説明

圧電デバイス

【課題】搭載端子間で短絡される事がなく、インピーダンスの悪化や周波数が変動する事を防ぎ、安定した周波数を出力できる小型化された圧電デバイスの提供。
【解決手段】基板部121と該基板部の一方の主面に枠部122が設けられて振動素子用凹部空間124が形成され、この枠部の所定の一辺に沿って搭載端子Pが設けられている素子搭載部材120と、圧電材料からなる圧電片141と、電極142と該電極に接続の配線パターンHと、配線パターンとに接続の接続端子Sとを圧電片141に有し、搭載端子に搭載される振動素子140と、素子部品用凹部空間を気密封止する蓋部材110と、枠部の振動素子用凹部空間内側の面に設けられた2つ一対の突起部130と、を備え、一方の突起部130が搭載端子の間となる位置に設けられて、一方の突起部が設けられている面との対向面に他方の突起部が設けられ、振動素子140が突起部130の間に搭載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。また、図9の従来の圧電デバイスの断面の一例を示す断面図である。図10は、従来の圧電デバイスであって、蓋部材を接合する前の状態の一例を示す概念図である。
以下、圧電デバイスの一例として圧電振動子について説明する。
圧電振動子500は、例えば、図8及び図9に示すように、振動素子540と振動素子540を搭載する素子搭載部材520と素子搭載部材520に接合される蓋部材510とから主に構成されている。
【0003】
素子搭載部材520は、図8及び図9に示すように、矩形形状の平板に形成された基板部521と、この基板部521の一方の主面に枠部522が設けられ、振動素子用凹部空間524が形成されている。
また、素子搭載部材520は、図8に示すように、この振動素子用凹部空間524の底面であって、枠部522の所定の一辺、例えば、一方の短辺に沿って2つ一対の搭載端子Pが設けられている。
また、素子搭載部材520は、他方の主面、つまり、基板部521の他方の主面に、複数の外部接続端子Gが設けられている。この外部接続端子Gは、例えば、4個設けられており、素子搭載部材520の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。
また、素子搭載部材520は、この振動素子用凹部空間524が設けられた一方の主面に、第一の金属層(図示せず)が環状に設けられている。
【0004】
振動素子540は、図8〜図10に示すように、圧電材料からなる圧電片541と、2つ一対の電極542と前記電極542に接続している2つ一対の配線パターンHと前記配線パターンHに接続している2つ一対の接続端子Sとを前記圧電片541に有している。
圧電片541は、例えば、水晶が用いられており、矩形形状の平板に形成されている。
2つ一対の電極542は、圧電片541の両主面にそれぞれ1つずつ設けられている。一方の電極542は、圧電片541の一方の主面の中央部に設けられている。他方の電極542は、圧電片541の他方の主面の中央部であって、一方の電極542と対向する位置に設けられている。
2つ一対の接続端子Sは、圧電片541の所定の一辺、例えば、一方の短辺に沿って、2個並べて設けられている。
2つ一対の配線パターンHは、一方の配線パターンHが一方の電極542と一方の接続端子Sとに接続され、他方の配線パターンHが他方の電極542と他方の接続端子Sとに接続されている。
振動素子540は、2つ一対の接続端子Sと素子搭載部材520の2つ一対の搭載端子Pと対向する位置であって、素子搭載部材520の振動素子用凹部空間524内に導電接着剤Dを用いて搭載されている。
【0005】
蓋部材510は、例えば、金属が用いられている。また、蓋部材510は、図8に示すように、矩形形状の平板となっており、その主面が素子搭載部材520の一方の主面と同じ大きさとなっている。
また、蓋部材510は、素子搭載部材520の第一の金属層と対向する位置に、封止用金属層(図示せず)が環状に設けられている。
また、蓋部材510は、封止用金属層と素子搭載部材520に設けられた第一の金属層とが接合されて、素子搭載部材520の振動素子用凹部空間524を気密封止する。
【0006】
圧電デバイス500は、図9及び図10に示すように、素子搭載部材520の振動素子用凹部空間524の底面に設けられた2つ一対の搭載端子Pに、振動素子540が搭載されている。
また、圧電デバイス500は、図8及び図9に示すように、素子搭載部材520の第一の金属と蓋部材510の封止用金属層とが接合され、振動素子用凹部空間524を気密封止されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−287423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の圧電デバイスは、振動素子の接続端子と素子搭載部材の搭載端子とが導電接着剤によって接着され、振動素子が素子搭載部材の搭載端子に搭載された状態となっている。従来の圧電デバイスが小型化された場合、従来の圧電デバイスは、振動素子の振動エネルギーがとても小さいため、従来の大きさの場合と比較すると、応力の影響を受けやすくなる。
このため、小型化された従来の圧電デバイスは、振動素子が素子搭載部材に搭載される位置によって応力の影響を受ける。従って、従来の圧電デバイスは、所定の位置ではない位置に搭載された場合、インピーダンスが大きくなる恐れがある。また、同様に従来の圧電デバイスの周波数が変動する恐れがある。
【0009】
また、小型化された従来の圧電デバイスは、振動素子の搭載位置が所定の位置からずれることによって、振動素子の接続端子と導電性接着剤との接着面積が減少して、接着強度が不安定となる恐れがある。そのため、小型化された従来の圧電デバイスは、安定した周波数を出力できない恐れがある。
【0010】
また、従来の圧電デバイスは、2つ一対の搭載端子が振動素子用凹部空間底面の一方の短辺に沿って2個並んで設けられている。小型化された従来の圧電デバイスは、この一対の搭載端子の距離が短くなるため、導電接着剤が振動素子用凹部空間の底面上に広がり、一対の搭載端子間で短絡してしまう恐れがある。
【0011】
そこで、本発明では、搭載端子間で短絡されることがなく、インピーダンスの悪化や周波数が変動することを防ぎ、安定した周波数を出力することのできる小型化された圧電デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、基板部とこの前記基板部の一方の主面に枠部が設けられ振動素子用凹部空間が形成され、前記振動素子用凹部空間の前記枠部の所定の一辺に沿って2つ一対の搭載端子が設けられている素子搭載部材と、圧電材料からなる圧電片と、2つ一対の電極と前記電極に接続している2つ一対の配線パターンと前記配線パターンと接続している2つ一対の接続端子とを前記圧電片に有し、前記搭載端子に搭載される振動素子と、前記素子搭載部材と接合されて前記素子部品用凹部空間を気密封止する蓋部材と、前記枠部の前記振動素子用凹部空間内側の面に設けられた2つ一対の突起部と、を備え、前記一方の突起部が前記搭載端子の間となる位置に設けられており、前記一方の突起部が設けられている面と対向する面に、前記他方の突起部が設けられており、前記振動素子が前記突起部の間に搭載されていることを特徴とする。
【0013】
前記課題を解決するため、このような圧電デバイスであって、前記一方の突起部と前記振動素子の固定端側の縁部との距離と、前記他方の突起部と前記振動素子の自由端側の縁部との距離との合計が、10μm〜50μmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような圧電デバイスは、2つ一対の突起部の間に振動素子を設けるように、素子搭載部材に振動素子が搭載される。従って、このような圧電デバイスは、振動素子を素子搭載部材に搭載する際に、2つ一対の突起部によって振動素子を所定の位置に容易に位置出しすることができる。
つまり、このような圧電デバイスは、小型化されても、2つ一対の突起部によって、振動素子が容易に位置出し搭載することができるので、振動素子を素子搭載部材に搭載する位置を一定にすることができる。従って、このような圧電デバイスは、振動素子を素子搭載部材に搭載する位置を一定にすることができるので、振動素子の位置によるインピーダンスの悪化や周波数が変動することを抑えることができる。
【0015】
また、このような圧電デバイスは、振動素子を素子搭載部材に搭載する際に2つ一対の突起部によって容易に、導電性接着剤を用いて素子搭載部材の所定の位置に搭載することができる。つまり、このような圧電デバイスは、2つ一対の突起部により、振動素子を所定の搭載位置に容易に搭載することができる。
従って、このような圧電デバイスは、振動素子の接続端子と導電性接着剤との接着面積が減少することないため、接着強度が安定する。よって、このような圧電デバイスは、安定した周波数を出力することができる。
【0016】
また、このような圧電デバイスは、一方の突起部が2つ一対の搭載端子の間に設けられ、この2つ一対の搭載端子に振動素子が導電性接着剤により搭載されている。従って、このような圧電デバイスは、小型化され2つ一対の搭載端子間の距離が短い場合、導電性接着剤が振動素子用凹部空間の底面に広がることを防ぐことができるので、搭載端子間での短絡を防ぐことができる。
【0017】
また、このような圧電デバイスは、前記一方の突起部と前記振動素子の固定端側の縁部との距離と、前記他方の突起部と前記振動素子の自由端側の縁部との距離との合計が、10μm〜50μmとなっている。
この合計が10μm未満の場合、このような圧電デバイスは、振動素子の縁部が突起部と接触する恐れがある。このため、このような圧電デバイスは、振動素子の振動が阻害され、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
また、この合計が50μmより大きい場合、このような圧電デバイスは、振動素子が所定の搭載位置より50μmより大きくずれてしまい、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
従って、このような圧電デバイスは、この合計が10μm〜50μmとなるようにすることで、振動素子を素子搭載部材に精度よく搭載することができる。このため、このような圧電デバイスは、インピーダンスの悪化や周波数が変動することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスであって、蓋部材を接合する前の状態の一例を示す概念図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
【図8】従来の圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。
【図9】従来の圧電デバイスの断面の一例を示す断面図である。
【図10】従来の圧電デバイスであって、蓋部材を接合する前の状態の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において、各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
【0020】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを水晶振動子として説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスであって、蓋部材を接合する前の状態の一例を示す概念図である。
【0021】
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、図1及び図2に示すように、蓋部材110と素子搭載部材120と突起部130(130a,130b)と振動素子140とから主に構成されている。
【0022】
蓋部材110は、図1に示すように、例えば、金属が用いられ、矩形形状の平板に形成されている。また、蓋部材110の主面は、後述する素子搭載部材120の主面と同じ大きさとなっている。
また、蓋部材110は、一方の主面の縁部であって、後述する素子搭載部材120の第一の金属層(図示せず)と対向する位置に、封止用金属層(図示せず)が設けられている。
【0023】
素子搭載部材120は、図1及び図2に示すように、基板部121と枠部122とから主に構成されている。
基板部121は、例えば、矩形形状の平板に設けられている。また、基板部121は、その主面が蓋部材110の大きさと同じ大きさとなっている。
また、基板部121は、一方の主面に枠部122と2つ一対の搭載端子Pとが設けられており、他方の主面に外部接続端子Gが設けられている。
枠部122は、基板部121の一方の主面の縁部に設けられる。つまり、素子搭載部材120は、基板部121の一方の主面に枠部122が設けられて、振動素子用凹部空間124が形成されている。
また、枠部122は、基板部121と対向する面であって、振動素子用凹部空間124の開口部側の面に、環状の第一の金属層(図示せず)が設けられている。
また、枠部122は、その枠形状の内側の面、つまり、振動素子用凹部空間124内側の面に2つ一対の突起部130が設けられている。
【0024】
2つ一対の搭載端子Pは、基板部121の一方の主面であって、振動素子用凹部空間124の底面となる位置に、枠部122の所定の一辺に沿って設けられる。ここで、2つ一対の搭載端子Pは、例えば、図1及び図3に示すように、枠部122の一方の短辺に沿って2個並んで設けられる。
外部接続端子Gは、基板部121の他方の主面に複数、設けられる。ここで、外部接続端子Gは、例えば、4個、基板部121の4隅に設けられる。
所定の外部接続端子Gは、所定の搭載端子Pと電気的に接続されている。つまり、素子搭載部材120は、所定の一つの外部接続端子Gと一方の搭載端子Pとが電気的に接続されており、所定の他の一つの外部接続端子Gと他方の搭載端子Pとが電気的に接続されている。
【0025】
素子搭載部材120は、図1及び図2に示すように、一方の主面に振動素子用凹部空間124が形成されており、その振動素子用凹部空間124の底面であって、一方の短辺側に2つ一対の搭載端子Pが設けられている。また、素子搭載部材120は、他方の主面の4隅に外部接続端子Gが設けられており、一方の主面に環状の第一の金属層が設けられている。
【0026】
突起部130(130a,130b)は、図1〜図3に示すように、2つ一対となっており、振動素子用凹部空間124の底面に接しつつ、素子搭載部材120の枠部122の振動素子用凹部空間124内側の面に設けられている。
また、2つ一対の突起部130は、例えば、図1〜図3に示すように、直方体の形状となっている。
また、2つ一対の突起部130は、図2に示すように、その高さが枠部122の高さより低い高さとなっている。つまり、2つ一対の突起部130は、振動素子用凹部空間124の底面と対向する面であって、振動素子用凹部空間124の開口部側の面が、素子搭載部材120の開口部が設けられている一方の主面より、振動素子用凹部空間124の底面側に位置している。
【0027】
一方の突起部130aは、図1及び図3に示すように、素子搭載部材120の枠部122の振動素子用凹部空間124内側の面であって、素子搭載部材120の2つ一対の搭載端子Pの間に設けられている。ここで、一方の突起部130aは、例えば、2つ一対の搭載端子Pが設けられている振動素子用凹部空間124の底面であって、一方の短辺側の中央部に設けられている。
また、一方の突起部130aは、図3に示すように、振動素子用凹部空間124の開口部側からみた場合、基板部121の外縁部の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部130aの振動素子用凹部空間124内側の辺の位置が、基板部121の外縁側の搭載端子Pの辺と、振動素子用凹部空間124内側の搭載端子Pの辺との間に設けられている。
【0028】
他方の突起部130bは、図1〜図3に示すように、素子搭載部材120の枠部122の振動素子用凹部空間124内側の面であって、一方の突起部130aが設けられている面と対向する面に設けられている。また、他方の突起部130bは、振動素子用凹部空間124の底面に設けられている。ここで、他方の突起部130bは、例えば、他方の短辺の中央部に設けられる。
【0029】
2つ一対の突起部130は、素子搭載部材120の振動素子用凹部空間124内側であって、後述する振動素子140を搭載することのできる位置に設けられている。
従って、2つ一対の突起部130は、図2及び図3に示すように、振動素子用凹部空間124の開口部側から見た場合、基板部121の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部130aの振動素子用凹部空間124側の辺と他方の突起部130bの振動素子用凹部空間124側の辺との間に、後述する振動素子140が搭載される位置に、2つ一対の突起部130が設けられる。
【0030】
振動素子140は、圧電材料からなる圧電片141と、2つ一対の電極142と2つ一対の配線パターンHと2つ一対の接続端子Sとを圧電片141に備えている。
圧電片141は、例えば、水晶が用いられている。また、圧電片141は、矩形形状の平板に形成されている。
2つ一対の電極142は、圧電片141の両主面にそれぞれ設けられている。一方の電極142は、圧電片141の一方の主面の中央部に設けられている。また、他方の電極142は、圧電片141の他方の主面であって、一方の電極142と対向する位置に設けられている。
2つ一対の接続端子Sは、圧電片141の所定の一辺、例えば、一方の短辺に沿って、2個並べて設けられている。
2つ一対の配線端子Hは、所定の一つの電極142と所定の一つの接続端子Sに接続されている。つまり、一方の配線端子Hは、一方の電極142と一方の接続端子Sとに接続されている。また、他方の配線端子Hは、他方の電極142と他方の接続端子Sとに接続されている。
【0031】
振動素子140は、図2に示すように、接続端子Sが素子搭載部材120の搭載端子Pと導電接着剤Dにより固定されて、素子搭載部材120に搭載される。つまり、振動素子140は、接続端子Sが設けられた一方の短辺側が、素子搭載部材120に固定された状態となっている。
ここで、接続端子Sが設けられ、固定された状態となっている振動素子140の一方の短辺を振動素子140の固定端側縁部Kとする。また、振動素子140の他方の短辺を振動素子140の自由端側縁部Jとする。
また、振動素子140は、2つ一対の突起部130の間に搭載されている。
【0032】
圧電デバイス100は、素子搭載部材120の振動素子用凹部空間124内側の面に設けられた2つ一対の突起部130の間となる位置に、振動素子140が設けられるように、振動素子140の接続端子Sが素子搭載部材120の搭載端子Pに導電性接着剤Dにより固定されて、振動素子140が素子搭載部材120に搭載される。
【0033】
圧電デバイス100は、一方の突起部130aと振動素子140の固定端側縁部Kとが、例えば、25μm離れている。ここで、一方の突起部130aと振動素子140の固定端側縁部Kとの距離を第一の距離D1とする。
また、圧電デバイス100は、他方の突起部130bと振動素子140の自由端側縁部Jとが、例えば、25μm離れている。ここで、他方の突起部130bと振動素子140の自由端側縁部Jとの距離を第二の距離D2とする。
圧電デバイス100は、このとき、第一の距離D1と第二の距離D2の合計が50μm、つまり、10μ〜50μmとなっている。
【0034】
第一の距離D1と第二の距離D2との合計が10μm未満の場合、このような圧電デバイス100は、振動素子140が突起部130に接触してしまう恐れがある。このため、このような圧電デバイス100は、振動素子の振動が阻害され、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
また、第一の距離D1と第二の距離D2との合計が50μmより大きい場合、このような圧電デバイス100は、振動素子140が所定の位置に対して、50μmより大きくずれた位置に搭載され、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
従って、このような圧電デバイス100は、一方の突起部130aと振動素子140の固定端側縁部Kとの距離と、他方の突起部130bと振動素子140の自由端側縁部Jとの距離との合計の距離、つまり、第一の距離D1と第二の距離D2との合計の距離が、10μm〜50μmなので、振動素子140が素子搭載部材200の所定の位置に精度よく搭載することが容易にできる。
【0035】
圧電デバイス100は、振動素子140が素子搭載部材120に搭載された状態で、素子搭載部材120の第一の金属層と蓋部材110の封止用金属層とが接合され、素子搭載部材120の振動素子用凹部空間124が気密封止される。
【0036】
このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、2つ一対の突起部130の間に振動素子140を設けるように、素子搭載部材120の搭載端子Pに振動素子140が搭載される。従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140が素子搭載部材120の搭載端子Pに搭載する際に2つ一対の突起部130によって容易に位置出しされている。
つまり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、小型化されても、2つ一対の突起部130によって、振動素子140を所定の位置に容易に搭載することができるので、振動素子140を素子搭載部材120の搭載端子Pに搭載する位置を一定にすることができる。従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140が素子搭載部材120の搭載端子Pに搭載される位置を一定にすることができるので、インピーダンスの悪化や周波数が変動することを抑えることができる。
【0037】
また、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140を素子搭載部材120の搭載端子Pに搭載する際に2つ一対の突起部130によって容易に位置出することができ、振動素子140が導電性接着剤Dを用いて素子搭載部材120の搭載端子Pに搭載される。つまり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、2つ一対の突起部130により、振動素子140を所定の位置に容易に搭載することができる。
従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140の接続端子Sと導電性接着剤Dとの接着面積が減少することないため、接着強度が安定する。よって、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、安定した周波数を出力することができる。
【0038】
また、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、一方の突起部130aが2つ一対の搭載端子Pの間に設けられ、この2つ一対の搭載端子Pに振動素子140が導電性接着剤Dにより搭載されている。従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、小型化され2つ一対の搭載端子P間の距離が短い場合、導電性接着剤Dが振動素子用凹部空間124の底面に広がることを防ぐことができるので、搭載端子P間での短絡を防ぐことができる。
【0039】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、前記一方の突起部130aと前記振動素子140の固定端側の縁部との距離と、前記他方の突起部130bと前記振動素子140の自由端側の縁部との距離との合計、つまり、第一の距離D1と第二の距離D2との合計の距離が、10μm〜50μmとなっている。
この合計が10μm未満の場合、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140の縁部が突起部130と接触する恐れがある。このため、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140の振動が阻害され、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
また、この合計が50μmより大きい場合、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、振動素子140が所定の位置より50μmより大きくずれて搭載され、インピーダンスの悪化や周波数が変動してしまう恐れがある。
従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、この合計が10μm以上で、かつ、50μm以下となるようにすることで、振動素子140を素子搭載部材120に精度よく搭載することができる。このため、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、インピーダンスの悪化や周波数が変動することを防ぐことができる。
【0040】
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを水晶振動子として説明する。
図4は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。図5は、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
このような本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、図4及び図5に示すように、2つ一対の突起部230(230a,230b)が素子搭載部材220の枠部222の振動素子用凹部空間224内側の面のみに接続されている点で、第一の実施形態と異なる。
【0041】
突起部230(230a,230b)は、図4及び図5に示すように、2つ一対となっており、素子搭載部材220の枠部222の振動素子用凹部空間224内側の面に設けられている。つまり、突起部230は、振動素子用凹部空間224の底面に接することなく、振動素子用凹部空間224内側の面のみに接続されている。
また、2つ一対の突起部230は、例えば、図4及び図5に示すように、直方体の形状となっている。
また、2つ一対の突起部230は、図5に示すように、その高さが枠部222の高さより低い高さとなっている。つまり、2つ一対の突起部230は、振動素子用凹部空間224の底面と対向する面であって、振動素子用凹部空間224の開口部側の面が、素子搭載部材220の開口部が設けられている一方の主面より、振動素子用凹部空間224の底面側に位置している。
【0042】
一方の突起部230aは、図4及び図5に示すように、素子搭載部材220の枠部222の振動素子用凹部空間224内側の面であって、素子搭載部材220の2つ一対の搭載端子Pの間に設けられている。ここで、一方の突起部230aは、枠部222の振動素子用凹部空間224内側の面であって、一方の短辺側の中央部に設けられる。
また、一方の突起部230aは、振動素子用凹部空間224の開口部側からみた場合、基板部221の外縁部の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部230aの振動素子用凹部空間224内側の辺の位置が、基板部221の外縁側の搭載端子Pの辺と、振動素子用凹部空間224内側の搭載端子Pの辺との間に設けられている。
【0043】
他方の突起部230bは、図4及び図5に示すように、素子搭載部材220の枠部222の振動素子用凹部空間224内側の面であって、一方の突起部230aが設けられている面と対向する面に設けられている。ここで、他方の突起部230bは、例えば、他方の短辺側の中央部に設けられる。
【0044】
2つ一対の突起部230は、素子搭載部材220の振動素子用凹部空間224内側であって、振動素子240を搭載することのできる位置に設けられている。
従って、2つ一対の突起部230は、図4及び図5に示すように、振動素子用凹部空間224の開口部側から見た場合、基板部221の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部230aの振動素子用凹部空間224側の辺と他方の突起部230bの振動素子用凹部空間224側の辺との間に、振動素子240が搭載される位置に、2つ一対の突起部230が設けられる。
【0045】
このような本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、2つ一対の突起部230によって、振動素子240が振動素子用凹部空間224内の所定の位置に位置出しされ、搭載されている。したがって、本発明の第二の実施形態に係る圧電デバイス200は、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0046】
(第三の実施形態)
次に本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを水晶発振器として説明する。
図6は、本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、図6に示すように、素子搭載部材320の一方の主面に振動素子用凹部空間324が設けられ、素子搭載部材320の他方の主面に搭載部品用凹部空間325が設けられている点で、第一の実施形態と異なる。また、この搭載部品用凹部空間325内部に搭載部品350が搭載されている。
【0047】
素子搭載部材320は、図6に示すように、基板部321と第一の枠部322aと第二の枠部322bとから主に構成されている。
基板部321は、例えば、矩形形状の平板に設けられている。また、基板部321は、その主面が蓋部材310の主面と同じ大きさとなっている。
また、基板部321は、一方の主面に、第一の枠部322aと2つ一対の搭載端子Pとが設けられており、他方の主面に、第二の枠部322bと複数の搭載部品用端子Tとが設けられている。
【0048】
第一の枠部322aは、一方の主面であって、蓋部材310に設けられている封止用金属層(図示せず)と対向する位置に、第一の金属層(図示せず)が環状に設けられている。
また、第一の枠部322aは、基板部321の一方の主面の縁部であって、その他方の主面が基板部321の一方の主面と対向する位置に設けられる。つまり、素子搭載部材320は、基板部321の一方の主面に第一の枠部322aが設けられ、一方の主面に振動素子用凹部空間324が形成されている。
また、第一の枠部322aは、その枠形状の内側の面、つまり、振動素子用凹部空間324内側の面に、2つ一対の突起部330(330a,330b)が振動素子用凹部空間324の底面と接触するように設けられている。なお、ここでは、2つ一対の突起部330が振動素子用凹部空間324の底面と接触するように説明しているが、振動素子用凹部空間324の底面と接触していなくてもよい。
【0049】
第二の枠部322bは、図6に示すように、一方の主面に複数の外部接続端子Gが設けられている。ここで、外部接続端子Gは、例えば、4個設けられており、一方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。
また、第二の枠部322bは、基板部321の他方の主面の縁部であって、その他方の主面が基板部321の他方の主面と対向する位置に設けられる。つまり、素子搭載部材320は、基板部321の他方の主面に第二の枠部322bが設けられて、素子搭載部材320の他方の主面に搭載部品用凹部空間325が形成される。
【0050】
2つ一対の搭載端子Pは、基板部321の一方の主面であって、振動素子用凹部空間324の底面となる位置に、第一の枠部322aの所定の一辺に沿って設けられる。ここで、2つ一対の搭載端子Pは、例えば、第一の枠部322aの一方の短辺に沿って2個並んで設けられる。
【0051】
複数の搭載部品用端子Tは、基板部321の他方の主面であって、搭載部品用凹部空間325の底面となる位置に設けられる。この搭載部品用端子Tは、その配置及び数が、後述する搭載部品350に合わせて適宜設けられる。ここで、搭載部品用端子Tが、例えば、6個設けられている。また、搭載部品用端子Tは、第二の枠部322bの一方の長辺に沿って3個並んで設けられ、かつ、第二の枠部322bの他方の長辺に沿って3個並んで設けられている。
また、搭載部品用端子Tは、例えば、所定の一つが、所定の一つの外部接続端子Gと電気的に接続している。
【0052】
つまり、素子搭載部材320は、一方の主面に振動素子用凹部空間324が形成され、その振動素子用凹部空間324の底面であって、一方の短辺側に2つ一対の搭載端子Pが設けられている。
また、素子搭載部材320は、他方の主面に搭載部品用凹部空間325が形成され、その搭載部品用の凹部空間325の底面に6個の搭載部品用端子Tが設けられている。
【0053】
突起部330(330a,330b)は、2つ一対となっており、振動素子用凹部空間324の底面に接しつつ、素子搭載部材320の第一の枠部322aの振動素子用凹部空間324内側の面に設けられている。
また、2つ一対の突起部330は、直方体の形状となっている。
また、2つ一対の突起部330は、図6に示すように、その高さが第一の枠部322aの高さより低い高さとなっている。つまり、2つ一対の突起部330は、振動素子用凹部空間324の底面と対向する面であって、振動素子用凹部空間324の開口部側の面が、素子搭載部材320の開口部が設けられている一方の主面より、振動素子用凹部空間324の底面側に位置している。
【0054】
一方の突起部330aは、素子搭載部材320の第一の枠部322aの振動素子用凹部空間324内側の面であって、素子搭載部材320の2つ一対の搭載端子Pの間に設けられている。ここで、一方の突起部330aは、例えば、2つ一対の搭載端子Pが設けられている振動素子用凹部空間324の底面であって、一方の短辺側の中央部に設けられている。
また、一方の突起部330aは、振動素子用凹部空間324の開口部側からみた場合、基板部321の外縁部の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部330aの振動素子用凹部空間324内側の辺の位置が、基板部321の外縁側の搭載端子Pの辺と、振動素子用凹部空間324内側の搭載端子Pの辺との間に設けられている。
【0055】
他方の突起部330bは、素子搭載部材320の第一の枠部322aの振動素子用凹部空間324内側の面であって、一方の突起部330aが設けられている面と対向する面に設けられている。また、他方の突起部330bは、振動素子用凹部空間324の底面に設けられている。ここで、他方の突起部330bは、例えば、他方の短辺の中央部に設けられる。
【0056】
2つ一対の突起部330は、素子搭載部材320の振動素子用凹部空間324内側であって、振動素子340を搭載することのできる位置に設けられている。
従って、2つ一対の突起部330は、振動素子用凹部空間324の開口部側から見た場合、基板部321の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部330aの振動素子用凹部空間324側の辺と他方の突起部330bの振動素子用凹部空間324側の辺との間に、振動素子340が搭載される位置に、2つ一対の突起部330が設けられる。
【0057】
搭載部品350は、例えば、集積回路素子とする。この搭載部品350は、振動素子340の振動に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
【0058】
圧電デバイス300は、振動素子用凹部空間324内側の面に設けられた2つ一対の突起部330の間に振動素子340が設けられるように、振動素子340の接続端子Sが素子搭載部材320の搭載端子Pに導電性接着剤Dにより固定されて、振動素子340が素子搭載部材320に搭載される。
また、圧電デバイス300は、搭載部品用凹部空間325内側の面に設けられた、搭載部品350が素子搭載部材320の搭載部品用端子Tに導電性接着剤Dにより固定されて、搭載される。
【0059】
圧電デバイス300は、振動素子340が素子搭載部材320に搭載された状態で、素子搭載部材320の第一の金属層(図示せず)と蓋部材310の封止用金属層(図示せず)とが接合され、素子搭載部材320の振動素子用凹部空間324が気密封止される。
【0060】
このような本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、2つ一対の突起部330によって、振動素子340が振動素子用凹部空間324内の所定の位置に位置出しされ、搭載される。従って、本発明の第三の実施形態に係る圧電デバイス300は、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
(第四の実施形態)
次に本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。なお、圧電デバイスを水晶発振器として説明する。
図7は、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す断面図である。
本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、図7に示すように、搭載部品用凹部425が素子部品用凹部424の内に設けられている点で第三の実施形態と異なる。
【0062】
素子搭載部材420は、基板部421と第一の枠部422aと第二の枠部422bとから主に構成されている。
基板部421は、例えば、矩形形状の平板に設けられている。また、基板部421は、その主面が蓋部材410の主面と同じ大きさとなっている。
また、基板部421は、一方の主面に第二の枠部422bと複数の搭載部品用端子Tとが設けられ、他方の主面に複数の外部接続端子Gが設けられている。
複数の外部接続端子Gは、例えば、4個設けられており、基板部421の他方の主面の4隅に1個ずつ設けられている。
【0063】
第二の枠部422bは、一方の主面に2つ一対の搭載端子Pが設けられている。この2つ一対の搭載端子Pは、例えば、第二の枠部422bの一方の短辺側に2個並んで設けられている。
また、第二の枠部422bは、基板部421の一方の主面での縁部であって、他方の主面が基板部421の一方の主面と対向する位置に設けられる。つまり、第二の枠部422bが基板部421の一方の主面に設けられて、一方の主面に搭載部品用凹部空間425が形成される。
【0064】
複数の搭載部品用端子Tは、この搭載部品用凹部空間425の底面に設けられる。この搭載部品用端子Tは、数と設けられる位置が搭載部品450によって異なる。ここで、搭載部品用端子Tが、例えば、6個設けられる。搭載部品用端子Tは、一方の長辺側に3個並んで設けられ、他方の長辺側に3個並んで設けられる。また、搭載部品用端子Tは、例えば、所定の一つが、所定の一つの外部接続端子Gと接続している。
【0065】
第一の枠部422aは、その主面の大きさが、基板部421の主面と同じ大きさとなっている。また、第一の枠部422aは、一方の主面であって、蓋部材410に設けられている封止用金属層(図示せず)と対向する位置に、第一の金属層(図示せず)が環状に設けられている。
また、第一の枠部422aは、その他方の主面が第二の枠部422bの一方の主面と対向するように、第二の枠部422bの一方の主面の縁部に設けられ、振動素子凹部空間424が形成される。
また、第一の枠部422aは、その振動素子凹部空間424の内側の面に、2つ一対の突起部430(430a,430b)が、第二の枠部422bと接触するように設けられている。
【0066】
つまり、素子搭載部材420は、一方の主面に振動素子用凹部空間424と搭載部品用凹部空間425が形成され、振動素子用凹部空間424の底面に搭載部品用凹部空間425が形成された構造となっている。
また、素子搭載部材420は、搭載部品用凹部空間425の底面に、6個の搭載部品用端子Tが設けられており、振動素子用凹部空間424の底面に、2つ一対の搭載端子Pが設けられている。また、素子搭載部材420は、他方の主面の4隅に外部接続端子Gが設けられている。
【0067】
突起部430(430a,430b)は、2つ一対となっており、振動素子用凹部空間424の底面に接しつつ、素子搭載部材420の第一の枠部422aの振動素子用凹部空間424内側の面に設けられている。
また、2つ一対の突起部430は、直方体の形状となっている。
また、2つ一対の突起部430は、図7に示すように、その高さが第一の枠部422aの高さより低い高さとなっている。つまり、2つ一対の突起部430は、振動素子用凹部空間424の底面と対向する面であって、振動素子用凹部空間424の開口部側の面が、素子搭載部材420の開口部が設けられている一方の主面より、振動素子用凹部空間424の底面側に位置している。
【0068】
一方の突起部430aは、素子搭載部材420の第一の枠部422aの振動素子用凹部空間424内側の面であって、素子搭載部材420の2つ一対の搭載端子Pの間に設けられている。ここで、一方の突起部430aは、例えば、2つ一対の搭載端子Pが設けられている振動素子用凹部空間424の底面であって、一方の短辺側の中央部に設けられている。
また、一方の突起部430aは、振動素子用凹部空間424の開口部側からみた場合、基板部421の外縁部の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部430aの振動素子用凹部空間424内側の辺の位置が、基板部421の外縁側の搭載端子Pの辺と、振動素子用凹部空間424内側の搭載端子Pの辺との間に設けられている。
【0069】
他方の突起部430bは、素子搭載部材420の第一の枠部422aの振動素子用凹部空間424内側の面であって、一方の突起部430aが設けられている面と対向する面に設けられている。また、他方の突起部430bは、振動素子用凹部空間424の底面に設けられている。ここで、他方の突起部430bは、例えば、他方の短辺の中央部に設けられる。
【0070】
2つ一対の突起部430は、素子搭載部材420の振動素子用凹部空間424内側であって、振動素子440を搭載することのできる位置に設けられている。
従って、2つ一対の突起部430は、振動素子用凹部空間424の開口部側から見た場合、基板部421の一方の短辺と平行な辺に着目すると、一方の突起部430aの振動素子用凹部空間424側の辺と他方の突起部430bの振動素子用凹部空間424側の辺との間に、振動素子440が搭載される位置に、2つ一対の突起部430が設けられる。
【0071】
このような本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス400は、2つ一対の突起部430によって、振動素子440が振動素子用凹部空間424内の所定の位置に位置出しされ、搭載されている。したがって、本発明の第四の実施形態に係る圧電デバイス430は、第三の実施形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0072】
110,210,310,410,510 蓋部材
120,220,320,420,520 素子搭載部材
121,221,321,421,521 基板部
122,222,322a,322b,422a,422b,522 枠部
124,224,324,424,524 振動素子凹部空間
325,425 搭載部材用凹部空間
P 搭載端子
T 搭載部品用端子
130,230,330,430 突起部
140,240,340,440,540 振動素子
141,241,341,441,541 圧電片
142,242,342,442,542 電極
S 接続端子
H 配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部とこの前記基板部の一方の主面に枠部が設けられ振動素子用凹部空間が形成され、前記振動素子用凹部空間の前記枠部の所定の一辺に沿って2つ一対の搭載端子が設けられている素子搭載部材と、
圧電材料からなる圧電片と、2つ一対の電極と前記電極に接続している2つ一対の配線パターンと前記配線パターンと接続している2つ一対の接続端子とを前記圧電片に有し、前記搭載端子に搭載される振動素子と、
前記素子搭載部材と接合されて前記素子部品用凹部空間を気密封止する蓋部材と、
前記枠部の前記振動素子用凹部空間内側の面に設けられた2つ一対の突起部と、
を備え、
前記一方の突起部が前記搭載端子の間となる位置に設けられており、
前記一方の突起部が設けられている面と対向する面に、前記他方の突起部が設けられており、
前記振動素子が前記突起部の間に搭載されている
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電デバイスであって、
前記一方の突起部と前記振動素子の固定端側の縁部との距離と、前記他方の突起部と前記振動素子の自由端側の縁部との距離との合計が、10μm〜50μmである
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−15074(P2011−15074A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156169(P2009−156169)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】