説明

光電変換装置、イメージセンサ、及びイメージングシステム

【課題】プローブ光の位相バイアスを抑制せず、かつ回路が飽和することもなしに、THz電磁波によって変調されたプローブ光の変調量を検出可能な光電変換装置を提供する。
【解決手段】2つのフォトダイオード1,2と、フォトダイオード1、2に生じる光電流の差を出力信号に増幅する増幅器6と、各々のフォトダイオードに対応して設けられ、対応するフォトダイオードへの入射光を、その入射光が有する特定の物理量に応じた強度で、異なる特性に従って透過する2つのフィルタを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置、イメージセンサ、及びイメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティ検査用途、医療検査用途、食品分析用途、環境モニター用途を目的として、THz帯電磁波イメージング装置の需要が高まりつつあり、活発な開発が進められている(例えば、非特許文献1、2、及び特許文献1−3を参照)。
【0003】
これらの技術においては、THz電磁波源より発せられた周波数0.1THzから100THzの領域にあるTHz電磁波を被検査物に照射し、その透過または反射波に、該被検査物の特性の空間分布情報を変調量として担わせ、これを受信することにより被検査物の特性の空間分布情報を2次元画像として構成する。
【0004】
初期には、被検査物の2次元情報を得る方法として、非特許文献2に記載されているように、照射THz電磁波ビームをレンズによって該被検査物の一部に集束し、該被検査物を走査し、変調されたTHz電磁波を高々一次元情報のみ受信可能な受信器によって逐次受信し、2次元情報を構成するという方法が取られた。
【0005】
しかし、この方法では2次元情報の全データを採取するために数時間という長時間を要し、実時間で検査を終了させることが要求される検査装置としては非実用的である。
【0006】
この欠点を補うための、図13に示す装置が非特許文献3に開示されている。
図13において、光源1301より、パルス幅100fsの超短パルス光が1kHzの周波数で発生され、偏光ビームスプリッタ1302によりP偏光はポンプ光1303として分離され、S偏光はプローブ光1304として分離される。
【0007】
ポンプ光1303は光学遅延線1305を経て、半絶縁性GaAsウエハー上に間隔10mmをおいて形成された電極対を有する光伝導スイッチによって構成されたTHz電磁波エミッター1306に入射され、THz電磁波1307が発生される。このようにして発生されたTHz電磁波1307は極めてコリメート性が高く幅の広いビームであり、THz電磁波の進行方向に垂直な面において2次元的な透過分布を有する被測定物1308に照射される。
【0008】
被測定物1308を通過したTHz電磁波は被測定物の2次元透過特性に伴い、空間的に強度変調されたビームとなる。これをポリエチレンレンズ1309によって、後段のZnTe結晶よりなる電気光学変調器1313内に結像する。
【0009】
プローブ光1304はミラー1310で進路変更され、さらにビームエクスパンダ1311によってビーム幅が広げられた後、シリコンウエハーで構成されたミラー1312に入射し、シリコンミラー1312を透過した強度変調されたTHz電磁波と光軸を共有する。言い換えれば、重畳される。
【0010】
重畳されたプローブ光とTHz電磁波とは、電気光学変調器1313に入射する。
電気光学変調器1313は、[110]面が光軸に垂直に配置されたZnTe結晶よりなる。
【0011】
電気光学変調器1313の後段には、位相板1314、プローブ光に直交する偏波面を有する直線偏光のみ透過する偏光板1315、及び偏光板1315からの透過光を受光する一画素あたり1つのフォトダイオードを有する2次元CMOSイメージセンサ1316がこの順に配置される。
【0012】
偏光板1315の透過光が、CMOSイメージセンサ1316を飽和させない程度の強度になるよう、位相板1314は、位相板1314を通過後のプローブ光1304の偏波面が、所定の基準条件の下で、偏光板1315の透過偏波面に直交する方向から2〜3°程度の偏角を成すように設定される。
【0013】
この基準条件とは、例えば、THz電磁波がプローブ光1304の各パルスと同時に電気光学変調器1313に入射しない場合、すなわちTHz電磁波パルスとプローブパルスが非同期の場合を表す。この基準条件において、プローブ光1304は、上記偏角に応じて抑制された強度で偏光版1315を透過し、イメージセンサ1316に入射する。
【0014】
このように、プローブ光を直線偏波で用いると共にその偏波面を制御することによって偏光版を透過する光量を抑制することを、以下ではプローブ光の位相バイアスを抑制すると言う。
【0015】
このとき、THz電磁波パルスとプローブ光パルスとが同時に電気光学変調器1313に入射する場合、すなわち両パルス間の同期が取れている場合には、非同期の場合と比べて、電気光学変調器1313によってプローブ光1304に与えられる偏角が0.02°程度変動する。
【0016】
この偏波面の角度に関する1%程度の変調に応じて、偏光板1315によってプローブ光1304は強度変調される。
【0017】
同期回路1317は、光源1301のパルス発生タイミングと同期して、例えばTHz電磁波エミッター1306によるTHz電磁波の発生を許可又は抑止することによって、連続する2つのプローブ光パルスにそれぞれTHz電磁波によって変調された情報、及び未変調の情報を担わせる。
【0018】
画像処理回路1318は、これらの2つのプローブ光パルスからイメージセンサ1316によって得られた2つの画像を取り込み、両画像間の差分をとることによって被測定物1308のTHz電磁波に対する透過特性に応じた画像を生成する。
【特許文献1】特開2002−5828号公報
【特許文献2】特開2004−20504号公報
【特許文献3】特開2005−37213号公報
【非特許文献1】Kiyomi Sakai ed., “Terahertz Optoelectronics”, Springer Verlag, 2005.
【非特許文献2】B. B. Hu and M. C. Nuss, Opt. Lett. Vol.20, p.1716, (1995).
【非特許文献3】F. Miyamaru, T. Yonera, M. Tani and M. Hangyo, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.43, p.L489−L491, (2004).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかし、上記の従来の技術においては、次の2つの課題が生じる。
第1の課題は、従来のCMOSイメージセンサの飽和を回避すべく、プローブ光の位相バイアスを抑制するために、得られる画像の信号雑音比(S/N比)の向上が困難になることである。
【0020】
図14は、偏光フィルタの特性を説明する図であり、プローブ光の偏波面に関する角度に対するプローブ光の透過強度の特性を概念的に示している。プローブ光の位相バイアスを抑制することで、図14のAの部分の特性が用いられることになる。そのために大きな変調量が得られず、S/N比の向上が困難になる。
【0021】
THz電磁波源として、再生アンプ付きの高出力短パルスレーザを用いた場合、発生したTHz電磁波によってプローブ光に10%程度の変調を与えることができる(図14のBの部分の特性)。ただし、その場合には、飽和を回避するための対策が不可欠である。しかし、例えばNDフィルタでプローブ光の強度を低下させただけでは、信号の絶対値と共に変調量も低下してしまい、S/N比は改善されない。
【0022】
理想的なS/N比を得るために、未変調時に偏光フィルタに入射するプローブ光を円偏光とし、互いに直行する等量の偏光成分に、変調による偏波面の回転に関する情報をロスなく持たせることが好ましい。しかし、それでは、前述した飽和の問題を解決することができない。
【0023】
すなわち、図15に示した一般的なイメージセンサの画素回路によれば、フォトダイオード1401に過大なプローブ光が入射することになり、フォトダイオード1401で生じる電荷量が、容量1404で蓄積可能な飽和電荷量を超えてしまう。そして、リセットパルス発生回路1406による制御に従ってリセットトランジスタ1407がリセット動作を行った後、過大な光入力によって飽和量に達した電荷が、転送パルス発生回路1403による制御に従って転送トランジスタ1402を介して増幅回路1405に入力される。
【0024】
このような事情から、従来、プローブ光の位相バイアスを抑制する手法が用いられ、その結果、信号の変調量を稼ぐことができずにS/N比が低下するという第1の課題が発生する。
【0025】
さらに、偏光フィルタでは、プローブ光に直交する偏光成分を完全に遮断することはできず、μWオーダーの光が透過してくることもS/N比を悪化させる要因に加わる。その結果、得られるS/N比は極めて低く1%程度にとどまる。
【0026】
第2の課題は、従来の技術によれば、2つのプローブ光パルスからそれぞれ得られた画像間の差分をとるために、少なくとも1つの画像を一時的に記憶回路に保存する必要から、装置が複雑化することである。
【0027】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、プローブ光の位相バイアスを抑制せず、かつ回路が飽和することもなしに、THz電磁波によって変調されたプローブ光の変調量を検出可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
【0028】
さらには、1つのプローブ光パルスを受光するだけで、THz電磁波によって変調されたプローブ光の変調量を検出可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
【0029】
また、そのような光電変換装置を用いたイメージセンサ、イメージングシステムを提供することも、本発明の目的に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記課題を解決するために、本発明の光電変換装置は、2つのフォトダイオードを有し、それぞれのフォトダイオードに生じる光電流の差に応じた電流又は電圧を出力する光電変換回路と、前記光電変換回路から出力される電流又は電圧を増幅する増幅器とを備える。前記光電変換装置において、前記2つのフォトダイオードは、同等の特性を有し、それぞれのフォトダイオードには、入射光を、その入射光が有する特定の物理量に応じた強度で、互いに異なる特性に従って透過するフィルタが設けられていることが望ましい。
【0031】
前記フィルタは、異なる偏光透過特性を有する偏光フィルタであってもよく、また、異なる波長透過特性を有する波長フィルタであってもよい。
【0032】
前記光電変換装置は、偏波面の方向や波長について変調されたプローブ光の変調量の検出に用いられ、前記2つのフィルタは、所定の基準状態、例えば変調量が0である場合、つまりプローブ光が変調されていない状態において、各々のフォトダイオードに入射するプローブ光の光量が等しくなるように設定される。プローブ光の偏波面の方向や波長を変調するためには、従来知られている電気光学変調素子を用いることができる。
【0033】
この構成によれば、未変調時には円偏光となるプローブ光を前記2つのフォトダイオードに入射し、等量の打ち消しあう電流を発生させることによって、出力を抑止する。そして、変調時には、前記フィルタ特性の違いによって変調量に応じた受光量の差をそれぞれのフォトダイオードについて生ぜしめ、光電流の差に応じた電流信号又は電圧信号として検出することが可能となる。
【0034】
これにより、プローブ光の位相バイアスを抑制せず、かつ回路を飽和させることなく、しかも、1つのプローブ光パルスを受光するだけで、THz電磁波によって変調されたプローブ光の変調量を検出可能な光電変換装置が得られる。
【0035】
また、具体的に、前記光電変換回路は、極性を反転して並列に接続された前記フォトダイオードと、前記フォトダイオードの接続点に直接またはスイッチを介して接続された容量とを有し、前記容量に蓄積された電荷を電圧又は電流として前記増幅器へ出力してもよい。
【0036】
この構成によれば、未変調のプローブ光が入射している場合、前記2つのフォトダイオードには等量の電流が逆向きに流れるだけであり、前記2つのフォトダイオードによって形成されるループから余剰電荷は発生せず、前記容量には電荷すなわち信号は蓄積されない。
【0037】
他方、変調されたプローブ光では前記2つのフォトダイオードに入射される光量が異なるため、上記2つのフォトダイオードに発生する電流量に差が発生し、この差に相当する電流がフォトダイオードによって形成されるループから前記容量に流れて電荷として蓄積され、前記増幅器による増幅結果の信号として出力される。
【0038】
従って、未変調のプローブ光が入射した場合でも、回路が飽和することがなく、また変調されたプローブ光が入射した場合は、その変調量を前記フォトダイオードに流れる光電流の差で表して、前記増幅結果の信号として検出することが可能となる。
【0039】
また、具体的に、前記光電変換回路は、極性を同じ向きに揃えて直列に接続された前記フォトダイオードと、前記フォトダイオードの接続点に直接またはスイッチを介して接続された容量とを有し、前記容量に蓄積された電荷を電圧又は電流として前記増幅器へ出力してもよい。
【0040】
この構成によれば、未変調のプローブ光が入射している場合、前記2つのフォトダイオードには等量の電流が直列に流れるだけであり、前記容量には電荷すなわち信号は蓄積されない。
【0041】
他方、変調されたプローブ光では前記2つのフォトダイオードに入射される光量が異なるため、上記2つのフォトダイオードに発生する電流量に差が発生し、この差に相当する電流が前記容量に流れて電荷が蓄積され、前記増幅器による増幅結果の信号として出力される。
【0042】
従って、未変調のプローブ光が入射した場合でも、回路が飽和することがなく、また変調されたプローブ光が入射した場合は、その変調量を前記フォトダイオードに流れる光電流の差で表して、前記増幅結果の信号によって検出することが可能となる。
【0043】
また、具体的に、前記光電変換回路は、それぞれのフォトダイオードに対応して設けられ、対応するフォトダイオードと直列に接続された同一特性を有する2つの抵抗体を有し、それぞれのフォトダイオードと抵抗体との接続点間の電圧又は電流を前記増幅器へ出力してもよい。
【0044】
この構成によれば、未変調のプローブ光が入射している場合、前記2つのフォトダイオードからそれぞれに直列に接続された抵抗体へ等量の電流が流れるだけであり、それぞれのフォトダイオードと抵抗体との接続点間に電圧又は電流は発生しない。
【0045】
他方、変調されたプローブ光では前記2つのフォトダイオードに入射される光量が異なるため、上記2つのフォトダイオードに発生する光電流に差が発生し、この差によって前記接続点間に発生する電圧又は電流が、前記増幅器による増幅結果の信号として出力される。
【0046】
従って、未変調のプローブ光が入射した場合でも、回路が飽和することがなく、また変調されたプローブ光が入射した場合は、その変調量を前記フォトダイオードに流れる電流量の差で表して、前記増幅結果の信号によって検出することが可能となる。
【0047】
本発明は、このような光電変換装置として実現できるだけでなく、このような光電変換装置を用いたイメージセンサ、及びそのイメージセンサを用いたイメージングシステムとして実現することもできる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の光電変換装置によれば、2つのフォトダイオードに生じる光電流の差を出力信号に増幅できるので、入射光をその特定の物理量に応じた強度で、異なる特性に従って透過するフィルタを前記それぞれのフォトダイオードに設ければ、前記入射光が前記特定の物理量に関してどの程度変調されているかを、前記2つのフォトダイオードに生じる光電流の差として検出することができる。
【0049】
例えば、前記特定の物理量が偏波面の方向であれば、前記フィルタは偏光フィルタであり、前記特定の物理量が波長であれば、前記フィルタは波長フィルタである。
【0050】
このとき、出力信号は入射光の光量の差に基づくので、入射光の光量そのものが大きくても回路は飽和しない。従って、回路の飽和を防ぐために従来行われている入射光の位相バイアスを抑制するのをやめて、高いS/N比で入射光の変調量を検出することが可能になる。しかも、その検出は、変調された入射光を一回受光するだけで行うことができる。
【0051】
この効果は、本発明の光電変換装置をイメージセンサ、およびイメージングシステムに適用した場合に、特に顕著である。一回の撮影で、入射光の変調量に反映された対象物の特性を画像化できることから、装置の簡素化、及び実時間での撮像が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0053】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図である。
【0054】
この光電変換装置において、特性の等しい2つのフォトダイオード1,2が極性を反転した状態で並列に接続され、片側端子は接地、もう一方の端子はスイッチ3を介して容量4に接続されている。容量4はスイッチ5を介して増幅回路6に接続されている。また、スイッチ10は異なる時刻での信号の混合を防止するために容量4を放電させるスイッチである。
【0055】
フォトダイオード1,2に等しい強度の光が入射した場合、等量の光電流が発生し、互いに逆向きに流れるため、電流はスイッチ3に流入しない。従って、この時、スイッチ3を介して容量4に電荷蓄積は行われない。他方、フォトダイオード1,2に入射する光強度が異なる場合、両フォトダイオードに発生する光電流量は異なり、余剰電流は両フォトダイオードの接点から流出して、切り替え回路7からの制御によって閉状態にあるスイッチ3に流入し、容量4に電荷として蓄積される。
【0056】
一定の電荷蓄積時間を経た後、切り替え回路7に従ってスイッチ3を開いた後、転送タイミング発生回路8に従ってスイッチ5を閉じることによって、容量4に蓄積された電荷によって発生した電圧情報を増幅回路6に入力することによって、フォトダイオード1,2に発生した電流量の差を出力信号として取り出すことが可能となる。
【0057】
容量4の信号電圧が増幅回路6に送られた後、転送タイミング発生回路8に従ってスイッチ5を開き、リセット信号発生回路9に従ってスイッチ10を閉じることによって、容量4は放電され、次の信号電荷を蓄積可能な状態になる。
【0058】
ここで、フォトダイオード1,2、スイッチ3,5,10、及び容量4を、光電変換部11と総称する。
【0059】
図2は、前述した光電変換装置の各部に発生し又は与えられる主要な信号を示すタイミングチャートである。
【0060】
フォトダイオード1,2には、1kHzのプローブ光パルスが入射し、その光量に応じてパルス電流が流れる。Aの期間はフォトダイオード1,2に等しい光量が入射し等しい光電流が流れた場合、Bの期間はフォトダイオード1への入射光量がフォトダイオード2への入射光量よりも多い場合である。
【0061】
図3は、第1の実施の形態における光電変換装置の、光電変換部のフォトダイオードを通る断面を模式的に示した図である。
【0062】
基板300の最表面にP層301とその下層に形成されたn層302によって構成されるPN接合がフォトダイオード1を構成し、さらにP+層303によって基板300より電気的に分離されたフォトダイオード1と等面積のPN接合を有するフォトダイオード2が素子分離層304を挟んで互いに隣接する領域に形成された光電変換部を構成する。
【0063】
デバイス全体は窒化シリコン膜よりなる保護層305で被覆され、保護層305内、2つのフォトダイオード間には遮光メタル306が配置されている。
【0064】
各フォトダイオード上には集光量を増加させるためのオンチップレンズ307が形成されている。
【0065】
さらに、各レンズ上には第2の保護層308が形成された上にフォトダイオード1上にはP偏光のみ透過する偏光フィルタ309a、フォトダイオード2上にはS偏光のみ透過する偏光フィルタ309bが形成されている。
【0066】
偏光フィルタ309a、309bともに配線金属である銅を幅0.25μm、間隔0.25μmで100周期分配置された格子を構成することによって形成されている。この時、偏光フィルタ309aと309bとの間で格子の方向は直交しており、直交する偏光に対する透過特性を有する。
【0067】
図4は、第1の実施の形態における光電変換装置の、フォトダイオード、転送スイッチ、容量を含む光電変換部を装置上部から見たレイアウトを模式的に示したものである。
【0068】
フォトダイオード1のN層はグラウンドである基板に直接接続され、その全面が表面P層401で覆われている。フォトダイオード2の表面P層402はコンタクト403より配線404を介してコンタクト405によって接地される。
【0069】
フォトダイオード1のP層401およびフォトダイオード2のN層406はそれぞれコンタクト407、408より引き出され、配線409を介して接続され、さらに本接点はスイッチとして機能するMOS電界効果トランジスタのソース410にコンタクト411を介して接続されている。フォトダイオード1,2より流出した電流は、切り替え回路7よりゲート412にパルスを与えることによって反対側に位置するドレイン413に転送することができる。
【0070】
この光電変換装置においては、半導体基板がP型であるので、ソース410、ドレイン413はN+層で構成され、本スイッチトランジスタはNチャネル型である。さらにスイッチ電界効果トランジスタのドレイン413のN+層と基板との間でPN接合ダイオードを構成し、容量として作用する。
【0071】
従って、このPNダイオードに蓄積された電荷の増減によって発生する電圧変化は該PN接合ダイオードのN層すなわち転送スイッチトランジスタのドレイン413自体の電流を直接読み出すことが可能であるので、転送パルスを転送信号発生回路8より転送パルスを転送トランジスタのゲート414に与えることによって増幅回路6に入力する。
【0072】
以上のような構成とすることにより、図1に示した回路図の機能を実現する光電変換装置を構成することが可能である。
【0073】
図5は、前述した光電変換装置を用いたTHzイメージングシステムの構成例を模式的に示した図である。
【0074】
光源501より、パルス幅100fsの超短パルス光列が1kHzの周波数で発生され、偏光ビームスプリッタ502によりP偏光はポンプ光503として、S偏光はプローブ光504として分離される。ポンプ光503は光学遅延線505を経て、THz電磁波エミッター506を構成するZnTe結晶[110]面に垂直に入射され、THz電磁波507が発生される。
【0075】
プローブ光504はミラー508で進行方向を調整された後、シリコンウエハーで構成されたミラー509に入射し、シリコンミラー509を透過したTHz電磁波507と光軸を共有して、[110]面が光軸に垂直に配置されたZnTe結晶よりなる電気光学変調器510に入射する。電気光学変調器510の後段には1/4波長板511と、イメージセンサ512がこの順に配置された構成となっている。
【0076】
イメージセンサ512は、後に詳述するように、2次元に配置されそれぞれに前述した光電変換装置を有した複数の画素と、各々の画素の前記光電変換装置の出力信号を読み出す読み出し回路とを備える。
【0077】
1/4波長板511はその後段において、THz電磁波507がプローブ光504の各パルスと同時に電気光学変調器510に入射しない場合、すなわちTHz電磁波パルスとプローブパルスが非同期の場合にはプローブ光504を完全な円偏光状態に設定する。この時、イメージセンサ512には円偏光が入射するため、P偏光成分、S偏光成分は等しく、従って、内部の各フォトダイオードには等量の電流が発生し、容量には電荷は蓄積されない。
【0078】
他方、電気光学変調器510にTHz電磁波パルスとプローブ光パルスが同時に入射する、すなわち両パルス間の同期が取れている場合には、電気光学変調器510に透過後のプローブ光の偏光状態はTHz電磁波507と非同期の場合に比べて、偏光軸が回転し、さらに、楕円偏光となるため、1/4波長板透過後の偏光状態も完全な円偏光とはならず、楕円偏光となる。
【0079】
従って、イメージセンサ512内部の2つのフォトダイオードに入射する光強度も異なり、異なった量の電流が発生するため、容量には信号電荷が蓄積され、信号電圧すなわちTHz電磁波検出信号が出力される。
【0080】
従って、課題であるフォトダイオードを飽和させることなくTHz電磁波を検出することが可能である。さらに本実施例の構成では従来の構成で必要であった、バルクの偏光ビームスプリッタ、または偏光プリズムが必要なく、かつ、光電変換素子は2つのフォトダイオードが集積化されているため、光学系が簡略化されるという利点を有する。
【0081】
図6は、イメージセンサ512の機能的な構成の一例を示すブロック図である。イメージセンサ512は、それぞれに前述した光電変換装置を含む複数の画素回路を2次元に配列し、垂直走査回路601および水平走査回路602を配置することによって実現される。
【0082】
垂直走査回路601は、図1に示される切り替え回路7、転送タイミング発生回路8、及びリセット信号発生回路9を含み、これらの回路から出力される制御信号に加えて、行選択信号を、行データ選択線603を介して、行ごとに画素回路に供給する。
【0083】
各々の画素回路は、図1に示される光電変換装置の光電変換部11及び増幅回路6に加えて、スイッチ610を備えると共に、切り替え回路7、転送タイミング発生回路8、及びリセット信号発生回路9からのそれぞれの制御信号、及び行選択信号を受け取る端子607、608、609、606を備える。
【0084】
行選択信号に従ってスイッチ610を閉じることによって、画素回路の出力信号が列データ読み出し線604へ出力される。
【0085】
水平走査回路602は、選択された行の画素回路からの出力信号を、列データ読み出し線604を介して、画素ごとに順次読み出す。
【0086】
なお、本イメージセンサはTHz電磁波イメージング装置への適用を前提として、各画素の光電変換部11に含まれるフォトダイオード上には、前述したオンチップレンズ、及び偏光フィルタが設けられる。
【0087】
以上説明したように、本実施例のイメージセンサにおいては一画面分のデータ読み出し時間に相当する一定の信号電荷蓄積時間が存在する。この電荷蓄積時間内に各画素回路において、図2のタイミングチャートで説明される動作が行われることによって、フォトダイオードに入射する光量の差に応じた電荷が容量に蓄積され、読み出される。
【0088】
従って、毎画面で各画素回路における2つのフォトダイオードへの入射光量差が検出され、外部の画像再生回路によって2次元画像として再生される。
【0089】
図7は、前述したTHzイメージングシステムの実用例を模式的に示す図である。
光源701より、パルス幅100fsの超短パルス光列が1kHzの周波数で発生され、偏光ビームスプリッタ702によりP偏光はポンプ光703として、S偏光はプローブ光704として分離される。ポンプ光703は光学遅延線705を経て、半絶縁性GaAsウエハー上に間隔10mmをおいて形成された電極対を有する光伝導スイッチによって構成されたTHz電磁波エミッター706に入射され、THz電磁波707が発生される。
【0090】
このようにして発生されたTHz電磁波707は極めてコリメート性の高いビームであり、THz電磁波に対して2次元的な透過特性分布を有する被測定物708に照射される。被測定物708を通過したTHz電磁波は被測定物の2次元透過特性分布に従い、空間的に強度変調されたビームとなる。これをポリエチレンレンズ709によって、後段のZnTe結晶よりなる電気光学変調器713内に結像する。
【0091】
プローブ光704はミラー710で進路変更され、さらにビームエクスパンダ711によってビーム幅が広げられた後、シリコンウエハーで構成されたミラー712に入射し、シリコンミラー712を透過した強度変調されたTHz電磁波と光軸を共有して、[110]面が光軸に垂直に配置されたZnTe結晶よりなる電気光学変調器713に入射する。
【0092】
電気光学変調器713の後段には1/4波長板714とイメージセンサ715がこの順に配置された構成となっている。イメージセンサ715は、前述したイメージセンサ512と同等である。
【0093】
1/4波長板714はその後段において、THz電磁波がプローブ光704の各パルスと同時に電気光学変調器713に入射しない場合すなわちTHz電磁波パルスとプローブパルスが非同期の場合にはプローブ光704を完全な円偏光状態に設定する。この時、イメージセンサ715には円偏光が入射するため、P偏光成分、S偏光成分は等しく、従って、内部の各画素のフォトダイオード対には等量の電流が発生し、容量には電荷は蓄積されない。
【0094】
他方、電気光学変調器713にTHz電磁波パルスとプローブ光パルスが同時に入射する、すなわち両パルス間の同期が取れている場合には、電気光学変調器713に透過後のプローブ光の偏光状態はTHz電磁波と非同期の場合に比べて、偏光軸が回転し、さらに、楕円偏光となるため、1/4波長板透過後の偏光状態も完全な円偏光とはならず、楕円偏光となる。
【0095】
従って、イメージセンサ715内部の各画素のフォトダイオード対に入射する光強度も異なり、異なった量の電流が発生するため、容量には信号電荷が蓄積され、信号電圧すなわちTHz電磁波検出信号が出力される。
【0096】
以上の原理で検出出力された2次元信号は画像再生装置716によって映像情報としてモニターに出力される。従って、課題であるフォトダイオードを飽和させることなくTHz電磁波イメージングが可能である。
【0097】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態で示した光電変換装置(図1を参照)と同等の機能を有する光電変換装置を、他の構成によって実現することもできる。
【0098】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図である。2つのフォトダイオード801,802を、極性を同じ向きに揃えて直列に接続し、この接続点に切り替え回路807からの制御によって開閉されるスイッチトランジスタ803のソースを接続する。
【0099】
スイッチトランジスタ803のドレインは容量804に接続され、蓄積電荷の増減に伴う容量804の電圧の増減信号は転送タイミングパルス発生回路808からの制御によって開閉される転送トランジスタ805を介して増幅回路806によって増幅される。
【0100】
また、第1の実施の形態の場合と同様に、容量804はリセットパルス発生回路809によって制御されるリセットトランジスタ810によって放電される。
【0101】
このような構成とすることによって、フォトダイオード801,802に入射する光量に差があり発生光電流差を生ずる場合にのみ、スイッチトランジスタ803がオン状態において、容量804の蓄積電荷量が変化し、その出力電圧を変化させる機能を実現できる。
【0102】
<第3の実施の形態>
第1または第2の実施の形態に示した光電変換素子と同等の機能を有する光電変換装置を、さらに他の構成によっても実現することができる。
【0103】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図である。2つのフォトダイオード901、902と、バイアス電圧発生回路903によって同一条件でバイアスされた同一特性を有するトランジスタ904,905とを有し、フォトダイオード901、902は、それぞれトランジスタ904,905のドレインに直列に接続されている。トランジスタ904,905のソース電流の差が、増幅回路906によって出力信号に増幅される。
【0104】
このような構成とすることにより、フォトダイオード901,902への光入射量に差がある場合にのみ増幅回路906は出力信号を発生する機能を実現することができる。
【0105】
なお、本構成ではフォトダイオードに接続されるトランジスタとして電界効果トランジスタを用いたが、バイポーラトランジスタに置き換えても同等の機能を実現可能である。さらに、本実施例のトランジスタを、同一特性を有する2つの抵抗に置き換えても同等の機能を実現できる。
【0106】
<第4の実施の形態>
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る光電変換装置の、光電変換部のフォトダイオードを通る断面を模式的に示した図である。この光電変換装置は、図1の回路を実現するための構成と共に、図3の断面図に示されるフィルタとは異なるフィルタを備えている。
【0107】
基板300の最表面にP層301とその下層に形成されたn層302によって構成されるPN接合がフォトダイオード1を構成し、さらにP+層303によって基板300より電気的に分離されたフォトダイオード1と等面積のPN接合を有するフォトダイオード2が素子分離層304を挟んで互いに隣接する領域に形成された光電変換部を構成する。
【0108】
デバイス全体は窒化シリコン膜よりなる保護層305で被覆され、保護層305内、2つのフォトダイオード間には遮光メタル306が配置されている。
【0109】
各フォトダイオード上には集光量を増加させるためのオンチップレンズ307が形成されている。
【0110】
さらに、各レンズ上には第2の保護層308が形成された上にフォトダイオード1上には波長790nmにピークと半値幅20nmの透過帯域を有する狭帯域フィルタ1009a、フォトダイオード2上には波長810nmにピークと半値幅20nmの透過帯域を有する狭帯域フィルタ1009bが形成されている。
【0111】
図11(A)及び図11(B)は、それぞれフィルタ1009a、1009bの透過特性を示す図である。フィルタ1009a、1009bとも最大透過率は0.6、半値幅は20nmである。このようなフィルタは、例えば文献 L. Desplanque, J. F. Lampin, and F. Mollot, Appl. Phys. Lett., Vol.84, No.12, p.2049−2051, (2004).に示されているような多層誘電体薄膜を用いた干渉フィルタをフォトリソグラフィによって各々のフォトダイオードに別々に作製することができる。
【0112】
本実施形態の光電変換装置に波長800nmの光を入射すると、上記フィルタ1009a,1009bの透過特性は透過ピークを中心に対称であるので、透過光量は等しく、フォトダイオード1、2に発生する光電流も等しく、信号出力は発生しない。
【0113】
一方、入射光の波長が例えば低波長側に5nmシフトした場合には、フィルタ1009aを透過する光量が増加すると共に、フィルタ1009bを透過する光量が減少し、これに従ってフォトダイオード1,2に発生する電流が各々増減し、この差分を増幅することで信号出力を得ることが可能となる。従って、本実施形態の光電変換装置は入射光の波長に関する変調量を検出する波長シフトモニターとして作用する。
【0114】
図12は、本実施形態の光電変換素子を用いたTHzイメージングシステムの構成例を模式的に示した図である。
【0115】
光源1201より、パルス幅100fsの超短パルス光列が1kHzの周波数で発生され、ビームスプリッタ1202によりポンプ光1203とプローブ光1204に分離される。ポンプ光1203は光学遅延線1205を経て、THz電磁波エミッター1206を構成するZnTe結晶[110]面に垂直に入射され、THz電磁波1207が発生される。
【0116】
プローブ光1204はミラー1208で進行方向を調整された後、シリコンウエハーで構成されたミラー1209に入射し、シリコンミラー1209を透過したTHz電磁波1207と光軸を共有して、アルミニウムガリウム砒素とガリウム砒素薄膜を交互に積層した超格子よりなる電気光学変調器1210に入射する。
【0117】
電気光学変調器1210の後段には本実施の形態で説明した光電変換装置1211が配置された構成となっている。この時、電気光学変調器1210にTHz電磁波がプローブ光と同時に入射しない場合には、透過光の波長は変化せず、従って内部の各フォトダイオードには等量の光が入射し、発生する光電流も等量であるため、信号は検出されない。
【0118】
一方、電気光学変調器1210にTHz電磁波パルスとプローブ光パルスが同時に入射する、すなわち両パルス間の同期が取れている場合には、電気光学変調器1210を透過後のプローブ光の波長はTHz電磁波1207と非同期の場合に比べて、長波長側に5nmシフトするため、フォトダイオード2に入射する光量が増大、フォトダイオード1に入射する光量が減少するため、両フォトダイオードに異なる光電流が発生し、容量には信号電荷が蓄積され、信号電圧すなわちTHz電磁波検出信号が出力される。
【0119】
従って、課題であるフォトダイオードを飽和させることなくTHz電磁波を検出することが可能である。
【0120】
なお、異なる波長フィルタをそれぞれのフォトダイオードに設けたこの構成は、上記説明したように入射光の波長に関する変調度を検出する用途とは別に、入射光から色差情報を直接に検出するために利用することもできる。
【0121】
さらに、それぞれのフォトダイオードに、偏光フィルタも波長フィルタも設けない構成では、2つのフォトダイオードが受光した光量差が直接に検出できることから、画像内のエッジ検出に応用することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明の光電変換装置は、セキュリティ検査装置、食品検査装置、大気センサ、医療診断装置などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】第1の実施形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図。
【図2】前記光電変換装置の動作に係る主要信号のタイミングチャート。
【図3】前記光電変換装置の光電変換部の模式的な断面図。
【図4】前記光電変換装置の光電変換部を装置上部から見たレイアウト図。
【図5】前記光電変換装置を用いたTHzイメージングシステムの構成例を示す模式図。
【図6】前記光電変換装置を用いたイメージセンサの機能的な構成の一例を示すブロック図。
【図7】前記THzイメージングシステムの実用例を模式的に示す図。
【図8】第2の実施形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図。
【図9】第3の実施形態に係る光電変換装置の構成の一例を示す回路図。
【図10】第4の実施の形態に係る光電変換装置の光電変換部の模式的な断面図。
【図11】(A)及び(B)はそれぞれフィルタ1009a、1009bの透過特性を示す図。
【図12】前記光電変換装置を用いたTHzイメージングシステムの構成例を示す模式図。
【図13】従来技術に係るTHzイメージングシステムの構成例を示す模式図。
【図14】偏光フィルタの特性を説明する図。
【図15】従来技術に係る一般的なイメージセンサの画素回路を一例を示す回路図。
【符号の説明】
【0124】
1、2 フォトダイオード 3、5、10 スイッチ 4 容量 6 増幅回路 7 切り替え回路 8 転送信号発生回路 9 リセット信号発生回路 300 半導体基板 301 P層 302 N層 303 フォトダイオード周辺P層 304 素子分離層 305 保護層 306 遮光メタル 307 オンチップレンズ 308 第2保護層 309a、309b 偏光フィルタ 401、402 表面P層 403 フォトダイオード2表面P層コンタクト 404 フォトダイオード2表面P層引き出しコンタクト 405 フォトダイオード2表面P層接地コンタクト 406 フォトダイオード2N層 407 フォトダイオード1P層コンタクト 408 フォトダイオード2N層コンタクト 409 フォトダイオード1,2接続用配線 410 スイッチトランジスタソース 411 スイッチトランジスタソースコンタクト 412 スイッチトランジスタゲート 413 スイッチトランジスタドレイン 414 転送トランジスタゲート 501 超短パルス光源 502 偏光ビームスプリッタ 503 ポンプ光 504 プローブ光 505 光学遅延線 506 THz電磁波エミッター 507 THz電磁波 508 プローブ光進路変更用ミラー 509 シリコンミラー 510 電気光学変調器 511 1/4波長板 512 イメージセンサ 601 垂直走査回路 602 水平走査回路 603 行データ選択線 604 列データ読み出し線 606、607、608,609 端子 701 超短パルス光源 702 偏光ビームスプリッタ 703 ポンプ光 704 プローブ光 705 光学遅延線 706 THz電磁波エミッター 707 THz電磁波 708 被測定物 709 ポリエチレンレンズ 710 プローブ光進路変更用ミラー 711 ビームエクスパンダ 712 シリコンミラー 713 電気光学変調器 714 1/4波長板 715 イメージセンサ 716 画像再生装置 801、802 フォトダイオード 803 スイッチトランジスタ 804 容量 805 転送スイッチ 806 増幅回路 807 切り替え回路 808 転送タイミングパルス発生回路 809 リセットパルス発生回路 810 リセット用スイッチトランジスタ 901、902 フォトダイオード 903 バイアス電圧発生回路 904、905 電界効果トランジスタ 906 増幅回路 1009a、1009b 狭帯域フィルタ 1201 超短パルス光源 1202 ビームスプリッタ 1203 ポンプ光 1204 プローブ 1205 光学遅延線 1206 THz電磁波エミッター 1207 THz電磁波 1208 プローブ光進路変更用ミラー 1209 シリコンミラー 1210 電気光学変調器 1211 光電変換装置 1301 超短パルス光源 1302 偏光ビームスプリッタ 1303 ポンプ光 1304 プローブ光 1305 光学遅延線 1306 THz電磁波エミッター 1307 THz電磁波 1308 被測定物 1309 ポリエチレンレンズ 1310 プローブ光進路変更用ミラー 1311 ビームエクスパンダ 1312 シリコンミラー 1313 電気光学変調器 1314 位相板 1315 偏光板 1316 イメージセンサ 1317 同期回路 1318 画像演算回路 1401 フォトダイオード 1402 転送トランジスタ 1403 転送パルス発生回路 1404 容量 1405 増幅回路 1406 リセットパルス発生回路 1407 リセットトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのフォトダイオードを有し、それぞれのフォトダイオードに生じる光電流の差に応じた電流又は電圧を出力する光電変換回路と、
前記光電変換回路から出力される電流又は電圧を増幅する増幅器と
を備えることを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
前記光電変換回路は、
極性を反転して並列に接続された前記フォトダイオードと、
前記フォトダイオードの接続点に直接またはスイッチを介して接続された容量と
を有し、
前記容量に蓄積された電荷を電圧又は電流として前記増幅器へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項3】
前記光電変換回路は、
極性を同じ向きに揃えて直列に接続された前記フォトダイオードと、
前記フォトダイオードの接続点に直接またはスイッチを介して接続された容量と
を有し、
前記容量に蓄積された電荷を電圧又は電流として前記増幅器へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項4】
前記光電変換回路は、
それぞれのフォトダイオードに対応して設けられ、対応するフォトダイオードと直列に接続された同一特性を有する2つの抵抗体を有し、
それぞれのフォトダイオードと抵抗体との接続点間の電圧又は電流を前記増幅器へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記2つのフォトダイオードは、同等の特性を有し、
それぞれのフォトダイオードには、入射光を、その入射光が有する特定の物理量に応じた強度で、互いに異なる特性に従って透過するフィルタが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記フィルタは、異なる偏光透過特性を有する偏光フィルタである
ことを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記フィルタは、異なる波長透過特性を有する波長フィルタである
ことを特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
【請求項8】
2次元に配置されそれぞれに請求項5に記載の光電変換装置を有した複数の画素回路と、
それぞれの画素回路が有する前記光電変換装置の出力信号を読み出す読み出し回路と
を備えることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項9】
周波数が0.1THzから100THzの領域にあるTHz電磁波を発生する電磁波源と、
プローブ光を発生する光源と、
被写体を透過又は反射した後の前記THz電磁波を前記プローブ光と重畳する重畳光学素子と、
前記重畳されたTHz電磁波とプローブ光とを入射され、前記THz電磁波の電界に応じて前記プローブ光の特定の物理量を変調する電気光学変調素子と、
前記変調後のプローブ光を撮像する請求項5に記載のイメージセンサと
を備えることを特徴とするイメージングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−76350(P2008−76350A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258896(P2006−258896)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】