説明

半導体素子の微細パターン形成方法

【課題】ArF露光装置を用いて40ナノメートル以下のラインアンドスペースパターンを形成する。
【解決手段】シリコン含有重合体を含む反射防止膜用組成物を利用して反射防止膜パターンを形成し、前記反射防止膜パターンの間にシリコン含有重合体を含むフォトレジスト組成物を利用してフォトレジストパターンを形成した後、これらパターンを食刻マスクにスピンオンカーボン層と下部被食刻層に対する食刻工程を行なうことにより、工程段階及び製造コストを低減することのできる二重パターニング方法を利用した半導体素子の微細パターン形成方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の微細パターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、コンピュータのような情報媒体の急速な普及に伴い半導体装置も飛躍的に発展している。その機能面において、半導体装置は高速に動作すると同時に大容量の格納能力を有しなければならない。このような要求に応えるため、製造コストは低いながらも集積度、信頼度及びデータをアクセス(access)する電気的特性は向上した半導体素子の製造のための工程設備や工程技術の開発が切実に求められる。
【0003】
素子の集積度を向上させるための方法の1つにフォトリソグラフィ技術がある。前記フォトリソグラフィ技術は、ArF(193nm)またはVUV(157nm)のような短波長の化学増幅型の遠紫外線(Deep Ultra Violet;DUV)光源を用いる露光技術と、前記露光源に適したフォトレジスト物質を利用して微細なパターンを形成する技術である。
【0004】
半導体素子のサイズが漸次微細化するに伴い、前記フォトリソグラフィ技術の適用時にパターン線幅の臨界寸法(critical dimension)を制御するのが重要な問題として台頭している。一般に、半導体素子の速度はパターン線幅の臨界寸法、即ちパターンの線幅のサイズが小さいほど速くなり、素子の性能も向上する。
【0005】
しかし、通常開口数が1.2以下のArF露光装備を用いるフォトリソグラフィ技術の限界上、1回の露光工程では40nm以下のラインアンドスペース(line/space)パターン等を形成するのが困難である。
【0006】
さらに、高指数流体(high index fluid)物質の使用と共に高い開口数の露光装備を用いるとしても、30nm以下のL/Sパターンを形成することができない。これを改善するため、EUV(extreme ultra violet)(32nm)波長の露光源を適用する場合、これに適した露光装備及びレジストを新たに開発しなければならないので、製造コストが増加する。
【0007】
したがって、フォトリソグラフィ技術の解像度の向上及び工程マージン拡張の一環として二重パターニング技術(double patterning technology)が開発された。二重パターニング技術は、フォトレジストが塗布されたウェーハ上に2つのマスクを利用してそれぞれ露光し現像する技術で、複雑なパターンや、稠密な(dense)パターン及び分離されたパターン(isolated pattern)を形成する技術である。
【0008】
一方、前記二重パターニング技術はパターニングのため相違する2つのマスクを利用するので、単一のマスクを用いるパターニング技術より製造コストと時間対比効率性(turn-around-time)が低く、生産率(throughput)が低下する。さらに、セル領域で露光装備の解像力限界より小さいピッチを有するパターンを形成するとき、露出するイメージが重畳され所望の形態のパターンを得ることができず、アラインメント(alignment)時にオーバレイ(overlay)誤整合(miss align)が発生するなど幾多の短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、被食刻層に対するパターニング工程時に、スピンオンカーボン層(spin on carbon)の上部に食刻マスクで反射防止膜パターンを形成し、前記反射防止膜パターンの間にフォトレジストパターンを形成した後、これらを食刻マスクに利用して被食刻層をパターニングする半導体素子の微細パターン形成方法を提供することに目的がある。このとき、前記反射防止膜パターン及びフォトレジストパターンはシリコン含有重合体を含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、基板上の被食刻層の上部にスピンオンカーボン層を形成する段階と、前記スピンオンカーボン層の上部にシリコン含有重合体を含む反射防止膜を形成する段階と、前記反射防止膜の上部に第1のフォトレジストパターンを形成する段階と、前記第1のフォトレジストパターンを食刻マスクに前記スピンオンカーボン層が露出するまで反射防止膜をパターニングする段階と、前記反射防止膜パターン及び露出したスピンオンカーボン層の上部にシリコン含有重合体を含む第2のフォトレジスト膜を塗布する段階と、前記第2のフォトレジスト膜をパターニングして前記反射防止膜パターンの間に第2のフォトレジストパターンを形成する段階と、前記反射防止膜パターン及び第2のフォトレジストパターンを食刻マスクに前記スピンオンカーボン層をパターニングする段階とを含む半導体素子の微細パターン形成方法を提供する。前記方法は、第2のフォトレジスト膜の塗布前に第1のフォトレジストパターンを除去する段階をさらに含むことができる。
【0011】
前記スピンオンカーボン層は、半導体素子の製造工程時に段差が形成された地域に平坦化された膜を形成する役割と、反射防止膜の役割、及び上/下部物質間の食刻選択比の差によるハードマスク膜の役割を全て行なうことができる物質である。前記スピンオンカーボン層は、化合物の全体分子量に対し85〜90重量%の炭素分子を含み、スピンコーティング方法で塗布の容易なカーボンリッチ重合体(carbon-rich polymer)を挙げることができる。
【0012】
前記反射防止膜は、30〜80重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体と、有機溶媒、及び熱酸発生剤または光酸発生剤のような添加剤を含む。前記シリコン含有重合体は−Si−O−単位を含むシリコン化合物を含む。具体的に、前記シリコン含有重合体はシロキサン化合物、ヒドロキシフェニルアルキル、アルキルまたはフェニル置換基を有するシルセスキオキサン化合物、及びこれらの組合せでなる群から選択される。さらに、前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンを含む。前記有機溶媒は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれる。前記添加剤は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で添加することができる。
【0013】
前記第1のフォトレジストパターンは、化学増幅型フォトレジスト組成物で形成される。前記化学増幅型フォトレジスト組成物は、置換された無水マレイン酸を重合反復単位で含むROMA型重合体;シクロオレフィン重合反復単位、無水マレイン酸の重合反復単位、及びメタクリレートまたはアクリレート系重合反復単位を含むCOMA型重合体;及び前記重合体等が1つ以上混合された形態(hybrid type)の重合体から選択されたベース樹脂と光酸発生剤及び有機溶媒を含む。
【0014】
前記反射防止膜パターニング工程はCF、CHF、O及びArを含むソースガスを利用する食刻工程で行なわれる。
【0015】
前記第1のフォトレジストパターンの除去工程はシンナー(thinner)で行なわれる。
【0016】
前記第2のフォトレジストパターンは第2のフォトレジスト膜に対する露光及び現像工程を行なって形成する。
【0017】
前記第2のフォトレジスト膜の厚さ(c)は、反射防止膜の厚さ(a)と同じかより高い。さらに、第2のフォトレジスト膜の厚さ(c)は第1のフォトレジスト膜の厚さ(b)と同じかより低い(a≦c≦b)。
【0018】
前記第2のフォトレジスト膜は30〜80重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体と、有機溶媒及び光酸発生剤を含む。このとき、前記シリコン含有重合体は下記式(1)の重合反復単位を含む。
【0019】
【化1】

【0020】
前記式で、Rは水素またはメチルであり;Rは炭素数C〜C10の直鎖または側鎖のアルキレンであり;R、R及びRは炭素数C〜Cのアルコキシ基であり;RはOH、Hまたは炭素数C〜C10のアルキルまたは酸に敏感な保護基であり、a:b:cの相対比(mol)は0.3〜1:1〜3:1である。
【0021】
前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンを含み、前記シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれる。前記光酸発生剤は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で添加することができる。
【0022】
次に、前記スピンオンカーボン層をパターニングする段階は、O及びNまたはO及びHを混合するソースガスを利用する食刻工程で行なわれる。
【0023】
本発明に係る方法においては、従来の蒸着工程が困難な非晶質炭素層の代りに、簡単なスピンコーティング法で形成可能なスピンオンカーボン層を利用することにより、工程過程を単純化させTAT製造回帰時間(Turn-Around-Time)を短縮することができる。さらに、スピンオンカーボン層は厚さと係りなく633nm領域で吸光係数が「0」であり、食刻工程時に下部層に対する食刻耐性に優れる。なお、スピンオンカーボン層の場合、ステップカバレッジに優れるため、段差が形成された領域に平坦な膜を形成することができる。
【0024】
さらに、本発明に係る方法に利用するシリコン系化合物を含む反射防止膜及び第2のフォトレジスト膜は、食刻工程時に食刻ガスに用いられる酸素ガスとシリコン元素が反応して化合物間の架橋結合を形成するので、下部被食刻層の食刻工程時にマスクに用いられ得るほどの食刻選択比を確保することができる。したがって、本発明に係る方法で得られたシリコン含有重合体を含む1層のフォトレジストパターンと反射防止膜パターンは、従来に用いられていた多層マスクパターンのような食刻耐性を有する食刻マスク機能を行なうことができる。したがって、多層マスク積層工程の段階及び多層マスクの厚さを縮小することができるので、工程段階及び製造コストを低減させることができる。
【0025】
このように本発明に係る方法は、従来の多層ハードマスク膜と同一の食刻マスク機能を行なうことができるよう、シリコン分子量を多量含む共重合体を含むフォトレジスト膜と反射防止膜を利用してパターンを形成した後、これらのパターンを食刻マスクに利用するパターニング工程を行なうことにより、従来多層に積層されていたハードマスク膜の積層工程及び厚さを縮小することができるので、工程段階及び製造コストを低減させることができ、均一なパターンプロファイルを得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る方法は、被食刻層の上部に多層のハードマスク膜の代りに、スピンオンカーボン層とシリコン含有重合体を含むフォトレジストパターンと反射防止膜パターンを形成し、これを食刻マスクに利用して下部被食刻層を食刻することにより、半導体の製造工程を単純化させることができ、これに伴うコストの節減をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
従来、i)二重露光及び食刻技術(Double Expose Etch Technology;以下、「DEET」と記す)、及びii)スペーサパターニング技術(Spacer Patterning Technology;以下、「SPT」と記す)が開発され、現在半導体素子の量産工程に適用されている。
【0028】
前記i)DEETは所望のパターン線幅より二倍の線幅を有する第1のパターンを形成した後、第1のパターンの間に同じ線幅の周期を有する第2のパターンを形成する技術である。より具体的に、前記DEETは、a)ポジティブ方法と、b)ネガティブ方法に分けることができる。
【0029】
a)ポジティブ方法は、図1に示されているように半導体基板1上に被食刻層3、第1のマスク膜5、第2のマスク膜7及び第1のポジティブフォトレジストパターン8を形成した後、第1のフォトレジストパターン8を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン7−1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン7−1の間に第2のポジティブフォトレジストパターン9を形成した後、先に形成された第2のマスク膜パターン7−1と後に形成された第2のフォトレジストパターン9を全て食刻マスクに利用して第1のマスクパターン5−1を形成する方法である。
【0030】
b)ネガティブ方法は、図2に示されているように半導体基板21上に被食刻層23、第1のマスク膜25、第2のマスク膜27及び第1のネガティブフォトレジストパターン28を形成した後、第1のネガティブフォトレジストパターン28を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン27−1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン27−1の上部に第2のネガティブフォトレジストパターン29を形成した後、これを食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン27−2を形成する。前記第2のマスク膜パターン27−2を食刻マスクに第1のマスク膜25を食刻し第1のマスクパターン25−1を形成する方法である。
【0031】
このとき、前記DEETは二種類のマスクを用いるため、所望の解像度を有するパターンを形成することはできるが、工程段階が複雑で製造コストが増加するだけでなく、2次フォトレジストパターンの形成時にパターンの重畳正確度(overlay accuracy)により誤整合が発生する。さらに、DEET工程の場合、後続する食刻工程時に下部膜との食刻選択比の差を得ることが困難である。
【0032】
前記ii)SPTはセル領域のパターンの形成のため、マスク工程を一回のみ進めて誤整合を防止することができるセルフアライン(self-align)技術であり、これもまたa)ポジティブ方法とb)ネガティブ方法に分けることができる。
【0033】
a)ポジティブ方法は、図3に示されているように半導体基板31上に被食刻層33、第1のマスク膜35、第2のマスク膜37及び第1のフォトレジストパターン38を形成した後、第1のフォトレジストパターン38を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン37−1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン37−1の側面にスペーサ39を形成した後、前記スペーサ39を食刻マスクに利用して第1のマスクパターン35−1を形成する。
【0034】
b)ネガティブ方法は、図4に示されているように半導体基板41上に被食刻層43、第1のマスク膜45、第2のマスク膜47及び第1のフォトレジストパターン48を形成し、第1のフォトレジストパターン48を食刻マスクに利用して第2のマスク膜パターン47−1を形成する。次に、前記第2のマスク膜パターン47−1の側壁にスペーサ49を形成した後、全面にスピンオングラス膜50または反射防止膜をコーティングする。CMPまたはエッチバック方法で前記第2のマスクパターン47−1を露出させた後、スペーサを除去し、前記第2のマスクパターン47−1を食刻マスクに利用して第1のマスクパターン45−1を形成する。
【0035】
このとき、前記SPTはコア(core)及びペリ(peri)領域にパターンを形成するか、ミニセルブロック(mini cell block)領域のパターン部分を分離するため追加的なマスク工程が必要であるので、工程段階が複雑である。さらに、スペーサの形成時に線幅の調節が困難であるため、パターン線幅の均一さが低い。
【0036】
一方、図を参照しながら本発明に係る好ましい実施形態を詳しく説明する。併せて、本発明に係る好ましい実施形態は例示の目的のためのもので、当業者であれば特許請求範囲の技術的思想と範囲を介し多様な修正、変更、代替及び付加が可能なはずであり、このような修正・変更等は特許請求範囲に属するものと見るべきである。
【0037】
図5a〜図5eは、本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を説明するための工程概略図である。
【0038】
図5aに示されているように、半導体基板の被食刻層121の上部に多機能ハードマスク膜のスピンオンカーボン層122を1,000〜2,000Å、好ましくは1,500Åの厚さに蒸着する。
【0039】
前記被食刻層は特に制限しないが、シリコン窒化膜(SiNx)、シリコン酸化膜(SiO)、ポリ層または金属膜等を利用して形成することができ、好ましくはゲート酸化膜/ポリ層/タングステン層/マスク窒化膜が積層されたゲート電極であるのが好ましい。
【0040】
前記スピンオンカーボン層は、化合物の全体分子量に対し85〜90重量%の炭素分子を含み、簡単なスピンコーティング方法で塗布の容易なカーボンリッチ重合体(carbon-rich polymer)を挙げることができる。本発明では、SHN18(日本日産化学株式会社製品)を用いる。
【0041】
前記スピンオンカーボン層は、蒸着工程の困難な非晶質炭素層の代りに簡単なスピンコーティング法で形成可能な膜であって、段差が形成された地域に平坦化された膜を形成する役割と、反射防止膜の役割、及び上/下部物質と食刻対象膜との間の食刻選択比の差によるハードマスク膜の役割を全て行なうことのできる物質である。
【0042】
一般に、非晶質炭素層は高い高温で蒸着すれば、633nm波長を吸収する。したがって、食刻選択比を得るため3,000Å以上に厚く形成する場合、パターンの整合(alignment)が不可能である。その反面、低い低温で蒸着すれば、6,000Åの厚さ以上に蒸着しても食刻耐性が非常に低い。しかし、スピンオンカーボン層は厚さと係りなく633nm領域で吸光係数が「0」であり、食刻工程時に下部層に対する食刻耐性に優れる。さらに、段差の形成された領域に平坦な膜を形成する場合、非晶質炭素層はステップカバレッジが低いので、後続する酸素(O)アッシング工程時に非晶質炭素層が部分的にストリップされるという欠点がある。その反面、スピンオンカーボン層の場合ステップカバレッジに優れるので、後続するアッシング工程時にストリップ現象が発生しない。
【0043】
次に、前記スピンオンカーボン層122の上部にシリコン含有重合体を含む反射防止膜用組成物をコーティングした後、200〜250℃で90秒間ベークして500〜1000Åの厚さ(a)の反射防止膜124を形成する。
【0044】
前記反射防止膜用組成物は、重合体の総重量部に対し30〜80wt%、好ましくは15〜45重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体と、有機溶媒、及び熱酸発生剤または光酸発生剤のような添加剤を含む。
【0045】
前記シリコン含有重合体は特に制限しないが、−Si−O−単位を含むシリコン化合物を含む。例えば、シリコン含有重合体はシロキサン化合物、ヒドロキシフェニルアルキル、アルキルまたはフェニル置換基を有するシルセスキオキサン化合物、及びこれらの組合せでなる群から選択することができる。本発明ではNCH0978N(日本日産工業化学社製品)、HM21(日本TOK社製品)及びODLシリーズ(日本信越社製品)を用いる。
【0046】
さらに、前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンを含む。前記有機溶媒は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれる。前記添加剤は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で添加することができる。
【0047】
次に、前記反射防止膜124の上部にリソグラフィ工程による第1のフォトレジストパターン126を形成する。
【0048】
前記第1のフォトレジストパターンは特に制限しないが、通常の化学増幅型フォトレジスト組成物を利用したリソグラフィ工程により形成することができる。例えば、前記化学増幅型フォトレジスト組成物はUS 5,750,680(1998.5.12.)、US 6,051,678(2000.4.18.)、US 6,132,926(2000.10.17.)、US 6,143,463(2000.11.7.)、US 6,150,069(2000.11.21.)、US 6,180,316 B1(2001.1.30.)、US 6,225,020 B1(2001.5.1.)、US 6,235,448 B1(2001.5.22.)及びUS 6,235,447 B1(2001.5.22.)等に開示された化学増幅型フォトレジスト重合体を含む。好ましくは、前記化学増幅型フォトレジスト組成物は置換された無水マレイン酸を重合反復単位に含むROMA型重合体;シクロオレフィン重合反復単位、無水マレイン酸の重合反復単位、及びメタクリレートまたはアクリレート系重合反復単位を含むCOMA型重合体;及び前記重合体等が1つ以上混合された形態(hybrid type)の重合体から選択されたベース樹脂と光酸発生剤及び有機溶媒を含む。前記第1のフォトレジストパターン126は1,200〜3,000Åの厚さ(b)を有する。
【0049】
本発明では、AIM5076(日本JSR(Japan Synthetic Rubber)社製品)をコーティングした後、1700i ArFイマージョンスキャナー(オランダASMLホールディング社製品)を利用する露光工程及び現像工程を行ない1500Åの厚さの第1のフォトレジストパターン126を形成する。このとき、前記露光工程はArF光源の他にKrFまたはEUV光源を利用するのも可能である。
【0050】
図5bに示されているように、前記第1のフォトレジストパターン126を食刻マスクに利用しスピンオンカーボン層122が露出するまで反射防止膜124をパターニングする。
【0051】
前記パターニング工程は、FLEX食刻チェンバー(米国Lam社製造)内で圧力160mT及びパワー150Wの条件下で、CF 90sccm、CHF 30sccm、O 11sccm及びAr 600sccmガスを利用した混合ガスで行なう。さらに、前記パターニング工程時に酸素プラズマガスを先ず注入し、下部反射防止膜の上部にSiO膜を形成することにより、第1のフォトレジストパターンに対する反射防止膜の食刻選択比を高めることができる。
【0052】
前記食刻マスクに用いた第1のフォトレジストパターン126を除去する。前記第1のフォトレジスト除去工程をアッシング工程で行なう場合、下部スピンオンカーボン層が損なわれるのでシンナー(thinner)を利用して行なわれるのが好ましい。
【0053】
図5cに示されているように、露出したスピンオンカーボン層122と反射防止膜パターン124−1を含む全面に第2のフォトレジスト組成物をコーティングし、120〜180℃で90秒間ベークして第2のフォトレジスト膜128を形成する。このとき、前記第2のフォトレジスト膜128は500〜1500Å、好ましくは1,000Åの厚さ(c)を有する。
【0054】
即ち、前記第2のフォトレジスト膜の厚さ(c)は反射防止膜の厚さ(a)と同じかより高い。さらに、第2のフォトレジスト膜の厚さ(c)は第1のフォトレジスト膜の厚さ(b)と同じかより低い(a≦c≦b)。
【0055】
前記第2のフォトレジスト組成物は30〜80重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体、光酸発生剤及び有機溶媒を含む。前記シリコン含有重合体は特に制限しないが、例えば下記式(1)の重合反復単位を含む重合体、大韓民国特許公開番号第10-2005-002384号、US 6,541,077(Apr 1, 2003)またはUS 7,144,968(Dec 5, 2006)等に開示されているような共重合体を用いることができる。本発明ではSHB−A629(日本信越社製品)またはSAX−100K(日本JSR社製品)を用いる。
【0056】
【化2】

【0057】
前記式で、Rは水素またはメチルであり;Rは炭素数C〜C10の直鎖または側鎖のアルキレンであり;R、R及びRは炭素数C〜Cのアルコキシ基であり;RはOH、Hまたは炭素数C〜C10のアルキルまたは酸に敏感な保護基であり、a:b:cの相対比(mol)は0.3〜1:1〜3:1である。
【0058】
前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンを含む。前記有機溶媒は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれる。前記添加剤は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で添加することができる。
【0059】
第2のフォトレジスト膜128に対する露光マスク130を利用した露光工程及び現像工程を行ない、図5dに示されているように前記反射防止膜パターン124−1の間に第2のフォトレジストパターン128−1を形成する。
【0060】
前記露光工程は、1700i ArFイマージョンスキャナー(オランダASMLホールディング社製品)を利用して行ない、前記現像工程は2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を利用して行なう。前記露光工程は、ArF光源の他にKrFまたはEUV光源を利用するのも可能である。
【0061】
一方、前記シリコン含有重合体を含む反射防止膜パターン124−1は、前記第2のフォトレジストパターン128−1を形成するための露光工程時に感光されないので、現像工程の後にも初期パターンの形態で残留する。
【0062】
図5eに示されているように、前記第2のフォトレジストパターン128−1及び反射防止膜パターン124−1を食刻マスクに利用して前記スピンオンカーボン層122をパターニングする。
【0063】
前記パターニング工程は、FLEX食刻チェンバー(米国Lam社製品)内で圧力160mT及びパワー150Wの条件下で、O:Nの混合ガスを1:1〜3:2の流量比率で加えるか、またはO:Hの混合ガスを5:2の流量比率で加えながら行なう。
【0064】
このとき、前記食刻工程中に反射防止パターン及び第2のフォトレジストパターンに含まれているシリコン含有重合体のシリコン元素が食刻ガスの酸素ガスと反応しながら、化合物間に架橋結合を形成する。したがって、食刻工程が行なわれる間に反射防止膜パターン及び第2のフォトレジストパターンは、下部被食刻層の食刻のためのマスクに用いることができるほどの食刻選択比を有する。
【0065】
結論的に、本発明に係るスピンオンカーボン層のパターニング工程において、多層マスク膜を形成する代りに、シリコン分子を多量含む重合体を含む1層の第2のフォトレジストパターン128−1及び反射防止膜パターン124−1を食刻マスクに用いることにより、従来の多機能マスク膜の形成段階を省くことができるので、多層マスク膜の形成工程の段階及びマスク膜の厚さを単純化することができる。
【0066】
さらに、本発明の方法では類似する組成を有する二種類のマスクパターンをリソグラフィ工程時にイメージ転写用マスクパターンにも用いることにより、均一なプロファイルを有するパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】従来のポジ型二重パターニング方法を示した工程概略図である。
【図2】従来のネガ型二重パターニング方法を示した工程概略図である。
【図3】従来のポジ型スペーサパターニング方法を示した工程概略図である。
【図4】従来のネガ型スペーサパターニング方法を示した工程概略図である。
【図5a】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5b】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5c】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5d】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【図5e】本発明の一実施形態に係る半導体素子の微細パターン形成方法を示した工程概略図である。
【符号の説明】
【0068】
1、21、31、41 基板
3、23、33、43 被食刻層
5、25、35、45、55 第1のマスク膜
5−1、25−1、35−1、45−1、55−1 第1のマスク膜パターン
7、27、37、47、57 第2のマスク膜
7−1、27−1、27−2、37−1、47−1、57−1 第1のマスク膜パターン
8、28、38、48 第1のフォトレジストパターン
9、29 第2のフォトレジストパターン
39、49 スペーサ
50 ギャップフィル物質
121 被食刻層
122 スピンオンカーボン層
122−1 スピンオンカーボン層パターン
124 シリコン含有重合体を含む反射防止膜
124−1 シリコン含有重合体を含む反射防止膜パターン
126 第1のフォトレジストパターン
128 シリコン含有重合体を含む第2のフォトレジスト膜
128−1 シリコン含有重合体を含む第2のフォトレジスト膜パターン
130 露光マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンオンカーボン層の上部に反射防止膜パターンを形成する段階と、
前記反射防止膜パターンの間にフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記反射防止膜パターン及びフォトレジストパターンを食刻マスクに利用して前記スピンオンカーボン層を食刻する段階と、
を含むことを特徴とする半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項2】
前記方法は、基板上の被食刻層の上部にスピンオンカーボン層を形成する段階と、
前記スピンオンカーボン層の上部にシリコン含有重合体を含む反射防止膜を形成する段階と、
前記反射防止膜の上部に第1のフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記第1のフォトレジストパターンを食刻マスクに反射防止膜を選択的にパターニングして反射防止膜パターンを形成する段階と、
前記反射防止膜パターン及び露出したスピンオンカーボン層の上部にシリコン含有重合体を含む第2のフォトレジスト膜を塗布する段階と、
前記第2のフォトレジスト膜を選択的にパターニングして前記反射防止膜パターンの間に第2のフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記反射防止膜パターン及び第2のフォトレジストパターンを食刻マスクに利用して前記スピンオンカーボン層を食刻する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項3】
前記スピンオンカーボン層は、重合体の全体分子量に対し85〜90重量%の炭素分子を含むカーボンリッチ重合体であることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項4】
前記反射防止膜は、30〜80重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体と、有機溶媒、及び熱酸発生剤または光酸発生剤から選択された添加剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項5】
前記シリコン含有重合体はシロキサン化合物、ヒドロキシフェニルアルキル、アルキルまたはフェニル置換基を有するシルセスキオキサン化合物、及びこれらの組合せでなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項6】
前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンでなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項7】
前記有機溶媒は、前記シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれ、前記添加剤は前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で添加されることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項8】
前記第1のフォトレジストパターンは、化学増幅型フォトレジスト組成物で形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項9】
前記化学増幅型フォトレジスト組成物は化学増幅型フォトレジスト重合体と、光酸発生剤及び有機溶媒を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項10】
前記反射防止膜パターニング工程はCF、CHF、O及びArを含むソースガスを利用する乾式食刻工程で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項11】
前記方法は、第2のフォトレジスト膜の塗布前に第1のフォトレジストパターンを除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項12】
前記第1のフォトレジストパターンの除去工程は、シンナーで行なわれることを特徴とする請求項11に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項13】
前記第2のフォトレジスト膜の厚さは反射防止膜の厚さと同じか高く、
第2のフォトレジスト膜の厚さは第1のフォトレジストパターンの厚さと同じか低いことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項14】
前記第2のフォトレジスト膜は30〜80重量%のシリコン分子を含むシリコン含有重合体と、有機溶媒、及び光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項15】
前記シリコン含有重合体は、下記式(1)の重合反復単位を含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の微細パターン形成方法:
【化1】

前記式で、Rは水素またはメチルであり;Rは炭素数C〜C10の直鎖または側鎖のアルキレンであり;R、R及びRは炭素数C〜Cのアルコキシ基であり;RはOH、Hまたは炭素数C〜C10のアルキルまたは酸に敏感な保護基であり、a:b:cの相対比(mol)は0.3〜1:1〜3:1である。
【請求項16】
前記有機溶媒はエチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、エチルラクテートまたはアセチルアセトンを含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項17】
前記有機溶媒は、シリコン含有重合体100重量部に対し500〜10,000重量部で含まれ、前記光酸発生剤は前記シリコン含有重合体100重量部に対し0.1〜10重量部で含まれることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項18】
前記スピンオンカーボン層のパターニング工程は、O及びNまたはO及びHを混合したソースガスを利用する食刻工程で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項19】
前記第2のフォトレジスト膜をパターニングする方法はArF、KrFまたはEUVリソグラフィ工程で行なわれることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の微細パターン形成方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法により形成された微細パターンを含む半導体素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【公開番号】特開2009−16788(P2009−16788A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46314(P2008−46314)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】