説明

半導体基板の回転保持装置

【課題】有機金属気相成長法により反応炉内において半導体基板に気相状態で膜を形成する場合に、ガスホイール法を用いることなく半導体基板への高品質な膜の形成が可能であって、気相物質を供給した反応炉を開き人手による基板の出し入れを行う必要がないと共に、反応炉に供給される気相物質の供給効率を向上させることができる半導体基板の保持装置及び半導体基板の保持装置の搬送装置を提供する。
【解決手段】サセプタ12は回転駆動軸15に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、半導体基板が載置される複数の基板ホルダ14が配置される開口部13は、上記サセプタ12の厚さ方向において貫通して形成され、上記サセプタ12の下方には上記基板ホルダ15が上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタ12の回転により基板ホルダ14が回転しうる係合部16が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板の回転保持装置及び半導体基板の回転保持装置の搬送装置に係り、特に、有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために使用される半導体基板の回転保持装置及び半導体基板の回転保持装置の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体の表面に薄膜を形成する場合に、化学的気相成長方法(CVD)が使用されている。化学的気相成長方法は、複数種類の気相物質を反応炉内で半導体素子に供給し、高温で反応させることにより薄膜を形成するものである。
【0003】
このような有機金属気相成長法により、反応炉内において半導体基板の表面に気相状態で膜を形成する場合には、反応炉内に半導体基板の回転保持装置を配置して使用している。
図22及び図23に示すように、このような従来の半導体基板の回転保持装置60は、円盤状に形成されて回転動するサセプタ61と、円盤状に形成され、上記サセプタ61に開設された複数の開口部62内に着脱可能に配置されると共に上記サセプタ61の回転により上記開口部62内で回転するように形成され、上面部には半導体基板が載置される複数の基板ホルダ63とを有している。
【0004】
上記サセプタ61は、薄型円盤状に形成され、リング状フレーム部64の開口部65内に同一平面上に配置されている。上記サセプタ61は中心部裏面側において回転軸部66に固定され、回転軸部66の回転動により上記開口部65内において回転動する。上記リング状フレーム部64の開口部65の内周面部には開口部65の内方へ向かって突設された歯部67が厚さ方向に沿って全周に亘って形成され、平歯車68を構成している。
【0005】
一方、図22に示すように、上記サセプタ61には全周縁方向に沿って、11個の開口部62が開設され、上記開口部62内には、夫々、基板ホルダ63が回転動可能であって、かつ着脱可能に配置されている。上記基板ホルダ63の周縁には上記歯部67と歯合する歯部71が、基板ホルダ63の厚さ方向に沿って外方に向かって突設され、上記同様に平歯車69を構成している。
【0006】
その結果、上記回転軸部66の回転動によりサセプタ61が回転する場合には、上記基板ホルダ63は、歯部71のリング状フレーム部64の歯部67との歯合により上記開口部62内において回転し、サセプタ61と基板ホルダ632とは、いわゆる遊星機構を形成する。
そして、上記基板ホルダ63上に半導体基板が載置され、反応炉内において所定の環境下において複数種類の気相物質を半導体素子に供給し、高温で反応させることにより半導体基板上に膜を形成するものである。
【0007】
しかしながら、半導体基板の表面に気相状態で膜を形成する場合に、上記各基板ホルダ63上に半導体基板が載置されたサセプタ61を、例えば、ロボットアームを使用して搬送することを想定した場合、サセプタ61を上記リング状フレーム部64の上方へ搬送し、上記リング状フレーム部64の開口部65内に配置するためには、上記リング状フレーム部64の内周面部に厚さ方向に沿って設けられた歯部67に対して、全ての基板ホルダ63の歯部69を上下方向において歯合させる必要がある。
その結果、上記リング状フレーム部64の歯部67への、基板ホルダ63の歯部67を適切かつスムーズに歯合させることは困難であることから、ロボットアームを有する搬送装置を使用して反応炉へサセプタ1を搬送することは困難である。
【0008】
従って、従来は、反応炉内における半導体基板への膜形成作業が完了した場合、次の新たな半導体基板に交換する場合には、その都度、反応炉を開放して人手を介して膜形成が完了した半導体基板を取り出し、かつ新たな半導体基板を基板ホルダ上に配置することが必要であった。
その結果、膜が形成された半導体基板の交換作業が非常に煩雑であり、生産効率が良好ではない、という不具合が存していた。
【0009】
また、上記反応炉内は窒素の密閉空間となっており、本来、水分や酸素を排除する必要があり、上記のように半導体基板の交換時にその都度、反応炉を開放して作業を行った場合には、その都度、外気が混入することから、窒素による密閉空間を形成しなおす必要があり作業効率が低い、という問題点も存していた。
【0010】
さらに、従来のような平歯車を用いた遊星機構による半導体基板の回転保持装置60にあっては、リング状フレーム部64の平歯車68に対して基板ホルダ63の平歯車69を適切に歯合させる必要性があることから、基板ホルダ63の大きさは所定の直径に形成する必要があり、その結果、サセプタ61の直径も所定規模の大きさとなる。
その結果、径方向に配置された各基板ホルダ63の間が大きく離間してしまい、サセプタ61の中央部に大きな空隙Sが形成されてしまうことから、反応炉内において複数種類の気相物質が供給された場合であっても、上記空隙Sに滞留する気相物質は基板の膜形成に有効に寄与しないことから、気相物質の供給効率が良好ではない、という不具合が存していた。
【0011】
また、従来、上記基板ホルダの裏面側に形成された溝部にガスを供給して基板ホルダーをサセプタから浮上させた状態で回転させると共にサセプタをも回転動させる、いわゆる「ガスホイール法」も提案されていた。
しかしながら、このような「ガスホイール法」にあっては、ガスを供給しながら基板ホルダーをサセプタから浮上させつつ回転動させるように構成されていることから、半導体基板に膜を形成するための気相物質とは異なるガスが供給されることから、基板ホルダー近傍において供給される膜形成のための気相物質の流れを阻害し、膜の形成が充分に行われない場合がある、という問題点を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、有機金属気相成長法により反応炉内において半導体基板に気相状態で膜を形成する場合に、ガスホイール法を用いることなく半導体基板への高品質な膜の形成が可能であって、気相物質を供給した反応炉を開き人手による基板の出し入れを行う必要がなく生産効率を向上させることができると共に、反応炉に供給される気相物質の供給効率を向上させることができる半導体基板の保持装置及び半導体基板の保持装置の搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明にあっては、有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために反応炉内において使用され、円盤状に形成されて回転動するサセプタと、円盤状に形成され、上記サセプタに開設された複数の開口部内に着脱可能に配置されると共に上記サセプタの回転により上記開口部内で回転するように形成され、上面部には半導体基板が載置される複数の基板ホルダと、上記サセプタの下方に設けられ、上記サセプタを回転させる回転駆動軸とを有する半導体基板の回転保持装置であって、上記サセプタは回転駆動軸に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、上記開口部は、上記サセプタの厚さ方向において貫通して形成され、上記サセプタの下方には上記基板ホルダが上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタの回転により基板ホルダを回転させる係合部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
従って、本請求項1に係る半導体基板の回転保持装置にあっては、上記サセプタは回転駆動軸に対して上下方向において着脱可能に固定されていると共に、上記開口部は、上記サセプタの厚さ方向において貫通して形成され、上記サセプタの下方には上記基板ホルダが上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタの回転により基板ホルダが回転しうる係合部が設けられ、サセプタ、基板ホルダ及び係合部により遊星機構が構成されていることから、サセプタは基板ホルダを保持した状態で回転駆動軸に対して上下方向において着脱ができる。
その結果、搬送装置を装備することにより上記サセプタを搬送して回転駆動軸から取り外して搬送することができると共に、サセプタを搬送して回転駆動軸に装着することができる。
【0015】
請求項2記載の発明にあっては、上記係合部は全体リング状に形成され、上面部には、周方向に沿って一定間隔を置いて複数の第一の係合突起が放射状に配設されると共に、上記基板ホルダの下面部には、上記第一の係合突起に係合しうる複数の第二の係合突起が周縁部に沿って放射状に配設され、上記開口部内に上記基板ホルダが配置された場合には、上記第二の係合突起は上記開口部下方に突出配置されて上記第一の係合突起と係合することを特徴とする。
【0016】
従って、請求項2記載の発明にあっては、上記第一の係合突起は上記第二の係合突起に対して上下方向において係合させることができると共に、上下方向において係合を解除することが可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明にあっては、上記第一の係合突起は、上記係合部の厚さ方向に沿って上方に突出する複数の細長直方体により形成されると共に、上記第二の係合突起は、基板ホルダの厚さ方向に沿って下方に突出する複数の細長直方体により形成されていることを特徴とする。
従って、請求項3記載の発明にあっては、細長直方体状に形成された第一の係合突起と細長直方体状に形成された第二の係合突起とが上下方向において係合する。
【0018】
請求項4に記載された発明にあっては、上記互いに隣接する第一の係合突起の間隔寸法は、上記第二の幅寸法以上の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されていると共に、上記互いに隣接する第二の係合突起の間隔寸法は、上記第一の係合突起の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成され、上記第一の係合突起と上記第二の係合突起は相互に間隙を以って係合することを特徴とする。
【0019】
従って、請求項4記載の発明にあっては、基板ホルダを有するサセプタが上記回転駆動軸に固定され、基板ホルダの下面部に形成された係合突起部が上記係合部の係合突起との間に配置された場合には、上記第一の係合突起と上記第二の係合突起とは、相互に空隙を以った状態で配置される。
【0020】
請求項5記載の発明にあっては、上記開口部は、直径寸法が上記サセプタの半径寸法と略同一に形成され、互いに等間隔に3つ開設され、上記開口部には上記基板ホルダが夫々配置されていることを特徴とする。
従って、請求項5記載の発明にあっては、上記いずれの基板ホルダも互いに近接して配置される。
【0021】
請求項6記載の発明にあっては、上記回転駆動軸の上端部には、複数の突起部が設けられると共に、上記サセプタの中心部には、上記突起部が上下方向において解除可能に挿入係合されうる複数の凹部が形成されていることを特徴とする。
従って、請求項6記載の発明にあっては、サセプタは上記複数の凹部を上記回転駆動軸の上端部に形成された複数の突起部に係合させることにより、サセプタを上記回転駆動軸に接合させることができると共に、上記サセプタを上記回転駆動軸から取り外すことができる。
【0022】
請求項7記載の発明にあっては、有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために使用され、円盤状に形成され、下方に配設された回転駆動軸に着脱可能に係合すると共に、上面部には半導体基板が載置され、開設された複数の開口部内に回転可能に配設された基板ホルダを有するサセプタを上記回転駆動軸に装着又は搬出する搬送装置であって、上記サセプタを保持する搬送アーム部を備えたことを特徴とする半導体基板の回転保持装置の搬送装置である。
【0023】
従って、請求項7記載の発明にあっては、上記搬送アーム部を用いて、上記サセプタを搬送して上記回転駆動軸に取り付けることができると共に、取り外すことができる。
【0024】
請求項8記載の発明にあっては、上記搬送アーム部は、上記サセプタの周縁部を保持するように構成されていることを特徴とする。従って、請求項8記載の発明にあっては、上記搬送アーム部は、上記サセプタの周縁部を保持してサセプタを搬送することができる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1及び2記載の発明にあっては、上記サセプタは回転駆動軸に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、上記開口部は、上記サセプタの厚さ方向において貫通して形成され、上記サセプタの下方には上記基板ホルダが上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタの回転により基板ホルダが回転しうる係合部が設けられていることから、従来のように、有機金属気相成長法により反応炉内において半導体基板に気相状態で膜を形成する場合に、ガスホイール法を用いることなく、半導体基板への高品質な膜の形成を可能となる。
【0026】
また、サセプタは回転駆動軸に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、従来のように平歯車を使用した遊星機構を使用せず、基板ホルダと上記係合部とが上下方向において係合する遊星機構を構成していることから、上記サセプタの、上記回転駆動軸に対する上下方向における取り外し及び取り付けが可能となり、反応炉内で気相物質が供給され膜が形成された半導体基板を、反応炉を開放して人手を介して取り出すと共に、新たに処理する半導体基板を基板ホルダに装着する必要がなく、基板ホルダ上に半導体基板を載置した状態でサセプタを搬送装置を使用して反応炉から取り出すことができる。
【0027】
また、膜形成処理を行う半導体基板を載置した基板ホルダをサセプタに配置した状態で搬送装置を使用して反応炉内へ搬送して設置することができるため、反応炉への半導体基板の搬入及び搬出効率を向上させることができ、その結果、半導体基板の膜形成に関する処理効率を向上させることができる。
さらに、膜形成が完了した半導体基板を反応炉から取り出すために、その都度、反応炉を開放する必要がないことから、反応炉内に供給される気相物質を無駄にすることがなく、気相物質の供給効率を向上させることができる。
【0028】
請求項3記載の発明にあっては、基板ホルダを開口部内に配置したサセプタを回転駆動軸へ上下方向において接合する場合および取り外す場合、第一の係合突起と第二の係合突起とを容易に係合させることができると共に、上記第一の係合突起と第二の係合突起とは容易に係合を解除することができる。
【0029】
請求項4記載の発明にあっては、基板ホルダを有するサセプタが上記回転駆動軸に固定されると共に基板ホルダの下面部に形成された係合突起部が上記係合部の係合突起との間に配置された場合には、上記第一の係合突起と上記第二の係合突起とは、相互に間隙を以った状態で配置されることから、上記サセプタと基板ホルダとは径寸法が異なることから曲率が相違することにより、第二の係合突起と上記第一の係合突起との配置角度は異なることから、仮に、サセプタの回転駆動軸への装着時に、第二の係合突起が隣接する第一の係合突起の間い配置されず、第一の係合突起上に配置された場合であっても、サセプタが回転することにより、振動又は慣性力により第一の係合突起は位置が移動して、
一対の第一の係合突起の間に配置され、第二の係合突起は第一の係合突起に確実に係合する。
【0030】
請求項5記載の発明にあっては、上記基板ホルダは、上記サセプタの周方向に沿って三機、互いに等間隔に設けられ、上記基板ホルダの直径寸法は上記サセプタの半径寸法と略同一に形成されていることから、基板ホルダがサセプタの大部分を占め、従来のように平歯車により遊星機構を構成した場合とは異なり、サセプタの中心部において各基板ホルダの間に大きな空隙部が形成されることはない。
【0031】
その結果、反応炉内において複数種類の気相物質が供給された場合に、上記気相物質が空隙部に滞留して基板の膜形成に有効に寄与しない、という事態を防止でき、その結果、気相物質が無駄になることがなく、気相物質の供給効率を向上させることができる。
【0032】
請求項6記載の発明にあっては、サセプタは上記複数の凹部を上記回転駆動軸の上端部に形成された複数の突起部に係合させることにより、サセプタを上記回転駆動軸に接合させることができると共に、上記サセプタを上記回転駆動軸から取り外すことができるため、容易にサセプタを回転駆動軸へ取り付けかつ、取り外すことができる。
【0033】
請求項7及び8記載の発明にあっては、上記搬送アーム部を用いて、上記サセプタを搬送して上記回転駆動軸に取り付けることができると共に、取り外すことができることから、従来のように、反応炉内で気相物質が供給され膜が形成された半導体基板を、反応炉を開放して人手を介して取り出し、新たに処理する半導体基板を人手を介して基板ホルダに装着してサセプタに配設する必要がなく、基板ホルダ上に半導体基板を載置した状態のサセプタを、搬送装置を使用して膜形成処理が完成した半導体基板の反応炉から取り出し、かつ、膜形成処理を行う半導体基板の反応炉への設置を行うができるため、反応炉への半導体基板の搬入及び搬出効率を向上させることができ、その結果、半導体基板の膜形成に関する処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を平面的に示す概念図である。
【図2】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、図1の2―2線相当断面図である。
【図3】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、基板ホルダスリップリングを示す横断面である。
【図4】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、サセプタ本体を示す平面図である。
【図5】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、図4の5―5線相当断面図である。
【図6】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、サセプタ本体を示す裏面図である。
【図7】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、図1の2―2線相当断面図であって、ヒータの配置状態を示す図である。
【図8】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、係合部を示す平面図である。
【図9】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、図8の9―9線断面図である。
【図10】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、サセプタスリップリングを示す横断面である。
【図11】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、基板ホルダを示す平面図である。
【図12】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、図11のC−C線相当断面図である。
【図13】本発明に係る半導体基板の回転保持装置の一実施の形態を示し、基板ホルダを示す裏面図である。
【図14】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送し、回転駆動軸に装着する場合を示す2―2線相当概念断面図である。
【図15】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して回転駆動軸に装着し、係合突起部が完全に係合せず、サセプタが僅かに傾斜した状態を示す概念断面図である。
【図16】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して回転駆動軸に装着し、係合突起部が完全に係合せず、サセプタが傾斜した状態で回転させている状態を示す概念断面図である。
【図17】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して回転駆動軸に装着し、係合突起部が係合し、サセプタが水平な状態で回転している状態を示す概念断面図である。
【図18】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示す2―2線相当断面図である。
【図19】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して半導体基板を交換する場合を示す概念断面図であって、搬送アーム部によりサセプタを持ち上げる状態を示す図である。
【図20】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して半導体基板を交換する場合を示す概念断面図であって、搬送アーム部によりサセプタを持ち上げた状態を示す図である。
【図21】本発明に係る半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、搬送装置を使用してサセプタを搬送して半導体基板を交換する場合を示す概念断面図であって、サセプタの取り外しを完了した状態を示す図である。
【図22】従来の半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示す平面図である。
【図23】従来の半導体基板の回転保持装置及び搬送装置の一実施の形態を示し、図22のD−D線相当断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下添付図面に示す実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【0036】
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る半導体基板の回転保持装置10は、有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために反応炉内において使用され、円盤状に形成されて回転動するサセプタ12と、円盤状に形成され、上記サセプタ12に開設された3つの開口部13内に着脱可能に配置されると共に上記サセプタ12の回転により上記開口部13内で回転するように形成され、上面部には半導体基板が載置される複数の基板ホルダ14と、上記サセプタ12の下方に設けられ、上記サセプタ12を回転させる回転駆動軸15とを有している。
【0037】
上記サセプタ12は回転駆動軸15に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、上記開口部13は上記サセプタ12の厚さ方向において貫通して形成され、上記サセプタ12の下方には上記基板ホルダ14が上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタ11の回転により基板ホルダ14が回転しうる係合部16が設けられている。
【0038】
〔サセプタ〕
図1及び図2に示すように、上記サセプタ12は、薄型円盤状のサセプタ本体17と、上記サセプタ本体17の周縁上縁部において全周に亘って固定されるサセプタリング18とにより構成されている。
本実施の形態にあっては、図4及び図5に示すように、サセプタ12は直径145mmに形成され、上記開口部13は、直径寸法は55.2mmであって、中心間半径Lは37mmであって、互いに等間隔に3つ開設され、上記開口部13には上記基板ホルダ14が夫々配置されている。本実施の形態にあっては、上記開口部13は、互いに120度の角度位置に配置されている。
【0039】
図5に示すように、上記開口部13はサセプタ本体17の厚さ方向に沿って貫通して開設され、断面形状はサセプタ裏面方向に向かって収縮するテーパ状に形成されている。
上記開口部13には、図3に示す基板ホルダスリップリング19が配設されている。上記基板ホルダスリップリング19はガラス状カーボン製で、平面略リング状に形成され、内部に基板ホルダ14を回転可能に収納しうるように構成されている。
【0040】
図3に示すように、上記基板ホルダスリップリング19は、上記開口部13の断面形状と同一の外方断面輪郭形状を有し、内周部には段部20が形成されている。
【0041】
〔サセプタ・接合部〕
図4〜図6に示すように、上記サセプタ本体17は、裏面側中心部に突設された上記回転駆動軸15との接合部21と、周縁下部に形成された周縁突部22とを備えている。
上記接合部21はサセプタ12の下方に形成された短円筒状の膨出部23と、上記膨出部23内に形成され、裏面方向に開口する2個の凹部24,24とからなる。上記一対の凹部24,24は直径方向において一対に形成されている。また、表面部の周縁には、図2に示す上記サセプタリング18が固定される段部25が形成されている。
【0042】
〔サセプタ・回転軸部〕
図2に示すように、上記回転駆動軸15は全体細長円柱状に形成され、反応炉内において適宜の回転駆動部に接合されて配設されている。
上端部には、サセプタ12の接合受部26が形成されている。図14及び図21に示すように、上記接合受部26は、回転駆動軸本体部27よりも太径に形成され、接合上端面部28の周縁部から上方に突設され、上記膨出部を外方から保持する円環状保持部29と、上記円環状保持部29の内部に上方へ向かって突設され、上記2個の凹部内に係合配置される2個の突起部30,30とからなる。
【0043】
従って、サセプタ12が上記回転駆動軸15に接合された場合には、上記2個の突起部30,30が上記2個の凹部24,24内に係合配置されることにより、回転駆動軸15の回転駆動力がサセプタ12に伝達されてサセプタ12が回転する。
また、図7に示すように、上記回転駆動軸15の周囲には、上記サセプタ12を下方から加熱するように複数のヒータ31が、サセプタ12の径方向の略全域に亘って配設されている。
【0044】
〔係合部〕
図2、図7、図14、図20又は図21に示すように、上記サセプタ12の周縁部下方には、サセプタ12が上記回転駆動軸15に接合された場合に基板ホルダ14に係合して基板ホルダ14を回転させる係合部16が配設されている。
【0045】
図8及び図9に示すように、上記係合部16は全体略リング状であって、外径は132.6mm、内径は117mmに形成されている。係合部16は、側方断面逆L字状に形成されたサセプタ載置部32と、上記サセプタ載置部32の上面部に放射状に多数形成された第一の係合突起33と、上記第一の係合突起33の長さ方向外方において上記サセプタ載置部32上に配設される、図10に示す、円環状のサセプタスリップリング34とにより構成されている。
【0046】
上記第一の係合突起33は、上記係合部16の厚さ方向に沿って上方に突出する複数の細長直方体であって、長さ寸法3.5mm、幅寸法1mm高さ寸法1.3mmに形成され、本実施の形態にあっては全体として60個形成されている。
上記第一の係合突起33は、上記係合部16の上面部35の幅方向内側半部に形成され、幅方向外側半部には、サセプタ載置部32上に、図10に示すサセプタスリップリング34が固定される。
上記サセプタスリップリング34は平面リング状に形成され、配設された場合には、上記サセプタ本体17の周縁下面部に当接してサセプタ12が円滑に回転するように構成されている。
【0047】
〔基板ホルダ〕
図11〜図13に示すように、上記開口部13に配置される基板ホルダ14は、小型であって薄型の円盤状に形成され、基板ホルダ本体部36と、上記基板ホルダ本体部36の上部により大径に形成された基板載置部37とにより構成されている。
【0048】
上記基板ホルダ本体部36の下面部の周縁には、上記サセプタ載置部37に形成された第一の係合突起33に係合しうる第二の係合突起38が、多数放射状に形成されている。また、上記基板載置部37の上面部の略全域に亘って基板を載置するための凹部39が形成されている。
上記基板載置部37の厚さ寸法は、図3に示す上記基板ホルダスリップリング19の段部20の表面と基板ホルダスリップリング19の表面44との間隔寸法と同一に形成され、上記基板ホルダ本体部36の厚さ寸法は、上記段部表面と基板ホルダスリップリング19の裏面45との間の間隔寸法と同一に形成されている。
【0049】
従って、基板ホルダ14を上記サセプタ12の開口部13に固定された基板ホルダスリップリング19内に収めた場合には、上記基板載置部37の表面部は、基板ホルダスリップリング19の表面44と同一面上に配置されると共に、上記第二の係合突起38は基盤ホルダスリップリング19の裏面45の下方に突出して配置され、上記の第一の係合突起33と係合しうるように構成されている。
第二の係合突起38は、上記第一の係合突起33と同様に、長さ寸法3.5mm、幅寸法1mm、高さ寸法1.3mmに形成され、本実施の形態にあっては全体として24個、放射状に配設されている。
【0050】
本実施の形態にあっては、基板ホルダ14はSiC(炭化珪素)製であって、上記凹部39は2インチ基板1枚をはめ込むことができる大きさに形成されている。
【0051】
図1に示すように、上記基板ホルダ12は、上記サセプタ12の周方向に沿って三機、互いに等間隔に配設され、上記基板ホルダ14の直径寸法は上記サセプタ12の周縁突部22と接合部21との間の間隔寸法と略同一に形成されている。
【0052】
上記互いに隣接する第一の係合突起33,33の間隔寸法は、上記第二の係合突起38の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されていると共に、上記互いに隣接する第二の係合突起38,38の間隔寸法は、上記第一の係合突起33の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されている。
その結果、上記第一の係合突起33と上記第二の係合突起38は相互に間隙を以って係合するように構成されている。
【0053】
〔搬送装置〕
また、図14及び図15に示すように、サセプタ搬送装置41は、上記サセプタ12を保持する一対の搬送アーム部42,42を備えている。上記搬送アーム部42,42は、上記サセプタ12の周縁突部22を保持するように構成されており、周縁突部22を下方から支持できるように内側断面略L字形状の支持部43が設けられている。
【0054】
本実施の形態にあっては、上記搬送アーム部42,42は、サセプタ12の搬送時にはサセプタ12の直径方向において一対に配置されるように構成されている。
上記サセプタ搬送装置41は、図示外の適宜の構成のアクチュエータと、当該アクチュエータにより駆動される搬送アーム部42,42と、搬送アーム部42,42がサセプタの周縁突部22を把持するように移動制御できるように、上記アクチュエータに検出信号を送付する適宜の構成のセンサーとを備え、反応炉外部に置いてあるサセプタ12を把持して反応炉内へ搬送し、回転駆動軸15に接合させると共に、係合部16に係合させると共に、サセプタ12を回転駆動軸15から取り外し、反応炉外部へ搬送することもできるように構成されている。
【0055】
〔作用〕
以下に、本実施の形態に係る半導体基板の回転保持装置を使用して半導体基板に有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成する場合について説明する。
先ず、上記サセプタ12の3つの開口部13,13,13に、夫々、図3に示す基板ホルダスリップリング19,19,19をはめ込む。その後、図1及び図2に示すように、夫々の開口部13,13,13に各々基板ホルダ14を、上記基板ホルダスリップリング19上に固定する。
【0056】
この場合、上記基板ホルダ14の基板載置部37の周縁下部40は、上記基板ホルダスリップリング19の段部20に係合し回転可能な状態で配置される。また、2インチの半導体基板は上記基板ホルダ14の上部に形成された、基板ホルダ載置部37の凹部39に係合した状態で固定される。
【0057】
その後、サセプタ搬送装置41を用いてサセプタ12を反応炉内に搬送する。図14に示すように、サセプタ搬送装置41は、図示外のアクチュエータにより搬送アーム部42,42を駆動させて、搬送アーム部42,42によりサセプタ12の周縁突部22を保持して、サセプタ12の裏面部に形成された接合部21が、反応炉内に配設された回転駆動軸15の直上に至る位置まで搬送し、その後、アクチュエータにより搬送アーム部42,42を下降させて、接合受部26の円環状保持部29が接合部21の膨出部23を抱持すると共に、上記接合部21の一対の凹部24,24内に上記回転駆動軸15の一対の突起部30,30が挿入配置させる。これにより、サセプタ12は上記接合部21及び接合受部26を介して回転駆動軸15に接合され、回転駆動軸15の回転駆動力がサセプタ12に伝達される。
【0058】
また、上記サセプタ本体部17はサセプタスリップリング34を介して係合部16上に載置されると共に、上記基板ホルダ14の第二の係合突起38は、夫々、係合部16上に形成された第一の係合突起33の間に配置される。
この状態で、回転駆動軸15が回転駆動部からの回転駆動力により、例えば、毎分2回転で回転し始めると、サセプタ12が係合部16のサセプタスリップリング34上で毎分2回転で回転を開始する。この場合、3機の基板ホルダ17の第二の係合突起38は係合部16の第一の係合突起33と係合していることから、サセプタ12の回転に伴い、上記3機の基板ホルダ17も開口部13内において回転し始める。
【0059】
なお、サセプタ12の接合部21が接合受部26に接合される際に、上記3機の基板ホルダ17の内のいずれかの基板ホルダ17の第二の係合突起38が上記第一の係合突起33上に重なって配置される場合もある。
このように第二の係合突起38が第一の係合突起33に重なって配置された場合には、図15に示すように、サセプタ12の重なって配置された側の端部Aが係合部16上においてやや高くなり、第二の係合突起38が第一の係合突起33の間に配置された端部Bが低く、径方向に沿って僅かに斜めになった状態で係合部16上に配置されることとなる。本実施の形態にあっては、端部Aが斜めに持ち上がる高さは1.1mmである。
【0060】
この状態で、回転駆動軸15が回転駆動部からの回転駆動力により、例えば、毎分2回転で回転し始めると、サセプタ12は係合部16のサセプタスリップリング34上で毎分2回転で回転を開始する。この場合、3機の基板ホルダ17のいずれかの第二の係合突起38は係合部16の第一の係合突起33と係合していることから、仮に、第二の係合突起38が上記第一の係合突起33上に重なって配置された状態の場合であっても、サセプタ21の回転による慣性及び振動により、図17に示すように、第二の係合突起38上に配置されていた第一の係合突起33は第二の係合突起38上から落下して、第二の係合突起38に係合する。
【0061】
本実施の形態にあっては、上記互いに隣接する第一の係合突起33,33の間隔寸法は、上記第二の係合突起38の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されていると共に、上記互いに隣接する第二の係合突起38,38の間隔寸法は、上記第一の係合突起33の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されていることから、第一の係合突起33と第二の係合突起38とが遊嵌状態で係合することから、上記のように、いずれかの第一の係合突起38が第二の係合突起33上に載置されていた場合であっても、サセプタ12の回転により容易に係合状態を確保することができる。
【0062】
その後、回転駆動軸15の回転を毎分10回転に上昇させ、これにより各基板ホルダ14は毎分10回転で、サセプタ12上で周回運動を行いながら、同時に毎分25回転で開口部13内で回転する。
そして、有機金属気相成長法に基づいて、例えば、水素ガス、アンモニアガス及びトリメチルガリウム(TMG)の混合ガスを、密閉された反応炉内に供給し、1100℃の温度条件下において、3機の基板ホルダ14上に配置された半導体基板上に窒化ガリウムの結晶を成長させる。
【0063】
このようにして、半導体基板上に窒素ガリウムの結晶が膜状に形成された場合には、図18〜図21に示すように、回転駆動軸15の回転を停止させた後、上記と逆の手順により、サセプタ搬送装置41により搬送アーム部42,42を駆動させることにより、搬送アーム部42,42をサセプタ12の周縁突部22の下方から接近させ、搬送アーム部42の支持部43により周縁突部22を下方から支持して、サセプタ12を上方へ持ち上げ、反応炉外へ搬出するものである。
【0064】
〔実施例の効果〕
従って、本実施の形態にあっては、上記のように、サセプタ12は回転駆動軸15に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、従来のように平歯車を使用した遊星機構を使用せず、基板ホルダ14の下面部に形成された第二の係合突起38と上記係合部16の上面に形成された第一の係合突起33とが上下方向において係合する遊星機構を構成していることから、上記サセプタ12の、上記回転駆動軸15に対する上下方向における取り外し及び取り付けが容易に可能となる。
【0065】
その結果、従来のように、反応炉内で気相物質が供給され膜が形成された半導体基板を、反応炉を開放して人手を介して取り出すと共に、新たに処理する半導体基板を反応炉内にあるサセプタ12上の基板ホルダ12に装着する必要がなく、基板ホルダ12上に半導体基板を載置した状態でサセプタ12をサセプタ搬送装置41を使用して反応炉から取り出すことができ、また、新たに膜形成処理を行う半導体基板11を載置した基板ホルダ14をサセプタ12に配置した状態でサセプタ搬送装置41を使用して反応炉内へ搬送して設置することができる。
【0066】
また、半導体基板は上記基板ホルダ14上に載置された状態で、遊星機構により、基板ホルダ14上で回転しながら、さらに、サセプタ12上において周回運動を行うため、反応炉内において各半導体基板に作用する温度分布を均一にすることができると共に、形成される膜圧分布を均一化することができる。
【0067】
また、本実施の形態にあっては、従来のような平歯車による遊星機構とは 異なり、サセプタ12の厚さ方向における係合突起33,38同士の係合により遊星機構を構成していることから、従来の平歯車による遊星機構を利用した半導体基板の回転保持装置とは異なり、サセプタ12の径を小さくすることができる。
【0068】
その結果、上記基板ホルダ14が配置される開口部13は、直径寸法が上記サセプタ12の半径寸法と略同一に形成され、互いに等間隔に3つ開設され、上記開口部13に上記基板ホルダ14が夫々配置されていることから、従来のように平歯車により遊星機構を構成した場合とは異なり、サセプタの中心部において各基板ホルダの間に大きな空隙部が形成されることはない。
その結果、反応炉内において複数種類の気相物質が供給された場合に、上記気相物質が空隙部に滞留して基板の膜形成に有効に寄与しない、という事態を防止でき、その結果、気相物質が無駄になることがなく、気相物質の供給効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、広く、化学的気相成長法における半導体基板に膜を形成する半導体製造装置及び半導体基板の回転保持装置の搬送装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 半導体基板の回転保持装置
12 サセプタ
13 開口部
14 基板ホルダ
15 回転駆動軸
16 係合部
17 サセプタ本体
18 サセプタリング
19 基板ホルダスリップリング
20 段部
21 接合部
22 周縁突部
23 膨出部
24 凹部
25 段部
26 接合受部
27 回転駆動軸本体部
28 接合上端面部
29 円環状保持部
30 突起部
31 ヒータ
32 サセプタ載置部
33 第一の係合突起
34 サセプタスリップリング
35 上面部
36 基板ホルダ本体部
37 基板載置部
38 第二の係合突起
39 凹部
40 周縁下部
41 サセプタ搬送装置
42 搬送アーム部
43 支持部
44 表面
45 裏面
60 半導体基板の回転保持装置
61 サセプタ
62 開口部
63 基板ホルダ
64 リング状フレーム部
65 開口部
66 回転軸部
67 歯部
68 平歯車
69 平歯車
71 歯部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために反応炉内において使用され、
円盤状に形成されて回転動するサセプタと、円盤状に形成され、上記サセプタに開設された複数の開口部内に着脱可能に配置されると共に上記サセプタの回転により上記開口部内で回転するように形成され、上面部には半導体基板が載置される複数の基板ホルダと、上記サセプタの下方に設けられ、上記サセプタを回転させる回転駆動軸とを有する半導体基板の回転保持装置であって、
上記サセプタは回転駆動軸に対して上下方向において着脱可能に固定されると共に、上記開口部は、上記サセプタの厚さ方向において貫通して形成され、
上記サセプタの下方には上記基板ホルダが上下方向において解除可能に係合して、上記サセプタの回転により基板ホルダを上記開口部内において回転させる
係合部が設けられていることを特徴とする半導体基板の回転保持装置。
【請求項2】
上記係合部は全体リング状に形成され、上面部には、周方向に沿って一定間隔を置いて複数の第一の係合突起が放射状に配設されると共に、上記基板ホルダの下面部には、上記第一の係合突起に係合しうる複数の第二の係合突起が周縁部に沿って放射状に配設され、上記開口部内に上記基板ホルダが配置された場合には、上記第二の係合突起は上記開口部下方に突出配置されて上記第一の係合突起と係合することを特徴とする請求項1記載の半導体基板の回転保持装置。
【請求項3】
上記第一の係合突起は、上記係合部の厚さ方向に沿って上方に突出する複数の細長直方体により形成されると共に、上記第二の係合突起は、基板ホルダの厚さ方向に沿って下方に突出する複数の細長直方体により形成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体基板の回転保持装置。
【請求項4】
上記互いに隣接する第一の係合突起の間隔寸法は、上記第二の係合突起の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成されていると共に、上記互いに隣接する第二の係合突起の間隔寸法は、上記第一の係合突起の幅寸法よりも大きな間隔寸法に形成され、上記第一の係合突起と上記第二の係合突起は相互に間隙を以って係合することを特徴とする請求項3記載の半導体基板の回転保持装置。
【請求項5】
上記開口部は、直径寸法が上記サセプタの半径寸法と略同一に形成され、互いに等間隔に3つ開設され、上記開口部には上記基板ホルダが夫々配置されていることを特徴とする請求項2記載の半導体基板の回転保持装置。
【請求項6】
上記回転駆動軸の上端部には、複数の突起部が設けられると共に、上記サセプタの中心部には、上記突起部が上下方向において解除可能に挿入係合されうる複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体基板の回転保持装置の搬送装置。
【請求項7】
有機金属気相成長法により半導体基板に気相状態で膜を形成するために使用され、
円盤状に形成され、下方に配設された回転駆動軸に着脱可能に係合すると共に、上面部には半導体基板が載置され、開設された複数の開口部内に回転可能に配設された基板ホルダを有するサセプタを上記回転駆動軸に着脱可能に装着又は搬出する搬送装置であって、上記サセプタを保持する搬送アーム部を備えたことを特徴とする半導体基板の回転保持装置の搬送装置。
【請求項8】
上記搬送アーム部は、上記サセプタの周縁部を保持するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の半導体基板の回転保持装置の搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−44532(P2011−44532A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190790(P2009−190790)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(508136788)ヴァリオス株式会社 (1)
【出願人】(599048661)有限会社マイクロシステム (9)
【Fターム(参考)】