説明

内燃機関の可変動弁機構

【課題】入力アームと出力アームとの相対回転方向位相差の変更に伴う調整部材の磨耗を抑制し、それに起因する機関バルブのリフト量変化を抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供する。
【解決手段】可変動弁機構は、カム(図示略)の回転に伴う入力アーム4の揺動を出力アーム5、6に伝達し、出力アーム5、6を揺動させることにより機関バルブ(図示略)を往復駆動するとともに、入力アーム4と出力アーム5、6との相対回転方向位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更する。この可変動弁機構において、入力アーム4と出力アーム5、6との間にそれらアームの回転方向位相差を調整するためのワッシャシム8を介在させるとともに、各アーム内部のスライダギアのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油の一部をワッシャシム8と各アーム4、5、6との摺動部分に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの最大リフト量を変更する内燃機関の可変動弁機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジン等の内燃機関では、出力や燃費、或いは排気性状等についてそれらの最適化を図るべく、吸気バルブ、排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を可変動弁機構により機関運転状態に応じて変更するようにしている。例えば、吸気バルブの最大リフト量を変更する場合にあっては、低回転低負荷域で吸気バルブの最大リフト量を小さくして吸入空気量を減少させる一方、高回転高負荷域で機関出力を確保すべく吸気バルブの最大リフト量を大きくして吸入空気量を増大させる。このように最大リフト量の変更を通じて吸入空気を調量する構成を採用することにより、スロットルバルブの開度変更を通じて吸入空気を調量する場合と比較して、ポンピングロスを減少させ、燃費の向上を図ることができるようになる。
【0003】
このように最大リフト量を変更するための可変動弁機構としては、従来、特許文献1に記載されるものが知られている。ここで、図6及び図7を参照してこの可変動弁機構について説明する。
【0004】
図6は、この可変動弁機構の内部構造を示している。図6に示されるように、この可変動弁機構200は支持パイプ220、コントロールシャフト230、入力アーム240、出力アーム250、260及びスライダギア270を備えている。支持パイプ220は、内燃機関のシリンダヘッド(図示略)に支持されており、その内部にはコントロールシャフト230が軸方向に往復動可能に挿入されている。また、支持パイプ220にはスライダギア270が外嵌され、更に出力アーム250、260が入力アーム240を挟むように位置してそれらアーム240、250、260がスライダギア270に外嵌されている。コントロールシャフト230は、その端部が図示しないアクチュエータに連結されており、同アクチュエータを通じてその軸方向に往復駆動される。
【0005】
入力アーム240は、コントロールシャフト230の径方向に延びる一対のアーム241a、241bと、これらアーム241a、241bの間にピン247によって回転可能に支持されたローラ242とを備えている。また、出力アーム250、260は、コントロールシャフト230の径方向に延びるノーズ251、261をそれぞれ備えている。
【0006】
また、スライダギア270の外周面にはそれぞれ歯すじの傾斜方向の異なる3つのヘリカルスプライン271、272a、272bが形成されている。これらヘリカルスプライン271、272a、272bのうち、コントロールシャフト230の軸方向において中央に位置するヘリカルスプライン271は入力アーム240の内周面に形成されたヘリカルスプライン243に嵌合されている。一方、その両側に位置するヘリカルスプライン272a、272bは出力アーム250、260の内周面に形成されたヘリカルスプライン252、262にそれぞれ嵌合されている。このように、入力アーム240及び出力アーム250、260は上記ヘリカルスプラインの嵌合によってスライダギア270と連結される。また、スライダギア270には、内周面に周方向に延びて形成された溝(図示略)が形成されている。スライダギア270は、支持パイプ220に形成された軸方向に延びる長孔(図示略)を貫通してコントロールシャフト230の外周面から突出する係止ピン(図示略)を、この溝に嵌め込む態様で、コントロールシャフト230の軸方向の変位に連動するように、コントロールシャフト230と連結される。また、ヘリカルスプライン271には、組み付けの際にこの係止ピンをスライダギア270の内部に挿入するための挿入孔273が形成されている。
【0007】
図7は、一対の吸気バルブ400(同図ではその一方のみを示す)並びにこれに対応して設けられた可変動弁機構200を示している。可変動弁機構200は、吸気カムシャフト300の回転運動による作用をロッカアーム500を介して吸気バルブ400へ伝達する仲介機構として、吸気カムシャフト300と吸気バルブ400との間に配設される。吸気バルブ400は、バルブスプリング600によって閉弁方向(図7の矢印C方向)に付勢され、そのステムエンド410がロッカアーム500の一端と当接している。ロッカアーム500は、一端がこのステムエンド410に、他端がアジャスタ700に下方から支持されており、その略中央にはピン510で回転可能に支持されたローラ520を備えている。出力アーム250、260(図7では出力アーム260のみを図示)は、その外周面がローラ520と当接しており、コントロールシャフト230の軸を中心に揺動したときに、ノーズ251、261(図7ではノーズ261のみを図示)がローラ520を押圧する。また、入力アーム240のローラ242は、吸気カムシャフト300に形成された吸気カム310のカム面と当接している。
【0008】
こうした状態で配設される可変動弁機構200において、吸気カム310の回転に伴って入力アーム240が揺動すると、その揺動はスライダギア270を介して出力アーム250、260に伝達され、出力アーム250、260が揺動する。その結果、出力アーム250、260のノーズ251、261はロッカアーム500を介して吸気バルブ400を押し下げ、同バルブ400が開弁する。また、コントロールシャフト230の軸方向の変位に連動してスライダギア270が軸方向に移動すると、入力アーム240と各出力アーム250、260とは、それぞれ異なる方向に回動する。すなわち、入力アーム240と出力アーム250、260との回転軸回りの相対回転方向位相差が変更されることとなる。その結果、入力アーム240の揺動量は同じであっても、出力アーム250、260のロッカアーム500に対する作用量が変化し、吸気バルブ400の最大リフト量が変更される。
【0009】
このように入力アーム240と出力アーム250、260とを歯すじの傾斜方向の異なるヘリカルスプラインを形成したスライダギア270を介して連結することによって、入力アーム240と出力アーム250、260の相対回転方向位相差を変更可能とし、吸気バルブ等、機関バルブの最大リフト量を変更することができるようになる。
【特許文献1】特開2001−263015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、出力アーム250、260及びスライダギア270のヘリカルスプラインの加工精度がそれぞれ異なることに起因して、出力アーム250、260をスライダギア270へ組み付けたときに、入力アーム240と出力アーム250、260との回転軸回りの位相が所望の位相からずれてしまうことがある。その結果、機関バルブの実際のリフト量と所望のリフト量との間にずれが生じるという問題が発生する。
【0011】
そこで入力アームと各出力アームとの間に調整部材を介在させ、スライダギアに対する各出力アームの相対的な組み付け位置を調整することにより、この組み付けにおける位相のずれを低減することが考えられる。
【0012】
しかしながら、このように入力アームと出力アームとの間に調整部材を介在させた可変動弁機構では、入力アームと出力アームとの相対回転方向位相差の変更に伴って、入力アームと調整部材との間、更に出力アームと調整部材との間において摺動摩擦による磨耗が生じることとなる。そして、この磨耗が進行すると、スライダギアに対する入力アームと出力アームとの相対的な組み付け位置が変化するために機関バルブのリフト量が変化し、設計どおりのリフト量が得られなくなってしまう。従って、入力アームと出力アームとの間に調整部材を介在させることによって使用初期における最大リフト量のずれについては解消することができるものの、その状態を長期間にわたって維持するという点ではなお改良の余地を残すものとなっている。
【0013】
この発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、入力アームと出力アームとの相対回転方向位相差の変更に伴う調整部材の磨耗を抑制し、それに起因する機関バルブのリフト量変化を抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、カムの回転に伴う入力アームの揺動をスライダギアを介して出力アームに伝達し、同出力アームを揺動させることにより機関バルブを往復駆動するとともに、これら各アームとそれぞれヘリカルスプラインにてスライダギアを嵌合させこれを前記各アームの揺動軸方向に変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対回転方向位相差を変更して前記機関バルブの開弁積分量を変更する内燃機関の可変動弁機構において、前記入力アームと前記出力アームとの間にそれらアームの回転方向位相差を調整するための調整部材を介在させるとともに、前記各アームと前記スライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油の一部が前記調整部材と前記各アームとの摺動部分に供給されることをその要旨とする。
【0015】
同構成によれば、各アームとスライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油の一部を各アームと調整部材との間に供給することにより、入力アームと出力アームとの相対回転方向位相差の変更に伴う調整部材の磨耗を抑制することができ、それに起因する機関バルブのリフト量変化を長期間にわたって抑制することができるようになる。なお、「機関バルブの開弁積分量を変更する」際の具体的態様には、同機関バルブの最大リフト量や開弁期間を変更する、或いはそれら両方を変更する場合が含まれる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記各アームと前記スライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油を前記入力アームの外周面に導く油孔が鉛直方向上方に向けて開口する態様をもって同入力アームに形成されることをその要旨とする。
【0017】
同構成によれば、各アームとスライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油が入力アームに形成された油孔を通じて同入力アームの外周面に導かれる。この油孔は鉛直方向上方に向けて開口されているため、同油孔から入力アームの外周面上に吐出された潤滑油は、鉛直方向下方に流れ落ちながら調整部材の摺動部分に供給される。これにより、調整部材の摺動部分に対して潤滑油を供給することができ、同部分における摩耗の発生を抑制することができるようになる。
【0018】
なお、入力アームの外周面に形成された油孔から吐出された潤滑油は、同外周面を伝わって流れ落ち、最終的にはその外周面から流下してオイルパンに戻される。ここで、この油孔の形成位置が鉛直方向において上方に設定されているほど、調整部材の摺動部分のより広範囲にわたって潤滑油が供給されることとなる。従って、油孔の形成位置は入力アームの外周面において極力上方に設定しておくことが望ましい。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、入力アームの外周面には前記油孔から同入力アームの揺動軸方向に延びて調整部材の摺動部分に至る溝が形成されることをその要旨とする。
【0020】
同構成によれば、油孔から吐出された潤滑油は入力アームの外周面に形成された溝を通じて調整部材の摺動部分に供給されるようになるため、油孔から吐出した潤滑油を好適にその摺動部分に供給することができ、調整部材の摩耗を効果的に抑制することができるようになる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の可変動弁機構において、前記入力アームの外周面には、前記油孔から吐出される潤滑油を前記調整部材の摺動部分に案内するための凸条が形成されることをその要旨とする。
【0022】
同構成によれば、油孔から吐出された潤滑油の多くが入力アームの外周面に形成された凸条により案内された調整部材の摺動部分に供給されるようになるため、油孔から吐出した潤滑油を好適にその摺動部分に供給することができ、調整部材の摩耗を効果的に抑制することができるようになる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記調整部材の外径は前記入力アーム及び前記出力アームの円筒部分の外径よりも小さく設定されることをその要旨とする。
【0024】
同構成によれば、入力アームと出力アームとの間にそれらよりも外径の小さな調整部材が介在することとなる。従って、入力アームと出力アームとが調整部材を介して隣接する部分は凹部を形成することとなる。その結果、油孔から吐出された潤滑油は調整部材の摺動部分まで導かれ、この凹部を流れることとなる。このため、調整部材の摺動部分に対して一層に潤滑油を供給することができ、調整部材の摩擦による磨耗を効率的に抑制することができるようになる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記油孔から前記入力アームの外周面に吐出された潤滑油の一部を前記出力アームのノーズ先端に案内する潤滑油案内路を前記出力アームに更に設けることをその要旨とする。
【0026】
出力アームのノーズとロッカアームとは圧接状態で作動するため、潤滑油を供給する必要がある。この点、上記構成によれば、前記調整部材の摺動部分に供給された潤滑油を更にこのノーズ先端に案内することができる。そして、ノーズ先端に案内された潤滑油は同ノーズとロッカアームとの接触部分に伝わりやすくなるため、出力アームのノーズとロッカアームとの磨耗を好適に抑制することができるようになる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記潤滑油案内路は、前記油孔よりも鉛直方向下方に位置して前記出力アームの外周面に形成され、前記ノーズに沿って延びて形成された溝を含むことをその要旨とする。
【0028】
同構成によれば、調整部材に供給された潤滑油は潤滑油案内路としての溝を通じて出力アームのノーズ先端に潤滑油を供給することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記出力アームの外周面には前記調整部材との摺動部分に隣接し、同出力アームの揺動軸回り方向に延びて前記潤滑油案内路に接続する溝が形成されることをその要旨とする。
【0029】
同構成によれば、入力アームと出力アームの相対回転方向位相差が変更された場合でも、調整部材の摺動部分に供給された潤滑油を積極的に出力アーム側に移動させることができ、出力アームのノーズとロッカアームとの当接部分により多くの潤滑油を供給することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1の実施形態)
以下、この発明を、各気筒に二つずつ吸気バルブを備えた内燃機関に搭載される可変動弁機構に具体化した第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、この可変動弁機構は図7に示した従来の可変動弁機構と同様に吸気カムシャフトと吸気バルブの間に仲介機構として配設されている。
【0031】
図1は、この実施形態にかかる可変動弁機構の斜視図である。また、図2は、この可変動弁機構の一部断面斜視図であり、その内部構造を示している。これら図1、図2に示されるように、この可変動弁機構は、支持パイプ2、コントロールシャフト3、入力アーム4、第1の出力アーム5、並びに第2の出力アーム6及びスライダギア7により構成されている。支持パイプ2は内燃機関のシリンダヘッド(図示略)に支持されており、その内部にはコントロールシャフト3が支持パイプ2の内周面との間に隙間20を有して挿入されている。また、支持パイプ2にはスライダギア7が外嵌されている。各アーム4〜6は、両出力アーム5、6が入力アーム4を挟むように位置してスライダギア7に外嵌されている。コントロールシャフト3は、その端部が図示しないアクチュエータに連結されており、同アクチュエータを通じてその軸方向に往復駆動される。
【0032】
入力アーム4には、コントロールシャフト3の径方向に延びる一対のアーム41a、41bが形成されており、これらアーム41a、41bの間にはローラ42がピン40によって回転可能に支持されている。このローラ42は吸気カム(図示略)のカム面に当接されている。また、各出力アーム5、6には、コントロールシャフト3の径方向に延びるノーズ51、61がそれぞれ形成されており、これらのノーズ51、61は各吸気バルブのロッカアーム(いずれも図示略)に当接されている。ロッカアームはバルブスプリング(図示略)によって上向きに付勢された吸気バルブのステムエンドに当接しており、ノーズ51、61の作用によってロッカアームが押し下げられることにより、吸気バルブは開弁される。
【0033】
また、図2に示されるように、スライダギア7の外周面にはそれぞれ歯すじの傾斜方向の異なる3つのヘリカルスプライン71、ヘリカルスプライン72a、72bが形成されている。これらヘリカルスプライン71、72a、72bのうち、コントロールシャフト3の軸方向において中央に形成されたヘリカルスプライン71は、図2に示される矢印Fの方向に向かって右回りの螺旋状に形成されている。また、同ヘリカルスプライン71の両側に形成されたヘリカルスプライン72a、72bはいずれも左回りの螺旋状に形成されている。そして、中央に位置するヘリカルスプライン71は、入力アーム4の内周面に形成されたヘリカルスプライン43に嵌合され、その両側に位置するヘリカルスプライン72a、72bは、各出力アーム5、6の内周面に形成されたヘリカルスプライン52、62にそれぞれ嵌合されている。入力アーム4と各出力アーム5、6との間には、それぞれ馬蹄形状をなすワッシャシム8が介挿されている。このワッシャシム8によってスライダギア7に対する各出力アーム5、6のコントロールシャフト3の軸方向における相対的な位置が調整される。
【0034】
図3は、支持パイプ2、コントロールシャフト3及びスライダギア7の構成を示す斜視図である。図3に示されるように、支持パイプ2には軸方向に延びる長孔21が形成されている。また、コントロールシャフト3には、嵌入孔32が形成されており、この嵌入孔32には係止ピン31が嵌入されている。この係止ピン31は支持パイプ2の長孔21から突出し、その先端はブッシュ75の挿入孔76に挿入されている。このブッシュ75は、スライダギア7の内周面にその周方向に延びて形成された溝74に嵌め込まれている。
【0035】
また、スライダギア7には、この溝74とスライダギア7の外周面を連通する挿入孔73が形成されている。組み付けの際にはこの挿入孔73を通して係止ピン31をスライダギア7の内部に挿入し、ブッシュ75の挿入孔76と支持パイプ2の長孔21とを通してコントロールシャフト3の嵌入孔32に嵌入する。係止ピン31の長さは、嵌入孔32に嵌入された状態においてそのブッシュ75の挿入孔76から突出した先端がスライダギア7の挿入孔73と係合しない長さに設定されている。すなわち、組み付けられた状態において、係止ピン31は、支持パイプ2及びブッシュ75と係合し、スライダギア7とは直接係合しない。そして、ブッシュ75とスライダギア7が溝74内で係合することとなり、スライダギア7は、コントロールシャフト3の軸方向の変位と連動して移動可能であり、且つコントロールシャフト3を中心に揺動可能となる。
【0036】
また、支持パイプ2とコントロールシャフト3との隙間20は、油通路を介して油圧ポンプ(いずれも図示略)に接続されており、同油圧ポンプから潤滑油が供給される。このようにして隙間20に供給された潤滑油は、長孔21、挿入孔73を介してスライダギア7の外周面に供給される。更に潤滑油は、入力アーム4と各出力アーム5、6とがヘリカルスプライン嵌合された部分にも供給される。
【0037】
図4は、入力アーム4及び各出力アーム5、6の斜視図である。次に、この図4を参照して入力アーム4及び各出力アーム5、6の組み付け態様について説明する。入力アーム4の軸方向両端部分には嵌合部44がそれぞれ形成されている。また、各出力アーム5、6の入力アーム4と対向する端部には嵌合部53、63が形成されている。各アーム4〜6をスライダギア7上に組み付ける際には、まず、スライダギア7のヘリカルスプライン71と、入力アーム4のヘリカルスプライン43とが嵌合するように入力アーム4をスライダギア7に外嵌する。次に、各出力アーム5、6の嵌合部53、63にワッシャシム8を嵌め込み、スライダギア7のヘリカルスプライン72a、72bと各出力アーム5、6のヘリカルスプライン52、62とが嵌合するようにそれら出力アーム5、6をスライダギア7に外嵌する。ここで、ワッシャシム8はその幅が異なる数水準のものが予め用意されており、組み付けに際してその中から特定の水準のものを選択することにより、スライダギア7に対する各アームの相対的な組み付け位置が調整される。また、ワッシャシム8の外径は、入力アーム4及び各出力アーム5、6の外径よりも小さく設定されている。このため、ワッシャシム8が入力アーム4と各出力アーム5、6との間に組みつけられた状態で、これら入力アーム4、ワッシャシム8、各出力アーム5、6の外周面はそのワッシャシム8の部位において凹状を呈することとなる。
【0038】
このように構成される可変動弁機構において、吸気バルブの最大リフト量及び開弁期間は、コントロールシャフト3の軸方向の変位に伴う入力アーム4と各出力アーム5、6との相対回転方向位相差の変更を通じて変更される。すなわち、コントロールシャフト3をその軸方向に変位させると、これに連動してスライダギア7も軸方向に移動する。この際、入力アーム4はそのローラ42が吸気カムに常に当接しているため回転することはなく、従ってスライダギア7が回転しながら軸方向に移動する。このため、例えば図1、図2に示される矢印Rの方向にコントロールシャフト3を変位させると、スライダギア7の移動に伴って各アーム5、6のノーズ51、61は入力アーム4に対して相対的に矢印Sの方向に変位するようになる。一方、矢印Fの方向にコントロールシャフト3を変位させた場合、各出力アーム5、6のノーズ51、61が入力アーム4に対して相対的に矢印Lの方向に変位するようになる。そして、このように入力アーム4と各出力アーム5、6との相対回転方向位相差が変更されることによって、各出力アーム5、6のノーズ51、61のロッカアームに対する作用量が変化し、吸気バルブの最大リフト量及び開弁期間が変更される。具体的には、矢印Fの方向にコントロールシャフト3を変位させた場合には吸気バルブの最大リフト量及び開弁期間は大きくなり、矢印Rの方向にコントロールシャフト3を変位させた場合には吸気バルブの最大リフト量及び開弁期間は小さくなる。
【0039】
ところで、こうした相対回転方向位相差の変更に伴って、入力アーム4とワッシャシム8との接触部分及び各出力アーム5、6とワッシャシム8との接触部分では常に摺動摩擦が発生しており、磨耗が発生する。また、吸気バルブを開弁するときには、各出力アーム5、6によってロッカアームをバルブスプリングの付勢力に抗して押し下げるため、各出力アーム5、6のノーズ51、61とロッカアームとの間には大きな力が加わる。このため、ワッシャシム8と各アームの摺動部分や各ノーズ51、61とロッカアームとの接触部分には潤滑油を供給する必要がある。そこで、この実施形態にかかる可変動弁機構では、入力アーム4の内部に供給されている潤滑油を入力アーム4の外周面に吐出するための油孔45を形成し、同油孔45を通じてこれら各部位にも潤滑油を強制的に供給する構成としている。
【0040】
以下、図1を参照し、上記潤滑油を供給するための構成について詳細に説明する。なお、図1において、可変動弁機構は吸気バルブの最大リフト量及び開弁期間が最大となるようにコントロールシャフト3を変位させた状態にある。前記油孔45は、入力アーム4の外周面においてその頂部略中央に形成されており、同油孔45を通じて入力アーム4の内外が連通されている。更に、入力アーム4の外周面には、油孔45を挟むとともに、コントロールシャフト3の軸方向に延びて入力アーム4の両端に至る二本の凸条46が形成されている。
【0041】
一方、各出力アーム5、6の外周面には、潤滑油案内路54、64として溝が形成されている。この潤滑油案内路54、64は、縦溝54a、64aとノーズ溝54b、64bと、それらを連絡する連絡溝54c、64cとから構成されている。この縦溝54a、64aは、各嵌合部53、63に嵌め込まれたワッシャシム8に隣接する各出力アーム5、6の端部においてそれら各出力アーム5、6の頂部から周方向に延びて形成されている。そして、その周方向の長さは、入力アーム4と各出力アーム5、6の相対回転方向位相差が変更された場合でも、2つの凸条46の間に位置する部分が常に縦溝54a、64aの形成範囲に存在するように、その長さが設定されている。また、ノーズ溝54b、64bは、各ノーズ51、61の表面に沿って延びその先端まで形成されている。
【0042】
こうした構成によれば、スライダギア7と各アーム4〜6との間に供給された潤滑油は、入力アーム4の頂部略中央に設けられた油孔45から吐出される。吐出された潤滑油は入力アーム4の外周面を伝い落ちるが、その多くは凸条46によってせき止められ凸条46に沿って入力アーム4とワッシャシム8とが摺動する入力アーム4の各端部へと案内される。そこから潤滑油はワッシャシム8によって形成された凹部に沿ってワッシャシム8と各アーム5、6との摺動部分を潤滑しながら流れ落ちる。更に、その一部は各アーム5、6に設けられた潤滑油案内路54、64に沿って流れ、ノーズ51、61の先端まで供給される。ノーズ51、61の先端に供給された潤滑油は、ノーズ51、61とロッカアームとの接触部分に供給され、その接触面の磨耗が抑制されるようになる。このように油孔45から吐出された潤滑油は、各部の潤滑に供された後、最終的には各アーム4〜6の外周面から流れ落ちてオイルパンに戻される。
【0043】
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)各アーム4〜6とスライダギア7とのヘリカルスプラインによる嵌合部分に供給される潤滑油の一部を各アーム4〜6とワッシャシム8との間に供給することができる。そのため、入力アーム4と各出力アーム5、6との相対回転方向位相差の変更に伴うワッシャシム8の磨耗を抑制することができ、それに起因する吸気バルブのリフト量変化を長期間にわたって抑制することができるようになる。
【0044】
(2)各アーム4〜6とスライダギア7とのヘリカルスプラインによる嵌合部分に供給される潤滑油が入力アーム4に形成された油孔45を通じて入力アーム4の外周面に導かれる。この油孔45は鉛直方向上方に向けて開口されているため、油孔45から入力アーム4の外周面上に吐出された潤滑油は、鉛直方向下方に流れ落ちながらワッシャシム8の摺動部分に供給される。また、この油孔45は入力アーム4の略頂上に設けられているため、そこから流れ落ちる潤滑油がワッシャシム8の摺動部分のより広範囲にわたって供給されることとなる。これにより、ワッシャシム8の摺動部分に対してより多くの潤滑油を供給することができ、同部分における摩耗の発生を抑制することができるようになる。
【0045】
(3)油孔45の周囲に油孔45を挟むように二本の凸条46を設けている。その結果、油孔45から吐出される潤滑油の多くが凸条46によってワッシャシム8の摺動部分に供給されるようになるため、油孔45から吐出した潤滑油を好適にその摺動部分に供給することができる。
【0046】
(4)ワッシャシム8の外形を入力アーム4及び各出力アーム5、6の外形よりも小さく設定している。そのため、入力アーム4と各出力アーム5、6とがワッシャシム8を介して隣接する部分は凹状を呈することとなる。その結果、油孔45から吐出された潤滑油はワッシャシム8の摺動部分まで導かれ、この凹状の部分を流れることとなる。その結果、ワッシャシム8の摺動部分に対して一層好適に潤滑油を供給することができる。
【0047】
(5)潤滑油案内路54、64としての各出力アーム5、6の外周面に溝を設けているため、ワッシャシム8の摺動部分に供給された潤滑油を更にこのノーズ51、61の先端に案内することができる。そして、ノーズ51、61の先端に供給された潤滑油は、ノーズ51、61とロッカアームとの接触部分に供給され、その磨耗を好適に抑制することができるようになる。
【0048】
(6)潤滑油案内路54、64の縦溝54a、64aが、各出力アーム5、6の略頂上からノーズ51、61の設けられている外周面に沿って設けられている。そして、その周方向の長さは、入力アーム4と各出力アーム5、6の相対回転方向位相差が変更された場合でも、2つの凸条46の間に位置する部分が常に縦溝54a、64aの形成範囲に存在するように、その長さが設定されている。そのため、入力アーム4と各出力アーム5、6の相対回転方向位相差が変更された場合でも、ワッシャシム8の摺動部分に供給された潤滑油を積極的に出力アーム側に移動させることができ、出力アームのノーズとロッカアームとの接触部分により多くの潤滑油を供給することができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかる可変動弁機構では、入力アーム4の油孔45の周囲に油孔45を挟むようにコントロールシャフト3の軸方向に沿って入力アーム4の両端に亘って二本の凸条46を形成するようにした。一方、本実施形態にかかる可変動弁機構では、この凸条46に代えて油溝を設けワッシャシム8との摺動部分に潤滑油を供給するようにしている点が第1の実施形態の可変動弁機構と相違している。以下、この相違点を中心に説明する。
【0049】
図5に示されるように、入力アーム140の外周面の頂上略中央には油孔145が設けられている。さらに、入力アーム140の外周面には、油孔145から入力アーム140の両端に亘りコントロールシャフト3の軸方向に沿って油溝146が形成されている。入力アーム140のその他の構成は第1の実施形態における入力アーム4の構成と同様であり、本実施形態にかかる可変動弁機構の入力アーム140以外の構成、それぞれの部材の組み付けについても第1の実施形態と同様である。
【0050】
以上説明した第2の実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)油孔145から吐出された潤滑油は入力アーム140の外周面に形成された油溝146を通じてワッシャシム8の摺動部分に供給されるようになるため、油孔145から吐出した潤滑油を好適にその摺動部分に供給することができ、ワッシャシム8の摩耗を効果的に抑制することができるようになる。
【0051】
なお、上記第1、第2の実施形態は、以下のような異なる形態をもって実施することもできる。
・入力アーム4に油孔45を設け、潤滑油をワッシャシム8との摺動部分及び各出力アーム5、6、のノーズ51、61の先端部分に供給する構成としたが、各出力アーム5、6に油孔を設けそこから潤滑油を上記各部へ供給する構成とすることもできる。
【0052】
・油孔45を入力アーム4の頂上略中央に設ける構成としたが、必ずしも頂上に設ける必要はなく、油孔の位置がより上方に設定されているほど潤滑油はワッシャシム8との摺動部分のより広範囲に供給されることとなる。また、中央ではなく、どちらかの出力アームに近い位置に設けることもできる。
【0053】
・潤滑油案内路54、64を溝によって形成する構成としたが、第1の実施形態における入力アーム4の凸条46のように、凸条を設けて潤滑油案内路とすることもできる。また、凸条と溝を組み合わせて潤滑油案内路とすることもできる。
【0054】
・潤滑油案内路54、64は、各出力アーム5、6のノーズ51、61に沿ってその先端まで延びて形成されているノーズ溝54b、64bを含んで形成される構成とした。ここで、縦溝54a、64aと連絡溝54c、64cとによってノーズ51、61の上部まで潤滑油が案内されるのであれば、そこから流れ落ちた潤滑油の一部はノーズ51、61の先端に供給されるため、潤滑油案内路としてのノーズ溝54b、64bを省略することもできる。
【0055】
・潤滑油案内路54、64の縦溝54a、64aは、その周方向の長さが、入力アーム4と各出力アーム5、6の相対回転方向位相差が変更された場合でも、2つの凸条46の間に位置する部分が常に縦溝54a、64aの形成範囲に存在するように、その長さを設定するようにしたが、この長さは、更に長くてもよい。また、この長さが短く設定される場合やこの縦溝を形成しない構成とする場合でも、連絡溝54c、64cがワッシャシム8と接触する端部にまで連通する構成であれば、ワッシャシム8の外周面を伝い流れる潤滑油の一部を、ノーズ51、61の先端部分に供給することができる。
【0056】
・上記第1、第2の実施形態では、入力アームの両端に二つの出力アームを備え、各気筒に二つずつ吸気バルブを備えた内燃機関に搭載される可変動弁機構の構成を示した。しかし、本発明にかかる可変動弁機構は、入力アームと連動する出力アームの数を変更することによって、一つ又は三つ以上の吸気バルブを各気筒に備える内燃機関についても適用することもできる。
【0057】
・上記第1、第2の実施形態では、機関バルブの開弁積分量を変更する具体的態様として機関バルブの最大リフト量及び開弁期間を変更する構成を示したが、これらのどちらか一方を変更する構成としてもよい。また、機関バルブの最大リフト量や開弁期間の変更によらずに開弁積分量を変更する構成としてもよい。
【0058】
・上記第1の実施形態では、二本の凸条46を油孔45を挟むように近接して設ける構成としたが、二本の凸条46同士の距離はより離れていてもよい。このとき、凸条の位置がより上方に設定されているほど潤滑油はワッシャシム8との摺動部分のより広範囲に供給されることとなる。また、凸条46の数は二本ではなく、一本又は三本以上であってもよい。
【0059】
・上記第1の実施形態では、二本の凸条46を、コントロールシャフト3の軸方向に沿って入力アーム4の両端に至るように略直線状に形成しているが、油孔45から吐出される潤滑油をワッシャシム8の摺動部分に案内することができれば、その形状は直線状でなくてもよい。
【0060】
・上記第2の実施形態では、入力アーム140の外周面には、油孔145から入力アーム140の両端に至るようにコントロールシャフト3の軸方向に沿って油溝146が形成される構成としているが、油溝146が、入力アーム140の外周面の油孔145よりも低い位置に入力アーム140の両端に至るように設けられる構成であってもよい。また、油孔145から吐出される潤滑油をワッシャシム8の摺動部分に案内することができれば、油溝の数は、二本以上であってもよく、形状は直線状でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる可変動弁機構の斜視図。
【図2】第1の実施形態にかかる可変動弁機構の内部の構成を示す一部断面斜視図。
【図3】第1の実施形態にかかる可変動弁機構の支持パイプ、コントロールシャフト、スライダギアの構成を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態にかかる可変動弁機構の各アームの構成図。
【図5】この発明の第2の実施形態にかかる可変動弁機構の斜視図。
【図6】従来の可変動弁機構の内部の構成を示す一部断面斜視図。
【図7】従来の可変動弁機構の内燃機関に搭載された状態を示す一部断面図。
【符号の説明】
【0062】
2…支持パイプ、3…コントロールシャフト、4…入力アーム、5…第1の出力アーム、6…第2の出力アーム、7…スライダギア、8…ワッシャシム、20…隙間、21…長孔、31…係止ピン、32…嵌入孔、40…ピン、41a、41b…アーム、42…ローラ、43…ヘリカルスプライン、44…嵌合部、45…油孔、46…凸条、51…ノーズ、52…ヘリカルスプライン、53…嵌合部、54…潤滑油案内路、54a…縦溝、54b…ノーズ溝、54c…連絡溝、61…ノーズ、62…ヘリカルスプライン、63…嵌合部、64…潤滑油案内路、64a…縦溝、64b…ノーズ溝、64c…連絡溝、71、72a、72b…ヘリカルスプライン、73…挿入孔、74…溝、75…ブッシュ、76…挿入孔、140…入力アーム、141a、141b…アーム、142…ローラ、145…油孔、146…油溝、147…ピン、200…可変動弁機構、220…支持パイプ、230…コントロールシャフト、231…係止ピン、240…入力アーム、241a、241b…アーム、242…ローラ、243…ヘリカルスプライン、247…ピン、250、260…出力アーム、251、261…ノーズ、252、262…ヘリカルスプライン、270…スライダギア、271、272a、272b…ヘリカルスプライン、273…挿入孔、300…吸気カムシャフト、310…吸気カム、400…吸気バルブ、410…ステムエンド、500…ロッカアーム、510…ピン、520…ローラ、600…バルブスプリング、700…アジャスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムの回転に伴う入力アームの揺動をスライダギアを介して出力アームに伝達し、同出力アームを揺動させることにより機関バルブを往復駆動するとともに、これら各アームとそれぞれヘリカルスプラインにてスライダギアを嵌合させこれを前記各アームの揺動軸方向に変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対回転方向位相差を変更して前記機関バルブの開弁積分量を変更する内燃機関の可変動弁機構において、
前記入力アームと前記出力アームとの間にそれらアームの回転方向位相差を調整するための調整部材を介在させるとともに、前記各アームと前記スライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油の一部が前記調整部材と前記各アームとの摺動部分に供給される
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
前記各アームと前記スライダギアとのスプライン嵌合部分に供給される潤滑油を前記入力アームの外周面に導く油孔が鉛直方向上方に向けて開口する態様をもって同入力アームに形成される
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
入力アームの外周面には前記油孔から同入力アームの揺動軸方向に延びて調整部材の摺動部分に至る溝が形成される
ことを特徴とした内燃機関の可変動弁機構。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の可変動弁機構において、
前記入力アームの外周面には、前記油孔から吐出される潤滑油を前記調整部材の摺動部分に案内するための凸条が形成される
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
前記調整部材の外径は前記入力アーム及び前記出力アームの円筒部分の外径よりも小さく設定される
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
前記油孔から前記入力アームの外周面に吐出された潤滑油の一部を前記出力アームのノーズ先端に案内する潤滑油案内路を前記出力アームに更に設ける
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項7】
請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
前記潤滑油案内路は、前記油孔よりも鉛直方向下方に位置して前記出力アームの外周面に形成され、前記ノーズに沿って延びて形成された溝を含む
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項8】
請求項7に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
前記出力アームの外周面には前記調整部材との摺動部分に隣接し、同出力アームの揺動軸回り方向に延びて前記潤滑油案内路に接続する溝が形成される
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−113483(P2007−113483A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305739(P2005−305739)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000185488)株式会社オティックス (305)
【Fターム(参考)】