説明

半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置

【課題】オーミック特性に優れた電極を形成することができるとともに、素子特性に優れる半導体素子が歩留まり良く得られる半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、主面2a及び裏面2bを有する第1導電型の炭化珪素バルク基板2の主面2a側に半導体素子構造3を形成する半導体素子構造形成工程と、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側に炭化珪素バルク基板2とオーミック接触するオーミック電極4を形成するオーミック電極形成工程とをこの順で具備し、オーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚みを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する小工程と、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程とをこの順で備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置に関し、特に、炭化珪素バルク基板に対してオーミック接触する電極を備える半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、炭化珪素(炭化シリコン:以下、SiCと称することがある)からなる半導体は、ワイドバンドギャップ特性を備える物性的優位性の他、構成元素が自然界においてほぼ無尽蔵に存在することから、半導体基板として好適に用いられている。
このようなSiCは、結晶構造が共有性結合であることから物質的に極めて安定であり、バンドギャップが大きく且つ高融点である。このため、炭化珪素(SiC)半導体基板にオーミック電極を形成する場合には、ショットキー電極を形成する場合に比べて高温の熱処理(アニール)が必要となる。
【0003】
上述のような、半導体基板と電極との間でオーミック接合を得るための熱処理方法として、イオン注入されたSiC半導体基板に、結晶材料が溶融しない程度の照射エネルギーでレーザ光を照射する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
また、レーザ光の照射に対して膜厚が薄くなるに従い反射率が小さくなる反射率調整膜を半導体基板上に形成した後、反射率調整膜をエッチングし、次いで、半導体基板にレーザ光を照射してアニール処理を行なう方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【0004】
しかしながら、SiC半導体基板にショットキー電極を形成した後、オーミック電極形成のための熱処理を行なった場合には、高熱によってショットキー電極の特性が劣化してしまうという問題がある。従って、従来、SiC半導体基板を用いて半導体素子を製造する場合には、ショットキー電極を形成する前に、オーミック電極を形成する必要があった。
【0005】
ここで、SiC半導体基板にショットキー電極を形成する場合の工程について、図6(a)、(b)に示すような上下電極型のショットキーバリアダイオード100、200を例に、以下に説明する。
図6(a)に示すように、ショットキーバリアダイオード100の素子構造内部におけるシリーズ抵抗は、ショットキー電極122とSiC半導体エピタキシャル層121の界面及び内部、並びに、n+SiC半導体基板110及びオーミック電極130内部で生じる抵抗の和で表される。このようなシリーズ抵抗は、より低い方が動作時の電力損失が少なく、素子特性が優れたものとなる。このため、ショットキーバリアダイオードにおけるシリーズ抵抗を下げるための有効な方法としては、図6(b)に示すショットキーバリアダイオード200のように、ショットキー電極222、SiC半導体エピタキシャル層221及びオーミック電極230は他特性の維持のためにそのままとして、n+SiC半導体基板210を研削することで薄く形成する方法が挙げられる。しかしながら、n+SiC半導体基板210を薄くし過ぎると、基板強度が低下して半導体素子が破損する虞がある。
【0006】
上記理由により、従来のSiC半導体基板上にショットキー電極が形成された半導体素子においては、SiC半導体基板を研削せずに用いていた。しかしながら、SiC半導体基板を研削せずに用いた場合、必然的に基板の厚みが大きくなり、上述したような、素子構造内部におけるシリーズ抵抗が増大し、電力損失が大きくなるとともに素子特性が低下するという問題がある。
【0007】
ここで、上述のような熱処理を行なわずに、半導体基板と電極との間でオーミック接合を得る方法として、シリコン半導体基板の主面側に半導体素子構造を形成した後、最終工程においてシリコン半導体基板の裏面側を研削し、この裏面と同一導電型の不純物をイオン注入した後に、オーミック電極となる金属薄膜を形成する工程を備える方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。しかしながら、特許文献4に記載の方法を用いて、上述のような上下電極型の半導体素子を製造した場合、ショットキー電極を形成する前にオーミック電極を形成することが出来ない。このため、上記同様、オーミック電極の熱処理時の高熱によってショットキー電極の特性が劣化するという問題がある。
【0008】
また、SiC半導体基板上に金属膜を堆積する工程と、SiC半導体基板の裏面側からレーザ光を照射して金属膜を熱処理することにより、金属膜とSiC半導体基板とをオーミック接触させてオーミック電極を形成する工程とを備えた方法が提案されている(例えば、特許文献5を参照)。特許文献5に記載の方法によれば、SiC半導体基板の裏面側からレーザ光を照射することにより、オーミック電極が形成された部分のみを選択的に熱処理することができるので、SiC半導体基板並びに素子構造にダメージが生じるのを抑制できるとされる。
【0009】
しかしながら、例えば、図6(a)、(b)に示す例のような上下電極型の半導体素子に特許文献5の製造方法を適用した場合、SiC半導体基板の厚さ方向において、裏面側から主面側に向かって高熱が容易に伝搬してしまう。このため、ショットキー電極や半導体層を含む半導体素子構造の特性が劣化してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−277448号公報
【特許文献2】特開2002−289550号公報
【特許文献3】特開2008−153442号公報
【特許文献4】特開平9−8062号公報
【特許文献5】特開平10−284436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、オーミック特性に優れた電極を形成することができるとともに、素子特性に優れる半導体素子が歩留まり良く得られる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記本発明の製造方法によって得られ、電極のオーミック特性に優れるとともに、素子特性に優れる半導体素子を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記本発明の半導体素子が用いられてなる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、炭化珪素バルク基板を備えた半導体素子において、基板裏面に良好なオーミック特性を備える電極を形成し、素子特性に優れた半導体素子を製造するために鋭意検討を行なった。この結果、基板裏面の電極に対し、光学式加熱によって局所的に熱処理を行なうとともに、この際の工程や熱処理条件を適正化することにより、高熱によって電極や半導体層を含む半導体素子構造の特性が劣化することなく、オーミック電極が形成できることを知見した。これにより、素子特性に優れる半導体素子が歩留まり良く製造可能となることを見出し、以下に示す各発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関する。
【0013】
[1] 少なくとも、主面及び裏面を有する第1導電型の炭化珪素バルク基板の前記主面側に半導体素子構造の一部又は全体を形成する半導体素子構造形成工程と、前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側に前記炭化珪素バルク基板とオーミック接触するオーミック電極を形成するオーミック電極形成工程とを、この順で具備してなり、前記オーミック電極形成工程は、前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側を研削することによって前記炭化珪素バルク基板の厚みを薄くした後、前記裏面に前記オーミック電極を形成する小工程と、前記オーミック電極に対し、前記炭化珪素バルク基板の裏面側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程とを、この順で備えていることを特徴とする半導体素子の製造方法。
[2] 前記高出力光がレーザ光であることを特徴とする上記[1]に記載の半導体素子の製造方法。
[3] 前記レーザ光がエキシマレーザ光であることを特徴とする上記[2]に記載の半導体素子の製造方法。
【0014】
[4] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の照射をパルス照射とすることを特徴とする上記[1]〜[3]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[5] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際の、1パルスあたりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上とすることを特徴とする上記[4]に記載の半導体素子の製造方法。
[6] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際の、1パルスあたりの照射時間を10μsec以下とすることを特徴とする上記[4]又は[5]に記載の半導体素子の製造方法。
[7] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際のパルス周期を5msec以上とすることを特徴とする上記[4]〜[6]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【0015】
[8] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程を、前記高出力光、又は、前記炭化珪素バルク基板の少なくとも一方を、直線移動又は回転移動の少なくとも何れかの方法で移動させながら行なうことを特徴とする上記[1]〜[7]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[9] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側の任意の点における前記高出力光の照射時間を1秒以下とすることを特徴とする上記[1]〜[8]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[10] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の発光形状、又は、前記オーミック電極上における高出力光の照射形状の少なくとも何れかが、非円形形状とされていることを特徴とする上記[1]〜[9]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[11] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の照射角度が、前記炭化珪素バルク基板に対して90°未満であることを特徴とする上記[1]〜[10]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[12] 前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程を、少なくとも、前記炭化珪素バルク基板の前記主面側を冷却することにより、前記主面側の温度を前記裏面側の温度よりも低くして行なうことを特徴とする上記[1]〜[11]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【0016】
[13] 前記炭化珪素バルク基板の前記裏面が、カーボン面又はシリコン面から0°〜10°の範囲で傾斜していることを特徴とする上記[1]〜[12]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[14] 前記炭化珪素バルク基板の前記主面が、シリコン面又はカーボン面から0°〜10°の範囲で傾斜していることを特徴とする上記[1]〜[13]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【0017】
[15] 前記半導体素子構造形成工程は、少なくとも、前記炭化珪素バルク基板の前記主面側に炭化珪素エピタキシャル層を形成する小工程と、前記炭化珪素エピタキシャル層上に、該炭化珪素エピタキシャル層とショットキー接触するショットキー電極を形成する小工程とを、この順で備えていることを特徴とする上記[1]〜[14]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[16] 前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、縦型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)構造として形成することを特徴とする上記[1]〜[14]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[17] 前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、横型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)構造として形成することを特徴とする上記[1]〜[14]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
[18] 前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、PN型ダイオード構造として形成することを特徴とする上記[1]〜[14]の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【0018】
[19] 上記[1]〜[18]に記載の製造方法によって得られる半導体素子。
[20] 上記[19]に記載の半導体素子が用いられてなる半導体装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明の半導体素子の製造方法によれば、少なくとも、炭化珪素バルク基板の主面側に半導体素子構造を形成する半導体素子構造形成工程と、炭化珪素バルク基板の裏面側に炭化珪素バルク基板とオーミック接触するオーミック電極を形成するオーミック電極形成工程とを、この順で具備し、該オーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板の裏面側を研削することによって炭化珪素バルク基板の厚みを薄くした後、裏面にオーミック電極を形成する小工程と、オーミック電極に対し、炭化珪素バルク基板の裏面側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程とを、この順で備えている方法なので、炭化珪素バルク基板の破損を防止できるとともに、熱処理時の高熱によって電極や半導体層を含む半導体素子構造の特性が劣化することなくオーミック電極を形成することができる。これにより、素子特性に優れる半導体素子を、歩留まり良く製造することが可能となる。
【0020】
また、本発明の半導体素子によれば、上記本発明の製造方法によって製造されるものなので、オーミック特性に優れた電極を備え、素子特性に優れたものとなる。
また、本発明の半導体装置によれば、上記本発明の半導体素子が用いられてなるものなので、装置特性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る半導体素子の積層構造の一例を模式的に説明する断面図である。
【図2】本発明に係る半導体素子の一例を模式的に説明する図であり、ショットキーダイオードを示す断面図である。
【図3】本発明に係る半導体素子の製造方法の一例を模式的に説明する図であり、ショットキーダイオードを製造する工程を示す断面図である。
【図4】本発明に係る半導体素子の製造方法の一例を模式的に説明する図であり、ショットキーダイオードを製造する工程を示す断面図である。
【図5】本発明に係る半導体素子の製造方法の一例を模式的に説明する図であり、ショットキーダイオードを製造する工程を示す断面図である。
【図6】従来の半導体素子を模式的に説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態である半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置について、図面を適宜参照しながら説明する。図1は本発明の半導体素子の一実施形態である半導体素子10の積層構造を示す模式断面図であり、図2は半導体素子の一実施形態であるショットキーバリアダイオード(半導体素子)1を示す模式断面図である。また、図3〜図5は、図2に示す半導体素子1の製造方法を説明するための模式断面図である。
なお、以下の説明において参照する図面は、本実施形態の半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置を説明する図面であって、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体素子等の寸法関係とは異なっている。
【0023】
本実施形態の半導体素子の製造方法は、少なくとも、主面2a及び裏面2bを有する第1導電型(本実施形態ではn型)の炭化珪素バルク基板2の主面2a側に半導体素子構造3を形成する半導体素子構造形成工程と、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側に炭化珪素バルク基板2との間でオーミック接触するオーミック電極4を形成するオーミック電極形成工程とを、この順で具備してなり、このオーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚みを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する小工程と、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程とを、この順で備える方法である。
【0024】
[半導体素子]
以下、本実施形態の半導体素子の製造方法で得られる半導体素子10の積層構造、及び、この半導体素子10を含む本実施形態のショットキーバリアダイオード1について説明する。
【0025】
『半導体素子の積層構造』
本実施形態の半導体素子10は、図1に示すように、主面2a及び裏面2bを有するn型の炭化珪素バルク基板2と、該炭化珪素バルク基板2の主面2a上に形成され、電気回路を含む半導体素子構造3と、炭化珪素バルク基板2の裏面2bに形成されるオーミック電極4とからなる積層構造とされている。
以下、半導体素子10の積層構造について詳述する。
【0026】
「炭化珪素バルク基板(SiC半導体基板)」
炭化珪素バルク基板2は、n型の特性を有し、炭化珪素からなる半導体基板である。
本実施形態の炭化珪素バルク基板2は、例えば、低抵抗のn型4H−SiC単結晶基板からなるものである。この炭化珪素バルク基板2の不純物濃度は、2×1018cm−3程度であることが好ましい。また、炭化珪素バルク基板2の厚さは、350μm程度であることが好ましい。
【0027】
本実施形態で用いる炭化珪素バルク基板2の主面2a及び裏面2bの各面は、例えば、カーボン面又はシリコン面の何れかが、それぞれ表出する構成とすることができる。
また、本実施形態で用いる炭化珪素バルク基板2は、裏面2bが、カーボン面又はシリコン面から0°〜10°の範囲で傾斜した構成とすることができる。また、炭化珪素バルク基板2は、主面2aが、シリコン面又はカーボン面から0°〜10°の範囲で傾斜した構成とすることもできる。
【0028】
「半導体素子構造」
本実施形態の半導体素子10に備えられる半導体素子構造3は、上述したn型4H−SiC単結晶基板からなる炭化珪素バルク基板2上に成長する、n型SiCエピタキシャル層を含むものである。このような、半導体素子構造3を構成するn型SiCエピタキシャル層の不純物濃度は1×1016cm−3程度であることが好ましい。また、n型SiCエピタキシャル層を含む半導体素子構造3の厚さは、8μm程度であること好ましい。
【0029】
半導体素子構造3を構成するn型SiCエピタキシャル層は、例えば、SiC単結晶がエピタキシャル成長した層に、アルミニウム等がイオン注入されることで形成された複数の半導体領域等から構成される電気回路を備えた層である。このような、半導体素子構造3をなすn型SiCエピタキシャル層は、目的とする素子構造に合わせ、各種の半導体構造等を採用することが可能である。また、半導体素子構造3は、上記電気回路の他、詳細を後述するが、素子の外部と電気的に接続される各種電極を備えた構造とすることができる。
【0030】
「オーミック電極」
本実施形態のオーミック電極4は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側にオーミック接触されて設けられている。
オーミック電極4は、SiCに対してオーミック接触する金属、例えば、Ni(ニッケル)を主成分とする金属からなる構成とすることができ、ニッケル元素単体の他、Ti、Al等を含む金属を用いることができる。
また、オーミック電極4の厚みは、特に限定されないが、100nm程度であることが好ましい。
【0031】
本実施形態のオーミック電極4は、後述の製造方法において説明するように、炭化珪素バルク基板2及びオーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なったものである。これにより、オーミック電極4は、炭化珪素バルク基板2に対して、優れたオーミック特性で接触する電極となる。
【0032】
『ショットキーバリアダイオード(半導体素子)』
本実施形態のショットキーバリアダイオード1は、図2に示すように、上述したn型の炭化珪素バルク基板2と、該炭化珪素バルク基板2の主面2a上に形成され、電気回路を含むn型SiCエピタキシャル層(半導体素子構造:炭化珪素エピタキシャル層)30と、該n型SiCエピタキシャル層30の上に形成されるショットキー電極(半導体素子構造)5と、炭化珪素バルク基板2の裏面2bに形成されるオーミック電極4とから構成される。
本実施形態のショットキーバリアダイオード1は、図1に示す半導体素子10の構成に対し、半導体素子構造として、炭化珪素バルク基板2の主面2a上にn型SiCエピタキシャル層30が設けられ、さらに、その上にショットキー電極5が設けられてなる。
【0033】
「ショットキー電極」
ショットキー電極5は、n型SiCエピタキシャル層30上の所定の位置に形成され、このn型SiCエピタキシャル層30とショットキー接触する電極である。
ショットキー電極5は、SiCに対してショットキー接触する金属、例えば、Ti(チタン)を主成分とする金属からなる構成とすることができる。また、ショットキー電極5に用いる金属としては、Tiの他、Mo、Ni等が使用可能であり、適宜採用することができる。
また、ショットキー電極5の厚みとしては、特に限定されないが、100nm程度であることが好ましい。
【0034】
図2に示す本実施形態のショットキーバリアダイオード1は、上記構成により、炭化珪素バルク基板2の裏面2bに形成されたオーミック電極4が、カソード電極として機能する。また、炭化珪素バルク基板2の主面2a側のn型SiCエピタキシャル層30上に形成されたショットキー電極5が、アノード電極として機能する。
【0035】
『その他の半導体素子』
本実施形態では、半導体素子として、上述のようなショットキーバリアダイオードを例に説明しているが、本発明の半導体素子は、これには限定されない。例えば、上述のショットキーバリアダイオードの他、縦型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)や、横型MOSFET、PN型ダイオード等で半導体素子構造を構成することができ、本発明の半導体素子の構造は、何ら限定されない。
【0036】
[半導体素子の製造方法]
本実施形態の半導体素子の製造方法について、上述したような本実施形態のショットキーバリアダイオード(半導体素子)1を製造する方法を例に、図3〜図5を適宜参照しながら以下に説明する。
本実施形態のショットキーバリアダイオード1の製造方法は、主面2a及び裏面2bを有するn型の炭化珪素バルク基板2の主面2a側に、少なくともn型SiCエピタキシャル層(半導体素子構造)30を形成する半導体素子構造形成工程と、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側に、炭化珪素バルク基板2との間でオーミック接触するオーミック電極4を形成するオーミック電極形成工程とをこの順で具備してなり、このオーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚みを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する小工程(1)と、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程(2)とを、この順で備える方法である。
【0037】
また、本実施形態で説明する例では、上述の半導体素子構造形成工程が、少なくとも、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に電気回路を含むn型SiCエピタキシャル層(半導体素子構造:炭化珪素エピタキシャル層)30を形成する小工程と、n型SiCエピタキシャル層30上に、該n型SiCエピタキシャル層30とショットキー接触するショットキー電極5を形成する小工程とを、この順で備えている。
また、本実施形態では、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程(2)において、高出力光としてレーザ光Lを用いる方法を例に説明する。
【0038】
本実施形態の製造方法は、上記各工程が備えられることにより、図2に示すような上下電極型のショットキーバリアダイオード1を製造する方法とされている。
以下、本実施形態の発光ダイオードの製造方法について詳述する。
【0039】
『半導体素子構造形成工程』
半導体素子構造形成工程では、図3及び図4(a)、(b)に示すように、炭化珪素バルク基板2の主面2a上に、半導体素子構造をなす各層を形成する。また、上述のように、本実施形態の半導体素子構造形成工程は、n型SiCエピタキシャル層30を形成する小工程と、ショットキー電極5を形成する小工程とが備えられている。
【0040】
「n型SiCエピタキシャル層を形成する小工程」
本小工程では、まず、n型4H−SiC単結晶基板からなり、主面2a及び裏面2bを有する炭化珪素バルク基板2を準備する。
そして、図3に示すように、炭化珪素バルク基板2の主面2aに、n型SiC単結晶成長層からなるn型SiCエピタキシャル層30を、例えば、CVD法を用いて形成する。本小工程において、n型SiCエピタキシャル層30を形成する際の成膜条件としては、従来から半導体分野で採用されている条件を、何ら制限無く用いることができる。
【0041】
「ショットキー電極を形成する小工程」
次に、本小工程においては、n型SiCエピタキシャル層30上に、該n型SiCエピタキシャル層30とショットキー接触するショットキー電極5を形成する。
具体的には、図4(a)に示すように、まず、n型SiCエピタキシャル層30の表面30aに、SiC単結晶に対してショットキー接触する金属、例えば、Tiを主成分とする金属や、Mo、Ni等を、スパッタ法等の方法を用いて薄膜として堆積させる。この際、n型SiCエピタキシャル層30上において、上記箔膜からなるショットキー電極5の厚さが100nm程度となるように、成膜処理を行なう。
なお、上記金属をn型SiCエピタキシャル層30の表面30aに堆積させる方法としては、スパッタ法の他、電子ビーム蒸着法等を使用することも可能である。
【0042】
次いで、図4(b)に示すように、ショットキー電極5を、半導体素子として必要な大きさの電極とするため、リフトオフ法やエッチング法等の方法を用いて、所望の大きさに加工する。
【0043】
次いで、ショットキー電極5に対して熱処理を施すことにより、所望のショットキー障壁高さを有する電極に加工する。この際の熱処理方法としては、例えば、RTA(急速アニール処理:Rapid Thermal Anneal)を用いることができる。この際、RTAの条件としては、目標とするショットキー障壁高さや電極金属の種類等によって異なるが、一般的に、温度を600〜700℃、時間を3〜60分とし、アルゴン雰囲気中で行なう条件とすることができる。
【0044】
なお、本実施形態で説明する例の半導体素子構造形成工程では、上述のような各小工程を備え、ショットキーバリアダイオード1を製造する場合の半導体素子構造を形成する例を説明しているが、本発明の半導体素子の製造方法はこれには限定されない。例えば、上述したような、縦型MOSFET構造や横型MOSFET構造、PN型ダイオード構造等を形成する場合においても、本発明の製造方法を何ら制限なく適用することが可能である。
【0045】
『オーミック電極形成工程』
次に、オーミック電極形成工程においては、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側に、炭化珪素バルク基板2との間でオーミック接触するオーミック電極4を形成する。また、本実施形態で説明するオーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚みを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する小工程(1)と、炭化珪素バルク基板2及びオーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側からレーザ光(高出力光)Lを照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程(2)とを、この順で備える。
【0046】
「小工程(1)」
まず、小工程(1)においては、上述したように、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚さを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する。
【0047】
具体的には、図5(a)に示すように、まず、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側をダイヤモンド砥粒法等の方法によって研削し、炭化珪素バルク基板2の厚さを100μm程度の厚さまで薄く加工する。この際、研削後の炭化珪素バルク基板2の厚さは、出来る限り薄くすることが、半導体素子における熱抵抗や電気抵抗を低減できる点から好ましい。しかしながら、炭化珪素バルク基板2が薄すぎると、研削後の各工程における取り扱いが難しくなるため、50〜100μm程度とすることが好ましい。
なお、炭化珪素バルク基板2の裏面2bの研削方法としては、上述のようなダイヤモンド砥粒法には限定されず、例えば、機械・化学式研磨を用いることもでき、適宜採用することが可能である。
【0048】
次いで、図5(b)に示すように、研削によって薄く加工した炭化珪素バルク基板2の裏面2bにオーミック電極4を形成する。
具体的には、図5(b)に示すように、炭化珪素バルク基板2の裏面2bに、SiCに対してオーミック接触する金属、例えば、Niを主成分とする金属を堆積させる。より具体的には、例えば、ニッケル元素単体の他、Ti、Al等を含む金属を、スパッタ法等の方法を用いて、炭化珪素バルク基板2の裏面2bに堆積させる。この際、炭化珪素バルク基板2の裏面2b上において、オーミック電極4の厚さが100nm程度となるように成膜処理を行なう。
なお、上記金属からなるオーミック電極4を炭化珪素バルク基板2の裏面2bに堆積させる方法としては、スパッタ法の他、蒸着法等を使用することも可能である。
【0049】
「小工程(2)」
次に、小工程(2)においては、上述したように、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう。
具体的には、図5(c)に示すように、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から、オーミック電極4に対し、高出力光としてレーザ光Lを照射する。
【0050】
本実施形態のオーミック電極形成工程では、熱処理を行なう小工程(2)において、光学式加熱によってオーミック電極4及び炭化珪素バルク基板2を加熱する際、高出力光にレーザ光を用いることが好ましい。また、レーザ光の中でも、エキシマレーザ光を用いることがより好ましい。
【0051】
上述した小工程(1)における炭化珪素バルク基板2の裏面2b側の研削加工は、ダイヤモンド砥粒法等によって行なわれるが、研削後の裏面2bは、全面に研磨傷が残り、平坦でない場合がある。このような研削加工を施した炭化珪素バルク基板の表面粗さrmsを、AMF(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)法によって測定すると、例えば、数μmにも達する場合がある。このような、平坦でない炭化珪素バルク基板の表面に、電極として、例えば、100nmのNiを堆積させる場合、部分的に厚さが薄い箇所や、炭化珪素バルク基板表面に付着していない箇所が生じることがある。
このような炭化珪素バルク基板上の電極に、例えば、SiCのバンドギャップよりも小さいエネルギーの波長のレーザを照射した場合、電極の薄い部分や付着していない箇所からレーザ光が炭化珪素バルク基板を透過してしまう。このため、炭化珪素バルク基板上の半導体素子構造がレーザ光によって加熱され、重大な損傷が生じる場合がある。
【0052】
上述のような問題が生じるのを防止するため、高出力光にレーザ光を用いる場合の波長としては、炭化珪素(SiC)のバンドギャップと同じか、それよりも大きいエネルギーの波長を選択することが有効である。例えば、6H−SiC単結晶からなる炭化珪素バルク基板の場合、バンドギャップは約3eVであり、これは、波長λ=h・c/Eg=1.24/3=0.41μmに相当する。よって、SiCを透過しにくいレーザの波長は0.41μm以下となり、例えば、エキシマレーザ(ArFエキシマレーザ:波長193nm、XeClエキシマレーザ:波長308nm、XeFエキシマレーザ:波長351nm)を用いることが有効である。なお、レーザ光の波長が短すぎると、吸収される光のエネルギーが熱エネルギーに変換されにくく、また、190nmよりも短波長の場合には空気中の水分や酸素の吸収が多い等の問題があることから、本実施形態では、190nmよりも短波長のレーザ光は適さない。また、さらに短波長のレーザ光の場合には、熱変換が困難であるとともに、装置の規模が大きくなる等の問題がある。但し、短波長のレーザ光による空気中の酸素や水分による吸収を低減させるため、雰囲気空気として乾燥空気を用いたり、窒素ガスやアルゴンガスを用いたりする方法もある。
【0053】
また、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間の良好なオーミックコンタクトを得るためには、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との界面が拡散、合金化する必要がある。このためには、高出力のレーザ光、例えば、上述したような、ArFエキシマレーザ、XeClエキシマレーザ、XeFエキシマレーザ等のエキシマレーザを用いることが必要となる。
【0054】
さらに、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間の良好なオーミックコンタクトを得るため、光学式加熱に用いるレーザ光Lのエネルギーとしては、まず、1パルス当たりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上とすることが好ましい。またさらに、1パルス当たりの照射エネルギー密度を10mJ/cmとした場合、パルス数を10〜200回程度とすることにより、レーザ光Lのエネルギー密度を0.1〜2J/cm程度とすることが好ましい。
【0055】
また、レーザ光Lのエネルギー密度の適性値は、炭化珪素バルク基板の導電型(n型又はp型)や、電極に用いる金属の種類、電極の厚さ等によって変化する。例えば、p型の特性を有する炭化珪素バルク基板と、厚さが1000ÅのNiからなる電極を用いる際には、1パルス当たりの照射エネルギー密度を10mJ/cmとした場合、パルス数を40〜150回程度とし、0.4〜1.5J/cm程度のエネルギー密度のレーザ光Lを使用することにより、良好なオーミック特性を得ることが可能となる。
【0056】
また、レーザ光Lによる熱処理時間が長い場合には、オーミック電極4が昇温するのに伴ってオーミック特性は良好となるが、熱伝導によって、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に形成されるn型SiCエピタキシャル層30及びショットキー電極5も昇温する。ここで、MOSFETやショットキーデバイスの半導体素子構造を備える場合には、それぞれ最適な温度で熱処理が施されている。このため、半導体素子構造の熱処理温度に近い温度や、それを超える温度まで昇温すると、半導体素子構造の素子特性が劣化するという問題があり、この劣化の程度は、高温で保持される時間が長いほど大きくなる。
【0057】
そこで、本実施形態においては、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側からレーザ光等の高出力光を照射した場合に、主面2a側の半導体素子構造が過度に昇温することで素子特性が劣化しないような方法とする必要がある。具体的には、例えば、以下のような方法を採用することができる。
【0058】
まず、主面2a側の半導体素子構造が過度に昇温するのを防止するためには、レーザ光(高出力光)Lの照射時間を出来るだけ短くすることが効果的である。このため、本実施形態では、レーザ光Lの照射をパルス照射とすることがより好ましく、また、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側の任意の点にレーザ光Lをパルス照射する際の、1パルスあたりの照射時間を10μsec以下、パルス照射間隔を1msec以上とすることがさらに好ましい。また、本実施形態では、レーザ光Lの照射時間(パルス照射時間とパルス照射間隔とを合わせたレーザ照射時間)を1秒以下とすることがより好ましい。
【0059】
レーザ光等の高出力光をオーミック電極4に照射する際の最適な照射時間は、熱抵抗、即ち炭化珪素バルク基板2の厚さに依存し、例えば、基板厚さが薄い場合には最適な照射時間が短くなる。このため、レーザ光Lの照射をパルス照射とすることがより好ましい。また、基板厚さが100μm程度の場合には、1パルス当たりの照射時間を10μsec以下とすることが好ましく、この際のパルス照射間隔は1msec以上とすることが好ましい。
また、本実施形態では、レーザ光(高出力光)Lをパルス照射する際のパルス周期(パルス照射間隔)を5msec以上とすることがより好ましく、10msec以上とすることがさらに好ましい。
【0060】
また、エキシマレーザ光を用いた場合、1パルスあたりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上、1パルスあたりの照射時間を50nsec以下、又はパルス周期を5msec以上とすることが好ましい。また、1パルスあたりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上、1パルスあたりの照射時間を50nsec以下、及び、パルス周期を5msec以上とすることがより好ましい。また、1パルスあたりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上、1パルスあたりの照射時間を30nsec以下、及び、パルス周期を10msec以上とすることがさらに好ましい。
エキシマレーザ光を用いた場合、エキシマレーザ光の出力は数nsから数10nsecの時間で立ち上がり、入射後10nsec程度以降にサンプルから熱放射が観察され、深さ数10nm程度の領域が加熱されるとともに、レーザ光は数10nsecで減衰する。このため、短時間で高エネルギーのレーザ光、例えば、パルス照射間隔が10nsecのパルスレーザ光をオーミック電極4に照射すると、このオーミック電極4を含む表面近傍のみが瞬間的に加熱、合金化され、良好なオーミック特性を得ることが可能となる。従って、極薄いオーミック電極4を形成した後、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2の界面に薄いシリサイド合金層を形成することにより、良好なオーミックコンタクトを得ることができ、未反応の炭素を減らすことが可能となる。
【0061】
ここで、通常用いられるような厚膜のオーミック電極に、従来公知の方法で熱処理を施すことでオーミックコンタクトを形成した場合、オーミック電極と炭化珪素バルク基板との界面に未反応の炭素が大量に発生する。このため、電極の剥離や、シリーズ抵抗の増大等の問題が生じる。
これに対し、本実施形態の製造方法では、上述した熱処理方法とすることにより、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間が良好にオーミック接触し、電極剥離やシリーズ抵抗増大等の問題が生じることが無い。
【0062】
また、本実施形態では、熱処理を行なう小工程(2)を、高出力光をなすレーザ光Lの光源、又は、炭化珪素バルク基板2の少なくとも何れか一方を、直線移動又は回転移動の少なくとも何れかの方法で移動させながら行なうことがより好ましい。このような方法でオーミック電極4の熱処理を行なうことにより、レーザ光Lが長時間に渡って同一箇所に照射されることが無いので、上記同様、炭化珪素バルク基板2の内部を熱が伝播するのを抑制でき、半導体素子構造が損傷するのを防止することが可能となる。
【0063】
なお、レーザ光Lの照射レベルを制御する場合、上述のような方法の他、例えば、レーザ光投影面積、レーザ光入射方向、レーザ光スキャン速度や基板移動速度等を変更する方法等を採用することも可能である。
例えば、本実施形態では、高出力光をなすレーザ光Lの発光形状、又は、オーミック電極4上におけるレーザL光の照射形状の少なくとも何れかが、非円形形状とされていることがより好ましい。レーザ光Lの発光形状又は照射形状の何れかを非円形形状とすることにより、炭化珪素バルク基板2の内部を熱が伝播するのを抑制でき、主面2a側の半導体素子構造が損傷するのを防止することが可能となる。
【0064】
ここで、本発明で説明する非円形形状とは、例えば、一般に長方形や楕円形等、様々な形状を含むものである。
【0065】
また、本実施形態では、高出力光をなすレーザ光Lの照射角度が、炭化珪素バルク基板2又はオーミック電極4に対して90°未満であることが好ましい。レーザ光Lの炭化珪素バルク基板2又はオーミック電極4に対する照射角度をこの範囲とすることにより、上記同様、炭化珪素バルク基板2の内部を熱が伝播するのを抑制でき、半導体素子構造が損傷するのを防止することが可能となる。
【0066】
また、さらに、本実施形態では、熱処理を行なう小工程(2)を、少なくとも、炭化珪素バルク基板2の主面2a側を冷却することにより、主面2a側の温度を裏面2b側の温度よりも低くして行なう方法としても良い。具体的には、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に、熱容量の大きいヒートシンクを接続する方法等が採用できる。このような方法でオーミック電極4の熱処理を行なうことにより、レーザ光Lによる高熱が、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から主面2a側に伝播するのが抑制される。従って、上記同様、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に形成された半導体素子構造が損傷するのを防止することが可能となる。
【0067】
また、レーザ光Lを照射する前の、炭化珪素バルク基板2の温度は出来るだけ低い方が、炭化珪素バルク基板2内部を高熱が伝播するのを抑制でき、半導体素子構造の昇温が抑制できる点から好ましい。
【0068】
なお、オーミック電極に高出力のレーザ光Lを照射して熱処理を行なった場合、照射された部分の電極材料が蒸発したり、溶融〜再結晶化したりして表面モホロジーが低下する場合がある。
このような問題を防止するため、本実施形態のオーミック電極形成工程に含まれる、熱処理を行なう小工程(2)では、レーザ光Lの透過率が高い膜をオーミック電極4上に堆積させた後、レーザ光Lによる熱処理を行なう方法とすることが好ましい。具体的には、例えば、厚さが1μm程度のSiO膜を、CVD法やスパッタ法等の方法によってオーミック電極4上に堆積させた後、SiO膜を介してオーミック電極4にレーザ光Lを照射し、熱処理を行なう方法とすることができる。このような方法でオーミック電極4の熱処理を行なうことにより、電極材料の蒸発による消失や、溶融〜再結晶化による表面モホロジー低下を効果的に防止できる。
【0069】
本実施形態では、上記各工程により、炭化珪素バルク基板2の主面2a上に半導体素子構造を形成し、炭化珪素バルク基板2の裏面2bを研削して薄く加工した後、裏面2bにオーミック電極4を形成して高出力光による熱処理を行なう。このように、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に半導体素子構造を形成した後に、裏面2b側を研削することにより、炭化珪素バルク基板2の破損が生じるのを防止できるので、ショットキーバリアダイオード1等の半導体素子を製造する際の歩留まりが向上する。また、炭化珪素バルク基板2を薄く形成することにより、この炭化珪素バルク基板2内部の熱抵抗が低減されるので、オーミック電極4の熱処理を行なう際の冷却性能が向上し、また、半導体素子内部のシリーズ抵抗(直列抵抗)が低減され、素子特性が向上する。従って、半導体素子を製造する際の歩留まりの向上と、半導体素子の特性の向上との両方を実現することが可能となる。
【0070】
『分割〜素子化工程』
次に、本実施形態の製造方法では、上記各工程によって得られた半導体ウェーハを、例えば、ダイシング法、スクライブ法、レーザ等によって裁断し、チップに分割して、素子単位のショットキーバリアダイオード(半導体素子)1とする。
具体的には、例えば、ダイシングソーを用いて、炭化珪素バルク基板2に対して、所望の平面視形状となるように裁断を施し、所定寸法の正方形や長方形に切断することにより、チップ状のショットキーバリアダイオード1とする。
【0071】
以上説明したような、本発明の半導体素子の実施形態であるショットキーバリアダイオード1の製造方法によれば、少なくとも、炭化珪素バルク基板2の主面2a側に半導体素子構造(n型SiCエピタキシャル層30、ショットキー電極5)を形成する半導体素子構造形成工程と、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側に炭化珪素バルク基板2とオーミック接触するオーミック電極4を形成するオーミック電極形成工程とを、この順で具備し、該オーミック電極形成工程は、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側を研削することによって炭化珪素バルク基板2の厚みを薄くした後、裏面2bにオーミック電極4を形成する小工程(1)と、オーミック電極4に対し、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から高出力光であるレーザ光Lを照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程(2)とを、この順で備えている方法なので、炭化珪素バルク基板2の破損を防止できるとともに、熱処理時の高熱によって電極や半導体層を含む半導体素子構造の特性が劣化することなくオーミック電極4を形成することができる。これにより、素子特性に優れるショットキーバリアダイオード1を、歩留まり良く製造することが可能となる。
【0072】
また、本発明の半導体素子の実施形態であるショットキーバリアダイオード1によれば、上記本実施形態の製造方法によって製造されるものなので、オーミック特性に優れた電極を備え、素子特性に優れたものとなる。
【0073】
[半導体装置]
上述のような本実施形態のショットキーバリアダイオード(半導体素子)を用いた半導体装置として、例えば、スイッチング電源装置やインバータ装置等を挙げることができる。ここで、スイッチング電源装置は、直流電圧を入力して、昇圧や降圧をすると同時に、電圧変換率を改善して品質の良い直流電圧を出力する装置である。また、インバータ装置は、直流電源から交流電源を作り出す装置である。
【実施例】
【0074】
以下に、本発明の半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
本実施例では、本発明に係る半導体素子として、図2に示すような、ショットキー電極構造を有するショットキーバリアダイオード1を作製した。
【0075】
『半導体素子構造の形成(半導体素子構造形成工程)』
まず、n型4H−SiC単結晶基板からなり、主面2a及び裏面2bを有する炭化珪素バルク基板2を準備した。
そして、図3に示すように、炭化珪素バルク基板2の主面2aに、n型SiC単結晶成長層からなるn型SiCエピタキシャル層30を、CVD法を用いて、一般に採用されている通常の成膜条件によって形成した。
【0076】
次いで、図4(a)に示すように、n型SiCエピタキシャル層30の表面30aに、SiC単結晶に対してショットキー接触する金属であるTiを主成分とする金属を、スパッタ法を用いて薄膜として堆積させた。この際、n型SiCエピタキシャル層30上において、上記箔膜からなるショットキー電極5の厚さが100nm程度となるように成膜した。
次いで、図4(b)に示すように、ショットキー電極5を、リフトオフ法を用いて、ショットキーバリアダイオードとして必要な大きさに加工した。
【0077】
次いで、ショットキー電極5に対し、RTA(Rapid Thermal Anneal)を用いて熱処理を施すことにより、所望のショットキー障壁高さを有する電極として加工した。この際、雰囲気ガスとして、高純度アルゴンを用いた。
【0078】
『オーミック電極の形成(オーミック電極形成工程)』
次いで、図5(a)に示すように、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側をダイヤモンド砥粒法によって研削し、炭化珪素バルク基板2の厚さが100μm程度となるまで薄く加工した。
次いで、図5(b)に示すように、薄く加工した炭化珪素バルク基板2の裏面2bに、SiCに対してオーミック接触する金属であるNiを、スパッタ法を用いて堆積させた。この際、炭化珪素バルク基板2の裏面2b上において、オーミック電極4の厚さが100nm程度となるように成膜した。
【0079】
次いで、図5(c)に示すように、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側から、オーミック電極4に対し、エキシマレーザ光(レーザ光L)を照射して光学的加熱による熱処理(アニール)を行なった。この際、エキシマレーザ光として、波長が308nm、1パルスあたりの照射エネルギー密度が0.1J/cmのXeClエキシマレーザを用いた。また、炭化珪素バルク基板2の厚さを100μm程度としたことを考慮し、1パルスあたりの照射時間を約20nsec、パルス周期(パルス照射間隔)を10msec、パルス回数を10回とした。これにより、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間で良好なオーミックコンタクトが得られていることが確認できた。また、炭化珪素バルク基板2の主面2a側の半導体素子構造であるn型SiCエピタキシャル層30及びショットキー電極5には、裏面2b側で行なった熱処理の前後において特性変化が無いことが確認できた。
【0080】
また、別のサンプルとして、炭化珪素バルク基板2の裏面2b側をさらに研削し、炭化珪素バルク基板2の厚さを50μmとしたものも作製し、上記同様、炭化珪素バルク基板2の裏面2bにオーミック電極4を形成し、熱処理を行なった。この際、熱処理に用いるレーザ光Lとして、上記同様の波長及びエネルギー密度を有するXeClエキシマレーザを用い、パルス幅(1パルスあたりの照射時間)を20nsec、照射間隔を25msec、照射回数を40回とした。この結果、炭化珪素バルク基板2の厚さを50μmとした場合でも、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間で良好なオーミックコンタクトが得られていることが確認できた。
【0081】
上述したように、ダイヤモンド砥粒法等によって行なう炭化珪素バルク基板2の裏面2b側の研削加工では、研削後の裏面2bの全面に研磨傷が残り、平坦でない状態となる。このため、炭化珪素バルク基板2の裏面2bにおいて、オーミック電極4をなすNi金属が薄くなっている部分や、付着していない部分が発生する。本実施例では、上述のようなオーミック電極4に対し、波長が308nm、エネルギー密度が1.0J/cmのXeClエキシマレーザを用いて熱処理を行なうことで、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間が良好にオーミック接触することが確認できた。
また、炭化珪素バルク基板2をなす6H−SiCのバンドギャップが約3eVであり、波長λ=h・c/Eg=1.24/3=0.41μmに相当するため、照射したXeClエキシマレーザは、炭化珪素バルク基板2をほとんど透過しない。これにより、炭化珪素バルク基板2の主面2a側のn型SiCエピタキシャル層30及びショットキー電極5には、裏面2b側で行なった熱処理の前後での特性変化が無かったものと考えられる。
【0082】
また、上記同様のサンプルにおいて、オーミック電極4上に、厚さが1μmのSiO膜をCVD法によって堆積させた後、SiO膜を介して上記同様の条件でXeClエキシマレーザによる熱処理を行ない、酸性液によってSiO膜をエッチング除去した。この結果、オーミック電極4のモホロジー劣化させることなく、オーミック電極4と炭化珪素バルク基板2との間が良好にオーミック接触していることが確認できた。
【0083】
『分割〜素子化』
次いで、ダイシングソーを用いて、炭化珪素バルク基板2に対して、所望の平面視形状となるように裁断を施し、所定寸法の正方形や長方形に切断することにより、チップ状のショットキーバリアダイオード1として素子化した。
上記実施例により、本発明の半導体素子の製造方法が、炭化珪素バルク基板が薄いことによる熱抵抗の低減(冷却性能向上)、及び、直列抵抗(シリーズ抵抗)の低減(on電圧の低減)を両立できることが明らかとなった。また、炭化珪素バルク基板の主面側に半導体素子構造を形成した後に、裏面側を研削することにより、炭化珪素バルク基板の破損が生じるのを抑制でき、ショットキーバリアダイオード等の半導体素子を製造する際の歩留まりが向上することが明らかとなった。
【0084】
以上の結果により、本発明に係る半導体素子の製造方法が、オーミック特性に優れた電極を形成することができるとともに、素子特性に優れる半導体素子を歩留まり良く製造できることが明らかである。また、上記製造方法によって得られる半導体素子が、電極のオーミック特性に優れるとともに、素子特性に優れることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、半導体素子の製造方法及び半導体素子、並びに半導体装置に関するものであって、炭化珪素バルク基板を用いた半導体素子の素子特性及び歩留まりを大きく向上させることができるものである。従って、半導体デバイス等を製造する産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0086】
1…ショットキーダイオード(半導体素子)、10…半導体素子、2…炭化珪素バルク基板、2a…主面(炭化珪素バルク基板)、2b…裏面(炭化珪素バルク基板)、3…半導体素子構造、30…n型SiCエピタキシャル層(半導体素子構造)、4…オーミック電極、5…ショットキー電極(半導体素子構造)、L…レーザ光(高出力光)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、主面及び裏面を有する第1導電型の炭化珪素バルク基板の前記主面側に半導体素子構造の一部又は全体を形成する半導体素子構造形成工程と、
前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側に前記炭化珪素バルク基板とオーミック接触するオーミック電極を形成するオーミック電極形成工程とを、
この順で具備してなり、
前記オーミック電極形成工程は、
前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側を研削することによって前記炭化珪素バルク基板の厚みを薄くした後、前記裏面に前記オーミック電極を形成する小工程と、
前記オーミック電極に対し、前記炭化珪素バルク基板の裏面側から高出力光を照射する光学式加熱法によって熱処理を行なう小工程とを、
この順で備えていることを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記高出力光がレーザ光であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記レーザ光がエキシマレーザ光であることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の照射をパルス照射とすることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際の、1パルスあたりの照射エネルギー密度を10mJ/cm以上とすることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際の、1パルスあたりの照射時間を10μsec以下とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光をパルス照射する際のパルス周期を5msec以上とすることを特徴とする請求項4〜請求項6の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程を、前記高出力光、又は、前記炭化珪素バルク基板の少なくとも一方を、直線移動又は回転移動の少なくとも何れかの方法で移動させながら行なうことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記炭化珪素バルク基板の前記裏面側の任意の点における前記高出力光の照射時間を1秒以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項10】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の発光形状、又は、前記オーミック電極上における高出力光の照射形状の少なくとも何れかが、非円形形状とされていることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項11】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程において、前記高出力光の照射角度が、前記炭化珪素バルク基板に対して90°未満であることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
前記オーミック電極形成工程は、前記熱処理を行なう小工程を、少なくとも、前記炭化珪素バルク基板の前記主面側を冷却することにより、前記主面側の温度を前記裏面側の温度よりも低くして行なうことを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項13】
前記炭化珪素バルク基板の前記裏面が、カーボン面又はシリコン面から0°〜10°の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項14】
前記炭化珪素バルク基板の前記主面が、シリコン面又はカーボン面から0°〜10°の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項15】
前記半導体素子構造形成工程は、
少なくとも、前記炭化珪素バルク基板の前記主面側に炭化珪素エピタキシャル層を形成する小工程と、
前記炭化珪素エピタキシャル層上に、該炭化珪素エピタキシャル層とショットキー接触するショットキー電極を形成する小工程とを、
この順で備えていることを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項16】
前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、縦型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)構造として形成することを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項17】
前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、横型MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)構造として形成することを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項18】
前記半導体素子構造形成工程は、前記半導体素子構造を、PN型ダイオード構造として形成することを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項19】
請求項1〜請求項18に記載の製造方法によって得られる半導体素子。
【請求項20】
請求項19に記載の半導体素子が用いられてなる半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−186991(P2010−186991A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2842(P2010−2842)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】