説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】処理液による処理の際に電荷の移動による基板の損傷を防止する。
【解決手段】基板処理装置10は、基板9を1枚ずつ処理する枚葉処理装置1、比抵抗がSPM液の比抵抗よりも大きい目標比抵抗に維持された除電液を貯溜する除電液貯溜部71、および、基板9に対する減圧乾燥処理を行う基板乾燥部75を備える。基板処理装置10では、カートリッジ73に保持された複数の基板9が、除電液貯溜部71内の除電液に浸漬され、基板9の両側の主面が全面に亘って除電液に接触する。これにより、基板9が比較的緩やかに除電される。そして、除電処理、および、基板乾燥部75による乾燥処理の終了後に、処理液供給部3により基板9の上面91上にSPM液が供給されてSPM処理が行われる。これにより、SPM処理の際に、基板9からSPM液へと大量の電荷が急激に移動することが防止され、基板9の損傷を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の製造工程では、基板処理装置を用いて酸化膜等の絶縁膜を有する基板に対して様々な処理が施される。例えば、表面上にレジストのパターンが形成された基板に薬液を供給することにより、基板の表面に対してエッチング等の処理が行われる。また、エッチング等の終了後、基板上のレジストを除去する処理も行われる。
【0003】
特許文献1の基板処理装置では、SPM(sulfuric acid / hydrogen peroxide mixture)液等の薬液による処理を行う前に、薬液よりも電気伝導率が低い液体を基板上の処理領域に供給し、当該液体が処理領域上に存在している状態で薬液を処理領域に吐出することにより、基板と薬液との接触により生じる基板の局所的なダメージの防止が図られている。基板の局所的なダメージとは、処理領域のフィールド酸化膜やゲート酸化膜の局所的な破壊であり、当該破壊は、薬液と薬液用ノズルとの間の摩擦帯電現象により薬液が帯電した状態で基板の処理領域に接触することにより生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−200365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板処理装置にて処理される基板には、基板処理装置に搬入される前に、ドライエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等のドライ工程が行われている。このようなドライ工程では、デバイス内に電荷が発生して帯電するため、基板は、帯電した状態で基板処理装置に搬入される(いわゆる、持ち込み帯電)。そして、基板処理装置において、SPM液のような比抵抗が小さい薬液が基板上に供給されると、デバイス内の電荷が、デバイスから薬液へと急激に移動し(すなわち、薬液中へと放電し)、当該移動に伴う発熱によりデバイスにダメージが生じるおそれがある。そこで、薬液を基板に供給する前に、イオナイザにより基板を除電することが考えられるが、基板の帯電量が大きい場合、効率的に除電することは困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、処理液による処理の際に電荷の移動による基板の損傷を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板の一方の主面である第1主面上に処理液を供給する処理液供給部と、前記基板の前記第1主面および他方の主面である第2主面を、前記処理液よりも比抵抗が大きい除電液に接触させる除電液接液部と、前記処理液供給部および前記除電液接液部を制御することにより、前記基板の前記第1主面および前記第2主面を全面に亘って前記除電液に接触させて接液状態を維持した後、前記処理液を前記基板の前記主面上に供給して所定の処理を行う制御部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記第1主面に接触する前記除電液と前記第2主面に接触する前記除電液とが前記基板上において連続している。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理装置であって、前記除電液接液部が、前記除電液を貯溜する除電液貯溜部を備え、前記基板が、前記除電液貯溜部に貯溜された前記除電液に浸漬されることにより、前記第1主面および前記第2主面が前記除電液に接触する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の基板処理装置であって、前記除電液貯溜部に貯溜された前記除電液に、それぞれの主面の法線方向が水平方向を向くように配列された複数の基板が浸漬される。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記除電液接液部が、前記第1主面を上側に向けた状態で前記基板保持部に保持された前記基板の前記第1主面上に前記除電液を供給して前記第1主面全体を前記除電液にてパドルする第1除電液接液部と、前記基板の前記第2主面に対向し、前記除電液を前記第2主面に向けて吐出して前記第2主面全体の前記除電液との接触状態を維持する第2除電液接液部とを備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記処理液が、加熱された硫酸と過酸化水素水とを混合したSPM液であり、前記所定の処理がSPM処理である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記除電液の目標比抵抗を設定する比抵抗設定部をさらに備え、前記除電液が、イオンを含む液体または純水であり、前記制御部による制御により、前記除電液におけるイオン濃度を制御して前記除電液の比抵抗を前記目標比抵抗に維持しつつ、前記基板の前記第1主面および前記第2主面の前記除電液との接触が行われる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の基板処理装置であって、前記比抵抗設定部において、前記基板上に予め形成されているデバイスのサイズが小さいほど、大きな目標比抵抗が設定される。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の基板処理装置であって、前記イオンを含む液体が、純水に二酸化炭素を溶解させたものである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法であって、a)基板の両側の主面を全面に亘って除電液に接触させて接液状態を維持する工程と、b)前記a)工程よりも後に、前記除電液よりも比抵抗が小さい処理液を前記基板の一方の主面上に供給して所定の処理を行う工程とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、処理液による処理の際に電荷の移動による基板の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。
【図2】枚葉処理装置の構成を示す図である。
【図3】基板の処理の流れを示す図である。
【図4】除電処理の前後における基板の表面電位を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。
【図6】除電処理の前後における基板の表面電位を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る基板処理装置の構成を示す図である。
【図8】基板の処理の流れの一部を示す図である。
【図9】基板上の除電液の様子を示す図である。
【図10】除電処理の前後における基板の表面電位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置10の構成を示す図である。基板処理装置10は、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)を処理する装置でありる。図1に示すように、基板処理装置10は、基板9を1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である枚葉処理装置1、基板9を除電液に接触させる除電液接液部7、除電液の目標比抵抗を設定する比抵抗設定部81、および、これらの機構を制御する制御部8を備える。枚葉処理装置1では、基板9にSPM(sulfuric acid / hydrogen peroxide mixture)液が供給されてSPM処理、すなわち、基板9上のレジスト膜の除去処理が行われる。また、比抵抗設定部81は制御部8に接続される。
【0020】
図2は、枚葉処理装置1の構成を示す図である。枚葉処理装置1は、基板9の一方の主面91(以下、「上面91」という。)を上側に向けた状態で基板9を保持する基板保持部2、基板9の上面91上にSPM液等の液体を供給する処理液供給部3、基板9および基板保持部2の周囲を囲むカップ部4、並びに、基板9を基板保持部2と共に水平に回転する基板回転機構5を備える。基板9は、基板回転機構5により、基板9の中心を通るとともに基板9の上面91に垂直な回転軸を中心として基板保持部2と共に回転する。枚葉処理装置1では、基板保持部2、カップ部4、基板回転機構5等が、図示省略のチャンバ内に収容される。
【0021】
処理液供給部3は、硫酸を供給する硫酸供給部31、過酸化水素水を供給する過酸化水素水供給部32、硫酸供給部31および過酸化水素水供給部32に接続される混合液生成部33、基板9の上方に配置されて基板9に向けて液体を吐出する処理液ノズル34、並びに、処理液ノズル34を回転軸351を中心として水平に回動する処理液ノズル回動機構35を備える。処理液ノズル回動機構35は、回転軸351から水平方向に延びるとともに処理液ノズル34が取り付けられるアーム352を備える。
【0022】
硫酸供給部31は、硫酸を貯溜する硫酸貯溜部311、硫酸貯溜部311および混合液生成部33に接続される硫酸配管312、硫酸貯溜部311から硫酸配管312を介して混合液生成部33へと硫酸を供給する硫酸ポンプ313、硫酸配管312上に設けられる硫酸バルブ314、並びに、硫酸ポンプ313と硫酸バルブ314との間で硫酸配管312上に設けられて硫酸を加熱する硫酸加熱部315を備える。硫酸配管312は硫酸加熱部315と硫酸バルブ314との間で分岐して硫酸貯溜部311へと接続されており、硫酸バルブ314が閉じられている状態では、硫酸加熱部315により加熱された硫酸は、硫酸貯溜部311と硫酸加熱部315とを循環する。
【0023】
過酸化水素水供給部32は、過酸化水素水を貯溜する過酸化水素水貯溜部321、過酸化水素水貯溜部321および混合液生成部33に接続される過酸化水素水配管322、過酸化水素水貯溜部321から過酸化水素水配管322を介して混合液生成部33へと過酸化水素水を供給する過酸化水素水ポンプ323、並びに、過酸化水素水配管322上に設けられる過酸化水素水バルブ324を備える。なお、硫酸貯溜部311および過酸化水素水貯溜部321は、基板処理装置10の外部に設けられ、硫酸供給部31および過酸化水素水供給部32がそれぞれ接続されてもよい。
【0024】
混合液生成部33は、硫酸配管312および過酸化水素水配管322が接続されるミキシングバルブ331、ミキシングバルブ331および処理液ノズル34に接続される吐出用配管332、並びに、吐出用配管332上に設けられる攪拌流通管333を備える。混合液生成部33では、硫酸供給部31からの加熱された硫酸と、過酸化水素水供給部32からの常温(すなわち、室温と同程度の温度)の過酸化水素水とが、ミキシングバルブ331において混合されて混合液であるSPM液(硫酸過水)が生成される。SPM液は攪拌流通管333および吐出用配管332を通過して処理液ノズル34へと送られる。攪拌流通管333では、SPM液が攪拌されることにより、硫酸と過酸化水素水との化学反応が促進される。処理液であるSPM液は、処理液ノズル34の先端の吐出口から基板9の上面91に向けて吐出される。本実施の形態では、硫酸加熱部315により約130℃〜150℃に加熱された硫酸が硫酸供給部31から混合液生成部33へと供給される。なお、硫酸供給部31から供給される硫酸の温度は適宜変更されてよい。
【0025】
図1に示すように、除電液接液部7は、除電液を貯溜する除電液貯溜部71、除電液貯溜部71に除電液を供給する除電液供給部72、複数の基板9を保持するカートリッジ73、および、基板9に対する減圧乾燥処理を行う基板乾燥部75を備える。除電液は、枚葉処理装置1にて利用される処理液であるSPM液よりも比抵抗が大きい液体である。本実施の形態では、除電液としてイオンを含む液体または純水(DIW:deionized water)が利用され、イオンを含む液体としては、純水に二酸化炭素(CO)を溶解させたものが利用される(以下の実施の形態においても同様)。なお、図1では、カートリッジ73を保持して移動するカートリッジ移動部の図示を省略している。
【0026】
除電液供給部72は、図示省略の純水供給部に接続される純水配管721、純水配管721に接続される二酸化炭素溶解ユニット722、純水配管721上に設けられて純水の流量を測定する流量計723、二酸化炭素溶解ユニット722に接続される除電液配管724、除電液配管724上に設けられる除電液バルブ726、および、除電液バルブ726と除電液配管724の先端との間にて除電液配管724上に設けられる比抵抗計727を備える。
【0027】
除電液配管724の先端から吐出される除電液は、除電液貯溜部71に供給されて貯溜される。比抵抗計727は、除電液配管724を流れる除電液の比抵抗を測定する。比抵抗計727からの出力は制御部8へと送られる。また、制御部8には、比抵抗設定部81により設定された除電液の目標比抵抗、すなわち、後述の除電処理における除電液の好ましい比抵抗が送られ、予め記憶されている。比抵抗設定部81には、基板9上に予め形成されているデバイスのサイズと除電液の目標比抵抗との関係を示すテーブルが記憶されており、比抵抗設定部81にデバイスのサイズが入力されると、当該サイズと上記テーブルとに基づいて目標比抵抗が設定される。比抵抗設定部81では、基板9上に予め形成されているデバイスのサイズが小さいほど(すなわち、デバイスの配線の最小幅が小さいほど)、大きな目標比抵抗が設定される。本実施の形態では、目標比抵抗は、0.05〜18MΩ・cmの範囲で設定される。目標比抵抗が18MΩ・cmである場合、二酸化炭素溶解ユニット722では、純水配管721からの純水に対する二酸化炭素の溶解は行われず、当該純水が除電液として除電液ノズル725から基板9上に供給される。
【0028】
基板処理装置10では、比抵抗計727からの出力(すなわち、除電液配管724内の除電液の比抵抗の測定値)、および、上述の目標比抵抗に基づいて、制御部8により除電液供給部72の二酸化炭素溶解ユニット722がフィードバック制御されることにより、純水配管721からの純水に溶解する二酸化炭素の量が制御される。換言すれば、二酸化炭素溶解ユニット722から除電液配管724へと送られる除電液におけるイオン濃度が制御される。これにより、除電液の比抵抗が目標比抵抗に維持される。詳細には、上記フィードバック制御により、除電液の比抵抗が、実質的に目標比抵抗に等しいといえる狭い比抵抗の範囲(もちろん、目標比抵抗を含む。)内に維持される。
【0029】
除電液接液部7では、除電液貯溜部71の上方に配置されたカートリッジ73により、複数の基板9が、主面が平行となるように配列された状態で保持される。そして、カートリッジ移動部によりカートリッジ73が下降し、複数の基板9が、それぞれの主面の法線方向が水平方向を向くように配列された状態で、除電液貯溜部71に貯溜された除電液に浸漬される。
【0030】
基板乾燥部75では、除電液に浸漬された後の基板9に対して減圧乾燥処理が行われる。基板乾燥部75では、カートリッジ73に保持された状態の複数の基板9に対して減圧乾燥処理が行われてもよく、カートリッジ73から取り外された基板9が1枚ずつ乾燥されてもよい。基板乾燥部75では、減圧乾燥処理以外の様々な方法により乾燥処理が行われてもよい。減圧乾燥処理が行われた基板9は、枚葉処理装置1に搬入される。なお、図1では、基板乾燥部75と枚葉処理装置1との間において基板9を搬送する搬送機構等の図示を省略している。
【0031】
図3は、基板処理装置10における基板9の処理の流れを示す図である。まず、複数の基板9が保持されたカートリッジ73が、基板処理装置10に搬入される。各基板9は、基板処理装置10に搬入される前に、ドライエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等のドライ工程を経ており、基板9は帯電した状態となっている。
【0032】
続いて、予め入力された基板9上のデバイスのサイズ等に基づいて、比抵抗設定部81により除電液の目標比抵抗が設定されて制御部8に記憶される(ステップS11)。除電液接液部7では、除電液配管724の先端が除電液貯溜部71から外れた位置に向けられた状態で、制御部8により除電液バルブ726が開かれ、除電液配管724から除電液の吐出が開始される。そして、比抵抗計727からの出力、および、目標比抵抗に基づいてフィードバック制御が行われ、除電液のイオン濃度が制御されて除電液の比抵抗が目標比抵抗とされる(ステップS12)。次に、除電液配管724の先端が除電液貯溜部71に向けられ、除電液が、除電液供給部72から除電液貯溜部71に所定の量だけ供給されて貯溜される(ステップS13)。
【0033】
除電液の供給が終了すると、カートリッジ移動部が制御部8により制御され、除電液貯溜部71の上方に配置されたカートリッジ73が、除電液貯溜部71に向けて下降する。そして、カートリッジ73に保持された複数の基板9が、比抵抗が目標比抵抗に維持された除電液貯溜部71内の除電液に浸漬される。各基板9は、カートリッジ73に保持された状態におけるエッジの下部から徐々に除電液に浸漬され、全体が浸漬されることにより、基板9の両側の主面が全面に亘って除電液に接触する。また、基板9の一方の主面に接触する除電液と他方の主面に接触する除電液とは、基板9のエッジ上において連続する。このように、基板9が除電液と接触することにより、基板9上の電荷が、除電液へと比較的緩やかに移動する。基板処理装置10では、基板9の除電液に対する接液状態が所定の時間だけ維持されることにより、基板9の除電処理が行われる(ステップS14)。
【0034】
図4は、基板処理装置10による除電処理の前後における基板9の表面電位を示す図である。図4では、基板9の中心部における表面電位の絶対値を示す(図6および図10においても同様)。上述の除電処理により、基板9上の電荷が減少し、基板9の電位が全体的に低減される。基板処理装置10では、基板9上のデバイスのサイズが非常に小さい場合は、除電液として純水が利用される。また、基板9上のデバイスのサイズが比較的大きい(すなわち、電荷の移動によるダメージに対する耐性が比較的高い)場合、純水に二酸化炭素を溶解させたCO水が除電液として利用される。除電液として、純水よりも比抵抗が小さいCO水が利用される場合、除電処理に要する時間を短くすることができる。
【0035】
基板9の除電処理が終了すると、基板乾燥部75により基板9に対する減圧乾燥処理が行われ、基板9上から除電液が除去される(ステップS15)。続いて、1枚の基板9が枚葉処理装置1へと搬入され、上面91を上側に向けた状態で基板保持部2に保持される。次に、制御部8により基板回転機構5が制御されることにより、基板9の回転が開始される(ステップS16)。また、処理液ノズル回動機構35による処理液ノズル34の回動が開始され、処理液ノズル34が基板9の中心部とエッジとの間で往復運動を繰り返す。
【0036】
次に、制御部8により処理液供給部3が制御されることにより、硫酸供給部31の硫酸バルブ314が開かれ、硫酸貯溜部311において硫酸加熱部315により約130℃〜150℃に加熱された硫酸が、硫酸配管312を介して混合液生成部33へと供給される。また、制御部8により過酸化水素水バルブ324が開かれ、常温の過酸化水素水が、過酸化水素水貯溜部321から過酸化水素水配管322を介してミキシングバルブ331へと供給される。ミキシングバルブ331では、加熱された硫酸と常温の過酸化水素水とが混合されてSPM液が生成される。SPM液の温度は、硫酸と過酸化水素水との反応により、硫酸供給部31から供給される硫酸の温度よりも高く、約150℃〜195℃となる。
【0037】
SPM液は、吐出用配管332および攪拌流通管333を通過し、処理液ノズル34から、基板9の上面91に対して供給される。換言すれば、処理液供給部3により、加熱された硫酸と過酸化水素水とが混合されつつ基板9の上面91に供給される。SPM液は、基板9の回転により、基板9の上面91の全面に拡がり、基板9のエッジから外側へと飛散してカップ部4により受けられる。枚葉処理装置1では、基板9に対するSPM液の供給が所定時間だけ連続的に行われ、基板9に対するSPM処理、すなわち、SPM液に含まれるカロ酸の強酸化力による基板9上のレジスト膜の除去処理が行われる(ステップS17)。なお、枚葉処理装置1では、基板9の中心部の上方にて停止した処理液ノズル34からSPM液等の供給が行われてもよい。
【0038】
SPM処理が終了すると、過酸化水素水バルブ324が開かれた状態で硫酸バルブ314が閉じられ、過酸化水素水が、ミキシングバルブ331、吐出用配管332および攪拌流通管333を通過し、処理液ノズル34から、レジスト膜が除去された基板9上に供給される(ステップS18)。当該過酸化水素水供給処理により、ミキシングバルブ331、吐出用配管332、攪拌流通管333および処理液ノズル34内に残っているSPM液が除去される。また、基板9上に供給された過酸化水素水は、基板9の回転により、基板9の上面91の全面に拡がり、基板9上に残っているSPM液を、基板9のエッジから外側へと押し出して除去する。
【0039】
過酸化水素水供給処理が終了すると、過酸化水素水バルブ324が閉じられて過酸化水素水の供給が停止され、処理液ノズル回動機構35により、処理液ノズル34が基板9の外側の待機位置へと移動される。次に、図示省略のリンス液供給部から基板9の上面91にリンス液が供給されるリンス処理が行われる(ステップS19)。リンス液としては、純水が利用される。リンス液は、基板9の回転により、基板9の上面91の全面に拡がる。これにより、基板9上に残っている過酸化水素水が洗い流される。リンス処理が所定時間だけ連続的に行われると、リンス液の供給が停止される。そして、基板9の回転数を増大させ、基板9の回転により基板9上に残っているリンス液を除去する乾燥処理が行われる(ステップS20)。その後、基板9の回転が停止され(ステップS21)、基板9が基板処理装置10から搬出される。
【0040】
以上に説明したように、基板処理装置10では、ドライエッチングやプラズマCVD等の前処理により帯電している基板9に対し、SPM液によるSPM処理を行う前に、SPM液よりも比抵抗が大きい除電液に基板9の両側の主面を全面に亘って接触させて接液状態が維持される。これにより、基板9の両側の主面全体が比較的緩やかに除電される。除電の際には、基板9上の電荷が急激に除電液へと移動して発熱することがないため、基板9上のデバイスにダメージが生じることが防止される。
【0041】
そして、除電処理が行われた後の基板9にSPM液が供給されることにより、基板9が、除電液よりも比抵抗が小さいSPM液と接触しても、基板9からSPM液へと大量の電荷が急激に移動することがないため、SPM液によるSPM処理の際にも、電荷の移動によるデバイスのダメージ、すなわち、基板9の損傷を防止することができる。また、除電液接液部7では、基板9の一方の主面に接触する除電液と他方の主面に接触する除電液とが、基板9上において連続している。これにより、基板9の一方の主面に接触する除電液と他方の主面に接触する除電液とが連続していない場合に比べて、除電処理により基板9の表面電位(の絶対値)をより小さくすることができる。さらに、除電液接液部7では、基板9全体が除電液に浸漬されることにより、基板9の単位面積当たりに接触する除電液の量を容易に大きくすることができ、基板9の表面電位(の絶対値)をより一層小さくすることができる。
【0042】
除電液接液部7では、複数の基板9を除電液貯溜部71内の除電液に一度に浸漬することにより、複数の基板9の除電処理を効率良く行うことができる。また、除電液貯溜部71への除電液の供給を頻繁に行う必要がないため、除電液と除電液配管724との摩擦により除電液中に電荷が生じることを抑制することができる。さらに、各基板9がエッジから徐々に浸漬されるため、万一、基板9から除電液への電荷の移動により基板9にダメージが生じたとしても、基板9上のデバイスに対して影響が少ない基板9のエッジ近傍のみにダメージが生じる。このため、デバイスの歩留まりを向上することができる。
【0043】
基板処理装置10では、除電液接液部7を制御して除電液の比抵抗を目標比抵抗に維持しつつ、基板9の両側の主面と除電液との接触が行われることにより、基板9の損傷が生じない範囲で、基板9の除電効率を向上し、除電処理に要する時間を短くすることができる。また、比抵抗設定部81において、基板9上のデバイスのサイズが小さいほど、大きな目標比抵抗が設定されることにより、SPM処理時の基板9の損傷防止と除電処理の所要時間の短縮との両立を、デバイスのサイズに合わせて適切に行うことができる。さらに、二酸化炭素溶解ユニット722において、純水に溶解させる二酸化炭素の量を制御することにより、除電液の比抵抗の制御を容易に実現することができる。
【0044】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置10aについて説明する。図5は、基板処理装置10aの構成を示す図である。基板処理装置10aでは、除電液接液部7において、図1に示す除電液貯溜部71に代えて、基板9を1枚だけ浸漬させることができる除電液貯溜部71aが設けられ、カートリッジ73やカートリッジ移動部が省略される。その他の構成は、図1に示す基板処理装置10と同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0045】
基板処理装置10aにおける基板処理の流れは、図3に示すものとほぼ同様であり、ステップS14において、制御部8の制御により除電液貯溜部71a内の除電液に基板9を浸漬する際に、1枚の基板9が上面91とは反対側の主面(以下、「下面92」という。)から浸漬される点のみが異なる。
【0046】
図6は、基板処理装置10aによる除電処理前後の基板9の表面電位を示す図である。上述の除電処理により、基板9上の電荷が減少し、基板9の電位が全体的に低減される。これにより、図1に示す基板処理装置10と同様に、除電処理が行われた後の基板9に対する枚葉処理装置1におけるSPM処理の際に、電荷の移動によるデバイスのダメージ、すなわち、基板9の損傷を防止することができる。また、除電液接液部7では、基板9の上面91および下面92に接触する除電液が、基板9上において連続している。これにより、除電処理により基板9の表面電位(の絶対値)をより小さくすることができる。さらに、除電液接液部7では、基板9全体が除電液に浸漬されることにより、基板9の表面電位(の絶対値)をより一層小さくすることができる。
【0047】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る基板処理装置10bについて説明する。図7は、基板処理装置10bの構成を示す図である。基板処理装置10bでは、除電液接液部7に代えて、枚葉処理装置1に除電液接液部7aが設けられる。除電液接液部7a部では、除電液貯溜部や基板乾燥部等は設けられず、図1に示す除電液供給部72と一部構造が異なる除電液供給部72aが設けられる。その他の構成は、図1に示す基板処理装置10と同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0048】
図7に示す除電液供給部72aは、図1に示す除電液供給部72と同様に、純水配管721、二酸化炭素溶解ユニット722、流量計723、除電液配管724、除電液バルブ726および比抵抗計727を備える。また、除電液供給部72aは、除電液配管724の先端に設けられる除電液ノズル725、および、除電液ノズル725を回転軸7281を中心として水平に回動する除電液ノズル回動機構728を備える。除電液ノズル回動機構728は、回転軸7281から水平方向に延びるとともに除電液ノズル725が取り付けられるアーム7282を備える。
【0049】
枚葉処理装置1では、基板9の外縁部の一部が基板保持部2により支持されており、基板保持部2と接触する当該一部を除き、基板9の下面92と基板保持部2とは離間している。除電液供給部72aは、基板保持部2において基板9の下面92の中心部と対向する位置に、基板9の下面92へと除電液を供給する下面接液部761をさらに備える。下面接液部761は、下面用配管762を介して除電液配管724に接続され、下面用配管762上には下面用バルブ763が設けられる。
【0050】
除電液接液部7aでは、制御部8による制御により、比抵抗が目標比抵抗に維持された除電液が、除電液ノズル725および下面接液部761に送られ、基板9の上面91の中心部上方に向けられた除電液ノズル725の先端の吐出口から、基板9の上面91に除電液が供給され、また、基板9の下面92の中心部と対向する下面接液部761から、基板9の下面92に除電液が供給される。除電液ノズル725および下面接液部761をそれぞれ第1除電液接液部および第2除電液接液部と呼ぶと、除電液接液部7aでは、第1除電液接液部および第2除電液接液部により、基板9の上面91および下面92が除電液に接触する。
【0051】
図8は、基板処理装置10bにおける基板9の処理の流れの一部を示す図である。まず、帯電した状態の基板9が搬入されて枚葉処理装置1の基板保持部2により保持される。続いて、図1に示す基板処理装置10と同様に、比抵抗設定部81により除電液の目標比抵抗が設定されて制御部8に記憶される(ステップS31)。そして、除電液ノズル725が基板9よりも外側の待機位置に位置した状態で除電液の吐出が開始され、比抵抗計727からの出力、および、目標比抵抗に基づいて除電液のイオン濃度が制御されて除電液の比抵抗が目標比抵抗とされる(ステップS32)。
【0052】
次に、基板回転機構5により基板9の回転が開始されるとともに、図9に示すように、下面接液部761の先端の吐出口から基板9の下面92に向けて、比抵抗が目標比抵抗に維持された除電液95の吐出が開始される(ステップS33)。基板9の回転速度は、後述のSPM処理時における回転速度よりも小さい。基板9の下面92に接触した除電液95は、基板9の回転により、基板9の下面92の中心部から全面に拡がる。除電液95が基板9の下面92全体に拡がると、除電液95の吐出および基板9の回転が停止される(ステップS34)。これにより、基板9の下面92全体(ただし、基板保持部2との接触部分を除く。)が除電液95に接触した状態が維持され、その結果、基板9の下面92の電荷が、除電液95へと比較的緩やかに移動し、基板9の下面91全体の除電処理が行われる。
【0053】
基板9の下面92への除電液95の供給が終了すると、除電液ノズル回動機構728により除電液ノズル725が待機位置から移動し、除電液ノズル725の先端の吐出口が、基板9の上面91の中心部を向く。そして、除電液ノズル725から基板9の上面91上に除電液が所定の量だけ供給された後、除電液ノズル725からの除電液の供給が停止される(いわゆる、液盛りが行われる。)。除電液ノズル725から供給された除電液は、基板9の中心部から上面91全体に拡がり、上面91上に除電液95の薄い層(例えば、厚さ約1mmの層)が形成されて上面91全体が除電液95にてパドルされる(ステップS35)。これにより、基板9の上面91の電荷が、除電液95へと比較的緩やかに移動し、基板9の上面91全体の除電処理が行われる。なお、基板9の下面92に接触している除電液95と、基板9の上面91に接触している除電液95とは、基板9上において連続していない。
【0054】
基板処理装置10bでは、基板回転機構5が停止した状態で、基板9の上面91全体が除電液95にてパドルされるとともに、基板9の下面92全体が除電液95と接触している状態を所定時間だけ維持することにより、基板9の上面91全体および下面92全体の除電処理が行われる。
【0055】
除電処理が終了すると、基板9の回転が開始され、基板9の上面91および下面92上の除電液が、基板9の回転により除去される。これにより、次のSPM処理の際に、基板9の上面91にて除電液とSPM液とが混ざることが防止される。除電液の除去が終了すると、図7に示す処理液供給部3からSPM液が基板9の上面91上に供給されてSPM処理が行われる(図3:ステップS16,S17)。続いて、処理液供給部3から過酸化水素水が基板9の上面91上に供給されて過酸化水素水供給処理が行われた後、リンス液が基板9の上面91上に供給されてリンス処理が行われる(ステップS18,S19)。リンス液(純水)は、図示省略のリンス液供給部から供給されてもよく、除電液接液部7aの除電液ノズル725から供給されてもよい。その後、基板9の回転により基板9上のリンス液を除去する乾燥処理が行われ、基板9の回転が停止される(ステップS20,S21)。
【0056】
図10は、基板処理装置10bによる除電処理前後の基板9の表面電位を示す図である。上述の除電処理により、基板9上の電荷が減少し、基板9の電位が全体的に低減される。これにより、図1に示す基板処理装置10と同様に、除電処理が行われた後の基板9に対するSPM処理の際に、電荷の移動によるデバイスのダメージ、すなわち、基板9の損傷を防止することができる。また、基板処理装置10bでは、除電液接液部7aを枚葉処理装置1に設けることにより、基板処理装置10bを小型化することができる。さらに、基板9に対する除電処理が、実質的に基板回転機構5が停止した状態で行われることにより、基板9の除電を効率的に行うことができる。基板回転機構5が実質的に停止した状態とは、例えば、基板回転機構5により基板9が非常に小さい回転数にて回転しており、当該回転により、基板9上の除電液の層に実質的な影響が生じていない状態を含む。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0058】
例えば、基板処理装置10bにおける除電処理では、基板9の上面91上における除電液の層が崩れずに維持されるのであれば、上面91への除電液の供給およびパドル処理が、基板9が回転している状態において行われてもよい。また、除電液と処理液との混合により悪影響が生じないのであれば、ステップS16,S17において除電液が除去されるよりも前に、基板9の上面91上に処理液が供給されて基板9の処理が行われてもよい。
【0059】
上記実施の形態に係る基板処理装置では、SPM液以外の処理液が基板9上に供給され、基板9に対する他の処理が行われてもよい。例えば、レジスト膜が形成された基板9上に処理液としてバッファードフッ酸(BHF)が供給され、基板9のエッチング処理が行われてもよい。基板処理装置では、上述のように、帯電した基板9と処理液との接触による電荷の急激な移動に伴う基板9の損傷を防止することができるため、基板処理装置の構造は、SPM液やバッファードフッ酸のように、比抵抗が非常に小さい処理液による処理が行われる装置に特に適している。
【0060】
除電液として利用されるイオンを含む液体は、純水に二酸化炭素を溶解させたものには限定されない。例えば、純水にアンモニアを溶解させたものや純水に微量の希塩酸を加えたものが除電液として利用されてもよく、また、他の様々なイオンを含む液体が除電液として利用されてもよい。さらに、除電液は、処理液よりも比抵抗が大きいものであれば、イオンを含む液体または純水には限定されず、様々な種類の液体が除電液として利用されてよい。
【0061】
基板処理装置では、除電液の目標比抵抗は、デバイスのサイズ以外の条件(例えば、基板処理装置に搬入される前に基板に対して行われた処理の種類)に基づいて設定されてもよい。また、処理液よりも比抵抗が大きい除電液により除電処理が行われるのであれば、必ずしも、除電液の比抵抗を目標比抵抗に維持する必要はない。この場合、比抵抗設定部81は省略されてよい。
【0062】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0063】
2 基板保持部
3 処理液供給部
7,7a 除電液接液部
8 制御部
9 基板
10,10a,10b 基板処理装置
71,71a 除電液貯溜部
81 比抵抗設定部
91 上面
92 下面
95 除電液
725 除電液ノズル
761 下面接液部
S11〜S21,S31〜S35 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
基板を保持する基板保持部と、
前記基板の一方の主面である第1主面上に処理液を供給する処理液供給部と、
前記基板の前記第1主面および他方の主面である第2主面を、前記処理液よりも比抵抗が大きい除電液に接触させる除電液接液部と、
前記処理液供給部および前記除電液接液部を制御することにより、前記基板の前記第1主面および前記第2主面を全面に亘って前記除電液に接触させて接液状態を維持した後、前記処理液を前記基板の前記主面上に供給して所定の処理を行う制御部と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記第1主面に接触する前記除電液と前記第2主面に接触する前記除電液とが前記基板上において連続していることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記除電液接液部が、前記除電液を貯溜する除電液貯溜部を備え、
前記基板が、前記除電液貯溜部に貯溜された前記除電液に浸漬されることにより、前記第1主面および前記第2主面が前記除電液に接触することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記除電液貯溜部に貯溜された前記除電液に、それぞれの主面の法線方向が水平方向を向くように配列された複数の基板が浸漬されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記除電液接液部が、
前記第1主面を上側に向けた状態で前記基板保持部に保持された前記基板の前記第1主面上に前記除電液を供給して前記第1主面全体を前記除電液にてパドルする第1除電液接液部と、
前記基板の前記第2主面に対向し、前記除電液を前記第2主面に向けて吐出して前記第2主面全体の前記除電液との接触状態を維持する第2除電液接液部と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記処理液が、加熱された硫酸と過酸化水素水とを混合したSPM液であり、前記所定の処理がSPM処理であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記除電液の目標比抵抗を設定する比抵抗設定部をさらに備え、
前記除電液が、イオンを含む液体または純水であり、
前記制御部による制御により、前記除電液におけるイオン濃度を制御して前記除電液の比抵抗を前記目標比抵抗に維持しつつ、前記基板の前記第1主面および前記第2主面の前記除電液との接触が行われることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置であって、
前記比抵抗設定部において、前記基板上に予め形成されているデバイスのサイズが小さいほど、大きな目標比抵抗が設定されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の基板処理装置であって、
前記イオンを含む液体が、純水に二酸化炭素を溶解させたものであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
基板を処理する基板処理方法であって、
a)基板の両側の主面を全面に亘って除電液に接触させて接液状態を維持する工程と、
b)前記a)工程よりも後に、前記除電液よりも比抵抗が小さい処理液を前記基板の一方の主面上に供給して所定の処理を行う工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−77625(P2013−77625A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215259(P2011−215259)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】