説明

光電変換素子、光電変換素子の作製方法、表示装置及び電子機器

【課題】耐久性の高い光電変換素子を作製する。
【解決手段】基板上の第1の導電層と、第1の導電層を覆う第1の絶縁層と、第1の絶縁層上の第1の半導体層と、第1の半導体層上に設けられた第2の半導体層と、第2の半導体層上の不純物半導体層と、不純物半導体層上の第2の導電層と、第1の半導体層と第2の導電層を覆う第2の絶縁層と、第2の絶縁層上の透光性を有する第3の導電層と、を有し、第2の絶縁層は、第1の開口部と第2の開口部を有し、第1の開口部では、第1の半導体層と第3の導電層が接続され、第2の開口部では、第1の導電層と第3の導電層が接続され、第1の開口部に、第2の導電層により構成された電極に囲まれた受光部を有する光電変換素子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
光電変換素子、該光電変換素子を有する表示装置、及び電子機器に関する。更には、その作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイ(特に、液晶表示装置及び発光表示装置(EL表示装置を含む。))に関する技術の進歩が目覚ましい。フラットパネルディスプレイでは、画素トランジスタと同一基板上に光電変換素子を設けることが検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−95263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、フラットパネルディスプレイは様々な場所に設置されることが想定されるため、屋外などの過酷な使用環境下での耐久性が求められている。そして、タッチパネルでない表示装置にも、使用環境を認識するセンサとして、光電変換素子が搭載される場合が想定される。ただし、このような光電変換素子であっても、表示装置の画素トランジスタとは異なる基板上に設けられていることが多い。または、光電変換素子が画素トランジスタと同一基板上に設けられる場合であっても、画素トランジスタとは作製工程を異にするものが多い。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、画素トランジスタと同一基板上に設けられる、耐久性の高い光電変換素子を提供することを課題とする。更には、画素トランジスタの作製工程を大きく変えることなく作製することが可能な光電変換素子の作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、チャネル形成領域を有する半導体層が設けられたトランジスタと同様の構成を有し、該半導体層の露出された部分に透光性の導電層が設けられることで、受光部が設けられたショットキーダイオード型の光電変換素子である。
【0007】
本発明の一態様は、チャネル形成領域を有する半導体層が設けられたトランジスタと、該トランジスタと同様の構成を有し、該半導体層の露出された部分に透光性の導電層が設けられることで受光部が設けられた光電変換素子と、を同一基板上に有する表示装置である。
【0008】
本発明の一態様は、前記表示装置を表示部として有する電子機器である。
【0009】
本発明の一態様は、前記光電変換素子の作製方法である。該光電変換素子の作製方法は、表示装置の画素トランジスタと同様であるが、半導体層と重畳する部分の絶縁層に開口部を設けて露出させる点が大きく異なる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様を光電変換素子に適用することにより、トランジスタと同一基板上に耐久性の高い光電変換素子を得ることができる。
【0011】
更には、本発明の一態様を表示装置に適用することにより、耐久性の高い光電変換素子を画素トランジスタと同一基板上に搭載した表示装置を得ることができる。
【0012】
更には、本発明の一態様を電子機器に適用することにより、耐久性の高い光電変換素子を表示部の画素トランジスタと同一基板上に搭載した電子機器を得ることができる。
【0013】
本発明の一態様を光電変換素子の作製方法に適用することにより、画素トランジスタの作製工程を大きく変えることなく、該画素トランジスタと同一基板上に光電変換素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図2】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図3】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図4】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図5】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図6】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図7】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図8】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図9】本発明の一態様である光電変換素子の一形態例を説明する図。
【図10】本発明の一態様である光電変換素子とともに搭載するトランジスタの一形態例を説明する図。
【図11】本発明の一態様である光電変換素子、及び該光電変換素子と同一の基板上に設けられるトランジスタの作製方法を説明する第1の図。
【図12】図11の光電変換素子の作製方法の続きである第2の図。
【図13】図11のトランジスタの作製方法の続きである第2の図。
【図14】本発明の一態様である表示装置の一形態例を説明する図。
【図15】本発明の一態様である電子機器の一形態例を説明する図。
【図16】本発明の一態様である電子機器の一形態例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0016】
なお、以下の説明において、図中で同一のハッチパターンを施した領域は、原則として同一の層であるものとする。
【0017】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である光電変換素子について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一態様である光電変換素子を示す。図1に示す光電変換素子は、基板100上に設けられた第1の導電層102と、第1の導電層102を覆って設けられた第1の絶縁層104と、第1の絶縁層104上に設けられた第1の半導体層106と、第1の半導体層106上に離間して設けられた第2の半導体層108と、第2の半導体層108上に設けられた不純物半導体層110と、不純物半導体層110上に設けられた第2の導電層112と、少なくとも第1の半導体層106と第2の導電層112を覆って設けられた第2の絶縁層114と、第2の絶縁層114上に設けられた第3の導電層116と、を有する。第2の絶縁層114は、第1の開口部150と第2の開口部152を有し、第1の開口部150は、第1の導電層102により構成される第1の配線154と重畳して設けられ、第2の開口部152は、第1の導電層102により構成される第2の配線156と重畳して設けられ、第1の開口部150では、第1の半導体層106と第3の導電層116が接続され、第2の開口部152では、第1の導電層102と第3の導電層116が接続され、透光性を有する導電性材料により構成される第3の導電層116が第1の開口部150に形成されることで、第1の開口部150に受光部が設けられた構成を有する。受光部は第2の導電層112により矩形状に囲まれている。なお、第2の導電層112は、第3の配線158を構成している。
【0019】
なお、図1に示す光電変換素子では、上面図において、受光部が第2の導電層112により構成される部分によって矩形状に囲まれているが、これに限定されず、円形状に囲まれていてもよい。
【0020】
なお、第1の半導体層106はキャリア移動度の高い半導体材料(例えば、微結晶半導体などに代表される結晶性半導体)により設けられ、第2の半導体層108は第1の半導体層106を形成する半導体材料よりもキャリア移動度の低い半導体材料により設けられている。
【0021】
ここで、図1に示す光電変換素子の動作について説明する。図1に示す光電変換素子は、第1の開口部150に設けられた受光部が受光することで光電効果によりキャリア(正孔と電子)が生じる。なお、ここで不純物半導体層110には、一導電型の不純物元素としてn型を付与する不純物元素が添加されているものとする。
【0022】
第1の開口部150に設けられた受光部には、第1の導電層102により構成される第1の配線154に接続された下部電極と、該下部電極に重畳し、第3の導電層116により構成される上部電極が設けられている。ここで、下部電極の電位Vbottomと上部電極の電位Vtopとの間の関係は、Vbottom>Vtopでもよいし、Vtop>Vbottomでもよいが、Vbottom>Vtopとすることが好ましい。これは、第1の開口部150の形成には、好ましくはドライエッチングを用いるが、このドライエッチングにより受光部の第1の半導体層106にプラズマダメージが生じ、該ダメージがキャリアの流れを阻害するからである。ただし、第1の開口部150の形成に際してプラズマダメージを生じない場合にはこの限りでない。
【0023】
そして、上部電極の電位Vtopと、第2の導電層112により構成される第3の配線158の電位Vlineとの間には、Vline>Vtopの関係があることが好ましい。光電効果により生じた電子を第3の配線158側に流すためである。
【0024】
上記の関係を満たし、Vbottom>Vtopの場合には、受光により生じた電子は下部電極に引きつけられ、正孔は上部電極に引きつけられる。下部電極近傍に過剰に生じた電子は、第3の配線158側に流れ、上部電極に引きつけられた正孔は、上部電極近傍で受光により生じた電子の一部と再結合する。
【0025】
または、Vtop>Vbottomの場合には、受光により生じた電子は上部電極に引きつけられ、正孔は下部電極に引きつけられる。下部電極近傍に過剰に生じた正孔は、上部電極近傍の電子の一部と再結合する。上部電極近傍の電子の一部は、第3の配線158側に流れる。
【0026】
そして、第3の配線158の電位の変化により光電流を検知すればよい。例えば、一定の電位に保持された容量素子の一方の電極を第3の配線158に電気的に接続し、当該容量素子の電位の変化を検知すればよい。
【0027】
または、本発明の一態様である光電変換素子では、上面図において、受光部が第2の導電層112により囲まれていなくてもよい。受光部が第2の導電層112により囲まれていない態様を、図2乃至図4に示す。
【0028】
図2は、本発明の一態様である光電変換素子を示す。図2に示す光電変換素子は、基板100上に図1に示す光電変換素子と同様の積層構造を有し、第2の絶縁層114は、第1の開口部160と第2の開口部162を有し、第1の開口部160は、第1の導電層102により構成される第1の配線164と重畳して設けられ、第2の開口部162は、第1の導電層102により構成される第2の配線166と重畳して設けられ、第1の開口部160では、第1の半導体層106と第3の導電層116が接続され、第2の開口部162では、第1の導電層102と第3の導電層116が接続され、透光性を有する導電性材料により構成される第3の導電層116が第1の開口部160に形成されることで、第1の開口部160に受光部が設けられた構成を有する。なお、第2の導電層112は第3の配線168及び第4の配線169を構成しており、第3の配線168と第4の配線169により挟まれた部分に受光部を有する。
【0029】
図3は、本発明の一態様である光電変換素子を示す。図3に示す光電変換素子は、基板100上に図1に示す光電変換素子と同様の積層構造を有し、第2の絶縁層114は、第1の開口部170と第2の開口部172を有し、第1の開口部170は、第1の導電層102により構成される第1の配線174と重畳して設けられ、第2の開口部172は、第1の導電層102により構成される第2の配線176と重畳して設けられ、第1の開口部170では、第1の半導体層106と第3の導電層116が接続され、第2の開口部172では、第1の導電層102と第3の導電層116が接続され、透光性を有する導電性材料により構成される第3の導電層116が第1の開口部170に形成されることで、第1の開口部170に受光部が設けられた構成を有する。なお、第2の導電層112は第3の配線178を構成している。図3に示す光電変換素子は、図2における第4の配線169が設けられていない形状といえる。このような構成は、受光部の面積を広くすることができるため好ましい。
【0030】
図4は、本発明の一態様である光電変換素子を示す。図4に示す光電変換素子は、基板100上に図1に示す光電変換素子と同様の積層構造を有し、第2の絶縁層114は、第1の開口部180と第2の開口部182を有し、第1の開口部180は、第1の導電層102により構成される第1の配線184と重畳して設けられ、第2の開口部182は、第1の導電層102により構成される第2の配線186と重畳して設けられ、第1の開口部180では、第1の半導体層106と第3の導電層116が接続され、第2の開口部182では、第1の導電層102と第3の導電層116が接続され、透光性を有する導電性材料により構成される第3の導電層116が第1の開口部180に形成されることで、第1の開口部180に受光部が設けられた構成を有する。なお、第2の導電層112は第3の配線188を構成している。そして、第1の開口部180は、第2の導電層112により構成される電極を3方向から挟んで設けられている。このような構成は、当該電極に光電流が流れ込む面の面積を大きくすることができるため好ましい。
【0031】
または、本発明の一態様である光電変換素子では、前記した態様では第1の導電層102により構成されていた配線の一を、第2の導電層112により構成してもよい。
【0032】
図5は、本発明の一態様である光電変換素子を示す。図5に示す光電変換素子は、基板100上に図1に示す光電変換素子と同様の積層構造を有し、第2の絶縁層114は、第1の開口部190と第2の開口部192を有し、第1の開口部190は、第1の導電層102により構成される第1の配線194と重畳して設けられ、第2の開口部192は、第2の導電層112により構成される第2の配線196と重畳して設けられ、第1の開口部190では、第1の半導体層106と第3の導電層116が接続され、第2の開口部192では、第2の導電層112と第3の導電層116が接続され、透光性を有する導電性材料により構成される第3の導電層116が第1の開口部190に形成されることで第1の開口部190に受光部が設けられた構成を有する。受光部は第2の導電層112により矩形状に囲まれている。なお、第2の導電層112は第3の配線198を構成している。
【0033】
図5に示す構成は、第1の導電層102を形成する導電性材料の導電率が第2の導電層112を構成する導電性材料の導電率よりも低い場合に、特に有効である。
【0034】
なお、図1乃至図5では、異なる電位にする配線はそれぞれ設けたが、これに限定されない。
【0035】
例えば、図1において、第2の配線156を第1の配線154とは独立した配線とすることなく、第1の配線154と第2の配線156の間に抵抗素子200を設けて第1の配線154と第2の配線156の間に電位差を生じさせてもよい(図6(A))。
【0036】
ここで、抵抗素子200の抵抗をR200とし、抵抗素子200に流れる電流をI200とすると、高電位側の配線(第1の配線154)の電位Vと低電位側の配線(第2の配線156)の電位Vの間には、V−V=I200200の関係が成立する。従って、抵抗素子200の抵抗R200を一定にし、抵抗素子200に流れる電流I200を一定にすると、高電位側の配線(第1の配線154)と低電位側の配線(第2の配線156)の間の電位差を一定にすることができる。
【0037】
または、図1において、第1の配線154を第2の配線156とは独立した配線とすることなく、第1の配線154と第2の配線156の間に抵抗素子202を設けて第1の配線154と第2の配線156の間に電位差を生じさせてもよい(図6(B))。
【0038】
ここで、抵抗素子202の抵抗をR202とし、抵抗素子200に流れる電流をI202とすると、高電位側の配線(第2の配線156)の電位Vと低電位側の配線(第1の配線154)の電位Vの間には、V−V=I202202の関係が成立する。従って、抵抗素子202の抵抗R202を一定にし、抵抗素子202に流れる電流I202を一定にすると、高電位側の配線(第2の配線156)と低電位側の配線(第1の配線154)の間の電位差を一定にすることができる。
【0039】
抵抗素子200または抵抗素子202としては、例えば第3の導電層116を形成する材料の導電率が低い場合には、第3の導電層116により形成される高抵抗配線210が挙げられる(図7)。ここで、第1の配線154は、第3の開口部212において高抵抗配線210と接続され、第2の配線156は、第4の開口部214において高抵抗配線210と接続されている。
【0040】
第3の導電層116を形成する材料の導電率が十分に低くない場合には、第3の導電層116により形成される高抵抗配線218が長くなるように設けられていることが好ましい(図8(A))。高抵抗配線218を長くすると、第1の配線154と第2の配線156の間に十分な電位差を生じさせることができるため、好ましい。
【0041】
または、抵抗素子200または抵抗素子202としては、例えばトランジスタが挙げられる(図8(B))。図8(B)には第1の配線154と第2の配線156の間にトランジスタ216が設けられた態様を示す。なお、図8(B)に示されるように、トランジスタ216を抵抗素子として用いる際には、チャネル長を長くし、チャネル幅を短くするとよい。更には、該トランジスタと該光電変換素子の積層構造が同一であることが好ましい。ここで、複数の素子の「積層構造が同一である」とは、上面形状または断面形状が異なるものであってもよく、構成する層の積層順が同一であり、厚さが同程度であることをいう。すなわち、複数の素子が同一の工程により作製されたものと推定される構造である。
【0042】
なお、本発明の一態様である光電変換素子は、図1乃至図8に示した形態に限定されない。本発明の一態様である光電変換素子の他の形態の断面図を図9に示す。
【0043】
例えば、図9(A)に示すように、第2の半導体層が設けられておらず、第1の半導体層と第3の導電層が接する構成であってもよい。
【0044】
または、図9(B)に示すように、第2の半導体層と第3の導電層が接する構成であってもよい。
【0045】
なお、ここまで図示して説明した第2の半導体層は、第1の半導体層から伸びる微結晶半導体領域を有しているが、これに限定されず、図9(C)に示すように、微結晶半導体領域は第1の半導体層から錐状に延びておらず、第2の半導体層と第3の導電層が接する構成であってもよい。
【0046】
ただし、当該光電変換素子を赤外線センサとして機能させ、図9(B)または図9(C)に示す構成を用いる場合には、受光部に入射する光からは可視光が除去されていることが好ましい。これは、図9(B)及び図9(C)に示す構成では、受光部に重畳する部分に非晶質半導体を有し、非晶質半導体は可視光に対する感度が大きいためである。
【0047】
なお、受光部に入射する光から可視光を除去することで、光電変換素子を赤外線センサとして利用することができる。ここで、受光部に入射する光から可視光を除去するためには、赤外領域の光を通すフィルターが必要になる。従って、例えば、赤、青、緑のカラーフィルターのすべてを受光部に重畳させて設ければよい。屋外用途に限る場合には、地上での太陽光スペクトル950nm前後の波長の光が弱くなっているため、950nm前後の波長のみ通すフィルターを用い、光劣化を抑えることが好ましい。
【0048】
以上、本実施の形態では、本発明の一態様である光電変換素子について説明した。本実施の形態に説明した構成により、光電変換素子を得ることができる。第1の半導体層として、結晶性半導体(好例は、微結晶半導体)層を用いる場合には、特に、高強度の光に曝される場合であっても、光劣化を抑えることができる。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態1にて説明した光電変換素子は、表示装置の画素が設けられる基板上に、画素トランジスタと同一の工程で形成することができる。なぜなら、実施の形態1で説明した光電変換素子は、表示装置の画素トランジスタを変形させた形状だからである。
【0050】
図10(A)は、図1(B)に示す光電変換素子と同一の基板上に形成することができる画素トランジスタを示す。図10(A)に示す画素トランジスタと図1(B)に示す光電変換素子の違いは、図10(A)に示す画素トランジスタでは、第1の半導体層と第3の導電層が接して設けられる受光部を有さず、画素トランジスタのソース及びドレインの一方に第3の導電層により形成される画素電極が接して設けられていることである。
【0051】
図10(B)は、図9(A)に示す光電変換素子と同一の基板上に形成することができる画素トランジスタを示す。図10(B)に示す画素トランジスタと図9(A)に示す光電変換素子の違いは、図10(B)に示す画素トランジスタでは、第1の半導体層と第3の導電層が接して設けられる受光部を有さず、画素トランジスタのソース及びドレインの一方に第3の導電層により形成される画素電極が接して設けられていることである。
【0052】
図10(C)は、図9(B)に示す光電変換素子と同一の基板上に形成することができる画素トランジスタを示す。図10(C)に示す画素トランジスタと図9(B)に示す光電変換素子の違いは、図10(C)に示す画素トランジスタでは、第2の半導体層と第3の導電層が接して設けられる受光部を有さず、画素トランジスタのソース及びドレインの一方に第3の導電層により形成される画素電極が接して設けられていることである。
【0053】
図10(D)は、図9(C)に示す光電変換素子と同一の基板上に形成することができる画素トランジスタを示す。図10(D)に示す画素トランジスタと図9(C)に示す光電変換素子の違いは、図10(D)に示す画素トランジスタでは、第2の半導体層と第3の導電層が接して設けられる受光部を有さず、画素トランジスタのソース及びドレインの一方に第3の導電層により形成される画素電極が接して設けられていることである。
【0054】
なお、図10(A)乃至(D)に示すトランジスタでは、第1の半導体層のチャネル形成領域となる部分と重畳して第3の導電層が設けられており、且つ第1の半導体層と第3の導電層の間には第2の絶縁層が設けられている。すなわち、第3の導電層により第2のゲート電極が構成されており、該第2のゲート電極は、バックゲートとして機能するものである。特に、図10(A)または図10(B)に示すバックゲートを有するトランジスタは、バックゲートが設けられていない場合と比較して電界効果移動度及びオン電流を飛躍的に向上させることができるため、好ましい。ただし、これに限定されず、バックゲートとして機能する第2のゲート電極が設けられていなくてもよい。
【0055】
なお、図10(A)、(C)及び(D)に示すトランジスタは、第2の半導体層を有し、第2の半導体層によってオフ電流が低く抑えられる。
【0056】
従って、図10(A)に示すトランジスタは、他のトランジスタと比較してオンオフ比を極めて大きくすることが可能であり、スイッチング特性に優れたものとすることができる。そのため、図10(A)に示すトランジスタを表示装置の画素トランジスタに適用することで、表示装置のコントラスト比を高めることができる。これらのことから、図10(A)乃至(D)に示す構成のうち、図10(A)が最も好ましい形態であるといえる。
【0057】
本実施の形態では、同一の基板上に同一の工程で形成される、実施の形態1の光電変換素子と、表示装置の画素トランジスタの作製方法について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1にて示した層などと同一のものについては、同一の符号を付するものとする。
【0058】
まず、基板100上に第1の導電層102を形成し、第1の導電層102を覆って第1の絶縁層104を形成する(図11(A))。
【0059】
基板100は、絶縁性基板である。基板100として、例えば、ガラス基板または石英基板を用いることができる。本実施の形態においては、ガラス基板を用いる。基板100がマザーガラスである場合には、第1世代(例えば、320mm×400mm)〜第10世代(例えば、2950mm×3400mm)のものを用いればよいが、これに限定されるものではない。
【0060】
第1の導電層102は、例えば、導電膜(例えば金属膜、または一導電型の不純物元素が添加された半導体膜など)を形成し、該導電膜上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いてエッチングを行うことで形成すればよい。または、インクジェット法などを用いてもよい。なお、第1の導電層102となる導電膜は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造とする。なお、第1の導電層102は、少なくとも走査線とゲート電極を構成する。
【0061】
第1の絶縁層104は、絶縁性材料(例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは酸化シリコンなど)により形成すればよい。なお、第1の絶縁層104は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、窒化シリコン層上に酸化窒化シリコン層が積層された2層の積層構造とする。なお、第1の絶縁層104は、少なくともゲート絶縁層を構成する。
【0062】
なお、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0063】
なお、「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0064】
ただし、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0065】
次に、第1の絶縁層104上に第1の半導体層106となる第1の半導体膜300と、第2の半導体層108となる第2の半導体膜302と、不純物半導体層110となる不純物半導体膜304と、を形成する(図11(B))。
【0066】
第1の半導体膜300は、キャリア移動度の高い半導体材料により形成するとよい。キャリア移動度の高い半導体材料として、例えば、結晶性半導体が挙げられる。結晶性半導体としては、例えば、微結晶半導体が挙げられる。ここで、微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体をいう。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状または針状の結晶粒が基板表面に対して法線方向に成長している半導体である。このため、柱状または針状の結晶粒の界面には、粒界が形成されることもある。なお、ここでの結晶粒径は、基板表面に対して平行な面における結晶粒の最大直径をいう。また、結晶粒は、非晶質半導体領域と、単結晶とみなせる微小結晶である結晶子を有する。また、結晶粒は双晶を有する場合もある。
【0067】
微結晶半導体の一である微結晶シリコンでは、そのラマンスペクトルのピークが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側にシフトしている。すなわち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークがある。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。さらに、He、Ar、Kr、またはNeなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。
【0068】
また、第1の半導体膜300に含まれる酸素及び窒素の濃度(二次イオン質量分析法による測定値)を、1×1018cm−3未満とすると、第1の半導体膜300の結晶性を高めることができる。
【0069】
第2の半導体膜302は、バッファ層として機能するためキャリア移動度の低い半導体材料により形成するとよく、好ましくは、非晶質半導体と微小半導体結晶粒を有し、従来の非晶質半導体膜と比較して、一定光電流法(CPM:Constant Photocurrent Method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体膜である。すなわち、このような半導体膜は、従来の非晶質半導体膜と比較して欠陥が少なく、価電子帯のバンド端(移動度端)における準位のテイル(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体膜である。なお、本明細書において、このような半導体膜を「非晶質半導体を含む膜」または「非晶質半導体を含む層」と記載することとする。
【0070】
第2の半導体膜302は、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、最も好ましくはNH基若しくはNH基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とするとよい。ただし、これらに限定されない。
【0071】
第2の半導体膜302における第1の半導体膜300側の領域(界面領域とも呼ぶ)は、第1の半導体膜300から錐形状に伸びた微結晶半導体領域と、第2の半導体膜302と同様の「非晶質半導体を含む膜」と、で構成される。
【0072】
第2の半導体膜302を、例えば、「非晶質半導体を含む膜」、ハロゲンを含有する「非晶質半導体を含む膜」、または窒素を含有する「非晶質半導体を含む膜」、またはNH基若しくはNH基を含有する「非晶質半導体を含む膜」とすると、トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、上記の界面領域において、錐形状の微結晶半導体領域を有するため、縦方向(膜厚方向)の抵抗、すなわち、第2の半導体膜302と、不純物半導体膜304により構成されるソース領域またはドレイン領域と、の間の抵抗を低くすることができ、トランジスタのオン電流を高めることができる。すなわち、従来の非晶質半導体を適用した場合と比較すると、オフ電流を十分に低減させつつ、オン電流の低下をも抑制することができ、トランジスタのスイッチング特性を高くすることができる。
【0073】
なお、完成したトランジスタにおいて、第1の半導体層106が薄くなるとオン電流が低下し、第1の半導体層106が厚くなると第1の半導体層106と第2の導電層112の接触面積が広くなり、オフ電流が増大する。従って、オンオフ比を高くするためには、第1の半導体層106となる第1の半導体膜300を厚くし、更には後述するように、第1の半導体層106を含む薄膜積層体306の側壁に絶縁化処理を行うことが好ましい。
【0074】
上記の微結晶半導体領域は、第1の絶縁層104から第2の半導体膜302に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒により大部分が構成されているとよい。または、第1の絶縁層104から第2の半導体膜302に向かって幅が広がる結晶粒により大部分が構成されていてもよい。
【0075】
上記の界面領域において、微結晶半導体領域が第1の絶縁層104から第2の半導体膜302に向かって先端が細くなる錐形状の結晶粒である場合には、第1の半導体膜300側のほうが、第2の半導体膜302側と比較して、微結晶半導体領域の占める割合が高い。微結晶半導体領域は、第1の半導体膜300の表面から厚さ方向に成長するが、原料ガスにおいてシランに対する水素の流量が小さく(すなわち、希釈率が低く)、または窒素を含む原料ガスの濃度が高いと、微結晶半導体領域における結晶成長が抑制され、結晶粒が錐形状になり、堆積されて形成される半導体は、大部分が非晶質半導体となる。
【0076】
なお、上記の界面領域は、窒素、特にNH基若しくはNH基を含有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域に含まれる結晶の界面、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面において、窒素、特にNH基若しくはNH基がシリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥を低減させ、キャリアが流れやすくなるためである。このため、窒素、好ましくはNH基若しくはNH基を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基若しくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。この結果、結晶粒界や欠陥におけるキャリアの移動を促進する結合ができ、上記の界面領域のキャリア移動度が向上する。そのため、トランジスタの電界効果移動度が向上する。
【0077】
なお、上記の界面領域の酸素濃度を低減させることにより、微結晶半導体領域と非晶質半導体領域の界面または結晶粒間の界面における欠陥を低減させ、キャリアの移動を阻害する結合を低減させることができる。
【0078】
ここで、第1の絶縁層104の界面から第2の半導体膜302の段差部の先端までの距離を3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下とすることで、トランジスタのオフ電流を効果的に抑制することができる。
【0079】
不純物半導体膜304は、一導電型を付与する不純物元素を添加した半導体により形成する。トランジスタがn型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えば、リン(P)またはヒ素(As)が挙げられる。トランジスタがp型である場合には、一導電型を付与する不純物元素として、例えば、ボロン(B)が挙げられる。ただし、トランジスタはn型とすることが好ましい。そのため、ここでは、例えば、リン(P)を添加したシリコンを用いる。なお、不純物半導体膜304は非晶質半導体により形成してもよいし、微結晶半導体などの結晶性半導体により形成してもよい。
【0080】
不純物半導体膜304を非晶質半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を1倍以上10倍以下、好ましくは1倍以上5倍以下とすればよい。不純物半導体膜304を結晶性半導体により形成する場合には、堆積性ガスの流量に対する希釈ガスの流量を10倍以上2000倍以下、好ましくは50倍以上200倍以下とすればよい。
【0081】
次に、不純物半導体膜304上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて第1の半導体膜300と、第2の半導体膜302と、不純物半導体膜304と、をエッチングすることで、薄膜積層体306を形成し、第1の絶縁層104及び薄膜積層体306上に導電膜308を形成する(図11(C))。
【0082】
導電膜308は、第1の導電層102と同様に、導電性材料(例えば金属、または一導電型の不純物元素が添加された半導体など)により形成すればよい。なお、導電膜308は、単層で形成してもよいし、複数の層を積層して形成してもよい。ここでは、例えば、Ti層によりAl層を挟持した3層の積層構造として形成する。
【0083】
なお、ここで、薄膜積層体306の側壁に対して絶縁化処理を行うことが好ましい。なぜなら、完成したトランジスタの第1の半導体層106と第2の導電層112が接するとオフ電流が増大してしまうためである。ここで絶縁化処理としては、薄膜積層体306の側壁を酸素プラズマ若しくは窒素プラズマに曝す処理、または薄膜積層体306の側壁が露出された状態で絶縁膜を形成し、該絶縁膜を異方性の高いエッチング方法により基板100の表面に垂直な方向にエッチングを行うことで薄膜積層体306の側壁に接してサイドウォール絶縁層を形成する処理が挙げられる。
【0084】
次に、導電膜308上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて導電膜308をエッチングすることで、第2の導電層112を形成する。更には、当該工程で、薄膜積層体306の上部をもエッチングして第1の半導体層106、第2の半導体層108、及び不純物半導体層110を形成してもよい。または、当該レジストマスクを除去した後に、第2の導電層112をマスクとして用いてエッチングを行うことで第1の半導体層106、第2の半導体層108、及び不純物半導体層110を形成してもよい。その後、これらを覆って絶縁膜310を形成する(図11(D))。なお、第2の導電層112は、少なくとも信号線、ソース電極及びドレイン電極を構成する。
【0085】
なお、これ以降の説明では、光電変換素子の作製方法とトランジスタの作製方法をそれぞれ異なる図を用いて説明する。すなわち、図12は、光電変換素子の作製方法を示し、図13は、トランジスタの作製方法を示す。
【0086】
次に、絶縁膜310に複数の開口部を形成することで、第2の絶縁層114を形成する。複数の開口部は、絶縁膜310上にレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを介してエッチングを行うことにより形成する。好ましくは、まず、第1の開口部150(図1及び図12(A))を形成し、第2の開口部152(図1)及び画素開口部314(図13(A))を形成する。ただし、これに限定されず、第1の開口部150、第2の開口部152、及び画素開口部314を異なる工程で形成してもよい。または、第2の開口部152を形成し、第1の開口部150及び画素開口部314を形成してもよい。または、画素開口部314を形成し、第1の開口部150及び第2の開口部152を形成してもよい。または、第1の開口部150、第2の開口部152、及び画素開口部314を、一のエッチング工程により形成してもよい。なお、画素開口部314では、後の工程により画素トランジスタのソース及びドレインの一方に第3の導電層116により形成される画素電極が接して設けられることになる(図12(A)及び図13(A))。
【0087】
次に、第1の開口部150、第2の開口部152、及び画素開口部314が設けられた第2の絶縁層114上に第3の導電層116となる導電膜312を形成する(図12(B)及び図13(B))。第3の導電層116は、画素トランジスタに接続される画素電極を構成し、更には光電変換素子の受光部において光を透過させる必要があることから、導電膜312は、透光性を有する材料により形成する。
【0088】
導電膜312は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した導電膜312は、シート抵抗が10000Ω/□以下であり、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0089】
なお、導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロール及びチオフェンの2種以上の共重合体若しくはその誘導体などが挙げられる。
【0090】
導電膜312は、例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物などを用いて形成することができる。
【0091】
導電膜312は、上記材料により形成した膜をフォトリソグラフィ法により加工することで、形成すればよい。
【0092】
次に、導電膜312上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて導電膜312をエッチングすることで、第3の導電層116を形成する(図12(C)及び図13(C))。
【0093】
以上説明したように、基板100上に光電変換素子(図12(C))とトランジスタ(図13(C))を作製することができる。
【0094】
なお、図示していないが、第2の絶縁層114と第3の導電層116との間に、スピンコーティング法などにより形成した有機樹脂により形成される絶縁層を有していてもよい。
【0095】
(実施の形態3)
実施の形態2にて説明したように、本発明の一態様である光電変換素子は、表示装置の画素トランジスタと同一の基板上に形成することができる。
【0096】
そこで、本実施の形態では、本発明の一態様である光電変換素子を搭載した表示装置の一形態について、図面を参照して説明する。
【0097】
なお、本発明の一態様である表示装置が有する表示素子は特に限定されず、液晶素子であってもよいし、発光素子であってもよいし、電気泳動素子などであってもよい。なお、表示装置が、液晶素子が設けられた液晶表示装置である場合には、フィールドシーケンシャル方式とすることが好ましい。消費電力を低減できるからである。
【0098】
本実施の形態の表示装置では、画素部に接続される信号線駆動回路及び走査線駆動回路は別の基板(例えば、半導体基板またはSOI基板など)上に設けて接続してもよいし、画素回路と同一基板上に形成してもよい。
【0099】
なお、別途形成した場合の接続方法は特に限定されるものではなく、COG法、ワイヤボンディング法またはTAB法などを用いることができる。また接続する位置は、電気的な接続が可能であるならば、特に限定されない。なお、コントローラ、CPU及びメモリなどを別途形成し、画素回路に接続してもよい。
【0100】
なお、上記説明したいずれの形態を採用する場合であっても光電変換素子と画素トランジスタが同一の基板上に設けられていればよい。
【0101】
図14は、表示装置のブロック図を示す。図14に示す表示装置は、基板100上に、表示素子を備えた画素を複数有する画素部400と、各画素を選択する走査線駆動回路402と、選択された画素へのビデオ信号の入力を制御する信号線駆動回路403と、を有する。
【0102】
図14に示す信号線駆動回路403は、シフトレジスタ404及びアナログスイッチ405を有する。シフトレジスタ404には、クロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)が入力されている。クロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)が入力されると、シフトレジスタ404においてタイミング信号が生成され、アナログスイッチ405に入力される。
【0103】
なお、アナログスイッチ405には、ビデオ信号(video signal)が供給される。アナログスイッチ405は、入力されるタイミング信号に従ってビデオ信号をサンプリングし、後段の信号線に供給する。
【0104】
なお、表示装置は図14に示す形態に限定されない。すなわち、信号線駆動回路は、シフトレジスタとアナログスイッチのみを有する形態に限定されない。シフトレジスタとアナログスイッチに加え、バッファ、レベルシフタ、ソースフォロワなど、他の回路を有していてもよい。なお、シフトレジスタ及びアナログスイッチは必ずしも設ける必要はなく、例えば、シフトレジスタの代わりにデコーダ回路のような信号線の選択ができる別の回路を有していてもよいし、アナログスイッチの代わりにラッチなどを有していてもよい。
【0105】
図14に示す走査線駆動回路402は、シフトレジスタ406及びバッファ407を有する。または、レベルシフタを有していてもよい。走査線駆動回路402において、シフトレジスタ406にクロック信号(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファ407において緩衝増幅され、対応する走査線に供給される。一の走査線には、1ラインのすべての画素トランジスタのゲートが接続されている。そして、動作時には1ライン分の画素のトランジスタを一斉にオンにしなくてはならないので、バッファ407は大きな電流を流すことが可能な構成とする。
【0106】
フルカラーの表示装置において、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するビデオ信号を、順にサンプリングして対応する信号線に供給する場合、シフトレジスタ404とアナログスイッチ405とを接続するための端子数は、アナログスイッチ405と画素部400の信号線を接続するための端子数の1/3程度に相当する。よって、アナログスイッチ405を画素部400と同一基板上に形成することで、アナログスイッチ405を画素部400と異なる基板上に形成した場合に比べて、別途形成した基板の接続に用いる端子の数を抑えることができ、接続不良の発生確率を抑えて歩留まりを高めることができる。
【0107】
なお、図14の走査線駆動回路402は、シフトレジスタ406及びバッファ407を有するが、これに限定されず、シフトレジスタ406のみで走査線駆動回路402を構成してもよい。
【0108】
なお、図14に示す構成は、表示装置の一形態を示したものであり、信号線駆動回路と走査線駆動回路の構成はこれに限定されない。
【0109】
本発明の一態様である光電変換素子は、本実施の形態にて説明した表示装置が設けられた基板100のいずれかの部分に搭載されていればよい。例えば、画素部400の画素の一部に数画素毎に設けられていてもよいし、基板100上の走査線駆動回路402に含まれるように設けられていてもよいし、信号線駆動回路403に含まれるように設けられていてもよい。または、基板100上であって、画素部400、走査線駆動回路402、及び信号線駆動回路403のいずれにも含まれない領域に、本発明の一態様である光電変換素子が設けられていてもよい。
【0110】
なお、画素部400の画素の一部に数画素毎に光電変換素子が設けられている場合には、当該素子を用いてタッチパネルとすることも可能である。このとき、タッチパネルの方式は、全反射赤外線方式(FTIR方式)または赤外線遮光方式であることが好ましい。
【0111】
FTIR方式とは、アクリルパネルと赤外光を用いて、該アクリルパネルの側面から赤外光を照射することにより、赤外光がアクリルパネルと空気の屈折率の関係により全反射を起こし、アクリルパネルの表面の接触領域において全反射が止まって拡散反射が起こり、これを検出する方式をいう。そして、赤外線遮光方式とは、バックライト側から赤外線を照射し、表示パネルの表面の接触領域において該赤外線が遮光され、遮光された部分を検出する方式をいう。
【0112】
なお、基板100上に設けられる光電変換素子の大きさは、画素トランジスタと同程度であってもよいが、好ましくは、画素トランジスタよりも大きくする。
【0113】
(実施の形態4)
実施の形態1で説明した光電変換素子及び実施の形態3で説明した表示装置は、電子機器に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用のモニタ、電子ペーパー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0114】
図15(A)は、電子書籍の一例を示している。図15(A)に示す電子書籍は、筐体500及び筐体501で構成されている。筐体500及び筐体501は、蝶番504により連結され、開閉させることができ、図15(A)に示す電子書籍は紙の書籍と同様に扱うことができる。
【0115】
筐体500には表示部502が組み込まれ、筐体501には表示部503が組み込まれている。表示部502及び表示部503は、一つの画面を分割して表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば、右側の表示部(図15(A)では表示部502)に文章を表示し、左側の表示部(図15(A)では表示部503)に画像を表示することができる。表示部502及び表示部503は、実施の形態3で説明した表示装置を適用することができる。
【0116】
図15(A)では、筐体500に、電源入力端子505、操作キー506及びスピーカ507などが備えられている。操作キー506は、例えば頁を送る機能を備えていてもよい。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備えていてもよいし、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)または記録媒体挿入部などを備えていてもよい。なお、図15(A)に示す電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成を更に備えていてもよい。
【0117】
図15(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。図15(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体511に表示部512が組み込まれた構成である。表示部512に、実施の形態3で説明した表示装置を適用することができる。
【0118】
なお、図15(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成とするとよい。これらの構成は、表示部と同一面に備えられていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部512に表示させることができる。なお、図15(B)に示すデジタルフォトフレームは、無線で情報を送受信出来る構成としてもよい。
【0119】
図15(C)は、テレビジョン装置の一例を示している。図15(C)に示すテレビジョン装置は、筐体521に表示部522が組み込まれ、スタンド523により筐体521が支持されている。表示部522に、実施の形態3で説明した表示装置を適用することができる。
【0120】
図15(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体521が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の調整を行うことができ、表示部522に表示される映像を選択することができる。また、リモコン操作機自体に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部が設けられていてもよい。
【0121】
なお、図15(C)に示すテレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することで、片方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0122】
なお、より好ましくは、本発明の一態様である光電変換素子を有する電子機器は、恒常的に屋外に設置される電子看板などであるとよい。実施の形態1で説明したように、本発明の一態様である光電変換素子の第1の半導体層として結晶性半導体(好例は、微結晶半導体)層を用いる場合には、特に、高強度の光に曝される場合であっても、光劣化を抑えることができるからである。
【0123】
図16(A)は、電車などの乗り物の車内広告板550を示している。車内広告板550は無線で情報を送受信できる構成としてもよい。車内広告板550に本発明の一態様である光電変換素子を用いることで、過酷な使用環境にも耐えることができる。
【0124】
図16(B)は、電子ペーパーで作られた電子看板560を示している。電子看板560は無線で情報を送受信できる構成としてもよい。電子看板560に本発明の一態様である光電変換素子を用いることで、過酷な使用環境にも耐えることができる。図16(B)に示すような電子看板は、バックライトから高強度な光が照射されるため、光劣化を抑えることができる本発明の一態様である光電変換素子のメリットを特に有効にすることができる。
【0125】
以上説明したように、実施の形態1で説明した光電変換素子及び実施の形態3で説明した表示装置は、電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0126】
100 基板
102 第1の導電層
104 第1の絶縁層
106 第1の半導体層
108 第2の半導体層
110 不純物半導体層
112 第2の導電層
114 第2の絶縁層
116 第3の導電層
150 第1の開口部
152 第2の開口部
154 第1の配線
156 第2の配線
158 第3の配線
160 第1の開口部
162 第2の開口部
164 第1の配線
166 第2の配線
168 第3の配線
169 第4の配線
170 第1の開口部
172 第2の開口部
174 第1の配線
176 第2の配線
178 第3の配線
180 第1の開口部
182 第2の開口部
184 第1の配線
186 第2の配線
188 第3の配線
190 第1の開口部
192 第2の開口部
194 第1の配線
196 第2の配線
198 第3の配線
200 抵抗素子
202 抵抗素子
210 高抵抗配線
212 第3の開口部
214 第4の開口部
216 トランジスタ
218 高抵抗配線
300 第1の半導体膜
302 第2の半導体膜
304 不純物半導体膜
306 薄膜積層体
308 導電膜
310 絶縁膜
312 導電膜
314 画素開口部
400 画素部
402 走査線駆動回路
403 信号線駆動回路
404 シフトレジスタ
405 アナログスイッチ
406 シフトレジスタ
407 バッファ
500 筐体
501 筐体
502 表示部
503 表示部
504 蝶番
505 電源入力端子
506 操作キー
507 スピーカ
511 筐体
512 表示部
521 筐体
522 表示部
523 スタンド
550 車内広告板
560 電子看板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた第1の導電層と、
前記第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に前記第1の導電層により構成される第1の配線と重畳して設けられた第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に前記第1の半導体層の一部を露出して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に設けられた不純物半導体層と、
前記不純物半導体層上に設けられた第2の導電層と、
少なくとも前記第1の半導体層と前記第2の導電層を覆って設けられた第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上に、透光性を有する導電性材料により設けられた第3の導電層と、を有し、
前記第2の絶縁層は、第1の開口部と第2の開口部を有し、
前記第1の開口部は、前記第1の導電層により構成される前記第1の配線と重畳して設けられ、
前記第2の開口部は、前記第1の導電層により構成される第2の配線と重畳して設けられ、
前記第1の開口部では、前記第1の半導体層と前記第3の導電層が接続され、
前記第2の開口部では、前記第1の導電層と前記第3の導電層が接続され、
前記第1の開口部には、前記第2の導電層により構成される第3の配線に接続された電極に囲まれた受光部が設けられている光電変換素子。
【請求項2】
基板上に設けられた第1の導電層と、
前記第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に前記第1の導電層により構成される第1の配線と重畳して設けられた第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に離間して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に設けられた不純物半導体層と、
前記不純物半導体層上に設けられた第2の導電層と、
少なくとも前記第1の半導体層と前記第2の導電層を覆って設けられた第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上に、透光性を有する導電性材料により設けられた第3の導電層と、を有し、
前記第2の絶縁層は、第1の開口部と第2の開口部を有し、
前記第1の開口部は、前記第1の導電層により構成される前記第1の配線と重畳して設けられ、
前記第2の開口部は、前記第1の導電層により構成される第2の配線と重畳して設けられ、
前記第1の開口部では、前記第1の半導体層と前記第3の導電層が接続され、
前記第2の開口部では、前記第1の導電層と前記第3の導電層が接続され、
前記第1の開口部には、前記第2の導電層により構成される第3の配線に接続された電極と第4の配線に接続された電極により挟まれた受光部が設けられている光電変換素子。
【請求項3】
基板上に設けられた第1の導電層と、
前記第1の導電層を覆って設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に前記第1の導電層により構成される第1の配線と重畳して設けられた第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に離間して設けられた第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に設けられた不純物半導体層と、
前記不純物半導体層上に設けられた第2の導電層と、
少なくとも前記第1の半導体層と前記第2の導電層を覆って設けられた第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上に、透光性を有する導電性材料により設けられた第3の導電層と、を有し、
前記第2の絶縁層は、第1の開口部と第2の開口部を有し、
前記第1の開口部は、前記第1の導電層により構成される前記第1の配線と重畳して設けられ、
前記第2の開口部は、前記第2の導電層により構成される第2の配線と重畳して設けられ、
前記第1の開口部では、前記第1の半導体層と前記第3の導電層が接続され、
前記第2の開口部では、前記第2の導電層と前記第3の導電層が接続され、
前記第1の開口部には、前記第2の導電層により構成される第3の配線に接続された電極に囲まれた受光部が設けられている光電変換素子。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記第1の配線と前記第2の配線の間には抵抗素子が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
【請求項5】
請求項4において、
前記抵抗素子は、トランジスタであることを特徴とする光電変換素子。
【請求項6】
請求項5における前記トランジスタと同一の積層構造を有することを特徴とする光電変換素子。
【請求項7】
請求項6において、
前記抵抗素子は、前記第3の導電層により構成されており、前記第1の配線及び前記第2の配線よりも電気抵抗率が高いことを特徴とする光電変換素子。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記第1の半導体層は結晶性半導体層であることを特徴とする光電変換素子。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2の半導体層は、
前記第1の半導体層から前記第2の半導体層まで錐形状に伸びた微結晶半導体領域と、非晶質半導体を含む領域が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
【請求項10】
請求項9において、
前記受光部は、微結晶半導体領域が錐形状に伸びた部分を含まないことを特徴とする光電変換素子。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の光電変換素子と、
前記光電変換素子と同一の積層構造を有し、且つソース及びドレインの一方が画素電極に接続された画素トランジスタと、
を同一基板上に有する表示装置。
【請求項12】
請求項11に記載の表示装置を表示部に適用した電子機器。
【請求項13】
請求項1乃至請求項10のいずれか一において、
前記第1の配線の電位を前記第2の配線の電位よりも高くすることを特徴とする光電変換素子の駆動方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記第1の配線と前記第2の配線の間には抵抗素子が設けられ、
前記第1の配線の電位と前記第2の配線の電位の電位差は一定に保持されていることを特徴とする光電変換素子の駆動方法。
【請求項15】
第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層を覆って第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層上に、複数の半導体層を有する薄膜積層体を形成し、
前記第1の絶縁層及び前記薄膜積層体上に導電膜を形成し、
前記導電膜を加工することで第2の導電層を形成し、
前記薄膜積層体を加工することで、一部が露出した第1の半導体層と、該露出した領域以外の領域上に設けられた第2の半導体層及び不純物半導体層と、を形成し、
少なくとも前記第1の半導体層の露出された部分と、前記第2の導電層を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に、前記第1の半導体層の露出された部分に重畳して設けられた第1の開口部と、前記第1の導電層により構成される配線と重畳して設けられた第2の開口部と、を形成し、
前記第1の開口部により露出された前記第1の半導体層と、前記第2の開口部により露出された前記第1の導電層により構成される配線と、を電気的に接続する透光性を有する第3の導電層を形成することで、前記第1の開口部に、前記第2の導電層により形成された第3の配線に囲まれた受光部が構成されることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
【請求項16】
第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層を覆って第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層上に、複数の半導体層を有する薄膜積層体を形成し、
前記第1の絶縁層及び前記薄膜積層体上に導電膜を形成し、
前記導電膜を加工することで第2の導電層を形成し、
前記薄膜積層体を加工することで、一部が露出した第1の半導体層と、離間した第2の半導体層及び不純物半導体層と、を形成し、
少なくとも前記第1の半導体層の露出された部分と、前記第2の導電層を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜に、前記第1の半導体層の露出された部分に重畳して設けられた第1の開口部と、前記第2の導電層により構成される配線と重畳して設けられた第2の開口部と、を形成し、
前記第1の開口部により露出された前記第1の半導体層と、前記第2の開口部により露出された前記第2の導電層により構成される配線と、を電気的に接続する透光性を有する第3の導電層を形成することで、前記第1の開口部に、前記第2の導電層により形成された第3の配線に囲まれた受光部が構成されることを特徴とする光電変換素子の作製方法。
【請求項17】
請求項15または請求項16において、
前記第1の開口部と前記第2の開口部は、異なるエッチング工程により形成されることを特徴とする光電変換素子の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−23362(P2012−23362A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135026(P2011−135026)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】