半導体装置
【課題】高い比精度が要求される複数のトランジスタの特性ばらつきを低減する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体基板上に配置されたトランジスタTr1と、半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向がトランジスタTr1のキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置されたトランジスタTr2と、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層51a,51b同士を接続する拡散層51cと、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層51a,51bまたはその拡散層同士を接続する拡散層51cの表面に接続され、拡散層51a,51bに給電するためのコンタクトプラグ61と、を備える。
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体基板上に配置されたトランジスタTr1と、半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向がトランジスタTr1のキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置されたトランジスタTr2と、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層51a,51b同士を接続する拡散層51cと、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層51a,51bまたはその拡散層同士を接続する拡散層51cの表面に接続され、拡散層51a,51bに給電するためのコンタクトプラグ61と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ対を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カレントミラー回路やオペアンプの差動入力段には、入力電流と同等または定数倍の電流値の出力電流を出力するために、2つのトランジスタを対にして配置したトランジスタ対が用いられる。
【0003】
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタでトランジスタ対を構成する場合、両トランジスタは、ゲート同士が接続され、ソースには、電源が接続される。また、一方のトランジスタは、ドレインには、両トランジスタのゲートが接続される。以下では、ドレインに両トランジスタのゲートが接続されるトランジスタを入力側トランジスタと称し、他方のトランジスタを出力側トランジスタと称する。
【0004】
入力側トランジスタにドレイン電流が流れると、ゲート同士が接続されているため、入力側トランジスタのゲート電圧が出力側トランジスタのゲートに印加され、出力側トランジスタにもドレイン電流が流れ、出力電流として出力される。
【0005】
ここで、入力電流と同等または定数倍の電流値の出力電流が出力されるように設計しても、入力側トランジスタおよび出力側トランジスタの特性にばらつきが大きいと、実際に出力される出力電流の電流値の誤差が大きくなる。従って、トランジスタ対を構成するトランジスタの特性には高い比精度(相対精度)が要求される。
【0006】
なお、特許文献1には、出力側トランジスタとして、それぞれヒューズを介して電源に並列接続された複数のトランジスタを配置し、ヒューズを切断することで、出力電流の電流値を調整するトリミングを行うカレントミラー回路が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、1つの活性領域に2つのゲート電極を平行に形成し、2つのゲート電極で挟まれた領域にソース拡散層を形成し、このソース拡散層に対して2つのゲート電極の反対側の領域にドレイン拡散層を形成したミラーMOSFET構造を有するミラーMOSFETが開示されている。また、特許文献2には、上述したミラーMOSFETを2つ配置して構成されたカレントミラー回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−147881号公報
【特許文献2】特開2003−318278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、トランジスタ対を構成するトランジスタには、設計通りの電流が流れるのが理想であり、そのためには、各トランジスタの特性に高い比精度が要求される。
【0010】
しかしながら、トランジスタの特性を決める要素は、製造プロセスに依存してばらつくため、トランジスタの特性にもばらつきが生じる。
【0011】
ここで、トランジスタの特性を決める要素としては、飽和領域におけるドレイン電流Idが、電流Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示されることから、例えば、キャリア移動度(μ)、チャネル長(L)、チャネル幅(W)、および閾値電圧(Vth)がある。
【0012】
また、トランジスタの特性を決める要素としては、他にも、寄生抵抗がある。
【0013】
特許文献1に開示のカレントミラー回路によれば、トリミングにより出力電流の電流値を調整することで、出力電流の誤差が低減される。また、特許文献2に開示のカレントミラー回路によれば、上述したミラーMOSFETを2つ配置した構成とすることで、チャネル長のばらつきが低減され、出力電流の誤差が低減される。
【0014】
一方、本願発明者は、高い比精度が要求される複数のトランジスタの特性に関し、寄生抵抗および閾値電圧に起因する特性ばらつきを低減する余地があることを見出した。
【0015】
以下では、寄生抵抗および閾値電圧に起因するトランジスタの特性ばらつきについて説明する。
【0016】
まず、寄生抵抗に起因する特性ばらつきについて説明する。
【0017】
カレントミラー回路やオペアンプの差動入力段などに用いられるトランジスタ対は、キャリア供給側の電極を共通電位とする。なお、以下では、キャリア供給側の電極が、MOSトランジスタのソース拡散層であるとして説明する。一般的に、拡散層に給電するために、その拡散層と配線とがコンタクトプラグにより接続される。このとき、コンタクトプラグと拡散層や配線との接続箇所にはコンタクト抵抗が存在し、寄生抵抗となる。
【0018】
高い比精度が要求される複数のトランジスタでコンタクト抵抗が異なると、各トランジスタの特性のばらつきが生じ、設計通りの電流値を得ることができない。特に、カレントミラー回路では、設計通りの出力倍率の出力電流が得られないことになる。
【0019】
また、コンタクト抵抗のばらつきは、半導体装置の微細化によってコンタクトプラグ自体が高抵抗化されると更に顕在化する。
【0020】
次に、閾値電圧に起因する特性ばらつきについて説明する。
【0021】
トランジスタのソース/ドレイン拡散層を形成するため、ゲート電極の左右の領域に、基板に対して斜め方向からイオン注入が施されることがある。通常、ソース拡散層とドレイン拡散層とは対称になるように設計されるが、斜めイオン注入により対称性が低くなる場合がある。この場合、斜めイオン注入により形成された拡散層のうち、どちらをソースまたはドレインにするかで閾値電圧が異なる現象が生じ得る。高い比精度が要求される複数のトランジスタで閾値電圧が異なると、各トランジスタの特性ばらつきが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1の半導体装置は、
半導体基板上に配置された第1のトランジスタと、
前記半導体基板上に配置され、前記半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向が前記第1のトランジスタのキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタと、
前記半導体基板上に形成され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層と、
前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層または該拡散層同士を接続する拡散層の表面に接続され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備える。
【0023】
本発明の第2の半導体装置は、
第1の方向に順に形成された第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有し、前記第1の拡散層がキャリア供給側の主電極である第1のトランジスタと、
前記第1の方向に順に形成された第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有し、前記第3の拡散層がキャリア供給側の主電極である第2のトランジスタと、
前記第1の拡散層と前記第3の拡散層とを接続する第5の拡散層と、
前記第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層の少なくとも1つに接続され、該第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の半導体装置は、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層を備える。
【0025】
また、本発明の第2の半導体装置は、キャリア供給側である、第1のトランジスタの第1の拡散層と第2のトランジスタの第3の拡散層とを接続する第5の拡散層を備える。
【0026】
従って、本発明の第1および第2の半導体装置はともに、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士が接続される。
【0027】
このように、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続することで、各拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがある場合にも、そのばらつきが第1および第2のトランジスタの特性に一様に影響を及ぼすようになり、特性ばらつきを低減することができる。
【0028】
さらに、本発明の第1の半導体装置は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となるとなる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0029】
また、本発明の第2の半導体装置は、第1の方向に順に形成されたキャリア供給側である第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有する第1のトランジスタと、第1の方向に順に形成されたキャリア供給側である第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有する第2のトランジスタと、を備える。ここで、キャリア供給側の拡散層から他方の拡散層へと向かう方向にキャリアのドリフトが起こるので、本発明の第2の半導体装置の第1および第2のトランジスタのキャリアのドリフト方向はともに、第1の方向となる。すなわち、本発明の第2の半導体装置は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0030】
従って、本発明の第1および第2の半導体装置はともに、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0031】
このように、第1および第2のトランジスタをキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置することで、第1および第2のトランジスタの閾値電圧にばらつきが生じ難くなり、特性ばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】1出力カレントミラー回路の回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す半導体装置の基板面の平面図である。
【図4】図2に示すX−X’線に沿った断面図である。
【図5】関連する半導体装置の構成を示す図である。
【図6】関連する半導体装置の他の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図8】5出力カレントミラー回路の回路図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の半導体装置の更に他の構成を示す図である。
【図12】ダブルゲート型のトランジスタの構成を示す平面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態の半導体装置の更に他の構成を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、1出力カレントミラー回路の回路図である。なお、図1(a)は、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合の回路図を、図1(b)は、N型MOSトランジスタである場合の回路図を示す。
【0035】
図1(a)および(b)に示すように、1出力カレントミラー回路は、トランジスタTr1とトランジスタTr2とを対にしたトランジスタ対を有する。
【0036】
トランジスタTr1,Tr2がP型MOSトランジスタである場合、図1(a)に示すように、トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続されることで同電位となり、ソースには、電源電位VDDが接続される。また、トランジスタTr1は、ドレインには、トランジスタTr1,Tr2のゲートと端子A1とが接続される。また、トランジスタTr2は、ドレインには、端子A2が接続される。
【0037】
一方、トランジスタTr1,Tr2がN型MOSトランジスタである場合、図1(b)に示すように、トランジスタTr1,Tr2は、ソースには接地電位VSSが接続される。なお、その他の接続関係は、図1(a)と同様であるので説明を省略する。
【0038】
次に、図1に示すカレントミラー回路の動作について説明する。
【0039】
トランジスタTr1にドレイン電流I1が流れると、トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続されているため、トランジスタTr1のゲート電圧がトランジスタTr2のゲートにも印加される。ゲート電圧が印加されることで、トランジスタTr2に、ドレイン電流I2が流れる。
【0040】
上述したように、トランジスタのドレイン電流Idは、Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示される。また、図1に示すカレントミラー回路においては、トランジスタTr1,Tr2のゲート電圧は等しい。そこで、例えば、トランジスタTr1,Tr2のキャリア移動度(μ)および閾値電圧(Vth)が等しいとすると、電流I1,I2はそれぞれのトランジスタのチャネル寸法のみに依存することになる。
【0041】
従って、電流I2の電流値は、例えば、トランジスタTr1,Tr2のチャネル幅およびチャネル長が同じであれば電流I1の電流値と同じになり、トランジスタTr2のチャネル長がトランジスタTr1のチャネル長の半分なら電流I1の電流値の倍となり、トランジスタTr2のチャネル幅がトランジスタTr1のチャネル幅の半分なら電流I1の電流値の半分となる。
【0042】
ここで、電流I2の電流値が電流I1の電流値と同等または定数倍となるように設計されていても、トランジスタTr1,Tr2の特性のばらつきが大きいと、設計された通りの電流I2を得ることができない。従って、トランジスタ対を構成するトランジスタTr1,Tr2の特性には高い比精度が要求される。
【0043】
次に、本実施形態の半導体装置1の構成を説明する。
【0044】
図2は、本実施形態の半導体装置1の平面図である。また、図3は、半導体装置1の基板面の平面図である。また、図4は、図2に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【0045】
図2および図4を参照すると、半導体装置1は、2つのトランジスタTr1,Tr2を備える。
【0046】
詳細には、半導体基板上にゲート絶縁膜11a,11bが形成され、ゲート絶縁膜11a,11b上にそれぞれ、ゲート電極21a,21bが形成される。ゲート電極21a,21bの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0047】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図3を参照して説明する。なお、図3において、実線で囲まれた領域は、ソース拡散層やドレイン拡散層などが形成される活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0048】
図3を参照すると、チャネル領域31aは、活性領域ACT内のうち図2に示すゲート電極21aの直下の領域であり、拡散層41a,51aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31aの左右に隣接するように形成されている。また、チャネル領域31bは、活性領域ACT内のうち図2に示すゲート電極21bの直下の領域であり、拡散層41b,51bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31bの左右に隣接するように形成されている。なお、隣り合う拡散層41a,51bは、素子分離領域により隔てられている。
【0049】
さらに、半導体装置1においては、拡散層51aの一部から突出し、拡散層41a,41bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層51bまで延びる拡散層51cが形成されている。拡散層51cが形成されることにより、拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態となり、拡散層51a,51bが接続される。なお、拡散層51cの形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、拡散層41a,41bと接続せずに、拡散層51aから拡散層51bに延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0050】
ここで、拡散層51a,51b、これらの拡散層を接続する拡散層51c、および拡散層41a,41bは同じ導電型であり、チャネル領域31a,31bとは逆の導電型である。
【0051】
また、図3においては、説明の便宜上、拡散層51a〜51cを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層51a〜51cからなる拡散層を一体として拡散層51と称する。
【0052】
再び、図2および図4を参照すると、拡散層41aは、拡散層41aの表面に接続するコンタクトプラグ61aを介して配線71aと接続される。拡散層41bは、コンタクトプラグ61bを介して配線71bと接続される。拡散層51は、コンタクトプラグ61c〜16hを介して配線71cと接続される。
【0053】
配線71aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極21a,21bが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0054】
配線71bは、端子A2に接続される。
【0055】
配線71cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線71cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線71cと接続される拡散層51は、キャリア供給側の拡散層、すなわち、ソース拡散層となる。以下では、拡散層51(51a〜51c)をソース拡散層51(51a〜51c)と称する。また、配線71aと接続される拡散層41a、および、配線71bと接続される拡散層41bをそれぞれ、ドレイン拡散層41a,41bと称する。
【0056】
図2から図4を参照して説明したように、半導体装置1は、ソース拡散層51a、ゲート電極21a、および、ドレイン拡散層41aを有するトランジスタTr1と、ソース拡散層51b、ゲート電極21b、および、ドレイン拡散層41bを有するトランジスタTr2と、を備える。
【0057】
トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置1は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0058】
以上、図2から図4を参照して、本実施形態の半導体装置1の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0059】
半導体装置1は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0060】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層であるソース拡散層51a,51bをソース拡散層51cを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0061】
以下、それぞれの特徴点について、詳細に説明する。
【0062】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0063】
半導体装置1との比較のために、図5(a)には、関連する半導体装置の平面図を、図5(b)には、図5(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図を示す。なお、図5(a),(b)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0064】
図5(a),(b)に示す半導体装置は、半導体装置1と比較して、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとが、素子分離領域STIにより隔てられ、配線71cのみによって接続されている点が異なる。
【0065】
上述したように、トランジスタ対を構成するトランジスタのソース拡散層は共通電位となる。各トランジスタのソース拡散層を共通電位とするためには、例えば、図5(a),(b)に示す半導体装置のように、トランジスタTr1のソース拡散層51aをコンタクトプラグ61cを介して配線71cと接続し、トランジスタTr2のソース拡散層51bをコンタクトプラグ61hを介して配線71cと接続すればよい。
【0066】
一方、半導体装置1においては、トランジスタTr1のソース拡散層51aからトランジスタTr2のソース拡散層51bまで延びるソース拡散層51cが形成されている。ソース拡散層51cが形成されることにより、ソース拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層51a,51b同士が接続される。すなわち、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層51a〜51cからなるソース拡散層51を共有している。
【0067】
なお、拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態とは、これらの拡散層の導電型が同じである状態をいう。また、拡散層内の抵抗のばらつきを低減するために、拡散層51a〜51cは、キャリア濃度、深さ、キャリアのドリフト方向に見た幅などが一様となるように形成されることが望ましい。
【0068】
ここで、拡散層は、半導体基板にイオン注入処理や熱処理を施すことで形成される。従って、拡散層51a〜51cを形成する際には、これらの拡散層を同一工程で形成することで、同じ導電型となり、また、キャリア濃度や深さなどを一様にすることができる。なお、同一工程により形成するとは、例えば、同じイオン注入処理や同じ熱処理を施すことで拡散層を形成することをいう。
【0069】
ソース拡散層51a,51bを接続して、トランジスタTr1,Tr2でソース拡散層を共有させることで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0070】
以下では、図4および図5(b)に示すコンタクトプラグ61c,61hそれぞれの、ソース拡散層との接続箇所のコンタクト抵抗が異なるものとし、このコンタクト抵抗のばらつきがトランジスタTr1,Tr2の特性に与える影響について説明する。
【0071】
図5(a),(b)に示す半導体装置ように、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとを配線71cのみによって接続した場合、コンタクトプラグ61cとソース拡散層51aとの間のコンタクト抵抗は、トランジスタTr1に流れる電流の電流値にのみ影響を及ぼし、コンタクトプラグ61hとソース拡散層51bとの間のコンタクト抵抗は、トランジスタTr2に流れる電流の電流値にのみ影響を及ぼす。従って、両トランジスタの特性が独立に変動してしまい、カレントミラー回路として設計した電流比が実現されなくなる。
【0072】
一方、半導体装置1のように、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとをソース拡散層51cを形成して接続した場合、コンタクトプラグ61c,61hとソース拡散層51との接続箇所それぞれのコンタクト抵抗にばらつきがあったとしても、これらのコンタクト抵抗は、トランジスタTr1,Tr2にそれぞれ流れる両方の電流の電流値に同様に影響する。言い換えれば、コンタクトプラグ61c,61hは、同じソース拡散層51に接続しているため、各コンタクトプラグとソース拡散層51との間のコンタクト抵抗は、そのソース拡散層51を共有するトランジスタTr1,Tr2に対して一様に影響を及ぼす。従って、コンタクトプラグ61c,61hとソース拡散層51との接続箇所それぞれのコンタクト抵抗にばらつきがあったとしても、各トランジスタの特性に異なる影響を及ぼすことはない。よって、高い比精度が要求される複数のトランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0073】
なお、図2から図4においては、トランジスタTr1,Tr2が共有するソース拡散層51には複数のコンタクトプラグが接続されているが、ソース拡散層51に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0074】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0075】
半導体装置1との比較のために、図6(a)には、関連する半導体装置の平面図を、図6(b)には、図6(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図を示す。なお、図6(a),(b)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0076】
図6(a),(b)に示す半導体装置は、半導体装置1と比較して、トランジスタTr2のソース拡散層51bとドレイン拡散層41bとの配置関係を反転させた点が異なる。すなわち、図6に(a),(b)に示す半導体装置は、ゲート電極21a,21bに挟まれる領域に形成された拡散層51dを、コンタクトプラグ61iを介して電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続された配線71cと接続することで、ソース拡散層としている。以下では、拡散層51dをソース拡散層51dと称する。
【0077】
半導体装置1の1つめの特徴点である、トランジスタTr1,Tr2でソース拡散層を共有させるためには、図6(a),(b)に示す半導体装置のように、トランジスタTr1,Tr2のゲート電極21a,21bに挟まれる領域に形成されたソース拡散層51dを共有させればよい。この場合、図6(a)の白抜き矢印で示すように、トランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向(ソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向)が反転する。
【0078】
一方、半導体装置1においては、トランジスタTr1のソース拡散層51a、ゲート電極21a、ドレイン拡散層41aがこの順に形成される方向と、トランジスタTr2のソース拡散層51b、ゲート電極21b、ドレイン拡散層41bがこの順に形成される方向とは同じのまま、ソース拡散層51cを形成してソース拡散層51a,51bを接続している。
【0079】
そのため、図2の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じになる。
【0080】
ここで、ソース/ドレイン拡散層、または、ソース/ドレイン拡散層とチャネル領域との間に低濃度の不純物領域を設けたLDD(Lightly Doped Drain)構造を形成する工程では、ゲート電極の側方下部に正常に不純物を注入するため、基板に対して斜め方向からイオン注入を施すことがある。通常、ソース/ドレイン拡散層は、対称に設計されるが、ゲート電極の左側方下部に施す斜めイオン注入と右側方下部に施す斜めイオン注入とで、入射角を完全に一致させるのは難しい。そのため、ゲート電極の左右側方下部で、チャネル領域近傍の不純物が異なり、ソース/ドレイン拡散層の対称性が低くなることが懸念される。
【0081】
ソース/ドレイン拡散層の対称性が低いと、左右どちらの拡散層をソースまたはドレイン拡散層にするかによって、閾値電圧が異なる現象が起こり得る。言い換えれば、基板上に配置したトランジスタにおいて左右どちらの向きにキャリアをドリフトさせるかによって、閾値電圧が異なるという現象が起こり得る。
【0082】
ここで、図6(a),(b)に示す半導体装置では、トランジスタTr1,Tr2のソース/ドレイン拡散層の配置関係が反転(キャリアのドリフト方向が反転)している。そのため、各トランジスタの閾値電圧が相違することがある。
【0083】
一方、半導体装置1では、トランジスタTr1,Tr2のソース/ドレイン拡散層の配置関係が同じ(キャリアのドリフト方向が同じ)である。そのため、各トランジスタでソース/ドレインの拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0084】
このように、本実施形態の半導体装置1は、その構成において、上述した第1および第2の特徴点を有している。
【0085】
すなわち、半導体装置1は、第1のトランジスタとしてのトランジスタTr1と、半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向がトランジスタTr1と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタとしてのトランジスタTr2と、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層としてのソース拡散層51a,51bを接続するソース拡散層51cと、を備えている。
【0086】
換言すれば、半導体装置1は、第1の拡散層としてのソース拡散層51a、第1の制御電極としてのゲート電極21a、および、第2の拡散層としてのドレイン拡散層41aを有する第1のトランジスタとしてのトランジスタTr1と、第3の拡散層としてのソース拡散層51b、第2の制御電極としてのゲート電極21b、および、第4の拡散層としてのドレイン拡散層41bを有する第2のトランジスタとしてのトランジスタTr2と、ソース拡散層51a,51bを接続する第5の拡散層としてのソース拡散層51cと、を備え、トランジスタTr1,Tr2それぞれのソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層は、同じ方向(第1の方向)に順に形成されている。
【0087】
トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとをソース拡散層51cを形成して接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、そのばらつきがソース拡散層を共有するトランジスタの特性に一様に影響を及ぼすため、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0088】
また、キャリアのドリフト方向が同じ方向となるとなる向きにトランジスタTr1,Tr2を配置することで、各トランジスタの閾値電圧にばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置した半導体装置1を例として説明したが、これに限られるものではなく、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置2の構成を図7に示す。なお、図7(a)は、半導体装置2の平面図であり、図7(b)は、半導体装置2の基板面の平面図であり、図7(c)は、図7(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。また、図7(a)〜(c)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0090】
図7に示す半導体装置2は、ゲート電極21cを共有し、ゲート電極21cの延在方向に対して上下に隣り合うトランジスタTr1,Tr2を備える。ゲート電極21cが形成された領域の左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0091】
半導体装置2の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図7(b)を参照して説明する。
【0092】
図7(b)を参照すると、チャネル領域31a,31bは、活性領域ACT内のうち図7(a)に示すゲート電極21cの直下の領域である。拡散層41a,51aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31aの左右に隣接するように形成され、拡散層41b,51bは、チャネル領域31bの左右に隣接するように形成されている。
【0093】
さらに、半導体装置2においては、拡散層51aの一部から突出し、拡散層51bまで延びる拡散層51eが形成されている。拡散層51eが形成されることにより、拡散層51a,51b,51eが連続的に形成された状態となり、拡散層51a,51bが接続される。なお、拡散層51eの形状は、図7(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層41a,41bと接続せずに、拡散層51aから拡散層51bまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0094】
ここで、拡散層51a,51b、これらの拡散層を接続する拡散層51e、および拡散層41a,41bは同じ導電型であり、チャネル領域31a,31bとは逆の導電型である。
【0095】
また、図7(b)においては、説明の便宜上、拡散層51a,51b,51eを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層51a,51b,51eからなる拡散層を一体として拡散層51と称する。
【0096】
再び、図7(a)を参照すると、拡散層51は、複数のコンタクトプラグ61を介して配線71cと接続される。
【0097】
配線71cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線71cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線71cと接続される拡散層51は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層51(51e)をソース拡散層51(51e)と称する。
【0098】
図7(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置2は、ソース拡散層51a、ゲート電極21c、および、ドレイン拡散層41aを有するトランジスタTr1と、ソース拡散層51b、ゲート電極21c、および、ドレイン拡散層41bを有するトランジスタTr2と、を備える。
【0099】
トランジスタTr1、Tr2は、ゲート電極21cを共有し、ゲートが同電位となる。また、トランジスタTr1,Tr2のソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置2は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0100】
ここで、半導体装置2においては、図7(b)に示すように、ソース拡散層51eが形成されることにより、ソース拡散層51a,51bが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層51a,51b,51eからなるソース拡散層51を共有している。
【0101】
また、半導体装置2においては、図7(a)の白抜き矢印で示すキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1,Tr2が配置されている。
【0102】
すなわち、半導体装置2は、上述した半導体装置1の第1および第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0103】
上述したように、半導体装置1は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1,Tr2の特性ばらつきを低減することができる。従って、半導体装置2も、半導体装置1と同様に、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0104】
(第2の実施形態)
図8は、5出力カレントミラー回路の回路図である。なお、図8(a)は、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合の回路図を、図8(b)は、N型MOSトランジスタである場合の回路図を示す。
【0105】
以下では、図8(a)に示す、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合を例として説明する。
【0106】
図8(a)に示すカレントミラー回路は、6つのトランジスタTr1〜Tr6からなるトランジスタ群を有する。
【0107】
トランジスタTr1〜Tr6のソースは、電源電位VDDが接続される。
【0108】
トランジスタTr1のゲートは、トランジスタTr2のゲートが接続され、ドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続される。
【0109】
トランジスタTr2のゲートは、トランジスタTr1,Tr3のゲートが接続され、ドレインは、端子A2が接続される。
【0110】
トランジスタTr3のゲートは、トランジスタTr2,Tr4のゲートが接続され、ドレインは、端子A3が接続される。
【0111】
トランジスタTr4のゲートは、トランジスタTr3,Tr5のゲートが接続され、ドレインは、端子A4が接続される。
【0112】
トランジスタTr5のゲートは、トランジスタTr4,Tr6のゲートが接続され、ドレインは、端子A5が接続される。
【0113】
トランジスタTr6のゲートは、トランジスタTr5のゲートが接続され、ドレインは、端子A6が接続される。
【0114】
カレントミラー回路を構成するトランジスタがN型MOSトランジスタである場合、図8(b)に示すように、トランジスタTr1〜Tr6は、ソースには接地電位VSSが接続される。なお、その他の接続関係は、図8(a)と同様であるので説明を省略する。
【0115】
次に、図8に示すカレントミラー回路の動作について説明する。
【0116】
トランジスタTr1にドレイン電流I1が流れると、トランジスタTr1〜Tr6はゲート同士が接続されているため、各ゲートは同電位となり、トランジスタTr1のゲート電圧がトランジスタTr2〜Tr6のゲートにも印加される。ゲート電圧が印加されることで、トランジスタTr2〜Tr6には、それぞれのドレイン電流I2〜I6が流れる。
【0117】
上述したように、トランジスタのドレイン電流Idは、Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示される。また、トランジスタTr1〜Tr6で、ゲート電圧は等しい。そこで、例えば、トランジスタTr1〜Tr6で、キャリア移動度(μ)および閾値電圧(Vth)が等しいとすると、電流I1〜I6はそれぞれのトランジスタTr1〜Tr6のチャネル寸法のみに依存することになる。
【0118】
従って、電流I2〜I6の電流値は、例えば、トランジスタTr1〜Tr6のチャネル幅およびチャネル長が同じであれば電流I1の電流値と同じになり、トランジスタTr2〜Tr6のチャネル長がトランジスタTr1のチャネル長の半分なら電流I1の電流値の倍となり、トランジスタTr2〜Tr6のチャネル幅がトランジスタTr1のチャネル幅の半分なら電流I1の電流値の半分となる。
【0119】
ここで、電流I2〜I6の電流値がそれぞれ、電流I1の電流値と同等または定数倍となるように設計されていても、トランジスタTr1〜Tr6の特性にばらつきが大きいと、設計された電流I2〜I6を得ることができない。従って、トランジスタ群を構成するトランジスタTr1〜Tr6の特性には高い比精度が要求される。
【0120】
次に、本発明の第2の実施形態の半導体装置3の構成について図9を参照して説明する。なお、図9(a)は、半導体装置3の平面図であり、図9(b)は、半導体装置3の基板面の平面図である。
【0121】
図9(a)に示すように、半導体装置3は、トランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0122】
詳細には、互いに交差する列および行に沿ってトランジスタTr1〜Tr6のゲート電極22a〜22fが形成されている。なお、1行目にゲート電極22a〜22cが、2行目にゲート電極22d〜22fが形成されている。また、ゲート電極22aとゲート電極22dとが、ゲート電極22bとゲート電極22eとが、ゲート電極22cとゲート電極22fとが、それぞれ接続される。ゲート電極22a〜22fの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0123】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図9(b)を参照して説明する。なお、図9(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0124】
図9(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fはそれぞれ、活性領域ACT内のうち図9(a)に示すゲート電極22a〜22fの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。
【0125】
さらに、半導体装置3においては、拡散層52aの一部から突出し、拡散層42a〜42fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層52b〜52fそれぞれまで延びる拡散層52gが形成されている。拡散層52gが形成されることにより、拡散層52a〜52gが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52gは、図9(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、拡散層52aから拡散層52b〜52fそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0126】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52g、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0127】
また、図9(b)においては、説明の便宜上、拡散層52a〜52gを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52a〜52gからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0128】
再び、図9(a)を参照すると、拡散層42aは、コンタクトプラグ62aを介して配線72aと接続される。同様に、拡散層42b〜42fはそれぞれ、コンタクトプラグ62b〜62fを介して配線72b〜72fと接続される。また、拡散層52は、複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0129】
配線72aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極22a〜22cが、端子A1に接続される。上述したように、ゲート電極22a〜22cがそれぞれ、ゲート電極22d〜22fと接続される。そのため、ゲート電極22a〜22fは同電位となる。
【0130】
配線72bは、端子A2に接続される。同様に、配線72c〜72fはそれぞれ、端子A3〜A6と接続される。
【0131】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52a〜52g)をソース拡散層52(52a〜52g)と称する。また、配線72a〜72fとそれぞれ接続される拡散層42a〜42fを、ドレイン拡散層42a〜42fと称する。
【0132】
図9(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置3は、互いに交差する行および列に沿って2行3列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。なお、以下では、複数のトランジスタを互いに交差する行および列に沿って配置する配置方法をマトリクス配置と称する。
【0133】
トランジスタTr1〜Tr6は,ゲート同士が同電位となり、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。トランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、本実施形態の半導体装置3は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0134】
以上、図9(a),(b)を参照して、半導体装置3の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0135】
半導体装置3は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0136】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層52a〜52fをソース拡散層52gを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0137】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0138】
半導体装置3においては、トランジスタTr1のソース拡散層52aからソース拡散層52b〜52fそれぞれまで延びるソース拡散層52gが形成されている。ソース拡散層52gが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52gが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層52a〜52fが接続される。すなわち、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52gからなるソース拡散層52を共有している。
【0139】
ここで、トランジスタTr1〜Tr6がソース拡散層52を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0140】
なお、図9(a)においては、ソース拡散層52には複数のコンタクトプラグ62が接続されているが、ソース拡散層52に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0141】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0142】
半導体装置3においては、ソース拡散層52gを形成することで、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。
【0143】
そのため、図9(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1〜Tr6のキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0144】
ここで、キャリアのドリフト方向が同じ向きとなるように各トランジスタを配置することで、ソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0145】
このように、本実施形態の半導体装置3は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層52a〜52fをソース拡散層52gを形成して接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0146】
また、本実施形態の半導体装置3は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1〜Tr6を配置することで、各トランジスタの閾値のばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0147】
なお、3つ以上のトランジスタから構成されるカレントミラー回路では、全てのトランジスタのソース拡散層を接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させるのは、構造上困難である。その上でさらに、各トランジスタのキャリアのドリフト方向を揃えるには、本実施形態のように、各トランジスタのソース拡散層を引き回して接続する構成は特に有用である。
【0148】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1〜Tr6を2行3列にマトリクス配置した半導体装置3を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0149】
配置領域の制約を勘案して、例えば、トランジスタTr1〜Tr6をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置4の構成を図10に示す。図10(a)は、半導体装置4の平面図を、図10(b)は、半導体装置4の基板面の平面図である。なお、図10において、図9に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0150】
図10(a)に示すように、半導体装置4は、ゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置された、トランジスタTr1〜Tr6を備える。トランジスタTr1〜Tr6のゲート電極22a〜22fの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0151】
半導体装置4の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図10(b)を参照して説明する。
【0152】
図10(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fは、活性領域ACT内のうち図10(a)に示すゲート電極22a〜22fの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。なお、隣り合う拡散層42と拡散層52とは、素子分離領域により隔てられている。
【0153】
さらに、半導体装置4においては、拡散層52aの一部から突出し、拡散層42a〜42fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層52b〜52fのそれぞれまで延びる拡散層52hが形成されている。拡散層52hが形成されることにより、拡散層52a〜52f,52hが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52hは、図10(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、拡散層52aから拡散層52b〜52fそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0154】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52h、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0155】
また、図10(b)においては、説明の便宜上、拡散層52a〜52f,52hを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52a〜52f,52hからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0156】
再び、図10(a)を参照すると、拡散層52は複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0157】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52h)をソース拡散層52(52h)と称する。
【0158】
図10(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置4は、ゲート電極の延在方向に対して左右に一列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0159】
トランジスタTr1〜Tr6は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。このトランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置4は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0160】
また、トランジスタTr1〜Tr6をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置5の構成を図11に示す。図11(a)は、半導体装置5の平面図を、図11(b)は、半導体装置5の基板面の平面図である。なお、図11において、図9に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0161】
図11(a)に示すように、半導体装置5は、ゲート電極22gを共有し、ゲート電極22gの延在方向に対して上下に隣り合うように配置された、トランジスタTr1〜Tr6を備える。ゲート電極22gの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0162】
半導体装置5の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図11(b)を参照して説明する。
【0163】
図11(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fは、活性領域ACT内のうち図11(a)に示すゲート電極22gの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。
【0164】
さらに、半導体装置5においては、上下に隣り合う拡散層52a〜52f同士を接続する拡散層52i〜52mが形成されている。拡散層52i〜52mが形成されることにより、拡散層52a〜52f,52i〜52mが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52i〜52mは、図11(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、上下に隣り合う拡散層52a〜52f同士まで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0165】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52i〜52m、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0166】
また、図11(b)においては、説明の便宜上、拡散層52b〜52f,52i〜52mを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52b〜52f,52i〜52mからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0167】
再び、図11(a)を参照すると、拡散層52は複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0168】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52i〜52m)をソース拡散層52(52i〜52m)と称する。
【0169】
図11(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置5は、ゲート電極22gの延在方向に対して上下に一列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0170】
トランジスタTr1〜Tr6は、ゲート電極22gを共有するため、ゲート同士が同電位となり、ソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。このトランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置5は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0171】
ここで、半導体装置4においては、図10(b)に示すように、ソース拡散層52hが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52fが接続され、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52f,52hからなるソース拡散層52を共有している。
【0172】
また、半導体装置5においては、図11(b)に示すように、ソース拡散層52i〜52mが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52fが接続され、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52f,52i〜52mからなるソース拡散層52を共有している。
【0173】
すなわち、半導体装置4および半導体装置5は、上述した半導体装置3の第1の特徴点と同じ特徴を有している。
【0174】
さらに、半導体装置4においては、ソース拡散層52hが形成されることにより、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。そのため、図10(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0175】
また、半導体装置5においては、ソース拡散層52i〜52mが形成されることにより、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。そのため、図11(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0176】
すなわち、半導体装置4および半導体装置5は、上述した半導体装置3の第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0177】
上述したように、半導体装置3は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1〜Tr6の特性ばらつきを低減することができる。従って、半導体装置4および半導体装置5も、半導体装置3と同様に、トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0178】
このように本実施形態の半導体装置によれば、高い比精度が要求されるトランジスタが3つ以上である場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0179】
なお、基板上に配置された複数のトランジスタでは、その距離が離れるほど、特性ばらつきが生じやすい。この点では、半導体装置3は、半導体装置4および半導体装置5と比較して、最遠のトランジスタ同士の距離を小さくすることができるため、各トランジスタの特性ばらつきをより低減することができる。
【0180】
また、本実施形態においては、5出力カレントミラー回路を例として説明したが、カレントミラー回路からの出力数は5に限られるものではない。
【0181】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、第1の実施形態の半導体装置1と比較して、トランジスタ対を構成するトランジスタをダブルゲート型のトランジスタに変更した点が異なる。
【0182】
まず、ダブルゲート型のトランジスタの構成について説明する。
【0183】
図12(a)は、ダブルゲート型のトランジスタの平面図であり、図12(b)は、ダブルゲート型のトランジスタの半導体基板面の平面図であり、図12(c)は、図12(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【0184】
図12(a),(c)を参照すると、半導体基板上にゲート絶縁膜1a,1bが形成され、ゲート絶縁膜1a,1b上にそれぞれ、ゲート電極2a,2bが形成される。また、ゲート電極2a,2bに挟まれた領域と、その領域に対してゲート電極2a,2bそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0185】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図12(b)を参照して説明する。なお、図12(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0186】
図12(b)を参照すると、チャネル領域3a,3bは、活性領域ACT内のうち図12(a)に示すゲート電極2a,2bの直下の領域であり、拡散層4aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域3a,3bに挟まれる領域に、チャネル領域3a,3bに隣接するように形成されている。さらに、拡散層5aは、活性領域ACT内のうち拡散層4aが形成された領域に対してチャネル領域3aの反対側の領域に、チャネル領域3aに隣接するように形成され、拡散層5bは、活性領域ACTのうち拡散層4aが形成された領域に対してチャネル領域3bの反対側の領域に、チャネル領域3bに隣接するように形成されている。
【0187】
再び、図12(a),(c)を参照すると、拡散層5aは、コンタクトプラグ6aを介して配線7aと接続され、拡散層5bは、コンタクトプラグ6bを介して配線7bと接続され、拡散層4aは、コンタクトプラグ6cを介して配線7cと接続される。
【0188】
配線7a,7bはともに、ソース端子に接続され、配線7aと接続される拡散層5a、および、配線7bと接続される拡散層5bは、ソース拡散層となる。以下では、拡散層5a,5bをソース拡散層5a,5bと称する。
【0189】
配線7cは、ドレイン端子に接続される。以下では、配線7cと接続される拡散層4aをドレイン拡散層4aと称する。
【0190】
ゲート電極2a,2bはともに、ゲート端子と接続され、同電位となる。
【0191】
上述したような、2つのゲート電極2a,2bを有するダブルゲート型のトランジスタにおいて、ゲート電極2a,2bにゲート電圧が印加されると、ソース拡散層5aからドレイン拡散層4aに向かうキャリアのドリフトと、ソース拡散層5bからドレイン拡散層4aに向かうキャリアのドリフトとが起こる。ドレイン端子からは、2方向からのキャリアのドリフトによるドレイン電流がまとめて出力される。従って、ダブルゲート型のトランジスタは、2つのゲート電極を有しているが、1つのトランジスタとして動作する。
【0192】
次に、本実施形態の半導体装置6の構成について説明する。
【0193】
図13(a)は、半導体装置6の平面図であり、図13(b)は、半導体装置6の基板面の平面図である。
【0194】
図13(a)を参照すると、半導体装置6は、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1,Tr2を備える。
【0195】
詳細には、半導体基板上に形成された不図示のゲート絶縁膜上にゲート電極23a〜23dが形成される。ゲート電極23aの左側の領域と、左右に隣り合うゲート電極に挟まれる領域と、ゲート電極23dの右側の領域と、に拡散層が形成される。
【0196】
半導体装置6の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図13(b)を参照して説明する。なお、図13(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0197】
図13(b)を参照すると、チャネル領域33a〜33dは、活性領域ACT内のうち図13(a)に示すゲート電極23a〜23dの直下の領域である。拡散層53aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33aの左側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33a,33bに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33b,33cに挟まれる領域に、チャネル領域33b,33cに隣接するように形成され、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33dの右側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0198】
さらに、半導体装置6においては、拡散層53aの一部から突出し、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53b,53cそれぞれまで延びる拡散層53eが形成されている。拡散層53eが形成されることにより、拡散層53a〜53c,53eが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53cが接続される。なお、拡散層53eは、図13(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53b,53cそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0199】
ここで、拡散層53a〜53c、これらの拡散層を接続する拡散層53e、および拡散層42a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0200】
また、図13(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53c,53eを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53c,53eからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0201】
再び、図13(a)を参照すると、拡散層43aは、コンタクトプラグ63aを介して配線73aと接続され、拡散層43bは、コンタクトプラグ63bを介して配線73bと接続され、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0202】
配線73aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23a〜23dが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0203】
配線73bは、端子A2に接続される。
【0204】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53a〜53c,53e)をソース拡散層53(53a〜53c,53e)と称する。また、配線73aと接続される拡散層43a、および、配線73bと接続される拡散層43bをそれぞれ、ドレイン拡散層43a,43bと称する。
【0205】
図13(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置6は、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、ソース拡散層53bがこの順に形成されたダブルゲート型のトランジスタと、ソース拡散層53b、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43b、ゲート電極23d、ソース拡散層53cがこの順に形成されたダブルゲート型のトランジスタと、を備える。
【0206】
上述したように、ダブルゲート型のトランジスタは、1つのトランジスタとして動作するので、以下では、ゲート電極23a,23bを有するダブルゲート型のトランジスタをトランジスタTr1と称し、ゲート電極23c,23dを有するダブルゲート型のトランジスタをトランジスタTr2と称する。
【0207】
トランジスタTr1,Tr2は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。トランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、図13に示す半導体装置6は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0208】
以上、図13(a),(b)を参照して、半導体装置6の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0209】
半導体装置6は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0210】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1、Tr2のソース拡散層53a〜53cを拡散層53eを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0211】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0212】
半導体装置6においては、ソース拡散層53aから拡散層53b,53cそれぞれまで延びるソース拡散層53eが形成されている。ソース拡散層53eが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53c,53eが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層53a〜53cが接続される。すなわち、トランジスタTr1、Tr2は、ソース拡散層53a〜53c,53eからなるソース拡散層53を共有している。
【0213】
トランジスタTr1,Tr2がソース拡散層53を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0214】
なお、図13(a)においては、ソース拡散層53には複数のコンタクトプラグ63が接続されているが、ソース拡散層53に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0215】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0216】
半導体装置6においては、ソース拡散層53eを形成することで、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53cが接続されている。
【0217】
すなわち、半導体装置6は、第1の方向に順に形成された、第1の拡散層としてのソース拡散層53a、第1の制御電極としてのゲート電極23a、第2の拡散層としてのドレイン拡散層43a、第3の制御電極としてのゲート電極23b、および、第6の拡散層としてのソース拡散層53bを有するトランジスタTr1と、第1の方向に順に形成された、第3の拡散層としてのソース拡散層53b、第2の制御電極としてのゲート電極23c、第4の拡散層としてのドレイン拡散層43b、第4の制御電極としてのゲート電極23d、および、第7の拡散層としてのソース拡散層53cを有するトランジスタTr2と、ソース拡散層53a〜53cを接続する第5の拡散層としてのソース拡散層53eと、を備え、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層は、同じ方向(第1の方向)に順に形成されている。
【0218】
そのため、図13(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じとなる。なお、上述したように、ダブルゲート型のトランジスタにおいては、キャリアのドリフト方向は、一方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向および他方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向の2方向となる。トランジスタTr1、Tr2は、一方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かうキャリアのドリフト方向同士、また、他方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かうキャリアのドリフト方向同士が同じ方向となるように配置されている。
【0219】
キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1,Tr2を配置することで、各トランジスタでソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0220】
このように、本実施形態の半導体装置6によれば、高い比精度が要求されるトランジスタ対のトランジスタがダブルゲート型のトランジスタである場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0221】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置した半導体装置6を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0222】
例えば、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置7の構成を図14に示す。なお、図14(a)は、半導体装置7の平面図を、図14(b)は、半導体装置7の基板面の平面図である。また、図14において、図13に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0223】
図14(a)に示すように、半導体装置7は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置されたトランジスタTr1,Tr2を備える。トランジスタTr1のゲート電極23aとトランジスタTr2のゲート電極23cとは接続され、トランジスタTr1のゲート電極23bとトランジスタTr2のゲート電極23dとは接続される。ゲート電極23a,23bに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23a,23bそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。また、ゲート電極23c,23dに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23c,23dそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0224】
半導体装置7の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図14(b)を参照して説明する。
【0225】
図14(b)を参照すると、チャネル領域33a〜33dは、活性領域ACT内のうち図14(a)に示すゲート電極23a〜23dの直下の領域である。拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33a,33bに隣接するように形成され、拡散層53aは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33aの反対側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33bの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成されている。また、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33cの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成され、拡散層53dは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33dの反対側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0226】
さらに、半導体装置7においては、拡散層53aの一部から突出し、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53b,53c,53dそれぞれまで延びる拡散層53fが形成されている。拡散層53fが形成されることにより、拡散層53a〜53d,53fが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53dが接続される。なお、拡散層53fは、図14(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53aから拡散層53b,53c,53dそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0227】
ここで、拡散層53a〜53d、これらの拡散層を接続する拡散層53f、および拡散層43a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0228】
また、図14(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53d,53fを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53d,53fからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0229】
再び、図14(a)を参照すると、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0230】
配線73cは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23a,23bが、端子A1に接続される。なお、上述したように、ゲート電極23aとゲート電極23cとが、また、ゲート電極23bとゲート電極23dとが接続されている。そのため、ゲート電極23a〜23dは同電位となる。
【0231】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53f)をソース拡散層53(53f)と称する。
【0232】
図14(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置7は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合う、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、および、ソース拡散層53bを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1と、ソース拡散層53c、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43c、ゲート電極23d、および、ソース拡散層53dを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr2と、を備える。
【0233】
トランジスタTr1,Tr2は、各ゲートが同電位であり、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、図14に示す半導体装置7は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0234】
また、図15は、半導体装置7とは別の、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置した半導体装置8の構成を示す図である。なお、図15(a)は、半導体装置8の平面図を、図15(b)は、半導体装置8の基板面の平面図である。なお、図15において、図13に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0235】
図15(a)に示すように、半導体装置8は、ゲート電極23e,23fを共有し、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うトランジスタTr1,Tr2を備える。ゲート電極23e,23fに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23e,23fそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0236】
半導体装置8の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図15(b)を参照して説明する。
【0237】
図15(b)を参照すると、チャネル領域33a,33cは、活性領域ACT内のうち図15(a)に示すゲート電極23eの直下の領域であり、チャネル領域33b,33cは、活性領域ACT内のうち図15(a)に示すゲート電極23fの直下の領域である。拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33b,33cに隣接するように形成され、拡散層53aは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33aの反対側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33bの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成されている。また、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33cの反対側の領域に、チャネル領域33cに隣接するように形成され、拡散層53dは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33dの反対側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0238】
さらに、半導体装置8においては、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53aの一部から突出し、拡散層53cまで延びる拡散層53gと、拡散層53bの一部から突出し、拡散層53dまで延びる拡散層53hと、拡散層53cの一部から突出し、拡散層53dまで延びる拡散層53iと、が形成されている。拡散層53g〜53iが形成されることにより、拡散層53a〜53d,53g〜53iが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53dが接続される。なお、拡散層53g〜53iそれぞれは、図15(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53aから拡散層53cまで、拡散層53bから拡散層53dまで、拡散層53cから拡散層53dまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0239】
ここで、拡散層53a〜53d、これらの拡散層を接続する拡散層53g〜53i、および拡散層43a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0240】
また、図15(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53d,53g〜53iを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53d,53g〜53iからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0241】
再び、図15(a)を参照すると、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0242】
配線73cは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23e,23fが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0243】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53g〜53i)をソース拡散層53(53g〜53i)と称する。
【0244】
図15(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置8は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合う、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、および、ソース拡散層53bを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1と、ソース拡散層53c、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43c、ゲート電極23d、および、ソース拡散層53dを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr2と、を備える。
【0245】
トランジスタTr1,Tr2は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。トランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置8は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0246】
ここで、半導体装置7においては、図14(b)に示すように、ソース拡散層53fが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53dが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層53a〜53d,53fからなるソース拡散層53を共有している。
【0247】
また、半導体装置8においては、図15(b)に示すように、ソース拡散層53g〜53iが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53dが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層53a〜53d,53g〜53iからなるソース拡散層53を共有している。
【0248】
すなわち、半導体装置7および半導体装置8は、上述した半導体装置6の第1の特徴点と同じ特徴を有している。
【0249】
さらに、半導体装置7においては、ソース拡散層53fが形成されることにより、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53dが接続されている。そのため、図10(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0250】
また、半導体装置8においては、ソース拡散層53g〜53iが形成されることにより、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53dが接続されている。そのため、図11(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0251】
すなわち、半導体装置7および半導体装置8は、上述した半導体装置6の第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0252】
上述したように、半導体装置6は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1,Tr2の特性のばらつきを低減することができる。従って、半導体装置7および半導体装置8も、半導体装置6と同様に、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0253】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の半導体装置は、第2の実施形態の半導体装置3と比較して、トランジスタ群を構成するトランジスタをダブルゲート型のトランジスタに変更した点が異なる。
【0254】
本実施形態の半導体装置9の構成について説明する。
【0255】
図16(a)は、半導体装置9の平面図を、図16(b)は、半導体装置9の基板面の平面図である。
【0256】
図16(a)を参照すると、半導体装置9は、2行3列にマトリクス配置された、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0257】
詳細には、半導体基板上に形成された不図示のゲート絶縁膜上にゲート電極24a〜24lが形成される。なお、ゲート電極24aとゲート電極24gとが、ゲート電極24bとゲート電極24hとが、ゲート電極24cとゲート電極24iとが、ゲート電極24dとゲート電極24jとが、ゲート電極24eとゲート電極24kとが、ゲート電極24fとゲート電極24lとが、それぞれ接続される。ゲート電極24a,24gの左側の領域と、左右に隣り合うゲート電極に挟まれる領域と、ゲート電極24f,24lの右側の領域と、に拡散層が形成される。
【0258】
半導体装置9の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図16(b)を参照して説明する。なお、図16(b)実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0259】
図16(b)を参照すると、チャネル領域34a〜34lは、活性領域ACT内のうち図16(a)に示すゲート電極24a〜24lの直下の領域である。拡散層54aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34aの左側の領域に、チャネル領域34aに隣接するように形成され、拡散層44aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34a,34bに挟まれる領域に、チャネル領域34a,34bに隣接するように形成され、拡散層54bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34b,34cに挟まれる領域に、チャネル領域34b,34cに隣接するように形成され、拡散層44bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34c,34dに挟まれる領域に、チャネル領域34c,34dに隣接するように形成され、拡散層54cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34d,34eに挟まれる領域に、チャネル領域34d,34eに隣接するように形成され、拡散層44cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34e,34fに挟まれる領域に、チャネル領域34e,34fに隣接するように形成され、拡散層54dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34fの右側の領域に、チャネル領域34fに隣接するように形成されている。また、拡散層54eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34gの左側の領域に、チャネル領域34gに隣接するように形成され、拡散層44dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34g,34hに挟まれる領域に、チャネル領域34g,34hに隣接するように形成され、拡散層54fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34h,34iに挟まれる領域に、チャネル領域34h,34iに隣接するように形成され、拡散層44eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34i,34jに挟まれる領域に、チャネル領域34i,34jに隣接するように形成され、拡散層54gは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34j,34kに挟まれる領域に、チャネル領域34j,34kに隣接するように形成され、拡散層44fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34k,34lに挟まれる領域に、チャネル領域34k,34lに隣接するように形成され、拡散層54hは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34lの右側の領域に、チャネル領域34lに隣接するように形成されている。
【0260】
さらに半導体装置9においては、拡散層54aの一部から突出し、拡散層44a〜44fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層54b〜54hそれぞれまで延びる拡散層54iが形成されている。拡散層54iが形成されることにより、拡散層54a〜54iが連続的に形成された状態となり、拡散層54a〜54hが接続される。なお、拡散層54iは、図16(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層44a〜44fと接続せずに、拡散層54b〜54hそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0261】
ここで、拡散層54a〜54h、これらの拡散層を接続する拡散層54i、および拡散層44a〜44fは同じ導電型であり、チャネル領域34a〜34lとは逆の導電型である。
【0262】
また、図16(b)においては、説明の便宜上、拡散層54a〜54iを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層54a〜54iからなる拡散層を一体として拡散層54と称する。
【0263】
再び、図16(a)を参照すると、拡散層44a〜44fはそれぞれ、コンタクトプラグ64a〜64fを介して配線74a〜74fと接続される。また、拡散層54は、複数のコンタクトプラグ64を介して配線74gと接続される。
【0264】
配線74aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極24a〜24fが、端子A1に接続される。上述したように、ゲート電極24a〜24fがそれぞれ、ゲート電極24g〜24lと接続されている。従って、ゲート電極24a〜24lは同電位となる。
【0265】
配線74bから配線74fはそれぞれ、端子A2から端子A6に接続される。
【0266】
配線74gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線74gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線74gと接続される拡散層54は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層54(54a〜54i)をソース拡散層54(54a〜54i)と称する。また、配線74a〜74fとそれぞれ接続される拡散層44a〜44fを、ドレイン拡散層44a〜44fと称する。
【0267】
図16(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置9は、ソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、および、ソース拡散層を有する、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0268】
トランジスタTr1〜Tr6は,ゲート同士が同電位であり、ソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜6のドレインにはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。トランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置9は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0269】
以上、本実施形態の半導体装置9の構成について、図16(a),(b)を参照して説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0270】
半導体装置9は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0271】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層54a〜54hをソース拡散層54iを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0272】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0273】
半導体装置9においては、トランジスタTr1のソース拡散層54aからソース拡散層54b〜54hそれぞれまで延びるソース拡散層54iが形成されている。ソース拡散層54iが形成されることにより、ソース拡散層54a〜54iが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層54a〜54hが接続される。すなわち、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層54a〜54iからなるソース拡散層54を共有している。
【0274】
ここで、トランジスタTr1〜Tr6がソース拡散層54を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0275】
なお、図16(a)においては、ソース拡散層54には複数のコンタクトプラグ64が接続されているが、ソース拡散層54に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0276】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0277】
半導体装置9においては、ソース拡散層54iを形成することで、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層54a〜54hを接続している。そのため、図16(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0278】
ここで、キャリアのドリフト方向が同じ向きとなるように配置することで、ソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違が生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0279】
このように、本実施形態の半導体装置9は、トランジスタTr1〜Tr6でソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0280】
また、本実施形態の半導体装置9は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1〜Tr6を配置することで、各トランジスタの閾値電圧のばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0281】
なお、3つ以上のトランジスタから構成されるカレントミラー回路では、全てのトランジスタのソース拡散層を接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させるのは、構造上困難である。その上でさらに、各トランジスタのキャリアのドリフト方向を揃えるには、本実施形態のように、各トランジスタのソース拡散層を引き回して接続する構成は特に有用である。
【0282】
このように本実施形態の半導体装置によれば、高い比精度が要求されるトランジスタが3つ以上であり、かつ、そのトランジスタがダブルゲート型のトランジスタである場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0283】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1〜Tr6を2行3列にマトリクス配置した半導体装置9を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0284】
配置領域の制約を勘案して、トランジスタTr1〜Tr6を、ゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置してもよい。また、トランジスタTr1〜Tr6を、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。
【0285】
また、本実施形態においては、1行目(トランジスタTr1〜Tr3)と2行目(トランジスタTr4〜Tr6)との間に、拡散層54と接続するコンタクトプラグ64を1列に配置した場合を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0286】
例えば、図17に示すように、1行目(トランジスタTr1〜Tr3)と2行目(トランジスタTr4〜Tr6)との間に、コンタクトプラグ64を2列に配置してもよい。このようにコンタクトプラグを配置すると、大電流が流れる箇所などで、コンタクト抵抗の抵抗値を下げることができる。なお、図17において、図16に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0287】
なお、上述したトランジスタ対(トランジスタ群)は、カレントミラー回路のトランジスタ対(トランジスタ群)のみならず、カレントミラー回路自体を負荷として用いるトランジスタ対(トランジスタ群)などといった、高い比精度が求められるトランジスタ対(トランジスタ群)に適用しても、各トランジスタの特性ばらつきを低減するという効果が得られる。例えば、オペアンプの差動入力段に用いられるトランジスタ対などに適用することができる。オペアンプは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)において、メモリセルへの入力データを参照電圧(Vref)と比較して増幅するために用いられる。
【0288】
また、第1から第4の実施形態においては、トランジスタは電界効果トランジスタであるとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0289】
バイポーラトランジスタを用いたカレントミラー回路では、入力側トランジスタと出力側トランジスタとは、ベース同士が接続され、エミッタには電源が接続される。また、入力側トランジスタのコレクタは、ベースに接続される。このような回路構成において、入力側トランジスタのコレクタ電圧が出力側トランジスタのベースに供給され、出力側トランジスタにコレクタ電流が流れ、出力電流として出力される。
【0290】
第1から第4の実施形態の半導体装置をバイポーラトランジスタを用いて実現する場合には、複数のトランジスタでベース拡散層が共有され、その共有ベース拡散層の中で、複数のトランジスタのエミッタ拡散層を接続した構成となる。
【符号の説明】
【0291】
1〜9 半導体装置
Tr1〜Tr6 トランジスタ
1a,1b,11a,11b ゲート絶縁膜
2a,2b,21a,21b,22a〜22g,23a〜23f,24a〜24l ゲート電極
3a,3b,31a,31b,32a〜32f,33a〜33d,34a〜34l チャネル領域
4a,41a,41b,42a〜42f,43a,43b,44a〜44f ドレイン拡散層
5a〜5b,51,51a〜51e,52,52a〜52m,53,53a〜53i,54a〜54i ソース拡散層
6a〜6c,61,61a〜61i,62,62a〜62f,63,63a,63b,64,64a〜64f コンタクトプラグ
7a〜7c,71a〜71c,72a〜72f,73a〜73c,74a〜74g 配線
ACT 活性領域
STI 素子分離領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタ対を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カレントミラー回路やオペアンプの差動入力段には、入力電流と同等または定数倍の電流値の出力電流を出力するために、2つのトランジスタを対にして配置したトランジスタ対が用いられる。
【0003】
MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタでトランジスタ対を構成する場合、両トランジスタは、ゲート同士が接続され、ソースには、電源が接続される。また、一方のトランジスタは、ドレインには、両トランジスタのゲートが接続される。以下では、ドレインに両トランジスタのゲートが接続されるトランジスタを入力側トランジスタと称し、他方のトランジスタを出力側トランジスタと称する。
【0004】
入力側トランジスタにドレイン電流が流れると、ゲート同士が接続されているため、入力側トランジスタのゲート電圧が出力側トランジスタのゲートに印加され、出力側トランジスタにもドレイン電流が流れ、出力電流として出力される。
【0005】
ここで、入力電流と同等または定数倍の電流値の出力電流が出力されるように設計しても、入力側トランジスタおよび出力側トランジスタの特性にばらつきが大きいと、実際に出力される出力電流の電流値の誤差が大きくなる。従って、トランジスタ対を構成するトランジスタの特性には高い比精度(相対精度)が要求される。
【0006】
なお、特許文献1には、出力側トランジスタとして、それぞれヒューズを介して電源に並列接続された複数のトランジスタを配置し、ヒューズを切断することで、出力電流の電流値を調整するトリミングを行うカレントミラー回路が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、1つの活性領域に2つのゲート電極を平行に形成し、2つのゲート電極で挟まれた領域にソース拡散層を形成し、このソース拡散層に対して2つのゲート電極の反対側の領域にドレイン拡散層を形成したミラーMOSFET構造を有するミラーMOSFETが開示されている。また、特許文献2には、上述したミラーMOSFETを2つ配置して構成されたカレントミラー回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−147881号公報
【特許文献2】特開2003−318278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、トランジスタ対を構成するトランジスタには、設計通りの電流が流れるのが理想であり、そのためには、各トランジスタの特性に高い比精度が要求される。
【0010】
しかしながら、トランジスタの特性を決める要素は、製造プロセスに依存してばらつくため、トランジスタの特性にもばらつきが生じる。
【0011】
ここで、トランジスタの特性を決める要素としては、飽和領域におけるドレイン電流Idが、電流Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示されることから、例えば、キャリア移動度(μ)、チャネル長(L)、チャネル幅(W)、および閾値電圧(Vth)がある。
【0012】
また、トランジスタの特性を決める要素としては、他にも、寄生抵抗がある。
【0013】
特許文献1に開示のカレントミラー回路によれば、トリミングにより出力電流の電流値を調整することで、出力電流の誤差が低減される。また、特許文献2に開示のカレントミラー回路によれば、上述したミラーMOSFETを2つ配置した構成とすることで、チャネル長のばらつきが低減され、出力電流の誤差が低減される。
【0014】
一方、本願発明者は、高い比精度が要求される複数のトランジスタの特性に関し、寄生抵抗および閾値電圧に起因する特性ばらつきを低減する余地があることを見出した。
【0015】
以下では、寄生抵抗および閾値電圧に起因するトランジスタの特性ばらつきについて説明する。
【0016】
まず、寄生抵抗に起因する特性ばらつきについて説明する。
【0017】
カレントミラー回路やオペアンプの差動入力段などに用いられるトランジスタ対は、キャリア供給側の電極を共通電位とする。なお、以下では、キャリア供給側の電極が、MOSトランジスタのソース拡散層であるとして説明する。一般的に、拡散層に給電するために、その拡散層と配線とがコンタクトプラグにより接続される。このとき、コンタクトプラグと拡散層や配線との接続箇所にはコンタクト抵抗が存在し、寄生抵抗となる。
【0018】
高い比精度が要求される複数のトランジスタでコンタクト抵抗が異なると、各トランジスタの特性のばらつきが生じ、設計通りの電流値を得ることができない。特に、カレントミラー回路では、設計通りの出力倍率の出力電流が得られないことになる。
【0019】
また、コンタクト抵抗のばらつきは、半導体装置の微細化によってコンタクトプラグ自体が高抵抗化されると更に顕在化する。
【0020】
次に、閾値電圧に起因する特性ばらつきについて説明する。
【0021】
トランジスタのソース/ドレイン拡散層を形成するため、ゲート電極の左右の領域に、基板に対して斜め方向からイオン注入が施されることがある。通常、ソース拡散層とドレイン拡散層とは対称になるように設計されるが、斜めイオン注入により対称性が低くなる場合がある。この場合、斜めイオン注入により形成された拡散層のうち、どちらをソースまたはドレインにするかで閾値電圧が異なる現象が生じ得る。高い比精度が要求される複数のトランジスタで閾値電圧が異なると、各トランジスタの特性ばらつきが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の第1の半導体装置は、
半導体基板上に配置された第1のトランジスタと、
前記半導体基板上に配置され、前記半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向が前記第1のトランジスタのキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタと、
前記半導体基板上に形成され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層と、
前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層または該拡散層同士を接続する拡散層の表面に接続され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備える。
【0023】
本発明の第2の半導体装置は、
第1の方向に順に形成された第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有し、前記第1の拡散層がキャリア供給側の主電極である第1のトランジスタと、
前記第1の方向に順に形成された第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有し、前記第3の拡散層がキャリア供給側の主電極である第2のトランジスタと、
前記第1の拡散層と前記第3の拡散層とを接続する第5の拡散層と、
前記第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層の少なくとも1つに接続され、該第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の半導体装置は、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層を備える。
【0025】
また、本発明の第2の半導体装置は、キャリア供給側である、第1のトランジスタの第1の拡散層と第2のトランジスタの第3の拡散層とを接続する第5の拡散層を備える。
【0026】
従って、本発明の第1および第2の半導体装置はともに、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士が接続される。
【0027】
このように、第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続することで、各拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがある場合にも、そのばらつきが第1および第2のトランジスタの特性に一様に影響を及ぼすようになり、特性ばらつきを低減することができる。
【0028】
さらに、本発明の第1の半導体装置は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となるとなる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0029】
また、本発明の第2の半導体装置は、第1の方向に順に形成されたキャリア供給側である第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有する第1のトランジスタと、第1の方向に順に形成されたキャリア供給側である第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有する第2のトランジスタと、を備える。ここで、キャリア供給側の拡散層から他方の拡散層へと向かう方向にキャリアのドリフトが起こるので、本発明の第2の半導体装置の第1および第2のトランジスタのキャリアのドリフト方向はともに、第1の方向となる。すなわち、本発明の第2の半導体装置は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0030】
従って、本発明の第1および第2の半導体装置はともに、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置された第1および第2のトランジスタを備える。
【0031】
このように、第1および第2のトランジスタをキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置することで、第1および第2のトランジスタの閾値電圧にばらつきが生じ難くなり、特性ばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】1出力カレントミラー回路の回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の半導体装置の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す半導体装置の基板面の平面図である。
【図4】図2に示すX−X’線に沿った断面図である。
【図5】関連する半導体装置の構成を示す図である。
【図6】関連する半導体装置の他の構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図8】5出力カレントミラー回路の回路図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の半導体装置の更に他の構成を示す図である。
【図12】ダブルゲート型のトランジスタの構成を示す平面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態の半導体装置の更に他の構成を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施形態の半導体装置の構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の半導体装置の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、1出力カレントミラー回路の回路図である。なお、図1(a)は、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合の回路図を、図1(b)は、N型MOSトランジスタである場合の回路図を示す。
【0035】
図1(a)および(b)に示すように、1出力カレントミラー回路は、トランジスタTr1とトランジスタTr2とを対にしたトランジスタ対を有する。
【0036】
トランジスタTr1,Tr2がP型MOSトランジスタである場合、図1(a)に示すように、トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続されることで同電位となり、ソースには、電源電位VDDが接続される。また、トランジスタTr1は、ドレインには、トランジスタTr1,Tr2のゲートと端子A1とが接続される。また、トランジスタTr2は、ドレインには、端子A2が接続される。
【0037】
一方、トランジスタTr1,Tr2がN型MOSトランジスタである場合、図1(b)に示すように、トランジスタTr1,Tr2は、ソースには接地電位VSSが接続される。なお、その他の接続関係は、図1(a)と同様であるので説明を省略する。
【0038】
次に、図1に示すカレントミラー回路の動作について説明する。
【0039】
トランジスタTr1にドレイン電流I1が流れると、トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続されているため、トランジスタTr1のゲート電圧がトランジスタTr2のゲートにも印加される。ゲート電圧が印加されることで、トランジスタTr2に、ドレイン電流I2が流れる。
【0040】
上述したように、トランジスタのドレイン電流Idは、Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示される。また、図1に示すカレントミラー回路においては、トランジスタTr1,Tr2のゲート電圧は等しい。そこで、例えば、トランジスタTr1,Tr2のキャリア移動度(μ)および閾値電圧(Vth)が等しいとすると、電流I1,I2はそれぞれのトランジスタのチャネル寸法のみに依存することになる。
【0041】
従って、電流I2の電流値は、例えば、トランジスタTr1,Tr2のチャネル幅およびチャネル長が同じであれば電流I1の電流値と同じになり、トランジスタTr2のチャネル長がトランジスタTr1のチャネル長の半分なら電流I1の電流値の倍となり、トランジスタTr2のチャネル幅がトランジスタTr1のチャネル幅の半分なら電流I1の電流値の半分となる。
【0042】
ここで、電流I2の電流値が電流I1の電流値と同等または定数倍となるように設計されていても、トランジスタTr1,Tr2の特性のばらつきが大きいと、設計された通りの電流I2を得ることができない。従って、トランジスタ対を構成するトランジスタTr1,Tr2の特性には高い比精度が要求される。
【0043】
次に、本実施形態の半導体装置1の構成を説明する。
【0044】
図2は、本実施形態の半導体装置1の平面図である。また、図3は、半導体装置1の基板面の平面図である。また、図4は、図2に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【0045】
図2および図4を参照すると、半導体装置1は、2つのトランジスタTr1,Tr2を備える。
【0046】
詳細には、半導体基板上にゲート絶縁膜11a,11bが形成され、ゲート絶縁膜11a,11b上にそれぞれ、ゲート電極21a,21bが形成される。ゲート電極21a,21bの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0047】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図3を参照して説明する。なお、図3において、実線で囲まれた領域は、ソース拡散層やドレイン拡散層などが形成される活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0048】
図3を参照すると、チャネル領域31aは、活性領域ACT内のうち図2に示すゲート電極21aの直下の領域であり、拡散層41a,51aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31aの左右に隣接するように形成されている。また、チャネル領域31bは、活性領域ACT内のうち図2に示すゲート電極21bの直下の領域であり、拡散層41b,51bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31bの左右に隣接するように形成されている。なお、隣り合う拡散層41a,51bは、素子分離領域により隔てられている。
【0049】
さらに、半導体装置1においては、拡散層51aの一部から突出し、拡散層41a,41bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層51bまで延びる拡散層51cが形成されている。拡散層51cが形成されることにより、拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態となり、拡散層51a,51bが接続される。なお、拡散層51cの形状は、図3に示す形状に限定されるものではなく、拡散層41a,41bと接続せずに、拡散層51aから拡散層51bに延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0050】
ここで、拡散層51a,51b、これらの拡散層を接続する拡散層51c、および拡散層41a,41bは同じ導電型であり、チャネル領域31a,31bとは逆の導電型である。
【0051】
また、図3においては、説明の便宜上、拡散層51a〜51cを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層51a〜51cからなる拡散層を一体として拡散層51と称する。
【0052】
再び、図2および図4を参照すると、拡散層41aは、拡散層41aの表面に接続するコンタクトプラグ61aを介して配線71aと接続される。拡散層41bは、コンタクトプラグ61bを介して配線71bと接続される。拡散層51は、コンタクトプラグ61c〜16hを介して配線71cと接続される。
【0053】
配線71aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極21a,21bが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0054】
配線71bは、端子A2に接続される。
【0055】
配線71cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線71cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線71cと接続される拡散層51は、キャリア供給側の拡散層、すなわち、ソース拡散層となる。以下では、拡散層51(51a〜51c)をソース拡散層51(51a〜51c)と称する。また、配線71aと接続される拡散層41a、および、配線71bと接続される拡散層41bをそれぞれ、ドレイン拡散層41a,41bと称する。
【0056】
図2から図4を参照して説明したように、半導体装置1は、ソース拡散層51a、ゲート電極21a、および、ドレイン拡散層41aを有するトランジスタTr1と、ソース拡散層51b、ゲート電極21b、および、ドレイン拡散層41bを有するトランジスタTr2と、を備える。
【0057】
トランジスタTr1,Tr2はゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置1は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0058】
以上、図2から図4を参照して、本実施形態の半導体装置1の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0059】
半導体装置1は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0060】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層であるソース拡散層51a,51bをソース拡散層51cを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0061】
以下、それぞれの特徴点について、詳細に説明する。
【0062】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0063】
半導体装置1との比較のために、図5(a)には、関連する半導体装置の平面図を、図5(b)には、図5(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図を示す。なお、図5(a),(b)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0064】
図5(a),(b)に示す半導体装置は、半導体装置1と比較して、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとが、素子分離領域STIにより隔てられ、配線71cのみによって接続されている点が異なる。
【0065】
上述したように、トランジスタ対を構成するトランジスタのソース拡散層は共通電位となる。各トランジスタのソース拡散層を共通電位とするためには、例えば、図5(a),(b)に示す半導体装置のように、トランジスタTr1のソース拡散層51aをコンタクトプラグ61cを介して配線71cと接続し、トランジスタTr2のソース拡散層51bをコンタクトプラグ61hを介して配線71cと接続すればよい。
【0066】
一方、半導体装置1においては、トランジスタTr1のソース拡散層51aからトランジスタTr2のソース拡散層51bまで延びるソース拡散層51cが形成されている。ソース拡散層51cが形成されることにより、ソース拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層51a,51b同士が接続される。すなわち、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層51a〜51cからなるソース拡散層51を共有している。
【0067】
なお、拡散層51a〜51cが連続的に形成された状態とは、これらの拡散層の導電型が同じである状態をいう。また、拡散層内の抵抗のばらつきを低減するために、拡散層51a〜51cは、キャリア濃度、深さ、キャリアのドリフト方向に見た幅などが一様となるように形成されることが望ましい。
【0068】
ここで、拡散層は、半導体基板にイオン注入処理や熱処理を施すことで形成される。従って、拡散層51a〜51cを形成する際には、これらの拡散層を同一工程で形成することで、同じ導電型となり、また、キャリア濃度や深さなどを一様にすることができる。なお、同一工程により形成するとは、例えば、同じイオン注入処理や同じ熱処理を施すことで拡散層を形成することをいう。
【0069】
ソース拡散層51a,51bを接続して、トランジスタTr1,Tr2でソース拡散層を共有させることで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0070】
以下では、図4および図5(b)に示すコンタクトプラグ61c,61hそれぞれの、ソース拡散層との接続箇所のコンタクト抵抗が異なるものとし、このコンタクト抵抗のばらつきがトランジスタTr1,Tr2の特性に与える影響について説明する。
【0071】
図5(a),(b)に示す半導体装置ように、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとを配線71cのみによって接続した場合、コンタクトプラグ61cとソース拡散層51aとの間のコンタクト抵抗は、トランジスタTr1に流れる電流の電流値にのみ影響を及ぼし、コンタクトプラグ61hとソース拡散層51bとの間のコンタクト抵抗は、トランジスタTr2に流れる電流の電流値にのみ影響を及ぼす。従って、両トランジスタの特性が独立に変動してしまい、カレントミラー回路として設計した電流比が実現されなくなる。
【0072】
一方、半導体装置1のように、トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとをソース拡散層51cを形成して接続した場合、コンタクトプラグ61c,61hとソース拡散層51との接続箇所それぞれのコンタクト抵抗にばらつきがあったとしても、これらのコンタクト抵抗は、トランジスタTr1,Tr2にそれぞれ流れる両方の電流の電流値に同様に影響する。言い換えれば、コンタクトプラグ61c,61hは、同じソース拡散層51に接続しているため、各コンタクトプラグとソース拡散層51との間のコンタクト抵抗は、そのソース拡散層51を共有するトランジスタTr1,Tr2に対して一様に影響を及ぼす。従って、コンタクトプラグ61c,61hとソース拡散層51との接続箇所それぞれのコンタクト抵抗にばらつきがあったとしても、各トランジスタの特性に異なる影響を及ぼすことはない。よって、高い比精度が要求される複数のトランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0073】
なお、図2から図4においては、トランジスタTr1,Tr2が共有するソース拡散層51には複数のコンタクトプラグが接続されているが、ソース拡散層51に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0074】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0075】
半導体装置1との比較のために、図6(a)には、関連する半導体装置の平面図を、図6(b)には、図6(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図を示す。なお、図6(a),(b)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0076】
図6(a),(b)に示す半導体装置は、半導体装置1と比較して、トランジスタTr2のソース拡散層51bとドレイン拡散層41bとの配置関係を反転させた点が異なる。すなわち、図6に(a),(b)に示す半導体装置は、ゲート電極21a,21bに挟まれる領域に形成された拡散層51dを、コンタクトプラグ61iを介して電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続された配線71cと接続することで、ソース拡散層としている。以下では、拡散層51dをソース拡散層51dと称する。
【0077】
半導体装置1の1つめの特徴点である、トランジスタTr1,Tr2でソース拡散層を共有させるためには、図6(a),(b)に示す半導体装置のように、トランジスタTr1,Tr2のゲート電極21a,21bに挟まれる領域に形成されたソース拡散層51dを共有させればよい。この場合、図6(a)の白抜き矢印で示すように、トランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向(ソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向)が反転する。
【0078】
一方、半導体装置1においては、トランジスタTr1のソース拡散層51a、ゲート電極21a、ドレイン拡散層41aがこの順に形成される方向と、トランジスタTr2のソース拡散層51b、ゲート電極21b、ドレイン拡散層41bがこの順に形成される方向とは同じのまま、ソース拡散層51cを形成してソース拡散層51a,51bを接続している。
【0079】
そのため、図2の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じになる。
【0080】
ここで、ソース/ドレイン拡散層、または、ソース/ドレイン拡散層とチャネル領域との間に低濃度の不純物領域を設けたLDD(Lightly Doped Drain)構造を形成する工程では、ゲート電極の側方下部に正常に不純物を注入するため、基板に対して斜め方向からイオン注入を施すことがある。通常、ソース/ドレイン拡散層は、対称に設計されるが、ゲート電極の左側方下部に施す斜めイオン注入と右側方下部に施す斜めイオン注入とで、入射角を完全に一致させるのは難しい。そのため、ゲート電極の左右側方下部で、チャネル領域近傍の不純物が異なり、ソース/ドレイン拡散層の対称性が低くなることが懸念される。
【0081】
ソース/ドレイン拡散層の対称性が低いと、左右どちらの拡散層をソースまたはドレイン拡散層にするかによって、閾値電圧が異なる現象が起こり得る。言い換えれば、基板上に配置したトランジスタにおいて左右どちらの向きにキャリアをドリフトさせるかによって、閾値電圧が異なるという現象が起こり得る。
【0082】
ここで、図6(a),(b)に示す半導体装置では、トランジスタTr1,Tr2のソース/ドレイン拡散層の配置関係が反転(キャリアのドリフト方向が反転)している。そのため、各トランジスタの閾値電圧が相違することがある。
【0083】
一方、半導体装置1では、トランジスタTr1,Tr2のソース/ドレイン拡散層の配置関係が同じ(キャリアのドリフト方向が同じ)である。そのため、各トランジスタでソース/ドレインの拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0084】
このように、本実施形態の半導体装置1は、その構成において、上述した第1および第2の特徴点を有している。
【0085】
すなわち、半導体装置1は、第1のトランジスタとしてのトランジスタTr1と、半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向がトランジスタTr1と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタとしてのトランジスタTr2と、トランジスタTr1,Tr2のキャリア供給側の拡散層としてのソース拡散層51a,51bを接続するソース拡散層51cと、を備えている。
【0086】
換言すれば、半導体装置1は、第1の拡散層としてのソース拡散層51a、第1の制御電極としてのゲート電極21a、および、第2の拡散層としてのドレイン拡散層41aを有する第1のトランジスタとしてのトランジスタTr1と、第3の拡散層としてのソース拡散層51b、第2の制御電極としてのゲート電極21b、および、第4の拡散層としてのドレイン拡散層41bを有する第2のトランジスタとしてのトランジスタTr2と、ソース拡散層51a,51bを接続する第5の拡散層としてのソース拡散層51cと、を備え、トランジスタTr1,Tr2それぞれのソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層は、同じ方向(第1の方向)に順に形成されている。
【0087】
トランジスタTr1のソース拡散層51aとトランジスタTr2のソース拡散層51bとをソース拡散層51cを形成して接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、そのばらつきがソース拡散層を共有するトランジスタの特性に一様に影響を及ぼすため、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0088】
また、キャリアのドリフト方向が同じ方向となるとなる向きにトランジスタTr1,Tr2を配置することで、各トランジスタの閾値電圧にばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置した半導体装置1を例として説明したが、これに限られるものではなく、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置2の構成を図7に示す。なお、図7(a)は、半導体装置2の平面図であり、図7(b)は、半導体装置2の基板面の平面図であり、図7(c)は、図7(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。また、図7(a)〜(c)において、図2から図4に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0090】
図7に示す半導体装置2は、ゲート電極21cを共有し、ゲート電極21cの延在方向に対して上下に隣り合うトランジスタTr1,Tr2を備える。ゲート電極21cが形成された領域の左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0091】
半導体装置2の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図7(b)を参照して説明する。
【0092】
図7(b)を参照すると、チャネル領域31a,31bは、活性領域ACT内のうち図7(a)に示すゲート電極21cの直下の領域である。拡散層41a,51aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域31aの左右に隣接するように形成され、拡散層41b,51bは、チャネル領域31bの左右に隣接するように形成されている。
【0093】
さらに、半導体装置2においては、拡散層51aの一部から突出し、拡散層51bまで延びる拡散層51eが形成されている。拡散層51eが形成されることにより、拡散層51a,51b,51eが連続的に形成された状態となり、拡散層51a,51bが接続される。なお、拡散層51eの形状は、図7(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層41a,41bと接続せずに、拡散層51aから拡散層51bまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0094】
ここで、拡散層51a,51b、これらの拡散層を接続する拡散層51e、および拡散層41a,41bは同じ導電型であり、チャネル領域31a,31bとは逆の導電型である。
【0095】
また、図7(b)においては、説明の便宜上、拡散層51a,51b,51eを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層51a,51b,51eからなる拡散層を一体として拡散層51と称する。
【0096】
再び、図7(a)を参照すると、拡散層51は、複数のコンタクトプラグ61を介して配線71cと接続される。
【0097】
配線71cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線71cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線71cと接続される拡散層51は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層51(51e)をソース拡散層51(51e)と称する。
【0098】
図7(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置2は、ソース拡散層51a、ゲート電極21c、および、ドレイン拡散層41aを有するトランジスタTr1と、ソース拡散層51b、ゲート電極21c、および、ドレイン拡散層41bを有するトランジスタTr2と、を備える。
【0099】
トランジスタTr1、Tr2は、ゲート電極21cを共有し、ゲートが同電位となる。また、トランジスタTr1,Tr2のソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置2は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0100】
ここで、半導体装置2においては、図7(b)に示すように、ソース拡散層51eが形成されることにより、ソース拡散層51a,51bが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層51a,51b,51eからなるソース拡散層51を共有している。
【0101】
また、半導体装置2においては、図7(a)の白抜き矢印で示すキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1,Tr2が配置されている。
【0102】
すなわち、半導体装置2は、上述した半導体装置1の第1および第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0103】
上述したように、半導体装置1は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1,Tr2の特性ばらつきを低減することができる。従って、半導体装置2も、半導体装置1と同様に、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0104】
(第2の実施形態)
図8は、5出力カレントミラー回路の回路図である。なお、図8(a)は、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合の回路図を、図8(b)は、N型MOSトランジスタである場合の回路図を示す。
【0105】
以下では、図8(a)に示す、カレントミラー回路を構成するトランジスタがP型MOSトランジスタである場合を例として説明する。
【0106】
図8(a)に示すカレントミラー回路は、6つのトランジスタTr1〜Tr6からなるトランジスタ群を有する。
【0107】
トランジスタTr1〜Tr6のソースは、電源電位VDDが接続される。
【0108】
トランジスタTr1のゲートは、トランジスタTr2のゲートが接続され、ドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続される。
【0109】
トランジスタTr2のゲートは、トランジスタTr1,Tr3のゲートが接続され、ドレインは、端子A2が接続される。
【0110】
トランジスタTr3のゲートは、トランジスタTr2,Tr4のゲートが接続され、ドレインは、端子A3が接続される。
【0111】
トランジスタTr4のゲートは、トランジスタTr3,Tr5のゲートが接続され、ドレインは、端子A4が接続される。
【0112】
トランジスタTr5のゲートは、トランジスタTr4,Tr6のゲートが接続され、ドレインは、端子A5が接続される。
【0113】
トランジスタTr6のゲートは、トランジスタTr5のゲートが接続され、ドレインは、端子A6が接続される。
【0114】
カレントミラー回路を構成するトランジスタがN型MOSトランジスタである場合、図8(b)に示すように、トランジスタTr1〜Tr6は、ソースには接地電位VSSが接続される。なお、その他の接続関係は、図8(a)と同様であるので説明を省略する。
【0115】
次に、図8に示すカレントミラー回路の動作について説明する。
【0116】
トランジスタTr1にドレイン電流I1が流れると、トランジスタTr1〜Tr6はゲート同士が接続されているため、各ゲートは同電位となり、トランジスタTr1のゲート電圧がトランジスタTr2〜Tr6のゲートにも印加される。ゲート電圧が印加されることで、トランジスタTr2〜Tr6には、それぞれのドレイン電流I2〜I6が流れる。
【0117】
上述したように、トランジスタのドレイン電流Idは、Id∝μW/L・(Vgs−Vth)2と示される。また、トランジスタTr1〜Tr6で、ゲート電圧は等しい。そこで、例えば、トランジスタTr1〜Tr6で、キャリア移動度(μ)および閾値電圧(Vth)が等しいとすると、電流I1〜I6はそれぞれのトランジスタTr1〜Tr6のチャネル寸法のみに依存することになる。
【0118】
従って、電流I2〜I6の電流値は、例えば、トランジスタTr1〜Tr6のチャネル幅およびチャネル長が同じであれば電流I1の電流値と同じになり、トランジスタTr2〜Tr6のチャネル長がトランジスタTr1のチャネル長の半分なら電流I1の電流値の倍となり、トランジスタTr2〜Tr6のチャネル幅がトランジスタTr1のチャネル幅の半分なら電流I1の電流値の半分となる。
【0119】
ここで、電流I2〜I6の電流値がそれぞれ、電流I1の電流値と同等または定数倍となるように設計されていても、トランジスタTr1〜Tr6の特性にばらつきが大きいと、設計された電流I2〜I6を得ることができない。従って、トランジスタ群を構成するトランジスタTr1〜Tr6の特性には高い比精度が要求される。
【0120】
次に、本発明の第2の実施形態の半導体装置3の構成について図9を参照して説明する。なお、図9(a)は、半導体装置3の平面図であり、図9(b)は、半導体装置3の基板面の平面図である。
【0121】
図9(a)に示すように、半導体装置3は、トランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0122】
詳細には、互いに交差する列および行に沿ってトランジスタTr1〜Tr6のゲート電極22a〜22fが形成されている。なお、1行目にゲート電極22a〜22cが、2行目にゲート電極22d〜22fが形成されている。また、ゲート電極22aとゲート電極22dとが、ゲート電極22bとゲート電極22eとが、ゲート電極22cとゲート電極22fとが、それぞれ接続される。ゲート電極22a〜22fの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0123】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図9(b)を参照して説明する。なお、図9(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0124】
図9(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fはそれぞれ、活性領域ACT内のうち図9(a)に示すゲート電極22a〜22fの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。
【0125】
さらに、半導体装置3においては、拡散層52aの一部から突出し、拡散層42a〜42fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層52b〜52fそれぞれまで延びる拡散層52gが形成されている。拡散層52gが形成されることにより、拡散層52a〜52gが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52gは、図9(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、拡散層52aから拡散層52b〜52fそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0126】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52g、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0127】
また、図9(b)においては、説明の便宜上、拡散層52a〜52gを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52a〜52gからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0128】
再び、図9(a)を参照すると、拡散層42aは、コンタクトプラグ62aを介して配線72aと接続される。同様に、拡散層42b〜42fはそれぞれ、コンタクトプラグ62b〜62fを介して配線72b〜72fと接続される。また、拡散層52は、複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0129】
配線72aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極22a〜22cが、端子A1に接続される。上述したように、ゲート電極22a〜22cがそれぞれ、ゲート電極22d〜22fと接続される。そのため、ゲート電極22a〜22fは同電位となる。
【0130】
配線72bは、端子A2に接続される。同様に、配線72c〜72fはそれぞれ、端子A3〜A6と接続される。
【0131】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52a〜52g)をソース拡散層52(52a〜52g)と称する。また、配線72a〜72fとそれぞれ接続される拡散層42a〜42fを、ドレイン拡散層42a〜42fと称する。
【0132】
図9(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置3は、互いに交差する行および列に沿って2行3列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。なお、以下では、複数のトランジスタを互いに交差する行および列に沿って配置する配置方法をマトリクス配置と称する。
【0133】
トランジスタTr1〜Tr6は,ゲート同士が同電位となり、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。トランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、本実施形態の半導体装置3は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0134】
以上、図9(a),(b)を参照して、半導体装置3の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0135】
半導体装置3は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0136】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層52a〜52fをソース拡散層52gを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0137】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0138】
半導体装置3においては、トランジスタTr1のソース拡散層52aからソース拡散層52b〜52fそれぞれまで延びるソース拡散層52gが形成されている。ソース拡散層52gが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52gが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層52a〜52fが接続される。すなわち、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52gからなるソース拡散層52を共有している。
【0139】
ここで、トランジスタTr1〜Tr6がソース拡散層52を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0140】
なお、図9(a)においては、ソース拡散層52には複数のコンタクトプラグ62が接続されているが、ソース拡散層52に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0141】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0142】
半導体装置3においては、ソース拡散層52gを形成することで、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。
【0143】
そのため、図9(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1〜Tr6のキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0144】
ここで、キャリアのドリフト方向が同じ向きとなるように各トランジスタを配置することで、ソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0145】
このように、本実施形態の半導体装置3は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層52a〜52fをソース拡散層52gを形成して接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0146】
また、本実施形態の半導体装置3は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1〜Tr6を配置することで、各トランジスタの閾値のばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0147】
なお、3つ以上のトランジスタから構成されるカレントミラー回路では、全てのトランジスタのソース拡散層を接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させるのは、構造上困難である。その上でさらに、各トランジスタのキャリアのドリフト方向を揃えるには、本実施形態のように、各トランジスタのソース拡散層を引き回して接続する構成は特に有用である。
【0148】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1〜Tr6を2行3列にマトリクス配置した半導体装置3を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0149】
配置領域の制約を勘案して、例えば、トランジスタTr1〜Tr6をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置4の構成を図10に示す。図10(a)は、半導体装置4の平面図を、図10(b)は、半導体装置4の基板面の平面図である。なお、図10において、図9に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0150】
図10(a)に示すように、半導体装置4は、ゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置された、トランジスタTr1〜Tr6を備える。トランジスタTr1〜Tr6のゲート電極22a〜22fの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0151】
半導体装置4の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図10(b)を参照して説明する。
【0152】
図10(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fは、活性領域ACT内のうち図10(a)に示すゲート電極22a〜22fの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。なお、隣り合う拡散層42と拡散層52とは、素子分離領域により隔てられている。
【0153】
さらに、半導体装置4においては、拡散層52aの一部から突出し、拡散層42a〜42fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層52b〜52fのそれぞれまで延びる拡散層52hが形成されている。拡散層52hが形成されることにより、拡散層52a〜52f,52hが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52hは、図10(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、拡散層52aから拡散層52b〜52fそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0154】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52h、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0155】
また、図10(b)においては、説明の便宜上、拡散層52a〜52f,52hを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52a〜52f,52hからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0156】
再び、図10(a)を参照すると、拡散層52は複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0157】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52h)をソース拡散層52(52h)と称する。
【0158】
図10(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置4は、ゲート電極の延在方向に対して左右に一列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0159】
トランジスタTr1〜Tr6は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。このトランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置4は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0160】
また、トランジスタTr1〜Tr6をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置5の構成を図11に示す。図11(a)は、半導体装置5の平面図を、図11(b)は、半導体装置5の基板面の平面図である。なお、図11において、図9に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0161】
図11(a)に示すように、半導体装置5は、ゲート電極22gを共有し、ゲート電極22gの延在方向に対して上下に隣り合うように配置された、トランジスタTr1〜Tr6を備える。ゲート電極22gの左右の領域にそれぞれ拡散層が形成される。
【0162】
半導体装置5の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図11(b)を参照して説明する。
【0163】
図11(b)を参照すると、チャネル領域32a〜32fは、活性領域ACT内のうち図11(a)に示すゲート電極22gの直下の領域である。拡散層42a,52aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32aの左右に隣接するように形成され、拡散層42b,52bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32bの左右に隣接するように形成され、拡散層42c,52cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32cの左右に隣接するように形成され、拡散層42d,52dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32dの左右に隣接するように形成され、拡散層42e,52eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32eの左右に隣接するように形成され、拡散層42f,52fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域32fの左右に隣接するように形成されている。
【0164】
さらに、半導体装置5においては、上下に隣り合う拡散層52a〜52f同士を接続する拡散層52i〜52mが形成されている。拡散層52i〜52mが形成されることにより、拡散層52a〜52f,52i〜52mが連続的に形成された状態となり、拡散層52a〜52fが接続される。なお、拡散層52i〜52mは、図11(b)に示す形状に限定されるものではなく、拡散層42a〜42fと接続せずに、上下に隣り合う拡散層52a〜52f同士まで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0165】
ここで、拡散層52a〜52f、これらの拡散層を接続する拡散層52i〜52m、および拡散層42a〜42fは同じ導電型であり、チャネル領域32a〜32fとは逆の導電型である。
【0166】
また、図11(b)においては、説明の便宜上、拡散層52b〜52f,52i〜52mを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層52b〜52f,52i〜52mからなる拡散層を一体として拡散層52と称する。
【0167】
再び、図11(a)を参照すると、拡散層52は複数のコンタクトプラグ62を介して配線72gと接続される。
【0168】
配線72gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線72gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線72gと接続される拡散層52は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層52(52i〜52m)をソース拡散層52(52i〜52m)と称する。
【0169】
図11(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置5は、ゲート電極22gの延在方向に対して上下に一列に配置されたトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0170】
トランジスタTr1〜Tr6は、ゲート電極22gを共有するため、ゲート同士が同電位となり、ソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜Tr6のドレインはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。このトランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置5は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0171】
ここで、半導体装置4においては、図10(b)に示すように、ソース拡散層52hが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52fが接続され、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52f,52hからなるソース拡散層52を共有している。
【0172】
また、半導体装置5においては、図11(b)に示すように、ソース拡散層52i〜52mが形成されることにより、ソース拡散層52a〜52fが接続され、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層52a〜52f,52i〜52mからなるソース拡散層52を共有している。
【0173】
すなわち、半導体装置4および半導体装置5は、上述した半導体装置3の第1の特徴点と同じ特徴を有している。
【0174】
さらに、半導体装置4においては、ソース拡散層52hが形成されることにより、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。そのため、図10(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0175】
また、半導体装置5においては、ソース拡散層52i〜52mが形成されることにより、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層52a〜52fが接続されている。そのため、図11(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0176】
すなわち、半導体装置4および半導体装置5は、上述した半導体装置3の第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0177】
上述したように、半導体装置3は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1〜Tr6の特性ばらつきを低減することができる。従って、半導体装置4および半導体装置5も、半導体装置3と同様に、トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0178】
このように本実施形態の半導体装置によれば、高い比精度が要求されるトランジスタが3つ以上である場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0179】
なお、基板上に配置された複数のトランジスタでは、その距離が離れるほど、特性ばらつきが生じやすい。この点では、半導体装置3は、半導体装置4および半導体装置5と比較して、最遠のトランジスタ同士の距離を小さくすることができるため、各トランジスタの特性ばらつきをより低減することができる。
【0180】
また、本実施形態においては、5出力カレントミラー回路を例として説明したが、カレントミラー回路からの出力数は5に限られるものではない。
【0181】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、第1の実施形態の半導体装置1と比較して、トランジスタ対を構成するトランジスタをダブルゲート型のトランジスタに変更した点が異なる。
【0182】
まず、ダブルゲート型のトランジスタの構成について説明する。
【0183】
図12(a)は、ダブルゲート型のトランジスタの平面図であり、図12(b)は、ダブルゲート型のトランジスタの半導体基板面の平面図であり、図12(c)は、図12(a)に示すX−X’線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【0184】
図12(a),(c)を参照すると、半導体基板上にゲート絶縁膜1a,1bが形成され、ゲート絶縁膜1a,1b上にそれぞれ、ゲート電極2a,2bが形成される。また、ゲート電極2a,2bに挟まれた領域と、その領域に対してゲート電極2a,2bそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0185】
半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図12(b)を参照して説明する。なお、図12(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0186】
図12(b)を参照すると、チャネル領域3a,3bは、活性領域ACT内のうち図12(a)に示すゲート電極2a,2bの直下の領域であり、拡散層4aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域3a,3bに挟まれる領域に、チャネル領域3a,3bに隣接するように形成されている。さらに、拡散層5aは、活性領域ACT内のうち拡散層4aが形成された領域に対してチャネル領域3aの反対側の領域に、チャネル領域3aに隣接するように形成され、拡散層5bは、活性領域ACTのうち拡散層4aが形成された領域に対してチャネル領域3bの反対側の領域に、チャネル領域3bに隣接するように形成されている。
【0187】
再び、図12(a),(c)を参照すると、拡散層5aは、コンタクトプラグ6aを介して配線7aと接続され、拡散層5bは、コンタクトプラグ6bを介して配線7bと接続され、拡散層4aは、コンタクトプラグ6cを介して配線7cと接続される。
【0188】
配線7a,7bはともに、ソース端子に接続され、配線7aと接続される拡散層5a、および、配線7bと接続される拡散層5bは、ソース拡散層となる。以下では、拡散層5a,5bをソース拡散層5a,5bと称する。
【0189】
配線7cは、ドレイン端子に接続される。以下では、配線7cと接続される拡散層4aをドレイン拡散層4aと称する。
【0190】
ゲート電極2a,2bはともに、ゲート端子と接続され、同電位となる。
【0191】
上述したような、2つのゲート電極2a,2bを有するダブルゲート型のトランジスタにおいて、ゲート電極2a,2bにゲート電圧が印加されると、ソース拡散層5aからドレイン拡散層4aに向かうキャリアのドリフトと、ソース拡散層5bからドレイン拡散層4aに向かうキャリアのドリフトとが起こる。ドレイン端子からは、2方向からのキャリアのドリフトによるドレイン電流がまとめて出力される。従って、ダブルゲート型のトランジスタは、2つのゲート電極を有しているが、1つのトランジスタとして動作する。
【0192】
次に、本実施形態の半導体装置6の構成について説明する。
【0193】
図13(a)は、半導体装置6の平面図であり、図13(b)は、半導体装置6の基板面の平面図である。
【0194】
図13(a)を参照すると、半導体装置6は、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1,Tr2を備える。
【0195】
詳細には、半導体基板上に形成された不図示のゲート絶縁膜上にゲート電極23a〜23dが形成される。ゲート電極23aの左側の領域と、左右に隣り合うゲート電極に挟まれる領域と、ゲート電極23dの右側の領域と、に拡散層が形成される。
【0196】
半導体装置6の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図13(b)を参照して説明する。なお、図13(b)において、実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0197】
図13(b)を参照すると、チャネル領域33a〜33dは、活性領域ACT内のうち図13(a)に示すゲート電極23a〜23dの直下の領域である。拡散層53aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33aの左側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33a,33bに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33b,33cに挟まれる領域に、チャネル領域33b,33cに隣接するように形成され、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33dの右側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0198】
さらに、半導体装置6においては、拡散層53aの一部から突出し、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53b,53cそれぞれまで延びる拡散層53eが形成されている。拡散層53eが形成されることにより、拡散層53a〜53c,53eが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53cが接続される。なお、拡散層53eは、図13(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53b,53cそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0199】
ここで、拡散層53a〜53c、これらの拡散層を接続する拡散層53e、および拡散層42a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0200】
また、図13(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53c,53eを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53c,53eからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0201】
再び、図13(a)を参照すると、拡散層43aは、コンタクトプラグ63aを介して配線73aと接続され、拡散層43bは、コンタクトプラグ63bを介して配線73bと接続され、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0202】
配線73aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23a〜23dが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0203】
配線73bは、端子A2に接続される。
【0204】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53a〜53c,53e)をソース拡散層53(53a〜53c,53e)と称する。また、配線73aと接続される拡散層43a、および、配線73bと接続される拡散層43bをそれぞれ、ドレイン拡散層43a,43bと称する。
【0205】
図13(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置6は、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、ソース拡散層53bがこの順に形成されたダブルゲート型のトランジスタと、ソース拡散層53b、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43b、ゲート電極23d、ソース拡散層53cがこの順に形成されたダブルゲート型のトランジスタと、を備える。
【0206】
上述したように、ダブルゲート型のトランジスタは、1つのトランジスタとして動作するので、以下では、ゲート電極23a,23bを有するダブルゲート型のトランジスタをトランジスタTr1と称し、ゲート電極23c,23dを有するダブルゲート型のトランジスタをトランジスタTr2と称する。
【0207】
トランジスタTr1,Tr2は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。トランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、図13に示す半導体装置6は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0208】
以上、図13(a),(b)を参照して、半導体装置6の構成を説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0209】
半導体装置6は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0210】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1、Tr2のソース拡散層53a〜53cを拡散層53eを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1,Tr2をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0211】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0212】
半導体装置6においては、ソース拡散層53aから拡散層53b,53cそれぞれまで延びるソース拡散層53eが形成されている。ソース拡散層53eが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53c,53eが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層53a〜53cが接続される。すなわち、トランジスタTr1、Tr2は、ソース拡散層53a〜53c,53eからなるソース拡散層53を共有している。
【0213】
トランジスタTr1,Tr2がソース拡散層53を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0214】
なお、図13(a)においては、ソース拡散層53には複数のコンタクトプラグ63が接続されているが、ソース拡散層53に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0215】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0216】
半導体装置6においては、ソース拡散層53eを形成することで、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53cが接続されている。
【0217】
すなわち、半導体装置6は、第1の方向に順に形成された、第1の拡散層としてのソース拡散層53a、第1の制御電極としてのゲート電極23a、第2の拡散層としてのドレイン拡散層43a、第3の制御電極としてのゲート電極23b、および、第6の拡散層としてのソース拡散層53bを有するトランジスタTr1と、第1の方向に順に形成された、第3の拡散層としてのソース拡散層53b、第2の制御電極としてのゲート電極23c、第4の拡散層としてのドレイン拡散層43b、第4の制御電極としてのゲート電極23d、および、第7の拡散層としてのソース拡散層53cを有するトランジスタTr2と、ソース拡散層53a〜53cを接続する第5の拡散層としてのソース拡散層53eと、を備え、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層は、同じ方向(第1の方向)に順に形成されている。
【0218】
そのため、図13(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見たトランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じとなる。なお、上述したように、ダブルゲート型のトランジスタにおいては、キャリアのドリフト方向は、一方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向および他方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かう方向の2方向となる。トランジスタTr1、Tr2は、一方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かうキャリアのドリフト方向同士、また、他方のソース拡散層からドレイン拡散層に向かうキャリアのドリフト方向同士が同じ方向となるように配置されている。
【0219】
キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1,Tr2を配置することで、各トランジスタでソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違は生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0220】
このように、本実施形態の半導体装置6によれば、高い比精度が要求されるトランジスタ対のトランジスタがダブルゲート型のトランジスタである場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0221】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置した半導体装置6を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0222】
例えば、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。このような半導体装置7の構成を図14に示す。なお、図14(a)は、半導体装置7の平面図を、図14(b)は、半導体装置7の基板面の平面図である。また、図14において、図13に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0223】
図14(a)に示すように、半導体装置7は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置されたトランジスタTr1,Tr2を備える。トランジスタTr1のゲート電極23aとトランジスタTr2のゲート電極23cとは接続され、トランジスタTr1のゲート電極23bとトランジスタTr2のゲート電極23dとは接続される。ゲート電極23a,23bに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23a,23bそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。また、ゲート電極23c,23dに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23c,23dそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0224】
半導体装置7の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図14(b)を参照して説明する。
【0225】
図14(b)を参照すると、チャネル領域33a〜33dは、活性領域ACT内のうち図14(a)に示すゲート電極23a〜23dの直下の領域である。拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33a,33bに隣接するように形成され、拡散層53aは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33aの反対側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33bの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成されている。また、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33cの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成され、拡散層53dは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33dの反対側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0226】
さらに、半導体装置7においては、拡散層53aの一部から突出し、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53b,53c,53dそれぞれまで延びる拡散層53fが形成されている。拡散層53fが形成されることにより、拡散層53a〜53d,53fが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53dが接続される。なお、拡散層53fは、図14(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53aから拡散層53b,53c,53dそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0227】
ここで、拡散層53a〜53d、これらの拡散層を接続する拡散層53f、および拡散層43a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0228】
また、図14(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53d,53fを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53d,53fからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0229】
再び、図14(a)を参照すると、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0230】
配線73cは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23a,23bが、端子A1に接続される。なお、上述したように、ゲート電極23aとゲート電極23cとが、また、ゲート電極23bとゲート電極23dとが接続されている。そのため、ゲート電極23a〜23dは同電位となる。
【0231】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53f)をソース拡散層53(53f)と称する。
【0232】
図14(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置7は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合う、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、および、ソース拡散層53bを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1と、ソース拡散層53c、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43c、ゲート電極23d、および、ソース拡散層53dを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr2と、を備える。
【0233】
トランジスタTr1,Tr2は、各ゲートが同電位であり、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。このトランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、図14に示す半導体装置7は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0234】
また、図15は、半導体装置7とは別の、トランジスタTr1,Tr2をゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置した半導体装置8の構成を示す図である。なお、図15(a)は、半導体装置8の平面図を、図15(b)は、半導体装置8の基板面の平面図である。なお、図15において、図13に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0235】
図15(a)に示すように、半導体装置8は、ゲート電極23e,23fを共有し、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うトランジスタTr1,Tr2を備える。ゲート電極23e,23fに挟まれる領域と、その領域に対してゲート電極23e,23fそれぞれの反対側の領域と、に拡散層が形成される。
【0236】
半導体装置8の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図15(b)を参照して説明する。
【0237】
図15(b)を参照すると、チャネル領域33a,33cは、活性領域ACT内のうち図15(a)に示すゲート電極23eの直下の領域であり、チャネル領域33b,33cは、活性領域ACT内のうち図15(a)に示すゲート電極23fの直下の領域である。拡散層43aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33a,33bに挟まれる領域に、チャネル領域33b,33cに隣接するように形成され、拡散層53aは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33aの反対側の領域に、チャネル領域33aに隣接するように形成され、拡散層53bは、活性領域ACT内のうち拡散層43aが形成された領域に対してチャネル領域33bの反対側の領域に、チャネル領域33bに隣接するように形成されている。また、拡散層43bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域33c,33dに挟まれる領域に、チャネル領域33c,33dに隣接するように形成され、拡散層53cは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33cの反対側の領域に、チャネル領域33cに隣接するように形成され、拡散層53dは、活性領域ACT内のうち拡散層43bが形成された領域に対してチャネル領域33dの反対側の領域に、チャネル領域33dに隣接するように形成されている。
【0238】
さらに、半導体装置8においては、拡散層43a,43bと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層53aの一部から突出し、拡散層53cまで延びる拡散層53gと、拡散層53bの一部から突出し、拡散層53dまで延びる拡散層53hと、拡散層53cの一部から突出し、拡散層53dまで延びる拡散層53iと、が形成されている。拡散層53g〜53iが形成されることにより、拡散層53a〜53d,53g〜53iが連続的に形成された状態となり、拡散層53a〜53dが接続される。なお、拡散層53g〜53iそれぞれは、図15(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層43a,43bと接続せずに、拡散層53aから拡散層53cまで、拡散層53bから拡散層53dまで、拡散層53cから拡散層53dまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0239】
ここで、拡散層53a〜53d、これらの拡散層を接続する拡散層53g〜53i、および拡散層43a,43bは同じ導電型であり、チャネル領域33a〜33dとは逆の導電型である。
【0240】
また、図15(b)においては、説明の便宜上、拡散層53a〜53d,53g〜53iを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層53a〜53d,53g〜53iからなる拡散層を一体として拡散層53と称する。
【0241】
再び、図15(a)を参照すると、拡散層53は、複数のコンタクトプラグ63を介して配線73cと接続される。
【0242】
配線73cは、端子A1に接続される。また、ゲート電極23e,23fが、端子A1に接続され、同電位となる。
【0243】
配線73cは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線73cが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線73cと接続される拡散層53は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層53(53g〜53i)をソース拡散層53(53g〜53i)と称する。
【0244】
図15(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置8は、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合う、ソース拡散層53a、ゲート電極23a、ドレイン拡散層43a、ゲート電極23b、および、ソース拡散層53bを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1と、ソース拡散層53c、ゲート電極23c、ドレイン拡散層43c、ゲート電極23d、および、ソース拡散層53dを有するダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr2と、を備える。
【0245】
トランジスタTr1,Tr2は、ゲート同士が接続され、ソースは、電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1,Tr2の各ゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2のドレインは、端子A2が接続される。トランジスタTr1,Tr2の接続関係は、図1に示すカレントミラー回路のトランジスタ対と同じ接続関係である。従って、半導体装置8は、図1に示すカレントミラー回路に対応する。
【0246】
ここで、半導体装置7においては、図14(b)に示すように、ソース拡散層53fが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53dが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層53a〜53d,53fからなるソース拡散層53を共有している。
【0247】
また、半導体装置8においては、図15(b)に示すように、ソース拡散層53g〜53iが形成されることにより、ソース拡散層53a〜53dが接続され、トランジスタTr1,Tr2は、ソース拡散層53a〜53d,53g〜53iからなるソース拡散層53を共有している。
【0248】
すなわち、半導体装置7および半導体装置8は、上述した半導体装置6の第1の特徴点と同じ特徴を有している。
【0249】
さらに、半導体装置7においては、ソース拡散層53fが形成されることにより、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53dが接続されている。そのため、図10(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0250】
また、半導体装置8においては、ソース拡散層53g〜53iが形成されることにより、トランジスタTr1,Tr2のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層53a〜53dが接続されている。そのため、図11(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタTr1,Tr2のキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0251】
すなわち、半導体装置7および半導体装置8は、上述した半導体装置6の第2の特徴点と同じ特徴を有している。
【0252】
上述したように、半導体装置6は、第1および第2の特徴点を有することで、トランジスタTr1,Tr2の特性のばらつきを低減することができる。従って、半導体装置7および半導体装置8も、半導体装置6と同様に、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0253】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の半導体装置は、第2の実施形態の半導体装置3と比較して、トランジスタ群を構成するトランジスタをダブルゲート型のトランジスタに変更した点が異なる。
【0254】
本実施形態の半導体装置9の構成について説明する。
【0255】
図16(a)は、半導体装置9の平面図を、図16(b)は、半導体装置9の基板面の平面図である。
【0256】
図16(a)を参照すると、半導体装置9は、2行3列にマトリクス配置された、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0257】
詳細には、半導体基板上に形成された不図示のゲート絶縁膜上にゲート電極24a〜24lが形成される。なお、ゲート電極24aとゲート電極24gとが、ゲート電極24bとゲート電極24hとが、ゲート電極24cとゲート電極24iとが、ゲート電極24dとゲート電極24jとが、ゲート電極24eとゲート電極24kとが、ゲート電極24fとゲート電極24lとが、それぞれ接続される。ゲート電極24a,24gの左側の領域と、左右に隣り合うゲート電極に挟まれる領域と、ゲート電極24f,24lの右側の領域と、に拡散層が形成される。
【0258】
半導体装置9の半導体基板面に形成される拡散層の詳細について図16(b)を参照して説明する。なお、図16(b)実線で囲まれた領域は、活性領域ACTを示す。活性領域ACTは素子分離領域で囲まれている。
【0259】
図16(b)を参照すると、チャネル領域34a〜34lは、活性領域ACT内のうち図16(a)に示すゲート電極24a〜24lの直下の領域である。拡散層54aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34aの左側の領域に、チャネル領域34aに隣接するように形成され、拡散層44aは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34a,34bに挟まれる領域に、チャネル領域34a,34bに隣接するように形成され、拡散層54bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34b,34cに挟まれる領域に、チャネル領域34b,34cに隣接するように形成され、拡散層44bは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34c,34dに挟まれる領域に、チャネル領域34c,34dに隣接するように形成され、拡散層54cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34d,34eに挟まれる領域に、チャネル領域34d,34eに隣接するように形成され、拡散層44cは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34e,34fに挟まれる領域に、チャネル領域34e,34fに隣接するように形成され、拡散層54dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34fの右側の領域に、チャネル領域34fに隣接するように形成されている。また、拡散層54eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34gの左側の領域に、チャネル領域34gに隣接するように形成され、拡散層44dは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34g,34hに挟まれる領域に、チャネル領域34g,34hに隣接するように形成され、拡散層54fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34h,34iに挟まれる領域に、チャネル領域34h,34iに隣接するように形成され、拡散層44eは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34i,34jに挟まれる領域に、チャネル領域34i,34jに隣接するように形成され、拡散層54gは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34j,34kに挟まれる領域に、チャネル領域34j,34kに隣接するように形成され、拡散層44fは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34k,34lに挟まれる領域に、チャネル領域34k,34lに隣接するように形成され、拡散層54hは、活性領域ACT内のうちチャネル領域34lの右側の領域に、チャネル領域34lに隣接するように形成されている。
【0260】
さらに半導体装置9においては、拡散層54aの一部から突出し、拡散層44a〜44fと素子分離領域により隔てられるようにして、拡散層54b〜54hそれぞれまで延びる拡散層54iが形成されている。拡散層54iが形成されることにより、拡散層54a〜54iが連続的に形成された状態となり、拡散層54a〜54hが接続される。なお、拡散層54iは、図16(b)に示した形状に限定されるものではなく、拡散層44a〜44fと接続せずに、拡散層54b〜54hそれぞれまで延びていれば、いかなる形状でもよい。
【0261】
ここで、拡散層54a〜54h、これらの拡散層を接続する拡散層54i、および拡散層44a〜44fは同じ導電型であり、チャネル領域34a〜34lとは逆の導電型である。
【0262】
また、図16(b)においては、説明の便宜上、拡散層54a〜54iを分けて説明したが、これらの拡散層は、連続的に形成され、一体となっている。以下では、拡散層54a〜54iからなる拡散層を一体として拡散層54と称する。
【0263】
再び、図16(a)を参照すると、拡散層44a〜44fはそれぞれ、コンタクトプラグ64a〜64fを介して配線74a〜74fと接続される。また、拡散層54は、複数のコンタクトプラグ64を介して配線74gと接続される。
【0264】
配線74aは、端子A1に接続される。また、ゲート電極24a〜24fが、端子A1に接続される。上述したように、ゲート電極24a〜24fがそれぞれ、ゲート電極24g〜24lと接続されている。従って、ゲート電極24a〜24lは同電位となる。
【0265】
配線74bから配線74fはそれぞれ、端子A2から端子A6に接続される。
【0266】
配線74gは、電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続される。配線74gが電源電位VDDまたは接地電位VSSに接続されることで、配線74gと接続される拡散層54は、ソース拡散層となる。以下では、拡散層54(54a〜54i)をソース拡散層54(54a〜54i)と称する。また、配線74a〜74fとそれぞれ接続される拡散層44a〜44fを、ドレイン拡散層44a〜44fと称する。
【0267】
図16(a),(b)を参照して説明したように、半導体装置9は、ソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、および、ソース拡散層を有する、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6を備える。
【0268】
トランジスタTr1〜Tr6は,ゲート同士が同電位であり、ソースは電源電位VDDまたは接地電位VSSが接続される。また、トランジスタTr1のドレインは、トランジスタTr1〜Tr6のゲートおよび端子A1が接続され、トランジスタTr2〜6のドレインにはそれぞれ、端子A2〜A6が接続される。トランジスタTr1〜Tr6の接続関係は、図8に示すカレントミラー回路のトランジスタ群と同じ接続関係である。従って、半導体装置9は、図8に示すカレントミラー回路に対応する。
【0269】
以上、本実施形態の半導体装置9の構成について、図16(a),(b)を参照して説明したが、以下では、その構成における特徴点についてより詳細に説明する。
【0270】
半導体装置9は、その構成において、以下の2つの特徴点を有する。
【0271】
1つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層54a〜54hをソース拡散層54iを形成して接続した点である。2つめの特徴点は、トランジスタTr1〜Tr6をキャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きに配置した点である。
【0272】
まず、1つめの特徴点について説明する。
【0273】
半導体装置9においては、トランジスタTr1のソース拡散層54aからソース拡散層54b〜54hそれぞれまで延びるソース拡散層54iが形成されている。ソース拡散層54iが形成されることにより、ソース拡散層54a〜54iが連続的に形成された状態となり、ソース拡散層54a〜54hが接続される。すなわち、トランジスタTr1〜Tr6は、ソース拡散層54a〜54iからなるソース拡散層54を共有している。
【0274】
ここで、トランジスタTr1〜Tr6がソース拡散層54を共有することで、コンタクト抵抗のばらつきが各トランジスタで共有されるようになり、結果として、各トランジスタの特性のばらつきを低減することができる。
【0275】
なお、図16(a)においては、ソース拡散層54には複数のコンタクトプラグ64が接続されているが、ソース拡散層54に給電するためのコンタクトプラグは1つでもよい。接続するコンタクトプラグを1つとすることで、コンタクト抵抗のばらつきによる各トランジスタの特性のばらつきを無くすことができる。
【0276】
次に、2つめの特徴点について説明する。
【0277】
半導体装置9においては、ソース拡散層54iを形成することで、ダブルゲート型のトランジスタであるトランジスタTr1〜Tr6のソース拡散層、ゲート電極、ドレイン拡散層、ゲート電極、ソース拡散層がこの順に形成される方向は同じのまま、ソース拡散層54a〜54hを接続している。そのため、図16(a)の白抜き矢印で示すように、半導体基板上で見た各トランジスタのキャリアのドリフト方向が同じ方向となる。
【0278】
ここで、キャリアのドリフト方向が同じ向きとなるように配置することで、ソース/ドレイン拡散層の対称性のばらつきが低減され、閾値電圧の相違が生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0279】
このように、本実施形態の半導体装置9は、トランジスタTr1〜Tr6でソース拡散層を共有させることで、ソース拡散層に接続する複数のコンタクトプラグのコンタクト抵抗にばらつきがあっても、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0280】
また、本実施形態の半導体装置9は、キャリアのドリフト方向が同じ方向となる向きにトランジスタTr1〜Tr6を配置することで、各トランジスタの閾値電圧のばらつきが生じ難くなり、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0281】
なお、3つ以上のトランジスタから構成されるカレントミラー回路では、全てのトランジスタのソース拡散層を接続し、各トランジスタでソース拡散層を共有させるのは、構造上困難である。その上でさらに、各トランジスタのキャリアのドリフト方向を揃えるには、本実施形態のように、各トランジスタのソース拡散層を引き回して接続する構成は特に有用である。
【0282】
このように本実施形態の半導体装置によれば、高い比精度が要求されるトランジスタが3つ以上であり、かつ、そのトランジスタがダブルゲート型のトランジスタである場合にも、各トランジスタの特性ばらつきを低減することができる。
【0283】
なお、本実施形態においては、トランジスタTr1〜Tr6を2行3列にマトリクス配置した半導体装置9を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0284】
配置領域の制約を勘案して、トランジスタTr1〜Tr6を、ゲート電極の延在方向に対して左右に隣り合うように配置してもよい。また、トランジスタTr1〜Tr6を、ゲート電極の延在方向に対して上下に隣り合うように配置してもよい。
【0285】
また、本実施形態においては、1行目(トランジスタTr1〜Tr3)と2行目(トランジスタTr4〜Tr6)との間に、拡散層54と接続するコンタクトプラグ64を1列に配置した場合を例として説明したが、これに限られるものではない。
【0286】
例えば、図17に示すように、1行目(トランジスタTr1〜Tr3)と2行目(トランジスタTr4〜Tr6)との間に、コンタクトプラグ64を2列に配置してもよい。このようにコンタクトプラグを配置すると、大電流が流れる箇所などで、コンタクト抵抗の抵抗値を下げることができる。なお、図17において、図16に示す構成に対応する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0287】
なお、上述したトランジスタ対(トランジスタ群)は、カレントミラー回路のトランジスタ対(トランジスタ群)のみならず、カレントミラー回路自体を負荷として用いるトランジスタ対(トランジスタ群)などといった、高い比精度が求められるトランジスタ対(トランジスタ群)に適用しても、各トランジスタの特性ばらつきを低減するという効果が得られる。例えば、オペアンプの差動入力段に用いられるトランジスタ対などに適用することができる。オペアンプは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)において、メモリセルへの入力データを参照電圧(Vref)と比較して増幅するために用いられる。
【0288】
また、第1から第4の実施形態においては、トランジスタは電界効果トランジスタであるとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、バイポーラトランジスタであってもよい。
【0289】
バイポーラトランジスタを用いたカレントミラー回路では、入力側トランジスタと出力側トランジスタとは、ベース同士が接続され、エミッタには電源が接続される。また、入力側トランジスタのコレクタは、ベースに接続される。このような回路構成において、入力側トランジスタのコレクタ電圧が出力側トランジスタのベースに供給され、出力側トランジスタにコレクタ電流が流れ、出力電流として出力される。
【0290】
第1から第4の実施形態の半導体装置をバイポーラトランジスタを用いて実現する場合には、複数のトランジスタでベース拡散層が共有され、その共有ベース拡散層の中で、複数のトランジスタのエミッタ拡散層を接続した構成となる。
【符号の説明】
【0291】
1〜9 半導体装置
Tr1〜Tr6 トランジスタ
1a,1b,11a,11b ゲート絶縁膜
2a,2b,21a,21b,22a〜22g,23a〜23f,24a〜24l ゲート電極
3a,3b,31a,31b,32a〜32f,33a〜33d,34a〜34l チャネル領域
4a,41a,41b,42a〜42f,43a,43b,44a〜44f ドレイン拡散層
5a〜5b,51,51a〜51e,52,52a〜52m,53,53a〜53i,54a〜54i ソース拡散層
6a〜6c,61,61a〜61i,62,62a〜62f,63,63a,63b,64,64a〜64f コンタクトプラグ
7a〜7c,71a〜71c,72a〜72f,73a〜73c,74a〜74g 配線
ACT 活性領域
STI 素子分離領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に配置された第1のトランジスタと、
前記半導体基板上に配置され、前記半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向が前記第1のトランジスタのキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタと、
前記半導体基板上に形成され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層と、
前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層または該拡散層同士を接続する拡散層の表面に接続され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタは、カレントミラー回路の入力側トランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、前記カレントミラー回路の出力側トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体装置において、
前記第2のトランジスタは複数配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタおよび前記複数の第2のトランジスタは、互いに交差する行および列に沿って配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、電界効果トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、同電位の2つのゲート電極を有するダブルゲート型の電界効果トランジスタであって、前記キャリア供給側の拡散層は、前記2つのゲート電極に挟まれた領域とは反対側の前記半導体基板に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
第1の方向に順に形成された第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有し、前記第1の拡散層がキャリア供給側の主電極である第1のトランジスタと、
前記第1の方向に順に形成された第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有し、前記第3の拡散層がキャリア供給側の主電極である第2のトランジスタと、
前記第1の拡散層と前記第3の拡散層とを接続する第5の拡散層と、
前記第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層の少なくとも1つに接続され、該第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第2の拡散層と前記第1および第2の制御電極とが同電位であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項7または8記載の半導体装置において、
前記第2のトランジスタは、複数配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、互いに交差する行および列に沿って配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、電界効果トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタは、前記第2の拡散層の前記第1の制御電極とは反対側に、前記第1の方向の順に形成された第3の制御電極、および、キャリア供給側の主電極である第6の拡散層をさらに有し、
前記第2のトランジスタは、前記第4の拡散層の前記第2の制御電極とは反対側に、前記第1の方向の順に形成された第4の制御電極、および、キャリア供給側の主電極である第7の拡散層をさらに有し、
前記第1および第3の制御電極が同電位であるとともに、前記第2および第4の制御電極が同電位であり、
前記第5の拡散層は、前記第1の拡散層と前記第3の拡散層と前記第6の拡散層と前記第7の拡散層とを接続する、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
半導体基板上に配置された第1のトランジスタと、
前記半導体基板上に配置され、前記半導体基板上で見たキャリアのドリフト方向が前記第1のトランジスタのキャリアのドリフト方向と同じ方向となる向きに配置された第2のトランジスタと、
前記半導体基板上に形成され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層同士を接続する拡散層と、
前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層または該拡散層同士を接続する拡散層の表面に接続され、前記第1および第2のトランジスタのキャリア供給側の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタは、カレントミラー回路の入力側トランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、前記カレントミラー回路の出力側トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体装置において、
前記第2のトランジスタは複数配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタおよび前記複数の第2のトランジスタは、互いに交差する行および列に沿って配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、電界効果トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、同電位の2つのゲート電極を有するダブルゲート型の電界効果トランジスタであって、前記キャリア供給側の拡散層は、前記2つのゲート電極に挟まれた領域とは反対側の前記半導体基板に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
第1の方向に順に形成された第1の拡散層、第1の制御電極、および、第2の拡散層を有し、前記第1の拡散層がキャリア供給側の主電極である第1のトランジスタと、
前記第1の方向に順に形成された第3の拡散層、第2の制御電極、および、第4の拡散層を有し、前記第3の拡散層がキャリア供給側の主電極である第2のトランジスタと、
前記第1の拡散層と前記第3の拡散層とを接続する第5の拡散層と、
前記第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層の少なくとも1つに接続され、該第1の拡散層、前記第3の拡散層、および、前記第5の拡散層に給電するためのコンタクトプラグと、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第2の拡散層と前記第1および第2の制御電極とが同電位であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項7または8記載の半導体装置において、
前記第2のトランジスタは、複数配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、互いに交差する行および列に沿って配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1および第2のトランジスタは、電界効果トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタは、前記第2の拡散層の前記第1の制御電極とは反対側に、前記第1の方向の順に形成された第3の制御電極、および、キャリア供給側の主電極である第6の拡散層をさらに有し、
前記第2のトランジスタは、前記第4の拡散層の前記第2の制御電極とは反対側に、前記第1の方向の順に形成された第4の制御電極、および、キャリア供給側の主電極である第7の拡散層をさらに有し、
前記第1および第3の制御電極が同電位であるとともに、前記第2および第4の制御電極が同電位であり、
前記第5の拡散層は、前記第1の拡散層と前記第3の拡散層と前記第6の拡散層と前記第7の拡散層とを接続する、ことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−54502(P2012−54502A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197799(P2010−197799)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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