半導体装置の製造方法
【課題】銅配線を有する半導体装置において、銅配線の配線抵抗やコンタクトと抵抗を増加することなく信頼性を向上しうる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜に形成された開口部内に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜と、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜と、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜と、銅を主材料とする第4の膜とを含む配線層を形成した後、熱処理により、絶縁膜と第4の膜との間に、第1金属材料、第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する。
【解決手段】絶縁膜に形成された開口部内に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜と、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜と、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜と、銅を主材料とする第4の膜とを含む配線層を形成した後、熱処理により、絶縁膜と第4の膜との間に、第1金属材料、第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に、銅配線を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅配線を有する半導体装置では、多層配線構造中における信号遅延を軽減するため、層間絶縁膜としては低誘電率膜が用いられている。また、層間絶縁膜中への銅の拡散を防止するバリア膜としては、タンタル、チタンなどの高融点金属やその窒化物を含む金属膜が用いられている。
【0003】
しかしながら、半導体装置の小型化に伴う配線溝やビアホールの微細化、層間絶縁膜の低誘電率化に伴い、バリア膜の溝部でのカバレッジの低下や、低誘電率膜によるバリア膜の酸化の影響により、バリア膜のバリア性が低下し信頼性の確保が難しくなっている。
このような背景において、近年、銅配線の信頼性を向上する技術として、銅を主体とするマンガン(Mn)を含む合金(Mn合金材)を用いてバリア膜を形成する方法が提案されている。Mn合金材を用いた新たなバリア化合物膜の形成技術は、配線層内に添加合金元素(Mn)を導入して熱処理を施すことで、自己修復的或いは自己整合的に導電部と層間絶縁膜との界面に拡散防止機能を有する層を形成するものである。これにより、界面における密着性とバリア性が確保され、銅配線の信頼性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−277390号公報
【特許文献2】特開2008−205177号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Haneda et al., "Self-Restored Barrier using Cu-Mn Alloy", ADMETA, Vol. 124, pp. 27-28, 2007
【非特許文献2】Kudo et al., "Further Enhancement of Electro-migration Resistance by Combination of Self-aligned Barrier and Copper Wiring Encapsulation Techniques for 32-nm Nodes and Beyond", International Interconnect Technology Conference, 2008, pp. 117-119
【非特許文献3】Kudo et al., "Copper Wiring Encapsulation at Semi-Global Level to Enhance Wiring and Dielectric Reliabilities for Next-Generation Technology Nodes", International Interconnect Technology Conference, 2009, pp. 188-190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配線層に添加されるMnは、配線層内を拡散し、層間絶縁膜との界面においてバリア膜の高融点金属材、層間絶縁膜からの酸素、及びMnを含む複合バリア化合物層を形成する反応によって配線層内から消費される。しかしながら、配線層内にMnを添加する上記方法では、複合バリア化合物層の形成反応に寄与しない余剰のMnが配線又はビア中に残留し、配線抵抗やコンタクト抵抗の増大することがあった。
【0007】
本発明の目的は、銅配線を有する半導体装置において、銅配線の配線抵抗やコンタクトと抵抗を増加することなく信頼性を向上しうる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一観点によれば、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に、銅と、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
また、実施形態の他の観点によれば、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の半導体装置の製造方法によれば、第1金属材料を含む第1の膜と、銅と第2金属材料とを含む第3の膜との間に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成するので、第2金属材料と酸素とが効率的に結合し、バリア層の形成を促進することができる。これにより、配線層中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層は、配線層と絶縁膜との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】図3は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】図4は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】図5は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】図6は、第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】図7は、第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置の製造方法について図1乃至図5を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。図2乃至図5は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0014】
はじめに、本実施形態による半導体装置の構造について図1を用いて説明する。
【0015】
図示しない基板上には、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10が形成されている。配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上には、バリア層14、低誘電率絶縁膜16及びエッチングストッパ膜18を含む層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20には、配線層12に達するビアホール22と、ビアホール22に接続された配線溝24とが形成されている。
【0016】
ビアホール22及び配線溝24の内壁及び底部には、単独で銅に対してバリア性を発揮する第1金属材料と、酸素と結合しやすい材料であって酸素と結合することにより銅に対してバリア性を発現する第2金属材料と、酸素とを含むバリア層38が形成されている。バリア層38が形成されたビアホール22及び配線溝24内には、銅を主材料とする配線材料32が埋め込まれている。これにより、ビアホール22及び配線溝24内には、バリア層38及び配線材料32を含み、ビアホール22を介して配線層12に接続された配線層40が形成されている。
【0017】
配線層40が埋め込まれた層間絶縁膜20上には、更に上層に形成する層間絶縁膜(図示せず)の一部をなすエッチングストッパ膜36が形成されている。
【0018】
上述のように、本実施形態による半導体装置では、配線層40のバリア層38が、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む材料により形成されている。
【0019】
ここで、第1金属材料は、単独で銅に対してバリア性を発揮する材料であり、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、Co(コバルト)、ジルコニウム(Zr)及びルテニウム(Ru)を含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む高融点金属材料である。第2金属材料は、酸素と結合しやすい材料であって酸素と結合することにより銅に対してバリア性を発現する材料であり、マンガン(Mn)、チタン(Ti)及びアルミニウム(Al)を含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む金属材料である。すなわち、バリア層38の構成材料としては、TaMnO、TiMnO、CoMnO、ZrMnO、RuMnO、TaAlO、TiAlO、CoAlO、ZrAlO、TaTiO、CoTiO、ZrTiO、RuTiO及びRuAlOやこれらの混合物を含む材料が挙げられる。
【0020】
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図6を用いて説明する。
【0021】
図示しない基板上には、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10が形成されている。ここで基板とは、半導体基板そのもののみならず、半導体基板上にトランジスタ等の素子や1層又は2層以上の配線層が形成された基板をも含むものである。本明細書では、層間絶縁膜10をも含めて基板と呼ぶこともある。また、配線層12は、特に限定されるものではないが、例えば、銅を主材料とする配線層である。この場合、配線層12は、後述する配線層と同様の製造方法により形成してもよい。
【0022】
次いで、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上に、キャップ膜14を形成する。
【0023】
キャップ膜14は、主として、配線層12の構成材料が層間絶縁膜中に拡散するのを防止するためのものである。キャップ膜14は、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料としたPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によるTEOS酸化膜(SiO)により形成することができる。或いは、キャップ膜14は、オルガノシラン系材料やシランガスを原料としたPECVD法による炭化シリコン(SiC)、酸化炭化シリコン(SiOC)、酸化窒化シリコン(SiON)、炭化窒化シリコン(SiCN)、窒化シリコン(SiN)等により形成することもできる。
【0024】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のキャップ膜14を形成する。SiC膜は、例えばテトラメチルシラン(4MS)を原料としたPECVD法により、基板温度を300〜450℃、例えば400℃で形成することができる。
【0025】
次いで、キャップ膜14上に、層間絶縁膜の主要部分をなす絶縁膜16を形成する。
【0026】
絶縁膜16は、TEOSやシランガスを原料としたPECVD法や熱CVD法により形成されるシリコン酸化膜(SiO)、PECVD法や塗布法により形成される無機或いは有機の、いわゆるlow−k膜と呼ばれる低誘電率膜等により形成することができる。無機低誘電率膜としては、例えば、オルガノシラン系材料による酸化炭化シリコン(SiOC)などの低誘電率膜、オルガノシロキサン系材料膜、水素化シロキサン系材料膜、ポーラスシリカ系材料のナノクラスタリングシリカ膜等を適用することができる。オルガノシラン系の材料としては、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ジエトキシメチルシラン(DEMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS)、トリメチルメトキシシラン(TM−MOS)等を用いることができる。有機低誘電率膜としては、例えば、ダウケミカル社製の「SiLK」(登録商標)、ハネウェル社製の「FLARE」(登録商標)などの芳香族ポリエーテル膜等を適用することができる。
【0027】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚300nmのSiOC膜を堆積し、SiOC膜の絶縁膜16を形成する。SiOC膜は、原料として例えばTM−MOSを用い、基板温度を300〜450℃、例えば350℃で形成することができる。
【0028】
次いで、絶縁膜16上に、エッチングストッパ膜18を形成する。
【0029】
エッチングストッパ膜18は、上層及び/又は下層に形成する絶縁膜に対するエッチング選択性を有する材料により形成する。エッチングストッパ膜18としては、例えば、PECVD法によるSiC膜、SiN膜等を適用することができる。
【0030】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のエッチングストッパ膜18を形成する。SiC膜は、原料として例えば4MSを用い、基板温度を350〜400℃、例えば400℃で形成する。
【0031】
こうして、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上に、キャップ膜14、絶縁膜16及びエッチングストッパ膜18を有する層間絶縁膜20を形成する(図2(a))。
【0032】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜20に、配線層12に接続されるビアホール22と、ビアホール22に接続された配線溝24とを形成する(図2(b))。配線溝24の幅は、特に限定されるものではないが、例えば50〜30000nmとする。ビアホールの径は、特に限定されるものではないが、例えば70nmとする。ビア高さは、特に限定されるものではないが、例えば150nmとする。
【0033】
ビアホール22及び配線溝24は、一般的なデュアルダマシンプロセスを用いて形成することができる。絶縁膜16の中間部分に、配線溝24のエッチングを停止するための中間ストッパ層を設けるようにしてもよい。
【0034】
次いで、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a))。バリア層26は、第1金属材料、すなわち、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む高融点金属材料により形成する。バリア層26は、単層構造でもよいし積層構造としてもよい。例えば、金属層と金属元素の窒化膜との積層構造として、例えばTa/TaN、Ti/TiNや、金属層同士の積層構造として、例えばCo/Ta、Co/Ti、Co/Ru、Ru/Taなどでもよい。
【0035】
ここでは、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚3〜10nmのTa膜を堆積し、Ta膜のバリア層26を形成する。Ta膜の成膜条件は、放電用ガスを例えばアルゴン(Ar)又は窒素(N2)とし、ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2とする。
【0036】
次いで、バリア層26上に、例えばスパッタリング法により、酸素を含有する銅層(以下、「酸素含有銅層」という)28を形成する(図3(b))。酸素含有銅層28の形成条件は、例えば、放電用ガスとして例えば酸素(O2)を添加したArを用い、銅ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2とする。
【0037】
酸素含有銅層28中の酸素含有量は、1×1020atoms/cm3〜1×1022atoms/cm3であることが望ましい。1×1020atoms/cm3以上の酸素を含有するのは、1×1020atoms/cm3未満の酸素含有量では、酸素を添加することによる効果を十分に得られないからである。酸素含有量を1×1022atoms/cm3以下とするのは、配線層40内にバリア層38の形成に寄与しない余剰の酸素が残留した場合にも、配線層40の抵抗や配線層12に対するコンタクト抵抗の増大を防止できるからである。なお、一般的な純銅シード及び銅めっきを用いた場合の銅配線中における平均酸素濃度は、1×1018atoms/cm3〜1×1021atoms/cm3程度であり、この程度の酸素含有量であれば、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗に与える影響は十分に小さい。
【0038】
また、酸素含有銅層28の膜厚は、以後に説明する合金層30の形成の際に、最大の配線幅を有する配線溝24の底部に形成される合金層30中に含有される第2金属材料の量相当以上の酸素量を含有する膜厚とすることが望ましい。かかる観点から、酸素含有銅層28の膜厚は、少なくとも0.5nm以上、好ましくは0.5〜5nmの膜厚で形成することが望ましい。これにより、バリア層38を形成する際の熱処理において、合金層30中の第2金属材料と酸素含有銅層28中の酸素との反応によって第2金属材料を効率よく消費することができ、配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができる。
【0039】
なお、酸素含有銅層28として、金属の酸化物層、例えば銅酸化物層を用いると、コンタクト抵抗の上昇や密着性の低下が生じる虞がある。酸素含有銅層28は、膜中に酸素を含有する銅層であることが望ましい。
【0040】
また、酸素含有銅層28は、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。バリア層26の形成後、酸素含有銅層28の形成前に大気暴露を行うと、反応化合物層と導電部との間の密着性が低下し信頼性が劣化する虞があるからである。
【0041】
次いで、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a))。合金層30としては、例えば、CuMn、CuTi、CuAl等を適用することができる。
【0042】
ここでは、合金層30として、例えば膜厚0.5〜60nmのCuMn層を形成する。CuMn層は、例えばスパッタリング法により、0.1〜10atom%のMnを含有した銅ターゲットを用い、放電用ガスとしてArを用い、ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2、雰囲気圧力を例えば10−5〜10Paとして形成する。このとき、基板に5〜15mW/mm2のバイアス電力を印加してもよい。
【0043】
次いで、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、例えば膜厚500nmのCuを主材料とする配線材料32を形成する(図4(b))。
【0044】
Cuを主材料とする配線材料32は、例えば、電解銅めっき法により形成することができる。この場合、銅めっき用の電極となる銅膜(図示せず)を、予め合金層30上に形成しておいてもよい。配線材料32は、例えば、所定の濃度に調整された硫酸銅溶浴を用い、電流密度を例えば3mA/cm2〜55mA/cm2とし、膜厚を例えば200nm〜5000nmとする。
【0045】
Cuを主材料とする配線材料32は、主原料として例えばCu(hfac)TMVS(Trimethylvinylsilyl hexafluoroacetylacetonate Cu(I))を用いたCVD法により形成することもできる。この場合の成膜条件は、例えば、主原料の流量を0.3g〜0.5g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を600sccm、基板温度を160〜200℃、成膜圧力を150〜800Paとすることができる。
【0046】
次いで、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のために、H2/N2雰囲気下において、温度150℃〜350℃、例えば250℃、時間90秒〜90分、例えば90秒間の熱処理を行う。
【0047】
次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去する。こうして、ビアホール22及び配線溝24内に埋め込まれた配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26により、ビアホール22を介して配線層12に接続された配線層34を形成する(図5(a))。
【0048】
次いで、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0049】
キャップ膜36は、キャップ膜14と同様、主として、配線層12の構成材料が層間絶縁膜20中に拡散するのを防止するためのものである。キャップ膜36は、SiOC、SiON、SiC、SiN等により形成することもできる。
【0050】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のキャップ膜34を形成する。SiC膜は、例えばPECVD法により、原料として4MSを、キャリアガスとしてCO2を用い、基板温度300〜450℃、例えば400℃で形成することができる。
【0051】
この後、300〜450℃程度、例えば400℃の熱処理を行う。この熱処理により、合金層30に含まれる第2金属材料は配線層34内を拡散し、配線層34と層間絶縁膜20との界面において、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む化合物層(バリア層38)を形成する。これにより配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を含む配線層34は、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40となる(図5(b))。
【0052】
このバリア層38は、バリア層26、酸素含有銅層28、及び合金層30の反応によって形成されたものであり、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む化合物層である。例えば、第1金属材料であるTaのバリア層26と、第2金属材料であるMnを含むCuMnの合金層30とを用いた上述の例では、TaMnOのバリア層38が形成される。
【0053】
なお、バリア層38を形成する際の反応では、層間絶縁膜20(例えば絶縁膜16)から酸素が供給されることもある。また、バリア層38中に層間絶縁膜20の構成材料であるシリコン(Si)が含まれることもある。
【0054】
バリア層38を形成するための熱処理は、個別の熱処理工程を追加してもよいし、バックエンドプロセスで行われる300℃以上の熱負荷を利用してもよい。上述の製造方法では、例えば、キャップ膜36を形成する際の400℃の熱負荷を利用することができる。バリア層38を形成するための熱処理は、配線材料32を堆積後であれば、CMPによる研磨前に行ってもよい。
【0055】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0056】
このように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、バリア層26と配線材料32との間に酸素含有銅層28及び合金層30を形成している。これにより、バリア層26のカバレッジが悪くバリア性の低下している部分が存在するような場合にも、その部分において合金層30中の第2金属材料と酸素含有銅層28中の酸素とが反応し、銅に対してバリア性の高い化合物を自己修復的に形成することができる。これにより、低下しているバリア層26のバリア性を補うことができ、配線の信頼性を向上することができる。
【0057】
また、酸素含有銅層28を形成することにより、バリア層38の形成の際に合金層30中の第2金属材料を効率的に消費することができ、配線材料32中に残留する第2金属材料に起因する配線層40の抵抗の増加や配線層12に対するコンタクト抵抗の増加を抑制することができる。特に、酸素含有銅層28中の酸素含有量を、最大の配線幅を有する配線溝24の底部に形成される合金層30中に含有される第2金属材料の量相当以上にすることで、バリア層38を形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を大幅に低減することができる。
【0058】
酸素含有銅層28を形成することは、配線溝24の底部にキャップ膜やエッチングストッパ膜が露出しているような場合に、特に効果的である。
【0059】
例えば、中間ストッパ層を用いたデュアルダマシンプロセスでは、例えば図6(a)に示すように、配線溝24の底部にはエッチングストッパ膜42が露出する。また、シングルダマシンプロセスでは、例えば図6(b)に示すように、配線溝24の底部にはキャップ膜44が露出する。エッチングストッパ膜42やキャップ膜42としては、SiC膜やSiN膜など、酸素含有量の少ない絶縁膜が用いられることが多い。この場合、酸素含有銅層28が存在しないと、配線溝24の側壁部分では絶縁膜16から酸素が供給されるが、配線溝24の底部ではバリア層38の形成の際に下層の層間絶縁膜から十分に酸素を供給することができず、合金層30中に含有される第2金属材料を効率的に消費できない。この結果、バリア層38の形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度が増加し、ひいては配線層40の抵抗やコンタクト抵抗が増加してしまう。
【0060】
バリア層26と合金層30との間に酸素含有銅層28を設けることにより、配線溝24の底部にエッチングストッパ膜42やキャップ膜44が露出しているような場合にも、合金層30中の第2金属材料を酸素含有銅層28中の酸素によって効率的に消費することができる。これにより、配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を大幅に減らすことができる。
【0061】
酸素含有銅層28を形成することの効果は、線幅の太い配線層において特に大きい。
【0062】
バリア層38の形成反応は、半導体装置の構造、溝部側壁及び底部の絶縁膜の種類、第2金属材料の導入量、反応温度等の影響を受ける。基本的には、層間絶縁膜(絶縁膜16)による第1金属材料の酸化が起こりやすい微細溝の側壁部分での反応が最も起こりやすく、配線幅が太くなるに従って相対的に起こりにくくなる。
【0063】
線幅の太い配線層では、アスペクト比の違いに起因して、線幅の細い配線層の場合よりも、配線溝の底部に堆積される合金層30の膜厚が厚くなる傾向にある。また、スパッタリング法などのPVD法を用いた場合、配線溝24の底部に比べ側壁で相対的に膜が薄く形成されるため、細幅配線ほどバリア層38の形成反応が起こりやすい。これらのことは、線幅の太い配線層において、配線溝24の底部領域に堆積される第2金属材料の量が増加し、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗への影響が大きくなることを意味している。酸素含有銅層28を形成することにより、線幅の太い配線層においても、バリア層38の形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を効率的に低下することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0065】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図5を参照して説明する。第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0066】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸素含有銅層28の形成方法が異なるほかは、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様である。
【0067】
まず、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20に、ビアホール22及び配線溝24を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
【0068】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a)参照)。
【0069】
次いで、バリア層26上に、例えばCVD法により、酸素含有銅層28を形成する(図3(b)参照)。酸素含有銅層28の形成条件は、例えば、主原料として例えばCu(hfac)TMVSを用い、主原料の流量を例えば0.05g/min〜0.2g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を例えば600sccm、基板温度を例えば170℃、成膜圧力を例えば150Paとする。低温でデポレートを低下して堆積することにより、銅膜中に酸素を含有させることができる。
【0070】
酸素含有銅層28中の酸素含有量及び酸素含有銅層28の膜厚は、第1実施形態の場合と同様である。
【0071】
なお、CVD法による酸素含有銅層28の形成に、ここでは原料としてCu(hfac)TMVSを用いているが、所定量の酸素を含有する銅層を形成できるものであれば、他の公知の材料や条件を用いてもよい。
【0072】
また、酸素含有銅層28は、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。
【0073】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a)参照)。
【0074】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、配線材料32を形成する(図4(b)参照)。
【0075】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のための熱処理を行う。
【0076】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、CMP法により層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去し、配線層34を形成する(図5(a)参照)。
【0077】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0078】
この後、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、バリア層38を形成するための熱処理を行い、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40を形成する(図5(b)参照)。
【0079】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0080】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0081】
[第3実施形態]
第3実施形態による半導体装置の製造方法について図7を用いて説明する。図1乃至図6に示す第1及び第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0082】
図7は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0083】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸素含有銅層28の形成方法が異なるほかは、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様である。
【0084】
まず、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20に、ビアホール22及び配線溝24を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
【0085】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a)参照)。
【0086】
次いで、バリア層26上に、例えばスパッタリング法やCVD法により、例えば膜厚0.5nm〜5nmの銅層28aを形成する(図7(a))。
【0087】
スパッタリング法による銅層28aの形成条件は、例えば、銅ターゲットを用い、放電用ガスとして例えばArを用い、銅ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2、雰囲気圧力を例えば10−5Pa〜10Paとする。このとき、基板に5〜15mW/mm2のバイアス電力を印加してもよい。
【0088】
CVD法による銅層28aの形成条件は、例えば、主原料として例えばCu(hfac)TMVSを用い、主原料の流量を例えば0.3g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を例えば600sccm、基板温度を例えば180℃、成膜圧力を例えば100Paとする。この条件で形成される銅層28aの酸素含有量は、3×1018cm−3程度となる。
【0089】
なお、CVD法による銅層28aの形成に、ここでは原料としてCu(hfac)TMVSを用いているが、他の公知の材料や条件を用いてもよい。
【0090】
また、銅層28aは、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。
【0091】
次いで、銅層28aの表面側を薄く酸化し、酸素含有銅層28を形成する(図7(b))。酸素含有銅層28は、例えば、酸化剤として酸素ガスを用い、200℃より低い温度で酸化の処理を行うことにより形成することができる。例えば、処理室内を酸素を含む減圧雰囲気とし、80℃〜150℃の熱処理を行う。
【0092】
酸素含有銅層28中の酸素含有量は、第1実施形態の場合と同様である。
【0093】
なお、銅層28aの酸化は、銅層28aの形成後、大気暴露を行わずに連続して行うことが望ましい。
【0094】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a)参照)。
【0095】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、配線材料32を形成する(図4(b)参照)。
【0096】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のための熱処理を行う。
【0097】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、CMP法により層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去し、配線層34を形成する(図5(a)参照)。
【0098】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0099】
この後、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、バリア層38を形成するための熱処理を行い、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40を形成する(図5(b)参照)。
【0100】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0101】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0102】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0103】
例えば、上記実施形態では、デュアルダマシンプロセスによって配線層40を形成する場合を示したが、シングルダマシンプロセスによって配線層40を形成するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、絶縁膜16をSiOC膜により形成したが、絶縁膜16を形成する材料は、これに限定されるものではない。バリア層38の形成を促進する観点からは、酸素を含む材料であることが望ましい。また、半導体プロセスに対する整合性の観点からは、シリコン系の絶縁材料であることが望ましい。なお、本明細書においてシリコン系の絶縁材料とは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化炭化シリコン、炭化窒化シリコン等、又はこれらを含む絶縁膜である。
【0105】
また、上記実施形態では、第1金属材料としてTa、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む材料を、第2金属材料としてMn及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む材料を例示したが、これらと同様の物性を有する他の材料を適用してもよい。
【0106】
また、上記実施形態に記載の製造条件は、本願発明者が用いた装置における好適な条件であり、開示の半導体装置の製造方法は、上記実施形態に記載の製造条件に限定されるものではない。本発明の効果を実現しうる範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
10,20…層間絶縁膜
12,34,40…配線層
14,36,44…キャップ膜
16…絶縁膜
18,42…エッチングストッパ膜
22…ビアホール
24…配線溝
26,38…バリア層
28a…銅層
28…酸素含有銅層
30…合金層
32…配線材料
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に、銅配線を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅配線を有する半導体装置では、多層配線構造中における信号遅延を軽減するため、層間絶縁膜としては低誘電率膜が用いられている。また、層間絶縁膜中への銅の拡散を防止するバリア膜としては、タンタル、チタンなどの高融点金属やその窒化物を含む金属膜が用いられている。
【0003】
しかしながら、半導体装置の小型化に伴う配線溝やビアホールの微細化、層間絶縁膜の低誘電率化に伴い、バリア膜の溝部でのカバレッジの低下や、低誘電率膜によるバリア膜の酸化の影響により、バリア膜のバリア性が低下し信頼性の確保が難しくなっている。
このような背景において、近年、銅配線の信頼性を向上する技術として、銅を主体とするマンガン(Mn)を含む合金(Mn合金材)を用いてバリア膜を形成する方法が提案されている。Mn合金材を用いた新たなバリア化合物膜の形成技術は、配線層内に添加合金元素(Mn)を導入して熱処理を施すことで、自己修復的或いは自己整合的に導電部と層間絶縁膜との界面に拡散防止機能を有する層を形成するものである。これにより、界面における密着性とバリア性が確保され、銅配線の信頼性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−277390号公報
【特許文献2】特開2008−205177号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Haneda et al., "Self-Restored Barrier using Cu-Mn Alloy", ADMETA, Vol. 124, pp. 27-28, 2007
【非特許文献2】Kudo et al., "Further Enhancement of Electro-migration Resistance by Combination of Self-aligned Barrier and Copper Wiring Encapsulation Techniques for 32-nm Nodes and Beyond", International Interconnect Technology Conference, 2008, pp. 117-119
【非特許文献3】Kudo et al., "Copper Wiring Encapsulation at Semi-Global Level to Enhance Wiring and Dielectric Reliabilities for Next-Generation Technology Nodes", International Interconnect Technology Conference, 2009, pp. 188-190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配線層に添加されるMnは、配線層内を拡散し、層間絶縁膜との界面においてバリア膜の高融点金属材、層間絶縁膜からの酸素、及びMnを含む複合バリア化合物層を形成する反応によって配線層内から消費される。しかしながら、配線層内にMnを添加する上記方法では、複合バリア化合物層の形成反応に寄与しない余剰のMnが配線又はビア中に残留し、配線抵抗やコンタクト抵抗の増大することがあった。
【0007】
本発明の目的は、銅配線を有する半導体装置において、銅配線の配線抵抗やコンタクトと抵抗を増加することなく信頼性を向上しうる半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一観点によれば、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に、銅と、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
また、実施形態の他の観点によれば、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、前記第2の膜上に、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
開示の半導体装置の製造方法によれば、第1金属材料を含む第1の膜と、銅と第2金属材料とを含む第3の膜との間に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成するので、第2金属材料と酸素とが効率的に結合し、バリア層の形成を促進することができる。これにより、配線層中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層は、配線層と絶縁膜との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】図3は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】図4は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】図5は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】図6は、第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】図7は、第3実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置の製造方法について図1乃至図5を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態による半導体装置の構造を示す概略断面図である。図2乃至図5は本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0014】
はじめに、本実施形態による半導体装置の構造について図1を用いて説明する。
【0015】
図示しない基板上には、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10が形成されている。配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上には、バリア層14、低誘電率絶縁膜16及びエッチングストッパ膜18を含む層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20には、配線層12に達するビアホール22と、ビアホール22に接続された配線溝24とが形成されている。
【0016】
ビアホール22及び配線溝24の内壁及び底部には、単独で銅に対してバリア性を発揮する第1金属材料と、酸素と結合しやすい材料であって酸素と結合することにより銅に対してバリア性を発現する第2金属材料と、酸素とを含むバリア層38が形成されている。バリア層38が形成されたビアホール22及び配線溝24内には、銅を主材料とする配線材料32が埋め込まれている。これにより、ビアホール22及び配線溝24内には、バリア層38及び配線材料32を含み、ビアホール22を介して配線層12に接続された配線層40が形成されている。
【0017】
配線層40が埋め込まれた層間絶縁膜20上には、更に上層に形成する層間絶縁膜(図示せず)の一部をなすエッチングストッパ膜36が形成されている。
【0018】
上述のように、本実施形態による半導体装置では、配線層40のバリア層38が、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む材料により形成されている。
【0019】
ここで、第1金属材料は、単独で銅に対してバリア性を発揮する材料であり、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、Co(コバルト)、ジルコニウム(Zr)及びルテニウム(Ru)を含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む高融点金属材料である。第2金属材料は、酸素と結合しやすい材料であって酸素と結合することにより銅に対してバリア性を発現する材料であり、マンガン(Mn)、チタン(Ti)及びアルミニウム(Al)を含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む金属材料である。すなわち、バリア層38の構成材料としては、TaMnO、TiMnO、CoMnO、ZrMnO、RuMnO、TaAlO、TiAlO、CoAlO、ZrAlO、TaTiO、CoTiO、ZrTiO、RuTiO及びRuAlOやこれらの混合物を含む材料が挙げられる。
【0020】
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図6を用いて説明する。
【0021】
図示しない基板上には、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10が形成されている。ここで基板とは、半導体基板そのもののみならず、半導体基板上にトランジスタ等の素子や1層又は2層以上の配線層が形成された基板をも含むものである。本明細書では、層間絶縁膜10をも含めて基板と呼ぶこともある。また、配線層12は、特に限定されるものではないが、例えば、銅を主材料とする配線層である。この場合、配線層12は、後述する配線層と同様の製造方法により形成してもよい。
【0022】
次いで、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上に、キャップ膜14を形成する。
【0023】
キャップ膜14は、主として、配線層12の構成材料が層間絶縁膜中に拡散するのを防止するためのものである。キャップ膜14は、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料としたPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によるTEOS酸化膜(SiO)により形成することができる。或いは、キャップ膜14は、オルガノシラン系材料やシランガスを原料としたPECVD法による炭化シリコン(SiC)、酸化炭化シリコン(SiOC)、酸化窒化シリコン(SiON)、炭化窒化シリコン(SiCN)、窒化シリコン(SiN)等により形成することもできる。
【0024】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のキャップ膜14を形成する。SiC膜は、例えばテトラメチルシラン(4MS)を原料としたPECVD法により、基板温度を300〜450℃、例えば400℃で形成することができる。
【0025】
次いで、キャップ膜14上に、層間絶縁膜の主要部分をなす絶縁膜16を形成する。
【0026】
絶縁膜16は、TEOSやシランガスを原料としたPECVD法や熱CVD法により形成されるシリコン酸化膜(SiO)、PECVD法や塗布法により形成される無機或いは有機の、いわゆるlow−k膜と呼ばれる低誘電率膜等により形成することができる。無機低誘電率膜としては、例えば、オルガノシラン系材料による酸化炭化シリコン(SiOC)などの低誘電率膜、オルガノシロキサン系材料膜、水素化シロキサン系材料膜、ポーラスシリカ系材料のナノクラスタリングシリカ膜等を適用することができる。オルガノシラン系の材料としては、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ジエトキシメチルシラン(DEMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS)、トリメチルメトキシシラン(TM−MOS)等を用いることができる。有機低誘電率膜としては、例えば、ダウケミカル社製の「SiLK」(登録商標)、ハネウェル社製の「FLARE」(登録商標)などの芳香族ポリエーテル膜等を適用することができる。
【0027】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚300nmのSiOC膜を堆積し、SiOC膜の絶縁膜16を形成する。SiOC膜は、原料として例えばTM−MOSを用い、基板温度を300〜450℃、例えば350℃で形成することができる。
【0028】
次いで、絶縁膜16上に、エッチングストッパ膜18を形成する。
【0029】
エッチングストッパ膜18は、上層及び/又は下層に形成する絶縁膜に対するエッチング選択性を有する材料により形成する。エッチングストッパ膜18としては、例えば、PECVD法によるSiC膜、SiN膜等を適用することができる。
【0030】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のエッチングストッパ膜18を形成する。SiC膜は、原料として例えば4MSを用い、基板温度を350〜400℃、例えば400℃で形成する。
【0031】
こうして、配線層12が埋め込まれた層間絶縁膜10上に、キャップ膜14、絶縁膜16及びエッチングストッパ膜18を有する層間絶縁膜20を形成する(図2(a))。
【0032】
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜20に、配線層12に接続されるビアホール22と、ビアホール22に接続された配線溝24とを形成する(図2(b))。配線溝24の幅は、特に限定されるものではないが、例えば50〜30000nmとする。ビアホールの径は、特に限定されるものではないが、例えば70nmとする。ビア高さは、特に限定されるものではないが、例えば150nmとする。
【0033】
ビアホール22及び配線溝24は、一般的なデュアルダマシンプロセスを用いて形成することができる。絶縁膜16の中間部分に、配線溝24のエッチングを停止するための中間ストッパ層を設けるようにしてもよい。
【0034】
次いで、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a))。バリア層26は、第1金属材料、すなわち、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の金属元素を含む高融点金属材料により形成する。バリア層26は、単層構造でもよいし積層構造としてもよい。例えば、金属層と金属元素の窒化膜との積層構造として、例えばTa/TaN、Ti/TiNや、金属層同士の積層構造として、例えばCo/Ta、Co/Ti、Co/Ru、Ru/Taなどでもよい。
【0035】
ここでは、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚3〜10nmのTa膜を堆積し、Ta膜のバリア層26を形成する。Ta膜の成膜条件は、放電用ガスを例えばアルゴン(Ar)又は窒素(N2)とし、ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2とする。
【0036】
次いで、バリア層26上に、例えばスパッタリング法により、酸素を含有する銅層(以下、「酸素含有銅層」という)28を形成する(図3(b))。酸素含有銅層28の形成条件は、例えば、放電用ガスとして例えば酸素(O2)を添加したArを用い、銅ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2とする。
【0037】
酸素含有銅層28中の酸素含有量は、1×1020atoms/cm3〜1×1022atoms/cm3であることが望ましい。1×1020atoms/cm3以上の酸素を含有するのは、1×1020atoms/cm3未満の酸素含有量では、酸素を添加することによる効果を十分に得られないからである。酸素含有量を1×1022atoms/cm3以下とするのは、配線層40内にバリア層38の形成に寄与しない余剰の酸素が残留した場合にも、配線層40の抵抗や配線層12に対するコンタクト抵抗の増大を防止できるからである。なお、一般的な純銅シード及び銅めっきを用いた場合の銅配線中における平均酸素濃度は、1×1018atoms/cm3〜1×1021atoms/cm3程度であり、この程度の酸素含有量であれば、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗に与える影響は十分に小さい。
【0038】
また、酸素含有銅層28の膜厚は、以後に説明する合金層30の形成の際に、最大の配線幅を有する配線溝24の底部に形成される合金層30中に含有される第2金属材料の量相当以上の酸素量を含有する膜厚とすることが望ましい。かかる観点から、酸素含有銅層28の膜厚は、少なくとも0.5nm以上、好ましくは0.5〜5nmの膜厚で形成することが望ましい。これにより、バリア層38を形成する際の熱処理において、合金層30中の第2金属材料と酸素含有銅層28中の酸素との反応によって第2金属材料を効率よく消費することができ、配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができる。
【0039】
なお、酸素含有銅層28として、金属の酸化物層、例えば銅酸化物層を用いると、コンタクト抵抗の上昇や密着性の低下が生じる虞がある。酸素含有銅層28は、膜中に酸素を含有する銅層であることが望ましい。
【0040】
また、酸素含有銅層28は、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。バリア層26の形成後、酸素含有銅層28の形成前に大気暴露を行うと、反応化合物層と導電部との間の密着性が低下し信頼性が劣化する虞があるからである。
【0041】
次いで、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a))。合金層30としては、例えば、CuMn、CuTi、CuAl等を適用することができる。
【0042】
ここでは、合金層30として、例えば膜厚0.5〜60nmのCuMn層を形成する。CuMn層は、例えばスパッタリング法により、0.1〜10atom%のMnを含有した銅ターゲットを用い、放電用ガスとしてArを用い、ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2、雰囲気圧力を例えば10−5〜10Paとして形成する。このとき、基板に5〜15mW/mm2のバイアス電力を印加してもよい。
【0043】
次いで、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、例えば膜厚500nmのCuを主材料とする配線材料32を形成する(図4(b))。
【0044】
Cuを主材料とする配線材料32は、例えば、電解銅めっき法により形成することができる。この場合、銅めっき用の電極となる銅膜(図示せず)を、予め合金層30上に形成しておいてもよい。配線材料32は、例えば、所定の濃度に調整された硫酸銅溶浴を用い、電流密度を例えば3mA/cm2〜55mA/cm2とし、膜厚を例えば200nm〜5000nmとする。
【0045】
Cuを主材料とする配線材料32は、主原料として例えばCu(hfac)TMVS(Trimethylvinylsilyl hexafluoroacetylacetonate Cu(I))を用いたCVD法により形成することもできる。この場合の成膜条件は、例えば、主原料の流量を0.3g〜0.5g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を600sccm、基板温度を160〜200℃、成膜圧力を150〜800Paとすることができる。
【0046】
次いで、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のために、H2/N2雰囲気下において、温度150℃〜350℃、例えば250℃、時間90秒〜90分、例えば90秒間の熱処理を行う。
【0047】
次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去する。こうして、ビアホール22及び配線溝24内に埋め込まれた配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26により、ビアホール22を介して配線層12に接続された配線層34を形成する(図5(a))。
【0048】
次いで、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0049】
キャップ膜36は、キャップ膜14と同様、主として、配線層12の構成材料が層間絶縁膜20中に拡散するのを防止するためのものである。キャップ膜36は、SiOC、SiON、SiC、SiN等により形成することもできる。
【0050】
ここでは、例えばPECVD法により、例えば膜厚30nmのSiC膜を堆積し、SiC膜のキャップ膜34を形成する。SiC膜は、例えばPECVD法により、原料として4MSを、キャリアガスとしてCO2を用い、基板温度300〜450℃、例えば400℃で形成することができる。
【0051】
この後、300〜450℃程度、例えば400℃の熱処理を行う。この熱処理により、合金層30に含まれる第2金属材料は配線層34内を拡散し、配線層34と層間絶縁膜20との界面において、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む化合物層(バリア層38)を形成する。これにより配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を含む配線層34は、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40となる(図5(b))。
【0052】
このバリア層38は、バリア層26、酸素含有銅層28、及び合金層30の反応によって形成されたものであり、第1金属材料と第2金属材料と酸素とを含む化合物層である。例えば、第1金属材料であるTaのバリア層26と、第2金属材料であるMnを含むCuMnの合金層30とを用いた上述の例では、TaMnOのバリア層38が形成される。
【0053】
なお、バリア層38を形成する際の反応では、層間絶縁膜20(例えば絶縁膜16)から酸素が供給されることもある。また、バリア層38中に層間絶縁膜20の構成材料であるシリコン(Si)が含まれることもある。
【0054】
バリア層38を形成するための熱処理は、個別の熱処理工程を追加してもよいし、バックエンドプロセスで行われる300℃以上の熱負荷を利用してもよい。上述の製造方法では、例えば、キャップ膜36を形成する際の400℃の熱負荷を利用することができる。バリア層38を形成するための熱処理は、配線材料32を堆積後であれば、CMPによる研磨前に行ってもよい。
【0055】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0056】
このように、本実施形態による半導体装置の製造方法では、バリア層26と配線材料32との間に酸素含有銅層28及び合金層30を形成している。これにより、バリア層26のカバレッジが悪くバリア性の低下している部分が存在するような場合にも、その部分において合金層30中の第2金属材料と酸素含有銅層28中の酸素とが反応し、銅に対してバリア性の高い化合物を自己修復的に形成することができる。これにより、低下しているバリア層26のバリア性を補うことができ、配線の信頼性を向上することができる。
【0057】
また、酸素含有銅層28を形成することにより、バリア層38の形成の際に合金層30中の第2金属材料を効率的に消費することができ、配線材料32中に残留する第2金属材料に起因する配線層40の抵抗の増加や配線層12に対するコンタクト抵抗の増加を抑制することができる。特に、酸素含有銅層28中の酸素含有量を、最大の配線幅を有する配線溝24の底部に形成される合金層30中に含有される第2金属材料の量相当以上にすることで、バリア層38を形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を大幅に低減することができる。
【0058】
酸素含有銅層28を形成することは、配線溝24の底部にキャップ膜やエッチングストッパ膜が露出しているような場合に、特に効果的である。
【0059】
例えば、中間ストッパ層を用いたデュアルダマシンプロセスでは、例えば図6(a)に示すように、配線溝24の底部にはエッチングストッパ膜42が露出する。また、シングルダマシンプロセスでは、例えば図6(b)に示すように、配線溝24の底部にはキャップ膜44が露出する。エッチングストッパ膜42やキャップ膜42としては、SiC膜やSiN膜など、酸素含有量の少ない絶縁膜が用いられることが多い。この場合、酸素含有銅層28が存在しないと、配線溝24の側壁部分では絶縁膜16から酸素が供給されるが、配線溝24の底部ではバリア層38の形成の際に下層の層間絶縁膜から十分に酸素を供給することができず、合金層30中に含有される第2金属材料を効率的に消費できない。この結果、バリア層38の形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度が増加し、ひいては配線層40の抵抗やコンタクト抵抗が増加してしまう。
【0060】
バリア層26と合金層30との間に酸素含有銅層28を設けることにより、配線溝24の底部にエッチングストッパ膜42やキャップ膜44が露出しているような場合にも、合金層30中の第2金属材料を酸素含有銅層28中の酸素によって効率的に消費することができる。これにより、配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を大幅に減らすことができる。
【0061】
酸素含有銅層28を形成することの効果は、線幅の太い配線層において特に大きい。
【0062】
バリア層38の形成反応は、半導体装置の構造、溝部側壁及び底部の絶縁膜の種類、第2金属材料の導入量、反応温度等の影響を受ける。基本的には、層間絶縁膜(絶縁膜16)による第1金属材料の酸化が起こりやすい微細溝の側壁部分での反応が最も起こりやすく、配線幅が太くなるに従って相対的に起こりにくくなる。
【0063】
線幅の太い配線層では、アスペクト比の違いに起因して、線幅の細い配線層の場合よりも、配線溝の底部に堆積される合金層30の膜厚が厚くなる傾向にある。また、スパッタリング法などのPVD法を用いた場合、配線溝24の底部に比べ側壁で相対的に膜が薄く形成されるため、細幅配線ほどバリア層38の形成反応が起こりやすい。これらのことは、線幅の太い配線層において、配線溝24の底部領域に堆積される第2金属材料の量が増加し、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗への影響が大きくなることを意味している。酸素含有銅層28を形成することにより、線幅の太い配線層においても、バリア層38の形成後に配線材料32中に残留する第2金属材料の濃度を効率的に低下することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0065】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置の製造方法について図2乃至図5を参照して説明する。第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0066】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸素含有銅層28の形成方法が異なるほかは、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様である。
【0067】
まず、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20に、ビアホール22及び配線溝24を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
【0068】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a)参照)。
【0069】
次いで、バリア層26上に、例えばCVD法により、酸素含有銅層28を形成する(図3(b)参照)。酸素含有銅層28の形成条件は、例えば、主原料として例えばCu(hfac)TMVSを用い、主原料の流量を例えば0.05g/min〜0.2g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を例えば600sccm、基板温度を例えば170℃、成膜圧力を例えば150Paとする。低温でデポレートを低下して堆積することにより、銅膜中に酸素を含有させることができる。
【0070】
酸素含有銅層28中の酸素含有量及び酸素含有銅層28の膜厚は、第1実施形態の場合と同様である。
【0071】
なお、CVD法による酸素含有銅層28の形成に、ここでは原料としてCu(hfac)TMVSを用いているが、所定量の酸素を含有する銅層を形成できるものであれば、他の公知の材料や条件を用いてもよい。
【0072】
また、酸素含有銅層28は、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。
【0073】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a)参照)。
【0074】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、配線材料32を形成する(図4(b)参照)。
【0075】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のための熱処理を行う。
【0076】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、CMP法により層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去し、配線層34を形成する(図5(a)参照)。
【0077】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0078】
この後、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、バリア層38を形成するための熱処理を行い、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40を形成する(図5(b)参照)。
【0079】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0080】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0081】
[第3実施形態]
第3実施形態による半導体装置の製造方法について図7を用いて説明する。図1乃至図6に示す第1及び第2実施形態による半導体装置及びその製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し又は簡潔にする。
【0082】
図7は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0083】
本実施形態による半導体装置の製造方法は、酸素含有銅層28の形成方法が異なるほかは、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様である。
【0084】
まず、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20に、ビアホール22及び配線溝24を形成する(図2(a)及び図2(b)参照)。
【0085】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜20上、並びにビアホール22及び配線溝24の側壁及び底部に、例えばPVD法やCVD法により、バリア層26を形成する(図3(a)参照)。
【0086】
次いで、バリア層26上に、例えばスパッタリング法やCVD法により、例えば膜厚0.5nm〜5nmの銅層28aを形成する(図7(a))。
【0087】
スパッタリング法による銅層28aの形成条件は、例えば、銅ターゲットを用い、放電用ガスとして例えばArを用い、銅ターゲット投入電力を例えば160mW/mm2〜640mW/mm2、雰囲気圧力を例えば10−5Pa〜10Paとする。このとき、基板に5〜15mW/mm2のバイアス電力を印加してもよい。
【0088】
CVD法による銅層28aの形成条件は、例えば、主原料として例えばCu(hfac)TMVSを用い、主原料の流量を例えば0.3g/min、キャリアガスとしてのH2/He混合ガスの流量を例えば600sccm、基板温度を例えば180℃、成膜圧力を例えば100Paとする。この条件で形成される銅層28aの酸素含有量は、3×1018cm−3程度となる。
【0089】
なお、CVD法による銅層28aの形成に、ここでは原料としてCu(hfac)TMVSを用いているが、他の公知の材料や条件を用いてもよい。
【0090】
また、銅層28aは、バリア層26の形成後、大気暴露を行わずに連続して形成することが望ましい。
【0091】
次いで、銅層28aの表面側を薄く酸化し、酸素含有銅層28を形成する(図7(b))。酸素含有銅層28は、例えば、酸化剤として酸素ガスを用い、200℃より低い温度で酸化の処理を行うことにより形成することができる。例えば、処理室内を酸素を含む減圧雰囲気とし、80℃〜150℃の熱処理を行う。
【0092】
酸素含有銅層28中の酸素含有量は、第1実施形態の場合と同様である。
【0093】
なお、銅層28aの酸化は、銅層28aの形成後、大気暴露を行わずに連続して行うことが望ましい。
【0094】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、酸素含有銅層28上に、例えばPVD法やCVD法により、Cuと第2金属材料とを含む合金層30を形成する(図4(a)参照)。
【0095】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、合金層30上に、ビアホール20及び配線溝22を埋め込むように、配線材料32を形成する(図4(b)参照)。
【0096】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、Cuを主材料とする配線材料32の結晶の安定化のための熱処理を行う。
【0097】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、CMP法により層間絶縁膜20上の余剰の配線材料32、合金層30、酸素含有銅層28、及びバリア層26を除去し、配線層34を形成する(図5(a)参照)。
【0098】
次いで、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、配線層34が埋め込まれた層間絶縁膜20上に、キャップ膜36を形成する。
【0099】
この後、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、バリア層38を形成するための熱処理を行い、バリア層38と配線材料32とを含む配線層40を形成する(図5(b)参照)。
【0100】
この後、所望のバックエンドプロセスを経て、本実施形態による半導体装置を完成する。
【0101】
このように、本実施形態によれば、第1金属材料を含むバリア層26と第2金属材料を含む合金層30との間に、酸素含有銅層28を形成するので、第2金属材料と酸素とを効率的に結合させることができ、バリア層38の形成を促進することができる。これにより、配線層40中に残留する第2金属材料の濃度を低減することができ、配線層40の抵抗やコンタクト抵抗の増加を防止することができる。また、バリア層38は、配線層40と絶縁膜20との間に自己修復的に形成することができ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0102】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0103】
例えば、上記実施形態では、デュアルダマシンプロセスによって配線層40を形成する場合を示したが、シングルダマシンプロセスによって配線層40を形成するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、絶縁膜16をSiOC膜により形成したが、絶縁膜16を形成する材料は、これに限定されるものではない。バリア層38の形成を促進する観点からは、酸素を含む材料であることが望ましい。また、半導体プロセスに対する整合性の観点からは、シリコン系の絶縁材料であることが望ましい。なお、本明細書においてシリコン系の絶縁材料とは、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化炭化シリコン、炭化窒化シリコン等、又はこれらを含む絶縁膜である。
【0105】
また、上記実施形態では、第1金属材料としてTa、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む材料を、第2金属材料としてMn及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む材料を例示したが、これらと同様の物性を有する他の材料を適用してもよい。
【0106】
また、上記実施形態に記載の製造条件は、本願発明者が用いた装置における好適な条件であり、開示の半導体装置の製造方法は、上記実施形態に記載の製造条件に限定されるものではない。本発明の効果を実現しうる範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
10,20…層間絶縁膜
12,34,40…配線層
14,36,44…キャップ膜
16…絶縁膜
18,42…エッチングストッパ膜
22…ビアホール
24…配線溝
26,38…バリア層
28a…銅層
28…酸素含有銅層
30…合金層
32…配線材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、
前記第2の膜上に、銅と、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、
前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、
前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、
前記第2の膜上に、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、
前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、
前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の膜を形成する工程は、銅膜を形成する工程と、前記銅膜の表面を酸化する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の膜中の酸素濃度は、1.0×1020atoms/cm3〜1.0×1022atoms/cm3である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記バリア層を形成する工程では、300℃以上の前記熱処理を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜は、酸素を含むシリコン系絶縁膜を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において
前記第1金属材料は、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項2乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2金属材料は、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、
前記第2の膜上に、銅と、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、
前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、
前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に、開口部を形成する工程と、
前記絶縁膜の開口部の内壁及び底部に、銅に対して拡散防止作用を有する第1金属材料を含む第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上に、酸素を含有する銅膜を含む第2の膜を形成する工程と、
前記第2の膜上に、銅と、酸素と結合することにより銅に対して拡散防止作用を有する第2金属材料とを含む第3の膜を形成する工程と、
前記第3の膜上に、前記第1の膜、前記第2の膜、及び前記第3の膜が形成された前記開口部内を埋め込むように、銅を含有する第4の膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上の前記第4の膜、前記第3の膜、前記第2の膜、及び前記第1の膜を除去し、前記開口部内に埋め込まれた配線層を形成する工程とを有し、
前記第4の膜を形成する工程よりも後に、熱処理により、前記絶縁膜と前記第4の膜との間に、前記第1金属材料、前記第2金属材料及び酸素を含むバリア層を形成する工程を更に有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の膜を形成する工程は、銅膜を形成する工程と、前記銅膜の表面を酸化する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第3の膜中の酸素濃度は、1.0×1020atoms/cm3〜1.0×1022atoms/cm3である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記バリア層を形成する工程では、300℃以上の前記熱処理を行う
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜は、酸素を含むシリコン系絶縁膜を有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において
前記第1金属材料は、Ta、Ti、Co、Zr及びRuを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項2乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2金属材料は、Mn、Ti及びAlを含む群から選択される少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−129840(P2011−129840A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289582(P2009−289582)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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