説明

半導体装置の作製方法

【課題】不揮発性であって、作成が簡単であり、追記が可能な記憶回路を有する半導体装
置及びその作製方法の提供を課題とする。
【解決手段】一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有する半
導体装置及びその作製方法を提供する。また、不揮発性であり、作製が簡単であり、追記
が可能な記憶回路を有する半導体装置及びその作製方法を提供する。絶縁層上に設けられ
た複数の電界効果トランジスタと、複数の電界効果トランジスタ上に設けられた複数の記
憶素子とを有する。複数の電界効果トランジスタは、単結晶半導体層をチャネル部とした
電界効果トランジスタである。複数の記憶素子の各々は、第1の導電層と、有機化合物層
と、第2の導電層が順に積層された素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回路が集積された半導体装置及びその作製方法に関する。また、本発明
は、データの送受信が可能な半導体装置及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、絶縁表面上に複数の回路が集積され、様々な機能を有する半導体装置の開発が進め
られている。また、アンテナを設けることにより、無線によるデータの送受信が可能な半
導体装置の開発が進められている。このような半導体装置は、無線チップ、IDタグ、I
Cタグ、ICチップ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タ
グ、RFID(Radio Frequency Identification)とも
よばれる)とよばれ、既に一部の市場で導入されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−282050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板上に集積する様々な回路として、データを記憶する記憶回路(単にメモリともよぶ)
を設けると、より高機能で、付加価値が高い半導体装置を提供することができる。記憶回
路としては、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、EPROM、EEPRO
M、フラッシュメモリなどが挙げられる。このうち、DRAM、SRAMは揮発性の記憶
回路であり、電源をオフするとデータが消去されてしまうため、電源をオンする度にデー
タを書き込む必要がある。FeRAMは不揮発性の記憶回路であるが、強誘電体層を含む
容量素子を用いているため、作成工程が増加してしまう。マスクROMは、簡単な構造で
あるが、製造工程でデータを書き込む必要があり、追記することはできない。EPROM
、EEPROM、フラッシュメモリは、不揮発性の記憶回路ではあるが、2つのゲート電
極を含む素子を用いているため、作成工程が増加してしまう。
【0005】
上記の実情を鑑み、本発明は、不揮発性であって、作成が簡単であり、追記が可能な記憶
回路を有する半導体装置及びその作製方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有する半導
体装置及びその作製方法を提供することを特徴とする。上記特徴により、不揮発性であり
、作製が簡単であり、追記が可能な記憶回路を有する半導体装置及びその作製方法を提供
する。
【0007】
本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられた複数の電界効果トランジスタと、複数の電
界効果トランジスタ上に設けられた複数の記憶素子とを有する。複数の電界効果トランジ
スタは、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタであり、複数の記憶素
子の各々は、第1の導電層と、有機化合物層と、第2の導電層が順に積層された素子であ
る。
【0008】
また、本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられた複数の電界効果トランジスタと、複
数の電界効果トランジスタ上に設けられた複数の記憶素子及びアンテナとして機能する導
電層を有する。複数の電界効果トランジスタは、単結晶半導体層をチャネル部とした電界
効果トランジスタであり、複数の記憶素子の各々は、第1の導電層と、有機化合物層と、
第2の導電層が順に積層された素子であり、アンテナとして機能する導電層と第1の導電
層は同じ層に設けられている。
【0009】
本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられた複数の電界効果トランジスタと、複数の電
界効果トランジスタ上に設けられた複数の記憶素子と、アンテナとして機能する導電層が
設けられた基板とを有する。複数の電界効果トランジスタは、単結晶半導体層をチャネル
部とした電界効果トランジスタであり、複数の記憶素子の各々は、第1の導電層と、有機
化合物層と、第2の導電層が積層された記憶素子であり、アンテナとして機能する導電層
と、電界効果トランジスタのソース配線又はドレイン配線として機能する導電層は、導電
性粒子を介して接続する。
【0010】
上記構成を有する本発明の半導体装置において、絶縁層は、酸化珪素層であることを特徴
とする。また、記憶素子は、光学的作用により導電性が変化することを特徴とする。また
、記憶素子は、光学的作用により抵抗値が変化することを特徴とする。また、記憶素子は
、電気的作用により抵抗値が変化することを特徴とする。また、記憶素子が含む有機化合
物層は、光酸発生剤がドーピングされた共役高分子材料からなることを特徴とする。また
、有機化合物層は、電子輸送材料又はホール輸送材料からなることを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられ単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果
トランジスタを1つ又は複数と、電界効果トランジスタ上に設けられ、一対の導電層と、
該一対の導電層間に有機化合物層を含む記憶素子を1つ又は複数有する。上記構成の半導
体装置において、複数の記憶素子の各々が含む一対の導電層の一方は、互いに電気的に接
続され、かつ電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に電気的に接続されて
いることを特徴とする。または、複数の記憶素子の各々が含む一対の導電層の一方は、複
数の電界効果トランジスタから選択された1つの電界効果トランジスタのソース領域又は
ドレイン領域に電気的に接続され、かつ、複数の記憶素子の各々は、互いに異なる電界効
果トランジスタに電気的に接続されている。
【0012】
本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられ単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果
トランジスタを1つ又は複数と、電界効果トランジスタ上に設けられ、一対の導電層と、
該一対の導電層間に有機化合物層を含む記憶素子を1つ又は複数と、アンテナとして機能
する導電層と、を有し、一対の導電層の一方と、アンテナとして機能する導電層は、同じ
層に設けられている。上記構成の半導体装置において、複数の記憶素子の各々が含む一対
の導電層のうちの一方は、互いに電気的に接続され、かつ電界効果トランジスタのソース
領域又はドレイン領域に電気的に接続されていることを特徴とする。または、複数の記憶
素子の各々が含む一対の導電層の一方は、複数の電界効果トランジスタから選択された1
つの電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に電気的に接続され、かつ、複
数の記憶素子の各々は、互いに異なる電界効果トランジスタに電気的に接続されている。
【0013】
本発明の半導体装置は、絶縁層上に設けられ、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効
果トランジスタを1つ又は複数と、電界効果トランジスタ上に設けられ、一対の導電層と
、該一対の導電層間に有機化合物層を含む記憶素子を1つ又は複数と、記憶素子上に設け
られ、アンテナとして機能する導電層が設けられた基板と、を有し、アンテナとして機能
する導電層は、電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に電気的に接続され
ている。上記構成の半導体装置において、複数の記憶素子の各々が含む一対の導電層のう
ちの一方は、互いに電気的に接続され、かつ、電界効果トランジスタのソース領域又はド
レイン領域に電気的に接続されていることを特徴とする。または、複数の記憶素子の各々
が含む一対の導電層の一方は、複数の電界効果トランジスタから選択された1つの電界効
果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に電気的に接続され、複数の記憶素子の各
々は、互いに異なる電界効果トランジスタに電気的に接続されていることを特徴とする。
【0014】
なお、複数の記憶素子の各々が含む一対の導電層のうちの一方が互いに電気的に接続され
ているということは、複数の記憶素子の各々が含む一対の導電層のうちの一方が複数の記
憶素子で共通して用いられているということに相当する。
【0015】
本発明の半導体装置は、第1の絶縁層上に設けられ単結晶半導体層をチャネル部とした電
界効果トランジスタと、電界効果トランジスタを覆う第2の絶縁層と、第2の絶縁層に設
けられた開口部を介して電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に接続され
た第1の導電層と、第2の絶縁層と第1の導電層上に設けられた第3の絶縁層と、第3の
絶縁層に設けられた開口部を介して第1の導電層に接続された第2の導電層と、第2の導
電層に接する有機化合物層と、有機化合物層に接する第3の導電層と、を有する。第2の
導電層、有機化合物層及び第3の導電層の積層体は、記憶素子である。
【0016】
本発明の半導体装置は、第1の絶縁層上に設けられ単結晶半導体層をチャネル部とした電
界効果トランジスタと、電界効果トランジスタを覆う第2の絶縁層と、第2の絶縁層に設
けられた開口部を介して電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に接続され
た第1の導電層と、第2の絶縁層と第1の導電層上に設けられた第3の絶縁層と、第3の
絶縁層に設けられた開口部を介して第1の導電層に接続された第2の導電層及び第3の導
電層と、第2の導電層に接する有機化合物層と、有機化合物層に接する第4の導電層と、
を有する。そして、第2の導電層、有機化合物層及び第4の導電層の積層体は、記憶素子
であり、第3の導電層は、アンテナである。
【0017】
本発明の半導体装置は、第1の絶縁層上に設けられ単結晶半導体層をチャネル部とした電
界効果トランジスタと、電界効果トランジスタを覆う第2の絶縁層と、第2の絶縁層に設
けられた開口部を介して電界効果トランジスタのソース領域又はドレイン領域に接続され
た第1の導電層と、第2の絶縁層と第1の導電層上に設けられた第3の絶縁層と、第3の
絶縁層に設けられた開口部を介して第1の導電層に接続された第2の導電層と、第2の導
電層に接する有機化合物層と、有機化合物層に接する第3の導電層と、第1の導電層と電
気的に接続された第4の導電層と、第4の導電層上に設けられた基板と、を有する。第2
の導電層、有機化合物層及び第3の導電層の積層体は、記憶素子である。また、第4の導
電層は、アンテナである。
【0018】
また、上記構成を有する表示装置において、記憶素子は、電気的作用により、一対の導電
層の間の距離が変化する素子である。これは、電気的作用により、記憶素子にデータの書
き込みを行って、記憶素子の一対の導電層を短絡させると、一対の導電層の距離が変化す
るためである。具体的には、一対の導電層を短絡させた後は、一対の導電層を短絡させる
前よりも、一対の導電層の距離は短くなる。
【0019】
また、有機化合物層は、少なくとも、キャリア輸送性材料を有する。これは、電気的作用
によりデータの書き込みを行う際に、キャリアを輸送して、電流を流すことが必要となる
ためである。また、有機化合物層は、キャリア輸送性材料を有し、その導電率は、1.0
×10−15S・cm以上であり、1.0×10−3S・cm以下である。
【0020】
また、有機化合物層の厚さは5〜60nm、好ましくは10〜20nmである。これは、
有機化合物層の厚さが5nm以下だと、厚さの制御が困難であり、厚さにバラツキが生じ
てしまうからである。また、有機化合物層の厚さが60nm以上だと、電気的作用による
データの書き込みに必要な消費電力が高くなってしまうからである。また、より好ましい
10〜20nmの範囲は、より、有機化合物層の厚さにバラツキが生じにくく、なおかつ
、より、消費電力を抑制することができる範囲である。また、基板は、フレキシブル性を
有していてもよい。
【0021】
また、上記構成を有する本発明の半導体装置は、電源回路、クロック発生回路、データ復
調/変調回路及びインターフェイス回路から選択された1つ又は複数を有することを特徴
とする。
【0022】
また、本発明の半導体装置の作製方法は、第1の単結晶半導体層と、酸化珪素層からなる
絶縁層と、第2の単結晶半導体層が順に積層された基板を用いており、基板の一表面に設
けられた第1の単結晶半導体層をチャネル部として複数の電界効果トランジスタを形成す
るステップと、複数の電界効果トランジスタ上に、第1の導電層と、有機化合物層と、第
2の導電層の積層体を含む記憶素子を複数形成するステップと、基板の一表面と反対の表
面に設けられた第2の単結晶半導体層をエッチングすることを特徴とする。また、有機化
合物層は、液滴吐出法により形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタを有することを特徴
とする。電界効果トランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好なために、高速な
動作が可能な半導体装置及びその作製方法を提供することができる。また、電界効果トラ
ンジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した半導体装置及び
その作製方法を提供することができる。
【0024】
また、本発明の半導体装置は、単結晶半導体層をチャネル部とした複数の電界効果トラン
ジスタを含む層上に、複数の記憶素子を含む層を積層した構成を有することを特徴とする
。上記特徴により、小型な半導体装置を提供することができる。
【0025】
また、本発明は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有す
ることを特徴とする。上記特徴により、作製が簡単であるために安価な半導体装置及びそ
の作製方法を提供することができる。また、高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を
有する半導体装置及びその作製方法を提供することができる。
【0026】
また、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、光学的作用又は電気的作用によりデータの
書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴と
する。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加
して書き込むことができる。つまり、本発明は、書き換え不可の記憶回路を有する半導体
装置を提供することができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置及
びその作製方法を提供することができる。
【0027】
また、本発明の半導体装置の作製方法は、第1の単結晶半導体層と、絶縁層と、第2の単
結晶半導体層を積層した基板を用いており、第1の単結晶半導体層をチャネル部とした複
数のトランジスタを形成した後、第2の単結晶半導体層をエッチングして除去することを
特徴とする。上記特徴により、小型、薄型、軽量を実現した半導体装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の半導体装置を説明する図。
【図2】本発明の半導体装置を説明する図。
【図3】本発明の半導体装置を説明する図。
【図4】本発明の半導体装置を説明する図。
【図5】本発明の半導体装置を説明する図。
【図6】本発明の半導体装置を説明する図。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法を説明する図。
【図8】本発明の半導体装置を説明する図。
【図9】本発明の半導体装置を説明する図。
【図10】本発明の半導体装置を説明する図。
【図11】本発明の半導体装置を説明する図。
【図12】本発明の半導体装置を説明する図。
【図13】レーザ照射装置を説明する図。
【図14】記憶素子の電流電圧特性を示す図。
【図15】記憶素子の電流電圧特性を示す図。
【図16】本発明の半導体装置の使用形態について説明する図。
【図17】本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する図。
【図18】本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する図。
【図19】本発明の半導体装置の使用形態について説明する図。
【図20】記憶素子の電流電圧特性を示す図。
【図21】記憶素子の電流電圧特性を示す図。
【図22】記憶素子の電流電圧特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下に示す実施の形
態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成に
おいて、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。また、以下の記載におい
て、電界効果トランジスタをFETと略記することがある。
(実施の形態1)
【0030】
本発明の半導体装置の構成について、図面を参照して説明する。本発明の半導体装置は、
複数の回路が集積された構成を有し、複数の電界効果トランジスタを含む層351と、複
数の記憶素子を含む層352が順に積層して設けられた構成を有する(図1(A)参照)
。複数の電界効果トランジスタを含む層351は様々な回路を構成する。また、複数の記
憶素子を含む層352は、データを記憶する記憶回路を構成する。
【0031】
上記構成を有する本発明の半導体装置の断面構造について説明する。まず、複数の電界効
果トランジスタを含む層351のみの断面構造について説明する(図2(A)参照)。絶
縁層301上には単結晶半導体層302が設けられている。単結晶半導体層302は、n
ウエル303、305と、pウエル304、306が自己整合的に形成されたものであり
、フィールド酸化層307で分離されている。ゲート絶縁層308〜311は、熱酸化法
により形成された層である。ゲート312〜315は、CVD法により100〜300n
mの厚さで形成した多結晶シリコン層312a〜315aと、50〜300nmの厚さで
形成したシリサイド層312b〜315bからなる。サイドウォール324〜327は、
全面に絶縁層を形成後、異方性エッチングにより、ゲート312〜315の側壁に絶縁層
を残存させることにより形成したものである。
【0032】
本発明の半導体装置は、絶縁層301上に単結晶半導体層302が積層された構造を特徴
とする。これは、本発明は、第1の単結晶半導体層と、絶縁層と、第2の単結晶半導体層
が順に積層された基板(SIMOX基板)を用いており、本発明の半導体装置を作製する
工程において、第1の単結晶半導体層(単結晶半導体層302に相当する)をチャネル部
とした電界効果トランジスタを作製した後、第2の単結晶半導体層をエッチングして除去
するためである。上記特徴を有する本発明は、小型、薄型、軽量を実現した半導体装置を
提供することができる。
【0033】
pチャネル型FET316の不純物領域(ソース領域又はドレイン領域ともよぶ)328
と、pチャネル型FET318の不純物領域330には、p型の導電型を付与する不純物
元素が添加されている。nチャネル型FET317の不純物領域329と、nチャネル型
FET319の不純物領域331には、n型の導電型を付与する不純物元素が添加されて
いる。
【0034】
pチャネル型FET316の低濃度不純物領域(LDD領域ともよぶ)320と、pチャ
ネル型FET318の低濃度不純物領域322には、p型の導電型を付与する不純物元素
が添加されている。nチャネル型FET317の低濃度不純物領域321と、nチャネル
型FET319の低濃度不純物領域323には、n型の導電型を付与する不純物元素が添
加されている。これらの低濃度不純物領域320〜323は、イオン注入法やイオンドー
プ法で自己整合的に形成された領域である。
【0035】
なお、ここでは、FET316〜319が低濃度不純物領域320〜323やサイドウォ
ール324〜327を有する構成を示すが、本発明はこの構成に制約されない。必要がな
ければ低濃度不純物領域やサイドウォールは設けなくてもよい。また、上記の構成では、
FET316〜319を、フィールド酸化層307により素子分離しているが、本発明は
この構成に制約されない。単結晶半導体層302をアイランド状にすることにより素子分
離してもよい。
【0036】
つまり、単結晶半導体層302を、パターン加工して、島状に分離することにより、素子
分離してもよい。
【0037】
また、pチャネル型FET316、318と、nチャネル型FET317、319を覆う
ように、絶縁層332、333が設けられており、これらの絶縁層332、333は、表
面を平坦化するために設けられている。ソース配線又はドレイン配線として機能する導電
層334〜339は、不純物領域328〜331に接し、絶縁層332、333に設けら
れたコンタクトホールを充填する。そして、導電層334〜339を覆うように、絶縁層
342、343が設けられている。これらの絶縁層342、343は、表面を平坦化する
目的と、FET316〜319を保護する目的で設けられている。
【0038】
なお、後述するが、FET316〜319上に積層して設ける複数の記憶素子を含む層3
52は、その構造によっては、レーザ光を用いた光学的作用によりデータの書き込みを行
う。その場合、レーザ光から、FET316〜319を保護するために、絶縁層342、
343を遮光性がある絶縁性材料により形成する。遮光性がある絶縁性材料とは、例えば
、公知の絶縁性材料に、カーボン粒子、金属粒子、顔料や着色料等を添加して撹拌した後
、必要に応じて濾過を行った材料、又は、カーボン粒子等が均一に混合されるように、界
面活性剤や分散剤を添加した材料等である。このような絶縁性材料は、スピンコート法で
形成するとよい。
【0039】
本発明の半導体装置は、上記構成を有する複数の電界効果トランジスタを含む層351上
に、複数の記憶素子を含む層352が設けられたものであり、その断面構造について説明
する(図2(B)参照)。
【0040】
絶縁層343上には、第1の導電層345、有機化合物層346、第2の導電層347が
順に積層して設けられており、この積層体が記憶素子350に相当する。有機化合物層3
46の間には、絶縁層348が設けられている。複数の記憶素子350上には、絶縁層3
49が設けられている。第1の導電層345は、FET316のソース配線又はドレイン
配線として機能する導電層334に接続する。
【0041】
上記構成を有する半導体装置において、記憶素子350は、一対の導電層(第1の導電層
345と第2の導電層347)間に有機化合物層346が挟まれた単純な構造を有するこ
とを特徴とする。上記特徴により、作製が簡単であるために安価な半導体装置及びその作
製方法を提供することができる。また、高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有す
る半導体装置及びその作製方法を提供することができる。
【0042】
次に、複数の電界効果トランジスタを含む層351上に複数の記憶素子を含む層352が
設けられた半導体装置であって、上記とは異なる半導体装置の断面構造について説明する
(図3参照)。絶縁層343上には、第1の導電層361〜364が設けられており、第
1の導電層361〜364に接するように有機化合物層365〜368が設けられている
。そして、有機化合物層365〜368に接するように第2の導電層369が設けられて
いる。第1の導電層361〜364の各々は、FET316〜319のソース配線又はド
レイン配線として機能する導電層に接続する。第1の導電層361〜364のいずれか1
つと、有機化合物層365〜368のいずれか1つと、第2の導電層369の積層体が記
憶素子371〜374に相当する。有機化合物層365〜368の間には、絶縁層370
が設けられている。複数の記憶素子371〜374上には、絶縁層375が設けられてい
る。
【0043】
複数の記憶素子371〜374の各々は、FET316〜319のいずれかによりその動
作が制御される。また、図示する構成では、FET316〜319の導電型が全て同じで
ある場合を示し、ここでは、FET316〜319をnチャネル型FETとした場合を図
示している。
【0044】
本発明は、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタを有することを特徴
とする。電界効果トランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好であるため、高速
な動作が可能な半導体装置及びその作製方法を提供することができる。また、電界効果ト
ランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した半導体装置及
びその作製方法を提供することができる。
【0045】
また、本発明の半導体装置は、単結晶半導体層をチャネル部とした複数の電界効果トラン
ジスタを含む層上に、複数の記憶素子を含む層を積層した構成を有することを特徴とし、
上記特徴により、小型な半導体装置を提供することができる。
【0046】
また、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、光学的作用又は電気的作用によりデータの
書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴と
する。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加
して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置及び
その作製方法を提供することができる。
(実施の形態2)
【0047】
非接触でデータを送受信する機能を有する本発明の半導体装置の構成について、図1、4
、5を参照して説明する。
【0048】
本発明の半導体装置は、複数の回路が集積された構成を有し、複数の電界効果トランジス
タを含む層401と、複数の記憶素子を含む層402が順に積層されており、複数の記憶
素子を含む層402の周囲に、アンテナとして機能する導電層403が設けられた構成を
有する(図1(B)参照)。
【0049】
次に、上記構成を有する半導体装置の断面構造について説明する(図4(A))。複数の
電界効果トランジスタを含む層401は、pチャネル型FET316、nチャネル型FE
T317、pチャネル型FET318、nチャネル型FET319を有する。これらのF
ETの構造は上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。そして、pチャネル型
FET316、nチャネル型FET317、pチャネル型FET318、nチャネル型F
ET319を覆うように絶縁層342、343が設けられ、絶縁層343上に複数の記憶
素子を含む層402が設けられている。また、複数の記憶素子を含む層402の周囲には
、アンテナとして機能する導電層403が設けられている。
【0050】
そして、絶縁層343上に、第1の導電層445、有機化合物層446、第2の導電層4
47が順に積層されており、この積層体が記憶素子450に相当する。有機化合物層44
6の間には、絶縁層448が設けられている。第1の導電層445は、FET317のソ
ース配線又はドレイン配線として機能する導電層と接続する。
【0051】
また、アンテナとして機能する導電層403は、第1の導電層445と同じ層に設けられ
ている。導電層403上には、絶縁層448、449が設けられている。導電層403は
、pチャネル型FET316のソース配線又はドレイン配線として機能する導電層334
と、pチャネル型FET319のソース配線又はドレイン配線として機能する導電層34
1に接続する。
【0052】
上記構成を有する半導体装置において、記憶素子450は、一対の導電層(第1の導電層
445と第2の導電層447)間に有機化合物層446が挟まれた単純な構造を有するこ
とを特徴とする。上記特徴により、作製が簡単であるために安価な半導体装置及びその作
製方法を提供することができる。また、高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有す
る半導体装置及びその作製方法を提供することができる。
【0053】
次に、上記とは異なる半導体装置の断面構造について説明する(図4(B)参照)。より
詳しくは、図4(A)に示した半導体装置と比較すると、複数の記憶素子を含む層402
のみの構造が異なる半導体装置の断面構造について説明する。
【0054】
絶縁層343上に、FET317、318のソース配線又はドレイン配線として機能する
導電層に接続するように、第1の導電層462、463が設けられ、第1の導電層462
、463に接するように有機化合物層466、467が設けられ、有機化合物層466、
467に接するように第2の導電層469が設けられている。第1の導電層462、46
3のどちらかと、有機化合物層466、467のどちらかと、第2の導電層469の積層
体が記憶素子472、473に相当する。有機化合物層466、467の間には、絶縁層
470が設けられている。複数の記憶素子472、473上には、絶縁層475が設けら
れている。
【0055】
続いて、上記構成とは異なる本発明の半導体装置の構成について、図面を参照して説明す
る。
【0056】
本発明の半導体装置は、複数の回路が集積された構成を有し、複数の電界効果トランジス
タを含む層501と、複数の記憶素子を含む層502が順に積層して設けられた基板と、
アンテナとして機能する導電層503が設けられた基板504とが貼り合わされた構成を
有する(図1(C)参照)。
【0057】
そこで、上記の図1(C)に示す構成を有する本発明の半導体装置の断面構造について説
明する(図5参照)。
【0058】
複数の電界効果トランジスタを含む層501は、FET316〜FET319を有し、こ
れらのFETの構造は上述した通りであり、また、複数の記憶素子を含む層502は、図
4(A)に示す複数の記憶素子を含む層402と同じ構造である。そのため、ここでは、
複数の記憶素子を含む層502の断面構造の説明を省略する。
【0059】
複数の電界効果トランジスタを含む層501と複数の記憶素子を含む層502とを含む基
板と、導電層503が設けられた基板504は、導電性粒子506を含む樹脂505によ
り貼り合わされている。そして、FET316のソース配線又はドレイン配線として機能
する導電層334及びFET319のソース配線又はドレイン配線として機能する導電層
341と、導電層503とは、導電性粒子506を介して電気的に接続されている。
【0060】
続いて、上記構成とは異なる本発明の半導体装置の断面構造について説明する(図6参照
)。より詳しくは、図5に示した半導体装置と比較すると、複数の記憶素子を含む層50
2のみの構造が異なる半導体装置の断面構造について説明する。
【0061】
複数の電界効果トランジスタを含む層501は、FET316〜FET319を有し、こ
れらのFETの構造は上述した通りであり、また、複数の記憶素子を含む層502は、図
4(B)に示す複数の記憶素子を含む層402と同じ構造である。そして、上記の図5に
示す構成と同様、複数の電界効果トランジスタを含む層501と複数の記憶素子を含む層
502とを含む基板と、導電層503が設けられた基板504は、導電性粒子506を含
む樹脂505により貼りあわされている。そして、FET316のソース配線又はドレイ
ン配線として機能する導電層334及びFET319のソース配線又はドレイン配線とし
て機能する導電層341と、導電層503とは、導電性粒子506を介して電気的に接続
されている。
【0062】
なお、記憶素子の構成によっては、複数の記憶素子を含む層502に対して、レーザ光を
用いた光学的作用によりデータの書き込みを行う場合がある。そのような場合、複数の記
憶素子を含む層502と、基板504上の導電層503とが重ならないようして貼り合わ
せることが必要である。
【0063】
上記の図5、6に示す構成では、FET316、319のソース配線又はドレイン配線と
して機能する導電層と、基板504上の導電層503とが導電性粒子506を介して接続
しているが、本発明はこの構成に制約されない。FET316〜319のソース配線又は
ドレイン配線として機能する導電層を形成する際に、ソース領域又はドレイン領域に接続
し、なおかつ、裏面に露出する導電層を形成しておき、当該導電層と、基板504上の導
電層503とを接続させてもよい。
【0064】
つまり、FET316〜319のソース配線又はドレイン配線として機能する導電層とし
て、第1の開口部を介して、FET316〜319のソース領域又はドレイン領域に接続
し、なおかつ第2の開口部を介して、裏面に露出された導電層を形成してもよい。第1の
開口部とは、絶縁層332、333に設けられた開口部である。第2の開口部とは、絶縁
層302、単結晶半導体層302、絶縁層332、333に設けられた開口部である。そ
して、絶縁層302の一表面側に、基板504を設けて、基板504上の導電層503と
、上記の露出された導電層とを電気的に接続させるとよい。
【0065】
本発明は、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタを有することを特徴
とする。電界効果トランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好であるため、高速
な動作が可能な半導体装置及びその作製方法を提供することができる。また、電界効果ト
ランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した半導体装置及
びその作製方法を提供することができる。
【0066】
また、本発明の半導体装置は、単結晶半導体層をチャネル部とした複数の電界効果トラン
ジスタを含む層上に、複数の記憶素子を含む層を積層した構成を有することを特徴とし、
上記特徴により、小型な半導体装置を提供することができる。
【0067】
また、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、光学的作用又は電気的作用によりデータの
書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴と
する。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加
して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置及び
その作製方法を提供することができる。
(実施の形態3)
【0068】
本発明の半導体装置の作製方法について図面を参照して説明する。本発明は、絶縁層と単
結晶半導体層とが積層されたSOI(silicon on insulator)基板
を用いることを特徴とする。SOI基板としては、例えば、SIMOX(separat
ion by implanted oxygen)基板が挙げられる。SIMOX基板
510は、単結晶半導体層の表面からわずかに深い部分に酸素分子(又は酸素)を埋め込
み、それを高熱で酸化させることにより、絶縁層とその絶縁層上に単結晶半導体層を作製
した基板であり、第1の単結晶半導体層511と、絶縁層512と、第2の単結晶半導体
層513とが積層された基板である(図7(A)参照)。
【0069】
そこで、SIMOX基板510を用いた本発明の半導体装置の作製方法について説明する
。まず、SIMOX基板510の一表面の第1の単結晶半導体層511を活性層とした電
界効果トランジスタを複数形成する。続いて、第1の単結晶半導体層511上に、複数の
記憶素子を含む層514を形成する(図7(B)参照)。次に、SIMOX基板510の
一表面とは反対の表面の第2の単結晶半導体層513をエッチングして除去する(図7(
C)参照)。そうすると、絶縁層512と、第1の単結晶半導体層511と、複数の記憶
素子を含む層514とが順に積層された半導体装置516が完成する(図7(D)参照)

【0070】
なお、第2の単結晶半導体層513の除去は、砥石等の研削研磨装置515を用いて行っ
てもよいし、エッチング剤を用いて行ってもよいし、研削研磨装置515とエッチング剤
を併用して行ってもよい。好ましくは、第2の単結晶半導体層513がある程度の薄さに
なるまでは研削研磨し、その後、絶縁層512が露出するまで、エッチング剤により第2
の単結晶半導体層513を除去するとよい。エッチング剤は、ウエットエッチングであれ
ば、フッ酸を水やフッ化アンモニウムで希釈した混液、フッ酸と硝酸の混液、フッ酸と硝
酸と酢酸の混液、過酸化水素と硫酸の混液、過酸化水素とアンモニア水と水の混液、過酸
化水素と塩酸の混液等を用いる。また、ドライエッチングであれば、フッ素等のハロゲン
系の原子や分子を含む気体、又は酸素を含む気体を用いる。好ましくは、フッ化ハロゲン
又はハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気
体として三フッ化塩素(ClF)を用いるとよい。
【0071】
また、複数の記憶素子を含む層514は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた記憶
素子を複数有する。この有機化合物層は、インクジェットに代表される液滴吐出法により
形成してもよい。液滴吐出法を用いることにより、材料の利用効率を向上させて、作製工
程を簡略化した半導体装置の作製方法を提供することができる。また、作製時間の短縮及
び作製費用の低減を実現した半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0072】
SIMOX基板510が含む第2の単結晶半導体層513の厚さは、数十〜数百μmの厚
さであるのに対し、第1の単結晶半導体層511の厚さは0.3μm以下と、大変薄い。
従って、第1の単結晶半導体層511を用いて電界効果トランジスタを複数形成した後に
、第2の単結晶半導体層513を除去すれば、小型、薄型、軽量を実現した半導体装置を
提供することができる。また、小型、薄型、軽量であるために、落下しても割れにくい半
導体装置を提供することができる。
【0073】
また、上記の作製方法により完成する本発明の半導体装置は、大変薄く、フレキシブル性
を有する。そのため、例えば、アンテナとして機能する導電層517が設けられたカード
状基板518に本発明の半導体装置516を貼り付けた後(図8(A)参照)、変形する
ことができる(図8(B)参照)。また、本発明の半導体装置516は、カード状基板5
18に貼り付ける形態に制約されず、曲面や異形の形状の物品520に貼り付けることも
できる(図8(C)参照)。このように、本発明の半導体装置516は、小型、薄型、軽
量であり、フレキシブル性を有するために、多種多様の用途に用いることが実現し、物品
に貼り付けても、その物品のデザイン性を損なうことがない。
(実施の形態4)
【0074】
本発明の半導体装置が有する記憶回路の構成とその動作について図面を参照して説明する
。本発明の記憶回路は、メモリセル21がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ2
2と、デコーダ23、24と、セレクタ25と、読み出し/書き込み回路26とを有する
。メモリセル21は、記憶素子30を有する(図9(A)参照)。
【0075】
記憶素子30は、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第1の導電層27と、ワード線
Wy(1≦y≦n)を構成する第2の導電層28と、第1の導電層27と第2の導電層2
8の間に設けられた有機化合物層29を有する(図10(A)参照)。第1の導電層27
と、有機化合物層29と、第2の導電層28の積層体が記憶素子30に相当する。隣接す
る有機化合物層29の間には、絶縁層33が設けられる。また、複数の記憶素子30上に
、絶縁層34が設けられる。ビット線Bxを構成する第1の導電層27は、第1の方向に
延在して設けられ、ワード線Wyを構成する第2の導電層28は、第1の方向と垂直な第
2の方向に延在して設けられる。つまり、第1の導電層27と第2の導電層28はストラ
イプ状に、互いに交差するように設けられる。
【0076】
なお、後述するが、有機化合物層29の構成によっては、記憶素子30に対するデータの
書き込みを光学的作用により行う場合がある。その場合、第1の導電層27と第2の導電
層28のうち、一方又は両方は透光性を有することが必要である。透光性を有する導電層
は、インジウム錫酸化物(ITO)等の透明な導電性材料を用いて形成するか、又は、透
明な導電性材料でなくても、光を透過する厚さで形成する。
【0077】
また、図9(A)に示す等価回路図は、パッシブ型の場合であるが、メモリセル21に電
界効果トランジスタ31を設けたアクティブ型を採用してもよい(図11参照)。その場
合、電界効果トランジスタ31のゲート電極はワード線Wy(1≦y≦n)に接続され、
ソース電極及びドレイン電極の一方はビット線Bx(1≦x≦m)に接続され、ソース電
極及びドレイン電極の他方は、記憶素子30の一方の電極に接続する。
【0078】
有機化合物層29は、有機化合物材料からなり、例えば、4、4’−ビス[N−(1−ナ
フチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)やN,N’−ビス
(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(略称:TPD)や4,4’
,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDA
TA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミ
ノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,
N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DN
TPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフ
タロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタ
ロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物等の正孔輸送性の高い物質を用
いることができる。
【0079】
また、他にも有機化合物材料として、電子輸送性が高い材料を用いることができ、例えば
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8
−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[
h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格また
はベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料や、ビス[2−(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾ
ール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに
、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル
)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−ter
t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:O
XD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフ
ェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−ビフェニリル)−4
−(4−エチルフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリ
アゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソ
キュプロイン(略称:BCP)等の化合物等を用いることができる。
【0080】
また、他にも有機化合物材料として、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−[2
−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン
(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−
テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジ
シアノ−1,4−ビス(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−
9−エニル)ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン
6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、
9,9’−ビアントリル、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DPA)
や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−
テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等が挙げられる。また、上記発光材料を分
散してなる層を形成する場合に母体となる材料としては、9,10−ジ(2−ナフチル)
−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体
、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘
導体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、
ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX
)などの金属錯体等を用いることができる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム(略称:Alq)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA
)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(
略称:BAlq)等を用いることができる。
【0081】
また、有機化合物層29には、光学的作用により、電気抵抗が変化する材料を用いること
ができる。例えば、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドー
プした共役高分子を用いることができる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフ
ェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類
等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリー
ルヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベン
ジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いること
ができる。
【0082】
次に、上記構成を有する記憶回路にデータの書き込みを行う際の動作について説明する。
データの書き込みは、光学的作用又は電気的作用により行う。
【0083】
まず、電気的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する(図9(A)参照
)。この場合、最初に、デコーダ23、24、セレクタ25により、1つのメモリセル2
1を選択する。その後、読み出し/書き込み回路26により、メモリセル21にデータを
書き込む。より具体的には、選択されたメモリセル21が含む記憶素子30に所定の電圧
を印加して、大電流を流し、記憶素子30の一対の導電層間を短絡させる。短絡した記憶
素子30は、他の記憶素子30と比較すると抵抗値が大幅に小さくなる。このように、電
気的作用を加えることにより、記憶素子30の抵抗値が変化することを利用してデータの
書き込みを行う。例えば、電気的作用を加えていない記憶素子30を「0」のデータとす
る場合、「1」のデータを書き込む際は、選択された記憶素子30に電圧を印加して大電
流を流すことによって、短絡させる。
【0084】
なお、本発明は、記憶素子30に所定の電圧を印加して、記憶素子30を短絡させること
によりデータを書き込む形態に制約されず、記憶素子30の素子構造や印加する電圧を調
整することにより、記憶素子30に所定の電圧を印加して、一対の導電層間の有機化合物
層29を絶縁化させることによりデータを書き込んでもよい。この場合、絶縁化した有機
化合物層29を含む記憶素子30は、他の記憶素子30と比較すると、抵抗値が大幅に高
くなる。このように、電気的作用を加えることにより、記憶素子30の抵抗値が変化する
ことを利用してデータの書き込みを行う。例えば、電気的作用を加えていない記憶素子3
0を「0」のデータとする場合、「1」のデータを書き込む際は、選択された記憶素子3
0に電圧を印加して一対の導電層間の有機化合物層29を絶縁化させる。
【0085】
上記の通り、記憶素子30の抵抗値の変化は、記憶素子30の一対の導電層間を短絡させ
て低抵抗化させる場合と、記憶素子30の一対の導電層間の有機化合物層29を高抵抗化
させる場合とがあり、本発明は、どちらの場合を用いてもよい。また、記憶素子30の一
対の導電層間の有機化合物層29を高抵抗化させる場合において、有機化合物層29が絶
縁化される場合がある。
【0086】
次に、光学的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する(図10(B)(
C)参照)。この場合、透光性を有する導電層側(ここでは第2の導電層28とする)か
ら、レーザ照射装置32により、有機化合物層29にレーザ光を照射することにより、デ
ータの書き込みを行う。より詳しくは、選択された記憶素子30が含む有機化合物層29
にレーザ光を照射して有機化合物層29を破壊する。破壊された有機化合物層29は、絶
縁化し、他の記憶素子30と比較すると抵抗値が大幅に大きくなる。このように、レーザ
光の照射により、記憶素子30の電気抵抗が変化することを利用してデータの書き込みを
行う。例えば、レーザ光を照射していない記憶素子30を「0」のデータとする場合、「
1」のデータを書き込む際は、記憶素子30にレーザ光を照射して破壊することによって
電気抵抗を大きくする。
【0087】
なお、本発明は、記憶素子30にレーザ光を照射して、有機化合物層29を絶縁化するこ
とによりデータを書き込む形態に制約されず、記憶素子30の素子構造やレーザ光の強度
を調整することにより、記憶素子30にレーザ光を照射して、有機化合物層29を絶縁破
壊して、一対の導電層を短絡させることによりデータを書き込んでもよい。この場合、一
対の導電層を短絡させた記憶素子30は、他の記憶素子30と比較すると、抵抗値が大幅
に低くなる。このように、光学的作用を加えることにより、記憶素子30の抵抗値が変化
することを利用してデータの書き込みを行ってもよい。
【0088】
また、有機化合物層29として、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発
生剤)をドープした共役高分子を用いた場合、レーザ光を照射すると、照射された部分の
導電性が増加し、未照射の部分は導電性を有しない。この場合も、選択された有機化合物
層29にレーザ光を照射することにより、記憶素子30の抵抗値が変化することを利用し
てデータの書き込みを行う。例えば、レーザ光を照射していない記憶素子30を「0」の
データとする場合、「1」のデータを書き込む際は、選択された記憶素子30にレーザ光
を照射して導電性を増加させる。
【0089】
続いて、データの読み出しを行う際の動作について説明する(図9(A)(B)参照)。
ここでは、読み出し/書き込み回路26は、抵抗素子46とセンスアンプ47を含む構成
とする。但し、読み出し/書き込み回路26の構成は上記構成に制約されず、どのような
構成を有していてもよい。
【0090】
データの読み出しは、第1の導電層27と第2の導電層28の間に電圧を印加して、記憶
素子30の抵抗値を読み取ることにより行う。例えば、上述したように、電気的作用の印
加によりデータの書き込みを行った場合、電気的作用を加えていない記憶素子30の抵抗
値と、電気的作用を加えた記憶素子30の抵抗値は異なる値となる。このような抵抗値の
相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行う。
【0091】
また、有機化合物層29にレーザ光を照射することによりデータの書き込みを行った場合
も同様であり、光学的作用を加えていない記憶素子30の抵抗値と、光学的作用を加えた
記憶素子30の抵抗値の相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行う。
【0092】
また、有機化合物層29に、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤
)をドープした共役高分子を用いた場合も同様であり、光学的作用を加えていない記憶素
子30の抵抗値と、光学的作用を加えた記憶素子の抵抗値の相違を電気的に読み取ること
により、データの読み出しを行う。
【0093】
例えば、メモリセルアレイ22が含む複数のメモリセル21のうち、x列目y行目に配置
されたメモリセル21のデータの読み出しを行う場合、まず、デコーダ23、24、セレ
クタ25により、x列目のビット線Bxと、y行目のワード線Wyを選択する。そうする
と、メモリセル21が含む記憶素子30と、抵抗素子46とは、直列に接続された状態と
なる。ここで、記憶素子30を抵抗素子と見なすと、直列に接続された2つの抵抗素子の
両端に電圧が印加されると、ノードαの電位は、記憶素子30の抵抗値に従って、抵抗分
割された電位となる。ノードαの電位は、センスアンプ47に供給される。当該センスア
ンプ47において、「0」と「1」のどちらの情報を有しているかを判別される。その後
、センスアンプ47において判別された「0」と「1」の情報を含む信号は、外部に供給
される。
【0094】
上記の方法によると、記憶素子30の情報は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧
値で読み取っている。しかしながら、電流値を比較する方法でもよい。これは、例えば、
電気的作用を加えていない記憶素子30と、電気的作用を加えた記憶素子30の抵抗値の
相違に起因した電流値の相違を利用するものである。このように電流値の相違を電気的に
読み取ることにより、データの読み出しを行ってもよい。
【0095】
また、上記構成とは異なる構成として、第1の導電層27と有機化合物層29の間に、整
流性を有する素子を設けてもよい(図10(D)参照)。整流性を有する素子とは、ゲー
ト電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。ここでは、半導
体層44、45を含むPN接合ダイオードを設けた場合を示す。半導体層44、45のう
ち、一方はN型半導体であり、他方はP型半導体である。このように、整流性があるダイ
オードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読
み出しの正確さが向上する。なお、ダイオードを設ける場合、PN接合を有するダイオー
ドではなく、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等の、他の構成の
ダイオードを用いてもよい。
【0096】
上記の通り、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、一対の導電層間に有機化合物層が挟
まれた単純な構造の記憶素子を有することを特徴とし、上記特徴により、作製が簡単であ
るために安価な半導体装置及びその作製方法を提供することができる。また、高集積化が
容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置及びその作製方法を提供することがで
きる。
【0097】
また、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、光学的作用又は電気的作用によりデータの
書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴と
する。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止してセキュリティを確保しつつ、新た
なデータを追加して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した
半導体装置及びその作製方法を提供することができる。
(実施の形態5)
【0098】
非接触でデータを送受信する本発明の半導体装置の構成について図面を参照して説明する
。本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、ク
ロック発生回路12、データ復調/変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、イ
ンターフェイス回路15、記憶回路16、データバス17、アンテナ(アンテナコイル)
18を有する(図12参照)。
【0099】
電源回路11は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の
各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ1
8から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種クロッ
ク信号を生成する回路である。データ復調/変調回路13は、リーダライタ19と交信す
るデータを復調/変調する機能を有する。制御回路14は、記憶回路16を制御する機能
を有する。アンテナ18は、電磁波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、
半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は
上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアと
いった他の要素を追加した構成であってもよい。
【0100】
記憶回路16は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた記憶素子を有することを特徴
とする。なお、記憶回路16は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた記憶素子のみ
を有していてもよいし、他の構成の記憶回路を有していてもよい。他の構成の記憶回路と
は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)
、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM
(Ferroelectric Random Access Memory)、マスク
ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable
Read Only Memory)、EPROM(Electrically Pro
grammable Read Only Memory)、EEPROM(Elect
rically Erasable Read Only Memory)及びフラッシ
ュメモリから選択される1つ又は複数に相当する。
【実施例1】
【0101】
本実施例では、基板上に記憶素子を作製し、その記憶素子に電気的作用によりデータの書
き込みを行ったときの電流電圧特性を調べた実験の結果について説明する。記憶素子は、
基板上に、第1の導電層、第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第2の導電層の順
に積層した素子であり、第1の導電層は酸化珪素とインジウム錫酸化物の化合物(NIT
Oと略称されることがある)、第1の有機化合物層は4,4'−ビス[N−(3−メチル
フェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(TPDと略称されることがある)、
第2の有機化合物層は、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ
]−ビフェニル(α−NPDと略称されることがある)、第2の導電層はアルミニウム、
により形成した。また、第1の有機化合物層は10nm、第2の有機化合物層は50nm
の膜厚で形成した。
【0102】
まず、電気的作用によりデータの書き込みを行う前と、電気的作用によりデータを書き込
んだ後の、記憶素子の電流電圧特性の測定結果について、図13を用いて説明する。図1
3は、横軸が電圧値、縦軸が電流値、プロット261は電気的作用によりデータを書き込
み前の記憶素子の電流電圧特性、プロット262は電気的作用によりデータを書き込んだ
後の記憶素子の電流電圧特性を示す。図13から、データの書き込み前と、データの書き
込み後とで、記憶素子の電流電圧特性には大きな変化がみられる。例えば、印加電圧1V
では、データ書き込み前の電流値は4.8×10−5mAであるのに対し、データ書き込
み後の電流値は1.1×10mAであり、データの書き込み前と、データの書き込み後
では、電流値に7桁の変化(10倍の変化)が生じている。このように、データの書き
込み前と、データの書き込み後では、記憶素子の抵抗値に変化が生じており、この記憶素
子の抵抗値の変化を、電圧値又は電流値により読み取れば、記憶回路として機能させるこ
とができる。
【0103】
なお、上記のような記憶素子を記憶回路として用いる場合、データの読み出し動作の度に
、記憶素子には所定の電圧値(短絡しない程度の電圧値)が印加され、その抵抗値の読み
取りが行われる。従って、上記の記憶素子の電流電圧特性には、読み出し動作を繰り返し
行っても、つまり、所定の電圧値を繰り返し印加しても、変化しないような特性が必要と
なる。そこで、データの読み出し動作を行った後の記憶素子の電流電圧特性の測定結果に
ついて、図14を用いて説明する。なお、この実験では、データの読み出し動作を1回行
う度に、記憶素子の電流電圧特性を測定した。データの読み出し動作は合計5回行ったの
で、記憶素子の電流電圧特性の測定は合計5回行った。また、この電流電圧特性の測定は
、電気的作用によりデータの書き込みが行われて抵抗値が変化した記憶素子と、抵抗値が
変化していない記憶素子の、2つの記憶素子に対して行った。
【0104】
図14は、横軸が電圧値、縦軸が電流値、プロット271は電気的作用によりデータの書
き込みが行われて抵抗値が変化した記憶素子の電流電圧特性、プロット272は抵抗値が
変化していない記憶素子の電流電圧特性を示す。プロット271から分かるように、抵抗
値が変化していない記憶素子の電流電圧特性は、電圧値が1V以上のときに特に良好な再
現性を示す。同様に、プロット272から分かるように、抵抗値が変化した記憶素子の電
流電圧特性も、電圧値が1V以上のときに特に良好な再現性を示す。上記の結果から、デ
ータの読み出し動作を複数回繰り返し行っても、その電流電圧特性は大きく変化せず、再
現性は良好である。上記の記憶素子を記憶回路として用いることができる。
【実施例2】
【0105】
本実施例では、光学的作用により、記憶回路にデータの書き込みを行う際に用いるレーザ
照射装置について図面を参照して説明する。
【0106】
レーザ照射装置1001は、レーザ光を照射する際の各種制御を実行するコンピュータ1
002と、レーザ光を出力するレーザ発振器1003と、電源1004と、レーザ光を減
衰させるための光学系1005と、レーザ光の強度を変調するための音響光学変調器10
06と、レーザ光の断面を縮小するためのレンズや光路を変更するためのミラー等で構成
される光学系1007と、X軸ステージ及びY軸ステージを有する移動機構1009と、
コンピュータ1002から出力される制御データを変換するD/A変換部1010と、D
/A変換部から出力されるアナログ電圧に応じて、音響光学変調器1006を制御するド
ライバ1011と、移動機構1009を駆動するための信号を出力するドライバ1012
と、被照射物上にレーザ光の焦点を合わせるためのオートフォーカス機構1013とを有
する(図15参照)。レーザ発振器1003には、紫外光、可視光、又は赤外光を発振す
ることが可能なレーザ発振器を用いることができ、具体的には、KrF、ArF、XeC
l、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気
体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr
、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発
振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用い
ることができる。
【0107】
次に、上記構成を有するレーザ照射装置1001の動作について説明する。まず、基板1
014が移動機構1009に装着されると、コンピュータ1002は図外のカメラによっ
て、レーザ光を照射する記憶素子の位置を検出する。次いで、コンピュータ1002は、
検出した位置データに基づいて、移動機構1009を移動させるための移動データを生成
する。続いて、コンピュータ1002が、ドライバ1011を介して音響光学変調器10
06の出力光量を制御することにより、レーザ発振器1003から出力されたレーザ光は
、光学系1005によって減衰された後、音響光学変調器1006によって所定の光量に
なるように光量が制御される。一方、音響光学変調器1006から出力されたレーザ光は
、光学系1007で光路及びビームスポット形状を変化させ、レンズで集光した後、基板
1014上に該レーザ光を照射する。このとき、コンピュータ1002が生成した移動デ
ータに従い、移動機構1009をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場
所にレーザ光が照射され、レーザ光の光エネルギー密度が熱エネルギーに変換され、基板
1014上に設けられた記憶素子に選択的にレーザ光が照射される。なお、上記の記載に
よると、移動機構1009を移動させてレーザ光の照射を行う例を示しているが、光学系
1007を調整することによってレーザ光をX方向およびY方向に移動させてもよい。
【0108】
上記のようなレーザ照射装置を用いて、レーザ光を照射することによりデータの書き込み
を行う本発明は、データの書き込みを簡単に行うことができる。従って、大量のデータの
書き込みを短時間で行うことができる。
【実施例3】
【0109】
本発明の半導体装置の用途は広範にわたるものであるが、以下にはその用途の具体例につ
いて説明する。本発明の半導体装置20は、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債
券類、証書類(運転免許証や住民票等、図16(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボ
トル等、図16(B)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図16(C)
参照)、乗物類(自転車等、図16(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等、図16(E
)参照)、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等の物品に設けて活用することができる
。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビと呼んだ
り、テレビ受像機やテレビジョン受像機とも呼んだりする)、携帯電話等を指す。
【0110】
本発明の半導体装置20は、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだり
して、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケー
ジなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本発明の半導体装置20
は、小型・薄型・軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性
を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明
の半導体装置20を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活
用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、
食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品
システム等のシステムの効率化を図ることができる。
【0111】
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する
。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル270
1、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2
705とを有する(図17参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組
み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2
702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更され
る。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装され
ており、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配
線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(C
PU、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処
理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
【0112】
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と一体化
される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操
作ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納され
る。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視
認できるように配置されている。
【0113】
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上
記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用する
ことができる。
【0114】
また、本発明の半導体装置は、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタ
を有するため、高速な動作が可能な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる
。また、電界効果トランジスタの特性バラツキは少ないため、高い信頼性を実現した半導
体装置を用いた電子機器を提供することができる。
【0115】
また、本発明の半導体装置は、単結晶半導体層をチャネル部とした複数の電界効果トラン
ジスタを含む層上に、複数の記憶素子を含む層を積層した構成を有するため、小型な半導
体装置を用いた電子機器を提供することができる。
【0116】
また、本発明の半導体装置は、一対の導電層間に有機化合物層が挟まれた単純な構造の記
憶素子を有するため、安価な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。また
、本発明の半導体装置は高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置を
用いた電子機器を提供することができる。
【0117】
また、本発明の半導体装置が含む記憶回路は、光学的作用又は電気的作用によりデータの
書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴と
する。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加
して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置を用
いた電子機器を提供することができる。
【0118】
また、本発明の半導体装置の作製方法は、第1の単結晶半導体層と、絶縁層と、第2の単
結晶半導体層を積層した基板を用いており、第1の単結晶半導体層をチャネル部とした複
数のトランジスタを形成した後、第2の単結晶半導体層をエッチングして除去することを
特徴とする。上記特徴により、小型、薄型、軽量を実現した半導体装置を用いた電子機器
を提供することができる。
【0119】
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり
、本実施例に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。従って
、以下に、電子機器の態様の一例について図18を参照して説明する。
【0120】
図18(A)は炊飯器であり、筐体2001、表示部2002、操作ボタン2003等を
含む。本発明の半導体装置を炊飯器に設けることによって、様々なデータを記憶させるこ
とができ、またそのデータを表示部2002により表示することができる。例えば、白米
、おかゆ、山菜ごはん等を作る際のレシピ(水分量やお米の量等)を予め記憶させておけ
ば、ユーザーが操作ボタン2003を操作することによって、知りたい情報を簡単に検索
することができる。また、例えば、ごはんのやわらかさやかたさ等に関して、ユーザー自
身が自分の好みに合わせてデータを追記することができ、その書き込んだ情報を基に、動
作させることもできる。
【0121】
図18(B)は電子レンジであり、筐体2101、表示部2102、操作ボタン2103
等を含む。本発明の半導体装置を電子レンジに設けることによって、様々なデータを記憶
させることができ、また、記憶させたデータを表示部2102により表示することができ
る。例えば、様々な料理のレシピとその材料の加熱・解凍時間等をあらかじめ記憶させて
おき、ユーザーが操作ボタン2103を操作することによって、知りたい情報を簡単に検
索することができる。また、データとして記憶されていないユーザーのオリジナル料理の
レシピ等を追記することができる。
【0122】
図18(C)は洗濯機であり、筐体2201、表示部2202、操作ボタン2203等を
含む。本発明の半導体装置を洗濯機に設けることによって、様々なデータを記憶させ、そ
のデータを表示部2202により表示することができる。例えば、洗濯の方法や衣類の量
に対する水量や洗剤の分量等をあらかじめ記憶させておき、ユーザーが操作ボタン220
3を操作することによって、知りたい情報を簡単に検索することができる。また、ユーザ
ーの好みに合わせた洗濯の方法を追記することができる。
【0123】
続いて、本発明の半導体装置を活用したシステムの一例について説明する。まず、表示部
294を含む携帯端末の側面にリーダライタ295を設けて、物品297の側面に本発明
の半導体装置20を設けておく(図19(A)参照)。また、あらかじめ、半導体装置2
0に物品297の原材料や原産地、流通過程の履歴等の情報を記憶させておく。そして、
半導体装置20をリーダライタ295にかざすと同時に、半導体装置20が含む情報が表
示部294に表示されるようにすれば、利便性が優れたシステムを提供することができる
また、別の例として、ベルトコンベアの脇にリーダライタ295を設けておく(図19(
B)参照)。そうすれば、物品297の検品を極めて簡単に行うことが可能なシステムを
提供することができる。このように、本発明の半導体装置を物品の管理や流通のシステム
に活用することで、システムの高機能化を図り、利便性を向上させることができる。
【実施例4】
【0124】
本実施例では、基板上に記憶素子を作成し、その記憶素子に電気的作用によりデータの書
き込みを行ったときの電流電圧特性の測定結果について、図20〜22を参照して説明す
る。図20〜22は、それぞれ、横軸が電圧、縦軸が電流密度値、丸印のプロットはデー
タの書き込み前の記憶素子の電流電圧特性の測定結果、四角印のプロットはデータの書き
込み後の記憶素子の電流電圧特性の測定結果を示す。なお、記憶素子に電気的作用により
データの書き込みを行うとは、記憶素子に電圧を印加して、記憶素子を短絡させることで
ある。
【0125】
電圧電流特性の測定には、6つの試料(試料1〜試料6)を用いた。6つの試料の水平面
における大きさは、2mm×2mmである。以下には、6つの試料の積層構造について説
明する。
【0126】
試料1は、第1の導電層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子である。試料
1は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、有機化合物層をTPDで形成
し、第2の導電層をアルミニウムで形成した。また、有機化合物層を厚さ50nmで形成
した。試料1の電流電圧特性の測定結果を図20(A)に示す。
【0127】
試料2は、第1の導電層、有機化合物層、第2の導電層の順に積層した素子である。試料
2は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、有機化合物層を、2,3,5
,6−テトラフルオロ−7,7,8,8,−テトラシアノキノジメンタン(F4−TCN
Qと略称されることがある)を添加したTPDで形成し、第2の導電層をアルミニウムで
形成した。また、有機化合物層を厚さ50nmで、F4−TCNQを0.01wt%添加
して形成した。試料2の電流電圧特性の測定結果を図20(B)に示す。
【0128】
試料3は、第1の導電層、第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第2の導電層の順
に積層した素子である。試料3は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、
第1の有機化合物層をTPDで形成し、第2の有機化合物層をF4−TCNQで形成し、
第2の導電層をアルミニウムで形成した。また、第1の有機化合物層を厚さ50nmで形
成し、第2の有機化合物層を厚さ1nmで形成した。試料3の電流電圧特性の測定結果を
図21(A)に示す。
【0129】
試料4は、第1の導電層、第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第2の導電層の順
に積層した素子である。試料4は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、
第1の有機化合物層をF4−TCNQで形成し、第2の有機化合物層をTPDで形成し、
第2の導電層をアルミニウムで形成した。また、第1の有機化合物層を厚さ1nmで形成
し、第2の有機化合物層を厚さ50nmで形成した。試料4の電流電圧特性の測定結果を
図21(B)に示す。
【0130】
試料5は、第1の導電層、第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第2の導電層の順
に積層した素子である。試料5は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、
第1の有機化合物層を、F4−TCNQを添加したTPDで形成し、第2の有機化合物層
をTPDで形成し、第2の導電層をアルミニウムで形成した。また、第1の有機化合物層
を厚さ40nmで、F4−TCNQを0.01wt%添加して形成した。また、第2の有
機化合物層を厚さ40nmで形成した。試料5の電流電圧特性の測定結果を図22(A)
に示す。
【0131】
試料6は、第1の導電層、第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第2の導電層の順
に積層した素子である。試料6は、第1の導電層として酸化珪素を含むITOで形成し、
第1の有機化合物層をTPDで形成し、第2の有機化合物層をF4−TCNQを添加した
TPDで形成し、第2の導電層をアルミニウムで形成した。また、第1の有機化合物層を
厚さ40nmで形成した。また、第2の有機化合物層を厚さ10nmで、F4−TCNQ
を0.01wt%添加して形成した。試料6の電流電圧特性の測定結果を図22(B)に
示す。
【0132】
図20〜22に示す測定結果から、試料1〜試料6において、データの書き込み前(記憶
素子の短絡前)と、データの書き込み後(記憶素子の短絡後)で、記憶素子の電流電圧特
性に大きな変化がみられた。
【0133】
また、試料1の書き込み電圧(V)は8.4であった。試料2の書き込み電圧(V)は4
.4であった。試料3の書き込み電圧(V)は3.2であった。試料4の書き込み電圧(
V)は5.0であった。試料5の書き込み電圧(V)は6.1であった。試料6の書き込
み電圧(V)は7.8であった。試料1〜試料6の書き込み電圧には、再現性があり、誤
差は0.1V以内であった。
【0134】
次に、試料1〜6のデータの書き込み前とデータの書き込み後の電流密度の変化について
説明する。電流密度の変化を示す値R1は、書き込み後の記憶素子に電圧を1V印加した
ときの電流密度Aを、書き込み前の記憶素子に電圧を1V印加したときの電流密度Bで割
った値(R1=A÷B)である。電流密度の変化を示す値R2は、書き込み後の記憶素子
に電圧を3V印加したときの電流密度Cを、書き込み前の記憶素子に電圧を3V印加した
ときの電流密度Dで割った値(R2=C÷D)である。
【0135】
試料1のR1は1.9×10であり、R2は8.4×10であった。試料2のR1は
8.0×10であり、R2は2.1×10であった。試料3のR1は8.7×10
であり、R2は2.0×10であった。試料4のR1は3.7×10であり、R2は
1.0×10であった。試料5のR1は2.0×10であり、R2は5.9×10
であった。試料6のR1は2.0×10であり、R2は2.5×10であった。上記
の結果より、試料1〜6において、印加電圧が3Vのときの電流値の変化と、印加電圧が
1Vのときの電流値の変化は、10倍以上であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層上に設けられ、単結晶半導体層をチャネル部とした電界効果トランジスタと、
前記電界効果トランジスタ上に設けられ、一対の導電層と、該一対の導電層間に有機化合物層を含む記憶素子を有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−97105(P2011−97105A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21718(P2011−21718)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【分割の表示】特願2005−307239(P2005−307239)の分割
【原出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】