説明

地図情報表示装置および地図情報表示方法

【課題】現在位置の周辺施設のリスト表示をユーザの簡単な操作で行うことができるようにする。
【解決手段】表示画面16aが第1の配置状態(横長配置)となっているか第2の配置状態(縦長配置)となっているかを検出し、表示画面16aが第1の配置状態のときにはその表示画面16aに地図およびその地図上の現在位置を表示し、表示画面が第2の配置状態のときには、現在位置の周辺の施設に関する情報について、表示画面16aに図3(B)に示すようにリスト表示をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地図情報と現在位置とを表示する地図情報表示装置および地図情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自分の現在位置を地図上に表示する装置として、カー・ナビゲーション・システムやPND(パーソナル/ポータブル・ナビゲーション・デバイス)が広く利用されている。これらの装置では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)等により現在位置を検出し、記憶装置に記憶された地図情報から現在位置の周囲の地図を読み出して、地図とその地図上の現在位置とを表示する。そして、目的地および必要な場合には経由地を登録することで、そこまでの経路を検索してユーザに経路案内(ナビゲーション)を行うことができる。地図としては、2次元的な地図だけでなく、目的となる建物や施設(ランドマーク)がわかるような3次元的な俯瞰図を表示できるものが一般的である。
【0003】
カー・ナビゲーション・システムは、地図情報を記憶するための記憶装置として大容量のハードディスクあるいはDVDを用い、詳細な情報や多彩な機能をユーザに提供することができる。これに対してPNDは、記憶装置としてフラッシュメモリなど比較的小容量のものを用いており、情報量や機能は限定されるが、安価で手軽に利用できる利点があり、車載以外の用途でも利用されている。
【0004】
このようなカー・ナビゲーション・システムやPNDとして、従来から、現在位置の周辺のレストラン、コンビニエンスストア、商業施設、ガソリンスタンドなどを検索してリスト表示する機能を備えたものが知られている。例えば特許文献1には、自動車の走行に応じて最寄施設のリスト表示を更新することが開示されている。また、特許文献2には、リスト表示ではないが、表示画面を回転させたときに地図の表示を切り替えることが開示されている。
【特許文献1】特開平02−166245号公報
【特許文献2】特開2001−264083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、地図と現在位置が表示される画面から周辺施設のリスト表示の画面に切り替えるには、画面周辺に設けられたボタンを押すなり、画面上のボタン表示に触れるなどの操作が必要である。このような操作は、該当するボタンの選択とその位置の確認が必要となり、ボタンの位置を認識しなければ、操作できない。
【0006】
本発明は、このような課題を解決し、現在位置の周辺施設のリスト表示をユーザの簡単な操作で行うことのできる地図情報表示装置および地図情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の地図情報表示装置は、現在位置を検出する位置検出手段と、画像表示を行う表示手段と、表示手段の表示画面の配置状態を検出する状態検出手段と、表示画面が第1の配置状態にあるときには現在位置とその周辺の地図を表示手段に表示させ、表示画面が第1の配置状態とは異なる第2の配置状態にあるときには現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を表示手段にリスト表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第1の配置状態は表示画面が横長配置の状態であり、第2の配置状態は表示画面が縦長配置の状態であることが望ましい。また、第1の配置状態は地図表示に適するとして任意に設定された横長配置または縦長配置の状態であり、第2の配置状態は第1の配置状態が横長配置のときには縦長配置の状態、第1の配置状態が縦長配置のときには横長配置の状態であってもよい。
【0009】
表示制御手段は、現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を検索することができる。また、あらかじめ選択された条件に適合する施設、あるいは、現在の時間帯、移動を継続している時間および移動距離の少なくともひとつの条件に適合する施設を検索の対象とすることもできる。
【0010】
リスト表示上から目的地または経由地として選択された施設への経路検索および経路案内を行う手段を備えることができる。
【0011】
本発明の地図情報の表示方法は、表示画面の配置状態を検出し、表示画面が第1の配置状態にあるときにはその表示画面に地図およびその地図上の現在位置を表示し、表示画面が第1の配置状態とは異なる第2の配置状態にあるときには、現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を表示画面にリスト表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現在位置の周辺施設のリスト表示をユーザの簡単な操作で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[構成]
図1および図2は本発明の実施の形態を示す図であり、図1は地図情報表示装置の利用形態、図2はそのシステム構成を示す。地図情報表示装置として、ここではPND を想定して説明する。
【0014】
この実施の形態において、地図情報表示装置1は、ユーザが持ち歩くなど単独でも利用できるが、自動車内など地図情報表示装置1を何らかの位置に固定して使用する場合には、アタッチメント2を利用する。アタッチメント2は、地図情報表示装置1を工具の必要なしに簡単に着脱できる構造となっており、また、吸盤等により自動車のダッシュボードや窓に取り付けることができる。図1ではアタッチメント2として台状のものを示したが、アーム状やその他の形態のものも用いることができる。
【0015】
図2を参照して地図情報表示装置1の構成について説明する。この地図情報表示装置1は、通信部11、現在位置検出部12、地図情報記憶部13、経路検索部14、制御部15、表示部16、操作部17、音声出力部18、状態検出部19および外部機器接続部20を備える。外部機器接続部20には外部機器21が接続可能である。通信部11は、GPS信号やVICS(道路交通情報通信システム)情報等を受信する。現在位置検出部12は位置検出手段として機能し、通信部11で受信したGPS信号に基づいて現在位置を検出する。地図情報記憶部13には、あらかじめ地図情報が記憶される。経路検索部14は経路検索手段として機能し、現在位置から目的地に至る経路を検索する。制御部15はこの地図情報表示装置1の各部の動作を制御し、また、表示画面16aに各種の情報を表示させる表示制御手段として機能する。表示部16は表示手段として機能し、制御部15の制御により地図情報、現在位置およびその他の各種の情報を表示画面16aに表示する。この表示画面16aはタッチパネルとして機能するもので、リスト表示の際には、リスト中の目的とするものを指タッチすることにより、タッチしたものを選択することができる。操作部17は、各種スイッチやボタン、あるいは表示画面16aのタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け取って制御部15に通知する。音声出力部18は、経路案内やその他の情報、あるいは操作に関するアナウンスを行う。状態検出部19は状態検出手段として機能し、表示部16の表示画面16aの配置状態を検出する。外部機器接続部20には、Bluetooth(登録商標)機器や音響機器等の外部機器21を接続することができる。
【0016】
[基本的な動作:案内表示]
この地図情報表示装置1の基本的な動作について説明する。ユーザが目的地を設定していない状態では、制御部15は、現在位置検出部12が求めた現在位置に基づいて地図情報記憶部13を検索し、現在位置とその周辺の地図とを表示部16の表示画面16aに表示する。地図の縮尺や表示される地図の上方向が北か進行方向かは、ユーザが操作部17からの操作により設定することができる。また、地図情報が3次元表示、すなわち俯瞰表示に対応している場合には、2次元表示か3次元表示かをユーザが設定することができる。現在位置は移動に伴って時々刻々変化するが、制御部15は、その変化に伴って、表示する地図を更新する。以下では、次に説明する経路案内だけでなく、単に地図と現在位置とを時々刻々更新する表示も含めて、「案内表示」という。
【0017】
ユーザが操作部17からの操作により目的地および必要な場合は経由地を登録すると、経路検索部14は、現在位置からその経由地を経由して目的地に至る経路を、地図情報記録部13に記憶されている地図情報に基づいて検索する。この後、制御部15は、経路案内(ナビゲーション)を行う。この経路案内では、表示画面16aに表示される地図上に目的地に至る経路を目的地までの経路を目立つように表示させ、交差点が近づくと、その交差点までの距離および交差点で進むべき方向(車線)を大きく表示する。また、交差点の近辺の目的となる建物や施設(ランドマーク)をわかり易く表示する。さらに、音声出力部18からは、「次の交差点を右に曲がってください」というようなメッセージを出力する。目的地が近づくと、音声出力部18から、「目的地が近づきました」というようなメッセージを出力する。
【0018】
[表示画面の切り替え]
図3は地図情報表示装置1を90度回転させて表示画面を横長配置から縦長配置にしたときの表示内容の切り替えの様子を示し、図4はこの切り替えに伴う地図情報表示装置1の動作のフローチャートを示す。
【0019】
電源がオンになると、地図情報表示装置1は、上述した案内表示、すなわち現在位置周辺の地図およびその地図上の現在位置の表示、目的地および経由地の登録受け付け、経路検索ならびに経路案内の処理を行う(ステップS1)。この状態を図3(A)に示す。地図情報表示装置1の表示画面16aが第1の配置状態(図3(A)の例では横長配置の状態)である場合(スッテプS2でNo)には、この案内表示の処理を継続する。地図情報表示装置1が90度回転して表示画面16aが図3(B)に示す第2の配置状態この例では縦長配置)になると、状態検出部19がそれを検出し(ステップS2でYes)、制御部15は表示画面16aに表示する内容を切り替える。そして、制御部15に記憶されている検索範囲情報を読み出すか、またはユーザが検索範囲を設定し(ステップS3)、その設定された検索範囲内で、地図情報記憶部13のデータベースから、あるいは通信部11または外部機器接続部20に接続された外部機器21を介してダウンロードしたデータから、周辺施設情報を検索し(ステップS4)、その結果をリスト表示する(ステップS5)。図3(B)には、現在位置の周辺の施設に関する情報として、レストラン、コンビニエンスストアおよびカー用品点を現在位置から近い順にリスト表示した例を示す。
【0020】
検索範囲情報としては、現在位置からどれくらいの距離離れた施設まで検索するか、検索を現在位置を中心とした円内で行うか現在の進行方向の半円内で行うか、どのような施設(レストラン、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店、公共施設、景勝地、観光施設、遊興施設、高速道路の入り口、交通機関、等)を検索対象とするか、などが含まれる。これらの検索範囲情報(検索範囲および検索対象)の設定は、ユーザが決定入力するのではなく、工場出荷時に標準的に登録したものを制御部15が自動的に設定してもよく、ユーザがあらかじめ登録しておいたもの、あるいはユーザが以前に設定した内容で、制御部15が自動的に設定してもよい。さらに、食事の時間帯であればレストランや飲食店、走行時間や走行距離が長ければコンビニエンスストア、ファーストフード店などの休憩できる場所など、種々の条件によって制御部15が検索範囲を自動的に設定してもよい。例えば、走行中に時刻が昼食の時間帯、例えば昼の12時になった場合には、地図情報表示装置1内の管理機能でそれを管理して周辺施設のレストランを検索し、また、地図情報表示装置1に走行時間を把握できる機能を設け、走行時間が一定以上になった場合にはコンビニや道の駅などの休憩場所の情報を提供するようにしてもよい。走行時間ではなく走行距離が一定以上になった場合に休憩場所の情報を提供するようにしてもよく、走行時間と走行距離との一方または双方が一定以上になった場合に休憩場所の情報を提供するようにしてもよい。
【0021】
また、一度表示されたリスト表示からユーザが検索範囲の設定を変更することもできる。例えば、以前の設定にしたがって半径500mの円内でレストラン、コンビニエンスストアおよびカー用品店がリスト表示された後、検索範囲や検索対象の施設の種類(ジャンルという)を表示画面16a上で変更することで、変更された範囲およびジャンルで施設をリスト表示させることができる。また、リスト表示と共に表示されたジャンルアイコンを指定することで、そのジャンルのみの施設をリスト表示させることもできる。
【0022】
リスト表示された施設のいずれかをその表示画面16aで目的地あるいは経由地として設定するようにすることもできる。すなわち、制御部15は、リスト表示の状態から表示画面が再び配置変更された場合(ステップS6のYes)にはステップS1の案内表示に戻り、リスト表示が維持された場合(ステップS6のYes)には、リスト表示された施設のいずれかを目的地あるいは経由地とする設定登録を受け付ける(ステップS7)。ユーザが操作部17から目的地あるいは経由地として設定すると(ステップS8でYes)、経路検索部14による経路検索(ステップS9)を行う。ここで、経路によっては、縦長配置で前方の視界を先々まで見えるように表示したほうが便利である。そこで制御部15は、現在位置と道路の方向ならびに目的地との位置関係から現在の表示画面16aの配置が適切か、あるいは別の配置がよいのかを判断し(ステップS10)、現在の配置でよければ、その配置のままステップS1の案内表示に移行して目的地までの経路案内の処理を実行する。ステップS8で目的地あるいは経由地の設定がない場合、およびステップS10で表示画面16aの配置が別の方がよいと判断された場合には、制御部15は表示画面16aに、その表示画面16aの配置の切り替えを要求するメッセージを表示させる(ステップS11)。メッセージに応答して表示画面16aの配置が切り替えられた場合(ステップS12のYes)には、ステップS1の案内表示に移行する。表示画面16aの配置が切り替えられるのを所定時間待ち(ステップS12のNo、ステップS13のNo)、それでも切り替えられなかった場合(ステップS13のYes)には、その配置状態のままステップS1の案内表示に戻る。
【0023】
以上の動作では、電源がオンになった状態で表示画面16aが横長配置であるとし、それを第1の配置状態、それが縦長配置となった状態を第2の配置状態としている。また、現在位置と目的地または経由地との位置関係から地図表示を縦長に表示にしたほうがよい場合には、表示画面16aが縦長配置の状態を第1の配置状態、横長配置を第2の配置状態に変更している。すなわち、表示画面16aが横長配置で地図表示を行っている状態で縦長配置に切り替えられた場合にリスト表示を行うだけでなく、表示画面16aが縦長配置で地図表示を行っている状態で横長配置に切り替えられた場合にも、リスト表示を行っている。これに対して、電源がオンになった状態で表示画面16aが縦長配置である場合には、それを第1の配置状態とすることもできる。また、縦長の地図表示に対応する必要がない場合には、横長配置を第1の配置状態、横長配置を第2の配置状態と固定することもできる。
【0024】
[表示画面の状態検出]
図5は表示画面16aの状態を検出する方法の一例を示す図であり、地図情報表示装置1を裏面から見た状態を示す。この例では、地図情報表示装置1をアタッチメント2に取り付けるための取付部を回転スイッチ3として利用する。この回転スイッチ3は2つの接点4、5を備え、地図情報表示装置1の本体側の接点6が接点4に接続していれば表示画面16aは横長配置(実線)、接点5に接続していれば縦長配置(破線)と判断することができる。また、接点4、5の一方だけを利用することもできる。接点4のみを利用する場合であれば、そこに本体側の接点6が接続していれば横長配置、接続していなければ横長配置ではなないと判断できる。「横長配置ではない」ということは斜め配置か縦長配置のどちらかであることになるが、この場合は縦長配置と判定して、画面表示を縦長にする。接点5のみを利用する場合であれば、本体側の接点6が接点5に接続していない限り、横長配置の画面表示を継続する。回転スイッチ3の接点をさらに増やし、0度と90度の回転位置だけでなく、−90度(270度)や180度回転した配置を検出することもできる。
【0025】
図6は表示画面の状態を検出する方法の別の例を示す図であり、地図情報表示装置1の内部に設置されるGセンサ(加速度センサ)を用いた例を示す。位置関係を図5に対応させるため、図6においても、地図情報表示装置1を裏面から見た状態で示す。Gセンサは、鉛直方向のとき1G、水平方向のときには重力加速度が加わらないので0Gを出力する。そこで、例えば地図情報表示装置1の表示画面16aが横長配置のときGセンサが水平方向、縦長配置のときGセンサが鉛直方向に向くようにする。重力加速度Gの値とGセンサの水平方向に対する傾きθはG=sinθの関係があり、Gセンサを利用することで、横長配置と縦長配置との判定だけでなく、地図情報表示装置1の角度を求めることができる。
【0026】
図5に示した回転スイッチ3は、地図情報表示装置1がアタッチメント2に取り付けられている場合には、地図情報表示装置1の横の部分を押してアタッチメント2に対して回転させるだけで表示画面16aを切り替えることができる。しかし、地図情報表示装置1を手に持って利用する場合には、ユーザが回転スイッチ3を直接操作する必要がある。これに対してGセンサを用いる場合には、表示画面16aの面をほぼ鉛直に保つ必要はあるが、単に地図情報表示装置1を傾けるだけで、表示画面16aを縦長に合わせた状態や横長に合わせた状態に切り替えることができる。
【0027】
図5、図6では、地図情報表示装置1を傾けるときには正面から見てその右側が下になるものとして説明したが、左側が下になったとき、あるいは右側と左側のどちらが下になった場合にも、同様に表示画面を切り替える構成とすることができる。
【0028】
このように、地図情報表示装置1は、表示画面の横長配置と横長配置とを切り替えるだけで、画面表示の内容を切り替えることができる。画面を回転させることが可能であるカー・ナビゲーション・システムやPNDのような装置であれば、ユーザは、手を伸ばして画面を回転させることで、ほとんど視線を逸らす必要なしに簡単に画面表示の内容を切り替えることができる。特にPNDのように画面が本体と一体のものであれば、本体ごと回転させればよい。
【0029】
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明は要旨を変更しない限り種々変更することができる。例えば、PNDのように表示手段が地図情報表示装置1の本体に一体に設けられている場合だけでなく、表示手段が地図情報表示装置の本体とは別に設けられている場合にも、表示手段の傾き状態を検出することで、同様に実施することができる。
【0030】
また、地図情報表示装置1の外形が横長であっても表示画面16aが正方形の場合には、地図情報表示装置1が横長配置のときに通常の案内表示とし、縦長配置のときにリスト表示としてもよい。表示画面16aが縦長配置のときには通常の案内表示とし、横長配置のときにリスト表示としてもよい。
【0031】
また、地図情報表示装置1またはその表示部16を一方の方向に90度回転させたときにリスト表示をさせ、他方の方向に90度回転させたときに他の種類(ジャンル)のリスト表示をさせるようにしてもよい。例えば、時計方向に90度回転させたときには周辺のレストランをリスト表示させ、反時計方向に90度回転させたときには、周辺のガソリンスタンドを表示させるようにしてもよい。さらには、180度回転させたときに、さらに他の種類のリスト表示をさせるようにしたり、左右の90度回転ではリスト表示をさせずに、180度回転させたときにリスト表示をさせるようにしてもよい。一方の方向に90度回転させたときにはリスト表示をさせ、他方の方向に90度回転させたときには、リスト表示ではなく、その配置に適した地図を表示させてもよい。
【0032】
また、上述の実施の形態では、通常の案内表示と、自車または自分の現在位置の周辺施設のリスト表示とを切り替えるようにしているが、表示画面16aが横長配置のときに、通常の案内に加え、リスト表示も行えるようにしてもよい。この場合、通常の案内表示のときに縦長配置にするとリスト表示を行い、リスト表示のときに縦長配置にすると、リスト表示はそのまま継続して、同じ項目について文字配置や情報内容を変えたり、他のリスト表示を行うようにしてもよい。
【0033】
さらに、上述の実施の形態では、リスト表示してから目的地または経由地を指定した後の表示が、現在位置から判断して、横長画面が好ましいか縦長画面が好ましいかを判定しているが、このような判定をしないようにしてもよい。すなわち、ステップS8で登録されたときには、横長配置のみで目的地などへの経路案内をするようにしてもよい。また、リスト表示するものを目的地や経由地などの所定位置を中心とした所定範囲のものを表示するようにしてもよい。
【0034】
また、地図情報記憶部13としては、ハードディスク、DVD、ROM(読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリなどを利用できる。上述の説明では地図情報がこの地図情報記憶部13にあらかじめ記憶されているものとしたが、地図情報記憶部13には必要最小限の地図情報のみを記憶し、必要に応じて、通信部11あるいは外部機器接続部20に接続された外部機器21により提供されるインターネット回線などの通信回線を利用して、地図情報や経路探索結果をサーバから得ることもできる。通信回線を使って得た地図情報や経路探索結果は、地図情報記憶部13に保存して利用される。常時通信を行って必要な地図情報を更新しながら本発明を実施することもできる。
【0035】
表示手段としての表示部16には、タッチパネル式のもの以外に、単なる液晶表示装置や他の平面表示装置を用いてもよい。位置検出手段としての現在位置検出部12、状態検出手段としての状態検出部19、および経路検索部14はそれぞれ、単独のハードウェアとして構成することもできるが、表示制御手段としても機能する制御部15を構成するCPU(中央処理装置)やROM、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)などを共用し、ソフトウェアとして実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態を示す図であり、地図情報表示装置の利用形態を示す図である。
【図2】図1に示す地図情報表示装置の回路構成を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示す地図情報表示装置の表示画面の状態を示す図で、(A)は表示画面を横長配置とした状態を示し、(B)は地図情報表示装置を90度回転させて表示画面を横長配置から縦長配置にしたときの表示内容の切り替えの様子を示す図である。
【図4】図1に示す地図情報表示装置における表示内容切り替えに伴う動作のフローチャートを示す図である。
【図5】図1に示す地図情報表示装置の表示画面の状態を検出する方法の一例を示す図である。
【図6】図1に示す地図情報表示装置の表示画面の状態を検出する方法の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 地図情報表示装置、2 アタッチメント、3 回転スイッチ、4、5 接点、11 通信部、12 現在位置検出部(位置検出手段)、13 地図情報記憶部、14 経路検索部、15 制御部(表示制御手段)、16 表示部(表示手段)、16a 表示画面、17 操作部、18 音声出力部、19 状態検出部(状態検出手段)、20 外部機器接続部、21 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する位置検出手段と、
画像表示を行う表示手段と、
上記表示手段の表示画面の配置状態を検出する状態検出手段と、
上記表示画面が第1の配置状態にあるときには上記現在位置とその周辺の地図を上記表示手段に表示させ、上記表示画面が上記第1の配置状態とは異なる第2の配置状態にあるときには上記現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を上記表示手段にリスト表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする地図情報表示装置。
【請求項2】
前記第1の配置状態は前記表示画面が横長配置の状態であり、前記第2の配置状態は前記表示画面が縦長配置の状態であることを特徴とする請求項1記載の地図情報表示装置。
【請求項3】
前記第1の配置状態は地図表示に適するとして任意に設定された横長配置または縦長配置の状態であり、前記第2の配置状態は前記第1の配置状態が横長配置のときには縦長配置の状態、前記第1の配置状態が縦長配置のときには横長配置の状態であることを特徴とする請求項1記載の地図情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を検索することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の地図情報表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、あらかじめ選択された条件に適合する施設を対象として、前記現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を検索すること特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地図情報表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、現在の時間帯、移動を継続している時間および移動距離の少なくともひとつの条件に適合する施設を対象として、前記現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を検索すること特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地図情報表示装置。
【請求項7】
リスト表示上から目的地または経由地として選択された施設への経路検索および経路案内を行う手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の地図情報表示装置。
【請求項8】
表示画面の配置状態を検出し、
上記表示画面が第1の配置状態にあるときにはその表示画面に地図およびその地図上の現在位置を表示し、
上記表示画面が上記第1の配置状態とは異なる第2の配置状態にあるときには、上記現在位置から所定の範囲内にある施設に関する情報を上記表示画面にリスト表示する
ことを特徴とする地図情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−294169(P2009−294169A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150529(P2008−150529)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】