説明

半導体製造装置及び半導体装置の製造方法

【課題】テストサンプルを定期的にチェックする必要なしに、IrOx膜の酸化度を制御する。
【解決手段】上部電極、誘電体及び下部電極から構成される強誘電体キャパシタを有する半導体装置を製造する半導体製造装置であって、成膜チャンバー内に設置された半導体ウエハーに前記上部電極を形成するための混合ガスに含まれる酸素ガスを前記成膜チャンバーに導入する導入部と、前記成膜チャンバーに導入される酸素ガスの導入流量を制御する制御部と、前記成膜チャンバー内の前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する計測部と、を備え、前記制御部は、前記計測部によって計測された酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内にない場合、前記酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内になるように前記酸素ガスの導入流量を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電体材料を用いた不揮発性半導体メモリ回路(FeRAM:Ferroelectric Random
Access Memory)の強誘電体キャパシタの上部電極は、酸化度が異なる2種類のIrOx膜が積層構造となって形成されている。半導体ウエハー(以下、単にウエハーという)に対するIrOx膜の形成は、成膜チャンバー内に、ArガスとO2ガス(酸素ガス)との
混合ガスを導入し、Irターゲットを用いて、反応性スパッタにより行われている。上部電極の上層のIrOx膜の酸化度は、強誘電体キャパシタの特性に対して影響が大きい。そのため、上部電極の上層のIrOx膜の酸化度の制御は、重要である。
【特許文献1】特開2006−73648号公報
【特許文献2】特開2004−39699号公報
【特許文献3】特開2006−222136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上部電極の上層のIrOx膜の酸化度を制御する場合、IrOx膜が成膜された後のテストサンプル(テストピース)を定期的にチェックし、IrOx膜の酸化度を確認する方法がある。IrOx膜が成膜された後のテストサンプルを定期的にチェックし、IrOx膜の酸化度を確認する場合、テストサンプルのチェックを行う工程が必要となる。また、テストサンプル自体を用意する必要がある。本発明は、テストサンプルを定期的にチェックする必要なしに、IrOx膜の酸化度を制御する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明の半導体製造装置は、上部電極、誘電体及び下部電極から構成される強誘電体キャパシタを有する半導体装置を製造する半導体製造装置であって、成膜チャンバー内に設置された半導体ウエハーに前記上部電極を形成するための混合ガスに含まれる酸素ガスを前記成膜チャンバーに導入する導入部と、前記成膜チャンバーに導入される酸素ガスの導入流量を制御する制御部と、前記成膜チャンバー内の前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する計測部と、を備え、前記制御部は、前記計測部によって計測された酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内にない場合、前記酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内になるように前記酸素ガスの導入流量を変更する。
【0005】
本発明の半導体製造装置によれば、酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内にない場合、酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内になるように成膜チャンバーに対する酸素ガスの導入流量を変更する。そして、成膜チャンバーに対する酸素ガスの導入流量を変更することで、成膜チャンバー内の混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を所定値の範囲内となるように制御する。このような制御により、所望のキャパシタ特性を備えた強誘電体キャパシタを有する半導体装置を製造することが可能となる。また、本発明は、コンピュータその他の装置、機械等が上記いずれかの処理を実行する方法であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、テストサンプルを定期的にチェックする必要なしに、IrOx膜の酸化度を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0008】
強誘電体キャパシタは、下部電極、誘電体、上部電極により構成されている。下部電極は、例えばAl23(酸化アルミニウム)膜とPt膜の積層構造となっている。誘電体は、例えば強誘電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)によって形成されている。上部電極は、例えばIrOx(酸化イリジウム)膜によって形成される。
【0009】
図1に示すように、成膜チャンバー1内のウエハーステージ2に設置されたウエハー(半導体基板)3にIrOx膜を形成する場合、成膜チャンバー1にArガスとO2ガスと
の混合ガスを導入する。そして、バッキングプレート4に設置されたIrターゲット5を陰極としてプラズマ励起させ、アルゴンイオン(Ar+)を生成する。アルゴンイオン(
Ar+)がIrターゲット5に衝突することによりIr原子が弾き出され、対向して設置
されたウエハー3にIrOx膜が成膜される。なお、成膜チャンバー1内には、成膜チャンバー1の内壁とウエハー3との間にシールド(防着版)6が設けられている。
【0010】
IrOx膜の酸化度は、IrOx膜の反射率及びシート抵抗と相関関係がある。IrOx膜の酸化度が増加すると、IrOx膜の反射率が減少する傾向にある。IrOx膜の酸化度が増加すると、IrOx膜のシート抵抗が増加する傾向にある。したがって、IrOx膜の反射率を測定することにより、IrOx膜の酸化度を間接的に認識することができる。また、IrOx膜のシート抵抗を測定することにより、IrOx膜の酸化度を間接的に認識することができる。
【0011】
図2は、スイッチング分極量とIrOx膜の反射率との関係を示している。図2の縦軸は、スイッチング分極量(クーロン/cm2)であり、図2の横軸は、IrOx膜の反射
率(%)である。図2では、IrOx膜の反射率が25%、26%、27%の場合について、スイッチング分極量をそれぞれ測定している。また、IrOx膜の反射率が25%、26%、27%の場合のそれぞれについて、スイッチング分極量を同じ回数測定している。
【0012】
IrOx膜の反射率が25%の場合、スイッチング分極量は、2.4E−05(2.4×10-5)〜2.6E−05(2.6×10-5)程度の範囲内にある。IrOx膜の反射率が26%の場合、スイッチング分極量は、1.8E−05(1.8×10-5)〜2.2E−05(2.2×10-5)程度の範囲内にある。IrOx膜の反射率が27%の場合、スイッチング分極量は、1.6E−05(1.6×10-5)〜1.8E−05(1.8×10-5)程度の範囲内にある。このように、IrOx膜の反射率が小さくなると、スイッチング分極量は大きくなることがわかる。スイッチング分極量が大きくなれば、FeRAMの読み出しマージンも大きくなる。
【0013】
図3は、リーク電流とIrOx膜の反射率との関係を示している。図3の縦軸は、リーク電流(A)であり、図3の横軸は、IrOx膜の反射率(%)である。図3に示すリーク電流は、強誘電体キャパシタの上部電極と誘電体との間のリーク電流である。図3では、IrOx膜の反射率が25%、26%、27%の場合について、リーク電流をそれぞれ測定している。また、IrOx膜の反射率が25%、26%、27%の場合のそれぞれについて、リーク電流を同じ回数測定している。
【0014】
IrOx膜の反射率が25%の場合、リーク電流は、5.0E−09(5.0×10-9)〜3.5E−09(3.5×10-8)程度の範囲内にある。IrOx膜の反射率が26%の場合、リーク電流は、1.0E−08(1.0×10-8)〜2.0E−08(2.0
×10-8)程度の範囲内にある。IrOx膜の反射率が27%の場合、リーク電流は、1.0E−08(1.0×10-8)〜2.0E−08(2.0×10-8)程度の範囲内にある。
【0015】
図3に示すように、IrOx膜の反射率が小さくなると、リーク電流の分布が広範囲となる傾向があり、リーク電流が大きくなる場合がある。リーク電流が大きくなると、強誘電体キャパシタのリテンション特性(データ保持能力)が悪化する。
【0016】
IrOx膜の反射率は小さいほうが、スイッチング分極量の観点からは望ましいが、IrOx膜の反射率が小さくなりすぎると、強誘電体キャパシタのリテンション特性の観点からは望ましくない。したがって、IrOx膜の反射率は、リーク電流を抑制することができ、スイッチング分極量があまり大きくならない値にすることが望まれる。そのような要求を満たすIrOx膜の反射率の値は、図2及び図3から26%であるといえる。
【0017】
図4に、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量とIrOx膜の反射率との関係及び
IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量とIrOx膜のシート抵抗との関係を示す。こ
こで、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量とは、成膜チャンバー1に導入するO2ガス流量である。図4では、横軸にIrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量(sccm)
を示し、縦軸(左側)にIrOx膜の反射率(%)を示し、縦軸(右側)にIrOx膜のシート抵抗(Ω)を示す。
【0018】
IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を変化させた場合、成膜後のIrOx膜の酸
化度が変化する。そして、成膜後のIrOx膜の酸化度が変化した場合、IrOx膜の反射率及びシート抵抗は変化する。
【0019】
図4に示すように、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量が40sccmであると
き、IrOx膜の反射率は28%を超えており、IrOx膜のシート抵抗は約25.5Ωである。また、図4に示すように、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量が60sc
cmであるとき、IrOx膜の反射率は約25%であり、IrOx膜のシート抵抗は70Ωを超えている。このように、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量が増加すると、
IrOx膜の反射率は減少し、IrOx膜のシート抵抗は増加する。
【0020】
IrOx膜の反射率が26%となるように強誘電体キャパシタを製造する場合、図4の関係を考慮すれば、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を55sccmにすればよ
いことになる。
【0021】
ウエハー3にIrOx膜を成膜する過程において、成膜チャンバー1内に設置されたシールド6の内壁面にもIrOx膜が成膜される。シールド6の内壁面に成膜されたIrOx膜は、脱ガスとしてO2ガスを放出する。そのため、シールド6にIrOx膜が成膜さ
れた状態で、成膜チャンバー1にO2ガスを導入すると、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度が上昇する。O2ガス濃度とは、ArガスとO2ガスとの混合ガスに含まれるO2ガスの
割合をいう。成膜チャンバー1内のO2ガス濃度が上昇した状態で、ウエハー3にIrO
x膜を成膜した場合、IrOx膜の反射率は減少し、IrOx膜のシート抵抗は増加することになる。したがって、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度が上昇した状態で、ウエハ
ー3にIrOx膜を成膜した場合、酸化度は上昇することになる。
【0022】
図5に、IrOx膜の反射率とシールドライフとの関係を示す。シールドライフは、IrOx膜を成膜する際のIrターゲット5に供給する電力量(kWh)である。また、シールドライフは、IrOx膜を成膜する際の積算処理時間ともいえる。図5の縦軸は、IrOx膜の反射率(%)であり、図5の横軸は、シールドライフ(kWh)である。ここ
では、ウエハー3にIrOx膜を成膜する際において、成膜チャンバー1に導入するO2
ガスの流量は59sccmとし、成膜チャンバー1に導入するArガスの流量は100sccmとしている。図5に示すように、シールドライフが増加するに従い、IrOx膜の反射率は減少する傾向にあり、IrOx膜の反射率の減少は、シールドライフの増加に依存している。図5に示すように、シールドライフが増加すれば、IrOx膜の反射率は減少する。したがって、シールドライフが増加すれば、IrOx膜の酸化度は上昇することがわかる。
【0023】
図6に、IrOx膜のシート抵抗とシールドライフとの関係を示す。図6の縦軸は、IrOx膜のシート抵抗(Ω)であり、図6の横軸は、シールドライフ(kWh)である。ここでは、ウエハー3にIrOx膜を成膜する際において、成膜チャンバー1に導入するO2ガスの流量は59sccmとし、成膜チャンバー1に導入するArガスの流量は10
0sccmとしている。図6に示すように、シールドライフが増加するに従い、IrOx膜のシート抵抗は増加する傾向にあり、IrOx膜のシート抵抗の増加は、シールドライフの増加に依存している。図6に示すように、シールドライフが増加すれば、IrOx膜のシート抵抗は増加する。したがって、シールドライフが増加すれば、IrOx膜の酸化度は上昇することがわかる。
【0024】
図7に、シールドライフと、IrOx膜を成膜する場合のO2ガスの流量との関係を示
す。図7は、IrOx膜を成膜した後のテストサンプルを定期的にチェックし、IrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定した結果に基づき、IrOx膜を成膜する場合のO2
ス流量を減少させたときのシールドライフと、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量
との関係を示している。図7の縦軸は、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量であり
、図7の横軸は、シールドライフである。図7の曲線A、B及びCは、同じ条件下において、IrOx膜を成膜した後のテストサンプルを定期的にチェックし、IrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定し、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を減少させた場合
のシールドライフと、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量との関係である。
【0025】
図7の曲線の例では、シールドライフが10kWhの場合、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を約51.0sccmに制御している。図7の曲線Bの例では、シールド
ライフが10kWhの場合、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を約53.5sc
cmに制御している。図7の曲線Cの例では、シールドライフが10kWhの場合、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を約55.0sccmに制御している。このように
、シールドライフの値から、IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量を一義的に決める
ことはできない。
【0026】
成膜チャンバー1内のO2ガス濃度が上昇するにつれて、IrOx膜の酸化度が増加す
ることから、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度を一定に維持した状態で、ウエハー3に
IrOx膜を成膜させる必要がある。そこで、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度を一定
に維持しつつ、ウエハー3にIrOx膜を成膜することにより、成膜後のIrOx膜の酸化度を安定させる。
【0027】
〈第1実施形態〉
図8は、第1実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。成膜チャンバー1内には、ウエハー3がウエハーステージ2上に設置され、ウエハー3と対向してIrターゲット5がバッキングプレート4上に設置されている。ウエハー3にIrOx膜を成膜する際、成膜チャンバー1の内壁面にIrOx膜が成膜することを防止するため、成膜チャンバー1内にはシールド(防着板)6が設けられている。
【0028】
成膜チャンバー1には、O2ガスのO2濃度を測定するためのO2ガス濃度計11がパイ
プ12を介して接続されている。O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガスのO2
度のデータは、O2ガス濃度計11と電気的に接続された制御ユニット13に送られる。
2ガス濃度計11として、例えば、ジルコニア式酸素濃度計を用いることができる。制
御ユニット13は、その内部にCPUやROM等を備えており、CPUはROMに記録される制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0029】
図8に示すように、パイプ12は、その一端が成膜チャンバー1内のウエハーステージ2近くで開口するように成膜チャンバー1に接続されている。したがって、O2ガス濃度
計11は、パイプ12を介してウエハーステージ2に設置されたウエハー3の周辺に存在するガスに含まれるO2ガスの濃度を測定することができる。このように、ウエハー3の
周辺に存在するガスに含まれるO2ガスの濃度を測定することにより、実際に成膜される
IrOx膜の膜質に影響を与える可能性が高いO2ガス濃度を測定することができる。
【0030】
制御ユニット13は、O2ガスを成膜チャンバー1に導入するO2ガス導入装置14と電気的に接続されている。制御ユニット13は、O2ガス導入装置14を制御することによ
り、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を制御する。また、これに限らず、O2ガス導入装置14に替えてO2ガスが充填されたO2ガスボンベを備え、O2ガスボンベの
バルブの開度を制御ユニット13が制御することにより、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を制御してもよい。
【0031】
また、制御ユニット13は、Arガスを成膜チャンバー1に導入するArガス導入装置15と電気的に接続されている。制御ユニット13は、Arガス導入装置15を制御することにより、成膜チャンバー1に導入されるArガスの流量を制御する。また、これに限らず、Arガス導入装置15に替えてArガスが充填されたArガスボンベを備え、Arガスボンベのバルブの開度を制御ユニット13が制御することにより、成膜チャンバー1に導入されるArガスの流量を制御してもよい。
【0032】
図9は、第1実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。図9に示す半導体製造装置10は、図8に示す半導体製造装置10と比較して、成膜チャンバー1に接続されるパイプ16の位置が異なっている。その他の構成については、図8に示す半導体製造装置10と同様であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
【0033】
図9に示すように、パイプ16は、その一端が成膜チャンバー1内に設けられたシールド6の内壁で開口するように成膜チャンバー1に接続されている。したがって、O2ガス
濃度計11は、パイプ16を介してシールド6の内壁面の周辺に存在するガスに含まれるO2ガス濃度を測定することができる。言い換えれば、O2ガス濃度計11は、パイプ16を介してシールド6の内壁の表面上に存在するガスに含まれるO2ガス濃度を測定するこ
とができる。成膜チャンバー1内の酸化度は、シールド6の内壁面に成膜されたIrOx膜が脱ガスとして放出するO2ガスにより影響される。シールド6の内壁面の周辺に存在
するガスに含まれるO2ガスの濃度を測定することにより、シールド6の内壁面に成膜さ
れたIrOx膜が脱ガスとして放出するO2ガスを考慮して、O2ガス濃度を測定することができる。
【0034】
制御ユニット13は、O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガス濃度の値に基づいて、O2ガス導入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を増減させる。具体的には、制御ユニット13は、O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガス濃度の値が所定値Cの範囲内となるようにO2ガス導入装置14を制御し、成膜チャン
バー1に導入されるO2ガスの流量を減少又は増加させる。
【0035】
したがって、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値としてのO2ガス流量
の値を設定し、O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガス濃度の値に基づいて、O2
ガス導入装置14に初期値として設定したO2ガス流量の値を変更する処理を行う。また
、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値として設定されたO2ガス流量の値を変更した後、O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガス濃度の値に基づいて、O2
ガス導入装置14に設定されたO2ガス流量の値を変更する処理を行う。
【0036】
制御ユニット13の処理について、図10を用いて説明する。図10は、制御ユニット13が、O2ガス濃度計11によって測定されるO2ガス濃度の値に基づいて、O2ガス導
入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を変更する処理の流
れを示すフローチャートである。制御ユニット13は、成膜チャンバー1内のウエハーステージ2にウエハー3が設置され、ウエハー3の成膜処理の準備が完了した後、図10に示す処理を開始する。
【0037】
まず、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値としてのO2ガス流量の値を設定する(S101)。また、制御ユニット13は、Arガス導入装置15にArガス流量の値を設定する。Arガス導入装置15に設定するArガス流量の値は固定値であるが、適宜変更することも可能である。
【0038】
次に、ウエハー3の成膜処理が開始された後、制御ユニット13は、O2ガス濃度計1
1が測定するO2ガス濃度のデータをO2ガス濃度計11から取得する(S102)。そして、制御ユニット13は、O2ガス濃度計11から取得したO2ガス濃度の値が所定値Cの範囲内にあるか否かを判定する(S103)。
【0039】
2ガス濃度計11から取得したO2ガス濃度の値が所定値Cの範囲内にある場合(S103の処理でYES)、制御ユニット13は、ウエハー3の成膜処理が終了したか否かを確認する(S104)。ウエハー3の成膜処理が終了している場合、制御ユニット13は、次のウエハー3の成膜処理が開始された後、S102の処理に進む。ここで、次のウエハー3とは、成膜処理が終了したウエハー3が成膜チャンバー1から取り出された後に、成膜チャンバー1内に搬送された成膜が未処理であるウエハー3をいう。そして、制御ユニット13は、次のウエハー3に対して、S102以降の処理を行う。ウエハー3の成膜処理が終了していない場合、制御ユニット13は、S102の処理に進む。そして、制御ユニット13は、成膜処理が終了していないウエハー3に対して、S102以降の処理を行う。
【0040】
一方、O2ガス濃度計11から取得したO2ガス濃度の値が所定値Cの範囲内にない場合(S103の処理でNO)、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されてい
るO2ガス流量の値を変更する(S105)。
【0041】
具体的には、O2ガス濃度計11から取得したO2ガス濃度の値が所定値Cより大きい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値を減少させる。また、O2ガス濃度計11から取得したO2ガス濃度の値が所定値Cより小さい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値を増加させる。例えば、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値の変更量(増減量)を、O2ガス濃度とO2ガス流量との関係を示したマップから求めるようにしてもよい。O2ガス濃度とO2ガス流量との関係を示したマップは、予め制御ユニット13に記録しておけばよい。
【0042】
制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値を変更した後、S104の処理に進む。
【0043】
所定値Cは、制御ユニット13に記録しておけばよい。例えば、所定値Cとして35.5%〜36.3%の値を制御ユニット13に記録する。成膜チャンバー1内のO2ガス濃
度が35.5%〜36.3%の範囲内となるように、成膜チャンバー1に導入されるO2
ガス流量を制御すれば、IrOx膜の反射率が約26%となる強誘電体キャパシタを製造すること可能である。また、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度が35.9%となるよう
に、成膜チャンバー1に導入されるO2ガス流量を制御するのがより好ましい。ただし、
所定値Cの例として説明したO2ガス濃度の値は、強誘電体キャパシタを製造する条件に
よって変動するものであり、強誘電体キャパシタを製造する条件によってこれらの値を適宜変更することは可能である。
【0044】
このように、成膜チャンバー1内のO2ガス濃度を自動的に測定し、その測定結果に基
づいて成膜チャンバー1に導入するO2ガスの流量を制御することにより、ウエハー3の
IrOx膜の反射率を所望の範囲内に制御することができる。ウエハー3のIrOx膜の反射率を所望の範囲内に制御することにより、ウエハー3のIrOx膜の酸化度を安定させることができる。
【0045】
〈第2実施形態〉
図11は、第2実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。第2実施形態に係る半導体製造装置10は、成膜処理前のウエハー3及び成膜処理後のウエハー3を格納するためのウエハーキャリア21、ウエハー3の位置合わせを行うためのウエハーアライナー22、真空排気を行うためのロードロック室23、ウエハー3の成膜処理を行うための成膜チャンバー1、ロードロック室23と成膜チャンバー1との間に設けられる搬送室24、ウエハー3を搬送するための搬送ロボット25、26を備えている。
【0046】
搬送ロボット25は、ウエハーキャリア21と、ウエハーアライナー22と、ロードロック室23との間におけるウエハー3の搬送を行う。搬送ロボット26は、搬送室24内に備え付けられており、ロードロック室23と、搬送室24と、成膜チャンバー1との間におけるウエハー3の搬送を行う。
【0047】
ウエハーアライナー22には、不図示のステージが設けられており、ウエハー3がウエハーアライナー22のステージに設置され、ウエハー3の位置合わせが行われる。また、ウエハーアライナー22には、検出センサー27が設けられており、検出センサー27は、ウエハーアライナー22のステージにウエハー3が設置されているか否かを検出する。
【0048】
また、ウエハーアライナー22には、不図示の反射率測定装置及び抵抗測定装置が設けられている。反射率測定装置は、ウエハーアライナー22のステージに設置されたウエハー3に成膜されたIrOx膜の反射率を測定する。抵抗測定装置は、ウエハーアライナー22のステージに設置されたウエハー3に成膜されたIrOx膜のシート抵抗を測定する。
【0049】
図11では図示しないが、第2実施形態に係る半導体製造装置10は、第1実施形態に係る半導体製造装置10と同様に、制御ユニット13、O2ガス導入装置14及びArガ
ス導入装置15を備えている。そして、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14及び
Arガス導入装置15とそれぞれ電気的に接続されている。また、制御ユニット13は、反射率測定装置及び抵抗測定装置とそれぞれ電気的に接続されており、反射率測定装置及び抵抗測定装置の制御を行う。制御ユニット13は、反射率測定装置が測定したIrOx膜の反射率のデータを、反射率測定装置から受け取る。制御ユニット13は、抵抗測定装置が測定したIrOx膜のシート抵抗のデータを、抵抗測定装置から受け取る。
【0050】
制御ユニット13は、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値に基
づいて、O2ガス導入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を増減させる。具体的には、制御ユニット13は、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値が所定値Rの範囲内となるようにO2ガス導入装置14を制御し、成
膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を減少又は増加させる。また、制御ユニット
13は、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値が所定値RとなるようにO2ガス導入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を減少又は増加させてもよい。所定値Rは、予め制御ユニット13に記録しておけばよい。
【0051】
したがって、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値としてのO2ガス流量の値を設定し、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値に基づいて、O2ガス導入装置14に初期値として設定したO2ガス流量の値を変更する処理を行う。また、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値として設定されたO2ガス流量の値を変更した後、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値に基づいて、O2ガス導入装置14に設定されたO2ガス流量の値を変更する処理を行う。
【0052】
具体的には、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値が所定値Rより大きい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値を増加させる。また、反射率測定装置によって測定されるIrOx膜の反射率の値が所定値Rより小さい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されて
いるO2ガス流量の値を減少させる。例えば、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値の変更量(増減量)を、IrOx膜の反射率とO2ガス流量との関係を示したマップから求めるようにしてもよい。IrOx膜の反射率とO2
ス流量との関係を示したマップは、予め制御ユニット13に記録しておけばよい。
【0053】
制御ユニット13は、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値に基づいて、O2ガス導入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を増減させる。具体的には、制御ユニット13は、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値が所定値Sの範囲内となるようにO2ガス導入装置14を制御し
、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を減少又は増加させる。また、制御ユニ
ット13は、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値が所定値SとなるようにO2ガス導入装置14を制御し、成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を減少又は増加させてもよい。所定値Sは、予め制御ユニット13に記録しておけばよい。
【0054】
したがって、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値としてのO2ガス流量の値を設定し、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値に基づいて、O2ガス導入装置14に初期値として設定したO2ガス流量の値を変更する処理を行う。また、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に初期値として設定されたO2ガス流量の値を変更した後、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値に基づいて、O2ガス導入装置14に設定されたO2ガス流量の値を変更する処理を行う。
【0055】
具体的には、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値が所定値Sより大きい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値を減少させる。また、抵抗測定装置によって測定されるIrOx膜のシート抵抗の値が所定値Sより小さい場合は、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定さ
れているO2ガス流量の値を増加させる。例えば、制御ユニット13は、O2ガス導入装置14に設定されているO2ガス流量の値の変更量(増減量)を、IrOx膜のシート抵抗
とO2ガス流量との関係を示したマップから求めるようにしてもよい。IrOx膜のシー
ト抵抗とO2ガス流量との関係を示したマップは、予め制御ユニット13に記録しておけ
ばよい。
【0056】
このように、ウエハー3に成膜されたIrOx膜の反射率及びシート抵抗を自動的に測定し、その測定結果に基づいて成膜チャンバー1に導入するO2ガスの流量を制御するこ
とにより、ウエハー3のIrOx膜の反射率及びシート抵抗を所望の範囲内に制御することができる。ウエハー3のIrOx膜の反射率及びシート抵抗を所望の範囲内に制御することにより、ウエハー3のIrOx膜の酸化度を安定させることができる。
【0057】
ウエハー3に成膜されたIrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定する処理について、図12を用いて説明する。図12は、ウエハー3に成膜されたIrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定する処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
まず、搬送ロボット25は、ウエハーキャリア21内に格納されているウエハー3を取り出す(S201)。次に、搬送ロボット25は、取り出したウエハー3をウエハーアライナー22に搬送し、ウエハーアライナー22のステージに設置する(S202)。ウエハーアライナー22のステージに設置されたウエハー3を水平方向に回転させることで、ウエハー3の位置合わせ(アライメント)が行われる。例えば、ウエハーアライナー22では、光学センサーによりオリエンテーションフラット又はノッチの有無を確認し、ウエハー3の位置合わせを行う。
【0059】
ウエハー3の位置合わせが行われた後、搬送ロボット25は、ウエハー3をロードロック室23内に搬送する(S203)。ロードロック室23内に搬送されたウエハー3は、ロードロック室23内に設置される。その後、ロードロック室23の真空排気が行われ、ロードロック室23と搬送室24との間に設けられたゲートバルブ28が開かれる。
【0060】
搬送ロボット26は、ロードロック室23内に設置されたウエハー3を成膜チャンバー1内に搬送する(S204)。成膜チャンバー1内に搬送されたウエハー3は、成膜チャンバー1内のウエハーステージ2に設置される。また、図11では図示しないが、成膜チャンバー1内には、ウエハーステージ2に設置されるウエハー3と対向してIrターゲット5がターゲットステージ4上に設置されている。さらに、成膜チャンバー1内には、シールド6が設けられている。
【0061】
成膜チャンバー1内でウエハー3の成膜処理が行われる(S205)。ウエハー3の成膜処理後、搬送ロボット26は、ウエハー3を成膜チャンバー1からロードロック室23内に搬送する(S206)。ロードロック室23内に搬送されたウエハー3は、ロードロック室23内に設置される。
【0062】
搬送ロボット25は、ロードロック室23内に設置されたウエハー3をウエハーアライナー22に搬送し、ウエハーアライナー22のステージに設置する(S207)。
【0063】
検出センサー27は、ウエハーアライナー22のステージにウエハー3が設置されていることを検出した場合、反射率測定装置及び抵抗測定装置にウエハー検出の検出信号を送る(S208)。
【0064】
検出センサー27からウエハー検出の検出信号を受け取った反射率測定装置は、ウエハーアライナー22のステージに設置されているウエハー3のIrOx膜の反射率を測定する(S209)。例えば、反射率測定装置は、検出センサー27からウエハー検出の検出信号を受け取った場合、所定波長(例えば、480nmの波長)の光をウエハー3のIrOx膜に照射し、それにより反射された光を検出し、ウエハー3のIrOx膜の反射率を測定する。
【0065】
検出センサー27からウエハー検出の検出信号を受け取った抵抗測定装置は、ウエハーアライナー22のステージに設置されているウエハー3のIrOx膜のシート抵抗を測定する(S210)。例えば、抵抗測定装置は、4探針法や渦電流法などの非接触測定法により、ウエハーアライナー22のステージに設置されているウエハー3のIrOx膜のシート抵抗を測定してもよい。また、抵抗測定装置は、プローブを用いて、ウエハーアライナー22のステージに設置されているウエハー3のIrOx膜のシート抵抗を測定してもよい。
【0066】
ウエハー3のIrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定した後、搬送ロボット25は、ウエハーアライナー22のステージに設置されているウエハー3を、ウエハーキャリア21に搬送し、ウエハーキャリア21内に格納する(S211)。
【0067】
S201及びS202の処理で説明したように、搬送ロボット25により、ウエハーキャリア21内から成膜処理前のウエハー3が取り出され、ウエハーアライナー22のステージにウエハー3が設置される。この場合、制御ユニット13は、反射率測定装置及び抵抗測定装置を制御することにより、成膜処理前のウエハー3に対して反射率の測定及びシート抵抗の測定を行わないようにしておけばよい。
【0068】
第2実施形態では、ウエハーアライナー22に反射率測定装置及び抵抗測定装置を設ける例を示したが、ウエハーアライナー22に、反射率測定装置又は抵抗測定装置のいずれかを設けるようにしてもよい。また、第2実施形態で説明した、ウエハー3のIrOx膜の反射率及びシート抵抗の測定方法は例示であり、他の測定方法により、ウエハー3のIrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定することを除外するものではない。
【0069】
〈変形例〉
また、第2実施形態に係る半導体製造装置10を以下のように変形してもよい。本変形例に係る半導体製造装置10について、図13に基づいて説明する。図13は、本変形例に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。本変形例に係る半導体製造装置10と第2実施形態に係る半導体製造装置10とは、検出センサー31を搬送室24内に設け、不図示の反射率測定装置をウエハーアライナー22に設けることに替えて、搬送室24内に不図示の反射率測定装置を設ける点が相違する。検出センサー31は、不図示の制御ユニット13と電気的に接続されている。制御ユニット13は、検出センサー31からの検出信号を受け取る。
【0070】
搬送ロボット26は、成膜処理後のウエハー3を、成膜チャンバー1からロードロック室23内に搬送する。図13の太矢印Dで示すように、ウエハー3は搬送室24内を通過することになるが、そのウエハー3が通過する経路上に検出センサー31が設けられている。搬送室24内に設けられた検出センサー31は、ウエハー3が搬送室24内の所定位置(図13では、検出センサー31の直下の位置)に存在するか否かを検出する。
【0071】
検出センサー31は、ウエハー3が搬送室24内の所定位置に存在することを検出した場合、反射率測定装置にウエハー検出の検出信号を送る。検出センサー31からウエハー検出の検出信号を受け取った反射率測定装置は、搬送室24内の所定位置に存在するウエハー3のIrOx膜の反射率を測定する。ウエハー3のIrOx膜の反射率を測定する方法は、第2実施形態に係る半導体製造装置10による測定方法と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
また、図13の太矢印Eで示すように、ウエハー3の成膜処理前においても、ウエハー3は搬送室24内を通過することになる。この場合、制御ユニット13は、反射率測定装置を制御することにより、成膜処理前のウエハー3に対して反射率測定を行わないように
しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ウエハーにIrOx膜を形成する場合の説明図である。
【図2】スイッチング分極量とIrOx膜の反射率との関係を示した図である。
【図3】リーク電流とIrOx膜の反射率との関係を示した図である。
【図4】IrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量とIrOx膜の反射率との関係及びIrOx膜を成膜する場合のO2ガス流量とIrOx膜のシート抵抗との関係を示した図である。
【図5】IrOx膜の反射率とシールドライフとの関係を示した図である。
【図6】IrOx膜のシート抵抗とシールドライフとの関係を示した図である。
【図7】シールドライフと、IrOx膜を成膜する場合のO2ガスの流量との関係を示した図である。
【図8】第1実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。
【図9】第1実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。
【図10】成膜チャンバー1に導入されるO2ガスの流量を変更する処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。
【図12】IrOx膜の反射率及びシート抵抗を測定する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態の変形例に係る半導体製造装置10の構造の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0074】
1 成膜チャンバー
2 ウエハーステージ
3 ウエハー
4 バッキングプレート
5 Irターゲット
6 シールド
10 半導体製造装置
11 O2ガス濃度計
12、16 パイプ
13 制御ユニット
14 O2ガス導入装置
15 Arガス導入装置
21 ウエハーキャリア
22 ウエハーアライナー
23 ロードロック室
24 搬送室
25、26 搬送ロボット
27、31 検出センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極、誘電体及び下部電極から構成される強誘電体キャパシタを有する半導体装置を製造する半導体製造装置であって、
成膜チャンバー内に設置された半導体ウエハーに前記上部電極を形成するための混合ガスに含まれる酸素ガスを前記成膜チャンバーに導入する導入部と、
前記成膜チャンバーに導入される酸素ガスの導入流量を制御する制御部と、
前記成膜チャンバー内の前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する計測部と、を備え、
前記制御部は、前記計測部によって計測された酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内にない場合、前記酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内になるように前記酸素ガスの導入流量を変更する、半導体製造装置。
【請求項2】
前記計測部は、前記半導体ウエハー周辺に存在する前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記半導体ウエハーを囲むように前記成膜チャンバー内に設けられたシールドの内壁面周辺に存在する前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記半導体ウエハーに形成された上部電極の反射率を測定する反射率測定部、を更に備え、
前記制御部は、前記反射率測定部によって測定された反射率の値が所定値未満の場合、前記上部電極の反射率の値が所定値以上となるように前記酸素ガスの導入流量を変更する、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記半導体ウエハーに形成された上部電極のシート抵抗を測定する抵抗測定部、を更に備え、
前記制御部は、前記抵抗測定部によって測定されたシート抵抗の値が所定値以上の場合、前記シート抵抗の値が所定値未満となるように前記酸素ガスの導入流量を変更する、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
上部電極、誘電体及び下部電極から構成される強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造方法であって、
成膜チャンバー内に設置された半導体ウエハーに前記上部電極を形成するための混合ガスに含まれる酸素ガスを前記成膜チャンバーに導入する導入ステップと、
前記成膜チャンバーに導入される酸素ガスの導入流量を制御する制御ステップと、
前記成膜チャンバー内の前記混合ガスに含まれる酸素ガスの濃度を計測する計測ステップと、を備え、
前記制御ステップは、前記計測ステップで計測された酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内にない場合、前記酸素ガスの濃度の値が所定値の範囲内になるように前記酸素ガスの導入流量を変更する、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−200405(P2009−200405A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42897(P2008−42897)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】