説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】 ヒューズ素子を選択的に切断することにより、機能や特性などの変更が可能な機能マクロを有する半導体装置において、ヒューズ素子群を搭載することで生じる配線制約によるレイアウト面積ロスを抑制することができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ヒューズ素子を備えた半導体装置において、前記ヒューズ素子を半導体装置における最上配線層よりも下層側の配線層にて形成し、その配線層の製造工程が完了した時点で、ヒューズトリミングを行い、その後に残りの配線層の製造工程を完了する構成とする。この構成によれば、ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側では、ヒューズ領域上を配線が通過することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズ素子を備えた半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体装置には、搭載されたマクロの機能や特性などの変更を製造工程完了後に行うことを目的として、多数のヒューズ素子を備えたヒューズ素子群を搭載することがある。そして、それぞれのヒューズ素子をレーザーにより選択的に切断することでマクロの機能や特性などの変更が行われる。
【0003】
その一例として、半導体装置に混載される半導体記憶装置(以下、「メモリマクロ」と呼ぶ)に対して、歩留まり向上のために搭載される冗長救済回路を用いた冗長救済技術がある。この冗長救済回路は、メモリセル中に不良セルが存在する場合に、予めスペア用セルとして配設された冗長セルにその不良セルを置換するものである。
【0004】
このような冗長救済機能を備えたメモリマクロを有する半導体装置は、冗長救済プログラミング用の多数のヒューズ素子を備えたヒューズ素子群を有する。
一般に、メモリマクロの検査工程において不良セルが確認されると、その不良セルのアドレスは、対応するヒューズ素子群のヒューズ部をレーザーにより選択的に切断することにより記憶させる。そしてメモリマクロからのデータ読出しの際には、入力アドレスがヒューズ素子群に記憶された不良セルのアドレスと比較され、双方のアドレスが不一致の場合は、入力アドレスにより選択される通常のメモリセルが選択されるが、一致した場合は、冗長セルが選択され、不良セルが冗長セルに置換されることになる。
【0005】
このような従来の不良セルの冗長救済機能を有する半導体装置の製造方法について、以下で説明する。
図9は、従来の冗長救済機能を有する半導体装置の製造方法を説明するフローチャートであり、図10は図9のフローチャートの手順に従って作成される従来の半導体装置の一例を示した平面図である。ここでは半導体装置の構成要素の一部のみを示してある。図10において、100は半導体装置、101はメモリマクロ、102は冗長救済用ヒューズ素子群、103は冗長救済信号線、104はボンディング用の金属パッド、105は電源線や信号線などの配線である。
【0006】
半導体装置に要求される論理回路の機能の複雑化に伴って、チップ配線も複雑化しており、高集積化・高速化等の観点より配線構造の多層化が進んでいる。さらに、チップに搭載されるメモリマクロの数は増大する一方であり、チップ全面積に対するメモリマクロの占有面積が増加している。そこでチップ面積の増大を抑制するために、メモリマクロ101直上領域は、電源線や信号線などの配線105の通過が許されている。
【0007】
また、メモリプリテストにおいて救済可能と判定されたメモリマクロの冗長救済処理は、冗長救済用ヒューズ素子群102を構成するヒューズ素子をレーザーにより切断することで行うが、この処理は全製造工程完了後に行われるため、冗長救済用ヒューズ素子群102を構成するヒューズ素子は最上配線層にて形成される必要がある。さらに、ヒューズ素子切断の際のレーザー照射によるダメージを回避するために、冗長救済用ヒューズ素子群領域102は全配線層とも配線禁止とされるため、電源線や信号線などの配線105は、図10で示すように冗長救済用ヒューズ素子群領域102を迂回する形で配線される。
【0008】
ここで、以下において製造方法を説明する従来の半導体装置100は、n(n≧1)層の多層配線構造を有するものとし、さらにその半導体装置に搭載されるメモリマクロ101は、半導体装置における最上配線層である第n配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第m配線層(n>m)を最上配線層とするものとする。
【0009】
続いて、以上のように構成された従来の冗長救済機能を有する半導体装置の製造方法について、図9に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
半導体装置のウエハ製造工程として、まずトランジスタ工程TRにおいて、トランジスタのゲートや拡散層などを形成し、続いて配線工程において、最下配線層ME1から最上配線層である第n層目の配線層MEnまでの配線工程10を順次行い、多層配線構造を有する半導体装置の製造を完了する。
【0010】
そして、製造された半導体装置に搭載された冗長救済機能を備えたメモリマクロ101の機能テスト(メモリプリテスト106)を実施して、メモリの良否判定を行う。判定の結果、メモリマクロの冗長救済が可能であるチップに対して、冗長救済用ヒューズ素子群102のヒューズ素子のレーザーによる切断(ヒューズトリミング107)を実施し、不良メモリセルのアドレス情報のヒューズ素子への書き込みを行う冗長救済プログラミングを行う。
【0011】
その後、冗長救済後のメモリマクロのテスト(メモリポストテスト108)を実施し、最後に半導体装置全体の検査109を行い、良品・不良品の選別を行う。
またオンチップ修正に際し、配線工程の途中で集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)等で配線修正を行った後、残りの配線工程を完了するLSIの製造方法が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特許第2995979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の半導体装置において、ヒューズトリミングの際のレーザー照射による影響を回避するために、ヒューズ素子が形成される領域は、全配線層とも配線禁止領域とされるため、電源線や信号線などの配線105は、冗長救済用ヒューズ素子領域を迂回する形で配線されなければならない。このような配線制約は、チップ内配線における一つの制約であり、半導体チップの省面積化を妨げる要因となっている。なお、特許文献1には、前記配線制約について何ら開示されていない。
【0013】
そこで、本発明は、ヒューズ素子を選択的に切断することにより、機能や特性などの変更が可能な機能マクロを有する半導体装置において、ヒューズ素子群を搭載することで生じる配線制約によるレイアウト面積ロスを抑制することができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明の半導体装置およびその製造方法は、以下に示す通りである。
本発明の半導体装置は、冗長救済用第1ヒューズ素子とこの第1ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第1機能マクロを備え、多層配線構造を有する半導体装置であって、前記第1ヒューズ素子が最上配線層より下層側の配線層にて形成されていることを特徴とする。
【0015】
また本発明の半導体装置は、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層にて形成される配線が、前記第1ヒューズ素子の領域直上に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明の半導体装置は、前記第1機能マクロは、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層と同一かまたは下層側の配線層にて形成されていることを特徴とする。
また本発明の半導体装置は、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層より下層側の配線層に、第2ヒューズ素子が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明の半導体装置は、前記第1機能マクロは、前記第1ヒューズ素子を切断することにより機能または特性が変更され、前記第2ヒューズ素子を切断することで他の機能または特性が変更されることを特徴とする。
【0018】
また本発明の半導体装置は、第2機能マクロを具備し、前記第2機能マクロにおける最上配線層が、前記第2ヒューズ素子を形成する配線層よりも下層側の配線層であり、かつ前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも下層側の配線層であることを特徴とする。
【0019】
また本発明の半導体装置は、前記第2機能マクロは、前記第2ヒューズ素子を切断することで機能または特性の変更が可能であることを特徴とする。
さらに本発明の半導体装置の製造方法は、冗長救済用第1ヒューズ素子と前記第1ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第1機能マクロを備え、多層配線構造を有する半導体装置の製造方法であって、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第1機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第1ヒューズ素子を切断した後に、残りの全ての製造工程を完了することを特徴とする。
【0020】
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1機能マクロの検査工程において、前記第1機能マクロの良否判定に最低限必要な機能および特性の検査を行うことを特徴とする。
【0021】
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層の製造工程により、前記第1機能マクロにおける残りの機能の検査を行うことを特徴とする。
【0022】
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層の製造工程において、第1ヒューズ素子の領域直上に配線を形成することを特徴とする。
【0023】
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層および第1機能マクロの最上配線層より下層側の配線層に、第2ヒューズ素子およびこの第2ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第2機能マクロを形成することを特徴とする。
【0024】
また本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第2機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第2ヒューズ素子を切断した後に、前記第1機能マクロおよび第1ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第1機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第1ヒューズ素子を切断した後に、残りの全ての製造工程を完了することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の半導体装置およびその製造方法は、ヒューズ素子を、半導体装置における最上配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層にて形成し、そのヒューズ素子を形成する配線工程が完了した段階で、機能マクロの機能を検査し、その検査結果によりレーザーによるヒューズ素子の切断を実施し、その後、残りの配線層工程を完了させることにより、ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層にて形成される配線は、ヒューズトリミングの際のレーザー照射によるダメージを考慮する必要がなくなるため、ヒューズ素子群の直上領域を通過することが可能となり、よってヒューズ素子群を配置することにより生じる配線制約を回避することができ、ヒューズ素子を半導体装置における最上配線層にて形成する場合と比べて、チップ配線における配線自由度が向上し、半導体装置の省面積化を図ることができる、という効果を有している
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、背景の技術の欄において図9と図10を用いて説明した半導体装置の構成、製造手順と同一の構成、製造手順には同一の符号を付す。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を説明するフローチャートであり、図2は図1に示した製造方法に従って作成される半導体装置の一例を示した平面図である。ここでは半導体装置の構成要素については、その一部のみを示してある。
【0027】
図2において、半導体装置200は、冗長救済機能を有するメモリマクロ(第1機能マクロの一例)101、および多数のヒューズ素子(第1ヒューズ素子の一例)より構成される冗長救済用ヒューズ素子群102、冗長救済用ヒューズ素子群102にプログラムされた不良アドレスを伝播する冗長救済信号線103、およびボンディング用の金属パッド104を搭載している。また105は電源線や信号線などの配線である。前記冗長救済用ヒューズ素子群102のヒューズ素子を切断することにより、メモリマクロ101の機能や特性等の変更が可能である。
【0028】
ここで、半導体装置200はn層の多層配線構造を有するものとし、メモリマクロ101における最上配線層は、半導体装置200における最上配線層となる第n配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第m配線層にて構成されるものとし(n>m)、さらにヒューズ素子群102を構成する各ヒューズ素子もメモリマクロ101における最上配線層と同じ第m配線層にて形成されるものとする。
【0029】
また、図2において示されている電源線や信号線などの配線105は、各ヒューズ素子を形成する配線層である第m配線層よりも上層側の配線層にて形成される配線を対象としている。
【0030】
続いて、以上のように構成された半導体装置の製造方法について図1に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
半導体装置200のウエハ製造工程として、まずトランジスタ工程TRにおいて、トランジスタのゲートや拡散層などを形成し、続いて配線工程において、まず最下配線層ME1から第m配線層MEmまでの配線工程11を順次行い、メモリマクロ101および冗長救済用ヒューズ素子群102を形成する。
【0031】
この時点で、ウエハ製造工程を一旦止め、冗長救済機能を備えたメモリマクロ101の機能テスト(メモリプリテスト106)を実施して、メモリの良否判定を行う。判定の結果、メモリマクロ101の冗長救済が可能であるチップに対しては、ヒューズ素子(第1ヒューズ素子)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング107)を実施し、不良メモリセルのアドレス情報をヒューズ素子へ書き込む冗長救済プログラミングを行う。
【0032】
その後、冗長救済後のメモリマクロ101のテスト(メモリポストテスト108)を実施した後、残りの配線層の製造工程を再開し、第m+1配線層から第n配線層までの製造工程12を実施する。電源線や信号線などの配線105もこの配線工程12において形成されるが、その際、冗長救済用ヒューズ素子群102に対するトリミング処理がすでに完了しており、レーザー照射によるダメージを考慮する必要はないので、冗長救済用ヒューズ素子群102の直上領域に配線を通過させることは可能である。そのように最上配線層である第n配線層の製造工程までの残りの製造工程を順次行い、多層配線構造を有する半導体装置の製造を完了する。そして、最後に半導体装置全体の検査109を行い、良品・不良品の選別を行う。
【0033】
以上のように本実施の形態1によれば、冗長救済用ヒューズ素子群102を形成するヒューズ素子を、半導体装置200における最上配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層MEmにて形成し、そのヒューズ素子を形成する配線層工程MEmが完了した段階で、冗長救済機能を備えた機能マクロ(メモリマク101)の機能(または特性)テスト(メモリプリテスト106)およびレーザーによるヒューズ素子の切断(ヒューズトリミング107)を実施し、その後、残りの配線層工程を完了させることにより、ヒューズ素子を形成する配線層MEmよりも上層側の配線層にて形成される電源線や信号線などの配線105は、ヒューズトリミング107の際のレーザー照射によるダメージを考慮する必要がなくなるため、ヒューズ素子群102の直上領域を通過することが可能となる。これにより、冗長救済用ヒューズ素子群102を配置することにより生じる配線制約を回避することができ、ヒューズ素子を半導体装置における最上配線層にて形成する場合と比べて、半導体装置の省面積化を図ることができる。
【0034】
なお、本実施の形態1では、ヒューズ素子群102を構成する各ヒューズ素子は、メモリマクロ101における最上配線層と同じ第m配線層にて形成されているが、必ずしもメモリマクロ101における最上配線層と同一の配線層にて形成される必要はなく、半導体装置200における最上配線層となる第n配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層であり、かつメモリマクロ101における最上配線層と同一配線層かあるいは上層側の配線層にて形成されている限り、すなわち、メモリマクロ101(第1機能マクロ)は、ヒューズ素子群102を構成する各ヒューズ素子(第1ヒューズ素子)を形成する配線層と同一かまたは下層側の配線層にて形成されている限り、上記の効果が得られることは説明するまでもない。
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法を説明するフローチャートであり、図4は図3に示した製造方法に従って作成される半導体装置に搭載されるメモリマクロを示すブロック図である。
【0035】
メモリマクロ201(第1機能マクロの一例)は、SRAMによって構成されており、内部クロックICLKに同期して動作する同期型SRAMである。
メモリマクロ201には、行列状に配列された多数のメモリセルより構成されるメモリアレイ部MAが設けられている。(図4においては、ひとつのメモリセルMCのみを簡略化して示してある。)
またメモリセルアレイ部MAは、各メモリセル行ごとに行方向に沿ってそれぞれ配置された複数のワード線WLを有している。(図4においては、メモリセルMCに対応するワード線WLのみを示してある。)
メモリセルアレイ部MAには、各メモリセル列ごとに列方向に沿ってそれぞれ配置された相補ビット線対BL/NBLが設けられている。(図4においては、メモリセルMCに対応する相補ビット線対BL/NBLのみを示してある。)
また半導体記憶装置201には、行デコーダRDCが設けられ、外部よりアドレス信号AD0ないしADxを受け取り、内部クロックICLKに同期して、アドレス信号AD0ないしADxによって指定されたメモリセルMCが接続されているワード線WLを活性化する。ワード線WLが活性化されると、メモリセルMCに保持されていたデータがビット線対BL/NBLに読み出される。
【0036】
またメモリマクロ201は、センスアンプSAMPおよびセンスアンプイネーブル信号SAEおよび制御回路部CTLを有する。
読み出し動作時において、制御回路部CTLは、外部から読み出し制御信号RCSが入力されると、内部クロックICLKに同期して、読み出し制御信号RCSに基づいてセンスアンプイネーブル信号SAEを活性化する。センスアンプSAMPは、センスアンプイネーブル信号SAEにより制御されており、メモリセルMCよりビット線対BL/NBLに読み出されたデータを増幅して外部に出力する(Dout)。
【0037】
通常、センスアンプSAMPの活性化タイミングは、センスアンプイネーブル信号SAEの配線負荷によるタイミングのバラツキに対してマージンを見込んで設計される。
ここで、制御回路部CTLはセンスアンプイネーブル信号SAEのタイミング調整回路として遅延回路部D(第2機能マクロの一例)を有する。
【0038】
またメモリマクロ201は、多数のヒューズ素子(第2ヒューズ素子の一例)より構成される特性調整用ヒューズ素子群110を有しており、ヒューズ素子を選択的に切断することにより、メモリマクロ201の回路要素である遅延回路部Dが有する遅延特性を調整することができ、その結果、センスアンプSAMPの活性化タイミングの最適化を図ることができる。
【0039】
ここで、本実施の形態2における半導体装置は、n層の多層配線構造を有するものとし、さらにこの半導体装置に搭載されるメモリマクロ201は、半導体装置における最上配線層となる第n配線層と同層か、もしくは少なくとも1層以上は下層側の配線層である第m配線層を最上配線層とするものとする。(n≧m)
さらに、本実施の形態2における特性調整用ヒューズ素子群110を構成する多数のヒューズ素子は、メモリマクロ201を構成する最上配線層である第m配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第k配線層にて形成されるものとする。(n≧m>k)
また、第k配線層の配線工程完了時には、少なくともメモリマクロ201の回路要素である遅延回路部Dおよびセンスアンプイネーブル信号SAEが形成され、センスアンプイネーブル信号SAEのタイミング検査が可能となっているものとする。
【0040】
ここで遅延回路部Dの構成としては、例えばインバータやバッファなどの遅延素子を複数個直列に接続する構成が考えられ、これらは論理回路で形成されるため、多くの配線層を必要とせず形成することは可能であり、メモリマクロ201全体を形成し終えるのに必要な配線層数よりも少ない配線層数で形成できるのは明らかである。
【0041】
続いて、以上のように構成された半導体装置の製造方法について図3に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
半導体装置のウエハ製造工程として、まずトランジスタ工程TRにおいて、トランジスタのゲートや拡散層などを形成し、続いて配線工程に進み、まずは最下配線層ME1から第k層目の配線層MEkまでの配線工程13を順次行い、少なくとも遅延回路部Dおよびセンスアンプイネーブル信号SAEおよび特性調整用ヒューズ素子群110の形成を完了させる。
【0042】
この時点で、ウエハ製造工程を一旦止め、センスアンプSAMP活性化のタイミング評価テスト111を行う。その結果、ヒューズ素子(第2ヒューズ素子)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング112)を行うことで、遅延回路部Dの遅延特性を調整し、その結果、センスアンプイネーブル信号SAEのセンスアンプSAMP活性化のタイミングにおけるマージンが最適化される。
【0043】
その後、残りの配線層の製造工程を再開し、第(k+1)配線層からメモリマクロ201における最上配線層である第m配線層工程を経て、最終配線工程である第n配線層までの製造工程14を実施する。この配線工程14にて形成される配線は、特性調整用ヒューズ素子群110に対するトリミング処理がすでに完了しているため、レーザー照射によるダメージを考慮する必要はないので、特性調整用ヒューズ素子群110の直上領域に配線を通過させることは可能である。そのように最上配線層である第n配線層の製造工程までの残りの製造工程14を順次行い、多層配線構造を有する半導体装置の製造を完了する。そして、最後に半導体装置全体の検査109を行い、良品・不良品の選別を行う。
【0044】
以上のように本実施の形態2によれば、半導体装置に搭載されるメモリマクロ201が完成される最上配線層MEmの配線工程よりも下層側の配線工程において、特性調整用ヒューズ素子群110およびメモリマクロ201が有する回路要素(機能マクロが有する機能の一部)である遅延回路部Dおよびセンスアンプイネーブル信号SAEの形成が完了した段階で、その遅延回路部Dの検査を行い、その検査結果に応じて遅延回路部Dが有する遅延特性を調整するため(回路要素の機能または特性を変更するため)、特性調整用ヒューズ素子群110におけるヒューズ素子(第2ヒューズ素子)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング)を実施し、その後、残りの配線工程を完了させることにより、ヒューズ素子を形成する第m配線層よりも上層側の配線層にて形成される電源線や信号線などの配線は、ヒューズトリミング112の際のレーザー照射によるダメージを考慮する必要がなくなるため、特性調整用ヒューズ素子群領域110上を通過することが可能となる。これにより特性調整用ヒューズ素子群110を配置することにより生じる配線制約を回避することができ、さらには、メモリマクロ201における最上配線層MEmの配線工程よりも下層側の配線工程においてヒューズ素子を形成するため、メモリマクロ201や半導体装置における最上配線層にてヒューズ素子を形成する場合と比べて、半導体装置のさらなる省面積化を図ることができる。
[実施の形態3]
図5は本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法を説明するフローチャートであり、図6は図5に示した製造方法に従って作成される半導体装置に搭載されるメモリマクロを示すブロック図である。
【0045】
本実施の形態3におけるメモリマクロ301はSRAMによって構成されており、内部クロックICLKに同期して動作する同期型SRAMである。前述した実施の形態2におけるタイミング特性調整機能を有するメモリマクロ201に対して、冗長救済機能を付加したものである。つまり実施の形態2におけるメモリマクロ201に対して、新たにスペア用セルとして配設される冗長メモリセル行RMAを有している。
【0046】
冗長メモリセル行RMAには、行方向に配列された多数の冗長用メモリセルRMCが設けられ(図6には、ひとつの冗長用メモリセルRMCのみを簡略化して示してある。)、行方向に沿って配置された冗長ワード線RWLを有しており、冗長メモリセル行RMAにおける各冗長メモリセルは相補ビット線対に接続されている。
【0047】
さらにメモリマクロ301は、多数のヒューズ素子(第1ヒューズ素子の一例)より構成される冗長救済用ヒューズ素子群102を有している。
メモリマクロ301の検査工程において不良メモリセル(ここではメモリセルMCが不良セルであるとする。)が確認されると、その不良メモリセルMCのアドレスは、対応する冗長救済用ヒューズ素子群102のヒューズ部をレーザーにより選択的に切断することにより記憶させる。
【0048】
またさらにメモリマクロ301は、冗長回路部(第1機能マクロの一例)RCを有しており、冗長救済用ヒューズ素子群102と冗長救済信号線112にて接続され、行デコーダとは行デコーダ非選択信号線113により接続され、不良メモリセルの置換時に冗長ワード線RWLを活性化させる。なお、メモリマクロ301の遅延回路部Dが第2機能マクロの一例を構成し、特性調整用ヒューズ素子群110のヒューズ素子が第2ヒューズ素子を構成している。
【0049】
メモリセルからのデータ読出しの際には、冗長回路部RCにおいて、入力アドレスAD0ないしADxが冗長救済用ヒューズ素子群102に記憶された不良セルのアドレスと比較され、双方のアドレスが不一致の場合は、冗長回路部RCにより、行デコーダ非選択信号線113が不活性とされ、入力アドレスAD0ないしADxにより選択される通常のメモリセルが選択される。一方で、入力アドレスAD0ないしADxが冗長救済用ヒューズ素子群102に記憶された不良セルのアドレスと一致した場合は、冗長回路部RCにより、行デコーダ非選択信号線113は活性化され、行デコーダRDCの選択動作が禁止されるため、不良メモリセルを含むメモリアレイ行は行デコーダRDCによって選択されなくなる。代わって、冗長回路部RCは冗長ワード線RWLを活性化し、冗長メモリセル行RMAが選択されることになり、冗長メモリセルRMCのデータが読み出される。つまり不良メモリセルMCを含むメモリアレイ行FMAが冗長メモリセル行RMAに置換されたことになり、不良メモリセルは冗長メモリセルRMCに置換される。
【0050】
ここで、本実施の形態3における半導体装置は、n層の多層配線構造を有するものとし、さらにこの半導体装置に搭載されるメモリマクロ301は、半導体装置における最上配線層となる第n配線層と同層か、もしくは少なくとも1層以上は下層側の配線層である第m配線層を最上配線層とするものとする。(n≧m≧2)
また冗長救済用ヒューズ素子群102を構成する多数のヒューズ素子(第1ヒューズ素子)は、メモリマクロ301における最上配線層である第m配線層にて形成されるものとし、さらに、特性調整用ヒューズ素子群110を構成する多数のヒューズ素子(第2ヒューズ素子)は、メモリマクロ301における最上配線層である第m配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第k配線層にて形成されるものとする。(n≧m>k)
また、特性調整用ヒューズ素子群110を構成する多数のヒューズ素子が形成される第k配線層の配線工程完了時には、少なくともメモリマクロ301の回路要素である遅延回路部Dおよびセンスアンプイネーブル信号SAEが形成されているものとする。遅延回路部Dの構成としては、例えばインバータやバッファなどの遅延素子を複数個直列に接続する構成が考えられ、これらは論理回路で形成されるため、複雑な配線は必要としないため、メモリマクロ301全体を形成するのに必要な配線層数よりも少ない配線層数で形成できるのは明らかである。
【0051】
続いて、以上のように構成されたメモリマクロ301を有する半導体装置の製造方法について図5のフローチャートにしたがって説明する。
半導体装置のウエハ製造工程として、まずトランジスタ工程TRにおいて、トランジスタのゲートや拡散層などを形成し、続いて配線工程に進み、まずは最下配線層ME1から第k層目の配線層MEkまでの配線工程15を順次行い、少なくとも遅延回路部Dおよびセンスアンプイネーブル信号SAEおよび特性調整用ヒューズ素子群110の形成を完了させる。
【0052】
この時点で、ウエハ製造工程を一旦止め、センスアンプSAMP活性化のタイミング評価テスト111を行う。その結果、最適なタイミングマージンとなるよう、ヒューズ素子(第2ヒューズ)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング112)を実施し、遅延回路部Dの遅延特性を最適化する。
【0053】
その後、配線工程を再開し、第(k+1)配線層から、メモリマクロ301および冗長救済用ヒューズ素子群102の形成が完了する第m層目の配線層MEmまでの配線工程を順次行う。その際、冗長救済用ヒューズ素子群102に対するトリミング処理107は後の工程にて実施されるため、レーザー照射によるダメージを回避するため、冗長救済用ヒューズ素子群102の直上領域は配線禁止とされるが、特性調整用ヒューズ素子群110に対するヒューズトリミング処理112がすでに完了しているため、それらのヒューズ素子群110の直上領域内に配線を通過させることは可能である。
【0054】
この時点で再度、ウエハ製造工程を一旦止め、冗長救済機能を備えたメモリマクロ301の機能テスト(メモリプリテスト106)を実施して、メモリの良否判定を行う。判定の結果、メモリ部の冗長救済が可能であるチップに対しては、ヒューズ素子(第1ヒューズ)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング107)を実施し、不良メモリセルのアドレス情報をヒューズ素子へ書き込む冗長救済プログラミングを行う。
【0055】
このようにして不良セルの救済が完了すると、メモリプリテスト106の結果、良品(PASS)と判定されたチップおよび不良メモリセルの冗長救済を行ったチップとを対象に、冗長救済後のメモリマクロ301のテスト(メモリポストテスト108)を実施する。
【0056】
そして配線の製造工程を再開し、第m+1配線層からメモリマクロにおける最上配線工程である第n配線層までの製造工程17を実施する。
その際、冗長救済用ヒューズ素子群102および特性調整用ヒューズ素子群110に対するヒューズトリミング処理107および112がすでに完了しているため、それらのヒューズ素子群102,112の直上領域内に配線を通過させることは可能である。そのように最上配線層である第n配線層の製造工程までの残りの製造工程17を順次行い、多層配線構造を有する半導体装置の製造を完了する。そして、最後に半導体装置全体の検査109を行い、良品・不良品の選別を行う。
【0057】
以上のように本実施の形態3によれば、お互いに異なる配線層により形成される冗長救済用ヒューズ素子群102および特性調整用ヒューズ素子群110を有し、それらヒューズ素子群のヒューズ素子をレーザーにより切断することにより、メモリマクロにおける冗長救済および遅延特性の変更が可能となるメモリマクロ301を搭載した半導体装置において、各ヒューズ素子群102,110を冗長救済および遅延特性の変更を行うため検査が可能となった配線工程における配線層にて形成し、ヒューズトリミングを実施することにより、個々のヒューズ素子をそれぞれ、許容できる最も下層側の配線層にて形成することが可能となり、その結果、メモリマクロ301や半導体装置における最上配線層にてヒューズ素子を形成する場合と比べて、それぞれのヒューズ素子群の直上領域を通過できる配線の形成にあたって、多くの配線層を用いることができるため、チップ配線における配線自由度が向上し、半導体装置のさらなる省面積化を図ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態3では、メモリポストテスト108の工程をヒューズトリミング107の後に実行しているが、半導体装置全体の検査109の工程の後に実行してもよい。
[実施の形態4]
図7は本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を説明するフローチャートであり、図8は図7に示した製造方法に従って作成される半導体装置に搭載される論理マクロおよびメモリマクロの接続を示すブロック図である。
【0059】
図8において、401はメモリマクロ(第1機能マクロの一例)、Lは論理回路により構成される論理マクロ(第2機能マクロの一例)を示す。
また、102および110はともにヒューズ素子群であり、ヒューズ素子群102はメモリマクロ401に対する冗長救済用ヒューズ素子群であり、ヒューズ素子群110は論理マクロLに対する特性調整用ヒューズ素子群である。論理回路マクロLに対する特性調整としては、特性調整用ヒューズ素子群110におけるヒューズ素子(第2ヒューズ素子の一例)をレーザーにより選択的に切断することにより、論理マクロLが有する、ここでは図示しない遅延要素部における遅延特性の最適化を図ることにより、出力タイミングを調整することが一例として考えられる。またヒューズ素子群102のヒューズが第1ヒューズ素子を構成している。
【0060】
また、メモリマクロ401と論理マクロLはシリアルに接続されており、入力信号線114により論理マクロLへ入力された入力データは、論理マクロLにて演算処理され、その出力データがメモリマクロ401に入力され書き込まれた後、任意のタイミングで読み出すことができる。
【0061】
さらに、論理マクロLの出力データを直接取り出すためのテスト用信号線115が設けられており、論理マクロL単独での特性検査117(図7)を行うことができるようになっている。
【0062】
そして、116はメモリマクロ401の出力信号線であり、メモリマクロ401の出力データ(出力信号線116)と論理マクロLの出力データ(テスト信号線115)との切替を、セレクタ回路部Sにて行うようになっている。
【0063】
ここで、本実施の形態4において説明する半導体装置は、n(n>2の整数)層の多層配線構造を有するものとし、半導体装置に搭載されるメモリマクロ401は、半導体装置における最上配線層である第n層目の配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第m配線層を最上配線層とし、メモリマクロ401における冗長救済用ヒューズ素子群102も第m配線層にて形成される。(n>m)
また半導体装置に搭載される論理マクロLは、メモリマクロ401における最上配線層である第m配線層よりも少なくとも1層以上は下層側の配線層である第k配線層を最上配線層とし、論理マクロLにおける特性調整用ヒューズ素子群110も第k配線層にて形成される。(n>m>k)
また論理マクロLの特性評価時に論理マクロLからの出力データが伝播するテスト用信号線115およびセレクタ回路Sも第k配線層までの配線工程にて形成されるものとする。(n>m>k)
以下において、以上のように構成された回路構成を含む本実施の形態4における半導体装置の製造方法について図7のフローチャートにしたがって説明する。
【0064】
半導体装置のウエハ製造工程として、まずトランジスタ工程TRにおいて、トランジスタのゲートや拡散層などを形成し、続いて配線工程に進む。まずは、最下配線層ME1から第k層目の配線層MEkまでの配線工程18を順次行い、論理マクロLおよび特性調整用ヒューズ素子群110を形成する。
【0065】
この時点で、ウエハ製造工程を一旦止めて、論理マクロLの特性検査117を実施する。論理マクロLの出力データは、テスト用信号線115を伝播し、セレクタSを介して外部に出力され、評価することができる。その評価結果に応じて、例えば、論理マクロLが有する、ここでは図示しない遅延素子の段数を決定し、特性調整用ヒューズ素子群110におけるヒューズ素子(第2ヒューズ素子)をレーザーにより切断することで段数変更を行う。
【0066】
その後、以降の配線工程を再開し、第(k+1)配線層から、メモリマクロ401および冗長救済用ヒューズ素子群102の形成が完了する第m層目の配線層MEmまでの配線工程19を順次行う。その際、冗長救済用ヒューズ素子群102に対するトリミング処理は後の工程にて実施されるため、レーザー照射によるダメージを回避するため、冗長救済用ヒューズ素子群102の直上領域は配線禁止とされるが、特性調整用ヒューズ素子群110に対するトリミング処理がすでに完了しているため、それらのフューズ素子群の直上領域内に配線を通過させることは可能である。
【0067】
この時点で再度、ウエハ製造工程を一旦止め、冗長救済機能を備えたメモリマクロ401の機能テスト(メモリプリテスト106)を実施して、メモリの良否判定を行う。判定の結果、メモリマクロ401の冗長救済が可能であるチップに対しては、冗長救済用ヒューズ素子群102のヒューズ素子(第1ヒューズ素子)のレーザーによる切断(ヒューズトリミング107)を実施し、不良メモリセルのアドレス情報をヒューズ素子へ書き込む冗長救済プログラミングを行う。
【0068】
このようにして不良セルの救済が完了すると、メモリプリテスト106の結果、良品(PASS)と判定されたチップおよび不良メモリセルの冗長救済を行ったチップとを対象に、冗長救済後のメモリマクロ401のテスト(メモリポストテスト108)を実施する。
【0069】
そして配線の製造工程を再開し、第(m+1)配線層からメモリマクロ401における最上配線工程である第n配線層までの製造工程20を実施する。
その際、冗長救済用ヒューズ素子群102および特性調整用ヒューズ素子群110に対するトリミング処理がすでに完了しているため、それらのヒューズ素子群102,110の直上領域内に配線を通過させることは可能である。そのように最上配線層である第n配線層の製造工程までの残りの製造工程20を順次行い、多層配線構造を有する半導体装置の製造を完了する。そして、最後に半導体装置全体の検査109を行い、良品・不良品の選別を行う。
【0070】
以上のように本実施の形態4によれば、お互いに機能が異なり、かつお互いに異なる配線層を最上配線層とするメモリマクロ401と論理マクロLとが、それぞれ個別のヒューズ素子群102,110を有し、それらヒューズ素子群102,110のヒューズをレーザーにより切断することにより、個々の機能マクロ(メモリマクロ401と論理マクロL)ごとに機能または特性の変更が可能となる半導体装置において、各機能マクロに対応するヒューズ素子群102,110を、それぞれの機能マクロにおける機能または特性の評価が可能となる配線層工程における配線層にて形成し、その工程が完了した時点でヒューズトリミング118,107を実施することにより、個々のヒューズ素子は、許容できる最も下層側の配線層にて形成することが可能となり、その結果、メモリマクロ401や半導体装置における最上配線層にてヒューズ素子を形成する場合と比べて、それぞれのヒューズ素子群102,110の直上領域を通過できる配線の形成にあたって、多くの配線層を用いることができるため、チップ配線における配線自由度が向上し、半導体装置のさらなる省面積化を図ることができる。
【0071】
なお、本実施の形態4では、メモリポストテスト108の工程をヒューズトリミング107の後に実行しているが、半導体装置全体の検査109の工程の後に実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明にかかる半導体装置およびその製造方法は、チップ配線における配線自由度が向上し、半導体装置のさらなる省面積化を図ることができるという効果を有し、省面積な半導体装置が必要とされる分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】図1で示される半導体装置の製造方法により作成される半導体装置の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図3で示される半導体装置の製造方法により作成されるメモリマクロのブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】図5で示される半導体装置の製造方法により作成されるメモリマクロのブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】図7で示される半導体装置の製造方法により作成される半導体装置に搭載される論理マクロおよびメモリマクロの接続を示したブロック図である。
【図9】従来の半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図10】図9で示される半導体装置の製造方法により作成される従来の半導体装置の平面図である。
【符号の説明】
【0074】
11〜20 配線工程
200 半導体装置
201,301,401 メモリマクロ
102 冗長救済用ヒューズ素子群
103 冗長救済信号線
104 電源パッド
105 電源線や信号線などの配線
106 メモリプリテスト工程
107,112,118 ヒューズトリミング
108 メモリポストテスト工程
109 半導体装置全体の検査工程
110 特性調整用ヒューズ素子群
111 タイミング評価工程
113 行デコーダ非選択信号線
114 論理マクロへの入力信号線
115 テスト用信号線
116 メモリマクロの出力信号線
117 論理マクロ特性検査工程
ADx アドレス信号
BL/NBL 相補ビット線対
CTL 制御回路部
D 遅延回路部
FMA 不良セルを含むメモリアレイ行
L 論理マクロ
MA メモリアレイ部
MC メモリセル
MEx 第x層目の配線工程
RC 冗長回路部
RCS 読み出し制御信号
RDC 行デコーダ
RMA 冗長メモリアレイ行
RMC 冗長メモリセル
RWL 冗長ワード線
S セレクタ回路
SAE センスアンプイネーブル信号
SAMP センスアンプ
TR トランジスタのゲートおよび拡散層形成工程
WL ワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冗長救済用第1ヒューズ素子とこの第1ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第1機能マクロを備え、多層配線構造を有する半導体装置であって、
前記第1ヒューズ素子が最上配線層より下層側の配線層にて形成されていること
を特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層にて形成される配線が、前記第1ヒューズ素子の領域直上に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1機能マクロは、前記第1ヒューズ素子を形成する配線層と同一かまたは下層側の配線層にて形成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層より下層側の配線層に、第2ヒューズ素子が形成されていること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1機能マクロは、前記第1ヒューズ素子を切断することにより機能または特性が変更され、前記第2ヒューズ素子を切断することで他の機能または特性が変更されること
を特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
第2機能マクロを具備し、前記第2機能マクロにおける最上配線層が、前記第2ヒューズ素子を形成する配線層よりも下層側の配線層であり、かつ前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも下層側の配線層であること
を特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2機能マクロは、前記第2ヒューズ素子を切断することで機能または特性の変更が可能であること
を特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
冗長救済用第1ヒューズ素子と前記第1ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第1機能マクロを備え、多層配線構造を有する半導体装置の製造方法であって、
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第1機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第1ヒューズ素子を切断した後に、残りの全ての製造工程を完了すること
を特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1機能マクロの検査工程において、前記第1機能マクロの良否判定に最低限必要な機能および特性の検査を行うこと
を特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層の製造工程により、前記第1機能マクロにおける残りの機能の検査を行うこと
を特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層よりも上層側の配線層の製造工程において、第1ヒューズ素子の領域直上に配線を形成すること
を特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1ヒューズ素子を形成する配線層および第1機能マクロの最上配線層より下層側の配線層に、第2ヒューズ素子およびこの第2ヒューズ素子を切断することにより機能や特性等の変更が可能である第2機能マクロを形成すること
を特徴とする請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第2ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第2機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第2ヒューズ素子を切断した後に、前記第1機能マクロおよび第1ヒューズ素子を形成する配線層の製造工程が完了した時点で前記第1機能マクロの検査を行い、検査結果に応じて前記第1ヒューズ素子を切断した後に、残りの全ての製造工程を完了すること
を特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−27519(P2007−27519A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209330(P2005−209330)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】