光学式位置検出装置および入力機能付き表示システム
【課題】広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度で検出することのできる光学式位置検出装置、および入力機能付き表示システムを提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10の検出対象空間10Rは、受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bによる検出対象空間10Rabと、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dによる検出対象空間10Rcdとに分割されている。受発光ユニット15B、15CはZ軸方向で重なっており、受発光ユニット15Bの受光素子13Bと受発光ユニット15Cの受光素子13Cは、受光面を異なる方向に向けてZ軸方向で重なるように配置されている。
【解決手段】光学式位置検出装置10の検出対象空間10Rは、受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bによる検出対象空間10Rabと、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dによる検出対象空間10Rcdとに分割されている。受発光ユニット15B、15CはZ軸方向で重なっており、受発光ユニット15Bの受光素子13Bと受発光ユニット15Cの受光素子13Cは、受光面を異なる方向に向けてZ軸方向で重なるように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および当該光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の点光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光素子で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。また、複数の点光源の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射し、対象物体で反射した検出光を受光素子で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。
【0003】
かかる光学式位置検出装置では、複数の点光源のうちの一部の点光源が点灯した際の受光素子での受光強度と、他の一部の点光源が点灯した際の受光素子での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の光学式位置検出装置においては、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用する。このため、検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を、導光板を介して出射するため、比較的広い範囲にわたって検出光を出射することができるが、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰を避けることができない。従って、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であるので、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
ここに本願発明者は、光源部から仮想面に沿うように検出光を放射状に出射し、対象物体で反射してきた光を受光素子で検出する方式を採用することにより、検出対象空間を拡張することを検討している。しかしながら、かかる方式の場合、受光素子には広い角度範囲から光が入射することになり、受光素子が入射角度によって感度が変動するような感度指向性を有している場合、感度が低い角度方向に対象物体が位置すると、検出精度が低下するという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度で検出することのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向の一方側に配置されて当該第3方向からみたときに前記第1受光素子に重なり、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明では、光源部から仮想面に沿うように検出光を放射状に出射するため、広い範囲にわたって、検出光を比較的強い強度で出射することができる。また、本発明では、受光素子として、受光面に対する法線方向が相違する第1受光素子および第2受光素子を有しているため、広い角度範囲にわたって高い受光感度を有している。このため、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。ここで、第1受光素子と第2受光素子とは、第3方向でずれた位置で第3方向からみたときに重なるように設けられている。このため、第1受光素子と第2受光素子とを互いに近接する位置に設けても、第3方向からみたとき、第1受光素子の受光角度範囲と第2受光素子の受光角度範囲とを部分的に重ねることができるので、受光角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間を広げた場合でも、検出対象空間の全体にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0010】
本発明において、前記光源部として、前記第1受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第1光源部と、前記第2受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第2光源部と、が設けられ、前記第3方向からみたとき、前記第1光源部から出射される前記検出光の前記検出光の放射中心と、前記第2光源部から出射される前記検出光の前記検出光の放射中心とが重なっている構成を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記第1光源部と前記第2光源部とは、前記第3方向の異なる位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第3方向からみたとき、第1光源部の出射角度範囲と第2光源部の出射角度範囲とを部分的に重ねることができるので、出射角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間を広げた場合でも、検出対象空間の全体にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0012】
本発明において、前記第1受光素子および前記第1光源部は、第1受発光ユニットを構成し、前記第2受光素子および前記第2光源部は、第2受発光ユニットを構成している構成を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記光源部として、さらに、前記第1光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第3光源部と、前記第2光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第4光源部と、が設けられ、前記受光素子として、さらに、前記第3光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第3光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第3受光素子と、前記第4光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第4光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第4受光素子と、が設けられ、前記第3受光素子および前記第3光源部は、前記第1受発光ユニットに対して前記第2方向の一方側で離間する位置で第3受発光ユニットを構成し、前記第4受光素子および前記第4光源部は、前記第3受発光ユニットに対して前記第1方向の一方側で離間する位置で第4受発光ユニットを構成しており、前記第1受発光ユニットおよび前記第2受発光ユニットは、前記第3受発光ユニットと前記第4受発光ユニットとを結んで前記第1方向に延びる仮想の線分に対する垂直二等分線上において前記線分から前記第2方向の他方側に離間する位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、各受発光ユニットによる検出対象空間を連続させるだけで、広い検出対象空間を実現することができる。逆にいえば、広い検出対象空間を、一方の受発光ユニットの対(第1受発光ユニットおよび第3受発光ユニット)による検出対象空間と、他方の受発光ユニットの対(第2受発光ユニットおよび第4受発光ユニット)による検出対象空間とに分割することができる。従って、検出対象空間が広い場合でも、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を照射することができる。また、検出対象空間を分割したため、各受光素子が担う角度範囲が比較的狭くてよいので、受光素子は、比較的感度が高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよい。それ故、検出対象空間が広い場合でも、対象物体の位置検出精度が高い。また、第3受発光ユニットと第4受発光ユニットとは第1方向で離間し、第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットは、第3受発光ユニットと第4受発光ユニットとを結ぶ仮想の線分に対する垂直二等分線上において線分から第2方向の他方側に離間する位置に設けられている。このため、4つの受発光ユニット(第1受発光ユニット、第2受発光ユニット、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニット)を互いに比較的近接した位置に配置した場合でも、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニットから第2方向の他方側に検出光を出射した際、検出光が第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットによって遮られにくい。
【0014】
本発明では、前記仮想面内方向において、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、および前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は60°以下であることが好ましい。受光素子に一般的なフォトダイオードを用いると、その半値角度は通常60°である。それ故、受光素子は、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよいので、対象物体の位置検出精度が高い。
【0015】
本発明では、前記仮想面内方向において、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であり、前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であることが好ましい。かかる構成によれば、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニットが担当する検出対象角度範囲が第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットが担当する検出対象角度範囲より広い場合でも、第3受光素子および第4受光素子は、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよいので、対象物体の位置検出精度が高い。
【0016】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。
【0017】
例えば、画像が表示される表示面を備えた表示装置と、前記表示面に沿う方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像を投射する画像投射装置と、画像の投射方向と交差する方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた受発光ユニットの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の正面からみたときの説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた一方のユニット対の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた他方のユニット対の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた受光素子の受光感度の入射角度依存性を示す説明図である。
【図7】図4に示す受発光ユニットの主要部を示す説明図である。
【図8】図7に示す光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る光学式位置検出装置に用いた受発光ユニットの説明図である。
【図17】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図18】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに直交する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。また、本発明における「第1方向」をX軸方向とし、「第2方向」をY軸方向とし、「第3方向」をZ軸方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。また、受発光ユニットに対して一方の側に検出対象空間が設定されているが、以下の説明において、かかる「一方の側」はY軸方向の他方側Y2である。
【0020】
また、実施の形態1等においては、受発光ユニット、光源部および受光素子が4つずつ設けられているが、本発明における各構成と、実施の形態1等における各構成とは以下の関係になっている。
受発光ユニット
第1受発光ユニット=受発光ユニット15B
第2受発光ユニット=受発光ユニット15C
第3受発光ユニット=受発光ユニット15A
第4受発光ユニット=受発光ユニット15D
光源部
第1光源部=光源部12B
第2光源部=光源部12C
第3光源部=光源部12A
第4光源部=光源部12D
光源部
第1受光素子=受光素子13B
第2受光素子=受光素子13C
第3受光素子=受光素子13A
第4受光素子=受光素子13D
【0021】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図である。
【0022】
図1において、本形態の位置検出システム1は、情報が視認される視認面41を備えた視認面構成部材40と、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10とを有しており、視認面41はXY平面に沿って広がっている。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する検出対象空間10R内における対象物体ObのXY平面における位置(XY座標)を検出する入力機能付き表示システム等として用いることができる。
【0023】
光学式位置検出装置10は、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dからなる4つの受発光ユニットを有している。かかる受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dは、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1において、視認面構成部材40においてX軸方向に延在する長辺部分の略中央位置にカバー16の内部に纏めて配置され、視認面構成部材40の視認面41よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、受発光ユニット15A〜15Dは、以下に説明するように、視認面41に沿う仮想面(XY平面)に沿って検出光L2を出射する光源部12A〜12Dと、受光素子13A〜13Dとを備えている。従って、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dは、光源部12A〜12Dから検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光素子13A〜13Dにより受光可能であり、光学式位置検出装置10では、光源部12A〜12Dから検出光L2が出射される空間(検出光出射空間/視認面41に沿う空間)が、対象物体Obの位置を検出する検出対象空間10Rに設定されている。
【0024】
(受発光ユニットの構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた受発光ユニット15A〜15Dの説明図であり、図2(a)、(b)は、受発光ユニット15A〜15Dの概略構成を示す説明図、および受発光ユニット15B、15Cの受光素子13B、13C(第1受光素子および第2受光素子)をZ軸方向の一方側Z1からみたときの説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10を反射光L3の出射空間側の正面からみたときの説明図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた一方のユニット対の説明図であり、図4(a)、(b)は、当該ユニット対からの検出光L2の出射角度範囲を示す説明図、および当該ユニット対での検出光の受光角度範囲を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた他方のユニット対の説明図であり、図5(a)、(b)は当該ユニット対からの検出光L2の出射角度範囲を示す説明図、および当該ユニット対での検出光の受光角度範囲を示す説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた受光素子13A〜13Dの受光感度の入射角度依存性(感度指向性)を示す説明図である。
【0025】
図1および図2(a)に示すように、受発光ユニット15A〜15Dにおいて、受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状を有する光源支持部材150を有しており、かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152との間には光源部12Aが構成されている。第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、半円状の鍔部156a、156bを備えており、かかる鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0026】
本形態において、光源部12Aは、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。また、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に受光素子13Aが配置されている。受発光ユニット15Aは、光源支持部材150の中心角が概ね120°であり、光源部12Aは、100〜120°の角度範囲にわたって形成されている。
【0027】
受発光ユニット15B、15C、15Dも、受発光ユニット15Aと同様な構成を有している。ここで、受発光ユニット15Bと受発光ユニット15CはZ軸方向で重ねて配置されており、受発光ユニット15Bの受光素子13Bと受発光ユニット15Cの受光素子13CとはZ軸方向で重なっている。また、受光素子13Bの受光面130と受光素子13Cの受光面130とはZ軸方向で重なっており、Z方向からみたとき交差している。
【0028】
図3および図4において、受発光ユニット15Aは、光源部12Aおよび受光素子13Aを備えている。光源部12Aは、検出光L2の出射角度範囲を長い破線L12aで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θaにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaは100〜120°に設定されている。受光素子13Aは、光源部12Aから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Aの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Aの検出光出射角度範囲θaと重なっている。
【0029】
ここで、受光素子13Aは、フォトダイオードであり、かかるフォトダイオードの受光感度は、図6に示す入射角度依存性(感度指向性)を有している。このため、受光素子13Aでは、受光面に対する法線方向が感度ピークの角度方向であり、かかる法線方向に対して1/2未満となる角度方向から入射した検出光L2に対する受光感度が著しく低い。そこで、受光素子13Aは、感度ピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、受光素子13Aの受光角度範囲は、感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向/破線L13aで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaを二等分する方向に、受光素子13Aの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Aの受光角度範囲は、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaに広い角度範囲にわたって重なっている。
【0030】
受発光ユニット15Bは、受発光ユニット15Aと同様、光源部12Bおよび受光素子13Bとを備えている。光源部12Bは、検出光L2の出射角度範囲を一点鎖線L12bで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θbにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbは、100〜120°に設定されている。受光素子13Bは、光源部12Bから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Bの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Bの検出光出射角度範囲θbと重なっている。より具体的には、受光素子13Bは、受光素子13Aと同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を一点鎖線L13bで示してある。受光素子13Bは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13Aと同様、感度ピークが位置する方向(一点鎖線L13bで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbを二等分する方向に、受光素子13Bの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Bの受光角度範囲は、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbと広い範囲にわたって重なっている。
【0031】
図3および図5に示すように、受発光ユニット15Cは、受発光ユニット15A等と同様、光源部12Cおよび受光素子13Cとを備えている。光源部12Cは、検出光L2の出射角度範囲を点線L12cで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θcにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcは、受発光ユニット15A、15Bと同様、100〜120°に設定されている。受光素子13Cは、光源部12Cから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Cの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと重なっている。より具体的には、受光素子13Cは、受光素子13A等と同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を点線L13cで示してある。受光素子13Cは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13A等と同様、感度ピークが位置する方向(点線L13cで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcを二等分する方向に、受光素子13Cの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Cの受光角度範囲は、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと広い範囲にわたって重なっている。
【0032】
受発光ユニット15Dは、受発光ユニット15A等と同様、光源部12Dおよび受光素子13Dとを備えている。光源部12Dは、検出光L2の出射角度範囲を二点鎖線L12dで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θdにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdは100〜120°に設定されている。受光素子13Dは、光源部12Dから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Dの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Dの検出光出射角度範囲θdと重なっている。より具体的には、受光素子13Dは、受光素子13A等と同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を二点鎖線L13dで示してある。受光素子13Dは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13Aと同様、感度ピークが位置する方向(二点鎖線L13dで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdを二等分する方向に、受光素子13Dの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Dの受光角度範囲は、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdと広い範囲にわたって重なっている。
【0033】
本形態では、光源部12A、光源部12B、光源部12C、および光源部12Dは、後述するように、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2を放射状に出射する。受光素子13A、受光素子13B、受光素子13C、および第4受光素子13Dは、受光素子として、赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0034】
本形態において、4つの受発光ユニット15A〜15Dは、ユニット毎に順次オン状態に切り換えられる。このため、受発光ユニット15Aの光源部12Aが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Aの受光素子13Aで検出され、受発光ユニット15Bの光源部12Bが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Bの受光素子13Bで検出される。また、受発光ユニット15Cの光源部12Cが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Cの受光素子13Cで検出され、受発光ユニット15Dの光源部12Dが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Dの受光素子13Dで検出される。
【0035】
(ユニット対の構成)
図3〜図5に示すように、本形態では、後述するレイアウトを採用することにより、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Bとにおいて、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaと光源部12Bの検出光出射角度範囲θbとは、少なくとも一部が重なっている。また、受光素子13Aの受光角度範囲と受光素子13Bの受光角度範囲とは、少なくとも一部が重なっている。従って、受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bは、後述する原理によって、光源部12Aの検出光出射角度範囲θa、光源部12Bの検出光出射角度範囲θb、受光素子13Aの受光角度範囲、および受光素子13Bの受光角度範囲が重なっている空間に位置する対象物体Obの位置を検出可能である。それ故、本形態では、かかる空間のうち、視認面41とZ軸方向で重なっている空間が受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bからなる第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabになっている。
【0036】
また、受発光ユニット15Cと受発光ユニット15Dとにおいて、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと光源部12Dの検出光出射角度範囲θdとは、少なくとも一部が重なっている。また、受光素子13Cの受光角度範囲と受光素子13Dの受光角度範囲とは、少なくとも一部が重なっている。従って、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dは、後述する原理によって、光源部12Cの検出光出射角度範囲θc、光源部12Dの検出光出射角度範囲θd、受光素子13Cの受光角度範囲、および受光素子13Dの受光角度範囲が重なっている空間に位置する対象物体Obの位置を検出可能である。それ故、本形態では、かかる空間のうち、視認面41とZ軸方向で重なっている空間が受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dからなる第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdになっている。
【0037】
(受発光ユニットのレイアウト等)
本形態では、図3〜図5を参照して以下に説明するレイアウトを採用することにより、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとを隣接させ、全体として、一体に連続した検出対象空間10Rが構成されている。
【0038】
本形態では、まず、受発光ユニット15A、15Dは、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1においてX軸方向で離間するように配置されている。また、受発光ユニット15A、15Dは、Y軸方向の同一位置に配置されている。このため、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Dとを結ぶ仮想の線分L10は、視認面構成部材40においてX軸方向に延在する辺部分に平行である。
【0039】
また、受発光ユニット15B、15Cは、受発光ユニット15A、15Dに対してY軸方向の一方の側(Y軸方向の他方側Y2)に配置されており、Y軸方向において視認面構成部材40と、受発光ユニット15A、15Dが配置されている箇所との間に位置する。
【0040】
ここで、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Dとを結ぶ仮想の線分L10に対する仮想の垂直二等分線L11を基準にしたとき、受発光ユニット15B、15Cは、垂直二等分線L11上において線分L10からY軸方向の他方側Y2(検出対象空間10Rが位置する側)に離間する位置に設けられている。従って、X軸方向において、受発光ユニット15A、15Dは、受発光ユニット15B、15Cより外側に位置する。
【0041】
また、受発光ユニット15Bは、受発光ユニット15Bに対してZ軸方向の一方側Z1で重なる位置に配置されており、受発光ユニット15Bにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Cにおける検出光L2の放射中心位置とは略重なっている。従って、受発光ユニット15Aにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Dにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Bにおける検出光L2の放射中心位置(受発光ユニット15Cにおける検出光L2の放射中心位置)とを結ぶと、正三角形となる。
【0042】
(受発光ユニットの向き等)
本形態では、上記のように、受発光ユニット15A〜15Dをレイアウトするとともに、受発光ユニットの向きを、図3〜図5を参照して以下に説明するように設定し、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10RcdとをY軸方向に延びる垂直二等分線L11を間に挟んでX軸方向で隣接させ、全体として、一体に連続した検出対象空間10Rを構成している。
【0043】
まず、第1ユニット対11abにおいて、受発光ユニット15A、15Bの光源部12A、12Bは、X軸方向の他方側X2に延びる方向(垂直二等分線L11に直交する方向)と、垂直二等分線L11に対してX軸方向の一方側X1(反時計回りの方向)に10〜30°の角度で傾いた方向とに挟まれた100〜120°の角度範囲を検出光出射角度範囲θa、θbとしている。また、受光素子13A、13Bにおいて感度ピークが位置する方向は、垂直二等分線L11に対して時計回りに30〜40°の角度で傾いた方向であり、感度ピークが位置する方向と垂直二等分線L11とが成す角度は60°以下である。ここで、受光素子13A、13Bにおいて感度ピークが位置する方向に対して±60°の角度範囲が受光角度範囲である。しかも、受発光ユニット15Aは、受発光ユニット15BよりY軸方向の一方側Y1に位置するが、受発光ユニット15BよりX軸方向の他方側X2に位置するため、受発光ユニット15Aでの検出光L2の受発光は、受発光ユニット15Bによって遮られることがない。従って、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の他方側X2に位置する空間は、全体が光源部12Aの検出光出射角度範囲θa、光源部12Bの検出光出射角度範囲θb、受光素子13Aによる受光角度範囲、および受光素子13Bによる受光角度範囲が重なっている空間に含まれている。それ故、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の他方側X2に位置する空間は、全体が第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabになっている。
【0044】
また、第2ユニット対11cdは、垂直二等分線L11を中心に第1ユニット対11abに対して線対称に配置されている。従って、受発光ユニット15Dでの検出光L2の受発光は、受発光ユニット15Cよって遮られることがない。従って、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の一方側X1に位置する空間は、全体が光源部12Cの検出光出射角度範囲θc、光源部12Dの検出光出射角度範囲θd、受光素子13Cによる受光角度範囲、および受光素子13Dによる受光角度範囲が重なっている空間に含まれている。それ故、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の一方側X1に位置する空間は、全体が第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdになっている。
【0045】
本形態では、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下であることが好ましい。また、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下であることが好ましい。すなわち、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度と、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度とは等しいが、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度未満であることが好ましい。同様に、本形態では、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度と、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度とは等しいが、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度未満であることが好ましい。
【0046】
(受発光ユニットの詳細構成)
図7は、図2に示す受発光ユニットの主要部を示す説明図である。図8は、図7に示す光源部の構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0047】
図7に示すように、受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120およびライトガイドLGを備えている。受発光ユニット15Bも、受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120およびライトガイドLGを備えている。
【0048】
より具体的には、図8に示すように、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面および内周面のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。受発光ユニット15Bも、受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。なお、図1等を参照して説明した受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有しているため、説明を省略する。
【0049】
(位置検出部等の構成)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10において、図1〜図8を参照して説明した受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dは各々、図9に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、1つの受発光ユニットに対応するように構成される場合、あるいは複数の受発光ユニットに対応するように構成される場合があり、図9には、制御用IC70が1つの受発光ユニットに対応するように構成される場合を例示してある。このため、本形態では、制御用IC70として制御用IC70A、70B、70C、70Dからなる4つの制御用ICが用いられ、かかる制御用IC70は各々、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dに電気的接続されている。また、4つの制御用IC70は、同一構成を有しており、共通の制御装置60に電気的接続されている。
【0050】
4つの制御用IC70のうち、制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0051】
また、制御用IC70Aは、受光素子13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの電流レベルを調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0052】
他の制御用IC70B、70C、70Dも、第1制御用IC70Aと同様な構成を有している。かかる4つの制御用IC70は、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0053】
座標データ取得部55は、後述する原理により、受発光ユニット15A、15Bによって検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を取得する第1座標データ取得部551と、受発光ユニット15C、15Dによって検出対象空間10Rcdにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を取得する第2座標データ取得部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1座標データ取得部551および第2座標データ取得部552で取得した結果に基づいて対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を確定する座標データ確定部553を備えている。
【0054】
(座標検出原理)
図10は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図10(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図11は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【0055】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出するには、制御用IC70Aの光源駆動部51は、受発光ユニット15Aの光源部12Aを駆動して、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θaの一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θaの他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。また、制御用IC70Bの光源駆動部51は、受発光ユニット15Bの光源部12Bを駆動して、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θbの一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θbの他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0056】
より具体的には、制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作時には、受発光ユニット15Aの光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図8(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。また、制御用IC70Aの光源駆動部51は、第2点灯動作時には、受発光ユニット15Aの光源部12Aにおいて第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図8(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0057】
なお、制御用IC70Bの光源駆動部51は、受発光ユニット15Bの光源部12Bに対して、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作と、第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時とを行わせ、光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成する。
【0058】
従って、以下に説明するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、光源部12Aおよび光源部12Bの位置が固定であるので、検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出することができる。
【0059】
(対象物体Obの角度位置の検出)
まず、受発光ユニット15Aの光源部12Aによって、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図10(a)に線E1で示す関係にある。また、受発光ユニット15Aの光源部12Aによって、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図10(a)に線E2で示す関係にある。ここで、図10(b)および図11に示すように、光源部12Aの中心PEからみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の受光素子13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の受光素子13Aでの検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図10(b)および図11に示すように、光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0060】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の受光素子13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の受光素子13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1光源121および第2光源122を駆動した際の駆動電流を調整した際の駆動電流の比や、駆動電流の調整量の比から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0061】
より具体的には、まず、図9に示す制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図9に示す位置検出部50の受光量測定部73および調整量算出部74は、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとを比較し、受光強度INTa、INTbが相違している場合、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121および第2光源122に供給する駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとが等しければ、図9に示す第1座標データ取得部551は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や、駆動電流の調整量の比から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0062】
かかる動作を受発光ユニット15Bの光源部12Bにおいても行えば、図9に示す第1座標データ取得部551は、図10(b)および図11に示すように、光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2)を求めることができる。それ故、第1座標データ取得部551は、受発光ユニット15Aで求めた角度θ(角度θ1)と、受発光ユニット15Bで求めた角度θ(角度θ2)との交点を求め、かかる交点に相当する位置を、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)とする。
【0063】
また、同様な動作を第2ユニット対11cdの受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dで行えば、第2座標データ取得部552は、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出することができる。
【0064】
ここで、検出対象空間10Rは、第1ユニット対11abによる位置検出が行われる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる位置検出が行われる検出対象空間10Rcdとに分割されている。このため、対象物体Obが検出対象空間10Rab内にあるときは、第2ユニット対11cdでの受光強度はゼロか、著しく低レベルであり、対象物体Obが検出対象空間10Rcd内にあるときは、第1ユニット対11abでの受光強度はゼロか、著しく低レベルである。それ故、座標データ確定部553は、第1ユニット対11abでの受光強度および第2ユニット対11cdでの受光強度に基づいて、対象物体Obが検出対象空間10Rabおよび検出対象空間10Rcdの何れかにあるかを判定できるとともに、対象物体Obの座標データを検出することができる。
【0065】
また、対象物体Obが検出対象空間10Rabおよび検出対象空間10Rcdの各々に存在する場合、第1ユニット対11abでの受光強度および第2ユニット対11cdでの受光強度の双方が高い。従って、座標データ確定部553は、第1ユニット対11abでの検出結果に基づいて検出対象空間10Rab内に位置する対象物体Obの座標データを取得し、第2ユニット対11cdでの検出結果に基づいて検出対象空間10Rcd内に位置する対象物体Obの座標データを取得する。
【0066】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10においては、受発光ユニット15A〜15Dの各光源部12A〜12Dから仮想面に沿うように検出光L2を放射状に出射し、かかる検出光L2を利用して位置検出を行う。このため、広い範囲にわたって、検出光L2を比較的強い強度で出射することができる。また、受発光ユニット15A(第3受発光ユニット)と受発光ユニット15B(第1受発光ユニット)とからなる第1ユニット対11abにおいて、光源部(光源部12Aおよび光源部12B)が出射する検出光L2の出射角度範囲(検出光出射角度範囲θa、θb)が重なっている。従って、2つの受発光ユニット(受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15B)の各々において、対象物体Obで反射した検出光L2を受光して対象物体Obが存在する角度方向を検出すれば、対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、光学式位置検出装置10は、ユニット対をもう一組備えており、もう一組の第2ユニット対11cdの受発光ユニット15C(第2受発光ユニット)および受発光ユニット15D(第4受発光ユニット)の各々においても、対象物体Obで反射した検出光L2を受光して対象物体Obが存在する角度方向を検出し、対象物体Obの位置を検出する。このため、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとを連続させるだけで、広い検出対象空間10Rを実現することができる。逆にいえば、広い検出対象空間10Rを、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとに分割することができる。従って、検出対象空間10Rが広い場合でも、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光L2を照射することができる。また、検出対象空間10Rを分割したため、各受光素子(受光素子13A〜13D)が担う角度範囲が比較的狭くてよいので、受光素子は、比較的感度が高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよい。それ故、検出対象空間10Rが広い場合でも、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0067】
また、受発光ユニット15B(第1受発光ユニット)の受光素子13B(第1受光素子)と、受発光ユニット15C(第2受発光ユニット)の受光素子13C(第2受光素子)とは、Z軸方向でずれた位置でZ軸方向からみたときに重なるように設けられている。このため、受光素子13B、13Cを互いに近接する位置に設けても、Z軸方向からみたとき、受光素子13Bの受光角度範囲と受光素子13Cの受光角度範囲とを部分的に重ねることができるので、受光角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間10Rを広げた場合でも、検出対象空間10Rの全体にわたって対象物体Obの位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0068】
また、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15DとはX軸方向で離間し、受発光ユニット15Bおよび受発光ユニット15Cは、Z軸方向で重なる位置に配置されている。また、受発光ユニット15A、15Dは、受発光ユニット15B、15CよりX軸方向の外側に位置する。このため、4つの受発光ユニット15A〜15Dを比較的近接した位置に配置した場合でも、受発光ユニット15A、15Dから検出対象空間10Rに向けて出射された検出光L2が受発光ユニット15B、15Cによって遮られにくい。それ故、4つの受発光ユニット15A〜15Dを検出対象空間10Rの長手方向の略中央位置に配置しても、死角が発生しない。
【0069】
また、各受光素子13A〜13Dの受光感度ピークが位置する角度方向(受光面に対する法線方向)と垂直二等分線L11とが成す角度を60°以下に設定してある。このため、垂直二等分線L11を検出対象空間10Rabと検出対象空間10Rcdとの境界とした場合でも、受光素子13A〜13Dは、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光L2を受光すればよいので、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0070】
また、受光素子13Aの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下である。また、受光素子13Dの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下である。このため、受発光ユニット15A、15Dが担当する検出対象角度範囲が受発光ユニット15B、15Cが担当する検出対象角度範囲より広い場合でも、受光素子13A、13Dは、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光L2を受光すればよいので、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0071】
また、光源部12A〜12Dは、円弧状に延在するライトガイドLGと、ライトガイドLGの端部からライトガイドLGの内部に検出光L2を入射させる光源120とを備えている。このため、検出光L2の出射強度が出射角度範囲の一方側から他方側に向かって連続的に変化するので、検出対象空間10Rの全体にわたって高い検出精度を実現することができる。
【0072】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に画像が表示されている場合でも、検出光L2が画像の視認を妨げないという利点がある。
【0073】
[実施の形態1の変形例]
図12は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0074】
実施の形態1では、各受発光ユニットの光源部(光源部12A、光源部12B、光源部12Cおよび光源部12D)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、本形態では、光源部12A、光源部12B、光源部12Cおよび光源部12Dはいずれも、1つの光源モジュールからなる。より具体的には、図12に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12Aは、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。また、受発光ユニット15Bの光源部12Bも、光源部12Aと同様、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0075】
かかる構成でも、第1点灯動作時に第1光源121が点灯すると、図8(a)および図10(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時に第2光源122が点灯すると、図8(b)および図10(b)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。なお、本形態の場合、光源部12A〜12Dの放射中心に受光素子13A〜13Dを配置すると、受光素子13A〜13Dへの反射光L3の入射が光源部12A〜12Dによって妨げられる。従って、受光素子13A〜13Dは、光源部12A〜12Dの放射中心にZ軸方向で重なる位置に配置されることになる。
【0076】
[実施の形態2]
図13は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図である。図14は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0077】
実施の形態1では、光源部にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。
【0078】
より具体的には、図13に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12Aは、複数の光源120(複数の第1光源121および複数の第2光源122)と、複数の光源120が長さ方向に所定の間隔で実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で半円弧形状に湾曲した形状を有している。本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0079】
光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する半円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する半円状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する半円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する半円状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた受光素子13Aが配置されている。
【0080】
また、受発光ユニット15Bの光源部12Bも、光源部12Aと同様、フレキシブル基板180に実装された複数の光源120を備えている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0081】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なるタイミングで点灯させる。その際、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作では、図14(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0082】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作では、図14(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0083】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を受発光ユニット15Aの光源部12A、受発光ユニット15Bの光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。また、第1点灯動作および第2点灯動作を受発光ユニット15Cの光源部12C、受発光ユニット15Dの光源部12Dの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。また、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる実施の形態2によれば、光源部から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0084】
[実施の形態2の変形例]
図15は、本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0085】
実施の形態2では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図15に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12A、および受発光ユニット15Bの光源部12Bのいずれにおいても、1系統の光源120のみが用いられている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0086】
かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作では、図14(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作では、図14(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0087】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を光源部12Aおよび光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。なお、本形態の場合、光源部12A〜12Dの放射中心に受光素子13A〜13Dを配置すると、受光素子13A〜13Dへの反射光L3の入射が光源部12A〜12Dによって妨げられる。従って、受光素子13A〜13Dは、光源部12A〜12Dの放射中心にZ軸方向で重なる位置に配置されることになる。
【0088】
[他の実施の形態]
図16は、本発明の他の実施形態に係る光学式位置検出装置10に用いた受発光ユニットの説明図である。上記実施の形態では、受光素子13B、13Cの各々に光源部12B、12Cを設けて受発光ユニット15B、15Cを構成したが、図16に示すように、受光素子13B(第1受光素子)および受光素子13C(第2受光素子)に共通の光源部12を設けて受発光ユニット15を構成してもよい。
【0089】
[位置検出システムの構成]
(位置検出システム1の具体例1)
図17は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0090】
図1〜図16を参照して説明した位置検出システム1は、図17に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図16を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0091】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0092】
(位置検出システム1の具体例2)
図18を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置検出機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図18は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0093】
図18に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0094】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0095】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0096】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0097】
また、視認面構成部材は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0098】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R、10Rab、10Rcd・・検出対象空間、12A・・光源部(第3光源部)、12B・・光源(第1光源部)、12C・・光源部(第2光源部)、12D・・光源部(第4光源部)、13A・・受光素子(第3受光素子)、13B・・受光素子(第1受光素子)、13C・・受光素子(第2受光素子)、13D・・受光素子(第4受光素子)、15A・・受発光ユニット(第3受発光ユニット)、15B・・受発光ユニット(第1受発光ユニット)、15C・・受発光ユニット(第2受発光ユニット)、15D・・受発光ユニット(第4受発光ユニット)、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、110・・表示装置、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、100・・入力機能付き表示システム、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および当該光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の点光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光素子で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。また、複数の点光源の各々から出射された検出光を、導光板を介して出射し、対象物体で反射した検出光を受光素子で検出する方式の光学式位置検出装置も提案されている(特許文献2、3参照)。
【0003】
かかる光学式位置検出装置では、複数の点光源のうちの一部の点光源が点灯した際の受光素子での受光強度と、他の一部の点光源が点灯した際の受光素子での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の光学式位置検出装置においては、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。すなわち、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用する。このため、検出光の出射角度範囲自体が狭いため、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。また、特許文献2、3に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を、導光板を介して出射するため、比較的広い範囲にわたって検出光を出射することができるが、検出光が導光板内部を伝播する際の減衰を避けることができない。従って、広い範囲にわたって所定の光強度分布を十分な強度レベルをもって形成することが困難であるので、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭い。
【0006】
ここに本願発明者は、光源部から仮想面に沿うように検出光を放射状に出射し、対象物体で反射してきた光を受光素子で検出する方式を採用することにより、検出対象空間を拡張することを検討している。しかしながら、かかる方式の場合、受光素子には広い角度範囲から光が入射することになり、受光素子が入射角度によって感度が変動するような感度指向性を有している場合、感度が低い角度方向に対象物体が位置すると、検出精度が低下するという問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度で検出することのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る光学式位置検出装置は、互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向の一方側に配置されて当該第3方向からみたときに前記第1受光素子に重なり、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、を有していることを特徴とする。
【0009】
本発明では、光源部から仮想面に沿うように検出光を放射状に出射するため、広い範囲にわたって、検出光を比較的強い強度で出射することができる。また、本発明では、受光素子として、受光面に対する法線方向が相違する第1受光素子および第2受光素子を有しているため、広い角度範囲にわたって高い受光感度を有している。このため、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。ここで、第1受光素子と第2受光素子とは、第3方向でずれた位置で第3方向からみたときに重なるように設けられている。このため、第1受光素子と第2受光素子とを互いに近接する位置に設けても、第3方向からみたとき、第1受光素子の受光角度範囲と第2受光素子の受光角度範囲とを部分的に重ねることができるので、受光角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間を広げた場合でも、検出対象空間の全体にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0010】
本発明において、前記光源部として、前記第1受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第1光源部と、前記第2受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第2光源部と、が設けられ、前記第3方向からみたとき、前記第1光源部から出射される前記検出光の前記検出光の放射中心と、前記第2光源部から出射される前記検出光の前記検出光の放射中心とが重なっている構成を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記第1光源部と前記第2光源部とは、前記第3方向の異なる位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、第3方向からみたとき、第1光源部の出射角度範囲と第2光源部の出射角度範囲とを部分的に重ねることができるので、出射角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間を広げた場合でも、検出対象空間の全体にわたって対象物体の位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0012】
本発明において、前記第1受光素子および前記第1光源部は、第1受発光ユニットを構成し、前記第2受光素子および前記第2光源部は、第2受発光ユニットを構成している構成を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記光源部として、さらに、前記第1光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第3光源部と、前記第2光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第4光源部と、が設けられ、前記受光素子として、さらに、前記第3光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第3光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第3受光素子と、前記第4光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第4光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第4受光素子と、が設けられ、前記第3受光素子および前記第3光源部は、前記第1受発光ユニットに対して前記第2方向の一方側で離間する位置で第3受発光ユニットを構成し、前記第4受光素子および前記第4光源部は、前記第3受発光ユニットに対して前記第1方向の一方側で離間する位置で第4受発光ユニットを構成しており、前記第1受発光ユニットおよび前記第2受発光ユニットは、前記第3受発光ユニットと前記第4受発光ユニットとを結んで前記第1方向に延びる仮想の線分に対する垂直二等分線上において前記線分から前記第2方向の他方側に離間する位置に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、各受発光ユニットによる検出対象空間を連続させるだけで、広い検出対象空間を実現することができる。逆にいえば、広い検出対象空間を、一方の受発光ユニットの対(第1受発光ユニットおよび第3受発光ユニット)による検出対象空間と、他方の受発光ユニットの対(第2受発光ユニットおよび第4受発光ユニット)による検出対象空間とに分割することができる。従って、検出対象空間が広い場合でも、検出対象空間全体に十分な強度で検出光を照射することができる。また、検出対象空間を分割したため、各受光素子が担う角度範囲が比較的狭くてよいので、受光素子は、比較的感度が高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよい。それ故、検出対象空間が広い場合でも、対象物体の位置検出精度が高い。また、第3受発光ユニットと第4受発光ユニットとは第1方向で離間し、第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットは、第3受発光ユニットと第4受発光ユニットとを結ぶ仮想の線分に対する垂直二等分線上において線分から第2方向の他方側に離間する位置に設けられている。このため、4つの受発光ユニット(第1受発光ユニット、第2受発光ユニット、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニット)を互いに比較的近接した位置に配置した場合でも、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニットから第2方向の他方側に検出光を出射した際、検出光が第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットによって遮られにくい。
【0014】
本発明では、前記仮想面内方向において、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、および前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は60°以下であることが好ましい。受光素子に一般的なフォトダイオードを用いると、その半値角度は通常60°である。それ故、受光素子は、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよいので、対象物体の位置検出精度が高い。
【0015】
本発明では、前記仮想面内方向において、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であり、前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であることが好ましい。かかる構成によれば、第3受発光ユニットおよび第4受発光ユニットが担当する検出対象角度範囲が第1受発光ユニットおよび第2受発光ユニットが担当する検出対象角度範囲より広い場合でも、第3受光素子および第4受光素子は、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよいので、対象物体の位置検出精度が高い。
【0016】
本発明に係る光学式位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。
【0017】
例えば、画像が表示される表示面を備えた表示装置と、前記表示面に沿う方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、画像を投射する画像投射装置と、画像の投射方向と交差する方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムにおいて、光学式位置検出装置として、本発明に係る光学式位置検出装置を用いることができる。また、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた受発光ユニットの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の正面からみたときの説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた一方のユニット対の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた他方のユニット対の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置に用いた受光素子の受光感度の入射角度依存性を示す説明図である。
【図7】図4に示す受発光ユニットの主要部を示す説明図である。
【図8】図7に示す光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る光学式位置検出装置に用いた受発光ユニットの説明図である。
【図17】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図18】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに直交する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。また、本発明における「第1方向」をX軸方向とし、「第2方向」をY軸方向とし、「第3方向」をZ軸方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。また、受発光ユニットに対して一方の側に検出対象空間が設定されているが、以下の説明において、かかる「一方の側」はY軸方向の他方側Y2である。
【0020】
また、実施の形態1等においては、受発光ユニット、光源部および受光素子が4つずつ設けられているが、本発明における各構成と、実施の形態1等における各構成とは以下の関係になっている。
受発光ユニット
第1受発光ユニット=受発光ユニット15B
第2受発光ユニット=受発光ユニット15C
第3受発光ユニット=受発光ユニット15A
第4受発光ユニット=受発光ユニット15D
光源部
第1光源部=光源部12B
第2光源部=光源部12C
第3光源部=光源部12A
第4光源部=光源部12D
光源部
第1受光素子=受光素子13B
第2受光素子=受光素子13C
第3受光素子=受光素子13A
第4受光素子=受光素子13D
【0021】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置を検出光の出射空間側の斜め方向からみたときの説明図である。
【0022】
図1において、本形態の位置検出システム1は、情報が視認される視認面41を備えた視認面構成部材40と、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する光学式位置検出装置10とを有しており、視認面41はXY平面に沿って広がっている。かかる位置検出システム1は、光学式位置検出装置10によって、後述する検出対象空間10R内における対象物体ObのXY平面における位置(XY座標)を検出する入力機能付き表示システム等として用いることができる。
【0023】
光学式位置検出装置10は、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dからなる4つの受発光ユニットを有している。かかる受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dは、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1において、視認面構成部材40においてX軸方向に延在する長辺部分の略中央位置にカバー16の内部に纏めて配置され、視認面構成部材40の視認面41よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、受発光ユニット15A〜15Dは、以下に説明するように、視認面41に沿う仮想面(XY平面)に沿って検出光L2を出射する光源部12A〜12Dと、受光素子13A〜13Dとを備えている。従って、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15C、および受発光ユニット15Dは、光源部12A〜12Dから検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光素子13A〜13Dにより受光可能であり、光学式位置検出装置10では、光源部12A〜12Dから検出光L2が出射される空間(検出光出射空間/視認面41に沿う空間)が、対象物体Obの位置を検出する検出対象空間10Rに設定されている。
【0024】
(受発光ユニットの構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた受発光ユニット15A〜15Dの説明図であり、図2(a)、(b)は、受発光ユニット15A〜15Dの概略構成を示す説明図、および受発光ユニット15B、15Cの受光素子13B、13C(第1受光素子および第2受光素子)をZ軸方向の一方側Z1からみたときの説明図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10を反射光L3の出射空間側の正面からみたときの説明図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた一方のユニット対の説明図であり、図4(a)、(b)は、当該ユニット対からの検出光L2の出射角度範囲を示す説明図、および当該ユニット対での検出光の受光角度範囲を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた他方のユニット対の説明図であり、図5(a)、(b)は当該ユニット対からの検出光L2の出射角度範囲を示す説明図、および当該ユニット対での検出光の受光角度範囲を示す説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10に用いた受光素子13A〜13Dの受光感度の入射角度依存性(感度指向性)を示す説明図である。
【0025】
図1および図2(a)に示すように、受発光ユニット15A〜15Dにおいて、受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状を有する光源支持部材150を有しており、かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152との間には光源部12Aが構成されている。第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、半円状の鍔部156a、156bを備えており、かかる鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0026】
本形態において、光源部12Aは、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。また、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に受光素子13Aが配置されている。受発光ユニット15Aは、光源支持部材150の中心角が概ね120°であり、光源部12Aは、100〜120°の角度範囲にわたって形成されている。
【0027】
受発光ユニット15B、15C、15Dも、受発光ユニット15Aと同様な構成を有している。ここで、受発光ユニット15Bと受発光ユニット15CはZ軸方向で重ねて配置されており、受発光ユニット15Bの受光素子13Bと受発光ユニット15Cの受光素子13CとはZ軸方向で重なっている。また、受光素子13Bの受光面130と受光素子13Cの受光面130とはZ軸方向で重なっており、Z方向からみたとき交差している。
【0028】
図3および図4において、受発光ユニット15Aは、光源部12Aおよび受光素子13Aを備えている。光源部12Aは、検出光L2の出射角度範囲を長い破線L12aで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θaにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaは100〜120°に設定されている。受光素子13Aは、光源部12Aから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Aの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Aの検出光出射角度範囲θaと重なっている。
【0029】
ここで、受光素子13Aは、フォトダイオードであり、かかるフォトダイオードの受光感度は、図6に示す入射角度依存性(感度指向性)を有している。このため、受光素子13Aでは、受光面に対する法線方向が感度ピークの角度方向であり、かかる法線方向に対して1/2未満となる角度方向から入射した検出光L2に対する受光感度が著しく低い。そこで、受光素子13Aは、感度ピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、受光素子13Aの受光角度範囲は、感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向/破線L13aで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaを二等分する方向に、受光素子13Aの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Aの受光角度範囲は、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaに広い角度範囲にわたって重なっている。
【0030】
受発光ユニット15Bは、受発光ユニット15Aと同様、光源部12Bおよび受光素子13Bとを備えている。光源部12Bは、検出光L2の出射角度範囲を一点鎖線L12bで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θbにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbは、100〜120°に設定されている。受光素子13Bは、光源部12Bから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Bの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Bの検出光出射角度範囲θbと重なっている。より具体的には、受光素子13Bは、受光素子13Aと同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を一点鎖線L13bで示してある。受光素子13Bは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13Aと同様、感度ピークが位置する方向(一点鎖線L13bで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbを二等分する方向に、受光素子13Bの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Bの受光角度範囲は、光源部12Bの検出光出射角度範囲θbと広い範囲にわたって重なっている。
【0031】
図3および図5に示すように、受発光ユニット15Cは、受発光ユニット15A等と同様、光源部12Cおよび受光素子13Cとを備えている。光源部12Cは、検出光L2の出射角度範囲を点線L12cで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θcにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcは、受発光ユニット15A、15Bと同様、100〜120°に設定されている。受光素子13Cは、光源部12Cから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Cの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと重なっている。より具体的には、受光素子13Cは、受光素子13A等と同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を点線L13cで示してある。受光素子13Cは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13A等と同様、感度ピークが位置する方向(点線L13cで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcを二等分する方向に、受光素子13Cの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Cの受光角度範囲は、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと広い範囲にわたって重なっている。
【0032】
受発光ユニット15Dは、受発光ユニット15A等と同様、光源部12Dおよび受光素子13Dとを備えている。光源部12Dは、検出光L2の出射角度範囲を二点鎖線L12dで示すように、視認面構成部材40の視認面41に沿って検出光L2を検出光出射角度範囲θdにわたって放射状に出射する。本形態において、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdは100〜120°に設定されている。受光素子13Dは、光源部12Dから出射される検出光L2の放射中心に対してZ軸方向で重なる位置に配置されており、受光素子13Dの受光角度範囲は、少なくとも一部が光源部12Dの検出光出射角度範囲θdと重なっている。より具体的には、受光素子13Dは、受光素子13A等と同様、感度が入射角度依存性を有しており、その感度ピークが位置する方向(受光面に対する法線方向)を二点鎖線L13dで示してある。受光素子13Dは、受光感度がピーク値に対して1/2以上となる半値角度範囲が受光角度範囲として利用されており、かかる受光角度範囲は、受光素子13Aと同様、感度ピークが位置する方向(二点鎖線L13dで示す方向)に対して±60°の範囲である。本形態では、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdを二等分する方向に、受光素子13Dの感度ピークが位置する方向が向いている。従って、受光素子13Dの受光角度範囲は、光源部12Dの検出光出射角度範囲θdと広い範囲にわたって重なっている。
【0033】
本形態では、光源部12A、光源部12B、光源部12C、および光源部12Dは、後述するように、LED(発光ダイオード)からなる光源を備えており、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2を放射状に出射する。受光素子13A、受光素子13B、受光素子13C、および第4受光素子13Dは、受光素子として、赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードを備えている。
【0034】
本形態において、4つの受発光ユニット15A〜15Dは、ユニット毎に順次オン状態に切り換えられる。このため、受発光ユニット15Aの光源部12Aが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Aの受光素子13Aで検出され、受発光ユニット15Bの光源部12Bが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Bの受光素子13Bで検出される。また、受発光ユニット15Cの光源部12Cが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Cの受光素子13Cで検出され、受発光ユニット15Dの光源部12Dが点灯して検出光L2を出射した際、対象物体Obで反射した検出光L2は、受発光ユニット15Dの受光素子13Dで検出される。
【0035】
(ユニット対の構成)
図3〜図5に示すように、本形態では、後述するレイアウトを採用することにより、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Bとにおいて、光源部12Aの検出光出射角度範囲θaと光源部12Bの検出光出射角度範囲θbとは、少なくとも一部が重なっている。また、受光素子13Aの受光角度範囲と受光素子13Bの受光角度範囲とは、少なくとも一部が重なっている。従って、受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bは、後述する原理によって、光源部12Aの検出光出射角度範囲θa、光源部12Bの検出光出射角度範囲θb、受光素子13Aの受光角度範囲、および受光素子13Bの受光角度範囲が重なっている空間に位置する対象物体Obの位置を検出可能である。それ故、本形態では、かかる空間のうち、視認面41とZ軸方向で重なっている空間が受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15Bからなる第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabになっている。
【0036】
また、受発光ユニット15Cと受発光ユニット15Dとにおいて、光源部12Cの検出光出射角度範囲θcと光源部12Dの検出光出射角度範囲θdとは、少なくとも一部が重なっている。また、受光素子13Cの受光角度範囲と受光素子13Dの受光角度範囲とは、少なくとも一部が重なっている。従って、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dは、後述する原理によって、光源部12Cの検出光出射角度範囲θc、光源部12Dの検出光出射角度範囲θd、受光素子13Cの受光角度範囲、および受光素子13Dの受光角度範囲が重なっている空間に位置する対象物体Obの位置を検出可能である。それ故、本形態では、かかる空間のうち、視認面41とZ軸方向で重なっている空間が受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dからなる第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdになっている。
【0037】
(受発光ユニットのレイアウト等)
本形態では、図3〜図5を参照して以下に説明するレイアウトを採用することにより、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとを隣接させ、全体として、一体に連続した検出対象空間10Rが構成されている。
【0038】
本形態では、まず、受発光ユニット15A、15Dは、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1においてX軸方向で離間するように配置されている。また、受発光ユニット15A、15Dは、Y軸方向の同一位置に配置されている。このため、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Dとを結ぶ仮想の線分L10は、視認面構成部材40においてX軸方向に延在する辺部分に平行である。
【0039】
また、受発光ユニット15B、15Cは、受発光ユニット15A、15Dに対してY軸方向の一方の側(Y軸方向の他方側Y2)に配置されており、Y軸方向において視認面構成部材40と、受発光ユニット15A、15Dが配置されている箇所との間に位置する。
【0040】
ここで、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15Dとを結ぶ仮想の線分L10に対する仮想の垂直二等分線L11を基準にしたとき、受発光ユニット15B、15Cは、垂直二等分線L11上において線分L10からY軸方向の他方側Y2(検出対象空間10Rが位置する側)に離間する位置に設けられている。従って、X軸方向において、受発光ユニット15A、15Dは、受発光ユニット15B、15Cより外側に位置する。
【0041】
また、受発光ユニット15Bは、受発光ユニット15Bに対してZ軸方向の一方側Z1で重なる位置に配置されており、受発光ユニット15Bにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Cにおける検出光L2の放射中心位置とは略重なっている。従って、受発光ユニット15Aにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Dにおける検出光L2の放射中心位置と、受発光ユニット15Bにおける検出光L2の放射中心位置(受発光ユニット15Cにおける検出光L2の放射中心位置)とを結ぶと、正三角形となる。
【0042】
(受発光ユニットの向き等)
本形態では、上記のように、受発光ユニット15A〜15Dをレイアウトするとともに、受発光ユニットの向きを、図3〜図5を参照して以下に説明するように設定し、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10RcdとをY軸方向に延びる垂直二等分線L11を間に挟んでX軸方向で隣接させ、全体として、一体に連続した検出対象空間10Rを構成している。
【0043】
まず、第1ユニット対11abにおいて、受発光ユニット15A、15Bの光源部12A、12Bは、X軸方向の他方側X2に延びる方向(垂直二等分線L11に直交する方向)と、垂直二等分線L11に対してX軸方向の一方側X1(反時計回りの方向)に10〜30°の角度で傾いた方向とに挟まれた100〜120°の角度範囲を検出光出射角度範囲θa、θbとしている。また、受光素子13A、13Bにおいて感度ピークが位置する方向は、垂直二等分線L11に対して時計回りに30〜40°の角度で傾いた方向であり、感度ピークが位置する方向と垂直二等分線L11とが成す角度は60°以下である。ここで、受光素子13A、13Bにおいて感度ピークが位置する方向に対して±60°の角度範囲が受光角度範囲である。しかも、受発光ユニット15Aは、受発光ユニット15BよりY軸方向の一方側Y1に位置するが、受発光ユニット15BよりX軸方向の他方側X2に位置するため、受発光ユニット15Aでの検出光L2の受発光は、受発光ユニット15Bによって遮られることがない。従って、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の他方側X2に位置する空間は、全体が光源部12Aの検出光出射角度範囲θa、光源部12Bの検出光出射角度範囲θb、受光素子13Aによる受光角度範囲、および受光素子13Bによる受光角度範囲が重なっている空間に含まれている。それ故、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の他方側X2に位置する空間は、全体が第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabになっている。
【0044】
また、第2ユニット対11cdは、垂直二等分線L11を中心に第1ユニット対11abに対して線対称に配置されている。従って、受発光ユニット15Dでの検出光L2の受発光は、受発光ユニット15Cよって遮られることがない。従って、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の一方側X1に位置する空間は、全体が光源部12Cの検出光出射角度範囲θc、光源部12Dの検出光出射角度範囲θd、受光素子13Cによる受光角度範囲、および受光素子13Dによる受光角度範囲が重なっている空間に含まれている。それ故、検出対象空間10Rのうち、垂直二等分線L11よりX軸方向の一方側X1に位置する空間は、全体が第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdになっている。
【0045】
本形態では、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下であることが好ましい。また、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下であることが好ましい。すなわち、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度と、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度とは等しいが、受光素子13Aの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度未満であることが好ましい。同様に、本形態では、XY平面内方向(仮想面内方向)において、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度と、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度とは等しいが、受光素子13Dの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光面に対する法線方向と垂直二等分線L11とが成す角度未満であることが好ましい。
【0046】
(受発光ユニットの詳細構成)
図7は、図2に示す受発光ユニットの主要部を示す説明図である。図8は、図7に示す光源部の構成を模式的に示す説明図であり、第1点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図、および第2点灯動作時に検出光L2が出射される様子を示す説明図である。
【0047】
図7に示すように、受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120およびライトガイドLGを備えている。受発光ユニット15Bも、受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、発光ダイオード等の発光素子からなる光源120およびライトガイドLGを備えている。
【0048】
より具体的には、図8に示すように、第1光源モジュール126は、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第1光源121を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第1光源121は、ライトガイドLGの一方の端部LG1に配置されている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、光源120として、赤外光を出射する発光ダイオード等の発光素子からなる第2光源122を備えているとともに、円弧状のライトガイドLGを備えており、第2光源122は、ライトガイドLGの他方の端部LG2に配置されている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。なお、ライトガイドLGの外周面および内周面のうちの少なくとも一方には、ライトガイドLGからの検出光の出射効率を調整するための加工が施されており、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。受発光ユニット15Bも、受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。なお、図1等を参照して説明した受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有しているため、説明を省略する。
【0049】
(位置検出部等の構成)
図9は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図である。本形態の光学式位置検出装置10において、図1〜図8を参照して説明した受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dは各々、図9に示す制御用IC70に電気的接続されている。ここで、制御用IC70は、1つの受発光ユニットに対応するように構成される場合、あるいは複数の受発光ユニットに対応するように構成される場合があり、図9には、制御用IC70が1つの受発光ユニットに対応するように構成される場合を例示してある。このため、本形態では、制御用IC70として制御用IC70A、70B、70C、70Dからなる4つの制御用ICが用いられ、かかる制御用IC70は各々、受発光ユニット15A、受発光ユニット15B、受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dに電気的接続されている。また、4つの制御用IC70は、同一構成を有しており、共通の制御装置60に電気的接続されている。
【0050】
4つの制御用IC70のうち、制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は光源駆動部51を構成している。
【0051】
また、制御用IC70Aは、受光素子13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して光源部12Aの光源120(第1光源121および第2光源122)に供給する駆動パルスの電流レベルを調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0052】
他の制御用IC70B、70C、70Dも、第1制御用IC70Aと同様な構成を有している。かかる4つの制御用IC70は、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0053】
座標データ取得部55は、後述する原理により、受発光ユニット15A、15Bによって検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を取得する第1座標データ取得部551と、受発光ユニット15C、15Dによって検出対象空間10Rcdにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を取得する第2座標データ取得部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1座標データ取得部551および第2座標データ取得部552で取得した結果に基づいて対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を確定する座標データ確定部553を備えている。
【0054】
(座標検出原理)
図10は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図10(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図11は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの角度位置を検出する原理を示す説明図である。
【0055】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出するには、制御用IC70Aの光源駆動部51は、受発光ユニット15Aの光源部12Aを駆動して、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θaの一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θaの他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。また、制御用IC70Bの光源駆動部51は、受発光ユニット15Bの光源部12Bを駆動して、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θbの一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作と、検出光L2の出射強度が検出光出射角度範囲θbの他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作とを行わせる。
【0056】
より具体的には、制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作時には、受発光ユニット15Aの光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126の第1光源121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第2光源122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図8(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。また、制御用IC70Aの光源駆動部51は、第2点灯動作時には、受発光ユニット15Aの光源部12Aにおいて第2光源モジュール127の第2光源122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2を出射させる。その際、第1光源121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図8(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0057】
なお、制御用IC70Bの光源駆動部51は、受発光ユニット15Bの光源部12Bに対して、第1光源モジュール126の第1光源121が点灯した第1点灯動作と、第2光源モジュール127の第2光源122が点灯した第2点灯動作時とを行わせ、光源部12Aと同様、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成する。
【0058】
従って、以下に説明するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、光源部12Aおよび光源部12Bの位置が固定であるので、検出対象空間10Rabにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出することができる。
【0059】
(対象物体Obの角度位置の検出)
まず、受発光ユニット15Aの光源部12Aによって、第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図10(a)に線E1で示す関係にある。また、受発光ユニット15Aの光源部12Aによって、第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図10(a)に線E2で示す関係にある。ここで、図10(b)および図11に示すように、光源部12Aの中心PEからみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の受光素子13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の受光素子13Aでの検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、図10(b)および図11に示すように、光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0060】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の受光素子13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の受光素子13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1光源121および第2光源122を駆動した際の駆動電流を調整した際の駆動電流の比や、駆動電流の調整量の比から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0061】
より具体的には、まず、図9に示す制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1光源121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2光源122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図9に示す位置検出部50の受光量測定部73および調整量算出部74は、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとを比較し、受光強度INTa、INTbが相違している場合、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとが等しくなるように、第1光源121および第2光源122に供給する駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTaと、第2点灯動作時の受光素子13Aの受光強度INTbとが等しければ、図9に示す第1座標データ取得部551は、かかる調整を行った後の第1光源121および第2光源122に対する駆動電流の比や、駆動電流の調整量の比から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0062】
かかる動作を受発光ユニット15Bの光源部12Bにおいても行えば、図9に示す第1座標データ取得部551は、図10(b)および図11に示すように、光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2)を求めることができる。それ故、第1座標データ取得部551は、受発光ユニット15Aで求めた角度θ(角度θ1)と、受発光ユニット15Bで求めた角度θ(角度θ2)との交点を求め、かかる交点に相当する位置を、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)とする。
【0063】
また、同様な動作を第2ユニット対11cdの受発光ユニット15Cおよび受発光ユニット15Dで行えば、第2座標データ取得部552は、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの座標データ(XY座標データ)を検出することができる。
【0064】
ここで、検出対象空間10Rは、第1ユニット対11abによる位置検出が行われる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる位置検出が行われる検出対象空間10Rcdとに分割されている。このため、対象物体Obが検出対象空間10Rab内にあるときは、第2ユニット対11cdでの受光強度はゼロか、著しく低レベルであり、対象物体Obが検出対象空間10Rcd内にあるときは、第1ユニット対11abでの受光強度はゼロか、著しく低レベルである。それ故、座標データ確定部553は、第1ユニット対11abでの受光強度および第2ユニット対11cdでの受光強度に基づいて、対象物体Obが検出対象空間10Rabおよび検出対象空間10Rcdの何れかにあるかを判定できるとともに、対象物体Obの座標データを検出することができる。
【0065】
また、対象物体Obが検出対象空間10Rabおよび検出対象空間10Rcdの各々に存在する場合、第1ユニット対11abでの受光強度および第2ユニット対11cdでの受光強度の双方が高い。従って、座標データ確定部553は、第1ユニット対11abでの検出結果に基づいて検出対象空間10Rab内に位置する対象物体Obの座標データを取得し、第2ユニット対11cdでの検出結果に基づいて検出対象空間10Rcd内に位置する対象物体Obの座標データを取得する。
【0066】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10においては、受発光ユニット15A〜15Dの各光源部12A〜12Dから仮想面に沿うように検出光L2を放射状に出射し、かかる検出光L2を利用して位置検出を行う。このため、広い範囲にわたって、検出光L2を比較的強い強度で出射することができる。また、受発光ユニット15A(第3受発光ユニット)と受発光ユニット15B(第1受発光ユニット)とからなる第1ユニット対11abにおいて、光源部(光源部12Aおよび光源部12B)が出射する検出光L2の出射角度範囲(検出光出射角度範囲θa、θb)が重なっている。従って、2つの受発光ユニット(受発光ユニット15Aおよび受発光ユニット15B)の各々において、対象物体Obで反射した検出光L2を受光して対象物体Obが存在する角度方向を検出すれば、対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、光学式位置検出装置10は、ユニット対をもう一組備えており、もう一組の第2ユニット対11cdの受発光ユニット15C(第2受発光ユニット)および受発光ユニット15D(第4受発光ユニット)の各々においても、対象物体Obで反射した検出光L2を受光して対象物体Obが存在する角度方向を検出し、対象物体Obの位置を検出する。このため、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとを連続させるだけで、広い検出対象空間10Rを実現することができる。逆にいえば、広い検出対象空間10Rを、第1ユニット対11abによる検出対象空間10Rabと、第2ユニット対11cdによる検出対象空間10Rcdとに分割することができる。従って、検出対象空間10Rが広い場合でも、検出対象空間10R全体に十分な強度で検出光L2を照射することができる。また、検出対象空間10Rを分割したため、各受光素子(受光素子13A〜13D)が担う角度範囲が比較的狭くてよいので、受光素子は、比較的感度が高い角度範囲から入射する検出光を受光すればよい。それ故、検出対象空間10Rが広い場合でも、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0067】
また、受発光ユニット15B(第1受発光ユニット)の受光素子13B(第1受光素子)と、受発光ユニット15C(第2受発光ユニット)の受光素子13C(第2受光素子)とは、Z軸方向でずれた位置でZ軸方向からみたときに重なるように設けられている。このため、受光素子13B、13Cを互いに近接する位置に設けても、Z軸方向からみたとき、受光素子13Bの受光角度範囲と受光素子13Cの受光角度範囲とを部分的に重ねることができるので、受光角度範囲に死角が発生しない。それ故、検出対象空間10Rを広げた場合でも、検出対象空間10Rの全体にわたって対象物体Obの位置を高い精度をもって光学的に検出することができる。
【0068】
また、受発光ユニット15Aと受発光ユニット15DとはX軸方向で離間し、受発光ユニット15Bおよび受発光ユニット15Cは、Z軸方向で重なる位置に配置されている。また、受発光ユニット15A、15Dは、受発光ユニット15B、15CよりX軸方向の外側に位置する。このため、4つの受発光ユニット15A〜15Dを比較的近接した位置に配置した場合でも、受発光ユニット15A、15Dから検出対象空間10Rに向けて出射された検出光L2が受発光ユニット15B、15Cによって遮られにくい。それ故、4つの受発光ユニット15A〜15Dを検出対象空間10Rの長手方向の略中央位置に配置しても、死角が発生しない。
【0069】
また、各受光素子13A〜13Dの受光感度ピークが位置する角度方向(受光面に対する法線方向)と垂直二等分線L11とが成す角度を60°以下に設定してある。このため、垂直二等分線L11を検出対象空間10Rabと検出対象空間10Rcdとの境界とした場合でも、受光素子13A〜13Dは、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光L2を受光すればよいので、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0070】
また、受光素子13Aの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Bの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下である。また、受光素子13Dの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度は、受光素子13Cの受光感度ピークが位置する角度方向と垂直二等分線L11とが成す角度以下である。このため、受発光ユニット15A、15Dが担当する検出対象角度範囲が受発光ユニット15B、15Cが担当する検出対象角度範囲より広い場合でも、受光素子13A、13Dは、半値角度内の感度が比較的高い角度範囲から入射する検出光L2を受光すればよいので、対象物体Obの位置検出精度が高い。
【0071】
また、光源部12A〜12Dは、円弧状に延在するライトガイドLGと、ライトガイドLGの端部からライトガイドLGの内部に検出光L2を入射させる光源120とを備えている。このため、検出光L2の出射強度が出射角度範囲の一方側から他方側に向かって連続的に変化するので、検出対象空間10Rの全体にわたって高い検出精度を実現することができる。
【0072】
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に画像が表示されている場合でも、検出光L2が画像の視認を妨げないという利点がある。
【0073】
[実施の形態1の変形例]
図12は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0074】
実施の形態1では、各受発光ユニットの光源部(光源部12A、光源部12B、光源部12Cおよび光源部12D)はいずれも、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、本形態では、光源部12A、光源部12B、光源部12Cおよび光源部12Dはいずれも、1つの光源モジュールからなる。より具体的には、図12に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12Aは、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。また、受発光ユニット15Bの光源部12Bも、光源部12Aと同様、1つのライトガイドLGの一方の端部LG1および他方の端部LG2の各々に光源120(第1光源121および第2光源122)が配置されている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0075】
かかる構成でも、第1点灯動作時に第1光源121が点灯すると、図8(a)および図10(a)に示す第1光強度分布LID1を形成することができ、第2点灯動作時に第2光源122が点灯すると、図8(b)および図10(b)に示す第2光強度分布LID2を形成することができる。なお、本形態の場合、光源部12A〜12Dの放射中心に受光素子13A〜13Dを配置すると、受光素子13A〜13Dへの反射光L3の入射が光源部12A〜12Dによって妨げられる。従って、受光素子13A〜13Dは、光源部12A〜12Dの放射中心にZ軸方向で重なる位置に配置されることになる。
【0076】
[実施の形態2]
図13は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の主要部を模式的に示す説明図である。図14は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0077】
実施の形態1では、光源部にライトガイドLGを用いたが、本形態では、ライトガイドを用いずに、実施の形態1と同様な原理で対象物体ObのXY座標を検出する。
【0078】
より具体的には、図13に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12Aは、複数の光源120(複数の第1光源121および複数の第2光源122)と、複数の光源120が長さ方向に所定の間隔で実装された帯状のフレキシブル基板180と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面155を備えた光源支持部材150とを備えている。本形態において、凸曲面155は、その長さ方向(円周方向)で半円弧形状に湾曲した形状を有している。本形態においては、フレキシブル基板180として、帯状の第1フレキシブル基板181と、第1フレキシブル基板181に対して幅方向(Z軸方向)で並列する帯状の第2フレキシブル基板182とが用いられている。第1フレキシブル基板181には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第1光源121が実装されており、第2フレキシブル基板182には、その長さ方向に、複数の光源120として、複数の第2光源122が実装されている。光源120にはいずれも、LEDが用いられている。
【0079】
光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1光源支持部材151は、凸曲面155の上半部を構成する半円弧状の凸曲面155aと、凸曲面155aにおいて第2光源支持部材152が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155aから突出する半円状の鍔部156aとを備えており、凸曲面155aに第1フレキシブル基板181が重ねて配置されている。第2光源支持部材152は、凸曲面155の下半部を構成する半円弧状の凸曲面155bと、凸曲面155bにおいて第1光源支持部材151が位置する側とは反対側の端部で凸曲面155bから突出する半円状の鍔部156bとを備えており、凸曲面155bに第2フレキシブル基板182が重ねて配置されている。第1フレキシブル基板181と第2フレキシブル基板182とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥にフォトダイオードを備えた受光素子13Aが配置されている。
【0080】
また、受発光ユニット15Bの光源部12Bも、光源部12Aと同様、フレキシブル基板180に実装された複数の光源120を備えている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0081】
このように構成した光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、第1フレキシブル基板181に実装されている複数の第1光源121と、第2フレキシブル基板182に実装されている複数の第2光源122とを異なるタイミングで点灯させる。その際、複数の第1光源121を全て点灯させ、複数の第2光源122を全て消灯させる第1点灯動作では、図14(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する側から他方側の端部181eが位置する側に向かって第1光源121の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、第1フレキシブル基板181の長さ方向の一方側の端部181fが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部181eが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0082】
これに対して、複数の第2光源122を全て点灯させ、複数の第1光源121を全て消灯させる第2点灯動作では、図14(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板182の長さ方向の一方側の端部182fが位置する側から他方側の端部182eが位置する側に向かって第2光源122の出射強度を増大させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、第2フレキシブル基板182の長さ方向の他方側の端部182eが位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部182fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0083】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を受発光ユニット15Aの光源部12A、受発光ユニット15Bの光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。また、第1点灯動作および第2点灯動作を受発光ユニット15Cの光源部12C、受発光ユニット15Dの光源部12Dの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、複数の第1光源121に供給する駆動電流の和、および複数の第2光源122に供給する駆動電流の和に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。また、複数の光源120の出射強度を変えるにあたっては、抵抗素子等により、駆動電流を光源120毎に変えればよい。かかる実施の形態2によれば、光源部から離間した位置に対しても十分な強度をもって検出光を出射することができるという利点がある。
【0084】
[実施の形態2の変形例]
図15は、本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置10の構成を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0085】
実施の形態2では、第1点灯動作では第1光源121を点灯させ、第2点灯動作では第2光源122を点灯させたが、本形態では、図15に示すように、受発光ユニット15Aの光源部12A、および受発光ユニット15Bの光源部12Bのいずれにおいても、1系統の光源120のみが用いられている。なお、図示を省略するが、受発光ユニット15C、15Dは、受発光ユニット15A、15Bと同一の構成を有している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0086】
かかる構成でも、第1点灯動作時と第2点灯動作時において光源120に供給する駆動電流を変えれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。すなわち、第1点灯動作では、図14(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する側から他方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布LID1では、フレキシブル基板180の長さ方向の一方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、他方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。また、第2点灯動作では、図14(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する側から一方側の端部が位置する側に向かって光源120の出射強度を減少させる。従って、検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布LID2では、フレキシブル基板180の長さ方向の他方側の端部が位置する角度方向では光強度が高く、そこから、一方側の端部が位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0087】
それ故、第1点灯動作および第2点灯動作を光源部12Aおよび光源部12Bの各々において実行すれば、実施の形態1と同様な原理で対象物体Obの位置(XY座標)を検出することができる。その際、第1点灯動作における光源120への駆動電流の和、および第2点灯動作における光源120への駆動電流の和に基づいて対象物体Obの角度位置を検出すればよい。なお、本形態の場合、光源部12A〜12Dの放射中心に受光素子13A〜13Dを配置すると、受光素子13A〜13Dへの反射光L3の入射が光源部12A〜12Dによって妨げられる。従って、受光素子13A〜13Dは、光源部12A〜12Dの放射中心にZ軸方向で重なる位置に配置されることになる。
【0088】
[他の実施の形態]
図16は、本発明の他の実施形態に係る光学式位置検出装置10に用いた受発光ユニットの説明図である。上記実施の形態では、受光素子13B、13Cの各々に光源部12B、12Cを設けて受発光ユニット15B、15Cを構成したが、図16に示すように、受光素子13B(第1受光素子)および受光素子13C(第2受光素子)に共通の光源部12を設けて受発光ユニット15を構成してもよい。
【0089】
[位置検出システムの構成]
(位置検出システム1の具体例1)
図17は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置検出システム1において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0090】
図1〜図16を参照して説明した位置検出システム1は、図17に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図16を参照して説明した光学式位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0091】
かかる入力機能付き表示システム100において、光学式位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0092】
(位置検出システム1の具体例2)
図18を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置検出機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図18は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図16を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0093】
図18に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0094】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、光学式位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0095】
なお、光学式位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0096】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0097】
また、視認面構成部材は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0098】
1・・位置検出システム、10・・光学式位置検出装置、10R、10Rab、10Rcd・・検出対象空間、12A・・光源部(第3光源部)、12B・・光源(第1光源部)、12C・・光源部(第2光源部)、12D・・光源部(第4光源部)、13A・・受光素子(第3受光素子)、13B・・受光素子(第1受光素子)、13C・・受光素子(第2受光素子)、13D・・受光素子(第4受光素子)、15A・・受発光ユニット(第3受発光ユニット)、15B・・受発光ユニット(第1受発光ユニット)、15C・・受発光ユニット(第2受発光ユニット)、15D・・受発光ユニット(第4受発光ユニット)、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、110・・表示装置、120・・光源、121・・第1光源、122・・第2光源、100・・入力機能付き表示システム、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向の一方側に配置されて当該第3方向からみたときに前記第1受光素子に重なり、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記光源部として、前記第1受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第1光源部と、前記第2受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第2光源部と、が設けられ、
前記第3方向からみたとき、前記第1光源部から出射される前記検出光の放射中心と、前記第2光源部から出射される前記検出光の放射中心とが重なっていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光源部と前記第2光源部とは、前記第3方向の異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第1受光素子および前記第1光源部は、第1受発光ユニットを構成し、
前記第2受光素子および前記第2光源部は、第2受発光ユニットを構成していることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部として、さらに、前記第1光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第3光源部と、前記第2光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第4光源部と、が設けられ、
前記受光素子として、さらに、前記第3光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第3光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第3受光素子と、前記第4光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第4光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第4受光素子と、が設けられ、
前記第3受光素子および前記第3光源部は、前記第1受発光ユニットに対して前記第2方向の一方側で離間する位置で第3受発光ユニットを構成し、
前記第4受光素子および前記第4光源部は、前記第3受発光ユニットに対して前記第1方向の一方側で離間する位置で第4受発光ユニットを構成しており、
前記第1受発光ユニットおよび前記第2受発光ユニットは、前記第3受発光ユニットと前記第4受発光ユニットとを結んで前記第1方向に延びる仮想の線分に対する垂直二等分線上において前記線分から前記第2方向の他方側に離間する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記仮想面内方向において、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、および前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は60°以下であることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記仮想面内方向において、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であり、
前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
画像が表示される表示面を備えた表示装置と、前記表示面に沿う方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向で重なる位置に設けられ、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項9】
画像を投射する画像投射装置と、画像の投射方向と交差する方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向で重なる位置に設けられ、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項1】
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向の一方側に配置されて当該第3方向からみたときに前記第1受光素子に重なり、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記光源部として、前記第1受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第1光源部と、前記第2受光素子の受光角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を検出光出射角度範囲とする第2光源部と、が設けられ、
前記第3方向からみたとき、前記第1光源部から出射される前記検出光の放射中心と、前記第2光源部から出射される前記検出光の放射中心とが重なっていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光源部と前記第2光源部とは、前記第3方向の異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第1受光素子および前記第1光源部は、第1受発光ユニットを構成し、
前記第2受光素子および前記第2光源部は、第2受発光ユニットを構成していることを特徴とする請求項3に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部として、さらに、前記第1光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第3光源部と、前記第2光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲に検出光を放射状に出射する第4光源部と、が設けられ、
前記受光素子として、さらに、前記第3光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第3光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第3受光素子と、前記第4光源部の検出光出射角度範囲と少なくとも一部が重なる角度範囲を受光角度範囲とし、前記第3方向からみたとき前記第4光源部から出射される前記検出光の放射中心と重なる第4受光素子と、が設けられ、
前記第3受光素子および前記第3光源部は、前記第1受発光ユニットに対して前記第2方向の一方側で離間する位置で第3受発光ユニットを構成し、
前記第4受光素子および前記第4光源部は、前記第3受発光ユニットに対して前記第1方向の一方側で離間する位置で第4受発光ユニットを構成しており、
前記第1受発光ユニットおよび前記第2受発光ユニットは、前記第3受発光ユニットと前記第4受発光ユニットとを結んで前記第1方向に延びる仮想の線分に対する垂直二等分線上において前記線分から前記第2方向の他方側に離間する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記仮想面内方向において、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度、および前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は60°以下であることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記仮想面内方向において、前記第3受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第1受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であり、
前記第4受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度は、前記第2受光素子の受光面に対する法線方向と前記垂直二等分線とが成す角度以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
画像が表示される表示面を備えた表示装置と、前記表示面に沿う方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向で重なる位置に設けられ、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項9】
画像を投射する画像投射装置と、画像の投射方向と交差する方向の対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置と、を有し、当該光学式位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムであって、
前記光学式位置検出装置は、
互いに直交する第1方向および第2方向によって規定される仮想面に沿って検出光を放射状に出射する光源部と、
前記仮想面に直交する第3方向からみたとき前記検出光の放射中心と重なる位置に設けられ、対象物体で反射した前記検出光を受光する受光素子と、
該受光素子での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記受光素子として、第1受光素子と、該第1受光素子に対して前記第3方向で重なる位置に設けられ、前記仮想面内方向において受光面に対する法線方向が前記第1受光素子と相違する第2受光素子と、
を有していることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−24579(P2013−24579A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156432(P2011−156432)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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