説明

回転多孔マスクアセンブリと薄膜形成システム

開口マスクアセンブリは、回転フレームと、開口を持つマスクとを包含する。マスクに張力を印加し、フレームにより規定される形状にマスクを適合させるのに、クランプ装置が使用される。フレームの軸に対して実質的に平行な方向に、及び/又はフレームにより規定される形状の周面において、マスクに張力が印加される。回転フレーム内に設けられた堆積源から発散される堆積材料は、マスク開口を通してウェブに堆積される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転開口マスクアセンブリと、ウェブベース基板に材料のパターンを堆積するためのシステムとに関連する。
【背景技術】
【0002】
開口マスク又はステンシルの使用により、材料のパターンがウェブベース基板に形成される場合がある。開口マスクは、ウェブと堆積源との間に配置される。堆積源からの材料は、基板へ送られ、マスクの開口を通過し、開口のパターンに対応するパターンを連続的にウェブ上に形成する。
【0003】
このようなパターンは様々な目的でウェブ上に堆積されることがある。一つの例を挙げると、マスクパターンを通して材料を続けて堆積して回路層を形成することにより、ウェブ上に回路が形成されることがある。開口マスクは、離散及び集積回路、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、その他を含む多様な回路及び電子デバイスを形成するのに、使用されてもよい。小さな幾何学形状の回路要素の形成は、ウェブと開口マスクとの正確な整合及び位置制御を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、これら及び他の必要性を満たし、先行技術を超える他の長所を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、開口マスクアセンブリに関連する。アセンブリは、回転フレームと、開口を有するマスクとを包含する。アセンブリはさらに、マスクに張力を印加し、フレームにより規定される形状にマスクを適合させる構造を持つクランプ装置を包含する。マスクの開口は、フレームの開口と整合されて、フレーム内の供給源から、フレームの外側に設けられたウェブへの堆積を可能にする。
【0006】
一つの実行例においては、フレームの形状は実質的に円筒形である。フレームは、二つの末端構造と、末端構造を連結する1つ以上のビームとを包含してもよい。クランプ装置は、フレームの軸に対して実質的に平行な軸に沿ってマスクに張力を印加し、及び/又はフレームの周面においてマスクに張力を印加するように構造を持ってもよい。
【0007】
一形態によれば、クランプ装置は、一つ又は両方の末端構造に配置された一つ以上のクランプを包含する。クランプは、マスクの端部を固定し、フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿ってマスクに張力を印加するのに使用される。
【0008】
別の形態によれば、クランプ装置は、クランプ要素とフレームとの間にマスクの端部を固定する構造を持つクランプ要素を包含する。この形態では、クランプ装置は、フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿ってマスクに張力を印加するように構造を持つ機構も包含する。
【0009】
クランプ装置は、末端構造の少なくとも一つの周辺に沿って配置されたクランプを包含してもよい。フレーム末端構造に沿って配置されたクランプは、マスクの端部を固定して、フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿ってマスクに張力を印加する。クランプ装置は、ビームの少なくとも1つに沿って配置されたクランプを包含してもよい。ビーム上のクランプは、マスクの末端部を固定し、フレームの周面においてマスクに張力を印加するのに使用される。クランプは、回転位置などクランプの位置を調節することにより、マスクに張力を印加するよう構造を持ってもよい。
【0010】
いくつかの実行例において、マスクは、開口を通した材料の堆積を可能にする開口を持つ可撓性ポリマーマスクである。
【0011】
発明の別の実施例は、堆積システムを必要とする。堆積システムは、少なくとも堆積領域を持つ室を包含する。回転フレームアセンブリが室内に設けられる。フレームアセンブリは、フレームと、一つ以上の開口を持つマスクとを包含する。フレームアセンブリは、マスクに張力を印加し、フレームにより規定される形状にマスクを適合させる構造を持つクランプ装置も包含する。ウェブ駆動機構が、室内に設けられ、堆積源に対してウェブを移動させて、堆積源からマスクの開口を通したウェブへの材料の堆積を可能にするような構造を持つ。ある実行例では、マスクはフレームから取り外し可能である。ある実行例では、フレームアセンブリは堆積室から取り外し可能である。
【0012】
堆積源はフレーム内に配置されている。フレームの開口は、マスクの開口と整合され、堆積源からマスク開口を通した材料の堆積を可能にする。堆積源は、電子ビーム堆積源、熱蒸着源、スパッタ陰極源、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)源を包含する蒸着源、他のタイプの供給源など、様々なタイプの源を備えてもよい。
【0013】
一つの実行例によれば、室は洗浄領域を包含する。この実行例では、室の堆積領域及び洗浄領域内においてフレームが回転する。洗浄領域内に配置された洗浄源は、フレームと開口マスクとを含む回転フレームアセンブリの洗浄を提供する。洗浄源は、フレームの内部領域に配置されてもよい。
【0014】
本発明の上記の要約は、本発明の各実施形態又はあらゆる実行例を説明するよう意図されたものではない。以下の発明を実施するための最良の形態及び請求項を添付図面とともに参照することにより、本発明がより完全に理解されるとともに、長所及び成果が明らかとなり、評価されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
例示された実施形態についての以下の説明では、実施形態の一部を成す添付図面が参照され、本発明が実施される様々な実施形態が実例として示される。本発明の範囲を逸脱することなく実施形態が利用され、構造的変更が行われることを理解されるべきである。
【0016】
本発明による堆積システム及び開口マスクアセンブリは、以下の実施形態で記載される一つ以上の特徴、構造、方法、及びその組合せを包含してもよい。例えば、後述する一つ以上の好都合な特徴及び/又はプロセスを包含するようにアセンブリ又はシステムが実行されてもよい。このようなアセンブリ又はシステムは、本明細書に記載されるすべての特徴を包含する必要はないが、有用な構造及び/又は機能性を提供する選択された特徴を包含するように実行されてもよいよう意図される。
【0017】
本発明の実施形態は、回転開口マスクを用いてウェブベース基板に材料のパターンを堆積するのに使用されるアセンブリ及びシステムを対象とする。ウェブベース基板は巻ロール状に構成されてもよく、コーティングのための長手方向面となるように送られてもよい。このような細長い基板をウェブと呼ぶのは業界では一般的である。図1Aは、開口マスク121を通してウェブへパターンを堆積するのに適した堆積システム100を例示する。システム100は、回転開口マスクアセンブリ110、ウェブ搬送システム120、及び堆積源140を包囲する堆積室102を包含する。ウェブ搬送システム120は、堆積プロセス中に堆積源140に対してウェブ101を移動させる。ウェブ101は、堆積システム100の残部へウェブ101を送る巻出しローラ105に配置される。この実施形態では、ウェブ101は、第1アイドラローラ106とフレーム108の周面の一部の周辺と第2アイドラローラ112とを移動し、巻取りローラ111により回収される。ウェブ搬送システムには様々な代替装置が可能であり、本発明の範囲内であると考えられる。
【0018】
図1Aの堆積システム100は、単室堆積システムを例示する。或いは、例示されたものと類似したシステムが多室堆積システムの一段階として使用されてもよい。このような代替装置では、巻出しローラ105の代わりに、ウェブ101が前の堆積段階から堆積システム100へ入ってもよい。巻取りローラ111の代わりに、ウェブ基板101が次の堆積段階のため堆積システム100から離れてもよい。
【0019】
フレーム108は、開口マスク121を支持し回転させるための回転ドラム又はスケルトン構造を包含する。フレーム108は少なくとも一つの開口を包含する。開口マスク121は、円筒形、矩形、八角形、又は他の形状であってよいフレーム108により規定される形状の周面と適合する。開口マスク121は、堆積材料によりウェブ101に形成されるパターンに対応する、一つ以上の開口のパターンを包含する。開口マスクパターンは、フレーム108の開口と整合されて、フレーム108の内部に配置された堆積源140からフレーム開口部及びマスク開口を通りウェブ101の面まで堆積材料を流すことを可能にする。
【0020】
様々な実行例では、フレーム108及びマスク121は、容量性、磁気、光学センサを用いて整合されてもよい。例えば、一つの実施形態では、マスク121上のマスク指標151及びフレーム108上のフレーム指標152を用いて、フレーム108上の位置に対して開口マスク121が整合される。フレーム108上の周知の位置に対してマスク121を配置するのに、マスク及びフレームの指標151、152の間の見当合わせが使用される。光検出器、カメラ、又は他のタイプの光学センサを備えてもよい一つ以上のマスクセンサ153は、フレーム108上の指標152をマスク121上の対応指標151に対して整合させるのに使用されてもよい。フレーム108及び/又はマスク121の指標151、152は、材料の堆積、開口又は空間を形成するための材料の除去、端部のトリミングなど識別可能な基準を設ける何らかのプロセスにより、及び/又は基準を形成するため材料の性質の物理的、光学的、化学的、磁気的、及び/又は他の性質を変化させることにより形成されてもよい。
【0021】
図1Aは、マスク121及びフレーム108の指標整合のための一つ以上のマスクセンサ153、例えばフォトダイオード/光検出器回路又はカメラなどの使用を例示する。この実行例では、少なくとも一つのマスクセンサ153がフレーム108の内部に配置されている。マスクセンサ153は、初期整合プロセス中に、マスク121の指標151をフレーム108の対応指標152と整合させるのに使用される。初期整合プロセスが、いくつかのマスク121上の指標151とフレーム108上の指標152の整合を必要とする閉じたループフィードバック制御を行うコンピュータにより、容易となってもよい。他の実施形態では、一つ以上のマスクセンサ153が、フレーム108の外側に付加的又は代替的に配置されてもよい。
【0022】
図1Aは、ウェブ101の位置を制御するのに使用されてもよい一つ以上のウェブセンサ160を例示する。ウェブ101の長手方向(機械方向)のタイミング又は伸び、及び/又はウェブ101の横方向(架橋ウェブ)配置は、ウェブセンサ160により検知されるウェブ101のマーキングを用いて達成されてもよい。ウェブマーキングは、周期的マーク、ライン、空間、トリミングウェブエッジ、又はウェブ101の位置を決定するのに使用される他の基準を含んでよい。周期的マークであり得る縦方向マーキングは、ウェブ101の縦ウェブ(down-web)長手方向位置を決定するのに使用されてよい。長手方向マーキングは、マスク121上のパターンと同期するウェブ101上のパターンの到着のタイミングを計って、すでにウェブ101に堆積されたパターンと開口マスクパターンとの間に正しい見当合わせを行うのに使用されてもよい。
【0023】
ウェブ101の余白の線又はトリミングウェブエッジであり得る横方向マーキングは、例えば、ウェブ101の横方向位置を制御するのに有用である。ウェブセンサ160は、横方向ウェブマーキング及び長手方向ウェブマーキングとを検出するための別々のセンサを包含してもよい。
【0024】
開口マスクアセンブリ110は、フレーム108により規定される形状の周囲の開口マスク121に張力を印加するのに使用されるクランプ装置130を包含する。一つの実施形態では、クランプ装置130は、一つ以上のマスクエッジクランプ131及び一つ以上のマスクエンドクランプ132を包含する。図1Aは、二つのエッジクランプ131及び一つのエンドクランプ132を例示するが、いかなる数のエッジクランプ131が使用されてもよい。一つの形態では、いくつかのエッジクランプ131がフレーム108の一つの末端部又は両末端部の周辺部に設けられる。一つの形態では、いくつかのエンドクランプ132がフレーム108の末端部の間に設けられた1つ以上のビームに沿って設けられる。
【0025】
マスク121への張力印加は、クランプ131、132の位置を調節することにより達成されてもよい。張力は、フレーム108の軸に対して実質的に平行な方向に、及び/又はフレーム108の周面において、マスク121に適用されてもよい。フレーム軸に対して実質的に平行な方向にマスク121に張力を印加することは、一つ以上のマスクエッジクランプ131の位置を調節することを必要としてよい。フレーム108の周面にマスク121に張力を印加することは、一つ以上のマスクエンドクランプ132の位置を調節することを必要としてよい。マスク121に張力を印加するためのクランプ131、132の調節は、手動で実施することができ、また一つ以上のクランプ131、132の位置を調節して所望のマスク張力及び指標位置を得るためドライバ及びフィードバックセンサを用いるコンピュータシステムの使用を必要としてもよい。このようなシステムでは、クランプ131、132の位置を調節して所望のマスク張力及び相対位置を得るために自動ドライバを制御するのに、マスク張力センサ及び/又はマスク指標センサ153からのフィードバック制御信号が使用されてもよい。自動ドライバはクランプ131、132に内蔵される必要はない。
【0026】
回転開口マスクアセンブリ110は、保守、洗浄、及び/又はフレーム108からマスク121を取り外して新しいマスク121を取り付けるために、堆積室102から取り外し可能であってよい。
【0027】
堆積源140はフレーム108内に配置される。図1Aに例示された形態では、堆積源140は、アイドラローラ106、112と反対に、堆積材料を下向きに噴射する。堆積材料が堆積源140から発散されると、堆積材料はフレーム108の開口マスクを経て121の開口を通る。堆積材料は、マスク121の開口のパターンに対応するパターンでウェブ101をコーティングする。シールド141は、円筒形フレーム108の頂点の所望の領域以外の位置での材料堆積を防止するのに使用されてもよい。シャッタ142は、ウェブ101からの供給源材料を阻止して、ウェブ101が堆積位置に接近する際の早期堆積を防止するのに使用されてもよい。アイドラローラ106、112、堆積源140、巻出し及び巻取りローラ105、111、及び/又は他の部品を包含する堆積システム100の構成要素が他の形態で配置されてもよいことは理解されるであろう。例えば、上向きに、又は図1Aに例示された下方向以外の軌跡に沿って堆積材料が噴射されるように堆積システム100が配置されてもよい。アイドラローラ106、112の他の位置、及び/又は巻出し及び巻取りローラ105、111も達成可能である。
【0028】
使用される堆積源140は、堆積プロセスのタイプ及び所望の堆積材料のタイプによって左右される。堆積源140は、液体又は気体の形で堆積材料を提供することができる真空又は非真空堆積源としての構造であってもよい。様々な実行例では、電子ビーム堆積、熱蒸着、スパッタリング、プラズマ強化化学蒸着を包含する化学的蒸気堆積、噴霧、印刷、又は他のタイプの堆積プロセスにより、堆積材料が堆積されてもよい。ある堆積システムでは、多数の堆積源が使用される。
【0029】
異なるタイプの堆積プロセス及び/又は異なるタイプの堆積材料に対応するため、堆積源140は堆積室102から取り外して交換されてもよい。例えば、堆積源140は、金属、金属酸化物、金属窒化物、又は半導体材料を堆積することを目的とするスパッタリング陰極、又はマグネトロンスパッタリング陰極であってもよい。別の実施例を挙げると、堆積源140は、有機物、金属、金属酸化物、金属窒化物、又は半導体材料の堆積を目的とする蒸着源であってもよい。
【0030】
図1Bは、マスクエンドクランプ132A〜Bにマスクを挿入することを可能にするフレーム108のスロット109が例示される回転開口マスクアセンブリ110の断面を示す。マスクエンドクランプ132A〜Bは、フレーム末端構造の間のビームに沿ってフレーム108の内部に配置されている。一つの実施形態では、開口マスク121の末端部121A〜Bはフレーム108のスロット109を通して挿入され、マスクエンドクランプ132A〜Bにより固定される。一つの実施形態では、マスクの第1末端部121Aがスロット109の一側面に配置されたクランプ132Aにより固定される。マスクの第2末端部121Bは、スロット109の別の側面に配置されたクランプ132Bにより固定される。
【0031】
ウェブ101及び/又は開口マスク121は、様々なタイプの材料で製作されてもよい。実施例は、帝人デュポンフィルム(DuPont Teijin Films)から購入できるカプトンなどのポリマー材料、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ステンレス鋼又は他の鋼などの金属箔材料、アルミニウム、銅、紙、織布又は不織布、又はコーティング面の有無に関わらない上記材料の組合せなどの高分子材料を含む。一つの実施形態では、ウェブ101に使用される材料は0.025mm(1ミル)の厚さを持つカプトンEである。
【0032】
開口マスクを介した堆積は、発光ダイオードディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの電子ディスプレイの回路、太陽電池アレイ、無線周波数識別(RFID)回路などの低コスト集積回路、又は薄膜トランジスタ(TFT)回路及び/又は有機発光ダイオード(OLED)構造などの薄膜構成要素を実行するいずれの回路の作成においても特に有用であることができる。本明細書に記載される堆積システムは、有機又は無機半導体を含む構成要素を包含する回路の形成に特に有用であり得る。図1Aに例示された堆積システム100などの堆積システムの使用は、これらの電子デバイス及び/又は他の電子デバイスのすべての層を堆積する可能性を提供する。レジスタ、ダイオード、コンデンサ、及び/又は電線で接続されたトランジスタの組合せを包含する回路要素及び/又は回路を形成するために、材料はウェブ101上に1層以上堆積されてもよい。
【0033】
電子回路の形成は一般的に、金属、絶縁体、誘電体、及び/又は半導体材料を包含する多層の材料のウェブへの堆積を必要とする。多層の堆積は、第1層材料によりウェブ101上に形成されるパターンと、第1層パターンの上に堆積される一つ以上の次の層との整合を必要とする。堆積システム100は、ウェブ101の長手方向及び/又は横方向の動きを制御し、堆積前にウェブ101とマスクパターンとの整合を達成するために使用されるいくつかのセンサ160(図1Aに図示)を包含してよい。ウェブ101の動きは、すでにウェブ101上に堆積されたパターンとマスクパターンとの間の整合を容易にするように調節されてよい。
【0034】
図1Cは、ウェブ101の横方向及び長手方向位置を制御すること、及びウェブ101とマスクとの間の正しい見当合わせを維持することを目的としてウェブ101上に設けられてよいマーキングの例を示す。これらのマーキングは予め設けられてもよく、堆積プロセスの段階中にウェブ101に追加されてもよい。
【0035】
この実施例で見られるように、横方向又はクロスウェブマーキングは、ウェブ上に形成される堆積パターンの位置から一定距離にあるライン103であってよい。ウェブ101の端部107は、線103、又はウェブ101上のいずれもの堆積パターンと正確な関係で設けられなくてもよい。しかし、この目的のためにトリミング又はマーキングされたウェブエッジが、ウェブ整合に使用されてもよい。横方向におけるライン103の位置の検知から、ウェブ101が正しい位置にあるかどうか、またはウェブ101を横方向に再整合するのにウェブ案内調節が必要であるかどうかが判断されることができる。
【0036】
この実施例にも見られるように、長手方向又は機械方向のウェブマーキングは、機械方向に相互に一定距離で離間した一連の周期的マーク104であってもよい。周期的マーク104の位置の検知から、所与の時点においてウェブ101がマスク上の堆積パターンに対して正しい長手方向位置にあるかどうかが判断されることができる。
【0037】
図1Dは、ウェブ101の位置制御システムの具体的実施形態を示す。この実施形態では、一つのセンサ162が横方向位置制御に使用されるのに対して、別のセンサ163が長手方向位置制御に使用される。図1Cに関連して記載されるように、ウェブ101は長手方向マーキング104及び横方向マーキング103を有する。ウェブ101が、巻出しローラ106及びアイドラローラ105の間を通過する際に、長手方向ウェブセンサ163が長手方向マーキング104を検知するのに対して、横方向ウェブセンサ162は横方向マーキング103を検知する。ウェブセンサ162、163は、例えば、光検出器回路を備える発光ダイオード(LED)又はカメラを用いて実行されてもよい。
【0038】
長手方向ウェブセンサ163からの出力は、ウェブ101の長手方向(機械方向)位置エラー165、つまりウェブ101の実際位置が予想された位置からどれくらいにあるかを判断するデータ獲得/画像処理ユニット164へ提供される。長手方向の位置エラー165は、ウェブの長手方向位置を調節して長手方向位置エラー165を減少させる能力を持つウェブ位置制御装置167へ出力される。
【0039】
横方向ウェブセンサ162からの出力は、データ獲得/画像処理ユニット164へ提供される。データ獲得/画像処理ユニット164は、ウェブの横方向位置166のエラー、つまり横方向マーキング103の実際位置が予想された位置からどれくらいにあるかを判断する。横方向又はクロスウェブ方向の位置エラー166は、ウェブの横方向位置を調節して横方向位置エラー166を減少させる能力を持つウェブ位置制御装置167へ出力される。
【0040】
図2A及び図2Bに示されているように、開口マスク210Aは、いくつかの開口214(開口214A〜214Eのみラベルを添付)を規定するパターン212Aが形成されている。開口マスク210Aは、端部220及び末端部230を包含し、端部220はマスク210Aの長手軸に対して実質的に平行であり、端部220はマスク210Aの横軸に対して実質的に平行である。
【0041】
図2Bにおける開口214A〜214Eの配列及び形状は、例示を目的として単純化され、用途及び回路レイアウトに従って多様な変更を受ける。パターン212Aは、回路層の少なくとも一部を規定し、一般にいずれものいくつかの異なる形状を取ってもよい。言い換えると、開口214は、開口マスク210Aを用いた堆積プロセスで作成される所望の回路要素又は回路層に応じて、いかなるパターンを形成できる。例えば、いくつかの類似サブパターン(サブパターン216A〜216Cにラベルを添付)を包含するものとしてパターン212Aが例示されているが、この点では本発明は限定されない。
【0042】
開口マスク210Aは、材料が開口214を通って基板へ堆積されて回路の少なくとも一部を規定する蒸気堆積プロセスなどの堆積プロセスで使用されることができる。好都合なことに、開口マスク210Aが、所望の材料の堆積と、同時に、所望のパターンでの材料の形成を可能にする。したがって、堆積の前又は後の別のパターン形成段階の必要がない。開口マスク210Aは、高密度回路の形成を可能にする小型回路特徴を堆積するために使用できる。開口マスク210Aは、堆積開口214のパターン212Aを規定するレーザ切除を用いることなどにより、ポリマーフィルムから形成されてもよい。堆積システムにおけるポリマーフィルム開口マスクの形成及び使用は、本明細書に参考として取り入れられている同一所有者の米国特許第6,897,164号、米国公開特許出願第2003/0151118号、及び米国特許出願第S/N11/179418号(2005年7月12日出願)にさらに記載されている。
【0043】
図3A及び図3Bは、本発明の実施形態に従って回転開口マスクアセンブリ300の構成要素を例示する。図3Aは、開口マスクのない開口マスクアセンブリ300のフレーム308及びクランプ装置340を例示する。図3Bは、開口のない取り付けられた開口マスク330を備えた開口マスクアセンブリ300を例示する。この実施形態では、開口マスクアセンブリ300は、中空フレームを形成するビーム320、321、323により連結された二つのフレーム末端構造310、311を包含する。一つのフレーム末端構造310は、開口マスクアセンブリ300を回転させる駆動機構(図示せず)に連結するための固定具301を包含する。別のフレーム末端構造311は、マスクアセンブリ300の内部への及び内部からの堆積源(図示せず)の挿入及び取り外しを可能にするような構造を持つ一つ以上の開口302を包含する。
【0044】
開口マスク330(図3Bに示す)は、この実施例では円筒形であるフレーム308により規定される形状に適合する。マスク330の開口は、堆積材料をフレーム308の内部の供給源から発散してウェブに到達することを可能にするために、フレーム308の開口360と整合される。開口マスク330は、マスクに張力を印加するクランプ装置340により保持される。クランプ装置340は、一つ又は両方のフレーム末端構造310、311の周辺に沿って配置された一つ以上のエッジクランプ341を包含し、フレーム308の軸309に対して実質的に平行な方向に沿ってマスクに張力を印加する。エッジクランプ341は、開口マスク330の端部を固定するような構造を持つ。フレーム末端構造310、311は、ガスマニホルド(図示せず)と流体接続状態にある穴350を包含してもよい。穴350を通したアルゴンその他の不活性ガスなどのガスの適用は、マスク取付中の末端構造310、311上へのマスク330の配置を容易にする。
【0045】
図3Aに例示されているように、クランプ装置340は、開口マスク330の末端部を固定する一つ以上のエンドクランプ342も包含する。エンドクランプ342は、開口マスク330の周辺経路に沿ってフレーム308の周面の開口マスク330に張力を印加するのに使用される。一つの実施形態では、2つのビーム321、323は、フレーム308の内部へのスロット322を形成するように配置されている。少なくとも1つのビーム323は、エンドクランプ342を支持する。開口マスク330の末端部は、スロット322を通して挿入されてクランプ342により保持される。一つの実施形態では、第1組のエンドクランプ342は、第1ビーム323に対して配置されてスロット322を形成する。第2組のエンドクランプ(図示せず)は、第2ビーム321に対して配置されてスロット322を形成する。第1組のクランプ342は、開口マスク330の第1末端部を固定するのに使用され、第2組のクランプ(図示せず)は開口マスク330の第2末端部を固定するのに使用される。
【0046】
図3Cは、図3A及び図3Bに関連してすでに記載した開口マスク330及びクランプ装置340の平面投影図を例示する。マスク330は、マスク330の端部332及び/又は末端部333に沿って延出部352A〜352Dを包含してよい。マスク330の端部332は、エッジクランプ341により固定される。マスク330の末端部333は、エンドクランプ342により固定される。
【0047】
延出部352A〜352Dは、マスク330を伸張させて、過剰な歪みなしでパターンエリア331に適切な張力を印加するのに使用される。ある実行例では、マスク330のメイン十字形状膜は、例えば、ポリイミドに接着又は積層された金属又はプラスチックの裏材を包含してもよい。一つの実行例では、パターンエリア331は、エッチングなどにより裏材が除去されている。
【0048】
一つの実施形態では、マスク330は、約1ミルの厚さを持ち、パターンエリア331の外側の延出部352A〜352D上に金属めっきが施されたポリイミドである。延出部352A〜352Dへの金属めっきは、固定を容易にし、より均一な応力分布を提供し、パターンエリア331から熱の導出を提供する。代替実施形態では、マスク330は金属めっきを包含しない。
【0049】
各延出部352は、パターンエリア331の端部付近に設けてもよいスリットなどの一組の歪み防止特徴354を包含してもよい。歪み最小化特徴は、伸張中にパターンエリア331の歪みを減少させることにより、開口マスク330のより正確な伸張を容易にできる。歪み最小化特徴354の様々な形態としては、スリット、穴、穿開口、肉薄エリアなどが挙げられる。
【0050】
図4A及び図4Bは、本発明の一つの実施形態に従ってフレーム末端構造405上に取り付けられたエッジクランプ400及びエンドクランプ420の側面図を例示する。開口マスクアセンブリが、クランプ400の形態を持ついくつかのクランプを包含してもよいことを理解すべきである。クランプ400は、レール406上に取り付けられたベアリングブロック464を介してフレーム末端構造405に連結される。ベアリングブロック464は、レール406に沿って摺動し、末端構造405の周辺に沿ってクランプ400の位置を調節することを可能にする構造を持つ。末端構造の周辺に沿ったクランプ400の位置調節は、フレームフレーム開口に対するマスク401の整合を行うことを提供し、及び/又はアセンブリ全体が回転する時にマスク401の螺旋状の整合を許容誤差範囲内に維持することを提供する。
【0051】
クランプ400は、開口マスク401の端部を把持する構造を持つ第1及び第2クランプ爪410及び420を包含する。図4Aに例示された実施形態では、第1クランプ爪410は第2クランプ爪420から分離可能である。マスク401は、第1クランプ爪410と第2クランプ爪420の間に挿入される。マスク401の挿入後、第1及び第2クランプ爪410、420は、ねじ461、462又は他の装着装置により連結されてもよい。
【0052】
クランプ400は、ヒンジピン416を包含するヒンジ470によりベアリングブロック464に装着される。クランプ400は、ヒンジピン416の周囲で回転可能である。マスクが、クランプ爪410、420に把持されると、点線輪郭451で示されているように、クランプ400の角(θ)変位が調節されてもよい。クランプ400の角変位は、大きなマスク張力の制御を提供する。例えば、マスク張力は約0.1%ひずみと約0.6%ひずみの間に維持されてもよい。
【0053】
ある実行例では、ヒンジピン416の周囲でのクランプ400の回転は、止めねじ463を回すことなどにより手動で調節されてもよい。他の実行例では、ねじ付きロッド又はボルトなどの調節機構に連結されたギヤモータ又は他のタイプのアクチュエータ(図示せず)を用いて、マスク401での張力が調節されてもよい。ギヤモータ又はアクチュエータは、調節中のマスク張力及び/又は位置を動的に測定するのに使用されるセンサからのフィードバックに基づいて、ヒンジピン416の周囲でのクランプ400の回転を変化させてもよい。開口マスク401は、張力を正確に監視及び制御するためのマスク指標の位置フィードバックを可能にするように設計されることができる。
【0054】
クランプ400の角度位置は、例えば、ヒンジ470を通して挿入された第2クランプ爪420と接触する止めねじ465を用いて固定されてもよい。フレーム末端構造405の周辺に沿ったクランプ400の位置は、例えば、ベアリングブロック464を通して挿入された止めねじ466の使用、及びレール406又はフレーム末端構造405と接触することによって固定されてもよい。
【0055】
図5は、開口マスク(図5には図示せず)の末端部を保持するのに使用されてもよいエンドクランプ530の代表的な形態をより詳細に例示する。図5は、フレーム末端構造510及びビーム521を包含するフレーム508の一部を示す。エンドクランプ530は、レール506に取り付けられたベアリングブロック564を介してビーム521に連結されている。ベアリングブロック564は、レール506に沿って摺動し、ビーム521に沿ってクランプ530の位置を調節できるような構造を持つ。ビーム521に沿ったクランプ530の位置調節は、フレーム及びフレーム開口に対してマスクを適切な整合のために提供される。
【0056】
開口マスク(図5には図示せず)の末端部は、ビームの間のスロットを通して挿入され、エンドクランプ530により把持される。エンドクランプ530は、開口マスクの末端部を把持する構造を持つ第1及び第2クランプ爪511及び520を包含する。ある実施形態では、図5に例示された代表的な実施形態など、第1クランプ爪511は第2クランプ爪520から分離可能であるが、完全に分離可能な爪を包含しないクランプ装置も想定されてもよい。マスクは、第1クランプ爪511と第2クランプ爪520の間に挿入される。マスクの挿入後、第1及び第2クランプ爪511、520はねじ562を介して一緒に締結されてもよく、又は他の装着装置を用いて一緒に連結されてもよい。
【0057】
ベアリングブロック564は、ヒンジピン516が挿入されるヒンジ支持体570を持つヒンジを包含する。各クランプ530は、それぞれのヒンジピン516の周囲を個別に回転可能である。クランプ爪511、520によりマスクが把持されると、マスク張力を調節するためクランプ530が回転されてもよい。クランプ530の回転は、本明細書に記載されるように手動又は自動で実施されてもよい。クランプ530の回転は、止めねじ563を用いて手動で達成されてもよい。クランプ530の角変位は、ヒンジ支持体570を通して挿入されてクランプ530と接触する止めねじ565を用いて固定されてもよい。ビーム521に沿ったクランプ530の位置は、例えば、ヒンジ支持体570を通して挿入されてレール506又はビーム521と接触する止めねじ566を用いて固定されてもよい。
【0058】
図6A及び図6Bは、様々な実施形態に従ってマスククランプを容易にするためマスクエンドクランプ及び/又はマスクエッジクランプに使用されてもよい当接面を例示する。図6Aに例示された一つの実施形態では、エッジ及び/又はエンドクランプは、確実な固定を強化するため摩擦面を包含する。当接面632、633の表面粗さは、当接面632、633と開口マスク680との間の摩擦接触を補強を提供して、マスク680の確実な固定をもたらす。図6Aは、クランプの第1及び第2爪631、623のそれぞれの当接面632、633を示す。この実施形態では、第1及び第2爪631、623の当接面632、633は、例えば、必要量の表面粗さを提供するため一つ又は両方の爪631、623に層を塗布又は形成することにより、表面加工される。
【0059】
ある実施形態では、表面粗さは、アクリレートベースの接着剤又は他のタイプの接着剤などの接着剤を介して一つ又は両方のクランプ爪631、623の面に接着されたサンドペーパーを用いて達成されてもよい。サンドペーパーは、開口マスクに開口を開けないのに十分な大きさの単位面積当たりのグリッド数を持つべきである。他の実施形態では、必要な表面粗さは、微細複製加工、研削、エンボス加工などを経て、一つ又は両方のクランプ爪631、623の面を表面加工することにより達成されてもよい。
【0060】
図6Bは、マスク680を確実に固定するため相補特徴652、653の間に開口マスク680を嵌合する構造を持つ相補特徴652、653を包含する当接面642、643を持つ第1及び第2爪641、624を例示する。図6Bに例示された相補特徴652、653は、矩形キー652及びスロット653を包含するが、他の形態の捕捉特徴も可能である。
【0061】
ある実施形態では、接着剤により、或いはねじ又はリベットなど他の装着機構によりマスクをフレームに固定することを必要とする。図6Cでは、マスク680は、接着剤635の層によりフレーム625の面に固定されている。図6Dでは、ねじ699を用いてフレーム626の面にマスク680が固定されている。マスクをフレームに装着する様々な方法が考えられてもよく、本発明の範囲内であると見なされる。
【0062】
図7は、別の実施形態に従って、開口マスクの取り付けられていない回転開口マスクアセンブリ700を例示する。開口マスクアセンブリ700は、フレーム末端構造711、712及びビーム740を備えるフレーム710を包含する。一つのフレーム末端構造712は、シャフト770に装着される。シャフト770は、駆動機構(図示せず)と開口マスクアセンブリ700との間に連結されて、駆動機構による開口マスクアセンブリ700の回転を可能にする。この実施形態では、クランプ要素とフレームの末端構造712との間にマスクを固定するのにエンドキャップ721、722などのクランプ要素が使用される。
【0063】
この実施形態の開口マスクアセンブリ700は、凹状領域723を包含するエンドキャップ721及び722を包含する。フレーム末端構造711は、エンドキャップ721の凹状領域723内側に嵌着する。フレーム末端構造712は、エンドキャップ722の凹状領域723に嵌着する。エンドキャップ722及びフレーム末端構造712は、開口マスクの第1端部を固定する構造を持つマスクアセンブリ700の一末端部においてマスククランプ装置を形成する。フレーム末端構造712がエンドキャップ722の凹状領域723内側に嵌着すると、開口マスクの第1端部がエンドキャップ722とフレーム末端構造712との間に固定される。エンドキャップ722のリップ726は、フレーム末端構造712の外面727に嵌着する。
【0064】
マスクアセンブリ700の反対末端部において、エンドキャップ721及びフレーム末端構造711は、開口マスクの第2端部を固定するのに使用されるマスククランプ装置を形成する。エンドキャップ721の凹状領域723内側にフレーム末端構造711が嵌着すると、開口マスクの第2端部がエンドキャップ721とフレーム末端構造711との間に固定される。エンドキャップ721のリップ724は、フレーム末端構造711の外面725に嵌着する。マスククランプ装置は、また、追加クランプ力を提供するため、ホースクランプなどの調節可能バンド(図示せず)を一つ又は両方のエンドキャップ721、722の周面に包含してもよい。エンドキャップ721、722の凹状領域723の内面及び/又はフレーム末端構造712、711の外面727、725は、図6A〜6Dに関連して説明した表面補強など、マスクの確実な固定を容易にする表面補強を包含してもよい。
【0065】
フレーム710及びフレーム末端構造711、712の周辺にマスクを巻き付けることにより、マスクの固定が達成される。エンドキャップ721及び722は、フレーム末端構造711、712及びマスクのエッジに密着して、マスクのエッジを所定箇所に固定する。エンドキャップ721、722、及びフレーム末端構造711、712の穴753〜756を通して挿入されるロッド751は、マスクアセンブリ構成要素の整合を維持する。
【0066】
フレームの軸790に沿ったマスクでの張力は、フレーム末端構造711、712の間の距離を長くすることによって調節されてもよい。一つの実施形態では、アクセス穴780を通して挿入される調節ボルト(図示せず)を回すことにより、マスク張力が増減する。調節ボルト及びフレーム末端構造711、712は、調節ボルトの締め付けがフレーム末端構造711、712の両方と対向する軸力を発生させて、開口マスクアセンブリ700を軸方向に伸張させ、それによりフレーム710の軸790に対して実質的に平行にマスクに張力を印加するように配置されてもよい。
【0067】
図7Aに例示された実施形態では、フレーム末端構造711、712での切欠き761に挿入されるピン760によりマスクエンドクランプ装置が形成される。マスクの両末端部はピン760に折り畳まれ、ピン760が切欠き761に挿入される。エンドキャップ721、722が、フレーム末端構造711、712に嵌着してピン760を切欠き761にロックし、それによりマスクの両末端部を所定箇所に固定する。
【0068】
堆積プロセスは、マスク及び/又はフレーム上に堆積材料を大量に蓄積させ、結果としてマスク及び/又はフレームの洗浄または処分を必要としてもよい。図8は、本発明の実施形態に従って開口マスクアセンブリ810を洗浄するための機構を包含する堆積システム800を例示する。システム800は、堆積室871及び洗浄室872を含む二区画室870を包含する。開口マスクアセンブリ810の一部分が堆積室871内に位置している間、開口マスクアセンブリ810の別の部分が洗浄室872内に位置するように、開口マスクアセンブリ810は堆積及び洗浄室871、872内で回転890する。開口マスクアセンブリ810は、少なくとも一つの開口を持つ回転フレーム808を備える。フレーム808により規定される形状と適合可能な開口マスク821は、上述したように一つ以上の開口エッジクランプ装置及び一つ以上の開口エンドクランプ装置を含むクランプ装置により張力を印加される。
【0069】
マスク821の開口は、フレーム808の開口と整合されて、フレーム808内に配置された堆積源840からの材料の堆積を可能にし、フレーム808の開口を通してウェブ基板801をコーティングする。
【0070】
図8に例示された形態では、開口マスクアセンブリ810の同時使用及び洗浄が可能である。堆積室871に位置する開口マスクアセンブリ810の部分は、堆積プロセスに使用されるのに対して、洗浄室872に位置する開口マスクアセンブリ810の部分は、可能であれば同時に洗浄される。開口マスクアセンブリ810が回転890すると、洗浄済み部分が堆積室871へ移動し、使用された部分が洗浄室872へ移動する。
【0071】
堆積室871は、ウェブ搬送システム820及び堆積源840を包囲している。前述したように、ウェブ搬送システムは、堆積プロセス中にウェブ801を堆積源840に対して移動させる。ウェブ801を堆積システム800の残部へ運ぶ巻出しローラ805にウェブ801が配置される。この実施形態では、ウェブ801は、第1アイドラローラ806を越え、回転フレーム808の周面の一部の周囲を通り、第2アイドラローラ812を越え、巻取りローラ811によって回収される。
【0072】
洗浄室872は、プラズマエッチング源、イオンビームエッチング源、反応エッチング源、蒸着源、加熱源、他の洗浄源などの洗浄源850を包囲する。堆積室871と洗浄室872の一つ又は両方が真空にされてもされなくてもよい。各室871、872で異なる真空レベルが維持されてもよい。
【0073】
本発明の様々な実施形態についての前述の説明は、例示と説明を目的として提示されたものである。包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。上記の教示を考慮すれば、多くの変形及び変更が可能である。例えば、本発明の実施形態は、多種多様な用途で実行されてよい。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ添付の請求項により限定されるものとする。
【0074】
本発明は、様々な修正及び代替形態が可能であるが、その詳細は例として図面に描かれ、詳細に説明される。しかし、記載される特定の実施形態に本発明が限定される意図がないことを理解されるべきである。逆に、本発明は、添付の請求項により規定される本発明の範囲に含まれるすべての変形、等価な形態、及び代替形態を対象とすることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】本発明の実施形態に従って回転開口マスクアセンブリを用いたウェブにパターンを堆積するのに適した堆積システム。
【図1B】本発明の実施形態に従ってウェブの末端部をフレームに挿入してエンドクランプにより固定するのに使用されるフレームのスロットを例示する、開口マスクアセンブリの断面図。
【図1C】本発明の実施形態に従ってウェブの横方向及び長手方向の位置を制御するためウェブに設けられたウェブマーキングの例。
【図1D】本発明の実施形態に従ってウェブの位置制御システムのブロック図。
【図2A】本発明の実施形態に従って堆積システムで利用されてもよい開口マスク。
【図2B】本発明の実施形態に従って堆積システムで利用されてもよい開口マスク。
【図3A】本発明の実施形態に従って開口マスクのないマスクアセンブリ。
【図3B】本発明の実施形態に従って開口マスクがクランプ装置に取り付けられた後の図3Aのマスクアセンブリ。
【図3C】本発明の実施形態に従って開口マスク、エンドクランプ、及びエッジクランプとの平面投影図。
【図4A】本発明の実施形態に従ってマスクエッジクランプの端面図。
【図4B】本発明の実施形態に従ってマスクエッジクランプの断面図。
【図5】本発明の実施形態に従ってマスクエンドクランプの形態例。
【図6A】本発明の実施形態に従ってエンドクランプ及び/又はエッジクランプに使用される当接面。
【図6B】本発明の実施形態に従ってエンドクランプ及び/又はエッジクランプに使用される当接面。
【図6C】本発明の実施形態に従ってフレームに塗布される接着剤によるフレームへのマスクの装着。
【図6D】本発明の実施形態に従ってねじ又はリベットによるフレームへのマスクの装着。
【図7】本発明の実施形態に従ってクランプ装置にエンドキャップを使用するマスクアセンブリ。
【図8】本発明の実施形態に従ってマスクアセンブリを洗浄するための機構を包含する堆積システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転フレームと、
開口を持つマスクと、
前記マスクに張力を印加し、前記フレームにより規定される形状に前記マスクを適合させる構造を持つクランプ装置と、
を備える装置。
【請求項2】
前記フレームが実質的に円筒形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クランプ装置が、前記フレームの周面において前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記クランプ装置が、前記フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿って、前記フレームにより規定される形状となるように前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記クランプ装置が、前記フレームの周辺で、かつ、前記フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿って、前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記フレームが、
二つの末端構造と、
該二つの末端構造を連結する一つ以上のビームと、
を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記クランプ装置が、前記二つの末端構造の少なくとも一つに配置された少なくとも一つのクランプを備え、該少なくとも一つのクランプが、前記マスクの端部を固定し、前記フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿って前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記クランプ装置が、
前記二つの末端構造の一つとの間に前記マスクを固定する構造を持つクランプ要素と、
前記フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿った前記マスクに対して、張力を印加する構造を持つ機構と、
を備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記クランプ装置が、前記二つの末端構造の少なくとも一つの周辺に沿って配置された複数のクランプを備え、前記複数のクランプが、前記マスクの端部を固定し、前記フレームの軸に対して実質的に平行な方向に沿った前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記クランプ装置が、前記クランプの位置を調節することによって、前記マスクに張力を印加する構造を持つ少なくとも一つのクランプを備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記位置が回転位置である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記クランプが、前記マスクと接触する構造を持つ面を備え、前記面が、前記マスクの確実な固定を強化する構造を持つ一つ以上の特徴付けられた面を包含する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記クランプ装置が、前記ビームの少なくとも一つに沿って配置された少なくとも一つのクランプを含み、前記少なくとも一つのクランプが、前記マスクの末端部を固定し、前記フレームの周辺において前記マスクに張力を印加する構造を持つ、請求項6に記載の装置。
【請求項14】
前記マスクが可撓性ポリマーマスクである、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記マスクの前記開口が、該開口を通した材料の堆積を可能にする構造を持つ、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
堆積領域を包含する室と、
前記室内に設けられた回転フレームアセンブリであって、
フレームと、
一つ以上の開口を持つマスクと、
前記マスクに張力を印加し、前記フレームにより規定される形状に前記マスクを適合させる構造を持つクランプ装置と、
を備えるフレームアセンブリと、
前記堆積領域内に設けられた堆積源と、
前記堆積源に対してウェブを移動させ、前記堆積源から前記マスクの前記開口を通して前記ウェブへの材料の堆積を可能にする構造を持つウェブ駆動機構と、
を備えている堆積システム。
【請求項17】
前記堆積源が前記フレーム内に配置され、前記フレームの開口が前記堆積源から前記マスクを通した前記材料の堆積を可能にする、請求項16に記載の薄膜形成システム。
【請求項18】
前記堆積源が、電子ビーム堆積源、熱蒸着源、スパッタ陰極源、蒸気堆積源、又は液体堆積源とのうち少なくとも一つを備えている、請求項16に記載の薄膜形成システム。
【請求項19】
前記マスクが前記フレームから取り外し可能である、請求項16に記載の堆積システム。
【請求項20】
前記フレームアセンブリが前記室から取り外し可能である、請求項16に記載の堆積システム。
【請求項21】
前記室が洗浄領域をさらに含み、前記回転フレームが前記室の前記堆積領域及び前記洗浄領域内で回転する構造を持つ、請求項16に記載の堆積システム。
【請求項22】
前記洗浄領域内と前記フレーム内に配置された洗浄源をさらに含む、請求項21に記載の堆積システム。
【請求項23】
回転フレームと、
前記フレーム及び前記開口を通した材料の堆積を可能にする構造を持つ開口を有するマスクと、
前記マスクに張力を印加し、前記フレームにより規定される形状に前記マスクを適合させるための手段と、
を含む開口マスクアセンブリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−522448(P2009−522448A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548529(P2008−548529)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/046683
【国際公開番号】WO2007/078556
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】