地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置
【目的】 地図更新時間を短縮し、かつ、バックグラウンド更新を行なえるようにする「地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置」を提供することである。
【構成】 多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成に際して、地図更新処理用データ作成装置12は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、差分データサイズのサイズ率を計算し、サイズ率が設定値より大きければ新地図ファイルを地図更新処理用データとし、サイズ率が設定値より小さければ差分データを地図更新処理用データとし、ファイル毎の該データにより地図更新処理用データを作成する。
【構成】 多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成に際して、地図更新処理用データ作成装置12は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、差分データサイズのサイズ率を計算し、サイズ率が設定値より大きければ新地図ファイルを地図更新処理用データとし、サイズ率が設定値より小さければ差分データを地図更新処理用データとし、ファイル毎の該データにより地図更新処理用データを作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置に係わり、特に、ナビゲーション用の旧地図データを新地図データに更新する地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、車両の現在位置に応じた地図データをCD−ROM、DVD,HDD等の記録媒体から読み出してディスプレイ画面に描画すると共に、車両マークをディスプレイ画面の一定位置に固定表示し、走行に応じて地図をスクロ−ル表示する。地図データは、(1) ノ−ドデータや道路リンクデータ、交差点データ等からなる道路レイヤと、(2) 地図上のオブジェクトを表示するための背景レイヤと、(3) 市町村名などを表示するための文字レイヤなどから構成され、ディスプレイ画面に表示される地図画像は、背景レイヤと文字レイヤに基づいて発生され、マップマッチング処理や誘導経路の探索処理は道路レイヤに基づいて行われる。また、ナビゲーション装置は以上に加えて、出発地から目的地までの誘導経路を探索し、該誘導経路を地図上に表示する経路誘導機能や地図上に所定のPOIマーク(ランドマーク)を表示するPOI表示機能を備えている。
【0003】
ところで、新道路建設等による地形データの変更、施設のオープン/閉鎖、宅地整備その他の理由で記録媒体に記憶されている地図データは時間の経過と共に陳腐化する。このため、従来技術として更新地図データを地域毎にナビゲーション装置の不揮発性メモリに記憶し、地図データが更新されている地域の地図は該不揮発性メモリから読み取り、更新されていない地域の地図は記録媒体(CD−ROMなど)から読み取ってナビゲーション制御する技術がある(例えば特許文献1参照)。この第1従来技術では、更新された地域(ブロック)の最新の地図データをメッシュ単位でリムーバブルメモリからハードディスク等の不揮発性メモリに書込み、ブロック管理情報を参照してブロックを構成する全メッシュの更新地図データが不揮発性メモリに存在するか調べ、存在しなければ記録媒体(CD−ROMなど)から地図情報を読み出し、存在する場合には不揮発性メモリから読み出し、該地図データを用いてナビゲーション制御する。しかし、かかる方法では、CD−ROM、DVDなどの記録媒体とハードディスク等の不揮発性メモリの両方を併用してナビゲーション制御を行なう必要があり、制御が複雑になる問題がある。又、従来技術ではナビゲーション制御のためにCD−ROM、DVDなどの地図記録媒体が常時必要であるため、音楽用CD再生機やDVD再生機を地図用再生機と別個に設ける必要がありハードウェアが大掛かりになる問題がある。
【0004】
このため、地図データをハードディスクHDD等の地図記憶部に記録しておき、地図データに変更があったとき該ハードディスクHDDの地図データを最新の地図データで書き替える方法が提案されている(特許文献2参照)。この第2従来技術において、ユーザはセンターより新地図データと旧地図データの差分を取得し、あるいは新地図データと旧地図データの差分を記録した更新DVDを購入してハードディスクHDDの旧地図データを新地図データで更新するようにしている。このようにすれば、ハードディスクHDDに記録されている地図データを用いてナビゲーション制御ができ、しかも、音楽やビデオ観賞用のDVD再生機を地図用DVD再生機と兼用でき、しかも、ナビゲーション制御しながら音楽やビデオを鑑賞することが可能となる
【0005】
図20は地図差分データ作成装置による更新DVD作成の概略説明図である。
地図データは多数のファイルから構成されているから、地図差分データ作成装置(図示せず)は、ファイル毎に新バージョン(Ver 2)の新地図ファイルNFLと旧バージョン(Ver 1)の旧地図ファイルOFLの差分を抽出する処理を行なって差分データDFD1〜DFDNを作成し、しかる後、全差分データをまとめて更新データを作成し、該更新データをDVDに書込んで更新DVD 1を作成する。
図21は更新DVDを用いてハードディスクHDDの旧地図データを新地図データに更新するナビゲーション装置の更新処理説明図である。地図更新に際して、ナビゲーション装置のハードディスク読取部2はハードディスク3からバージョン1(Ver 1)の旧地図ファイルOFLを読み取って更新処理部4に入力し、DVD再生部5は更新DVD 1から差分データを読み取って更新処理部4に入力する。更新処理部4は、差分データとVer 1の旧地図ファイルOFLを用いてファイル毎にVer 2の新地図ファイルNFLを生成し、ハードディスク書込み部6は該新地図ファイルNFLで旧地図ファイルOLFを書き替える。
【特許文献1】特開2003−337027号公報
【特許文献2】特開2004−287705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、第2従来技術の地図更新は2時間以上の長時間を必要とし、新地図ファイルをそのままDVDに格納して該DVDからハードディスクHDDに単純にコピーする場合より、時間がかかってしまう。これは、旧地図ファイルと差分データとから新地図ファイルを作成する処理や旧地図ファイルの読み込みに時間がかかる為である。このため、地図更新において更新DVDが必要な長時間、他の音楽CDやDVD Videoなどを鑑賞できない問題がある。
そこで、差分DVDを使用せず新地図データをDVDに書込んでハードディスクに直接コピーする方法が考えられる。しかし、現在の地図データのデータ量は15Gバイト程度あり、全地図データを書込むには8.5GバイトのDVD2枚を必要となる。このように地図データがDVD2枚に分かれてしまうと、バックグラウンド更新処理が実現出来なくなる。バックグラウンド更新処理とは、以下のような更新処理である。ナビゲーション装置はナビゲーション処理と地図更新処理を並行して行なう際、ナビゲーション処理を優先して実行し、ナビゲーション処理の空き時間に地図更新処理を行なう。また、地図更新処理はたとえば北から南に向けて、すなわち北海道から九州に向けて順番に行なうが(全更新処理)、ナビゲーション制御において更新済みでない地域の地図ファイルが要求された場合には全更新処理を中断して該地域の地図データを更新し(随時更新処理)、随時更新処理終了後に全更新処理を再開する。ナビゲーション装置はこの随時更新された新地図ファイルに基づいて行なう。以上の地図更新処理をバックグラウンド更新処理という。
しかし、地図データがDVD2枚に分かれてしまうと、このバックグラウンド更新処理ができなくなる。
以上から、本発明の目的は地図更新時間を短縮することである。
本発明の別の目的は、バックグラウンド更新を行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
・課題を解決するための第1の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成方法及び装置により達成される。
本発明の地図更新処理用データ作成方法は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成するステップ、前記差分データサイズのサイズ率を計算するステップ、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを地図更新処理用データとし、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを地図更新処理用データとするステップ、前記更新すべき旧地図ファイル毎のデータにより地図更新処理用データを作成するステップを有する。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、前記地図更新処理用データのファイルが新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入するステップを有する。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、更新すべき全ての旧地図ファイルについての前記地図更新処理用データを、記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成するステップを有している。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するステップを有している。
上記地図更新処理用データ作成方法において、前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合であり、前記設定値は更新処理用の全地図データが1枚の記録媒体に収容可能となる値である。
上記地図更新処理用データ作成方法において、前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを含ませる。
本発明の地図更新処理用データ作成装置は、旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、更新すべき旧地図ファイルについて、旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成する処理部、各地図更新処理用ファイルを格納し、全ての各地図更新処理用ファイルを地図更新処理用データとして出力する格納部を備えている。上記地図更新処理用データ作成装置は、更に、前記格納部に記憶された前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部を備えている。
前記処理部は、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更する。
前記処理部は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合を前記サイズ率として計算する。また、前記処理部は、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入する。
【0008】
・課題を解決するための第2の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置およびナビゲーション装置の地図更新方法により達成される。
本発明の地図更新方法は、地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別するステップ、新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップを有している。
上記地図更新方法は、更に、新地図ファイルに基づいた地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取り、該新地図ファイルによりナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、ついで、差分データに基づいた全地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取ってメモリに格納するステップを備え、以後、前記差分データに基づいたファイルと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている該旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える。
上記地図更新方法は、更に、地図更新処理用ファイルを更新データ記録媒体から取得し、旧地図ファイルを前記地図データ記憶部から取得するステップ、更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新地図ファイル数をカウントするステップ、該更新地図ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了と判定するステップを有している。
本発明のナビゲーション装置は、旧地図データを記憶する地図データ記憶部、該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、前記地図更新処理用データの地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部を備えている。
【0009】
・課題を解決するための第3の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための上記地図更新処理用データ作成方法と地図更新処理用データを用いて地図を更新するための上記地図更新方法とを組み合せてなる地図データ更新方法により達成される。
また、上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する上記地図更新処理用データ作成装置と地図更新処理用データを用いて地図を更新する上記ナビゲーション装置を備えた地図データ更新システムにより達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、差分データサイズのサイズ率が設定値より大きければ新地図ファイルを用いて、又、サイズ率が設定値より小さければ差分データを用いて地図更新処理用データを作成するため、該地図更新処理用データを1枚の記録媒体に収納でき、しかも、地図更新処理用データに含まれる新地図ファイル数を多くできる。この結果、新地図ファイルにより旧地図ファイルの書き替え時間を短縮でき、速やかに観賞用CDあるいはDVDを聞けるようになる。しかも、1枚の記録媒体に収納できるため、バックグランド更新処理を行なうことができる。
又、本発明によれば、地図更新処理用データを収納する記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するようにしたから、ナビゲーション装置により記録媒体の容量が変化しても最適なサイズの更新処理用データRNEWMPを作成して該記憶媒体に書き込むことが出来る。
又、本発明によれば、地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを地図更新処理用データに挿入するため、ナビゲーション装置は地図更新に際して、該データを用いて簡単に地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを識別して旧地図ファイルの書き換えができる。
又、本発明によれば、前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合であり、前記設定値は地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値であるとしたから、確実に、地図更新処理用データを1枚の記録媒体に収容できる。
又、本発明によれば、最初、新地図ファイルに基づいた地図更新処理用ファイルを用いて地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを更新し、しかる後、全ての差分データに基づいた地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取ってメモリに格納し、以後、メモリに記憶した差分データに基づいたファイルを用いて更新処理を行なうようにしたから、差分データに基づいたファイルをメモリに記憶した時点で更新記録媒体(CD、DVD)が不用になるため、ますます早く観賞用CDあるいはDVDを聞けるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の地図データ更新システムは、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置と地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置を備えている。
地図更新処理用データ作成装置は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、前記差分データサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて地図更新処理用データを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成し、該地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する。
地図更新を行なうナビゲーション装置は、前記更新用記録媒体から読み取った地図更新用データの更新用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ハードディスク等の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、更新用ファイルが差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える。
以上のようにすれば、地図更新時間を短縮でき、しかも、バックグラウンド更新を行なうことが可能となる。
【実施例1】
【0012】
(A)本発明の概略
新地図ファイルと旧地図ファイルの差分データを用いて、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを新地図ファイルに書き替えるための処理時間は、図1に示すように、差分データサイズのサイズ率ηが大きくなるほど長くなる。サイズ率ηはたとえば次式
η=(差分データサイズ×100)/(新データサイズ) (%) (1)
で計算される値である。
【0013】
図2は差分データ作成方法説明図であり、新地図データNEWMと旧地図データOLDMをバイト単位で比較し,(1)新地図データ領域と一致する旧地図データ領域を検索し、該旧地図データ領域の先頭アドレスとサイズ、(2)旧地図データと一致しない新地図データの組を順番に配列して前記差分データを作成する。図2において、矢印で双方を指し示している個所が新旧で同一の領域である。旧地図データOLDMにおける不一致領域データDLTMは破棄され、新地図データNEWMにおける不一致領域データA〜Dは差分データとして追加される。同一の旧地図データ領域は、該領域の先頭アドレスADiとサイズSiで特定される。図2の例では、差分データは図3に示すようになる。すなわち、
差分データの構成は、
・新地図ファイル:Aデータ
・旧地図ファイル:1データ指定(先頭アドレスAD1,サイズS1)
・新地図ファイル:Bデータ
・旧地図ファイル:3データ指定(先頭アドレスAD3,サイズS3)
・新地図ファイル:Cデータ
・旧地図ファイル:2データ指定(先頭アドレスAD2,サイズS2)
・新地図ファイル:Dデータ
となる。
【0014】
サイズ率が小さい程、旧地図ファイルと新地図ファイルとの一致するデータサイズ部分が大きくなり、旧地図ファイルと新地図ファイルとが不一致となる箇所数が少なくなり、更新処理時間は短くなる。一方、サイズ率が大きい程、旧地図ファイルと新地図ファイルとが異なるデータサイズ部分が大きくなり、旧地図ファイルと新地図ファイルとが不一致となる箇所数が多くなり更新処理時間が長くなる。この結果、サイズ率と処理時間の関係は図1に示すようになる。
ところで、新地図ファイルをそのまま更新DVDに格納して該更新DVDからハードディスクHDDに単純にコピーする場合の方が、差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルデータを作成してハードディスクHDDに書込むより処理時間が短い。しかし、新地図ファイルを地図更新処理用データ(更新処理用ファイル)とする方が、差分データを更新処理用ファイルとする場合よりデータ量が多い。すなわち、処理時間を重視すると新地図ファイルを更新DVDに格納した方が有利となり、データ量を重視すると差分データを更新DVDに格納した方が有利となる。
そこで、差分データのサイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを更新処理用ファイルとし、一方、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを更新処理用ファイルとして更新DVDに記録する。このようにすれば、更新処理用の全地図データ(全更新処理用ファイル)が1枚の更新DVDに収容可能となり、しかも、多くの新地図ファイルを更新処理用ファイルとして更新DVDに記録できるため、地図更新の処理時間を短縮できる。なお、設定値SPの値は、DVD1枚(8.5Gバイト)に収まる様に調整する。
【0015】
図4は上記により、地図更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用するか、差分データを使用するか決定する制御の説明図であり、SP=10(%)としている。ファイル1、ファイル3はそれぞれサイズ率η=9%、5%で、SP=10%より小さいため、更新処理用ファイルとして差分データを使用する。一方、ファイル2、ファイル4はそれぞれサイズ率η=40%、90%で、SP=10%より大きいため、地図更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用する。なお、図4では説明上4ファイルとしたが、実際には数10万ファイル程存在する。
【0016】
(B) 地図データ更新システム
図5は地図データ更新システムの構成図であり、旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置10と地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置20を有している。
地図更新処理用データ作成装置10は、地図更新処理用データRNEWMPをDVD等の記録媒体に記録してナビゲーション装置20に渡す。なお、地図更新処理用データ作成装置10とナビゲーション装置20間を、通信回線(無線回線、インタネット等)により通信可能に接続し、地図更新処理用データ作成装置10はナビゲーション装置からの要求により通信により地図更新処理用データRNEWMPをナビゲーション装置20に渡すこともできる。
【0017】
(a)地図更新処理用データ作成装置
図6は地図更新処理用データ作成装置10の構成図であり、地図更新処理用データRNEWMPをDVDに書込む例である。地図ファイル入力部11は旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMを差分抽出/処理部12入力する。差分抽出/処理部12は、図2〜図3で説明した方法により、ファイル毎に旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMの差分データを作成し、差分データサイズのサイズ率ηを計算し、該サイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを用いて地図更新処理用データ(更新処理用ファイル)を作成し、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを用いて更新処理用ファイルを作成して更新データ格納部13に格納する。更新データ格納部13は更新すべき旧地図ファイル毎の更新処理用ファイルを地図更新処理用データRNEWMPとして保存し、DVDレコーダ14からの要求により該地図更新処理用データをDVDレコーダに入力し、DVDレコーダ14は地図更新処理用データRNEWMPをDVD15に書込んで更新DVDを作成する。なお、DVDに替えてCD−ROM、半導体メモリ等任意の記録媒体を使用することができる。
図7は差分抽出/処理部12の機能ブロック図であり、差分データ作成部12aは、ファイル毎に旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMの差分データを作成し、サイズ率計算部12bは(1)式により差分データサイズのサイズ率ηを計算し、更新処理用ファイル作成部12cは、該サイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを用いて更新処理用ファイルを作成し、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを用いて更新処理用ファイルを作成して更新データ格納部13に格納する。
【0018】
(b)地図更新処理用データの作成処理フロー
図8は地図更新処理用データ作成装置10における差分抽出/処理部12の地図更新処理用データの作成処理フローである。
まず、更新すべき旧地図ファイルと新地図ファイルを読み取る(ステップ101)。すなわち、新地図ファイルと旧地図ファイルを読み取って比較し、異なれば旧地図ファイルは更新すべきであると判断してステップ101の処理を終了する。しかし、一致していれば旧地図ファイルは更新すべきでないと判断して次の新地図ファイルと旧地図ファイルを読み取って比較し、新地図ファイルと旧地図ファイルが異なるまで繰返す。
ついで、更新すべき旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成する(ステップ102)。差分データが求まれば、該差分データのサイズ率ηを(1)式にしたがって計算し(ステップ103)、該サイズ率ηと設定値SPの大小を比較し(ステップ104)、η≧SPであれば、新地図ファイルを用いて更新処理用ファイルを作成し、生データフラグをオンして更新データ格納部13に保存する(ステップ105)。η<SPであれば、差分データを用いて更新処理用ファイルを作成し、生データフラグをオフして更新データ格納部13に保存する(ステップ106)。
しかる後、更新すべきファイルが存在するかチェックし(ステップ107)、存在すればステップ101以降の処理を繰返えす。更新すべきファイルが存在しなくなれば、更新処理用ファイルで構成された地図更新処理用データをDVDに書込んで更新DVD15を作成する(ステップ108)。
尚、ステップ101において更新すべき旧地図ファイルの数をカウントし、ステップ108において該カウント数を総変更ファイル数としてDVDに書き込む。
【0019】
(c)設定値SPの決定処理
ナビゲーション装置によって地図データサイズに大きな差がある。地図データサイズの小さいナビゲーション装置では、メモリーカードに更新処理用データを格納することにより更新が行える。また、今後、地図データサイズが大きくなっていくと、DVDに更新処理用データを格納出来なくなり、HDDVDやBlue-rayディスクに更新処理用データを格納しなければならなくなる。更新処理用データを格納する記憶媒体はナビゲーション装置に依存し、該記憶媒体に格納できる最大値が更新処理用データの最大値となる。この更新処理用データの最大値、すなわち、記憶媒体の容量を超えない様に前記設定値SPを決定して更新処理用データRNEWMPを作成する必要がある。この様にする事により、記憶媒体に最適な更新処理用データRNEWMPを作成して書き込むことが出来る。
図9は設定値SPを決定する処理フローであり、予め、図10に示すように更新処理用データ記憶媒体の種別に応じた記憶容量(更新処理用データサイズDS)をテーブル化してメモリに記憶しておき、記憶媒体の種別が検出されたとき、該メモリに記憶されている該記憶媒体の容量を求め、該容量となるように設定値SPを決定する
図9において、更新処理用地図データ作成部10は、更新処理用データ記憶媒体の種別を識別する(ステップ151)。記憶媒体の種別は手動で入力しても良いし、あるいは、更新処理用地図データを記憶媒体に書き込む書き込み装置から入力しても良い。
ついで、該記憶媒体の種別に応じた更新処理用データサイズDSを図10のテーブルより取得し、これから作成する更新処理用データRNEWMPのサイズが該更新処理用データサイズDS以下となるように設定値SPを決定する。すなわち、記憶媒体がDVDであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが8.5Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ152,153)。
また、記憶媒体がメモリカードであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが1.0Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ154、155)。
また、記憶媒体がHDDVD(ブルーレイ)であれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが30Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ156、157)。
また、記憶媒体がCD−ROMであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが700Mバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ158、159)。
なお、記憶媒体が上記いずれでもなければエラーであるとして処理を終了する(ステップ160)。
【0020】
(d)ナビゲーション装置
図11はナビゲーション装置の構成図であり、地図記憶部(例えばハードディスクHDD) 21にはナビゲーション用の地図データがファイル形式で記録されており、ハードディスクドライブ22はナビゲーション制御装置23からの指示に従ってハードディスク21から地図データを読み出し、かつ該ハードディスクに新地図データを書込めるようになっている。DVD再生部24は更新DVD 15から地図更新処理用データRNEWMPを読み取ってナビゲーション制御装置23に入力する。車両位置検出部25は自動車位置を検出してナビゲーション制御装置23に入力する。これによりナビゲーション制御装置は地図データを用いてナビゲーション制御が可能となる。データ入力部26は、タッチパネル、リモコンなどであり、各種コマンドやデータを入力し、外部通信インターフェース27は携帯電話、インターネット等を介して外部装置と通信する。なお、更新DVD 15から地図更新処理用データRNEWMPを読み取らないで、地図更新処理用データ作成部10と通信して地図更新処理用データRNEWMPを取得することもできる。モニター装置28はナビゲーション用の地図を表示したり、適宜操作メニュー画像を表示する。ナビゲーション音声案内部29は接近した交差点における案内(右左折方向、交差点までの距離等)を音声でユーザに通知する。
【0021】
ナビゲーション制御装置23はナビゲーション処理部PR1と地図更新処理部PR2を備え、ナビゲーション処理と地図更新処理を行なう。地図更新処理において更新DVD15から読み取った地図更新処理用データを用いてハードディスク21に記憶されている地図データ(旧地図データ)を更新する。ナビゲーション制御装置は、ナビゲーション処理と地図更新処理を並行して行なう場合には、ナビゲーション処理を優先して実行し、ナビゲーション処理の空き時間に地図更新処理を行なう。また、地図更新処理はたとえば北から南に向けて、すなわち北海道から九州に向けて順番に行なうが(全更新処理)、ナビゲーション処理において更新済みでない地域の地図ファイルが要求された場合には全更新処理を中断して該地域の地図データを更新し(随時更新処理)、随時更新処理終了後に全更新処理を再開する。ナビゲーション処理は随時更新された新地図ファイルに基づいて行なう(バックグラウンド制御)。
【0022】
(e)地図更新処理フロー
図12はナビゲーション制御装置の地図更新処理フローである。
更新DVD15をDVD再生装置24に装填して地図更新処理を開始すれば、ナビゲーション制御装置23は該更新DVD15より地図更新処理用ファイルを1個づつ読出し(ステップ201)、生データフラグを参照して該地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか差分データに基づいたファイルであるかチェックする(ステップ202)。新地図ファイルに基づいたファイルであれば、該新地図ファイルによりハードディスク21の旧地図ファイルを書き変える(ステップ203)。一方、差分データに基づいたファイルであれば、差分データとハードディスクHDDから読み出した旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを作成し、該新地図ファイルでハードディスク21の旧地図ファイルを書き変える(ステップ204)。
しかる後、更新済みファイル数をカウントアップし(ステップ205)、該カウント数が更新DVD15から読み取った管理データに含まれる総変更ファイル数と一致したかチェックし(ステップ206)、一致しなければステップ201に戻って以降の処理を繰り返し、一致すれば地図更新処理を終了する。
【0023】
図13はナビゲーション制御装置における地図更新処理の別のフローである。
更新DVD15をDVD再生装置24に装填して地図更新処理を開始すれば、ナビゲーション制御装置23は該更新DVD15より1個づつ地図更新処理用ファイルを読み出し、生データフラグを参照して該地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば該新地図ファイルによりナビゲーション装置のハードディスクに記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える(ステップ301)。ついで、全ての新地図ファイルによる更新処理を終了したかチェックし(ステップ302)、終了しなければステップ301に戻り以降の処理を繰返す。
全ての新地図ファイルによる更新処理を終了すれば、更新DVD15より更新処理用ファイルのうち差分データに基づいたファイルを全て読み取って内蔵のメモリに格納する(ステップ303)。これにより以、更新DVD15は地図更新に必要でなくなるから、以後、ユーザは更新DVD15を排出し、音楽やビデオ用DVDを再生することができる(ステップ304)。
ついで、ナビゲーション制御装置23はメモリより差分データに基づいたファイルを読み出し、ハードディスクHDDより旧地図ファイルを読み出し、これらより新地図ファイルを作成し(ステップ305)、該新地図ファイルを用いてハードディスクHDD内の旧地図ファイルを書き換える(ステップ306)。ついで、全ての差分データに基づいたファイルによる更新処理を終了したかチェックし(ステップ307)、終了してなければステップ305に戻り次の差分データについて上記処理を繰返す。
このようにすれば、差分データに基づいたファイルをメモリに記憶した時点で更新記録媒体(CD、DVD)が不用になるため、観賞用CDあるいはDVDの再生が可能になる。
【0024】
(f)地図データ
図14、図15は地図データの説明図である。地図データは図14(A)に示すように、機能(DATA,FREEWAY,MAP,POI,RC,RG,STREET,TOLL,VICS)それぞれについて、レベル毎あるいはエリアや検索ツリー毎に細かく分割してディレクトリ構造で作成されてハードディスクHDD 21に記録されている。各機能において、DATAはランドマークやジャンクションマップデータ等、FREEWAYは高速道路データ、MAPは地図データ、POIは情報検索データ、RCは誘導経路探索データ、RGは経路誘導データ等である。
地図データMAPは、ディレクトリ構造になっており、詳細地図(レベル00)から広域地図(レベル06)まで7段階のレベルを有し、各レベルの地図をメッシュで分割した時、メッシュ毎に地図表示用データファイルMP XXXX.mba、RF XXX.mbaを備えている。図14(A)では、レベル06の地図(日本全国地図)が4つのメッシュに分割され、各メッシュの地図表示用データファイルがMP 0000.mba〜MP 0003.mba、RF 0000.mba〜RF 0003.mbaであることが示されている。なお、ファイルMP XXXX.mbaは背景、文字、シンボル表示用データであり、ファイルRF XXX.mbaは道路形状表示データである。
図14(B)は、レベル1の地図が5個の1次メッシュに分割され、1次メッシュが更に7個の2次メッシュに分割され、所定の2次メッシュの表示用データファイルがMP 0000.mbaとRF 0000.mbaであることが示されている。以上より、Level01ディレクトリ→1st3927ディレクトリ→2nd0005ディレクトリの順に追って必要な地図表示データファイルMP 0000.mba、RF 0000.mbaを取得することができる。
【0025】
図15(A)は情報検索データPOIの構成例であり、住所検索、住所50音検索、建物検索、高速路線検索、施設検索、電話番号検索.....が可能となるようにそれぞれの検索項目毎にディレクトリ構造になっている。
図15(B)は高速路線検索データFREEWAYの構造例であり、高速路線検索データFREEWAYには2つの子ディレクトリLIST,P Tree00 mbaが接続されている。P Tree00 mbaは、検索ツリーを表現するファイルである。ディレクトリLISTには9個の地方(北海道、東北、関東、…、九州)に応じてList 000〜List 008が接続し、北海道リストList 000には10個の高速路線を示すファイルP list000.mba〜P list009.mbaが接続されている。
【0026】
(g)更新データ(地図更新処理用データ)
図16〜図19は更新データ説明図である。更新データ(差分)には図16(A)に示すように、更新をかけるファイルが接続する機能ディレクトリ(DATA,FREEWAY,MAP,POI,RC,RG,STREET,TOLL,VICS)とIndex.difファイルが接続されている。Index.difファイルは、(1)更新前後のバージョン番号、(2)更新をかける必要がある総変更ファイル数、(3)更新すべき機能ディレクトリの数などを特定する。
地図更新処理用ファイル(更新対象ファイル〕は、機能毎にディレクトリ構造で指し示されるようになっている。図16(B)は、機能RG(経路誘導データ)のディレクトリ構造説明図であり、機能ディレクトリRGにディレクトリUP000とInfo0000.difが接続されている。UP000は更新実体ファイル(UP000.dif〜UP002.dif)を指し示すためのディレクトリであり、Info0000.dif は複数の下位の差分更新対応レコード#0〜#Nを指し示すディレクトリである。
【0027】
差分更新対応レコードは図17(A)に示すように、以下の情報
(1)処理状態(着目しているディレクトリより下位のがディレクトリが処理済みであるか否か)、
(2)着目ディレクトリのディレクトリ名、
(3)サブディレクトリ(下位のディレクトリ)
(4)着目ディレクトリに存在するファイル数、
(5)サブディレクトリに対応する差分更新対応レコード番号、
(6)着目ディレクトリ下のファイルに対応する差分更新情報レコード番号
を有している。
図17(B)のディレクトリ構造を例にして説明すると、着目ディレクトリがMBA\RG\LEVEL01であるから、ディレクトリ名は“LEVEL01"である。また、サブディレクトリ数は3であり、このディレクトリに存在するファイル数は0である。サブディレクトリ数が3であるから、3つの該サブディレクトリの差分更新対応レコード番号#X(1st 3622),#X+1(1st 3623),#X+2(1st 3624)が特定されている。しかし、このディレクトリに存在するファイル数は0であるため、差分更新情報レコード番号は一つも特定されていない。
【0028】
図18は差分更新対応レコードの別の例であり、サブディレクトリ数が0、ファイル数が2の例であり、ディレクトリ名は"1st3622"である。サブディレクトリ数が0であるから差分更新対応レコード番号は一つも特定されていない。しかし、このディレクトリに存在するファイル数が2であるため、2つの差分更新情報レコード番号(地図更新処理用ファイルを特定する) 1st 3622、1st 3623が記入されている。
図19はファイル(地図更新処理用ファイル)を特定する差分更新情報レコード番号の例であり以下の情報
(1)処理状態(着目している地図更新処理用ファイルが処理済みであるか否か)、
(2)着目している地図更新処理用ファイルのファイル名、
(3)生データフラグ(地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか差分データに基づいたファイルであるかの別)
(4)更新データ実体ファイルのファイル番号、
(5) 更新データ実体ファイルの先頭からのオフセット、
(6)更新データサイズ
を有している。
更新データ実体ファイル番号が示す更新実態ファイルは生データフラグがオンであれば、新地図ファイルであり、生データフラグがオフであれば差分データである。
以上本発明によれば、地図更新時間を短縮でき、しかも、更新DVDは1枚であるためバックグラウンド更新を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】サイズ率と処理時間の関係である。
【図2】差分データ作成方法説明図である。
【図3】差分データ説明図である。
【図4】更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用するか、差分データを使用するか決定する制御の説明図である。
【図5】地図データ更新システムの構成図である。
【図6】地図更新処理用データ作成装置の構成図である。
【図7】差分抽出/処理部の機能ブロック図である。
【図8】地図更新処理用データの作成処理フローである。
【図9】設定値を決定する処理フローである。
【図10】記憶媒体の種別と更新処理用データサイズの対応テーブル説明図である。
【図11】ナビゲーション装置の構成図である。
【図12】ナビゲーション制御装置の地図更新処理フローである。
【図13】ナビゲーション制御装置における地図更新処理の別のフローである。
【図14】地図データの説明図である。
【図15】地図データの説明図である。
【図16】更新データ説明図である。
【図17】差分更新対応レコードの説明図である。
【図18】差分更新対応レコードの別の説明図である。
【図19】差分更新情報レコードの説明図である。
【図20】地図差分データ作成装置による更新DVD作成の概略説明図(従来技術)である。
【図21】更新DVDを用いてハードディスクHDDの旧地図データを新地図データにするナビゲーション装置の更新処理説明図(従来技術)である。
【符号の説明】
【0030】
11 地図ファイル入力部
12 差分抽出/処理部
12a 差分データ作成部
12b サイズ率計算部
12c 更新処理用ファイル作成部
13 更新データ格納部
OLDM 旧地図ファイル
NEWM 新地図ファイル
【技術分野】
【0001】
本発明は地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置に係わり、特に、ナビゲーション用の旧地図データを新地図データに更新する地図更新処理用データ作成方法、地図更新方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、車両の現在位置に応じた地図データをCD−ROM、DVD,HDD等の記録媒体から読み出してディスプレイ画面に描画すると共に、車両マークをディスプレイ画面の一定位置に固定表示し、走行に応じて地図をスクロ−ル表示する。地図データは、(1) ノ−ドデータや道路リンクデータ、交差点データ等からなる道路レイヤと、(2) 地図上のオブジェクトを表示するための背景レイヤと、(3) 市町村名などを表示するための文字レイヤなどから構成され、ディスプレイ画面に表示される地図画像は、背景レイヤと文字レイヤに基づいて発生され、マップマッチング処理や誘導経路の探索処理は道路レイヤに基づいて行われる。また、ナビゲーション装置は以上に加えて、出発地から目的地までの誘導経路を探索し、該誘導経路を地図上に表示する経路誘導機能や地図上に所定のPOIマーク(ランドマーク)を表示するPOI表示機能を備えている。
【0003】
ところで、新道路建設等による地形データの変更、施設のオープン/閉鎖、宅地整備その他の理由で記録媒体に記憶されている地図データは時間の経過と共に陳腐化する。このため、従来技術として更新地図データを地域毎にナビゲーション装置の不揮発性メモリに記憶し、地図データが更新されている地域の地図は該不揮発性メモリから読み取り、更新されていない地域の地図は記録媒体(CD−ROMなど)から読み取ってナビゲーション制御する技術がある(例えば特許文献1参照)。この第1従来技術では、更新された地域(ブロック)の最新の地図データをメッシュ単位でリムーバブルメモリからハードディスク等の不揮発性メモリに書込み、ブロック管理情報を参照してブロックを構成する全メッシュの更新地図データが不揮発性メモリに存在するか調べ、存在しなければ記録媒体(CD−ROMなど)から地図情報を読み出し、存在する場合には不揮発性メモリから読み出し、該地図データを用いてナビゲーション制御する。しかし、かかる方法では、CD−ROM、DVDなどの記録媒体とハードディスク等の不揮発性メモリの両方を併用してナビゲーション制御を行なう必要があり、制御が複雑になる問題がある。又、従来技術ではナビゲーション制御のためにCD−ROM、DVDなどの地図記録媒体が常時必要であるため、音楽用CD再生機やDVD再生機を地図用再生機と別個に設ける必要がありハードウェアが大掛かりになる問題がある。
【0004】
このため、地図データをハードディスクHDD等の地図記憶部に記録しておき、地図データに変更があったとき該ハードディスクHDDの地図データを最新の地図データで書き替える方法が提案されている(特許文献2参照)。この第2従来技術において、ユーザはセンターより新地図データと旧地図データの差分を取得し、あるいは新地図データと旧地図データの差分を記録した更新DVDを購入してハードディスクHDDの旧地図データを新地図データで更新するようにしている。このようにすれば、ハードディスクHDDに記録されている地図データを用いてナビゲーション制御ができ、しかも、音楽やビデオ観賞用のDVD再生機を地図用DVD再生機と兼用でき、しかも、ナビゲーション制御しながら音楽やビデオを鑑賞することが可能となる
【0005】
図20は地図差分データ作成装置による更新DVD作成の概略説明図である。
地図データは多数のファイルから構成されているから、地図差分データ作成装置(図示せず)は、ファイル毎に新バージョン(Ver 2)の新地図ファイルNFLと旧バージョン(Ver 1)の旧地図ファイルOFLの差分を抽出する処理を行なって差分データDFD1〜DFDNを作成し、しかる後、全差分データをまとめて更新データを作成し、該更新データをDVDに書込んで更新DVD 1を作成する。
図21は更新DVDを用いてハードディスクHDDの旧地図データを新地図データに更新するナビゲーション装置の更新処理説明図である。地図更新に際して、ナビゲーション装置のハードディスク読取部2はハードディスク3からバージョン1(Ver 1)の旧地図ファイルOFLを読み取って更新処理部4に入力し、DVD再生部5は更新DVD 1から差分データを読み取って更新処理部4に入力する。更新処理部4は、差分データとVer 1の旧地図ファイルOFLを用いてファイル毎にVer 2の新地図ファイルNFLを生成し、ハードディスク書込み部6は該新地図ファイルNFLで旧地図ファイルOLFを書き替える。
【特許文献1】特開2003−337027号公報
【特許文献2】特開2004−287705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、第2従来技術の地図更新は2時間以上の長時間を必要とし、新地図ファイルをそのままDVDに格納して該DVDからハードディスクHDDに単純にコピーする場合より、時間がかかってしまう。これは、旧地図ファイルと差分データとから新地図ファイルを作成する処理や旧地図ファイルの読み込みに時間がかかる為である。このため、地図更新において更新DVDが必要な長時間、他の音楽CDやDVD Videoなどを鑑賞できない問題がある。
そこで、差分DVDを使用せず新地図データをDVDに書込んでハードディスクに直接コピーする方法が考えられる。しかし、現在の地図データのデータ量は15Gバイト程度あり、全地図データを書込むには8.5GバイトのDVD2枚を必要となる。このように地図データがDVD2枚に分かれてしまうと、バックグラウンド更新処理が実現出来なくなる。バックグラウンド更新処理とは、以下のような更新処理である。ナビゲーション装置はナビゲーション処理と地図更新処理を並行して行なう際、ナビゲーション処理を優先して実行し、ナビゲーション処理の空き時間に地図更新処理を行なう。また、地図更新処理はたとえば北から南に向けて、すなわち北海道から九州に向けて順番に行なうが(全更新処理)、ナビゲーション制御において更新済みでない地域の地図ファイルが要求された場合には全更新処理を中断して該地域の地図データを更新し(随時更新処理)、随時更新処理終了後に全更新処理を再開する。ナビゲーション装置はこの随時更新された新地図ファイルに基づいて行なう。以上の地図更新処理をバックグラウンド更新処理という。
しかし、地図データがDVD2枚に分かれてしまうと、このバックグラウンド更新処理ができなくなる。
以上から、本発明の目的は地図更新時間を短縮することである。
本発明の別の目的は、バックグラウンド更新を行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
・課題を解決するための第1の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成方法及び装置により達成される。
本発明の地図更新処理用データ作成方法は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成するステップ、前記差分データサイズのサイズ率を計算するステップ、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを地図更新処理用データとし、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを地図更新処理用データとするステップ、前記更新すべき旧地図ファイル毎のデータにより地図更新処理用データを作成するステップを有する。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、前記地図更新処理用データのファイルが新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入するステップを有する。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、更新すべき全ての旧地図ファイルについての前記地図更新処理用データを、記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成するステップを有している。
上記地図更新処理用データ作成方法は、更に、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するステップを有している。
上記地図更新処理用データ作成方法において、前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合であり、前記設定値は更新処理用の全地図データが1枚の記録媒体に収容可能となる値である。
上記地図更新処理用データ作成方法において、前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを含ませる。
本発明の地図更新処理用データ作成装置は、旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、更新すべき旧地図ファイルについて、旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成する処理部、各地図更新処理用ファイルを格納し、全ての各地図更新処理用ファイルを地図更新処理用データとして出力する格納部を備えている。上記地図更新処理用データ作成装置は、更に、前記格納部に記憶された前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部を備えている。
前記処理部は、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更する。
前記処理部は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合を前記サイズ率として計算する。また、前記処理部は、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルであるか、差分データファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入する。
【0008】
・課題を解決するための第2の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置およびナビゲーション装置の地図更新方法により達成される。
本発明の地図更新方法は、地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別するステップ、新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップを有している。
上記地図更新方法は、更に、新地図ファイルに基づいた地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取り、該新地図ファイルによりナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、ついで、差分データに基づいた全地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取ってメモリに格納するステップを備え、以後、前記差分データに基づいたファイルと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている該旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える。
上記地図更新方法は、更に、地図更新処理用ファイルを更新データ記録媒体から取得し、旧地図ファイルを前記地図データ記憶部から取得するステップ、更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新地図ファイル数をカウントするステップ、該更新地図ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了と判定するステップを有している。
本発明のナビゲーション装置は、旧地図データを記憶する地図データ記憶部、該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、前記地図更新処理用データの地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部を備えている。
【0009】
・課題を解決するための第3の手段
上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための上記地図更新処理用データ作成方法と地図更新処理用データを用いて地図を更新するための上記地図更新方法とを組み合せてなる地図データ更新方法により達成される。
また、上記課題は本発明によれば、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する上記地図更新処理用データ作成装置と地図更新処理用データを用いて地図を更新する上記ナビゲーション装置を備えた地図データ更新システムにより達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、差分データサイズのサイズ率が設定値より大きければ新地図ファイルを用いて、又、サイズ率が設定値より小さければ差分データを用いて地図更新処理用データを作成するため、該地図更新処理用データを1枚の記録媒体に収納でき、しかも、地図更新処理用データに含まれる新地図ファイル数を多くできる。この結果、新地図ファイルにより旧地図ファイルの書き替え時間を短縮でき、速やかに観賞用CDあるいはDVDを聞けるようになる。しかも、1枚の記録媒体に収納できるため、バックグランド更新処理を行なうことができる。
又、本発明によれば、地図更新処理用データを収納する記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するようにしたから、ナビゲーション装置により記録媒体の容量が変化しても最適なサイズの更新処理用データRNEWMPを作成して該記憶媒体に書き込むことが出来る。
又、本発明によれば、地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを地図更新処理用データに挿入するため、ナビゲーション装置は地図更新に際して、該データを用いて簡単に地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを識別して旧地図ファイルの書き換えができる。
又、本発明によれば、前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合であり、前記設定値は地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値であるとしたから、確実に、地図更新処理用データを1枚の記録媒体に収容できる。
又、本発明によれば、最初、新地図ファイルに基づいた地図更新処理用ファイルを用いて地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを更新し、しかる後、全ての差分データに基づいた地図更新処理用ファイルを記録媒体から読み取ってメモリに格納し、以後、メモリに記憶した差分データに基づいたファイルを用いて更新処理を行なうようにしたから、差分データに基づいたファイルをメモリに記憶した時点で更新記録媒体(CD、DVD)が不用になるため、ますます早く観賞用CDあるいはDVDを聞けるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の地図データ更新システムは、多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置と地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置を備えている。
地図更新処理用データ作成装置は、更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、前記差分データサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて地図更新処理用データを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成し、該地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する。
地図更新を行なうナビゲーション装置は、前記更新用記録媒体から読み取った地図更新用データの更新用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ハードディスク等の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、更新用ファイルが差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える。
以上のようにすれば、地図更新時間を短縮でき、しかも、バックグラウンド更新を行なうことが可能となる。
【実施例1】
【0012】
(A)本発明の概略
新地図ファイルと旧地図ファイルの差分データを用いて、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを新地図ファイルに書き替えるための処理時間は、図1に示すように、差分データサイズのサイズ率ηが大きくなるほど長くなる。サイズ率ηはたとえば次式
η=(差分データサイズ×100)/(新データサイズ) (%) (1)
で計算される値である。
【0013】
図2は差分データ作成方法説明図であり、新地図データNEWMと旧地図データOLDMをバイト単位で比較し,(1)新地図データ領域と一致する旧地図データ領域を検索し、該旧地図データ領域の先頭アドレスとサイズ、(2)旧地図データと一致しない新地図データの組を順番に配列して前記差分データを作成する。図2において、矢印で双方を指し示している個所が新旧で同一の領域である。旧地図データOLDMにおける不一致領域データDLTMは破棄され、新地図データNEWMにおける不一致領域データA〜Dは差分データとして追加される。同一の旧地図データ領域は、該領域の先頭アドレスADiとサイズSiで特定される。図2の例では、差分データは図3に示すようになる。すなわち、
差分データの構成は、
・新地図ファイル:Aデータ
・旧地図ファイル:1データ指定(先頭アドレスAD1,サイズS1)
・新地図ファイル:Bデータ
・旧地図ファイル:3データ指定(先頭アドレスAD3,サイズS3)
・新地図ファイル:Cデータ
・旧地図ファイル:2データ指定(先頭アドレスAD2,サイズS2)
・新地図ファイル:Dデータ
となる。
【0014】
サイズ率が小さい程、旧地図ファイルと新地図ファイルとの一致するデータサイズ部分が大きくなり、旧地図ファイルと新地図ファイルとが不一致となる箇所数が少なくなり、更新処理時間は短くなる。一方、サイズ率が大きい程、旧地図ファイルと新地図ファイルとが異なるデータサイズ部分が大きくなり、旧地図ファイルと新地図ファイルとが不一致となる箇所数が多くなり更新処理時間が長くなる。この結果、サイズ率と処理時間の関係は図1に示すようになる。
ところで、新地図ファイルをそのまま更新DVDに格納して該更新DVDからハードディスクHDDに単純にコピーする場合の方が、差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルデータを作成してハードディスクHDDに書込むより処理時間が短い。しかし、新地図ファイルを地図更新処理用データ(更新処理用ファイル)とする方が、差分データを更新処理用ファイルとする場合よりデータ量が多い。すなわち、処理時間を重視すると新地図ファイルを更新DVDに格納した方が有利となり、データ量を重視すると差分データを更新DVDに格納した方が有利となる。
そこで、差分データのサイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを更新処理用ファイルとし、一方、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを更新処理用ファイルとして更新DVDに記録する。このようにすれば、更新処理用の全地図データ(全更新処理用ファイル)が1枚の更新DVDに収容可能となり、しかも、多くの新地図ファイルを更新処理用ファイルとして更新DVDに記録できるため、地図更新の処理時間を短縮できる。なお、設定値SPの値は、DVD1枚(8.5Gバイト)に収まる様に調整する。
【0015】
図4は上記により、地図更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用するか、差分データを使用するか決定する制御の説明図であり、SP=10(%)としている。ファイル1、ファイル3はそれぞれサイズ率η=9%、5%で、SP=10%より小さいため、更新処理用ファイルとして差分データを使用する。一方、ファイル2、ファイル4はそれぞれサイズ率η=40%、90%で、SP=10%より大きいため、地図更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用する。なお、図4では説明上4ファイルとしたが、実際には数10万ファイル程存在する。
【0016】
(B) 地図データ更新システム
図5は地図データ更新システムの構成図であり、旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置10と地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置20を有している。
地図更新処理用データ作成装置10は、地図更新処理用データRNEWMPをDVD等の記録媒体に記録してナビゲーション装置20に渡す。なお、地図更新処理用データ作成装置10とナビゲーション装置20間を、通信回線(無線回線、インタネット等)により通信可能に接続し、地図更新処理用データ作成装置10はナビゲーション装置からの要求により通信により地図更新処理用データRNEWMPをナビゲーション装置20に渡すこともできる。
【0017】
(a)地図更新処理用データ作成装置
図6は地図更新処理用データ作成装置10の構成図であり、地図更新処理用データRNEWMPをDVDに書込む例である。地図ファイル入力部11は旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMを差分抽出/処理部12入力する。差分抽出/処理部12は、図2〜図3で説明した方法により、ファイル毎に旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMの差分データを作成し、差分データサイズのサイズ率ηを計算し、該サイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを用いて地図更新処理用データ(更新処理用ファイル)を作成し、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを用いて更新処理用ファイルを作成して更新データ格納部13に格納する。更新データ格納部13は更新すべき旧地図ファイル毎の更新処理用ファイルを地図更新処理用データRNEWMPとして保存し、DVDレコーダ14からの要求により該地図更新処理用データをDVDレコーダに入力し、DVDレコーダ14は地図更新処理用データRNEWMPをDVD15に書込んで更新DVDを作成する。なお、DVDに替えてCD−ROM、半導体メモリ等任意の記録媒体を使用することができる。
図7は差分抽出/処理部12の機能ブロック図であり、差分データ作成部12aは、ファイル毎に旧地図ファイルOLDMと新地図ファイルNEWMの差分データを作成し、サイズ率計算部12bは(1)式により差分データサイズのサイズ率ηを計算し、更新処理用ファイル作成部12cは、該サイズ率ηが設定値SPより大きければ新地図ファイルを用いて更新処理用ファイルを作成し、サイズ率ηが設定値SPより小さければ差分データを用いて更新処理用ファイルを作成して更新データ格納部13に格納する。
【0018】
(b)地図更新処理用データの作成処理フロー
図8は地図更新処理用データ作成装置10における差分抽出/処理部12の地図更新処理用データの作成処理フローである。
まず、更新すべき旧地図ファイルと新地図ファイルを読み取る(ステップ101)。すなわち、新地図ファイルと旧地図ファイルを読み取って比較し、異なれば旧地図ファイルは更新すべきであると判断してステップ101の処理を終了する。しかし、一致していれば旧地図ファイルは更新すべきでないと判断して次の新地図ファイルと旧地図ファイルを読み取って比較し、新地図ファイルと旧地図ファイルが異なるまで繰返す。
ついで、更新すべき旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成する(ステップ102)。差分データが求まれば、該差分データのサイズ率ηを(1)式にしたがって計算し(ステップ103)、該サイズ率ηと設定値SPの大小を比較し(ステップ104)、η≧SPであれば、新地図ファイルを用いて更新処理用ファイルを作成し、生データフラグをオンして更新データ格納部13に保存する(ステップ105)。η<SPであれば、差分データを用いて更新処理用ファイルを作成し、生データフラグをオフして更新データ格納部13に保存する(ステップ106)。
しかる後、更新すべきファイルが存在するかチェックし(ステップ107)、存在すればステップ101以降の処理を繰返えす。更新すべきファイルが存在しなくなれば、更新処理用ファイルで構成された地図更新処理用データをDVDに書込んで更新DVD15を作成する(ステップ108)。
尚、ステップ101において更新すべき旧地図ファイルの数をカウントし、ステップ108において該カウント数を総変更ファイル数としてDVDに書き込む。
【0019】
(c)設定値SPの決定処理
ナビゲーション装置によって地図データサイズに大きな差がある。地図データサイズの小さいナビゲーション装置では、メモリーカードに更新処理用データを格納することにより更新が行える。また、今後、地図データサイズが大きくなっていくと、DVDに更新処理用データを格納出来なくなり、HDDVDやBlue-rayディスクに更新処理用データを格納しなければならなくなる。更新処理用データを格納する記憶媒体はナビゲーション装置に依存し、該記憶媒体に格納できる最大値が更新処理用データの最大値となる。この更新処理用データの最大値、すなわち、記憶媒体の容量を超えない様に前記設定値SPを決定して更新処理用データRNEWMPを作成する必要がある。この様にする事により、記憶媒体に最適な更新処理用データRNEWMPを作成して書き込むことが出来る。
図9は設定値SPを決定する処理フローであり、予め、図10に示すように更新処理用データ記憶媒体の種別に応じた記憶容量(更新処理用データサイズDS)をテーブル化してメモリに記憶しておき、記憶媒体の種別が検出されたとき、該メモリに記憶されている該記憶媒体の容量を求め、該容量となるように設定値SPを決定する
図9において、更新処理用地図データ作成部10は、更新処理用データ記憶媒体の種別を識別する(ステップ151)。記憶媒体の種別は手動で入力しても良いし、あるいは、更新処理用地図データを記憶媒体に書き込む書き込み装置から入力しても良い。
ついで、該記憶媒体の種別に応じた更新処理用データサイズDSを図10のテーブルより取得し、これから作成する更新処理用データRNEWMPのサイズが該更新処理用データサイズDS以下となるように設定値SPを決定する。すなわち、記憶媒体がDVDであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが8.5Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ152,153)。
また、記憶媒体がメモリカードであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが1.0Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ154、155)。
また、記憶媒体がHDDVD(ブルーレイ)であれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが30Gバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ156、157)。
また、記憶媒体がCD−ROMであれば、更新処理用データRNEWMPのサイズが700Mバイト以下となるように設定値SPを決定する(ステップ158、159)。
なお、記憶媒体が上記いずれでもなければエラーであるとして処理を終了する(ステップ160)。
【0020】
(d)ナビゲーション装置
図11はナビゲーション装置の構成図であり、地図記憶部(例えばハードディスクHDD) 21にはナビゲーション用の地図データがファイル形式で記録されており、ハードディスクドライブ22はナビゲーション制御装置23からの指示に従ってハードディスク21から地図データを読み出し、かつ該ハードディスクに新地図データを書込めるようになっている。DVD再生部24は更新DVD 15から地図更新処理用データRNEWMPを読み取ってナビゲーション制御装置23に入力する。車両位置検出部25は自動車位置を検出してナビゲーション制御装置23に入力する。これによりナビゲーション制御装置は地図データを用いてナビゲーション制御が可能となる。データ入力部26は、タッチパネル、リモコンなどであり、各種コマンドやデータを入力し、外部通信インターフェース27は携帯電話、インターネット等を介して外部装置と通信する。なお、更新DVD 15から地図更新処理用データRNEWMPを読み取らないで、地図更新処理用データ作成部10と通信して地図更新処理用データRNEWMPを取得することもできる。モニター装置28はナビゲーション用の地図を表示したり、適宜操作メニュー画像を表示する。ナビゲーション音声案内部29は接近した交差点における案内(右左折方向、交差点までの距離等)を音声でユーザに通知する。
【0021】
ナビゲーション制御装置23はナビゲーション処理部PR1と地図更新処理部PR2を備え、ナビゲーション処理と地図更新処理を行なう。地図更新処理において更新DVD15から読み取った地図更新処理用データを用いてハードディスク21に記憶されている地図データ(旧地図データ)を更新する。ナビゲーション制御装置は、ナビゲーション処理と地図更新処理を並行して行なう場合には、ナビゲーション処理を優先して実行し、ナビゲーション処理の空き時間に地図更新処理を行なう。また、地図更新処理はたとえば北から南に向けて、すなわち北海道から九州に向けて順番に行なうが(全更新処理)、ナビゲーション処理において更新済みでない地域の地図ファイルが要求された場合には全更新処理を中断して該地域の地図データを更新し(随時更新処理)、随時更新処理終了後に全更新処理を再開する。ナビゲーション処理は随時更新された新地図ファイルに基づいて行なう(バックグラウンド制御)。
【0022】
(e)地図更新処理フロー
図12はナビゲーション制御装置の地図更新処理フローである。
更新DVD15をDVD再生装置24に装填して地図更新処理を開始すれば、ナビゲーション制御装置23は該更新DVD15より地図更新処理用ファイルを1個づつ読出し(ステップ201)、生データフラグを参照して該地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか差分データに基づいたファイルであるかチェックする(ステップ202)。新地図ファイルに基づいたファイルであれば、該新地図ファイルによりハードディスク21の旧地図ファイルを書き変える(ステップ203)。一方、差分データに基づいたファイルであれば、差分データとハードディスクHDDから読み出した旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを作成し、該新地図ファイルでハードディスク21の旧地図ファイルを書き変える(ステップ204)。
しかる後、更新済みファイル数をカウントアップし(ステップ205)、該カウント数が更新DVD15から読み取った管理データに含まれる総変更ファイル数と一致したかチェックし(ステップ206)、一致しなければステップ201に戻って以降の処理を繰り返し、一致すれば地図更新処理を終了する。
【0023】
図13はナビゲーション制御装置における地図更新処理の別のフローである。
更新DVD15をDVD再生装置24に装填して地図更新処理を開始すれば、ナビゲーション制御装置23は該更新DVD15より1個づつ地図更新処理用ファイルを読み出し、生データフラグを参照して該地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば該新地図ファイルによりナビゲーション装置のハードディスクに記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える(ステップ301)。ついで、全ての新地図ファイルによる更新処理を終了したかチェックし(ステップ302)、終了しなければステップ301に戻り以降の処理を繰返す。
全ての新地図ファイルによる更新処理を終了すれば、更新DVD15より更新処理用ファイルのうち差分データに基づいたファイルを全て読み取って内蔵のメモリに格納する(ステップ303)。これにより以、更新DVD15は地図更新に必要でなくなるから、以後、ユーザは更新DVD15を排出し、音楽やビデオ用DVDを再生することができる(ステップ304)。
ついで、ナビゲーション制御装置23はメモリより差分データに基づいたファイルを読み出し、ハードディスクHDDより旧地図ファイルを読み出し、これらより新地図ファイルを作成し(ステップ305)、該新地図ファイルを用いてハードディスクHDD内の旧地図ファイルを書き換える(ステップ306)。ついで、全ての差分データに基づいたファイルによる更新処理を終了したかチェックし(ステップ307)、終了してなければステップ305に戻り次の差分データについて上記処理を繰返す。
このようにすれば、差分データに基づいたファイルをメモリに記憶した時点で更新記録媒体(CD、DVD)が不用になるため、観賞用CDあるいはDVDの再生が可能になる。
【0024】
(f)地図データ
図14、図15は地図データの説明図である。地図データは図14(A)に示すように、機能(DATA,FREEWAY,MAP,POI,RC,RG,STREET,TOLL,VICS)それぞれについて、レベル毎あるいはエリアや検索ツリー毎に細かく分割してディレクトリ構造で作成されてハードディスクHDD 21に記録されている。各機能において、DATAはランドマークやジャンクションマップデータ等、FREEWAYは高速道路データ、MAPは地図データ、POIは情報検索データ、RCは誘導経路探索データ、RGは経路誘導データ等である。
地図データMAPは、ディレクトリ構造になっており、詳細地図(レベル00)から広域地図(レベル06)まで7段階のレベルを有し、各レベルの地図をメッシュで分割した時、メッシュ毎に地図表示用データファイルMP XXXX.mba、RF XXX.mbaを備えている。図14(A)では、レベル06の地図(日本全国地図)が4つのメッシュに分割され、各メッシュの地図表示用データファイルがMP 0000.mba〜MP 0003.mba、RF 0000.mba〜RF 0003.mbaであることが示されている。なお、ファイルMP XXXX.mbaは背景、文字、シンボル表示用データであり、ファイルRF XXX.mbaは道路形状表示データである。
図14(B)は、レベル1の地図が5個の1次メッシュに分割され、1次メッシュが更に7個の2次メッシュに分割され、所定の2次メッシュの表示用データファイルがMP 0000.mbaとRF 0000.mbaであることが示されている。以上より、Level01ディレクトリ→1st3927ディレクトリ→2nd0005ディレクトリの順に追って必要な地図表示データファイルMP 0000.mba、RF 0000.mbaを取得することができる。
【0025】
図15(A)は情報検索データPOIの構成例であり、住所検索、住所50音検索、建物検索、高速路線検索、施設検索、電話番号検索.....が可能となるようにそれぞれの検索項目毎にディレクトリ構造になっている。
図15(B)は高速路線検索データFREEWAYの構造例であり、高速路線検索データFREEWAYには2つの子ディレクトリLIST,P Tree00 mbaが接続されている。P Tree00 mbaは、検索ツリーを表現するファイルである。ディレクトリLISTには9個の地方(北海道、東北、関東、…、九州)に応じてList 000〜List 008が接続し、北海道リストList 000には10個の高速路線を示すファイルP list000.mba〜P list009.mbaが接続されている。
【0026】
(g)更新データ(地図更新処理用データ)
図16〜図19は更新データ説明図である。更新データ(差分)には図16(A)に示すように、更新をかけるファイルが接続する機能ディレクトリ(DATA,FREEWAY,MAP,POI,RC,RG,STREET,TOLL,VICS)とIndex.difファイルが接続されている。Index.difファイルは、(1)更新前後のバージョン番号、(2)更新をかける必要がある総変更ファイル数、(3)更新すべき機能ディレクトリの数などを特定する。
地図更新処理用ファイル(更新対象ファイル〕は、機能毎にディレクトリ構造で指し示されるようになっている。図16(B)は、機能RG(経路誘導データ)のディレクトリ構造説明図であり、機能ディレクトリRGにディレクトリUP000とInfo0000.difが接続されている。UP000は更新実体ファイル(UP000.dif〜UP002.dif)を指し示すためのディレクトリであり、Info0000.dif は複数の下位の差分更新対応レコード#0〜#Nを指し示すディレクトリである。
【0027】
差分更新対応レコードは図17(A)に示すように、以下の情報
(1)処理状態(着目しているディレクトリより下位のがディレクトリが処理済みであるか否か)、
(2)着目ディレクトリのディレクトリ名、
(3)サブディレクトリ(下位のディレクトリ)
(4)着目ディレクトリに存在するファイル数、
(5)サブディレクトリに対応する差分更新対応レコード番号、
(6)着目ディレクトリ下のファイルに対応する差分更新情報レコード番号
を有している。
図17(B)のディレクトリ構造を例にして説明すると、着目ディレクトリがMBA\RG\LEVEL01であるから、ディレクトリ名は“LEVEL01"である。また、サブディレクトリ数は3であり、このディレクトリに存在するファイル数は0である。サブディレクトリ数が3であるから、3つの該サブディレクトリの差分更新対応レコード番号#X(1st 3622),#X+1(1st 3623),#X+2(1st 3624)が特定されている。しかし、このディレクトリに存在するファイル数は0であるため、差分更新情報レコード番号は一つも特定されていない。
【0028】
図18は差分更新対応レコードの別の例であり、サブディレクトリ数が0、ファイル数が2の例であり、ディレクトリ名は"1st3622"である。サブディレクトリ数が0であるから差分更新対応レコード番号は一つも特定されていない。しかし、このディレクトリに存在するファイル数が2であるため、2つの差分更新情報レコード番号(地図更新処理用ファイルを特定する) 1st 3622、1st 3623が記入されている。
図19はファイル(地図更新処理用ファイル)を特定する差分更新情報レコード番号の例であり以下の情報
(1)処理状態(着目している地図更新処理用ファイルが処理済みであるか否か)、
(2)着目している地図更新処理用ファイルのファイル名、
(3)生データフラグ(地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか差分データに基づいたファイルであるかの別)
(4)更新データ実体ファイルのファイル番号、
(5) 更新データ実体ファイルの先頭からのオフセット、
(6)更新データサイズ
を有している。
更新データ実体ファイル番号が示す更新実態ファイルは生データフラグがオンであれば、新地図ファイルであり、生データフラグがオフであれば差分データである。
以上本発明によれば、地図更新時間を短縮でき、しかも、更新DVDは1枚であるためバックグラウンド更新を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】サイズ率と処理時間の関係である。
【図2】差分データ作成方法説明図である。
【図3】差分データ説明図である。
【図4】更新処理用ファイルとして新地図ファイルを使用するか、差分データを使用するか決定する制御の説明図である。
【図5】地図データ更新システムの構成図である。
【図6】地図更新処理用データ作成装置の構成図である。
【図7】差分抽出/処理部の機能ブロック図である。
【図8】地図更新処理用データの作成処理フローである。
【図9】設定値を決定する処理フローである。
【図10】記憶媒体の種別と更新処理用データサイズの対応テーブル説明図である。
【図11】ナビゲーション装置の構成図である。
【図12】ナビゲーション制御装置の地図更新処理フローである。
【図13】ナビゲーション制御装置における地図更新処理の別のフローである。
【図14】地図データの説明図である。
【図15】地図データの説明図である。
【図16】更新データ説明図である。
【図17】差分更新対応レコードの説明図である。
【図18】差分更新対応レコードの別の説明図である。
【図19】差分更新情報レコードの説明図である。
【図20】地図差分データ作成装置による更新DVD作成の概略説明図(従来技術)である。
【図21】更新DVDを用いてハードディスクHDDの旧地図データを新地図データにするナビゲーション装置の更新処理説明図(従来技術)である。
【符号の説明】
【0030】
11 地図ファイル入力部
12 差分抽出/処理部
12a 差分データ作成部
12b サイズ率計算部
12c 更新処理用ファイル作成部
13 更新データ格納部
OLDM 旧地図ファイル
NEWM 新地図ファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成方法において、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成するステップ、
前記差分データサイズのサイズ率を計算するステップ、
前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成するステップ、
を有することを特徴とする地図更新処理用データ作成方法。
【請求項2】
更に、前記地図更新処理用データのファイルが前記新地図ファイルに基づいたファイルであるか、前記差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入するステップ、
を有することを特徴とする請求項1記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項3】
更新すべき全ての旧地図ファイルについての前記地図更新処理用データを、記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項4】
前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するステップ、
を有することを特徴とする請求項3記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項5】
前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項6】
前記設定値は更新処理用の全地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値である、
ことを特徴とする請求項4記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項7】
前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルに基づいたでファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項8】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置の地図更新方法において、
地図更新処理用データを構成する地図更新用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別するステップ、
新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、
差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、
を有することを特徴とする地図更新方法。
【請求項9】
地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルのうち新地図ファイルに基づいたファイルを記録媒体から読み取り、該新地図ファイルによりナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを書き換えるステップ、
ついで、地図更新処理用ファイルのうち差分データに基づいたファイルを全て記録媒体から読み取ってメモリに格納するステップ、
を備え、以後、前記差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている該旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えることを特徴とする請求項8記載の地図更新方法。
【請求項10】
地図更新処理用ファイルを更新データ記録媒体から取得し、旧地図ファイルを前記地図データ記憶部から取得するステップ、
更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新ファイル数をカウントするステップ、
該更新ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了と判定するステップ、
を有することを特徴とする請求項8記載の地図更新方法。
【請求項11】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置において、
旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成し、各地図更新処理用ファイルにより地図更新処理用データを作成する処理部、
を備えることを特徴とする地図更新処理用データ作成装置。
【請求項12】
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部、
を備えたことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更することを特徴とする請求項12記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項14】
前記処理部は、
前記旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成する差分データ作成部、
該差分データのサイズのサイズ率を計算するサイズ率計算部、
前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成する地図更新処理用ファイル作成部、
を備えたことを特徴とする請求項11または12記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合を前記サイズ率として計算する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項16】
前記処理部は、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項17】
前記処理部は、設定値として地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値を選択する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項18】
前記処理部は、前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項16記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項19】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置において、
旧地図データを記憶する地図データ記憶部、
該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、
地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、
前記地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項20】
前記地図更新処理部は、1つの地図更新処理用ファイルについて更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新ファイル数をカウントし、該更新ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了することを特徴とする請求項19記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図データ更新方法において、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、
前記差分データサイズのサイズ率を計算し、
前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて、また、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成するステップ、
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成し、
前記更新用記録媒体から読み取った地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、
差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える、
ことを特徴とする地図データ更新方法。
【請求項22】
更新処理用の全地図データを記録する前記記録媒体に、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項21記載の地図データ更新方法。
【請求項23】
旧地図データを新地図データに更新する地図データ更新システムにおいて、
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置と、
地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置を備え、
前記地図更新処理用データ作成装置は、
旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成し、各地図更新処理用ファイルにより地図更新処理用データを作成する処理部、
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部、
を備え、前記ナビゲーション装置は、
旧地図データを記憶する地図データ記憶部、
該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、
地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、
前記地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部、
を備えた、
ことを特徴とする地図データ更新システム。
【請求項1】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データ作成方法において、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成するステップ、
前記差分データサイズのサイズ率を計算するステップ、
前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成するステップ、
を有することを特徴とする地図更新処理用データ作成方法。
【請求項2】
更に、前記地図更新処理用データのファイルが前記新地図ファイルに基づいたファイルであるか、前記差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入するステップ、
を有することを特徴とする請求項1記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項3】
更新すべき全ての旧地図ファイルについての前記地図更新処理用データを、記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項4】
前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更するステップ、
を有することを特徴とする請求項3記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項5】
前記サイズ率は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項6】
前記設定値は更新処理用の全地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値である、
ことを特徴とする請求項4記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項7】
前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルに基づいたでファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項2記載の地図更新処理用データ作成方法。
【請求項8】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置の地図更新方法において、
地図更新処理用データを構成する地図更新用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別するステップ、
新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、
差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えるステップ、
を有することを特徴とする地図更新方法。
【請求項9】
地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルのうち新地図ファイルに基づいたファイルを記録媒体から読み取り、該新地図ファイルによりナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを書き換えるステップ、
ついで、地図更新処理用ファイルのうち差分データに基づいたファイルを全て記録媒体から読み取ってメモリに格納するステップ、
を備え、以後、前記差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている該旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換えることを特徴とする請求項8記載の地図更新方法。
【請求項10】
地図更新処理用ファイルを更新データ記録媒体から取得し、旧地図ファイルを前記地図データ記憶部から取得するステップ、
更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新ファイル数をカウントするステップ、
該更新ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了と判定するステップ、
を有することを特徴とする請求項8記載の地図更新方法。
【請求項11】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置において、
旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成し、各地図更新処理用ファイルにより地図更新処理用データを作成する処理部、
を備えることを特徴とする地図更新処理用データ作成装置。
【請求項12】
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部、
を備えたことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項13】
前記処理部は、前記更新用記録媒体の容量に基づいて前記設定値を変更することを特徴とする請求項12記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項14】
前記処理部は、
前記旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成する差分データ作成部、
該差分データのサイズのサイズ率を計算するサイズ率計算部、
前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成する地図更新処理用ファイル作成部、
を備えたことを特徴とする請求項11または12記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記新地図ファイルのサイズに対する前記差分データサイズの割合を前記サイズ率として計算する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項16】
前記処理部は、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを作成して前記地図更新処理用データに挿入する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項17】
前記処理部は、設定値として地図更新処理用データが1枚の記録媒体に収容可能となる値を選択する、
ことを特徴とする請求項11記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項18】
前記処理部は、前記地図更新処理用データをディレクトリ構造で作成し、末端の地図更新用ファイルに、前記新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項16記載の地図更新処理用データ作成装置。
【請求項19】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置において、
旧地図データを記憶する地図データ記憶部、
該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、
地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、
前記地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項20】
前記地図更新処理部は、1つの地図更新処理用ファイルについて更新処理を終了すれば該地図更新処理用ファイルに更新処理済みデータを書込むと共に、更新ファイル数をカウントし、該更新ファイルのカウント数が前記記録媒体に記録されている総更新ファイル数と一致した時更新終了することを特徴とする請求項19記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図データ更新方法において、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルを用いて差分データを作成し、
前記差分データサイズのサイズ率を計算し、
前記サイズ率が設定値より大きければ前記新地図ファイルを用いて、また、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データを用いて地図更新処理用データを作成するステップ、
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成し、
前記更新用記録媒体から読み取った地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであれば、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、
差分データに基づいたファイルであれば、該差分データと旧地図ファイルを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える、
ことを特徴とする地図データ更新方法。
【請求項22】
更新処理用の全地図データを記録する前記記録媒体に、前記地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかの別を特定するデータを含ませる、
ことを特徴とする請求項21記載の地図データ更新方法。
【請求項23】
旧地図データを新地図データに更新する地図データ更新システムにおいて、
多数のファイルで構成されている旧地図データを新地図データに更新するための地図更新処理用データを作成する地図更新処理用データ作成装置と、
地図更新処理用データを用いて地図を更新するナビゲーション装置を備え、
前記地図更新処理用データ作成装置は、
旧地図ファイルと新地図ファイルを入力する地図ファイル入力部、
更新すべき旧地図ファイルについて、該旧地図ファイルと新地図ファイルの差分データを作成し、該差分データのサイズのサイズ率を計算し、前記サイズ率が設定値より大きければ新地図データで地図更新処理用ファイルを作成し、サイズ率が設定値より小さければ前記差分データで地図更新処理用ファイルを作成し、各地図更新処理用ファイルにより地図更新処理用データを作成する処理部、
前記地図更新処理用データを記録媒体に書込んで更新用記録媒体を作成する更新用記録媒体作成部、
を備え、前記ナビゲーション装置は、
旧地図データを記憶する地図データ記憶部、
該地図データ記憶部から旧地図データを読み出すと共に、新地図データを該地図データ記憶部に書込む制御を行なう地図データ読み/書き制御部、
地図更新処理用データを入力する地図更新処理用データ入力部、
前記地図更新処理用データを構成する地図更新処理用ファイルが新地図ファイルに基づいたファイルであるか、差分データに基づいたファイルであるかを判別し、新地図ファイルに基づいたファイルであれば前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換え、差分データに基づいたファイルであれば該差分データと前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルとを用いて新地図ファイルを生成し、前記地図データ記憶部に記憶されている旧地図ファイルを該新地図ファイルで書き換える地図更新処理部、
を備えた、
ことを特徴とする地図データ更新システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−251768(P2006−251768A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352807(P2005−352807)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【出願人】(500230347)株式会社エムビーエイ (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【出願人】(500230347)株式会社エムビーエイ (22)
【Fターム(参考)】
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