説明

分注装置、分注方法および分析装置

【課題】簡易な構成で液体の微量分注の適否を確実に判断できる分注装置、分注方法および分析装置を提供すること。
【解決手段】ピストン10を有するシリンジ11が液体15の吸引吐出動作を行い、液体15の分注を行う分注装置1において、ピストン10を起動させるときの駆動位置と駆動時間との基準となる基準駆動プロファイルを記憶する記憶部3と、駆動されたピストン10の実行駆動位置を検出する位置検出器7と、駆動されたピストン10の実行駆動時間を計時するタイマ20と、基準駆動プロファイルをもとにピストン10の駆動制御を行うとともにピストン10の実行駆動位置と実行駆動時間とをもとに実行駆動プロファイルを求め、基準駆動プロファイルと実行駆動プロファイルとを比較し、比較値をもとに分注の適否を判断する制御部2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンを有するシリンジが液体の吸引吐出動作を行い、前記液体の分注を行う分注装置、分注方法および分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ピストンを駆動してシリンジに液体を吸引させ、シリンジから液体を吐出させる分注装置が知られている。一般にこのピストンは、ボールネジ等の回転−直動変換機構を介して回転モータを連結し、この回転モータの回転運動が直動運動に変換され、液体の吸引吐出動作を行う。この分注装置は、この回転モータの回転を制御することによって、液体の分注動作を制御する。
【0003】
ところで、微量分注を行う場合、シリンジに接続されたノズル先端から分注する液体の粘性、表面張力等に抗して所望の量の液塊を確実にノズル先端から排出するため、このピストンは、高加減速且つ高速度で駆動する必要がある。しかし、上述したように、このピストンは、回転モータ、回転−直動変換機構等を介して駆動されるため、所定の時間内に所定の駆動速度に達しない場合がある。図6−1,6−2は、ピストンの駆動時間(t)に対する駆動速度(V)の変化である駆動プロファイルを示す模式図である。破線は、理想の駆動速度プロファイルを示す。
【0004】
図6−1に示すように、所定時間t0に達したピストンの駆動速度V1が所定の駆動速度Vthに対して過小である場合、ノズル13から離脱しない分注液体15Bが残存するため、容器16に吐出される分注液体15Cは、所定の分注量に対し過少となる。
【0005】
また、図6−2に示すように、所定時間t0内にピストンの駆動速度が所定の駆動速度Vthに達しない場合、分注液体15Dは、ノズル13先端から全く離脱せず、容器16には分注されない。微量分注を行う場合、このピストンは、所定時間t0内に所定の駆動速度Vthに達する駆動プロファイルに沿って駆動する必要がある。つまり、ピストンの駆動距離だけでは、分注が有効であったか否か判断することが困難であった。そこで、ノズル先端から吐出された液滴を撮像し、この撮像した液滴の画像をもとに分注が有効であったか否かを判断する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−333231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した技術は、液滴を撮像する撮像装置および撮像した液滴の画像を解析する画像解析装置を必要とするため、分注装置を複雑化させるとともに大型化させ、さらには製造コストをアップさせるという問題点があった。
【0008】
また、ノズルから吐出された液滴の形状が一様でない場合、分注量を解析することが困難であり、分注が有効であったか否かを確実に判断できないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で確実に分注が有効であるか否かが判断できる分注装置、分注方法および分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる分注装置は、ピストンを有するシリンジが液体の吸引吐出動作を行い、前記液体の分注を行う分注装置において、前記ピストンを起動させるときの駆動位置と駆動時間との基準となる基準駆動プロファイルを記憶する記憶手段と、駆動された前記ピストンの実行駆動位置を検出する位置検出手段と、駆動された前記ピストンの実行駆動時間を計時する計時手段と、前記基準駆動プロファイルをもとに前記ピストンの駆動制御を行うとともに前記ピストンの前記実行駆動位置と前記実行駆動時間とをもとに実行駆動プロファイルを求め、前記基準駆動プロファイルと前記実行駆動プロファイルとを比較し、比較値をもとに前記分注の適否を判断する駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2にかかる分注装置は、上記の発明において、前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの前記駆動時間、前記ピストンの前記駆動距離、前記ピストンが駆動開始してから所定時間経過後の位置、前記駆動位置と前記駆動時間とを対応させた前記ピストンの駆動速度の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3にかかる分注装置は、上記の発明において、前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの駆動速度が前記ピストンの駆動開始後、初めて零となるまでの間の前記ピストンの移動距離が所定の範囲内であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4にかかる分注装置は、上記の発明において、前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの駆動速度が前記ピストンの駆動開始後、初めて零となるまでの間に前記ピストンが移動に要する時間または前記ピストンが移動した範囲内における前記ピストンの加減速を含む移動速度が所定の範囲内であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5にかかる分注方法は、上記の発明において、ピストンを有するシリンジが液体の吸引吐出動作を行い、前記液体の分注を行う分注方法において、前記ピストンを起動させるときの駆動位置と駆動時間との基準となる基準駆動プロファイルを記憶する記憶工程と、駆動された前記ピストンの実行駆動位置を検出する位置検出工程と、駆動された前記ピストンの実行駆動時間を計時する計時工程と、前記基準駆動プロファイルをもとに前記ピストンの駆動制御を行うとともに前記ピストンの前記実行駆動位置と前記実行駆動時間とをもとに実行駆動プロファイルを求め、前記基準駆動プロファイルと前記実行駆動プロファイルとを比較し、比較値をもとに前記分注の適否を判断する駆動制御工程と、
を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6にかかる分析装置は、上記の発明において、請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる分注装置、分注方法および分析装置は、分注を適正に行うピストンの基準駆動プロファイルと分注が実行された実行速度プロファイルとを比較することによって、実行された分注が有効であるか否かの判断が確実にできるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる分注装置、分注方法および分析装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1は、この発明にかかる分注装置1の概要構成を示すブロック図である。図1に示すように、この分注装置1は、分注動作を制御する制御部2と、ピストン10の駆動開始位置、駆動停止位置、基準駆動プロファイルを記憶する記憶部3と、液体15の粘性率と分注量とを入力する入力部4と、分注が有効であるか否かを表示する表示部17と、制御部2から制御信号S1を入力し、モータ8を駆動制御するモータドライバ5と、モータドライバ5によって駆動するモータ8と、モータ8の回転位置をもとにピストン10の位置を検出する位置検出器7と、位置検出器7が検出した位置を検出信号S2に変換する信号変換器6と、モータ8の回転運動を直動運動に変換するボールネジ9と、ボールネジ9に連結されたピストン10と、ピストン10を収納するシリンジ11と、液体15を収容するリザーバ14と、制御部2から選択信号S3を入力して吸引吐出を切替える三方弁12と、液体15を容器16に吐出するノズル13とを有する。
【0019】
また、制御部2は、ピストン10の駆動時間を計時するタイマ20と記憶部3が記憶する基準駆動プロファイルと実行された実行駆動プロファイルとを比較する比較部21とを有する。
【0020】
ここで、この分注装置1の分注動作について説明する。まず、制御部2は、入力部4を介して液体15に関する粘性率と分注量とを入力すると、粘性率と分注量とに対応したテーブルを記憶部3から抽出する。
【0021】
制御部2は、三方弁12に選択信号S3を出力し、三方弁12の吸入口をリザーバ14側に切替える。その後、制御部2は、制御信号S1を出力し、テーブルに記載された駆動開始位置にピストン10を移動させ、リザーバ14から液体15を吸引する。
【0022】
つぎに、制御部2は、三方弁12に選択信号S3を出力し、三方弁12の吸入口をシリンジ11側に切替え、制御信号S1を出力し、テーブルに記載された基準駆動プロファイルをもとにピストン10を駆動する。この基準駆動プロファイルは、ピストン10の駆動速度がピストン10の移動開始後初めて零となるまでの間のピストン10の移動距離が所定範囲内となるように設定されている。更に、ピストン10の移動開始から速度が零となるまでに要する時間またはその間のピストン10の加減速を含む移動速度も所定範囲内となるように設定されている。
【0023】
制御部2は、基準駆動プロファイルをもとにピストン10を駆動するとともにタイマ20と検出信号S2とをもとにピストン10の実行駆動プロファイルを生成し、比較部21は、この生成された実行駆動プロファイルと基準駆動プロファイルとを比較する。
【0024】
制御部2は、比較部21が比較した結果をもとに実行駆動プロファイルが基準駆動プロファイルに対して所定範囲内に有る場合、分注が有効であると判断し、表示部17に分注が有効である旨を表示し、実行駆動プロファイルが基準駆動プロファイルに対して所定範囲外にある場合、分注が無効と判断し、表示部17に分注が無効である旨を表示する。
【0025】
ここで、記憶部3が記憶するテーブルについて説明する。図2は、テーブルT1〜Tnの具体的内容を示す模式図である。図2に示すように、各テーブルT1〜Tnは、液体の粘性率ごとに分けられて記載され、分注量に対応して駆動開始位置、駆動停止位置、基準速度プロファイルを含めた基準駆動プロファイルが記載されている。
【0026】
駆動開始位置は、ピストン10が駆動を開始するシリンジ11に対する位置を示し、駆動停止位置は、ピストン10が駆動を停止するシリンジ11に対する位置を示し、基準速度プロファイルは、ピストン10の駆動開始から駆動停止までの速度プロファイルを示す。
【0027】
このテーブルT1〜Tnには、シリンジ11の内径がφ0.2mmの基準駆動プロファイルが記載されている。たとえば、テーブルT1には粘性率1.0(mPa・s)の液体15を分注する駆動開始位置、駆動停止位置、基準駆動プロファイルが示されている。90(nL)分注する場合、ピストン10の駆動開始位置:5、駆動停止位置:7.86、速度プロファイル:Aが示されている。これは、シリンジ11位置:5から速度プロファイル:Aによってシリンジ11位置:7.86までピストン10を駆動すると90(nL)の分注が行えることを示している。
【0028】
また、液体15を10(nL)分注する場合、ピストン10の駆動開始位置:1、駆動停止位置:1.32、速度プロファイル:Bが示されている。これは、シリンジ位置:1から速度プロファイル:Bによってシリンジ11位置:1.32までピストン10を駆動すると10(nL)の分注が行えることを示している。
【0029】
このように、分注量に応じてピストン10の基準駆動プロファイルも異なる。また、シリンジ11の分注装置1に対する位置関係によって、駆動開始位置を優先する場合と駆動停止位置を優先する場合とがあるため、駆動開始位置と駆動停止位置との双方が記載されている。
【0030】
ここで、速度プロファイルについて説明する。図3は、速度プロファイル:A,Bを示す模式図である。図3に示すように、速度プロファイル:Aは、90(nL)分注する場合であり、速度プロファイル:Bは、10(nL)分注する場合である。分注量に応じてノズル13先端から液体15の液塊を完全に離脱させるため、速度プロファイル:A,Bは、加速度が異なる。
【0031】
そこで、分注動作の有効か否かの判断の動作手順について説明する。図4は、分注動作を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、制御部2は、液体15の粘性率、分注量を入力する(ステップS101)。つぎに、制御部2は、記憶部3から入力した粘性率、分注量に対応したテーブルを抽出する(S102)。その後、この抽出したテーブルに記載された駆動開始位置にピストン10を移動させ(ステップS103)、テーブルに記載された基準駆動プロファイルをもとにピストン10を駆動する(ステップS104)。
【0032】
制御部2は、タイマ20が計時する時間と検出信号S2とをもとに実際に実行された実行駆動プロファイルを取得する(ステップS105)。そこで、比較部21は、この実行駆動プロファイルと基準駆動プロファイルとを比較する(ステップS106)。制御部2は、実行駆動プロファイルが基準駆動プロファイルに対して所定の範囲内に有るか否かを判断し(ステップS107)、所定範囲内に有ると判断した場合(ステップS107,YES)、分注は有効と判断し(ステップS108)、分注動作を終了する(ステップS109)。
【0033】
一方、実行駆動プロファイルが基準駆動プロファイルに対して所定範囲内に無いと判断した場合(ステップS107,NO)、分注は無効と判断し(ステップS110)、分注は無効の旨を表示する(ステップS111)。
【0034】
制御部2は、分注を無効と判断した場合、分注液体を廃棄するようにしてもよいし、容器16ごと廃棄してもよい。また、再度分注を行うようにしてもよい。尚、本発明による分注装置の、直動−回転変換機構は、図1に示したボールネジ9に換えて、ラック&ピニオン機構を採用しても良い。さらに回転式モータ8の替わりにリニアモータを使用して、ボールネジ9などの直動−回転変換機構が不要な構成としても良い。また、図1の実施例では、分注の良否判定結果を表示部17で表示しているが、表示部17を設けず、例えば無効な分注が行われた場合に制御部2から、本発明による分注装置1を搭載する分析装置の制御部へエラー信号を送信しても良い。
【0035】
また、基準駆動プロファイルは、分注量に対応して、ピストン10の駆動開始位置、駆動停止位置、基準駆動プロファイルを含めるようにしていたが、これらのうちいずれか一つがであってもよく、比較部21は、基準駆動プロファイルに対応した実行駆動プロファイルを比較するようにしてもよい。
【0036】
つぎに、この分注装置を備えた分析装置について説明する。図5は、分注装置1a,1bを備えた分析装置30の上面である。図5に示すように、この分析装置30は、作業テーブル31を有し、作業テーブル31は、検体を収容する検体テーブル32と試薬を収容する試薬テーブル39と試薬と検体とを混合する反応テーブル34とを有し、さらに試薬、検体をそれぞれ分注する分注装置1a,1bを有する。
【0037】
また、作業テーブル31は、試薬テーブル39に収容された試薬容器40を個別に識別する読取装置41と、試薬と検体とが混合された反応容器35に分析光を照射する光源36と、反応容器35を透過した光を受光する受光素子37と、分析が終了した反応容器35を洗浄する洗浄装置38とを有する。
【0038】
分注装置1aは、検体テーブル32の収容室32aに収容された検体容器33から検体を吸引し、反応テーブル34の収容室34aに収容された反応容器35に検体を吐出し、分注装置1bは、試薬テーブル39の収容室39aに収容された試薬容器40から試薬を吸引し、反応容器35に試薬を吐出する。
【0039】
この2台の分注装置1a,1bは、それぞれ個別に検体の分注および試薬の分注を行うとともに個別に分注の適否が分かるため、無駄な分析を行わずに済むとともに、誤った分析を行うことがない。
【0040】
この実施の形態では、記憶部3が記憶した基準駆動プロファイルと実行された実行駆動プロファイルとを比較することによって、分注が有効であったか否かを確実に判断できる。また、図5の洗浄装置38に換えて反応容器の供給及び排出装置を設けても良く、この場合には、分析を終えた反応容器は、装置内に留まらず、分析装置30外へ排出される。
【0041】
なお、この実施の形態では、記憶部3は、液体15の粘性率ごとにテーブルT1〜Tnを作成していたが、粘性率ごとに分けず、一つのテーブルに全てを記載するようにしてもよい。また、実行速度プロファイルの基準速度プロファイルに対する所定範囲は、分注量に応じて変更するようにしてもよい。
【0042】
また、基準駆動プロファイルは、この分注装置1の工場出荷時、装置設置時、メンテナンス時、装置修理時に作成するようにしてもよい。また、経時変化に対応できるように、定期的に更新するようにしてもよい。この基準速度プロファイルは、実際に分注動作を行って作成してもよいし、シミュレーション計算等によって、記憶部3に入力するようにしてもよい。
【0043】
また、この実施の形態では、記憶部3は、ピストン10の駆動開始位置、駆動停止位置、基準駆動プロファイルの3者共に記憶していたが、このうちのいずれか一つを記憶し、比較部21は、このいずれか一つの基準駆動プロファイルと実行駆動プロファイルとを比較し、分注の適否を判断するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の実施の形態にかかる分注装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる記憶部が記憶するテーブルの内容を示す模式面である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる基準速度プロファイルを示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態にかかる分注動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態にかかる分析装置の概要構成を示す上面図である。
【図6−1】ピストンの駆動速度が過小である場合を示す模式図である。
【図6−2】ピストンの駆動加速度が過小である場合を示す模式図である。
【符号の説明】
【0045】
1 分注装置
2 制御部
3 記憶部
4 入力部
5 モータドライバ
6 信号変換器
7 位置検出器
8 モータ
9 ボールネジ
10 ピストン
11 シリンジ
12 三方弁
13 ノズル
14 リザーバ
15 液体
16 容器
17 表示部
20 タイマ
21 比較部
22 分析部
30 分析装置
31 作業テーブル
32 検体テーブル
32a,34a,39a 収容室
33 検体容器
34 反応テーブル
35 反応容器
36 光源
37 受光素子
38 洗浄装置
40 試薬容器
41 読取装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンを有するシリンジが液体の吸引吐出動作を行い、前記液体の分注を行う分注装置において、
前記ピストンを起動させるときの駆動位置と駆動時間との基準となる基準駆動プロファイルを記憶する記憶手段と、
駆動された前記ピストンの実行駆動位置を検出する位置検出手段と、
駆動された前記ピストンの実行駆動時間を計時する計時手段と、
前記基準駆動プロファイルをもとに前記ピストンの駆動制御を行うとともに前記ピストンの前記実行駆動位置と前記実行駆動時間とをもとに実行駆動プロファイルを求め、前記基準駆動プロファイルと前記実行駆動プロファイルとを比較し、比較値をもとに前記分注の適否を判断する駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの前記駆動時間、前記ピストンの前記駆動距離、前記ピストンが駆動開始してから所定時間経過後の位置、前記駆動位置と前記駆動時間とを対応させた前記ピストンの駆動速度の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの駆動速度が前記ピストンの駆動開始後、初めて零となるまでの間の前記ピストンの移動距離が所定の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記基準駆動プロファイルは、前記ピストンの駆動速度が前記ピストンの駆動開始後、初めて零となるまでの間に前記ピストンが移動に要する時間または前記ピストンが移動した範囲内における前記ピストンの加減速を含む移動速度が所定の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の分注装置。
【請求項5】
ピストンを有するシリンジが液体の吸引吐出動作を行い、前記液体の分注を行う分注方法において、
前記ピストンを起動させるときの駆動位置と駆動時間との基準となる基準駆動プロファイルを記憶する記憶工程と、
駆動された前記ピストンの実行駆動位置を検出する位置検出工程と、
駆動された前記ピストンの実行駆動時間を計時する計時工程と、
前記基準駆動プロファイルをもとに前記ピストンの駆動制御を行うとともに前記ピストンの前記実行駆動位置と前記実行駆動時間とをもとに実行駆動プロファイルを求め、前記基準駆動プロファイルと前記実行駆動プロファイルとを比較し、比較値をもとに前記分注の適否を判断する駆動制御工程と、
を含むことを特徴とする分注方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の分注装置を備えたことを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【公開番号】特開2006−343242(P2006−343242A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170129(P2005−170129)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】