基板支持装置、基板処理装置、基板支持方法、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体
【課題】パレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、生産性を向上する。
【解決手段】基板支持装置が、基板12を搭載するパレット8と、パレットを鉛直姿勢した状態で、パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構15と、パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13と、装置本体を移動する移動機構11と、を備え、パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部を板厚方向の両側から把持する機構で、移動中はパレット両端保持機構がパレットを保持し、パレット両端保持機構からパレット中央保持機構への受け渡し時は、双方の保持機構によってパレットが保持され、基板処理時はパレット中央保持機構によってパレットの中心部を回転可能に保持し、パレット両端保持機構による保持は解除される。
【解決手段】基板支持装置が、基板12を搭載するパレット8と、パレットを鉛直姿勢した状態で、パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構15と、パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13と、装置本体を移動する移動機構11と、を備え、パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部を板厚方向の両側から把持する機構で、移動中はパレット両端保持機構がパレットを保持し、パレット両端保持機構からパレット中央保持機構への受け渡し時は、双方の保持機構によってパレットが保持され、基板処理時はパレット中央保持機構によってパレットの中心部を回転可能に保持し、パレット両端保持機構による保持は解除される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を支持しながら真空室間を移動する基板支持装置、複数の真空室を気密接続したインライン型の基板処理装置、基板支持方法、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インライン型の基板処理装置では、薄膜成膜を行うプロセスチャンバを含む複数の真空室が気密接続されている。このインライン型基板処理装置には、基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるように、基板を支持しながら真空室間を移動する基板支持装置(キャリア)が備えられている。この基板支持装置は、生産性を向上させる観点から、複数の基板を搭載して回転可能な円板状のパレットを備え、このパレットを鉛直姿勢で保持しつつも、基板の両面側から同時に薄膜成膜可能なように構成されている。
【0003】
これに関連する技術として、1以上の基板を搭載可能なパレットを備え、並進移動可能なキャリア上に支持体を介して固定された回転支持機構によってパレットの中央部を回転可能に支持する基板支持装置が提案されている(特許文献1参照)。この基板支持装置は、キャリア上に固定された第1の支持体に掛け渡された第2の支持体の中央部に回転支持機構が備えられており、パレットと基板支持装置とは分離不可能な構造となっている。
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、パレットと基板支持装置とが一体的な構造となっているため、支持装置自体に回転支持機構を搭載する必要があり、大型の回転駆動源を搭載することができず、回転速度を向上させることができない。また、パレットの交換が煩雑で、装置が重く複雑な構造となり、真空室間における搬送速度が遅くなる。したがって、インライン式基板処理装置における生産性の向上を図ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平07−15773号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、キャリア上に回転機能付支持台を搭載し、この回転機能付支持台上にパレットを載せるだけの構造を採用し、プロセスチャンバ内にキャリアからパレットを上方に持ち上げて分離させるリフト機構と、パレットの中央部を回転可能に保持する機構を設けた基板支持装置が考えられる。
【0007】
この装置によれば、パレットと基板支持装置とが分離可能な構造であり、特許文献1における種々の問題に対応しうる構造を有しているが、次のような新たな問題が生じている。
【0008】
即ち、回転機能付支持台上のパレットをプロセスチャンバ内に設置のリフト機構によりパレット外径部を把持して上昇させ、パレット中央部を同チャンバ内に設置のパレット保持駆動機構で回転可能に保持し、キャリアから分離した状態で成膜している。しかし、チャンバ内は摂氏100度〜300度の高温環境であるので、パレットの温度上昇によってパレット外径が熱膨張し、その中心位置も上昇する。これにより、リフト機構による昇降動作時にパレット中心位置がずれてパレット保持駆動機構が正常に動作せず、パレットを保持できなくなるという問題があった。また、リフト動作に時間がかかり、生産タクトの向上の弊害となっていた。したがって、各プロセス条件によって上昇位置を調整して使用するなどの工夫をして動作させる必要があった。
【0009】
また、パレットは回転機能付支持台上に載っているだけの構造である。したがって、リフト動作異常やパレット保持動作異常などの機構上の動作異常が発生すると、パレットの回転機能付支持台上からの落下や、落下せずとも保持位置がずれるなどの搬送異常が生じるという問題があった。これにより、次工程での異常発生が生じ易く、場合によっては生産を停止してメンテナンスをしなければならなくなり、生産性に劣るという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、パレットの保持構造を改良して、パレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる基板支持装置及びこれを備えたインライン型の基板処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらに本発明は、上記目的を達成しうる基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
【0013】
即ち、第1の発明に係る基板支持装置は、1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、上記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、上記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
上記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
上記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
上記パレット両端保持機構は、上記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であって、上記装置本体の移動中は、該パレット両端保持機構が上記パレットを保持し、
上記パレット両端保持機構による保持から上記パレット中央保持機構による保持への受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって上記パレットの中心部を回転可能に保持し、上記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置である。
【0014】
また、第2の発明に係る基板支持装置は、1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、上記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、上記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
上記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
上記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
上記パレット両端保持機構は、上記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であって、
上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持され、
基板処理時は上記パレット中央保持機構によって上記パレットを回転可能に保持し、上記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置である。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る基板支持装置によれば、上記パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、板厚方向の両側から把持する機構であるので、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持される。したがって、パレットの中心位置のずれなく、上記パレット中央保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【0016】
第2の発明に係る基板支持装置によれば、上記パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、上記係合部にその径方向外方から係合する機構であるので、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によってパレットが保持される。
【0017】
したがって、第1および第2の発明によれば、パレットの中心位置のずれなく、上記パレット中央保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成を例示する平面図である。
【図2】第1の実施形態の基板支持装置の概略構成を示す正面図及び上面図である。
【図3A】第1の実施形態のパレット両端保持機構の構成を示す概略正面断面図である。
【図3B】第1の実施形態のパレット両端保持機構の閉状態を示す概略上面断面図である。
【図3C】第1の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す概略上面断面図である。
【図4】第1の実施形態のクリップ開放機構の構造を示す概略上面断面図である。
【図5】コントローラを例示するブロック図である。
【図6】第1の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する図である。
【図7A】第2の実施形態の基板支持装置を示す正面図である。
【図7B】第2の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す正面図である。
【図8】第2の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0020】
〈第1の実施形態〉
図1から図6を参照して、第1の実施形態のインライン型基板処理装置、基板支持装置、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体について説明する。
【0021】
〔インライン型基板処理装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成について説明する。図1は、本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成を例示する平面図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態のインライン型基板処理装置は、基板12(図2参照)の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、基板12に対して連続的に真空成膜処理が施される装置である。即ち、プロセスチャンバ2を含む複数の真空室(真空チャンバ)2が気密接続されており、例えば、磁気ディスクの製造に用いられる。本実施形態の基板処理装置では、複数の真空チャンバ2が、例えば、方形状のループを形成するように無端状に接続配置されているが、チャンバの数や配置形状は限定されない。各真空チャンバ2は、専用または兼用の排気系よって内部が真空排気される真空容器である。各真空チャンバ2の境界部には、ゲートバルブ3が介設され、各真空チャンバ2が気密状態を保って接続されている。
【0023】
この基板処理装置内の真空空間において、基板はキャリア(本発明の基板支持装置に相当)1に搭載されて真空室間を搬送される。接続された複数の真空チャンバ2内には、キャリア1の搬送路(搬送軌道)が設置されており、装置本体(ホルダ)9(図2参照)の下部には上記搬送路に沿ってキャリア1を移動させる不図示のマグネット式の搬送機構(移動機構)が敷設されている。本実施の形態では、マグネット式の搬送機構を採用しているが、ラック・アンド・ピニオン機構のようなギヤ機構等の他の形式の搬送機構であってもよい。
【0024】
基板処理装置の複数の真空チャンバ2のうち、方形の一辺に配置された二つのチャンバが、キャリア1への基板の搭載を行なう基板供給チャンバ4及びキャリア1からの基板の回収を行なう基板排出チャンバ5となっている。また、方形の角部分には、キャリア1の搬送を90度方向転換可能な方向転換機構を備えた方向転換チャンバ6が備えられている。また、方向転換チャンバ6の1つには、キャリア1の供給排出チャンバ7がゲートバルブ3を介して接続されている。
【0025】
プロセスチャンバ内には真空薄膜成膜を行う不図示のターゲット支持部が配置されており、ターゲット支持部に固定されたターゲットはチャンバ内にキャリア1が静止した状態で、パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状の形状を有している。
【0026】
〔キャリア1の構造〕
次に、図2を参照して、上記真空室間を搬送される基板支持装置としてのキャリア1の構造について説明する。図2は、第1の本実施形態の基板支持装置の概略構成を示す正面図及び上面図である。
【0027】
図2に示すように、キャリア1は、1以上の基板12を搭載するパレット8と、トレイ状の支持装置本体(装置本体)9と、この装置本体9の両端部に備えられ、パレット8の径方向両端部を保持するアーム14及びパレット両端保持機構15と、を備えている。
【0028】
パレット8は円板状を呈し、その両面(搭載面)には複数の基板12を搭載しており、基板搭載面を鉛直姿勢にした状態で、上記パレット両端保持機構によって保持される。本実施の形態のパレット8では、例えば、円周方向に等間隔に4枚の基板12を搭載しているが、その搭載数はこれに限定されない。なお、真空チャンバ2内に収まるパレットの外径寸法と搭載基板サイズから、例えば、搭載枚数は4枚、8枚、12枚、16枚が実用的な搭載数である。
【0029】
パレット両端保持機構15は、装置本体9の両端部に鉛直方向(垂直)に起立させて配されたアーム14と、その先端部に備えられ、パレット8の水平中心線の延長上でパレット8の径方向両端部を保持する保持部材15と、を有している。保持部材15は、パレット8の径方向両端部を板厚方向の両側から挟み込んでパレット8を鉛直姿勢で保持可能なクリップ機構であり、パレット水平方向中心線の延長上に備えられている。この保持部材15は、基板処理中において、これに外力を付与して把持(挟む力)を開放させるクリップ開放機構24により付勢されてパレット8の径方向両端部から脱離可能となっている。なお、クリップ開放機構24については後述する。
【0030】
装置本体9の下部には、真空室間でキャリア1を移動させる上記マグネット式の搬送機構と磁気連結させるための搬送マグネット11を有するスライダー10が固定されている。本実施の形態では、上記マグネット式の搬送機構に対応させてスライダー10に搬送マグネット11を固定しているが、これに限定されず、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構のラックを固定してもよい。
【0031】
また、パレット8の搭載面の中心部には、このパレット8の中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13が配されている。このパレット中央保持機構13は、各真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23によって、回転駆動される。本実施の形態のパレット中央保持機構13は、長穴状に開口された穴として形成されている。他の形式のパレット保持駆動機構23としては、例えば、チャック式、十字穴式、ピン挿入式、歯車状式等の一般的な連結機構を搭載することができる。即ち、パレット中央保持機構13は、基板処理中はパレット8の中心部に移動して該パレット8を保持し、装置本体9の移動中はパレット8の中心部から退避するパレット保持駆動機構23と連結される。
【0032】
〔パレット両端保持機構の具体的構成〕
次に、図3A、図3B及び図3Cを参照して、パレット両端保持機構15の具体的な構造について説明する。図3Aは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の構成を示す概略正面断面図である。図3Bは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の閉状態を示す概略上面断面図である。図3Cは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の開状態を示す概略上面断面図である。
【0033】
これらの図面に示すように、パレット両端保持機構15は、パレット8の外径の両端付近を板厚方向の両側から挟み込んでパレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に沿わせて把持することが可能な保持機構となっている。即ち、パレット両端保持機構15は、一対の開閉可能な外殻板16を備えている。外殻板16の開閉機構は、外殻板16の間の幅方向両端部にベアリング17を配置し、ベアリング17間をシャフト18で連結し、外殻板16がシャフト18を中心として開閉するように組み立てる。さらに、シャフト18の周囲にコイルバネ19を配し、シャフト18を中心としてコイルバネ19が外殻板16の一端側を外に押し出すように付勢力が掛かるように配置する。
【0034】
パレット8を挟み込む接触部にはクッション材としてのバッド20を外殻板16の内側に配置し、パレット8との接触によるバッド20の磨耗時には簡単に交換可能とする。
【0035】
本実施の形態のパレット両端保持機構15は、パレット8の板厚方向の両側からパレット8の径方向両端部を挟み込む等、保持可能なクリップ機構として形成されている。このクリップ機構は、外殻板16に外力を加えない状態では、パレット8をコイルバネ19のバネ力にて挟み込むように力が加わり、パレット8の径方向両端部を保持する。外殻板16にバネが縮む向きの外力を加えることで、外殻板16に配置されたパッド20がパレット8から離れる向きに広がり、パレット8の保持を開放する。
【0036】
本実施形態では、コイルバネ19のバネ力を利用した構造を採用しているが、これに限定されず、開閉動力としては板バネやマグネットなどを採用してもよい。その他、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成し、外力が付与されない状態ではパレット8を保持し、外力を付与することでパレット8の保持を開放可能な構造を採用することができる。
【0037】
外殻板16の外力付与側の間には、ケース21が備えられている。このケース21には、パレット8がない場合に外殻板16がバネ力によって閉方向に閉じ過ぎないようにするストッパ(図示せず)と、外力によって外殻板16が開方向に広がり過ぎないようにするストッパが配置されている。真空薄膜形成プロセスは、外殻板16を開方向に広げてパレット8を開放した状態で実施するため、コイルバネ19等のパレット両端保持機構15の内部の部品に成膜されないように、内部部品の露出を防止するシールド22が配置されている。
【0038】
次に、図4を参照して、パレット両端保持機構15に外力を付与するクリップ開放機構24の具体的な構造について説明する。図4は、第1の実施形態のクリップ開放機構の構造を示す概略上面断面図である。
【0039】
図4に示すように、開放機構24は、パレット両端保持機構15の外殻板16に外力を付与して挟む力を開放させ、パレット両端保持機構15をパレット8の径方向両端部から脱離させる機構である。具体的には、クリップ開放機構24は、真空チャンバ2内に停止したキャリア1の両端部に搭載されたパレット両端保持機構15に相対した位置に配置されており、且つパレット両端保持機構15の外殻板16に両側から外力を付与することができるように二対配置されている。
【0040】
クリップ開放機構24は、気密性および伸縮性を有するシール部材としてのベローズ41と、ベローズ41の内部に挿通された連結シャフト42とを備えており、シリンダロッド42の先端に押付け部43が設けられている。シリンダロッド42の後端にはシリンダ装置40が接続されており、シリンダロッド42の軸方向に駆動することで、パレット保持機構15の外殻部16に対して押付け部43を押付けて外力を与え、パレット8を開放する。このとき、クリップ開放機構24の動作は、二対のシリンダ装置40がほぼ同時に動き、キャリア1が傾かないように制御されている。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態の基板支持装置1に備えられ、その動作を制御するコントローラについて説明する。図5は、コントローラを例示するブロック図である。
【0042】
図5に示すように、本実施形態の基板支持装置1には、一連のパレット保持機構の動作を制御するコントローラ31A0が備えられている。即ち、プロセスコントローラ31A0は、基板支持装置1からの入力信号を受け取り、一連のパレット保持機構を動作させる制御プログラムに基づいて、基板支持装置1に動作指示を出力するようになっている。プロセスコントローラ31A0は、それぞれ一般的なコンピュータ31A1の基本構成を有する。即ち、これらは、入力部31A2、プログラム及びデータを格納する記憶部31A3、プロセッサ(CPU)31A4及び出力部31A5を備え、対応する装置を制御する。
【0043】
プロセッサ31A4は、制御プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部31A3は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくHDDやROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM等からなる。入力部31A2は、基板支持装置1からのデータ入力機能の他に、外部からの命令の入力を可能とする。
【0044】
〔パレット保持機構の作用効果、基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体〕
次に、図6(a)から(c)を参照して、本実施形態の基板支持装置1の作用と共に、この装置1を用いて実施する本発明に係る基板支持方法について説明する。図6は、第1の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する図である。なお、第1の実施形態の基板支持方法のアルゴリズムは、コントローラ31A0の記憶部31A3に制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際にプロセッサ31A4により読み出されて実行される。
【0045】
ここで、制御プログラムは、装置本体の移動中は、パレット両端保持機構15によってパレット8の径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して、当該パレット8を保持する手順を有する。また、パレット両端保持機構15による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構13、15によって上記パレット8を保持する手順を有する。さらに、基板処理時は、パレット中央保持機構13によってパレット8の中心部を回転可能に保持するとともに、パレット両端保持機構15による保持を解除する手順を有する。
【0046】
第1の実施形態の制御プログラムは、コンピュータ(PC)等のコントローラ31A0により読み取り可能な記録媒体に記録されて、コントローラ31A0の記憶部31A3にインストールされる。
【0047】
記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ZIP(登録商標)等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、CD−R、DVD−R、DVD+R,CD−R,DVD−RAM、DVD+RW(登録商標)、PD等の光ディスク等が挙げられる。また、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDカード等のフラッシュメモリ系、マイクロドライブ(登録商標)、Jaz(登録商標)等のリムーバブルディスクが挙げられる。
【0048】
まず、図6(a)は、キャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス実施前の搬送時のキャリア1の状態である。この状態は、説明の都合上、パレット8は全く熱膨張していない状態とする。パレット保持機構15にてパレット8の径方向両端部を板厚方向の両側から挟んでパレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に合わせて保持する。なお、キャリア1が真空室間を移動するときは、パレット保持駆動機構23はパレット8の中央部に配されたパレット保持機構13には連結されていない状態になっている。
【0049】
また、図6(b)はプロセス処理中(基板処理時)のキャリア1の状態である。図6(a)の状態で真空チャンバ2内に停止した後、真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23がパレット中央保持機構13を連結して、パレット8の中央部が回転可能に保持される。さらに、真空チャンバ2内に設置されたクリップ開放機構24にて、パレット保持機構15に対してパレット8を開放する向きに外力を与えてパレット8の保持を解除する。
【0050】
この状態でパレット8が静止し、もしくは回転した状態でプロセス処理を実施する。パレット8の熱膨張はスパッタや加熱などのプロセス中に発生する。パレット8の熱膨張による面積増加分25を誇張してハッチング部で示している。実際に製作したA5052製パレット8の外径はφ590mmで常温20℃から300℃(温度上昇280℃)の場合の計算上の熱膨張は約4mmとなる。
【0051】
さらに、図6(c)はキャリア1が真空チャンバ間を移動するときの状態で、プロセス処理の実施後で、熱膨張した後のキャリア1の状態である。プロセス処理の終了後、パレット保持機構15からクリップ開放機構24を脱離させて、パレット保持機構15でパレット8の径方向両端部を保持する。これと共に、パレット中央保持機構13からパレット保持駆動機構23を脱離させて、パレット8の中心部を開放する。この状態は図6(a)の状態と同様のパレット8の保持状態であるが、パレット両端保持機構15は把持機構であり、パレット8の把持位置をずらして面内方向へずれうるので、熱膨張によるパレット外径の面積増加分25を許容して把持しうる。また、パレット中央保持機構13及びパレット保持駆動機構23でパレット8の中心部を保持した状態で、パレット両端保持機構15でパレット8の径方向両端部を保持している。したがって、パレット8の熱膨張に影響されず、パレット8の径方向両端部を板厚方向に挟んでパレット8を鉛直姿勢で保持し、パレット中央保持機構13の位置は図6(a)の熱膨張前の位置を維持する。
【0052】
以上説明したように、第1の実施形態の基板処理装置及び基板処理装置によれば、パレット両端保持機構15は、パレット8の径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。このようにパレット両端保持機構15が把持機構であるので、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分25を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、パレット両端保持機構15による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構15、13によってパレット8が保持される。
【0053】
このように、熱膨張によるパレット8の外径寸法変化によるパレット中央保持位置の変化が最小限に抑えられる。したがって、プロセスチャンバ内でのパレット保持動作が安定して行えるようになり、プロセス条件毎に各機構動作の調整を行う必要がない。さらに、パレット8の熱膨張による寸法変化によるパレット両端保持機構15への影響が最小限に抑えられ、かつパレット8がパレット両端保持機構15を介してキャリア1に固定されるので、パレット8が安定して保持される。したがって、パレット8の中心位置のずれなく、パレット保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【0054】
さらに、従来のパレットを上下させるリフト機構が不要になる。これにより、本発明によれば、パレット中央保持→パレット両端保持機構開放→成膜プロセス→パレット保持→パレット中央保持開放という5つの動作シーケンスとなり生産タクトの短縮ができる。なお、従来の技術では、パレット上昇→パレット中央保持→リフト下降→成膜プロセス→リフト上昇→パレット中央保持開放→パレット下降という7つの動作シーケンスが必要であった。
【0055】
〈第2の実施形態〉
次に、図7A、図7B及び図8を参照して、第1の実施形態のインライン型基板処理装置、基板支持装置、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体について説明する。なお、基板支持装置7を備えるインライン型基板処理装置の構成は、第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を省略する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明する。
【0056】
〔キャリア1の構造、パレット両端保持機構の具体例〕
次に、図7A及び図7Bを参照して、上記真空室間を搬送される基板支持装置としてのキャリア1の構造について説明する。図7Aは、第2の実施形態の基板支持装置を示す正面図である。図7Bは、第2の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す正面図である。
【0057】
図7Aに示すように、キャリア1は、1以上の基板12を搭載するパレット8と、トレイ状の支持装置本体(装置本体)9と、この装置本体9の両端部に備えられ、パレット8の径方向両端部を保持するパレット両端保持機構26と、を備えている。なお、1以上の基板12を搭載するパレット8の構成は、第1の実施形態と同様に構成されている。
【0058】
パレット両端保持機構26は、パレット8の径方向両端部に設けられた係合部31に、その径方向外方から係合するアーム機構であって、パレット水平方向中心線の両端に、装置本体9から鉛直方向(垂直)に起立させて配されている。このアーム機構26は、基板処理中はパレット8の径方向両端の係合部31から退避し、装置本体9の移動中はパレット8の径方向両端に移動して該パレット8を保持する係合手段を有している。
【0059】
具体的には、パレット8の径方向両端部に設けられた係合部31は、パレット8の搭載面に板厚方法外方へ突設された一対のピンにより形成されており、ピン31はパレット8の中心部を介して相対向している。
【0060】
アーム機構26の一部(パレット水平方向中心線の延長上)には、中央部に溝を有する二股状の係合部材32が設けられており、この係合部材32の溝が上記ピン31に係合するようになっている。本実施の形態では、パレット8の径方向両端部にピン31を設けているが、これに限定されず、溝であっても構わない。この場合には、係合部材32側をピンとすることが考えられる。係合部31と係合部材32とは、互いに係合し合えばよく、ピンと溝に限定されず、その他の機構を採用してもよい。
【0061】
アーム機構26は、その基端部を中心として回動可能(開閉可能)に設けられており、コイルバネ29によって閉じる方向へ付勢されている。即ち、アーム機構下部と装置本体9との間にコイルバネ29を配置し、外力が与えられない状態ではパレット8を鉛直姿勢で保持し、外力を与えることでパレット8の保持を開放することが可能な構造となっている。なお、真空薄膜形成プロセス時に、コイルバネ29等の構成部品に膜が付着しないように、これらを覆うようにシールド30を配置している。
【0062】
本実施形態では、コイルバネ29の付勢力を利用した構造を採用しているが、これに限定されず、開閉動力としては板バネやマグネットなどを採用してもよい。その他、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成し、外力が付与されない状態ではパレット8を保持し、外力を付与することでパレット8の保持を開放可能な構造を採用することができる。
【0063】
このアーム機構26は、線熱膨張係数の異なる2以上の材料を組み合わせて複合形成されている。本実施の形態では、比較的線膨張係数の大きな材料と線膨張係数の小さな材料との2種類の材料を使用して構成されているが、組み合せる材料の種類や数は限定されない。
【0064】
具体的には、本実施形態では、熱膨張係数の異なる2種類の材料として、例えば、線熱膨張係数の小さい材料をチタン(TP340線熱膨張係数8.4E−6)、大きい材料をアルミニウム(A5052線熱膨張係数23.8E−6)を使用した。線熱膨張係数の比率から各材料で形成するアームの長さを決める。チタンとアルミニウムの線熱膨張係数の比率は約1:2.8となるので、チタンで製作したアームA27とアルミニウムで製作したアームB28の長さ比率は2.8:1となるように構成する。
【0065】
アームA27を鉛直に立て、その上部先端にアームB28を固定して熱膨張向きが相反するように構成し、アームB28の先端にパレット8を保持するための係合部材32を備える。アーム機構26はパレット保持時に、熱膨張によるパレット8の外径変化に追従して左右に開閉可能となるように装置本体9に不図示のベアリングを介して固定されており、パレット8のピン31を径方向外方から挟み込んで保持できるようになっている。
【0066】
したがって、上記係合部材32は、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、アーム機構26を左右に開閉移動させてパレット8の係合部の係合位置をずらし、熱膨張によるパレット8の面積増加分を許容する。アーム自体の熱膨張は、熱膨張係数の比率により構成したアームA27とアームB28の熱膨張差で相殺する。
【0067】
装置本体9の下部には、真空室間でキャリア1を移動させる上記マグネット式の搬送機構と磁気連結させるための搬送マグネット11を有するスライダー10が固定されている。第1の実施形態で説明したように、例えば、スライダー10にラック・アンド・ピニオン機構のラックを固定してもよい。
【0068】
また、パレット8の搭載面の中心部には、パレット8の中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13が配されている。このパレット中央保持機構13は、第1の実施形態と同様に長穴状に開口された穴として形成され、各真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23によって、回転駆動される(図8参照)。なお、パレット保持駆動機構23として、例えば、チャック式、十字穴式、ピン挿入式、歯車状式等の一般的な連結機構を搭載することができることは、第1の実施形態と同様である。
【0069】
さらに、第2実施形態の基板支持装置1には、その動作を制御するコントローラ31A0が備えられているが、第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0070】
〔パレット保持機構の作用効果、基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体〕
次に、図8(a)から(c)を参照して、第2の実施形態の基板支持装置1の作用と共に、この装置1を用いて実施する第2の実施形態の基板支持方法について説明する。図8は、パレット保持機構の動作を説明する図である。なお、第2の実施形態の基板支持方法のアルゴリズムは、コントローラの記憶部31A3に制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際にプロセッサ31A4により読み出されて実行される(図5参照)。
【0071】
ここで、制御プログラムは、装置本体の移動中は、パレット両端保持機構26によってパレット8の径方向両端部に設けられた係合部31に、その径方向外方から係合する手順を有する。また、パレット両端保持機構26による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構13、26によってパレット8を保持する手順を有する。さらに、基板処理時は、パレット中央保持機構13によってパレット8を回転可能に保持するとともに、パレット両端保持機構26による保持を解除する手順を有する。
【0072】
第2の実施形態の制御プログラムは、コンピュータ(PC)等のコントローラ31A0により読み取り可能な記録媒体に記録されて、コントローラ31A0の記憶部31A3にインストールされる(図5参照)。記録媒体としては、第1の実施形態で例示したものが挙げられる。
【0073】
まず、図8(a)はキャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス処理実施前の搬送時のキャリア1の状態である。この状態は、説明の都合上、パレット8は全く熱膨張していない状態とする。パレット8の径方向両端部に設けられたピン31を水平に位置させ、この延長線上で装置本体9の両端に鉛直に起立させて設置したアーム機構26の先端部の係合部材32によって、ピン31を係合し、パレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に合わせて保持する。なお、キャリア1が真空室間を移動するときは、パレット保持駆動機構23はパレット8の中央部に配されたパレット保持機構13には連結されていない状態になっている。
【0074】
また、図8(b)はプロセス処理中(基板処理時)のキャリア1の状態である。図8(a)の状態で真空チャンバ2内に停止した後、真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23がパレット中央保持機構13を連結して、パレット8の中央部が回転可能に保持される。さらに、真空チャンバ2内に設置された不図示のアーム開閉機構により、パレット8を開放する向きにアーム機構26に外力を付与してパレット8の保持を解除する。
【0075】
この状態でパレット8が静止し、もしくは回転した状態でプロセス処理を実施する。パレット8の熱膨張はスパッタや加熱などのプロセス中に発生する。パレット8の熱膨張による面積増加分25を誇張してハッチング部で示している。実際に製作したA5052製パレット8の外径はφ590mmで常温20℃から300℃(温度上昇280℃)の場合の計算上の熱膨張は約4mmとなる。このときアームA27及びアームB28も加熱の影響を受け熱膨張をするが、アームA27はホルダ下部の固定部から上方へ熱膨張し、アームB28はアームA27上部先端の固定部から下方へ熱膨張する。したがって、この熱膨張は線熱膨張係数の比率から同等となるため相殺され係合部材32の高さは、殆ど変わらない。
【0076】
さらに、図8(c)はキャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス処理の実施後で、熱膨張した後の搬送時のキャリア1の状態である。プロセス処理の終了後、アーム開閉機構をアーム機構26から開放してパレット8を保持する。これと共に、パレット中央保持機構13からパレット保持駆動機構23を脱離させて、パレット8の中心部を開放する。この状態は図8(a)の状態と同様のパレット8の保持状態であるが、アーム機構26は開閉機構であり、左右に開閉して面内方向へずれうるので、熱膨張によるパレット外径の面積増加分25を許容して把持しうる。また、パレット中央保持機構13及びパレット保持駆動機構23でパレット8の中心部を保持した状態で、アーム機構26の係合部材32でパレット8の径方向両端部を保持している。したがって、パレット8の熱膨張に影響されず、パレット8の径方向両端部を板厚方向に挟んでパレット8を鉛直姿勢で保持し、パレット中央保持機構13の中心位置は図8(a)の熱膨張前の位置を維持する。
【0077】
以上説明したように、第2の実施形態の基板処理装置及び基板処理装置によれば、アーム機構26は、パレット8の径方向両端部に設けられたピン31に、その径方向外方から係合する係合部材32を有しているので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、係合部材32はピン31その径方向外方から係合する機構であり、アーム機構26が開閉可能であるので、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分25を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、アーム機構26による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構26、13によってパレット8が保持される。
【0078】
また、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、熱膨張によるパレット8の外径寸法変化によるパレット中央保持位置の変化が最小限に抑えられ、プロセス条件毎に各機構動作の調整を行う必要がない。さらに、パレット8の熱膨張による寸法変化によるパレット保持機構15への影響が最小限に抑えられ、かつパレット8がアーム機構26の係合部材32を介してキャリア1に固定されるので、パレット8が安定して保持される。
【0079】
さらに、アーム機構26が開閉機構であるので、従来のパレットを上下させるリフト機構が不要になる。したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、パレット中央保持→パレット両端保持機構開放→成膜プロセス→パレット保持→パレット中央保持開放という5つの動作シーケンスとなり生産タクトの短縮ができる。
【符号の説明】
【0080】
1 基板支持装置(キャリア)
2 真空チャンバ
3 ゲートバルブ
8 パレット
9 装置本体
11 搬送マグネット(移動機構)
12 基板
13 パレット中央保持機構
15 パレット両端保持機構
23 パレット保持駆動機構
24 クリップ開放機構
25 熱膨張によるパレット面積増加分
26 パレット両端保持機構(アーム機構)
27 アームA
28 アームB
31 ピン(係合部)
32 係合部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を支持しながら真空室間を移動する基板支持装置、複数の真空室を気密接続したインライン型の基板処理装置、基板支持方法、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インライン型の基板処理装置では、薄膜成膜を行うプロセスチャンバを含む複数の真空室が気密接続されている。このインライン型基板処理装置には、基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるように、基板を支持しながら真空室間を移動する基板支持装置(キャリア)が備えられている。この基板支持装置は、生産性を向上させる観点から、複数の基板を搭載して回転可能な円板状のパレットを備え、このパレットを鉛直姿勢で保持しつつも、基板の両面側から同時に薄膜成膜可能なように構成されている。
【0003】
これに関連する技術として、1以上の基板を搭載可能なパレットを備え、並進移動可能なキャリア上に支持体を介して固定された回転支持機構によってパレットの中央部を回転可能に支持する基板支持装置が提案されている(特許文献1参照)。この基板支持装置は、キャリア上に固定された第1の支持体に掛け渡された第2の支持体の中央部に回転支持機構が備えられており、パレットと基板支持装置とは分離不可能な構造となっている。
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、パレットと基板支持装置とが一体的な構造となっているため、支持装置自体に回転支持機構を搭載する必要があり、大型の回転駆動源を搭載することができず、回転速度を向上させることができない。また、パレットの交換が煩雑で、装置が重く複雑な構造となり、真空室間における搬送速度が遅くなる。したがって、インライン式基板処理装置における生産性の向上を図ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平07−15773号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、キャリア上に回転機能付支持台を搭載し、この回転機能付支持台上にパレットを載せるだけの構造を採用し、プロセスチャンバ内にキャリアからパレットを上方に持ち上げて分離させるリフト機構と、パレットの中央部を回転可能に保持する機構を設けた基板支持装置が考えられる。
【0007】
この装置によれば、パレットと基板支持装置とが分離可能な構造であり、特許文献1における種々の問題に対応しうる構造を有しているが、次のような新たな問題が生じている。
【0008】
即ち、回転機能付支持台上のパレットをプロセスチャンバ内に設置のリフト機構によりパレット外径部を把持して上昇させ、パレット中央部を同チャンバ内に設置のパレット保持駆動機構で回転可能に保持し、キャリアから分離した状態で成膜している。しかし、チャンバ内は摂氏100度〜300度の高温環境であるので、パレットの温度上昇によってパレット外径が熱膨張し、その中心位置も上昇する。これにより、リフト機構による昇降動作時にパレット中心位置がずれてパレット保持駆動機構が正常に動作せず、パレットを保持できなくなるという問題があった。また、リフト動作に時間がかかり、生産タクトの向上の弊害となっていた。したがって、各プロセス条件によって上昇位置を調整して使用するなどの工夫をして動作させる必要があった。
【0009】
また、パレットは回転機能付支持台上に載っているだけの構造である。したがって、リフト動作異常やパレット保持動作異常などの機構上の動作異常が発生すると、パレットの回転機能付支持台上からの落下や、落下せずとも保持位置がずれるなどの搬送異常が生じるという問題があった。これにより、次工程での異常発生が生じ易く、場合によっては生産を停止してメンテナンスをしなければならなくなり、生産性に劣るという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、パレットの保持構造を改良して、パレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる基板支持装置及びこれを備えたインライン型の基板処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらに本発明は、上記目的を達成しうる基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
【0013】
即ち、第1の発明に係る基板支持装置は、1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、上記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、上記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
上記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
上記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
上記パレット両端保持機構は、上記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であって、上記装置本体の移動中は、該パレット両端保持機構が上記パレットを保持し、
上記パレット両端保持機構による保持から上記パレット中央保持機構による保持への受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって上記パレットの中心部を回転可能に保持し、上記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置である。
【0014】
また、第2の発明に係る基板支持装置は、1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、上記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、上記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
上記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
上記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
上記パレット両端保持機構は、上記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であって、
上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持され、
基板処理時は上記パレット中央保持機構によって上記パレットを回転可能に保持し、上記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置である。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る基板支持装置によれば、上記パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、板厚方向の両側から把持する機構であるので、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって上記パレットが保持される。したがって、パレットの中心位置のずれなく、上記パレット中央保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【0016】
第2の発明に係る基板支持装置によれば、上記パレット両端保持機構は、パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、上記係合部にその径方向外方から係合する機構であるので、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、上記パレット両端保持機構による保持と上記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によってパレットが保持される。
【0017】
したがって、第1および第2の発明によれば、パレットの中心位置のずれなく、上記パレット中央保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成を例示する平面図である。
【図2】第1の実施形態の基板支持装置の概略構成を示す正面図及び上面図である。
【図3A】第1の実施形態のパレット両端保持機構の構成を示す概略正面断面図である。
【図3B】第1の実施形態のパレット両端保持機構の閉状態を示す概略上面断面図である。
【図3C】第1の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す概略上面断面図である。
【図4】第1の実施形態のクリップ開放機構の構造を示す概略上面断面図である。
【図5】コントローラを例示するブロック図である。
【図6】第1の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する図である。
【図7A】第2の実施形態の基板支持装置を示す正面図である。
【図7B】第2の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す正面図である。
【図8】第2の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0020】
〈第1の実施形態〉
図1から図6を参照して、第1の実施形態のインライン型基板処理装置、基板支持装置、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体について説明する。
【0021】
〔インライン型基板処理装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成について説明する。図1は、本発明に係るインライン型基板処理装置の概略構成を例示する平面図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態のインライン型基板処理装置は、基板12(図2参照)の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、基板12に対して連続的に真空成膜処理が施される装置である。即ち、プロセスチャンバ2を含む複数の真空室(真空チャンバ)2が気密接続されており、例えば、磁気ディスクの製造に用いられる。本実施形態の基板処理装置では、複数の真空チャンバ2が、例えば、方形状のループを形成するように無端状に接続配置されているが、チャンバの数や配置形状は限定されない。各真空チャンバ2は、専用または兼用の排気系よって内部が真空排気される真空容器である。各真空チャンバ2の境界部には、ゲートバルブ3が介設され、各真空チャンバ2が気密状態を保って接続されている。
【0023】
この基板処理装置内の真空空間において、基板はキャリア(本発明の基板支持装置に相当)1に搭載されて真空室間を搬送される。接続された複数の真空チャンバ2内には、キャリア1の搬送路(搬送軌道)が設置されており、装置本体(ホルダ)9(図2参照)の下部には上記搬送路に沿ってキャリア1を移動させる不図示のマグネット式の搬送機構(移動機構)が敷設されている。本実施の形態では、マグネット式の搬送機構を採用しているが、ラック・アンド・ピニオン機構のようなギヤ機構等の他の形式の搬送機構であってもよい。
【0024】
基板処理装置の複数の真空チャンバ2のうち、方形の一辺に配置された二つのチャンバが、キャリア1への基板の搭載を行なう基板供給チャンバ4及びキャリア1からの基板の回収を行なう基板排出チャンバ5となっている。また、方形の角部分には、キャリア1の搬送を90度方向転換可能な方向転換機構を備えた方向転換チャンバ6が備えられている。また、方向転換チャンバ6の1つには、キャリア1の供給排出チャンバ7がゲートバルブ3を介して接続されている。
【0025】
プロセスチャンバ内には真空薄膜成膜を行う不図示のターゲット支持部が配置されており、ターゲット支持部に固定されたターゲットはチャンバ内にキャリア1が静止した状態で、パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状の形状を有している。
【0026】
〔キャリア1の構造〕
次に、図2を参照して、上記真空室間を搬送される基板支持装置としてのキャリア1の構造について説明する。図2は、第1の本実施形態の基板支持装置の概略構成を示す正面図及び上面図である。
【0027】
図2に示すように、キャリア1は、1以上の基板12を搭載するパレット8と、トレイ状の支持装置本体(装置本体)9と、この装置本体9の両端部に備えられ、パレット8の径方向両端部を保持するアーム14及びパレット両端保持機構15と、を備えている。
【0028】
パレット8は円板状を呈し、その両面(搭載面)には複数の基板12を搭載しており、基板搭載面を鉛直姿勢にした状態で、上記パレット両端保持機構によって保持される。本実施の形態のパレット8では、例えば、円周方向に等間隔に4枚の基板12を搭載しているが、その搭載数はこれに限定されない。なお、真空チャンバ2内に収まるパレットの外径寸法と搭載基板サイズから、例えば、搭載枚数は4枚、8枚、12枚、16枚が実用的な搭載数である。
【0029】
パレット両端保持機構15は、装置本体9の両端部に鉛直方向(垂直)に起立させて配されたアーム14と、その先端部に備えられ、パレット8の水平中心線の延長上でパレット8の径方向両端部を保持する保持部材15と、を有している。保持部材15は、パレット8の径方向両端部を板厚方向の両側から挟み込んでパレット8を鉛直姿勢で保持可能なクリップ機構であり、パレット水平方向中心線の延長上に備えられている。この保持部材15は、基板処理中において、これに外力を付与して把持(挟む力)を開放させるクリップ開放機構24により付勢されてパレット8の径方向両端部から脱離可能となっている。なお、クリップ開放機構24については後述する。
【0030】
装置本体9の下部には、真空室間でキャリア1を移動させる上記マグネット式の搬送機構と磁気連結させるための搬送マグネット11を有するスライダー10が固定されている。本実施の形態では、上記マグネット式の搬送機構に対応させてスライダー10に搬送マグネット11を固定しているが、これに限定されず、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構のラックを固定してもよい。
【0031】
また、パレット8の搭載面の中心部には、このパレット8の中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13が配されている。このパレット中央保持機構13は、各真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23によって、回転駆動される。本実施の形態のパレット中央保持機構13は、長穴状に開口された穴として形成されている。他の形式のパレット保持駆動機構23としては、例えば、チャック式、十字穴式、ピン挿入式、歯車状式等の一般的な連結機構を搭載することができる。即ち、パレット中央保持機構13は、基板処理中はパレット8の中心部に移動して該パレット8を保持し、装置本体9の移動中はパレット8の中心部から退避するパレット保持駆動機構23と連結される。
【0032】
〔パレット両端保持機構の具体的構成〕
次に、図3A、図3B及び図3Cを参照して、パレット両端保持機構15の具体的な構造について説明する。図3Aは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の構成を示す概略正面断面図である。図3Bは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の閉状態を示す概略上面断面図である。図3Cは、第1の実施形態のパレット両端保持機構15の開状態を示す概略上面断面図である。
【0033】
これらの図面に示すように、パレット両端保持機構15は、パレット8の外径の両端付近を板厚方向の両側から挟み込んでパレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に沿わせて把持することが可能な保持機構となっている。即ち、パレット両端保持機構15は、一対の開閉可能な外殻板16を備えている。外殻板16の開閉機構は、外殻板16の間の幅方向両端部にベアリング17を配置し、ベアリング17間をシャフト18で連結し、外殻板16がシャフト18を中心として開閉するように組み立てる。さらに、シャフト18の周囲にコイルバネ19を配し、シャフト18を中心としてコイルバネ19が外殻板16の一端側を外に押し出すように付勢力が掛かるように配置する。
【0034】
パレット8を挟み込む接触部にはクッション材としてのバッド20を外殻板16の内側に配置し、パレット8との接触によるバッド20の磨耗時には簡単に交換可能とする。
【0035】
本実施の形態のパレット両端保持機構15は、パレット8の板厚方向の両側からパレット8の径方向両端部を挟み込む等、保持可能なクリップ機構として形成されている。このクリップ機構は、外殻板16に外力を加えない状態では、パレット8をコイルバネ19のバネ力にて挟み込むように力が加わり、パレット8の径方向両端部を保持する。外殻板16にバネが縮む向きの外力を加えることで、外殻板16に配置されたパッド20がパレット8から離れる向きに広がり、パレット8の保持を開放する。
【0036】
本実施形態では、コイルバネ19のバネ力を利用した構造を採用しているが、これに限定されず、開閉動力としては板バネやマグネットなどを採用してもよい。その他、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成し、外力が付与されない状態ではパレット8を保持し、外力を付与することでパレット8の保持を開放可能な構造を採用することができる。
【0037】
外殻板16の外力付与側の間には、ケース21が備えられている。このケース21には、パレット8がない場合に外殻板16がバネ力によって閉方向に閉じ過ぎないようにするストッパ(図示せず)と、外力によって外殻板16が開方向に広がり過ぎないようにするストッパが配置されている。真空薄膜形成プロセスは、外殻板16を開方向に広げてパレット8を開放した状態で実施するため、コイルバネ19等のパレット両端保持機構15の内部の部品に成膜されないように、内部部品の露出を防止するシールド22が配置されている。
【0038】
次に、図4を参照して、パレット両端保持機構15に外力を付与するクリップ開放機構24の具体的な構造について説明する。図4は、第1の実施形態のクリップ開放機構の構造を示す概略上面断面図である。
【0039】
図4に示すように、開放機構24は、パレット両端保持機構15の外殻板16に外力を付与して挟む力を開放させ、パレット両端保持機構15をパレット8の径方向両端部から脱離させる機構である。具体的には、クリップ開放機構24は、真空チャンバ2内に停止したキャリア1の両端部に搭載されたパレット両端保持機構15に相対した位置に配置されており、且つパレット両端保持機構15の外殻板16に両側から外力を付与することができるように二対配置されている。
【0040】
クリップ開放機構24は、気密性および伸縮性を有するシール部材としてのベローズ41と、ベローズ41の内部に挿通された連結シャフト42とを備えており、シリンダロッド42の先端に押付け部43が設けられている。シリンダロッド42の後端にはシリンダ装置40が接続されており、シリンダロッド42の軸方向に駆動することで、パレット保持機構15の外殻部16に対して押付け部43を押付けて外力を与え、パレット8を開放する。このとき、クリップ開放機構24の動作は、二対のシリンダ装置40がほぼ同時に動き、キャリア1が傾かないように制御されている。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態の基板支持装置1に備えられ、その動作を制御するコントローラについて説明する。図5は、コントローラを例示するブロック図である。
【0042】
図5に示すように、本実施形態の基板支持装置1には、一連のパレット保持機構の動作を制御するコントローラ31A0が備えられている。即ち、プロセスコントローラ31A0は、基板支持装置1からの入力信号を受け取り、一連のパレット保持機構を動作させる制御プログラムに基づいて、基板支持装置1に動作指示を出力するようになっている。プロセスコントローラ31A0は、それぞれ一般的なコンピュータ31A1の基本構成を有する。即ち、これらは、入力部31A2、プログラム及びデータを格納する記憶部31A3、プロセッサ(CPU)31A4及び出力部31A5を備え、対応する装置を制御する。
【0043】
プロセッサ31A4は、制御プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部31A3は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくHDDやROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM等からなる。入力部31A2は、基板支持装置1からのデータ入力機能の他に、外部からの命令の入力を可能とする。
【0044】
〔パレット保持機構の作用効果、基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体〕
次に、図6(a)から(c)を参照して、本実施形態の基板支持装置1の作用と共に、この装置1を用いて実施する本発明に係る基板支持方法について説明する。図6は、第1の実施形態のパレット保持機構の動作を説明する図である。なお、第1の実施形態の基板支持方法のアルゴリズムは、コントローラ31A0の記憶部31A3に制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際にプロセッサ31A4により読み出されて実行される。
【0045】
ここで、制御プログラムは、装置本体の移動中は、パレット両端保持機構15によってパレット8の径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して、当該パレット8を保持する手順を有する。また、パレット両端保持機構15による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構13、15によって上記パレット8を保持する手順を有する。さらに、基板処理時は、パレット中央保持機構13によってパレット8の中心部を回転可能に保持するとともに、パレット両端保持機構15による保持を解除する手順を有する。
【0046】
第1の実施形態の制御プログラムは、コンピュータ(PC)等のコントローラ31A0により読み取り可能な記録媒体に記録されて、コントローラ31A0の記憶部31A3にインストールされる。
【0047】
記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ZIP(登録商標)等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、CD−R、DVD−R、DVD+R,CD−R,DVD−RAM、DVD+RW(登録商標)、PD等の光ディスク等が挙げられる。また、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDカード等のフラッシュメモリ系、マイクロドライブ(登録商標)、Jaz(登録商標)等のリムーバブルディスクが挙げられる。
【0048】
まず、図6(a)は、キャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス実施前の搬送時のキャリア1の状態である。この状態は、説明の都合上、パレット8は全く熱膨張していない状態とする。パレット保持機構15にてパレット8の径方向両端部を板厚方向の両側から挟んでパレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に合わせて保持する。なお、キャリア1が真空室間を移動するときは、パレット保持駆動機構23はパレット8の中央部に配されたパレット保持機構13には連結されていない状態になっている。
【0049】
また、図6(b)はプロセス処理中(基板処理時)のキャリア1の状態である。図6(a)の状態で真空チャンバ2内に停止した後、真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23がパレット中央保持機構13を連結して、パレット8の中央部が回転可能に保持される。さらに、真空チャンバ2内に設置されたクリップ開放機構24にて、パレット保持機構15に対してパレット8を開放する向きに外力を与えてパレット8の保持を解除する。
【0050】
この状態でパレット8が静止し、もしくは回転した状態でプロセス処理を実施する。パレット8の熱膨張はスパッタや加熱などのプロセス中に発生する。パレット8の熱膨張による面積増加分25を誇張してハッチング部で示している。実際に製作したA5052製パレット8の外径はφ590mmで常温20℃から300℃(温度上昇280℃)の場合の計算上の熱膨張は約4mmとなる。
【0051】
さらに、図6(c)はキャリア1が真空チャンバ間を移動するときの状態で、プロセス処理の実施後で、熱膨張した後のキャリア1の状態である。プロセス処理の終了後、パレット保持機構15からクリップ開放機構24を脱離させて、パレット保持機構15でパレット8の径方向両端部を保持する。これと共に、パレット中央保持機構13からパレット保持駆動機構23を脱離させて、パレット8の中心部を開放する。この状態は図6(a)の状態と同様のパレット8の保持状態であるが、パレット両端保持機構15は把持機構であり、パレット8の把持位置をずらして面内方向へずれうるので、熱膨張によるパレット外径の面積増加分25を許容して把持しうる。また、パレット中央保持機構13及びパレット保持駆動機構23でパレット8の中心部を保持した状態で、パレット両端保持機構15でパレット8の径方向両端部を保持している。したがって、パレット8の熱膨張に影響されず、パレット8の径方向両端部を板厚方向に挟んでパレット8を鉛直姿勢で保持し、パレット中央保持機構13の位置は図6(a)の熱膨張前の位置を維持する。
【0052】
以上説明したように、第1の実施形態の基板処理装置及び基板処理装置によれば、パレット両端保持機構15は、パレット8の径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であるので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。このようにパレット両端保持機構15が把持機構であるので、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分25を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、パレット両端保持機構15による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構15、13によってパレット8が保持される。
【0053】
このように、熱膨張によるパレット8の外径寸法変化によるパレット中央保持位置の変化が最小限に抑えられる。したがって、プロセスチャンバ内でのパレット保持動作が安定して行えるようになり、プロセス条件毎に各機構動作の調整を行う必要がない。さらに、パレット8の熱膨張による寸法変化によるパレット両端保持機構15への影響が最小限に抑えられ、かつパレット8がパレット両端保持機構15を介してキャリア1に固定されるので、パレット8が安定して保持される。したがって、パレット8の中心位置のずれなく、パレット保持機構によるパレット保持の信頼性及び動作の信頼性を確保し、搬送異常を防止して生産性を向上できる。
【0054】
さらに、従来のパレットを上下させるリフト機構が不要になる。これにより、本発明によれば、パレット中央保持→パレット両端保持機構開放→成膜プロセス→パレット保持→パレット中央保持開放という5つの動作シーケンスとなり生産タクトの短縮ができる。なお、従来の技術では、パレット上昇→パレット中央保持→リフト下降→成膜プロセス→リフト上昇→パレット中央保持開放→パレット下降という7つの動作シーケンスが必要であった。
【0055】
〈第2の実施形態〉
次に、図7A、図7B及び図8を参照して、第1の実施形態のインライン型基板処理装置、基板支持装置、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体について説明する。なお、基板支持装置7を備えるインライン型基板処理装置の構成は、第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を省略する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明する。
【0056】
〔キャリア1の構造、パレット両端保持機構の具体例〕
次に、図7A及び図7Bを参照して、上記真空室間を搬送される基板支持装置としてのキャリア1の構造について説明する。図7Aは、第2の実施形態の基板支持装置を示す正面図である。図7Bは、第2の実施形態のパレット両端保持機構の開状態を示す正面図である。
【0057】
図7Aに示すように、キャリア1は、1以上の基板12を搭載するパレット8と、トレイ状の支持装置本体(装置本体)9と、この装置本体9の両端部に備えられ、パレット8の径方向両端部を保持するパレット両端保持機構26と、を備えている。なお、1以上の基板12を搭載するパレット8の構成は、第1の実施形態と同様に構成されている。
【0058】
パレット両端保持機構26は、パレット8の径方向両端部に設けられた係合部31に、その径方向外方から係合するアーム機構であって、パレット水平方向中心線の両端に、装置本体9から鉛直方向(垂直)に起立させて配されている。このアーム機構26は、基板処理中はパレット8の径方向両端の係合部31から退避し、装置本体9の移動中はパレット8の径方向両端に移動して該パレット8を保持する係合手段を有している。
【0059】
具体的には、パレット8の径方向両端部に設けられた係合部31は、パレット8の搭載面に板厚方法外方へ突設された一対のピンにより形成されており、ピン31はパレット8の中心部を介して相対向している。
【0060】
アーム機構26の一部(パレット水平方向中心線の延長上)には、中央部に溝を有する二股状の係合部材32が設けられており、この係合部材32の溝が上記ピン31に係合するようになっている。本実施の形態では、パレット8の径方向両端部にピン31を設けているが、これに限定されず、溝であっても構わない。この場合には、係合部材32側をピンとすることが考えられる。係合部31と係合部材32とは、互いに係合し合えばよく、ピンと溝に限定されず、その他の機構を採用してもよい。
【0061】
アーム機構26は、その基端部を中心として回動可能(開閉可能)に設けられており、コイルバネ29によって閉じる方向へ付勢されている。即ち、アーム機構下部と装置本体9との間にコイルバネ29を配置し、外力が与えられない状態ではパレット8を鉛直姿勢で保持し、外力を与えることでパレット8の保持を開放することが可能な構造となっている。なお、真空薄膜形成プロセス時に、コイルバネ29等の構成部品に膜が付着しないように、これらを覆うようにシールド30を配置している。
【0062】
本実施形態では、コイルバネ29の付勢力を利用した構造を採用しているが、これに限定されず、開閉動力としては板バネやマグネットなどを採用してもよい。その他、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成し、外力が付与されない状態ではパレット8を保持し、外力を付与することでパレット8の保持を開放可能な構造を採用することができる。
【0063】
このアーム機構26は、線熱膨張係数の異なる2以上の材料を組み合わせて複合形成されている。本実施の形態では、比較的線膨張係数の大きな材料と線膨張係数の小さな材料との2種類の材料を使用して構成されているが、組み合せる材料の種類や数は限定されない。
【0064】
具体的には、本実施形態では、熱膨張係数の異なる2種類の材料として、例えば、線熱膨張係数の小さい材料をチタン(TP340線熱膨張係数8.4E−6)、大きい材料をアルミニウム(A5052線熱膨張係数23.8E−6)を使用した。線熱膨張係数の比率から各材料で形成するアームの長さを決める。チタンとアルミニウムの線熱膨張係数の比率は約1:2.8となるので、チタンで製作したアームA27とアルミニウムで製作したアームB28の長さ比率は2.8:1となるように構成する。
【0065】
アームA27を鉛直に立て、その上部先端にアームB28を固定して熱膨張向きが相反するように構成し、アームB28の先端にパレット8を保持するための係合部材32を備える。アーム機構26はパレット保持時に、熱膨張によるパレット8の外径変化に追従して左右に開閉可能となるように装置本体9に不図示のベアリングを介して固定されており、パレット8のピン31を径方向外方から挟み込んで保持できるようになっている。
【0066】
したがって、上記係合部材32は、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、アーム機構26を左右に開閉移動させてパレット8の係合部の係合位置をずらし、熱膨張によるパレット8の面積増加分を許容する。アーム自体の熱膨張は、熱膨張係数の比率により構成したアームA27とアームB28の熱膨張差で相殺する。
【0067】
装置本体9の下部には、真空室間でキャリア1を移動させる上記マグネット式の搬送機構と磁気連結させるための搬送マグネット11を有するスライダー10が固定されている。第1の実施形態で説明したように、例えば、スライダー10にラック・アンド・ピニオン機構のラックを固定してもよい。
【0068】
また、パレット8の搭載面の中心部には、パレット8の中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構13が配されている。このパレット中央保持機構13は、第1の実施形態と同様に長穴状に開口された穴として形成され、各真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23によって、回転駆動される(図8参照)。なお、パレット保持駆動機構23として、例えば、チャック式、十字穴式、ピン挿入式、歯車状式等の一般的な連結機構を搭載することができることは、第1の実施形態と同様である。
【0069】
さらに、第2実施形態の基板支持装置1には、その動作を制御するコントローラ31A0が備えられているが、第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0070】
〔パレット保持機構の作用効果、基板支持方法、制御プログラム及び記録媒体〕
次に、図8(a)から(c)を参照して、第2の実施形態の基板支持装置1の作用と共に、この装置1を用いて実施する第2の実施形態の基板支持方法について説明する。図8は、パレット保持機構の動作を説明する図である。なお、第2の実施形態の基板支持方法のアルゴリズムは、コントローラの記憶部31A3に制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際にプロセッサ31A4により読み出されて実行される(図5参照)。
【0071】
ここで、制御プログラムは、装置本体の移動中は、パレット両端保持機構26によってパレット8の径方向両端部に設けられた係合部31に、その径方向外方から係合する手順を有する。また、パレット両端保持機構26による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構13、26によってパレット8を保持する手順を有する。さらに、基板処理時は、パレット中央保持機構13によってパレット8を回転可能に保持するとともに、パレット両端保持機構26による保持を解除する手順を有する。
【0072】
第2の実施形態の制御プログラムは、コンピュータ(PC)等のコントローラ31A0により読み取り可能な記録媒体に記録されて、コントローラ31A0の記憶部31A3にインストールされる(図5参照)。記録媒体としては、第1の実施形態で例示したものが挙げられる。
【0073】
まず、図8(a)はキャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス処理実施前の搬送時のキャリア1の状態である。この状態は、説明の都合上、パレット8は全く熱膨張していない状態とする。パレット8の径方向両端部に設けられたピン31を水平に位置させ、この延長線上で装置本体9の両端に鉛直に起立させて設置したアーム機構26の先端部の係合部材32によって、ピン31を係合し、パレット8の基板搭載面を鉛直姿勢に合わせて保持する。なお、キャリア1が真空室間を移動するときは、パレット保持駆動機構23はパレット8の中央部に配されたパレット保持機構13には連結されていない状態になっている。
【0074】
また、図8(b)はプロセス処理中(基板処理時)のキャリア1の状態である。図8(a)の状態で真空チャンバ2内に停止した後、真空チャンバ2内に設置されたパレット保持駆動機構23がパレット中央保持機構13を連結して、パレット8の中央部が回転可能に保持される。さらに、真空チャンバ2内に設置された不図示のアーム開閉機構により、パレット8を開放する向きにアーム機構26に外力を付与してパレット8の保持を解除する。
【0075】
この状態でパレット8が静止し、もしくは回転した状態でプロセス処理を実施する。パレット8の熱膨張はスパッタや加熱などのプロセス中に発生する。パレット8の熱膨張による面積増加分25を誇張してハッチング部で示している。実際に製作したA5052製パレット8の外径はφ590mmで常温20℃から300℃(温度上昇280℃)の場合の計算上の熱膨張は約4mmとなる。このときアームA27及びアームB28も加熱の影響を受け熱膨張をするが、アームA27はホルダ下部の固定部から上方へ熱膨張し、アームB28はアームA27上部先端の固定部から下方へ熱膨張する。したがって、この熱膨張は線熱膨張係数の比率から同等となるため相殺され係合部材32の高さは、殆ど変わらない。
【0076】
さらに、図8(c)はキャリア1が真空室間を移動するときの状態であり、プロセス処理の実施後で、熱膨張した後の搬送時のキャリア1の状態である。プロセス処理の終了後、アーム開閉機構をアーム機構26から開放してパレット8を保持する。これと共に、パレット中央保持機構13からパレット保持駆動機構23を脱離させて、パレット8の中心部を開放する。この状態は図8(a)の状態と同様のパレット8の保持状態であるが、アーム機構26は開閉機構であり、左右に開閉して面内方向へずれうるので、熱膨張によるパレット外径の面積増加分25を許容して把持しうる。また、パレット中央保持機構13及びパレット保持駆動機構23でパレット8の中心部を保持した状態で、アーム機構26の係合部材32でパレット8の径方向両端部を保持している。したがって、パレット8の熱膨張に影響されず、パレット8の径方向両端部を板厚方向に挟んでパレット8を鉛直姿勢で保持し、パレット中央保持機構13の中心位置は図8(a)の熱膨張前の位置を維持する。
【0077】
以上説明したように、第2の実施形態の基板処理装置及び基板処理装置によれば、アーム機構26は、パレット8の径方向両端部に設けられたピン31に、その径方向外方から係合する係合部材32を有しているので、搬送中のパレットの落下や位置ずれが生じない。また、係合部材32はピン31その径方向外方から係合する機構であり、アーム機構26が開閉可能であるので、パレット8が加熱されて熱膨張した場合に、熱膨張によるパレット外径の増加分25を許容する程度に面内方向へずれうる。さらに、アーム機構26による保持とパレット中央保持機構13による保持との受け渡し時は、双方の保持機構26、13によってパレット8が保持される。
【0078】
また、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、熱膨張によるパレット8の外径寸法変化によるパレット中央保持位置の変化が最小限に抑えられ、プロセス条件毎に各機構動作の調整を行う必要がない。さらに、パレット8の熱膨張による寸法変化によるパレット保持機構15への影響が最小限に抑えられ、かつパレット8がアーム機構26の係合部材32を介してキャリア1に固定されるので、パレット8が安定して保持される。
【0079】
さらに、アーム機構26が開閉機構であるので、従来のパレットを上下させるリフト機構が不要になる。したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、パレット中央保持→パレット両端保持機構開放→成膜プロセス→パレット保持→パレット中央保持開放という5つの動作シーケンスとなり生産タクトの短縮ができる。
【符号の説明】
【0080】
1 基板支持装置(キャリア)
2 真空チャンバ
3 ゲートバルブ
8 パレット
9 装置本体
11 搬送マグネット(移動機構)
12 基板
13 パレット中央保持機構
15 パレット両端保持機構
23 パレット保持駆動機構
24 クリップ開放機構
25 熱膨張によるパレット面積増加分
26 パレット両端保持機構(アーム機構)
27 アームA
28 アームB
31 ピン(係合部)
32 係合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
前記パレット両端保持機構は、前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であって、前記装置本体の移動中は、該パレット両端保持機構が前記パレットを保持し、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持し、前記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置。
【請求項2】
前記パレット中央保持機構は、基板処理中は前記パレットの中心部に移動して該パレットを保持し、前記装置本体の移動中は前記パレットの中心部から退避する駆動機構と連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記パレット両端保持機構は、基板処理中は前記パレットの径方向両端部から脱離可能な保持部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記保持部材は、パレットの径方向両端部を板厚方向の両側から挟み込んでパレットを鉛直姿勢で保持可能なクリップ機構であり、パレット水平方向中心線の延長上に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記クリップ機構は、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成され、外力が付与されない状態ではパレットを保持し、外力を付与することでパレットの保持を開放可能な構造を有することを特徴とする請求項4に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記クリップ機構は、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、パレットの把持位置をずらして、熱膨張によるパレットの面積増加分を許容することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記クリップ機構は、これに外力を付与して把持を開放させる開放機構を備えていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項8】
基板の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、前記基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるインライン型基板処理装置において、
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板支持装置を備え、
前記基板支持装置によって、前記基板を搭載するパレットは鉛直姿勢で真空室間を移動するように構成され、前記パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状のターゲットを固定する支持部が配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置を用いて実施する基板支持方法であって、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して前記パレットを保持する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持は解除する手順と、
を有することを特徴とする基板支持方法。
【請求項10】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置のコントローラに、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して前記パレットを保持する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を実行させることを特徴とする基板支持装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
前記パレット両端保持機構は、前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であって、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持し、前記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置。
【請求項13】
前記パレット中央保持機構は、基板処理中は前記パレットの中心部に移動して該パレットを保持し、前記装置本体の移動中は前記パレットの中心部から退避する駆動機構と連結されることを特徴とする請求項12に記載の基板支持装置。
【請求項14】
前記パレット両端保持機構は、基板処理中は前記パレットの径方向両端から退避し、前記装置本体の移動中は前記パレットの径方向両端に移動して該パレットを保持する係合部材を有することを特徴とする請求項12または13に記載の基板支持装置。
【請求項15】
前記係合部材は、前記パレットが加熱されて熱膨張した場合に、前記パレットの係合部の係合位置をずらして、熱膨張による前記パレットの面積増加分を許容することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項16】
前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部はピンもしくは溝であって、
前記係合部材は、前記パレット水平方向中心線の両端に鉛直方向に起立して設けられたアーム機構の一部であり、該アーム機構が前記係合部に係合することを特徴とする請求項14または15に記載の基板支持装置。
【請求項17】
前記アーム機構は、線熱膨張係数の異なる2以上の材料を組み合わせて複合形成されていることを特徴とする請求項16に記載の基板支持装置。
【請求項18】
基板の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、前記基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるインライン型基板処理装置において、
請求項12から17のいずれか1項に記載の基板支持装置を備え、
前記基板支持装置によって、前記基板を搭載するパレットは鉛直姿勢で真空室間を移動するように構成され、前記パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状のターゲットを固定する支持部が配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項19】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置を用いて実施する基板支持方法であって、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を有することを特徴とする基板支持方法。
【請求項20】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置のコントローラに、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を実行させることを特徴とする基板支持装置の制御プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
前記パレット両端保持機構は、前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持する機構であって、前記装置本体の移動中は、該パレット両端保持機構が前記パレットを保持し、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持し、前記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置。
【請求項2】
前記パレット中央保持機構は、基板処理中は前記パレットの中心部に移動して該パレットを保持し、前記装置本体の移動中は前記パレットの中心部から退避する駆動機構と連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記パレット両端保持機構は、基板処理中は前記パレットの径方向両端部から脱離可能な保持部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記保持部材は、パレットの径方向両端部を板厚方向の両側から挟み込んでパレットを鉛直姿勢で保持可能なクリップ機構であり、パレット水平方向中心線の延長上に備えられていることを特徴とする請求項3に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記クリップ機構は、外力を開放することで把持力を発生させる要素にて構成され、外力が付与されない状態ではパレットを保持し、外力を付与することでパレットの保持を開放可能な構造を有することを特徴とする請求項4に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記クリップ機構は、パレットが加熱されて熱膨張した場合に、パレットの把持位置をずらして、熱膨張によるパレットの面積増加分を許容することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記クリップ機構は、これに外力を付与して把持を開放させる開放機構を備えていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項8】
基板の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、前記基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるインライン型基板処理装置において、
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板支持装置を備え、
前記基板支持装置によって、前記基板を搭載するパレットは鉛直姿勢で真空室間を移動するように構成され、前記パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状のターゲットを固定する支持部が配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置を用いて実施する基板支持方法であって、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して前記パレットを保持する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持は解除する手順と、
を有することを特徴とする基板支持方法。
【請求項10】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置のコントローラに、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部をその板厚方向の両側から把持して前記パレットを保持する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットの中心部を回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を実行させることを特徴とする基板支持装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備え、
前記パレット両端保持機構は、前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する機構であって、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットが保持され、
基板処理時は前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持し、前記パレット両端保持機構による保持は解除されることを特徴とする基板支持装置。
【請求項13】
前記パレット中央保持機構は、基板処理中は前記パレットの中心部に移動して該パレットを保持し、前記装置本体の移動中は前記パレットの中心部から退避する駆動機構と連結されることを特徴とする請求項12に記載の基板支持装置。
【請求項14】
前記パレット両端保持機構は、基板処理中は前記パレットの径方向両端から退避し、前記装置本体の移動中は前記パレットの径方向両端に移動して該パレットを保持する係合部材を有することを特徴とする請求項12または13に記載の基板支持装置。
【請求項15】
前記係合部材は、前記パレットが加熱されて熱膨張した場合に、前記パレットの係合部の係合位置をずらして、熱膨張による前記パレットの面積増加分を許容することを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項16】
前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部はピンもしくは溝であって、
前記係合部材は、前記パレット水平方向中心線の両端に鉛直方向に起立して設けられたアーム機構の一部であり、該アーム機構が前記係合部に係合することを特徴とする請求項14または15に記載の基板支持装置。
【請求項17】
前記アーム機構は、線熱膨張係数の異なる2以上の材料を組み合わせて複合形成されていることを特徴とする請求項16に記載の基板支持装置。
【請求項18】
基板の搬送方向に沿って複数の真空室が気密接続され、前記基板に対して連続的に真空成膜処理が施されるインライン型基板処理装置において、
請求項12から17のいずれか1項に記載の基板支持装置を備え、
前記基板支持装置によって、前記基板を搭載するパレットは鉛直姿勢で真空室間を移動するように構成され、前記パレットの両面に対向するように、該パレットの回転中心と同心円状のターゲットを固定する支持部が配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項19】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置を用いて実施する基板支持方法であって、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を有することを特徴とする基板支持方法。
【請求項20】
1以上の基板を搭載するパレットと、
支持装置本体に備えられ、前記パレットの基板搭載面を鉛直姿勢した状態で、前記パレットの径方向両端部を保持するパレット両端保持機構と、
前記パレットの搭載面の中心部に配され、該パレットの中心部を回転可能に保持するパレット中央保持機構と、
前記支持装置本体を移動する移動機構と、
を備える基板支持装置のコントローラに、
前記装置本体の移動中は、前記パレット両端保持機構によって前記パレットの径方向両端部に設けられた係合部に、その径方向外方から係合する手順と、
前記パレット両端保持機構による保持と前記パレット中央保持機構による保持との受け渡し時は、双方の保持機構によって前記パレットを保持する手順と、
基板処理時は、前記パレット中央保持機構によって前記パレットを回転可能に保持するとともに、前記パレット両端保持機構による保持を解除する手順と、
を実行させることを特徴とする基板支持装置の制御プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2010−232633(P2010−232633A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7700(P2010−7700)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]