説明

基板処理装置、基板処理方法及び半導体装置の製造方法

【課題】処理室内に発生した異物の攪拌を抑制することにより、基板への異物の吸着を抑制する。
【解決手段】処理ガス供給ライン1aから処理室内への処理ガスの供給と、不活性ガス供給ライン2aから処理室内への不活性ガスの供給と、を含むサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、その際、処理ガス供給ラインおよび不活性ガス供給ラインに、処理ガスおよび不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、処理ガス供給ラインから処理室内へ処理ガスを供給する際には、不活性ガス供給ラインに供給された不活性ガスを処理室内に供給することなく不活性ガスベントライン2bより排気し、不活性ガス供給ラインから処理室内へ不活性ガスを供給する際には、処理ガス供給ラインに供給された処理ガスを処理室内に供給することなく処理ガスベントライン1bより排気し、サイクルを繰り返す際、処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI等の半導体装置の製造工程の一工程として、例えば、シリコンウェハなどの被処理基板に薄膜を形成する基板処理工程が実施される場合がある。基板に薄膜を形成する基板処理工程では、例えば、スパッタリング等のような物理気相成長(PVD)法や、化学反応を利用した化学気相成長(CVD)法が実施される場合がある。一般的に、CVD法は、ステップカバレッジ特性(段差被覆特性)をはじめとしてPVD法に無い長所を有していることから、成膜方法として広く実施されている。
【0003】
上述の基板処理工程は、例えば、基板を処理する処理室を備えた基板処理装置により実施される。近年、半導体装置に形成する配線の微細化や、半導体装置自体の寸法縮小とともに、基板処理装置には特に厳しい清浄度が求められるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−296820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基板処理装置の処理室内には、被処理基板に吸着等しているパーティクル(異物)が、処理室内への基板搬入とともに持ち込まれる場合がある。また、基板処理装置を構成する構造物に異物が吸着していたり、構造物から異物が発生したりする場合もある。
【0006】
また、基板処理とともに処理室内に蓄積された副産物が異物になる場合もある。特に、基板に薄膜を形成する基板処理工程では、処理室の内壁や処理室内の部材に膜が形成されやすく、この膜が何らかの原因により剥離することで異物が発生する場合が多い。とりわけCVD法では、温度条件に依存して成膜が行われるため、温度条件を満たす場合には基板以外の場所(例えば処理室の内壁や処理室内の部材など)にも異物の原因となる膜が形成されやすい。その他、CVD法を実施する場合には、処理室内に導入されるガスの気相反応に起因して、異物が発生することもある。
【0007】
そして、これら処理室内の異物は、基板処理中にて攪拌されて、処理室内を飛散して、被処理基板へ吸着する場合がある。異物が吸着した基板を元に製造した半導体装置は、その性能が損なわれたり、寿命が縮んだり、あるいは生産の歩留まりが悪化したりする場合がある。
【0008】
そこで本発明は、上述の課題に鑑み、処理室内に発生した異物の攪拌を抑制することにより、基板への異物の吸着を抑制することが可能な基板処理装置、および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内に処理ガスを供給する処理ガス供給ラインと、前記処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと
、前記不活性ガス供給ラインに設けられ前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく排気する不活性ガスベントラインと、前記不活性ガス供給ラインの前記不活性ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記不活性ガスベントラインに設けられた第2バルブと、前記処理室内を排気する排気ラインと、を有する基板処理装置が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、基板を処理室内に搬入する工程と、前記処理室内で基板を処理する工程と、処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、前記基板を処理する工程は、処理ガス供給ラインより前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、不活性ガス供給ラインより前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、を有し、前記処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、前記不活性ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替える半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、処理室内に発生した異物の攪拌を抑制することにより、基板への異物の吸着を抑制することが可能な基板処理装置、および半導体装置の製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図3】本発明の第3の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図4】処理室内への処理ガスの供給シーケンス例を示すグラフ図であり、(a)は従来のシーケンス例であり、(b)は本発明の第1の実施形態におけるシーケンス例である。
【図5】処理室内への処理ガスの供給シーケンス例を示すグラフ図であり、(a)は本発明の第2の実施形態における実施例のシーケンス例1であり、(b)は本発明の第2の実施形態における実施例のシーケンス例2である。
【図6】本発明の第3の実施形態における実施例のシーケンス例である。
【図7】半導体デバイスの製造工程の一工程として実施される本発明の第1の実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。
【図8】(a)は、マスフローコントローラにより供給流量を増減させた場合の不活性ガスの供給流量変化を例示するグラフ図であり、(b)は、バルブの開閉により流れを切り替えた場合の不活性ガスの供給流量変化を例示するグラフ図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図10】本発明の第4の実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量をそれぞれ例示する表図である。
【図11】本発明の第5の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図12】本発明の第5の実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量をそれぞれ例示する表図である。
【図13】本発明の第6の実施形態における基板処理装置の処理炉のシステム構成概略図である。
【図14】本発明の第6の実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量をそれぞれ例示する表図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の通り、従来、基板に薄膜を形成する基板処理工程では、被処理基板だけでなく、処理室の内壁や処理室内の部材にも膜が形成されやすく、この膜が何らかの原因により剥離することで異物が発生する場合が多かった。とりわけCVD法では、温度条件を満たす場合には基板以外の場所にも異物の原因となる膜が形成されやすい。そして、上述の通り、従来、処理室内の異物が、基板処理中に攪拌されて、処理室内を飛散して、被処理基板へ吸着する場合があった。その結果、異物が吸着した基板を元に製造した半導体装置の性能が損なわれたり、寿命が縮んだり、あるいは生産歩留まりが悪化したりする場合があった。
【0014】
そこで、発明者等は、処理室内の異物が攪拌される原因について鋭意研究を行った。その結果、基板処理工程の実施中における処理室内の圧力変動が、処理室内に発生した異物を攪拌させて、被処理基板へ異物を吸着させる要因の一つであることが判明した。そして発明者等は、処理室内に発生した異物の攪拌を抑制するには、基板処理工程の実施中における処理室内の圧力変動の発生を抑制することが有効である、との知見を得て、本発明を完成させるに至った。以下に、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
【0015】
1.本発明の第1の実施形態
以下に、本発明の第1の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、この処理炉202により実施される基板処理工程、及び基板処理工程にて実施されるサイクル処理の実施例について、順次説明する。
(1)処理炉の構成
まず、本発明の第1の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施の形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉の一例を示す概略図である。
【0016】
<処理容器>
本実施形態にかかる処理炉202は、処理容器201を備えている。処理容器201は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属容器により構成されている。処理容器201の内部には、基板200を処理する処理室203が形成されている。ここで、基板200としては、例えば、半導体シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、ガラス基板等がある。
【0017】
<基板搬送口>
処理室側壁203aの下方には、処理室203の内外へ基板200を搬入搬出する基板搬送口247が設けられている。基板搬送口247は、仕切弁としてのゲートバルブ244によって開閉されるよう構成されている。基板搬送口247は、ゲートバルブ244を閉めることで処理室203内の気密を保持することが出来るよう構成されている。
【0018】
<基板保持手段>
処理室203の内部には、中空のヒータユニット206が設けられている。ヒータユニット206の上部開口は、基板保持手段(保持板)としてのサセプタ6によって覆われている。ヒータユニット206の内部には、加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207が設けられている。ヒータ207によってサセプタ6上に載置される基板200を加熱することができるようになっている。ヒータ207は、基板200の温度が所定の温度となるように、温度制御手段(温度制御器)としての温度コントローラ253により制御される。また、ヒータユニット206は、基板200を加熱することが可能である限り、ヒータ207と一体成形されていても構わない。
【0019】
ヒータユニット206の下部は、処理室201内の気密を維持しつつ、処理容器201の底部を貫通するように設けられている。ヒータユニット206の下端部は、回転手段としての回転機構267により下方から支持されている。従って、回転機構267を作動させることによって、処理室203内のヒータユニット206を回転させ、サセプタ6上の基板200を回転させることが出来るように構成されている。基板200を回転させる理由は、後述する処理ガスを供給する工程(原料ガス供給工程や活性化ガス供給工程)における基板200への処理を、基板200の面内において素早く均一に行うためである。なお、基板200の回転なしに所望の均一性を得られる場合には、回転手段の設置を省略することが出来る。
【0020】
回転機構267の下方には、昇降機構266が設けられている。昇降機構266は回転機構267を下方から支持している。昇降機構266を作動させることによって、回転機構267およびヒータユニット206を昇降させ、サセプタ6上の基板200を処理室203内で昇降させることが出来るように構成されている。例えば、処理室203の内外へ基板200を搬入搬出する場合には、ヒータユニット206は、処理室203内の下方の基板搬送位置に移動(下降)する。また、基板200に成膜する等の基板処理を行う場合には、ヒータユニット206は基板搬送位置より上方の基板処理位置に移動(上昇)する。
【0021】
<第1の処理ガス供給ライン(原料ガス供給ライン)>
処理室203の外部には、第1の処理ガスとしての原料ガスのもととなる成膜原料としての有機液体原料(MO(Metal Organic)原料)を供給する成膜原料供給ユニット250aと、成膜原料の液体供給流量を制御する流量制御手段(液体流量制御器)としての液体マスフローコントローラ241aと、成膜原料を気化する気化器255と、が設けられている。
【0022】
成膜原料供給ユニット250aと、液体マスフローコントローラ241aと、気化器255とは、第1の処理ガス供給ライン(原料ガス供給ライン)としての原料ガス供給管1aによって直列に接続されている。成膜原料供給ユニット250aからマスフローコントローラ241aを介して気化器255へと有機液体原料(MO原料)を供給し、気化器255にて有機液体原料を気化させることで、原料ガスを得ることが出来る。
【0023】
気化器255の下流側は、原料ガス供給管1aによって処理室203の上部に設けられた後述するシャワーヘッド236に接続されている。原料ガス供給管1aの気化器255とシャワーヘッド236との間にはバルブ243aが設けられており、バルブ243aを開閉することにより処理室203内への原料ガスの導入(供給)を制御することが可能となっている。なお、処理室203への原料ガスの導入に際しては、キャリアガスとして例えばNガス等の不活性ガスが用いられる場合がある。なお、原料ガスは、後述する原料ガス供給工程にて使用する。
【0024】
<不活性ガス供給ライン>
処理室203の外部には、非反応性ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット250eと、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御手段(流量制御器)としてのマスフローコントローラ241eと、が設けられている。不活性ガスとしては例えばAr、He、Nなどを用いる。
【0025】
不活性ガス供給ユニット250eと、マスフローコントローラ241eとは、不活性ガス供給ラインとしての不活性ガス供給管2aによって直列に接続されている。
【0026】
また、マスフローコントローラ241eの下流側は、不活性ガス供給管2aによって処理室203上部のシャワーヘッド236に接続されている。不活性ガス供給管2aのマスフローコントローラ241eとシャワーヘッド236との間にはバルブ243eが設けられており、バルブ243eを開閉することにより処理室203内への不活性ガスの導入(供給)を制御することが可能となっている。なお、不活性ガスは、後述するパージ工程にて使用する。
【0027】
<反応ガス供給ライン>
処理室203の外部には、第2の処理ガスとしての活性化ガスのもととなる反応ガスを供給する反応ガス供給ユニット250bと、反応ガスの供給流量を制御する流量制御手段(流量制御器)としてのマスフローコントローラ241bと、反応ガスを活性化させる活性化手段としての活性化機構9と、が設けられている。
【0028】
反応ガスとしては、例えば、原料ガスと反応する酸化剤として、酸素、オゾンなどO元素を含むガスを用いる。まれに、配線等のように、形成された膜を酸化することなくC(炭素)などの膜中不純物を除去したい場合には、反応ガスとして、例えばNH、Hなどの還元剤を用いる場合がある。
【0029】
反応ガス供給ユニット250b、マスフローコントローラ241b、及び活性化機構9は、反応ガス供給管3aにより直列に接続されている。なお、マスフローコントローラ241bと活性化機構9との間にはバルブ243bが設けられており、バルブ243bを開閉することにより、活性化機構9への反応ガスの導入(供給)を制御することが可能となっている。
【0030】
活性化機構9は、例えば、反応ガスをプラズマで活性化させるリモートプラズマユニットや、オゾンを生成するオゾナイザ等として構成される。例えば、活性化機構9がリモートプラズマユニットとして構成される場合、活性化機構9の上流側には、プラズマを発生させるためのプラズマ着火用ガスであるArガスを供給するArガス供給ユニット250cと、Arガスの供給流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ241cと、が設けられる。Arガス供給ユニット250cと、マスフローコントローラ241cとは、Arガス供給ラインとしてのArガス供給管3dによって直列に接続される。マスフローコントローラ241cの下流側は、Arガス供給管3dによって反応ガス供給管3aのバルブ243bよりも下流側(すなわちバルブ243bと活性化機構9との間)の部分に接続される。なお、Arガス供給管3dのマスフローコントローラ241cと活性化機構9との間にはバルブ243cが設けられており、バルブ243cを開閉することにより、活性化機構9へのArガスの導入(供給)を制御することが可能となっている。
【0031】
Arガス供給ユニット250cからマスフローコントローラ241cを介して活性化機構9にArガスを供給させ、活性化機構9にてArプラズマを発生させ、反応ガス供給ユニット250bからマスフローコントローラ241bを介して活性化機構9に反応ガスとしての酸化剤、例えば酸素ガス(O)を供給させ、活性化機構9にて発生しているArプラズマにより反応ガスを活性化させることにより、活性化機構9において酸素ラジカル等を含む活性化ガスを得ることが出来る。なお、活性化機構9がオゾナイザとして構成される場合は、反応ガス供給ユニット250bからマスフローコントローラ241bを介して活性化機構9にOを供給することで、活性化機構9においてオゾンを含む活性化ガスを得ることが出来る。なお、反応ガスを活性化させた活性化ガスは、後述する活性化ガス供給工程にて使用する。
【0032】
<第2の処理ガス供給ライン(活性化ガス供給ライン)>
活性化機構9の下流側は、第2の処理ガス供給ライン(活性化ガス供給ライン)としての活性化ガス供給管3cにより、処理室203上部のシャワーヘッド236に接続されている。活性化ガス供給管3cにはバルブ243fが設けられており、バルブ243fを開閉することにより、酸素ラジカルやオゾン等を含む活性化ガスの処理室203内への導入を制御することが可能となっている。なお、酸素ラジカルやオゾン等を含む活性化ガスは、後述する活性化ガス供給工程にて使用する。
【0033】
<シャワーヘッド>
処理室203の上部には、シャワーヘッド236が設けられる。シャワーヘッド236は、複数の通気孔(貫通孔)240bが設けられた分散板236bと、複数の通気孔(貫通孔)240aが設けられたシャワー板236aと、を備えている。分散板236bは、シャワーヘッド236の天井面と対向するように、すなわち原料ガス供給管1aの導入口、不活性ガス供給管2aの導入口、及び活性化ガス供給管3cの導入口と対向するように設けられている。また、シャワー板236aは、分散板236bの下流側に、分散板236bと対向するように、またサセプタ6と対向するように設けられている。シャワーヘッド236の上部(天井部)と分散板236bとの間にはバッファ空間237が構成され、分散板236bとシャワー板236aとの間にはバッファ空間238が構成されている。
【0034】
処理室203の上部に設けられたシャワーヘッド236は、後述する原料ガス供給工程、活性化ガス供給工程、パージ工程において、原料ガス供給管1a、活性化ガス供給管3c、及び不活性ガス供給管2aから処理室203へと供給されるガスを分散し、基板処理位置にある基板200に対して均一にガスを供給する供給口を構成する。
【0035】
<排気口>
処理室側壁203aの下方であって基板搬送口247の反対側には、処理室203内部を排気する排気口230が設けられる。排気口230は、排気ラインとしての排気管231によって、排気装置としての排気ポンプ8に接続されている。排気口230と排気ポンプ8との間には、処理室203内の圧力を制御する例えばAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力制御手段7が設置される。また、排気ポンプ8の下流側は、除害装置(図示せず)に連通している。排気口230及び排気管231により排気系が構成される。
【0036】
<整流板>
基板保持手段(保持板)としてのサセプタ6上には、整流板205が載置される。整流板205の内側にはサセプタ6上に載置される基板200を露出させる開口205aが設けられており、整流板205はリング形状となっている。シャワーヘッド236から基板処理位置にある基板200に供給されるガスは、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの隙間を通り、排気口230から処理室203の外部へと排気される。なお、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの間隔は、シャワーヘッド236から供給されるガスが基板200上に均等に供給される大きさに設定されている。
【0037】
なお、例えば基板200の外周部など、基板200上に膜を形成したくない箇所がある場合には、整流板205に基板200に対する成膜防止の役目を持たせても良い。すなわち、整流板205の開口205aの内径を小さく設定して、成膜中に、基板200の外周部分を基板200の上方から整流板205の内側の部分で覆う(マスクする)ように構成してもよい。この場合、基板200はサセプタ6と整流板205との間に配置することになるので、基板搬送を可能とするため、例えば整流板205を処理室203内の基板処理位置の高さに予め固定しておき、基板200を載置したサセプタ6を整流板205の下方から上昇させるように構成してもよい。または、整流板205を昇降させる機構を設けておき、整流板205をサセプタ6上に載置された基板200の上方から降下させるように構成してもよい。
【0038】
<ベントライン>
原料ガス供給管1aのバルブ243aの上流側(すなわち気化器255とバルブ243aとの間)には、第1処理ガスベントライン(原料ガスベントライン)としての原料ガスベント(バイパス)管1bが設けられている。原料ガスベント管1bは、バルブ243gを介して、排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
【0039】
また、活性化ガス供給管3cのバルブ243fの上流側(すなわち活性化機構9とバルブ243fとの間)には、第2処理ガスベントライン(反応ガスベントライン)としての活性化ガスベント(バイパス)管3bが設けられている。活性化ガスベント管3bは、バルブ243hを介して、排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
【0040】
<コントローラ>
基板処理装置には、各バルブ243a〜243h、各マスフローコントローラ241a〜241e、温度コントローラ253、圧力制御手段7、気化器255、活性化機構9、回転機構267、及び昇降機構266等の基板処理装置を構成する各部の動作を制御するメインコントローラ256が設けられている。メインコントローラ256は、前記バルブの開閉等を制御することにより、後述する原料ガス供給工程、活性化ガス供給工程、パージ工程を、連続して複数回繰り返すように制御する。
【0041】
(2)基板処理工程
続いて、本発明の第1の実施形態にかかる基板処理工程として、基板200上に薄膜を堆積するための手順について、図7を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態にかかる基板処理工程は、半導体デバイスの製造工程の一工程として、上述した基板処理装置の処理炉により実施される。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はメインコントローラ256により制御される。
【0042】
<基板搬入工程>
まず、図1に示すヒータユニット206を基板搬送位置まで降下させる。そして、ゲートバルブ244を開き、基板搬送口247を開放する。そして、ウェハ移載機により、基板200を処理室203内に搬入する(S1)。
【0043】
<基板載置工程>
続いて、処理室203内に搬入した基板200を、図示しない突き上げピン上に載置する。そして、ゲートバルブ244を閉じて処理室203内を密閉する。そして、ヒータユニット206を、基板搬送位置より上方の基板処理位置まで上昇させる。それにより、基板200を突き上げピン上からサセプタ6上に載置する(S2)。
【0044】
<昇温工程>
続いて、基板200を基板回転ユニットにより回転させながら、ヒータ207に供給する電力を制御して基板200の温度が所定の温度となるよう均一に加熱する(S3)。
【0045】
<圧力調整工程>
昇温工程と同時に、排気ポンプ8により処理室203内を真空排気し、圧力制御手段7により処理室203内が所定の処理圧力となるように制御する(S4)。なお、基板200の搬送時や基板加熱時は、不活性ガス供給管2aに設けられたバルブ243eを開けて、処理室203内にAr、He、Nなどの不活性ガスを常に流しつつ排気管231より排気しておくと、パーティクル(異物)や金属汚染物の基板200への付着を防ぐことができる。
【0046】
<原料ガス供給工程>
基板200の温度、処理室203内の圧力が、それぞれ所定の処理温度、所定の処理圧力に到達して安定したら、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガスを供給する(S5)。
【0047】
すなわち、第1の処理ガスとしての原料ガスのもととなる成膜原料としての有機液体原料(MO原料)を、マスフローコントローラ241aにより流量制御しながら、成膜原料供給ユニット250aから気化器255へと供給し、気化器255により有機液体原料を気化させて原料ガスを発生させる。そして、原料ガス供給管1aに設けたバルブ243aを開き、気化器255にて発生させた原料ガスを、シャワーヘッド236を介して基板200上へ供給する。このとき、原料ガスベント管1bに設けたバルブ243gは閉じておく。また、処理室203内に原料ガスを供給する際は、バルブ243eを開き、不活性ガス供給ユニット250eから不活性ガス(Nなど)を常に流しておき、処理室203内に供給した原料ガスを撹拌させるようにする。原料ガスは、不活性ガスで希釈すると撹拌しやすくなるからである。
【0048】
原料ガス供給管1aから供給される原料ガスと、不活性ガス供給管2aから供給される不活性ガスとは、シャワーヘッド236のバッファ空間237で混合され、分散板236bに設けられた多数の孔240bを経由してバッファ空間238に導かれ、シャワー板236aに設けられた多数の孔240aを経由してサセプタ6上の基板200上へシャワー状に供給される。基板200上に供給された混合ガスは、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの間を通り、排気口230を介して排気管231より排気される。この混合ガスの供給を所定時間実施することにより、まず、基板200上に数〜数十オングストローム(数〜数十原子層)程度の薄膜を形成する。この間、基板200を回転させながらヒータ207により所定温度(成膜温度)に保つことで、基板200の面内にわたり均一な膜を形成できる。
【0049】
基板200への原料ガスの供給を所定時間実施した後、原料ガス供給管1aに設けられたバルブ243aを閉じて、基板200への原料ガスの供給を停止する。なお、この際、原料ガスベント管1bに設けられたバルブ243gを開くことにより、原料ガスを、処理室203をバイパスするように原料ガスベント管1bより排気して、気化器255からの原料ガスの供給(すなわち、気化器255における原料ガスの生成)を停止しないようにするのが好ましい。液体原料を気化して、気化した原料ガスを安定供給するまでには時間がかかるが、気化器255からの原料ガスの供給を停止させずに、処理室203をバイパスするように流しておくと、次の原料ガス供給工程では流れを切換えるだけで、直ちに基板200へ原料ガスを供給できるからである。
【0050】
<パージ工程>
原料ガス供給管1aに設けられたバルブ243aを閉じることにより、処理室203内のパージが行われる(S6)。すなわち、原料ガス供給工程ではバルブ243eは開いたままにしてあり、処理室203内には不活性ガス供給管2aから不活性ガス(Nなど)を常に供給しているため、バルブ243aを閉じて基板200への原料ガスの供給を停止することにより、同時に処理室203内のパージが行われることとなる。なお、処理室203内に供給された不活性ガスは、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの間を通り、排気口230を介して排気管231より排気される。これにより、処理室203内の残留ガスが除去される。
【0051】
<活性化ガス供給工程>
パージ工程を所定時間実施した後、処理室203内に、第2の処理ガスとして活性化ガスを供給する(S7)。
【0052】
すなわち、まず、Arガス供給管3dに設けられたバルブ243cを開き、プラズマ着火用ガスとしてのArガスを、Arガス供給ユニット250cからマスフローコントローラ241cにより流量制御しながら活性化機構9へと供給し、活性化機構9により活性化(プラズマ励起)させてArプラズマを発生させる。続いて、反応ガス供給管3aに設けられたバルブ243bを開き、第2の処理ガスとしての活性化ガスのもととなる反応ガス(酸化剤)としてのOガスを、反応ガス供給ユニット250bからマスフローコントローラ241bにより流量制御しながら活性化機構9へと供給する。そして、活性化機構9にて発生させているArプラズマにより、反応ガスとしてのOガスを活性化させ、酸素ラジカルを含む活性化ガスを得る。続いて、活性化ガス供給管3cに設けられたバルブ243fを開き、活性化機構9から処理室203内へ活性化ガスを供給し、シャワーヘッド236を介して基板200上へ活性化ガスを供給する。このとき、活性化ガスベント管3bに設けたバルブ243hは閉じておく。
【0053】
なお、活性化ガスとしてオゾン(O)を得ようとする場合には、反応ガス供給管3aに設けられたバルブ243bを開き、反応ガスとしての酸素ガスを、反応ガス供給ユニット250bからマスフローコントローラ241bにより流量制御しながら活性化機構9へと供給して、活性化ガスとしてのオゾン(O)を得る。そして、活性化ガス供給管3cに設けられたバルブ243fを開き、活性化機構9から処理室203内へオゾン(O)を供給し、シャワーヘッド236を介して基板200上へオゾン(O)を供給する。このときも、活性化ガスベント管3bに設けたバルブ243hは閉じておく。
【0054】
基板200上に供給された活性化ガスは、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの間を通り、排気口230を介して排気管231より排気される。
【0055】
処理室203内に活性化ガスを供給する間、基板200を回転させながら、ヒータ207により基板200の表面を所定温度(例えばCVDの成膜温度条件と同一温度)に保持する。これにより、原料ガス供給工程において基板200上に形成された数〜数十オングストローム(数〜数十原子層)程度の薄膜から、C、H等の不純物を素早く均一に除去できる。
【0056】
基板200への活性化ガスの供給を所定時間実施した後、活性化ガス供給管3cに設けられたバルブ243fを閉じて、基板200への活性化ガスの供給を停止する。なお、この際、活性化ガスベント管3bに設けられたバルブ243hを開くことにより、活性化ガスを、処理室203をバイパスするように活性化ガスベント管3bより排気して、活性化機構9から活性化ガスの供給(すなわち、活性化機構9における活性化ガスの生成)を停止しないようにするのが好ましい。反応ガスから例えば酸素ラジカルを含む活性化ガスを生成して、安定供給するまでには時間がかかるが、活性化機構9からの活性化ガスの供給を停止させずに、処理室203をバイパスするように流しておくと、次の活性化ガス供給工程では、流れを切換えるだけで、直ちに基板200へ活性化ガスを供給できるからである。
【0057】
なお、原料ガス供給工程と活性化ガス供給工程とは、略同一温度で行うのが好ましい(すなわち、ヒータ207の設定温度は変更せずに一定とするのが好ましい)。温度変動を生じさせないことにより、シャワーヘッド236やサセプタ6や整流板205等の周辺部材の熱膨張や熱収縮が抑制され、周辺部材からのパーティクル(異物)の発生を抑制することが出来るからである。また、温度変動を生じさせないことにより、基板処理装置を構成する表面処理(コーティング)などが施された金属部品からの金属の飛び出し(金属汚染)を抑制することが出来るからである。
【0058】
<パージ工程>
活性化ガス供給管3cに設けられたバルブ243fを閉じることにより、処理室203内のパージが行われる(S8)。すなわち、活性化ガス供給工程ではバルブ243eは開いたままにしてあり、処理室203内には不活性ガス供給ユニット250eから不活性ガス(Nなど)を常に供給しているため、バルブ243fを閉じて基板200への活性化ガスの供給を停止することにより、同時に処理室203内のパージが行われることとなる。なお、処理室203内に供給された不活性ガスは、整流板205の外周部と処理室側壁203aとの間を通り、排気口230を介して排気管231より排気される。これにより、処理室203内の残留ガスが除去される。
【0059】
処理室203内のパージを所定時間実施した後、原料ガスベント管1bに設けられたバルブ243gを閉じ、原料ガス供給管1aに設けられたバルブ243aを開くことにより、シャワーヘッド236を介して基板200上へ原料ガスを再び供給する(S5)。そして、上述した原料ガス供給工程→パージ工程→活性化ガス供給工程→パージ工程を実施することにより形成した薄膜上に、数〜数十オングストローム(数〜数十原子層)程度の薄膜を再び堆積する。
【0060】
<薄膜形成工程(繰り返し工程)>
以上のように、原料ガス供給工程→パージ工程→活性化ガス供給工程→パージ工程を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すサイクル処理を実施する(S9)。これにより、基板200上にCH、OH等の不純物の混入が極めて少ない所望膜厚の薄膜を形成することができる。
【0061】
<基板搬出工程>
基板200上に所望膜厚の薄膜を形成した後、回転機構267による基板200の回転を停止させ、上述した基板搬入工程から圧力調整工程とは逆の手順により、所望膜厚の薄膜が形成された基板200を処理室203から取り出す(S10)。以上により、基板処理工程が完了する。
【0062】
(3)実施例
続いて、原料ガス供給工程→パージ工程→活性化ガス供給工程→パージ工程を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すサイクル処理の詳細シーケンスについて、本発明の第1の実施形態にかかる実施例を、比較例と共に説明する。
【0063】
<比較例>
まずは、第1の実施形態にかかるサイクル処理の実施例の説明に先立ち、比較例として従来のサイクル処理を説明する。図4(a)は、従来のサイクル処理を例示する比較例の詳細シーケンス図である。図4(a)に示すとおり、本比較例にかかる従来のサイクル処理においては、(1)MO原料を気化させた原料ガスの供給(原料ガス供給工程)、(2)不活性ガス(Nガス)の供給(パージ工程)、(3)酸化剤(O)を活性化させた活性化ガス(O/Ar混合ガス)の供給(活性化ガス供給工程)、(4)不活性ガスの供給(パージ工程)、を1サイクルとして、このサイクルが複数回繰り返される。
【0064】
ここで、本比較例は、上述した図1に示す第1の実施形態の基板処理装置によって実施される。すなわち、原料ガスは原料ガス供給管1aから、不活性ガスは不活性ガス供給管2aから、反応ガスは反応ガス供給管3aからそれぞれ供給される。また、原料ガスの供給に際しては、キャリアガスとしてNガスが用いられる。また、反応ガスは活性化機構9にて活性化されて活性化ガスとなり、活性化ガス供給管3cから供給される。
【0065】
本比較例において、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量は、常にb1で一定である。よって、バルブ243aを開いて、バルブ243gを閉じることにより、原料ガス供給工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb1となる。また、バルブ243aを閉じて、バルブ243gを開くことにより、原料ガスは処理室203をバイパスして原料ガスベント管1bより排気されるため、活性化ガス供給工程、およびパージ工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb2(=0)となる。なお原料ガスの供給流量b1は、キャリアガスを含めた総流量である。
【0066】
また、本比較例において、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量も、常にc1で一定である。よって、バルブ243fを開いて、バルブ243hを閉じることにより、活性化ガス供給工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc1となる。また、バルブ243fを閉じて、バルブ243hを開くことにより、活性化ガスは処理室203をバイパスして活性化ガスベント管3bより排気されるため、原料ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc2(=0)となる。
【0067】
そして、本比較例において、不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給流量も、常にa1で一定である。よって、バルブ243eを開くことにより、パージ工程における処理室203内への不活性ガスの供給流量はa1となる。また、バルブ243eを閉じることにより、原料ガス供給工程および活性化ガス供給工程における処理室203内への不活性ガスの供給流量はa2(=0)となる。
【0068】
上記において、処理室203内へ供給するガスの総流量を一定とするため、b1(原料ガスの供給流量)と、c1(活性化ガスの供給流量)と、a1(不活性ガスの供給流量)とが同一(b1=c1=a1)となるように、マスフローコントローラ241a〜241eを制御する。
【0069】
しかしながら、図4(a)の下方に示す圧力グラフ(処理室内の圧力)に示すように、バルブ243eを開けた瞬間(すなわち、原料ガス供給工程と活性化ガス供給工程との間に行われるパージ工程の開始時)に、処理室203内に圧力変動が生じていることが判明した。発明者等の知見によれば、処理室203内に生じる圧力変動は、上述の通り、処理室203内の異物を攪拌させ、基板200へ異物を吸着させる原因となる。
【0070】
そこで、発明者等は処理室203内に圧力変動が生じる原因について鋭意研究した。その結果、パージ工程の終了に伴いバルブ243eを閉じると、バルブ243eよりも上流側の不活性ガス供給管2a内の圧力が上昇してバルブ243eの上流と下流との間に圧力差が生じ、パージ工程の再開に伴いバルブ243eを開けると、不活性ガス供給管2a内に生じた圧力差が処理室203内へパルス状に伝達し、これにより処理室203内に圧力変動が生じていることをつきとめた。そして、処理室203内にパルス状に伝達する圧力差の圧力変動速度が圧力制御手段7の応答速度よりも早い場合、または、処理室203内に伝達した圧力差が圧力制御手段7の許容調整範囲よりも大きい場合には、圧力制御手段7にて圧力差を吸収しきれない場合があることをつきとめた。なお、バルブ243eを閉じた場合のバルブ243eよりも上流側の不活性ガス供給管2a内の圧力は、不活性ガス供給ユニット250eのレギュレータ(図示せず)の2次圧と同程度(10Paオーダー)であるものと考えられる。また、バルブ243eを閉じた場合の、バルブ243eよりも下流側の不活性ガス供給管2a内の圧力は、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられる。すなわち、バルブ243eを閉じた場合、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間に10Pa以上の圧力差が生じるものと考えられる。
【0071】
<実施例>
これに対して、本発明者らが鋭意検討した結果、図1に示す基板処理装置の構成を用いても、以下に述べる実施例のようにガスの供給を制御すれば、処理室203内の圧力変動の発生を抑制可能であることが判明した。
【0072】
図4(b)は、処理室203内の圧力変動の発生を抑制可能な、第1の実施形態にかかるサイクル処理の実施例を示す詳細シーケンス図である。
【0073】
図4(b)に示すとおり、本実施例にかかるサイクル処理においては、(1)MO原料を気化させた原料ガス、及び不活性ガス(Nガス)の供給(原料ガス供給工程)、(2)不活性ガスの供給(パージ工程)、(3)酸化剤(O)を活性化させた活性化ガス(O/Ar混合ガス)、及び不活性ガスの供給(活性化ガス供給工程)、(4)不活性ガスの供給(パージ工程)、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返している。すなわち、比較例では、原料ガス供給工程及び活性化ガス供給工程において処理室203内への不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給を停止していたが、本実施例では、原料ガス供給工程及び活性化ガス供給工程において処理室203内への不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給を停止せずに連続的に供給する点が比較例と異なる。そして、本実施例においても、原料ガス供給工程、活性化ガス供給工程、パージ工程を実施する際に、処理室203内に供給するガス流量がトータルで一定となるように、不活性ガスの供給流量を変化させている点が比較例と異なる。
【0074】
ここで、本実施例も、上述した図1に示す第1の実施形態の基板処理装置によって実施される。すなわち、原料ガスは原料ガス供給管1aから、不活性ガスは不活性ガス供給管2aから、反応ガスは反応ガス供給管3aからそれぞれ供給される。また、原料ガスの供給に際しては、キャリアガスとしてNガスが用いられる。また、反応ガスは活性化機構9にて活性化され、活性化ガスとして活性化ガス供給管3cから供給される。
【0075】
本実施例において、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量は、比較例と同様に常にb1で一定である。よって、バルブ243aを開いて、バルブ243gを閉じることにより、原料ガス供給工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb1となる。また、バルブ243aを閉じて、バルブ243gを開くことにより、原料ガスは処理室203をバイパスして原料ガスベント管1bより排気されるため、活性化ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb2(=0)となる。なお原料ガスの供給流量b1は、キャリアガスを含めた総流量である。
【0076】
また、本実施例において、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量も、比較例と同様に常にc1で一定である。よって、バルブ243fを開いて、バルブ243hを閉じることにより、活性化ガス供給工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc1となる。また、バルブ243fを閉じて、バルブ243hを開くことにより、活性化ガスは処理室203をバイパスして活性化ガスベント管3bより排気されるため、原料ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc2(=0)となる。なお、図4(b)は、c1>b1の場合のシーケンス図を例示している。
【0077】
これに対し、本実施例において、不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給流量は、比較例と異なる。すなわち、パージ工程における不活性ガスの供給流量はa1(≠0)であるが、原料ガス供給工程における不活性ガスの供給流量がa2(≠0)であり、活性化ガス供給工程における不活性ガスの供給流量がa3(≠0)であるように、マスフローコントローラ241eを調整する。すなわち、原料ガス供給工程及び活性化ガス供給工程の際に、処理室203内への不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給を停止することなく連続的に供給することとし、その供給流量を変化させている。
【0078】
そして、原料ガス供給工程における不活性ガスの供給流量(a2)及び原料ガスの供給流量(b1)の和(a2+b1)と、活性化ガス供給工程における不活性ガスの供給流量(a3)及び活性化ガスの供給流量(c1)の和(a3+c1)と、パージ工程における不活性ガスの供給流量(a1)とが、それぞれ等しく(a2+b1=a3+c1=a1)なるように、マスフローコントローラ241a〜241eを制御している。
【0079】
ガスの供給流量をこのように制御することで、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、これにより、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0080】
すなわち、本実施例によれば、原料ガス供給工程及び活性化ガス供給工程において処理室203内へは不活性ガス供給管2aから不活性ガスが連続的に供給され、不活性ガス供給管2aに設けられたバルブ243eは開けたままであり開閉動作が行われない。これにより、不活性ガス供給管2a内に圧力差が生じなくなり、処理室203内の圧力変動の発生を抑制できるものと考えられる。
【0081】
なお、本実施例においても、例えばa3(活性化ガス供給工程における不活性ガスの供給流量)=0とすると、バルブ243eの開閉動作が行われることになり、パージ工程の再開に伴い(不活性ガスの供給流量がa3(=0)からa1(≠0)へ変化するときに)、不活性ガス供給管2a内に生じた圧力差が処理室203内に伝達し、処理室203内に圧力変動を生じてしまう場合があると考えられる。
【0082】
2.本発明の第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成、及び処理炉202により実施される基板処理工程のサイクル処理の実施例について順次説明する。
【0083】
(1)処理炉の構成
まず、本発明の第2の実施形態としての基板処理装置の処理炉の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第2実施の形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉の一例を示す概略図である。
【0084】
第2の実施形態における処理炉202が第1の実施形態の処理炉202と異なる点は、第2の実施形態においては、原料ガス供給管1a及び活性化ガス供給管3cだけでなく、不活性ガス供給管2aにも不活性ガスベントラインとしての不活性ガスベント管2bが設けられている点にある。すなわち、図2に示すとおり、不活性ガス供給管2aのバルブ243eの上流側(すなわちマスフローコントローラ241eとバルブ243eとの間)には、不活性ガスベント管2bが設けられている。不活性ガスベント管2bは、バルブ243iを介して、排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
その他の構成は、第1の実施形態にかかる処理炉202と同一である。
【0085】
なお、ガスの供給流量の制御を精密に行う必要がある反応性を有する処理ガス(原料ガス、活性化ガス)のガス供給管(原料ガス供給管1a、活性化ガス供給管3c)については、ベントライン(原料ガスベント管1b、活性化ガスベント管3b)を設けることがある。バルブの開閉制御により、各ガスの供給先をベントライン側から処理室203側へと切り替えることができるように構成することで、ガス供給管(原料ガス供給管1a、活性化ガス供給管3c)にそれぞれ流量制御機構を設けるよりも、高速な切り替えを実現できるからである。しかしながら通常は、不活性ガス供給管2aにはベントラインを設けることはない。これは、不活性ガスは反応性ガスではないので、その流量が直接反応系へ寄与することがなく、ガスの供給流量の制御を精密に行う必要がそれほどないこと、および、不活性ガスのベントラインを新たに設けることにより、基板処理装置のコストが上昇してしまうことが主な理由である。
【0086】
これに対して、第2の実施形態では、不活性ガス供給管2aにも不活性ガスベント管2bを設け、処理ガス(原料ガス、活性化ガス)の供給先の高速な切り替えに対応して、不活性ガスの供給先も高速に切り替え可能なように構成することで、処理室203内の圧力変動の発生を抑制するように構成されている。
【0087】
(2)サイクル処理の実施例
第2の実施形態にかかる基板処理工程が第1の実施形態にかかる基板処理工程と異なる点は、基板処理工程にて実施されるサイクル処理にある。その他は、第1の実施形態にかかる基板処理工程と同一である。以下に、第2の実施形態の実施例におけるシーケンス例1、シーケンス例2を、図5を用いて順次説明する。図5(a)、図5(b)は、第2の実施形態の実施例におけるシーケンス例1、シーケンス例2である。
【0088】
なお、本実施例は、上述した図2に示す第2の実施形態の基板処理装置によって実施される。すなわち、原料ガスは原料ガス供給管1aから、不活性ガスは不活性ガス供給管2aから、反応ガスは反応ガス供給管3aからそれぞれ供給される。また、原料ガスの供給に際しては、キャリアガスとしてNガスが用いられる。また、反応ガスは活性化機構9にて活性化され、活性化ガスとして活性化ガス供給管3cから供給される。
【0089】
<シーケンス例1>
図5(a)に示すシーケンス例1では、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガス、第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、を繰り返している。
【0090】
具体的には、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガスを供給する工程と、不活性ガス供給管2aより処理室203内に不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、処理室203内に第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、不活性ガス供給管2aより処理室203内に不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返している。
【0091】
そして、原料ガスを供給する工程および活性化ガスを供給する工程では、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことで、不活性ガス供給管2aに供給されたNを処理室203内に供給することなく不活性ガスベント管2bより排気するようにしている。
【0092】
また、処理室203内をパージする工程では、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることで、不活性ガス供給管2aに供給されたNの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。このとき、処理室203内におけるトータルガス流量が一定となるようにしている。
【0093】
なお、シーケンス例1においては、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量は、常にb1で一定である。よって、バルブ243aを開いて、バルブ243gを閉じることにより、原料ガス供給工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb1となる。また、バルブ243aを閉じて、バルブ243gを開くことにより、原料ガスは処理室203をバイパスして原料ガスベント管1bより排気されるため、活性化ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb2(=0)となる。なお、原料ガスの供給流量b1は、キャリアガスを含めた総流量である。
【0094】
また、シーケンス例1においては、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量も、常にc1で一定である。よって、バルブ243fを開いて、バルブ243hを閉じることにより、活性化ガス供給工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc1となる。また、バルブ243fを閉じて、バルブ243hを開くことにより、活性化ガスは処理室203をバイパスして活性化ガスベント管3bより排気されるため、原料ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc2(=0)となる。
【0095】
さらに、シーケンス例1においては、不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給流量も、常にa1で一定である。そして、パージ工程においては、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることで、不活性ガス供給管2aに供給された不活性ガスの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。よって、パージ工程における処理室203内への不活性ガスの供給流量はa1となる。また、原料ガス供給工程および活性化ガス供給工程においては、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことで、不活性ガス供給管2aに供給された不活性ガスを、処理室203内に供給することなく不活性ガスベント管2bより排気するようにしている。よって、原料ガス供給工程および活性化ガス供給工程における処理室203内への不活性ガスの供給流量はa2(=0)となる。
【0096】
そして、原料ガス供給工程における原料ガスの供給流量(b1)と、活性化ガス供給工程における活性化ガスの供給流量(c1)と、パージ工程における不活性ガスの供給流量(a1)とがそれぞれ等しく(b1=c1=a1)となるように、すなわち、処理室203内におけるトータルガス流量が一定となるように、マスフローコントローラ241a〜241eを制御している。
【0097】
ガスの供給流量をこのように制御することで、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、これにより、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0098】
すなわち、シーケンス例1によれば、原料ガス供給工程及び活性化ガス供給工程において、不活性ガス供給管2aに設けられたバルブ243eを閉じると同時に、不活性ガスベント管2bに設けられたバルブ243iを開けることで、不活性ガス供給管2a内に不活性ガスが常に流通する。発明者等の知見によれば、不活性ガス供給管2a内に不活性ガスが常に流通することにより、バルブ243eを閉めても不活性ガス供給管2a内に生じる圧力差が不活性ガスベント管2bを設けない場合(比較例)に比べ、はるかに小さくなる。そして、バルブ243eを再び開けても処理室203内に伝達される圧力差は僅かであるため、かかる圧力差は処理室203内にて吸収され、処理室203内の圧力変動の発生を抑制できているものと考えられる。
【0099】
なお、バルブ243eを閉じてバルブ243iを開けた場合のバルブ243eよりも下流側の不活性ガス供給管2a内の圧力は、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられ、また、バルブ243eよりも上流側の不活性ガス供給管2a内の圧力も、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられる。というのも、この状態においては、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも下流側の部分も、また、バルブ243eよりも上流側の部分も、同一の排気ポンプ8で同様に真空排気しているからである。ただし、バルブ243eから排気ポンプ8までの排気経路は互いに異なるため(各排気経路の流動抵抗はそれぞれ異なるため)、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間には、10Pa未満程度の若干の圧力差は生じ得るものと考えられる。
【0100】
上述のように、不活性ガスベント管2bを設けない場合(比較例)には、バルブ243eを閉じることにより、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間には処理圧力の2倍以上(例えば100Pa以上)の圧力差が生じているものと考えられる。これに対し、シーケンス例1の場合には、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開けることにより、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間の圧力差は、処理圧力の1/5未満(例えば10Pa未満)に抑制できているものと考えられる。すなわち、シーケンス例1によれば、不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間の圧力差を、不活性ガスベント管2bを設けない場合(比較例)と比較して1/10以下とすることができ、処理室203内の圧力変動を十分に抑制することができる。そして、シーケンス例1の場合、より高速なガスの切り替えに対応して、ガス供給流量の総流量を制御して圧力変動の発生を抑制することができる。
【0101】
<シーケンス例2>
図5(b)に示すシーケンス例2では、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガス、第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、を繰り返している。
【0102】
具体的には、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガスを供給する工程と、不活性ガス供給管2aより処理室203内に不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、処理室203内に第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、不活性ガス供給管2aより処理室203内に不活性ガスとしてのNを供給して処理室203内をパージする工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返している。
【0103】
原料ガスを供給する工程および活性化ガスを供給する工程では、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことで、不活性ガス供給管2aに供給されたNを処理室203内に供給することなく不活性ガスベント管2bより排気するようにするか、もしくは処理室203内をパージする工程よりも不活性ガス供給管2aから処理室203内へ流れるNの流量を少なくするようにしている。
【0104】
処理室203内をパージする工程では、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることで、不活性ガス供給管2aに供給されたNの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるか、もしくは原料ガスを供給する工程および活性化ガスを供給する工程よりも不活性ガス供給管2aから処理室203内へ流れるNの流量を多くするようにしている。
【0105】
より具体的には、第1の処理ガスとしての原料ガスを供給する工程では、処理室203内をパージする工程よりも不活性ガス供給管2aから処理室203内へ流れるNの流量を少なくするようにしており、第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程では、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことで、不活性ガス供給管2aに供給されたNを処理室203内に供給することなく不活性ガスベント管2bより排気するようにしている。
【0106】
また、原料ガスを供給する工程の後に処理室203内をパージする工程では、原料ガスを供給する工程よりも不活性ガス供給管2aから処理室203内へ流れるNの流量を多くするようにしており、活性化ガスを供給する工程の後に処理室203内をパージする工程では、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることで、不活性ガス供給管2aに供給されたNの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。このとき、処理室203内におけるトータルガス流量が一定となるようにしている。
【0107】
なお、シーケンス例2において、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量は、常にb1で一定である。よって、バルブ243aを開いて、バルブ243gを閉じることにより、原料ガス供給工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb1となる。また、バルブ243aを閉じて、バルブ243gを開くことにより、原料ガスは処理室203をバイパスして原料ガスベント管1bより排気されるため、活性化ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb2(=0)となる。なお、原料ガスの供給流量b1は、キャリアガスを含めた総流量である。
【0108】
また、シーケンス例2において、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量も、常にc1で一定である。よって、バルブ243fを開いて、バルブ243hを閉じることにより、活性化ガス供給工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc1となる。また、バルブ243fを閉じて、バルブ243hを開くことにより、活性化ガスは処理室203をバイパスして活性化ガスベント管3bより排気されるため、原料ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc2(=0)となる。このように、シーケンス例2の各工程における処理室203内への原料ガスの供給流量、活性化ガスの供給流量は、シーケンス例1と同様である。ただし、シーケンス例2においては、c1の方がb1よりも多くなるようにしている点がシーケンス例1とは異なる。すなわち、シーケンス例2においては、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量c1が、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量b1よりも多くなる(c1>b1)ように、マスフローコントローラ241a〜241cを制御している。
【0109】
また、シーケンス例2における不活性ガス供給管2aからの不活性ガスの供給流量も、シーケンス例1と異なる。
【0110】
まず、原料ガス供給工程後のパージ工程においては、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じた状態を維持したまま、不活性ガス供給管2aから処理室203内へ流れる不活性ガスの供給流量を原料ガス供給工程における不活性ガスの供給流量よりも多くするようにバルブ241eを制御している。また、活性化ガス供給工程後のパージ工程においては、シーケンス例1と同様に、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることで、不活性ガス供給管2aに供給された不活性ガスの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。いずれのパージ工程においても処理室203内への不活性ガスの供給流量はa1となる。
【0111】
なお、原料ガス供給工程における不活性ガスの供給流量a2(≠0)は、パージ工程における不活性ガスの供給流量a1よりも少なくなる(a2<a1)ように、マスフローコントローラ241eを調整する。
【0112】
また、活性化ガス供給工程においては、シーケンス例1と同様に、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことにより、不活性ガスは処理室203をバイパスして不活性ガスベント管2bより排気し、処理室203内への不活性ガスの供給流量をa3(=0)としている。
【0113】
そして、原料ガス供給工程における不活性ガスの供給流量(a2)及び原料ガスの供給流量(b1)の和と、活性化ガス供給工程における活性化ガスの供給流量(c1)と、パージ工程における不活性ガスの供給流量(a1)とがそれぞれ等しく(a2+b1=c1=a1)となるように、すなわち、処理室203内におけるトータルガス流量が一定となるように、マスフローコントローラ241a〜241eを制御している。
【0114】
ガスの供給流量をこのように制御することで、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、これにより、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0115】
すなわち、原料ガス供給工程からパージ工程へ移行する際には、上述した第1の実施形態(図4(b))の方法を適用し、活性化ガス供給工程からパージ工程へ移行する際には、上述した第2の実施形態における実施例のシーケンス例1(図5(a))の方法を適用するようにしている。このようにしても、上述した理由により処理室203内の圧力変動の発生を抑制することができる。なお、原料ガス供給工程からパージ工程へ移行する際に図5(a)の方法を適用し、活性化ガス供給工程からパージ工程へ移行する際に図4(b)の方法を適用するようにしても、同様の効果が得られる。
【0116】
3.本発明の第3の実施形態
次に、本発明の第3の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成、及び処理炉202により実施される基板処理工程のサイクル処理の実施例について順次説明する。
【0117】
(1)処理炉の構成
まず、本発明の第3の実施形態としての基板処理装置の処理炉の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第3実施の形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉の一例を示す概略図である。
【0118】
第3の実施形態における処理炉202が第2の実施形態の処理炉202と異なる点は、第3の実施形態においては、Nを供給する不活性ガス供給ライン(第1不活性ガス供給ライン)としての第1不活性ガス供給管2aの他に、Arを供給する不活性ガス供給ライン(第2不活性ガス供給ライン)としての第2不活性ガス供給管4aが更に設けられた点である。なお、第2不活性ガス供給管4aから供給する不活性ガスはArに限定されず、NやHeであってもよい。
【0119】
第2不活性ガス供給管4aには、Arを供給する第2不活性ガス供給ユニット250dと、流量制御手段としてのマスフローコントローラ241dと、Arの供給を制御するバルブ243jと、が直列に接続されている。なお、第2不活性ガス供給管4aは、シャワーヘッド236に直接接続されるのではなく、バルブ243jの下流側で活性化ガス供給管3c(バルブ243fの下流)に合流するように一本化して接続されている。
【0120】
また、第2不活性ガス供給管4aのバルブ243jの上流側(すなわちマスフローコントローラ241dとバルブ243jとの間)には、第2不活性ガスベントラインとしての第2不活性ガスベント管4bが設けられている。第2不活性ガスベント管4bは、バルブ243kを介して、排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
【0121】
また、第3の実施形態における処理炉202が第2の実施形態の処理炉202と異なる他の点は、第3の実施形態においては、Nを供給する第1不活性ガス供給管2aが、シャワーヘッド236に直接接続されるのではなく、バルブ243eの下流側で原料ガス供給管1a(バルブ243aの下流)に合流するように一本化して接続されている点である。
【0122】
その他の構成については、第1の実施形態と同一である。
【0123】
(2)サイクル処理の実施例
第3の実施形態にかかる基板処理工程が第1,第2の実施形態にかかる基板処理工程と異なる点は、基板処理工程にて実施されるサイクル処理にある。その他は、第1,第2の実施形態にかかる基板処理工程と同一である。以下に、第3の実施形態にかかる実施例におけるシーケンス例を、図6を用いて順次説明する。図6は、第3の実施形態にかかる実施例におけるシーケンス例である。
【0124】
なお、本実施例は、上述した図3にしめす第3の実施形態の基板処理装置によって実施される。すなわち、原料ガスは原料ガス供給管1aから、不活性ガス(N)は第1不活性ガス供給管2aから、反応ガスは反応ガス供給管3aから、不活性ガス(Ar)は第2不活性ガス供給管4aからそれぞれ供給される。また、原料ガスの供給に際しては、キャリアガスとしてNガスが用いられる。また、反応ガスは活性化機構9にて活性化され、活性化ガスとして活性化ガス供給管3cから供給される。
【0125】
具体的には、図6に示すシーケンス例では、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガス、第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、不活性ガスとしてのNまたはArを供給して処理室203内をパージする工程と、を繰り返している。
【0126】
具体的には、処理室203内に第1の処理ガスとしての原料ガスを供給する工程と、第1不活性ガス供給管2aおよび第2不活性ガス供給管4aより処理室203内に不活性ガスとしてのNおよびArを供給して処理室203内をパージする工程と、処理室203内に第2の処理ガスとしての活性化ガスを供給する工程と、第1不活性ガス供給管2aおよび第2不活性ガス供給管4aより処理室内に不活性ガスとしてのNおよびArを供給して処理室内をパージする工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すようにしている。
【0127】
原料ガスを供給する工程では、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことで、第1不活性ガス供給管2aに供給されたNを処理室203内に供給することなく不活性ガスベント管2bより排気するようにすると共に、バルブ243kを閉じ、バルブ243jを開くことで、第2不活性ガス供給管4aに供給されたArを処理室203内に供給するようにしている。
【0128】
活性化ガスを供給する工程では、バルブ243jを閉じ、バルブ243kを開くことで、第2不活性ガス供給管4aに供給されたArを処理室203内に供給することなく第2の不活性ガスベント管4bより排気するようにすると共に、バルブ243iを閉じ、バルブ243eを開くことで、第1不活性ガス供給管2aに供給されたNを処理室203内に供給するようにしている。
【0129】
原料ガスを供給する工程の後に処理室203内をパージする工程では、バルブ243kを閉じ、バルブ243jを開いたままとし、第2不活性ガス供給管4aから処理室203内へ向かうArの流れを維持した状態で、バルブ243iを閉じ、バルブ243eを開くことで、第1不活性ガス供給管2aに供給されたNの流れを、不活性ガスベント管2bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。
【0130】
活性化ガスを供給する工程の後に処理室203内をパージする工程では、バルブ243iを閉じ、バルブ243eを開いたままとし、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内へ向かうNの流れを維持した状態で、バルブ243kを閉じ、バルブ243jを開くことで、第2不活性ガス供給管4aに供給されたArの流れを、第2不活性ガスベント管4bへ向かう流れから処理室203内へ向かう流れに切り替えるようにしている。このとき、処理室203内におけるトータルガス流量が一定となるようにしている。
【0131】
なお、本実施例において、原料ガス供給管1aからの原料ガスの供給流量は、常にb1で一定である。よって、バルブ243aを開いて、バルブ243gを閉じることにより、原料ガス供給工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb1となる。また、バルブ243aを閉じて、バルブ243gを開くことにより、原料ガスは処理室203をバイパスして原料ガスベント管1bより排気されるため、活性化ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への原料ガスの供給流量はb2(=0)となる。なお、原料ガスの供給流量b1は、キャリアガスを含めた総流量である。
【0132】
また、本実施例において、活性化ガス供給管3cからの活性化ガスの供給流量も、常にc1で一定である。よって、バルブ243fを開いて、バルブ243hを閉じることにより、活性化ガス供給工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc1となる。また、バルブ243fを閉じて、バルブ243hを開くことにより、活性化ガスは処理室203をバイパスして活性化ガスベント管3bより排気されるため、原料ガス供給工程およびパージ工程における処理室203内への活性化ガスの供給流量はc2(=0)となる。
【0133】
また、本実施例において、第1不活性ガス供給管2aからの不活性ガス(N)の供給流量も、常にd1で一定である。よって、パージ工程及び活性化ガス供給工程においては、バルブ243eを開き、バルブ243iを閉じることにより、原料ガス供給管1aを経由した処理室203内への不活性ガス(N)の供給流量はd1となる。また、原料ガス供給工程中においては、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開くことにより、原料ガス供給管1aを経由した処理室203内への不活性ガス(N)の供給流量はd2(=0)となる。
【0134】
また、本実施例において、第2不活性ガス供給管4aからの不活性ガス(Ar)の供給流量も、常にe1で一定である。よって、パージ工程及び原料ガス供給工程中においては、バルブ243jを開き、バルブ243kを閉じることにより、活性化ガス供給管3cを経由した処理室203への不活性ガス(Ar)の供給流量はe1となる。また、活性化ガス供給工程においては、バルブ243jを閉じ、バルブ243kを開くことにより、活性化ガス供給管3cを経由した処理室203への不活性ガス(Ar)の供給流量はe2(=0)となる。
【0135】
なお、原料ガス供給工程における不活性ガス(Ar)の供給流量(e1)及び原料ガスの供給流量(b1)の和(e1+b1)と、活性化ガス供給工程における不活性ガス(N)の供給流量(d1)及び活性化ガスの供給流量(c1)の和(d1+c1)と、パージ工程における不活性ガス(N)の供給流量(d1)及び不活性ガス(Ar)の供給流量(e1)の和(d1+e1)とが、それぞれ等しく(e1+b1=d1+c1=d1+e1)なるように、マスフローコントローラ241a〜241eを制御している。
【0136】
ガスの供給流量をこのように制御することで、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、これにより、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0137】
すなわち、本実施例によれば、第1不活性ガス供給管2aに設けられたバルブ243eを閉じると同時に、第1不活性ガスベント管2bに設けられたバルブ243iを開けることで、不活性ガス供給管2a内の不活性ガス(N)が常に流通する。また、同様に、第2不活性ガス供給管4aに設けられたバルブ243jを閉じると同時に、第2不活性ガスベント管4bに設けられたバルブ243kを開けることで、不活性ガス供給管4a内の不活性ガス(Ar)が常に流通する。発明者等の知見によれば、第1不活性ガス供給管2aおよび第2不活性ガス供給管4a内に不活性ガス(N、Ar)が常に流通することにより、バルブ243eおよびバルブ243jを閉めても第1不活性ガス供給管2aおよび第2不活性ガス供給管4a内に生じる圧力差が第1不活性ガスベント管2bおよび第2不活性ガスベント管4bを設けない場合に比べ、はるかに小さくなり、バルブ243e、バルブ243jを開放しても処理室203内に伝達される圧力差は僅かであるため、かかる圧差は処理室内203内にて吸収され、処理室203内の圧力変動の発生を抑制できてい
るものと考えられる。
【0138】
なお、バルブ243eを閉じ、バルブ243iを開けた場合のバルブ243eよりも下流側の第1不活性ガス供給管2a内の圧力は、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられ、また、バルブ243eよりも上流側の第1不活性ガス供給管2a内の圧力も、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられる。というのも、この状態においては、第1不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも下流側の部分も、また、バルブ243eよりも上流側の部分も、同一の排気ポンプ8で同様に真空排気しているからである。ただし、バルブ243eから排気ポンプ8までの排気経路は互いに異なるため、第1不活性ガス供給管2a内のバルブ243eよりも上流側と下流側との間には、10Pa未満程度の若干の圧力差は生じ得るものと考えられる。また、同様に、バルブ243jを閉じ、バルブ243kを開けた場合のバルブ243jよりも下流側の第2不活性ガス供給管4a内の圧力は、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられ、また、バルブ243jよりも上流側の第2不活性ガス供給管4a内の圧力も、処理室203内の圧力と同程度(10Pa以下)であるものと考えられる。というのも、この状態においては、第2不活性ガス供給管4a内のバルブ243jよりも下流側の部分も、また、バルブ243jよりも上流側の部分も、同一の排気ポンプ8で同様に真空排気しているからである。ただし、バルブ243jから排気ポンプ8までの排気経路は互いに異なるため(各排気経路の流動抵抗はそれぞれ異なるため)、第2不活性ガス供給管4a内のバルブ243jよりも上流側と下流側との間には、10Pa未満程度の若干の圧力差は生じ得るものと考えられる。本実施例の場合、より高速なガスの切り替えに対応して、ガスの供給流量の総流量を制御して圧力変動の発生を抑制することができる。
【0139】
また、本実施例によれば、原料ガス供給時以外は、常時、原料ガス供給管1a内をNによりパージでき、活性化ガス供給時以外は、常時、活性化ガス供給管3c内をArによりパージでき、このような不活性ガスによる配管のパージ作用を有する点で、第2の実施形態(図5の構成)よりも、第3の実施形態(図6の構成)がより好ましいといえる。
【0140】
なお、第1の実施形態の実施例(図4(b))では、不活性ガス供給管2aに設けられたバルブ243eを閉じることなく常に開いたままの状態として、マスフローコントローラ241eにより不活性ガスの供給流量を増減させることにより処理室203内に不活性ガスをパルス状に供給している。これに対し、第2の実施形態のシーケンス例1(図5(a))では、マスフローコントローラ241eにより不活性ガスの供給流量を増減させるのではなく、バルブ243e,243iの開閉を切り替えて不活性ガスの流れを切り替えることにより、処理室203内に不活性ガスをパルス状に供給している。また、第3の実施形態では、マスフローコントローラ241e,241dにより不活性ガスの供給流量を増減させるのではなく、バルブ243e,243i,バルブ243j,243kの開閉を切り替えて不活性ガスの流れを切り替えることにより、処理室203内に不活性ガスをパルス状に供給している。その結果、図8(b)に示すとおり、不活性ガスの供給流量の増減をより迅速に行う(ガスの流量制御の応答性を向上させる)ことが可能となる。
【0141】
図8(a)は、マスフローコントローラにより供給流量を増減させた場合の不活性ガスの供給流量変化を例示するグラフ図であり、(b)は、バルブの開閉の切り替えにより流れを切り替えた場合の不活性ガスの供給流量変化を例示するグラフ図である。いずれのグラフ図においても、縦軸は処理室203内にパルス状に供給される不活性ガスの供給流量を示し、横軸は経過時間を示している。図8によれば、バルブの開閉の切り替えにより不活性ガスの流れを切り替える場合(図8(b))には、マスフローコントローラにより供給流量を増減させる場合(図8(a))に比べて、供給流量の増減を開始してから供給流量が安定するまでの時間(供給流量制御の応答時間)がより短縮され、供給流量の増減をより迅速に行える。マスフローコントローラにより供給流量を増減させる場合(図8(a))、流量変更指令を与えてから流量が安定するまでに時間がかかり、流量変更の立ち上がり及び立ち下りの切れが悪いが、バルブの開閉の切り替えにより不活性ガスの流れを切り替える場合(図8(b))には、バルブの開閉を切り替えてから流量が安定するまでの時間が短く、流量変更の立ち上がり及び立ち下りの切れが良い。
【0142】
4.本発明の第4の実施形態
次に、本発明の第4の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成、及び処理炉202により実施される基板処理工程のサイクル処理の実施例について順次説明する。
【0143】
(1)処理炉の構成
まず、本発明の第4の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉202の一例を示す概略図である。
【0144】
第4の実施形態における処理炉202が第3の実施形態の処理炉202と異なる点は、原料ガス供給管1a、第1不活性ガス供給管2a、活性化ガス供給管3c、第2不活性ガス供給管4aが、それぞれバルブ243a,243e,243f,243jの下流側で合流するように一本化してシャワーヘッド236に接続されている点である。なお、原料ガスベント管1b、第1不活性ガスベント管2b、活性化ガスベント管3b、第2不活性ガスベント管4bは、第3の実施形態と同様に、バルブ243g,243i,243h,243kを介して排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
【0145】
その他の構成については、第3の実施形態と同一である。
【0146】
(2)サイクル処理の実施例
第4の実施形態にかかる基板処理工程が第3の実施形態にかかる基板処理工程と異なる点は、サイクル工程(S9)において排気ポンプ8により排気されるガスの流量(排気ポンプ8の負荷)が常に一定になるように、各流量制御器や各バルブを制御する点にある。
【0147】
すなわち、処理室203内に処理ガスを供給する際の排気管231(排気口230)より排気するガスの流量(処理室203を経由して排気されるガスの流量)と、原料ガスベント管1b、第1不活性ガスベント管2b、活性化ガスベント管3b、及び第2不活性ガスベント管4bより排気するガスの流量(処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの流量)との合計流量と、処理室203内に不活性ガスを供給する際の排気管231(排気口230)より排気するガスの流量(処理室203を経由して排気されるガスの流量)と、原料ガスベント管1b、第1不活性ガスベント管2b、活性化ガスベント管3b、及び第2不活性ガスベント管4bより排気するガスの流量(処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの流量)との合計流量と、が一定になるように、各マスフローコントローラ241a〜241eや各バルブ243a〜243kの動作を制御する点である。
【0148】
本実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量例を、図10を用いて説明する。
【0149】
まず、原料ガス供給工程(S5)では、マスフローコントローラ241a〜241eにより流量制御しつつ、バルブ243a,243i,243h,243jを開き、バルブ243g,243e,243f,243kを閉じることにより、原料ガス供給管1aから処理室203内に供給され排気口230より排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、第2不活性ガス供給管4aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(Ar)の流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに第1不活性ガスベント管2bより排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに活性化ガスベント管3bより排気される活性化ガスの流量を0.2slmとしている。
【0150】
また、本実施形態にかかるパージ工程(S6)では、マスフローコントローラ241a〜241eにより流量制御しつつ、バルブ243g,243e,243h,243jを開き、バルブ243a,243i,243f,243kを閉じることにより、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、第2不活性ガス供給管4aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(Ar)の流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに原料ガスベント管1bより排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに活性化ガスベント管3bより排気される活性化ガスの流量を0.2slmとしている。
【0151】
また、本実施形態にかかる活性化ガス供給工程(S7)では、マスフローコントローラ241a〜241eにより流量制御しつつ、バルブ243g,243e,243f,243kを開き、バルブ243a,243i,243h,243jを閉じることにより、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、活性化ガス供給管3aから処理室203内に供給され排気口230より排気される活性化ガスの流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに原料ガスベント管1bより排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに第2不活性ガスベント管4bより排気される不活性ガス(Ar)の流量を0.2slmとしている。
【0152】
また、本実施形態にかかるパージ供給工程(S8)では、マスフローコントローラ241a〜241eにより流量制御しつつ、バルブ243g,243e,243h,243jを開き、バルブ243a,243i,243f,243kを閉じることにより、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、第2不活性ガス供給管4aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(Ar)の流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに原料ガスベント管1bより排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに活性化ガスベント管3bより排気される活性化ガスの流量を0.2slmとしている。
【0153】
このように、本実施形態では、原料ガス供給工程(S5)〜パージ供給工程(S8)の各工程において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量を常に0.7slm(=0.5slm+0.2slm)とし、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量を常に0.7slm(=0.5slm+0.2slm)とし、排気ポンプ8により排気されるガスの合計流量を常に1.4slm(=0.7slm+0.7slm)としている。すなわち、排気ポンプ8により排気されるガスの流量(排気ポンプ8の負荷)が常に一定になるようにしている。また、原料ガス供給工程(S5)〜パージ供給工程(S8)の各工程において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量(0.7slm)と、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量(0.7slm)との比率が常に一定(1:1)になるようにしている。これにより、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0154】
5.本発明の第5の実施形態
本実施形態においては、処理室203内に供給する処理ガスのガス種毎に、処理ガス供給ライン、処理ガスベントライン、不活性ガス供給ライン、及び不活性ガスベントラインの組が設けられている。そして、これらの各ラインは、処理室203内に処理ガスを供給する工程と処理室203内をパージする工程とにおいて、互いに連携して動作するように構成されている。
【0155】
本発明の第5の実施形態としての基板処理装置の処理炉202の構成について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の第5の実施形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉202の一例を示す概略図である。
【0156】
図11によれば、原料ガス供給管1a、第1不活性ガス供給管2a、原料ガスベント管1b、及び第1不活性ガスベント管は組250として構成されている。なお、かかる組250は、処理室203内に供給する処理ガスのガス種毎に設けられる。例えば、処理室203内に処理ガスとして活性化ガスを供給する場合には、図示しないが、活性化ガス供給管、第2不活性ガス供給管、活性化ガスベント管、及び第2不活性ガスベント管の組が設けられる。その他の構成については、第3の実施形態と同一である。
【0157】
本実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量例を、図12を用いて説明する。
【0158】
図12によれば、本実施形態にかかる原料ガス供給工程(S5)では、マスフローコントローラ241a,241eにより流量制御しつつ、バルブ243a,243iを開き、バルブ243g,243eを閉じることにより、原料ガス供給管1aから処理室203内に供給され排気口230より排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに第1不活性ガスベント管2bより排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとしている。
【0159】
また、図12によれば、本実施形態にかかるパージ工程(S6)では、マスフローコントローラ241a,241eにより流量制御しつつ、バルブ243g,243eを開き、バルブ243a,243iを閉じることにより、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、処理室203を経由せずに原料ガスベント管1bより排気される原料ガスの流量を0.5slmとしている。
【0160】
このように、本実施形態では、原料ガス供給工程(S5)及びパージ工程(S6)において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量を常に0.5slmとし、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量を常に0.5slmとし、排気ポンプ8により排気されるガスの合計流量を常に1.0slmとしている。すなわち、排気ポンプ8により排気されるガスの流量(排気ポンプ8の負荷)が常に一定になるようにしている。また、原料ガス供給工程(S5)及びパージ供給工程(S6)において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量(0.5slm)と、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量(0.5slm)との比率が常に一定(1:1)になるようにしている。これにより、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0161】
6.本発明の第6の実施形態
本実施形態においては、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量と、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量との比率が、原料ガス供給工程(S5)、パージ工程(S6)の各工程において、1:1ではないが常に一定であるように構成されている。
【0162】
本発明の第6の実施形態としての基板処理装置の処理炉の構成について、図13を用いて説明する。図13は、本発明の第6の実施形態に係る基板処理装置である枚葉式MOCVD装置の処理炉の一例を示す概略図である。
【0163】
図13によれば、原料ガス供給管1a、第1不活性ガス供給管2a、原料ガスベント管1b、及び第1不活性ガスベント管に加えて、原料ガスを希釈する希釈用不活性ガス供給ラインとしての希釈用不活性ガス供給管2a’と、希釈用不活性ガスベントラインとしての希釈用不活性ガスベント(バイパス)管2b’とが設けられている。
【0164】
希釈用不活性ガス供給管2a’には、非反応性ガスとしての希釈用の不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット250e’と、不活性ガスの供給流量を制御する流量制御手段(流量制御器)としてのマスフローコントローラ241e’が上流側から順に設けられている。不活性ガスとしては例えばNを用いる。希釈用不活性ガス供給管2a’は、バルブ243e’を介して原料ガス供給管1a(バルブ243aの下流側)及び第1不活性ガス供給管2a(バルブ243eの下流側)に合流するように一本化して接続されている。
【0165】
希釈用不活性ガスベント管2b’は、希釈用不活性ガス供給管2a’のバルブ243e’の上流側(すなわち、マスフローコントローラ241e’とバルブ243e’との間)に設けられている。希釈用不活性ガスベント管2b’は、バルブ243i’を介して排気管231の圧力制御手段7と排気ポンプ8との間に接続されている。
【0166】
その他の構成については、第5の実施形態と同一である。
【0167】
本実施形態のサイクル工程における各種ガスの流量例を、図14を用いて説明する。
【0168】
本実施形態にかかる原料ガス供給工程(S5)では、マスフローコントローラ241a,241e,241e’により流量制御しつつ、バルブ243a,243e’,243iを開き、バルブ243g,243i’,243eを閉じることにより、原料ガス供給管1aから処理室203内に供給され排気口230より排気される原料ガスの流量を0.5slmとし、希釈用不活性ガス供給管2a’から処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに第1不活性ガスベント管2bより排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとしている。
【0169】
また、本実施形態にかかるパージ工程(S6)では、マスフローコントローラ241a,241e,241e’により流量制御しつつ、バルブ243g,243e’,243eを開き、バルブ243a,243i’,243iを閉じることにより、第1不活性ガス供給管2aから処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.5slmとし、希釈用不活性ガス供給管2a’から処理室203内に供給され排気口230より排気される不活性ガス(N)の流量を0.2slmとし、処理室203を経由せずに原料ガスベント管1bより排気される原料ガスの流量を0.5slmと
している。
【0170】
このように、本実施形態では、原料ガス供給工程(S5)及びパージ工程(S6)において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量を常に0.7slmとし、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量を常に0.5slmとし、排気ポンプ8により排気されるガスの合計流量を常に1.2slmとしている。すなわち、排気ポンプ8により排気されるガスの流量(排気ポンプ8の負荷)が常に一定になるようにしている。また、原料ガス供給工程(S5)及びパージ供給工程(S6)において、処理室203内に供給され排気口230より排気されるガスの小計流量(0.7slm)と、処理室203を経由せずに各ベント管から排気されるガスの小計流量(0.5slm)との比率が常に一定(7:5)になるようにしている。これにより、処理室203内における圧力変動の発生を抑制でき、処理室203内に発生した異物の攪拌が抑制でき、基板200への異物の吸着を抑制することが可能となる。
【0171】
なお、上述した第1から第6の実施形態の実施例にて示したシーケンスを用い、例えば、基板200上にHfO膜を成膜する場合の処理条件としては、処理温度:350〜450℃、処理圧力:50〜200Pa、第1の処理ガスとしての原料ガスのもととなる有機液体原料(MO原料):Hf(MMP)(Hf[OC(CHCHOCH(テトラキス(1−メトキシ−2−メチル−2−プロポキシ)ハフニウム))、有機液体原料(MO原料)の供給流量:0.01〜0.2g/min、第2の処理ガスとしての活性化ガスのもととなる反応ガス(酸化剤):O/Ar混合ガス、O供給流量:200〜2000sccm、Ar供給流量:0〜1800sccm、が例示される。
【0172】
<本発明の他の実施形態>
本発明は、上記実施の形態で説明した成膜の他にも、2種以上の原料の切り替え供給により成膜を進める場合に広く適用できる。たとえば、Ru(EtCp)等のRu原料とリモートプラズマユニットで活性化したOなどの酸化剤の交互供給によるRu、RuO成膜や、Hf−(MMP)等のHf原料とSi−(MMP)等のSi原料とHOやOなどの酸化剤の交互供給によるHfSiO成膜などである。
【0173】
また、ここでは、原料供給による成膜工程と活性な酸化種の供給による改質(不純物除去)工程の繰り返しの例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、原料供給と酸化剤等の反応ガス供給を繰り返すALDなど、より周期的なプロセスを必要とする場合にも適用できる。また、酸化剤としては、オゾンなどリモートプラズマユニットを用いない酸化種を用いてもよい。その場合、既述のように活性化機構9としてはオゾナイザを用いるのがよい。また、原料と酸化剤の組み合わせに限らず、成膜に必要な2種以上の原料の組み合わせの場合も同様に圧力変動の抑制手段として用いることができる。
【0174】
また、上記実施の形態ではCVDプロセスを例に示したが、ALDプロセスにおいてもガス切り替えの際には圧力変動が発生するため本手法を用いることで圧力変動の発生を抑制する効果が期待できる。この場合には、ガス混合部であるシャワーヘッドは簡素な造りに置き換えることも可能であり、シャワーヘッドを用いない場合も考えられる。
【0175】
また、本発明で用いるガスは、前述したガスに限らず、用途に応じてさまざまな種類から適宜選択可能である。例えば、原料ガスとしては、Ru、Hf、Siを含むガスに限らず、Al、Ti、Sr、Y、Zr、Nb、Sn、Ba、La、Ta、Ir、Pt、W、Pb、Biなどを含むガスを用いることが出来る。また、反応ガスとしてはOラジカル、HOガス、Oガスの他に、NO、NO、H、N、NH、N、またはこれらを活性化手段により活性化させることにより生成したこれらのラジカル種、イオン種を含むガスを用いることが出来る。
【0176】
また上記では、本発明を、原料ガスの供給と反応ガスの供給とを交互に繰り返すMOCVD法に適用した場合について説明したが、本発明はこの他に、原料ガスと反応ガスとを同時に供給するMOCVD法にも適用できる。
【0177】
<本発明の好ましい態様>
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に処理ガスを供給する処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、
前記不活性ガス供給ラインに設けられ前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく排気する不活性ガスベントラインと、
前記不活性ガス供給ラインの前記不活性ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第1バルブと、
前記不活性ガスベントラインに設けられた第2バルブと、
前記処理室内を排気する排気ラインと、を有する基板処理装置が提供される。
【0178】
好ましくは、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給しない際に、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記不活性ガスベントラインより排気しておき、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給する際に前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替えるように
前記各バルブを制御するコントローラを有する。
【0179】
好ましくは、
前記処理ガス供給ラインに設けられ前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する処理ガスベントラインと、
前記処理ガス供給ラインの前記処理ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第3バルブと、
前記処理ガスベントラインに設けられた第4バルブと、
前記処理室内に前記処理ガスと前記不活性ガスとを交互に供給するとともに、
前記処理ガス供給ラインより前記処理室内に前記処理ガスを供給しつつ前記排気ラインより排気する際には、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガスベントラインより排気し、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給しつつ前記排気ラインより排気する際には、前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記処理ガスベントラインより排気するように前記各バルブを制御するコントローラと、を有する。
【0180】
好ましくは、
前記処理ガス供給ラインと前記不活性ガス供給ラインには、それぞれ流量制御器が設けられ、
前記コントローラは、さらに、
前記処理室内に前記処理ガスを供給する際の前記排気ラインより排気するガスの流量と前記不活性ガスベントラインより排気するガスの流量との合計流量と、
前記処理室内に前記不活性ガスを供給する際の前記排気ラインより排気するガスの流量と前記処理ガスベントラインより排気するガスの流量との合計流量と、
が一定になるように、また、
前記処理室内に前記処理ガスを供給する際の前記排気ラインより排気するガスの流量と
前記不活性ガスベントラインより排気するガスの流量との比と、
前記処理室内に前記不活性ガスを供給する際の前記排気ラインより排気するガスの流量と前記処理ガスベントラインより排気するガスの流量との比と、
が一定になるように
前記各流量制御器を制御する。
【0181】
好ましくは、
前記コントローラは、さらに、
前記処理室内に前記処理ガスと前記不活性ガスとを交互に供給する際に前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるように前記流量制御器を制御する。
【0182】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に第1の処理ガスを供給する第1処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に第2の処理ガスを供給する第2処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、
前記不活性ガス供給ラインに設けられ前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく排気する不活性ガスベントラインと、
前記不活性ガス供給ラインの前記不活性ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第1バルブと、
前記不活性ガスベントラインに設けられた第2バルブと、
前記処理室内を排気する排気ラインと、
を有する基板処理装置が提供される。
【0183】
好ましくは、
前記第1処理ガス供給ラインに設けられ前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する第1処理ガスベントラインと、
前記第2処理ガス供給ラインに設けられ前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する第2処理ガスベントラインと、
前記第1処理ガス供給ラインの前記第1処理ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第3バルブと、
前記第1処理ガスベントラインに設けられた第4バルブと、
前記第2処理ガス供給ラインの前記第2処理ガスベントラインが設けられる部分よりも
下流側に設けられた第5バルブと、
前記第2処理ガスベントラインに設けられた第6バルブと、
前記処理室内に前記第1の処理ガスと、前記不活性ガスと、前記第2の処理ガスと、前記不活性ガスと、をこの順に繰り返し供給すると共に、
前記第1処理ガス供給ラインより前記処理室内に前記第1の処理ガスを供給する際、および、前記第2処理ガス供給ラインより前記第2の処理ガスを供給する際には、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガスベントラインより排気し、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給する際には、前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第1処理ガスベントラインより排気すると共に、前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第2処理ガスベントラインより排気するように前記各バルブを制御するコントローラと、
を有する。
【0184】
好ましくは、
前記コントローラは、さらに、
前記処理室内に前記第1の処理ガスと、前記不活性ガスと、前記第2の処理ガスと、前記不活性ガスと、をこの順に繰り返し供給する際、前記処理室内におけるトータルガス流
量が一定となるように前記流量制御器を制御する。
【0185】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程は、
処理ガス供給ラインより前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、
不活性ガス供給ラインより前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、を有し、
前記処理ガスを供給する工程では、
前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替える半導体装置の製造方法が提供される。
【0186】
好ましくは、前記処理ガスを供給する工程および前記不活性ガスを供給する工程では、
前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにする。
【0187】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
第1処理ガス供給ラインより前記処理室内に第1の処理ガスを供給する工程と、
不活性ガス供給ラインより前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
第2処理ガス供給ラインより前記処理室内に第2の処理ガスを供給する工程と、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給する工程と、
を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すと共に、
前記第1の処理ガスを供給する工程、および、前記第2の処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気し、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替える半導体装置の製造方法が提供される。
【0188】
好ましくは、前記サイクルを複数回繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流
量が一定となるようにする。
【0189】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程は、
処理ガス供給ラインより前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、
不活性ガス供給ラインより前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、を有し、
前記処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するか、もしくは前記不活性ガスを供給する工程よりも前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ流れる不活性ガスの流量を少なくするようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替えるか、もしくは前記処理ガスを供給する工程よりも前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ流れる不活性ガスの流量を多くする半導体装置の製造方法が提供される。
【0190】
好ましくは、
前記処理ガスを供給する工程および前記不活性ガスを供給する工程では、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにする。
【0191】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
第1処理ガス供給ラインより前記処理室内に第1の処理ガスを供給する工程と、
不活性ガス供給ラインより前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
第2処理ガス供給ラインより前記処理室内に第2の処理ガスを供給する工程と、
前記不活性ガス供給ラインより前記処理室内に前記不活性ガスを供給する工程と、を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返すと共に、
前記第1の処理ガスを供給する工程、及び前記第2の処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するか、もしくは前記不活性ガスを供給する工程よりも前記不活性ガス供給ラインから前記処理室へ流れる不活性ガスの流量を少なくするようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された不活性ガスの流れを、前記不活性ガスベントラインへ向かう流れから前記処理室内へ向かう流れに切り替えるか、もしくは前記第1の処理ガスを供給する工程または前記第2の処理ガスを供給する工程よりも前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ流れる不活性ガスの流量を多くする半導体装置の製造方法が提供される。
【0192】
好ましくは、
前記サイクルを複数回繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにする。
【符号の説明】
【0193】
1a 原料ガス供給管
1b 原料ガスベント管
2a 不活性ガス供給管
2b 不活性ガスベント管
3a 反応ガス供給管
3b 活性化ガスベント管
3c 活性化ガス供給管
4a 第2不活性ガス供給管
4b 第2不活性ガスベント管
200 基板
203 処理室
231 排気管
256 メインコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に処理ガスを供給する処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、
前記不活性ガス供給ラインに設けられ前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく排気する不活性ガスベントラインと、
前記不活性ガス供給ラインの前記不活性ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第1バルブと、
前記不活性ガスベントラインに設けられた第2バルブと、
前記処理ガス供給ラインに設けられ前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する処理ガスベントラインと、
前記処理ガス供給ラインの前記処理ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第3バルブと、
前記処理ガスベントラインに設けられた第4バルブと、
前記処理ガス供給ラインと前記不活性ガス供給ラインとのそれぞれに設けられた流量制御器と、
前記処理室内を排気する排気ラインと、
前記処理ガス供給ラインから前記処理室内への前記処理ガスの供給と、前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内への前記不活性ガスの供給と、を含むサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記処理ガス供給ラインから前記処理室内へ前記処理ガスを供給する際には、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガスベントラインより排気し、
前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ前記不活性ガスを供給する際には、前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記処理ガスベントラインより排気し、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるように前記各バルブおよび前記流量制御器を制御するよう構成されるコントローラと、
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に第1の処理ガスを供給する第1処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に第2の処理ガスを供給する第2処理ガス供給ラインと、
前記処理室内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、
前記不活性ガス供給ラインに設けられ前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく排気する不活性ガスベントラインと、
前記不活性ガス供給ラインの前記不活性ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第1バルブと、
前記不活性ガスベントラインに設けられた第2バルブと、
前記第1処理ガス供給ラインに設けられ前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する第1処理ガスベントラインと、
前記第2処理ガス供給ラインに設けられ前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく排気する第2処理ガスベントラインと、
前記第1処理ガス供給ラインの前記第1処理ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第3バルブと、
前記第1処理ガスベントラインに設けられた第4バルブと、
前記第2処理ガス供給ラインの前記第2処理ガスベントラインが設けられる部分よりも下流側に設けられた第5バルブと、
前記第2処理ガスベントラインに設けられた第6バルブと、
前記第1処理ガス供給ライン、前記第2処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインのそれぞれに設けられ流量制御器と、
前記処理室内を排気する排気ラインと、
前記第1処理ガス供給ラインから前記処理室内への前記第1の処理ガスの供給と、前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内への前記不活性ガスの供給と、前記第2処理ガス供給ラインから前記処理室内への前記第2の処理ガスの供給と、前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内への前記不活性ガスの供給と、を1サイクルとしてこのサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記第1処理ガス供給ライン、前記第2処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記第1処理ガス供給ラインから前記処理室内へ前記第1の処理ガスを供給する際、および、前記第2処理ガス供給ラインから前記処理室内へ前記第2の処理ガスを供給する際には、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガスベントラインより排気し、
前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ前記不活性ガスを供給する際には、前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第1処理ガスベントラインより排気すると共に、前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第2処理ガスベントラインより排気し、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるように前記各バルブおよび前記流量制御器を制御するよう構成されるコントローラと、
を有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
処理ガス供給ラインから前記処理室内へ処理ガスを供給する工程と、不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ不活性ガスを供給する工程と、を含むサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記処理ガス供給ラインに設けられた処理ガスベントラインより排気するようにし、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにすることを特徴とする基板処理方法。
【請求項4】
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
第1処理ガス供給ラインから前記処理室内へ第1の処理ガスを供給する工程と、不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ不活性ガスを供給する工程と、第2処理ガス供給ラインから前記処理室内へ第2の処理ガスを供給する工程と、前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ前記不活性ガスを供給する工程と、を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記第1処理ガス供給ライン、前記第2処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記第1の処理ガスを供給する工程、および、前記第2の処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第1処理ガス供給ラインに設けられた第1処理ガスベントラインより排気すると共に、前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第2処理ガス供給ラインに設けられた第2処理ガスベントラインより排気するようにし、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにすることを特徴とする基板処理方法。
【請求項5】
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
処理ガス供給ラインから前記処理室内へ処理ガスを供給する工程と、不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ不活性ガスを供給する工程と、を含むサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記処理ガス供給ラインに供給された前記処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記処理ガス供給ラインに設けられた処理ガスベントラインより排気するようにし、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記処理室内で基板を処理する工程と、
処理後の基板を前記処理室内から搬出する工程と、を有し、
前記基板を処理する工程では、
第1処理ガス供給ラインから前記処理室内へ第1の処理ガスを供給する工程と、不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ不活性ガスを供給する工程と、第2処理ガス供給ラインから前記処理室内へ第2の処理ガスを供給する工程と、前記不活性ガス供給ラインから前記処理室内へ前記不活性ガスを供給する工程と、を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことで基板に対して処理を行い、
その際、前記第1処理ガス供給ライン、前記第2処理ガス供給ラインおよび前記不活性ガス供給ラインに、前記第1の処理ガス、前記第2の処理ガスおよび前記不活性ガスをそれぞれ供給した状態を維持し、
前記第1の処理ガスを供給する工程、および、前記第2の処理ガスを供給する工程では、前記不活性ガス供給ラインに供給された前記不活性ガスを前記処理室内に供給することなく前記不活性ガス供給ラインに設けられた不活性ガスベントラインより排気するようにし、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記第1処理ガス供給ラインに供給された前記第1の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第1処理ガス供給ラインに設けられた第1処理ガスベントラインより排気すると共に、前記第2処理ガス供給ラインに供給された前記第2の処理ガスを前記処理室内に供給することなく前記第2処理ガス供給ラインに設けられた第2処理ガスベントラインより排気するようにし、
前記サイクルを繰り返す際、前記処理室内におけるトータルガス流量が一定となるようにすることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−102200(P2013−102200A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−7903(P2013−7903)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2008−57741(P2008−57741)の分割
【原出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】