説明

基板位置検出方法

【課題】搬送ロボットにより基板を搬送する際に、ハンド上の基板の中心位置の検出精度を向上できるようにした基板位置検出方法を提供する。
【解決手段】ハンド7に、搬送経路上の所定位置に設定した検出点PSに基板の周縁があるか否かを検出するセンサで検出可能な指標として、R方向に所定距離LR0離れた第1指標73と第2指標74とを設ける。第1指標73が検出点にあると検出されたときのロボット動作量から求めたハンドのR方向位置を基準位置として、基準位置から、第2指標74が検出点にあると検出されたときのロボット動作量から求めたハンドのR方向位置までの変位量LRを算出し、この変位量LRと指標73,74間の距離LR0との比を補正係数として算出する。そして、基板の周縁の各箇所が検出点にあると検出されたときのロボット動作量から求めたハンドのR方向位置を、当該R方向位置と基準位置との偏差に補正係数を乗算して補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回軸と、旋回軸に連結され、旋回軸に直交する面上で屈伸動作するロボットアームと、ロボットアームの先端に連結されるハンドとを備え、旋回軸の回転でハンドを旋回軸の周方向たるθ方向に旋回させ、ロボットアームの屈伸動作でハンドを旋回軸の径方向たるR方向に移動させるようにした搬送ロボットを用い、円形の基板をハンドに支持させた状態で搬送元から搬送先に搬送する際に、ハンド上の基板の中心位置を検出する基板位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板位置検出方法として、特許文献1により、基板搬送時のハンドの移動経路を、搬送元或いは搬送先に対し所定の位置関係にある検出点を基板の周縁の異なる箇所が順に通過するように設定して、検出点に基板の周縁があるか否かを検出するセンサを設け、検出点の位置と、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置とに基づいてハンド上の基板の中心位置を演算するものが知られている。具体的には、検出点の位置と、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときのハンドの位置とから、ハンドに対し静止した座標上の基板周縁の各箇所の位置を算出する。そして、基板周縁の2箇所の位置を算出した場合は、これら2箇所を通る基板と同径の2つの円の中心のうちハンド中心に近い方をハンド上の基板の中心位置とし、また、基板周縁の3箇所の位置を算出した場合には、これら3箇所を通る円の中心をハンド上の基板の中心位置とする。その後、基板の中心位置が搬送先の中心位置に合致するようにハンドの位置を補正して、基板を搬送先に搬送する。
【0003】
また、センサの設置位置(検出点の位置)が正規位置からずれる可能性がある。そこで、上記従来例のものでは、センサで検出可能な指標を中心に設けた較正用基板をハンドに載置し、センサにより指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置に基づいて検出点の位置を算出している。
【0004】
ここで、較正用基板がハンド上の正規位置に載置されていれば、上記の方法で検出点の位置を正確に算出できる。然し、較正用基板はハンド上で位置ずれすることがある。この場合には、算出した検出点の位置が実際の検出点の位置からずれてしまい、上記の如く演算するハンド上の基板の中心位置も実際の中心位置からずれてしまう。
【0005】
また、ハンドのθ方向の位置は旋回軸の回転角度から正確に求めることができるが、ロボットアームの寸法誤差等の影響で、ロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置は実際のR方向位置からずれてしまうことがある。この場合にも、上記の如く演算するハンド上の基板の中心位置が実際の中心位置からずれてしまう。その結果、搬送先に正しく基板を搬送できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−218498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、ハンド上の基板の中心位置の検出精度を向上できるようにした基板位置検出方法を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、旋回軸と、旋回軸に連結され、旋回軸に直交する面上で屈伸動作するロボットアームと、ロボットアームの先端に連結されるハンドとを備え、旋回軸の回転でハンドを旋回軸の周方向たるθ方向に旋回させ、ロボットアームの屈伸動作でハンドを旋回軸の径方向たるR方向に移動させるようにした搬送ロボットを用い、円形の基板をハンドに支持させた状態で搬送元から搬送先に搬送する際に、ハンド上の基板の中心位置を検出する基板位置検出方法であって、基板搬送時のハンドの移動経路を、搬送元或いは搬送先に対し所定の位置関係にある検出点を基板の周縁の異なる箇所が順に通過するように設定して、検出点に基板の周縁があるか否かを検出するセンサを設け、検出点の位置と、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置とに基づいてハンド上の基板の中心位置を演算するものにおいて、上記課題を解決するために以下の如く構成したことを特徴とする。
【0009】
即ち、本発明は、ハンドに、センサで検出可能な指標として、基準となる第1指標と、第1指標からR方向に所定距離離れた第2指標とを設け、基板を搬送する前に、ハンドを第1と第2の各指標が検出点を通るように動かして、センサにより第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置に基づいて検出点の位置を算出すると共に、センサにより第1指標が検出点にあると検出されたときのハンドのR方向位置をR方向基準位置として、このR方向基準位置から、センサにより第2指標が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置までの変位量を算出し、この変位量と第1と第2の両指標間のR方向距離との比を補正係数として算出し、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置を、当該R方向位置とR方向基準位置との偏差に補正係数を乗算して補正することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ハンドに設けた第1指標を用いて検出点の位置を算出するため、上記従来例のような較正用基板の位置ずれによる検出点の算出誤差を生じず、検出点の位置を正確に算出できる。また、上記の如く求めた補正係数は、R方向基準位置からの演算で求めたハンドのR方向変位量とハンドの実際のR方向変位量との比になる。そのため、センサにより基板周縁の各箇所が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置が実際のR方向位置からずれても、本発明の如くハンドのR方向位置を補正係数に基づいて補正すれば、R方向基準位置に対するハンドの実際のR方向の相対位置を正確に算出できる。そして、検出点のR方向位置はR方向基準位置に基づいて算出されるから、検出点のR方向位置に対するハンドの実際のR方向の相対位置を正確に算出できることになる。従って、検出点のR方向位置と基板周縁の各箇所が検出点にあると検出されたときのハンドの補正したR方向位置とから、ハンドに対し静止した座標上の基板周縁の各箇所のR方向位置を正確に算出でき、ハンド上の基板中心位置の検出精度が向上する。
【0011】
尚、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置とR方向基準位置との偏差が小さければ、R方向基準位置に対する演算で求めたハンドのR方向の相対位置と実際のハンドのR方向の相対位置とのずれは極小さくなる。従って、偏差が所定値以下のときは上記補正を省略してもよい。
【0012】
ところで、ハンドの組付け誤差等によりロボットアームに対しハンドがθ方向に傾いた姿勢で連結されてしまうことがある。この場合、第1指標は、ロボットアームに正規姿勢でハンドが連結されているときの位置からθ方向に変位する。ここで、センサにより第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から、ロボットアームにハンドが正規姿勢で連結されているものとしてハンドの位置を求めるため、このハンドの位置に基づいて算出する検出点の位置は、ハンドのθ方向の傾き角度分だけ実際の位置からずれてしまう。
【0013】
そのため、本発明においては、ハンドに、θ方向に離隔させて、ロボットアームに対し正規姿勢でハンドが連結されている場合にR方向位置が同一になるように第1指標を一対に設け、センサにより一方の第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置を第1位置、センサにより他方の第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置を第2位置として、第1位置と第2位置とからロボットアームに対するハンドのθ方向の傾き角度を算出し、第1位置又は第2位置に基づいて算出される検出点の位置をハンドのθ方向の傾き角度に応じて補正することが望ましい。
【0014】
ここで、ハンドがロボットアームに対し正規姿勢で連結されていれば、第1位置におけるハンドのR方向位置と第2位置におけるハンドのR方向位置とが同一になるが、ハンドがロボットアームに対しθ方向に傾いた姿勢で連結されている場合は、第1位置におけるハンドのR方向位置と第2位置におけるハンドのR方向位置との間に差を生ずる。そのため、第1位置と第2位置とからロボットアームに対するハンドのθ方向の傾き角度を算出することができる。そして、第1位置又は第2位置に基づいて算出される検出点の位置をハンドのθ方向の傾き角度に応じて補正することにより、検出点の実際の位置を精度よく算出できる。
【0015】
また、ハンドがロボットアームに対しθ方向に傾いた姿勢で連結されている場合は、第1と第2の両指標間の実際のR方向距離が設計上のR方向距離より減少してしまう。そのため、R方向基準位置から、センサにより第2指標が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置までの変位量と、第1と第2の両指標間の設計上のR方向距離との比として算出した補正係数は、R方向基準位置からの演算で求めたハンドのR方向変位量とハンドの実際のR方向変位量との比からずれてしまう。
【0016】
そのため、上記の如くハンドに一対の第1指標を設ける場合には、第2指標に、一対の第1指標を結ぶ結線に平行な直線部を形成し、前記第1位置と前記第2位置とから、一対の第1指標を結ぶ結線上の所定点が検出点にあるときのハンドの位置をハンド基準位置として算出し、このハンド基準位置でのハンドのR方向位置をR方向基準位置とし、このR方向基準位置から、前記所定点を通るR方向の直線と第2指標の直線部との交点が検出点にあるとセンサで検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置までの変位量を求め、この変位量と前記所定点及び前記交点間のR方向距離との比を前記補正係数として算出することが望ましい。
【0017】
ここで、前記所定点及び前記交点間のR方向距離は、両第1指標を結ぶ結線と第2指標の直線部との間の設計上のR方向距離とハンドのθ方向の傾き角度とから求めることができる。従って、ハンドがロボットアームに対しθ方向に傾いた姿勢で連結されていても、R方向基準位置からの演算で求めたハンドのR方向変位量とハンドの実際のR方向変位量との比に等しくなるように補正係数を正確に算出できる。尚、ハンド基準位置と同一のθ方向位置でハンドをR方向に移動させれば、前記交点が検出点を通過するから、センサで前記交点が検出点にあると検出できる。
【0018】
ところで、上記従来例のものでは、ハンドの基端部に、基板の周縁より径方向内方に位置する内側孔縁部と、基板の周縁より径方向外方に位置する外側孔縁部とを持つ長孔が形成され、基板搬送時のハンドの移動経路を、長孔上に張出す基板の周縁の箇所が検出点を通過するように設定している。この長孔の内側後縁部と外側後縁部は共に円弧状に形成されている。ここで、長孔の内側孔縁部と外側孔縁部との少なくとも一方に前記結線に平行な直線部を形成し、この直線部で第2指標の直線部を構成すれば、直線部を持つ第2指標を別途設ける必要が無く有利である。また、これによれば、前記交点が検出点にあると検出されるときのハンドのR方向位置と長孔上に張出す基板周縁の箇所が検出点にあると検出されるときのハンドのR方向位置との差が小さくなる。従って、補正係数の算出に用いるR方向基準位置からのハンドのR方向変位量は、基板周縁の箇所が検出点にあると検出されるときのR方向基準位置からのハンドのR方向変位量に近い値となり、基板周縁の箇所が検出点にあると検出されたときのハンドのR方向位置を正確に補正演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用する半導体製造装置の模式的平面図。
【図2】(a)本発明で用いる第1実施形態のハンドの平面図、(b)第1実施形態のハンドの切断側面図。
【図3】基板搬送時のハンドの移動経路を示す図。
【図4】ハンドに対し静止した座標上の基板周縁の各箇所の位置を示す図。
【図5】補正係数の算出方法を説明する図。
【図6】(a)本発明で用いる第2実施形態のハンドの平面図、(b)第2実施形態のハンドがθ方向に傾いた状態を示す平面図。
【図7】基板搬送時のハンドの移動経路の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、半導体製造装置を示している。この製造装置は、中央の搬送室1と、搬送室1の周囲に配置した、2つのロードロック室2及び複数(図示例では4つ)の処理室3とを備えている。各ロードロック室2には、基板Sを上下複数段に収納可能なカセット2aが配置され、各処理室3には、基板Sを載置するステージ3aが配置されている。また、各ロードロック室2及び各処理室3と搬送室1との間には、各ロードロック室2及び各処理室3に基板Sを搬入、搬出する際に開くゲートバルブ2b,3bが介設されている。尚、基板Sは、シリコンウエハ等の円形の基板である。
【0021】
搬送室1には、基板Sを搬送する搬送ロボット4が配置されている。搬送ロボット4は、搬送室1の中心に設けた鉛直方向にのびる旋回軸5と、旋回軸5に連結したロボットアーム6と、ロボットアーム6の先端に連結した、基板Sを支持するハンド7とを備える円筒座標型ロボットで構成される。ロボットアーム6は、旋回軸5に直交する水平面上で屈伸動作するフロッグレッグ式アームで構成されている。ハンド7は、旋回軸5の回転で旋回軸5の周方向(以下、θ方向という)に旋回し、ロボットアーム6の屈伸動作で旋回軸5の径方向(以下、R方向という)に移動する。
【0022】
尚、本実施形態では、旋回軸5に、先端に夫々ハンド7を連結した一対のロボットアーム6,6をθ方向に180°の角度差を存して連結している。そして、一対のハンド7,7により、基板Sを一方のロードロック室2から4つの処理室3を経由して他方のロードロック室2に搬送するようにしている。また、旋回軸5は上下動するようになっており、基板Sを各処理室3に搬入してから、旋回軸5を下動させて、基板Sをステージ3aに移載する。
【0023】
図2を参照して、ハンド7は、ロボットアーム6に連結される基端部7aと、基端部7aから二股状に分岐してR方向先方にのびる一対のフィンガー部7bとを有する。基端部7aと各フィンガー部7bの先端とには、搬送中の基板Sの位置ずれを抑制するために、基板Sの周縁が係合可能なガイド部71が設けられている。また、ハンド7の基端部7aには、基板Sの周縁より径方向内方に位置する内側孔縁部72aと、基板Sの周縁より径方向外方に位置する外側孔縁部72bとを持つ円弧状の長孔72が形成されている。ハンド7には、更に、片方のフィンガー部7bの先端側に位置させて、円形孔から成る第1指標73が形成されると共に、基端部7a側に位置させて、第1指標73からR方向に所定距離LR0離れた円形孔から成る第2指標74が形成されている。尚、図2中、PHは、ハンド7上に正規位置で支持された基板Sの中心に合致するハンド中心点である。
【0024】
ここで、基板Sの搬送を行う前に、各ロードロック室2及び各処理室3の中心に設定した搬送点Pにハンド中心点PHが合致するように、搬送ロボット4のティーチングを行う。従って、ハンド7上の正規位置に基板Sが支持されていれば、各ロードロック室2や各処理室3の搬送点Pに基板中心が合致するように基板Sを搬送できる。然し、実際には、ハンド7上に正規位置からずれた状態で基板Sが支持されることがあり、このままでは、基板中心が搬送点Pからずれてしまう。
【0025】
そこで、各ロードロック室2や各処理室3に対し所定の位置関係にある検出点PSを設定している。本実施形態では、各ロードロック室2や各処理室3の搬送点Pと旋回軸5の中心5aとを結ぶ線上のR方向所定位置に検出点PSを設定している。そして、図3に示す如く、搬送元の一方のロードロック室2や各処理室3から搬送先の各処理室3や他方のロードロック室2に基板Sを搬送する際のハンド7の移動経路を、搬送元の搬送点Pと旋回軸5の中心5aとを結ぶ線a1上の検出点PSにハンド中心点PHが合致する第1引込位置と、搬送先の搬送点Pと旋回軸5の中心5aとを結ぶ線a2上の検出点PSにハンド中心点PHが合致する第2引込位置とを経由するように設定している。
【0026】
ハンド7の移動経路をこのように設定すれば、ハンド7を搬送元から第1引込位置までR方向に移動させる際に、ハンド7の長孔72上に張出す基板周縁の箇所Saが線a1上の検出点PSを通過し、ハンド7を第1引込位置から第2引込位置までθ方向に旋回させる際に、基板中心から見てθ方向後方に位置する基板周縁の箇所Sbが線a1上の検出点PSを通過すると共に、基板中心から見てθ方向前方に位置する基板周縁の箇所Scが線a2上の検出点PSを通過し、第2引込位置から搬送先までハンド7をR方向に移動させる際に、ハンド7の長孔72上に張出す基板周縁の前記箇所Saが線a2上の検出点PSを通過する。
【0027】
また、各検出点PSに基板Sの周縁があるか否かを検出するセンサ8を設けている。このセンサ8は、検出点PSに、図2(b)に示す如く、搬送面(ハンド7の移動面)を挟んで上下に対向するように設置した投光部8aと受光部8bとを有する光学式センサで構成される。検出点PSに基板Sが存在しない状態からの基板Sの移動で検出点PSを基板Sの周縁が通過するときは、投光部8aからの光線を受光部8bが受光する状態から受光しない状態に切り換わり、また、検出点PSに基板Sが存在する状態からの基板Sの移動で検出点PSを基板Sの周縁が通過するときは、投光部8aからの光線を受光部8bが受光しない状態から受光する状態に切り換わる。従って、受光部8bの出力信号の切り換わりで、基板Sの周縁が検出点PSにあると検出できる。
【0028】
そして、本実施形態では、ハンド7を第1引込位置から第2引込位置までθ方向に旋回させる際に、線a1上の検出点PSに設置したセンサ8により、当該検出点PSに基板周縁のθ方向後方の箇所Sbがあると検出されたときの旋回軸5の回転角度(旋回軸用モータの回転角度)及びロボットアーム6の屈伸角度(ロボットアーム用モータの回転角度)から求めたハンド7の位置(旋回軸5を中心とする極座標上でのハンド中心点PHの位置)と、当該検出点PSの位置(前記極座標上での検出点PSの位置)とから、図4に示す如く、ハンド7に対し静止した座標上での前記箇所Sbの位置を算出する。また、線a2上の検出点PSに設置したセンサ8により、当該検出点PSに基板周縁のθ方向前方の箇所Scがあると検出されたときの旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7の位置と、当該検出点PSの位置とから、ハンド7に対し静止した座標上での前記箇所Scの位置を算出する。更に、ハンド7を第2引込位置から搬送先までR方向に移動させる際に、線a2上の検出点PSに設置したセンサ8により、当該検出点PSに長孔72上に張出す基板周縁の箇所Saがあると検出されたときの旋回軸5の旋回角度及びロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7の位置と、当該検出点PSの位置とから、ハンド7に対し静止した座標上での前記箇所Saの位置を算出する。次に、これら3箇所Sa、Sb、Scを通る円Cの方程式を算出し、この円Cの中心Oをハンド7上の基板Sの中心位置として演算する。そして、図4に示す如く、円Cの中心O、即ち、基板Sの中心位置がハンド中心点PHからずれている場合には、基板Sの中心位置が搬送先の搬送点Pに合致するようにハンド7の位置を補正して、基板Sを搬送先に搬送する。
【0029】
尚、長孔72上に張出す基板周縁の箇所Saの位置は、線a1上の検出点PSに当該箇所Saがあると対応するセンサ8で検出されたときのハンド7の位置に基づいて算出してもよい。また、本実施形態では、基板Sの周縁の3箇所Sa、Sb、Scの位置を算出しているが、これら3箇所Sa、Sb、Scのうちの何れか2箇所の位置を算出し、2箇所を通る基板Sと同径の2つの円の中心のうちハンド中心点PHに近い方をハンド7上の基板Sの中心位置とすることも可能である。
【0030】
ところで、センサ8の設置位置(検出点PSの位置)が正規位置からずれる可能性がある。また、ハンド7のθ方向の位置は旋回軸5の回転角度から正確に求めることができるが、ロボットアーム6の寸法誤差等の影響で、ロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置は実際のR方向位置からずれてしまうことがある。このままでは、上記の如く演算するハンド7上の基板Sの中心位置が実際の中心位置からずれてしまい、搬送先に正しく基板Sを搬送できなくなる。
【0031】
そこで、本実施形態では、基板Sの搬送前に、ハンド7をこれに設けた第1指標73が各検出点PSを通るように動かして、各検出点PSの位置を算出している。即ち、センサ8により第1指標73が検出点PSにあると検出されたときの旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度からハンド7の位置(極座標上でのハンド中心点PHの位置)を求め、ハンド中心点PHに対する第1指標73の相対位置から検出点PSの極座標上での位置を算出している。
【0032】
また、図5に示す如く、ハンド7をこれに設けた第2指標74が検出点PSを通るように動かして、センサ8により第2指標74が検出点PSにあると検出されたときのロボットアーム6の屈伸角度からハンドのR方向位置R2を求めている。そして、センサ8により第1指標73が検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置をR方向基準位置R1として、この基準位置R1から第2指標74が検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置R2までの変位量LR(=R2−R1)を算出し、この変位量LRと第1と第2の両指標73,74間のR方向距離LR0との比を補正係数K(=LR0/LR)として算出している。
【0033】
尚、各指標73,74の検出に際しては、各指標73,74を構成する円形孔の孔縁の複数箇所が検出点PSを通るようにハンド7を動かす。そして、該各箇所が検出点PSにあると検出されたときのハンド7の位置を旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度から求め、これらハンド7の位置から各指標73,74の中心が検出点PSにあるときのハンド7の位置を算出する。
【0034】
基板搬送時に、センサ8により基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときは、検出時点のロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置を、当該R方向位置とR方向基準位置R1との偏差に補正係数Kを乗算して補正する。即ち、センサ8により基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置をRSとして、補正したR方向位置RS´を、次式、RS´=R1+K×(RS−R1)で算出する。
【0035】
ここで、補正係数Kは、R方向基準位置R1からの演算で求めたハンド7のR方向変位量とハンド7の実際のR方向変位量との比になる。そのため、センサ8により基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置が実際のR方向位置からずれても、本実施形態の如くハンド7のR方向位置を補正係数Kに基づいて補正すれば、R方向基準位置R1に対するハンド7の実際のR方向の相対位置を正確に算出できる。
【0036】
そして、検出点PSのR方向位置はR方向基準位置R1に基づいて算出されるから、検出点PSのR方向位置に対するハンド7の実際のR方向の相対位置を正確に算出できることになる。従って、検出点PSのR方向位置と、基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのハンド7の補正したR方向位置とから、ハンド7に対し静止した座標上の基板周縁の各箇所Sa,Sb,ScのR方向位置を正確に算出できる。また、基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのハンド7のθ方向の位置は、旋回軸5の回転角度から正確に算出できる。その結果、ハンド7上の基板Sの中心位置の検出精度が向上し、基板Sの中心位置が搬送先の搬送点Pに合致するようにハンド7の位置を補正して、基板Sを搬送先に確実に搬送できる。
【0037】
ところで、ハンド7の組付け誤差等によりロボットアーム6に対しハンド7がθ方向に傾いた姿勢で連結されてしまうことがある。この場合、第1指標73は、ロボットアーム6に正規姿勢でハンド7が連結されているときの位置からθ方向に変位する。ここで、センサ8により第1指標73が検出点PSにあると検出されたときの旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度から、ロボットアーム6にハンド7が正規姿勢で連結されているものとしてハンド7の位置(ハンド中心点PHの位置)を求めるため、ハンド中心点PHに対する第1指標73の相対位置から算出する検出点PSの位置は、ハンド7のθ方向の傾き角度分だけ実際の位置からずれてしまう。
【0038】
以上の不具合を解消した第2実施形態について図6を参照して説明する。第2実施形態では、図6(a)に示す如く、ハンド7に、θ方向に離隔させて、ロボットアーム6に対し正規姿勢でハンド7が連結されている場合にR方向位置が同一になるように第1指標73を一対に設けている。具体的には、ロボットアーム6に対し正規姿勢でハンド7が連結されている場合にハンド中心点PHを通るR方向の直線をハンド中心線7cとして、ハンド7の一方のフィンガー部7bと他方のフィンガー部7bとにハンド中心線7cに関して対称に一対の第1指標73,73を設けている。尚、第2実施形態において、両第1指標73,73は、上述した第1と第2の各引込位置にハンド7が存する状態で、旋回軸5を中心としハンド中心点PHを通る円周bにほぼ合致する部分に位置する。
【0039】
そして、第2実施形態では、センサ8により一方の第1指標73が検出点PSにあると検出されたときの旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7の位置を第1位置、センサ8により他方の第1指標73が検出点PSにあると検出されたときの旋回軸5の回転角度及びロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7の位置を第2位置として、第1位置と第2位置とからロボットアーム6に対するハンド7のθ方向の傾き角度を算出し、第1位置又は第2位置に基づいて算出される検出点PSの位置をハンド7のθ方向の傾き角度に応じて補正している。
【0040】
ここで、図6(b)に示す如く、ハンド7がロボットアーム6に対しθ方向に傾いた姿勢で連結されている場合は、一方の第1指標73のR方向位置と他方の第1指標73のR方向位置との間にθ方向の傾き角度Δθに応じた差ΔRを生ずる。そのため、第1位置におけるハンド7のR方向位置と第2位置におけるハンド7のR方向位置との間に上記差ΔRを生ずる。従って、第1位置と第2位置とからロボットアーム6に対するハンド7のθ方向の傾き角度Δθを算出することができる。そして、第1位置又は第2位置に基づいて算出される検出点PSの位置をハンド7のθ方向の傾き角度Δθに応じて補正することにより、検出点PSの実際の位置を精度よく算出できる。
【0041】
更に、第2実施形態では、ハンド7の基端部7aに形成する長孔72の内側孔縁部72aと外側孔縁部72bとに、一対の第1指標73,73を結ぶ結線に平行な直線部を形成し、この直線部で第2指標74を構成している。また、第1位置と第2位置とから一対の第1指標73,73を結ぶ結線上の所定点Mが検出点PSにあるときのハンド7の位置をハンド基準位置として算出し、このハンド基準位置でのハンド7のR方向位置をR方向基準位置としている。尚、所定点Mは、両第1指標73,73からの距離の比が所定値となる結線上の点を意味し、第2実施形態では、両第1指標73,73からの距離の比が1:1となる中点を所定点Mにしている。また、所定点Mは、両第1指標73,73の何れか一方に合致する点であってもよい。
【0042】
次に、ハンド基準位置と同一のθ方向位置でハンド7をR方向に移動させ、センサ8により長孔72の内側孔縁部72aが検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置を1番目の第2指標検出位置としてロボットアーム6の屈伸角度から求めると共に、センサ8により長孔72の外側孔縁部72bが検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置を2番目の第2指標検出位置としてロボットアーム6の屈伸角度から求める。ここで、ハンド7をハンド基準位置と同一のθ方向位置でR方向に移動させると、ハンド7に対し検出点PSが上記所定点Mを通るR方向の直線7dに沿って相対移動することになる。従って、1番目の第2指標検出位置は、長孔72の内側孔縁部72aの直線部と上記直線7dとの交点Q1が検出点PSにあるときのハンド7のR方向位置になり、2番目の第2指標検出位置は、長孔72の外側孔縁部72bの直線部と上記直線7dとの交点Q2が検出点PSにあるときのハンド7のR方向位置になる。尚、ハンド7がロボットアーム6に対し正規姿勢で連結されている場合、上記直線7dはハンド中心線7cに合致する。
【0043】
また、一対の第1指標73,73を結ぶ結線と長孔72の内側と外側の各孔縁部72a,72bの直線部との間の設計上のR方向距離(ロボットアーム6にハンド7が正規姿勢で連結されている状態でのR方向距離)LR1,LR2とハンド7のθ方向の傾き角度Δθとから、前記所定点Mと前記交点Q1との間のR方向距離LR1´(=LR1×secΔθ)を求めると共に、前記所定点Mと前記交点Q2との間のR方向距離LR2´(=LR2×secΔθ)を求める。そして、R方向基準位置から1番目の第2指標検出位置までのR方向の変位量と前記所定点M及び前記交点Q1間のR方向距離LR1´との比を求めると共に、R方向基準位置から2番目の第2指標検出位置までのR方向の変位量と前記所定点M及び前記交点Q2間のR方向距離LR2´との比を求め、両比の平均値として補正係数Kを算出する。
【0044】
ここで、上記第1実施形態では、ハンド7がロボットアーム6に対しθ方向に傾いた姿勢で連結されている場合、第1と第2の両指標73,74間の実際のR方向距離が設計上のR方向距離より減少してしまう。そのため、R方向基準位置から、センサ8により第2指標74が検出点PSにあると検出されたときのロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置までの変位量と、第1と第2の両指標73,74間の設計上のR方向距離との比として算出した補正係数Kは、R方向基準位置からの演算で求めたハンド7のR方向変位量とハンド7の実際のR方向変位量との比からずれてしまう。これに対し、第2実施形態では、ハンド7がロボットアーム6に対しθ方向に傾いた姿勢で取付けられていても、R方向基準位置からの演算で求めたハンド7のR方向変位量とハンド7の実際のR方向変位量との比に等しくなるように補正係数Kを正確に算出できる。従って、センサ8により基板周縁の各箇所Sa,Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置をこの補正係数Kに基づいて上記の如く補正することにより、ハンド7がロボットアーム6に対しθ方向に傾いた姿勢で取付けられていても、R方向基準位置に対するハンド7の実際のR方向の相対位置を正確に算出でき、ハンド7上の基板Sの中心位置の検出精度が向上する。
【0045】
尚、第2実施形態では、長孔72の内側と外側の両孔縁部72a,72bを夫々第2指標74として利用しているが、両孔縁部72a,72bの何れか一方のみを第2指標74として利用してもよい。
【0046】
また、ハンド7に、長孔72とは別に、一対の第1指標73,73を結ぶ結線に平行な直線部を持つ第2指標を形成することも可能である。但し、第2実施形態の如く、長孔72の内側や外側の孔縁部72a,72bに前記結線に平行な直線部を形成して、これを第2指標74として利用すれば、直線部を持つ第2指標を別途設ける必要が無く有利である。また、前記交点Q1,Q2が検出点PSにあると検出されるときのハンド7のR方向位置と長孔72上に張出す基板周縁の箇所Saが検出点PSにあると検出されるときのハンド7のR方向位置との差が小さくなる。従って、補正係数Kの算出に用いるR方向基準位置からのハンド7のR方向変位量は、基板周縁の箇所Saが検出点PSにあると検出されるときのR方向基準位置からのハンド7のR方向変位量に近い値となる。その結果、R方向基準位置からの演算で求めたハンド7の変位量と実際のハンド7の変位量との比がハンド7のR方向位置に応じて多少変化しても、基板周縁の箇所Saが検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置を正確に補正演算することができる。
【0047】
また、第2実施形態では、第1と第2の各引込位置にハンド7が存する状態で、第1指標73が旋回軸5を中心としハンド中心点PHを通る円周bにほぼ合致する部分に位置しているため、センサ8により第1指標73が検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置(R方向基準位置)は、第1引込位置から第2引込位置までハンド7をθ方向に旋回する際のハンド7のR方向位置に近くなる。そして、基板周縁のθ方向後方の箇所Sbとθ方向前方の箇所Scが夫々検出点PSにあると検出されるのは、第1引込位置から第2引込位置への旋回中であるから、これら各箇所Sb,Scが検出点PSにあると検出されたときのハンド7のR方向位置とR方向基準位置との偏差が小さくなる。この偏差が小さければ、R方向基準位置に対する演算で求めたハンド7のR方向の相対位置と実際のハンドのR方向の相対位置とのずれは極小さくなる。従って、偏差が所定値以下になる上記箇所Sb,Scの検出時にロボットアーム6の屈伸角度から求めたハンド7のR方向位置については、上記補正係数Kによる補正を省略してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、基板搬送時のハンド7の移動経路を、搬送元の搬送点Pと旋回軸5の中心5aとを結ぶ線a1上の検出点PSにハンド中心点PHが合致する第1引込位置と、搬送先の搬送点Pと旋回軸5の中心5aとを結ぶ線a2上の検出点PSにハンド中心点PHが合致する第2引込位置とを経由するように設定しているが、これに限らない。例えば、図7に示す如く、ハンド7の長孔72上に張出す基板周縁の箇所が各線a1,a2上の検出点PSを通過するのに必要十分な各線a1,a2上の位置を結ぶ湾曲した経路に沿ってハンド7を移動させることも可能である。
【0049】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、センサ8として、搬送面を挟んで上下に対向する投光部8aと受光部8bとを有するものを用いているが、搬送面の上下一方に配置した投光部及び受光部を有し、被検出物からの反射光を受光するタイプのセンサを用いることも可能である。この場合、第1と第2の各指標73,74は、センサ光に対する反射率がハンド7の他の部分と異なる処理を施した部分で構成してもよい。また、上記実施形態は、半導体製造装置における基板搬送時の基板位置検出方法に本発明を適用したものであるが、半導体製造装置以外の装置の基板搬送時の基板位置検出方法にも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0050】
S…基板、Sa,Sb,Sc…基板周縁の各箇所、PS…検出点、4…搬送ロボット、5…旋回軸、6…ロボットアーム、7…ハンド、7a…基端部、M…所定点、7d…所定点を通るR方向の直線、72…長孔、72a…内側孔縁部、72b…外側孔縁部、73…第1指標、74…第2指標、Q1,Q2…交点、8…センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回軸と、旋回軸に連結され、旋回軸に直交する面上で屈伸動作するロボットアームと、ロボットアームの先端に連結されるハンドとを備え、旋回軸の回転でハンドを旋回軸の周方向たるθ方向に旋回させ、ロボットアームの屈伸動作でハンドを旋回軸の径方向たるR方向に移動させるようにした搬送ロボットを用い、円形の基板をハンドに支持させた状態で搬送元から搬送先に搬送する際に、ハンド上の基板の中心位置を検出する基板位置検出方法であって、
基板搬送時のハンドの移動経路を、搬送元或いは搬送先に対し所定の位置関係にある検出点を基板の周縁の異なる箇所が順に通過するように設定して、検出点に基板の周縁があるか否かを検出するセンサを設け、
検出点の位置と、センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置とに基づいてハンド上の基板の中心位置を演算するものにおいて、
ハンドに、センサで検出可能な指標として、基準となる第1指標と、第1指標からR方向に所定距離離れた第2指標とを設け、
基板を搬送する前に、ハンドを第1と第2の各指標が検出点を通るように動かして、センサにより第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置に基づいて検出点の位置を算出すると共に、センサにより第1指標が検出点にあると検出されたときのハンドのR方向位置をR方向基準位置として、このR方向基準位置から、センサにより第2指標が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置までの変位量を算出し、この変位量と第1と第2の両指標間のR方向距離との比を補正係数として算出し、
センサにより基板の周縁の前記各箇所が検出点にあると検出されたときのロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置を、当該R方向位置とR方向基準位置との偏差に補正係数を乗算して補正することを特徴とする基板位置検出方法。
【請求項2】
前記偏差が所定値以下のときは前記補正を省略することを特徴とする請求項1記載の基板位置検出方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の基板位置検出方法であって、前記ハンドに、θ方向に離隔させて、前記ロボットアームに対し正規姿勢でハンドが連結されている場合にR方向位置が同一になるように前記第1指標を一対に設け、
前記センサにより一方の第1指標が前記検出点にあると検出されたときの前記旋回軸の回転角度及び前記ロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置を第1位置、センサにより他方の第1指標が検出点にあると検出されたときの旋回軸の回転角度及びロボットアームの屈伸角度から求めたハンドの位置を第2位置として、第1位置と第2位置とからロボットアームに対するハンドのθ方向の傾き角度を算出し、第1位置又は第2位置に基づいて算出される検出点の位置をハンドのθ方向の傾き角度に応じて補正することを特徴とする基板位置検出方法。
【請求項4】
請求項3記載の基板位置検出方法であって、前記第2指標に、前記一対の第1指標を結ぶ結線に平行な直線部を形成し、
前記第1位置と前記第2位置とから、一対の第1指標を結ぶ結線上の所定点が検出点にあるときの前記ハンドの位置をハンド基準位置として算出し、このハンド基準位置でのハンドのR方向位置を前記R方向基準位置とし、このR方向基準位置から、前記所定点を通るR方向の直線と第2指標の直線部との交点が検出点にあると前記センサで検出されたときの前記ロボットアームの屈伸角度から求めたハンドのR方向位置までの変位量を算出し、この変位量と前記所定点及び前記交点間のR方向距離との比を前記補正係数として算出することを特徴とする基板位置検出方法。
【請求項5】
請求項4記載の基板位置検出方法であって、前記ハンドの基端部に、基板の周縁より径方向内方に位置する内側孔縁部と、基板の周縁より径方向外方に位置する外側孔縁部とを持つ長孔が形成され、基板搬送時のハンドの移動経路を、長孔上に張出す基板の周縁の箇所が前記検出点を通過するように設定するものにおいて、
長孔の内側孔縁部と外側孔縁部との少なくとも一方に前記結線に平行な直線部を形成し、この直線部で前記第2指標の直線部が構成されることを特徴とする基板位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−106313(P2012−106313A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257216(P2010−257216)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】