光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システム
【課題】広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システムを提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127によって、検出光L2の放射角度範囲において強度が変化する光強度分布を形成した際の受光部13の受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標を検出する。第1光源モジュール126および第2光源モジュール127は、Z軸方向で離間しており、検出光L2の放射角度範囲において強度が一定の光強度分布を形成した際の受光部13の受光強度に基づいてZ軸方向における対象物体Obの位置を検出する。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127によって、検出光L2の放射角度範囲において強度が変化する光強度分布を形成した際の受光部13の受光強度に基づいて対象物体ObのXY座標を検出する。第1光源モジュール126および第2光源モジュール127は、Z軸方向で離間しており、検出光L2の放射角度範囲において強度が一定の光強度分布を形成した際の受光部13の受光強度に基づいてZ軸方向における対象物体Obの位置を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部および受光部を互いに離間した位置に設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。かかる光学式位置検出装置では、光源から対象物体を経て受光部に至る距離によって受光部での受光強度が変化することを利用して対象物体の位置を検出する。
【0003】
また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射することにより、導光板に対する一方面側に導光板の面内方向で強度が変化する光強度分布を形成し、かかる光強度分布が形成された空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、対象物体の位置によって光強度が異なるので、対象物体の位置によって対象物体での反射光量が変化することを利用して導光板の面内方向での対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の出射角度範囲自体が狭く、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な空間を拡張するには導光板を大型化する必要があり、かかる大型の導光板を用いると、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰が大きい。このため、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であり、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
また、特許文献1に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、点光源からなる複数の光源部を三次元的に配置することになるが、この場合、光源部から出射される検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭くなってしまう。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、導光板に対する法線方向で変化する強度分布を形成する必要があり、かかる強度分布を大型の導光板で形成するのは困難である。それ故、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭い。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光学式位置検出装置において、第1光源モジュールおよび第2光源モジュールは、第1方向および第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を出射し、受光部は、光源部からの検出光出射空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。従って、位置検出部は、受光部での受光強度に基づいて第1方向および第2方向における対象物体の位置を検出することができる。その際、検出光は、放射状に出射されるため、広い範囲にわたって検出光を出射することができる。それ故、第1方向および第2方向における検出対象空間が広い。また、本発明に係る光学式位置検出装置において、第1光源モジュールと第2光源モジュールとは、第3方向で離間した位置から検出光を出射するため、位置検出部は、受光部での受光強度に基づいて第3方向における対象物体の位置を検出することができる。その際も、検出光は、放射状に出射されるため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本発明によれば、第1方向および第2方向で広い検出対象空間において、第3方向における対象物体の位置を検出することもできる。
【0010】
本発明において、前記第3方向における前記第1検出光の出射角度範囲が、前記第3方向における前記第2検出光の出射角度範囲に比して狭いことが好ましい。かかる構成によれば、第1光源モジュールと第2光源モジュールとの第3方向における離間距離が狭い場合でも、第1検出光と第2検出光との第3方向における重なり部分を狭くすることができる。従って、第1光源モジュールと第2光源モジュールとの第3方向における離間距離が狭い場合でも、第3方向における対象物体の位置を確実に検出することができる。
【0011】
本発明において、前記第1光源モジュールは、前記第1検出光を出射する第1検出光出射用発光素子と、該第1検出光出射用発光素子が出射した前記第1検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第1ライトガイドと、前記第1ライトガイドの光出射面に前記第1検出光の前記第3方向における出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限部材と、を備え、前記第2光源モジュールは、前記第2検出光を出射する第2検出光出射用発光素子と、該第2検出光出射用発光素子が出射した前記第2検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第2ライトガイドと、を備える構成を採用することができる。かかる構成によれば、発光素子(第1検出光出射用発光素子および第2検出光出射用発光素子)が出射した検出光(第1検出光および第2検出光)をライトガイド(第1ライトガイドおよび第2ライトガイド)を介して出射するので、光強度が連続的に変化する光強度分布を形成することができる。
【0012】
本発明において、前記出射角度範囲制限部材は、ルーバーフィルムであり、前記ルーバーフィルムのルーバー部は、前記ルーバーフィルムの光入射面から光出射面に向けて前記第3方向において前記第2光源モジュールが位置する側とは反対側に向けて傾斜していることが好ましい。かかる構成によれば、第1検出光と第2検出光との重なりを小さくすることができる。
【0013】
この場合、前記第1光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第1ライトガイドの前記一方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第1発光素子と、前記第1ライトガイドの前記他方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第2発光素子と、を備え、前記第2光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第2ライトガイドの前記一方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第3発光素子と、前記第2ライトガイドの前記他方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第4発光素子と、を備え、前記光源駆動部は、前記第1発光素子を点灯させる第1期間と、前記第4発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1発光素子および前記第2発光素子を点灯させる第3期間と、前記第3発光素子および前記第4発光素子を点灯させる第4期間と、を実現する構成を採用することができる。かかる構成によれば、少ない数の発光素子によって、第1方向、第2方向および第3方向における対象物体の位置を検出することができる。
【0014】
本発明において、前記第1光源モジュールは、前記第1光源モジュールの周方向に配列された複数の第1検出光出射用発光素子を備え、前記第2光源モジュールは、前記第2光源モジュールの周方向に配列された複数の第2検出光出射用発光素子を備え、前記光源駆動部は、前記一方端側から前記他方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第1検出光出射用発光素子を点灯させる第1期間と、前記他方端側から前記一方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第2検出光出射用発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第3期間と、前記第2検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第4期間と、を実現する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、第1光源モジュールおよび第2光源モジュールから第1方向および第2方向で遠く離間した位置まで検出光(第1検出光および第2検出光)を出射することができる。それ故、第1方向および第2方向における検出対象空間をより広くすることができる。
【0015】
本発明において、前記位置検出部は、前記受光部での前記第1期間の受光強度と前記第2期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記受光部での前記第3期間の受光強度と前記第4期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、外光等の環境光等の影響を排除することができる。
【0016】
本発明に係る光学式位置検出装置を用いて光学式位置検出システムを構成した場合、かかる光学式位置検出システムでは、前記第3方向において前記検出光出射空間に対して前記第1光源モジュールが位置する側に、前記仮想面に沿って広がる視認面を備えた視認面構成部材が配置される。
【0017】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、画像が表示される表示面を備えた表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される面側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。さらに、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】図3に示す受発光ユニットに設けた光学部材の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において発光素子が点灯した際に形成される光強度分布の説明図である。
【図8】図3に示す受発光ユニットからZ軸方向位置検出用検出光が出射される様子を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置におけるXY座標(角度位置)の検出原理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出動作を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置におけるZ軸方向の位置検出動作を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において、対象物体の角度位置を検出する際に光源部から出射される検出光の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において、Z軸方向の対象物体の位置を検出する際に光源部から出射される検出光の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置に用いた発光素子の説明図である。
【図17】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図18】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。従って、本発明における「第1方向」はX軸方向に相当し、本発明における「第2方向」はY軸方向に相当し、本発明における「第3方向」はZ軸方向に相当する。また、本発明における「第1方向・第2方向位置検出用第1検出光」はXY座標検出用第1検出光L2eに相当し、「第1方向・第2方向位置検出用第2検出光」はXY座標検出用第2検出光L2fに相当する。また、本発明における「第3方向検出用第1検出光」はZ軸方向位置検出用第1検出光L2gに相当し、「第3方向位置検出用第2検出光」はZ軸方向位置検出用第2検出光L2hに相当する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置を正面からみたときの説明図である。
【0021】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間であり、検出対象空間10Rには、後述する検出光L2の光強度分布が形成される。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0022】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0023】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0024】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0025】
後述するように、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)等の発光素子(点光源)を備えており、発光素子は、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2を発散光として出射する。受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)は各々、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子130を備えており、本形態において、受光素子130は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードである。
【0026】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なる期間において動作する。従って、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0027】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(XY座標検出用第1検出光L2e)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(XY座標検出用第2検出光L2f)が出射される様子を示す説明図である。図5は、図3に示す受発光ユニットに設けた光学部材の説明図であり、図5(a)、(b)は、第1光源モジュールに設けた光学部材の説明図、および第2光源モジュールに設けた光学部材の説明図である。
【0028】
図2に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0029】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えており、第1光源モジュール126は、第2光源モジュール127に対してZ軸方向の他方側Z2(図1に示す視認面構成部材40が位置する側)に向かって所定の距離を離間した位置に配置されている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部158になっており、導光部158の奥に第1受光部13Aの受光素子130が配置されている。
【0030】
図3および図4に示すように、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。より具体的には、図3および図4(a)に示すように、第1光源モジュール126は、赤外光を出射する発光ダイオード等の2つの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122/第1検出光出射用発光素子)を備えているとともに、円弧状のライトガイドLG(第1ライトガイドLGs)を備えている。2つの発光素子120のうち、第1発光素子121はライトガイドLGの一方の端部LG1に配置され、第2発光素子122はライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。
【0031】
また、図4(a)および図5(a)に示すように、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、拡散シートDSを備えているとともに、第1プリズムシートPS1、第2プリズムシートPS2、およびルーバーフィルムGF等の出射角度範囲制限用光学部材GEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。ルーバーフィルムGFのルーバー部GF1は、ルーバーフィルムGFの光入射面から光出射面に向けてZ軸方向において第2光源モジュール127が位置する側とは反対側に向けて傾斜している。
【0032】
かかる第1光源モジュール126では、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3によって第1光出射部126aが構成され、第1光源モジュール126は、第1光出射部126aの周方向に検出光L2として第1検出光L2sを出射する。
【0033】
図3および図4(b)に示すように、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、赤外光を出射する発光ダイオード等の2つの発光素子120(第3発光素子123および第4発光素子124/第2検出光出射用発光素子)を備えているとともに、円弧状のライトガイドLG(第2ライトガイドLGt)を備えている。2つの発光素子120のうち、第3発光素子123はライトガイドLGの一方の端部LG1に配置され、第4発光素子124はライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。
【0034】
また、図4(b)および図5(b)に示すように、第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、拡散シートDSを備え、内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。但し、第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126と違って、第1プリズムシートPS1、第2プリズムシートPS2、およびルーバーフィルムGF等の出射角度範囲制限用光学部材GEを備えていない。
【0035】
かかる第2光源モジュール127では、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3によって第2光出射部127aが構成され、第2光源モジュール127は、第2光出射部127aの周方向に検出光L2として第2検出光L2tを出射する。
【0036】
かかる第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを比較すると、第1光源モジュール126には、検出光L2のZ軸方向の出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限用光学部材GEが配置されているため、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲より狭い。特に本形態では、ルーバーフィルムGFのルーバー部GF1は、ルーバーフィルムGFの光入射面から光出射面に向けてZ軸方向において第2光源モジュール127が位置する側とは反対側に向けて傾斜しているため、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なりが小さい。
【0037】
なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されていることがあり、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0038】
(位置検出部等の構成)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図6(a)、(b)は、制御用ICの構成を示す説明図、および光源に供給される駆動信号の説明図である。
【0039】
本形態の位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10において、図1〜図5等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5(a)に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的接続されている。
【0040】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの4つの発光素子120の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0041】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの4つの発光素子120に供給する駆動パルスの駆動電流値を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。なお、調整量算出部74は、パルス発生器75a、75bに対する制御信号を出力するアナログ−デジタル変換部等を備えている。
【0042】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの4つの発光素子120に供給する駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0043】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。なお、光学式位置検出装置10において、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては、電圧変調やパルス幅変調が行われる。
【0044】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置(X軸方向およびY軸方向の位置)を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置(X軸方向およびY軸方向の位置)を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0045】
また、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する第1Z軸方向位置検出部556と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する第2Z軸方向位置検出部557とを有している。従って、座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置、第1Z軸方向位置検出部556で得られた対象物体ObのZ軸方向の位置、第2Z軸方向位置検出部557で得られた対象物体ObのZ軸方向の位置に基づいて、対象物体ObのXYZ軸方向における対象物体Obの位置を確定する。
【0046】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0047】
(点灯動作および光強度分布の説明)
図7は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において発光素子120が点灯した際に形成される光強度分布の説明図であり、図7(a)、(b)は、XY平面内における対象物体Obの位置(角度方向)の検出に用いる光強度分布の説明図、およびZ軸における対象物体Obの位置の検出に用いる光強度分布の説明図である。図8は、図3に示す受発光ユニットからZ軸方向位置検出用検出光が出射される様子を示す説明図であり、第3期間に検出光L2(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)が出射される様子を示す説明図、および第4期間に検出光L2(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)が出射される様子を示す説明図である。
【0048】
本形態の光学式位置検出装置10において、XY平面内における対象物体Obの位置(角度方向)を検出する際、図6(a)に示す光源駆動部51は、図6(b)に示すように、第1期間(第1点灯動作時)では、第1光源部12Aの第1発光素子121に駆動パルスを印加し、第2期間(第2点灯動作時)では、第1光源部12Aの第4発光素子124に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。かかる第1期間では、第1発光素子121が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図4(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126から第1検出光L2e(XY座標検出用第1検出光L2e)が出射され、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)の矢印および図7(a)の点線E1によって光強度を示すように、第1検出光L2sの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0049】
また、第2期間では、第4発光素子124が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図4(b)に示すように、第1光源部12Aの第2光源モジュール127から第2検出光L2t(XY座標検出用第2検出光L2f)が出射され、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)の矢印および図7(a)の一点鎖線E2によって光強度を示すように、第2検出光L2tの放射角度範囲において、ライトガイドLGの他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0050】
また、本形態の光学式位置検出装置10において、Z軸方向における対象物体Obの位置を検出する際、図6(a)に示す光源駆動部51は、図6(b)に示すように、第3期間(第3点灯動作時)では、第1光源モジュール126の第1発光素子121および第2発光素子122に駆動パルスを印加し、第4期間(第4点灯動作時)では、第2光源モジュール127の第3発光素子123および第4発光素子124に逆相の駆動パルスを印加する。かかる第3期間では、第1発光素子121および第2発光素子122が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図8(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126から第1検出光L2s(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)が出射され、検出対象空間10Rには第3光強度分布LID3が形成される。かかる第3光強度分布LID3は、図8(a)の矢印および図7(a)の実線F1によって光強度を示すように、第1検出光L2sの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が一定である。但し、図7(b)に模式的に示すように、第3光強度分布LID3では、Z軸方向において光強度が変化している。
【0051】
また、第4期間では、第3発光素子123および第4発光素子124が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図8(b)に示すように、第1光源部12Aの第2光源モジュール127から第2検出光L2t(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)が出射され、検出対象空間10Rには第4光強度分布LID4が形成される。かかる第4光強度分布LID4は、図8(b)の矢印および図7(a)の実線F2によって光強度を示すように、第2検出光L2tの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が一定である。但し、図7(b)に模式的に示すように、第4光強度分布LID4では、Z軸方向において光強度が変化している。
【0052】
なお、第1光源部12Aに対する駆動の後は、第2光源部12Bが駆動される。かかる第2光源部12Bにおいて、各発光素子120を順次点灯させる際も、第1光源部12Aにおいて各発光素子120を順次点灯させた際と同様、検出対象空間10Rには、第1光強度分布LID1、第2光強度分布LID2、第3光強度分布LID3、および第4光強度分布LID4が順次形成される。
【0053】
(XY座標(角度位置)の検出原理)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10におけるXY座標(角度位置)の検出原理を示す説明図であり、図9(a)、(b)は、対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図、および対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0054】
本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源部12Aの第1光源モジュール126によって、第1期間に第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に点線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127によって、第2期間に第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に一点鎖線E2で示す直線関係にある。ここで、図9に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT1となる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT2となる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とを比較して、強度INT1、INT2の関係を求めれば、図9に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0055】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第4発光素子124に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0056】
より具体的には、まず、図6(a)に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1期間において第1点灯動作として第1発光素子121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2期間において第2点灯動作として第4発光素子124を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図6(a)に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とを比較する。その結果、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しければ、対象物体Obの角度位置は0°である。
【0057】
これに対して、受光強度INT1、INT2が相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しければ、図6(a)に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1発光素子121および第2発光素子122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める(図9参照)。
【0058】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6(a)に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図6(a)に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得することができる(図9参照)。
【0059】
(XY座標(角度位置)の具体的な検出動作)
図10は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出動作を示す説明図であり、図10(a)、(b)は、XY座標(角度位置)の検出動作を示す説明図、およびZ軸方向における対象物体Obの位置(Z軸方向の位置)の検出動作を示す説明図である。なお、図10には、環境光等、対象物体Obで反射した検出光L2以外の光の存在については省略してある。
【0060】
まず、本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのXY座標(角度位置)を検出するには、まず、図10(a)に示す期間T11において、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第1期間および第2期間では、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第4発光素子124に対する第2駆動電流値を各々、初期設定値にして、発光素子120を順次点灯させる。その際の受光部13での受光強度はゼロである。
【0061】
次に、期間T12において対象物体Obが検出対象空間10Rに出現すると、受光部13は、対象物体Obで反射した反射光L3を受光する。ここで、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しい場合、対象物体Obの角度位置が0°であるとわかる。
【0062】
これに対して、期間T13のように、受光部13の受光強度が第1期間と第2期間とで異なる場合、期間T14のように、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなるように、第1期間に供給する第1駆動電流値および第2期間に供給する第2駆動電流値を調整する。そして、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなったとき、第1駆動電流値に対する調整量ΔI1と第2駆動電流値に対する調整量ΔI2との差を用いれば、対象物体Obの角度位置を検出できる。図10(a)には、期間T14では、期間T3に比して、第1駆動電流値を増大させ、第2駆動電流値を減少させた場合を例示してある。
【0063】
(Z軸方向における対象物体Obの位置の検出原理)
本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのZ軸方向における対象物体Obの位置を検出する場合も、XY座標(角度位置)を検出する際と同様な原理を利用する。より具体的には、図8(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126によって、第3期間に第3光強度分布LID3を形成した際、Z軸方向の位置と検出光L2の強度とは、図7(b)に点線E3で示す関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127によって、第4期間に第4光強度分布LID4を形成した際、Z軸方向の位置と検出光L2の強度とは、図7(b)に一点鎖線E4で示す関係にある。従って、第3光強度分布LID3を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT3となり、第4光強度分布LID4を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT4となる。従って、第3光強度分布LID3を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第4光強度分布LID4を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とを比較して、強度INT3、INT4の関係を求めれば、対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。
【0064】
かかる原理を利用して、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第3光強度分布LID3を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光源モジュール127によって第4光強度分布LID4を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とが等しくなるように、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値とを調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値に比例する。従って、図6(a)に示す第1Z軸方向位置検出部556は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を調整した後の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。なお、第3駆動電流値は、第1発光素子121と第2発光素子122に供給する駆動電流の和であり、第4駆動電流値は、第3発光素子123と第4発光素子124に供給する駆動電流の和である。
【0065】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6(a)に示す第2Z軸方向位置検出部557は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を調整した後の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。従って、図6(a)に示す座標データ取得部55は、対象物体ObのXY座標データに加えて、対象物体ObのZ軸方向の位置データを取得することができる。なお、本形態においては、第1光源部12Aを駆動した際のZ軸方向の位置データ、および第2光源部12Bを駆動した際のZ軸方向の位置データが得られることから、座標データ取得部55は、これら2つの位置データの平均、あるいは、対象物体ObのXY座標データに基づいて2つの位置データのうちの一方を対象物体ObのZ軸方向の位置として確定する。
【0066】
(Z軸方向の位置の検出動作)
図11は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10におけるZ軸方向の位置検出動作を示す説明図であり、図11(a)は、対象物体ObのZ軸方向の位置と調整量の差との関係を示すグラフであり、図11(b)〜(d)は、対象物体Obと視認面構成部材40との位置関係を示す説明図である。なお、図11(e)は、第1検出光のZ軸方向の出射角度範囲と第2検出光のZ軸方向の出射角度範囲が等しい場合の説明図である。なお、図11(b)〜(d)には、第1検出光および第2検出光のうち、光強度が比較的高い部分をグレー領域で示してある。
【0067】
本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出するには、まず、図10(b)に示す期間T21において、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第3期間および第4期間において、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を各々、初期設定値にして発光素子120を順次点灯させる。その結果、受光部13での受光強度はゼロである。
【0068】
次に、期間T22において対象物体Obが検出対象空間10Rに出現すると、受光部13は、対象物体Obで反射した反射光L3を受光する。ここで、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しい場合、対象物体Obが、図7(b)の位置Zmに位置することがわかる。
【0069】
これに対して、期間T23のように、受光部13の受光強度が第3期間と第4期間とで異なる場合、期間T24のように、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しくなるように、第3期間に供給する第3駆動電流値および第4期間に供給する第4駆動電流値を調整する。そして、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しくなったとき、第3駆動電流値に対する調整量ΔI3と第4駆動電流値に対する調整量ΔI4との差を用いれば、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出できる。図10(b)には、期間T24では、期間T23に比して、第3駆動電流値を増大させ、第4駆動電流値を減少させた場合を例示してある。
【0070】
このようにして対象物体ObのZ軸方向の位置を検出すれば、図11に示すように、視認面構成部材40と対象物体Obの位置を検出することができる。すなわち、対象物体Obが、図11(b)に示す位置から図11(c)に示す位置を経て図11(d)に示す位置まで移動した場合、第3駆動電流値に対する調整量ΔI3と第4駆動電流値に対する調整量ΔI4との差(ΔI3−ΔI4)は、図11(a)に模式的に示すように変化する。従って、視認面41に対する対象物体ObのXY面内における指示位置(XY座標データ)によって情報を入力しようとした場合、図6(a)に示す制御装置60は、図11(a)に領域Zcで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が大きいとき、対象物体Obによる情報入力が行われない状態と判定することができる。次に、図6(a)に示す制御装置60は、図11(a)に領域Zbで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が所定の範囲内になったとき、対象物体ObのXY座標データに基づいて、入力情報を予め判定することができる。そして、図6(a)に示す制御装置60は、図11(c)に領域Zaで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が所定の閾値より小さくなったとき、対象物体ObのXY座標データに対応する入力情報が確定したものと判定することができる。
【0071】
その際、本形態では、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2より狭い。このため、図11(e)に示すように、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1と第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2とが広い場合に比して、本形態では、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なり部分が小さい。それ故、本形態によれば、図11(e)に示す形態より、図11(a)に示すグラフにおいて、対象物体ObがZ軸方向に一定の距離変位した場合の調整量の差の変化が大である。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を確実に検出することができる。
【0072】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射するとともに、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成し、受光部13は、光強度分布が形成された検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光する。ここで、対象物体Obで反射した検出光L2の強度は、光強度分布において対象物体Obが位置する箇所での強度に比例するので、受光部13での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出することができる。かかる方式によれば、光源部12から放射状に出射された検出光L2の光強度分布を利用するので、広い空間にわたって光強度分布を形成することができ、検出対象空間10Rが広い。
【0073】
また、本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127は、X軸方向およびY軸方向より規定される仮想面に沿うようにXY座標検出用の第1検出光L2sおよび第2検出光L2tを出射し、受光部13は、検出光出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光を受光する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいてXY平面内における対象物体Obの角度方向(X軸方向およびY軸方向における対象物体Obの位置)を検出することができる。その際、第1検出光L2sおよび第2検出光L2tは、放射状に出射されるため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光L2を出射することができる。それ故、X軸方向およびY軸方向における検出対象空間10Rが広い。
【0074】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とは、Z軸方向で離間した位置からZ軸方向位置検出用の第1検出光L2sおよび第2検出光L2tを出射するため、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいてZ軸方向における対象物体Obの位置を検出することができる。その際、第1検出光L2sおよび第2検出光L2tは、放射状に出射されるため、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光L2を出射することができる。それ故、本形態によれば、X軸方向およびY軸方向で広い検出対象空間10Rにおいて、Z軸方向における対象物体Obの位置を検出することもできる。
【0075】
また、本形態において、Z軸方向の位置を検出する際の第1検出光L2sのZ軸方向における出射角度範囲が、Z軸方向の位置を検出する際の第2検出光L2tのZ軸方向における出射角度範囲より狭い。従って、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とのZ軸方向における離間距離が狭い場合でも、第1検出光L2sと第2検出光L2tとのZ軸方向における重なり部分を狭くすることができる。従って、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とのZ軸方向における離間距離が狭い場合でも、Z軸方向における対象物体Obの位置を確実に検出することができる。
【0076】
本発明において、位置検出部50は、受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obの位置を検出する。このため、外光等の環境光等の影響を排除することができる。また、受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obの位置を検出するにあたって、本形態では、第1期間と第2期間とにおいて受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度とが等しくなった際の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比較結果を用いて対象物体ObのXY座標データを検出する。また、第3期間と第4期間とにおいて受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度とが等しくなった際の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比較結果を用いてZ軸方向の対象物体Obの位置を検出する。それ故、受光部13の感度が変化しても、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0077】
また、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光素子120とライトガイドLGとを備えている。このため、発光素子120が出射した検出光L2を、ライトガイドLGを介して出射するので、光強度が連続的に変化する光強度分布を形成することができる。また、少ない数の発光素子120によって、対象物体のXY座標データおよびZ軸方向の位置を検出することができるという利点がある。
【0078】
[実施の形態2]
(受発光ユニットの構成)
図12は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0079】
実施の形態1では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図12に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、周方向に配列された複数の発光素子120と、複数の発光素子120が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0080】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。このため、第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181の長手方向に実装された発光素子120(第1検出光出射用発光素子128)とによって第1光源モジュール126が構成されている。また、第2フレキシブル基板182と、第2フレキシブル基板182の長手方向に実装された発光素子120(第2検出光出射用発光素子129)とによって第2光源モジュール127が構成されている。本形態においても、実施の形態1と同様、発光素子120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0081】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部158になっており、かかる導光部158の奥に受光部13の受光素子130が配置されている。
【0082】
かかる構成の第1光源モジュール126では、第1フレキシブル基板181において発光素子120が実装されている面側によって第1光出射部126aが構成され、第1光源モジュール126は、第1光出射部126aの周方向に第1検出光L2sを出射する。また、第2光源モジュール127では、第2フレキシブル基板182において発光素子120が実装されている面側によって第2光出射部127aが構成され、第2光源モジュール127は、第2光出射部127aの周方向に第2検出光L2tを出射する。
【0083】
(光源駆動部51の構成)
図13は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図13(a)、(b)、(c)は、制御用ICの構成を示す説明図、光源駆動部51の駆動電流バランス調整回路の説明図、および別の駆動電流バランス調整回路の説明図である。
【0084】
図13(a)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源駆動部51は駆動電流バランス調整回路780を備えており、発光素子120を駆動する際、光源駆動部51は、駆動電流バランス調整回路780を介して発光素子120を駆動する状態と、駆動電流バランス調整回路780を介さずに発光素子120を駆動する状態とに切り換わる。駆動電流バランス調整回路780は、対象物体Obの角度位置を検出する際、複数の発光素子120の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整する。かかる駆動電流バランス調整回路780は、例えば、図13(b)に示すように、複数の発光素子120の各々に抵抗R1、R2・・Rnが直列に接続された抵抗回路として構成され、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整することができる。また、駆動電流バランス調整回路780は、図13(c)に示すように、複数の発光素子120の各々に抵抗R1、R2・・Rnが並列に接続された抵抗回路として構成することができ。この場合も、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0085】
(位置検出動作)
図14は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において、対象物体Obの角度位置を検出する際に光源部12から出射される検出光L2の説明図であり、図14(a)、(b)は、第1期間に出射される第1検出光L2s(XY座標検出用第1検出光L2e)の説明図、および第2期間に出射される第2検出光L2t(XY座標検出用第2検出光L2f)の説明図である。図15は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において、Z軸方向の対象物体Obの位置を検出する際に光源部12から出射される検出光L2の説明図であり、図15(a)、(b)は、第3期間に出射される第1検出光L2s(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)の説明図、および第4期間に出射される第2検出光L2t(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)の説明図である。
【0086】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の発光素子120(第1検出光出射用発光素子128)、および第2フレキシブル基板182に実装されている複数の発光素子120(第2検出光出射用発光素子129)の全てを異なる期間において点灯させる。
【0087】
まず、対象物体Obの角度位置を検出する際、まず、第1期間では、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て点灯させ、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て消灯させる(第1点灯動作)。その際、図14(a)に出射強度の高低を矢印で示すように、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1検出光出射用発光素子128の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される第1検出光L2sの第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、第2期間では、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て点灯させ、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て消灯させる(第2点灯動作)。その際、図14(b)に出射強度の高低を矢印で示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する側から一方側の端部182fが位置する側に向かって第2検出光出射用発光素子129の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される第2検出光L2tの第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1検出光出射用発光素子128に供給する駆動電流の和を第1駆動電流値とし、複数の第2検出光出射用発光素子129に供給する駆動電流の和を第2駆動電流値とする。
【0090】
また、Z軸方向における対象物体Obの角度位置を検出する際、まず、第3期間では、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て点灯させ、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て消灯させる(第3点灯動作)。その際、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780を介さずに第1検出光出射用発光素子128を駆動する。従って、図15(a)に出射強度の高低を矢印で示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1検出光出射用発光素子128の出射強度が一定である。従って、検出対象空間10Rに出射される第1検出光L2sの第3光強度分布LID3では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向から他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が一定である。
【0091】
これに対して、第4期間では、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て点灯させ、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て消灯させる(第4点灯動作)。その際、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780を介さずに第2検出光出射用発光素子129を駆動する。従って、図15(b)に出射強度の高低を矢印で示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第2検出光出射用発光素子129の出射強度が一定である。従って、検出対象空間10Rに出射される第2検出光L2tの第4光強度分布LID4では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向から他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が一定である。
【0092】
それ故、第3点灯動作および第4点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理でZ軸方向の対象物体Obの位置を検出することができる。その際、複数の第1検出光出射用発光素子128に供給する駆動電流の和を第3駆動電流値とし、複数の第2検出光出射用発光素子129に供給する駆動電流の和を第4駆動電流値とする。
【0093】
かかる構成によれば、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127からX軸方向およびY軸方向で遠く離間した位置まで検出光(第1検出光L2sおよび第2検出光L2t)を出射することができる。それ故、X軸方向およびY軸方向における検出対象空間10Rをより広くすることができる。
【0094】
(検出光のZ軸方向における出射角度範囲)
図16は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10に用いた発光素子120の説明図であり、図16(a)、(b)は、第2光源モジュール126に用いた発光素子120の説明図、および第1光源モジュール126に用いた発光素子120の説明図である。
【0095】
図16(a)に示すように、第2光源モジュール127に用いた第2検出光出射用発光素子129は、半球状に凹んだパッケージ125の凹部125aの底部に発光部120aが位置する。このため、第2検出光出射用発光素子129は、視野角が比較的大であり、半値角度は±60°である。これに対して、図16(b)に示すように、第1光源モジュール126に用いた第1検出光出射用発光素子128は、図16(a)に示す発光素子と同様、半球状に凹んだパッケージ125の凹部125aの底部に発光部120aが位置するが、発光部120aと重なる位置に正のパワーを有するレンズ120bが設けられている。このため、第1検出光出射用発光素子128は、第2検出光出射用発光素子129より視野角が小であり、半値角度は±12°である。
【0096】
このため、図11(b)〜(d)に示すように、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2より狭い。従って、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なり部分が小さい。それ故、本形態によれば、図11(e)に示す形態より、図11(a)に示すグラフにおいて、対象物体ObがZ軸方向に一定の距離変位した場合の調整量の差の変化が大である。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を確実に検出することができる。
【0097】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。
【0098】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図17は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0099】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図17に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図16を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0100】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0101】
(位置検出システム1の具体例2)
図18を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図18は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0102】
図18に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0103】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0104】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0105】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0106】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0107】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・発光素子、120b・・レンズ、121・・第1発光素子(第1検出光出射用発光素子)、122・・第2発光素子(第1検出光出射用発光素子)、123・・第3発光素子(第2検出光出射用発光素子)、124・・第4発光素子(第2検出光出射用発光素子)、126・・第1光源モジュール、126a・・第1光出射部、127・・第2光源モジュール、127a・・第2光出射部、128・・第1検出光出射用発光素子、129・・第2検出光出射用発光素子、130・・受光素子、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、GE・・出射角度範囲制限用光学部材、L2e・・XY座標検出用第1検出光(第1方向・第2方向位置検出用第1検出光)、L2f・・XY座標検出用第2検出光(第1方向・第2方向位置検出用第2検出光)、L2g・・Z軸方向位置検出用第1検出光(第3方向検出用第1検出光)、L2h・・Z軸方向位置検出用第2検出光(第3方向検出用第2検出光)、L2s・・第1検出光、L2t・・第2検出光、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、点光源からなる複数の光源部および受光部を互いに離間した位置に設け、複数の光源部の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射した際に、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。かかる光学式位置検出装置では、光源から対象物体を経て受光部に至る距離によって受光部での受光強度が変化することを利用して対象物体の位置を検出する。
【0003】
また、点光源からなる複数の光源部の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射することにより、導光板に対する一方面側に導光板の面内方向で強度が変化する光強度分布を形成し、かかる光強度分布が形成された空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。かかる光学式位置検出装置では、対象物体の位置によって光強度が異なるので、対象物体の位置によって対象物体での反射光量が変化することを利用して導光板の面内方向での対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の出射角度範囲自体が狭く、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な空間を拡張するには導光板を大型化する必要があり、かかる大型の導光板を用いると、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰が大きい。このため、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であり、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
また、特許文献1に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、点光源からなる複数の光源部を三次元的に配置することになるが、この場合、光源部から出射される検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭くなってしまう。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置において対象物体の三次元的な位置を検出しようとすると、導光板に対する法線方向で変化する強度分布を形成する必要があり、かかる強度分布を大型の導光板で形成するのは困難である。それ故、対象物体の位置を検出可能な範囲が極端に狭い。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の三次元的な位置を光学的に検出することのできる光学式位置検出装置、光学式位置検出システム、および入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光学式位置検出装置において、第1光源モジュールおよび第2光源モジュールは、第1方向および第2方向より規定される仮想面に沿うように検出光を出射し、受光部は、光源部からの検出光出射空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した検出光を受光する。従って、位置検出部は、受光部での受光強度に基づいて第1方向および第2方向における対象物体の位置を検出することができる。その際、検出光は、放射状に出射されるため、広い範囲にわたって検出光を出射することができる。それ故、第1方向および第2方向における検出対象空間が広い。また、本発明に係る光学式位置検出装置において、第1光源モジュールと第2光源モジュールとは、第3方向で離間した位置から検出光を出射するため、位置検出部は、受光部での受光強度に基づいて第3方向における対象物体の位置を検出することができる。その際も、検出光は、放射状に出射されるため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を出射することができる。それ故、本発明によれば、第1方向および第2方向で広い検出対象空間において、第3方向における対象物体の位置を検出することもできる。
【0010】
本発明において、前記第3方向における前記第1検出光の出射角度範囲が、前記第3方向における前記第2検出光の出射角度範囲に比して狭いことが好ましい。かかる構成によれば、第1光源モジュールと第2光源モジュールとの第3方向における離間距離が狭い場合でも、第1検出光と第2検出光との第3方向における重なり部分を狭くすることができる。従って、第1光源モジュールと第2光源モジュールとの第3方向における離間距離が狭い場合でも、第3方向における対象物体の位置を確実に検出することができる。
【0011】
本発明において、前記第1光源モジュールは、前記第1検出光を出射する第1検出光出射用発光素子と、該第1検出光出射用発光素子が出射した前記第1検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第1ライトガイドと、前記第1ライトガイドの光出射面に前記第1検出光の前記第3方向における出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限部材と、を備え、前記第2光源モジュールは、前記第2検出光を出射する第2検出光出射用発光素子と、該第2検出光出射用発光素子が出射した前記第2検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第2ライトガイドと、を備える構成を採用することができる。かかる構成によれば、発光素子(第1検出光出射用発光素子および第2検出光出射用発光素子)が出射した検出光(第1検出光および第2検出光)をライトガイド(第1ライトガイドおよび第2ライトガイド)を介して出射するので、光強度が連続的に変化する光強度分布を形成することができる。
【0012】
本発明において、前記出射角度範囲制限部材は、ルーバーフィルムであり、前記ルーバーフィルムのルーバー部は、前記ルーバーフィルムの光入射面から光出射面に向けて前記第3方向において前記第2光源モジュールが位置する側とは反対側に向けて傾斜していることが好ましい。かかる構成によれば、第1検出光と第2検出光との重なりを小さくすることができる。
【0013】
この場合、前記第1光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第1ライトガイドの前記一方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第1発光素子と、前記第1ライトガイドの前記他方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第2発光素子と、を備え、前記第2光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第2ライトガイドの前記一方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第3発光素子と、前記第2ライトガイドの前記他方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第4発光素子と、を備え、前記光源駆動部は、前記第1発光素子を点灯させる第1期間と、前記第4発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1発光素子および前記第2発光素子を点灯させる第3期間と、前記第3発光素子および前記第4発光素子を点灯させる第4期間と、を実現する構成を採用することができる。かかる構成によれば、少ない数の発光素子によって、第1方向、第2方向および第3方向における対象物体の位置を検出することができる。
【0014】
本発明において、前記第1光源モジュールは、前記第1光源モジュールの周方向に配列された複数の第1検出光出射用発光素子を備え、前記第2光源モジュールは、前記第2光源モジュールの周方向に配列された複数の第2検出光出射用発光素子を備え、前記光源駆動部は、前記一方端側から前記他方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第1検出光出射用発光素子を点灯させる第1期間と、前記他方端側から前記一方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第2検出光出射用発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第3期間と、前記第2検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第4期間と、を実現する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、第1光源モジュールおよび第2光源モジュールから第1方向および第2方向で遠く離間した位置まで検出光(第1検出光および第2検出光)を出射することができる。それ故、第1方向および第2方向における検出対象空間をより広くすることができる。
【0015】
本発明において、前記位置検出部は、前記受光部での前記第1期間の受光強度と前記第2期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記受光部での前記第3期間の受光強度と前記第4期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、外光等の環境光等の影響を排除することができる。
【0016】
本発明に係る光学式位置検出装置を用いて光学式位置検出システムを構成した場合、かかる光学式位置検出システムでは、前記第3方向において前記検出光出射空間に対して前記第1光源モジュールが位置する側に、前記仮想面に沿って広がる視認面を備えた視認面構成部材が配置される。
【0017】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、画像が表示される表示面を備えた表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される面側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。さらに、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】図3に示す受発光ユニットに設けた光学部材の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において発光素子が点灯した際に形成される光強度分布の説明図である。
【図8】図3に示す受発光ユニットからZ軸方向位置検出用検出光が出射される様子を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置におけるXY座標(角度位置)の検出原理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出動作を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置におけるZ軸方向の位置検出動作を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において、対象物体の角度位置を検出する際に光源部から出射される検出光の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において、Z軸方向の対象物体の位置を検出する際に光源部から出射される検出光の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置に用いた発光素子の説明図である。
【図17】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図18】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。従って、本発明における「第1方向」はX軸方向に相当し、本発明における「第2方向」はY軸方向に相当し、本発明における「第3方向」はZ軸方向に相当する。また、本発明における「第1方向・第2方向位置検出用第1検出光」はXY座標検出用第1検出光L2eに相当し、「第1方向・第2方向位置検出用第2検出光」はXY座標検出用第2検出光L2fに相当する。また、本発明における「第3方向検出用第1検出光」はZ軸方向位置検出用第1検出光L2gに相当し、「第3方向位置検出用第2検出光」はZ軸方向位置検出用第2検出光L2hに相当する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、光学式位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および光学式位置検出装置を正面からみたときの説明図である。
【0021】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10を有しており、かかる光学式位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、光学式位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、光学式位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間であり、検出対象空間10Rには、後述する検出光L2の光強度分布が形成される。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0022】
本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0023】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0024】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0025】
後述するように、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)等の発光素子(点光源)を備えており、発光素子は、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2を発散光として出射する。受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)は各々、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子130を備えており、本形態において、受光素子130は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードである。
【0026】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なる期間において動作する。従って、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0027】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(XY座標検出用第1検出光L2e)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(XY座標検出用第2検出光L2f)が出射される様子を示す説明図である。図5は、図3に示す受発光ユニットに設けた光学部材の説明図であり、図5(a)、(b)は、第1光源モジュールに設けた光学部材の説明図、および第2光源モジュールに設けた光学部材の説明図である。
【0028】
図2に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0029】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えており、第1光源モジュール126は、第2光源モジュール127に対してZ軸方向の他方側Z2(図1に示す視認面構成部材40が位置する側)に向かって所定の距離を離間した位置に配置されている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部158になっており、導光部158の奥に第1受光部13Aの受光素子130が配置されている。
【0030】
図3および図4に示すように、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子120、および円弧状のライトガイドLGを備えている。より具体的には、図3および図4(a)に示すように、第1光源モジュール126は、赤外光を出射する発光ダイオード等の2つの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122/第1検出光出射用発光素子)を備えているとともに、円弧状のライトガイドLG(第1ライトガイドLGs)を備えている。2つの発光素子120のうち、第1発光素子121はライトガイドLGの一方の端部LG1に配置され、第2発光素子122はライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。
【0031】
また、図4(a)および図5(a)に示すように、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、拡散シートDSを備えているとともに、第1プリズムシートPS1、第2プリズムシートPS2、およびルーバーフィルムGF等の出射角度範囲制限用光学部材GEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。ルーバーフィルムGFのルーバー部GF1は、ルーバーフィルムGFの光入射面から光出射面に向けてZ軸方向において第2光源モジュール127が位置する側とは反対側に向けて傾斜している。
【0032】
かかる第1光源モジュール126では、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3によって第1光出射部126aが構成され、第1光源モジュール126は、第1光出射部126aの周方向に検出光L2として第1検出光L2sを出射する。
【0033】
図3および図4(b)に示すように、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、赤外光を出射する発光ダイオード等の2つの発光素子120(第3発光素子123および第4発光素子124/第2検出光出射用発光素子)を備えているとともに、円弧状のライトガイドLG(第2ライトガイドLGt)を備えている。2つの発光素子120のうち、第3発光素子123はライトガイドLGの一方の端部LG1に配置され、第4発光素子124はライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。
【0034】
また、図4(b)および図5(b)に示すように、第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、拡散シートDSを備え、内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。但し、第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126と違って、第1プリズムシートPS1、第2プリズムシートPS2、およびルーバーフィルムGF等の出射角度範囲制限用光学部材GEを備えていない。
【0035】
かかる第2光源モジュール127では、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3によって第2光出射部127aが構成され、第2光源モジュール127は、第2光出射部127aの周方向に検出光L2として第2検出光L2tを出射する。
【0036】
かかる第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを比較すると、第1光源モジュール126には、検出光L2のZ軸方向の出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限用光学部材GEが配置されているため、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲より狭い。特に本形態では、ルーバーフィルムGFのルーバー部GF1は、ルーバーフィルムGFの光入射面から光出射面に向けてZ軸方向において第2光源モジュール127が位置する側とは反対側に向けて傾斜しているため、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なりが小さい。
【0037】
なお、ライトガイドLGの外周面LG3および内周面LG4のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されていることがあり、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0038】
(位置検出部等の構成)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図6(a)、(b)は、制御用ICの構成を示す説明図、および光源に供給される駆動信号の説明図である。
【0039】
本形態の位置検出システム1に用いた光学式位置検出装置10において、図1〜図5等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5(a)に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的接続されている。
【0040】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの4つの発光素子120の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0041】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの4つの発光素子120に供給する駆動パルスの駆動電流値を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。なお、調整量算出部74は、パルス発生器75a、75bに対する制御信号を出力するアナログ−デジタル変換部等を備えている。
【0042】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの4つの発光素子120に供給する駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0043】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。なお、光学式位置検出装置10において、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては、電圧変調やパルス幅変調が行われる。
【0044】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置(X軸方向およびY軸方向の位置)を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置(X軸方向およびY軸方向の位置)を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0045】
また、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する第1Z軸方向位置検出部556と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出する第2Z軸方向位置検出部557とを有している。従って、座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置、第1Z軸方向位置検出部556で得られた対象物体ObのZ軸方向の位置、第2Z軸方向位置検出部557で得られた対象物体ObのZ軸方向の位置に基づいて、対象物体ObのXYZ軸方向における対象物体Obの位置を確定する。
【0046】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0047】
(点灯動作および光強度分布の説明)
図7は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において発光素子120が点灯した際に形成される光強度分布の説明図であり、図7(a)、(b)は、XY平面内における対象物体Obの位置(角度方向)の検出に用いる光強度分布の説明図、およびZ軸における対象物体Obの位置の検出に用いる光強度分布の説明図である。図8は、図3に示す受発光ユニットからZ軸方向位置検出用検出光が出射される様子を示す説明図であり、第3期間に検出光L2(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)が出射される様子を示す説明図、および第4期間に検出光L2(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)が出射される様子を示す説明図である。
【0048】
本形態の光学式位置検出装置10において、XY平面内における対象物体Obの位置(角度方向)を検出する際、図6(a)に示す光源駆動部51は、図6(b)に示すように、第1期間(第1点灯動作時)では、第1光源部12Aの第1発光素子121に駆動パルスを印加し、第2期間(第2点灯動作時)では、第1光源部12Aの第4発光素子124に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。かかる第1期間では、第1発光素子121が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図4(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126から第1検出光L2e(XY座標検出用第1検出光L2e)が出射され、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)の矢印および図7(a)の点線E1によって光強度を示すように、第1検出光L2sの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0049】
また、第2期間では、第4発光素子124が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図4(b)に示すように、第1光源部12Aの第2光源モジュール127から第2検出光L2t(XY座標検出用第2検出光L2f)が出射され、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)の矢印および図7(a)の一点鎖線E2によって光強度を示すように、第2検出光L2tの放射角度範囲において、ライトガイドLGの他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0050】
また、本形態の光学式位置検出装置10において、Z軸方向における対象物体Obの位置を検出する際、図6(a)に示す光源駆動部51は、図6(b)に示すように、第3期間(第3点灯動作時)では、第1光源モジュール126の第1発光素子121および第2発光素子122に駆動パルスを印加し、第4期間(第4点灯動作時)では、第2光源モジュール127の第3発光素子123および第4発光素子124に逆相の駆動パルスを印加する。かかる第3期間では、第1発光素子121および第2発光素子122が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図8(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126から第1検出光L2s(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)が出射され、検出対象空間10Rには第3光強度分布LID3が形成される。かかる第3光強度分布LID3は、図8(a)の矢印および図7(a)の実線F1によって光強度を示すように、第1検出光L2sの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が一定である。但し、図7(b)に模式的に示すように、第3光強度分布LID3では、Z軸方向において光強度が変化している。
【0051】
また、第4期間では、第3発光素子123および第4発光素子124が点灯し、他の発光素子が消灯状態にあるので、図8(b)に示すように、第1光源部12Aの第2光源モジュール127から第2検出光L2t(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)が出射され、検出対象空間10Rには第4光強度分布LID4が形成される。かかる第4光強度分布LID4は、図8(b)の矢印および図7(a)の実線F2によって光強度を示すように、第2検出光L2tの放射角度範囲において、ライトガイドLGの一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が一定である。但し、図7(b)に模式的に示すように、第4光強度分布LID4では、Z軸方向において光強度が変化している。
【0052】
なお、第1光源部12Aに対する駆動の後は、第2光源部12Bが駆動される。かかる第2光源部12Bにおいて、各発光素子120を順次点灯させる際も、第1光源部12Aにおいて各発光素子120を順次点灯させた際と同様、検出対象空間10Rには、第1光強度分布LID1、第2光強度分布LID2、第3光強度分布LID3、および第4光強度分布LID4が順次形成される。
【0053】
(XY座標(角度位置)の検出原理)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10におけるXY座標(角度位置)の検出原理を示す説明図であり、図9(a)、(b)は、対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図、および対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【0054】
本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源部12Aの第1光源モジュール126によって、第1期間に第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に点線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127によって、第2期間に第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に一点鎖線E2で示す直線関係にある。ここで、図9に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT1となる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT2となる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とを比較して、強度INT1、INT2の関係を求めれば、図9に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0055】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第4発光素子124に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0056】
より具体的には、まず、図6(a)に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1期間において第1点灯動作として第1発光素子121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2期間において第2点灯動作として第4発光素子124を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図6(a)に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とを比較する。その結果、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しければ、対象物体Obの角度位置は0°である。
【0057】
これに対して、受光強度INT1、INT2が相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT1と、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INT2とが等しければ、図6(a)に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1発光素子121および第2発光素子122に対する駆動電流の比や差、あるいは駆動電流の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める(図9参照)。
【0058】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6(a)に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図6(a)に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得することができる(図9参照)。
【0059】
(XY座標(角度位置)の具体的な検出動作)
図10は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出動作を示す説明図であり、図10(a)、(b)は、XY座標(角度位置)の検出動作を示す説明図、およびZ軸方向における対象物体Obの位置(Z軸方向の位置)の検出動作を示す説明図である。なお、図10には、環境光等、対象物体Obで反射した検出光L2以外の光の存在については省略してある。
【0060】
まず、本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのXY座標(角度位置)を検出するには、まず、図10(a)に示す期間T11において、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第1期間および第2期間では、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第4発光素子124に対する第2駆動電流値を各々、初期設定値にして、発光素子120を順次点灯させる。その際の受光部13での受光強度はゼロである。
【0061】
次に、期間T12において対象物体Obが検出対象空間10Rに出現すると、受光部13は、対象物体Obで反射した反射光L3を受光する。ここで、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しい場合、対象物体Obの角度位置が0°であるとわかる。
【0062】
これに対して、期間T13のように、受光部13の受光強度が第1期間と第2期間とで異なる場合、期間T14のように、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなるように、第1期間に供給する第1駆動電流値および第2期間に供給する第2駆動電流値を調整する。そして、受光部13での受光強度が第1期間と第2期間とで等しくなったとき、第1駆動電流値に対する調整量ΔI1と第2駆動電流値に対する調整量ΔI2との差を用いれば、対象物体Obの角度位置を検出できる。図10(a)には、期間T14では、期間T3に比して、第1駆動電流値を増大させ、第2駆動電流値を減少させた場合を例示してある。
【0063】
(Z軸方向における対象物体Obの位置の検出原理)
本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのZ軸方向における対象物体Obの位置を検出する場合も、XY座標(角度位置)を検出する際と同様な原理を利用する。より具体的には、図8(a)に示すように、第1光源部12Aの第1光源モジュール126によって、第3期間に第3光強度分布LID3を形成した際、Z軸方向の位置と検出光L2の強度とは、図7(b)に点線E3で示す関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127によって、第4期間に第4光強度分布LID4を形成した際、Z軸方向の位置と検出光L2の強度とは、図7(b)に一点鎖線E4で示す関係にある。従って、第3光強度分布LID3を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT3となり、第4光強度分布LID4を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINT4となる。従って、第3光強度分布LID3を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第4光強度分布LID4を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とを比較して、強度INT3、INT4の関係を求めれば、対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。
【0064】
かかる原理を利用して、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第3光強度分布LID3を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度と、第2光源モジュール127によって第4光強度分布LID4を形成した際の第1受光部13Aでの受光強度とが等しくなるように、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値とを調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値に比例する。従って、図6(a)に示す第1Z軸方向位置検出部556は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を調整した後の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。なお、第3駆動電流値は、第1発光素子121と第2発光素子122に供給する駆動電流の和であり、第4駆動電流値は、第3発光素子123と第4発光素子124に供給する駆動電流の和である。
【0065】
かかる動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図6(a)に示す第2Z軸方向位置検出部557は、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を調整した後の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体ObのZ軸方向の位置を求めることができる。従って、図6(a)に示す座標データ取得部55は、対象物体ObのXY座標データに加えて、対象物体ObのZ軸方向の位置データを取得することができる。なお、本形態においては、第1光源部12Aを駆動した際のZ軸方向の位置データ、および第2光源部12Bを駆動した際のZ軸方向の位置データが得られることから、座標データ取得部55は、これら2つの位置データの平均、あるいは、対象物体ObのXY座標データに基づいて2つの位置データのうちの一方を対象物体ObのZ軸方向の位置として確定する。
【0066】
(Z軸方向の位置の検出動作)
図11は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10におけるZ軸方向の位置検出動作を示す説明図であり、図11(a)は、対象物体ObのZ軸方向の位置と調整量の差との関係を示すグラフであり、図11(b)〜(d)は、対象物体Obと視認面構成部材40との位置関係を示す説明図である。なお、図11(e)は、第1検出光のZ軸方向の出射角度範囲と第2検出光のZ軸方向の出射角度範囲が等しい場合の説明図である。なお、図11(b)〜(d)には、第1検出光および第2検出光のうち、光強度が比較的高い部分をグレー領域で示してある。
【0067】
本形態の光学式位置検出装置10において、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出するには、まず、図10(b)に示す期間T21において、対象物体Obが検出対象空間10Rに存在しないデフォルト状態で、第3期間および第4期間において、第1発光素子121と第2発光素子122に対する第3駆動電流値、および第3発光素子123と第4発光素子124に対する第4駆動電流値を各々、初期設定値にして発光素子120を順次点灯させる。その結果、受光部13での受光強度はゼロである。
【0068】
次に、期間T22において対象物体Obが検出対象空間10Rに出現すると、受光部13は、対象物体Obで反射した反射光L3を受光する。ここで、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しい場合、対象物体Obが、図7(b)の位置Zmに位置することがわかる。
【0069】
これに対して、期間T23のように、受光部13の受光強度が第3期間と第4期間とで異なる場合、期間T24のように、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しくなるように、第3期間に供給する第3駆動電流値および第4期間に供給する第4駆動電流値を調整する。そして、受光部13での受光強度が第3期間と第4期間とで等しくなったとき、第3駆動電流値に対する調整量ΔI3と第4駆動電流値に対する調整量ΔI4との差を用いれば、対象物体ObのZ軸方向の位置を検出できる。図10(b)には、期間T24では、期間T23に比して、第3駆動電流値を増大させ、第4駆動電流値を減少させた場合を例示してある。
【0070】
このようにして対象物体ObのZ軸方向の位置を検出すれば、図11に示すように、視認面構成部材40と対象物体Obの位置を検出することができる。すなわち、対象物体Obが、図11(b)に示す位置から図11(c)に示す位置を経て図11(d)に示す位置まで移動した場合、第3駆動電流値に対する調整量ΔI3と第4駆動電流値に対する調整量ΔI4との差(ΔI3−ΔI4)は、図11(a)に模式的に示すように変化する。従って、視認面41に対する対象物体ObのXY面内における指示位置(XY座標データ)によって情報を入力しようとした場合、図6(a)に示す制御装置60は、図11(a)に領域Zcで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が大きいとき、対象物体Obによる情報入力が行われない状態と判定することができる。次に、図6(a)に示す制御装置60は、図11(a)に領域Zbで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が所定の範囲内になったとき、対象物体ObのXY座標データに基づいて、入力情報を予め判定することができる。そして、図6(a)に示す制御装置60は、図11(c)に領域Zaで示すように、調整量の差(ΔI3−ΔI4)が所定の閾値より小さくなったとき、対象物体ObのXY座標データに対応する入力情報が確定したものと判定することができる。
【0071】
その際、本形態では、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2より狭い。このため、図11(e)に示すように、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1と第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2とが広い場合に比して、本形態では、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なり部分が小さい。それ故、本形態によれば、図11(e)に示す形態より、図11(a)に示すグラフにおいて、対象物体ObがZ軸方向に一定の距離変位した場合の調整量の差の変化が大である。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を確実に検出することができる。
【0072】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射するとともに、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成し、受光部13は、光強度分布が形成された検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光する。ここで、対象物体Obで反射した検出光L2の強度は、光強度分布において対象物体Obが位置する箇所での強度に比例するので、受光部13での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出することができる。かかる方式によれば、光源部12から放射状に出射された検出光L2の光強度分布を利用するので、広い空間にわたって光強度分布を形成することができ、検出対象空間10Rが広い。
【0073】
また、本形態の光学式位置検出装置10において、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127は、X軸方向およびY軸方向より規定される仮想面に沿うようにXY座標検出用の第1検出光L2sおよび第2検出光L2tを出射し、受光部13は、検出光出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光を受光する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいてXY平面内における対象物体Obの角度方向(X軸方向およびY軸方向における対象物体Obの位置)を検出することができる。その際、第1検出光L2sおよび第2検出光L2tは、放射状に出射されるため、検出対象空間全体に十分な強度で検出光L2を出射することができる。それ故、X軸方向およびY軸方向における検出対象空間10Rが広い。
【0074】
また、本形態の光学式位置検出装置10では、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とは、Z軸方向で離間した位置からZ軸方向位置検出用の第1検出光L2sおよび第2検出光L2tを出射するため、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいてZ軸方向における対象物体Obの位置を検出することができる。その際、第1検出光L2sおよび第2検出光L2tは、放射状に出射されるため、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光L2を出射することができる。それ故、本形態によれば、X軸方向およびY軸方向で広い検出対象空間10Rにおいて、Z軸方向における対象物体Obの位置を検出することもできる。
【0075】
また、本形態において、Z軸方向の位置を検出する際の第1検出光L2sのZ軸方向における出射角度範囲が、Z軸方向の位置を検出する際の第2検出光L2tのZ軸方向における出射角度範囲より狭い。従って、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とのZ軸方向における離間距離が狭い場合でも、第1検出光L2sと第2検出光L2tとのZ軸方向における重なり部分を狭くすることができる。従って、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とのZ軸方向における離間距離が狭い場合でも、Z軸方向における対象物体Obの位置を確実に検出することができる。
【0076】
本発明において、位置検出部50は、受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obの位置を検出する。このため、外光等の環境光等の影響を排除することができる。また、受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度との比較結果に基づいて対象物体Obの位置を検出するにあたって、本形態では、第1期間と第2期間とにおいて受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度とが等しくなった際の第1駆動電流値と第2駆動電流値との比較結果を用いて対象物体ObのXY座標データを検出する。また、第3期間と第4期間とにおいて受光部13での第1検出光L2sの受光強度と第2検出光L2tの受光強度とが等しくなった際の第3駆動電流値と第4駆動電流値との比較結果を用いてZ軸方向の対象物体Obの位置を検出する。それ故、受光部13の感度が変化しても、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0077】
また、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光素子120とライトガイドLGとを備えている。このため、発光素子120が出射した検出光L2を、ライトガイドLGを介して出射するので、光強度が連続的に変化する光強度分布を形成することができる。また、少ない数の発光素子120によって、対象物体のXY座標データおよびZ軸方向の位置を検出することができるという利点がある。
【0078】
[実施の形態2]
(受発光ユニットの構成)
図12は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0079】
実施の形態1では、光源部12にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。より具体的には、図12に示すように、本形態の光学式位置検出装置10の光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)はいずれも、周方向に配列された複数の発光素子120と、複数の発光素子120が実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた扇形形状あるいは半円形状の光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0080】
本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。このため、第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181の長手方向に実装された発光素子120(第1検出光出射用発光素子128)とによって第1光源モジュール126が構成されている。また、第2フレキシブル基板182と、第2フレキシブル基板182の長手方向に実装された発光素子120(第2検出光出射用発光素子129)とによって第2光源モジュール127が構成されている。本形態においても、実施の形態1と同様、発光素子120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0081】
また、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の下半部を構成する円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の上半部を構成する円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する扇形形状あるいは半円形状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。ここで、第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部158になっており、かかる導光部158の奥に受光部13の受光素子130が配置されている。
【0082】
かかる構成の第1光源モジュール126では、第1フレキシブル基板181において発光素子120が実装されている面側によって第1光出射部126aが構成され、第1光源モジュール126は、第1光出射部126aの周方向に第1検出光L2sを出射する。また、第2光源モジュール127では、第2フレキシブル基板182において発光素子120が実装されている面側によって第2光出射部127aが構成され、第2光源モジュール127は、第2光出射部127aの周方向に第2検出光L2tを出射する。
【0083】
(光源駆動部51の構成)
図13は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図13(a)、(b)、(c)は、制御用ICの構成を示す説明図、光源駆動部51の駆動電流バランス調整回路の説明図、および別の駆動電流バランス調整回路の説明図である。
【0084】
図13(a)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10において、光源駆動部51は駆動電流バランス調整回路780を備えており、発光素子120を駆動する際、光源駆動部51は、駆動電流バランス調整回路780を介して発光素子120を駆動する状態と、駆動電流バランス調整回路780を介さずに発光素子120を駆動する状態とに切り換わる。駆動電流バランス調整回路780は、対象物体Obの角度位置を検出する際、複数の発光素子120の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整する。かかる駆動電流バランス調整回路780は、例えば、図13(b)に示すように、複数の発光素子120の各々に抵抗R1、R2・・Rnが直列に接続された抵抗回路として構成され、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整することができる。また、駆動電流バランス調整回路780は、図13(c)に示すように、複数の発光素子120の各々に抵抗R1、R2・・Rnが並列に接続された抵抗回路として構成することができ。この場合も、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の発光素子120の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0085】
(位置検出動作)
図14は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において、対象物体Obの角度位置を検出する際に光源部12から出射される検出光L2の説明図であり、図14(a)、(b)は、第1期間に出射される第1検出光L2s(XY座標検出用第1検出光L2e)の説明図、および第2期間に出射される第2検出光L2t(XY座標検出用第2検出光L2f)の説明図である。図15は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において、Z軸方向の対象物体Obの位置を検出する際に光源部12から出射される検出光L2の説明図であり、図15(a)、(b)は、第3期間に出射される第1検出光L2s(Z軸方向位置検出用第1検出光L2g)の説明図、および第4期間に出射される第2検出光L2t(Z軸方向位置検出用第2検出光L2h)の説明図である。
【0086】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の発光素子120(第1検出光出射用発光素子128)、および第2フレキシブル基板182に実装されている複数の発光素子120(第2検出光出射用発光素子129)の全てを異なる期間において点灯させる。
【0087】
まず、対象物体Obの角度位置を検出する際、まず、第1期間では、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て点灯させ、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て消灯させる(第1点灯動作)。その際、図14(a)に出射強度の高低を矢印で示すように、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1検出光出射用発光素子128の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される第1検出光L2sの第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0088】
これに対して、第2期間では、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て点灯させ、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て消灯させる(第2点灯動作)。その際、図14(b)に出射強度の高低を矢印で示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する側から一方側の端部182fが位置する側に向かって第2検出光出射用発光素子129の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される第2検出光L2tの第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0089】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1検出光出射用発光素子128に供給する駆動電流の和を第1駆動電流値とし、複数の第2検出光出射用発光素子129に供給する駆動電流の和を第2駆動電流値とする。
【0090】
また、Z軸方向における対象物体Obの角度位置を検出する際、まず、第3期間では、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て点灯させ、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て消灯させる(第3点灯動作)。その際、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780を介さずに第1検出光出射用発光素子128を駆動する。従って、図15(a)に出射強度の高低を矢印で示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1検出光出射用発光素子128の出射強度が一定である。従って、検出対象空間10Rに出射される第1検出光L2sの第3光強度分布LID3では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向から他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が一定である。
【0091】
これに対して、第4期間では、複数の第2検出光出射用発光素子129を全て点灯させ、複数の第1検出光出射用発光素子128を全て消灯させる(第4点灯動作)。その際、図13を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780を介さずに第2検出光出射用発光素子129を駆動する。従って、図15(b)に出射強度の高低を矢印で示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第2検出光出射用発光素子129の出射強度が一定である。従って、検出対象空間10Rに出射される第2検出光L2tの第4光強度分布LID4では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向から他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が一定である。
【0092】
それ故、第3点灯動作および第4点灯動作を第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理でZ軸方向の対象物体Obの位置を検出することができる。その際、複数の第1検出光出射用発光素子128に供給する駆動電流の和を第3駆動電流値とし、複数の第2検出光出射用発光素子129に供給する駆動電流の和を第4駆動電流値とする。
【0093】
かかる構成によれば、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127からX軸方向およびY軸方向で遠く離間した位置まで検出光(第1検出光L2sおよび第2検出光L2t)を出射することができる。それ故、X軸方向およびY軸方向における検出対象空間10Rをより広くすることができる。
【0094】
(検出光のZ軸方向における出射角度範囲)
図16は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10に用いた発光素子120の説明図であり、図16(a)、(b)は、第2光源モジュール126に用いた発光素子120の説明図、および第1光源モジュール126に用いた発光素子120の説明図である。
【0095】
図16(a)に示すように、第2光源モジュール127に用いた第2検出光出射用発光素子129は、半球状に凹んだパッケージ125の凹部125aの底部に発光部120aが位置する。このため、第2検出光出射用発光素子129は、視野角が比較的大であり、半値角度は±60°である。これに対して、図16(b)に示すように、第1光源モジュール126に用いた第1検出光出射用発光素子128は、図16(a)に示す発光素子と同様、半球状に凹んだパッケージ125の凹部125aの底部に発光部120aが位置するが、発光部120aと重なる位置に正のパワーを有するレンズ120bが設けられている。このため、第1検出光出射用発光素子128は、第2検出光出射用発光素子129より視野角が小であり、半値角度は±12°である。
【0096】
このため、図11(b)〜(d)に示すように、第1光源モジュール126からの第1検出光L2sのZ軸方向の出射角度範囲θz1は、第2光源モジュール127からの第2検出光L2tのZ軸方向の出射角度範囲θz2より狭い。従って、第1検出光L2sと第2検出光L2tとの重なり部分が小さい。それ故、本形態によれば、図11(e)に示す形態より、図11(a)に示すグラフにおいて、対象物体ObがZ軸方向に一定の距離変位した場合の調整量の差の変化が大である。それ故、対象物体ObのZ軸方向の位置を確実に検出することができる。
【0097】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。
【0098】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図17は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0099】
上記実施の形態に係る位置検出システム1において、図17に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図16を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0100】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0101】
(位置検出システム1の具体例2)
図18を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図18は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0102】
図18に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0103】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0104】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0105】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0106】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0107】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・発光素子、120b・・レンズ、121・・第1発光素子(第1検出光出射用発光素子)、122・・第2発光素子(第1検出光出射用発光素子)、123・・第3発光素子(第2検出光出射用発光素子)、124・・第4発光素子(第2検出光出射用発光素子)、126・・第1光源モジュール、126a・・第1光出射部、127・・第2光源モジュール、127a・・第2光出射部、128・・第1検出光出射用発光素子、129・・第2検出光出射用発光素子、130・・受光素子、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、GE・・出射角度範囲制限用光学部材、L2e・・XY座標検出用第1検出光(第1方向・第2方向位置検出用第1検出光)、L2f・・XY座標検出用第2検出光(第1方向・第2方向位置検出用第2検出光)、L2g・・Z軸方向位置検出用第1検出光(第3方向検出用第1検出光)、L2h・・Z軸方向位置検出用第2検出光(第3方向検出用第2検出光)、L2s・・第1検出光、L2t・・第2検出光、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記第3方向における前記第1検出光の出射角度範囲が、前記第3方向における前記第2検出光の出射角度範囲に比して狭いことを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光源モジュールは、前記第1検出光を出射する第1検出光出射用発光素子と、該第1検出光出射用発光素子が出射した前記第1検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第1ライトガイドと、前記第1ライトガイドの光出射面に前記第1検出光の前記第3方向における出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限部材と、を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第2検出光を出射する第2検出光出射用発光素子と、該第2検出光出射用発光素子が出射した前記第2検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第2ライトガイドと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記出射角度範囲制限部材は、ルーバーフィルムであり、
前記ルーバーフィルムのルーバー部は、前記ルーバーフィルムの光入射面から光出射面に向けて前記第3方向において前記第2光源モジュールが位置する側とは反対側に向けて傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記第1光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第1ライトガイドの前記一方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第1発光素子と、前記第1ライトガイドの前記他方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第2発光素子と、を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第2ライトガイドの前記一方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第3発光素子と、前記第2ライトガイドの前記他方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第4発光素子と、を備え、
前記光源駆動部は、前記第1発光素子を点灯させる第1期間と、前記第4発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1発光素子および前記第2発光素子を点灯させる第3期間と、前記第3発光素子および前記第4発光素子を点灯させる第4期間と、を実現することを特徴とする請求項3または4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記第1光源モジュールは、前記第1光源モジュールの周方向に配列された複数の第1検出光出射用発光素子を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第2光源モジュールの周方向に配列された複数の第2検出光出射用発光素子を備え、
前記光源駆動部は、前記一方端側から前記他方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第1検出光出射用発光素子を点灯させる第1期間と、前記他方端側から前記一方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第2検出光出射用発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第3期間と、前記第2検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第4期間と、を実現することを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記受光部での前記第1期間の受光強度と前記第2期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記受光部での前記第3期間の受光強度と前記第4期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた光学式位置検出システムであって、
前記第3方向において前記検出光出射空間に対して前記第1光源モジュールが位置する側には、前記仮想面に沿って広がる視認面を備えた視認面構成部材が配置されていることを特徴とする光学式位置検出システム。
【請求項9】
画像が表示される表示面を備えた表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される面側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項10】
画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項1】
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記第3方向における前記第1検出光の出射角度範囲が、前記第3方向における前記第2検出光の出射角度範囲に比して狭いことを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光源モジュールは、前記第1検出光を出射する第1検出光出射用発光素子と、該第1検出光出射用発光素子が出射した前記第1検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第1ライトガイドと、前記第1ライトガイドの光出射面に前記第1検出光の前記第3方向における出射角度範囲を狭める出射角度範囲制限部材と、を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第2検出光を出射する第2検出光出射用発光素子と、該第2検出光出射用発光素子が出射した前記第2検出光を内部に採りこんで前記検出光出射空間に向けて出射する第2ライトガイドと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記出射角度範囲制限部材は、ルーバーフィルムであり、
前記ルーバーフィルムのルーバー部は、前記ルーバーフィルムの光入射面から光出射面に向けて前記第3方向において前記第2光源モジュールが位置する側とは反対側に向けて傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記第1光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第1ライトガイドの前記一方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第1発光素子と、前記第1ライトガイドの前記他方端側から当該第1ライトガイドに前記第1検出光を入射させる第2発光素子と、を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第1検出光出射用発光素子として、前記第2ライトガイドの前記一方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第3発光素子と、前記第2ライトガイドの前記他方端側から当該第2ライトガイドに前記第2検出光を入射させる第4発光素子と、を備え、
前記光源駆動部は、前記第1発光素子を点灯させる第1期間と、前記第4発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1発光素子および前記第2発光素子を点灯させる第3期間と、前記第3発光素子および前記第4発光素子を点灯させる第4期間と、を実現することを特徴とする請求項3または4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記第1光源モジュールは、前記第1光源モジュールの周方向に配列された複数の第1検出光出射用発光素子を備え、
前記第2光源モジュールは、前記第2光源モジュールの周方向に配列された複数の第2検出光出射用発光素子を備え、
前記光源駆動部は、前記一方端側から前記他方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第1検出光出射用発光素子を点灯させる第1期間と、前記他方端側から前記一方端側に向けて発光強度が減少する条件で前記複数の第2検出光出射用発光素子を点灯させる第2期間と、前記第1検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第3期間と、前記第2検出光出射用発光素子を同一の発光強度で点灯させる第4期間と、を実現することを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記受光部での前記第1期間の受光強度と前記第2期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第1方向および前記第2方向における前記対象物体の位置を検出し、前記受光部での前記第3期間の受光強度と前記第4期間の受光強度との比較結果に基づいて前記第3方向における前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えた光学式位置検出システムであって、
前記第3方向において前記検出光出射空間に対して前記第1光源モジュールが位置する側には、前記仮想面に沿って広がる視認面を備えた視認面構成部材が配置されていることを特徴とする光学式位置検出システム。
【請求項9】
画像が表示される表示面を備えた表示装置と、該表示装置に対して前記画像が表示される面側の対象物体の位置を検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2光出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項10】
画像を投射する画像投射装置と、該画像投射装置に対して前記画像が投射される側に位置する対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
第1光出射部を備え、該第1光出射部の周方向に沿って光強度が変化する第1検出光を互いに交差する第1方向および第2方向により規定される仮想面に沿って放射状に出射する第1光源モジュールと、
第2出射部を備えて前記第1光源モジュールに対して前記仮想面に交差する第3方向で離間する位置に設けられており、前記第2出射部の周方向に沿って光強度が変化する第2検出光を前記仮想面に沿って放射状に出射する第2光源モジュールと、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールを互いに異なる期間に駆動する光源駆動部と、
前記第1検出光および前記第2検出光の少なくとも一方が出射される検出光出射空間に位置する対象物体からの光を受光する受光部と、
該受光部の受光強度に基づいて前記第1方向、前記第2方向および前記第3方向における前記対象物体の位置情報を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図11】
【公開番号】特開2012−220193(P2012−220193A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82505(P2011−82505)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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