説明

回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法

【課題】回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法に関し、金−はんだ接合方式に用いる基板配線上に形成する錫を含むはんだを、膜厚バラツキを抑制して厚付けする。
【解決手段】回路基板1の実装面に設けられた複数の接続部導体パターンの間に、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜4を設けたのち、前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだ5に置換し、次いで、前記置換した錫を含むはんだを溶融させて、前記接続部導体パターン間で分割するとともに前記接続部導体パターン表面に錫を含むはんだ6を厚付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータシステムの回路基板は、高速化且つ大規模化に対応できることが要求される。そのため、半導体素子同士の接続方法或いは半導体素子と回路基板の接続方法として金バンプを用いたフリップチップ接合が提供されている。
【0003】
このようなフリップチップ実装においては、回路基板の実装面に設けた基板電極上にはんだを形成した後、半導体素子の端子と基板電極上のはんだを接合することにより電気的に接続する金−はんだ接合方式が用いられている。
【0004】
ここで、図12を参照して従来の金−はんだ接合プロセスを説明する。図12は従来の金−はんだ接合プロセスの説明図であり、図12(a)に示すように、回路基板61に設けた基板電極62上に錫を含むはんだ63を形成し、半導体素子71に形成されている金端子72と位置合わせを行う。
【0005】
次いで、図12(b)に示すように、例えば、280℃〜320℃に加熱したボンディング加熱ヘッド64を半導体素子71に当接して押圧し、金端子72から熱を供給して錫を含むはんだ63を溶融させることにより電気的導通を得る。
【0006】
次いで、図12(c)に示すように、シリンジ65を用いてアンダーフィル樹脂66を半導体素子71と回路基板ん61との間に注入することによって、半導体実装装置の基本構成が完成する。
【0007】
この方式は、接合時に低荷重で実装を行うことができるため、半導体素子71を回路基板61に実装する際の搭載精度の低下が防止でき、半導体素子71の高密度化に伴う端子に精細化に対応できる技術とされている。
【0008】
現在、基板回路上に錫を含むはんだを形成する技術としては、電解めっき法、無電解めっき法、或いは、基板電極上に粘着材を形成し、はんだ粉を粘着させることによるスーパージャフィット方式がある。
【特許文献1】特開2005−057245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、電解めっき法の場合にはめっき厚のバラツキが大きく、半導体素子を接合した際に、錫またははんだ量が多い場合には端子間のショートが発生し、一方、量が少ない場合には接合部が破断するオープン不良発生するという問題がある。また、めっき線の形成が必須であるため、めっき線が半導体パッケージの小型化の妨げになる。
【0010】
また、スーパージャフィット方式においては、はんだ粉末を原料とするため、半導体素子の端子がファインピッチになった場合に、微小な粉末を製造するためには製造コストが高くなるという問題がある。また、粉末の表面積が大きくなるため、表面の酸化の影響により安定した形状が得られにくいという問題もある。
【0011】
さらに、無電解めっき法の場合には錫またははんだ量はバラツキが少なく製造できるが、回路基板の配線を構成する銅を金属置換して形成する置換型めっき法のみしか量産性を満足できるものがなく、その膜厚は2μm程度までであり、半導体素子実装後に端子の強度を確保できるような十分な厚さが確保できないという問題がある。
【0012】
したがって、本発明は、金−はんだ接合方式に用いる基板配線上に形成する錫を含むはんだを、膜厚バラツキを抑制して厚付けすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一観点からは、回路基板の実装面に設けられた複数の接続部導体パターンの間に、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜を設ける工程と、前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだに置換する工程と、前記置換した錫を含むはんだを溶融させて、前記接続部導体パターン間で分割するとともに前記接続部導体パターン表面に錫を含むはんだを厚付けする工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0014】
また、本発明の別の観点からは、回路基板の実装面に設けられた複数の接続部導体パターンの間に、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜を設ける工程と、前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだに置換する工程と、前記置換した錫を含むはんだを溶融させて、前記接続部導体パターン間で分割するとともに前記接続部導体パターン表面に錫を含むはんだを厚付けする工程と、前記錫を含むはんだを厚付けした接続部導体パターンと半導体素子に設けた接続端子とをフリップチップボンディングにより電気的に接続する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示の回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法によれば、基板配線上に形成する錫を含むはんだを、膜厚バラツキを抑制して厚付けすることができ、それによって、半導体パッケージの小型化、ファインピッチの半導体素子の端子を用いた信頼性の高い実装を安定して行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態の回路基板の製造方法を説明する。図1は、本発明の実施の形態の回路基板の製造工程の説明図であり、まず、図1(a)に示すように、回路基板1上にめっきシード層2を介して銅からなるペリフェラル基板電極3を設ける。
【0017】
次いで、図1(b)に示すように、無電解めっき法或いはスパッタリング法を用いて、ペリフェラル基板電極3を設けた領域に0.5μm〜2.5μmの厚さの置換用金属膜4を設ける。この場合の金属膜4は、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属からなり、例えば、Cu、Al、Cr或いはこれらの合金からなる。
【0018】
次いで、図1(c)に示すように、Snを含む置換型無電解めっき浴を用いて置換用金属膜4を、錫を含むはんだ5に置換する。この場合の錫を含むはんだとは、Sn,Sn−Ag,Sn−Bi,Sn−Cu,Sn−Zn,Sn−Ag−Cu等が挙げられ、Snの組成比が複数の構成元素の中で最大であることが望ましく、その組成に応じてSnを含む置換型無電解めっき浴の組成を変える。なお、AgやBi等を添加することによってはんだの融点がSnの融点より低くなる。
【0019】
次いで、図1(d)に示すように、加熱処理によって錫を含むはんだ5を溶融させる。
この時、ペリフェラル基板電極3の表面と回路基板1の表面における溶融はんだの接触角が異なるので、表面張力によって溶融はんだはペリフェラル基板電極3の表面に集まってはんだ層6を形成する。このはんだ層6は、ペリフェラル基板電極3同士の間の錫を含むはんだ5も集めたものになるため、ペリフェラル基板電極3同士の間隔にもよるが初期に成膜した置換用金属膜の膜厚より2倍以上の厚さに厚付けされる。
【0020】
なお、この場合のはんだ層6は、金属置換工程の前に置換用金属を接続バッド部のみに残存するようにエッチングするか、或いは、金属置換工程の後に錫を含むはんだを接続バッド部のみに残存するようにエッチングして形成する。
【0021】
図2は、このようにして形成した回路基板と、回路基板を用いた実装構造の説明図である。図2(a)は回路基板の概念的平面図であり、回路基板1の実装面にペリフェラル基板電極3が整列して形成され、上述のように接続パッドの表面にのみ錫或いは錫を主成分とするはんだからなるはんだ層6が形成されている。また、それ以外の領域はソルダーレジスト7で覆われている。
【0022】
図2(b)は、回路基板を用いた実装構造の概念的断面図であり、従来例で説明した通りの工程で、半導体素子8に設けた金バンプ9を接続パッドに当接させて加熱することによって金−はんだ接合を形成する。次いで、アンダーフィル樹脂10を充填することによって実装半導体装置が完成する。
【0023】
この本発明の実施の形態においては、バラツキの少ない無電解めっき法或いはスパッタリング法によって置換用金属膜を成膜しているので、接続バッドを覆うはんだ層の厚さのバラツキも少なく、且つ、半導体素子の端子強度が得られる厚さに形成することができる。それによって、ファインピッチに対応した半導体装置の接続信頼性の向上が可能になる。
【0024】
なお、置換用金属膜は回路基板の製造方法として広く知られているセミアディティブ工法におけるめっきシード層を用いても良いので、その様子を図3及び図4を参照して説明する。まず、図3(a)に示すように、基板ベース層11の表面に厚さが、例えば、0.5μm〜2μmのCuめっきシード層12を設け、めっきフレームとなるレジストパターン13を設ける。
【0025】
次いで、図3(b)に示すように、電解めっき法によりCuめっき層14を形成する。
次いで、図3(c)に示すようにレジストパターン13を除去する。次いで、図4(d)に示すように、硫酸系のCuエッチング液によりCuめっきシード層12の露出部を除去して残部を配線パターンとするのが従来のセミアディティブ工法である。しかし、本発明の実施の形態においては、ペリフェラル基板電極となるCuめっき層14の周囲のCuめっきシード層は残存させておく。
【0026】
次いで、図4(e)に示すように、ペリフェラル基板電極となるCuめっき層14の周辺部のみを露出させた状態で、Sn置換型無電解めっき浴を用いて無電解めっきすることにより、Cuめっきシード層12を錫はんだ層15に置換するとともに、Cuめっき層14の表面も錫はんだ層15に置換する。
【0027】
次いで、図4(f)に示すように、加熱により錫はんだ層15を溶融させることにより、溶融錫の表面張力によりCuめっき層14の表面に厚膜の錫はんだ層16が形成されるとともに、隣接するCuめっき層14同士の間が電気的に分離される。この場合には、置換用金属膜の成膜工程を省略することができるので、工程を簡素化することができる。
【0028】
また、金属置換無電解めっき工程は2段階工程でも良いので、その様子を図5を参照して説明する。まず、図5(a)に示すように、回路基板21上にめっきシード層22を介して銅からなるペリフェラル基板電極23を設ける。次いで、図5(b)に示すように、無電解めっき法を用いて、ペリフェラル基板電極23を設けた領域に厚さが、例えば、2μmの厚さの置換用金属膜24を設ける。
【0029】
次いで、図5(c)に示すように、例えば、60℃のSn置換型無電解めっき浴を用いて置換用金属膜24の表面の0.1μm〜1.5μm、例えば、0.5μm程度を錫はんだ層25に置換する。
【0030】
次いで、図5(d)に示すように、より高温にした例えば、70℃のSn置換型無電解めっき浴を用いて置換用金属膜24の残部を錫はんだ層26に置換する。なお、第1段階のSn置換型無電解めっき浴と第2段階のSn置換型無電解めっき浴の成分は、Sn置換型無電解めっきのめっき形成速度が第2段階のめっき浴の方が速くなるように調整する。
【0031】
この場合、第1段階のSn置換型無電解めっき浴は、低い温度でゆっくり形成しているために、緻密な錫はんだ層25とすることができる。一方、第1段階に比して、高温で早く錫はんだ層を形成するSn置換型無電解めっき浴では、膜質が良くない。しかしながら、本実施形態では、第1段階で緻密な錫はんだ層25を形成しているため、第2段階では、この緻密な錫はんだ層25の影響を受け、錫はんだ層の形成速度を上げても、膜質を保つことができる。
【0032】
次いで、図5(e)に示すように、加熱処理によって錫はんだ層25,26を溶融させてペリフェラル基板電極23の表面に置換用金属膜24の膜厚の2倍以上の膜厚の錫はんだ層27で覆う。このように、2段階金属置換を行うことによって、錫はんだ層25,26が置換用金属膜24の表面の膜質を拾うことがなく、良質の錫はんだ層27とすることができる。
【実施例1】
【0033】
以上を前提として、次に、図6及び図7を参照して本発明の実施例1の回路基板の製造工程を説明する。まず、図6(a)に示すように、回路基板31上に幅が例えば、25μmのペリフェラル基板電極32を25μm間隔で400個形成し、半導体素子の搭載エリアの回路基板31上にソルダーレジスト33を形成する。なお、回路基板31は例えば、厚さ0.35mmのBTレジン製の基板であり例えば、8.5mm角の半導体素子を搭載できるものである。また、図は接続バッド近傍の一部を斜視図として示したものである。
【0034】
次いで、図6(b)に示すように、ソルダーレジスト33に合わせる形でめっきレジスト34を形成し、接続パッド部を開口させる。次いで、図6(c)に示すように、無電解銅めっき処理により厚さが、例えば、2μmの無電解Cuめっき層35を形成する。次いで、図7(d)に示すように、めっきレジスト34を剥離することによって、めっきレジスト34上に堆積した無電解Cuめっき層35も同時に除去する。
【0035】
次いで、図7(e)に示すように、例えば、置換型無電解すずめっき浴580MJ(石原薬品製商品型番)を用いて、60℃で30分間無電解めっき処理を行う。この置換型無電解すずめっき処理によって、無電解Cuめっき層35は殆ど純粋なSnに置換されてSnはんだ層36となる。
【0036】
次いで、図7(f)に示すように、めっき処理部にフラックスを塗布し、回路基板31の表面温度が最高で260℃になるように設定されたリフロー炉を用いて、リフロー処理を行い、フラックス洗浄を行う。このリフロー処理工程においてSnはんだ層36は溶融し、溶融したSnの表面張力により厚膜のSnはんだ層37が接続パッドの表面を覆う。
【0037】
このSnはんだ層37の高さを蛍光X線装置を用いて測定した結果、Snはんだ層37の最大厚さは、平均4.7μmであり、従来の工法でめっき処理を行った場合には、最大2.1μm厚であったため、2倍以上の厚さにできることが確認できた。
【0038】
以降は、上記の図2に示したように、400個の端子上にワイヤボンディングの金ボールを利用した金端子を備えた8.5mm角の半導体素子をこの回路基板31上に実装する。この時の金端子の形成条件は、ボールボンダーのステージ温度200℃とした。
【0039】
この半導体素子をフリップチップボンダにより、回路基板31と位置合わせを行った後、半導体素子側から温度300℃/3秒で、荷重を3g/端子を印加することにより、接合した。 その後、アンダーフィル材を注入し150℃の恒温槽で2時間硬化させた。
【0040】
実装後に完成した半導体装置の接合部を断面研磨により観察した。このとき、従来工法では、Snはんだが金端子の先端部にしか存在せず、金端子下部に接合応力が原因と思われるクラックが発生していたが、本発明の実施例1ではSnはんだが金端子の外周を十分に覆う形で存在しており、接合部にクラックの発生も見られなかった。
【実施例2】
【0041】
次に、図8及び図9を参照して本発明の実施例2の回路基板の製造工程を説明する。まず、図8(a)に示すように、セミアディティブ法により回路基板41上にCuめっきシード層42を介して幅が例えば、25μmのペリフェラル基板電極となるCuめっき層43を25μm間隔で400個形成したのち、レジストパターン(図示は省略)を除去する。
【0042】
次いで、図8(b)に示すように、接続パッド部を覆うようにエッチングレジスト44を設ける。次いで、図8(c)に示すように、エッチングレジスト44をマスクとしてCuめっきシード層42の露出部をエッチングにより除去したのち、エッチングレジスト44を除去する。
【0043】
次いで、図9(d)に示すように、接続パッド部を露出するようにソルダーレジスト45を形成する。次いで、図9(e)に示すように、例えば、置換型無電解すずめっき浴580MJ(石原薬品製商品型番)を用いて、60℃で30分間無電解めっき処理を行う。この置換型無電解すずめっき処理によって、Cuめっきシード層42及びCuめっき層43は殆ど純粋なSnに置換されてSnはんだ層46となる。
【0044】
次いで、図9(f)に示すように、めっき処理部にフラックスを塗布し、回路基板41の表面温度が最高で260℃になるように設定されたリフロー炉を用いてリフロー処理を行い、フラックス洗浄を行う。このリフロー処理工程においてSnはんだ層46は溶融し、溶融したSnの表面張力により厚膜のSnはんだ層47が接続パッドの表面を覆う。
【0045】
このSnはんだ層47の高さを蛍光X線装置を用いて測定した結果、Snはんだ層47の最大厚さは、平均4.6μmであり、従来の工法でめっき処理を行った場合には、最大2.1μm厚であったため、2倍以上の厚さにできることが確認できた。
【0046】
以降は、上記の実施例1と同様にして回路基板41上に半導体素子を実装して半導体装置を完成した。実装後に完成した半導体装置の接合部を断面研磨により観察した。実施例1と同様にSnはんだが金端子の外周を十分に覆う形で存在しており、接合部にクラックの発生も見られなかった。
【実施例3】
【0047】
次に、図10及び図11を参照して本発明の実施例3の回路基板の製造工程を説明する。まず、図10(a)に示すように、セミアディティブ法により回路基板41上にCuめっきシード層42を介して幅が例えば、25μmのペリフェラル基板電極となるCuめっき層43を25μm間隔で400個形成したのち、レジストパターン(図示は省略)を除去する。
【0048】
次いで、図10(b)に示すように、例えば、置換型無電解すずめっき浴580MJ(石原薬品製商品型番)を用いて、60℃で30分間無電解めっき処理を行う。この置換型無電解すずめっき処理によって、Cuめっきシード層42及びCuめっき層43は殆ど純粋なSnに置換されてSnはんだ層48となる。
【0049】
次いで、図10(c)に示すように、接続パッド部を覆うようにエッチングレジスト49を設ける。次いで、図11(d)に示すように、エッチングレジスト49をマスクとしてSnはんだ層48の露出部をエッチングにより除去したのち、エッチングレジスト49を除去する。
【0050】
次いで、図11(e)に示すように、接続パッド部を露出するようにソルダーレジスト50を形成する。次いで、図11(f)に示すように、めっき処理部にフラックスを塗布し、回路基板41の表面温度が最高で260℃になるように設定されたリフロー炉を用いてリフロー処理を行い、フラックス洗浄を行う。このリフロー処理工程においてSnはんだ層48は溶融し、溶融したSnの表面張力により厚膜のSnはんだ層51が接続パッドの表面を覆う。
【0051】
このSnはんだ層51の高さを蛍光X線装置を用いて測定した結果、Snはんだ層51の最大厚さは、平均4.8μmであり、従来の工法でめっき処理を行った場合には、最大2.1μm厚であったため、2倍以上の厚さにできることが確認できた。
【0052】
以降は、上記の実施例1と同様にして回路基板41上に半導体素子を実装して半導体装置を完成した。実装後に完成した半導体装置の接合部を断面研磨により観察した。この実施例3も実施例1と同様にSnはんだが金端子の外周を十分に覆う形で存在しており、接合部にクラックの発生も見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態の回路基板の製造工程の説明図である。
【図2】回路基板と回路基板を用いた実装構造の説明図である。
【図3】セミアディティブ工法に適用した場合の途中までの工程説明図である。
【図4】セミアディティブ工法に適用した場合の図3以降の工程説明図である。
【図5】二段階金属置換工程の工程説明図である。
【図6】本発明の実施例1の回路基板の製造工程の途中までの説明図である。
【図7】本発明の実施例1の回路基板の製造工程の図6以降の説明図である。
【図8】本発明の実施例2の回路基板の製造工程の途中までの説明図である。
【図9】本発明の実施例2の回路基板の製造工程の図8以降の説明図である。
【図10】本発明の実施例3の回路基板の製造工程の途中までの説明図である。
【図11】本発明の実施例3の回路基板の製造工程の図10以降の説明図である。
【図12】従来の金−はんだ接合プロセスの説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 回路基板
2 めっきシード層
3 ペリフェラル基板電極
4 置換用金属膜
5 錫を含むはんだ
6 はんだ層
7 ソルダーレジスト
8 半導体素子
9 金バンプ
10 アンダーフィル樹脂
11 基板ベース層
12 Cuめっきシード層
13 レジストパターン
14 Cuめっき層
15 錫はんだ層
16 錫はんだ層
21 回路基板
22 めっきシード層
23 ペリフェラル基板電極
24 置換用金属膜
25,26,27 錫はんだ層
31 回路基板
32 ペリフェラル基板電極
33 ソルダーレジスト
34 めっきレジスト
35 無電解Cuめっき層
36 Snはんだ層
37 Snはんだ層
41 回路基板
42 Cuめっきシード層
43 Cuめっき層
44,49 エッチングレジスト
45,50 ソルダーレジスト
46,48 Snはんだ層
47,51 Snはんだ層
61 回路基板
62 基板電極
63 錫を含むはんだ
64 ボンディング加熱ヘッド
65 シリンジ
66 アンダーフィル樹脂
71 半導体素子
72 金端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の実装面に設けられた複数の接続部導体パターンの間に、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜を設ける工程と、
前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだに置換する工程と、
前記置換した錫を含むはんだを溶融させて、前記接続部導体パターン間で分割するとともに前記接続部導体パターン表面に錫を含むはんだを厚付けする工程と
を有する回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記はんだに置換する工程において、錫を含む置換型無電解めっき浴を用いる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだに置換する工程が、金属膜の表面の一部を金属置換する第1の金属置換工程と、前記第1の金属置換工程より高温で前記金属膜の残部を金属置換する第2の金属置換工程とからなる請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記金属膜として、前記回路基板の配線パターンの形成過程で用いるめっきシード層を用いる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記接続部導体パターンの間に金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜を設ける工程が、接続パッド部以外の前記接続部導体パターンの表面をめっきレジストで覆った状態で金属膜を設ける工程である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
回路基板の実装面に設けられた複数の接続部導体パターンの間に、金属置換により錫を含むはんだに置換可能な金属膜を設ける工程と、
前記金属膜を金属置換により錫を含むはんだに置換する工程と、
前記置換した錫を含むはんだを溶融させて、前記接続部導体パターン間で分割するとともに前記接続部導体パターン表面に錫を含むはんだを厚付けする工程と、
前記錫を含むはんだを厚付けした接続部導体パターンと半導体素子に設けた接続端子とをフリップチップボンディングにより電気的に接続する工程と
を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−153744(P2010−153744A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333019(P2008−333019)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】