説明

内燃エンジンの異常燃焼の検出方法

【課題】検出と同じサイクル中の過早着火現象を防止するように、過早着火現象を実時間で検出し、それを特徴付け、そしてエンジンに現在使用されている複数の装置によってそれを定量化できるようにする。
【解決手段】エンジンのクランク軸の回転の角度の関数として、過早着火現象を伴わない1つの燃焼の範囲内においてシリンダ内の圧力の進行を表す物理モデルを選択する。それから、このモデルを使用してシリンダ圧力Pe(α)を予測し、吸気圧力を計測する。シリンダ圧力の計測値を使用して計算された変数の第1の値と、シリンダ圧力の予測値を使用して計測された変数の少なくとも1つの第2の値とを比較することによって、異常燃焼の開始を検出する。これらのステップをいくつかの定められたクランク軸角度で繰り返すことによって、過早着火の大きさを特徴付ける。それから、燃焼室内で検出された異常燃焼の進行を過早着火現象の大きさの関数として制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃エンジンの燃焼行程の制御の分野に関する。特に、本発明は、そのようなエンジンの燃焼室内の低回転数で高負荷時の過早着火型の異常燃焼を検出する方法に関する。
【0002】
本方法は、特に、非常に高い負荷の下で機能する「ダウンサイジングされた」火花点火エンジンに適用される方法に関するが、しかしこれには限定されない。
【背景技術】
【0003】
この種類のエンジンは、少なくとも1つのシリンダを有している。シリンダは、シリンダの内部の側壁と、このシリンダ内を摺動するピストンの上部と、シリンダヘッドと、によって形成された燃焼室を有している。一般的に、気化した混合気は、この燃焼室内に閉じ込められ、圧縮ステップと、それに続く点火プラグによる制御された点火の効果の元での燃焼ステップと、を経る。これらのステップは以下の説明において「点火行程」という用語に分類される。
【0004】
この気化した混合気は様々な種類の燃焼を行う可能性があり、これらの種類の燃焼が様々な圧力レベル、場合によってはエンジンに深刻な損傷を与えることがある機械的応力および/または熱的応力の原因になっていることが確認できている。
【0005】
通常の燃焼、すなわち正常な燃焼と呼ばれる第1の燃焼は、前のエンジン圧縮ステップで圧縮された混合気の燃焼が伝播した結果生じる。この燃焼は、点火プラグによって発生する火花から始まる火炎の前面に正常に伝搬し、エンジンを劣化させる恐れがない。
【0006】
他の種類の燃焼は、燃焼室内の好ましくない自己着火の結果生じるノッキングを伴う燃焼である。要するに、気化した混合気の圧縮ステップ後に、この気化した混合気に点火できるように点火プラグが作動させられる。ピストンによって発生する圧力と、気化している混合気の燃焼の開始によって放出される熱の影響のせいで、点火プラグによる気化している混合気の点火から始まる火炎前面の到着前に、圧縮された混合気の一部が強制的でかつ局所的に自己着火する。ノッキングと呼ばれるこのメカニズムは、圧力と温度の局所的な増大につながり、これが繰り返されると、エンジンと主にピストンの高さの位置とに対して破壊的な影響を及ぼす原因になることがある。
【0007】
結局、他の種類の燃焼は、燃焼室内に存在している気化した混合気に点火プラグが点火を開始する前の、気化した混合気の過早着火による異常燃焼である。
【0008】
この異常燃焼は、英語用語「ダウンサイジング」によってより良く知られている「小型化」が行われたエンジンに影響を与える。小型化は、従来のエンジンと同じ出力および/または同じトルクを維持しながら、エンジンの大きさおよび/またはシリンダを減少させる傾向がある。一般的にこの形式のエンジンは主にガソリン形式であって、過給されるものである
この異常燃焼は、ノッキングのために気化した混合気の燃焼のタイミングを最適化できず、高負荷で、全体的にエンジンが低回転のときに発生することが判っている。過給の結果として燃焼室内が高圧及び高温に達するために、気化した混合気への点火プラグによる点火が発生する前に、異常燃焼は散発的に、または連続的に開始することがある。この燃焼は、通常の燃焼における第1の炎の伝播段階に比べて、第1の炎の伝播段階があまりにも遅く調整されている特徴がある。この伝播段階は、燃焼室内に存在している気化した混合気の大部分(ノッキングの場合よりも多い)を巻き込む自己着火によって中断することがある。
【0009】
この異常燃焼がエンジンのサイクル毎に繰り返し発生し、シリンダのホットスポットから始まる場合、これは「過早着火」と呼ばれる。この燃焼が突然、無秩序かつ散発的に発生した場合、これは「ランブル(rumble)」と呼ばれる。
【0010】
この後者の異常燃焼では、圧力レベルが非常に高くなる(120バールから250バール)だけでなく、ピストンやピストンロッドなどのエンジンの稼動部材を部分的または全体的に破壊する可能性のある熱の伝達も増加する。
【0011】
これらの異常燃焼を処置する一般的な方法を図1に図示しており、この方法には、まず現象の発生の可能性を最大限制限する防止段階(PP)が備わっている。そして防止段階が現象の防止に適切でない場合に、過早着火が検出されたかどうかを判断する、または同じサイクル内での修正段階(PC)による介入の必要性を判断する検出段階(PD)が備わっている。
技術の現状
検出段階は、信号の取得段階と、その次の信号処理段階とを有している。信号処理段階では、特徴付けと定量化とによって高負荷時における過早着火の発生の検出が可能になる。
【0012】
特許文献1では、ランブル型の高負荷での過早着火を検出するための方法が開示されている。この方法は、燃焼の進行に対する信号の計測と信号閾値との比較とに基づいている。信号の振幅が信号閾値の振幅をはるかに超えていると「ランブル」型の異常燃焼が燃焼室内に存在することが検出される。この方法によれば、信号閾値はノッキングを伴う燃焼時または正常燃焼時に発生する信号の振幅に相当している。
【0013】
しかし、この方法によれば、そのように実装される検出によって、検出と同じサイクルの途中で対応することはできない。この種類の過早着火の修正動作は、エンジンに深刻な損傷を与える現象以外には実行されない。
【0014】
特許文献2に記載の方法も公知である。この方法によれば、過早着火の検出後により素早く対応することが可能で、現象を検出したサイクルと同じサイクルの途中で対応することができる。このようにするために、事前に、つまりエンジンが機能する前に信号閾値が計算され、マップと呼ばれる計算機データテーブル内に保存される。
【0015】
しかし、マップの使用によって、任意の時間に、つまり実時間でそのような現象の開始を検出することはできない。このため、検出が遅すぎる可能性が常にある。さらに、現象の傾向を定量化することができない。したがって、修正段階の適用の必要性は、特定のときにおける2つの振幅の比較のみにかかっている。さらには、そのような現象は、実際には、エンジンに損傷を与えずに始まり、そして停止する。したがって、修正段階を必要としない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】EPO特許出願公開明細書第1.828.737号
【特許文献2】フランス特許発明明細書第2.897.900号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、エンジンに現在使用されている複数の装置を用いて特徴付けや定量化を行うことで、高負荷時における(ランブル型の)過早着火現象を実時間で検出することを可能にする代替の方法に関する。さらに、過早着火の検出と同じサイクルの途中のエンジン駆動継続中に、過早着火現象の防止を可能とする。この検出とこの定量化とは、任意のクランク軸角度で使用可能である。本方法は、シリンダ圧力のモデル化と結びつくシリンダ圧力測定法の処理に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、噴射が制御されている過給内燃エンジンの燃焼の制御方法であって、エンジンの少なくとも1つのシリンダ(12)の1つの燃焼室(14)内の異常燃焼をシリンダ(12)内の連続圧力計測値Pm(α)を用いて検出する方法に関する。本方法は以下のステップを有している。
【0019】
a−クランク軸の回転の角度の関数として、過早着火現象を伴わない1つの燃焼の範囲内においてシリンダ(12)内の圧力の進行を記述している物理モデルを選択するステップ
b−物理モデルと吸気圧力の計測からシリンダ圧力Pe(α)を予測するステップ
c−シリンダ圧力の計測値を使用して計算された変数の少なくとも1つの第1の値と、シリンダ圧力の予測値を使用して計算された変数の少なくとも1つの第2の値とを比較することによって、異常燃焼の開始を検出するステップ
d−いくつかの定められたクランク軸角度でステップb)とステップc)とを繰り返すことによって、過早着火の大きさを特徴付けるステップ
e−燃焼室内で検出された異常燃焼の進行が過早着火現象の大きさによって制御されるステップ
本発明によれば、物理モデルはシリンダ(12)内の圧力の進行を吸気圧力とシリンダ(12)の燃焼室の容積との関数として表すことができる。
【0020】
異常燃焼の進行は、燃料、水、または炭化水素を含んでいる薬品の燃焼室(14)内への導入によって制御することができる。燃焼室(14)の内部で圧力を低下させることによって、異常燃焼の進行を制御することもできる。他の態様によれば、燃焼室(14)の内部で圧力を低下させるように、少なくとも1つの追加された弁を開くことによって異常燃焼の進行を制御することができる。結局、他の態様によれば、異常燃焼の進行は、燃焼室(14)の内側で圧力を低下させるように弁(24、30)のうちの少なくとも1つを開くことによって制御することができる。
【0021】
本発明によれば、変数はシリンダ圧力勾配とすることができる。それから、異常燃焼の開始はこの勾配の符号を分析することによって検出される。変数を以下の変数から選択することも可能である:シリンダ圧力勾配、エネルギー放出、新しい混合気の温度、シリンダ圧力の対数。
【0022】
つまり、本発明によれば、いくつかの計測された変数と予測された変数とを比較することが可能である。これは、閾値によって実施することができる。
【0023】
本発明の他の特徴と利点とは、添付図面を参照して、以下の説明を読むことによって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】過早着火型の異常燃焼を処理する一般的な方法を示している図である。
【図2】本発明の検出方法を使用しているエンジンの図である。
【図3】クランク角度αの関数として、計測されたシリンダ圧力曲線(RP)とモデル化されているシリンダ圧力曲線(NP)とを示している図である。
【図4】さまざまな実施形態について本発明で使用される、シリンダ圧力に起因する物理モデルの図である。
【図5】クランク角度αの関数として、計測されたシリンダ圧力勾配曲線(RdP)とモデル化されているシリンダ圧力勾配曲線(NdP)とを示している図である。
【図6A】過早着火に対する新しい混合気の感度の図であって、最大エネルギー放出(DEM)を、30℃の吸気温度(プレナム内で計測)については灰色で、40℃の吸気温度(プレナム内)については黒色で、CA10の関数として示している。
【図6B】過早着火に対する新しい混合気の感度の図であって、最大エネルギー放出(DEM)を、80℃の水温についてCA10の関数として示している。
【図6C】過早着火に対する新しい混合気の感度の図であって、最大エネルギー放出(DEM)を、100℃の水温についてCA10の関数として示しており、グラフ上で、円で囲まれている領域は、過早着火領域を表している。
【図6D】過早着火に対する新しい混合気の感度の図であって、水温と冷たい気体の温度との間の関係を示しており、2つの曲線は新しい混合気(TGF)の傾向をクランク軸角度(α)の関数として表しており、上の曲線は100℃の水温に相当し、下側の曲線は80℃の水温に相当している。
【図7】過早着火(黒い曲線、Nlog)の場合と、過早着火を伴わない従来の燃焼のモデルによる(灰色の曲線、Rlog)場合のlog(P)の傾向をlog(V)の関数として示している図である
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2において、点火時期が制御されており過給されている、特にガソリン型の内燃エンジン10は、燃焼室14を備えている少なくとも1つのシリンダ12を有している。燃焼室14の内側では、過給された空気と燃料との混合気の燃焼が発生する。
【0026】
シリンダ12は、少なくとも1つの燃料供給手段16と、少なくとも1つの吸気手段22と、少なくとも1つの排気手段28と、少なくとも1つの点火プラグのような点火手段34と、を有している。燃料供給手段16は、燃料室14内に開口する摺動弁20によって制御されている燃料インジェクタ18の形態の圧力下で燃料を供給する。吸気手段22は、プレナム26b(不図示)の位置で終端する吸気管26と組み合わされている弁24を備えている。排気手段28は、弁30と排気管32とを備え、燃焼気体を排気する。点火手段34は、燃焼室14内に存在している気化した混合気に着火する1つまたは2つ以上の火花を発生する。
【0027】
排気手段28の複数の排気管32は、排気コレクタ36に接続されており、排気コレクタ36は排気ライン38に接続されている。ターボ圧縮機や容積圧縮機などの過給装置40が排気ライン38上に配置されている。さらに、過給装置40は、作動ステージ42と圧縮ステージ44とを有している。作動ステージ42には、排気ライン38内を循環している排気気体が通過するタービンを備えている。圧縮ステージ44は、加圧されている吸入空気を複数の燃焼室14内に、複数の吸気管26を用いて導入できるようになっている。
【0028】
エンジン10は、シリンダ圧力の計測手段46aを有しており、シリンダ圧力の計測手段46aはエンジン10のシリンダ12の中に配置されている。これらの計測手段46aは、シリンダ12内の圧力の傾向を表す信号を生成することができる圧力センサから概ねなる。
【0029】
エンジン10は、プレナム26b内に配置されている、吸気圧力の計測手段46bを有している。これらの計測手段は、吸気プレナム26b内の吸気圧力の傾向を表す信号を発生できる、圧電形式の絶対圧力センサから概ね構成される。
【0030】
エンジン10は、エンジンコンピュータと呼ばれる計算制御ユニット48も有している。計算制御ユニット48は、導体(双方向のものもある)によって様々な要素とエンジン10のセンサとに接続されている。計算制御ユニット48は、これらのセンサから送られる水温や油温などの様々な信号を受信することができる。さらに計算制御ユニット48は、信号を計算によって処理し、良好な機能を保障するようにこのエンジン10の複数の要素を制御する。
【0031】
したがって、図2に示される例の場合、複数の点火プラグ34は、気化している混合気の点火の時間を制御できるようにエンジンコンピュータ48に複数の導体50によって接続されている。また、シリンダ圧力センサ46aは、シリンダ12内の圧力の傾向を表す信号をエンジンコンピュータ48に送信できるように、同じエンジンコンピュータ48と電線52によって接続されている。さらに、複数のインジェクタ18の複数の制御摺動弁20は、複数の燃焼室14への燃料の噴射を制御するようにコンピュータ48と複数の導体54によって接続されている。手段46bもまた、電線53によってエンジンコンピュータ48と接続されている。
【0032】
そのようなエンジン10内で、本発明による方法は、高負荷時の(ランブル型の)過早着火現象の発生の検出と、その特徴付けと、その定量化とを可能にする。この検出とこの定量化とは、任意のクランク軸角度で使用可能である。
【0033】
本方法は、シリンダ圧力のモデル化と結びつくシリンダ圧力測定方法に基づいている(シリンダ圧力センサから送信される信号は燃焼状態を表している)。一実施形態によれば、本方法は以下のステップを有している:
1−シリンダ12内の圧力をモデル化するステップ
2−シリンダ12内の圧力を計測するステップ
3−計測されたシリンダ圧力をモデル化されたシリンダ圧力と比較することによって、異常燃焼の開始を検出するステップ
4−燃焼室内で検出された異常燃焼の進行を制御するステップ
1−シリンダ内の圧力のモデル化
圧縮行程の途中のシリンダ圧力は、ポリトロープ圧縮の仮定を使用して、各エンジンサイクルについてモデル化することができる。
【0034】
【数1】

【0035】
ここでPはシリンダ12内の圧力、Vは燃焼室14の容積である。これら2つのパラメータは、クランク角度αの回転角の関数として必然的に変化する。
【0036】
燃焼室14の容積とクランク軸の回転角度αとの間の関係は、「エンジン容積の法則」V(α)と呼ばれている。この法則は、エンジン10の幾何学的な特徴(行程、シリンダ内径、容積圧縮比、連接棒の長さ)の関数である。無効容積Vmは、燃焼室14の最小容積(上死点)に相当している。ただし、下死点の位置での燃焼室14の容積、つまり最大容積VPMBには1周期の間に2回到達する(1回目は吸気行程の最後に、2回目は圧力減少行程の最後に)。
【0037】
この比を任意のクランク軸角度に対して使用し、同じ比を吸気圧力Padm(下死点に到着した瞬間)に対して使用することによって、以下のモデルを使用して、従来の燃焼、つまり過早着火現象が一切無い範囲で、シリンダ圧力Pe(α)を予測することができる。
【0038】
【数2】

【0039】
エンジン容積の法則V(α)は公知である。吸気行程中の圧力は、吸気圧力の計測手段46bによっても知ることができる。ポリトロープ指数と呼ばれている指数nも公知である。したがって、「理論的な」シリンダ圧力、つまり、過早着火が圧縮を通して発生しなかった場合のシリンダ12内に存在しなければならない圧力を予測することができる。
【0040】
注:吸気行程中の圧力は、気化した混合気の吸気の瞬間のシリンダ12内の圧力に論理的には相当する。この圧力はプレナム内で計測される。この圧力を、圧縮の開始時の(つまり吸気の終了時の)シリンダ12内の圧力に置き換えることができる。シリンダ12内の圧力は、吸気工程の最後にプレナム内の吸気部で計測された絶対圧力である(吸気工程の最後に平衡していることを仮定し、そのときPadm=P)。
2−シリンダ内の圧力計測
シリンダ圧力Pm(α)の計測は、シリンダ圧力の計測手段46aを使用して実施される。圧力測定のための複数のシリンダ12の計装は、車両では次第に一般的になってきている。
3−計測されたシリンダ圧力とモデル化されたシリンダ圧力との比較
過早着火が発生する過程にあるかどうかを判断するために、計測されたシリンダ圧力Pm(α)とモデル化されているシリンダ圧力Pe(α)とを比較する。したがって、この比較は、各クランク角度の位置で実施することができる。つまり、これは、理論的な(モデル化された)シリンダ圧力と比較して、計測されたシリンダ圧力の最小の偏差を非常に高速に検出することを可能にする。この比較を実施することによって、いくつかのクランク軸角度に渡って、この偏差を特徴付けることができる。偏差としては、ゆっくり増加、速く増加、安定している、減少している等がある。したがって、この偏差の傾向の関数として、過早着火が特徴付けられ、修正動作を行うかどうかを決定するために計測される。
【0041】
図3は、黒で示す計測されたシリンダ圧力の曲線(RP)と、前述のモデルに従ってモデル化されたシリンダ圧力の曲線(NP)とを示している。すなわち、モデル化されたシリンダ圧力の曲線(NP)は通常の燃焼におけるシリンダ圧力曲線を描写している。横軸はクランク軸角度αを示している。垂直の点線は、制御された点火が行われる瞬間を示している。過早着火がエンジン10を危険に陥れる過度の熱力学的条件につながることを確認することができる。しかし、計測されたシリンダ圧力とモデル化されたシリンダ圧力との間の偏差の検出は非常に早期に実施することができること特筆しておく。
【0042】
これらの偏差を定量化することもでき、これによってどの時点で介入することが重要かを決定することができる。
【0043】
介入をするために、複数の閾値を決定し、この閾値を越えるとランブル型の過早着火現象が発生する過程にあるとみなす。さらに、この現象によって介入が必要なことを示すインジケータライトを点灯させることができる。
【0044】
例えば、各クランク軸角度において閾値を、定めることができる。単独のシリンダ圧力Pm(α)がS1未満であること(Pm(α)<S1)、圧力偏差Pm(α)−Pe(α)がS2未満であること(Pm(α)−Pe(α)<S2)、圧力比Pm(α)/Pe(α)がS3未満であること(Pm(α)/Pe(α)<S3)、と定めることができる。
【0045】
閾値S1、S2、およびS3はエンジン10が機能する前に、例えばテストベンチ上で定められる。
【0046】
有利な実施形態によれば、これらの閾値はエンジン10が機能している途中に変化させることができる。たとえば、これらの閾値は車両の経年変化を反映するように考慮することができる。実際に、エンジン10の故障は、エンジン10の過早着火の感度に関する悪化要因となり得る。本発明によれば、この現象に対しては、任意に閾値を設定することによって考慮に入れられる。つまり、周期的にこれらの閾値を調整し、エンジン10の挙動を定期的に密接に観察しながら、閾値をより厳しく(例えば圧力の制限を下げることによって)していく。必要な調整レベルは、特定の手順を用いて、重大な故障を誘発するなどのエンジン10の促進された経年変化をシミュレーションすることによって、エンジン10の調整段階で求めることができる。エンジン温度について操作が行われるのが一般的であるが、噴射と点火の段階についても、燃焼を減少させるために操作が行われる。そして、エンジン10の自然な経年変化で発生する炭素の堆積と同じ炭素の体積を燃焼室14の壁に発生させる。したがって、各実験者は、意図通りに促進された経年変化と自然な経年変化との間の関係を自由に定めることができる。結局、前もって設定された閾値は、車両の経年変化に反比例して変化する。反比例は修正係数Kに帰する。
【0047】
【数3】

【0048】
2つの信号の比較は、当然、いくつかのクランク軸角度において実施される。圧縮工程中での早期の検出は、いかなる場合にも好ましい。なぜなら、一方ではサイクル内で介入するための対応を行う十分な余裕を維持し、他方ではこの圧縮工程の時間に最も激しい過早着火が始まるためである。
4−異常燃焼の制御
この比較によって、エンジンコンピュータ48は、燃焼室14内で「ランブル」型つまり「過早着火」型の異常燃焼の開始を検出することができる。
【0049】
異常燃焼の場合、その後、コンピュータはそのような燃焼の継続を防止するために、この燃焼の制御に必要な動作を起動する。
【0050】
異常燃焼を制御することで、この燃焼の進行を管理する可能性が見込まれる。この管理は、破壊的な圧力の深刻な増加を防止するだけでなく、減衰させるなどによってその燃焼を完全に止めることができる。
【0051】
この燃焼制御は、複数のインジェクタ18によって定められるクランク軸角度において燃料を再噴射することによって実施されることが好ましい。より具体的には、コンピュータ48は、対象としているシリンダ12のインジェクタ18が燃焼室14に液体の状態の一定量の燃料を導入できるように摺動弁20を制御する。再噴射される燃料の量は、エンジン10の構成に依存し、この燃焼室14内に最初に導入された燃料の量の10%から200%とすることができる。これによって、再噴射される燃料は、異常燃焼時に広がり始める火炎に対抗する役割を果たす。この再噴射は、気化した混合気の濃度を増加させることによって、この火炎を消すか、この火炎を減衰させることが可能になる。さらに、液体の形態で噴射された燃料は、この火炎の周囲に存在している熱を消費して蒸発する。また、気化された混合気の燃焼と火炎の周囲の温度状態は低下する。一方で、気化された混合気の燃焼、特にその自己着火を遅らせる。
【0052】
この燃料の噴射後、シリンダ12内の圧力が増加するが、激しさの程度はより低い。それからこの圧力は通常の燃焼の圧力レベルと同等のレベルに達成するまで減少する。
【0053】
この機構を使用して、高い燃焼速度と高い圧力とを伴う異常燃焼のどのような広がりも防止される。当然、異常燃焼を制御する手段は、そのような燃焼がコンピュータ48によって検出された各周期で使用される。
【0054】
前述のような本方法の動作は、スロットル弁を閉じるなどの他のゆっくりとした動作と組み合わせることができる。スロットル弁を閉じることで、燃焼室14の圧力状態が次のサイクルで異常燃焼に適した状態になるのを防ぐ。
【0055】
本発明は、前述の実装例には限定されず、あらゆる変形例と等効物とを含んでいる。
【0056】
特に、そして本発明の範囲から逸脱することなく、異常燃焼を止める他の薬品を燃焼室14内に導入することができる。したがって、これらの薬剤は、蒸気や液体の形態の水や炭化水素であってもよい。この場合、エンジン10は、これらの薬剤を専用回路(ポンプ、タンク等)と組み合わせて導入する特定の追加のインジェクタを有している。
【0057】
放出弁を開くことによって圧力を放出して、燃焼室14の内部圧力を減少させることによって、異常燃焼を制御することも考え得る。放出弁は、追加弁または吸気弁24および/または排気弁30のいずれかとすることができる。
【0058】
さらに、本発明は、間接噴射を伴う制御点火エンジンにも関する。この場合、異常燃焼の進行の制御は、前述のように特定のインジェクタ(燃料、水、CO2を噴射する)の使用、または弁を閉じることによって行われる。
変形例
シリンダ圧力のモデルを直接使用する実施形態を説明した。他の実施形態によれば、微分モデル(図4)を使用することができる。実際、実時間で過早着火を検出するために、いくつかの信号が使用可能である。例えば、以下の信号である:シリンダ圧力の勾配、エネルギー放出、新しい混合気の温度、場合によっては、log P/log Vのグラフ。
シリンダ圧力の勾配(図5)
一般的に、過早着火の発生の状態(低エンジン回転と高負荷)は、ノッキングを防止するための圧力減少段階において点火プラグからの花火による着火がはるかに遅れたときに生じる。そして、シリンダ圧力曲線は、圧縮に関係する第1のピークと、燃焼に関係する第2のオフセットピークとの発生を示している(図3)。したがって、シリンダ圧力の勾配の符号のみに基づいて過早着火を検出することができる。点火が行われる前に符号が正の場合は、過早着火が発生している。
【0059】
シリンダ圧力と同様に、シリンダ圧力の微分の検出閾値も各クランク軸角度について、単独の圧力勾配dPm(α)がS4未満であること(dPm(α)<S4)、偏差dPm(α)−dPe(α)がS5未満であること(dPm(α)−dPe(α)<S5)、比dPm(α)/dPe(α)がS6未満であること(dPm(α)/dPe(α)<S6)、と定義可能である(添え字「e」は予測を示しており、添え字「m」は計測値を示している)。
エネルギーの放出
シリンダ圧力の微分値は、簡略化されているエネルギー放出δQの計算にも使用できる。
【0060】
【数4】

【0061】
それから、この簡略化されているエネルギー放出は、閾値の定義にも使用可能であり、その場合、単独のエネルギー放出δQm(α)がS7未満であること(δQm(α)<S7)、エネルギー放出の偏差δQm(α)−δQe(α)がS8未満であること(δQm(α)−δQe(α)<S8)、エネルギー放出比δQm(α)/δQe(α)がS9未満であること(δQm(α)/δQe(α)<S9)となる(添え字「e」は予測を示しており、添え字「m」は計測値を示している)。
【0062】
または、CAXと表される複数の燃焼の進み指示値の計算によって、そして、それらと、モデル化によって求められた理論シリンダ圧力を使用して計算された同種の指示値との比較によって定めることができる。Xは燃焼の進行の割合を表している。例えば、CA10は、導入されたエネルギーの10%が放出されている、つまり、慣例によれば、全エネルギーの10%が解放されたことに相当する。
新しい混合気の温度(図6A〜6D)
新しい混合気(空気と燃料)の平均温度Tは、過早着火時の燃焼の感応性への影響が非常に大きいという利点があるパラメータである。さらに、この温度は、吸気分配器の内部の温度(図6A)、吸入された空気と燃料の量、シリンダ圧力などのいくつかの他の変数を使用して予測することができる。したがって、この新しい混合気の温度に閾値を設定することによって、過早着火を検出したり、予測したりすることさえできる。過早着火の早期の検出と良好な予測とによって、同じサイクル内での是正措置を開始するための時間を容易により長く用意することができる。
【0063】
図6Aは、最大エネルギー放出(DEM)を、30℃の吸気温度(プレナム内で計測)については灰色で、40℃の吸気温度(プレナム内)については黒色で、CA10の関数として示している。グラフ上で、円で囲まれている領域は、過早着火の領域を表している。
【0064】
図6Bと6Cとは最大エネルギー放出(DEM)を、80℃の水温について(図6B)と、100℃の水温について(図6C)、CA10の関数として示している。グラフ上で、円で囲まれている領域は、過早着火領域を表している。
【0065】
図6Dは水温と新しい混合気の温度との間の関係を示している。曲線は新しい混合気(TGF)の傾向をクランク軸角度(α)の関数として表している。上の曲線は100℃の水温に該当し、下の曲線は80℃の水温に該当している。
【0066】
この新しい混合気の平均温度Te(α)は理想気体の状態方程式を使用して容易に計算することができる。
【0067】
【数5】

【0068】
混合気の質量mは、エンジン10から知ることができる。また、フローメータを使用して直接計測することによって、さらには吸気管の圧力計測値を使用して流入している空気供給量を実時間で求めるモデルによっても知ることができる。
【0069】
温度の検出閾値も所定のクランク軸角度において3つの方法、単独の温度Tm(α)がS10を超えていないこと(Tm(α)<S10)、温度範囲Tm(α)−Te(α)がS11超えていないこと(Tm(α)−Te(α)<S11)、温度比Tm(α)/Te(α)がS12超えていないこと(Tm(α)/Te(α)<S12)、で定めることができる(添え字「e」は予測を示しており、添え字「m」は計測値を示している)。
グラフlog P/log V(図7)
変数log(P)とlog(V)とによって、エンジンサイクルの途中のシリンダ圧力の傾向の表現が簡単になる利点がある。
【0070】
【数6】

【0071】
図7は、過早着火(黒い曲線、Nlog)の場合と過早着火を伴わない通常の燃焼のモデルによる(灰色の曲線、Rlog)場合のlog(P)の傾向をlog(V)の関数として示している。
【0072】
この表現の利点は、log Pとlog Vとを関連付けている線形性を利用することにある。実際に、この線形性によって予測が可能になる。なぜなら、PMHまでの圧縮(Comp)に伴う勾配をこの圧縮の最初の瞬間から知ることができるからである。したがって、圧縮の開始時に実施した計測値を使用して勾配nを計算することによって、理論的な圧力をモデル化することができる。
【0073】
さらに、この方法によって、圧縮中に発生する過早着火だけでなく、圧力減少中(Def)に発生する着火も検出することができる。なぜなら、この線形の関係が圧力減少中にもあるからである。したがって、圧力減少中のオフセット位置における点火プラグの点火の場合(All)、この点火によってシリンダ圧力がたどる経路を予測することができる。
【0074】
ただし、点火プラグの位置での点火は、非常に高負荷である。その負荷は、ノッキングの発生を防止するために圧力減少中にオフセットされるべきである。このオフセットは、出力の点ではマイナスだが、ノッキングの防止には非常に効果的である。シリンダ圧力曲線には2つのピークがある:第1のピークは混合気の純粋な圧縮に相当し、第2のピークは燃焼によって発生する圧力の増加に相当している(図3)。これらの条件の下で、圧縮中(最も重大な場合になる)または圧縮の第1のピーク後の圧力減少中に、過早着火は引き起こされる。
【0075】
それから、計測されたシリンダ圧力の対数を表している曲線と、理論的な(モデル化された)シリンダ圧力を表している曲線との間の偏差、単独の項log Pm(α)がS13を超えないこと(log Pm(α)<S13)、−偏差log Pm(α)−log Pe(α)がS14を超えないこと(log Pm(α)−log Pe(α)<S14)、比log Pm(α)/log Pe(α)がS15を超えないこと(log Pm(α)/log Pe(α)<S15)、によって閾値を定めることができる
一実施形態によれば、実験変数とモデル化されている変数との間の全てで比が成立するように、特に互いに相殺するおそれのある変数については、1つまたはいくつかの定数項(この場合はP0mとP0e)によって式を調整することによって比の不安定さを減少させる。さらに変数の間の厳密な非線形性を保障できるようになる。例えば次にようにする。
【0076】
【数7】

【0077】
これらの項は、予測された変数の関数として推定によって求められる。
【0078】
有利な方法では、1つの変数では使用されず、どちらかといえば、例えばPとVのように、変数を組み合わせて使用される。
【0079】
最後に、局所的な変動の衝撃を限定するために、角度αについて記録されている変数だけでなく、特定の角度範囲(閾値を超えることを予測するために必要な最短期間と同じ程度)でのこれらの変数の予測値と閾値との比較が興味深い。P(−1)P(0)P(+1)などの、3つの角度計測値が連続して取得された場合、点0でのPの予測値は、[P(−1)P(0)P(+1)]の平均値、それらの中央値、それらの最大値、またはこれらの値の重み付けとの任意の組み合わせによって得ることができる。これは、たとえば、微分の計算に役立つ。この計算は、再帰的に、つまり点0で点−1における[P(−2)P(−1)P(0)]の先行する計測値を再使用することによって、実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
このように、図2に関連して説明したエンジン10の機能時に、シリンダ圧力の計測手段46aはシリンダ12内のこの圧力の傾向を記録する。この情報は信号の形態で電線52を通してエンジンコンピュータ48に送られる。このコンピュータ48は、たとえば、各クランク角度の位置で、物理モデルによってシリンダ圧力を予測して、モデル化されているシリンダ圧力と計測されたシリンダ圧力とを例えば閾値を使用して比較する。この比較によって、エンジンコンピュータ48は、燃焼室14内でランブル型の異常燃焼の開始の存在を判断することができる。それから、エンジンコンピュータ48は、圧力下で燃料供給手段16を使用した制御命令を、導体54を介して送信する。制御命令によって、このランブル型の異常燃焼が後に続くサイクル中に発生しないように、噴射パラメータが修正される。
【0081】
したがって、本発明によれば、過早着火の検出は、過早着火の開始時からから実施される。また、実時間で過早着火の進行を定量化し、特徴付けることができる。検出は、各エンジンサイクルの任意のクランク軸角度について実施することができる。したがって、過早着火がエンジン10に対して深刻な熱力学的状態の原因となる十分前に行われる。また、本発明は、一方ではこの過早着火が深刻かどうかを判断することを可能にし、他方では検出と同じサイクル内で過早着火を解消したり緩和したりする。検出は、シリンダ圧力に関連している複数の信号と、通常の燃焼の場合、つまり過早着火を伴わない場合にこれらと同じ信号について得られた値に対応しているモデル化されている複数の信号との比較に基づいており、各エンジンサイクルの各クランク軸角度について比較しており、したがって非常に正確に現象を検出、定量化し、素早く対応をすることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 内燃エンジン
12 シリンダ
14 燃焼室
16 燃料供給手段
18 燃料インジェクタ
20 摺動弁
22 吸気手段
24 吸気手段の弁
26 吸気管
28 排気手段
30 排気手段の弁
32 排気管
34 点火手段
36 排気コレクタ
38 排気ライン
40 過給装置
42 作動ステージ
44 圧縮ステージ
46a シリンダ圧力の計測手段
46b 吸気圧力の計測手段
48 計算と制御のユニット
50 導体
52、53 電線
54 導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火が制御されている過給内燃エンジンの燃焼を制御する方法であって、前記エンジンの少なくとも1つのシリンダ(12)の燃焼室(14)内の異常燃焼を前記シリンダ(12)内の圧力Pm(α)の連続計測によって検出する方法において、
クランク軸の回転の角度の関数として、過早着火現象を伴わない1つの燃焼の範囲内において前記シリンダ(12)内の前記圧力の進行を表す物理モデルを選択するステップと、
前記物理モデルと吸気圧力の計測値とからシリンダ圧力Pe(α)を予測するステップと、
前記シリンダ圧力の前記計測値を使用して計算された変数の少なくとも1つの第1の値と、前記シリンダ圧力の前記予測値を使用して計算された前記変数の少なくとも1つの第2の値とを比較することによって、異常燃焼の開始を検出するステップと、
いくつかの定められたクランク軸角度でステップb)とステップc)とを繰り返すことによって、過早着火の大きさを特徴付けるステップと、
前記燃焼室(14)内で検出された前記異常燃焼の進行を前記過早着火現象の大きさによって制御するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記物理モデルは前記シリンダ(12)内の前記圧力の傾向を前記吸気圧力と前記シリンダ(12)の前記燃焼室(14)の容積との関数として表されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
燃料、水、または炭化水素を含んでいる薬品の前記燃焼室(14)内への導入によって前記異常燃焼の進行を制御する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記燃焼室(14)の内側で圧力を低下させることによって前記異常燃焼の進行を制御する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記燃焼室(14)の内側で圧力を低下させるように少なくとも1つの追加弁を開くことによって前記異常燃焼の進行を制御する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記燃焼室(14)の内側で圧力を低下させるように弁(24、30)の少なくとも1つを開くことによって前記異常燃焼の進行を制御する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記変数はシリンダ圧力勾配であって、前記異常燃焼の開始は前記勾配の符号を解析することによって検出される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記変数は、シリンダ圧力勾配、エネルギー放出、新しい混合気の温度、シリンダ圧力の対数から選択される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
いくつかの計測された変数と予測された変数とを比較する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記計測された変数と前記予測された変数とは複数の閾値を使用して比較される、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6D】
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【図7】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2010−71284(P2010−71284A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212869(P2009−212869)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】