説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】複数の基板に超臨界流体を効果的に噴射する基板処理装置及び基板処理方法が提供される。
【解決手段】本発明の実施形態による基板処理装置は、処理が遂行される空間を提供するハウジング4100と、ハウジング4100の内部に互いに上下方向に離隔されて配置され、各々複数の基板Sの縁を支持する複数の支持部材4320と、を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置及び基板処理方法に関し、より詳細には、超臨界処理を遂行する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子は、フォトリソグラフィー工程(photolithography)を含む多様な工程を通じて、基板の上に回路パタ−ンを形成して製造される。このような製造工程の中では、パーティクル(particle)、有機汚染物、金属不純物等の異物質が発生され、これらの異物質は基板に欠陥を誘発し、半導体素子の収率に直接的な影響を及ぼす要因として作用する。したがって、半導体製造工程においては、基板から異物質を除去するための洗浄工程が必須である。
【0003】
一般的に洗浄工程は、洗浄剤で基板上の異物質を除去し、純水(DI−water:deionized water)で基板を洗浄した後、表面張力が小さいイソプロパノールアルコール(IPA:isopropyl alcohol)のような有機溶剤で純水を置換した後、これを蒸発させて基板を乾燥させる順序で進行される。しかし、このような既存の乾燥方式は、回路パターンが微細な半導体素子の場合にその乾燥効率が低いのみならず、乾燥処理の過程において、有機溶媒の比較的小さな表面張力によっても回路パターンが損傷される倒壊現象(pattern collapse)が頻繁に発生する問題を有している。
【0004】
これによって、線幅30nm以下の半導体素子に対しては、超臨界流体を利用して基板を乾燥させる超臨界乾燥処理(supercritical drying process)が、次第に既存の乾燥処理を代替するようになってきている。超臨界流体とは、臨界温度及び臨界圧力以上において、気体と液体との性質を同時に有する流体であり、拡散力と浸透力とに優れ、溶解力が高く、表面張力がほとんど無いので、基板の乾燥に非常に有用に使用され得る。
【0005】
しかし、このような超臨界乾燥処理を遂行するための処理チャンバーは、高圧の超臨界状態を維持するために、そのフットプリント(foot print)が増加し、基板処理効率(substrate throughput)が低下するという問題を有している。しがたって、最近では処理効率を向上させるための処理チャンバーの構造に関する研究が活発に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開第10−2004−0058207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、同時に複数の基板を処理できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することである。
【0008】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、複数の基板に超臨界流体を効果的に噴射する基板処理装置及び基板処理方法を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されるものではなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は基板処理装置を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態による基板処理装置は、処理が遂行される空間を提供するハウジングと、前記ハウジングの内部に互いに上下方向に離隔されて配置され、各々複数の基板の縁を支持する複数の支持部材と、を包含する。
【0012】
前記基板処理装置は、側面から見た場合、処理流体を噴射する一端が互いに隣接する基板の間に位置するノズル部材をさらに包含できる。
【0013】
前記ノズル部材は、上部から見た場合、前記一端が前記基板の中央部に位置することができる。
【0014】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面に向かって前記処理流体を噴射するように提供され得る。
【0015】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面と上方の基板の下面とに向かって前記処理流体を同時に噴射するように提供され得る。
【0016】
前記ノズル部材は、鉛直方向に対して傾くように放射状に前記処理流体を噴射するように提供され得る。
【0017】
前記ノズル部材は、上部から見た場合、前記一端が前記基板の縁領域又は外側に位置し、前記基板に平行な方向に前記処理流体を噴射するように提供され得る。
【0018】
前記基板処理装置は、前記ハウジングの下部壁に形成され、前記処理流体を噴射する下部供給ポートをさらに包含できる。
【0019】
前記基板処理装置は、前記ハウジングの上部壁に形成され、前記処理流体を噴射する上部供給ポートをさらに包含できる。
【0020】
前記基板処理装置は、前記下部供給ポートが前記処理流体を供給した後、前記処理チャンバーの内部圧力が予め設定された圧力に到達した場合、前記ノズル部材が前記処理流体の噴射を開始するように制御する制御器をさらに包含できる。
【0021】
前記基板処理装置は、前記ハウジングの上部壁から下方向に延長される支持バーをさらに包含し、前記複数の支持部材は、前記支持バーに一定の間隔をおいて連設され得る。
【0022】
前記ハウジングは、上部ハウジング及び前記上部ハウジングの下部に配置される下部ハウジングを含み、前記基板処理装置は、前記上部ハウジング又は前記下部ハウジングの中でいずれか1つを昇降させて前記ハウジングを開閉する昇降部材をさらに包含できる。
【0023】
前記処理流体は、超臨界流体であり得る。
【0024】
本発明の他の実施形態による基板処理装置は、処理が遂行される空間を提供するハウジングと、第1基板の縁を支持する第1支持部材と、第2基板の縁を支持する第2支持部材と、前記ハウジングの上部壁に形成され、前記第2基板の上面に向かって超臨界流体を噴射する上部供給ポートと、を包含する。
【0025】
前記基板処理装置は、側面から見た場合、前記超臨界流体を噴射する一端が前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に位置するノズル部材をさらに包含できる。
【0026】
前記ノズル部材は、前記第1基板の上面に向かって前記超臨界流体を噴射することができる。
【0027】
前記ノズル部材は、前記第1基板と前記第2基板との間の空間に前記超臨界流体を噴射することができる。
【0028】
前記ハウジングの上部壁から下に延長される支持バーと、をさらに包含し、前記第1支持部材は、前記支持バーの下端で水平方向に延長され、前記第2支持部材は、前記支持バーの中間で水平方向に延長され得る。
【0029】
本発明は基板処理方法を提供する。
【0030】
本発明の一実施形態による基板処理方法は、処理が遂行される空間を提供するハウジングの内部に互いに上下方向に離隔されて配置される複数の支持部材が、複数の基板の縁を支持する段階と、側面から見た場合、互いに隣接する基板の間に一端が位置するノズル部材が、処理流体を噴射して同時に前記複数の基板を処理する段階と、を含む。
【0031】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面に前記処理流体を噴射して前記下方の基板の上面を処理できる。
【0032】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の間の空間へ前記超臨界流体を噴射して上方の基板の下面と下方の基板の上面とを同時に処理できる。
【0033】
前記ハウジングは、上部ハウジング及び前記上部ハウジングの下部に配置される下部ハウジングを含み、前記基板処理方法は、前記上部ハウジング又は前記下部ハウジングの中でいずれか1つを昇降させて前記ハウジングを開閉する段階と、前記ハウジングが開放された状態で前記基板の搬出及び搬入が遂行される段階と、前記ハウジングが密閉された状態で前記処理が遂行される段階と、をさらに含む。
【0034】
前記処理流体は、超臨界流体であり得る。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、1つの処理チャンバーで同時に複数の基板を処理できる。
【0036】
本発明によれば、ノズル部材が上下に離隔されて支持される複数の基板の間に配置されて超臨界流体を噴射するので、複数の基板に超臨界流体が効果的に伝達され、これによって処理効率が向上する。
【0037】
本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】二酸化炭素の相変化に関するグラフである。
【図2】実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図3】図2の第1処理チャンバーの断面図である。
【図4】図2の第2処理チャンバーの一実施形態の断面図である。
【図5】図2の第2処理チャンバーの一実施形態の断面図である。
【図6】図2の第2処理チャンバーの他の実施形態の断面図である。
【図7】図4及び図5のノズル部材の一端の形状を示した図面である。
【図8】図4及び図5のノズル部材の一端の形状を示した図面である。
【図9】図7のノズル部材が超臨界流体を噴射する様子を示した図面である。
【図10】図4及び図5のノズル部材の変形例に関する図面である。
【図11】一実施形態に係る基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図12】他の実施形態に係る基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図13】図12の基板処理方法の動作を示す図である。
【図14】図12の基板処理方法の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書で使用される用語と添付された図面は、本発明を容易に説明するためのものであり、本発明が用語と図面とによって限定されるものではない。
【0040】
本発明に利用される技術の中で、本発明の思想と密接な関連がない公知の技術に関する詳細な説明は省略する。
【0041】
以下では、本発明の実施形態による基板処理装置100に関して説明する。
【0042】
基板処理装置100は、超臨界流体を処理流体として利用して基板Sを処理する超臨界処理を遂行できる。
【0043】
ここで、基板Sは、半導体素子や平板ディスプレイ(FPD:flat panel display)及びその他に薄膜に回路パターンが形成された物の製造に利用される基板を全て含む包括的な概念である。このような基板Sの例としては、シリコンウエハーを含む多様なウエハー、ガラス基板、有機基板等がある。
【0044】
超臨界流体とは、臨界温度と臨界圧力とを超過した超臨界状態に到達し、気体と液体との性質を同時に有する相(phase)を意味する。超臨界流体は、分子密度が液体に近く、粘性度が気体に近い性質を有し、これによって、拡散力、浸透力、溶解力が非常に優れ、化学反応に有利であり、表面張力がほとんど無いので、微細構造に界面張力を加えないという特性を有する。
【0045】
超臨界処理はこのような超臨界流体の特性を利用して遂行され、その代表的な例としては、超臨界乾燥処理と超臨界蝕刻処理とがある。以下では、超臨界処理に関して超臨界乾燥処理を例にとって説明する。但し、これは説明を容易にするためのものに過ぎず、基板処理装置100は超臨界乾燥処理以外の他の超臨界処理も遂行できる。
【0046】
超臨界乾燥処理は、超臨界流体で基板Sの回路パターンに残留する有機溶剤を溶解して基板Sを乾燥させる方式として遂行され、乾燥効率が優れるだけでなく、倒壊現象を防止できる長所がある。超臨界乾燥処理に利用される超臨界流体としては、有機溶剤との混和性がある物質を使用することができる。例えば、超臨界二酸化炭素(scCO2:supercritical carbon dioxide)が超臨界流体として使用され得る。
【0047】
図1は、二酸化炭素の相変化に関するグラフである。
【0048】
二酸化炭素は、臨界温度が31.1℃であり、臨界圧力が7.38Mpaと比較的低いので、超臨界状態に変化させやすく、温度と圧力とを調節して相変化を制御することが容易であり、価格が低廉という長所がある。また、二酸化炭素は毒性が無いので、人体に無害であり、不燃性、非活性の特性を有する。また、超臨界二酸化炭素は水やその他の有機溶剤に比べて10〜100倍ほど拡散係数(diffusion coefficient)が高く、浸透が速く、また有機溶剤の置換が速く、表面張力がほとんどない。したがって、二酸化炭素は、微細な回路パタ−ンを有する基板Sの乾燥に利用するために有利な物性を有する。さらに、二酸化炭素は、多様な化学反応の副産物として生成されたものを再活用できると同時に、超臨界乾燥処理に使用した後、これを気体に転換させて有機溶剤を分離して再使用することができるので、環境汚染の面でも環境に与える負担が少ない。
【0049】
以下では、本発明の実施形態による基板処理装置100に関して説明する。本発明の実施形態による基板処理装置100は、超臨界乾燥処理を含む洗浄工程を遂行できる。
【0050】
図2は、実施形態に係る基板処理装置100の平面図である。
【0051】
図2を参照すれば、基板処理装置100は、インデックスモジュール1000及び処理モジュール2000を含む。
【0052】
インデックスモジュール1000は、外部から基板Sが搬送された後、処理モジュール2000へ基板Sを搬送し、処理モジュール2000は、超臨界乾燥処理を遂行する。
【0053】
インデックスモジュール1000は、設備前方端部モジュール(EFEM:equipment front end module)で、ロードポート1100及び移送フレーム1200を含む。
【0054】
ロードポート1100には、基板Sが収容される容器Cが配置される。容器Cには、前面開放一体形ポッド(FOUP:front opening unified pod)が使用され得る。容器Cは、オーバーヘッドトランスファー(OHT:overhead transfer)によって外部からロードポート1100へ搬入され、或いはロードポート1100から外部へ搬出され得る。
【0055】
移送フレーム1200は、ロードポート1100に配置される容器Cと、処理モジュール2000との間に、基板Sを搬送する。移送フレーム1200は、インデックスロボット1210及びインデックスレール1220を含む。インデックスロボット1210は、インデックスレール1220の上で移動し、基板Sを搬送することができる。
【0056】
処理モジュール2000は、実際に処理を遂行するモジュールとして、バッファチャンバー2100、移送チャンバー2200、第1処理チャンバー3000、及び第2処理チャンバー4000を含む。
【0057】
バッファチャンバー2100は、インデックスモジュール1000と処理モジュール2000との間に搬送される基板Sが一時的に留まる空間を提供する。バッファチャンバー2100には、基板Sが置かれるバッファスロット(図示せず)が提供され得る。例えば、インデックスロボット1210は、基板Sを容器Cから引き出してバッファスロットに置くことができ、移送チャンバー2200の移送ロボット2210は、バッファスロットに置かれた基板Sを引き出して、これを第1処理チャンバー3000や第2処理チャンバー4000へ搬送することができる。バッファチャンバー2100には、複数のバッファスロットが提供されて複数の基板Sが置かれ得る。
【0058】
移送チャンバー2200は、その周囲に配置されたバッファチャンバー2100、第1処理チャンバー3000、及び第2処理チャンバー4000の間に基板Sを搬送する。移送チャンバー2200は、移送ロボット2210及び移送レール2220を包含できる。移送ロボット2210は、移送レール2220の上で移動し、基板Sを搬送することができる。
【0059】
第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000とは、洗浄工程を遂行できる。この時、洗浄工程は、第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000とで順次的に遂行できる。例えば、第1処理チャンバー3000では、洗浄工程の中でケミカル処理、リンス処理、及び有機溶剤処理が遂行され、続いて第2処理チャンバー4000では、超臨界乾燥処理が遂行されてもよい。
【0060】
第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000とは、移送チャンバー2200の側面に配置される。例えば、第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000とは、移送チャンバー2200の側面に互いに対向するように配置されてもよい。
【0061】
また、処理モジュール2000には、第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000とが複数提供され得る。複数の処理チャンバー3000、4000は、移送チャンバー2200の側面に一列に配置されるか、又は鉛直方向に積層されて配置されるか、又はこれらの組み合わせによって配置され得る。
【0062】
勿論、第1処理チャンバー3000と第2処理チャンバー4000との配置は、上述した例に限定されず、基板処理装置100のフットプリントや処理効率のような多様な要素を考慮して適切に変更できる。
【0063】
以下では、第1処理チャンバー3000に関して説明する。
【0064】
図3は、図2の第1処理チャンバー3000の断面図である。
【0065】
第1処理チャンバー3000は、ケミカル処理、リンス処理、及び有機溶剤処理を遂行できる。勿論、第1処理チャンバー3000は、これら処理の中で一部の処理のみを選択的に遂行できる。ケミカル処理は、基板Sへ洗浄剤を提供して基板S上の異物質を除去する処理である。リンス処理は、基板へリンス剤を提供して基板S上に残留する洗浄剤を洗浄する処理である。有機溶剤処理は、基板Sへ有機溶剤を提供して基板Sの回路パターンの間に残留するリンス剤を表面張力が低い有機溶剤で置換する処理である。
【0066】
図3を参照すれば、第1処理チャンバー3000は、支持部材3100、ノズル部材3200及び回収部材3300を含む。
【0067】
支持部材3100は、基板Sを支持し、支持された基板Sを回転させ得る。支持部材3100は、支持プレート3110、支持ピン3111、チャッキングピン3112、回転軸3120、及び回転駆動器3130を包含できる。
【0068】
支持プレート3110は、基板Sと同一又は類似な形状の上面を有し、支持プレート3110の上面には、支持ピン3111とチャッキングピン3112とが形成される。支持ピン3111は、基板Sを支持し、チャッキングピン3112は、支持された基板Sを固定することができる。
【0069】
支持プレート3110の下部には、回転軸3120が連結される。回転軸3120は、回転駆動器3130から回転力が伝達されて、支持プレート3110を回転させる。これによって、支持プレート3110に安着された基板Sが回転することができる。この時、チャッキングピン3112は、基板Sが正位置を離脱することを防止することができる。
【0070】
ノズル部材3200は、基板Sへ薬剤を噴射する。ノズル部材3200は、ノズル3210、ノズルバー3220、ノズル軸3230、及びノズル軸駆動器3240を含む。
【0071】
ノズル3210は、支持プレート3110に安着された基板Sへ薬剤を噴射する。薬剤は、洗浄剤、リンス剤、又は有機溶剤であり得る。ここで、洗浄剤としては、過酸化水素H2O2溶液や過酸化水素溶液にアンモニアNH4OH、塩酸HCl又は硫酸H2SO4を混合した溶液又はブッ酸HF溶液等が使用され得る。また、リンス剤としては、純水が使用され得る。又、有機溶剤としては、イソプロパノールアルコールを含むエチルグリコール(ethyl glycol)、1−プロパノール(propanol)、テトラハイドロリックフラン(tetra hydraulic franc)、4−ヒドロキシル(hydroxyl)、4−メチル(methyl)、2−ペンタノン(pentanone)、1−ブタノール(butanol)、2−ブタノール、メタノール(methanol)、エタノール(ethanol)、n−プロピルアルコール(n−propyl alcohol)、ジメチルエチル(dimethylether)の溶液やガスが使用され得る。
【0072】
このようなノズル3210は、ノズルバー3220の一端の底面に形成される。ノズルバー3220は、ノズル軸3230に結合され、ノズル軸3230は昇降又は回転できるように提供される。ノズル軸駆動器3240は、ノズル軸3230を昇降又は回転させてノズル3210の位置を調節することができる。
【0073】
回収部材3300は、基板Sへ供給された薬剤を回収する。ノズル部材3200によって基板Sへ薬剤が供給されると、支持部材3100は、基板Sを回転させて基板Sの全領域に薬剤が均一に供給されるようにする。基板Sが回転すると、基板Sから薬剤が飛散するが、飛散した薬剤は回収部材3300によって回収され得る。
【0074】
回収部材3300は、回収筒3310、回収ライン3320、昇降バー3330、及び昇降駆動器3340を包含できる。
【0075】
回収筒3310は、支持プレート3110を囲む環形リング形状に提供される。回収筒3310は、複数であり、複数の回収筒3310は上部から見た場合、順に支持プレート3110から遠くなるリング形状に提供され、支持プレート3110から遠い距離にある回収筒3310ほど、その高さが高くなるように提供される。これによって回収筒3310の間の空間に、基板Sから飛散した薬剤が流入する回収口3311が形成される。
【0076】
回収筒3310の下面には、回収ライン3320が形成される。回収ライン3320は、回収筒3310で回収された薬剤を、薬剤再生システム(図示せず)へ供給する。
【0077】
昇降バー3330は、回収筒3310に連結され、昇降駆動器3340から動力が伝達されて回収筒3310を上下へ移動させる。昇降バー3330は、回収筒3310が複数である場合、最外殻に配置された回収筒3310に連結され得る。昇降駆動器3340は、昇降バー3330を通じて回収筒3310を昇降させて複数の回収口3311の中で飛散した薬剤が流入する回収口3311を調節することができる。
【0078】
以下では、第2処理チャンバー4000に関して説明する。
【0079】
第2処理チャンバー4000は、超臨界流体を利用して超臨界乾燥処理を遂行できる。勿論、上述したように、第2処理チャンバー4000で遂行される処理は、超臨界乾燥処理以外の他の超臨界処理でもよい。さらに、第2処理チャンバー4000は、超臨界流体の代わりに、他の処理流体を利用して処理を遂行してもよい。
【0080】
このような第2処理チャンバー4000は、上述したように、移送チャンバー2200の一側面に配置され得る。第2処理チャンバー4000が複数である場合には、移送チャンバー2200の一側面に一列に配置されるか、或いは上下に積層されて配置されるか、又はこれらの組み合わせによって配置され得る。基板処理装置100では、ロードポート1100、移送フレーム1200、バッファチャンバー2100、移送チャンバー2200が順次的に配置され、第2処理チャンバー4000はこれと同一な方向に移送チャンバー2200の一側面に一列に配置され得る。
【0081】
以下では、第2処理チャンバー4000の一実施形態に関して説明する。
【0082】
図4及び図5は、図2の第2処理チャンバーの一実施形態の断面図である。
【0083】
図4及び図5を参照すれば、第2処理チャンバー4000は、ハウジング4100、昇降部材4200、支持ユニット4300、加熱部材4400、供給ポート4500、及び排気ポート4600を包含できる。
【0084】
ハウジング4100は、超臨界乾燥処理が遂行される空間を提供する。ハウジング4100は、臨界圧力以上の高圧に耐えられる材質で形成される。
【0085】
ハウジング4100は、上部ハウジング4110と上部ハウジング4110の下部に配置される下部ハウジング4120とを具備することができる。
【0086】
上部ハウジング4110は固定されて設置され、下部ハウジング4120は昇降することができる。下部ハウジング4120が下降して上部ハウジング4110から離隔されると、第2処理チャンバー4000の内部空間が開放され、基板Sが第2処理チャンバー4000の内部空間へ搬入され、或いは内部空間から搬出され得る。ここで、第2処理チャンバー4000へ搬入される基板Sは、第1処理チャンバー3000での有機溶剤処理を経て有機溶剤が残留した状態であり得る。また、下部ハウジング4120が上昇して上部ハウジング4110に密着することにより、第2処理チャンバー4000の内部空間が密閉され、その内部で超臨界乾燥処理が遂行できる。勿論、上述した例と異なり、ハウジング4100において、下部ハウジング4120が固定されて設置され、上部ハウジング4110が昇降される構造でも提供され得る。
【0087】
昇降部材4200は、下部ハウジング4120を昇降させる。昇降部材4200は昇降シリンダー4210及び昇降ロード4220を包含できる。昇降シリンダー4210は下部ハウジング4120に結合されて上下方向の駆動力、即ち昇降力を発生させる。昇降シリンダー4210は、超臨界乾燥処理が遂行される間に第2処理チャンバー4000の内部の臨界圧力以上の高圧に耐え、上部ハウジング4110と下部ハウジング4120とを密着させて第2処理チャンバー4000を密閉させ得る程度の駆動力を発生させる。昇降ロード4220は、その一端が昇降シリンダー4210へ挿入されて垂直上方に延長され、他端が上部ハウジング4110に結合される。このような構造によって、昇降シリンダー4210において駆動力が発生することにより、昇降シリンダー4210と昇降ロード4220とが相対的に昇降され、昇降シリンダー4210に結合された下部ハウジング4120が昇降され得る。また、昇降シリンダー4210によって下部ハウジング4120が昇降する間に、昇降ロード4220は、上部ハウジング4110と下部ハウジング4120とが水平方向に動くことを防止し、昇降方向を案内する。これにより、上部ハウジング4110と下部ハウジング4120とが互いに正位置から離脱することを防止することができる。
【0088】
支持ユニット4300は、ハウジング4100の内部に複数の基板Sを支持する。支持ユニット4300は、支持バー4310及び複数の支持部材4320を包含できる。
【0089】
支持バー4310は、ハウジング4100の上部壁、即ち上部ハウジング4110の下面から下方向に延長され得る。支持バー4310は、水平方向に離隔される一対のバー(bar)又は二対のバーで提供され得る。
【0090】
支持部材4320は、支持バー4310に一定の間隔をおいて連設される。支持部材4320は、支持バー4310から水平方向に延長されるように提供され得る。例えば、第1支持部材4320aは、支持バー4310の中間で水平方向に延長され、第2支持部材4320bは、支持バー4310の下端で水平方向に延長され得る。支持バー4310が互いに離隔された二対で提供される場合には、各支持バー4310で延長される支持部材4320は互いに対向して延長される。
【0091】
但し、支持部材4320の数は、上述した例に限定されず、必要によって増減され得る。
【0092】
支持部材4320は、基板Sの縁を支持することができる。一対の支持バー4310の間隔は、基板Sの幅より大きく提供される。支持部材4320は、支持バー4310から対をなす支持バー4310が互いに対向する側に延長され得る。これによって、支持部材4320は、基板Sの縁を支持し、基板Sの上面及び下面が全てハウジング4100の内部空間に露出され、超臨界流体によって乾燥され得る。ここで、基板Sはその上面がパターン面であり、下面が非パターン面であり得る。
【0093】
このように、支持ユニット4300が複数の基板Sをハウジング4100の内で支持することにより、第2処理チャンバー4000が同時に複数の基板Sに対して超臨界乾燥処理を遂行できる。
【0094】
また、支持ユニット4300は、固定設置される上部ハウジング4110に設置されるので、下部ハウジング4120が昇降する間に比較的安定的に基板Sを支持することができる。
【0095】
支持ユニット4300が設置される上部ハウジング4110には、水平調整部材4111が設置され得る。水平調整部材4111は、上部ハウジング4110の水平度を調整する。上部ハウジング4110の水平度が調整されると、それにしたがって、上部ハウジング4110に設置された支持ユニット4300に安着された基板Sの水平が調節され得る。超臨界乾燥処理において基板Sが傾いた場合、基板Sに残留する有機溶剤が傾斜面に沿って流れ、基板Sの特定部分が乾燥されないか、或いは過乾燥されて基板Sが損傷され得る。水平調整部材4111は、基板Sの水平を合わせてこのような問題点を防止することができる。勿論、上部ハウジング4110が昇降され、下部ハウジング4120が固定されて設置されるか、或いは支持ユニット4300が下部ハウジング4120に設置される場合には、水平調整部材4111は下部ハウジング4120に設置されることもあり得る。
【0096】
加熱部材4400は、第2処理チャンバー4000の内部を加熱する。加熱部材4400は、第2処理チャンバー4000の内部に供給された超臨界流体を臨界温度以上に加熱して超臨界流体の状態に維持し、又は液化された場合に再び超臨界流体になるようにする。加熱部材4400は、上部ハウジング4110及び下部ハウジング4120の中で少なくとも1つの壁内に埋め込まれて設置され得る。加熱部材4400としては、例えば、外部から電源が提供されて熱を発生させるヒーターが提供され得る。
【0097】
供給ポート4500は、第2処理チャンバー4000へ超臨界流体を供給する。供給ポート4500は、超臨界流体を供給する供給ライン4550に連結され得る。この時、供給ポート4500には、供給ライン4550から供給される超臨界流体の流量を調節するバルブ(図示せず)が設置され得る。
【0098】
供給ポート4500は、上部供給ポート4510、下部供給ポート4520、及びノズル部材4530を包含できる。
【0099】
上部供給ポート4510は、上部ハウジング4110に形成され、支持ユニット4300によって支持される基板Sの中で最も上方の基板Sの上面に超臨界流体を供給する。下部供給ポート4520は、下部ハウジング4120に形成され、支持ユニット4300によって支持される基板Sの中で最も下方の基板Sの下面に超臨界流体を供給する。
【0100】
上部供給ポート4510と下部供給ポート4520とは、基板Sの中央領域に超臨界流体を噴射することができる。例えば、上部供給ポート4510は、支持ユニット4300によって支持される基板Sの中央から鉛直上方に位置することができる。また、下部供給ポート4520は、支持ユニット4300によって支持される基板Sの中央から鉛直下方に位置することができる。これによって、上部供給ポート4510及び下部供給ポート4520に噴射される超臨界流体が、基板Sの中央領域に到達して縁領域へ拡散しながら、基板Sを乾燥させ得る。
【0101】
ノズル部材4530は、超臨界流体を噴射する一端が、側面から見た場合、互いに隣接する支持部材4320の間、即ち互いに隣接する基板Sの間に位置することができる。ノズル部材4530は、複数の支持部材4320の間ごとに1つずつ提供され得る。ノズル部材4530は、ハウジング4100の上部壁、即ち上部ハウジング4110から下方向に延長され、その下端が、支持バー4310に連設された複数の支持部材4320の中間の高さにおいて水平方向に折曲されて基板Sの中央部まで延長され得る。これによって、ノズル部材4530の一端は、側面から見た場合には、互いに隣接する基板Sの間に位置し、上面から見た場合には、基板Sの中央部に位置する。
【0102】
ノズル部材4530は、その一端が、互いに隣接する基板Sの間において、下方の基板Sの上面に超臨界流体を噴射することができる。基板Sは、その上面がパターン面になるように支持ユニット4300に収容されるので、基板Sの上面の乾燥が重要である。第1支持部材4320aに安着された基板Sの上面は、上部供給ポート4510によって超臨界流体が提供される。第2支持部材4320bに安着された基板Sの上面は、ノズル部材4530によって超臨界流体が提供される。したがって、同時に複数の基板Sに対する超臨界乾燥処理が遂行できる。
【0103】
一方、上部供給ポート4510、下部供給ポート4520、及びノズル部材4530において、先ず下部供給ポート4520が超臨界流体を供給し、続いて上部供給ポート4510及びノズル部材4530が超臨界流体を供給することができる。超臨界乾燥処理は、初期においては第2処理チャンバー4000の内部が臨界圧力に到達していない状態で進行されるので、第2処理チャンバー4000の内部へ供給される超臨界流体は液化され得る。したがって、超臨界乾燥処理の初期に、上部供給ポート4510やノズル部材4530に超臨界流体が供給される場合には、超臨界流体が液化され、重力によって基板Sへ落下して基板Sを損傷させ得る。したがって、下部供給ポート4520を通じて第2処理チャンバー4000へ超臨界流体が供給され、第2処理チャンバー4000の内部圧力が臨界圧力に到達した後で、上部供給ポート4510とノズル部材4530とが超臨界流体の供給を開始する。これにより、供給される超臨界流体が液化されて基板Sへ落下することを防止できる。
【0104】
排気ポート4600は、第2処理チャンバー4000から超臨界流体を排気する。排気ポート4600は、超臨界流体を排気する排気ライン4650に連結され得る。この時、排気ポート4600には、排気ライン4650へ排気する超臨界流体の流量を調節するバルブ(図示せず)が設置され得る。排気ライン4650を通じて排気される超臨界流体は、大気の中へ放出されるか、又は超臨界流体再生システム(図示せず)へ供給され得る。
【0105】
排気ポート4600は、下部ハウジング4120に形成され得る。超臨界乾燥処理の後期には、第2処理チャンバー4000から超臨界流体が排気され、その内部圧力が臨界圧力以下に降圧されるため、超臨界流体が液化され得る。液化された超臨界流体は、重力によって落下し、下部ハウジング4120に形成された排気ポート4600を通じて排出され得る。
【0106】
以上では、同時に2枚の基板Sを支持し、処理する第2処理チャンバー4000を例にとって説明したが、第2処理チャンバー4000が処理できる基板Sの数は、上述した例に限定されない。
【0107】
また、上述した第2処理チャンバー4000の構成要素の中で、上部供給ポート4510及び下部供給ポート4520は選択的な構成要素である。例えば、第2処理チャンバー4000には、上部供給ポート4510及び下部供給ポート4520の中でいずれか1つ又は全てが提供されないことがある。第2処理チャンバー4000において上部供給ポート4510が省略される場合には、最上部の支持部材4320とハウジング4100の上部壁との間に、ノズル部材4530が追加で提供され得る。このようなノズル部材4530は、省略された上部供給ポート4510の代わりに、最上部の支持部材4320に安着された基板Sの上面へ、超臨界流体を供給することができる。
【0108】
また、上述した第2処理チャンバー4000では、支持ユニット4300が支持バー4310と支持部材4320とを具備することを説明したが、支持ユニット4300はこれとは異なる形態においても提供され得る。例えば、支持ユニット4300は、バッファチャンバー2100のバッファスロットと類似な形態としても提供され得る。具体的には、支持ユニット4300は、ハウジング4100の側壁から水平方向に延長される一対のプレートとして提供され得る。一対のプレートは、基板Sの両側縁を支持することができる。また、スロット形態の支持ユニット4300は、ハウジング4100の側壁に上下方向に複数個提供され得る。複数のスロット形態の支持ユニット4300は、複数の基板Sを支持することができる。
【0109】
図6は、図2の第2処理チャンバーの他の実施形態の断面図である。
【0110】
図6を参照すれば、支持バー4310には、上下方向に各々基板Sを支持する3つの支持部材4320a、4320b、4320cが提供され得る。また、ノズル部材4530は、第1支持部材4320a及び第2支持部材4320bの間に配置される第1ノズル部材4530aと、第2支持部材4320b及び第3支持部材4320cの間に配置される第2ノズル部材4530bとを包含できる。これによって、上部供給ポート4510、第1ノズル部材4530a、第2ノズル部材4530bが、各々の基板Sの上面へ超臨界流体を噴射することができる。このような第2処理チャンバー4000は、同時に3枚の基板を処理できる。
【0111】
以上では、ノズル部材4530がその下に位置する基板Sの上面に超臨界流体を噴射することを説明したが、ノズル部材4530が噴射する方向及び形態はこれに限定されない。
【0112】
ノズル部材4530は、その下に位置する基板Sの上面に垂直な方向に超臨界流体を噴射する代わりに、放射状に噴射することができる。
【0113】
図7及び図8は、図4及び図5のノズル部材の一端の形状を示した図面であり、図9は、図7のノズル部材が超臨界流体を噴射する様子を示した図面である。
【0114】
図7を参照すれば、ノズル部材4530の一端には、ノズル部材4530の中央を貫通して超臨界流体が移動する中空4531からノズル部材4530の外側方向に案内される微細ホール4532aが形成され得る。超臨界流体は、ノズル部材4530において中空4531に沿って移動し、一端で微細ホール4532aを通じて吐出され得る。微細ホール4532aは、ノズル部材4530の中央部から放射状に広がる形状を有するので、超臨界流体は鉛直下方に噴射される代わりに、鉛直方向に対して傾くように噴射され得る。したがって、図9に図示されたように、超臨界流体は、水平成分の速度を有するので、基板Sの中央部から基板Sの縁領域へ迅速に拡散し、基板Sの全領域に均一に提供され得る。
【0115】
図8を参照すれば、ノズル部材4530の一端に、放射状に形成された微細ホール4532aの代わりに、スクリュー(screw)タイプに形成された微細ホール4532bが形成され得る。このような微細ホール4532bは、超臨界流体に回転力を加えるので、再び図9に図示されたように、超臨界流体は回転力を有して噴射され、基板Sの全領域に均一に提供され得る。
【0116】
また、ノズル部材4530は、必ずしもその下方にある基板Sの上面に超臨界流体を噴射しなければならないわけではない。例えば、ノズル部材4530は、その上方にある基板Sの下面に向かって超臨界流体を噴射するか、又は下方の基板Sの上面と上方の基板Sの下面の両方に同時に超臨界流体を噴射することもあり得る。
【0117】
一方、このようなノズル部材4530は、その一端が基板Sの中央部に位置しないこともあり得る。
【0118】
図10は、図4及び図5のノズル部材の変形例に関する図面である。
【0119】
図10を参照すれば、ノズル部材4530の一端は、上部から見た場合、基板Sの縁領域又は外側に位置することができる。このようなノズル部材4530は、互いに隣接する基板Sの間の空間に超臨界流体を噴射することができる。この時、ノズル部材4530は、超臨界流体を基板Sの上面と下面とに同時に噴射することができる。基板Sの縁領域や外側で、このように超臨界流体を噴射することにより、その超臨界流体は、流体の水平方向速度成分によって基板Sの縁から中央を経て反対側の縁に移動しながら、基板Sの全領域に提供される。また、ノズル部材4530の上方の基板Sの下面と下方の基板Sの上面とに、同時に超臨界流体が提供される。
【0120】
以上では、本発明による基板処理装置100が基板Sへ超臨界流体を供給して基板を処理することを説明したが、本発明による基板処理装置100は、必ずしもこのような超臨界処理を遂行することに限定されるものではない。したがって、基板処理装置100の第2処理チャンバー4000は、供給ポート4500に、超臨界流体の代わりに他の処理流体を供給して基板Sを処理することもあり得る。このような場合には、処理流体として、超臨界流体の代わりに有機溶剤やその他の多様な成分のガス、プラズマガス、不活性ガス等が使用され得る。
【0121】
また、基板処理装置100は、その構成要素を制御する制御器(図示せず)をさらに包含できる。例えば、制御器は、加熱部材4400を制御してハウジング4100の内部温度を調節することができる。他の例を挙げれば、制御器は、供給ライン4550や排気ライン4650に設置されたバルブを制御して、薬剤や超臨界流体の流量を調節することができる。又、他の例を挙げれば、制御器は、上部供給ポート4510と下部供給ポート4520との中で、いずれか1つが先ず超臨界流体の供給を開始した後、第2処理チャンバー4000の内部圧力が予め設定された圧力に到達した場合に他の1つが超臨界流体の供給を開始するように制御することもあり得る。
【0122】
このような制御器は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを利用してコンピューター又はこれと類似な装置で具現され得る。
【0123】
ハードウェアとして、制御器は、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサー(processors)、マイクロコントローラ(micro−controllers)、マイクロプロセッサー(microprocessors)や、これらと類似な制御機能を遂行する電気的な装置で具現され得る。
【0124】
又、ソフトウェアとして、制御器は、1つ以上のプログラム言語で作成されたソフトウェアコード又はソフトウェアアプリケーションによって具現され得る。ソフトウェアは、ハードウェアとして具現された制御器によって実行され得る。尚、ソフトウェアは、サーバー等の外部機器から、上述したハードウェア構成に送信されることによって取得され得る。
【0125】
以下では、本発明による基板処理方法に関して、上述した基板処理装置100を利用して説明する。但し、これは説明を簡単にするためのものに過ぎず、基板処理方法は、上述した基板処理装置100以外のこれと同一又は類似な他の装置を利用して遂行できる。また、本発明による基板処理方法は、これを遂行するコード又はプログラムの形態として、コンピューター読出し可能である記録媒体に格納され得る。
【0126】
以下では、一実施形態に係る基板処理方法に関して説明する。一実施形態に係る基板処理方法は洗浄工程全般に関する。
【0127】
図11は、一実施形態に係る基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
【0128】
図11を参照すれば、一実施形態に係る基板処理方法は、第1処理チャンバー3000へ基板Sを搬入する段階(ステップS110)、ケミカル処理を遂行する段階(ステップS120)、リンス処理を遂行する段階(ステップS130)、有機溶剤処理を遂行する段階(ステップS140)、第2処理チャンバー4000へ基板Sを搬入する段階(ステップS150)、超臨界乾燥処理を遂行する段階(ステップS160)、及びロードポート1100に置かれる容器Cに基板Sを収納する段階(ステップS170)を含む。一方、上述した段階は、必ずしも説明された順に実行される必要はなく、後に説明された段階が、先に説明された段階よりも先に遂行されることもあり得る。これは、後述する他の実施形態に係る基板処理方法でも同様である。以下では、各段階に関して説明する。
【0129】
第1処理チャンバー3000へ基板Sが搬入される(ステップS110)。先ずオーバーヘッドトランスファー等の搬送装置等は、基板Sが収納された容器Cをロードポート1100に置く。容器Cがロードポート1100に置かれると、インデックスロボット1210は、容器Cから基板Sを引き出して、これをバッファスロットに置く。バッファスロットに置かれた基板Sは、移送ロボット2210によって引き出されて第1処理チャンバー3000へ搬入され、支持プレート3110に安着される。
【0130】
第1処理チャンバー3000へ基板Sが搬入されると、ケミカル処理が遂行される(ステップS120)。支持プレート3110に基板Sが置かれると、ノズル軸駆動器3240によってノズル軸3230が移動及び回転して、ノズル3210が基板Sの上部に位置する。ノズル3210は、基板Sの上面へ洗浄剤を噴射する。洗浄剤が噴射されると、基板Sから異物質が除去される。この時、回転駆動器3130は、回転軸3120を回転させて基板Sを回転させ得る。基板Sが回転されると、洗浄剤は、基板Sへ均一に供給され、また基板Sから飛散する。飛散した洗浄剤は、回収筒3310へ流入し、回収ライン3320を通じて流体再生システム(図示せず)へ送られる。この時、昇降駆動器3340は、昇降バー3330を通じて複数の回収筒3310の中でいずれか1つに飛散した洗浄剤が流入するように、回収筒3310を昇降させる。
【0131】
基板S上の異物質が十分に除去されると、リンス処理が遂行される(ステップS130)。ケミカル処理が終了すると、基板S上からは異物質が除去され、基板S上には洗浄剤が残留する。複数のノズル3210の中で、洗浄剤を噴射したノズル3210は基板Sの上部から離れ、他のノズル3210が基板Sの上部へ移動し、基板Sの上面にリンス剤を噴射する。基板Sへリンス剤が供給されると、基板S上に残留する洗浄剤が洗浄される。リンス処理においても、基板Sの回転と薬剤の回収が行われ得る。昇降駆動器3340は、洗浄剤を回収した回収筒3310とは異なる回収筒3310へリンス剤が流入するように、回収筒3310の高さを調節する。
【0132】
基板Sが十分に洗浄されると、有機溶剤処理が遂行される(ステップS140)。リンス処理が終了すると、他のノズル3210が基板Sの上部へ移動して基板Sの上面に有機溶剤を噴射する。基板Sへ有機溶剤が供給されると、基板S上のリンス剤が有機溶剤に置換される。一方、有機溶剤処理においては、基板Sを回転させないか、或いは低速に回転させ得る。基板S上で有機溶剤が急速に蒸発することにより、有機溶剤の表面張力によって回路パターンに界面張力が作用して、回路パターンが破壊される可能性があるためである。
【0133】
第1処理チャンバー3000において、有機溶剤処理が終了すると、第2処理チャンバー4000へ基板Sを搬入し(ステップS150)、第2処理チャンバー4000において、超臨界乾燥処理が遂行される(ステップS160)。段階S150と段階S160とに対しては、後述する他の実施形態に係る基板処理方法において詳細に説明する。
【0134】
超臨界乾燥処理が終了すると、基板Sをロードポート1100に置かれる容器Cに収納する(ステップS170)。第2処理チャンバー4000が開放されると、移送ロボット2210が基板Sを引き出す。基板Sはバッファチャンバー2100へ移送され、インデックスロボット1110によってバッファチャンバー2100から引き出されて容器Cに収納され得る。
【0135】
以下では、他の実施形態に係る基板処理方法に関して説明する。他の実施形態に係る基板処理方法は、第2処理チャンバー4000が超臨界乾燥処理を遂行する方法に関する。
【0136】
図12は、他の実施形態に係る基板処理方法の手順を示すフローチャートである。
【0137】
図12を参照すれば、他の実施形態に係る基板処理方法は、第1支持部材4320aに基板Sが安着される段階(ステップS210)、第2支持部材4320bに基板Sが安着される段階(ステップS220)、ハウジング4100が密閉される段階(ステップS230)、下部供給ポート4520が超臨界流体を供給する段階(ステップS240)、上部供給ポート4510及びノズル部材4530が超臨界流体を供給する段階(ステップS250)、超臨界流体を排気する段階(ステップS260)、及び基板Sを搬出する段階(ステップS270)を包含できる。以下では、各段階に関して説明する。
【0138】
図13及び図14は、図12の基板処理方法の動作を示す図である。
【0139】
図13を参照すれば、基板Sは、移送ロボット2210によって第2処理チャンバー4000の内部へ搬入されて第1支持部材4320aに安着される(ステップS210)。また、基板Sは、同様に移送ロボット2210によって第2処理チャンバー4000の内部へ搬入されて第2支持部材4320bに安着される。ここで、基板Sは、第1処理チャンバー3000において有機溶剤処理を経た基板Sであって、有機溶剤が残留した状態で搬入され得る。
【0140】
ここで、ステップS210とステップS220とは、先ずステップS210が遂行され、次にステップS220が遂行されてもよく、或いはステップS220が遂行された後、ステップS210が遂行されてもよく、又は二つの段階が同時に進行されてもよい。また、ハウジング4100は、上部ハウジング4110と下部ハウジング4120とが互いに離隔されて開放された状態でもよい。
【0141】
図14を参照すれば、基板Sが安着されると、昇降部材4200は、下部ハウジング4120を上昇させて上部ハウジング4110と結合されるようにする。これによって、ハウジング4100又は第2処理チャンバー4000は、密閉される(ステップS230)。
【0142】
第2処理チャンバー4000が密閉されると、下部供給ポート4520は、超臨界流体を第2処理チャンバー4000の内部の下部領域へ噴射する(ステップS240)。ここで、超臨界流体は、超臨界二酸化炭素であり得る。このような過程において、加熱部材4400は、ハウジング4100の内部を加熱できる。
【0143】
第2処理チャンバー4000の内部へ超臨界流体が十分に供給されると、温度と圧力とが臨界値を超過し、第2処理チャンバー4000の内部において超臨界雰囲気が形成される。
【0144】
超臨界雰囲気が形成されると、上部供給ポート4510及びノズル部材4530は、超臨界流体を噴射する(ステップS250)。これによって、支持部材4320に安着された基板Sのパターン面に超臨界流体が提供され、回路パターンの間に残留する有機溶剤が溶解されて基板Sが乾燥される。
【0145】
この時、上部供給ポート4510は第1支持部材4320aに安着された基板Sへ、ノズル部材4530は第2支持部材4320bに安着された基板Sへ、超臨界流体を各々供給するので、2つの基板Sに対して超臨界乾燥処理が効果的に遂行される。
【0146】
基板Sの乾燥が十分に行われると、第2処理チャンバー4000から超臨界流体及び超臨界乾燥処理で発生した異物質が排気される(ステップS260)。これによって、処理チャンバー4000の内部圧力は、常圧になり得る。圧力が十分に低くなれば、昇降部材4200は、下部ハウジング4120を下降させて第2処理チャンバー4000を開放し、移送ロボット2210によって基板Sが搬出される(ステップS270)。
【0147】
一方、ステップS250において、超臨界流体に有機溶剤等が溶解される過程で超臨界流体が飽和されると、乾燥効率が低くなり得る。したがって、乾燥効率を向上させるために超臨界乾燥処理に利用された超臨界流体を排気し、新しい超臨界流体を供給し得る。即ち、ステップS250とステップS260とを複数回にわたって遂行し、超臨界流体の供給と排気とを反複して行うことができる。
【0148】
以上で言及された本発明の実施形態は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者の本発明に対する理解を助けるために記載されたものであるので、本発明が上述した実施形態によって限定されるものではない。
【0149】
したがって、本発明は、上述した実施形態及びその構成要素を選択的に組み合わせるか、公知の技術を加えて具現でき、さらに本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で修正、置換及び変更された形態の全てを含む。
【0150】
また、本発明の保護範囲は下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと均等な範囲内にある発明は全て権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0151】
100 基板処理装置、
1000 インデックスモジュール、
1100 ロードポート、
1200 移送フレーム、
1210 インデックスロボット、
1220 インデックスレール、
2000 処理モジュール、
2100 バッファチャンバー、
2200 移送チャンバー、
2210 移送ロボット、
2220 移送レール、
3000 第1処理チャンバー、
3100 支持部材、
3200 ノズル部材、
3300 回収部材、
4000 第2処理チャンバー、
4100 ハウジング、
4110 上部ハウジング、
4120 下部ハウジング、
4200 昇降部材、
4300 支持ユニット、
4310 支持バー、
4320 支持部材、
4400 加熱部材、
4500 供給ポート、
4510 上部供給ポート、
4520 下部供給ポート、
4530 ノズル部材、
4600 排気ポート、
C 容器、
S 基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理が遂行される空間を提供するハウジングと、
前記ハウジングの内部に互いに上下方向に離隔されて配置され、各々複数の基板の縁を支持する複数の支持部材と、を包含する基板処理装置。
【請求項2】
側面から見た場合、処理流体を噴射する一端が互いに隣接する基板の間に位置するノズル部材をさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ノズル部材は、上部から見た場合、前記一端が前記基板の中央部に位置する請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面に向かって前記処理流体を噴射するように提供される請求項2または請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面と上方の基板の下面とに向かって前記処理流体を同時に噴射するように提供される請求項2または請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ノズル部材は、鉛直方向に対して傾くように放射状に前記処理流体を噴射するように提供される請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記ノズル部材は、上部から見た場合、前記一端が前記基板の縁領域又は外側に位置し、前記基板に平行な方向に前記処理流体を噴射するように提供される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ハウジングの下部壁に形成され、前記処理流体を噴射する下部供給ポートをさらに含む請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ハウジングの上部壁に形成され、前記処理流体を噴射する上部供給ポートをさらに含む請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記下部供給ポートが前記処理流体を供給した後、前記処理チャンバーの内部圧力が予め設定された圧力に到達した場合、前記ノズル部材が前記処理流体の噴射を開始するように制御する制御器をさらに含む請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記ハウジングの上部壁から下方向に延長される支持バーをさらに包含し、
前記複数の支持部材は、前記支持バーに一定の間隔をおいて連設される請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、上部ハウジング及び前記上部ハウジングの下部に配置される下部ハウジングを含み、
前記上部ハウジング又は前記下部ハウジングの中でいずれか1つを昇降させて前記ハウジングを開閉する昇降部材をさらに含む請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記処理流体は、超臨界流体である請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
処理が遂行される空間を提供するハウジングと、
第1基板の縁を支持する第1支持部材と、
第2基板の縁を支持する第2支持部材と、
前記ハウジングの上部壁に形成され、前記第2基板の上面に向かって超臨界流体を噴射する上部供給ポートと、を包含する基板処理装置。
【請求項15】
側面から見た場合、前記超臨界流体を噴射する一端が前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に位置するノズル部材をさらに含む請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記ノズル部材は、前記第1基板の上面に向かって前記超臨界流体を噴射する請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記ノズル部材は、前記第1基板と前記第2基板との間の空間に前記超臨界流体を噴射する請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記ハウジングの上部壁から下に延長される支持バーをさらに包含し、
前記第1支持部材は、前記支持バーの下端で水平方向に延長され、
前記第2支持部材は、前記支持バーの中間で水平方向に延長される請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項19】
処理が遂行される空間を提供するハウジングの内部に互いに上下方向に離隔されて配置される複数の支持部材が、複数の基板の縁を支持する段階と、側面から見た場合、互いに隣接する基板の間に一端が位置するノズル部材が、処理流体を噴射して同時に前記複数の基板を処理する段階と、を含む基板処理方法。
【請求項20】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の中で下方の基板の上面に前記処理流体を噴射して前記下方の基板の上面を処理する請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記ノズル部材は、前記互いに隣接する基板の間の空間へ前記超臨界流体を噴射して、上方の基板の下面と下方の基板の上面とを同時に処理する請求項19に記載の基板処理方法。
【請求項22】
前記ハウジングは、上部ハウジング及び前記上部ハウジングの下部に配置される下部ハウジングを含み、
前記上部ハウジング又は前記下部ハウジングの中でいずれか1つを昇降させて前記ハウジングを開閉する段階と、前記ハウジングが開放された状態で前記基板の搬出及び搬入が遂行される段階と、前記ハウジングが密閉された状態で前記処理が遂行される段階と、をさらに含む請求項19乃至請求項21のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項23】
前記処理流体は、超臨界流体である請求項19乃至請求項22のいずれか一項に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−80908(P2013−80908A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193480(P2012−193480)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., Ltd
【住所又は居所原語表記】278, Mosi−ri, Jiksan−eup, Seobuk−gu, Cheonan−si, Chungcheongnam−do 330−290, Republic of Korea
【Fターム(参考)】