説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】高精度で信頼性の高い半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、第1の主面および第1の主面とは反対側の第2の主面を有する基板10と、基板10の第1の主面上に実装された半導体チップ20と、半導体チップ20を封止した樹脂40と、基板10の第1の主面上に配置され、樹脂40の一部をレーザ加工により除去することで樹脂40から少なくとも一部を露出した半田ボール30と、基板10の第2の主面上に配置された半田ボール50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田ボールを備えた半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置の樹脂面側に接続用端子(半田ボール)を露出させるため、個別CAVなどを用いて半田ボールを露出させる技術がある。また、基板上に半田ボールを配置してから基板上の半導体チップと半田ボールとを一括して樹脂封止し、続いて、ダイシングによるハーフカットなどで半田ボールを露出させる技術も知られている。
【0003】
また特許文献1および特許文献2には、レーザ光を用いて半導体基板を切断する半導体切断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−329358号公報
【特許文献2】特開2007−329359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のように個別CAVなどを用いた技術では、樹脂漏れや樹脂塗布性の問題が生じる場合がある。また、ダイシングによるハーフカットで半田ボールを露出させると、パッケージ樹脂の反りなどの影響により、樹脂の高さを高精度に制御することが困難である。このように、従来技術では、高精度で信頼性の高い半導体装置を得ることはできない。
【0006】
また、特許文献1および特許文献2には、半導体基板を切断するための半導体切断装置が開示されているが、半田ボールを露出させるために半導体チップを封止した樹脂の一部を除去することは開示されていない。
【0007】
そこで本発明は、高精度で信頼性の高い半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としての半導体装置は、第1の主面および該第1の主面とは反対側の第2の主面を有する基板と、前記基板の前記第1の主面上に実装された半導体チップと、前記半導体チップを封止した樹脂と、前記基板の前記第1の主面上に配置され、前記樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該樹脂から少なくとも一部を露出した第1の半田ボールと、前記基板の前記第2の主面上に配置された第2の半田ボールとを有する。
【0009】
本発明の他の側面としての半導体装置は、第1の主面および該第1の主面とは反対側の第2の主面を有する第1の基板と、前記第1の基板の前記第1の主面上に実装された第1の半導体チップと、前記第1の半導体チップを封止した第1の樹脂と、前記第1の基板の前記第1の主面上に配置され、前記第1の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該第1の樹脂から少なくとも一部を露出した第1の半田ボールと、前記第1の基板の前記第2の主面上に配置された第2の半田ボールと、第3の主面および該第3の主面とは反対側の第4の主面を有する第2の基板と、前記第2の基板の前記第3の主面上に実装された第2の半導体チップと、前記第2の半導体チップを封止した第2の樹脂と、前記第2の基板の前記第3の主面上に配置され、前記第2の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該第2の樹脂から少なくとも一部を露出した第3の半田ボールと、前記第2の基板の前記第4の主面上に配置された第4の半田ボールとを有し、前記第1の半田ボールと前記第4の半田ボールとを接続することにより多層パッケージが構成されている。
【0010】
本発明の他の側面としての半導体装置の製造方法は、基板の第1の主面上に半導体チップを実装するステップと、前記基板の前記第1の主面上に第1の半田ボールを配置するステップと、樹脂を用いて前記半導体チップおよび前記第1の半田ボールを封止するステップと、前記樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第1の半田ボールの少なくとも一部を該樹脂から露出させるステップと、前記基板の第2の主面上に第2の半田ボールを配置するステップとを有する。
【0011】
本発明の他の側面としての半導体装置の製造方法は、第1の基板の第1の主面上に第1の半導体チップを実装するステップと、前記第1の基板の前記第1の主面上に第1の半田ボールを配置するステップと、第1の樹脂を用いて前記第1の半導体チップおよび前記第1の半田ボールを封止するステップと、前記第1の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第1の半田ボールの少なくとも一部を該第1の樹脂から露出させるステップと、前記第1の基板の第2の主面上に第2の半田ボールを配置するステップと、第2の基板の第3の主面上に第2の半導体チップを実装するステップと、前記第2の基板の前記第3の主面上に第3の半田ボールを配置するステップと、第2の樹脂を用いて前記第2の半導体チップおよび前記第3の半田ボールを封止するステップと、前記第2の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第3の半田ボールの少なくとも一部を該第2の樹脂から露出させるステップと、前記第2の基板の第4の主面上に第4の半田ボールを配置するステップと、前記第1の半田ボールと前記第4の半田ボールとを接続して多層パッケージを構成するステップとを有する。
【0012】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高精度で信頼性の高い半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例における半導体装置に用いられる基板の断面図である((a)半導体チップ実装前、(b)半導体チップ実装後)。
【図2】本実施例における半導体装置に用いられる基板(半田ボール実装後)の(a)平面図および(b)断面図である。
【図3】本実施例における半導体装置に用いられる基板(樹脂封止後)の(a)平面図および(b)断面図である。
【図4】本実施例における半導体装置に用いられる基板(別形態の樹脂封止後)の(a)平面図および(b)断面図である。
【図5】本実施例における半導体装置に用いられる基板(半田ボール露出後)の(a)平面図および(b)断面図である。
【図6】本実施例における別形態の半導体装置に用いられる基板(半田ボール露出後)の断面図である。
【図7】本実施例における半導体装置に用いられる基板(第2の主面上に半田ボール搭載後)の断面図である。
【図8】本実施例における別形態の半導体装置に用いられる基板(第2の主面上に半田ボール搭載後)の断面図である。
【図9】(a)本実施例における半導体装置、および、(b)本実施例における別形態の半導体装置の断面図である。
【図10】本実施例における別形態の半導体装置の断面図である。
【図11】本実施例のレーザ加工に用いられるレーザ加工装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1乃至図11を参照して、本実施例における半導体装置の構造および半導体装置の製造方法について説明する。図1は、本実施例における半導体装置に用いられる基板10の断面図であり、図1(a)は半導体チップ実装前の基板10の断面図、図1(b)は半導体チップ実装後の基板10の断面図である。
【0017】
基板10は、第1の主面10a(第3の主面)および第1の主面10aとは反対側の第2の主面10b(第4の主面)を有する。基板10の第1の主面10aおよび第2の主面10b上には、所定の電気配線が形成されている。本実施例における基板10として、例えば樹脂基板やセラミック基板などの多層基板、または、リードフレームが適して用いられるが、これらに限定されるものではない。図1(a)に示されるような基板10を準備し、続いて図1(b)に示されるように、基板10の第1の主面10a上に複数の半導体チップ20(ベアチップ)を実装する。本実施例において、基板10の上には6個の半導体チップ20が実装されているが、その個数は限定されるものではない。
【0018】
半導体チップ20は、回路が形成された面とは反対側の面を基板10側に向けて、半田などを用いて基板10の上に電気的接続されて固定される。また、半導体チップ20は金などから構成されるワイヤ24を用いたワイヤボンディングにより、基板10上に形成された電気配線に接続される。このようなワイヤボンディングにより、半導体チップ20の回路と基板10の電気配線とが接続される。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、後述のように、バンプを用いたフリップチップにより半導体チップ20を実装することもできる。
【0019】
基板10上に半導体チップ20を実装した後、複数の半田ボール30を基板10の第1の主面10a上に配置する。図2は、半導体装置に用いられる基板10上に半田ボール30を実装した後の構造図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図をそれぞれ示している。図2(a)に示されるように、基板10には、半導体チップ20を囲むように、複数の半田ボール30が設けられる。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、半田ボール30の配置や個数に限定されるものではない。半田ボール30は接続用端子として用いられるため、その実施形態に応じて適宜変更される。
【0020】
続いて、半導体チップ20、ワイヤ24、および、半田ボール30の全てを樹脂40で一括封止する。図3は、半導体装置に用いられる基板10上の半導体チップ20、ワイヤ24、および、半田ボール30を樹脂封止した後の構造図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図をそれぞれ示している。
【0021】
樹脂40としては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかを用いることができる。熱硬化性樹脂の場合には、例えばエポキシ樹脂が用いられる。ただしこれに限定されるものではなく、フォノール系樹脂やシリコーン系樹脂等を用いてもよい。また熱可塑性樹脂の場合には、例えばPP樹脂(ポリプロピレン樹脂)が用いられる。ただしこれに限定されるものではなく、弾性を有したエラストマー樹脂等の他の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、熱硬化性樹脂の本実施例における樹脂封止は、トランスファ成形により行われる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、ポッティング成形や圧縮成形により樹脂封止を行うこともできる。熱可塑性樹脂の樹脂封止には射出成形等公知の成形により行われる。
【0022】
本実施例において、樹脂封止の形態は、図3(a)、(b)に示されるような分離型(セパレートタイプ)の形態に限定されるものではなく、例えば図4に示されるような一括封止型(マップタイプ)の形態としてもよい。図4は、図3と同様に、本実施例の半導体装置に用いられる基板10上の半導体チップ20、ワイヤ24、および、半田ボール30を樹脂封止した後の構造図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は断面図をそれぞれ示している。図4(a)、(b)は、複数の半導体チップを一括で樹脂封止した構造図である。
【0023】
図4(a)、(b)に示されるように、本形態では、2個の半導体チップ20、および、それに対応するワイヤ24、半田ボール30がまとめて(分離することなく)樹脂封止される。本形態の樹脂42は、2個の半導体チップ20を一括して封止しているが、これに限定されるものではなく、3個の半導体チップ20またはそれ以上の半導体チップ20をマトリクスに配置させ、一括して封止することもできる。また、基板10上に実装された全ての半導体チップ20を一括して封止してもよい。
【0024】
次に、図5に示されるように、図3の構造における樹脂40に対してレーザ加工を行うことにより、樹脂40で覆われた半田ボール30を露出させる。図5は、樹脂封止した基板10に対してレーザ加工を行い、半田ボール30を露出させた後の構造図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は断面図をそれぞれ示している。
【0025】
本実施例では、レーザ加工装置200を用いて樹脂40に対するレーザ加工を行う(レーザ光Lを照射する)ことにより、樹脂40の一部を除去し、樹脂40で覆われた半田ボール30の少なくとも一部を露出させる。露出した半田ボール30は、外部接続用の端子として用いられる。従来のように、CAVなどにより端子を露出させようとすると、樹脂漏れや樹脂塗布性に問題が生じる場合があった。また、ダイシングによるハーフカットなどで半田ボールを露出させると、パッケージに反りが生じる場合があった。また、端子露出させるためにリリースフィルムを端子に押し付けて樹脂にて成形する必要があった。
【0026】
一方、本実施例のようなレーザ加工により半田ボール30の少なくとも一部を露出させることで、前述のような問題のない、高精度で信頼性の高い半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【0027】
ここで、図11を参照して、本実施例のレーザ加工を行うレーザ加工装置の構成について説明する。図11は、レーザ加工装置200の概略構成図である。レーザ加工装置200において、レーザ光源211から発せられたレーザ光は、ビームエキスパンダ212によってその光束径が拡大された後、ガルバノミラー213(Y軸用走査手段)およびガルバノミラー214(X軸用走査手段)により順次反射される。ガルバノミラー213、214で反射したレーザ光は、f−θレンズなどの集光光学系215によって、加工対象となる樹脂40(基板10)上の所定位置にスポット像を形成する。
【0028】
スポット像は、ガルバノミラー213、214の回転に応じてY軸方向(第1の方向)およびX軸方向(第2の方向)にそれぞれ走査される。このため、ガルバノミラー213、214の回転角を制御することにより、レーザ光Lのスポット像を所望の位置に移動させることができる。その結果、樹脂40のうちスポット像の移動部位が気化および溶融し、半田ボール30を露出させることが可能となる。
【0029】
本実施例において、レーザ光源211としてはYAGレーザ(例えば、波長:1.06μm)が用いられる。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、COレーザやエキシマレーザなど他のレーザを用いてもよい。レーザ加工装置200は、大気中で樹脂40を加工することができる。
【0030】
また本実施例において、レーザ加工装置200と加工対象としての樹脂40との間の距離(高さ)、加工速度(走査速度)、レーザ光の出力、レーザ光の周波数などの各種パラメータを適宜設定することが可能である。このため、樹脂40の材質や厚さに応じてこれらの各種パラメータを変更することにより、半田ボール30を適切に露出させることができる。また本実施例において、レーザ加工装置200は、樹脂40の同一箇所に対して、一度のみの走査でなく複数の走査を繰り返すことにより樹脂40を加工(除去)して半田ボール30を露出するようにしてもよい。この場合、より良好な加工が可能となる。
【0031】
図6は、本実施例における別形態の基板10に対してレーザ加工を行い、半田ボール30を露出させた後の断面図である。図6は、半導体チップ20をフリップチップで基板10上に実装した形態を示している。本形態において、半導体チップ20はフェイスダウンで(回路が形成されている面を基板10側に向けて)基板10の第1の主面10a上に実装されている。
【0032】
図6に示されるように、半導体チップ20の実装面側には、複数のバンプ60(突起電極)が形成されており、バンプ60を介して、半導体チップ20の回路と基板10上に形成された電気配線とが接続される。このように、半導体チップ20をフリップチップ実装した基板10に対しても、本実施例のレーザ加工を行うことで、半田ボール30の少なくとも一部を露出させることができる。
【0033】
図5および図11を参照して説明したように、レーザ加工装置200によるレーザ加工で半田ボール30の少なくとも一部を露出させた後、続いて図7に示されるように、基板10の第2の主面10b(半導体チップ20の実装面とは反対側の面)に、半田ボール50を配置する。図7は、半田ボール50を配置した後の状態を示す基板10の断面図である。半田ボール50は、接続用端子として用いられる。
【0034】
また、図8は基板10の第2の主面10b上に半田ボール50を搭載した別形態であり、図6のフリップチップで実装した半導体チップ20の形態に対応するものである。図8に示されるように、フリップチップ実装の場合にも、図6の場合と同様に、基板10の第2の主面10b上に半田ボール50を配置することができる。
【0035】
続いて、複数の半導体チップ20を実装した基板10は、ダイシング工程による切断で個片化され、本実施例の半導体装置が得られる。図9(a)は、図5に示される基板10の切断により個片化した半導体装置100の断面図である。図9(b)は、図4に示される基板10(MAP基板)の切断により個片化した半導体装置100aの断面図である。なお図9(a)、(b)では、半田ボール30のほうが半田ボール50よりも大きいが、本実施例はこれに限定されるものではない。半田ボール30のほうが半田ボール50よりも小さくしてもよく、また、半田ボール30、50の大きさを等しくしてもよい。
【0036】
基板10の第1の主面10a上に実装された半導体チップ20は、ワイヤ24を用いたワイヤボンディングにより、基板10に形成された電気配線と接続されている。半導体チップ20およびワイヤ24は、樹脂40で封止されている。半田ボール30(第1の半田ボール)は、基板10の第1の主面上に配置され、樹脂40の一部(半田ボール30の配置領域の上部)をレーザ加工により除去することで露出している。また、基板10の第2の主面上には、半田ボール50(第2の半田ボール)が配置されている。
【0037】
図10は、図6に示される基板10(フリップチップで実装した半導体チップを備えた基板)の切断により個片化した半導体装置の断面図である。図10(a)は1つのパッケージのみ備えた半導体装置110の断面図であり、図10(b)は半導体装置110を多層化した多層パッケージの半導体装置111の断面図である。
【0038】
図10(a)に示されるように、半導体装置110は、フリップチップにより基板に実装されている(金ワイヤを用いない)点で、図9の半導体装置100とは異なる。半導体チップ20は、基板10の第1の主面10a上にフリップチップ実装(フェイスダウン実装)されている。半導体チップ20は、基板10の第1の主面10a側に複数のバンプ60(突起電極)を備え、バンプ60を介して、基板10に形成された電気配線と接続されている。半導体チップ20およびバンプ60は、樹脂40で封止されている。図9の半導体装置100と同様に、半田ボール30(第1の半田ボール)は、基板10の第1の主面上に配置され、樹脂40の一部(半田ボール30の配置領域の上部)をレーザ加工により除去することで露出している。また、基板10の第2の主面上には、半田ボール50(第2の半田ボール)が配置されている。
【0039】
図10(b)に示されるように、半導体装置111は、半導体装置100を多層化して構成されている。半導体装置111は、図10(a)に示される半導体装置110を3個積層したものである。1層目(下位置)には、基板10a(第1の基板)、半導体チップ20a(第1の半導体チップ)、半田ボール30a(第1の半田ボール)、パッケージとしての樹脂40a(第1の樹脂)、半田ボール50a(第2の半田ボール)、および、バンプ60aを備えた半導体装置110aが配置されている。2層目(中間位置)には、基板10b(第2の基板)、半導体チップ20b(第2の半導体チップ)、半田ボール30b(第3の半田ボール)、パッケージとしての樹脂40b(第2の樹脂)、半田ボール50b(第4の半田ボール)、および、バンプ60bを備えた半導体装置110bが配置されている。3層目(上位置)には、基板10c(第3の基板)、半導体チップ20c(第3の半導体チップ)、半田ボール30c(第5の半田ボール)、パッケージとしての樹脂40c(第3の樹脂)、半田ボール50c(第6の半田ボール)、および、バンプ60cを備えた半導体装置110cが配置されている。
【0040】
1層目の半導体装置110aの半田ボール30aは、2層目の半導体装置110bの半田ボール50bと接続されている。同様に、2層目の半導体装置110bの半田ボール30bは、3層目の半導体装置110cの半田ボール50cと接続されている。このような構成により、互いの半導体装置110a、110b、110cが電気的に接続され、多層パッケージを有する半導体装置111が構成される。
【0041】
なお、図10(b)には3個の半導体装置110を積層して構成された半導体装置110aを示しているが、本実施例はこれに限定されるものではない。多層パッケージの半導体装置は、2個の半導体装置110を積層して構成されてもよく、また、4個以上の半導体装置110を積層して構成することもできる。また、図9に示されるようなワイヤボンディング実装の半導体装置100を図10(b)と同様に多層化してもよい。多層化される半導体装置は、同種の半導体装置を積層して構成してもよく、また、互いに異なる種類の半導体装置を積層してもよい。
【0042】
また、個片化して得られた半導体装置は、1つの基板上に1つの半導体チップのみを備えたものに限定されるものではなく、1つの基板上に複数の半導体チップを備えてものであってもよい。このとき、図3のように複数の半導体チップを樹脂で互いに分離して封止するか、または、図4のように複数の半導体チップを樹脂で一体的に封止することができる。また、1つの基板上に複数の半導体チップを備えた半導体装置を積層化して多層パッケージの半導体装置を構成することもできる。なお、個片化前の基板状態のものについても、本実施例における半導体装置の概念に含まれうる。
【0043】
以上のとおり本実施例では、半田ボールを基板上に実装した後、半田ボールと半導体チップを一括して樹脂封止する。そして、レーザ照射(レーザ加工)により半田ボールの位置における樹脂を除去し、半田ボールの少なくとも一部を露出させる。この半田ボールは、接続用の端子として利用される。このため本実施例によれば、高精度で信頼性の高い半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0044】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 基板
10a 第1の主面
10b 第2の主面
20 半導体チップ
24 ワイヤ
30、50 半田ボール
40、42 樹脂
60 バンプ
100、110、111 半導体装置
200 レーザ加工装置
211 レーザ光源
212 ビームエキスパンダ
213、214 ガルバノミラー
215 集光光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面および該第1の主面とは反対側の第2の主面を有する基板と、
前記基板の前記第1の主面上に実装された半導体チップと、
前記半導体チップを封止した樹脂と、
前記基板の前記第1の主面上に配置され、前記樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該樹脂から少なくとも一部を露出した第1の半田ボールと、
前記基板の前記第2の主面上に配置された第2の半田ボールと、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記基板の前記第1の主面上には複数の前記半導体チップが実装されており、
前記複数の半導体チップは、前記樹脂で互いに分離して封止されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板の前記第1の主面上には複数の前記半導体チップが実装されており、
前記複数の半導体チップは、前記樹脂で一体的に封止されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体チップは、金ワイヤにより前記基板に形成された電気配線と接続されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体チップは、フリップチップにより前記基板に形成された電気配線と接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1の主面および該第1の主面とは反対側の第2の主面を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の主面上に実装された第1の半導体チップと、
前記第1の半導体チップを封止した第1の樹脂と、
前記第1の基板の前記第1の主面上に配置され、前記第1の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該第1の樹脂から少なくとも一部を露出した第1の半田ボールと、
前記第1の基板の前記第2の主面上に配置された第2の半田ボールと、
第3の主面および該第3の主面とは反対側の第4の主面を有する第2の基板と、
前記第2の基板の前記第3の主面上に実装された第2の半導体チップと、
前記第2の半導体チップを封止した第2の樹脂と、
前記第2の基板の前記第3の主面上に配置され、前記第2の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで該第2の樹脂から少なくとも一部を露出した第3の半田ボールと、
前記第2の基板の前記第4の主面上に配置された第4の半田ボールと、を有し、
前記第1の半田ボールと前記第4の半田ボールとを接続することにより多層パッケージが構成されている、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
基板の第1の主面上に半導体チップを実装するステップと、
前記基板の前記第1の主面上に第1の半田ボールを配置するステップと、
樹脂を用いて前記半導体チップおよび前記第1の半田ボールを封止するステップと、
前記樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第1の半田ボールの少なくとも一部を該樹脂から露出させるステップと、
前記基板の第2の主面上に第2の半田ボールを配置するステップと、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
第1の基板の第1の主面上に第1の半導体チップを実装するステップと、
前記第1の基板の前記第1の主面上に第1の半田ボールを配置するステップと、
第1の樹脂を用いて前記第1の半導体チップおよび前記第1の半田ボールを封止するステップと、
前記第1の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第1の半田ボールの少なくとも一部を該第1の樹脂から露出させるステップと、
前記第1の基板の第2の主面上に第2の半田ボールを配置するステップと、
第2の基板の第3の主面上に第2の半導体チップを実装するステップと、
前記第2の基板の前記第3の主面上に第3の半田ボールを配置するステップと、
第2の樹脂を用いて前記第2の半導体チップおよび前記第3の半田ボールを封止するステップと、
前記第2の樹脂の一部をレーザ加工により除去することで前記第3の半田ボールの少なくとも一部を該第2の樹脂から露出させるステップと、
前記第2の基板の第4の主面上に第4の半田ボールを配置するステップと、
前記第1の半田ボールと前記第4の半田ボールとを接続して多層パッケージを構成するステップと、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−21237(P2013−21237A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155175(P2011−155175)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000144821)アピックヤマダ株式会社 (194)
【Fターム(参考)】