説明

回転式切換バルブ、切換バルブ装置、充填包装体製造装置及び充填包装体製造方法

【課題】簡単な構造で、所定量の流動物を流した後に、流路を切り換え、別の流動物を所定量流すことができる回転式切換バルブを提供すること、および、包装体の所定長さ毎に異なる内容物を充填した包装体を工業的に製造する充填包装体製造装置および方法を提供すること。
【解決手段】回転体形の空間が形成され、該空間に開口し、流動物を導入する2以上の導入流路104とを有する筐体102と、前記空間に嵌入され、前記回転体の軸廻りに回転することにより導入流路と連通して前記流動物が流入する受配流路132を有する中子130とを備える回転式切換バルブ100。筐体102は、流量調整用のリング120と筐体本体110とで構成されるとよい。また、帯状フィルムの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムを成形する縦接合装置と、筒状フィルムに上記の回転式切換バルブを介して内容物を充填する充填装置とを備える充填包装体製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式切換バルブ、切換バルブ装置、充填包装体製造装置及び充填包装体製造方法に関し、特に、回転することにより流路を切り換え、複数の流路からの流動物を同じ流路に導く回転式切換バルブおよび切換バルブ装置、並びに所定長さ毎に異なる内容物を包装する充填包装体製造装置および充填包装体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状に形成されたフィルムに内容物を充填し、横断方向にシールしたフィルム包装体は、従来より、食品分野を初めとして広く用いられている。例えば、魚肉ソーセージやハムなどがその代表例である。包装体の内容物が所定長さ毎に異なるとすると、いろいろな食味を楽しめたり、彩り豊かな包装体にすることができたりと、その用途が広がりを持つことは想像に難くなく、かかる包装体を工業的に製造する方法の開発が望まれている。
【0003】
一方、従来から、異なる流動物を送るために流路を切り換える切換バルブは知られている。特に円筒を回転させて流路を切り換える回転式切換バルブは、操作し易い切換バルブとして知られている。従来の回転式切換バルブでは、円筒型の弁体を、あるいは、円筒を囲む弁座に相当する筐体を所定角度回転させることにより、流路の切換を行っている(例えば、特許文献1〜7)。
【0004】
【特許文献1】特公昭46−15060号公報(第3、6図)
【特許文献2】特公昭47−21677号公報(第4図)
【特許文献3】特公昭47−46937号公報(第1、2頁、第1〜5図)
【特許文献4】特開昭49−93929号公報(第2、3頁、第1〜5図)
【特許文献5】特開昭53−132823号公報(第2、3頁)
【特許文献6】特開平01−21277号公報(第8、9頁)
【特許文献7】特開2001−289338号公報(第4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の回転式切換バルブの構造は、例えば上記の魚肉ソーセージ、ハム、チョコレート、チーズ、バター、ゼリー状食品、ピザに用いるサルサソースなどの粒状固形物を含む流動物からなる食品などのような内容物に用いるには、内容物(流動物)の粘性が高いため、構造が複雑で不適当であったり、あるいは、所定量の内容物(流動物)を流した後に切り換えるのためにその回転を時間制御しなければならず短時間での切り換えが困難であったりするものであった。そこで本発明は、簡単な構造で、所定量の流動物を流した後に、流路を切り換え、別の流動物を所定量流すことができる回転式切換バルブを提供することを目的とする。また、該回転式切換バルブを備えることにより、包装体の所定長さ毎に異なる内容物を充填した包装体を工業的に製造する充填包装体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る回転式切換バルブは、例えば図1に示すように、回転体形の空間が形成され、該空間に開口し、流動物を導入する2以上の導入流路104を有する筐体102と;前記空間に嵌入され、前記回転体形の軸廻りに回転することにより導入流路104と連通して前記流動物が流入する受配流路132を有する中子130とを備える。
【0007】
このように構成すると、中子が回転することにより、受配流路と連通した導入流路からの流動物だけが流れ、受配流路と連通していない導入流路からの流動物は流れない。したがって、簡単な構造で、流路を切り換え、異なる流動物を流す回転式切換バルブとなる。なお、流動物とは、液体、気体を含む液体、またはスラリー、粉体もしくは粒状固形物、またはこれらの混合物からなり、配管のような流路を流すことができる物体をも含むものとする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、例えば図1に示すように、請求項1に記載の回転式切換バルブ100において、筐体102の導入流路104が、前記空間に開口する位置で、前記回転体形の円周方向に長い長孔122として形成されている。
【0009】
このように構成すると、導入流路と長孔とが連通している間は、流動物が流れることになる。そこで、中子を回転させて、流動物を所定量流すことは、長孔の前記円周方向の長さで調整することができ、容易となる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、例えば図1に示すように、請求項2に記載の回転式切換バルブ100において、2以上の導入流路104に形成された長孔122は、第1の円周方向の長さの長孔122(a)と、第1の円周方向の長さとは異なる第2の円周方向の長さの長孔122(b)とを備える。重複するが、請求項2に記載の回転式切換バルブ100を用いる、請求項3に記載の発明に係る回転式切換バルブについて述べる。例えば図1に示すように、2以上の導入流路104に形成された長孔122は、第1の円周方向の長さの長孔122(a)と、第1の円周方向の長さとは異なる第2の円周方向の長さの長孔122(b)とを備える。
【0011】
このように構成すると、長孔の円周方向の長さが異なるので、異なる所定量の流動物を流すことができる回転式切換バルブとなる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、例えば図1に示すように、請求項2または請求項3に記載の回転式切換バルブ100において、筐体102が、長孔122が形成されている部分であるリング120と、長孔122以外の導入流路112が形成されている筐体本体110とを備える。重複するが、請求項2または請求項3に記載の回転式切換バルブ100を用いる請求項4に記載の発明に係る回転式切換バルブについて述べる。例えば、図1に示すように、筐体102は、長孔122が形成されている部分であるリング120と、長孔122以外の導入流路112が形成されている筐体本体110とを備える。
【0013】
このように構成すると、長孔の円周方向の長さが異なる複数のリングを用いることにより、流動物の所定量を容易に変えることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ100において、中子130が、一定の回転速度で回転するように構成されている。すなわち、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転式切換バルブを用いる請求項5に記載の発明に係る回転式切換バルブについて、中子130が、一定の回転速度で回転するように構成されている。
【0015】
このように構成すると、中子の回転速度が一定の回転速度であるので、中子を回転させるための構成が単純となり、回転式切換バルブ自体を、あるいは、中子を回転させるための動力や制御装置などを小型化、軽量化でき、複雑な制御も不要となり、製造コストも安くなる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、例えば図3に示すように、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ150において、筐体160は、導入流路162を3以上有し;受配流路172、174が、同時に2以上の導入流路162と連通するように構成されている。重複するが、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ150を用いる請求項6に記載の発明に係る回転式切換バルブについて述べる。例えば、図3に示すように、筐体160は導入流路162を3以上有し、また受配流路172、174が同時に2以上の導入流路162と連通するように構成されている。
【0017】
このように構成すると、同時に異なる流動物を流すことができ、回転式切換バルブでの流動物の切換によりバリエーションをもたらすことが可能となる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明に係る回転式切換バルブは、例えば図4に示すように、請求項1乃至請求項6に記載の回転式切換バルブ200において、2以上の導入流路212、214の前記空間に開口する位置が、前記回転体形の軸方向(矢印L)の異なる位置に形成されている。重複するが、請求項1乃至請求項6に記載の回転式切換バルブ200を用いる請求項7に記載の発明に係る回転式切換バルブについて述べる。例えば図4に示すように、2以上の導入流路212、214の前記空間に開口する位置が、前記回転体形の軸方向(矢印L)の異なる位置に形成されている。
【0019】
このように構成すると、中子を回転体の軸方向にも移動させることにより、より多くの導入流路からの異なる流動物を、流路を切り換えて流すことができる回転式切換バルブとなる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明に係る回転式切換バルブでは、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ100において、中子130が回転している間に、受配流路132が導入流路104のいずれとも連通していない状態が存在するように構成されている。重複するが、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ100を用いる請求項8に記載の発明に係る回転式切換バルブについて述べる。例えば図1に示すように、中子130が回転している間に、受配流路132が導入流路104のいずれとも連通していない状態が存在するように構成されている。
【0021】
このように構成されると、流動物を流さない時間が存在する、回転式切換バルブとなる。
【0022】
前記目的を達成するため、請求項9に記載の発明に係る切換バルブ装置は、例えば図5に示すように、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ31と;中子130(図1参照)を回転させる駆動装置33とを備える。
【0023】
このように構成すると、駆動装置により中子が回転し、受配流路と連通した導入流路からの流動物だけが流れ、受配流路と連通していない導入流路からの流動物は流れない。したがって、簡単な構造で、流路を切り換え、異なる流動物を流す切換バルブ装置となる。
【0024】
前記目的を達成するため、請求項10に記載の発明に係る充填包装体製造装置は、例えば図5に示すように、帯状フィルムFの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムF1を成形する縦接合装置13と;筒状フィルムF1に請求項9に記載の切換バルブ装置31・33を介して流動物C、Dを充填する充填装置30とを備える。
【0025】
このように構成すると、切換バルブ装置を備えることにより、所定長さ毎に異なる流動物を充填した、すなわち所定長さ毎に異なる内容物を包装する包装体を工業的に製造する充填包装体製造装置を提供することができる。
【0026】
前記目的を達成するため、請求項11に記載の発明に係る充填包装体製造方法は、例えば図5に示すように、帯状フィルムFの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムF1を成形する工程と;筒状フィルムF1に請求項9に記載の切換バルブ装置31・33を介して流動物C、Dを充填する工程とを備える。
【0027】
このように構成すると、切換バルブ装置を備えることにより、所定長さ毎に異なる流動物を充填した、すなわち所定長さ毎に異なる内容物を包装する包装体を工業的に製造する充填包装体製造方法を提供することができる。
【0028】
前記目的を達成するため、請求項12に記載の発明に係る充填包装体製造方法は、例えば図6に示すように、帯状フィルムの側縁部を重ね合わせてシールし筒状フィルムを成形する縦シール工程(ステップSt1〜2)と;筒状フィルムに流動物を充填する充填工程であって、流路が形成された回転体を回転させて(ステップSt13)該流路を介して第1の導入流路と筒状フィルム内で開口するノズルとを連接して、第1の流動物を第1の導入流路から筒状フィルムに充填する第1充填工程(ステップSt3)と、第1充填工程(ステップSt3)に続いて、回転体を回転させて(ステップSt13)前記流路を介して第1の導入流路とは異なる第2の導入流路とノズルとを連接して、第2の流動物を第2の導入流路から筒状フィルムに充填する第2充填工程(ステップSt14)とを、少なくとも有する充填工程と;流動物が充填された筒状フィルムに対して、筒状フィルムの長手方向に所定間隔毎の充填された流動物の不在部を扁平に形成するしごき工程(ステップSt5)と;不在部に、長手方向に間隔を持つ二つの位置で不在部を横断する線状のシールを行う、若しくは、該二つの位置の間にわたり不在部を横断する帯状のシールを行うシール工程(ステップSt6)とを備える。
【0029】
このように構成すると、充填工程が第1の流動物を第1の導入流路から充填する第1充填工程と、第1充填工程に続いて第2の流動物を第1の導入流路とは異なる第2の導入流路から充填する第2充填工程とを、少なくとも有するので、包装体の所定長さ毎に異なる流動物を充填した、すなわち所定長さ毎に異なる内容物を包装する包装体を工業的に製造する充填包装体製造方法となる。また、流路が形成された回転体を回転させつつ該流路を介して、第1の導入流路とあるいは第1の導入流路とは異なる第2の導入流路と、ノズルとを連接することで第1の流動物あるいは第2の流動物を充填するので、容易に第1の流動物と第2の流動物とを充填することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る回転式切換バルブによれば、回転体形の空間が形成され、該空間に開口し、充填される流動物を導入する2以上の導入流路とを有する筐体と、前記空間に嵌入され、前記回転体形の軸廻りに回転することにより導入流路と連通して前記流動物が流入する受配流路を有する中子とを備えるので、中子が回転することにより、受配流路と連通した導入流路からの流動物だけが流れ、受配流路と連通していない導入流路からの流動物は流れず、よって、簡単な構造で、流路を切り換え、異なる流動物を流す回転式切換バルブとなる。また、筐体の導入流路が、前記空間に開口する位置で、前記回転体形の円周方向に長い長孔に形成されていると、長孔の円周方向の長さを変えることで流れる流動物の量を調整することができ、流動物を容易に所定量流すことができる。さらに詳細には、前記回転体形の円周方向に長い長孔について、円周方向に長くすることにより受配流路と連通する時間が長くなり、その時間に応じてより多くの流動物を流すことができる。
【0031】
また、本発明に係る切換バルブ装置によれば、上述の回転式切換バルブと中子を回転させる駆動装置とを備えるので、簡単な構造で、流路を切り換え、異なる流動物を流す切換バルブ装置となる。また、本発明に係る充填包装体製造装置によれば、帯状フィルムの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムを成形する縦接合装置と、筒状フィルムに本発明に係る切換バルブ装置を介して内容物を充填する充填装置とを備えるので、所定長さ毎に異なる内容物を充填した包装体を工業的に製造することができる。また、本発明に係る充填包装体製造方法によれば、帯状フィルムの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムを成形する工程と、筒状フィルムに本発明に係る切換バルブ装置を介して内容物を充填する工程とを備えるので、所定長さ毎に異なる内容物を充填した包装体を工業的に製造することができる。
【0032】
また、本発明に係る充填包装体製造方法によれば、帯状フィルムの側縁部を重ね合わせてシールし筒状フィルムを成形する縦シール工程と、筒状フィルムに流動物を充填する充填工程であって筒状フィルムに第1の流動物を第1の導入流路から充填する第1充填工程であって、流路が形成された回転体を回転させつつ該流路を介して第1の導入流路と筒状フィルム内で開口するノズルとを連接して充填する第1充填工程と、第1充填工程に続いて筒状フィルムに第2の流動物を第1の導入流路とは異なる第2の導入流路から充填する充填工程であって回転体を回転させつつ流路を介して第2の導入流路とノズルとを連接して充填する第2充填工程とを、少なくとも有する充填工程と、流動物が充填された筒状フィルムに対して筒状フィルムの長手方向に所定間隔毎の充填された流動物の不在部を扁平に形成するしごき工程と、不在部に長手方向に間隔を持つ二つの位置で不在部を横断する線状のシールを行う若しくは該二つの位置の間にわたり不在部を横断する帯状のシールを行うシール工程とを備えるので、包装体の所定長さ毎に異なる流動物を充填した、すなわち所定長さ毎に異なる内容物を包装する包装体を工業的に製造する充填包装体製造方法となり、また、容易に第1の流動物と第2の流動物とを充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0034】
図1に、本発明の第1の実施の形態である、回転式切換バルブ100の構成図を示す。(a)は中子130の回転軸を含む平面における側面断面図であり、(b)は、(a)のA−A矢視図である、すなわち、中子130の回転軸に垂直な平面における水平断面図である。回転式切換バルブ100は、内部に空間を有する筐体102と、筐体102の空間に嵌入された中子130とを備える。
【0035】
筐体102は、図1(b)に示されるように、外部から空間へ流動物を導入する導入流路104を複数有しており、マニフォールドブロックとも呼ばれる。中子130が嵌入され回転軸廻り(図中、矢印R方向)に回転でき、中子130の回転する外周面と密着して接するように、筐体102の内部の空間は、回転体形をしている。図1において、中子130を図示する部分である筐体102の内部が、筐体102の空間である。
【0036】
筐体102は、回転式切換バルブ100の外部から流動物を導入するために、放射状に複数形成されている導入流路104を有する。各導入流路104には、筐体102の外部から配管(不図示)が連接し、それぞれ流動物を送り込む。導入流路104が筐体102を貫通して前記空間に開口する位置において、導入流路104は、中子130が回転する円周方向に長い、長孔122を形成する(図1(b)参照)。各長孔122は、円周方向の長さが均一に形成されたり、異なって形成されたりする。図1(b)に示すように、回転式切換バルブ100では、長孔122(a)、(c)、(e)、(g)を短く、長孔122(b)、(d)、(f)、(h)を長く形成している。
【0037】
なお、図1の回転式切換バルブ100では8本の導入流路を備えているので、各導入流路を区別して表すときには(a)〜(h)の添え字を添え導入流路104(a)〜104(h)と表記し、区別する必要のないときにはそのまま導入流路104と表記する。また、長孔も、各長孔を区別して表すときには長孔122(a)〜122(h)と表記し、区別する必要のないときには長孔122と表記し、長孔以外の導入流路も、各導入流路を区別して表すときには導入流路112(a)〜112(h)と表記し、区別する必要のないときには導入流路112と表記する。添え字(a)〜(h)は、各導入流路104と、対応する長孔122および長孔以外の導入流路112で同一のものを用いる。
【0038】
筐体102は、図2の断面図に示すリング120と、筐体本体110とで構成されている。リング120は、導入流路104が空間に開口する位置で長孔122となっている部分が形成されている比較的薄い円筒形の部品である。リング120を、筐体本体110と別体とすることで、筐体本体110はそのままで、リング120だけを取り替えることにより、長孔122の長径である、円周方向の長さを変えることができる。長孔122の円周方向の長さについては、後に詳しく説明する。筐体本体110とリング120とが一体で形成された筐体102であってもよい。
【0039】
リング120は、周方向には、長孔122の深さと同じ幅を有し、高さh(図1における中子130の回転軸方向)は、図2(b)のB矢視図に示すように、長孔122の短径より長く形成される。この高さhは、例えば、リング120と中子130との間で流動物のシール性が保てるのに必要な高さとする。リング120の材質は、筐体本体110と同じ材質で形成されてもよく、あるいは異なる材質で形成されてもよく、例えば、鋼、真鍮などの金属材料、あるいはプラスチック材料などでもよい。特に、中子130の回転により中子130との間で摩擦を生ずるので、摺動性があり、摩耗の小さな材料が好適である。硬質プラスチック材料、四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)、炭素系複合材またはステンレス鋼をより好適に用いることができる。
【0040】
筐体本体110は、中子130を収納する。中子130は、軸周りに回転するように筐体本体110により支えを受けると共に、リング120を所定の位置に収納する。筐体本体110に形成された複数の長孔以外の導入流路112(以降、単に「導入流路112」という。)は、リング120に形成してなる長孔122と連通する。筐体本体110は、図1では、一体で形成されているかのように図示されているが、例えばリング120を収納する面で上下(中子130の回転軸方向。以降、図面中の上・下を単に「上」・「下」と記載する。)に2つに分割され、リング120および中子130を所定の位置に配した後に、例えばボルトで締結することにより一体とされている。筐体本体110の材質は、リング120と同様の材質から選定され、鋼、真鍮などの金属材料、あるいはプラスチック材料でもよく、これらには限られない。
【0041】
中子130は、一軸周りに回転する回転体形、より詳しくは、円筒形を組み合わせた形状をしており、筐体102に嵌入され、不図示の動力源からの回転力により回転する。ここで、中子130が筐体102に嵌入されているとは、大きな空隙がなく、中子130が筐体102の空間に配置されていることをいう。ただし、例えば、中子130が、次に述べるように動力源から回転力を受けるために、筐体102から外部へ延伸する部分において、空隙146が形成されているように、部分的に空隙が形成されていても、「嵌入されている」の概念に含まれる。中子130は、中子130の回転軸と同心の動力伝達軸134が筐体102から外部に延伸し、例えばモータなどの動力源、あるいは、プーリ、ギアなどの動力伝達装置を介して動力源に接続される。動力源および動力伝達装置は、回転力を動力伝達軸134に伝えることができればよく、周知の種々の方法を用いることができる。これらを総称して、駆動装置という。回転式切換バルブ100と駆動装置とで、切換バルブ装置を構成する。中子130の材質は、筐体本体110と同様の材質から選定され、鋼、真鍮などの金属材料、あるいはプラスチック材料でもよく、これらには限られない。また、筐体本体110と同じ材質でも異なる材質でもよく、例えば、動力伝達軸134は高強度の金属で形成し、他の部分を硬質プラスチックまたは炭素系複合材で形成するなど、中子130が複数の材質で形成されてもよい。
【0042】
中子130には、長孔122と連通する受配流路132が形成されている。典型的には、受配流路132は、筐体本体110に形成された導入流路112と同じ断面を有する。受配流路132は、回転体形状の中子130の外周面で長孔122に連通し、半径方向内向きに形成され、回転軸方向に向きを変え、中子130の動力伝達軸134と反対側の端部(図1(a)の下端部)に開口する。典型的には、開口する位置は、中子130の回転軸と同心とするのが好ましい。同心とすることにより、開口の位置が、中子130の回転により動かないので、下流側の配管などとの接続がし易くなる。しかし、開口の位置を回転軸と同心にしなくてもよい。
【0043】
中子130は、動力伝達軸と反対の側に長く形成された支え部分138を有している。支え部分138は、長孔122と接する外周より細く形成される。支え部分138を有することにより、中子130の回転時の振れ回りを抑え易くなるが、支え部分138はなくてもよい。あるいは、支え部分138を有せずに、長孔122と接する外周の部分など、中子130の外周と筐体102とが接する長さを長く形成することにより、触れ回りを抑えることができる。なお、支え部分138を細く形成することにより、回転する中子130と筐体102との接面での相対速度が小さくなり、摩擦が小さくなり、さらに中子130の回転慣性が小さくなるので、小さな回転力で中子130を回転させることができる。
【0044】
筐体本体110は、支え部分138を収納する部分に突起114を有し、支え部分138の受配流路132の開口部分に連接する、受配流路より断面積の大きな開口116を有している。開口116には、配管(不図示)が挿入され、受配流路132と連接し、回転式切換バルブ100からの流動物を下流側に流送する。
【0045】
中子130と筐体本体110との間に、軸受140が配設される。軸受140は、中空円板形のシリコン系軸受あるいはベアリングなどであり、中子130が筐体102内でスムースに回転するように中子130を支える。軸受140は、回転軸に関して相対する2面(上下面)で中子130を支えるのが、回転軸方向の移動や歳差運動を防ぐので好ましい。筐体102と中子130の材質が、摩擦が少なく、かつ、摺動性があり、摩耗の小さな材料であれば、軸受140はなくてもよい。
【0046】
中子130は、リング120と接する部分だけが大きな径で形成されている。このように形成することで、長孔122の長さを大きくとることができると共に、軸受140を小さくすることができる。さらに、リング120の高さhを長孔122の短径より長く、リング120と中子130との間でシール性を保つのに必要な最小高さとすることで、リング120とシール性を持って接触する部分を小さくできるので、高精度の加工を要する部分を少なくすることができる。しかし、中子130の形状は、上述に限られず、図3あるいは図4に示すように、より単純な円筒の組み合わせでもよく、また、円錐形状を含んでいても、球形状でもよく、回転体形状をしていればよい。
【0047】
次に、図1を参照して、回転式切換バルブ100の作用について説明する。各導入流路112には、それぞれ配管が接続し、流動物が送り込まれてくる。典型的には、隣接する導入流路112には異なる流動物が送り込まれる。導入流路112に送り込まれた流動物は、長孔122に流入する。長孔122は基本的に、その外周側の面を筐体本体110で覆われ、その内周側の面を中子130の外周面で覆われている。そこで、長孔122に流動物が充満する。
【0048】
中子130が回転することにより、受配流路132は、隣接する長孔122と順次連接する。すなわち、例えば長孔122(a)と連接し、次に、長孔122(b)と連接し、次に長孔122(c)と連接する。受配流路132が長孔122(a)に連接すると、長孔122(a)に充満した流動物は、受配流路132に流れる。流動物が長孔122(a)から受配流路132に流れると、導入流路112(a)から流動物が送り込まれ、長孔122(a)は常に流動物で充満した状態を保つ。あるいは、導入流路112(a)から送り込まれる流動物の流量が、受配流路132に流れる流量より少ないときには、一時的に充満した状態ではなくなるが、長孔122(a)が空になることはなく、少なくとも受配流路132が長孔122(a)に連接している間は流動物が連続的に流れる。受配流路132に流れた流動物は、開口116に挿入された配管(不図示)を通じて外部へ送られる。続いて、受配流路132は長孔122(b)に連接し、長孔122(b)に充満した流動物が、受配流路132を流れた後、開口116に挿入された配管(不図示)を通じて外部へ送られる。このように、中子132を回転させ、受配流路132が順次長孔122(a)〜(h)と連接することにより、それぞれ対応する導入流路112(a)〜(h)に送り込まれる流動物が、順次、開口116に挿入された配管(不図示)を通じて外部へ送られることになる。このように、流動物の流れる流路は、単純な形状をしているので、粘性の高い流動物であっても流れる。
【0049】
中子130は一定の回転速度で回転するように構成することが好ましい。一定の回転速度とは、厳密でなくてよく、回転速度を変化させる構成を有さずに回転させるという意味である。すなわち、回転させるための構造が単純になり、回転速度を変化させるための構造あるいは制御が不要となる。しかし、用途によっては、回転速度を変化させてもよく、あるいは、間歇的に回転する構成としてもよく、そのように構成することで、一つの回転式切換バルブ100を用いて流動物の流れる量の調整を容易に行うことができる。この回転速度を大きくすると流動物の流れが細分化され、この回転速度を小さくすると流動物の流れの区分は大きくなる。例えば、容器に充填する複数種類の充填物を回転式切換バルブ100を用いて充填するときには、この回転速度を大きくすると細分化され区分化された充填物が得られ、この回転速度を小さくすると大きく区分化された充填物が得られる。
【0050】
長孔122から流れる流動物の量は、長孔122と受配流路132とが連接している時間に比例するので、中子130が一定の回転速度で回転していると、長孔の円周方向の長さにほぼ比例することになる。厳密には、受配流路132の周方向の長さ、すなわち円形断面であれば直径や、長孔122の両端の形状等にも影響されるが、ここでは、説明の簡単化のため、長孔の円周方向に比例するものする。そこで、長孔122の円周方向の長さを変えることにより、流動物が流れる量を容易に調節することができる。例えば、図1(b)に示すように、長孔122(a)、(c)、(e)、(g)を短く、長孔122(b)、(d)、(f)、(h)を長く形成することにより、長孔122(a)、(c)、(e)、(g)に送り込まれる流動物を少なく、長孔122(b)、(d)、(f)、(h)に送り込まれる流動物を多くすることができる。
【0051】
中子130が回転することにより受配流路132の筐体102側の開口が移動する面には、長孔122だけではなく、長孔122同士の間の壁が存在する。例えば図1(b)あるいは図2(a)の断面図でハッチを用いて示されている箇所である。この壁に受配流路132の開口が位置していると、受配流路132は導入流路104に連通していない状態となり、受配流路132には流動物が流れ込まないことになる。壁を薄く、すなわち、受配流路132が一の長孔122との連接が終わり、次の長孔122と連接するまでの時間を短くする、あるいは、一の長孔122との連接が終わる前に、次の長孔122と連接するようにすることにより、この流動物が受配流路132に流れ込まないことの影響は無視できる程度となり、隣接する導入流路112に送り込まれる流動物が連続的に回転式切換バルブ100から流れ出ることになる。しかし、この壁を円周方向に長く形成すると、受配流路132に流動物が流れ込まない有意な時間が生じ、回転式切換バルブ100から流れ出る流動物にも空隙が生ずることになる。用途によっては、このように、流動物が流れていない時間(領域)を有して、流動物を回転式切換バルブ100から送り出すことが可能となる。
【0052】
中子130の受配流路132が形成されている外周と、リング120との接触面は、接しているので、長孔122から中子130とリング120との間の隙間に漏れる流動物はほとんどなく、影響は無視できる。しかし、より密に接触させ、中子130とリング120との間の隙間に漏れる流動物を減らすために、間に耐摩耗性のあるシール材を配置してもよい。また、中子130の受配流路132が開口する他端である下端部において、筐体本体110と接触するが、その接触箇所において、O−リングなどのシール部材142を間に挿入すると、シール性を向上させることができるが、シール部材142はなくてもよい。
【0053】
次に、図3を参照して、回転式切換バルブの変形例を説明する。図3(a)は、回転式切換バルブ150の中子170の回転軸を含む面での断面図、(b)は、図3(a)のA−A断面図である。図3では、回転式切換バルブ150を、リングや軸受などを有さない簡単な構成で示しているが、図1に示す回転式切換バルブ100と同様にリングや軸受などを有する構成としてもよく、逆に、図1に示す回転式切換バルブ100が回転式切換バルブ150と同様の構成を有してもよい。中子170は、2本の受配流路172、174を有する。このように2本の受配流路172、174を有することにより、同時に2つの導入流路(長孔以外の導入流路)162、長孔163に送り込まれる流動物を下流側に流すことができる。受配流路172、174は、中子170の回転する軸に対して互いに180°離れた位置に開口しているが、開口する位置は、互いに180°離れていなくても良い、また、受配流路の数は、2本に限られず、3本以上であってもよい。また、受配流路172、174はそれぞれ別に筐体160の下部に形成された、配管を挿入する空間166に開口しているが、中子170中で、受配流路172、174が1本にまとまり、受配流路172を流れる流動物と受配流路174を流れる流動物とが一緒にされてもよい。
【0054】
また、図3(b)に示すように、導入流路162は、長孔163の円周方向の中央ではなく、端部に連接している。図1(b)に示すように導入流路112が長孔122の円周方向の中央に連接してもよいが、流動物の粘性によっては、受配流路172、174が連接し始める側(上流側)に連接したほうが、流動物が均一な流量で受配流路172、174に流れ込み易くなる。
【0055】
続いて、図4を参照して、回転式切換バルブの別の変形例を説明する。図4(a)は、筐体210に形成される導入流路(長孔以外の導入流路)212、214が、一平面上になく、二段に配置された回転式切換バルブ200の、中子220の回転軸を含む平面での断面図である。回転式切換バルブ200は、回転式切換バルブ150と同様に簡単な構成で示しているが、リングや軸受を有してもよい。導入流路は、図4(a)における上段の導入流路214と長孔215および下段の導入流路212と長孔213を有するが、中子220に形成される受配流路222は1本である。そこで、中子220に対し、筐体210に形成される空間219は、中子220の回転軸の方向に長く形成され、中子220が回転すると共に軸方向(上下方向)Lに移動できる構成となっている。ただし、中子220が下に移動したときには、上段の長孔215は、空間219に開口することなく、長孔215の内周面は中子220の外周で覆われている。また、中子220が上に移動したときには、下段の長孔213は、空間219に開口することなく、長孔213の内周面は中子220の外周で覆われている。よって、長孔213、215からは受配流路222にだけ流動物が流れることになり、空間219に流動物が流れ出ることがない。
【0056】
このように、導入流路212、214と長孔213、215を2段に配置し、中子220が回転軸方向Lに移動し、受配流路222が上段の長孔215と連接する位置と、下段の長孔213と連接する位置とを、例えば1回転毎に変えながら回転することにより、より多くの種類の流動物を所定の流量で流すことが可能となる。あるいは、異なる流動物を所定の流量で、あるいは所定の空隙を持って流す流れ方に対応した長孔215を上段に形成し、別の流れ方に対応した長孔213を下段に形成することにより、一の回転式切換バルブ200で異なる流れ方を実現することが可能となる。長孔213、215は、それぞれ平面上に配置されていなくてもよく、例えば、中子220が回転しながら回転軸の方向に移動したときに、受配流路222の開口部が描く軌跡(たとえば、正弦波状)に配置してもよい。また、長孔213、215は2段に形成されるとしたが、3段以上に形成されてもよい。
【0057】
図4(b)は、筐体240に、導入流路(長孔以外の導入流路)242、244と長孔243、245が2段に配置され、受配流路252、254も2段に配置された回転式切換バルブ230の、中子250の回転軸を含む平面での断面図である。回転式切換バルブ230は、回転式切換バルブ150と同様に簡単な構成で示しているが、リングや軸受を有してもよい。回転式切換バルブ230では、回転式切換バルブ200とは異なり、中子250は回転軸方向に移動しない。2本の受配流路252、254が、2段に配置された長孔243、245と、それぞれ連接することにより、異なる流動物が同時に流れるようになる。回転式切換バルブ230では、2本の受配流路252、254が受配流路252を内管に、受配流路254を外管にする二重管構造となっており、導入流路242に導かれ長孔243から送り込まれた流動物を内側に、導入流路244に導かれ長孔245から送り込まれた流動物を外側として、2種類の流動物が同時に回転式切換バルブ230の下流側に送られることになる。2本の受配流路252、254は、図3に示す回転式切換バルブ150の受配流路172、174のように別々に回転式切換バルブ230の下流側に送られてもよいし、中子250の途中で受配流路252、254が1本にまとまり、受配流路252を流れる流動物と受配流路254を流れる流動物とが一緒にされてもよい。
【0058】
続いて、図5の構成図を参照して、本発明の第2の実施の形態である充填包装体製造装置1について説明する。図5(a)は、充填包装体製造装置1の全体構成を示す構成図であり、図5(b)は、集束装置71、二次シール装置76及び切断装置としてのカッター81の構成を説明する部分斜視図である。図5(a)の紙面上の上下は実際の鉛直方向の上下に対応し、後述の筒状フィルムF1は図中、上から下に流れるように走行する。すなわち、上が充填包装作業における筒状フィルムF1の走行方向の上流側、下が走行方向の下流側となる。ロール状に巻かれた帯状のフィルムFは、原反21として回転自在に支持されている。原反21から引き出された帯状フィルムFは、ガイドローラ22A、22Bに案内されて走行し、フォーミングプレート11に導かれる。この原反21とガイドローラ22A、22Bにより原反供給装置20が構成されている。帯状フィルムFの材質は、加熱溶着させるため塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましく、他のオレフィン系樹脂でもよい。また、帯状フィルムは単層としても多層としてもよい。
【0059】
フォーミングプレート11は、上下に開口する円筒形状を有している。また、周方向の一箇所で縦方向に延びる円周方向の隙間をもっている。フォーミングプレート11の上端縁は湾曲傾斜しており、帯状フィルムFは、その内面に沿うように案内されることにより側縁部で重ね合わせ部を持つ連続筒状フィルムF1に形成される。フォーミングプレート11の下流側である下方には、案内筒12が垂下され、筒状フィルムF1はその筒状の形を保ったまま下流に走行案内される。
【0060】
案内筒12に案内された筒状フィルムF1の重ね合わせ部は、縦接合装置13により、押圧されながら溶着され、縦接合される。縦接合装置13による溶着手段は超音波溶着が好適であるが、これ以外にも抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いることができる。また、縦接合は、いわゆる合掌貼りシールであってもよいし、封筒貼りシールであってもよい。
【0061】
包装体製造装置1の上部には、縦接合された筒状フィルムF1に流動物である内容物C、Dを充填する充填装置30が設けられている。充填装置30は、内容物Cと、内容物Dとを所定量毎に筒状フィルムF1に充填する構成となっている。そこで、内容物Cを貯留する貯留槽35と、内容物Dを貯留する貯留槽37とを備え、二つの貯留槽35、37から、それぞれ配管36、38が回転式切換バルブ31に接続している。回転式切換バルブ31は、例えば、図1に示す回転式バルブ100と同様のものであり、例えば、配管36は、回転式切換バルブ31の周囲でマニホールドを構成し、図1に示す導入流路112(b)、112(d)、112(f)、112(h)に連接し、配管38は、回転式切換バルブ31の周囲でマニホールドを構成し、図1に示す導入流路112(a)、112(c)、112(e)、112(g)に連接する。あるいは、回転式切換バルブ31は、2本の導入流路だけが形成され、それぞれの導入流路に配管36、38が連接してもよい。なおここでは、内容物Cの充填量を多く、内容物Dの充填量を少なくし、一の包装体に内容物Cが3層、内容物Dが2層だけ充填されるものとして、図示する。この場合、典型的には、円周方向に長い内容物Cの流動する長孔が3個、円周方向に短い内容物Cの流動する長孔が2個形成されている回転式バルブを用いる。回転式切換バルブ31の動力伝達軸は、モータ33と接続し、中子(不図示)が回転し、回転式切換バルブ31は内容物Cと内容物Dとを交互に送り出す構成となっている。すなわち、回転式切換バルブ31とモータ33とで切換バルブ装置を構成している。なお、動力伝達軸は、プーリやギア、あるいは減速機などを介して、モータなどの動力源と接続してもよい。なお、内容物C、Dによっては、貯留槽35、37から重力流れで内容物C、Dを流すのではなく、ポンプ等の流体機械を用いてもよい。あるいは、貯留槽35、37を回転式切換バルブ31より下方に設置し、流送機械を用いて内容物C、Dを圧送してもよい。
【0062】
回転式切換バルブ31は、その下方にノズル32が接続される。すなわち、回転式切換バルブ31から送り出される内容物C、Dはノズル32に流れる。ノズル32は、その先端が案内筒12内へ導入されている。ノズル32の先端は、縦接合装置13より下流側で開口している。この開口するノズル先端の断面形状は、円、楕円、正方形、長方形、扁平形状等を適当に用いることができる。案内筒12及びノズル32の下流側に、送り装置である送りローラ14が設けられている。送りローラ14では、縦接合された筒状フィルムF1内に内容物C、Dが充填された筒状体15aを、一対の円柱状の送りローラ14が内容物C、Dを押圧した状態でフィルムを下方へ連続して挟圧搬送する。
【0063】
送りローラ14の下流側には、しごき装置40が設けられている。しごき装置40のしごきローラ41は、図5において紙面に垂直方向に延びる筒状外面を有し、その直角方向の長さは少なくとも折り幅よりも長いものであり、腕体42により支持されている。なお、「折り幅」とは筒状体15aを扁平にしたときの幅、言い換えれば筒状体15aの円周長の半分の長さをいう。腕体42はその一端42aを中心に揺動可能で、中間部でピン等を介して横部材43が接続されている。一対の横部材43が近接方向に移動すると、一対のしごきローラ41により筒状体15aは挟圧される。横部材43が離間方向へ後退すると、しごきローラ41は筒状体15aを挟圧することはなくなる。このように、走行する筒状体15aに走行方向で所定の距離だけ内容物C、Dの不在部15bを形成する。しごき装置40は、筒状体15aに内容物C、Dの不在部15bを扁平に形成できればよく、ローラに限られず、例えば、平らな部材で筒状体15aを両側から押しつぶし、内容物を上下に振り分けるようなものであってもよい。このような押しつぶしも、ここで言う「しごき」の概念に含まれるものとする。
【0064】
しごき装置40の下流側には、一次シールを行う横接合装置61が設けられている。横接合装置61は、不在部15bの面の両側で互いに対向する超音波ホーン62とアンビル63を有する。アンビル63の、超音波ホーン62に対向する対向面は平坦である。一方、超音波ホーン62は、不在部15bの幅方向に延びる二つの平行な突起部62aを有している。このように構成された超音波ホーン62とアンビル63とは互いに近接し、超音波ホーンの二つの突起部62aがアンビル63の対向面との間で不在部15bを挟圧すると共に、超音波ホーン62が超音波エネルギーを放出することにより、不在部15bに二つの位置X1、X2で線状の一次シールを施す。超音波ホーン62とアンビル63との対向面の形状は、上記に限られず、例えば、超音波ホーン62の対向面62aもアンビル63の対向面と同様に平坦な形状として、ほぼ不在部15bの長さと同等な幅の帯状の一次シールを施してもよい。なお、溶着手段としては超音波溶着が好適であるが、これ以外にも抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いてもよい。
【0065】
横接合装置61の下流側には集束接合装置70が設けられている。集束接合装置70は集束装置71と二次シール装置76とからなる。集束装置71は二次シール装置76の上下を挟むように配置されている。図5(a)では、横接合装置61と集束接合装置70とが同じ向きに記載されているが、実際は集束接合装置70は横接合装置61と直交する向き(図5(a)の紙面に垂直方向)に配置される。
【0066】
図5(b)の詳細斜視図に示すように、集束装置71は、平行な集束板72、73を二次シール装置76の上下に有しており、扁平なフィルムの幅方向にフィルムを挟んで対向した集束板72、73は、互いに近接し、次いで離れる往復動をする。前述の通りに、この往復動は横接合装置61の往復動とは直交した方向で行われる。集束板72、73には、フィルム側の対向縁にV字状の集束溝が形成されている。対向する集束板72、73が近接したときには、左右の集束板72、73が重なり、それぞれのV字溝の溝底同士で、一つの小さな空間を形成する。V字溝の溝底にU字状の切り欠きを形成すれば、集束板72、73が近接したときに、U字の底同士で円形の空間が形成されるので、好適である。
【0067】
二次シール装置76は、超音波ホーン77とアンビル78が、フィルムを挟んで、対向して配置されている。超音波ホーン77は、集束板72、73の対向面と平行に延び、横接合装置61の超音波ホーン62の二つの突起部62aの間隔の内側に入る、平行な二つの突起部77aを有している。超音波ホーン77とアンビル78とは、二つの突起部77aがアンビル78の対向面78aとの間で不在部15bを挟圧するとともにフィルムを溶着して、集束板72、73で集束された不在部に二つの位置Y1、Y2で線状の二次シールを、二つの一次シールの間(X1とX2の間)に、施すように、互いに近接し、次いで離れる往復動をする。もっとも、不在部15bは既に一次シールにより扁平に形成され集束されているので、二次シールの線の長さはごく短い。なお、二次シールは、シール効果のない単なる溶着でもよい。また、線状に限らず湾曲した超音波ホーン77とアンビル78により溶着してもよく、あるいは、超音波溶着以外の抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段でもよい。また、集束された不在部15bを丁度囲い込むような二つの凹状部材又は一つの凹状部材と凹部を蓋する蓋部材で、集束された不在部15bの二つの位置Y1、Y2間全体を溶着するようにしてもよい。
【0068】
二次シール装置76中のアンビル78の高さの中間位置には、カッター81が設けられている。カッター81は板状であり、切断されるフィルム(不在部15b)が存在する側に鋭利な刃部が設けられている。カッター81も、二次シール装置76及び集束装置71と同様に、往復動をする。そこで、二次シール装置76、集束装置71及びカッター81は、共通の駆動装置(不図示)により駆動する構成とするのが、構成が単純化されて好ましい。ただし、集束板72、73が互いに近接し、超音波ホーン77とアンビル78とが不在部15bを挟圧した後に、カッター81がフィルムを切断する位置に動くような構成とする。
【0069】
また、横接合装置61、二次シール装置76、集束装置71及びカッター81は、筒状体15aが下方に送られるのと同じ速さで下方に移動しつつ、不在部15bを挟み込み一次シール及び二次シールを施し、切断した後、不在部15bを開放して上の位置に戻る、いわゆる「拝み運動(ボックスモーション)」をするのが好ましい。そこで、横接合装置61、二次シール装置76、集束装置71及びカッター81とが、共通の上下に移動する架台(不図示)上に設置されると、構成が簡単になる。
【0070】
続いて、図5に示す本発明の第2の実施の形態である充填包装体製造装置1を用いた包装体の製造について説明する。帯状フィルムFは原反21から所定の速度で引き出され、ガイドローラ22A、22Bにより所定の張力をかけられて、走行案内され、フォーミングプレート11に到達する。
【0071】
フォーミングプレート11に到達した帯状フィルムFは、側縁部で重ね合わせ部を持つ筒状に形成され、縦接合装置13によって重ね合わせ部が溶着される。このようにして、縦接合された筒状フィルムF1が形成される。この筒状フィルムF1内には、充填装置30のノズル32から内容物Cと内容物Dが交互に充填される。交互に充填されることにより、図5(a)に示すように、内容物C、Dが筒状フィルムF1の中で、長手方向において層となって充填される。内容物C、Dが充填された筒状体15aは、送りローラ14によって下流側へ搬送される。一対の送りローラ14は、筒状体15aを局部的に押しつぶすように挟圧して搬送するが、押しつぶされた筒状体15aは、送りローラ14の位置を通過した後は内容物C、Dによる内圧により元の筒形に復帰する。
【0072】
筒状体15aは、一対のしごきローラ41により間けつ的に所定の長さにわたり挟圧され、内容物C、Dのない不在部15bが所定の間隔をもって形成される。横接合装置61の超音波ホーン62の二つの突起部62aとアンビル63との間に不在部15bが挟まれ、超音波ホーン62から超音波エネルギーが放出され、不在部15bに対して二つの線状の一次シールが施される。
【0073】
続いて、一次シールが施された不在部15bは、下流に送られ、集束接合装置70の位置に達する。集束接合装置70において、まず、不在部15bは、対向する集束板72、73により集束溝の溝底に、細く集束される。次に、集束された不在部15bを、二次シール装置76の超音波ホーン77の二つの突起部77aとアンビル78の対向面78aで挟み込み、二つの位置Y1、Y2で二次シールが施される。二次シールが施された直後に、カッター81によって、フィルムは二つの二次シールの間で切断される。このように、シールの間で切断されることにより、1個ずつの包装体となる。この包装体は、包装体製造装置1から取り出され、次の工程に供給される。
【0074】
上記の充填包装体製造装置1を用いれば、切換バルブ装置31・33、すなわち回転式切換バルブ31を備えるので、簡単な構成で複雑な制御をすることなく、一の包装体の中で2種類の内容物が層状に充填された充填包装体を連続的に大量に、すなわち、工業的に製造することができる。また、前述の通りに回転式切換バルブ31が構造が単純で、粘性の高い流動物でも使用できるので、粘性の高い内容物を充填することもできる。なお、充填包装体製造装置1では、不在部15bを溶着することによりシールするが、集束して金属リングで締めること、すなわち結紮することによりシールをしてもよい。あるいは、内容物が充填後に固化するのであれば、しごきやシールをしないで、内容物C、Dが充填された筒状体15aを切断することで包装体とすることができる。ここで、内容物としては、例えば、魚肉ソーセージ、ハム、チョコレート、チーズ、バター、ゼリー状食品、ピザに用いるサルサソースなどの粒状固形物を含む流動物からなる食品、糊や接着剤、コーキング剤など、液体、気体を含む液体、またはスラリー、粉体もしくは粒状固形物、またはこれらの混合物のような流動物であり、充填包装後に固化するものでもよい。
【0075】
次に、図6を参照して、所定長さ毎に異なる内容物を包装する充填包装体を連続的に大量に、すなわち、工業的に製造する方法について説明する。図6は、一の包装体の中で2種類の内容物が層状に充填された充填包装体を連続的に大量に、すなわち、工業的に製造する方法を説明するフローチャートである。図6中、破線は並行して連続的に行われる工程を表す。当該方法では、典型的には図5に示す充填包装体製造装置1を用いて充填包装体を製造するが、他の装置により製造してもよい。帯状のフィルムを供給しながら(ステップSt21)、帯状フィルムを筒状に成形し(ステップSt1)、側縁部で重ね合わされた部分が加熱溶着される(ステップSt2)。加熱溶着されることにより、筒状のフィルムとなる。加熱溶着は、筒状フィルムの筒状の長手方向になされるので、縦接合と呼ばれる。ここで、帯状フィルムの材質は、加熱溶着させるため塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましく、他のオレフィン系樹脂でもよい。また、帯状フィルムは単層としても多層としてもよい。
【0076】
次に、流路が形成された回転体を回転させつつ(ステップSt13)、第1の導入流路とノズルとを該流路を介して連接し、第1の流動物をノズルから筒状フィルムに充填する(ステップSt3)。回転体の回転により、回転体の流路が第2の導入流路とノズルとを連接するようになると、第2の流動物が筒状フィルムに充填される(ステップSt4)。したがって、第1の流動物と第2の流動物とが層状に充填される。なお、さらに、第3の導入流路とノズルとを連接し第3の流動物が充填され、第4、第5・・・と続いてもよい。
【0077】
筒状フィルムに流動物が充填されると、所定の間隔を隔てて、筒状フィルムを扁平にしごくことにより、筒状フィルム中に流動物が存在しない不在部が形成される(ステップSt5)。ここで、所定の間隔は、充填包装体の長さに相当する。不在部が形成されると、不在部において筒状フィルムを横断する形で一次シールが施される(ステップSt6)。一次シールは、一つの不在部にて細いシールが2本形成されても、あるいは、太いシールが1本形成されてもよい。この細い2本のシールの間、あるいは、太い1本のシール上で、後述の2次シールおよび切断が行われる。一次シールにより、流動物が充填された部分と不在部との間が、気密に分離される。
【0078】
一次シールが施された不在部を、細く集束し(ステップSt7)、集束した不在部を二次シールし(ステップSt8)、集束した状態を安定させる。二次シールは、典型的には一次シールの細い2本のシール間であって一次シールに近い箇所に2箇所、あるいは、太い1本のシール上で両側に近い箇所に2箇所施される。なお、二次シールは必ずしもシール機能を有さず、集束した状態を安定させるためだけの接合であってもよい。二次シールを施した後、2本の二次シールの間の不在部で筒状フィルムを切断することにより(ステップSt9)、充填包装体が製造される。なお、集束や二次シールを施さなくてもよく、切断せずに充填包装体がつながれたままでもよい。
【0079】
上述の充填包装体の製造方法によれば、連続的に工業的に充填包装体が製造される。特に、流路が形成された回転体を回転させつつ、第1の導入流路とノズルとを回転体の流路を介して連接し、第1の流動物をノズルから筒状フィルムに充填し、第2の導入流路とノズルとを回転体の流路を介して連接し第2の流動物を充填することにより、第1の流動物と第2の流動物とを層状に充填するので、所定長さ毎に異なる内容物が層状に充填された充填包装体を工業的に製造することができる。
【0080】
なお、回転式切換バルブにより4種類の内容物を切り換えて充填することにより、図7(a)の断面図に示すように、一の包装体300に、4種類の内容物301〜304を層状に充填することができる。内容物の種類は、これらに限られず、回転式切換バルブの導入流路を増やすことにより、層数を増やすことができる。また、受配流路と連接する長孔の円周方向長さを変えることにより、層の厚さを変えることができる。
【0081】
例えば、図7(b)の断面図に示すように、2種類の内容物311、312を、層の厚さを変えながら交互に充填した包装体310を製造することができる。図1に示す回転式切換バルブ100を用いると、2種類の内容物の層をそれぞれ4層、合計8層形成され、2種類の層の厚さは、厚い層と薄い層とのそれぞれで等しくなるが、各長孔122の円周方向の長さを変えることにより、層の厚さを変えることができる。あるいは、主たる内容物が充填される時間を長くし、その間に、強度的に弱い内容物を薄い層となるように充填することで、包装体の中で内容物が切断されたように、あるいは切断し易いように充填することもできる。あるいは、充填される内容物は1種類の場合であっても、前述のように、受配流路の筐体側の開口が、長孔同士の間の壁に位置し、内容物が流れない時間を設定することにより、1種類の内容物が充填された包装体において、内容物の所定長さ毎に内容物の存在しない部分を形成し、包装体の中で内容物が切断されたように充填することもできる。さらに、異なる種類の主たる内容物を充填し、その間に、主たる内容物同士の混合を防止する膜となるような内容物を薄い層となるように充填すると、複数の内容物を含む一の包装体で包装し、例えば、A液とB液を混合して用いる接着剤のように、使用者が使用するまでは内容物が混合せず、使用時に包装体中で混合させることが可能な包装体を製造することもできる。
【0082】
あるいは、内容物が流れない時間を調節することにより、図7(c)の断面図に示すように、不在部15b(図5参照)を形成する部分に内容物321を充填しないようにすることもできる。すなわち、予め内容物が充填されていない箇所322をしごいて不在部15bとする。不在部15bに予めが内容物が充填されないことにより、しごき後に残存する内容物321がなくなり、溶着が確実に行われ、シール性の高い包装体320とすることができる。
【0083】
あるいは、図7(d)の断面図に示すように、内容物331〜333の異なる包装体336〜338を連続的に製造することも可能であり、包装体336〜338の間で切断しなければ、内容物331〜333の異なる包装体336〜338を一組とした連続包装体330を製造することも可能である。
【0084】
以上に例示したように、切換バルブ装置あるいは回転式切換バルブを備えることにより、いろいろなバリエーションを有する包装体を製造することが可能となり、本明細書ではその総てを記載してはいないが、広範な利用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態である、回転式切換バルブの構成図である。(a)は中子の回転軸を含む平面における側面断面図であり、(b)は、(a)のA−A矢視図である。
【図2】リングを説明する図である。(a)はリング断面図であり、(b)は(a)のB矢視図である。
【図3】回転式切換バルブの変形例を説明する図である。(a)は、中子の回転軸を含む面での断面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図4】回転式切換バルブの別の変形例を説明する図である。(a)は、筐体に形成される導入流路が、一平面上になく、二段に配置された回転式切換バルブの、中子の回転軸を含む平面での断面図である。(b)は、導入流路と長孔が2段に配置され、受配流路も2段に配置された回転式切換バルブの、中子の回転軸を含む平面での断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である充填包装体製造装置について説明する構成図である。(a)は、充填包装体製造装置の全体構成を示す構成図であり、(b)は、集束装置、二次シール装置及びカッターの構成を説明する部分斜視図である。
【図6】一の包装体の中で2種類の内容物が層状に充填された充填包装体を製造する方法を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の充填包装体製造装置により製造した包装体の例を説明する断面図である。(a)は、多数の内容物を層状に充填した一の包装体、(b)は、2種類の内容物を交互に充填した包装体、(c)は、シールする部分に内容物を充填しない包装体、(d)は、内容物の異なる包装体を連続させて一組とした連続包装体を示す。
【符号の説明】
【0086】
1 充填包装体製造装置
11 フォーミングプレート
12 案内筒
13 縦接合装置
14 送りローラ
15a 筒状体
15b 不在部
20 原反供給装置
21 原反
22A、22B ガイドローラ
30 充填装置
31 回転式切換バルブ
32 ノズル
33 モータ(駆動装置)
35、37 貯留槽
36、38 配管
40 しごき装置
41 しごきローラ
42 腕体
43 横部材
61 横接合装置
62、77 超音波ホーン
63、78 アンビル
71 集束装置
72、73 集束板
76 二次シール装置
81 カッター
100、150、200、230 回転式切換バルブ
102、160、210、240 筐体
104 導入流路
110 筐体本体
112、162、212、214、242、244 長孔以外の導入流路
122、163、213、215、243、245 長孔
120 リング
130、170、220、250 中子
132、172、174、222、252、254 受配流路
134 動力伝達軸
140 軸受
142 シール部材
146 空隙
300、310、320、336、337、338 包装体
330 連続包装体
C、D 内容物(流動物)
F 帯状フィルム
F1 筒状フィルム
h リングの高さ
L 中子の回転軸の方向
R 中子の回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体形の空間が形成され、該空間に開口し、流動物を導入する2以上の導入流路を有する筐体と;
前記空間に嵌入され、前記回転体形の軸廻りに回転することにより前記導入流路と連通して前記流動物が流入する受配流路を有する中子とを備える;
回転式切換バルブ。
【請求項2】
前記筐体の前記導入流路が、前記空間に開口する位置で、前記回転体形の円周方向に長い長孔として形成されている;
請求項1に記載の回転式切換バルブ。
【請求項3】
前記2以上の導入流路に形成された前記長孔は、第1の円周方向の長さの長孔と、前記第1の円周方向の長さとは異なる第2の円周方向の長さの長孔とを備える;
請求項2に記載の回転式切換バルブ。
【請求項4】
前記筐体が、前記長孔が形成されている部分であるリングと、前記長孔以外の導入流路が形成されている筐体本体とを備える;
請求項2または請求項3に記載の回転式切換バルブ。
【請求項5】
前記中子が、一定の回転速度で回転する;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ。
【請求項6】
前記筐体は、前記導入流路を3以上有し;
前記受配流路が、同時に2以上の前記導入流路と連通する;
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ。
【請求項7】
前記2以上の導入流路の前記空間に開口する位置が、前記回転体形の軸方向の異なる位置に形成されている;
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ。
【請求項8】
前記中子が回転している間に、前記受配流路が前記導入流路のいずれとも連通していない状態が存在する;
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転式切換バルブ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転式切換バルブと;
前記中子を回転させる駆動装置とを備える;
切換バルブ装置。
【請求項10】
帯状フィルムの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムを成形する縦接合装置と;
前記筒状フィルムに請求項9に記載の切換バルブ装置を介して流動物を充填する充填装置とを備える;
充填包装体製造装置。
【請求項11】
帯状フィルムの側縁部を重ね合わせて接合し筒状フィルムを成形する工程と;
前記筒状フィルムに請求項9に記載の切換バルブ装置を介して流動物を充填する工程とを備える;
充填包装体製造方法。
【請求項12】
帯状フィルムの側縁部を重ね合わせてシールし筒状フィルムを成形する縦シール工程と;
前記筒状フィルムに流動物を充填する充填工程であって、流路が形成された回転体を回転させて該流路を介して第1の導入流路と前記筒状フィルム内で開口するノズルとを連接して、第1の流動物を前記第1の導入流路から前記筒状フィルムに充填する第1充填工程と、
前記第1充填工程に続いて、前記回転体を回転させて前記流路を介して前記第1の導入流路とは異なる第2の導入流路と前記ノズルとを連接して、第2の流動物を前記第2の導入流路から前記筒状フィルムに充填する第2充填工程とを、少なくとも有する充填工程と;
前記流動物が充填された前記筒状フィルムに対して、前記筒状フィルムの長手方向に所定間隔毎の充填された流動物の不在部を扁平に形成するしごき工程と;
前記不在部に、前記長手方向に間隔を持つ二つの位置で前記不在部を横断する線状のシールを行う、若しくは、該二つの位置の間にわたり前記不在部を横断する帯状のシールを行うシール工程とを備える;
充填包装体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−10139(P2007−10139A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62374(P2006−62374)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】