説明

円筒状単結晶シリコンインゴットブロックを四角柱状ブロックに加工する切断装置および切断方法

【課題】 円筒状シリコンインゴットの側面剥ぎ切断装置上で、円筒状単結晶シリコンインゴットの結晶方位を正確に検知する方法および外周刃の横揺れ幅を小さくすることができる自己補償機構の提供。
【解決手段】 加圧冷却液供給パッド一対96p,96pを外周刃91aを挟んで外周刃の前面および後面に設け、ポンプ96pより供給される加圧液体の供給管を2分岐し、分岐された供給管のそれぞれの先端を前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間に望ませた外周刃横揺れ自己補償機構96。および、レーザ光反射型変位センサsを用い、円筒状単結晶シリコンインゴットの結晶方位を正確に検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状単結晶シリコンインゴットブロックをその回転C軸廻りに回転させる機能を有するエンコーダ付き主軸台と芯押台とよりなるクランプ装置に挟持し、回転切断刃によりその四側面を削ぎ落とす切断を行って四角柱状ブロックに加工する切断装置およびその切断装置を用いて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックを四角柱状ブロックに加工する方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
半導体基板に用いられる円板状単結晶シリコン基板や太陽発電電池の基板に用いられる四角形状単結晶シリコン基板の原材料の円筒状インゴットブロックは、チョクラルスキー法(CZ法)により育成した単結晶シリコンインゴットのC軸両端面を切り落とし、ついで、回転させる機能を有する主軸台と芯押台とよりなるクランプ装置に挟持し、円筒研削して外周面の皴状の凹凸を取り除き、さらに、長さ200mm、250mm、400mm、500mm、800mm等の長さに内周刃で切断、あるいはワイヤーカットされて外周面平滑円筒状単結晶シリコンインゴットブロックとして市販される。
【0003】
この外周面平滑円筒状単結晶シリコンインゴットブロックは、次の工程のマルチ・ワイヤーソウによる薄厚の基板へのスライス加工に供せられる。あるいは、インゴットブロック製造メーカから太陽電池基板製造メーカに供給され、外周刃で四側面を削ぎ落として加工された四角柱状ブロックの四側面および四隅コーナー部を面取り加工し、次工程のマルチ・ワイヤーソウによる薄厚の基板へのスライス加工ステージへ供給される。
【0004】
特開2005−123527号公報(特許文献1)は、円柱状の半導体単結晶インゴットから太陽電池セルを構成する複数の半導体セグメントを製造するに際し、
前記半導体単結晶インゴットを軸直交断面により一定厚さの複数枚のウェーハ領域に区画し、さらに各ウェーハ領域の主表面において、ウェーハ中心点に関して対称な位置にある平行な第一の平行区画線の対と、同じく第二の平行区画線の対とを、前記第一の平行区画線が前記第二の平行区画線よりも長尺となるように互いに直交する形態で設定し、それら平行区画線の組にて前記ウェーハ領域を前記主表面の面内方向に区画することにより形成される3種のウェーハセグメント領域、すなわち、前記ウェーハ中心点を含む長方形状の第一セグメント領域と、その第一セグメント領域の残余の領域のうち該第一セグメント領域の長辺に対応する弓形の第二セグメント領域と、同じく短辺に対応する弓形の第三セグメント領域とのうち、前記第一セグメント領域に基づく長方形状の第一半導体セグメントと、前記第二セグメント領域に基づく弓形の第二半導体セグメントとを各々複数枚ずつ製造し、
前記長方形状の第一半導体セグメントに基づく第一セルのみを集め、これを長辺方向及び短辺方向にそれぞれ一定間隔で複数枚ずつ格子状に配列して第一の太陽電池モジュールを作製する一方、
前記弓形の第二半導体セグメントに基づく第二セルのみを集め、それら複数の第二半導体セグメントを、弦部に直交する第一方向と弦部に平行な第二方向とにそれぞれ一定間隔で複数枚ずつ配列して第二の太陽電池モジュールを作製することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法を提案する。
【0005】
再公表2005/076333号公報(特許文献2)は、チョクラルスキー法(CZ法)により育成した単結晶シリコンインゴットのC軸両端面を切り落とし、ついで、回転させる機能を有する主軸台と芯押台とよりなるクランプ装置に挟持し、円筒研削して外周面の皴状の凹凸を取り除き、得られた外周面平滑円板状単結晶シリコンインゴットのC軸垂直方向の結晶方位を赤外線検出器で読み取り、解析ピークを基に結晶方位を赤いマーカーペンで線を引いて特定し、この赤い特定マークに沿ってダイソーで複数のブロックに切断する方法を開示する。
【0006】
また、特開2009−233819号公報(特許文献3)は、チョクラルスキー法(CZ法)により育成した単結晶シリコンインゴットのC軸両端面を切り落とし、ついで、回転させる機能を有する主軸台と芯押台とよりなるクランプ装置に挟持し、円筒研削して外周面の皴状の凹凸を取り除き、得られた外周面平滑円板状単結晶シリコンインゴットのC軸垂直方向の結晶方位をX線解析機器で読み取り、この結晶方位線を基準に赤いマークを付し、ついで、砥石によりこの赤いマーク線に沿ってオリエンテーションフラットおよび/またはノッチ加工し、ついで、マルチ・ワイヤーソウによる薄厚の基板へのスライス加工に供することを開示する。
【0007】
本願特許出願人は、特願2010−131606号明細書(特許文献4、未公開)で、円筒状シリコンインゴットブロックを主軸台と芯押台とからなるクランプ装置に挟持し、シリコンインゴットブロックの回転軸心(C軸)を挟んで左側方向から右側方向に向かって一対の回転切断刃(外周刃)、一対のカップホイール型粗研削砥石、一対のカップホイール型仕上げ研削砥石を配置したシリコンインゴットブロックの複合面取り加工装置を提案した。図6と図7にこのシリコンインゴットブロックの複合面取り加工装置1の平面図および正面図を示す。図6および図7において、2はベース、3は案内レール、4はワークテーブル、7aは主軸台、7bは芯押台、8はインゴットブロックローディング/アンローディングステージ、13はワークの搬入/搬出装置、90は円筒状インゴットブロックの四側面切断ステージ、11は四角柱状インゴットブロックの第一の四隅コーナー円筒研削加工および第一の四側面面取り加工ステージ、10は四角柱状インゴットブロックの第二の四隅コーナー円筒研削加工および第二の四側面面取り加工ステージ、である。この図では、11を粗研削加工ステージに、10を仕上げ研削加工ステージに設けた。7bは主軸台、7aは心押台、wはシリコンインゴットブロック、11g,11gはカップホイール型粗研削砥石、10g,10gはカップホイール型仕上げ研削砥石、10a,11aは砥石軸、91a,91bは回転切断刃である。
【0008】
上記複合面取り加工装置1を用い、赤いマークの結晶方向線を目安にして円筒状単結晶シリコンインゴットブロックwをクランプ装置7に挟持し、このクランプ装置を搭載するワークテーブル4を回転している回転切断刃91a,91b方向(左方向)に移動させ、先ず両側面(前後面)を切断する。
【0009】
ついで、クランプ装置の主軸台のモータによりシリコンインゴットブロックwのC軸を90度回転し、未切断の円弧状の前後面が回転切断刃91a,91bで切断可能な面方向に向け、ついで、クランプ装置7を搭載するワークテーブル4を逆回転している回転切断刃91a,91b方向(右方向)に移動させ、角柱状単結晶シリコンインゴットブロクに切断加工する。あるいは、クランプ装置の主軸台のモータによりシリコンインゴットブロックwのC軸を90度回転し、クランプ装置7を搭載するワークテーブル4を逆回転している回転切断刃91a,91b方向(右方向)に移動させ、未切断の円弧状の前後面が回転切断刃91a,91bで切断可能な面方向に向け、ついで、クランプ装置7を搭載するワークテーブル4を回転切断刃91a,91bの右端方向(右方向)に移動させ、切断開始位置に戻し、再び、ワークテーブル4を回転している回転切断刃91a,91b方向(左方向)に移動させ角柱状単結晶シリコンインゴットブロックに切断加工する。
【0010】
切断加工された上記角柱状単結晶シリコンインゴットブロックは、マルチ・ワイヤーソウで薄肉の基板にスライス切断する際、四隅コーナー部でチッピングが生じやすいので、これを防ぐため、次いで、一対の粗研削砥石11g,11gで先ず四隅Rコーナー部を円筒研削した後、四側面を同一の粗研削砥石11g,11gで面取り加工する。さらに、仕上げ研削砥石10g,10gで先ず四隅Rコーナー部を円筒研削した後、四側面を同一の仕上げ研削砥石10g,10gで面取り加工する。
【0011】
上記複合面取り加工装置1は、全自動で、市販の装置と比較し、1本の円筒状単結晶シリコンインゴットブロックを四角柱状ブロックに加工する時間が約1/2弱である利点を有する。しかし、太陽電池基板製造メーカ立会いの下にこの複合面取り加工装置1を用いて四角柱状単結晶シリコンインゴットブロックの試作を行ったところ、(1)外周刃による側面剥ぎ工程において、単結晶シリコンインゴット切断屑の発生量をもっと減し、ダイソー刃で発生する切削屑量と同等にすることができないか、および、(2)クランプ装置により挟架された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向自動芯出しプログラムを付すよう要望があった。
【0012】
一方、特表平10−500194号公報(特許文献5)および米国特許第5484208号明細書(特許文献6)は、主軸(スピンドル)の自己補償型水静圧軸受け構造を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−123527号公報
【特許文献2】再公表2005/076333号公報
【特許文献3】特開2009−233819号公報
【特許文献4】特願2010−131606号明細書(未公開)
【特許文献5】特表平10−500194号公報
【特許文献6】米国特許第5484208号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは、外周刃による切削屑の発生量を減らすには、500〜600mm径の円板状基台の外周縁に5〜8mm幅で設けられたダイヤモンド電着刃の厚み4〜5mmをダイソー刃の1.3〜2.5mmの厚みまで減らすことで解決できると着想し、追試実験を行ったところ、外周刃の回転時に外周刃が横揺れを生じて切削屑の半減には繋がらないことが判明した。
【0015】
次に本発明者らは、前記特許文献5および特許文献6記載の自己補償型水静圧軸受け構造を外周刃の横揺れ防止に応用できないか検討し、冷却液供給ノズルと兼用できる外周刃横揺れ自己補償パッド構造とすることにより、上記(1)の要望の切削屑の減少が達成できることを見出した。
【0016】
上記(2)の要望について、本願発明者らは、円筒状単結晶シリコンインゴット製造時に、円形断面方向の90度交差4箇所に結晶突起が発生し、半導体基板用とインゴットブロック加工時にチッピング発生防止の目的でこの4箇所の結晶突起を切削削除してから円筒研削するインゴットブロック製造メーカがいることに着目し、パナソニック電工SUNX株式会社製“レーザーマーカーマイクロスコープ HL−C108F−BK”(商品名)により円筒状単結晶シリコンインゴット結晶方位の4つのピークを特定できる安価な赤外線変位センサーを採用し、切断装置に赤外線変位センサーを取り付ける位置を特定することによりクランプ装置により挟架された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向自動芯出しプログラムの設計が可能となった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1は、
a)機枠上に左右方向に設けられた案内レール上を左右方向に往復移動できるように設けられたワークテーブル、
b)前記ワークテーブル上に左右に分離して搭載された主軸台と心押台の一対よりなるクランプ機構、
c)前記クランプ機構に支架されたワークを載せた前記ワークテーブルを左右方向に往復移動させる駆動機構、
d)前記ワークテーブルを複合面取り加工装置の正面側から見る方向であって、かつ、右側方向より左側方向へ向かって、
e)円筒状シリコンインゴットブロックのローディング/アンローディングステージ、
f)前記ローディング/アンローディングステージの背後に設けた前記クランプ機構の待機位置ステージ、
g)前記クランプ機構のワーク支持軸を挟んで一対の外周刃(回転切断刃)をその回転切断刃直径面が相対向するように前記案内レールに対し前後に設けられた円筒状シリコンインゴットブロックの側面剥ぎスライシングステージ、
および、
h)前記側面剥ぎスライシングステージに位置する前記外周刃の外周縁ダイヤモンド刃先より内側であって、前記円筒状シリコンインゴットブロック側面剥ぎ開始側位置にあって、切断される前記円筒状シリコンインゴットブロックの上側の位置に加圧冷却液供給パッド一対を前記外周刃を挟んで前面および後面に設け、ポンプにより供給される加圧液体の供給管を2分岐し、分岐された供給管のそれぞれの先端を前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間に望ませた外周刃横揺れ自己補償機構、
を設けたことを特徴とする円筒状シリコンインゴットブロックの四側面剥ぎ切断装置を提供するものである。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の四側面剥ぎ切断装置のローディング/アンローディングステージのロードポート位置に、赤外線変位センサーを備えた円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向検出機構を更に設けた円筒状シリコンインゴットブロックの四側面剥ぎ切断装置を提供するものである。
【0019】
請求項3の発明は、請求項2記載の四側面剥ぎ切断装置を用い、下記の工程を経て、円筒状シリコンインゴットブロックを角柱状シリコンインゴットブロックに面取り加工する方法を提供するものである。
(1)ローディング/アンローディングステージに在る搬入機構を用い、ロードポートを通過させて被加工物(ワーク)である円筒状シリコンインゴットブロックをクランプ機構の回転C軸廻りに回転させる機能を有するエンコーダ付き主軸台と心押台間に搬入し、ついで、前記心押台を前進させて円筒状シリコンインゴットブロックをクランプ機構に挟持する。
(2)前記挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの前側に離れて設置した変位センサーよりレーザー光を円筒状単結晶シリコンインゴットブロックのC軸に向けて照射し、クランプ装置の主軸台のモータによるC軸回転角度をエンコーダで読み取りながらC軸1回転(360度)回転させ、回転角度とパルスピークの相関図を表示させる。
(3)表示された4つのパルスピークを示すエンコーダ回転角度のどれか1つの角度(θ)を選択し、この角度が回転切断刃径方向面に対するエンコーダ回転角度45度の位置(切断開始C軸位置)に位置するようC軸を回転させて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位位置を芯出しする。
(4)回転する一対の外周刃の方向に前記クランプ機構を搭載するワークテーブルを移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックの前後面の切断加工を行い、前後の側面を剥ぎ落とす。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間にポンプにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液2〜20リットル/分が前記外周刃の前後面に供給される。
(5)ついで、2側面が剥ぎ落とされた円筒状シリコンインゴットブロックのC軸を主軸台のサーボモータを用いて90度回転させる。
(6)回転する前記一対の外周刃の方向にクランプ機構を搭載する前記ワークテーブルを移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックの前後面の切断加工を行い、四角柱状シリコンインゴットブロックを製造する。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間にポンプにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液が前記外周刃の前後面に供給される。
【発明の効果】
【0020】
回転している外周刃に横揺れが生じ、前側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間口側に近づくと、このパッドの液体貯め空間の圧力が増加し、逆に後ろ側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間の圧力が低下する。よって、前側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間の圧力がある圧力以上となると前側に横揺れした外周刃が後ろ側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間口の方へ押し戻される。その外周刃の押し戻しにつれて前側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間の圧力は低下し、後ろ側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間の圧力は増加する。後ろ側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間の圧力がある圧力以上となると後ろ側に横揺れした外周刃が前側に設置した加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間口の方へ押し戻される。よって、加圧冷却液供給圧力の大きさにより外周刃の横揺れ幅を制限することができ、インゴットブロックの切削屑の発生量を少なくすることができる。
【0021】
クランプ装置に挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位が正確に検知できるので、各々のバッチ生産された四角柱状単結晶インゴットブロックおよびこれを仕上げ面取り加工した四角柱状単結晶シリコンインゴットブロックの単結晶シリコンの結晶方位も一定したものが得られる。よって、これら仕上げ面取り加工四角柱状単結晶シリコンインゴットブロックをマルチ・ワイヤーソウでスライス加工されて得られる各々のバッチより得られた基板(ウエーハ)の結晶方位も一定したものが得られるので、後加工の裏面研削加工や研磨加工、プリント配線加工などに一々基板の結晶方位が一致しているかの検査が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は四側面剥ぎ切断装置の平面図である。
【図2】図2は四側面剥ぎ切断装置の上面図である。
【図3】図3は円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向位置の検出、位置決めのフローを四側面剥ぎ切断装置の右側面側から見た図である。
【図4】図4は外周刃で円筒状シリコンインゴットに切り込みをかけた正面図である。
【図5】図5は一対の加圧冷却液供給パッドを外周刃の前後面に設置した外周刃横揺れ自己補償機構の側面図である。
【図6】図6は特願2010−131606号明細書に開示された複合面取り加工装置の平面図である。
【図7】図7は特願2010−131606号明細書に開示された複合面取り加工装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および図2に示す円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの側面剥ぎ落とし切断装置1は、次のa)からi)の構成部材を備える。
【0024】
a)機枠2上に左右方向に設けられた案内レール3,3上を左右方向に往復移動できるように設けられたワークテーブル4、
【0025】
b)前記ワークテーブル4上に左右に分離して搭載された主軸台7aと心押台7bの一対よりなるクランプ機構7、
【0026】
c)前記クランプ機構に支架されたワークwを載せた前記ワークテーブル4を左右方向に往復移動させる駆動機構7am、
【0027】
d)前記ワークテーブル4を切断装置1の正面側から見る方向であって、かつ、右側方向より左側方向へ向かって、
【0028】
e)円筒状シリコンインゴットブロックのローディング/アンローディングステージ8R、
【0029】
f)前記ローディング/アンローディングステージ8Rの背後に設けた前記クランプ機構7の待機位置ステージ70、
【0030】
g)前記クランプ機構のワーク支持軸7a,7bを挟んで一対の外周刃91a,91bをその外周刃直径面が相対向するように前記案内レール3,3に対し前後に設けられた円筒状シリコンインゴットブロックの側面剥ぎスライシングステージ90、
【0031】
h)前記側面剥ぎスライシングステージ90に位置する前記外周刃の外周縁ダイヤモンド刃先91ag,91bgより内側位置であって、前記円筒状シリコンインゴットブロック側面剥ぎ開始側位置にあって、切断される前記円筒状シリコンインゴットブロックの上側の位置に加圧冷却液供給パッド96a,96b一対を前記外周刃を挟んで前面および後面に設け、ポンプ96pにより供給される加圧液体の供給管96kを2分岐96k,96kし、分岐された供給管のそれぞれの先端を前記一対の加圧冷却液供給パッド96sの液体貯め空間96vに望ませた外周刃横揺れ自己補償機構96。(図4および図5参照)。
【0032】
なお、前記分岐管96k,96kには圧力調整絞り弁96z,96zが設置される。また、供給管96kには、冷却液貯槽タンク96t内の冷却液がポンプ96p駆動により供給される。ポリ(四フッ化エチレン)、ナイロン6,10、PEEK、ガラス繊維補強エポキシ樹脂などの耐熱性樹脂製加圧冷却液供給パッド96a,96b一対を図4に示すように外周刃91a,91bのインゴットブロック送り出し側にも追加して設け、外周刃の冷却効率、横揺れ自己補償能力を高めてもよい。外周刃91a,91b直径面と前記加圧冷却液供給パッド96a,96bの液体貯め空間口フランジ間の距離は0.01〜0.05mmが好ましい。前記加圧冷却液供給パッド96a,96bの形状はお椀型でもよいし、四角形状であってもよい。前記加圧冷却液供給パッド96a,96bを支持するフランジ96f,96fは外周刃保護カバー91c内壁に固定される。ポンプ96pにより供給管96kに供給される加圧冷却液の圧力は、20〜35Kgf/cm、冷却液量は2〜20リットル/分が好ましい。
【0033】
および、i)赤外線変位センサーsを備えた円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向検出機構。(図3のI参照)
【0034】
円筒状単結晶シリコンインゴットブロック(ワーク)の結晶方位検出機器のレーザー光反射型変位センサーは、図1に示されていないが、図3の(I)工程に示されるように、クランプ装置7に挟持されたワークのC軸に対し、同一水平面上にあって、測定されるワークの手前45〜55mm離れた位置に設けられる。このレーザー光反射型変位センサーsは、ワークがロードポート8に搬入されるときの障害が生じないよう、旋回式アームを用いて回動可能に取り付けられる。レーザー光反射型変位センサーは、結晶方位測定時は、前記位置に来るよう下方に回動され、非測定時は、ワークがロードポート8に搬入されるときの障害が生じないよう上方に回動して測定待機位置に避難するよう切断装置1に取り付けられる。
【0035】
円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位の測定は、図3のIに示すように、円筒状単結晶シリコンインゴットブロックwを主軸台7aと芯押台7bとよりなるクランプ装置7に挟持した後、前記挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックwの前側水平方向に離れて設置したレーザー光反射型変位センサーsよりレーザー光を円筒状単結晶シリコンインゴットブロックのC軸に向けて照射し、図3のIIに示すように、クランプ装置の主軸台のモータによるC軸回転角度をエンコーダで読み取りながらC軸1回転(360度)させる円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの回転を行い、回転角度とパルスピークの相関図を表示させる(図3のIIのaおよびb参照〉。相関図は横方向にエンコーダの回転角度を、縦方向にパルスのピーク高さを示す相関図(図3のIIのa)、あるいは、エンコーダのC軸周りの回転角度(0度から360度)を円状に示し、その円の外周にパルス高さを示す円グラフ相関図(図3のIIb)として表示することができる。
【0036】
結晶方位検知機器としては、パナソニック電工SUNX株式会社製“レーザーマーカーマイクロスコープ HL−C108F−BK”(商品名)、株式会社キィエンス製“レーザー型変位センサーLK−H085”(商品名)とアンプ(LK−G500“(商品名)の組み合わせ、レニショウ(Renishaw)社のSignumエンコーダとパルス発生器を利用するTONICシステム(商品名)など、回転されているインゴットブロックの結晶方向にレーザー光が当たるとパルス突起(ピーク)を表示する検知機器が利用できる。
【0037】
パルス周波数は、50〜300Hz、好ましくは100Hzで、波長248nmのKrFエキシマ・レーザー光、波長308nmのXeClエキシマ・レーザー光が好ましい。結晶方位で反射されたレーザー光は高い反射強度として電子信号により表示画面に呈示される。なお、円筒状単結晶シリコンインゴットブロックwを0から360度一回転させるのは、高いピークが4つ、約90度間隔に表示されるデータ結果により結晶方位検知機器が正常に作動していることを作業者が確認することに繋がるからである。
【0038】
円筒状単結晶インゴットブロックの芯出しは、前記表示された4つのパルスピークを示すエンコーダ表示回転角度のどれか1つの角度を選択し、この角度が外周刃の回転切断刃径方向面に対するエンコーダ回転角度45度の位置(切断開始C軸位置)に位置するようC軸を主軸台7aのサーボモータ7amにより回転させて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位位置を固定する((図3のIII)。選択する角度は、通常、第一のピークを示す角度(θ)または第二のピークを示す角度(θ)を選択するのがC軸を回転させて45度の位置に固定させる回転角度が小さくて済むので好ましい。
【0039】
図1と図2に戻って、前記ローディング/アンローディングステージ8Rを構成するインゴットブロック搬送機構13とインゴットストッカー14は、前記ワークテーブル4の前側に並設している。インゴットブロック搬送機構13とインゴットストッカー14の構造は、本願特許出願人が先に出願した特願2010−61844号明細書の図5および図7に詳細に開示されている。
【0040】
ワークストッカー14,14,14は、インゴットブロック3本を収納できる断面が逆2等辺三角形状のV字棚段を備え、機枠から突き出した位置決めピン上に載置されている。
【0041】
前記インゴットブロック搬送機構13は、ワークストッカー14V字棚段に保管されているインゴットブロック1本を1対の爪で挟持し、両爪を上昇させることによりワークを吊り上げ、ついで、後退、右方向への移動、下降してロードポート8前に位置させ、さらに後退させることによりこのロードポート8からワークをクランプ装置7の主軸台7aと心押台7b間へと搬入する。ワークの一端を主軸台7aのセンター支持軸7aに当接させた後、心押台7bを空気シリンダー7eで右方向に移動させてセンター支持軸7bに他端を当接させワークを宙吊り状態に支架する。ついで、前記両爪を離間させてワークの把持を開放し、ついで、両爪を支持する固定台を上昇させ、左方向に移動させ、さらに、前方向に後退させ両爪をインゴットブロック搬送機構13の待機位置へと戻す。
【0042】
側面剥ぎスライシングステージ90は、クランプ装置7と、このクランプ装置7を搭載するワークテーブル4用の左右移動案内レール3,3と、このクランプ機構の主軸台7aと心押台7bのワーク支持軸7a,7bを挟んで前後移動可能なスピンドル軸92a,92bの一対に軸承された外周刃の一対91a,91bをその直径面が相対向するようにワークテーブルを挟んでワークテーブル前後に設けられたスライシングヘッド9とから構成される。
【0043】
外周刃91a,91bの前後移動は、外周刃91a,91bを軸承するスピンドル軸92a,92bを回転させるサーボモータ93m,93mを搭載したツールテーブル94t,94tを図示されていないモータ駆動ボールネジをモータ94m,94mで回転駆動することにより行われる。このツールテーブル94tの前進または後退の移動方向は、サーボモータ94mの回転軸が時計廻り方向か、逆時計廻り方向かに依存する。
【0044】
一対の外周刃91a,91bは、一対のスピンドル軸92a,92bに軸承され、これらスピンドル軸はサーボモータ93m,93mにより駆動回転されることにより、回転切断刃91a,91bはワークに対し同一時計廻り方向に50〜7,500min−1の回転速度で回転される(両スピンドル軸の回転方向は互いに逆方向となる)。前記スピンドル軸92a,92bはツールテーブル94t,94tを前後移動することによりインゴットブロックの面剥ぎ加工開始位置へと移動可能である。ワークテーブル4は、5〜200mm/分の速度で移動可能であり、回転軸92a,92bの昇降は100mmまで上下移動可能である。前記外周刃としては、直径が500〜600mm、厚み1〜2mmの鋼板シートの外周縁(厚み1.0〜2.0mm)にダイヤモンド微粒子を幅5〜10mm、厚み1.3〜2.5mm電着したダイヤモンドカッターが使用される。
【0045】
ワーク(円柱状インゴットブロック)のC軸を水平方向に挟持するクランプ機構7を搭載するワークテーブル4を左方向に移動させることによりワーク端面の前後が一対の外周刃91a,91bに当接し、これら外周刃により円柱状ワーク前面および後面が円弧状に削ぎ落とされる面剥ぎ切断加工が行われる。ワーク前後面の面剥ぎ切断加工が終了したら、クランプ機構7の主軸台7aの支持軸を90度回転させ、面剥ぎ加工が為されていないワークの円弧面を前後位置に芯出し(位置決め)し、ついで、ワークテーブル4を移動させて前記一対の外周刃91a,91bをサーボモータ93m,93mで回転駆動させて残りの面剥ぎ切断加工を行う。円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの四側面の面剥ぎ切断加工時間は、直径が200mm、高さが250mmの円柱状単結晶シリコンインゴットブロックで10〜20分、直径が200mm、高さ500mmの円柱状単結晶シリコンインゴットブロックで22〜27分で行うことができる。
【0046】
上記切断装置1を用いて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの四側面剥ぎ切断加工を行って四角柱状インゴットブロックに加工する方法は、次の工程を経て実施される。
【0047】
(1)ローディングステージ8Rに在る円筒状インゴットブロックの搬送機構13を用い、ストッカー14上に載置されている円筒状シリコンインゴットブロック(ワーク)1本を両爪で把持し、次いで両爪を支持する固定台13fを上昇させ、左方向に移動させ、さらにサーボモータにより回転駆動されたボールネジに裏面を螺合させた前記固定台13fの滑走面13sをコラム側面に設けられた案内レール13g上を滑走させてロードポート8側へ進入させ、ついで、エアーシリンダ13pの駆動により円筒状インゴットブロックを下降させて第一クランプ機構7の回転C軸廻りに回転させる機能を有するエンコーダ付き主軸台7aと心押台7b間に搬入した後、前記心押台を前進させて円筒状シリコンインゴットブロックwを第一クランプ機構7に挟持する。
【0048】
(2)前記挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの前側に離れて設置した変位センサーsよりレーザー光を円筒状単結晶シリコンインゴットブロックのC軸に向けて照射し、クランプ装置の主軸台のモータによるC軸回転角度をエンコーダで読み取りながらC軸1回転(360度)回転させ、回転角度とパルスピークの相関図を表示させる。(図3のII参照)
【0049】
(3)表示された4つのパルスピークを示すエンコーダ回転角度のどれか1つの角度(θ)を選択し、この角度が回転切断刃径方向面に対するエンコーダ回転角度45度の位置(切断開始C軸位置)に位置するようC軸を回転させて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位位置を芯出しする。(図3のIII参照)
【0050】
(4)回転する一対の外周刃91a,91bの位置する方向に前記クランプ機構を搭載するワークテーブル4を移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックwの前後面の切断加工を行い、前後の側面を剥ぎ落とす。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッド96p,96pの液体貯め空間96pvにポンプ96pにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液が前記外周刃91a,91bの前後面に2〜20リットル/分の割合で供給される。
【0051】
(5)ついで、2側面が剥ぎ落とされた円筒状シリコンインゴットブロックのC軸を主軸台のサーボモータ7amを用いて90度回転させる。
【0052】
(6)回転する前記一対の外周刃91a,91bの位置する方向にクランプ機構を搭載する前記ワークテーブル4を移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックの前後面の切断加工を行い、四角柱状シリコンインゴットブロックを製造する。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッド96p,96pの液体貯め空間96pvにポンプにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液が前記外周刃の前後面に2〜20リットル/分の割合で供給される。
【0053】
(7)四側面が剥ぎ落とされ、四角柱状インゴットブロック形状とされた単結晶シリコンインゴットブロックを挟持するクランプ機構7を搭載するワークテーブル4をクランプ機構待機位置70へ移送する。
【0054】
(8)前記クランプ機構の待機位置ステージ70位置にあるクランプ機構7に挟持される前記四角柱状シリコンインゴットブロックwの下面をアンローディングステージ8Lに在るインゴットブロック搬送機構13の把持爪で抱かえ把持した後、前記クランプ機構の心押台7bを後退させて四角柱状シリコンインゴットブロックのクランプ機構による挟持を開放する。
【0055】
(9)インゴットブロック搬送機構13の把持爪を切断装置1のハウジング12外に移動させ、ローディング/アンローディングステージ8Rに在るブロックストッカー14棚上に前述の四角柱状シリコンインゴットブロックを載置する。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の円筒状インゴットブロックの側面剥ぎ切断装置1は、外周刃の横揺れ自己補償機構96を備えさせたことにより、外周刃の横揺れ幅を小さく抑制できるので、インゴットブロックの切削屑の発生量を少なくすることができる。
【0057】
高価なX線回析装置でなく、安価な変位センサーを用いてクランプ装置に挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位が正確に検知できる。
【符号の説明】
【0058】
1 切断装置
C C軸(クランプ装置のワーク回転軸)
w 円筒状単結晶シリコンインゴットブロック(ワーク)
s レーザー光反射型変位センサー
3 案内レール
4 ワークテーブル
7 クランプ機構
7a 主軸台
7b 心押台
8 ロードポート
8R ローディング/アンローディングステージ
13 インゴットブロック搬送機構
14 ストッカー
70 クランプ機構待機位置ステージ
90 スライシングステージ
91a,91b 外周刃
96 外周刃横揺れ自己補償機構
96a,96b パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)機枠上に左右方向に設けられた案内レール上を左右方向に往復移動できるように設けられたワークテーブル、
b)前記ワークテーブル上に左右に分離して搭載された主軸台と心押台の一対よりなるクランプ機構、
c)前記クランプ機構に支架されたワークを載せた前記ワークテーブルを左右方向に往復移動させる駆動機構、
d)前記ワークテーブルを複合面取り加工装置の正面側から見る方向であって、かつ、右側方向より左側方向へ向かって、
e)円筒状シリコンインゴットブロックのローディング/アンローディングステージ、
f)前記ローディング/アンローディングステージの背後に設けた前記クランプ機構の待機位置ステージ、
g)前記クランプ機構のワーク支持軸を挟んで一対の外周刃をその回転切断刃直径面が相対向するように前記案内レールに対し前後に設けられた円筒状シリコンインゴットブロックの側面剥ぎスライシングステージ、
および、
h)前記側面剥ぎスライシングステージに位置する前記外周刃の外周縁ダイヤモンド刃先より内側であって、前記円筒状シリコンインゴットブロック側面剥ぎ開始側位置にあって、切断される前記円筒状シリコンインゴットブロックの上側の位置に加圧冷却液供給パッド一対を前記外周刃を挟んで前面および後面に設け、ポンプにより供給される加圧液体の供給管を2分岐し、分岐された供給管のそれぞれの先端を前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間に望ませた外周刃横揺れ自己補償機構、
を設けたことを特徴とする円筒状シリコンインゴットブロックの四側面剥ぎ切断装置。
【請求項2】
四側面剥ぎ切断装置のローディング/アンローディングステージのロードポート位置に、赤外線変位センサーを備えた円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方向検出機構を設けた請求項1記載の円筒状シリコンインゴットブロックの四側面剥ぎ切断装置。
【請求項3】
請求項2記載の四側面剥ぎ切断装置を用い、下記の工程を経て、円筒状シリコンインゴットブロックを角柱状シリコンインゴットブロックに面取り加工する方法。
(1)ローディング/アンローディングステージに在る搬入機構を用い、ロードポートを通過させて円筒状シリコンインゴットブロックをクランプ機構の回転C軸廻りに回転させる機能を有するエンコーダ付き主軸台と心押台間に搬入し、ついで、前記心押台を前進させて円筒状シリコンインゴットブロックをクランプ機構に挟持する。
(2)前記挟持された円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの前側に離れて設置した変位センサーよりレーザー光を円筒状単結晶シリコンインゴットブロックのC軸に向けて照射し、クランプ装置の主軸台のモータによるC軸回転角度をエンコーダで読み取りながらC軸360度回転させ、回転角度とパルスピークの相関図を表示させる。
(3)表示された4つのパルスピークを示すエンコーダ回転角度のどれか1つの角度(θ)を選択し、この角度が回転切断刃径方向面に対するエンコーダ回転角度45度の位置に位置するようC軸を回転させて円筒状単結晶シリコンインゴットブロックの結晶方位位置を芯出しする。
(4)回転する一対の外周刃の方向に前記クランプ機構を搭載するワークテーブルを移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックの前後面の切断加工を行い、前後の側面を剥ぎ落とす。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間にポンプにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液が前記外周刃の前後面に供給される。
(5)ついで、2側面が剥ぎ落とされた円筒状シリコンインゴットブロックのC軸を主軸台のサーボモータを用いて90度回転させる。
(6)回転する前記一対の外周刃の方向にクランプ機構を搭載する前記ワークテーブルを移動させて前記一対の外周刃による円筒状シリコンインゴットブロックの前後面の切断加工を行い、四角柱状シリコンインゴットブロックを製造する。この切断加工の際、外周刃横揺れ自己補償機構の前記一対の加圧冷却液供給パッドの液体貯め空間にポンプにより20〜35Kgf/cm圧力の冷却液が前記外周刃の前後面に供給される。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−125868(P2012−125868A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278857(P2010−278857)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(391011102)株式会社岡本工作機械製作所 (161)
【Fターム(参考)】