説明

加熱装置

【課題】簡単な構造で安定した加熱を行うことができるとともに、消費電力を抑制することのできる加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱装置は、第1の加熱板1と、第1の加熱板1とは所定の距離離間して対向するように配置され、複数の穴5が形成された第2の加熱板2と、第2の加熱板2の面2aから所定の距離離間して配置されるハロゲンヒータ3とを備えている。加熱装置は、加熱対象物4を第1の加熱板1と第2の加熱板2との間に介在させ、当該加熱対象物4を加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線放射を用いた加熱手段を備えた加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱装置は、溶解、溶融、樹脂コーティング、半導体製造における熱処理(アニール)、焼鈍などの目的で使用される。
【0003】
たとえば金属メッキが施され圧延加工された導線に対し、加熱装置を使用して焼鈍処理が施される。これは、圧延されたことに起因して硬度化になった導線を焼鈍することにより軟化させるためである。
【0004】
なお、焼鈍処理を行う加熱装置としては、特許文献1に記載された加熱装置が知られている。
【特許文献1】特開2005−48212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば焼鈍処理のように一定期間(連続して処理を実行するための時間)、所定の温度を維持して加熱するような加熱装置においては、低消費電力でしかも安定した加熱が行えることが好ましい。
【0006】
しかしながら、現在、低消費電力でしかも安定した加熱が行える加熱装置は提案もまた実現もされていないのが実情である。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構造で安定した加熱を行うことができるとともに、消費電力を抑制することのできる加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の加熱装置は、第1の加熱板と、前記第1の加熱板とは所定の距離離間して対向するように配置され、複数の穴が形成された第2の加熱板と、前記第2の加熱板における前記第1の加熱板と対向する面とは反対の面から所定の距離離間して配置され、赤外線を放射する加熱手段と、を有し、加熱対象物を前記第1の加熱板と前記第2の加熱板との間に介在させ、当該加熱対象物を加熱することを特徴とする。
【0009】
これにより、第2の加熱板は、加熱手段から放射された赤外線により加熱され、第1の加熱板は、加熱された第2の加熱板から放熱された熱と、第2の加熱板に形成された複数の穴を通過した加熱手段から放射された赤外線とによって加熱され、さらに、加熱対象物は、第2の加熱板に形成された複数の穴を通過した加熱手段から放射された赤外線の一部または全部と、加熱された第1の加熱板および第2の加熱板から放熱された熱とによって加熱されるので、加熱対象物に対し安定した加熱を行うことができる。また、加熱手段は、第1の加熱板側には設けることなく、第2の加熱板側にのみ設ければよいので、構造が簡単で消費電力を抑制することができる。このようなことから、簡単な構造で安定した加熱を行うことができるとともに、消費電力を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記第1の加熱板および前記第2の加熱板のそれぞれの前記加熱手段に近い側の表面は、熱吸収性を高める黒色化処理が施されていることを特徴とする。
【0011】
これにより、第1の加熱板および第2の加熱板は、黒色化処理が施されていない場合と比較して熱吸収性が高まり、結果的に、迅速にかつ加熱板全体に亘って均等に加熱されるので、加熱対象物に対し、より一層、安定した加熱を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記加熱手段は、ハロゲンヒータまたはカーボンヒータであることを特徴とする。
【0013】
このように赤外線を放射する加熱手段にハロゲンヒータやカーボンヒータを適用することにより、加熱装置自体のコストを抑制することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に加えて、前記加熱対象物は、Cu(銅)で形成された基材の周囲にSn(錫)メッキが施された導線であって、第1の温度で焼鈍処理が施された導線であり、前記焼鈍処理された導線に対し、前記基材上にCuSn(銅−錫系)の合金層が形成されるとともに当該合金層上にCuSn(銅−錫系)の合金層が形成されるべく第2の温度で焼鈍処理を行うことを特徴とする。
【0015】
これにより、加熱対象物における基材の周囲に施されたSnメッキ(Sn層)の下部より、第1の合金層と第2の合金層とを拡散生成させることができ、かつSn層を薄膜化させることができるので、加熱対象物の表面の硬度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1の加熱板と第2の加熱板との間に介在される加熱対象物は、第2の加熱板側にのみ設けられた加熱手段から放射される赤外線と、第1の加熱板および第2の加熱板から放熱される熱とによって、安定して加熱されることになるので、簡単な構造で安定した加熱を行うことができるとともに、消費電力を抑制することができるという有効な効果が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第1の加熱板および第2の加熱板は、黒色化処理が施されていない場合と比較して熱吸収性が高まり、結果的に、迅速にかつ加熱板全体に亘って均等に加熱されるので、加熱対象物に対し、より一層、安定した加熱を行うことができるという有効な効果が得られる。
【0018】
さらに、本発明によれば、加熱対象物における基材の周囲に施されたSnメッキ(Sn層)の下部より、第1の合金層と第2の合金層とを拡散生成させることができ、かつSn層を薄膜化させることができるので、加熱対象物の表面の硬度を向上させることができるという有効な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態)
【0021】
図1は本発明の加熱装置の原理を説明する図、図2は本実施の形態に係る加熱装置を説明する斜視図、図3は図2において蓋部を装置本体側に閉じた状態におけるA−A断面を示す断面図、図4は図3のB方向から見た加熱装置を説明する図、図5は本実施の形態に係る加熱処理が施された加熱対象物の構造を説明する図である。
【0022】
本発明の加熱装置の原理について、図1を参照して説明する。
【0023】
加熱装置は、図1(a)に示すように、第1の加熱板1と、この第1の加熱板1とは所定の距離離間して対向するように配置され、複数の穴が形成された第2の加熱板2と、この第2の加熱板2における第1の加熱板1と対向する面とは反対の面2aから所定の距離離間して配置されるハロゲンヒータ(加熱手段)3とを備えている。そして、第1の加熱板1と第2の加熱板2との間に、加熱対象物4が介在される。
【0024】
また、第1の加熱板1および第2の加熱板2はともに材質は例えば鉄で、厚さは例えば約1mmであり、さらに第1の加熱板1は図1(b)に示すように穴は形成されいないが、第2の加熱板2は図1(c)に示すように複数の穴5がその加熱板全体に亘ってかつ均等に形成されている。
【0025】
このように第2の加熱板2に複数の穴5を形成することにより、ハロゲンヒータ3から放射される赤外線(特に近赤外線)を、複数の穴5を通して第1の加熱板1の一方の面1aに照射させ、この第1の加熱板1を加熱させることができる。
【0026】
さらに、第1の加熱板1および第2の加熱板2それぞれのハロゲンヒータ3に近い側の面(表面)、すなわち第1の加熱板1の表面1aおよび第2の加熱板2の表面2aは、それぞれ熱的特性を高める所定の処理、詳しくは熱吸収性を高める黒色化処理が施されている。これに対し、第1の加熱板1の表面1aとは反対側の面および第2の加熱板2の表面2aとは反対側の面には、この黒色化処理は施されていない。なお、黒色化処理としては、例えば黒色クロムめっき、など「めっき」が挙げられる。
【0027】
このように第1の加熱板1の表面1aおよび第2の加熱板2の表面2aに黒色化処理を施すようにするのは、次の理由からである。
【0028】
すなわち、第2の加熱板2の表面2aに形成される黒色化による膜(黒色皮膜)には、ハロゲンヒータ3から放射された近赤外線が照射されるので、その表面2aは、黒色化処理が施されていない場合と比較して熱吸収性が高まり、結果的に、第2の加熱板2は迅速にかつ加熱板全体に亘って均等に加熱される。
【0029】
一方、第1の加熱板1の表面1aに形成される黒色化による膜(黒色皮膜)には、第2の加熱板2に形成された複数の穴5を通過したハロゲンヒータ3から放射された近赤外線が到達するとともに、ハロゲンヒータ3からの近赤外線が照射されたことに起因して加熱した第2の加熱板2から放熱された熱が到達するので、その表面1aは、黒色化処理が施されていない場合と比較して熱吸収性が高まり、その結果、第1の加熱板1は、ハロゲンヒータ3に対し第2の加熱板2よりも所定の距離離間した位置に存在するものの、上記第2の加熱板2の場合と同様に、迅速にかつ加熱板全体に亘って均等に加熱される。
【0030】
このように、第1および第2の加熱板1,2に対し、熱吸収性を高めさせて効率良く熱を吸収させ、安定した熱量(熱エネルギー)を保有させるために、それらの加熱板の表面(近赤外線あるいは熱を受ける面)に黒色化処理を施すようにしている。
【0031】
ところで、第1の加熱板1と第2の加熱板2との間に介在する加熱対象物4にも、第2の加熱板2に形成された複数の穴5を通過したハロゲンヒータ3から放射された近赤外線が到達する。
【0032】
したがって、第1の加熱板1と第2の加熱板2間の加熱対象物4に対しては、上述したように、ハロゲンヒータ3からの近赤外線と、加熱板全体に亘って均等に加熱された第1の加熱板1および第2の加熱板2のそれぞれから放出された熱(熱エネルギー)とによって、安定した加熱を行うことができる。
【0033】
これにより、加熱対象物4における第1の加熱板1および第2の加熱板2と対向する面(両側の面)が均等に加熱され、結果的に、加熱対象物4全体か均等に加熱される。
【0034】
本実施の形態では、ハロゲンヒータ3は、第1の加熱板1側には設けることなく、第2の加熱板2側にのみ設ければよいので、加熱装置の構造が簡単で消費電力を抑制することができる。
【0035】
また、第1の加熱板1および第2の加熱板2は、黒色化処理が施されていない場合と比較して熱吸収性が高まり、結果的に、迅速にかつ加熱板全体に亘って均等に加熱されるので、加熱対象物4に対し、より一層、安定した加熱を行うことができる。
【0036】
図2は、本実施の形態に係る加熱装置を説明する斜視図を示している。なお、図2において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分に同一の符号を付している。
【0037】
図2に示すように、加熱装置10は、ハロゲンヒータ3(図2には図示せず)および第2の加熱板2を有する装置本体20と第1の加熱板1を有する蓋部30とを備えている。
【0038】
蓋部30は、一方の側面部33の端部33aが、装置本体20の一方の側面部23の端部23aに回動自在に支障されているとともに、他方の側面部34の端部34aは、この蓋部30が閉じられたときに、装置本体20の他方の側面部24の端部24aと密着されるようになっている。
【0039】
なお、蓋部30には、操作者(作業員)がこの蓋部30を開閉するときに保持するための取手部(図示せず)が設けられている。
【0040】
図2において蓋部30の端部33aを中心にして蓋部30を装置本体20側に閉じた状態におけるA−A断面を図3に示し、図3のB方向から見た加熱装置を説明する図を図4に示す。なお、図3において、符号101で示される部分は第1の加熱板1に形成された黒色皮膜であり、102で示される部分は第2の加熱板2に形成された黒色皮膜である。
【0041】
図2および図3に示すように、装置本体20においては、側面部21,22にはそれぞれ凹部21a,22aが形成されている。これらの凹部21a,22aの底部21b、22bの位置と同等あるいはこの位置よりも低い位置に、上述した第2の加熱板2の表面2aとは反対側の面(表面)が存在するように、この第2の加熱板2が装置本体20に配設されている。
【0042】
ハロゲンランプ3aと反射ミラー3bとを有する複数(この例では4個)のハロゲンヒータ3は、その長手方向が装置本体20の側面部21,22の長手方向(幅方向)とは略平行に並設され、かつ第2の加熱板2よりも下方に位置するように配設されている。反射ミラー3bは、ハロゲンランプ3aから放射され入射する近赤外線を第2の加熱板2に向けて反射させる。
【0043】
ところで、蓋部30の端部33aを中心にして蓋部30を装置本体20側に閉じたときは、蓋部30と装置本体20とは、加熱装置10における長手方向の両側の部位は密着された状態になるものの、加熱装置10における幅方向の両側の部位(凹部21a,22aを含む部位)は、図3に示すように開口部25および開口部26(図4参照)が形成された状態となる。
【0044】
また、蓋部30の端部33aを中心にして蓋部30を装置本体20側に閉じた場合においては、第1の加熱板1の表面1aと第2の加熱板2の表面2aとは反対側の面(表面)とは、所定の距離(図4に示す距離S)離間した状態になっている。
【0045】
すなわち、加熱装置10においては、開口部25、第1の加熱板1と第2の加熱板2との間に形成される空間および開口部26によって、加熱装置10の長手方向に沿って流通路が形成される。
【0046】
本実施の形態では、加熱対象物4は、Cu(銅)で形成された基材の周囲にSn(錫)メッキが施された導線(導体)であって、第1の温度(例えば400〜500℃)で焼鈍処理(例えば第1の温度で0.1〜0.3秒間加熱)が施された導線(導体)である。ここでは、Snメッキのメッキ厚は、例えば0.7μmに設定されている。
【0047】
また、上述した加熱装置10では、第1の温度で焼鈍処理された導線(導体)に対し、基材上にCuSn(銅−錫系)の第1の合金層が形成されるとともに当該第1の合金層上にCuSn(銅−錫系)の第2の合金層が形成されるべく第2の温度で焼鈍処理を行うようになっている。
【0048】
この第2の温度での焼鈍処理(つまり2回目の焼鈍処理)においては、導線(加熱対象物4)を270〜280℃の温度で5〜10sec(秒)の時間だけ加熱し、この加熱時間が終了した後、導線(加熱対象物4)を自然冷却するなど徐冷する。
【0049】
かかる構成の加熱装置10では、図3に示すように、上述した流通路上に単数または複数の加熱対象物4を通過させることにより、当該加熱対象物4を加熱するようにしている。ここで、例えば5本や10本など複数の導線つまり加熱対象物4を同時に焼鈍するときは、複数の加熱対象物4が並行で、かつ当該並行する複数の加熱対象物4が加熱装置10の側面部21,22の凹部21a,22aそれぞれの底部21b、22bと略平行となるように、複数の加熱対象物4を加熱装置10の上述した流通路上を通過させるようにする。
【0050】
なお、本実施の形態では、焼鈍処理(2回目の焼鈍処理)は温度270〜280℃および時間5〜10secに基づいて実施するようにしているが、これら加熱温度および加熱時間は例示に過ぎず、上記第1の合金層と上記第2の合金層とが拡散生成される条件を満足する加熱温度および加熱時間を採用することができる。例えば、加熱温度260℃で加熱時間20secに設定することも可能である。
【0051】
このようにして加熱された加熱対象物4としての導線はフレキシブルフラットケーブルに使用される導体(以下、FFC用導体とおいう)となる。このFFC用導体の構造について、図5を参照して説明する。
【0052】
なお、図5(a)はFFC用導体を示す斜視図、図5(b)は図5(a)の要部Cを拡大した断面図である。
【0053】
FFC用導体は、図5(a)に示すように平角軟銅線(Cu)の材質で形成された基材(平角導体)4−1を有しており、しかも、図5(b)に示すように、Cu(銅)の基材(平角導体)4−1上にCuSn(銅−錫系)の第1の合金層4−2が形成されているとともに、当該第1の合金層4−2上にCuSn(銅−錫系)の第2の合金層4−3が形成され、さらに第2の合金層4−3上に純Sn(錫)の表面層4−4が形成されている。
【0054】
すなわち、第1の合金層4−2と第2の合金層4−3とが拡散生成され、この拡散生成により純Snメッキ膜(Sn層)の薄膜化が進行し、表面層13が形成される。そのため、FFC用導体の表面硬度が高くなり、FFC用導体の表面(導体表面)の応力変形を軽減することができる。これによりFFC用導体でのウイスカー(メッキ被膜表面に発生したヒゲ状の結晶生成物)を抑制することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、第1の合金層4−2、第2の合金層4−3および表面層4−4の合計の厚さDは0.7μmに設定されている。この厚さD0.7μmは、Cu(銅)で形成された基材の周囲に施されるSnメッキの予め規定したメッキ厚(0.7μm)に相当する。
【0056】
また、以上の説明においては、赤外線を放射する加熱手段としてハロゲンヒータ3を適用した場合が説明されているが、例えばカーボン(炭素系発熱体)を用いたカーボンヒータなど、赤外線(近赤外線、中赤外線、遠赤外線)の放射により加熱を行うことができるものであれば、種々のものを加熱手段として適用することができる。
【0057】
なお、加熱手段として、広く市販されているハロゲンヒータやカーボンヒータを適用すれば、加熱装置自体のコストを抑制することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、第1の加熱板と複数の穴が形成された第2の加熱板との間に介在する加熱対象物を、これらの加熱板からの熱および加熱手段からの赤外線により加熱する加熱装置であって、焼鈍処理以外の所定の処理の目的で加熱する加熱装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の加熱装置の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態に係る加熱装置を説明する斜視図である。
【図3】図2において蓋部を装置本体側に閉じた状態におけるA−A断面を示す断面図である。
【図4】図3のB方向から見た加熱装置を説明する図である。
【図5】実施の形態に係る加熱処理が施された加熱対象物の構造を説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
1 第1の加熱板
2 第2の加熱板
3 ハロゲンヒータ(加熱手段)
3a ハロゲンランプ
3b 反射ミラー
4 加熱対象物
5 第2の加熱板に形成された穴
10 加熱装置
20 装置本体
21a,22a 凹部
25,26 開口部
30 蓋部
101 第1の加熱板に形成された黒色皮膜
102 第2の加熱板に形成された黒色皮膜
4−1 基材(Cu)
4−2 第1の合金層(CuSn
4−3 第2の合金層(CuSn
4−4 表面層(Sn層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の加熱板と、
前記第1の加熱板とは所定の距離離間して対向するように配置され、複数の穴が形成された第2の加熱板と、
前記第2の加熱板における前記第1の加熱板と対向する面とは反対の面から所定の距離離間して配置され、赤外線を放射する加熱手段と、
を有し、加熱対象物を前記第1の加熱板と前記第2の加熱板との間に介在させ、当該加熱対象物を加熱することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記第1の加熱板および前記第2の加熱板のそれぞれの前記加熱手段に近い側の表面は、熱吸収性を高める黒色化処理が施されている
ことを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
前記加熱手段は、ハロゲンヒータまたはカーボンヒータである
ことを特徴とする請求項1または2記載の加熱装置。
【請求項4】
前記加熱対象物は、Cu(銅)で形成された基材の周囲にSn(錫)メッキが施された導線であって、第1の温度で焼鈍処理が施された導線であり、
前記焼鈍処理された導線に対し、前記基材上にCuSn(銅−錫系)の合金層が形成されるとともに当該合金層上にCuSn(銅−錫系)の合金層が形成されるべく第2の温度で焼鈍処理を行う
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−120930(P2007−120930A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317683(P2005−317683)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(391025534)坂東電線株式会社 (5)
【Fターム(参考)】