説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】多層プリント配線板の上面側に設けられた凹部内にCSPと呼ばれる半導体構成体を搭載した半導体装置において、凹部の底面に半導体構成体搭載用の半田を特殊な設備を用いることなく供給する。
【解決手段】多層プリント配線板1の凹部4内に、複数の円孔12を有し、且つ、前記円孔12内およびその上下に突出して設けられた半田ボール13aを有する半田支持シート11を配置する。次に、その上に半導体構成体21をフェースダウン方式で配置する。次に、リフローを行うことにより、多層プリント配線板1の凹部4内において半田支持シート11上に半導体構成体21をフェースダウン方式で搭載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器では、高機能化、小型化が求められている。そのため、半導体チップやコンデンサ等の各種素子を電気的に接続するための基板であり、配線層を3層以上積層することで高密度配線とした多層プリント配線板が、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器に組み込まれている。
【0003】
従来の半導体装置には、多層プリント配線板の上面側中央部に設けられた凹部内にICチップがフェースアップ方式で搭載されたものがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、多層プリント配線板およびICチップの上面には上層絶縁膜が設けられている。上層絶縁膜の上面には上層配線が設けられている。上層配線は、上層絶縁膜に設けられた開口部を介して、ICチップの上面に設けられた接続パッドに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−16857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の半導体装置では、多層プリント配線板の凹部内にICチップをフェースアップ方式で搭載しているが、フェースダウン方式で搭載することが考えられる。すなわち、多層プリント配線板のうち凹部内に露出された配線のランド上に半田を供給し、この供給された半田を介して、ICチップをフェースダウン方式で搭載することが考えられる。この場合、半田を供給する方法としては印刷法やディスペンサを用いた方法が知られている。しかしながら、このような方法では、平坦な面ではなく、多層プリント配線板のうち凹部内に露出された配線のランド上に半田を供給するには、それ専用の特殊な設備が必要になるという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、特殊な設備を用いることなく、多層プリント配線板の凹部内に半導体構成体をフェースダウン方式で搭載することができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る半導体装置は、一方の面に凹部が設けられ、複数の配線を有する多層基板と、複数の孔を有する半田支持シートと、半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体と、を備え、前記凹部内の前記多層基板上に露出された前記配線と、前記半導体構成体の前記外部接続用電極とが、前記前記孔に形成された半田部を介して接続されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明に係る半導体装置の製造方法は、複数の孔が設けられた半田支持シートの前記孔に半田部を形成し、一方の面に凹部を有する多層基板の前記凹部内に、前記半田支持シートを配置し、半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体を、前記半田支持シート上に配置し、前記半導体構成体の前記外部接続用電極が前記半田部に接合されると共に、前記半田部が前記凹部内の前記多層基板上に露出された配線に接合されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、多層基板の凹部内に、複数の孔を有し、且つ、前記孔に形成された半田部を有する半田支持シートを配置し、半田支持シート上に半導体構成体を配置し、半導体構成体の外部接続用電極が前記半田部に接合されると共に、半田部が凹部内の多層基板上に露出された配線に接合されることにより、特殊な設備を用いることなく、多層基板の凹部内に半導体構成体をフェースダウン方式で搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施形態としての半導体装置の平面図。
【図2】図1のII−II線にほぼ沿う部分の断面図。
【図3】図1および図2に示す半導体装置の製造方法の一例において、当初準備したものの断面図。
【図4】図3に示す半田支持シートの平面図。
【図5】(A)〜(C)は半田支持シートへの半田ボールの支持方法の一例を説明するために示す断面図。
【図6】図3に続く工程の断面図。
【図7】図6に続く工程の断面図。
【図8】図7に続く工程の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1はこの発明の一実施形態としての半導体装置の平面図を示し、図2は図1のII−II線にほぼ沿う部分の断面図を示す。この半導体装置は平面方形状の多層プリント配線板1を備えている。多層プリント配線板(多層基板)1は複数例えば7枚の絶縁基板2と絶縁基板2の枚数よりも1つ多い数の配線3とが交互に積層された構造となっている。この場合、絶縁基板2は、プリント配線板用として用いられている材料からなり、一例を挙げれば、ガラス布、ガラス繊維、アラミド繊維等からなる基材にエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等からなる熱硬化性樹脂を含浸させたものからなっている。配線3は銅等によって形成されている。
【0011】
多層プリント配線板1の上面側中央部には平面方形状の凹部4が設けられている。この場合、凹部4は上側の4層の絶縁基板2に設けられているので、上から5層目の絶縁基板2の上面中央部および前記上面中央部に設けられた配線3は凹部4を介して露出されている。この露出された配線3を含む上から5層目の絶縁基板2の上面にはソルダーレジスト等からなるオーバーコート膜5が設けられている。当該露出された配線3のランドに対応する部分におけるオーバーコート膜5には開口部6が設けられている。
【0012】
多層プリント配線板1において、最下層の配線3を含む最下層の絶縁基板2の下面にはソルダーレジスト等からなる下層オーバーコート膜7が設けられている。最下層の配線3のランドに対応する部分における下層オーバーコート膜7には開口部8が設けられている。
【0013】
多層プリント配線板1の凹部4以外の部分において、最上層の配線3を含む最上層の絶縁基板2の上面全体にはソルダーレジスト等からなる上層オーバーコート膜9が設けられている。ここで、凹部4に対応する部分における上層オーバーコート膜9には、凹部4の上部を実質的に構成する開口部が設けられている。すなわち、凹部4は、実質的には、上側の4層の絶縁基板2および上層オーバーコート膜9に設けられている。
【0014】
凹部4内においてオーバーコート膜5上には半田支持シート11が配置され、その上には半導体構成体21が配置されている。まず、半導体構成体21について説明する。半導体構成体21は、一般的にはCSP(chip size package)と呼ばれるものであり、平面方形状のシリコンまたはGaAs等からなる半導体基板22を備えている。
【0015】
半導体基板22の下面には、図示していないが、所定の機能の集積回路を構成する素子、例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等の素子が形成されている。半導体基板22の下面周辺部には、上記集積回路の各素子に接続されたアルミニウム系金属等からなる複数の接続パッド23が設けられている。
【0016】
接続パッド23の中央部を除く半導体基板22の下面には、詳細には図示していないが、パッシベーション膜および樹脂保護膜の2層からなる絶縁膜24が設けられている。絶縁膜24の下面には銅等からなる複数の配線25が設けられている。配線25の一端部は、絶縁膜24に設けられた開口部を介して接続パッド23に接続されており、他端部はランドとなっている。
【0017】
配線25のランド下面には銅からなる柱状の外部接続用電極26が設けられている。配線25を含む絶縁膜14の下面において外部接続用電極26の周囲にはシリカフィラーを含むエポキシ系樹脂等からなる封止膜27が設けられている。ここで、外部接続用電極26は、半導体基板22の下面側に平面的に見てマトリクス状に配置されている。
【0018】
次に、半田支持シート11について説明する。半田支持シート11は、ポリイミド系樹脂等の耐熱性樹脂によって平面方形状に形成されている。半田支持シート11の平面サイズは、凹部4の平面サイズよりもやや小さく、半導体構成体21の平面サイズよりもやや大きくなっている。半導体構成体21の外部接続用電極26に対応する部分における半田支持シート11には円孔(孔)12がマトリクス状に設けられている(図4参照)。半田支持シート11の円孔12内には半田部13が半田支持シート11の上下に突出されて設けられている。
【0019】
そして、半導体構成体21は、その外部接続用電極26が半田支持シート11の上側に突出された半田部13に接合され、且つ、半田支持シート11の下側に突出された半田部13がオーバーコート膜5の開口部6を介して前記オーバーコート膜5下の配線3のランドに接合されていることにより、凹部4内においてオーバーコート膜5上に配置された半田支持シート11上にフェースダウン方式で搭載されている。この状態では、半導体構成体21の上面は上層オーバーコート膜9の上面よりも下側に位置している。
【0020】
次に、この半導体装置の製造方法の一例について説明する。ます、図3に示すように、多層プリント配線板1、半田支持シート11および半導体構成体21を準備する。この場合、多層プリント配線板1の上面側中央部には凹部4が設けられている。凹部4の底面には開口部6を有するオーバーコート膜5が設けられている。
【0021】
多層プリント配線板1の下面には開口部8を有する下層オーバーコート膜7が設けられている。凹部4の周囲における多層プリント配線板1の上面全体には上層オーバーコート膜9が設けられている。この場合も、凹部4は、実質的には、上側の4層の絶縁基板2および上層オーバーコート膜9に設けられている。
【0022】
半田支持シート11には、図4の平面図にも示すように、複数の円孔12がマトリクス状に設けられている。半田支持シート11の円孔12の周囲には複数例えば4つの切り込み線14が設けられている。円孔12および切り込み線14はパンチングにより同時に形成される。円孔12内には、直径が円孔12の直径よりもやや大きい球状の半田ボール(半田部)13aが嵌め込まれている。この場合、切り込み線14は半田ボール13aの円孔12内への嵌め込みを容易とするためのものである。この状態では、半田ボール13aは半田支持シート11の上下にほぼ均等に突出されている。
【0023】
ここで、半田支持シート11への半田ボール13aの支持方法の一例について説明する。まず、図5(A)に示すように、半田ボール載置台31を準備する。この半田ボール載置台31の上面には、半球形状よりもある程度小さい形状の複数の凹部32がマトリクス状に設けられている。次に、図5(B)に示すように、半田ボール載置台31の凹部32上に球状の半田ボール13aを載置する。この状態では、半田ボール13aの上半分よりもある程度多い部分は半田ボール載置台31上に突出されている。
【0024】
次に、図5(C)に示すように、半田ボール載置台31の上面にその上側から半田支持シート11を位置合わせして押し付けると、半田支持シート11の円孔12内に半田ボール13aが半田支持シート11の上下にほぼ均等に突出されて嵌め込まれる。この場合、半田ボール13aの直径が円孔12の直径よりもやや大きくても、切り込み線14の存在により、半田ボール13aの円孔12内への嵌め込みを容易とすることができる。また、半田ボール13aの直径が円孔12の直径よりもやや大きいので、円孔12内に嵌め込まれた半田ボール13aが抜けにくいようにすることができる。
【0025】
さて、図3に示すものを準備したら、次に、図6に示すように、凹部4内におけるオーバーコート膜5上に半田支持シート11を位置合わせして配置する。この配置方法は手動であってもよく、また吸着ロボットを用いたものであってもよい。この状態では、半田ボール13aの下部はオーバーコート膜5の開口部6内に配置されている。ここで、半田ボール13aの直径はオーバーコート膜5の開口部6の直径よりもある程度大きくなっている。
【0026】
次に、図7に示すように、半田支持シート11の周辺部以外の上面および半田支持シート11の上側に突出された半田ボール13aの表面に、スプレーやディスペンサ等を用いて、フラックス33を膜状に塗布する。
【0027】
次に、図8に示すように、半田ボール13aの表面に塗布されたフラックス33上に半導体構成体21の外部接続用電極26を位置合わせして載置する。この状態では、フラックス33がある程度の粘着性を有するので、半導体構成体21は半田ボール13aの表面に塗布されたフラックス33上に仮固定される。
【0028】
次に、リフロー炉による加熱を行うと、図2に示すように、フラックス33が蒸発し、半導体構成体21の外部接続用電極26が半田支持シート11の上側に突出された半田部13に接合され、且つ、半田支持シート11の下側に突出された半田部13がオーバーコート膜5の開口部6を介して前記オーバーコート膜5下の配線3のランドに接合されることにより、凹部4内においてオーバーコート膜5上に配置された半田支持シート11上に半導体構成体21がフェースダウン方式で搭載される。この場合、半田支持シート11はポリイミド系樹脂等の耐熱性樹脂によって形成されているので、リフロー炉による加熱を行っても別に問題はない。かくして、図1および図2に示す半導体装置が得られる。
【0029】
以上のように、この半導体装置の製造方法では、多層プリント配線板1の凹部4内に、複数の円孔12を有し、且つ、前記円孔12内およびその上下に突出して設けられた半田ボール13aを有する半田支持シート11を配置し、その上に半導体構成体21をフェースダウン方式で配置し、リフローを行うことにより、多層プリント配線板1の凹部4内において半田支持シート11上に半導体構成体21をフェースダウン方式で搭載しているので、特殊な設備を用いることなく、多層プリント配線板1の凹部4内に半導体構成体21をフェースダウン方式で搭載することができる。
【0030】
また、この半導体装置の製造方法では、多層プリント配線板1の凹部4内に、複数の円孔12に半田ボール13aを埋め込んだ半田支持シート11を配置し、半導体構成体21をフェースダウン方式で配置した後、リフローを行うことにより、凹部4内の多層プリント配線板1上に露出された配線3と、半導体構成体21の外部接続用電極26とが、円孔12内の半田部13を介して接続される。
【0031】
したがって、半田ボール13aは半田支持シート11に嵌め込まれた状態でリフローされるので、半田ボール13aが不必要に潰れて聞く広がることはない。そのため、高温や昇温が繰り返されても半田層にクラックが発生しにくく、実装信頼性の向上を図れる。また、半田部13の中央付近の周囲は半田支持シート11の円孔12によって囲まれているため、各半田部13間のピッチが狭い場合でも、ショートすることはない。
【0032】
なお、半導体構成体21の外部接続用電極26の下面に半田突起を設け、この半田突起を半田支持シート11の上側に突出された半田部13に接合するようにしてもよい。この場合、半導体構成体21の外部接続用電極26の下面に設けられた半田突起は、リフロー後に、半田支持シート11の上側に突出された半田部13と一体化される。すなわち、半田支持シート11の上側に突出された半田部13は、半導体構成体21の外部接続用電極26の下面に設けられた半田突起を含むことになる。
【0033】
また、半田支持シート11の円孔12に当初嵌め込む半田は球状の半田ボール13aではなく、円柱形状の半田部であってもよい。また、例えば、半田支持シートに方形孔を設け、この方形孔に角柱形状の半田部を嵌め込むようにしてもよい。この場合も、半田支持シートの方形孔の周囲に複数の切り込み線を設ける方が望ましい。
【0034】
また、半田支持シートの孔に嵌め込む半田部が円柱形状または角柱形状である場合には、図5に示すような半田載置台の凹部を円柱形状または角柱形状とし、その深さを任意に設定し、且つ、円柱形状または角柱形状の半田部の長さを任意に設定し、半田支持シートの孔に嵌め込まれた円柱形状または角柱形状の半田部の半田支持シートの上下に突出する突出長をそれぞれ任意に設定するようにしてもよい。
【0035】
さらに、半導体構成体は上記構成の半導体構成体に限らず、例えば、半導体基板の下面に接続パッド(外部接続用電極)が設けられ、接続パッドの中央部を除く半導体基板の下面に絶縁膜が設けられたものであってもよい。また、多層プリント配線板1の最下層の配線3のランド下面に半田突起を設けるようにしてもよい。また、最上層の配線3のランドに対応する部分における上層オーバーコート膜8に開口部を設け、上層オーバーコート膜8上にコンデンサや抵抗等からなるチップ部品を最上層の配線3のランドに半田を介して接続させて搭載するようにしてもよい。
【0036】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0037】
(付記)
請求項1に記載の発明は、一方の面に凹部が設けられ、複数の配線を有する多層基板と、
複数の孔を有する半田支持シートと、
半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体と、
を備え、
前記凹部内の前記多層基板上に露出された前記配線と、前記半導体構成体の前記外部接続用電極とが、前記前記孔に形成された半田部を介して接続されていることを特徴とする半導体装置である。
【0038】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記多層基板は、複数の絶縁基板と前記複数の絶縁基板の枚数よりも1つ多い数の配線とが交互に積層され、
前記半田支持シート及び前記半導体構成体は前記凹部内に設けられており、
前記半田部は、前記孔内およびその上下に突出して設けられており、
前記孔の下側に突出された前記半田部が前記多層基板のうち前記凹部内に露出された配線のランドに接合され、
前記外部接続用電極は、前記半田支持シートの上側に突出された前記半田部に接合された状態で接続されていることを特徴とする半導体装置である。
【0039】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記半田支持シートの孔の周囲に切り込み線が設けられており、前記半田支持シートの孔は円孔であることを特徴とする半導体装置である。
【0040】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板のうち前記凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上にオーバーコート膜が設けられ、前記半田支持シートの下側に突出された前記半田部は前記オーバーコート膜に設けられた開口部を介して前記オーバーコート膜下に設けられた前記配線のランドに接合されていることを特徴とする半導体装置である。
【0041】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板の凹部以外の上面に上層オーバーコート膜が設けられ、前記半導体構成体の上面は前記上層オーバーコート膜の上面よりも下側に位置していることを特徴とする半導体装置である。
【0042】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板の下面に下層オーバーコート膜が設けられ、前記多層基板の最下層の配線のランドは前記下層オーバーコート膜に設けられた開口部を介して露出されていることを特徴とする半導体装置である。
【0043】
請求項7に記載の発明は、複数の孔が設けられた半田支持シートの前記孔に半田部を形成し、
一方の面に凹部を有する多層基板の前記凹部内に、前記半田支持シートを配置し、
半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体を、前記半田支持シート上に配置し、
前記半導体構成体の前記外部接続用電極が前記半田部に接合されると共に、前記半田部が前記凹部内の前記多層基板上に露出された配線に接合されることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0044】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記多層基板は、複数の絶縁基板と前記負数の絶縁基板の枚数よりも1つ多い数の配線とが交互に積層され、
前記半田部は、前記孔内およびその上下に突出して設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0045】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記半田支持シートの孔の周囲に切り込み線が設けられており、前記半田支持シートの孔は円孔であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0046】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記半田部は当初球状であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0047】
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10の何れか一項に記載の発明において、前記半田部を有する前記半田支持シートは、半田載置台の上面側に設けられた複数の凹部内に前記半田部を前記半田載置台の上面側に突出させて載置し、前記半田載置台の上面にその上側から前記半田支持シートを押し付けて、前記半田支持シートの孔内に前記半田部が前記半田支持シートの上下に突出されて嵌め込まれることにより、得たものであることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0048】
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11の何れか一項に記載の発明において、前記多層プリント配線板のうち前記凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上にオーバーコート膜が設けられ、前記半田支持シートの下側に突出された前記半田部は前記オーバーコート膜に設けられた開口部を介して前記オーバーコート膜下に設けられた前記配線のランドに接合されることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0049】
請求項13に記載の発明は、請求項7乃至12の何れか一項に記載の発明において、前記半田支持シートの上側に突出された前記半田部は、前記半導体構成体の外部接続用電極下に当初設けられた半田突起を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0050】
請求項14に記載の発明は、請求項7乃至13の何れか一項に記載の発明において、前記多層プリント配線板の凹部内に前記半田部を有する前記半田支持シートを配置した後に、前記半田部を含む前記半田支持シートの上面にフラックスを膜状に塗布することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【符号の説明】
【0051】
1 多層プリント配線板(多層基板)
2 絶縁基板
3 配線
4 凹部
5 オーバーコート膜
11 半田支持シート
12 円孔(孔)
13 半田部
14 切り込み線
21 半導体構成体
22 半導体基板
26 外部接続用電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に凹部が設けられ、複数の配線を有する多層基板と、
複数の孔を有する半田支持シートと、
半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体と、
を備え、
前記凹部内の前記多層基板上に露出された前記配線と、前記半導体構成体の前記外部接続用電極とが、前記前記孔に形成された半田部を介して接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記多層基板は、複数の絶縁基板と前記複数の絶縁基板の枚数よりも1つ多い数の配線とが交互に積層され、
前記半田支持シート及び前記半導体構成体は前記凹部内に設けられており、
前記半田部は、前記孔内およびその上下に突出して設けられており、
前記孔の下側に突出された前記半田部が前記多層基板のうち前記凹部内に露出された配線のランドに接合され、
前記外部接続用電極は、前記半田支持シートの上側に突出された前記半田部に接合された状態で接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発明において、前記半田支持シートの孔の周囲に切り込み線が設けられており、前記半田支持シートの孔は円孔であることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板のうち前記凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上にオーバーコート膜が設けられ、前記半田支持シートの下側に突出された前記半田部は前記オーバーコート膜に設けられた開口部を介して前記オーバーコート膜下に設けられた前記配線のランドに接合されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板の凹部以外の上面に上層オーバーコート膜が設けられ、前記半導体構成体の上面は前記上層オーバーコート膜の上面よりも下側に位置していることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の発明において、前記多層基板の下面に下層オーバーコート膜が設けられ、前記多層基板の最下層の配線のランドは前記下層オーバーコート膜に設けられた開口部を介して露出されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
複数の孔が設けられた半田支持シートの前記孔に半田部を形成し、
一方の面に凹部を有する多層基板の前記凹部内に、前記半田支持シートを配置し、
半導体基板および外部接続用電極を有する半導体構成体を、前記半田支持シート上に配置し、
前記半導体構成体の前記外部接続用電極が前記半田部に接合されると共に、前記半田部が前記凹部内の前記多層基板上に露出された配線に接合されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の発明において、前記多層基板は、複数の絶縁基板と前記負数の絶縁基板の枚数よりも1つ多い数の配線とが交互に積層され、
前記半田部は、前記孔内およびその上下に突出して設けられていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の発明において、前記半田支持シートの孔の周囲に切り込み線が設けられており、前記半田支持シートの孔は円孔であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の発明において、前記半田部は当初球状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7乃至10の何れか一項に記載の発明において、前記半田部を有する前記半田支持シートは、半田載置台の上面側に設けられた複数の凹部内に前記半田部を前記半田載置台の上面側に突出させて載置し、前記半田載置台の上面にその上側から前記半田支持シートを押し付けて、前記半田支持シートの孔内に前記半田部が前記半田支持シートの上下に突出されて嵌め込まれることにより、得たものであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項7乃至11の何れか一項に記載の発明において、前記多層プリント配線板のうち前記凹部内に露出された配線を含む絶縁基板上にオーバーコート膜が設けられ、前記半田支持シートの下側に突出された前記半田部は前記オーバーコート膜に設けられた開口部を介して前記オーバーコート膜下に設けられた前記配線のランドに接合されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項7乃至12の何れか一項に記載の発明において、前記半田支持シートの上側に突出された前記半田部は、前記半導体構成体の外部接続用電極下に当初設けられた半田突起を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項7乃至13の何れか一項に記載の発明において、前記多層プリント配線板の凹部内に前記半田部を有する前記半田支持シートを配置した後に、前記半田部を含む前記半田支持シートの上面にフラックスを膜状に塗布することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−190871(P2012−190871A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50986(P2011−50986)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(311014314)株式会社テラミクロス (42)
【Fターム(参考)】