説明

地図検索装置

【課題】施設検索のとき、リストから施設のカテゴリを選択すると、そのカテゴリの施設が存在する地域のみをリスト表示する地図検索装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、施設検索を行うデータとともに地域−カテゴリ対象テーブル30を備える。地域−カテゴリ対象テーブル30は、各カテゴリの施設の各地域における有無関係を示す表である。この地域−カテゴリ対象テーブル30を参照することによって、施設のカテゴリをリストから選択した後、その施設のカテゴリが存在する地域のみリスト表示することができる。ユーザはその地域のリストから、施設検索を行う地域を選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域を指示し、施設のカテゴリを指示して施設検索を行う地図検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地域ブロックごとのカテゴリデータを有するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。地域ブロックごとのカテゴリデータには、その地域ブロックに存在するカテゴリを判別できるようにするため、各カテゴリにフラグが設定されている。そして、そのフラグをみて、その地域ブロックに存在するカテゴリのみをリスト表示することができる。
【特許文献1】特開2001−50768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、先に施設のカテゴリを指定すると、そのカテゴリの存在しない地域がリスト表示されてしまうという問題点がある。このため、施設のカテゴリを選択した後、リスト表示された地域から所望の地域を選択したにもかかわらず、検索された施設の件数が0件となってしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図検索装置は、カテゴリを指示するカテゴリ指示手段と、地域を指示する地域指示手段と、施設を指示する施設指示手段と、各地域内に存在するカテゴリの有無を地域−カテゴリ対象テーブルとして記憶する記憶手段と、カテゴリ、地域、施設を表示する表示手段と、カテゴリ指示手段で指示したカテゴリに基づき地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示したカテゴリの施設が存在する地域を表示手段に表示するとともに、表示した地域のいずれか一つを地域指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示する表示制御手段と、表示した施設のいずれか一つを施設指示手段により指示すると、その施設に関する処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図検索装置において、表示制御手段は、地域指示手段で指示した地域に基づき地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示した地域に存在する施設のカテゴリを表示手段に表示するとともに、表示したカテゴリのいずれか一つをカテゴリ指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明の地図検索装置は、カテゴリを指示するカテゴリ指示手段と、地域を指示する地域指示手段と、施設を指示する施設指示手段と、各地域内に存在するカテゴリの有無を地域−カテゴリ対象テーブルとして記憶する記憶手段と、カテゴリ、地域、施設を表示する表示手段と、カテゴリ指示手段で指示したカテゴリに基づき地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示したカテゴリの施設が存在する地域と存在しない地域とを表示形態を変えて表示手段に表示するとともに、指示したカテゴリの施設が存在する地域のいずれか一つを地域指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示する表示制御手段と、表示した施設のいずれか一つを施設指示手段により指示すると、その施設に関する処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の地図検索装置において、表示制御手段は、地域指示手段で指示した地域に基づき地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示した地域に存在する施設のカテゴリと存在しない施設のカテゴリとを表示形態を変えて表示手段に表示するとともに、指示した地域に存在する施設のカテゴリのいずれか一つをカテゴリ指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図検索装置において、処理手段は、指示した施設を目的地として設定し、その目的地を含む周辺地図を表示手段に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、カテゴリ指示手段で指示したカテゴリに基づき地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示したカテゴリの施設が存在する地域を表示手段に表示するとともに、表示した地域のいずれか一つを地域指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示し、または指示したカテゴリの施設が存在する地域と存在しない地域とを表示形態を変えて表示手段に表示する。これにより、施設のカテゴリを指示した後、地域を指示して検索したにもかかわらず、施設がひとつも検索されないのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1では、リスト表示された地域や施設のカテゴリの中から地域やカテゴリを選択することによって、地域やカテゴリの検索条件を入力することができる。そして、入力された検索条件で施設を検索する。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0007】
制御回路11は、様々な制御を行う回路であり、CPUおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。また、DVD−ROM19に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行い、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。さらに、制御回路11は、地図データに含まれる施設検索用データを利用し、入力装置17によって入力された検索条件で施設検索を実行する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS( Global Positioning System )センサ14cなどから構成される。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定し、地図上に現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に画像を表示する画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなる。画像データは、制御回路11によって適宜生成される。
【0010】
表示モニタ16は、自車位置付近の地図や、施設検索の検索条件入力に使用する地域のリストやカテゴリのリストなどの各種情報を表示する表示装置である。表示モニタ16は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどから構成される。入力装置17は、ナビゲーション装置1を操作するためのボタンやジョイスティックなどの入力スイッチである。操作パネルやリモコンなどに設けられる。入力装置17を操作することによって、表示モニタ16に表示されたボタンや、リストの項目などを選択することができる。
【0011】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を行う。このようにして求められたルート(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを他の道路と変えて画面表示される。これにより、地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、画面や音声などによって進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0012】
ディスクドライブ18は、DVD−ROM19から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データ、施設データ、施設検索用データ、地域−カテゴリ対象テーブルなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM110以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0013】
施設データには、各種施設の位置(緯度、経度)、名称、種別、そのほか住所や営業時間などの詳細情報が含まれる。施設検索用データは、ユーザによって入力された検索条件に基づいて施設検索を行うためのデータである。施設検索用データについて、図2を参照して説明する。施設検索用データには、施設のカテゴリから施設を検索するカテゴリ検索用データ21と、地域(たとえば、州)から施設を検索する地域検索用データ22とを有する。
【0014】
図2(a)に示すように、カテゴリ検索用データ21はツリー状になっており、施設のカテゴリの選択枝と各カテゴリに含まれる施設名の選択枝とを有している。そして、施設のカテゴリ(空港( Airport )、スキー場( Ski Resort )など)を確定した後、そのカテゴリに含まれる施設名をリスト表示することができる。カテゴリ検索用データ21の施設のデータには、施設の位置(緯度、経度)の情報が含まれる。これによって、検索結果としてリスト表示された施設の中から所望の施設を選択して目的地として設定できる。また、施設データから検索結果の施設と同じ位置(緯度、経度)の施設情報を呼び出し、施設の詳細情報などを表示することができる。
【0015】
図2(b)に示すように、地域検索用データ22もツリー状になっており、地域の選択枝と各地域に含まれる施設名の選択枝とを有している。そして、地域(アラバマ( Alabama )州、アリゾナ( Arizona )州など)を確定した後、その地域に含まれる施設の名称をリスト表示することができる。地域検索用データ22の施設のデータにも、施設の位置(緯度、経度)の情報が含まれる。これによって、カテゴリ検索用データ21と同様に、検索結果の施設を目的地として設定したり、施設の詳細情報を表示したりすることができる。
【0016】
地域−カテゴリ対象テーブルについて図3を参照して説明する。図3に示すように、地域−カテゴリ対象テーブル30は、各カテゴリの施設の各地域における有無関係を示す表である。項目を示す行31には、施設の各カテゴリが配列され、項目を示す列32には、各地域が配列されている。そして、地域にカテゴリの施設が存在する場合は、地域−カテゴリ対象テーブル20に、施設の存在を示すフラグ(図3では○)が設定され、存在しない場合は、施設の不存在を示すフラグ(図3では×)が設定される。たとえば、アラバマ州(行33)をみると、アラバマ州には、空港( Airport )が存在するので、セル33aには「○」が設定され、フェリー港( Ferry )は存在しないので、セル33bには「×」が設定される。また、アラバマ州には、公園( Park )は存在しないので、セル33cには「×」が設定さ、スキー場( Ski Resort )は存在するので、セル33dには「○」が設定される。
【0017】
次に、本願発明の実施形態における施設検索処理について、図4および図5を参照して説明する。不図示のメニューから施設検索を選択すると、図4(a)に示すように、施設検索画面40aが表示モニタ16に表示される。施設検索画面40aには、アルファベット入力ボタン群41、地域リスト表示ボタン42、カテゴリリスト表示ボタン43、検索実行ボタン44および検索条件表示欄45a〜45cが表示される。
【0018】
アルファベット入力ボタン群41は、施設名称や施設名称の一部の文字から施設を検索する場合、その名称や文字を入力するためのボタンの集合である。ユーザは、アルファベット入力ボタン群41の中から、所望のアルファベットのボタンを選択して、施設名称や施設名称の一部の文字を、検索条件として入力することができる。アルファベット入力ボタン群41のボタンにより入力された文字は、検索条件表示欄45cに表示される。
【0019】
地域リスト表示ボタン42は、施設検索の検索条件として地域を入力指示するときに使用するボタンである。地域リスト表示ボタン42を選択すると、図4(d)に示すような地域名称を表示したリスト(以下、地域リストと呼ぶ)が表示される。ユーザは、地域リストの中から所望の地域の地域名称を選択することによって、検索条件の地域を入力指示することができる。検索条件として地域を入力指示すると、入力指示された地域名称が検索条件表示欄45aに表示される。
【0020】
カテゴリリスト表示ボタン43は、施設検索の検索条件として施設のカテゴリを入力指示するときに使用するボタンである。カテゴリリスト表示ボタン43を選択すると、図4(b)に示すような施設のカテゴリを表示したリスト(以下、カテゴリリストと呼ぶ)が表示される。ユーザは、カテゴリリスト中から所望の施設のカテゴリを選択することによって、検索条件のカテゴリを入力指示することができる。検索条件としてカテゴリを入力指示すると、入力指示された施設カテゴリが検索条件表示欄45bに表示される。
【0021】
検索実行ボタン44は、検索条件表示欄45a〜45cに表示されている条件で施設検索を実行するためのボタンである。ユーザは、検索条件を入力した後、検索実行ボタン44を選択して、施設検索を開始する。
【0022】
ユーザは、施設のカテゴリをスキー場( Ski Resort )とし、施設の地域をアラバマ( Alabama )州とし、施設名称の最初の文字が「A」である施設を検索する場合、以下の操作を行う。ユーザは、施設のカテゴリを選択するため、図4(a)に示すように、カテゴリリスト表示ボタン43を選択する。そうすると、図4(b)に示すように、カテゴリリスト40bが表示モニタ16に表示される。ユーザは、カテゴリの検索条件としてスキー場を入力するために、入力装置17を操作してカテゴリリスト40bの中からスキー場( Ski Resort )を選択する。その結果、検索条件のカテゴリとしてスキー場が入力され、図4(c)に示すように、検索条件表示欄45bにスキー場( Ski Resort )が表示される。
【0023】
次に、ユーザは、検索を行う地域を選択するため、図4(c)に示すように、地域リスト表示ボタン42を選択する。そうすると、図4(d)に示すように、地域リスト40cが表示モニタ16に表示される。地域リスト40cを表示する際、地域−カテゴリ対象テーブル30が参照される。これにより、地域リスト40cには、すべての地域が表示されるのではなく、スキー場が存在する地域のみ表示される。したがって、スキー場( Ski Resort )が存在しない地域であるアリゾナ( Arizona )州やコロラド( Colorado )州など(図3参照)はリスト40cには表示されない。これにより、スキー場のない地域が選択されるのを防止することができる。ユーザは、地域の検索条件としてアラバマ州を入力するために、入力装置17を操作して地域リスト40cの中からアラバマ( Alabama )州を選択する。その結果、検索条件の地域としてアラバマ州が入力され、図5(a)に示すように、検索条件表示欄45aにアラバマ( Alabama )州が表示される。
【0024】
次に、ユーザは、施設名称が「A」で始まる施設を検索するために、図5(a)に示すように、アルファベット入力ボタン群41から「A」ボタンを選択する。その結果、地域名称の最初の文字による検索条件として「A」が入力され、図5(b)に示すように、検索条件表示欄45cに「A」が表示される。
【0025】
施設検索の検索条件の入力が完了したので、図5(b)に示すように、検索実行ボタン44を選択する。そうすると、施設検索が実行され、アラバマ州に存在し、スキー場に該当し、施設名称が「A」から始まる施設が検索され、図5(c)に示すように、検索結果リスト40dが表示される。そして、図5(c)に示すように、検索結果リスト40dの中から「 ABC SKI RESORT 」を選択指示すると、図5(d)に示すように、地図40eの「 ABC SKI RESORT 」に目的地が設定される。
【0026】
上記操作では、検索条件として、地域より先に施設のカテゴリを入力指示したが、施設のカテゴリより先に地域を入力指示することもできる。この場合も地域−カテゴリ対象テーブル30が参照されてからカテゴリリスト40bが表示モニタ16に表示されるので、選択した地域に存在する施設のカテゴリのみがカテゴリリスト40bに表示される。たとえば、図6(a)に示すように、最初に地域リスト表示ボタン42を選択する。そうすると、図6(b)に示すように、すべての地域を表示した地域リスト40cが表示される。図6(b)に示すように、地域としてアリゾナ( Arizona )州を選択した後、図6(c)に示すように、カテゴリリスト表示ボタン43を選択する。その結果、図6(d)に示すように、施設のカテゴリリスト40bが表示モニタ16に表示される。カテゴリリスト40bには、すべての施設のカテゴリが表示されるのではなく、アリゾナ州に存在する施設のカテゴリのみが表示される。したがって、アリゾナ( Arizona )州に存在しない施設のカテゴリであるフェリー港( Ferry )やスキー場( Ski Resort )など(図3参照)はカテゴリリスト40bには表示されない。
【0027】
次に、本発明の実施形態の施設検索による目的地設定処理について図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7および図8の処理は、不図示のメニューから施設検索を選択するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0028】
ステップS701では、地域−カテゴリ対象テーブルの参照の要否を判断するためのフラグfの値を0とする。ステップS702では、地域リスト表示ボタン42が選択されたか否かの判定をする。選択された場合はステップS702が肯定判定され、ステップS703へ進む。選択されない場合はステップS702が否定判定され、ステップS708へ進む。ステップS703では、フラグfの値が1であるか否かを判定する。フラグfの値が1の場合はステップS703が肯定判定され、ステップS704へ進む。フラグfの値が0の場合はステップS703が否定判定され、ステップS705へ進む。
【0029】
ステップS704では、地域−カテゴリ対象テーブル30を参照する。ステップS705では、地域リスト40cを表示モニタ16に表示する。ステップS704で地域−カテゴリ対象テーブル30を参照したときは、選択されているカテゴリの列で、施設の存在を示すフラグ(○)が設定されている地域のみを地域リスト40cに表示する。地域−カテゴリ対象テーブル30を参照していないときは、全ての地域を地域リスト40cに表示する。ステップS706でフラグfの値を1とする。ステップS707では、ユーザによって表示されたリスト内の項目が選択されたか否かを判定する。リスト内の項目が選択された場合はステップS707が肯定判定され、ステップS702に戻る。リスト内の項目が選択されていない場合はステップS707を繰り返す。
【0030】
ステップS708では、カテゴリリスト表示ボタン43が選択されたか否かの判定をする。選択された場合はステップS708が肯定判定され、ステップS709へ進む。選択されない場合はステップS708が否定判定され、図8のステップS801へ進む。ステップS709では、フラグfの値が1であるか否かを判定する。フラグfの値が1の場合はステップS709が肯定判定され、ステップS710へ進む。フラグfの値が0の場合はステップS709が否定判定され、ステップS711へ進む。
【0031】
ステップS710では、地域−カテゴリ対象テーブル30を参照する。ステップS711では、カテゴリリスト40bを表示モニタ16に表示する。ステップS710で地域−カテゴリ対象テーブル30を参照したときは、選択されている地域の行で、施設の存在を示すフラグ(○)が設定されているカテゴリのみをカテゴリリスト40bに表示する。地域−カテゴリ対象テーブル30を参照していないときは、全ての施設のカテゴリをカテゴリリスト40bに表示する。そして、ステップS706、S707へ進む。
【0032】
図8のステップS801では、アルファベット入力ボタン群41によってアルファベットが入力されたか否かを判定する。アルファベットが入力された場合はステップS801が肯定判定され、図7のステップS702へ戻る。アルファベットが入力されていない場合はステップS801が否定判定され、ステップS802へ進む。
【0033】
ステップS802では、検索実行ボタン44が選択されたか否かを判定する。検索実行ボタン44が選択された場合はステップS802が肯定判定され、ステップS803へ進む。検索実行ボタン44が選択されていない場合はステップS802が否定判定され、図7のステップS702に戻る。ステップS803では、入力した検索条件で施設検索を実行する。施設検索は以下のように行う。最初にカテゴリ検索用データ21を使用して検索を行う。次に地域検索用データを使用して検索を行う。そして、2つの検索結果の共通する施設を抽出する。この抽出した施設がステップS803の施設検索により検索結果となる。ステップS804では、施設検索の検索結果を表示モニタ16にリスト表示する。ステップS805では、検索結果リスト40dの中から選択された施設を経路探索の目的地として設定する。ステップS806では、目的地を含む周辺地図40eを表示モニタ16に表示する。そして、処理を終了する。
【0034】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)地域と施設のカテゴリとの間の有無関係を格納した地域−カテゴリ対象テーブル30を備え、検索条件として施設のカテゴリが選択された後、地域の検索条件を入力するためのリストを表示するときに地域−カテゴリ対象テーブル30を参照する。したがって、施設のカテゴリが選択されると、そのカテゴリの施設が存在する地域のみをリスト表示することができる。このようにすることによって、選択したカテゴリの施設が存在しない地域を選択して、施設検索を実行したにもかかわらず、施設が検索されないのを防止することができる。
【0035】
(2)さらに、検索条件として地域が選択された後、地域−カテゴリ対象テーブル30を参照することによってその地域に存在するカテゴリのみをリスト表示することもできる。このようにすることによって、選択した地域に存在しない施設のカテゴリを選択して、施設検索を実行したにもかかわらず、施設が検索されないのを防止することができる。
【0036】
選択されたカテゴリの施設が存在する地域のみをリスト表示し、かつ、選択された地域に存在するカテゴリのみをリスト表示するように施設検索用データ21,22の構造を変更すると、施設検索用データ21,22のデータ量はかなり大きくなる。一方、本発明の実施形態では、地域−カテゴリ対象テーブル30を使用して選択されたカテゴリの施設が存在する地域のみをリスト表示し、選択された地域に存在するカテゴリのみをリスト表示する。したがって、施設検索用データ21,22のデータ量が大きくならず、施設検索の処理時間も短縮できる。
【0037】
(3)検索結果リスト40dの中から選択指示した施設「 ABC SKI RESORT 」を目的地として設定し、その目的地を含む周辺地図40eを表示モニタ16に表示した。このように、検索結果から目的地を直接設定でき、周辺地図40eを表示することによって目的地の確認もできるので、利便性が向上する。
【0038】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)施設のカテゴリが選択された後、そのカテゴリの施設が存在する地域のみをリスト表示し、地域が選択された後、その地域に存在するカテゴリのみをリスト表示した。しかし、選択されたカテゴリの施設が存在する地域の表示形態を、選択されたカテゴリの施設が存在しない地域の表示態様と異なるようにリスト表示し、選択された地域に存在するカテゴリの表示形態を、選択された地域に存在しないカテゴリの表示態様と異なるようにしてリスト表示するようにしてもよい。このようにしても、選択した施設のカテゴリが存在しない地域を選択して施設検索を実行したにもかかわらず、施設が検索されないのを防止することができる。さらに、選択した地域に存在しない施設のカテゴリを選択して、施設検索を実行したにもかかわらず、施設が検索されないのを防止することができる。
【0039】
たとえば、図9(a)に示すように、最初に施設のカテゴリとして施設のカテゴリリスト40bの中からスキー場( Ski Resort )を選択する。次に、ユーザは、検索を行う地域を選択するため、地域リスト表示ボタン42を選択すると、図9(b)に示すように、地域リスト40cが表示モニタ16に表示される。地域リスト40cには、スキー場が存在する地域以外に、スキー場( Ski Resort )が存在しない地域であるアリゾナ( Arizona )州やコロラド( Colorado )州も表示される。しかし、これらの州の表示形態は、スキー場が存在するアラバマ( Alabama )州やアーカンソー( Arkansas )州などと表示態様を変えて表示されているので、スキー場のない地域が選択されるのを防止することができる。
【0040】
(2)カテゴリリスト40bに表示される施設のカテゴリは実施形態に限定されない。たとえば、「遊ぶ」、「学ぶ」などの施設のジャンルでもよい。
【0041】
(3)地域リスト40cに表示される地域は行政区画であれば州に限定されず、都道府県や市町村などでもよい。
【0042】
(4)地図検索装置であればナビゲーション装置に限定されない。
【0043】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明のカテゴリ指示手段、地域指示手段および施設指示手段は制御回路11および入力装置17に対応し、記憶手段はDVD−ROM19に対応する。表示手段および表示制御手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、処理手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】施設検索用データを説明するための図である。
【図3】地域−カテゴリ対象テーブルを説明するための図である。
【図4】本願発明の実施形態における施設検索処理を説明するための図である。
【図5】本願発明の実施形態における施設検索処理を説明するための図である。
【図6】本願発明の実施形態における施設検索処理を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の施設検索による目的地設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の施設検索による目的地設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本願発明の実施形態における施設検索処理の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
17 入力装置
21 カテゴリ検索用データ
22 地域検索用データ
30 地域−カテゴリ対象テーブル
40a 施設検索画面
40b カテゴリリスト
40c 施設リスト
40d 検索結果リスト
40e 地図
41 アルファベット入力ボタン群
42 地域リスト表示ボタン
43 カテゴリリスト表示ボタン
44 検索実行ボタン
45a〜45c 検索条件表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテゴリを指示するカテゴリ指示手段と、
地域を指示する地域指示手段と、
施設を指示する施設指示手段と、
各地域内に存在するカテゴリの有無を地域−カテゴリ対象テーブルとして記憶する記憶手段と、
前記カテゴリ、前記地域、前記施設を表示する表示手段と、
前記カテゴリ指示手段で指示したカテゴリに基づき前記地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示したカテゴリの施設が存在する地域を前記表示手段に表示するとともに、前記表示した地域のいずれか一つを前記地域指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示する表示制御手段と、
前記表示した施設のいずれか一つを前記施設指示手段により指示すると、その施設に関する処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする地図検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図検索装置において、
前記表示制御手段は、前記地域指示手段で指示した地域に基づき前記地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示した地域に存在する施設のカテゴリを前記表示手段に表示するとともに、前記表示したカテゴリのいずれか一つを前記カテゴリ指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示することを特徴とする地図検索装置。
【請求項3】
カテゴリを指示するカテゴリ指示手段と、
地域を指示する地域指示手段と、
施設を指示する施設指示手段と、
各地域内に存在するカテゴリの有無を地域−カテゴリ対象テーブルとして記憶する記憶手段と、
前記カテゴリ、前記地域、前記施設を表示する表示手段と、
前記カテゴリ指示手段で指示したカテゴリに基づき前記地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示したカテゴリの施設が存在する地域と存在しない地域とを表示形態を変えて前記表示手段に表示するとともに、前記指示したカテゴリの施設が存在する地域のいずれか一つを前記地域指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示する表示制御手段と、
前記表示した施設のいずれか一つを前記施設指示手段により指示すると、その施設に関する処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする地図検索装置。
【請求項4】
請求項3に記載の地図検索装置において、
前記表示制御手段は、前記地域指示手段で指示した地域に基づき前記地域−カテゴリ対象テーブルを参照して、指示した地域に存在する施設のカテゴリと存在しない施設のカテゴリとを表示形態を変えて前記表示手段に表示するとともに、前記指示した地域に存在する施設のカテゴリのいずれか一つを前記カテゴリ指示手段により指示すると、指示した地域内に存在し指示したカテゴリに該当する施設を表示することを特徴とする地図検索装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図検索装置において、
前記処理手段は、前記指示した施設を目的地として設定し、その目的地を含む周辺地図を前記表示手段に表示することを特徴とする地図検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−191390(P2008−191390A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25586(P2007−25586)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】