説明

半導体加工用部品を処理する方法とこの方法によって形成される部品

【課題】様々な半導体加工用部品とこうした半導体加工用部品を形成する方法を提供する。
【解決手段】半導体加工用部品はSiCで形成され、および、この半導体加工用部品の外側表面部分が、内部不純物レベルの10倍以下である表面不純物レベルを有する。半導体加工用部品を処理する方法は、この半導体加工用部品を高温度においてハロゲン気体に曝露することと、酸化物層を形成するために半導体加工用部品を酸化させることと、この酸化物層を除去することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体製造環境内で使用するための半導体加工用部品を処理する方法と、この方法によって形成される半導体加工用部品とに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体加工技術では、一般に、集積回路素子が様々なウェーハ加工技術によって形成され、および、この半導体(主にシリコン)ウェーハは様々なステーションや工作機械によって加工される。加工作業は、例えば、高温拡散、熱処理、イオン注入、アニーリング、フォトリソグラフィ、研磨、蒸着等を含む。新世代の半導体素子が開発されるのに応じて、こうした加工作業中にますます高い純度レベルを実現しようとする強い要望が半導体産業に存在する。これに加えて、ますます大きな半導体ウェーハに移行しようとする強い推進力が存在し続けている。現在では、半導体産業は200mmウェーハから300mmウェーハへの移行の途上にある。非常に高い純度レベルとより大きなウェーハとを求める要望が、次世代の加工処理に関する更なる統合的な課題を生じさせている。
【0003】
この関連において、ウェーハサイズが増大するにつれて、ウェーハの質量の増大と表面積の増大とを原因とする重力応力が、結晶学的スリップ(crystallographic slip)として理解されているものを半導体ウェーハに生じさせるということが発見されている。この結晶学的スリップは、ウェーハサイズの増大に比例したデバイス歩留まりの減少の原因となるウェーハ内のスリップラインとして出現し、および、より大きい表面積のウェーハに関連しているコスト上の利点の幾分かを失わせる。
【0004】
結晶学的スリップを最小限にするために、加工作業中にウェーハがより完全に支持されることが必要とされる。1つの技術は、特にウェーハに接触する半導体加工用部品の一部分に沿った滑らかな仕上げを実現するように、半導体加工用部品に研磨加工などの機械加工をすることである。こうした半導体加工用部品は、例えば、半導体ウェーハ治具と、水平および垂直ウェーハボート(wafer boat)と、ウェーハキャリア(wafer carrier)とを含む。一般には、表面仕上げの改良は、ウェーハキャリアまたはウェーハ治具の形にスロットに研磨加工などの機械加工をすることによって実現されることが可能である。適切な表面仕上げは、既存の技術を使用して半導体加工用部品に施されることが可能であるが、さらに別の問題点、および、特に、純度の低下と、これに付随した半導体加工処理部品の汚染の増大とが生じている。
【0005】
米国特許第6,093,644号が、酸化段階が行われた後に酸化物層の除去が行われるプロセスを開示している。しかし、この特許で開示されている技術はある種の汚染の問題には適切に対処しておらず、および、半導体加工用部品の全体的な不純物レベルには着目するが、半導体加工用部品の重要部分に沿った不純物のレベルには着目しない。
【0006】
次世代の純度の問題点と、より大きいサイズの半導体ウェーハに関連した取扱い上の問題点とに取り組む半導体産業における改良にもかかわらず、さらに改良された半導体加工用部品と、こうした部品を形成する方法と、半導体ウェーハ加工方法とが当業において必要とされ続けている。
【0007】
さらに、CVD(化学蒸着)によって形成されるSiC部品のような独立した(free standing)半導体加工用部品の場合のように、他の用途では、研磨加工のような機械加工は必要とされないか、または任意的であることがある。形成されたままのCVD SiC部品が半導体加工作業のための非常に優れた特徴を有すると一般的に考えられているが、より一層改良された部品と、こうしたより一層改良された部品を形成して使用する方法とが当業において必要とされ続けている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一つの形態によれば、半導体加工用部品を処理する方法を必要とする実施例が提供される。この方法では、半導体加工用部品が高温度でハロゲン気体に曝され、および、酸化物層を形成するために酸化させられる。酸化物層の形成後に、その酸化物層が除去される。
【0009】
別の実施例では、半導体加工用部品から汚染物質を除去する方法が提供され、この方法では、汚染物質が反応生成物を形成するように高温で反応させられ、その半導体加工用部品が酸化物層を形成するように酸化させられ、および、その後で、その酸化物層が除去される。
【0010】
別の実施例では、半導体加工用部品が提供される。この半導体加工用部品は、炭化ケイ素を含み、および、約2ミクロン未満のRaを有する表面粗さを有する。かつ、その半導体加工用部品の外側表面下の10nmの深さにおいてSIMS深さプロファイリングによって測定した場合に、その半導体加工用部品の外側部分に沿って約1000ppm未満の不純物含量を有する。この外側部分は、その半導体加工用部品の露出した外側表面から、その半導体加工用部品の露出した外側表面下の約0.5ミクロンの深さに延びる。この外側部分は、その半導体加工用部品の外側表面の一部分に沿って延びてもよく、または、その半導体加工用部品の外側表面のほぼ全体にわたって延びてもよい。
【0011】
さらに別の実施例では半導体加工用部品が提供され、この半導体加工用部品は、研磨加工などの機械加工がされた表面を有し、その半導体加工用部品の外側部分に沿って約1000ppm未満の不純物含量とを有する。この外側部分は上述されている。
【0012】
さらに別の実施例では、半導体ウェーハを受け入れるための半導体加工用部品が提供される。この実施例では、半導体加工用部品は、半導体ウェーハに接触して受け入れるように構成されている。この半導体加工用部品は、約2ミクロン未満の表面粗さRaと、その半導体加工用部品の外側部分に沿った約1000ppm未満の不純物含量とを有する。
【0013】
本発明の第2の形態によれば、半導体加工用部品を必要とするさらに別の実施例が提供される。この半導体加工用部品は炭化ケイ素を含み、および、この半導体加工用部品の外側表面部分が表面不純物レベルと内部不純物レベル(bulk impurity level)とを有する。この表面不純物レベルが内部不純物レベルの10倍以下であることが好ましい。
【0014】
別の実施例では、半導体加工用部品を処理する方法が提供される。この方法は、炭化ケイ素の化学気相堆積によって形成された外側表面部分を有する半導体加工用部品を用意することから開始し、この外側表面部分は内部不純物レベルと表面不純物レベルとを有する。さらに、この表面不純物レベルが内部不純物レベルの10倍以下であるように、その外側表面部分のターゲット部分が除去される。
【0015】
さらに、別の実施例では、半導体加工用部品を処理する方法が提供される。この方法は、炭化ケイ素の化学気相堆積によって形成された外側表面部分を有する半導体加工用部品を用意することから開始する。この外側表面部分は内部不純物レベルと表面不純物レベルとを有する。さらに、その次に、この方法では、表面不純物レベルが少なくとも10分の1に低減させられるように、外側表面部分のターゲット部分が除去される。
【0016】
本発明は、添付図面を参照することによって、より適切に理解され、および、その数多くの特徴と利点とが当業者に明らかになるだろう。異なる図面における同一の参照記号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施例であるウェーハボートまたはウェーハキャリヤを示す。
【図2】図2は、2つの互いに異なる市販の堆積装置において形成されたCVD−SiC薄膜の不純物の深さプロファイルを示す。
【図3】図3は、2つの互いに異なる市販の堆積装置において形成されたCVD−SiC薄膜の不純物の深さプロファイルを示す。
【図4】図4は、汚染物質レベルがより高い反応物気体を使用して形成されたCVD−SiCの不純物の深さプロファイルを示す。
【図5】図5は、初期清浄化段階の前と後のCVD−SiC層の不純物の深さプロファイルを示す。
【図6】図6は、比較的低純度のCVD−SiC層を有する、別のサンプルの2つの清浄化サイクルから結果的に得られた深さプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の形態によれば、半導体加工用部品を処理する方法を必要とする実施例が提供される。処理を受ける半導体加工用部品は、様々な加工作業のための様々な幾何学的形状の構造の1つから選択されてよく、および、例えば150mmウェーハ、200mmウェーハ、または、より新しい世代の300mmウェーハのような様々なサイズのウェーハを受け入れるように構成されてよい。特定の半導体加工用部品が、半導体ウェーハパドルと、プロセスチューブ(process tube)と、ウェーハボートと、ライナ(liner)と、ペデスタルと、ロングボート(long boat)と、カンチレバーロッド(cantilever rod)と、ウェーハキャリアと、垂直プロセスチャンバと、さらには、ダミーウェーハ(dummy wafer)とを含む。これらの半導体加工用部品の中で、幾つかの半導体加工用部品は、例えば水平または垂直ウェーハボートとロングボートと独立した(free−standing)CVD SiCウェーハサセプタ(wafer susceptor)とのような、半導体ウェーハに直接接触して受け入れるように構成されている半導体加工用部品であってもよい。これに加えて、半導体加工用部品は単一のウェーハ加工用に構成されてもよく、および、チャンバ、フォーカスリング(focus ring)、サスペンションリング(suspension ring)、サセプタ、ペデスタル等のために使用されてもよい。
【0019】
半導体加工用部品は様々な技術によって製造されてよい。例えば、一つの実施例では、半導体加工用部品は、炭化ケイ素基板を用意することと、その次に、溶融ケイ素元素をその炭化ケイ素基板に含浸させることとによって形成される。任意に、この含浸された炭化ケイ素部品が、例えば化学気相堆積(CVD)によって炭化ケイ素のような高純度層で被覆されてよい。この堆積層は、有利なことに、下にあるケイ素のオートドーピングを防止すると共に、半導体ウェーハ加工中の汚染の原因となる可能性がある、基板の内部から半導体加工用部品の外側表面への不純物の移動を防止するだろう。この場合には、溶融ケイ素による含浸のためのコアとしての役割を果たす炭化ケイ素部材が、半導体加工用部品の機械的支持体を提供する。このコアは、最も一般的な炭化ケイ素のスリップキャスト法、または、プレス加工技術のような様々な技術によって製造されてよい。さらに、例えば、炭素の予備成形物を炭化ケイ素コアに変換する変換プロセスを使用すること、または、例えば化学気相浸透のような浸透の後にそのコアが除去されるサブトラクティブ法のような、他の特殊な技術が使用されてもよい。
【0020】
あるいは、この代わりに、半導体加工用部品は、例えば炭化ケイ素のCVDのような様々なプロセスの1つによって形成された、独立した炭化ケイ素で形成されてよい。この特定の加工技術は、比較的高い純度の半導体加工用部品の形成を可能にする。さらに、半導体加工用部品は、石英のような従来通りの材料で形成されてもよい。この点に関して、石英拡散部品(quartz diffusion component)が高温拡散作業のために半導体産業において使用されており、および、より高コストであるがより高性能である炭化ケイ素ベースの拡散部品に対する、費用効果が高い代替物である。しかし、本発明の特徴は、より詳細に後述する、製造プロセス中に研磨加工のような機械加工がされる炭化ケイ素ベースの拡散部品のような炭化ケイ素ベースの半導体加工用部品に特に適用可能である。
【0021】
本発明の実施例による半導体加工用部品を形成するための製造プロセスの最終過程では、半導体加工用部品が研磨加工のような機械加工がされてよい。特に、図1に示されているウェーハボート1のように、複数の溝16を有するウェーハボートが用意され、この溝16の各々は同一の曲率半径に沿って延びる。各々の溝は個別の溝セグメント18、20、22を持ち、これらの溝セグメントは適切なウェーハボートの形成の後に機械加工されることが望ましい。例えば、ウェーハボートは、上述の技術の1つによって、例えば、溶融ケイ素元素を炭化ケイ素に含浸させることと、その後で堆積炭化ケイ素層を形成するためにCVDを行うこととによって、製造されることが可能である。炭化ケイ素層の形成の後に、その溝が形成され、および、精密な寸法調整が、ダイヤモンド系の機械加工工具の使用のような機械加工作業によって行われてよい。この点に関し、従来の製造技術は、非常に高純度の機械加工工具を使用することによって機械加工段階中の不純物の混入に対処しようとしてきたが、本発明の特徴は、後述するように、非常に広範囲の機械加工工具と機械加工作業との利用を可能にする。注目すべきことであるが、図1が水平ウェーハボートを示しているが、垂直のウェーハボートまたはウェーハキャリアと、上述した他の半導体加工用部品とが同様に使用されてよいということを理解されたい。
【0022】
半導体加工用部品の形成と任意の機械加工作業との後に、半導体加工用部品が高温でハロゲン気体に曝される。用語「ハロゲン気体」の使用は、一般にはカチオンと組み合わされている、気体の形態で提供される任意のハロゲン族元素の使用を意味する。本発明の実施例にしたがって使用されてよい一般的なハロゲン気体の例はHClを含む。他の気体は例えばフッ素を含む気体を含む。一般には、半導体加工用部品がハロゲン気体に曝される高温度は、ハロゲン気体と、半導体加工用部品の露出した外側表面に沿って含む、半導体加工用部品の外側表面に沿って含まれる不純物との間の反応を可能にするのに十分な温度とされる。例えば、この高温度は約950℃から約1300℃の範囲内であってよい。さらに、ハロゲン気体の濃度が様々であってよく、および、合計圧力の約0.01%から約10%の範囲内で被加熱環境(例えば、炉処理チャンバ)内に存在してよい。一般には、分圧の下限はこれよりも幾分かより高く、例えば約0.05%または約0.10%である。
【0023】
一般には、半導体加工用部品の外側表面部分に沿ってハロゲン気体が反応する不純物は金属不純物である。金属不純物は元素金属または金属合金の形をとってよく、および、例えば、アルミニウムベースまたは鉄ベースであってよい。金属不純物の供給源は、上述したように、最終過程の機械加工であることが多い。機械加工工具の実際の組成が特定のレベルの汚染物質を含む可能性がある。微粒子を生じさせる構造金属部品を有する装置の使用によって機械加工作業が行われる可能性がさらに高く、この微粒子は最終的に半導体加工用部品上に堆積するか、または、別の形で半導体加工用部品に移されることになる。したがって、一般的な不純物は、工具鋼を含む工業用の機械加工工具の形成のために一般的に使用される金属を含む。HClのようなハロゲン気体の使用は、こうした金属不純物との反応生成物の形成の原因となる。この反応生成物は、一般には、その不純物よりも高い揮発を有し、その結果として、高温度に半導体加工用部品を曝している最中にこの反応生成物が揮発し、したがって半導体加工用部品から取り除かれる。
【0024】
半導体加工用部品の上述の不純物削減に関連して、上述の説明は主に(独立した(free−standing)CVD SiCと、再結晶化CVDと、Si含浸SiCとを含む)炭化ケイ素部品に焦点を当てているが、この不純物削減技術は、石英のような他の材料で形成されている半導体加工用部品にも同等に適用可能であるということが指摘される。半導体加工用部品の基礎材料がなんであろうとも、(さらに詳細に後述する)精密な表面仕上げを有する機械加工された半導体加工用部品のような機械加工された半導体加工用部品は、不純物削減の特に適切な候補である。
【0025】
半導体加工用部品は、さらに、酸化処理を受けてもよく、この酸化処理は、特に炭化ケイ素部品の場合に、更なる不純物削減および/または微粒子数の低減を促進するだろう。半導体加工用部品の酸化は、堆積酸化物層とは違い、変換層(conversion layer)を形成する化学反応によって酸化物層を形成するために行われる。ハロゲン気体に対する半導体加工用部品の曝露とこの加工用部品の酸化とが別々に行われてよい。しかし、ある実施例では、この曝露段階と酸化段階の両方が同時に行われる。これに関連して、用語「同時に」は、曝露段階と酸化段階が完全に同一時点であるように行われることは必要とせず、むしろ、これらの段階は互いに部分的に重なり合ってよい。
【0026】
この酸化処理によって、酸化物層が半導体加工用部品の上に重なるように備わる。これに関連して、酸化物層は、例えば、化学気相堆積された炭化ケイ素の場合のように、下にある炭化ケイ素層の上に直接重なって接触してよく、または、例えば、上に重なるCVD SiC層を持たないシリコン化された炭化ケイ素の半導体加工用部品の場合には、シリコン元素上に直接重なって接触してよい。
【0027】
酸化物層は、例えば、950℃から約1300℃の範囲内の、より一般的には約1000℃から約1250℃の範囲内の高温のような高温で酸素含有環境内において半導体加工用部品を酸化させることによって、酸化環境内で半導体加工用部品を酸化させることによって形成されてよい。酸化は乾燥環境または湿潤環境の中で行われてよく、および、一般には大気圧で行われる。湿潤環境は蒸気を送り込むことによって生じさせられることが可能であり、および、酸化速度を増大させる働きをする。酸化物層は一般的に酸化ケイ素であり、典型的にはSiO2である。酸化ケイ素層は、独立したSiC、または、例えばCVDによって炭化ケイ素で被覆された基板の場合のように、半導体加工用部品の炭化ケイ素と直接的に接触していてよい。あるいは、SiC CVD層を持たないケイ素含浸炭化ケイ素の場合のように、ケイ素のような中間層が基板の炭化ケイ素とその上に重なる酸化物層との間に存在してもよい。
【0028】
本発明の実施例では、酸化物層の形成が、本体に沿った酸化物層の適切な形成に加えて、残留した炭化ケイ素微粒子が酸化ケイ素に変換されることを生じさせてもよい。微粒子変換の場合には、酸化が、後続の段階での微粒子除去を可能にすることができる。これに加えて、堆積プロセスではなく変換プロセスによる酸化被覆の形成は、残留不純物を酸化物層とともに除去するために、酸化物層内に金属不純物のような残留不純物を閉じ込めることを促進する。この酸化物層は、この酸化物層を可溶化する(溶解する)ことが可能な溶液に対して半導体加工用部品を曝すことによって除去されることが可能である。ある実施例では、この溶液は、フッ素を含む酸である。典型的には、この溶液のpHは約3.5未満であり、最も典型的には約3.0未満であり、実施例の中にはさらに酸性であるものがあり、約2.5未満のpHを持つものがある。あるいは、その溶液は塩基性であってもよく、高温度(室温よりも高いが、H2O沸点よりも低い温度)で酸化物層に曝されてもよい。あるいは、1000℃よりも高い温度のような高温度とH2気体とが使用されてもよい。
【0029】
別の特徴では、ハロゲン気体に対する半導体加工用部品の曝露と、酸化物層を形成するための半導体加工用部品の酸化と、酸化物層の除去との実行のすべてが、半導体製造環境内でのその半導体加工用部品の使用の前に行われる。したがって、上述の諸段階が、例えば半導体加工用部品の製造業者によって、半導体製造環境から離れて現場外で行われてよい。半導体加工用部品は完全に処理され、その次に、製造環境内での直接的および迅速な使用のために気密封止輸送コンテナの中に詰められてよい。上述の説明は1つのサイクルに焦点を当てたが、ハロゲン気体処理段階、および/または、酸化および除去段階が、所望の純度レベルを得るために数回繰り返されてもよい。
【0030】
上述の説明はハロゲン気体の使用について言及したが、予想される金属不純物と共に反応生成物を形成するように反応物が選択され、かつ、その反応生成物が金属不純物自体の揮発度、より高い揮発度を有する場合には、他の反応性のアニオン含有反応物が使用されてもよい。
【0031】
変型例として、追加の加工段階が、不純物レベルをさらに低減させるために、ハロゲン種に対する曝露と、酸化と、酸化物除去との前に組み入れられてもよい。例えば、半導体加工用部品が、ハロゲン気体に対する曝露とその後続の加工との前に、例えば脱イオン(DI)水によって洗浄されてもよい。汚染物質の除去をさらに促進するために、例えば超音波混合機/攪拌機を使用して、洗浄中に撹拌が行われてもよい。さらに、洗浄液は、汚染物質の剥離を促進するために酸性の溶液であってよい。
【0032】
あるいは、洗浄の代わりに、または、洗浄に加えて、半導体加工用部品は、不純物の除去をさらに促進するために、ハロゲン種に対する曝露の前に、例えば酸性溶液のような酸性の剥離用溶液中に浸漬されてもよい。洗浄段階および/または浸漬段階は、さらなる処理の前に任意の回数にわたって繰り返されてよい。
【0033】
さらに、様々な特徴を有する半導体加工用部品が、本発明の実施例によって提供される。例えば、約2ミクロン未満の表面粗さRaと、その半導体加工用部品の外側部分に沿った(外側表面下の10nmの深さのおけるSIMS深さプロファイリングによって測定された)約1000ppm未満の不純物含量とを有する、炭化ケイ素を含む半導体加工用部品が提供される。支持治具またはウェーハボートのような、ウェーハに直接接触する半導体加工用部品の場合には、上記のRaを有する表面部分は、一般には、ウェーハボート内のスロットのようなこの接触のために構成されている半導体加工用部品の一部分を少なくとも含む。露出した外側表面の下方でSIMS深さプロファイリングによって測定される場合において、調整された純度を有する上述の外側部分は、一般的に、露出した外側表面から約0.5ミクロンの深さに延びる半導体加工用部品の一部分として定義される。一つの実施例では、この外側部分は半導体加工用部品の外側区域のほぼ全体に沿って延び、および、その外側部分の純度レベルを表すものとして採られる実際の純度レベルは、幾つかの場所から採られる。例えばダイヤモンド研削工具を使用することによる機械加工段階の実行によって、表面粗さが約2ミクロン未満のRaに減少させられてよい。あるいは、異なる製造技術が、この表面粗さを有する、形成されたままの半導体加工用部品を形成するために使用されてよい。特定の実施例が、約1.0ミクロン未満の表面粗さのような、約1.5ミクロン未満の表面粗さを有してよい。
【0034】
不純物の含量は、例えば、本明細書に説明されている加工技術にしたがうことによって、半導体加工用部品の外側部分に沿って上記のレベルの範囲内に減少させられてよい。この不純物含量が約500ppm未満であることが好ましく、約200ppm未満であることが好ましい。特定の実施例が、100ppm未満および合計80ppm未満のようなさらに低減された不純物含量を有することさえある。上述の不純物レベルは、B、Na、Al、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Znの合計からの合計不純物含量である。背景技術の欄において上述したように、従来の加工が酸化段階と酸化層除去段階とを行ってきたが、本発明者は、こうした従来のプロセスが、一般的に、本明細書に説明されている本発明によって実現されるレベルよりも著しく高い不純物レベルを有する半導体加工用部品を結果的に生じさせるということを認識している。こうした従来の技術は、半導体産業用途のために所望されている不純物限界を超える不純物限界を結果的にもたらす。これに加えて、半導体加工用部品製造業者が、半導体加工用部品の特に重要である部分に沿ってだけではなく、半導体加工用部品(内部材料全体を含む)全体にわたっての不純物含量を甘受してきたということが明らかになっている。半導体加工用部品のこの外側部分は、半導体製造環境の中への望ましくない拡散と、この半導体製造環境の汚染とを生じさせやすい。したがって、本発明の実施例は、業界標準に合致するかまたは業界標準よりも優れた全体的な不純物レベルを実現するだけでなく、さらには、半導体加工用部品の重要な外側表面部分に沿った不純物レベルを抑制する。
【0035】
表1は、様々な条件下において調製されたCVD SiCサンプルの粗さの結果を示す。Raは平均表面粗さとして定義される。さらに明確に述べると、このRaは、中心線からのプロファイルのずれの算術平均、すなわち、Ra=1/L0L│z(x)│dxである。Rzは、サンプリング長さすなわちストローク長さ(ストロークL)内の5つの最も高いピークと5つの最も低い谷との間の平均の高低差として定義される。ストローク長さとは、表面粗さパラメータの値が全体にわたって評価された長さである。
【0036】
サンプル1、2、3が、堆積したままのCVD SiC被覆の粗さを示す。これらの結果は、プロフィルメータを使用することと、10μmのスタイラスと、3〜6.4mmのストローク長さとを使用することとによって得られる。サンプル3、4、5、6、7が、砥石(wheel)で機械加工することによって、または、ダイヤモンドペーストを使用してラップ研摩してパフ研磨することによって、ダイヤモンド材料を使用する表面処理を受け終わったCVD SiC被覆である。この表から理解できるように、CVD SiCを機械加工することは、この材料の表面粗さを著しく減少させる働きをする。FS CVDは、独立した(free standing)の化学蒸着部品を示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表2が、堆積したままのCVD SiC薄膜の表面純度と、ダイヤモンド工具を用いた機械加工の後段階を受け終わったCVD SiC薄膜の表面純度との結果を示す。この表面純度は、10nmの公称深さでの2次イオン質量分析法(SIMS)を使用して定量化され、および、不純物B、Na、Al、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Cuの合計を構成した。サンプル9は非常に高純度の堆積したままの被覆を示している。これとは対照的に、機械加工とDI水による洗浄との後では、サンプル10が高い汚染レベルを示す。これに関連して、機械加工とDI洗浄とを受けた別のサンプルが、合計で約5000ppmのさらに高いレベルを示した。サンプル11は、DI水を使用して超音波タンク内で洗浄された後にさらに塩素化酸化プロセスを使用して処理された。HCl濃度は、そのサイクル全体にわたって酸素を基準として1%から3%の範囲内であり、および、最高温度は1300℃だった。サンプル11上で成長させられた酸化物が、4:1:1の割合でDi水:HF:HClが配合された酸剥離を使用して除去された。SIMSデータがこの機械加工された処理済みのCVD SiC薄膜上で得られた。不純物が著しく削減され、かつ、その純度が、堆積したままの状態に非常に近いということが理解できる。
【0039】
4:1:1の割合のDi水:HF:HClへの浸漬段階が超音波DI洗浄後かつ塩素化酸化前に加えられたことを除いて、サンプル12が上述の仕方と同様の仕方で処理された。この結果から理解できるように、この方法は、機械加工されたCVD SiC材料上の表面不純物を初期開始レベル(堆積したままの状態)まで減少させる上で効果的だった。
【0040】
【表2】

【0041】
本発明の別の形態によれば、半導体加工用部品と、半導体加工用部品を処理する方法とが提供される。半導体加工用部品は一般的に少なくとも部分的にSiCによって形成されており、および、調整された不純物含量を有する外側表面部分を含む。この外側表面部分は、一般には、化学気相堆積(CVD)によって形成され、および、内部純度の10倍以下である外側純度を有する。この外側表面部分は、CVDによって形成された特定可能なSiC層として、または、より詳細に後述する独立したCVD−SiC部品の場合のように、主としてCVDによって形成されたSiC部品の外側厚さとして定義されてよい。
【0042】
本発明は、一形態において、堆積したままのCVD−SiC(機械加工されているか否かに係わらない)、一般には半導体加工用部品の外側深さの最初の0.5μm以内において、例えば最初の0.25μm以内または最初の0.10μm以内において、その外側表面における不純物レベルが急増する。これとは対照的に、外側表面部分の内部における不純物レベルは、半導体加工用部品の外側表面における不純物レベルよりも比較的低いレベルで、すなわち、多くの場合には1桁、2桁、または、3桁は低いレベルで安定する。内部不純物レベルは、一般的に、深さに関して一定すなわち公称の不純物レベルを表す不純物レベルであり、より詳細に後述される。上述の現象は一般的に当業では認識されておらず、堆積したままのCVD−SiC層の厳密な分析は不純物レベルにおける大きな開きを示している。不純物レベルは、一般的に、外側表面と外側表面部分の内部部分との間のCr、Fe、Cu、Ni、Al、Ca、Na、Zn、B、および、Ti濃度の少なくとも1つまたはこれらの組合せに基づいている。実施例では、不純物レベルはFeとCrの一方または両方に基づいている。
【0043】
これに関連して、本発明の第2の形態の別の実施例では、SiCの化学気相堆積によって形成された外側表面を有する半導体加工用部品が提供され、外側表面部分のターゲット部分が除去され、その結果として、外側表面部分の表面不純物レベルがその外側表面部分の内部不純物レベルの約10倍以下にされる。内部と表面との間の最大で10倍の不純物レベルの差が一般的に望ましいが、さらに別の実施例では、例えば内部不純物レベルの約2倍以下のような、約5倍以下の表面不純物レベルを有する。実際に、特定の実施例では、内部不純物レベル以下の表面不純物レベルを有するものがある。
【0044】
本明細書の実施例による半導体加工用部品は、上述した様々な加工作業のための様々な幾何学的形状の構造の1つから選択されてよく、および、例えば150mmウェーハ、200mmウェーハ、または、より新しい世代の300mmウェーハの、様々な大きさのウェーハを受け入れるように構成されてよい。特定の半導体加工用部品には、半導体ウェーハパドルと、プロセスチューブと、ウェーハボートと、ライナと、ペデスタルと、ロングボートと、カンチレバーロッドと、ウェーハキャリアと、垂直プロセスチャンバと、さらには、ダミーウェーハとを含む。これらの半導体加工用部品の中で、幾つかの半導体加工用部品は、例えば水平または垂直ウェーハボートとロングボートとウェーハサセプタとのような、半導体ウェーハに直接接触して受け入れるように構成されている半導体加工用部品であってもよい。これに加えて、半導体加工用部品は単一のウェーハの加工のために構成されてもよく、および、チャンバ、フォーカスリング、サスペンションリング、サセプタ、ペデスタル等のために使用されてもよい。
【0045】
半導体加工用部品は様々な技術によって製造されてよい。例えば、ある実施例では、半導体加工用部品は、CVDによるSiC層で被覆されていることが一般的である基板を用意することによって形成される。このCVD−SiC層は、有利なことに、下にあるケイ素のオートドーピングを低減させると共に、半導体ウェーハ加工中の汚染の原因となる可能性がある、基板の内部から半導体加工用部品の外側表面への不純物の移動を防止する働きをする。この基板は、一般には、機械的支持と構造的な一体性とを与える働きをし、および、再結晶化SiCのような様々な材料によって、かつ、様々な加工経路によって形成されてよい。ある技術では、主にSiCによって構成されている基板が、スリップキャストまたはプレス加工によって形成される。スリップキャストの場合には、スリップキャストされた本体が乾燥および熱処理され、その後に、任意に、多孔度を低下させるために含浸される。有利には、含浸が溶融ケイ素による浸透によって行われてよい。例えば、炭素予備成形物が炭化ケイ素コアに変換される変換プロセス、または、化学気相浸透のような浸透の後にそのコアが除去されるサブトラクティブプロセスのような、他の特化された製造技術が使用されてもよい。
【0046】
あるいは、半導体加工用部品は、例えば炭化ケイ素のCVDのような様々なプロセスの1つによって形成された、独立した(stand−alone)炭化ケイ素で形成されてよい。この特定のプロセス技術は、半導体加工用部品の内部部分や内側部分のほぼ全体にわたって比較的高い純度である半導体加工用部品の形成を可能にする。
【0047】
半導体加工用部品の形成後に、この半導体加工用部品は処理プロセスを受ける。すなわち、CVD−SiCで形成された半導体加工用部品の外側部分は、純度を改善するために、および、特に、外側表面の純度を改善するために操作される。ある実施例では、外側表面部分のターゲット部分が除去され、および、外側表面部分の内部不純物含量のそれの10倍以下である不純物含量を有する外側表面が後に残される。
【0048】
このターゲット部分の除去は幾つかの技術の中の任意の1つを使用して行われてよい。1つの技術によれば、その外側表面部分は、上述したように酸化剥離プロセスによって除去される。しかし、説明を分かりやすくするために、酸化剥離プロセスを後述する。酸化中に、半導体加工用部品は、さらに純度を改善するために、ハロゲン気体のような反応種に曝される。この反応種は、一般的に、既存の不純物と複合体を形成する、または反応し、高温処理中に揮発する働きをする。酸化剥離は、さらに、外側表面に沿って微粒子数を減少させることが可能であり、このことは半導体加工作業に関して特に有益である。
【0049】
さらに詳細に述べると、半導体加工用部品の酸化は、一般的に、堆積される酸化物層とは違い、変換層を形成するために化学反応によって酸化物層を形成するために行われる。酸化処理によって、酸化物層は、半導体加工用部品のターゲット部分、すなわち、CVD−SiC材料の一部分を消費する。この酸化物層は、例えば、950℃から約1300℃の範囲内の、さらに明確には約1000℃から約1250℃の範囲内の高温度において、酸素含有環境内で半導体加工用部品を酸化させることによって、酸化環境内での半導体加工用部品の酸化によって形成されてよい。この酸化は乾燥環境または湿潤環境内で行われてよく、および、一般には、大気圧で行われてよい。湿潤環境は蒸気を送り込むことによって生じさせられることが可能であり、酸化速度を増大させる働きをする。酸化物層は、一般的に酸化ケイ素であり、典型的にはSiO2である。この酸化ケイ素層は、独立したSiC、または、例えばCVDによって炭化ケイ素で被覆された基板の場合のように、半導体加工用部品の炭化ケイ素と直接接触していてもよい。
【0050】
酸化物層は、本体自体に沿った酸化物層の形成に加えて、残留した炭化ケイ素微粒子が酸化ケイ素に変換されることを生じさせる原因となってもよい。微粒子変換の場合には、酸化が、より後の段階の微粒子除去を可能にする。これに加えて、堆積プロセスではなく変換プロセスによる酸化物被覆の形成は、酸化物層の剥離に併う残留不純物の除去のために、金属不純物のような残留不純物を酸化物層の中に閉じ込めることを促進する。
【0051】
酸化物層を、その酸化物層を可溶化(溶解)することが可能な溶液に対して半導体加工用部品を曝すことによって剥離してもよい。ある実施例では、この溶液はフッ素を含む酸である。一般には、この溶液のpHは約3.5未満であり、最も典型的には約3.0未満であり、および、実施例の中には、より酸性度が高く、約2.5よりも低いpHを有するものがある。あるいは、この代わりに、この溶液が塩基性であってもよく、(室温より高く、かつ、H2O沸点よりも低い)高温度においてその酸化物層に曝されてよい。あるいは、高温度(例えば1000℃よりも高い温度)とH2気体とが使用されてもよい。
【0052】
酸化中は、半導体加工用部品は、この部品の外側表面部分の外側表面に存在する汚染物質と共に反応生成物を形成する、ハロゲン気体のような反応種に対して曝されてよい。一般的に、反応種に対する曝露と酸化との両方が同時に行われるが、この代わりに、代案として、これらの段階が別々に行われてもよい。この点に関して、用語「同時に」の使用は、曝露段階と酸化段階とが完全に同一時間であるように行われることを必要とはせず、むしろ、これらの段階は互いに部分的に重なり合ってよい。
【0053】
用語「ハロゲン気体」は、一般にはカチオンと組み合わされている、気体の形態で提供される任意のハロゲン族元素の使用を表す。本発明の実施例で使用されてよい一般的なハロゲン気体の例はHClを含む。他の気体が例えばフッ素を含む気体を含む。一般には、半導体加工用部品がハロゲン気体に曝される高温度は、その半導体加工用部品の露出した外側表面を含む、その半導体加工用部品の外側表面部分に沿って含まれている不純物とハロゲン気体との間の反応を可能にするのに十分な温度とする。例えば、この高温度は約950℃から約1300℃の範囲内であってよい。さらに、ハロゲン気体の濃度は様々であってよく、および、合計圧力の約0.01%から約10%の範囲内の加熱された環境(例えば、炉処理チャンバ)内に存在してよい。一般には、この分圧の下限はこれよりも幾分か高く、例えば約0.05%または約0.10%である。上述の内容はハロゲン気体に重点を置いていたが、予想される金属不純物と共に反応生成物を形成するように反応物が選択されるならば、かつ、その反応生成物が金属不純物自体の揮発度よりも高い揮発度を有するならば、他の反応性のアニオン含有反応物が使用されてもよい。
【0054】
一般には、ハロゲン気体が半導体加工用部品の外側表面部分に沿って反応する不純物は金属不純物である。金属不純物は元素金属または金属合金の形態をとることがあり、および、例えばアルミニウムベース、鉄ベース、または、クロムベースであってよい。HClのようなハロゲン気体の使用は、こうした金属不純物との反応生成物の形成を引き起こす。この反応生成物は、典型的には、金属不純物よりも高い揮発度を有し、したがって、高温度に半導体加工用部品を曝している最中に、反応生成物が揮発し、それによってその反応生成物が半導体加工用部品から除去される。
【0055】
上述の開示内容は、反応によって、特に酸化物剥離によって、半導体加工用部品の一部分を除去することに重点を置いているが、ターゲット部分を除去するための他の技術が使用されてよい。例えば、ターゲット部分は、エッチング操作によって、すなわち、ターゲット部分を全体的または部分的に除去するように揮発するエッチング剤生成物を形成するために高温度でエッチング種(etchant species)を送り込むことによって反応させられてよい。例えば、このエッチング種は、揮発するSiClxエッチング剤生成物を形成する塩素含有気体であってよい。この塩素含有気体はHCl、Cl2等であってよい。場合によっては、炭素が、エッチング操作の副産物として後に残されることがある。この炭素は高温燃焼処理によって除去されてよい。エッチングが黒鉛化と称されることがあり、これは、半導体加工用部品の表面上に残された黒鉛の形態の炭素を表す。さらに、使用されるエッチング剤が外側表面部分に沿って存在している不純物と共に複合体を形成し、FeCl、TiCl等のような揮発化学種を形成することが、一般的に望ましい。さらに、上述したように、酸化と酸化物剥離とを使用してターゲット部分を除去する程度に、例えば、すでに詳細に上述したハロゲン気体の送り込みによって、反応生成物を形成するように汚染物質を反応させてもよい。
【0056】
上述した方法のどれかによるターゲット部分の除去の前に、半導体加工用部品は、例えばその半導体加工用部品の10ミクロンから100ミクロンの外側材料を除去するために、研磨加工のような機械加工作業を受けてよい。堆積したままの不純物プロファイルは一般的に機械加工作業による材料除去によって変更されるが、それにも係わらず、機械加工は、堆積したままのCVD SiCに同様に観察されるような不純物中の急増を半導体加工用部品の外側表面(すなわち、機械加工されたままの表面)に残す傾向がある。この表面不純物レベルは、内部不純物レベルに達する前に、例えば約1ミクロンから3ミクロンにわたって、外側表面部分の中に延びることがあるということが発見されている。従って、機械加工され終わった実施例では、除去されるべきターゲット部分が、上述した約20ミクロンまでの範囲のうち高い方の限界の厚さを有することも多く、除去される実際の厚さは約3ミクロンから約5ミクロンである。したがって、機械加工後の表面の不純物レベルの増大を原因として、半導体加工用部品のCVD SiC表面が、ターゲット部分の除去の前に、研削加工やラップ研摩やパフ研磨のような機械的摩耗プロセスまたは機械加工プロセスを受けるほどまでに、さらなる除去が行われることが一般的である。ターゲット部分の除去は、例えば高い純度を生じさせるのに十分な回数にわたって行われる酸化/剥離サイクルまたはエッチングサイクルによって行われてよい。
【0057】
別の特徴によって、ターゲット部分の除去が、半導体製造環境内で半導体加工用部品の使用の前に行われる。したがって、上述の諸段階は、例えば半導体加工用部品のエンドユーザ(例えば、半導体素子製造業者/ウェーハ加工処理業者)ではなく半導体加工用部品の製造業者によって、半導体製造環境から離れて現場外で行われてもよい。半導体加工用部品は加工処理され終わった後に、製造環境内での直接的な使用または迅速な使用のために気密封止輸送容器内に詰められてよい。上述の説明が1つのサイクルに焦点を当ててきたが、(任意のハロゲン気体処理を伴う)酸化段階のような加工段階が反復されてよく、および、一般的に、ターゲット部分の除去によって所望の純度レベルを実現するために数回にわたって反復される。
【0058】
変型例では、不純物レベルをさらに低下させるために、追加の加工段階がターゲット部分の除去に対する曝露の前に組み入れられてよい。例えば、半導体加工用部品は、ハロゲン気体への曝露とその後の加工との前に、例えば脱イオン(DI)水で洗浄されてもよい。さらに汚染物質を除去するために、例えば超音波混合機/攪拌機によって、撹拌が洗浄中に行われてもよい。さらに、洗浄液は、汚染物質の剥離を補助するために酸性の溶液であってよい。
【0059】
あるいは、この代わりに、または、洗浄に加えて、不純物の除去をさらに促進するために、半導体加工用部品が、ハロゲン種への曝露の前に、酸性溶液のような酸性の剥離溶液の中に浸漬させられてもよい。この洗浄および/または浸漬段階は、さらに別の加工の前に任意の回数にわたって反復されてもよい。
【0060】
より詳細に後述する観察された深さ分布に起因して、一般には、ターゲット部分は、0.38ミクロン、0.50ミクロン、および、さらに大きい厚さのような、少なくとも約0.25ミクロンの厚さを有する。実際には、ターゲット部分は、最も一般的には、1.0ミクロン以上、好ましくは約2ミクロン以上、例えば2ミクロンから10ミクロンミクロンの厚さを有するが、しかし、一般的には20ミクロン未満の厚さを有する。一般には、CVD−SiC層は約10μmから1000μmの範囲内の厚さを有し、特定の実施例では約800μm以下、約600μm以下、約400μm以下、または、約200μm以下の厚さを有する。半導体加工用部品の外側表面部分の除去の深さに対応するターゲット部分の厚さは、一般的に、不純物の含量を内部の1000倍から内部の10倍以下に低下させるような、所望の表面不純物の低減を確実なものにするように選択される。実際に、表面不純物レベルは、一般的に、ターゲット部分の除去の結果として2桁、もしくは少なくとも1桁は低減させられる。
【0061】
処理前および処理後のCVD−SiC薄膜を特性を明らかにするための特定の測定技術に関しては、二次イオン形質量分析法(SIMS)が特に使用される。他の技術としては例えばGDMSを含む。本明細書で使用する場合に、内部不純物レベルは、一般的に、純度レベルが安定化されている、すなわち、一般的には、さらに外側表面部分の深さについて一定不変である、外側表面部分内の深さにおける不純物レベルに相当する。不純物の検出が、深さに関して測定された不純物レベルの変動によって表される一定の度合いの変化を伴うことが普通であるということに留意されたい。本明細書では特に言及しない限り、生データが報告されるが、特定の不純物レベルのデータポイントと、特に内部不純物レベルとは、そのデータにしたがった不純物含量のトレンド、すなわち平準化されたデータに基づいている。本明細書で報告している特性の調査にしたがって、一般には、内部不純物レベルが3ミクロンの深さまで到達させられているということが発見された。したがって、内部不純物レベルは、例えば3μmから5μmの範囲内のような、約3μmから約10μmの範囲内の深さで測定されてよい。しかし、内部不純物レベルが到達している特定の深さ値は、使用される特定の工具と、使用される気体と、温度と、圧力と、他の処理パラメータとを含む、外側表面部分を形成するために使用される特定のCVDプロセスの処理条件に依存しているだろう。
【0062】
特定の実施例では、内部不純物レベルはイオン鉄(Fe)において約1e17原子/cc以下であり、かつ、クロム(Cr)において1e15原子/cc以下である。当然であるが、半導体加工用部品のより要求の厳しい最終用途によっては、鉄(Fe)において1e16原子/ccというような、上述の内部不純物レベルよりも一層低い内部不純物レベルが必要とされるだろう。
【0063】
データと後述の説明とが、幾つかの堆積したままのCVD−SiCサンプルと処理後のCVD−SiCサンプルとに関して行われた特性調査に焦点を合わせている。
【0064】
25mm×75mm×6mmのサイズのSi:SiCの試片(coupon)が、標準的な加工を使用して用意された。この試片は希酸の中で超音波で清浄化され、DI水で洗浄され、乾燥させられた。この清浄化された試片はCVDリアクタの中に入れられ、および、厚さが12ミクロンから18ミクロンの間のCVD薄膜がそのSi:SiC試片の表面上に堆積させられた。複数の被覆工程が、被覆純度に対する装置の効果をさらに詳細に理解するために、2つの異なる被覆システム(装置Aと装置B)を使用して行われた。
【0065】
CVD被覆Si:SiC試片の表面上の不純物レベルが、二次イオン質量分析法(SIMS)によって分析された。このSIMS分析は、Cameca 3f計器を深さプロファイルモードで使用してO2+プラズマによって行われた。この計器は、正確な不純物測定のためにイオン注入SiC標準を使用して校正された。この計器は、適切な検出限界、すなわち、Feに関する1e15原子/ccとCrに関する1e14原子/ccとを可能にするために、FeとCrだけを対象とした。特に言及しない限り、以下で説明される結果が、中間の機械加工作業を伴わない、堆積したまま状態の、または、除去された状態のCVD−SiCを表す。
【0066】
図2に示されているように、装置Aによって処理されたサンプルのCVD−SiC層のSIMS分析が、内部値よりも500倍から1000倍高いFeとCrの両方の高い表面汚染を示す。内部のFe濃度が<1e15原子/ccであり、および、Cr濃度が<1e14原子/ccであり、これはCVD−SiC被覆に関して一般的である。
【0067】
図3に示されているように、同様の高い不純物濃度が、装置Bを使用して堆積させられたCVD−SiC層上においても観察された。
【0068】
表面Fe濃度は>1e18原子/ccであり、および、特性化を行っている特定のサンプルの場合では、CVD−SiC被覆内の0.5ミクロンの深さの範囲内において<1e15原子/ccの内部値に低下する。堆積したままの被覆の表面上における高い不純物濃度の一般性を検証するために、第3の試験が、より多くの不純物を含む反応物気体を用いてCVD薄膜が形成されたCVD−SiC被覆に対して行われた。図4に示されるように、不純物の濃厚化も、不純物レベルがより高い被覆で観察された。表面におけるFe濃度は>1e19原子/ccであり、および、2ミクロンから2.5ミクロンにわたって5e16原子/ccの内部Fe濃度に低下する。表面におけるCrは5e17原子/ccであり、これは7e14原子/ccの内部Cr濃度より550高い。表面から内部への不純物濃度の比較的に緩やかな低下は、特性化がされている各被覆の間の表面粗さの差に関係しているだろう。
【0069】
表面における不純物の濃厚化のメカニズムは現時点では十分に理解されてはいないが、このメカニズムは、CVD−SiC溶着プロセス中のSi:SiC基板の表面からの不純物の移動、または、冷却中における薄膜の内部から表面へのFeの分離に関係している可能性がある。
【0070】
標準的な被覆とより低い純度の被覆という2つの互いに異なるタイプのCVD−SiC被覆が装置Aを使用して作られ、清浄化プロセスのために選択された。これらの試片がCVD被覆カンチレバーパドル上に置かれ、および、SiCプロセスチューブが装着された拡散炉の中に入れられた。
【0071】
これらの試片が、10%以下のHCl気体と共に流動O2中で6時間から14時間にわたって950℃から1350℃で酸化させられた。熱処理条件は、酸化物の厚さの約0.45倍から0.60倍、公称的には0.5倍に相当する、CVD−SiCのターゲット部分の消費によるCVD−SiC表面上の厚い熱酸化物の成長を可能にするように選択された。この酸化プロセスは、CVD−SiC上の酸化物層の中へのFeのような移行金属不純物を集中させることを促進する。HCl気体が成長中の酸化物の表面上の不純物を揮発させるのに役立つが、HCl処理は、成長中の酸化物層の中に閉じ込められた金属をあまり著しく除去することはないと考えられる。このプロセス全体が、SiO2を形成するためのSiC+3/2 O2(g)=SiO2+CO(g)反応によって、CVD−SiC層の汚染されたターゲット部分を消費する。
【0072】
酸化物層中の内部不純物を除去するために、この酸化物層がHF−HCl混合物(1:1酸混合物)を使用して酸浴中で剥離された。この結果として得られた表面における不純物濃度が図5に示されている。
【0073】
SIMS分析が、表面Fe濃度が、初期のCVD−SiC試片上の>5e17原子/ccから清浄化された試片上の<5e16原子/ccに減少することを示し、および、清浄化による10倍の改善を示す。内部不純物濃度は<1e15原子/ccで一定不変のままだった。清浄化サイクルが表面不純物濃度を低下させたが、表面不純物濃度は依然として内部よりも50倍高いままだった。したがって、表面におけるFe濃度をさらに減少させるために追加の清浄化サイクルが行われた。第2の清浄化サイクルの効果は、SIMS分析における検出限界の問題とノイズとを原因として、SIMSを使用して定量化されることが不可能だった。したがって、表面不純物レベルと内部不純物レベルとの間のわずかな差異を識別するのを補助するために、清浄化サイクルが、(図4に示されている)より高い濃度の不純物を含むCVD−SiCサンプルを使用して繰り返された。
【0074】
標準CVD−SiCサンプルと同様であるより低い純度のCVD−SiCサンプルが清浄化された。試片が、HF−HCl溶液によって後で剥離させられる酸化物層を成長させるために、始めに10%以下のHCl気体と共に流動O2中で6時間から14時間にわたって950℃から1350℃で酸化させられた。CVD−SiC表面中のより深い材料を除去するために、および、それによってFe濃厚化表面層を除去するために、清浄化プロセスが2回繰り返された。
【0075】
2つの清浄化サイクルの後のSIMS分析が図6に示されている。2回の清浄化サイクルは、汚染された表面層を完全に除去するのに効果的であり、および、表面不純物濃度は内部不純物濃度と同じだった。
【0076】
上述の特性調査は、ハロゲン気体処理に組み合わされている反復的な酸化−剥離サイクルを利用しているが、他の除去技術がターゲット部分の除去のために使用されてよいということに留意されたい。さらに、反復される除去段階が、上述した通りの所望の範囲に表面不純物レベルを変化させるために行われてよく、および、単一のサイクルが、劇的に改善されてはいるが依然として内部不純物レベルの50倍の不純物レベルを有する表面不純物レベルを結果的に生じさせるということが発見されている。したがって、反復されるサイクルが、一般的に、内部と同様の純度を表面において確保するために行われる。
【0077】
さらに、図6に示されているように、本明細書で説明されている技術は、表面の不純物レベルを、内部不純物レベル以下であるように、すなわち、概ね内部不純物レベル以下に低下させるために行われてよい。図6に示されているデータが、2つの互いに異なるサンプルから採られたということと、処理前と処理後とにおける不純物の傾向を示すように比較を目的として提供されているということに留意されたい。
【0078】
上記で開示した主題は例示的であり非限定的であると解釈されるべきであり、および、添付されている特許請求項が、本発明の範囲内に含まれるすべての変型と拡張と他の実施形態とを含むことが意図されている。したがって、法によって許可される最大限度まで、本発明の範囲が、後述の特許請求項とその等価物との許容可能な最も広範な解釈によって決定されるべきであり、および、上記の詳細な説明によっては制限または限定されてはならない。
【符号の説明】
【0079】
1 ウェハーボード
16 溝
18、20、22 溝セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体加工用部品を処理する方法であって、
高温度でハロゲン気体に前記半導体加工用部品を曝露することと、
酸化物層を形成するために前記半導体加工用部品を酸化させることと、
前記酸化物層を除去すること、
とを含む方法。
【請求項2】
前記半導体加工用部品をハロゲン気体に曝露する前記段階と前記半導体加工用部品を酸化させる前記段階と、を同時に行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハロゲン気体は、塩素とフッ素とから成るグループからのハロゲンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハロゲン気体はHClを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ハロゲン気体は、約0.01%から約10%の範囲内の分圧で存在する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記半導体加工用部品を酸化させる前記段階を、約950℃から約1300℃の範囲内の温度で行う請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の酸化段階を湿潤雰囲気内で行う請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体加工用部品は金属不純物を含み、および、前記ハロゲン気体は前記金属不純物と反応して、前記曝露段階中に揮発する反応生成物を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体加工用部品は、半導体ウェーハパドルと、プロセスチューブと、ウェーハボートと、ライナと、ペデスタルと、ロングボートと、カンチレバーロッドと、ウェーハキャリアと、プロセスチャンバと、ダミーウェーハと、ウェーハサセプタと、フォーカスリングと、サスペンションリングとから成るグループからの部品を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体加工用部品は炭化ケイ素を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体加工用部品は化学気相堆積によって形成される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体加工用部品は、基板と、前記基板の上に重なる炭化ケイ素被覆とを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記炭化ケイ素被覆は化学気相堆積によって堆積させられる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は元素ケイ素を含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は、表面上に含浸した前記元素ケイ素を伴う炭化ケイ素を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化物層を除去する前記段階を、前記酸化物層を可溶化する溶液に前記酸化物層を曝露することによって行う請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記の曝露段階と前記の酸化段階との前に前記半導体加工用部品を機械加工することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記酸化物層は半導体加工作業での使用の前に除去される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ハロゲン気体に曝露する前に剥離液に前記半導体加工用部品を曝露する段階をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記剥離液は酸性溶液を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
半導体加工用部品から汚染物質を除去する方法であって、
高温度で前記汚染物質を反応させて反応生成物を形成することと、
酸化物層を形成するために前記半導体加工用部品を酸化させることと、
前記酸化物層を除去すること、
とを含む方法。
【請求項22】
前記の反応段階と前記の酸化段階を同時に行う請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記反応生成物は前記汚染物質よりも高い揮発度を有する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記反応生成物は、前記半導体加工用部品から除去されるように前記高温度において蒸発する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
半導体加工用部品を処理する方法であって、
前記半導体加工用部品の表面部分に沿って含まれている汚染物質を高温度で反応させて反応生成物を形成することを含み、外側表面部分は約2ミクロン未満の表面粗さを有する方法。
【請求項26】
前記半導体加工用部品は、前記半導体加工用部品の表面から10nmの深さにおいてSIMSによって測定された場合に、約1000ppm未満の不純物含量を前記半導体加工用部品の前記外側表面部分に沿って有する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
炭化ケイ素を含む半導体加工用部品であって、前記半導体加工用部品は、2ミクロン未満のRaと、前記半導体加工用部品の表面から10nmの深さにおいてSIMSによって測定された場合において前記半導体加工用部品の外側部分に沿って約1000ppm未満の不純物含量と、を有する表面を持つ半導体加工用部品。
【請求項28】
前記半導体加工用部品は基板と前記基板上の炭化ケイ素被覆とを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記半導体加工用部品は約2ミクロン未満の前記Raを有するように機械加工される請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記不純物含量は約500ppm未満である請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記不純物含量は約200ppm未満である請求項27に記載の方法。
【請求項32】
半導体ウェーハを受け入れる半導体加工用部品であって、前記半導体加工用部品は、約2ミクロン未満のRaと、前記表面から10nmの深さにおいてSIMSによって測定された場合において前記半導体加工用部品の外側部分に沿って約1000ppm未満の不純物含量と、を有する表面を持つ半導体加工用部品。
【請求項33】
SiCを含む半導体加工用部品であって、前記半導体加工用部品の外側表面部分は、内部不純物レベルの10倍以下である表面不純物レベルを有する半導体加工用部品。
【請求項34】
前記内部不純物レベルは前記外側表面部分の外側表面から少なくとも3μmの深さにおいて測定されるレベルである請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項35】
前記外側表面部分はCVD−SiCで構成されている請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項36】
前記外側表面部分は、基板上に堆積させられているCVD−SiC層である請求項35に記載の半導体加工用部品。
【請求項37】
前記基板はSiCを含む請求項36に記載の半導体加工用部品。
【請求項38】
前記基板は、元素ケイ素で含浸されたSiCを含む請求項37に記載の半導体加工用部品。
【請求項39】
前記基板は、元素ケイ素で含浸された再結晶化SiCを含む請求項38に記載の半導体加工用部品。
【請求項40】
前記CVD−SiC層は約10μmから約1000μmの範囲内の厚さを有する請求項36に記載の半導体加工用部品。
【請求項41】
前記半導体加工用部品は独立したCVD−SiC部品である請求項35に記載の半導体加工用部品。
【請求項42】
前記半導体加工用部品は実質的にCVD−SiCから成る請求項41に記載の半導体加工用部品。
【請求項43】
前記表面不純物レベルは前記内部不純物レベルの5倍以下である請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項44】
前記表面不純物レベルは前記内部不純物レベルの2倍以下である請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項45】
前記表面不純物レベルは前記内部不純物レベル以下である請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項46】
前記表面不純物レベルと前記内部不純物レベルはCr、Fe、Cu、Ni、Al、Ca、Na、Zn、V、B、Ti濃度の少なくとも1つに基づいている請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項47】
前記表面不純物レベルと前記内部不純物レベルはCr濃度とFe濃度の少なくとも一方に基づいている請求項46に記載の半導体加工用部品。
【請求項48】
前記表面不純物レベルと前記内部不純物レベルはFe濃度に基づいている請求項47に記載の半導体加工用部品。
【請求項49】
前記内部不純物レベルは、Feにおいて1E17(原子/cc)以下であり、および、Crにおいて1E15(原子/cc)以下である請求項47に記載の半導体加工用部品。
【請求項50】
前記半導体加工用部品は、半導体ウェーハパドルと、プロセスチューブと、ウェーハボートと、ライナと、ペデスタルと、ロングボートと、カンチレバーロッドと、ウェーハキャリアと、プロセスチャンバと、ダミーウェーハと、ウェーハサセプタと、フォーカスリングと、サスペンションリングとから成るグループからの部品を含む請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項51】
前記半導体加工用部品はウェーハボートである請求項50に記載の半導体加工用部品。
【請求項52】
前記半導体加工用部品を、前記表面不純物レベルを実現するための処理の前に機械加工する請求項33に記載の半導体加工用部品。
【請求項53】
半導体加工用部品を処理する方法であって、
SiCの化学気相堆積によって形成された外側表面部分を有し、かつ、前記外側表面部分は内部不純物レベルと表面不純物レベルとを有する半導体加工用部品を用意することと、
前記表面不純物レベルが前記内部不純物レベルの10倍以下であるように前記外側表面部分のターゲット部分を除去すること、
とを含む方法。
【請求項54】
表面不純物レベルが内部不純物レベルの5倍以下である請求項1に記載の方法。
【請求項55】
表面不純物レベルが内部不純物レベルの2倍以下である請求項1に記載の方法。
【請求項56】
表面不純物レベルが内部不純物レベル以下である請求項1に記載の方法。
【請求項57】
ターゲット部分を反応させることによって該ターゲット部分を除去することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項58】
前記の反応は、前記外側表面部分が酸化物を形成するような酸化であり、および、前記ターゲット部分を除去する前記段階は、さらに前記酸化物の除去を含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ターゲット部分を除去するために酸化と前記酸化物の除去とが繰り返される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ターゲット部分はエッチングによって除去される請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記エッチングは、エッチング剤生成物を形成するために前記ターゲット部分をエッチング種と反応させることを含み、および、前記エッチング剤生成物は前記ターゲット部分を除去するために蒸発する請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記エッチング種はCl含有気体であり、および、SiClxエッチング剤生成物を形成する請求項61に記載の方法。
【請求項63】
さらに、反応生成物を形成するために外側表面部分の外側表面に存在する汚染物質を反応させることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項64】
前記外側表面部分を酸化させて酸化物と形成して、その後で前記酸化物を除去することとによってターゲット部分を除去し、前記の反応段階と前記の酸化段階とを同時に行う請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記汚染物質はハロゲン気体と反応させられる請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記半導体加工用部品は、半導体ウェーハパドルと、プロセスチューブと、ウェーハボートと、ライナと、ペデスタルと、ロングボートと、カンチレバーロッドと、ウェーハキャリアと、プロセスチャンバと、ダミーウェーハと、ウェーハサセプタと、フォーカスリングと、サスペンションリングとから成るグループからの部品を含む請求項1に記載の方法。
【請求項67】
前記半導体加工用部品は基板を含み、および、外側表面部分が前記基板上に重なる被覆である請求項1に記載の方法。
【請求項68】
前記基板は元素ケイ素を含む請求項12に記載の方法。
【請求項69】
前記基板は、表面上に含浸した前記元素ケイ素を伴う炭化ケイ素を含む請求項14に記載の方法。
【請求項70】
ターゲット部分を、半導体加工作業での使用の前に除去する請求項1に記載の方法。
【請求項71】
ターゲット部分を除去する除去段階を繰り返す請求項1に記載の方法。
【請求項72】
ターゲット部分は少なくとも0.25μmの厚さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項73】
ターゲット部分は少なくとも0.38μmの厚さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項74】
ターゲット部分は少なくとも0.50μmの厚さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項75】
ターゲット部分の除去の前に前記半導体加工用部品を機械加工することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項76】
半導体加工用部品を処理する方法であって、
SiCの化学気相堆積によって形成された外側表面部分を有し、かつ、前記外側表面部分が内部不純物レベルと表面不純物レベルとを有する半導体加工用部品を用意することと、
前記表面不純物レベルが少なくとも10倍低減させられるように、前記外側表面部分のターゲット部分を除去すること、
とを含む方法。
【請求項77】
前記表面不純物レベルは少なくとも100倍低減させられる請求項76に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−219535(P2010−219535A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58192(P2010−58192)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【分割の表示】特願2006−510031(P2006−510031)の分割
【原出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】