説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の歩留の向上を図る。
【解決手段】上金型14と下金型15で一対を成す樹脂成形金型13の上金型14において、キャビティ14aの注入ゲート14dに対向する第2隅部14fの内周面14bの断面の半径を、他の隅部の内周面14bの断面の半径より大きくすることで、樹脂注入時に樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの第2隅部14fに滞留させることなくエアベント14hに押し出すことができ、これにより、キャビティ内でのボイド12の発生を抑制して半導体装置の外観不良の発生を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、樹脂モールディングに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板上に実装された電子部品を熱可塑性樹脂からなる封止層により覆った構造と、前記熱可塑性樹脂による前記封止層の形成方法が、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−270602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、半導体装置において原価低減のために金線(導電性ワイヤ)の細線化が図られている。樹脂封止型の半導体装置の組み立てのモールド(樹脂封止)工程では、金線の細線化に伴って、樹脂封止の際にワイヤ流れが発生し易い。
【0005】
このワイヤ流れを抑制するために、樹脂封止に使用するモールドレジン(封止用樹脂)には、溶融時の粘度が低い高流動タイプが採用されている。ところが、高流動タイプのモールドレジンは、粘度が低い(柔らかい)ので、樹脂成形金型のエアベントにおけるレジンバリ(レジン吹き出し)が大きく形成され易い。レジンバリが大きく形成された場合、半導体装置の外観不良に至ったり、実装基板に半導体装置を実装する際、レジンバリが実装基板の基板ランド(フットパターン)上に落下し、半導体装置と実装基板との導通不良(実装不良)を招いたりする場合がある。
【0006】
そこでレジンバリの大きさを極力小さく抑えるために、エアベントの開口の大きさを小さくしている。
【0007】
しかしながら、エアベントの開口の大きさを小さくすると、レジンバリの発生は抑制できるが、その反面、エアが抜け難くなる。
【0008】
その結果、キャビティのエアベント近傍の隅部にボイドが発生し易くなると共に、金型内にボイドが残留すると、封止体の表面にボイドが形成されて半導体装置の外観不良に至る。これにより、半導体装置の歩留が低下するといった課題が発生する。
【0009】
特にこのボイドの残留は、モールドレジンの注入ゲートから最も離れた位置のエアベント付近において発生し易い。
【0010】
図29及び図30は、本発明者が比較検討を行った半導体装置の樹脂モールディング用の比較例の樹脂成形金型の構造を示すものである。さらに、図31〜図34は、本発明者が比較検討を行った半導体装置の樹脂封止時の比較例のレジン流れの状態を示すものである。
【0011】
図29及び図30に示すように前記樹脂成形金型は、一対の上金型30と下金型31とを有しており、上金型30には、樹脂流路となるランナ37と、ランナ37と注入ゲート32を介して連通するキャビティ33と、キャビティ33に連通する複数のエアベント35とが形成されている。なお、エアベント35の開口は、図29の部分拡大断面図に示すように、レジンバリの発生を最小限に抑制するために、例えば、高さH=30μm程度に形成されている。
【0012】
前記樹脂成形金型を用いて樹脂封止を行った場合、図31及び図32に示すように、注入ゲート32を介して射出圧Pによってキャビティ33内に注入されたモールドレジン34は、注入ゲート32と対向し、かつ注入ゲート32から最も離れた位置のエアベント35に向かってボイド36を含みながら進行する。
【0013】
その後、図33及び図34に示すように、レジン流れQに沿って大半のボイド36はエアベント35に抜けるが、エアベント35の開口が小さい場合(エアベント高さが30μm程度の場合)、一部のボイド36が抜けきれず、図31のキャビティ33の隅部33aに残留してしまう。
【0014】
その結果、樹脂封止を完了した半導体装置の封止体の角部にボイドが形成されて外観不良となり、半導体装置の歩留の低下を引き起こしてしまう。
【0015】
なお、前記特許文献1(特開平10−270602号公報)では、金型内にボイドが滞留する課題については言及していない。さらに、金型のキャビティの角部の内周面の断面の大きさ(半径等)についても開示されていない。また、前記特許文献1には、金型のキャビティの角部は全て曲面に加工されていることが記載されており、角部において曲面の断面の半径を大きくすると、エアベントを形成する面の面積が小さくなってしまい、エアベントの開口も必然的に小さくなってしまう。さらに、半導体装置が小型化されていくと、エアベントを設けること自体が困難になってしまう。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、金型内でのボイドの発生を抑制して半導体装置の歩留を向上させることができる技術を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は、半導体装置の品質の向上を図ることができる技術を提供することにある。
【0018】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0020】
代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、上面と、エアベントレジンが形成され、前記上面と連なる第1側面と、を備えた封止体を有する半導体装置の製造方法であり、(a)一対を成す第1金型と第2金型の少なくとも何れか一方に前記封止体の形に対応したキャビティが形成され、かつ前記キャビティに連通する注入ゲート及びエアベントを備えた樹脂成形金型を準備する工程と、(b)半導体チップが搭載された板状部材を前記第1金型と前記第2金型の間に配置し、前記半導体チップを前記キャビティで覆った状態で前記第1金型と前記第2金型をクランプする工程と、(c)前記注入ゲートから前記キャビティ内に封止用樹脂を注入して前記板状部材上に前記封止体を形成する工程と、を有し、前記樹脂成形金型の前記キャビティは、前記注入ゲートから最も離れた位置の前記エアベントに対応した前記第1側面と前記上面とから成る前記封止体の稜部を形成する隅部を備え、前記キャビティの前記隅部の内周面の断面の半径は、前記封止体の他の稜部を形成する前記キャビティの他の隅部の内周面の断面の半径より大きい。
【0021】
また、代表的な他の実施の形態による半導体装置の製造方法は、上面と、エアベントレジンが形成され、前記上面と連なる第1側面と、前記上面と前記第1側面とに連なる第2側面と、を備えた封止体を有する半導体装置の製造方法であり、(a)一対を成す第1金型と第2金型の少なくとも何れか一方に前記封止体の形に対応したキャビティが形成され、かつ前記キャビティに連通する注入ゲート及びエアベントを備えた樹脂成形金型を準備する工程と、(b)半導体チップが搭載された板状部材を前記第1金型と前記第2金型の間に配置し、前記半導体チップを前記キャビティで覆った状態で前記第1金型と前記第2金型をクランプする工程と、(c)前記注入ゲートから前記キャビティ内に封止用樹脂を注入して前記板状部材上に前記封止体を形成する工程と、を有し、前記樹脂成形金型の前記キャビティは、前記注入ゲートから最も離れた位置の前記エアベントに対応した前記第1側面と前記第2側面とから成る前記封止体の第1稜部を形成する第1隅部と、前記第1側面と前記上面とから成る前記封止体の第2稜部を形成する第2隅部とを備え、前記第2隅部の内周面の断面の半径は、前記第1隅部の内周面の断面の半径より大きい。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0023】
半導体装置の外観不良の発生を抑制して半導体装置の歩留の向上を図ることができる。
【0024】
また、半導体装置の品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図である。
【図3】図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図4】図1のRB部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】図1のRA部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図6】図1のRC部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図7】図1の半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図である。
【図8】図7の組み立て手順におけるダイボンドまでを示す平面図である。
【図9】図7の組み立て手順におけるワイヤボンド〜モールドまでを示す平面図である。
【図10】図7の組み立て手順におけるマーク〜個片カットまでを示す平面図である。
【図11】図7の組み立て手順のモールド工程で用いられる樹脂成形金型の構造の一例を示す部分断面図及び部分拡大断面図である。
【図12】図11の樹脂成形金型の上金型におけるランナ及びキャビティの構造の一例を透過して示す平面図である。
【図13】図11の樹脂成形金型の下金型の構造の一例を示す平面図である。
【図14】図12のrB部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図15】図12のrA部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図16】図12のrC部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図17】図7の組み立て手順のモールド工程におけるレジン流れ状態の一例を示す部分断面図である。
【図18】図17のレジン流れ状態を示す部分平面図である。
【図19】図7の組み立て手順のモールド工程におけるレジン充填完了状態の一例を示す部分断面図である。
【図20】図19のレジン充填完了状態を示す部分平面図である。
【図21】本発明の実施の形態1の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2の半導体装置の構造の一例を示す平面図である。
【図23】図22に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図である。
【図24】図22のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図25】図22の半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図である。
【図26】本発明の実施の形態2の変形例の半導体装置の構造を示す平面図である。
【図27】図26に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図である。
【図28】図26のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【図29】比較例の樹脂成形金型の構造を示す断面図及び部分拡大断面図である。
【図30】図29の樹脂成形金型の上金型におけるランナ及びキャビティの構造を透過して示す平面図である。
【図31】比較例のモールドにおけるレジン流れ状態を示す部分断面図である。
【図32】図31のレジン流れ状態を示す部分平面図である。
【図33】図31のモールドにおけるレジン充填完了状態を示す部分断面図である。
【図34】図33のレジン充填完了状態を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0027】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0028】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0029】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0030】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す平面図、図2は図1に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図、図3は図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図4は図1のRB部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図、図5は図1のRA部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図、図6は図1のRC部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0033】
図1〜図3に示す本実施の形態1の半導体装置は、配線基板2の上面2a上に搭載された半導体チップ1が封止体4によって樹脂封止され、かつ半導体チップ1が配線基板2とワイヤ(導電性ワイヤ)7を介して電気的に接続されて成る基板タイプの半導体パッケージである。さらに、別の表現をすると、前記半導体装置は、半導体チップ1が配線基板2上に搭載されているとともに配線基板2とワイヤ接続されており、さらに半導体チップ1と複数のワイヤ7が樹脂製の封止体4によって封止されている。
【0034】
なお、本実施の形態1では、基板タイプの半導体装置の一例として、配線基板2の下面2bに複数の外部端子である半田ボール5が図2に示すように格子状(グリッド状)に設けられたBGA9を取り上げて説明する。
【0035】
BGA9に搭載された半導体チップ1は、内部に半導体集積回路が組み込まれており、さらに図3に示すように、樹脂ペースト材等のダイボンド材6によって配線基板2の上面2aに固着されている。さらに、半導体チップ1の主面1aには複数の電極パッド1cが形成されており、これら電極パッド1cと配線基板2のリードであるボンディングリード2c(図8参照)とがワイヤ7によって電気的に接続されている。
【0036】
したがって、半導体チップ1の電極パッド1cからBGA9の外部端子である半田ボール5までが、ワイヤ7、ボンディングリード2c、配線基板2の配線部等を介して電気的に接続されている。
【0037】
ここで、半導体チップ1は、例えば、シリコンによって形成され、さらにワイヤ7は、例えば、金線や銅線である。ワイヤ7は、その線径が、例えば、φ20μm以下のものを使用している。また、封止体4を形成するレジンである封止用樹脂3(図17参照)は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂である。外部端子は、例えば、半田材を用いた半田ボール5である。
【0038】
なお、BGA9は、その組み立てのモールド工程(封止工程)でトランスファモールドによって樹脂成形されて組み立てられた半導体パッケージである。
【0039】
したがって、封止体4は、前記モールド工程で使用される図11に示す樹脂成形金型13のキャビティ14aに対応した形状となっている。すなわち、封止体4の上面4aやこの上面4aと繋がる各側面、さらに上面4aと各側面とからなる各稜部の形状は、キャビティ14aの各箇所(各隅部や各内周面)の形状に対応した形状となっている。
【0040】
したがって、封止体4には、樹脂成形金型13の注入ゲート14dやエアベント14hに封止用樹脂3が残留することにより形成された図3に示すゲートレジン4iやエアベントレジン4jが存在する。
【0041】
また、図1に示すようにゲートレジン4iに対向する角部4hに配置された第1側面4bと上面4aとから成る第2稜部4f(RB部)は、図4に示すようにその断面は、半径R2の曲面となっている。さらに、図1に示すように第1側面4bとこの第1側面4bに繋がる第2側面4cとから成る第1稜部4e(RA部)は、図5に示すようにその断面は、半径R1の曲面となっている。また、図1に示すように第2側面4cと上面4aとから成る第3稜部4g(RC部)は、図6に示すようにその断面は、半径R3の曲面となっており、これら第1稜部4e、第2稜部4f及び第3稜部4g等の形状もキャビティ14aの各隅部の形状に対応したものとなっている。
【0042】
なお、図4及び図6に示す各稜部(第2稜部4f、第3稜部4g)の断面は、BGA9の高さ方向に沿った方向に封止体4を切断したものであり、図5に示す第1稜部4eの断面は、BGA9の高さ方向に交差する方向に沿った方向に封止体4を切断したものである。
【0043】
本実施の形態1のBGA9では、第2稜部4fの断面の半径R2は、第1稜部4eの断面の半径R1より大きく、半径R2>半径R1の関係となっている。さらに、第3稜部4gの断面の半径R3も、第1稜部4eの断面の半径R1より大きく、半径R3>半径R1の関係となっている。なお、第2稜部4fの断面の半径R2と第3稜部4gの断面の半径R3は同じ大きさであり、半径R2=半径R3の関係となっている。
【0044】
また、図1に示す封止体4において図11に示す樹脂成形金型13の注入ゲート14d上に対応した位置には、第3側面4dが形成され、ゲートレジン4iはこの第3側面4dから突出して形成されている。なお、第3側面4dと対向して配置された第1側面4bは、ゲートレジン4iから最も離れた位置の角部4hに形成された側面である。
【0045】
すなわち、封止体4は、第1側面4bと繋がる第2側面4c、及び上面4aに繋がり、かつ第1側面4bに対向する第3側面4dを備えており、この第3側面4dは、樹脂成形金型13の前記注入ゲート14d上に形成される側面である。
【0046】
また、図1に示す封止体4の平面視において、封止体4の4つの角部4hのうち、対向する第1側面4bと第3側面4d以外の2つの角部4hには、お互いに対向する第4側面4kが形成されている。
【0047】
なお、第1側面4bと2つの第4側面4kには、それぞれエアベントレジン4jが各側面から突出して形成されている。
【0048】
さらに、封止体4の平面視において、角部4hと角部4hの間に配置される4つの側面は、全て第2側面4cとなっている。すなわち、第1側面4bと第4側面4kの間(2箇所)や、第3側面4dと第4側面4kの間(2箇所)の側面は、全て第2側面4cである。
【0049】
なお、第2側面4cと上面4aとから成る4つの稜部のうち、第3稜部4g(RC部)以外の稜部(RE部、RG部、RI部)についてもそれぞれの断面の形状は、図6に示す第3稜部4gの半径R3の断面形状と同じであり、それぞれの断面の曲面は半径R3で形成されている。
【0050】
また、4つの角部4hの上面4aに対する稜部についても、第2稜部4f(RB部)以外の稜部(RD部、RF部、RH部)のそれぞれの断面の形状は、図4に示す第2稜部4fの半径R2の断面形状と同じであり、それぞれの断面の曲面は半径R2で形成されている。
【0051】
さらに、4つの角部4hの側面に対する稜部についても、第1稜部4e(RA部)以外の稜部(RK部、RL部、RM部、RN部、RP部、RQ部、RJ部)のそれぞれの断面の形状は、図5に示す第1稜部4eの半径R1の断面形状と同じであり、それぞれの断面の曲面は半径R1で形成されている。
【0052】
以上のように、封止体4において上面4aに係わる8つの稜部(RB部、RD部、RF部、RH部、RC部、RE部、RG部、RI部)の形状は、それらの断面が、図4の半径R2の形状(もしくは図6の半径R3の形状も同じ)となっており、また、側面に係わる8つの稜部(RA部、RK部、RL部、RM部、RN部、RP部、RQ部、RJ部)の形状は、それらの断面が、図5の半径R1の形状となっている。さらに、半径R2=半径R3>半径R1の関係となっている。
【0053】
次に、本実施の形態1のBGA(半導体装置)9の製造方法について説明する。
【0054】
図7は図1の半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図、図8は図7の組み立て手順におけるダイボンドまでを示す平面図、図9は図7の組み立て手順におけるワイヤボンド〜モールドまでを示す平面図、図10は図7の組み立て手順におけるマーク〜個片カットまでを示す平面図である。
【0055】
まず、図7及び図8のステップS1に示すダイシングを行う。ここでは、図8に示すように半導体ウエハ8のダイシングライン8aに沿って切断を行い良品の半導体チップ1を選別・取得する。
【0056】
その後、図7及び図8のステップS2に示すダイボンドを行う。
【0057】
まず、図8に示すようなデバイス領域10cを複数有する板状部材である多数個取り基板10を準備し、さらに、多数個取り基板10の上面10aの複数のデバイス領域10cに、それぞれの主面1aに複数の電極パッド1cが形成された半導体チップ1を搭載する。その際、例えば、樹脂ペースト材等の図3に示すダイボンド材6を介して半導体チップ1を多数個取り基板10に固着する。
【0058】
その後、図7及び図9のステップS3に示すワイヤボンドを行う。ここでは、半導体チップ1の複数の電極パッド1cと多数個取り基板10の複数のボンディングリード2cとを導電性ワイヤであるワイヤ7によって電気的に接続する。その際、ワイヤ(導電性ワイヤ)7の一例として、金線を用いる。前記金線は、その線径が、例えば、φ20μm以下の細線である。
【0059】
ワイヤボンド終了後、図7及び図9のステップS4に示すモールドを行う。本実施の形態1の前記モールドでは、トランスファモールド法による樹脂封止の場合を説明する。すなわち、ワイヤボンディングによって半導体チップ1の電極パッド1cとデバイス領域10cのボンディングリード2cとを電気的に接続した多数個取り基板10に対して、トランスファモールド法によって樹脂封止を行う。
【0060】
ここで、本実施の形態1のモールド工程で用いる樹脂成形金型の構造について説明する。
【0061】
図11は図7の組み立て手順のモールド工程で用いられる樹脂成形金型の構造の一例を示す部分断面図及び部分拡大断面図、図12は図11の樹脂成形金型の上金型におけるランナ及びキャビティの構造の一例を透過して示す平面図、図13は図11の樹脂成形金型の下金型の構造の一例を示す平面図である。また、図14は図12のrB部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図、図15は図12のrA部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図、図16は図12のrC部の構造の一例を拡大して示す部分拡大断面図である。さらに、図17は図7の組み立て手順のモールド工程におけるレジン流れ状態の一例を示す部分断面図、図18は図17のレジン流れ状態を示す部分平面図、図19は図7の組み立て手順のモールド工程におけるレジン充填完了状態の一例を示す部分断面図、図20は図19のレジン充填完了状態を示す部分平面図である。
【0062】
図11に示す樹脂成形金型13は、一対を成す第1金型である上金型14と、第2金型である下金型15とを備えており、樹脂充填時には、上金型14の合わせ面14cと下金型15の合わせ面15bとを合わせてクランプし、その後、樹脂をキャビティ14aに供給して充填を行う。
【0063】
まず、上金型14には、図1に示すBGA9の封止体4を形成するキャビティ14aが形成され、さらに、キャビティ14aに連通する注入ゲート14dや同じくキャビティ14aに連通するエアベント14hが形成されている。また、樹脂の流路となるカル14kやランナ14mも設けられており、カル14k、ランナ14m、注入ゲート14d、キャビティ14a、エアベント14hは全て連通している。ここで、図11に示すエアベント14hは、注入ゲート14dと対向して配置されたエア抜きであるが、図12に示すようにキャビティ14aの平面視においてその他の2箇所のコーナにもそれぞれキャビティ14aに連通してエアベント14i、エアベント14jが形成されている。
【0064】
なお、図12は図11に示す上金型14を上方から眺めて透過してランナ14m、注入ゲート14d、キャビティ14a及びエアベント14h,14i,14jの形状を示したものである。
【0065】
一方、下金型15には、図11及び図13に示すように、基板配置用の凹状の基板搭載部15aやポット15cが形成され、このポット15c内には、樹脂を押し出すプランジャヘッド15dやプランジャロッド15eが配置されている。
【0066】
次に、上金型14のキャビティ14aの詳細形状について説明する。
【0067】
上金型14では、キャビティ14aの各隅部の内周面14bの断面の半径の大きさ(内周面14b(曲面の曲率半径の大きさ))に特徴を有している。
【0068】
すなわち、図12において、上金型14の注入ゲート14dから最も離れた位置のエアベント14hに対応する位置の図1に示す封止体4の第1稜部4e(第1側面4bと第2側面4cから成る)を形成するキャビティ14aの第1隅部14e(rA)は、図15に示すようにその内周面14bの断面が半径r1の大きさに形成されている。また、図1に示す封止体4の第2稜部4f(第1側面4bと上面4aから成る)を形成する図12のキャビティ14aの第2隅部14f(rB)は、図14に示すようにその内周面14bの断面が半径r2の大きさに形成されている。その際、キャビティ14aの第2隅部14fの断面の半径r2は、第1隅部14eの断面の半径r1より大きく形成されている(r2>r1)。
【0069】
さらに、図1に示す封止体4の第3稜部4g(第2側面4cと上面4aから成る)を形成する図12のキャビティ14aの第3隅部14g(rC)は、図16に示すようにその内周面14bの断面が半径r3の大きさに形成されている。その際、キャビティ14aの第3隅部14gの断面の半径r3は、第2稜部4fと同様に第1隅部14eの断面の半径r1より大きく形成されている(r3>r1)。
【0070】
なお、第2隅部14fの断面の半径r2と、第3隅部14gの断面の半径r3は同じ大きさ、すなわちr2=r3となっている。
【0071】
つまり、図12に示すキャビティ14aにおいて、図1に示す封止体4の各側面と上面4aとからなる各稜部を形成するキャビティ14aの各隅部(rB部、rC部、rD部、rE部、rF部、rG部、rH部及びrI部)の内周面14bの断面は、全て図14に示す半径r2(図16の半径r3でもよい)の大きさで形成されている。
【0072】
また、図12のキャビティ14aにおいて、図1の封止体4の各側面同士からなる各稜部を形成するキャビティ14aの各隅部(rA部、rJ部、rK部、rL部、rM部、rN部、rP部及びrQ部)の内周面14bの断面は、全て図15に示す半径r1の大きさで形成されており、r1<r2である。
【0073】
ここで、キャビティ14aにおいて、図1の封止体4の各側面同士からなる各稜部(隣り合った側面が交差する各稜部)を形成するキャビティ14aの各隅部(rA部、rJ部、rK部、rL部、rM部、rN部、rP部及びrQ部)の内周面14bの断面の半径r1を、半径r2より小さくするのは、エアベント14h,14i,14jを確保するためである。すなわち、封止体4の角部4hに配置された側面同士からなる稜部を形成するキャビティ14aの隅部の内周面14bの断面の半径rを大きくすると、封止体4の角部4hの側面(例えば、第1側面4b)の面積は非常に小さいため、側面自体が曲面になってしまいキャビティ14aのコーナ部に各エアベントが形成できなくなる。
【0074】
したがって、半径r1<半径r2にすることで、キャビティ14aの注入ゲート14dが配置されたコーナ部以外の各コーナ部において、エアベント14h,14i,14jを形成することができる。
【0075】
なお、キャビティ14aにおいて、注入ゲート14dから最も離れたコーナ部の第2隅部14fの内周面14bの断面の半径r2は、r2=0.5mm以上とすることが好ましい。
【0076】
実際にキャビティ14aの前記第2隅部14fにおいて、その内周面14bの断面の半径r2を、r2=0.25、r2=0.45、r2=0.60、r2=0.75として、ボイド発生率を調査したところ、ボイド発生率は、r2=0.25の時のみ1%で、それ以外は0%という評価結果も得られている。このような理由から、量産時のばらつきを考慮して半径r2は、r2=0.5mm以上とすることが好ましい。
【0077】
また、本実施の形態1のモールド工程では、封止用樹脂3として高流動性レジンを用いて樹脂封止を行う。これは、BGA9の組み立てでは、そのコスト低減化のためにφ20μm以下の細線化を図った金線(ワイヤ7)を用いているが、この場合、モールド工程のレジン充填時にワイヤ流れが発生し易くなるため、このワイヤ流れを低減化するために封止用樹脂3として前記高流動性レジンを採用する。
【0078】
ここで、本実施の形態1のモールド工程で封止用樹脂3として採用する高流動性レジンの定義について以下に説明する。前記高流動性レジンは、その特性を表すスパイラルフローが100cm以上であることが好ましい。
【0079】
このスパイラルフローとは、らせん形状(渦巻き形状)の溝が施されたテスト金型に、一定の条件下で樹脂を充填した時の溝内における樹脂の到達長さ(流動長さ)を示すものである。つまり、スパイラルフローの数値が大きければ大きい程(長ければ長い程)、その樹脂の流動性は高いということができる。したがって、このスパイラルフローにより、射出成形時の樹脂の流動性を評価することができる。
【0080】
スパイラルフローの測定には、測定装置として、EMMI−1−66に規定された金型と、射出成形機を用いる。また、測定試料は、保存庫から取り出し、未開封のまま2時間室温下に放置した後、開封して測定を行う。そして、開封後2時間以内に試験を完了する。
【0081】
また、測定条件として、試料量を約15gとし、カル厚約3mmに設定する。さらに、射出圧力を6.9±0.5MPaとし、かつ成形時間を120±5秒間として、プリヒートは行わずに温度水準を175±2℃とする。これらの条件において、規定の温度水準に達したことを確認し、その後、試料を仕込み、速やかにプランジャーを降下させ10秒以内に加圧を開始する。
【0082】
そして、規定時間終了後に金型を解体し、樹脂の流動長さ(cm)を読み取ることでスパイラルフローを測定することができる。
【0083】
通常のレジンの場合、スパイラルフローは90cm程度であるが、本実施の形態1では、封止用樹脂3にスパイラルフローが100cm以上の高流動性レジンを採用している。これにより、ワイヤ7の線径が、例えば、φ20μm以下になった場合でも、ワイヤ流れを抑制することができる。
【0084】
また、前述のような高流動性レジンを用いた場合、樹脂充填時にキャビティ14aに連通する各エアベントに樹脂が入り込み、レジンバリが発生し易くなる。したがって、このレジンバリの発生を最小限に抑えるために、本実施の形態1では、図11に示すようにモールド工程で用いる樹脂成形金型13のエアベント14h(図12に示すエアベント14i,14jについても同様)の開口高さHを、従来のH=40μm程度から30μm程度としている。
【0085】
このように、エアベント14hの開口高さを30μm程度にすることで、高流動性レジンを用いた場合でもレジンバリの発生を最小限に抑えることができる。
【0086】
次に、本実施の形態1おける樹脂封止方法について以下にその詳細を説明する。
【0087】
まず、図17に示すように半導体チップ1が搭載された多数個取り基板10を上金型14と下金型15の間に送り、さらに下金型15の凹状の基板搭載部15aに配置する。
【0088】
その後、上金型14の合わせ面14cと下金型15の合わせ面15bとが合うように金型をクランプし、半導体チップ1を上金型14のキャビティ14aで覆った状態で、図17及び図18に示すように注入ゲート14dからキャビティ14a内に封止用樹脂3を射出圧Sで注入する。その際、図13に示す下金型15のポット15cにおいて加熱溶融した封止用樹脂3をプランジャヘッド15dによって押し出してキャビティ14aに供給する。
【0089】
なお、ここで用いている封止用樹脂3は、前述の高流動性レジンである。
【0090】
注入ゲート14dを介してキャビティ14a内に押し出された封止用樹脂3は、放射状に分散しながら、かつ樹脂中に含まれる複数のボイド(気泡)12とともに注入ゲート14dと対向するエアベント14hに向かって進んでいく。
【0091】
この時、キャビティ14aの注入ゲート14dから最も離れた位置のエアベント14hに対応する隅部(第2隅部14f)の内周面14bの断面の半径r2が、例えば、r2=0.5mm以上に形成されていることにより、ボイド12がこの第2隅部14fに滞留することなく、図19に示すレジン流れTによってキャビティ14aの隅部に運ばれ、さらにエアベント14h内に押し出される。
【0092】
その結果、キャビティ14a内にボイド12が残らずに、図20に示すように封止用樹脂3を充填することができる。
【0093】
これにより、多数個取り基板10上に図1に示す封止体4が形成される。このとき、キャビティ14a内にボイド12が残留しないため、封止体4の表面にもボイドが形成されることはなく、外観不良に至ることはない。
【0094】
これにより、図7及び図9のステップS4に示すモールド工程を終了する。
【0095】
樹脂モールド終了後、図7及び図10のステップS5に示すマークを行う。ここでは、図10に示すように封止体4の表面に目的とするマーク11を付す。
【0096】
その後、図7及び図10のステップS6に示すボール付けを行う。ここでは、図10の多数個取り基板10の複数のデバイス領域10cそれぞれの図7に示す下面10b側に複数の外部端子である半田ボール5を搭載し、リフローにより半田ボール5を溶融させ、多数個取り基板10の下面10bの複数の電極それぞれに半田ボール5を電気的に接合する。
【0097】
ボール搭載後、図7及び図10のステップS7に示す個片カットを行う。ここでは、ダイシングによって多数個取り基板10を切断し、個々のBGA9に個片化する。これにより、図1〜図3に示すBGA9の組み立て完了となる。
【0098】
本実施の形態1の半導体装置(BGA9)の製造方法によれば、キャビティ14aの注入ゲート14dに対向する隅部(第2隅部14f)の内周面14bの断面の半径r2を大きくすることで、樹脂注入時に樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの前記隅部に滞留させることなくエアベント14hに押し出すことができる。
【0099】
すなわち、樹脂成形金型13においてキャビティ14aの注入ゲート14dから最も離れた隅部(注入ゲート14dに対向するエアベント14h上の第2隅部14f)の内周面14bの断面の半径r2を、封止体4の側面同士からなる稜部を形成する隅部(第1隅部14e)の内周面14bの断面の半径r1より大きく形成することで、封止用樹脂3(高流動性レジン)の注入時に封止用樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの各隅部、特にボイド12が滞留し易い第2隅部14fにもボイド12を滞留させることなくエアベント14h,14i,14jに押し出すことができる。
【0100】
これにより、キャビティ14a内でのボイド12の発生を抑制することができ、封止体4中にボイドが形成されることを抑制できる。
【0101】
その結果、BGA9(半導体装置)の外観不良の発生を抑制することができ、BGA9の歩留の向上を図ることができる。
【0102】
さらに、BGA9の外観不良の発生を抑制することができるため、BGA9の歩留の向上を図ることができる。
【0103】
また、キャビティ14aの注入ゲート14dから最も離れたエアベント14h上の第2隅部14fの内周面14bの断面の半径r2を、封止体4の側面同士からなる稜部を形成するキャビティ14aの隅部である第1隅部14eの内周面14bの断面の半径r1より大きく形成することで、金型から封止体4を離型する際の離型性を向上させることができる。
【0104】
なお、第1隅部14eの半径r1を大きく形成(例えば、半径r1=半径r2としたような場合)すると、キャビティ14aの隅部において曲面が大きくなって各エアベントを形成することが困難になってしまう。しかしながら、本実施の形態1では、第1隅部14eの内周面14bの断面の半径r1を第2隅部14fの内周面14bの断面の半径r2よりも小さく形成(半径r1<半径r2)することで、各エアベントも確実に形成することができるようになっている。
【0105】
また、キャビティ14aの注入ゲート14dから最も離れたエアベント14h上の第2隅部14fの内周面14bの断面の半径r2と、この第2隅部14fと繋がる第3隅部14gの内周面14bの断面の半径r3とを同じ大きさにすることで、キャビティ14aを形成する際に、同一の切削刃で削ることが可能になる。これにより、内周面14bの加工を切削刃の変更を行うことなく、同一の切削刃で連続して行うことができるようになるため、半径r2と半径r3の大きさが異なる場合に比べて、金型製作時間を短くすることができる。
【0106】
また、本実施の形態1の半導体装置は、ワイヤ7としてφ20μm以下の細い金線を用いているので、φ20μmを超える径の金線を用いた場合に比べて、金の使用量が減るので、材料費を低減することができる。
【0107】
また、ワイヤ7としてφ20μm以下の細い金線を用いたことに関連し、封止用樹脂3として高流動性レジンを採用しているので、ワイヤ流れの低減化を図ることができる。
【0108】
さらに、封止用樹脂3として前述の高流動性レジンを採用したことに関連し、キャビティ14aに連通する各エアベントの開口高さ(H)を30μm程度としていることにより、レジンバリの発生を最小限に抑えることができる。
【0109】
次に、本実施の形態1の変形例について説明する。
【0110】
図21は本発明の実施の形態1の変形例の半導体装置の構造を示す断面図であり、前記半導体装置がLGA(Land Grid Array)16の場合を示す例である。
【0111】
LGA16は、BGA9と同様に、配線基板2上に半導体チップ1が搭載された基板タイプの半導体装置であり、配線基板2の下面2bに外部端子となるランド端子2dがグリッド状に設けられたものである。LGA16においても、半導体チップ1や複数のワイヤ7が封止体4によって樹脂封止されており、この封止体4の形成方法は、BGA9の封止体4と全く同じである。
【0112】
すなわち、LGA16の組み立てではそのモールド工程において、図11〜図16に示す金型を用いて樹脂封止を行うものであり、樹脂充填時には、図17〜図20に示す状態となって、樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの各隅部に残留させることなく各エアベントに押し出すことができる。
【0113】
これにより、BGA9の場合と同様に、キャビティ14a内でのボイド12の発生を抑制することができ、封止体4中にボイドが形成されることを抑制できる。
【0114】
その結果、LGA16(半導体装置)の外観不良の発生を抑制することができ、LGA16の歩留の向上を図ることができる。また、LGA16の外観不良の発生を抑制することができるため、LGA16の品質の向上を図ることができる。
【0115】
なお、LGA16によって得られるその他の効果については、BGA9の効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0116】
(実施の形態2)
図22は本発明の実施の形態2の半導体装置の構造の一例を示す平面図、図23は図22に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図、図24は図22のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図25は図22の半導体装置の組み立て手順の一例を示すプロセスフロー図である。
【0117】
本実施の形態2は、図25に示すリードフレーム(板状部材)21を用いて組み立てられるフレームタイプの半導体装置の製造方法について説明するものであり、前記半導体装置の一例として樹脂封止型のQFP(Quad Flat Package)20を取り上げて説明する。
【0118】
図22〜図24を用いてQFP20の構造について説明すると、半導体集積回路が形成された半導体チップ1と、半導体チップ1の周囲に放射状に配置された複数のインナリード(リード)21bと、インナリード21bと一体に形成された複数のアウタリード21cと、半導体チップ1の主面1aに形成された表面電極である電極パッド1cとこれに対応するインナリード21bとを電気的に接続する複数のワイヤ7とを有している。
【0119】
さらに、QFP20は、銀ペースト等のダイボンド材6を介して半導体チップ1が固定されたチップ搭載部であるダイパッド(タブともいう)21aと、樹脂封止によって封止用樹脂等から形成され、かつ半導体チップ1とダイパッド21aと複数のワイヤ7と複数のインナリード21bを封止する封止体4とを有している。
【0120】
また、QFP20であるため、複数のインナリード21bそれぞれと一体に形成された複数のアウタリード21cは、封止体4の側面から外部に向かって4方向に突出しており、各アウタリード21cは、ガルウィング状に曲げ成形されている。
【0121】
なお、図24に示すようにQFP20はワイヤボンディングタイプであるため、ダイパッド21a上に搭載された半導体チップ1は、その主面1aを上方に向けてフェイスアップ実装されており、したがって、ダイパッド21aと半導体チップ1の裏面1bとが前記ダイボンド材6を介して接合されている。さらに、主面1aに形成された複数の電極パッド1cが、それぞれワイヤ7を介してインナリード21bと電気的に接続されており、これによって、半導体チップ1と、インナリード21b及び外部端子となるアウタリード21cとが電気的に接続されている。
【0122】
なお、複数のワイヤ7は、例えば、金線や銅線である。
【0123】
また、インナリード21b、アウタリード21c及びダイパッド21aは、例えば、銅合金や鉄−ニッケル合金等から成る薄板状の部材によって形成され、さらに、封止体4は、例えば、熱硬化性のエポキシ系樹脂等から成り、樹脂封止によって形成されたものである。
【0124】
なお、封止体4は、実施の形態1のBGA9の封止体4と同様に、図25に示すような樹脂成形金型22によって形成されるものである。
【0125】
次に、本実施の形態2の半導体装置(QFP20)の組み立て手順を、図25に示す製造フロー図に沿って説明する。
【0126】
まず、図25のステップS11に示すダイシングを行って良品の半導体チップ1を取得する。
【0127】
その後、ステップS12に示すダイボンドを行う。ここでは、リードフレーム21のダイパッド21aに、図24に示すようにダイボンド材6を介して半導体チップ1を搭載する。すなわち、半導体チップ1の裏面1bとダイパッド21aとをダイボンド材6によって接合する。
【0128】
その後、ステップS13に示すワイヤボンドを行う。すなわち、図24に示すように、半導体チップ1の主面1aの電極パッド1cと、これに対応するインナリード21bとをワイヤ7を用いて電気的に接続する。なお、ワイヤ7は、例えば、金線や銅線である。
【0129】
その後、ステップS14に示すモールドを行う。本実施の形態2のモールド工程では、上金型14と下金型15の両方にキャビティ14a,15fが形成された樹脂成形金型22を用いて実施の形態1と同様の樹脂封止を行う。
【0130】
なお、図25に示す樹脂成形金型22の上金型14のキャビティ14aについては、その内周面14b(図14〜図16参照)の各隅部の形状は、実施の形態1の図11〜図16に示す形状と同様である。
【0131】
したがって、QFP20のモールド工程においても、その樹脂充填時に、半導体チップ1が配置された上金型14のキャビティ14aにおいて、図17〜図20の状態と同様の状態を作り出し、樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの各隅部に滞留させることなく各エアベントに押し出しながら樹脂充填を行って封止体4を形成する。
【0132】
樹脂モールド完了後、ステップS15のマークを行って目的とするマーク11(図10参照)を封止体4に付し、その後、ステップS16の個片カットを行ってQFP20の組み立て完了となる。なお、個片カットの際には各アウタリード21cの切断と一緒にガルウィング状の曲げ成形を行う。
【0133】
本実施の形態2のQFP20の製造方法においても、そのモールド工程の樹脂充填時には、図17〜図20に示すレジン流動状態と同様の状態を作り出すことができ、樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの各隅部に滞留させることなく各エアベントに押し出すことができる。
【0134】
これにより、実施の形態1の場合と同様にキャビティ14a(15f)内でのボイド12の発生を抑制することができ、封止体4中にボイドが形成されることを抑制できる。
【0135】
その結果、フレームタイプのQFP20(半導体装置)の場合においても、QFP20の外観不良の発生を抑制することができ、QFP20の歩留の向上を図ることができる。また、QFP20の外観不良の発生を抑制することができるため、QFP20の品質の向上を図ることができる。
【0136】
なお、QFP20によって得られるその他の効果については、実施の形態1のBGA9の効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0137】
次に、本実施の形態2の変形例について説明する。
【0138】
図26は本発明の実施の形態2の変形例の半導体装置の構造を示す平面図、図27は図26に示す半導体装置の構造の一例を示す裏面図、図28は図26のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0139】
図26〜図28に示す実施の形態2の変形例は、前記半導体装置がQFN(Quad Flat Non-leaded Package) 23の場合を示す例である。
【0140】
QFN23は、QFP20と同様に、図25のリードフレーム21を用いて組み立てられるフレームタイプの半導体装置であり、図27に示すように封止体4の裏面周縁部に外部端子となる複数のリード部(リード)21dが露出して配置された小型パッケージである。
【0141】
QFN23においても、図28に示すように、半導体チップ1や複数のワイヤ7が封止体4によって樹脂封止されており、この封止体4の形成方法については、ダイパッド21aの裏面が図27に示すように封止体4の裏面に露出しており、レジンがダイパッド21aの裏面側には流れ込まない構造であるため、実施の形態1のBGA9の封止体4の場合と全く同じである。
【0142】
したがって、QFN23の組み立てにおいてもそのモールド工程で、実施の形態1の図11〜図16に示す樹脂成形金型13と同様の金型を用いて樹脂封止を行うものであり、樹脂充填時には、図17〜図20に示す状態となって、樹脂中に含まれるボイド12をキャビティ14aの各隅部に滞留させることなく各エアベントに押し出すことができる。
【0143】
これにより、BGA9の場合と同様に、キャビティ14a内でのボイド12の発生を抑制することができ、封止体4中にボイドが形成されることを抑制できる。
【0144】
その結果、QFN23(半導体装置)の外観不良の発生を抑制することができ、QFN23の歩留の向上を図ることができる。また、QFN23の外観不良の発生を抑制することができるため、QFN23の品質の向上を図ることができる。
【0145】
なお、QFN23によって得られるその他の効果については、実施の形態1のBGA9の効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0146】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0147】
例えば、前記実施の形態1,2では、樹脂成形金型13,22において、上金型14が第1金型で、下金型15が第2金型の場合を一例として説明したが、上金型14と下金型15は一対であれば、その関係は、どちらが第1金型であっても、あるいは第2金型であってもよい。
【0148】
また、前記実施の形態1では、図12、図14〜図16に示す金型において、キャビティ14aの第2隅部14fの断面の半径r2と、第3隅部14gの断面の半径r3は同じ大きさ(r2=r3)であり、図1に示す封止体4の各側面と上面4aとからなる各稜部を形成するキャビティ14aの各隅部(rB部、rC部、rD部、rE部、rF部、rG部、rH部及びrI部)の内周面14bの断面は、全て図14に示す半径r2(図16の半径r3でもよい)の大きさで形成されている場合を説明した。ただし、本実施の形態1,2の樹脂成形金型13,22のキャビティ14aにおいては、少なくとも前記第2隅部14f(注入ゲート14dから最も離れた位置のエアベント上の隅部)の内周面14bの断面の半径r2が、他の何れの隅部の内周面14bの断面の半径よりも大きければ、必ずしも各隅部(rB部、rC部、rD部、rE部、rF部、rG部、rH部及びrI部)の内周面14bの断面の半径は、半径r2と同じでなくてもよい。
【0149】
また、ワイヤ7に金線ではなく銅線を用いた場合、銅は金に比べて硬度が高いので、線径が同一の場合においては、ワイヤ流れに対しては強くなる。しかしながら、銅線も細線化が進んでいくと、ワイヤ流れ対策は必須であり、そのとき、これまで述べたいくつかの特徴を採用することは、課題解決する上で有効である。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、樹脂封止方式を用いた電子装置の組み立てに好適である。
【符号の説明】
【0151】
1 半導体チップ
1a 主面
1b 裏面
1c 電極パッド
2 配線基板(板状部材)
2a 上面
2b 下面
2c ボンディングリード(リード)
2d ランド端子
3 封止用樹脂
4 封止体
4a 上面
4b 第1側面
4c 第2側面
4d 第3側面
4e 第1稜部
4f 第2稜部
4g 第3稜部
4h 角部
4i ゲートレジン
4j エアベントレジン
4k 第4側面
5 半田ボール
6 ダイボンド材
7 ワイヤ(導電性ワイヤ)
8 半導体ウエハ
8a ダイシングライン
9 BGA(半導体装置)
10 多数個取り基板(板状部材)
10a 上面
10b 下面
10c デバイス領域
11 マーク
12 ボイド
13 樹脂成形金型
14 上金型(第1金型)
14a キャビティ
14b 内周面
14c 合わせ面
14d 注入ゲート
14e 第1隅部
14f 第2隅部
14g 第3隅部
14h エアベント
14i エアベント
14j エアベント
14k カル
14m ランナ
15 下金型(第2金型)
15a 基板搭載部
15b 合わせ面
15c ポット
15d プランジャヘッド
15e プランジャロッド
15f キャビティ
16 LGA(半導体装置)
20 QFP(半導体装置)
21 リードフレーム(板状部材)
21a ダイパッド
21b インナリード(リード)
21c アウタリード
21d リード部(リード)
22 樹脂成形金型
23 QFN(半導体装置)
30 上金型
31 下金型
32 注入ゲート
33 キャビティ
33a 隅部
34 モールドレジン
35 エアベント
36 ボイド
37 ランナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、エアベントレジンが形成され、前記上面と連なる第1側面と、を備えた封止体を有する半導体装置の製造方法であって、
(a)一対を成す第1金型と第2金型の少なくとも何れか一方に前記封止体の形に対応したキャビティが形成され、かつ前記キャビティに連通する注入ゲート及びエアベントを備えた樹脂成形金型を準備する工程と、
(b)半導体チップが搭載された板状部材を前記第1金型と前記第2金型の間に配置し、前記半導体チップを前記キャビティで覆った状態で前記第1金型と前記第2金型をクランプする工程と、
(c)前記注入ゲートから前記キャビティ内に封止用樹脂を注入して前記板状部材上に前記封止体を形成する工程と、
を有し、
前記樹脂成形金型の前記キャビティは、前記注入ゲートから最も離れた位置の前記エアベントに対応した前記第1側面と前記上面とから成る前記封止体の稜部を形成する隅部を備え、前記キャビティの前記隅部の内周面の断面の半径は、前記封止体の他の稜部を形成する前記キャビティの他の隅部の内周面の断面の半径より大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止体は、前記第1側面に連なる第2側面と、及び前記上面に連なり、かつ前記第1側面に対向する第3側面と、をさらに備え、前記第3側面は、前記注入ゲート上に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1側面と前記第3側面は、前記封止体の平面視における角部に配置されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程の前に、前記半導体チップの電極パッドと前記板状部材のリードとを導電性ワイヤによって電気的に接続する工程を有し、前記導電性ワイヤの線径はφ20μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止用樹脂は、その特性を表すスパイラルフローが100cm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止体の前記第1側面と前記上面とから成る前記稜部を形成する前記キャビティの前記隅部の前記内周面の断面の半径は、0.5mm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、QFP、QFN、BGAまたはLGAであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
上面と、エアベントレジンが形成され、前記上面と連なる第1側面と、前記上面と前記第1側面とに連なる第2側面と、を備えた封止体を有する半導体装置の製造方法であって、
(a)一対を成す第1金型と第2金型の少なくとも何れか一方に前記封止体の形に対応したキャビティが形成され、かつ前記キャビティに連通する注入ゲート及びエアベントを備えた樹脂成形金型を準備する工程と、
(b)半導体チップが搭載された板状部材を前記第1金型と前記第2金型の間に配置し、前記半導体チップを前記キャビティで覆った状態で前記第1金型と前記第2金型をクランプする工程と、
(c)前記注入ゲートから前記キャビティ内に封止用樹脂を注入して前記板状部材上に前記封止体を形成する工程と、
を有し、
前記樹脂成形金型の前記キャビティは、前記注入ゲートから最も離れた位置の前記エアベントに対応した前記第1側面と前記第2側面とから成る前記封止体の第1稜部を形成する第1隅部と、前記第1側面と前記上面とから成る前記封止体の第2稜部を形成する第2隅部とを備え、前記第2隅部の内周面の断面の半径は、前記第1隅部の内周面の断面の半径より大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止体の前記上面と前記第2側面とから成る第3稜部を形成する前記キャビティの第3隅部の内周面の断面の半径は、前記第1隅部の前記内周面の断面の半径より大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記キャビティの前記第2隅部の前記内周面の断面の半径と、前記第3隅部の前記内周面の断面の半径は、同じ大きさであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止体は、前記第1側面に対向する第3側面を備え、前記注入ゲート上に前記第3側面が形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1側面と前記第3側面は、前記封止体の平面視における角部に配置されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体装置は、QFP、QFN、BGAまたはLGAであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程の前に、前記半導体チップの電極パッドと前記板状部材のリードとを導電性ワイヤによって電気的に接続する工程を有し、前記導電性ワイヤの線径はφ20μm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記封止用樹脂は、その特性を表すスパイラルフローが100cm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記キャビティの前記第2隅部の前記内周面の断面の半径は、0.5mm以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−146799(P2012−146799A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3560(P2011−3560)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】