同様に、1つ以上の医療用装置を患者にインプラントする目的のための複数の医薬装置を単一のハウジング内に組み込むことができる。各医療用装置は、1つが所定時間に渡り起動され、次いで引き抜かれ、次の1つが起動される。
従って、本発明によれば、多数の装置部品を持たずに所定時間に渡り薬の定量流れの維持あるいは医薬装置のインプラントを可能とすることにより、好都合且つ快適な状況下での生理学的状況の監視並びに自己投薬を可能とする、生理学的検出及び薬及び医薬装置投与のための装置が提供される。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に従う、生理学的パラメータ検出用の装置の第1実施例の患者に装着した状態での、本装置と共に使用する別個の遠隔制御装置(例示目的上装置よりも拡大して示される)と共に示す斜視図である。
【図2】摺動可能な刺通部材が皮下のカニューラを配置する状況で示される図1の装置の断面図である。
【図3】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図4】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図5A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図5B】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図6A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図6B】図6Aの他の実施例の断面図である。
【図6C】図6Aの他の実施例の断面図である。
【図7A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図7B】図7Aの他の実施例の断面図である。
【図7C】図7Aの他の実施例の断面図である。
【図7D】図7Aの他の実施例の断面図である。
【図8A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図8B】図8Aの他の実施例の断面図である。
【図9】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の断面図である。
【図10A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図10B】図10Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図10C】図10Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図10D】図10Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図11A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図11B】図11Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図11C】図11Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図11D】図11Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図11E】図11Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図12A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図12B】図12Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図12C】図12Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図13】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図14A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図14B】図14Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図14C】図14Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図15A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図15B】図15Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図16A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図16B】図16Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図16C】図16Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図17A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図17B】図17Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図17C】図17Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図17D】図17Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図18】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図19】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図20A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図20B】図20Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図21A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図21B】図21Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図21C】図21Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図22】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図23】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図24A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図24B】図24Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図24C】図24Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図24D】図24Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図25A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図25B】図25Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図25C】図25Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図26B】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26C】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26D】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26E】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26F】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26G】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図26H】図26Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図27】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図28A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図28B】図28Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図28C】図28Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図28D】図28Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図29A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図29B】図29Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図29C】図29Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図29D】図29Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図29E】図29Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図30A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図30B】図30Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図30C】図30Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図30D】図30Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図31】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図32】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図33】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図34】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図35】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図36】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図37】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図38A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図38B】図38Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図39A】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【図39B】図39Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図39C】図39Aの装置の他の実施例の例示図である。
【図40】本発明に従う生理学的パラメーター検出用の装置の他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0110】
12 ハウジング
14 壁
16 接着材
18、18a、18a、18b 出口ポート
20、21 経皮的部材
22 プランジャ装置
23 フランジ
26 周囲縁部
27 センサアセンブリ
28 偏倚バネ
28 孔
29 エレクトロニクス
29 ローカルプロセッサ
30 胴部分
31 バッテリー
32 ヘッド部分
33 アクチュエータ部分
34 経皮的部材係合部分
35 スライダ
36 矢印
37 アライメントロッド
39 壁
41 孔
43 刺し込み装置
45 刺し込みプランジャ
47 ガイド部分
49 刺し込みアクチュエータ
52、52a ハウジング
53 引抜きプランジャ
54 経皮的部材
55 案内部分
56 刺通部材
60、60a 刺し込みアクチュエータ
61 センサ装置
63 投与用経皮的部材
64 出口ポート
65 センサ用経皮的部材
66 孔
67 駆動機構
69、69a、69b 刺し込みアクチュエータ
70 プランジャ装置
71 ローカルプロセッサ
72 胴部分
73 センサアセンブリ
74 ヘッド部分
75 経皮的部材係合部分
75a 圧縮バネ
76 横方向突起
77a ラッチ機構
79a スライダ
80 第2ハウジング
81a 壁
82 バネ
84 ラッチ機構
86 ラッチ
88 配置レバー
90 第1端
92 第2端
94 ピボット点
95 ラッチアーム
96 矢印
97 ラッチ起動部材
101 チャンバ
102,104 壁
103 矢印
106 傾斜部分
110 装置
112 ハウジング
114 出口ポート
114 壁
116 カニューラ
118 プランジャ装置
120 アクチュエータ
122 胴部分
124 ヘッド部分
126 経皮的部材係合部分
128 偏倚バネ
130 突起
131 壁部分
132 付勢装置
136 壁
136,138 壁
144 刺通部材
150 装置
152 ハウジング
153 アクチュエータ
154 レバー
155 第1端
156 第2端
158 ピボット点
160 変形性部分
162 壁
165 カートリッジ
170 装置
172 ハウジング
174 刺し込みアクチュエータ
175 経皮的部材
176 壁
180 プルタブ
182 連結要素
184 付勢装置
191 外側傾斜部分
200 装置
202 ハウジング
204a 平ストリップ
204b プルタブ
205 刺通部材
206 経皮的部材
208 偏倚バネ
208 圧縮コイルバネ
210 板バネ
212 延長部材
230 装置
232 ハウジング
234 カニューラ
236 出口ポート
240 ロッド
242 ピボット点
246 ラッチ機構
248 ラッチ
249 端部
250 偏倚バネ
252 ラッチアクチュエータ
254 矢印
258 出口ポート
260 装置
262 ハウジング
263 出口ポート
264 カニューラ
265 壁
266 ラッチアセンブリ
267 カニューラ案内部分
268 偏倚バネ
269 突起
270 フランジ
274 遠方端
275 ラッチ
280 可撓性のカニューラ
282 剛性のカニューラ
284 壁
285 刺通部材
286 出口ポート
288 保持装置
300 装置
302 ハウジング
304 カニューラアセンブリ
306 アクチュエータ
308 出口ポート
310 プランジャ装置
312 胴部
314 配置ノブ
316 カニューラ係合部分
318 ベローズ部分
320 偏倚バネ
321 可撓性のカニューラ
322 遠方端
326 カニューラ係合部分
350 装置
352 ハウジング
354 可撓性のカニューラ
354 経皮的部材
356 ベローズ部分
357 保持装置
358 出口ポート
360 壁
362 刺し込みアクチュエータ
364 プランジャ装置
366 胴部
368 カニューラ係合部分
370 横方向突起
372 配置ラッチ機構
374 引込みラッチ機構
376 ラッチ
378 配置部材
380 配置バネ
382 起動装置
384 ラッチ
386 引込み部材
388 引込みバネ
390 起動装置
392 刺通部材
400 装置
402 ラッチ機構
404 ラッチ
406 保持部材
408 引込みバネ
410 ラッチバネ
414 傾斜ランプ部分
420 装置
422 カニューラアセンブリ
424 可撓性のカニューラ
426 ベローズ部分
428 保持装置
430 刺通部材
432 刺し込み装置
434 駆動機構
436 駆動軸
438 付勢装置
440 装置
442 付勢装置
444 保持装置
446 駆動機構
450 装置
452 駆動機構
454 力変換器
456 カニューラアセンブリ
458 バネ
460 突起
462 レバーアーム
464 長孔
470 装置
472 付勢装置
474 部分
476 バネ
478 カニューラアセンブリ
480 ベローズ部分
482 保持装置
484 突起
490 装置
492 カニューラアセンブリ
494 ハウジング
496 ヘッド部分
498 バネ
500 壁
502 膜
504 刺通部材
506 出口ポート
510 装置
512 カニューラ案内体
514 カニューラアセンブリ
516 アクチュエータ
518 配置バネ
522 バネ
530 装置
532 ハウジング
534 カニューラアセンブリ
536 配置バネ
538 ポート
540 出口ポート
541 カニューラ
542 第2ハウジング
544 装置
546 配置バネ
548 バネ
550 カニューラアセンブリ
552 矢印
560 装置
562 ハウジング
564 起動装置
566 カニューラアセンブリ
568 起動タブ
570 配置突起
572 引込み突起
574 引込みバネ
576 カニューラ
576 剛性カニューラ
578 ヘッド部分
580 可撓性のカニューラ
582 摺動シール部分
586 配置バネ
590 干渉部材
600 装置
602 ハウジング
604 起動装置
606 カニューラアセンブリ
608 カム部分
610 フォロワ部分
612 可撓性のカニューラ
614 剛性のカニューラ
616 スリーブ
618 ピボット
620 壁
622 バネ
624 第1傾斜ランプ部分
626 第2傾斜ランプ部分
628 出口ポート
630 配置ヨーク
640 装置
642 ハウジング
644 起動装置
646 カニューラアセンブリ
650 配置ヨーク
652 バネ
654 ラッチ機構
656 剛性のカニューラ
658 可撓性のカニューラ
660 シール部分
664 出口ポート
670 装置
672 ハウジング
674 カニューラアセンブリ
676 バネ
678 ラッチ機構
684 カニューラ案内部分
686 出口ポート
700 装置
702,712 ハウジング
704 コンター部分
706 カニューラアセンブリ
712 ハウジング
714 窓部分
716 カニューラアセンブリ
720 装置
722 プランジャ装置
724 ハウジング
726 胴部
728 ヘッド部分
730 カニューラ係合部分
732 カニューラ
734 バネ
740 装置
742 ハウジング
744 カニューラアセンブリ
746 装置
748 ループ
750 装置
752 ハウジング
754 カニューラアセンブリ
756 ストラットアセンブリ
758 点位置
762 ハウジング
764 カニューラアセンブリ
766 浮き部材
768 バネ
772 ハウジング
774 カニューラアセンブリ
776 浮き部材
778 バネ
800 装置
802 引込み機構
804 カニューラ
806 ハウジング
808 引込み部材
810 センサ装置
810 レバー
812 アクチュエータ
814 ピボット点
816 部分
820 ハウジング
821 外側面
830 センサアセンブリ
840 ディスペンサ
850 ローカルプロセッサ
860 無線レシーバ
870 出口ポートアセンブリ
880 電源
890 センサアセンブリ
900 装置
900 遠隔制御装置
902 ハウジング
904 カニューラアセンブリ
905、905a カニューラ装置
906、906a カニューラ
908a〜908c 引込みアクチュエータ
910 流路
910 液晶ディスプレー
912 主流路
914 リザーバ
920 メンブレンキーパッド
925 医薬装置
930 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生理学的パラメータを監視するための装置であって、
患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、
該センサ装置の発生する生理学的パラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、を含み、
センサ装置とプロセッサとに連結され、患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を遠方端位置に有する経皮的部材と、
センサ装置と、経皮的部材と、プロセッサとを収納するハウジングにして、経皮的部材の遠方端を患者に刺し込むに際して経皮的部材の遠方端を受けるための出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段とを有するハウジングと、
刺通部材を、ハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に、次いで患者の皮膚内に刺し込ませるために経皮的部材と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、
を含む装置。
【請求項2】
経皮的部材の遠方端位置に少なくともサンプル受け部分が配置される請求項1の装置。
【請求項3】
生理学的パラメータが、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質への曝露、アレルギー反応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る請求項2の装置。
【請求項4】
刺し込み起動装置の駆動装置が、プランジャ装置にして、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して経皮的部材の遠方端と摩擦接触する胴部分を含み、長手方向の力が付加されることにより刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるプランジャ装置を含む請求項2の装置。
【請求項5】
プランジャ装置が、該プランジャ装置の胴部分上に配置した摩擦部材にして、プランジャ装置の胴部分をハウジングの孔の幅寸法よりも幅広化し、かくして、前記摩擦部材を前記ハウジングの孔に通すためにプランジャ装置に長手方向における特定の力にして、経皮的部材の遠方端に伝えられる特定の力を必要とせしめるようにした摩擦部材を含む請求項4の装置。
【請求項6】
摩擦部材が環状のフランジである請求項5の装置。
【請求項7】
プランジャ装置が、ハウジングと接触して該プランジャ装置の移動を停止させるためのヘッド部分を更に含む請求項5の装置。
【請求項8】
プランジャ装置が、刺通部材を第2位置に移動させた後にハウジングから取り外される請求項7の装置。
【請求項9】
刺し込み起動装置の駆動機構が、ハウジング内に格納したプランジャにして、横方向突起を含む第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有するプランジャを含み、該プランジャを偏倚させて前記刺通部材をその第1位置から第2位置に移動させるための偏倚バネを更に含み、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下にハウジングの内側峰部と接触してプランジャが刺通部材をその第1位置から第2位置に移動しないようにし、
前記ハウジングが、前記横方向突起を前記内側峰部から付勢し、プランジャをして前記刺通部材を第1位置から第2位置に移動せしめるアクチュエータを含む請求項2の装置。
【請求項10】
ハウジングのアクチュエータが、ハウジングの可撓性の壁部分の内面に連結したフィンガを含み、該フィンガの遠方端がプランジャの横方向突起と接触し、かくして、前記可撓性の壁部分に圧力を付加すると前記フィンガが横方向突起を内側峰部から付勢し、かくして前記プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置へと付勢する請求項9の装置。
【請求項11】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と同じ方向に移動する請求項10の装置。
【請求項12】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動する請求項10の装置。
【請求項13】
フィンガが、該フィンガの遠方端を可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動せしめるピボットを含んでいる請求項12の装置。
【請求項14】
刺し込み起動装置の駆動機構がピボットアームを含み、刺し込み装置がラッチアセンブリを更に含み、前記ピボットアームが、ハウジングの壁の内面にピボット自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、経皮的部材が前記ピボットアームと連結され、かくして前記ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触すると刺通部材が第1位置に移動され、
前記刺し込み起動装置が、前記ピボットアームの近接端と遠方端との間に取り付けた偏倚バネを更に含み、該偏倚バネが、前記ピボットアームを付勢した前記刺通部材を第2位置に移動させ、
前記ラッチアセンブリが、前記ピボットアームの遠方端と接触して該ピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構とを含んでいる請求項2の装置。
【請求項15】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータが、印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項14の装置。
【請求項16】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れかを含む請求項15の装置。
【請求項17】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令の下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項15の装置。
【請求項18】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項17の装置。
【請求項19】
経皮的部材とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
生理学的パラメータを監視するために刺し込み指令を無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項17の装置。
【請求項20】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項14の装置。
【請求項21】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させる偏倚バネを更に含み、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下に第2ハウジングの内側峰部と接触してプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止し、
前記第2ハウジングが、前記横方向突起を前記内側峰部から付勢し、プランジャが刺通部材第1位置から第2位置へと移動させ得るようにするアクチュエータを含んでいる請求項2の装置。
【請求項22】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させるための偏倚バネを更に含み、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下では第2ハウジングの内側峰部と接触され、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止し、
ラッチアセンブリが、プランジャの横方向突起と接触して該プランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構にして、ハウジングに連結したラッチ釈放機構とを含んでいる請求項2の装置。
【請求項23】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータが、印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項20の装置。
【請求項24】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項23の装置。
【請求項25】
第2ハウジング内に収納され、ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令の下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項23の装置。
【請求項26】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項25の装置。
【請求項27】
経皮的部材とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
生理学的パラメータを監視するために刺し込み指令を装置の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項25の装置。
【請求項28】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項22の装置。
【請求項29】
駆動機構がプランジャを含み、該プランジャが、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第1端を有し、前記プランジャが偏されて刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、刺し込み起動装置が、刺通部材をその第1位置に維持するべくプランジャと接触するラッチを含み、該ラッチが、該ラッチに連結される電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータは印加されるとラッチをプランジャとの接触状態から引き離し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させることができるようにした請求項2の装置。
【請求項30】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項29の装置。
【請求項31】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令に基づき電動アクチュエータに印加するべくプログラムされたローカルプロセッサと、
該ローカルプロセッサに接続され、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送る無線レシーバと、
を更に含んでいる請求項29の装置。
【請求項32】
センサ装置が、患者の生理学的パラメータを監視するために、サンプル受け部分で受けたサンプルのサンプリング操作を実施するための生理学的パラメータ検出手段を含んでいる請求項2の装置。
【請求項33】
生理学的パラメータが、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質への曝露、アレルギー反応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る請求項32の装置。
【請求項34】
患者に投与するべき医薬を収納するリザーバと、
ハウジング内に収納され、リザーバから患者に流体を投与するための流体移送装置にして、リザーバと流体連通する近接端と、該流体移送装置を通しての患者への流体投与を容易化するべく、患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を有する遠方端と、を有し、前記近接端が流体移送装置の中央部分により前記遠方端に結合された刺通部材を更に含む請求項32の装置。
【請求項35】
流体移送装置と接触し、刺通部材をハウジング内の第1位置から、出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませる第2駆動機構を含む第2刺し込み起動装置と、
を更に含む請求項34の装置。
【請求項36】
センサ装置が、流体移送装置をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませ、サンプリング操作に基づく所定量の医薬を患者に投与させるための指令を第2刺し込み起動装置に対して発生するための手段を更に含む請求項35の装置。
【請求項37】
患者からの流体を監視するための装置であって、
患者からの流体を受けるためのセンサ装置と、
患者から流体を抜き出してセンサ装置に送るための流体移送装置にして、センサ装置と流体連通する近接端と、流体移送装置を通しての患者からの流体の抜き出しを容易化するべく患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を有する遠方端とを有する流体移送装置と、
センサ装置と、流体移送装置とを収納するハウジングにして、患者への前記遠方端の刺し込みに際して流体移送装置の遠方端を受けるための出口ポートと、患者の皮膚にハウジングの第1壁を固定するための手段とを含むハウジングと、
流体移送装置と接触し、刺通部材をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に送り、次いで患者の皮膚に刺し込ませるための駆動機構を含む刺し込み起動装置と、
を含む装置。
【請求項38】
刺し込み起動装置の駆動機構が、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して流体移送装置の遠方端と摩擦接触する胴部分を有するプランジャにして、該プランジャに長手方向の力を加えると刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するプランジャを含む請求項37の装置。
【請求項39】
プランジャが、胴部分に配置した摩擦部材を含み、該摩擦部材が、プランジャの胴部分の幅寸法をハウジングの孔の幅寸法よりも大きくし、かくして、摩擦部材を前記孔に通すためにプランジャに特定の長手方向力を加える必要が生じ、前記特定の長手方向の力が流体移送装置の遠方端に伝達される請求項38の装置。
【請求項40】
摩擦部材が環状フランジである請求項39の装置。
【請求項41】
プランジャが、ハウジングと接触してプランジャの移動を停止させるためのヘッド部分を更に含む請求項39の装置。
【請求項42】
プランジャが、刺通部材が第2位置に移動された後にハウジングから取り外し可能である請求項41の装置。
【請求項43】
刺し込み起動装置が、ハウジング内に収納したプランジャを含み、該プランジャが、横方向突起を含む第1端と、流体移送装置の遠方端と摩擦接触する第2端とを有し、刺し込み起動装置が、刺通部材を第1位置から第2位置に駆動するためにプランジャを偏倚させる偏倚バネを更に含み、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある場合にハウジングの内側峰部と接触し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止し、
ハウジングが、前記横方向突起を前記ハウジングの内側峰部から付勢してプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるようにするためのアクチュエータを含んでいる請求項37の装置。
【請求項44】
アクチュエータが、ハウジングの可撓性の壁部分の内面に連結したフィンガを含み、該フィンガの遠方端がプランジャの横方向突起と接触し、かくして、前記可撓性の壁部分に圧力を付加すると前記フィンガが横方向突起を内側峰部から付勢し、前記プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置へと付勢する請求項43の装置。
【請求項45】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と同じ方向に移動する請求項44の装置。
【請求項46】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動する請求項44の装置。
【請求項47】
フィンガが、該フィンガの遠方端を可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動せしめるピボットを含んでいる請求項46の装置。
【請求項48】
刺し込み起動装置の駆動機構がピボットアームを含み、刺し込み装置がラッチアセンブリを更に含み、前記ピボットアームが、ハウジングの壁の内面にピボット自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、流体移送装置が前記ピボットアームと連結され、かくして前記ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触すると刺通部材が第1位置に移動され、
前記刺し込み起動装置が、前記ピボットアームの近接端と遠方端との間に取り付けた偏倚バネを更に含み、該偏倚バネが、前記ピボットアームを付勢した前記刺通部材を第2位置に移動させ、
前記ラッチアセンブリが、前記ピボットアームの遠方端と接触して該ピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構とを含んでいる請求項37の装置。
【請求項49】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータが、印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項48の装置。
【請求項50】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れかを含む請求項49の装置。
【請求項51】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項49の装置。
【請求項52】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項51の装置。
【請求項53】
流体移送装置とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
刺し込み指令を流体移送装置の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項51の装置。
【請求項54】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項48の装置。
【請求項55】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、流体移送装置の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで流体移送装置の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、プランジャの第1端と第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下では第2ハウジングの内側峰部と接触され、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止し、
前記第2ハウジングが、前記横方向突起を前記内側峰部から付勢してプランジャをして刺通部材第1位置から第2位置へと移動せしめるアクチュエータを含んでいる請求項38の装置。
【請求項56】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、流体移送装置の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで流体移送装置の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、プランジャの第1端と第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下では第2ハウジングの内側峰部と接触され、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止し、
ラッチアセンブリが、プランジャの横方向突起と接触して該プランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構にして、ハウジングに連結したラッチ釈放機構とを含んでいる請求項38の装置。
【請求項57】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータが、印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項54の装置。
【請求項58】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項57の装置。
【請求項59】
第2ハウジング内に収納され、ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項57の装置。
【請求項60】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項59の装置。
【請求項61】
流体移送装置とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
刺し込み指令を流体移送装置の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項59の装置。
【請求項62】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項56の装置。
【請求項63】
駆動機構がプランジャを含み、該プランジャが、流体移送装置の遠方端と摩擦接触する第1端を有し、前記プランジャが偏倚されて刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、刺し込み起動装置が、刺通部材をその第1位置に維持するべくプランジャと接触するラッチを含み、該ラッチが、該ラッチに連結される電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータは印加されるとラッチをプランジャとの接触状態から引き離し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させることができるようにした請求項37の装置。
【請求項64】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項63の装置。
【請求項65】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令に基づき電動アクチュエータに印加するべくプログラムされたローカルプロセッサと、
該ローカルプロセッサに接続され、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送る無線レシーバと、
を更に含んでいる請求項63の装置。
【請求項66】
センサ装置が、患者の生理学的パラメータを監視するために、サンプル受け部分で受けたサンプルのサンプリング操作を実施するための生理学的パラメータ検出手段を含んでいる請求項37の装置。
【請求項67】
生理学的パラメータが、血糖値、血中ガス量、体温、外因物質への曝露、アレルギー反応、呼吸、関節炎、赤血球数、血流量、平均血液凝固時間、トロンボゲン性、血中酸素量、血液pH並びに血液毒性値の内の少なくとも1つであり得る請求項66の装置。
【請求項68】
患者に投与するべき医薬を収納するリザーバと、
ハウジング内に収納され、リザーバから人に流体を投与するための第2流体移送装置にして、リザーバと流体連通する近接端と、該第2流体移送装置を通しての人への流体投与を容易化するべく、人の皮膚に刺し込むための刺通部材を有する遠方端と、を有し、前記近接端が流体移送装置の中央部分により前記遠方端に結合された第2流体移送装置、を更に含む請求項66の装置。
【請求項69】
第2流体移送装置と接触し、前記刺通部材をハウジング内の第1位置から、出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に移動させ、人の皮膚に刺し込ませる第2駆動機構を含む第2刺し込み起動装置と、
を更に含む請求項68の装置。
【請求項70】
センサ装置が、第2流体移送装置をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませ、サンプリング操作に基づく所定量の医薬を患者に投与させるための指令を第2刺し込み起動装置に対して発生するための手段を更に含む請求項69の装置。
【請求項71】
患者の生理学的パラメータを測定するための装置であって、
患者に関わる生理学的パラメータを測定するためのセンサ装置と、
該センサ装置の発生する生理学的パラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、
センサ装置とプロセッサとに連結され、近接端と、患者の皮膚に刺し込むための刺通部材を有する遠方端と、近接端と遠方端との間に配置した中央部分と、を含む経皮的部材と、
センサ装置と、経皮的部材と、プロセッサとを収納するハウジングにして、経皮的部材の遠方端を患者に刺し込むに際して経皮的部材の遠方端を受けるための出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段とを有するハウジングと、
刺通部材を、ハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に、次いで患者の皮膚内に刺し込ませるために経皮的部材と前記近接端位置で接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、
を含み、
前記中央部分がハウジングの第1壁と実質的に平行に配置され、前記経皮的部材が、刺し込み起動装置の偏倚バネにより、該刺し込み起動装置のラッチアセンブリに抗して、第1位置にある刺通部材と共に偏倚される保持装置にして、前記偏倚バネが、該保持装置とハウジングの内側峰部との間に連結され、前記ラッチアセンブリが作動されるに際して負荷されて経皮的部材を前記第1壁と実質的に平行な方向に駆動し、かくして、刺通部材が第1位置から第2位置に駆動させるようにした装置。
【請求項72】
経皮的部材の遠方端が可撓性を有し、
ハウジングが経皮的部材の移動通路内に逸らせ装置を含み、
ラッチアセンブリが作動すると経皮的部材の遠方端が逸らせ装置と接触し、かくして経皮底部材の遠方端が前記ハウジングの第1壁と実質的に平行な方向から、少なくとも15°の角度を成す第2の方向に逸らされる請求項71の装置。
【請求項73】
第2の方向が、ハウジングの第1壁と90°までの角度を成すものである請求項72の装置。
【請求項74】
ラッチアセンブリが、経皮的部材の保持装置と接触して偏倚バネが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止するためのラッチと、ハウジングに連結したラッチ釈放機構にして、ラッチを前記保持装置との接触状態から外し、偏倚バネが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構とを含んでいる請求項72の装置。
【請求項75】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータは印加されると形状記憶合金のワイヤが収縮してラッチを経皮的部材の保持装置との接触状態から引き離す請求項74の装置。
【請求項76】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れかを含む請求項75の装置。
【請求項77】
ハウジングが、ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項75の装置。
【請求項78】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項77の装置。
【請求項79】
流体移送装置とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
刺し込み指令を流体移送装置の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項78の装置。
【請求項80】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項74の装置。
【請求項81】
偏倚バネが、捻りバネ、コイルバネ、螺旋バネ、圧縮バネ、伸張バネ、空気バネ、波形バネ、円錐バネ、定荷重バネ、皿バネ、ビーハイブバネ、の何れか1つを含み得る請求項71の装置。
【請求項82】
生理学的パラメータが、血糖値、血中ガス量、外因物質への曝露、アレルギー反応の少なくとも1つである請求項71の装置。
【請求項83】
患者に投与するべき流体を収納するリザーバと、
ハウジング内に格納され、リザーバから患者に医薬を投与するための流体移送装置にして、リザーバと流体連通する近接端と、該流体移送装置を通しての人への流体投与を容易化するべく、人の皮膚に刺し込むための刺通部材を有する遠方端と、
を有する流体移送装置と、
を含む請求項71の装置。
【請求項84】
刺通部材をハウジング内の第1位置から、出口ポートを通してハウジングの外側の第2位置に移動させ、人の皮膚に刺し込ませる第2駆動機構を含む第2刺し込み起動装置と、を更に含む請求項83の装置。
【請求項85】
センサ装置が、流体移送装置をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動させ、次いで患者の皮膚に刺し込ませ、サンプリング操作に基づく所定量の医薬を患者に投与させるための指令を第2刺し込み起動装置に対して発生するための手段を更に含む請求項84の装置。
【請求項86】
経皮的部材にして、患者の皮膚に刺し通すための刺通部材をその遠方端位置に有する経皮的部材と、
患者への投与のために経皮的部材と連結した治療要素と、
治療要素及び経皮的部材を収納するハウジングにして、前記刺通部材が患者に刺し込まれる際に経皮的部材の遠方端を受ける出口ポートと、ハウジングの第1壁を患者の皮膚に固定するための手段と、刺通部材をハウジング内の第1位置から前記出口ポートを通してハウジング外の第2位置へ、次いで患者の皮膚内に駆動させるために経皮的部材の近接端と接触する駆動機構を含む刺し込み起動装置と、を収納するハウジングと、
を含む個人用の医療用装置。
【請求項87】
刺通部材が患者の皮膚内に刺し込まれると治療が開始される請求項86の装置。
【請求項88】
刺し込み起動装置を制御するためのプロセッサを更に含む請求項86の装置。
【請求項89】
治療要素が、ペースメーカーリード、徐細動装置リード、固形徐放剤、磁石、電磁石、放射性シード、熱要素、の内の少なくとも1つと、1つ以上の経皮的な電極神経刺激装置(TENS)とを含む請求項86の装置。
【請求項90】
刺し込み起動装置の駆動機構が、ハウジングの第2壁の孔を貫いて伸延して経皮的部材の遠方端と摩擦接触する胴部分を有するプランジャを含み得、該プランジャに長手方向の力を付加すると刺通部材が前記第1位置から第2位置に駆動される請求項89の装置。
【請求項91】
プランジャが、胴部分の幅寸法がハウジングの孔の幅寸法よりも若干大きくなるようにその胴部分に配置された摩擦部材にして、摩擦部材を前記孔に通すための特定の長手方向力がプランジャに加えられるようにし、加えられたこの長手方向力が経皮的部材の遠方端に移行されるようにするための摩擦部材を含む請求項90の装置。
【請求項92】
摩擦部材が環状フランジであ請求項91の装置。
【請求項93】
プランジャが、ハウジングと接触することによりプランジャの移動を停止させるためのヘッド部分を更に含む請求項91の装置。
【請求項94】
プランジャが、刺通部材が前記第2位置に駆動された後、ハウジングから取り外し可能である請求項93の装置。
【請求項95】
刺し込み起動装置の駆動機構が、ハウジングに収納したプランジャにして、横方向突起を含む第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを有するプランジャを含み、刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるために該プランジャを偏倚させるための偏倚バネを更に含み、前記横方向突起が、刺通部材が第1位置にあるときハウジングの内側峰部と接触してプランジャが刺通部材を第1位から第2位置に移動させるのを防止し、
ハウジングが、横方向突起をハウジングの内側峰部から付勢してプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動することができるようにするためのアクチュエータを含んでいる請求項86の装置。
【請求項96】
ハウジングのアクチュエータが、ハウジングの可撓性の壁部分の内面に連結したフィンガを含み、該フィンガの遠方端がプランジャの横方向突起と接触し、かくして、前記可撓性の壁部分に圧力を付加すると前記フィンガが横方向突起を内側峰部から付勢し、前記プランジャを刺通部材を第1位置から第2位置へと付勢する請求項95の装置。
【請求項97】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と同じ方向に移動する請求項96の装置。
【請求項98】
可撓性の壁部分に圧力を加えるとフィンガの遠方端が可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動する請求項96の装置。
【請求項99】
フィンガが、該フィンガの遠方端を可撓性の壁部分と実質的に反対方向に移動せしめるピボットを含んでいる請求項98の装置。
【請求項100】
刺し込み起動装置の駆動機構がピボットアームを含み、刺し込み装置がラッチアセンブリを更に含み、前記ピボットアームが、ハウジングの壁の内面にピボット自在に連結した近接端と、ハウジングの側壁と一体のラッチアセンブリと接触する遠方端とを有し、流体移送装置が前記ピボットアームと連結され、かくして前記ピボットアームの遠方端がラッチアセンブリと接触すると刺通部材が第1位置に移動され、
前記刺し込み起動装置が、前記ピボットアームの近接端と遠方端との間に取り付けた偏倚バネを更に含み、該偏倚バネが、前記ピボットアームを付勢した前記刺通部材を第2位置に移動させ、
前記ラッチアセンブリが、前記ピボットアームの遠方端と接触して該ピボットアームが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構とを含んでいる請求項86の装置。
【請求項101】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータは印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項100の装置。
【請求項102】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れかを含む請求項101の装置。
【請求項103】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令の下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項101の装置。
【請求項104】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項103の装置。
【請求項105】
流体移送装置とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
刺し込み指令を流体移送装置の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項103の装置。
【請求項106】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項100の装置。
【請求項107】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させるための偏倚バネと、を更に含み、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下に第2ハウジングの内側峰部と接触されてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させるのを防止し、
前記第2ハウジングが、前記横方向突起を前記内側峰部から付勢し、プランジャが刺通部材第1位置から第2位置へと移動させ得るようにするアクチュエータを含んでいる請求項86の装置。
【請求項108】
刺し込み起動装置が別個の第2ハウジングを含み、プランジャが、横方向突起を有する第1端と、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第2端とを含み、プランジャの第2端が前記第2ハウジングの内部からプランジャの遠方端の外側に伸延されてハウジングの孔に入り、次いで経皮的部材の遠方端と摩擦接触し、
刺し込み起動装置が、第2ハウジング内で、プランジャの第1端と、第2ハウジングの近接端との間に連結された偏倚バネにして、第2ハウジングの内部でプランジャを駆動して刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、前記横方向突起が、前記刺通部材が第1位置にある状態下では第2ハウジングの内側峰部と接触され、プランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止し、
ラッチアセンブリが、プランジャの横方向突起と接触して該プランジャが偏倚バネの影響下に刺通部材を第1位置から第2位置に移動するのを防止するためのラッチと、該ラッチを前記ピボットアームの遠方端との接触状態から外し、ピボットアームが刺通部材を偏倚バネの影響下に第1位置から第2位置に移動させることができるようにするラッチ釈放機構にして、ハウジングに連結したラッチ釈放機構とを含んでいる請求項86の装置。
【請求項109】
ラッチ釈放機構が、ラッチと、ハウジングの側壁との間に連結した電動アクチュエータとを含み、該電動アクチュエータが、印加されるとラッチをピボットアームの遠方端との接触状態から引き離す請求項106の装置。
【請求項110】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項109の装置。
【請求項111】
第2ハウジング内に収納され、ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令の下に電動アクチュエータに印加するようにプログラムしたローカルプロセッサと、
別個のリモート制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送るべくローカルプロセッサに接続した無線レシーバと、
を更に含む請求項109の装置。
【請求項112】
ハウジングが、刺し込み指令をローカルプロセッサに提供するためのユーザー入力部品を持たない請求項111の装置。
【請求項113】
流体移送装置とは別個の遠隔制御装置を更に含み、
リモートプロセッサと、
該リモートプロセッサに接続され、刺し込み指令をリモートプロセッサに送るユーザーインターフェース部品と、
刺し込み指令を経皮的部材の無線レシーバに送るべくリモートプロセッサに接続したトランスミッタと、
を含む請求項111の装置。
【請求項114】
ラッチ釈放機構が機械的なレバーを含み、該レバーがラッチに連結され且つハウジングの側壁を貫いて突出し、かくして該レバーがハウジングから引き出されるに際し、ラッチがピボットアームの遠方端との接触状態から引き離される請求項108の装置。
【請求項115】
駆動機構がプランジャを含み、該プランジャが、経皮的部材の遠方端と摩擦接触する第1端を有し、前記プランジャが偏倚されて刺通部材を第1位置から第2位置へと移動させ、刺し込み起動装置が、刺通部材をその第1位置に維持するべくプランジャと接触するラッチを含み、該ラッチが、該ラッチに連結される電動アクチュエータを含み、該電動アクチュエータは印加されるとラッチをプランジャとの接触状態から引き離し、かくしてプランジャが刺通部材を第1位置から第2位置に移動させることができるようにした請求項86の装置。
【請求項116】
電動アクチュエータが、形状記憶合金、形状記憶ポリマー、圧電アクチュエータ及びソレノイドの何れか1つを含む請求項115の装置。
【請求項117】
ラッチ釈放機構に接続され、刺し込み指令に基づき電動アクチュエータに印加するべくプログラムされたローカルプロセッサと、
該ローカルプロセッサに接続され、別個の遠隔制御装置からの刺し込み指令を受け、受けた刺し込み指令をローカルプロセッサに送る無線レシーバと、
を更に含んでいる請求項115の装置。
【請求項118】
プロセッサが、刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供するための刺し込み起動指令発生部分を含み、前記刺し込み起動指令が、刺し込み起動指令発生部分に設けたトリガー信号が提供されることに基づいて発生される請求項1の装置。
【請求項119】
トリガー信号が、プロセッサ内にプログラムされた調時指令に基づいてプロセッサ内で発生され、トリガー信号は、調時指令により所定の時間間隔において前記刺し込み起動指令発生部分に提供される請求項118の装置。
【請求項120】
トリガー信号が、少なくとも1つの環境パラメータを監視する第2センサからのプロセッサへのセンサ入力値に基づいてプロセッサ内で発生され、前記プロセッサへのセンサ入力値により、環境パラメータが所定値に達すると刺し込み起動指令発生部分にトリガー信号が提供される請求項119の装置。
【請求項121】
第2センサがハウジング内に配置される請求項120の装置。
【請求項122】
第2センサがハウジング外に位置付けられる請求項121の装置。
【請求項123】
第2センサが、センサ入力値をプロセッサに関連するレシーバに伝達するためのトランスミッタを含む請求項122の装置。
【請求項124】
環境パラメータが、温度、圧力、酸素量、光、そして化学物質の存在、の一つを含む請求項120の装置。
【請求項125】
人のパラメータを監視するための装置であって、
人に関わるパラメータを測定するためのセンサ装置と、
センサ装置から発生されたパラメータの測定値をプロセス処理するためのプロセッサと、
センサ装置とプロセッサとに連結した第1の経皮的部材にして、遠方端位置に、人の皮膚に刺通する第1刺通部材を有する第1の経皮的部材と、
人に投与するべき医薬を収納するリザーバと、
リザーバから人に前記医薬を投与するための流体移送装置にして、リザーバと流体連通する近接端と、流体移送装置を通しての人への医薬の投与を容易化するために人の皮膚に私通される第2刺通部材を有する遠方端とを含む第2の経皮的部材を含む流体移送装置と、
センサ装置と、第1の経皮的部材と、リザーバと、流体移送装置と、プロセッサと、を収納するハウジングにして、第1の経皮的部材及び第2の経皮的部材の各遠方端を、該各遠方端が人に刺し込まれるに際して受る出口ポートと、ハウジングの第1壁を人の皮膚に固定するための手段とを含むハウジングと、
第1刺し込み起動装置にして、第1刺通部材をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動し、次いで人の皮膚内に刺し込ませるために第1の経皮的部材と接触する駆動機構を含む第1刺し込み起動装置と、
第2刺し込み起動装置にして、第2刺通部材をハウジング内の第1位置から出口ポートを通してハウジング外の第2位置に移動し、次いで人の皮膚内に刺し込ませるために第2の経皮的部材と接触する駆動機構を含む第2刺し込み起動装置と、
を含む装置。
【請求項126】
プロセッサが、刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供するための刺し込み起動指令発生部分を含み、前記刺し込み起動指令が、刺し込み起動指令発生部分に設けたトリガー信号が提供されることに基づいて発生される請求項125の装置。
【請求項127】
トリガー信号が、プロセッサ内にプログラムされた調時指令に基づいてプロセッサ内で発生され、調時指令により所定の時間間隔において前記刺し込み起動指令発生部分に提供される請求項126の装置。
【請求項128】
トリガー信号が、少なくとも1つの環境パラメータを監視する第2センサからのプロセッサへのセンサ入力値に基づいてプロセッサ内で発生され、前記プロセッサへのセンサ入力値により、環境パラメータが所定値に達すると刺し込み起動指令発生部分にトリガー信号が提供される請求項126の装置。
【請求項129】
第2センサがハウジング内に配置される請求項126の装置。
【請求項130】
第2センサがハウジング外に位置付けられる請求項126の装置。
【請求項131】
第2センサが、センサ入力値をプロセッサに関連するレシーバに伝達するためのトランスミッタを含む請求項130の装置。
【請求項132】
環境パラメータが、温度、圧力、酸素量、光、そして化学物質の存在、の一つを含む請求項126の装置。
【請求項133】
第2センサが環境パラメータの少なくとも1つが所定値に達したと判断するとプロセッサが第1刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供する請求項128の装置。
【請求項134】
第2センサが環境パラメータの少なくとも1つがが所定値に達したと判断するとプロセッサが第2刺し込み起動装置に刺し込み起動指令を提供する請求項128の装置。
【請求項135】
センサ装置が、人に関わる生理的パラメータを監視し、
第2センサが生理的パラメータの少なくとも1つが所定値に達したと判断するとプロセッサが第1刺し込み起動装置に第1刺し込み起動指令を提供し、第2センサが生理的パラメータの少なくとも1つがが所定値に達したと判断するとプロセッサが第2刺し込み起動装置に第2刺し込み起動指令を提供する請求項128の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図13】
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【図18】
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【図19】
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【図22】
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【図23】
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【図27】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図39A】
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【図40】
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【公表番号】特表2006−501878(P2006−501878A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−521562(P2004−521562)
【出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/021340
【国際公開番号】WO2004/006982
【国際公開日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願人】(503093280)インシュレット コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】