説明

半導体素子の製造方法及び製造装置

【課題】 半導体素子を製造する際、パッケージ用の樹脂を型のキャビティに充填する際に生じるボンディングワイヤの変形に伴う欠陥を排除し、生産性と信頼性を向上させる半導体素子の製造方法を得る。
【解決手段】 型10のキャビティ12内で、前記キャビティ内に出没自由とされたチップ固定子13を突出させて半導体チップ1を一時的に固定し、その後にキャビティ12に樹脂を注入し、樹脂の充填が完了する前にチップ固定子13を型本体11内に収納し、収納後にキャビティ12内の樹脂を固化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂のパッケージにより封止された半導体素子、その製造方法及び半導体素子製造装置に関するものであり、特に、封止工程における樹脂注入中にボンディングワイヤが変形してパッケージから露出したり、パッケージ内で接触、短絡、切断などが起こることを防止する半導体素子の製造方法、この製造方法により製造される半導体素子、並びに前記半導体素子の製造に用いる半導体素子製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に樹脂パッケージにより封止された半導体素子は、半導体チップとリードの内側端末とがボンディングワイヤで接続され、このリードの外側端末を外部に露出した状態で前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とがパッケージ用の樹脂により一体に封止されてなっている。
【0003】
図5は前記半導体素子を従来の製造方法に従って製造する一過程を示している。図5においてこの半導体素子を製造するには、先ず半導体チップ1を載置するステージ6とリード2の配列とが形成されたフレーム8の前記ステージ6に半導体チップ1を載置し、この半導体チップ1のパッド1aと前記リードの内側端末2aとをボンディングワイヤ3で接続する。これにより得られたフレーム組立物9を型100にセットする。
【0004】
型100は、割り型111a,111bからなる型本体111と、この型本体111に形成されたキャビティ112と、キャビティ112内にパッケージ用の樹脂を供給するランナー114及びゲート115を有している。割り型111a,111bは、図示しない型駆動装置によって温度が制御されると共に、リードの外側端末2bを気密に挟み込めるようになっている。キャビティ112はこの半導体素子のパッケージの外形を規定する形状に成形されている。ランナー114及びゲート115は未硬化の熱硬化性樹脂コンパウンド(以下単に「樹脂」という)をキャビティ112内に注入するための通路であり、割り型111a,111bの割り面に形成され、ランナー114の一方の端末は図示しないプランジャ付きの加熱ポットに連通しゲート115はキャビティ112の所定の位置に開口している。
【0005】
型100に前記のフレーム組立物9をセットした後に閉型し、ランナー114及びゲート115を通してキャビティ112内に樹脂を注入し、キャビティを充填する。充填後所定の温度を維持すると樹脂はキャビティ内で硬化する。硬化後に開型し樹脂で封止されたフレーム組立物9を取り出し、リードの外側端末2bとフレーム8とを切り離すと、パッケージにより封止された半導体素子が得られる。
【0006】
前記の樹脂充填工程では、樹脂注入中に、キャビティ112内でボンディングワイヤ3が変形するという問題が指摘されている。すなわち、樹脂がゲート115からキャビティ112内に注入されキャビティを充填する過程で、通常は極細の金線からなるボンディングワイヤ3が流入する樹脂に押されて変形しキャビティ内でよじれ、接触、短絡、切断、ボイドの発生などを起こすと共に、ときにはパッケージの表面に露出する場合もあった。
【0007】
ボンディングワイヤがパッケージから露出するのを防ぐ方法として、特開平10−189631号公報は、図6に示すように、キャビティ内でボンディングワイヤを押さえる方法を提案している。この方法は、型200の上型211aにキャビティ可動部220を設け、樹脂の注入に先立ってキャビティ可動部220をキャビティ212内に降下させその底面でボンディングワイヤ3の頂点の高さを規制しておく。この状態でキャビティ可動部220に形成した樹脂流入路221から樹脂をキャビティ212内に注入充填し、キャビティ内の樹脂が硬化しないうちにキャビティ可動部220をパッケージの表面高さ位置まで引き上げ、引き上げたことにより生じた未充填空間に更に樹脂を充填するというものである。
【特許文献1】特開平10−189631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしこの方法によってもボンディングワイヤ3が流入する樹脂に押されて変形し、キャビティ内でよじれ、接触、短絡、切断、ボイドの発生などを起こす可能性は排除できず、また樹脂をキャビティ可動部220に形成した樹脂流入路221から注入することは、この樹脂が熱硬化性であってキャビティ212内で硬化すると同時に樹脂流入路221内でも非可逆的に硬化することを考慮すると、実施困難であった。
【0009】
本発明者は、キャビティ内でボンディングワイヤが変形する原因について研究の結果、図7に示すように、キャビティ112内に樹脂が注入され空間を充填する過程で、高粘性の樹脂がステージ6共々に半導体チップ1を押圧し、半導体チップ1が所定の位置から移動することに主たる原因があることを見出した。この半導体チップの位置の移動が、例えばボンディングワイヤ3Xで示すようにパッケージの壁面に露出したり、またボンディングワイヤ3Yで示すようにキャビティ内でよじれ、接触、短絡、切断、ボイドの発生などを引き起こす。このようなボンディングワイヤの欠陥は、製造中に短絡や断線が発生した場合には工程中の導通検査などにより不良品として検知し排除できるが、このような不良品が多発すれば生産性が大幅に低下する。また通常の導通検査では検出できず、良品として出荷された後で欠陥が現れる場合もあり、この場合には製品の信頼性を大きく損なう。
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、樹脂注入時のボンディングワイヤの変形に伴う欠陥を排除し、生産性と信頼性を向上させる半導体素子の製造方法、この製造方法により製造される半導体素子、及びこの半導体素子を製造する半導体素子製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、
請求項1に記載の発明は、半導体チップとリードの内側端末とがボンディングワイヤで接続され、前記リードの外側端末を外部に露出した状態で前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とがパッケージ用の樹脂により一体に封止されてなる半導体素子を製造するに際して、前記半導体チップを載置するステージと前記リードを支持するリードステーとを有するフレームに前記半導体チップを載置しかつ前記半導体チップと前記リードの内側端末とを前記ボンディングワイヤで接続するフレーム組立工程と、前記フレーム組立工程により組み立てられたフレーム組立物における前記リードの外側端末を上型と下型の割り型からなる上下の割り面で支持することにより前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とを前記型のキャビティ内に懸架する型セット工程と、前記型の上側の割り型の一部として設けられ前記キャビティ内に出没自由とされ前記キャビティ内に突出したとき前記ステージを支持するために前記フレームに形成されたステージバーに一時的に当接するチップ固定子により当該半導体チップを一時的に固定するチップ固定工程と、前記チップ固定工程により半導体チップが一時的に固定されたキャビティ内にパッケージ用の樹脂を注入し、かつ前記樹脂の充填が完了する前に前記のチップ固定子を前記一方の型内に収納する樹脂充填工程と、前記キャビティ内に充填された前記樹脂を固化させる樹脂固化工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された半導体素子の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体素子である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の半導体素子の製造方法により半導体素子を製造するための装置であって、上型と下型の割り型からなる型とこの型を駆動する型駆動装置とを有し、前記型は、前記フレーム組立工程により組み立てられたフレーム組立物における前記リードの外側端末を当該型の割り面で支持することにより前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とを内部に懸架し得るキャビティと、前記型の上側の割り型に設けられ前記キャビティ内に出没自由とされ前記キャビティ内に突出したときステージバーを一時的に固定し得るチップ固定子と、前記キャビティ内にパッケージ用の樹脂を充填する樹脂注入手段とを有し、前記型駆動装置は、前記型の開閉を制御する機構と、前記チップ固定子を前記キャビティ内に出没させる機構と、前記樹脂の注入を制御する機構と、前記型の温度と駆動タイミングとを制御する機構とを有し、開型された前記型に前記フレーム組立物がセットされた後に当該型を閉型し、前記チップ固定子を前記キャビティ内に突出させて前記ステージバーを一時的に固定し、前記樹脂を前記キャビティ内に注入し、前記樹脂の充填が完了する前に前記チップ固定子を前記一方の型内に収納し、前記樹脂の充填が完了した後に前記キャビティ内で前記樹脂を固化させるようにしたことを特徴とする半導体素子製造装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記チップ固定子が、連動する複数のピンからなることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子製造装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の半導体素子の製造方法は型のキャビティ内に懸架した半導体チップをチップ固定子により一時的に固定し、キャビティ内で樹脂の充填が完了する前にこのチップ固定子を型内に収納するようにしたので、樹脂が注入される際の樹脂の流動圧により半導体チップが押圧されても移動が起こらず、従ってボンディングワイヤのパッケージからの露出やパッケージ内部で変形することによる接触、短絡、切断などが抑制され、半導体素子の生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施の形態を具体例によって説明するがこれらの具体例は本発明を何ら制限するものではない。また添付の図面は本発明の思想を説明するためのものであって、本発明の説明に不要な要素は省略し、また図示した各要素の形状・寸法比・数なども実際のものを必ずしも反映していない。
図1は本発明の製造方法により製造された半導体素子の一例を示す断面図である。図1においてこの半導体素子は、半導体チップ1上に形成されたパッド1pとリード2の内側端末2aとが金線からなるボンディングワイヤ3で接続され、前記リードの外側端末2bを外部に露出した状態で半導体チップ1とボンディングワイヤ3とリードの内側端末2aとがパッケージ4を形成する熱硬化性樹脂コンパウンドにより一体に封止されてなっている。この半導体チップ1はパッケージ4のほぼ中央部に配置され、一方の面(図の下面)はステージ6に接着され、他方の面(図の上面)には電気回路が形成されている。
【0016】
本実施形態の半導体素子は、下記の製造方法並びに製造装置により製造されている。
図2に本製造方法の工程図を示す。すなわち本製造方法は(1)フレーム組立工程、(2)型セット工程、(3)チップ固定工程、(4)樹脂充填工程、及び(5)樹脂固化工程を含んでいる。このうち、(2)型セット工程〜(5)樹脂固化工程は型と型駆動装置とからなる本発明の製造装置を用いて行われる。以下、工程順に詳しく説明する。
【0017】
(1)フレーム組立工程
図3は(1)フレーム組立工程によって組み立てられたフレーム組立物9を示す平面図である。このフレーム組立物9は半導体チップ1とボンディングワイヤ3とフレーム5とからなっている。フレーム5は、半導体チップ1を載置するステージ6と、このステージを懸架するステージバー7と、リード2の配列を支持するリードステー8とが一体に金属板の打ち抜きによって形成されている。
(1)フレーム組立工程では、先ず半導体チップ1をステージ6に載置し接着する。次に半導体チップ1のパッド1pとリード2の内側端末2aとをボンディングワイヤ3で接続し、フレーム組立物9を作成する。
【0018】
(2)型セット工程および(3)チップ固定工程
図4は(2)型セット工程後の(3)チップ固定工程の最終段階を示す断面図である。これらの工程では本発明の型10とこの型を駆動する型駆動装置(図示せず)とを有する半導体素子製造装置が用いられる。
型10は、割り型11a,11bからなる型本体11と、この型本体11に形成されたキャビティ12と、チップ固定子13と、前記キャビティ12内にパッケージ用の樹脂を供給するランナー及びゲートを有している。割り型11a,11bは、図示しない型駆動装置によって温度が制御されると共に、リードの外側端末2bとステージバー7の外側端末を気密に挟み込めるように、割り面にそれぞれを収納する溝が形成されている。キャビティ12はパッケージ4の外形を規定する形状に形成されている。
【0019】
前記のフレーム組立物9はこの型10にセットされる。先ず型10が開型され、割り型11a,11bの間の所定の位置にフレーム組立物9が載置される。このとき、フレーム組立物9のリード外側端末2bとステージバー7の外側端末が割り型11a,11bに挟持され、ステージ6に載置された半導体チップ1とボンディングワイヤ3とリード内側端末2aとがキャビティ12内に、キャビティ壁面と非接触に懸架される。フレーム組立物9がセットされた型10は閉型される。
【0020】
型10にフレーム組立物9をセットし閉型した後、チップ固定子13をキャビティ内に突出させ、その先端部をステージバー7に当接させる。
チップ固定子13は、型10の上側の割り型11aに設けられている。チップ固定子13は円柱状のピンからなり、本実施形態では4本のチップ固定子13が用いられ、方形の台座18の4隅にそれぞれ立設されて4本が連動するようになっている。それぞれのチップ固定子13は割り型11aの所定の位置に形成された貫通孔16の壁面と摺動してキャビティ12内に出没自由とされ、型外部の台座18を押し下げると、それぞれのチップ固定子13の先端部がステージバー7のステージ6近傍に当接し、これを押さえるように構成されている。チップ固定子13の出没のタイミングやストロークは前記の型駆動装置により制御されている。ランナー及びゲートは未硬化の熱硬化性樹脂をキャビティ12内に注入するための通路であり、割り型11a,11bの割り面に形成され、ランナーの一方の端末は図示しないプランジャ付きの加熱ポットに連通しゲートはキャビティ12の所定の位置に開口している。
【0021】
本実施形態のチップ固定子13…は、その先端部がステージバー7のステージ6近傍に当接するように構成されているが、半導体チップ1とステージ6とは接着されているので、間接的に半導体チップ1を一時的に固定することができる。この場合には半導体チップの回路要素などに損傷を与えず、樹脂の高速充填を可能にするほか、チップ固定子13…が半導体チップ1から比較的遠くに離れているので、樹脂充填やチップ固定子の収納に際して特に半導体チップ1周辺の樹脂の流れが円滑になり、均一性の高いパッケージ4が形成される。またチップ固定子13…は細いピンからなっているので、樹脂の注入に際してその流動を妨げることが少ない。従って高速で注入しても乱流などによってボイドが発生する可能性は少なく、半導体素子製品の生産歩留りと信頼性が向上する。
【0022】
(4)樹脂充填工程
この樹脂充填工程では二つの操作、すなわち(A.樹脂注入)と(B.チップ固定子収納)とが行われる。先ず、前記により半導体チップ1が一時的に固定されたキャビティ12内に、ランナー及びゲートを通して未硬化の熱硬化性樹脂を注入する。そして、キャビティ12内が樹脂で完全に充填される前に、チップ固定子13を、その先端面がキャビティの内壁とほぼ面一となるまで割り型11a内に収納する。このチップ固定子の収納に伴ってキャビティ内は陰圧となるが直ちに樹脂で補完されるため、収納痕にボイドや穴が発生することはない。またこの段階で、半導体チップ1はすでに樹脂内に埋没していて周囲が均圧となっているので、チップ固定子による固定が解除されても樹脂の流動圧により移動することはない。樹脂の注入速度、注入圧力、チップ固定子13の収納開始タイミング、収納速度は、型温度と係わって最適となるように型駆動装置により制御される。
【0023】
(5)樹脂固化工程
(5)樹脂固化工程ではキャビティ12内に充填された樹脂が型10の中で硬化される。この樹脂は熱硬化性であるから加熱の持続により不可逆的に固化し、パッケージ4を形成する。この際、ランナー及びゲートに残留した樹脂も硬化する。しかしランナー及びゲートはいずれも割り型11bの割り面に形成されているので、開型すればパッケージ4に伴って容易に除去できる。
【0024】
キャビティ12内の樹脂が固化した後は、開型し、フレーム組立物9を型10から取り出し、次いでリード2とリードステー8とを切り離し、またパッケージ4から突出したステージバー7を切除すれば、図1に示した本発明の半導体素子が得られる。この半導体素子は、樹脂注入時に樹脂の流動圧による半導体チップ1の移動が防止されたので、半導体チップの移動に伴って発生するボンディングワイヤ3のパッケージ4からの露出や、パッケージ4内部におけるボンディングワイヤ3の変形による接触、短絡、切断などが抑制され、生産性及び信頼性が従来のものに比べ向上している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の製造方法により製造された半導体素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】前記製造方法において(1)フレーム組立工程によって組み立てられたフレーム組立物を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるチップ固定子の構成及び実施態様を示す断面図である。
【図5】半導体素子を従来の製造方法に従って製造する一過程を示す断面図である。
【図6】従来提案された半導体素子の製造方法の一例を示す断面図である。
【図7】従来の製造方法における一問題点を示す断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1・・・半導体チップ、2・・・リード、2a・・・内側端末、2b・・・外側端末、3・・・ボンディングワイヤ、4・・・パッケージ、5・・・フレーム、6・・・ステージ、7・・・ステージバー、8・・・リードステー、9・・・フレーム組立物、10・・・型、11・・・型本体、11a,11b・・・割り型、12・・・キャビティ、13・・・チップ固定子、16・・・貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップとリードの内側端末とがボンディングワイヤで接続され、前記リードの外側端末を外部に露出した状態で前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とがパッケージ用の樹脂により一体に封止されてなる半導体素子を製造するに際して、
前記半導体チップを載置するステージと前記リードを支持するリードステーとを有するフレームに前記半導体チップを載置しかつ前記半導体チップと前記リードの内側端末とを前記ボンディングワイヤで接続するフレーム組立工程と、
前記フレーム組立工程により組み立てられたフレーム組立物における前記リードの外側端末を上型と下型の割り型からなる上下の割り面で支持することにより前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とを前記型のキャビティ内に懸架する型セット工程と、
前記型の上側の割り型の一部として設けられ前記キャビティ内に出没自由とされ前記キャビティ内に突出したとき前記ステージを支持するために前記フレームに形成されたステージバーに一時的に当接するチップ固定子により当該半導体チップを一時的に固定するチップ固定工程と、
前記チップ固定工程により半導体チップが一時的に固定されたキャビティ内にパッケージ用の樹脂を注入し、かつ前記樹脂の充填が完了する前に前記のチップ固定子を前記一方の型内に収納する樹脂充填工程と、
前記キャビティ内に充填された前記樹脂を固化させる樹脂固化工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体素子の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体素子。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体素子の製造方法により半導体素子を製造するための装置であって、
上型と下型の割り型からなる型とこの型を駆動する型駆動装置とを有し、
前記型は、前記フレーム組立工程により組み立てられたフレーム組立物における前記リードの外側端末を当該型の割り面で支持することにより前記半導体チップと前記ボンディングワイヤと前記リードの内側端末とを内部に懸架し得るキャビティと、前記型の上側の割り型に設けられ前記キャビティ内に出没自由とされ前記キャビティ内に突出したときステージバーを一時的に固定し得るチップ固定子と、前記キャビティ内にパッケージ用の樹脂を充填する樹脂注入手段とを有し、
前記型駆動装置は、前記型の開閉を制御する機構と、前記チップ固定子を前記キャビティ内に出没させる機構と、前記樹脂の注入を制御する機構と、前記型の温度と駆動タイミングとを制御する機構とを有し、
開型された前記型に前記フレーム組立物がセットされた後に当該型を閉型し、前記チップ固定子を前記キャビティ内に突出させて前記ステージバーを一時的に固定し、前記樹脂を前記キャビティ内に注入し、前記樹脂の充填が完了する前に前記チップ固定子を前記一方の型内に収納し、前記樹脂の充填が完了した後に前記キャビティ内で前記樹脂を固化させるようにしたことを特徴とする半導体素子製造装置。
【請求項4】
前記チップ固定子が、連動する複数のピンからなることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−13527(P2006−13527A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211280(P2005−211280)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【分割の表示】特願2001−374323(P2001−374323)の分割
【原出願日】平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】