説明

内燃機関の制御装置

【課題】昇圧能力は低減させずに、最大電流値の低減と定電流化を実現した内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ電源VBの電圧を昇圧する昇圧コイル101と、該昇圧コイル101への通電及び通電停止の切替えを行う昇圧スイッチ素子106と、昇圧スイッチ素子106に流れる電流を検出する電流検出手段126と、を備え、スイッチ素子の切替えを繰返すことにより昇圧制御をし、昇圧コイル101で昇圧された電圧をダイオード104を介して昇圧コンデンサ103に充電する内燃機関の制御装置100であって、制御装置100は、昇圧制御において、検出された電流が、スイッチング停止電流値に到達したときに、昇圧スイッチ素子106に、昇圧コイル101への通電停止をさせ、通電停止の時点から所定の設定時間Tdownの経過後に、スイッチ素子106に、昇圧コイル106への通電をさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、車両用内燃機関の気筒内直接噴射型インジェクタのための電源装置等、バッテリ電源の電圧を昇圧した高電圧を用いて負荷を駆動することに用いられるに好適な内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンや軽油等を燃料とする内燃機関として、燃費向上を図るため、圧縮行程時に気筒内に燃料をインジェクタ(燃料噴射弁)によって、直接噴射する気筒内直接噴射方式の内燃機関が知られている。気筒内直接噴射方式の内燃機関では、微粒化した燃料が点火プラグの周辺にのみ存在して燃焼を成立し、その周辺の空気はシリンダ壁との断熱、燃焼時のエネルギによる熱膨張よるピストン押し下げの役割を果す成層燃焼を実現でき、吸気行程時に燃料を噴射する「ポート噴射」と「予混合燃焼式」の組み合わせによる内燃機関に比べ、熱損失の低減を図ることができ、結果として省燃費となる。
【0003】
気筒内直接噴射を行う方式の内燃機関の場合、圧縮過時程に燃料をインジェクタより噴射するため、高圧に加圧された燃料を使用する必要があり、燃料圧力の高圧化に伴いインジェクタの開弁動作に高いエネルギを要する。また、制御応答性を向上させ、高速回転に対応するためには、この高いエネルギを短時間にインジェクタに供給する必要がある。
【0004】
気筒内直接噴射方式(直噴インジェクタ)の電源回路の従来例を、図15を参照して説明する。電源回路は、バッテリ電源1の電圧VBよりも高い電圧Vbstに昇圧する昇圧回路10を有し、当該昇圧回路10が発生する昇圧電圧Vbstによりインジェクタ3への通電電流を短時間に上昇させる方式を採用している(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
代表的な直噴インジェクタの電流波形は、図16に示すインジェクタ電流Ainjである。インジェクタ電流Ainjは、通電初期のピーク電流通電期間t1に、昇圧電圧Vbstを使って予め定められたピーク電流a1まで短時間に上昇する。このピーク電流a1は、吸気行程時に空気と燃料の混合気体をシリンダ内に導入する方式の場合と比較して、5〜20倍程度大きいものである。
【0006】
ピーク電流通電期間t1終了後、インジェクタ3の電源電圧は、昇圧電圧Vbstからバッテリ電源電圧VBへ移行し、インジェクタ電流Ainjはピーク電流a1の1/2〜1/3程度の保持電流a2に低下する。その後、インジェクタ電流Ainjは、更に、保持電流a2の2/3〜1/2程度の保持電流a3になる。
【0007】
インジェクタ3は、ピーク電流a1と保持電流a2によって開弁し、燃料を気筒内に噴射する。ピーク電流a1から保持電流a2へ移行する時間は、インジェクタ3の磁気回路特性や燃料噴霧特性、インジェクタ3に燃料を供給するコモンレールの燃料圧力、内燃機関に要求された動力によって決まる。
【0008】
省燃費を図るためには、燃料噴射量を精密に制御する必要がある。このことに対して、インジェクタ3の閉弁が速やかに行われるべく、インジェクタ電流Ainjの通電電流下降期間t2を短縮し、インジェクタ電流Ainjを速やかに降下させる必要がある。更に、ピーク電流a1から保持電流a2へ移行する過程や、保持電流a2からそれより小さい保持電流a3へ移行する過程でも、短時間に電流を降下させる必要がある。
【0009】
しかし、インジェクタ3には、インジェクタ電流Ainjが流れていることで高いエネルギが蓄積されており、電流を下降させるには、このエネルギをインジェクタ3から消滅させることが必要である。これを短時間の通電電流下降期間t2内で実現させるために、インジェクタ3の駆動回路4の駆動素子でツェナーダイオード効果を使用してエネルギを熱エネルギに変換する方式や、インジェクタ電流Ainjを電流回生ダイオード8を通じて、昇圧回路10の昇圧コンデンサ13に回生させる方式等、様々な方式が従来より取られている。
【0010】
熱エネルギに変換する方式では、駆動回路4を簡略化することができるが、インジェクタ3の通電エネルギを熱エネルギに変換させるので、大電流の駆動回路には適していない。これに対し、昇圧コンデンサ13に回生させる方式では、インジェクタ3に大電流を流しても駆動回路4の発熱を比較的抑えることができ、当該方式は、インジェクタ3への通電電流が大きい軽油を使用する直噴インジェクタを使用した内燃機関(「コモンレール式エンジン」と呼ばれることもある)や、燃料にガソリンを使用する気筒内直接噴射型インジェクタを使用した内燃機関でも広く使用される。
【0011】
これらの用途で使用される昇圧回路10は、駆動回路4が昇圧電圧Vbstを使ってインジェクタ3に対しインジェクタ電流Ainjの通電を行う。その結果、図16に示すように、昇圧電圧Vbstが昇圧開始電圧b1以下に低下したことを電圧検出部21が検出すると、昇圧制御部29が昇圧動作を開始する。昇圧動作を開始すると、昇圧制御部29は、昇圧スイッチ素子16を通電させるための昇圧制御信号(c)をローからハイにする。これにより、昇圧コイル11にバッテリ電源1から電流が流れ、昇圧コイル11にエネルギが蓄積される。昇圧コイル11に流れる電流は、シャント抵抗通電電流Ashuとしてシャント抵抗素子(昇圧スイッチング電流検出抵抗素子)12によって電圧に変換され、電流検出回路26によって検出される。
【0012】
シャント抵抗通電電流Ashuが所定のスイッチング停止電流e1に到達すると、昇圧制御部29は、昇圧スイッチ素子16の開閉を制御する昇圧制御信号(c)をハイからローにし、シャント抵抗通電電流Ashuを遮断する。これにより、昇圧コイル11に流れている電流は、昇圧スイッチ素子16を経由して電源グランドへ流れることができなくなり、昇圧コイル11のインダクタンス成分によって蓄えられたエネルギは高電圧を発生する。
【0013】
そして、この電圧が、昇圧コンデンサ13に蓄えられた昇圧電圧Vbstと充電ダイオード14の順方向電圧を加えた電圧より高くなると、昇圧コイル11に蓄えられたエネルギが、充電ダイオード14を経由して充電電流Achaとして昇圧コンデンサ13に移行する。
【0014】
この際、充電電流Achaは、昇圧スイッチ素子16が遮断する直前に昇圧コイル11に流れていたスイッチング停止電流e1から、昇圧コンデンサ13へのエネルギ移行に伴って急速に減少する。
【0015】
昇圧電圧Vbstを検出する電圧検出部21が、上記の動作により上昇した昇圧電圧Vbstが所定の昇圧停止電圧b2に満たないことを検出する場合には、昇圧制御部29は、充電電流Achaを検出することなく、予め定められた昇圧スイッチング周期(一定のパルス幅)t4に従って、昇圧スイッチ素子16を通電させるために昇圧制御信号(c)をローからハイにする。この動作は、昇圧電圧が所定の昇圧停止電圧b2になるまでの昇圧復帰期間t3に従って繰り返される。
【0016】
以上のように、シャント抵抗通電電流Ashuを検出して、所定のスイッチング停止電流e1以上にならないように制御する昇圧回路10は、シャント抵抗通電電流Ashuを検出せずに、予め決められた時間(昇圧制御信号(c)をローからハイにする期間を一定時間とした周期)によって制御する昇圧回路に比べ、シャント抵抗通電電流Ashuを低く抑えることができる。これにより、昇圧スイッチ素子16、昇圧コイル11、充電ダイオード14からの発熱を最小限に抑えることができる。
【0017】
また、昇圧スイッチ素子16の上流側の電流をモニタし、当該電流が所定の電流値まで降下すると、昇圧制御部29が、昇圧スイッチ素子16の開閉を制御する昇圧制御信号(c)をローからハイに切替えるよう構成された電源回路が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2001−55948号公報
【特許文献2】特開2009−22139号公報
【特許文献3】特開2005−344603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、気筒内直接噴射型インジェクタを採用する場合には、電源回路に昇圧回路が用いられるのが一般的であるが、昇圧回路は、吸気行程時に空気と燃料の混合気体をシリンダ内に導入する方式と比較して、5〜20倍程度大きな電流を扱うことになり、回路全体の温度上昇を伴う電子部品の寿命低減、ノイズの増大、要放熱構造となり、コストアップに繋がる。
【0020】
また、図15に示す電源回路であっても、昇圧スイッチング周期t4により昇圧制御を行うが、昇圧スイッチ素子の遮断された時点(昇圧コイルに通電される電流の下降開始)から、通電を開始する(昇圧コイルに通電される電流の上昇開始)までの時間に基づく制御ではないため、上に示す課題を充分に解決できるとはいえない。
【0021】
また、特許文献3に記載の電源回路では、電流の下限値を検出すべく、昇圧スイッチ素子16の上流側の電流を検出する回路が必要となり、且つその検出回路や昇圧制御部29は、電源電圧から昇圧電圧Vbstの高電圧に対応する必要があり、耐圧や検出精度を考慮する必要が生じる。
【0022】
本発明は、前記解決しようとする課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、昇圧能力は低減させずに、最大電流値の低減と定電流化を安価に実現することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0023】
加えて、昇圧回路の定電流制御方式を成立させるため、昇圧スイッチ素子のばらつきや昇圧起動時の電流立下り傾き等の不安条件下で大電流が流れた場合でも、安定した昇圧動作を保証し、また、過電流発生時にも素子破壊を回避する保護回路を含む内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成するために、本発明による内燃機関の制御装置は、バッテリ電源の電圧を昇圧する昇圧コイルと、該昇圧コイルへの通電及び通電停止の切替えを行う昇圧スイッチ素子と、該昇圧スイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記スイッチ素子の切替えを繰返すことにより昇圧制御をし、前記昇圧コイルで昇圧された電圧をダイオードを介して昇圧コンデンサに充電する内燃機関の制御装置であって、該制御装置は、前記昇圧制御において、前記検出された電流が、スイッチング停止電流値に到達したときに、前記昇圧スイッチ素子に、前記昇圧コイルへの通電停止をさせ、該通電停止の時点から所定の設定時間経過後に、前記昇圧スイッチ素子に、前記昇圧コイルへの通電をさせることを特徴とするものである。
【0025】
本発明によれば、バッテリ電源から、昇圧スイッチ素子を通電することで、昇圧コイルにスイッチング電流を通電し、該スイッチング電流が予め設定されたスイッチング停止電流値に到達したことを検出することにより、該昇圧スイッチ素子の通電を停止させることで、該スイッチング電流を下降させる時に、該昇圧コイルに発生する高電圧を、充電ダイオードを通して昇圧コンデンサに充電するといった一連の昇圧動作を繰り返し実行することができる。
【0026】
そして、昇圧制御中の通電停止の時点からの経過時間(電流立下り時間)を定めた時間制御により、昇圧コイルに流れる電流の下降する量を制御することができ、例えば零アンペアまで降下せずに、予め設定した電流値範囲で昇圧動作を繰り返し実行することができる。
【0027】
また、昇圧回路中に流れる電流の下限値を時間で管理することにより、電源電圧から昇圧電圧の高電圧部分の電流検出回路を必要とする電流検出方式とは異なり、このような昇圧コイル上流側の高圧部分に流れる電流の下限値の検出回路の追加を必要とせずに、安価に昇圧制御を行うことができる。
【0028】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記スイッチング停止電流値を変更する切替スイッチを備えることがより好ましい。
【0029】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、設定時間を変更する設定時間変更手段を備え、前記設定時間変更手段は、前記設定時間を、前記通電停止の時点から前記昇圧コイルに流れる電流を零アンペアまで降下させない(所定の目標電流値に収まるように下降させる)第一の設定時間に設定する第一の時間設定手段と、前記設定時間を、前記通電停止の時点から前記昇圧コイルに流れる電流を零アンペアまで降下させる第二の設定時間に設定する第二の時間設定手段と、前記第一の設定時間と第二の設定時間を切替える時間切替手段と、備えることがより好ましい。
【0030】
別の態様では、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記設定時間変更手段が、低周波クロック信号又は高周波クロック信号に基づいて、前記設定時間を変更することがより好ましい。これにより、昇圧スイッチ素子の駆動周波数を可変に設定できる。
【0031】
さらに、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記昇圧コイルで昇圧された電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記検出された電圧が低下して、所定の昇圧開始電圧に到達したときに、前記昇圧制御を開始し、前記検出電圧が上昇して、所定の昇圧停止電圧に到達したときに、前記昇圧制御を終了することが好ましく、前記昇圧停止電圧の値を変更する電圧切替えスイッチを備えることがより好ましい。
【0032】
このように、本発明によれば、昇圧回路中に流れる電流の下限値を0Aまで降下させないことにより、昇圧回路を流れる電流の上限値と下限値の電流値の差を最小限に抑え、昇圧回路を流れる電流の単位時間当たりの電流値変化を最小限に抑えることができる。この場合、ある程度の自由度を持たせるために、昇圧制御回路の仕様は、昇圧スイッチ素子のスイッチング周波数とオン時間を可変とし、昇圧電圧値、電流波形を任意に設定できるものであり、昇圧制御回路の外部からその設定を行うことができる。
【0033】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、昇圧スイッチ素子が複数個並列に接続されていることがより好ましく、これにより、昇圧スイッチ素子に流れる電流量を分配することができる。
【0034】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記検出された電流に基づいて、前記昇圧スイッチ素子の切替えをすることにより、前記昇圧コイルに流れる電流を制限する制限保護回路を有することがより好ましく、前記保護回路は、前記検出された電流に基づいて、前記昇圧用コイルに流れる電流が過電流であることを検出する過電流検出回路を備え、該過電流検出回路の検出結果に基づいて、前記昇圧スイッチ素子の切替えを制御することが好ましい。さらに、前記過電流検出回路が、過電流を検出した場合には、前記時間切替手段が、前記第一の設定時間から、第二の設定時間に、前記設定時間を切替えることがより好ましい。
【0035】
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記検出された電流が、前記スイッチング停止電流値に到達したことを検出する検出回路と、該検出回路の出力信号及び前記過電流検出回路の出力信号に基づいて、前記設定時間の切替の判定を行う切替判定回路と、前記検出回路から前記切替判定回路に入力される前記出力信号の入力タイミングを、所定時間遅らせて、前記切替判定回路に入力するウェイト時間生成回路と、を備え、前記切替判定回路の判定結果に基づいて、前記時間切替手段が、前記設定時間の切替を行うことがより好ましい。
【0036】
本発明による内燃機関の制御装置は、加えて、従来から知られている電流検出回路に過電流検出保護回路を追加することで、昇圧スイッチ素子のばらつき等の不安定条件下で大電流が発生した場合には、昇圧スイッチ素子の駆動信号のオフ時間を切り替え、昇圧スイッチ素子に流れる電流を低減させることができる。
【0037】
また、発明に係る内燃機関の制御装置は、前記過電流を検出した際に、該制御装置が異常である信号を出力する診断手段を備えてもよい。
【0038】
また、本発明による内燃機関の制御装置は、前記昇圧スイッチ素子と、該昇圧スイッチ素子の前記切替えを行うためのパルス状の出力信号を生成する駆動信号生成回路と、の間に、発熱抑制用のスイッチ素子をさらに備えることがより好ましい。発明によれば、昇圧スイッチ素子の上流にスイッチ素子を挿入することで、昇圧スイッチ素子の発熱を抑制することができる。
【0039】
また、本発明による内燃機関の制御装置は、前記駆動信号生成回路の出力信号を反転又は非反転に切替える切替回路を有することがより好ましく、前記駆動信号生成回路の出力信号を、前記出力信号の切替タイミングで、プルアップもしくはプルダウンさせることがより好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明による内燃機関の制御装置によれば、駆動電流の最大値を低減することによって、従来よりも昇圧回路の発熱を低減することができると共に、単位時間当たりの電流値変化量を低減することにより、ノイズの発生頻度を抑制することができる。昇圧回路中に流れる電流の下限値を時間で管理することにより、電源電圧から昇圧電圧の高電圧部分の電流検出回路を必要とする電流検出方式とは異なり、このような昇圧コイル上流側の高圧部分に流れる電流の下限値の検出回路の追加を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の実施例1〜4を総括して示すブロック図。
【図2】実施例1による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図3】図1に示す昇圧コイル電流の波形の部分拡大図。
【図4】実施例2による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図5】実施例3による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図6】実施例4による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図7】本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の実施例5を示すブロック図。
【図8】実施例5による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図9】本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の実施例6を示すブロック図。
【図10】実施例6による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図11】実施例6による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図12】実施例6による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図13】本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の実施例7を示すブロック図。
【図14】実施例7による昇圧電源装置の作用を示すタイムチャート。
【図15】内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の従来例を示すブロック図。
【図16】従来例の内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の作用を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)の実施形態を、図を参照して説明する。
(実施例1)
本発明による内燃機関の制御装置(昇圧電源装置)を定電流昇圧方式のインジェクタ用電源回路として適用した実施例1を図1、図2、及び図3を用いて説明する。
【0043】
図1に示されているように、本実施例による昇圧電源装置は、バッテリ電源1とその電源グランド2によって電源供給を受ける昇圧回路100を有する。インジェクタ3の駆動回路4は、昇圧回路100で高電圧に昇圧された昇圧電圧Vbstを使ってインジェクタ3を駆動する。
【0044】
昇圧回路100は、バッテリ電源1の電圧VBを昇圧するためのインダクタンス成分を持った昇圧コイル101を有する。昇圧コイル101は、昇圧制御信号(c)によりオン・オフする昇圧スイッチ素子106により通電/遮断される。すなわち、昇圧スイッチ素子106は、昇圧コイル101への通電及び通電停止の切替えを行うものである。昇圧スイッチ素子106をマイナスサージから保護するために、寄生ダイオード105が昇圧スイッチ素子106と並列に存在する。
【0045】
昇圧回路100は、昇圧コイル101から昇圧スイッチ素子106に流れる電流(シャント抵抗通電電流Ashu)を検出するシャント抵抗素子102と、昇圧スイッチ素子106を遮断することによって昇圧コイル101に蓄えられたエネルギが発生させる高電圧を昇圧コンデンサ103に充電させる回路と、昇圧コンデンサ103からバッテリ電源1への逆流を防止する充電ダイオード104とを有する。
【0046】
更に、昇圧回路100は昇圧制御回路120を有する。昇圧制御回路120は、昇圧制御部129と、昇圧制御タイミング生成部(設定時間変更手段)122と、電圧検出部(電圧検出手段)121と、電流モニタ回路(電流検出手段)126から構成されている。
【0047】
ここで、電圧検出部(電圧検出手段)121は、昇圧コイル101で昇圧された電圧Vbstを分圧抵抗107を介して分圧した電圧Vsを検出するものである。また、電流検出回路(電流検出手段)126は、昇圧スイッチ素子106に流れる電流を検出するものであり、具体的には、シャント抵抗素子102に流れる電流を検出している。
【0048】
制御回路5は、低周波発振器6により生成される昇圧基本クロックと、高周波発振器7により生成される高周波クロック信号を入力し、昇圧制御タイミング生成部(昇圧タイミング制御回路)122へ信号を出力する。
【0049】
通常の昇圧動作は、駆動回路4が昇圧電圧Vbstの印加によってインジェクタ3に対しインジェクタ電流Ainjの通電を行う。昇圧電圧Vbstが昇圧開始電圧b1以下に低下したことを電圧検出部121が検出すると、昇圧制御部129が昇圧動作(昇圧制御)を開始する。昇圧動作開始後、昇圧制御部129は、昇圧スイッチ素子106を通電させるための昇圧制御信号(c)をローからハイにする。これにより、昇圧コイル101にバッテリ電源1から電流が流れ、昇圧コイル101にエネルギが蓄積される。
【0050】
昇圧コイル101に流れる電流はシャント抵抗素子102を流れる。この電流は、電流モニタ回路126によって電圧に変換され、電圧値による電流信号(p)として比較器131に入力される。比較器131は、基準電圧(スイッチング停止電流値)と電流信号(p)とを比較し、電流信号(p)が基準電圧未満の場合にはハイ信号を昇圧制御部129に出力し、電流信号(p)が基準電圧以上の(検出された電流が、スイッチング停止電流値に到達した)場合にはロー信号を昇圧制御部129に出力する。これにより、昇圧制御部129が、昇圧スイッチ素子102に、前記昇圧コイルへの通電停止をさせる。
【0051】
比較器131の基準電圧は、閾値切替スイッチ127によって電圧レベルを変更することが可能である。これにより、スイッチング停止電流の値を変更することが可能である。
【0052】
具体的には、図2に示されているように、比較器131の基準電圧を第一電圧閾値から第二電圧閾値に切り替える(すなわちスイッチング停止電流値(電流閾値)を切替える)と、電流信号(p)の上限値は、第一の電流信号上限値p1から第二の電流信号上限値p2へ変化する。
【0053】
これに伴い、昇圧コイル電流Acolの上限値も変化し、第一電圧閾値における昇圧コイル電流上限値d2は、閾値切替スイッチ127を切り替えることによって、第二電圧閾値における昇圧コイル電流上限値d4へ変化する。第一電圧閾値における昇圧コイル電流下限値d1と第二電圧閾値における昇圧コイル電流下限値d3も同じく、昇圧時の昇圧コイル電流Acolの振幅は保持されるため、両者は上位にシフトする。また、同じく、昇圧スイッチ素子106の電流Aswの上限値もf1からf2に変化する。
【0054】
閾値切替スイッチ127による電圧閾値切り替えは、制御回路5からスイッチ切替信号(g)を入力することにより、外部信号より行うことが可能になっている。
【0055】
昇圧制御における昇圧コイル電流Acolの立下りは、時間で管理する場合と、電流で管理する場合とがある。
【0056】
時間管理の場合は、図3に示すように、昇圧コイル電流Acolが昇圧コイル電流上限値に到達した後(スイッチ素子電流Asw(検出された電流)が所定の値に到達した後)、昇圧制御部129が昇圧制御信号(c)をハイからローに切り替えることにより、昇圧スイッチ素子106がオフ状態(通電停止状態)になり、昇圧コイル電流Acolが降下を始める。このとき、通電停止の時点(タイミング)からの経過時間を設定する(設定時間Tdownを設定する)。この設定時間Tdownは、通電停止後の昇圧コイル電流Acolに流れる電流の立下り特性により予め設定された時間である。この立下りの電流特性は、電流立下りの時間変化であり、通電停止後に所定の目標となる電流値まで立ち下がる時間であり、実験又は解析等により予め定めることができる。そして、昇圧制御タイミング生成部122の第一カウンタ123により通電停止の時点から予め設定した時間(所定の設定時間)Tdownがカウントされ、この所定の設定時間Tdownが経過すると、再び、昇圧制御信号(c)をローからハイに切り替え、昇圧スイッチ素子106をオンさせる(昇圧スイッチ素子に昇圧コイルへの通電をさせる)ように、時間で管理する。このような時間管理のもと、昇圧制御部129から出力される昇圧制御信号(c)により、昇圧スイッチ素子106に、昇圧コイル106への通電及び通電停止の切替えを繰返しさせる昇圧制御を行うことにより、連続的に昇圧動作を繰り返し実行できることが可能となる。この降下時間(設定時間)は可変であり、昇圧コイル電流下限値d1あるいはd3が0Aまで降下しない範囲で時間の変更が可能である。
【0057】
これにより、昇圧回路100を流れる電流の上限値と下限値の電流値の差を最小限に抑え、昇圧回路100を流れる電流の単位時間当たりの電流値変化を最小限に抑えることができる。
【0058】
また、昇圧制御時における通電停止の時点からの時間Tdownを設定し、これにより、昇圧回路中に流れる電流の下限値(昇圧コイル電流Acolの立下り)を設定時間Tdownで管理することで、昇圧コイル106に流れる昇圧コイル電流Acolを制御することができる。さらには、電源電圧から昇圧電圧の高電圧部分の電流検出回路を必要とする電流検出方式とは異なり、昇圧スイッチ素子106の上流側に流れる電流の下限値を検出する検出回路の追加を必要としない。
【0059】
電流管理の場合は、昇圧コイル電流Acolの電流値をモニタする手法と同じ手法を用いて、昇圧コイル電流Acolをスイッチ素子106の上流でモニタすることにより、予め設定した昇圧コイル電流下限値d1あるいはd3まで昇圧コイル電流Acolが降下したことを検出すると、再び昇圧制御信号(c)をローからハイに切り替え、昇圧スイッチ素子106をオンすることで、この場合も連続して、昇圧動作を繰り返し実行するような昇圧制御を行うことが可能となる。
【0060】
(実施例2)
実施例2では、昇圧電源装置が、図4に示されているように、昇圧制御タイミング生成部(設定時間変更手段)122により、昇圧駆動を繰返し実行する昇圧制御を行う際に、昇圧コイル電流下限値d5を0Aまで降下させない(所定の目標電流に収まるように下降させる)モード(実施例1に示すモード)と、0Aまで降下させるモードと、に切り替える場合を示す。
【0061】
実施例2では、図4に示されているように、昇圧制御タイミング生成部122が、実施例1(図3参照)の設定時間Tdownを、昇圧コイル電流下限値d5を0Aまで降下させないオフ時間k1とし、これを第一の設定時間としてカウントする第一カウンタ(第一の時間設定手段)123と、実施例1の設定時間Tdownを、昇圧コイル電流下限値d5を0Aまで降下させるまでのオフ時間k2として、これを第二の設定時間としてカウントする第二カウンタ(第二の時間設定手段)124とを備えている。さらに、これらのカウンタを選択的に切り替えることにより、第一の設定時間と第二の設定時間を切替えるカウンタ切替スイッチ(時間切替手段)128とが設けられている。
【0062】
この場合、カウンタ切替スイッチ128の切り替えのために、制御回路5からスイッチ切替信号(r)を入力することにより、モード切替を外部信号より行うことが可能になっている。
【0063】
カウンタ切替スイッチ128を第一カウンタ123に接続し、昇圧動作を開始した場合には、昇圧スイッチ素子106は、オフ時間(第一の設定時間)k1に従って昇圧動作を繰り返し、昇圧制御を行う。この場合昇圧コイル電流下限値d5が0Aまで降下しないようにカウンタ(時間)の設定を行っている。
【0064】
これに対し、カウンタ切替スイッチ128を第二カウンタ124に接続すると、昇圧スイッチ素子106は、オフ時間k1より長いオフ時間(第二の設定時間)k2に従って昇圧動作を繰り返し、昇圧制御を行うようになる。この場合、オフ時間k2はオフ時間k1よりも長く設定されることにより、昇圧コイル電流Acolの下限値は0Aまで降下する。
【0065】
昇圧コイル電流Acolの上限値d6については、カウンタ切替スイッチ128をどちらのカウンタに接続した場合でも、閾値切替スイッチ127を切り替えない限り変化しない。よって、第一カウンタ123から第二カウンタ124に切り替えた場合も、昇圧コイル電流Acolの上限値d6は変化が無い。
【0066】
以上より、昇圧コイル101に流れる電流は、0Aまで降下せずに、昇圧時の電流変化量が少ない定電流駆動と、昇圧コイル電流下限値が0Aまで降下する三角波駆動をカウンタ切替スイッチ128によって任意に変更することが可能である。
【0067】
また、第一の設定時間k1と第二の設定時間k2を切替えることにより、昇圧回路中に流れる電流の下限値(昇圧コイル電流Acolの立下り)を管理することで、昇圧コイル106に流れる昇圧コイル電流Acolの下降量を制御することができる。また、本実施例では、第一の設定時間k1と第二の設定時間k2を2つ定めて、これらを切替えたが、回路の発熱状態などに応じて、それ以上の設定時間をさらに設けてもよく、これらの設定時間を連続的に可変にしてもよい。
【0068】
(実施例3)
実施例3では、昇圧電源装置の昇圧回路100が、昇圧コイル電流Acolを0Aまで低下させ、図1に示されている低周波発振器6と高周波発振器7のクロック信号を用いて可変周期で昇圧動作を繰り返す場合を示す。
【0069】
具体的には、図5に示されているように、低周波発振器6により生成される昇圧基本クロック(低周波クロック)(h)を昇圧スイッチ素子106の駆動の1周期とし、昇圧コイル101の通電開始後、昇圧コイル電流Acolが予め設定された電流値d7に到達したことが電流検出回路130によって検出されると、昇圧制御信号(c)をハイからローに切り替え、昇圧スイッチ素子106をオフ状態にする。その後、昇圧コイル電流Acolを0Aに保持し、昇圧基本クロック(h)の1周期が経過した時点で、再び、昇圧制御信号(c)をローからハイに切り替え、昇圧スイッチ素子106をオン状態(通電状態)にする。このような一連の動作を繰り返すことによって目的とする昇圧電圧を獲得しているのは、これまでと同じ駆動方式である。
【0070】
これに対し、昇圧基本クロック(h)は用いず、高周波発振器7によって生成される高周波クロック(i)より昇圧通電タイミング信号(j)を生成し、昇圧コイル101の電流Acolの上限値は、上記電流検出によって行うことによって、繰り返し昇圧動作を行うことができる。
【0071】
このように、低周波発振器6と高周波発振器7(設定時間変更手段)により、低周波クロック(昇圧基本クロック)(h)の信号又は高周波クロック(i)の信号に基づいて、前記通電停止の時点から、前記昇圧コイルへの通電をさせるまでの前記所定時間を、可変にすることができる。
【0072】
そして、昇圧基本クロック(h)の周波数に対して、高周波クロック(i)の周波数は、N倍(但し、Nは1を含む整数倍)であり、この周波数の出力信号によって、昇圧通電タイミング信号(j)を生成することにより、昇圧スイッチ素子106の駆動周波数を可変設定することができる。
【0073】
この場合、昇圧基本クロック(h)による駆動では、昇圧駆動周期t11は昇圧基本クロック(h)と一致する。これに対し、高周波クロック(i)による昇圧通電タイミング信号(j)を用いて昇圧スイッチ素子106を駆動させる場合には、高周波クロック(i)のN倍の分解能をもって昇圧駆動周期t12を任意に変更することができる。
【0074】
(実施例4)
実施例4による昇圧電源装置の昇圧回路100は、昇圧電圧を可変設定する。実施例4では、図1に示されているように、昇圧電圧Vbstを分圧抵抗107によって分圧し、この分配によって得られる検出電圧Vsを、電圧検出部121の比較器132が、基準電圧と比較する。
【0075】
検出電圧Vsが基準電圧(昇圧停止電圧(図6に示す電圧閾値m2,m4)よりも高い場合には、昇圧制御部129に昇圧動作を停止する指令を出して、昇圧制御部129は、前述したスイッチ素子106による昇圧動作を停止させる。
【0076】
その後、インジェクタ3が開弁すると、昇圧電圧Vbstが降下を始める。そして、この昇圧電圧Vbstの低下により、昇圧電圧Vbstが、昇圧開始電圧b1まで到達したことを電圧検出部121が検出電圧Vsによって検出した場合(具体的には、検出電圧Vsが低下して昇圧開始電圧m1まで到達した場合)には、この検出結果に基づいて、昇圧制御部129は、前述如きスイッチ素子106への繰り返しの切替え制御(スイッチング制御)により、昇圧コイル101への通電/通電停止を繰り返しさせて、昇圧制御を行い、再び昇圧動作を開始させる。このような、昇圧動作の停止及び開始の一連の動作を繰り返すことによって、昇圧電圧Vbstを保持する作用が得られる。
【0077】
さらに、図6に示されているように、昇圧停止電圧の閾値を閾値電圧切替スイッチ125を使って第3閾値電圧(停止電圧)m2に設定した場合には、インジェクタ3の開弁によって低下した昇圧電圧Vbstを、昇圧停止電圧b2まで復帰(昇圧)すべく、昇圧制御部129は、昇圧スイッチ素子106に、昇圧コイル101への通電/通電停止を繰り返しさせる。
【0078】
この昇圧動作を実行している間に、昇圧停止電圧の閾値を閾値電圧切替スイッチ125を使って第4電圧閾値m4に切り替えると、一度、昇圧電圧Vbstは、昇圧停止電圧b2まで昇圧電圧を復帰する(昇圧される)が、次の電圧降下のタイミングで、第4電圧閾値m4に切り替わる。よって、昇圧電圧Vbstにおいて2回目の昇圧電圧降下のタイミングで、第4電圧閾値m4に切り替わっており、昇圧電圧Vbstは付随して昇圧停止電圧b4まで復帰する(昇圧される)。
【0079】
このように、本実施例では、昇圧電圧Vbstを可変にすることを、電圧検出部121の比較器132の基準電圧を閾値電圧切替スイッチ125によって切り替えることによって可能にしている。この閾値電圧切替スイッチ125の切り替えは、制御回路5がスイッチ切替信号nを出力することにより外部より行われる。
【0080】
(実施例5)
実施例5による昇圧電源装置の昇圧回路100は、図7に示されているように、昇圧スイッチ素子106を複数個並列に接続することにより、昇圧スイッチ素子1個当たりに流れる電流量を低減し、発熱を抑制している。なお、図7に示されている実施例は、昇圧スイッチ素子106を複数個並列に接続したこと以外は、図1の実施例と同一である。
【0081】
この実施例では、並列接続の複数個の昇圧スイッチ素子106が昇圧制御部129によって一斉に駆動される構成となっている。昇圧スイッチ素子106の通電時、電流は昇圧スイッチ素子106の上流側から昇圧スイッチ素子106を経由して電源グランドに流れ込む。その際、昇圧スイッチ素子106を複数個導入することにより、昇圧スイッチ素子106の個数分、電流は分割されて通電される。
【0082】
結果として、図8に示されているように、複数の昇圧スイッチ素子106に流れるスイッチ素子電流Aswの上限値f3は、昇圧スイッチ素子を1個使った場合のスイッチ素子電流Aswの上限値f1に比べて、低くなる。同じく、昇圧コイル電流Acolの上限値をd2からd4に変更した場合でも、電流はその個数分に分割されるので、スイッチ素子電流Aswの上限値はf2からf4に低下する。
【0083】
以上のことから、昇圧スイッチ素子106を複数個導入することによって、昇圧スイッチ素子1個当たりに通電される電流量が低減し、昇圧スイッチ素子106の発熱を抑制することができる。
【0084】
(実施例6)
実施例6による昇圧電源装置の要部を、図9を参照して説明する。本実施例の昇圧回路100は、電流モニタ回路126に過電流検出用の保護回路を追加している。その他の構成は図1に示されている実施例のものと同じである。
【0085】
通常、昇圧制御部129で生成された昇圧制御信号(c)によって昇圧スイッチ素子106がオンになると、昇圧コイル101が昇圧され、電流検出用のシャント抵抗素子102に通電電流Ashuが流れ、その電流は電流検出回路130によって検出される。
【0086】
検出された電流値(電圧)が、電流検出回路130により、検出された電流値に応じた検出電圧値(p)に変換される。この変換された検出電圧値(p)が第一の基準電圧V1(スイッチング停止電流値に相当する電圧)に到達した場合、第一の電圧検出回路201は、スイッチング停止電流値に相当する電圧到達したことを検出し、この検出結果の出力信号である第一の電圧検出信号(u)を出力する。この第一の電圧検出信号(u)は、ウェイト時間生成回路203、判定回路(切替判定回路)204を介して昇圧制御部129へ送られる。
【0087】
昇圧制御部129は、第一の電圧検出信号(u)を受け取る度に昇圧制御信号(c)をオフにする。実施例2と同様にして、昇圧制御信号(c)のオフ時間k1は、昇圧制御タイミング生成部122の内部カウンタによって時間カウントされる。
【0088】
ここで、図10に示すタイミングチャートを用いて本実施例による昇圧電源装置の作用について説明する。本装置のような定電流制御方式を実現させようとしたとき、つまり、シャント抵抗素子102に流れる電流Ashuをある一定の値に保持するためには、昇圧制御信号(c)のオフ時間k1を短くする必要がある。
【0089】
しかし、実際の回路では、昇圧コイル101や昇圧スイッチ素子106のオン抵抗やそれのばらつきなどで特性が変化し、昇圧制御部129で昇圧制御信号(c)が生成されてから昇圧スイッチ素子106がオンになるまでの遅延や、駆動能力のばらつきにより、昇圧制御信号(c)が完全にオフしない状態が生じる可能性がある。
【0090】
電流検出回路130の出力である電流信号(p)が示す電圧が第一の基準電圧V1よりも高いと、第一の電圧検出回路201が出力する第一の電圧検出信号(u)はハイに切り替わっているため、昇圧制御部129内のロジック信号(s)はローに切り替るが、昇圧制御信号(c)のオフ時間が短いため、シャント抵抗素子102に流れる電流Ashuは下がりきらない。このため、最終的にはシャント抵抗素子102に大電流が流れることになる。このように、大電流が流れ続けると、昇圧スイッチ素子106、昇圧コイル101、シャント抵抗素子102の発熱もしくは破壊につながる虞がある。
【0091】
図11は、本回路を用いたときの起動時のタイミングチャートである。前述した通り、昇圧制御部129で生成された昇圧制御信号(c)によって、昇圧スイッチ素子106がオンになり、シャント抵抗素子102に通電され、電流検出回路130より出力された電流信号(p)が示す電圧が第一の基準電圧V1に到達した場合、設定されたオフ時間k3の間、昇圧スイッチ素子106はオフすることになる。
【0092】
ここで、昇圧スイッチ素子106がオフされてから昇圧コイル101に流れる電流Acolが下がる傾きdi/dtは、バッテリ電源電圧VBと昇圧電圧Vbutと昇圧コイル101のインダクタンスLにより、di/dt=(VB−Vbut)/Lで表される。
【0093】
しかし、起動時の昇圧電圧Vbutは、バッテリ電源電圧VBよりも小さいため、起動時のdi/dtは、十分に昇圧されている状態よりも小さくなる。
【0094】
よって、起動時の昇圧コイル101の通電電流下降傾きは、昇圧スイッチ素子106をオフにしても、昇圧コイル101に流れる電流Acolは下がりにくくなり、図10と同様に、第一の基準電圧V1よりも高い電圧が出力されていて第一の電圧検出回路201が出力する第一の電圧検出信号(u)はハイに切り変わっているため、昇圧制御部129内のロジック信号(s)はローに切り替わるが、シャント抵抗素子102に流れる電流は下がりきらず、最終的にはシャント抵抗素子102に大電流が流れることになる。大電流が流れ続けると、昇圧スイッチ素子106、昇圧コイル101、シャント抵抗素子102の発熱もしくは破壊につながることになる。
【0095】
そこで、本実例では、検出電圧値が第二の基準電圧V2に到達した場合に、第二の電圧検出回路(過電流検出回路)201は、昇圧用コイルに流れる電流が過電流である検出結果の出力信号、つまり過電流検出信号(w)を出力し、この過電流検出信号(w)は、判定回路(切替判定回路)204に送られるように構成されている。また、過電流検出信号(w)は、診断回路205にも送られ、この診断回路205は、過電流検出信号(w)の出力に応じて、回路が異常状態にあることを示す信号DFを出力するように構成されている。
【0096】
そして、判定回路204の信号に基づいて、昇圧制御部129のロジック信号生成回路211は、昇圧制御信号(c)のベースとなるロジック信号を生成し、アナログ信号生成回路212は、このロジック生成信号から、昇圧スイッチ素子106を駆動させるアナログ信号である昇圧制御信号(c)を生成し、この生成した昇圧制御信号(c)を昇圧スイッチ素子106に出力するように構成されている。
【0097】
このように、構成することで、シャント抵抗素子102に大電流が流れた場合には、電流検出回路130で検出された電流信号(p)が示す電圧が第一の基準電圧V1を超え、第二の基準電圧V2に到達したとき、電流検出回路130の出力である電流信号(p)を入力し、第二の電圧検出回路202から過電流検出信号(w)を出力する。過電流検出信号(w)と第一の電圧検出回路201の出力である第一の電圧検出信号(u)は判定回路217に入力され、判定回路217による判定に応じて電流検出出力信号(y)が昇圧制御部129に入力される。
【0098】
過電流検出信号(w)がハイ(過電流である結果の出力信号)で判定回路204に入力された場合には、判定回路204は、過電流検出信号(u)を優先し、通常のオフ時間(第一の設定時間)k1から過電流時のオフ時間であるオフ時間(第二の設定時間)k2に設定時間を切り替え、昇圧制御信号(c)のオフ時間は通常よりも長くなる。結果的にシャント抵抗素子102に流れる電流Acolが下がる。これによって、昇圧スイッチ素子106、昇圧コイル101、シャント抵抗素子102の発熱もしくは破壊を防止することができる。
【0099】
このような過電流検出時における昇圧制御は、実施例2に示した昇圧制御タイミング生成部122を用いて、昇圧スイッチ素子106の切替を行うことができる。
【0100】
すなわち、図10及び11に示すように、昇圧制御において、過電流が検出されるまでは、昇圧コイル電流下限値を0Aまで降下させないオフ時間(第一の設定時間)k1に従って昇圧動作を行い、過電流が検出されたときは、昇圧コイル電流下限値d5を0Aまで降下させるまでのオフ時間を第二の設定時間k2に従って、昇圧コイル101に流れる電流を制限する(一次的に低下させる)。
【0101】
ところで、実際の電流検出回路130にはアナログ遅延があり、昇圧スイッチ素子106がオンになり、シャント抵抗素子102に電流を通電してから、ある程度の遅延後、電流信号(p)が立ち上がる。つまり、電流信号(p)が示す電圧が第一の基準電圧V1よりも高く、過電流検出をする所定の電圧V2まで到達している場合でも、アナログ遅延のため、第一の基準電圧V1に到達する方が先になるため、判定回路204では過電流検出信号(w)が入力される前に判定が行われ、電流検出出力信号(y)が出力される。このため、過電流時でも、昇圧制御信号(c)のオフ時間は切り替わることなく、大電流が流れ続けることになる。
【0102】
そこで、図12に示すように、電流信号(p)が示す電圧が第一の基準電圧V1を超えた場合、出力された第一の電流検出信号(u)の後段のウェイト時間生成回路(信号遅延手段)203により、第一の電流検出信号(u)と過電流検出信号過電流検出信号(w)とのタイミングを合わせるために、ある所定のウェイト時間Tw1をもたせる。これによって、過電流検出信号(w)が出力されるタイミングまで待ち状態になり、ウェイト時間Tw1後の検出信号、つまり第一の電流検出信号(u’)と過電流検出信号(w)とで判定される。
【0103】
また、この実施例においては、第二の電圧検出回路202が出力する過電流検出信号((w)が診断回路205に入力される構成となっている。これにより、過電流検出信号(w)が第二の電圧検出回路202より出力されると、診断回路205は診断フラグDFをハイレベルにし、電流モニタ回路126から異常信号を出力することが可能となる。
【0104】
(実施例7)
実施例7による昇圧電源装置の要部を、図13、図14を参照して説明する。図13に示されているように、本実施例では、昇圧スイッチ素子106の前段に、つまり、昇圧スイッチ素子106と昇圧制御部(駆動信号生成回路)129との間に、スイッチ素子219が設けられている。駆動信号生成回路129は、前述したような、昇圧スイッチ素子106の切替えを行うためのパルス状の出力信号を生成する回路である。
【0105】
スイッチ素子219は、ハイサイドとローサイドとにスイッチ素子219H、219Lを設置され、プッシュプル回路を構成している。スイッチ素子219として、ハイサイドにPchMOS、ローサイドにNchMOSあるいはnpnとpnpのバイポーラトランジスタか、IGBTを実装することになる。この素子構成は昇圧回路仕様によって最適なものが選択設定されればよい。
【0106】
昇圧制御部129は、反転回路と非反転回路を含むロジック信号生成回路211を有し、ロジック信号切替部(切替回路)221によって電流モニタ回路126よりの入力されたパルス信号の反転と非反転を行うことができる。すなわち、結果として、駆動信号生成回路の出力信号である昇圧制御信号を反転又は非反転に切替えることになる。ロジック信号切替部221は外部の切替信号(x)によって切り替え可能である。なお、スイッチ素子219を実装しない場合には、ロジック信号切替部221を使用しない場合もある。
【0107】
シャント抵抗素子102を流れる電流であるシャント抵抗通電電流Ashuを電流モニタ回路126によって検出し、当該シャント抵抗通電電流Ashuに基づくロジック信号(s)、つまり比較器131の出力信号(図1参照)が昇圧制御部129に入力される。昇圧制御部129に入力されてロジック信号(s)は、昇圧制御部129の内部回路によるロジック信号生成回路211を経由してアナログ信号生成回路212に渡される。アナログ信号生成回路212は、ロジック信号(s)を昇圧制御信号(c)に変換し、昇圧制御信号(c)を昇圧スイッチ素子106に入力する。
【0108】
前述の通り、本回路のような定電流制御方式を実現させようとしたとき、つまり、シャント抵抗素子102に流れるシャント抵抗通電電流Ashuをある一定の値に保持するためには、昇圧制御信号(c)のオフ時間を短くする必要がある。オフ時間を短くすると、昇圧スイッチ素子106の駆動スイッチング周波数が増加し、昇圧制御部129の発熱を増加させる傾向にある。
【0109】
このことに対して、図13に示されているように、昇圧スイッチ素子106とスイッチ素子219とを直列に設置することにより、スイッチ素子219で発熱させ、昇圧制御部129にかかる発熱量を低減することができる。この場合、昇圧制御部129の出力である昇圧制御信号(c)は、元信号を反転させた信号になる。そのため、ロジック信号生成回路211内にロジック信号切替部221が設けられ、ロジック信号(s)の反転または非反転をする。
【0110】
一般的に、ロジック信号生成回路211を動作させる電源は、バッテリ電源1の電圧VBよりも低い電圧(ロジック動作電圧)であり、この電圧をロジック動作電圧生成回路225が生成する。ロジック動作電圧はバッテリ電源電圧により生成するため、バッテリ電源1が起動してからロジック動作電圧生成回路225によってロジック動作電圧が生成されるのに遅延が生じる。つまり、図14に示されているように、ロジック動作可能タイミングt21からロジック動作開始タイミングt22の間の遅延時間TW2が生じる。
【0111】
しかし、上述のロジック信号切替部221を設け、かつロジック信号(s)を反転させた状態では、上述の遅延時間TW2の間、昇圧制御信号(c)はローのままとなり、昇圧スイッチ素子106に大電流が流れる可能性がある。
【0112】
そこで、図13に示されているように、プルアップ/プルダウン抵抗素子223,プルアップ/プルダウン切替回路224をアナログ信号生成回路212の後段に追加し、反転・非反転の切替タイミングで、ロジック信号生成回路211に同期して、昇圧制御信号(c)(駆動信号生成回路の出力信号)をプルアップもしくはプルダウンにすることにより、起動時に大電流が流れるのを防止している。
【0113】
上述の実施例による昇圧電源装置は、各機能を集積化した回路構成より可能としたもの、各機能を外部回路により可能としたもの、各機能をコンピュータプログラムの実行によるソフトウェアにより可能としたもののいずれによっても構成することができる。
【0114】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明による内燃機関の制御装置は、ガソリンや軽油等を燃料とする自動車、オートバイ、農耕機、工作機械、船舶機等において、バッテリ電圧を昇圧した高電圧を使って負荷を駆動するための電源装置として好適であり、特に、気筒内直接噴射型インジェクタのための昇圧電源装置として用いることができる。
【0116】
気筒内直接噴射型インジェクタは、ソレノイドを動力源とした電気的にインダクタンス成分を有するものだけでなく、ピエゾ素子を動力源とした電気的にコンデンサ成分を有するものを駆動し、これらによって低下した高電圧を昇圧回路のスイッチング動作により補充する方式にも適用することができるものである。
【符号の説明】
【0117】
1 バッテリ電源
3 インジェクタ
4 駆動回路
5 制御回路
6 低周波発振器
7 高周波発振器
100 昇圧回路
101 昇圧コイル
102 シャント抵抗素子
103 昇圧コンデンサ
104 充電ダイオード
105 寄生ダイオード
106 昇圧スイッチ素子
120 昇圧制御回路
121 電圧検出部
122 昇圧タイミング制御回路(昇圧制御タイミング生成部)
126 電流モニタ回路
128 カウンタ切替スイッチ
129 昇圧制御部
201 第一の電圧検出回路
202 第二の電圧検出回路
203 ウェイト時間生成回路
204 判定回路
211 ロジック信号生成回路
212 アナログ信号生成回路
219 スイッチ素子
224 プルアップ/プルダウン切替回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ電源の電圧を昇圧する昇圧コイルと、該昇圧コイルへの通電及び通電停止の切替えを行う昇圧スイッチ素子と、該昇圧スイッチ素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記昇圧スイッチ素子の切替えを繰返すことにより昇圧制御をし、前記昇圧コイルで昇圧された電圧をダイオードを介して昇圧コンデンサに充電する内燃機関の制御装置であって、
該制御装置は、前記昇圧制御において、前記検出された電流が、スイッチング停止電流値に到達したときに、前記昇圧スイッチ素子に、前記昇圧コイルへの通電停止をさせ、
該通電停止の時点から、所定の設定時間経過後に、前記昇圧スイッチ素子に、前記昇圧コイルへの通電をさせることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記スイッチング停止電流値を変更する切替スイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記設定時間を変更する設定時間変更手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記設定時間変更手段は、前記設定時間を、前記通電停止の時点から前記昇圧コイルに流れる電流を零アンペアまで降下させない第一の設定時間に設定する第一の時間設定手段と、前記設定時間を、前記通電停止の時点から前記昇圧コイルに流れる電流を零アンペアまで降下させる第二の設定時間に設定する第二の時間設定手段と、前記第一の設定時間と第二の設定時間を切替える時間切替手段と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記設定時間変更手段は、低周波クロック信号又は高周波クロック信号に基づいて、前記設定時間を変更することを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記昇圧コイルで昇圧された電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記検出された電圧が低下して、所定の昇圧開始電圧に到達したときに、前記昇圧制御を開始し、前記検出電圧が上昇して、所定の昇圧停止電圧に到達したときに、前記昇圧制御を終了することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記昇圧停止電圧の値を変更する電圧切替えスイッチを備えることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記昇圧スイッチ素子が複数個並列に接続されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項9】
前記検出された電流に基づいて、前記昇圧スイッチ素子の切替えを制御することにより、前記昇圧コイルに流れる電流を制限する保護回路を有することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項10】
前記保護回路は、前記検出された電流に基づいて、前記昇圧用コイルに流れる電流が過電流であることを検出する過電流検出回路を備え、該過電流検出回路の検出結果に基づいて、前記昇圧スイッチ素子の切替えを制御することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項11】
前記過電流検出回路が、過電流を検出した場合には、前記時間切替手段が、前記第一の設定時間から、第二の設定時間に、前記設定時間を切替えることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項12】
前記検出された電流が、前記スイッチング停止電流値に到達したことを検出する検出回路と、該検出回路の出力信号及び前記過電流検出回路の出力信号に基づいて、前記設定時間の切替の判定を行う切替判定回路と、前記検出回路から前記切替判定回路に入力される前記出力信号の入力タイミングを、所定時間遅らせて、前記切替判定回路に入力するウェイト時間生成回路と、を備え、前記切替判定回路の判定結果に基づいて、前記時間切替手段が、前記設定時間の切替を行うことを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項13】
前記過電流を検出した際に、該制御装置が異常である信号を出力する診断手段を備えることを特徴とする請求項10から12の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項14】
前記昇圧スイッチ素子と、該昇圧スイッチ素子の前記切替えを行うためのパルス状の出力信号を生成する駆動信号生成回路と、の間に、発熱抑制用のスイッチ素子をさらに備えることを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項15】
前記駆動信号生成回路の出力信号を反転又は非反転に切替える切替回路を有することを特徴とする請求項14に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項16】
前記駆動信号生成回路の出力信号を、前記出力信号の切替タイミングで、プルアップもしくはプルダウンさせることを特徴とする請求項15に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−229877(P2010−229877A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77442(P2009−77442)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】